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1. WO2020195363 - 接続構造及び薬液投与器具

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明 細 書

発明の名称 接続構造及び薬液投与器具

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 接続構造及び薬液投与器具

技術分野

[0001]
 本発明は、内部の薬液に圧力を加えつつ吐出する医療用容器の接続構造及び薬液投与器具に関する。

背景技術

[0002]
 従来より、患者の体に装着して液状の薬剤を投与する薬液投与器具が知られている。例えば、特開2010-131064号公報は、筐体の内部に、シリンジ(医療用容器)及びそのプランジャを動作させるアクチュエータを収容した薬液投与器具が開示されている。この薬液投与器具では、シリンジの薬液排出部(チップ)に装着されたチューブを介して患者の皮下に穿刺された針管に薬剤が送り込まれる。
[0003]
 このような薬液投与器具では、シリンジのチップにねじ込み式の雌コネクタが設けられており、この雌コネクタにチューブの端部に接続された雄コネクタを捻じ込んで薬液の流路を確保する構造となっている。

発明の概要

[0004]
 ところで、薬液投与器具において、シリンジの薬液排出部の耐圧性を高めるために、シリンジ先端の薬液排出部の外周部にアダプタを設け、そのアダプタにコネクタ付きのチューブをねじ止めにより接続するルアーテーパー構造とすることが考えられる。
[0005]
 しかし、ねじ機構による固定では、使用している間に徐々にねじが緩むことがある。このため、患者が定期的にコネクタとアダプタとの締め込み具合を管理する必要があり、煩雑であるという問題がある。
[0006]
 一方、医療用容器の薬液排出部に弾性部材よりなる弾性封止体を設け、その弾性封止体に接続針を穿刺する接続方法であれば、ねじ込み式のコネクタに見られる緩みが発生しない。そのため、長時間、継続的に流路を確保するためには有効である。
[0007]
 しかし、薬液の圧力が高い場合には、弾性封止体と接続針との間や、弾性封止体と医療用容器の薬液排出部との間における気密性が不十分となり、液漏れを生じるおそれがある。
[0008]
 そこで、弾性封止体の気密性を向上させるために、製品生産時に弾性封止体の充填圧力を上げることが考えられるが、滅菌工程の熱や保管時の経時変化によって弾性封止体の反発力が失われてしまい、気密性を上げることは容易ではないという問題がある。また、弾性封止体の充填圧力が高いと、接続針の穿刺が困難になるといった問題も生じる。
[0009]
 したがって、十分な耐圧性を保ちながら、弾性封止体を接続針で容易に穿刺可能な、接続構造及び薬液投与器具が求められている。
[0010]
 以下の開示の一観点は、薬液を収容する薬液収容部と、前記薬液収容部の先端に設けられた前記薬液を排出する薬液排出部と、を有する医療用容器の接続構造であって、前記薬液排出部の外方を覆うように装着される装着部と、前記装着部の先端部に形成された開口部と、前記開口部と前記薬液排出部との間の空間に配置されて前記薬液排出部を封止する弾性封止体と、を有する封止部材と、前記弾性封止体を穿刺する接続針と、前記接続針を保持する針ハブと、を有し、前記封止部材に装着可能なコネクタと、を備え、前記コネクタは、前記封止部材に前記コネクタを装着して前記接続針を前記弾性封止体に穿刺した際に、前記弾性封止体を圧縮する押込構造を有し、前記接続針の穿刺前の前記弾性封止体の体積をAとし、前記接続針の穿刺後の前記弾性封止体の体積をBとして、前記押込構造は圧縮率A/Bが70~95%の範囲で前記弾性封止体を圧縮する、接続構造にある。
[0011]
 以下の開示の別の一観点は、薬液を収容する薬液収容部と、前記薬液を排出する薬液排出部と、を有する医療用容器と、前記薬液排出部に接続される接続構造とを備えた、薬液投与器具であって、前記接続構造は、前記薬液排出部の外方を覆うように装着される装着部と、前記薬液排出部の延在方向の前記装着部に形成された開口部と、前記開口部と前記薬液排出部との間の空間に配置されて前記薬液排出部を封止する弾性封止体と、を有する封止部材と、前記弾性封止体を穿刺する接続針と、前記接続針を保持する針ハブと、を有するコネクタと、を備え、前記コネクタは、前記封止部材に前記コネクタを装着して前記接続針を前記弾性封止体に穿刺した際に、前記弾性封止体を圧縮する押込構造を有し、前記接続針の穿刺前の前記弾性封止体の体積をAとし、前記接続針の穿刺後の前記弾性封止体の体積をBとして、前記押込構造は圧縮率A/Bが70~95%の範囲で前記弾性封止体を圧縮する、薬液投与器具にある。
[0012]
 上記観点の接続構造及び薬液投与器具によれば、弾性封止体が十分な耐圧性を発揮して高耐圧を必要とする流路に使用する場合であっても、気密性を維持できる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 第1実施形態に係る接続構造及び薬液投与器具を、接続針の穿刺前の状態で示す斜視図である。
[図2] 図1の薬液排出部及び封止部材を示す断面図である。
[図3] 図1の接続構造及び薬液投与器具を、接続針の穿刺後の状態で示す斜視図である。
[図4] 図3の接続構造及び薬液投与器具の断面図である。
[図5] 図1の接続構造における弾性封止体の変形を示す説明図である。
[図6] 実施例1及び比較例1の接続構造における、耐圧性及び穿刺性の評価結果を示す表である。
[図7] 第2実施形態に係る接続構造及び薬液投与器具を、接続針の穿刺前の状態で示す断面図である。
[図8] 図7の接続構造及び薬液投与器具を、接続針の穿刺後の状態で示す断面図である。
[図9] 図7の接続構造における弾性封止体の変形を示す説明図である。
[図10] 実施例2及び比較例2の接続構造における、耐圧性及び穿刺性の評価結果を示す表である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。また、以下の説明において、医療用容器12の薬液収容部16から接続針28、38に向かう方向を「先端方向」又は「先端側」と呼び、その反対方向を「基端方向」又は「基端側」と呼ぶ。
[0015]
(第1実施形態)
 本実施形態に係る薬液投与器具10は、図1に示すように、薬液を供給する医療用容器12と、医療用容器12に装着された接続構造14とを備えている。図示の医療用容器12は、例えばシリンジである。医療用容器12は、基端側に薬液を収容する薬液収容部16を備えている。薬液収容部16は円筒状に形成されており、その内部に収容室18(図2参照)が形成されている。薬液収容部16及び収容室18は軸方向に延びている。
[0016]
 特に図示しないが、薬液収容部16の基端側には、収容室18を液密に仕切るガスケットが設けられている。このガスケットの基端側には押し子が接合されている。押し子は、手動又は電動等の各種駆動手段によって動作し、収容室18に収容された薬液を所定の圧力に加圧するように構成されている。薬液投与器具10及び接続構造14は、収容室18内の薬液に所定の圧力(例えば、600kPa程度)が作用しても液漏れや破損等を起こさずに正常に動作することが求められる。
[0017]
 薬液収容部16の先端側は縮径された縮径部16aが設けられている。その縮径部16aからは、図2に示すように、薬液を排出する薬液排出部20が軸方向先端側に向けて突出している。薬液排出部20は、円筒状に形成されており、その薬液排出部20の内部には収容室18と連通した薬液流路22が薬液排出部20の中心軸に沿って形成されている。薬液流路22は、薬液排出部20の先端部20aにおいて開口している。
[0018]
 図1に示すように、接続構造14は、薬液排出部20の外周部及び先端部20aを覆うように装着されて薬液排出部20の薬液流路22を封止する封止部材25と、封止部材25に穿刺されるコネクタ30とを備えている。このうち、封止部材25は、図2に示すように、薬液排出部20の外周部に装着される装着部24と、装着部24に形成された開口部24aと、開口部24aと薬液排出部20との間の空間に配置される弾性封止体26とを備えている。
[0019]
 装着部24は、有底円筒状に形成された部材であり、円筒状に形成された側壁部24cと、側壁部24cの先端側に形成されて径方向内方に延び出た先端壁24bとを備えている。側壁部24cは、薬液排出部20の外方を覆うように配置される。側壁部24cには、内方に突出した爪部24eが設けられている。爪部24eは、薬液排出部20から外方に突出した係合突起20bに係合可能に構成されている。この爪部24eが装着部24の係合突起20bに係合することで、薬液排出部20に対して装着部24が固定される。先端壁24bと側壁部24cとの境界には、外部からコネクタ30を装着するための段差部24b1が形成されている。段差部24b1は、側壁部24cよりも径方向外方に突出して形成されている。また、側壁部24cの周方向の一部には、係合突起20bを通すための窓部24fが設けられている。
[0020]
 先端壁24bの内部には、弾性封止体26を収容するための収容凹部24dが形成されている。収容凹部24dは、薬液排出部20の先端部20aの外径に略等しい外径の円形の凹部として形成されている。装着部24を薬液排出部20に装着すると、収容凹部24dは薬液排出部20の外径に略等しい外径を有する円柱状の空間を形成するように構成されている。
[0021]
 装着部24の中心軸付近の先端壁24bには、円形の開口部24aが形成されている。開口部24aは、先端壁24bを軸方向に貫通し、収容凹部24dに連通する。開口部24aは、薬液排出部20の薬液流路22の内径と略同じ内径に形成されており、且つ、薬液流路22の延在方向に形成されている。
[0022]
 装着部24は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル等の合成樹脂、又はステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。
[0023]
 弾性封止体26は、医療用のゴム材料(例えば、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等)又は各種エラストマー材料等の弾力性を有する材料で形成されている。弾性封止体26は、封止部材25に組付けられる前の状態では、図2に二点鎖線で示すように、円板状に形成されている。その弾性封止体26の直径は、収容凹部24dの内径と略同じ大きさに形成されている。また、弾性封止体26の厚さ(軸方向の長さ)は、組付けられる前の状態において、収容凹部24dの軸方向の寸法よりも、例えば2割程度大きく形成されている。
[0024]
 弾性封止体26は、収容凹部24dに挿入された状態で、装着部24とともに薬液排出部20に組付けられる。これにより、弾性封止体26は、収容凹部24dによって形成される空間内に、軸方向に圧縮された状態で配置される。弾性封止体26は、軸方向に圧縮された部分が収容凹部24dに密着して円板状の本体部26aを構成する。また、弾性封止体26の基端側からは第1凸部26bが突出して薬液排出部20の薬液流路22に挿入され、弾性封止体26の先端側からは第2凸部26cが突出して開口部24aに挿入されている。
[0025]
 弾性封止体26は、本体部26aの軸方向の厚みが元の状態の8割程度となるように圧縮されており、装着部24と薬液排出部20との隙間を密に埋めることで、薬液排出部20の薬液流路22を液密及び気密に封止している。
[0026]
 図1に示すように、コネクタ30は、鋭利な針先29を有する接続針28と、接続針28を支持する針ハブ36とを備えている。接続針28は、針ハブ36の基端側に突出しており、その基端部には円錐状に縮径した穿刺部32を備えている。
[0027]
 図4に示すように、接続針28は、中空に形成されており、その内部に流路34が形成されている。流路34は、穿刺した際に弾性封止体26の破片が流路34内に入るコアリングを防ぐために、針先29を外れた接続針28の側部の開口部33で開口している。本実施形態の接続針28では、薬液の流路確保に必要とされる直径より太く形成されている。接続針28の直径は、弾性封止体26に穿刺した際に、弾性封止体26を径方向外方に圧縮することで接続針28と弾性封止体26との間及び、弾性封止体26と封止部材25との間で所定の耐圧性を発揮可能な太さに構成されている。すなわち、接続針28が本実施形態において弾性封止体26を押圧する押込構造27を構成している。
[0028]
 針ハブ36は、接続針28と一体的に形成されており、接続針28の外方に拡径した円筒状に形成されている。特に図示しないが、針ハブ36側には、接続チューブ又はコネクタ等が装着される。図3に示すように、接続構造14は、コネクタ30を封止部材25に押し込んで使用される。このとき、図4に示すように、封止部材25の開口部24aから、接続針28が弾性封止体26を刺し貫くように穿刺される。
[0029]
 接続針28を弾性封止体26に穿刺することにより、接続針28の流路34の開口部33が薬液排出部20の薬液流路22内に配置され、流路34が収容室18と連通する。薬液は、接続針28の流路34を通じて、医療用容器12から排出可能となる。収容室18の内圧が高まった場合には、薬液排出部20と弾性封止体26との境界や、接続針28と弾性封止体26との境界部分から薬液が漏洩する可能性がある。
[0030]
 薬液投与器具10においては、封止部材25を薬液排出部20に組付けた後、医療用容器12のオートクレーブ滅菌が行われる。その際に、薬液投与器具10が120℃程度の温度に曝されるため、弾性封止体26が封止部材25と薬液排出部20との間の空間に馴染んで反発力を失ってしまうことがある。また、薬液投与器具10の製造後、使用されるまでに、数か月から1年程度保管されていることが想定され、その間に経時的な変化によって弾性封止体26が弾性力を失ってしまうことがある。そのため、従来の薬液投与器具では、弾性封止体が十分な耐圧性を発揮できず、収容室の内圧が高くなった場合に液漏れを生ずるおそれがあった。
[0031]
 これに対し、本実施形態の薬液投与器具10及び接続構造14では、接続針28が薬液の流路確保に必要な太さよりも太く形成されている。この接続針28を弾性封止体26に穿刺すると、図5の斜線部V1に示すように、接続針28が弾性封止体26を厚み方向に貫通する部分の体積だけ、弾性封止体26が圧縮されて弾性封止体26の体積が減少する。すなわち、接続針28によって、弾性封止体26が径方向外方に向けて圧縮され、弾性封止体26の耐圧性を発揮させることが可能となる。
[0032]
(実施例1及び比較例1)
 実施例1及び比較例1では、図5に示す接続針28を弾性封止体26に穿刺して、弾性封止体26の圧縮率の好適な範囲について評価を行った。なお、本明細書において、弾性封止体26の圧縮率とは、接続針28の穿刺前の弾性封止体26の体積をAとし、接続針28の穿刺後の弾性封止体26の体積をBとした際に、体積Bを体積Aで除算(B/A)して求まる値である。なお、穿刺後の弾性封止体26の体積Bは、穿刺前の弾性封止体26の体積Aから、弾性封止体26を貫通する部分の接続針28の斜線部V1の体積を減算した値と概ね同じとなる。
[0033]
 本実施例では、弾性封止体26の圧縮率が80%になる太さの接続針28と、弾性封止体26の圧縮率が70%になる太さの接続針28を用意した。そして、これらの接続針28を弾性封止体26に穿刺する際の穿刺性を評価した。また、接続針28を弾性封止体26に穿刺した状態で、収容室18の薬液に600KPaの圧力を加えて液漏れの有無を調べることにより、弾性封止体26の耐圧性を評価した。
[0034]
 一方、比較例1では、弾性封止体26の圧縮率が65%になる太さの接続針28を用意した。そして、比較例1についても、穿刺性及び耐圧性を評価した。
[0035]
 実施例1及び比較例1の評価結果を図6に示す。図6に示すように、接続針28の太さが、圧縮率が80%~70%となる範囲については、弾性封止体26に容易に接続針28を穿刺することができ、良好な穿刺性が得られた。また、収容室18の薬液に600KPaの圧力を加えても液漏れが発生せず、十分な耐圧性が得られることが確認できた。
[0036]
 一方、比較例1でも、弾性封止体26に液漏れは発生せず十分な耐圧性が得られることが確認できた。しかしながら、比較例1では、弾性封止体26へ穿刺するために、大きな力を要し、穿刺性に問題が生じた。すなわち、圧縮率が65%以下の範囲では、穿刺時の荷重入力によって、弾性封止体26が変位する等、周辺部材に負担が掛かりすぎてしまうことが判明した。
[0037]
 したがって、本実施形態のように、押込構造27として、接続針28の径を太くする場合には、弾性封止体26の圧縮率が70%以上となる範囲の太さとすることが好ましい。
[0038]
 本実施形態の薬液投与器具10及び接続構造14は以下の効果を奏する。
[0039]
 接続構造14は、薬液を収容する薬液収容部16と、薬液収容部16の先端に設けられた薬液を排出する薬液排出部20と、を有する医療用容器12に用いられる接続構造14に関し、薬液排出部20の外方を覆うように装着される装着部24と、装着部24の先端部に形成された開口部24aと、開口部24aと薬液排出部20との間の空間に配置されて薬液排出部20を封止する弾性封止体26と、を有する封止部材25と、弾性封止体26を穿刺する接続針28と、接続針28を保持する針ハブ36と、を有し、封止部材25に装着可能なコネクタ30と、を備え、コネクタ30は、接続針28を弾性封止体26に穿刺した際に、弾性封止体26を圧縮する押込構造27を有している。
[0040]
 上記のように構成することにより、弾性封止体26が馴染んで反発力を失った場合であっても、使用直前に弾性封止体26が圧縮されて、弾性封止体26の耐圧性を回復させることができる。
[0041]
 上記の接続構造14において、接続針28の穿刺前の弾性封止体26の体積をAとし、接続針28の穿刺後の弾性封止体26の体積をBとして、押込構造27を構成する接続針28は圧縮率B/Aが70%以上となる範囲で弾性封止体26を圧縮する。このように構成することにより、弾性封止体26の耐圧性を確保しつつ、接続針28の穿刺性を両立させることができる。
[0042]
 上記の接続構造14において、弾性封止体26は円板状に形成されてなり、押込構造27は、弾性封止体26の径に対して所定の径を有する接続針28よりなり、押込構造27(接続針28)は弾性封止体26の径方向に圧縮率を増大させてもよい。このように構成することにより、弾性封止体26の耐圧性を向上させることができる。
[0043]
 上記の接続構造14において、弾性封止体26の体積Aは、開口部24aと薬液排出部20との隙間に配置される前の弾性封止体26の体積よりも圧縮されていてもよい。これにより、開口部24aと薬液排出部20との隙間に弾性封止体26が隙間なく配置されるため、接続針28を穿刺すると弾性封止体26の圧縮力に効率よく変換されて、弾性封止体26の耐圧性を確実に向上させることができる。
[0044]
 本実施形態の薬液投与器具10は、薬液を収容する薬液収容部16と、薬液を排出する薬液排出部20と、を有する医療用容器12と、薬液排出部20に接続される接続構造14とを備えている。そして、薬液投与器具10の接続構造14は、薬液排出部20の外方を覆うように装着される装着部24と、薬液排出部20の延在方向の装着部24に形成された開口部24aと、開口部24aと薬液排出部20との間の空間に配置されて薬液排出部20を封止する弾性封止体26と、を有する封止部材25と、弾性封止体26を穿刺する接続針28と、接続針28を保持する針ハブ36と、を有するコネクタ30と、を備え、コネクタ30は、接続針28を弾性封止体26に穿刺した際に、弾性封止体26を圧縮する押込構造27を有している。これにより、高い圧力が作用しても液漏れすることなく使用できる薬液投与器具10が得られる。
[0045]
(第2実施形態)
 図7に示すように、本実施形態の薬液投与器具10A及び接続構造14Aは、コネクタ40において、図1~図5を参照しつつ説明した薬液投与器具10及び接続構造14と異なる。なお、薬液投与器具10A及び接続構造14Aにおいて、薬液投与器具10及び接続構造14と同様の構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
[0046]
 コネクタ40は、接続針38と、接続針38を保持する針ハブ50と、接続針38の根元の部分に設けられた突出部39と、接続針38の外方を囲むように形成された案内壁48とを備えている。
[0047]
 接続針38は、例えば、ステンレス鋼、銅合金、チタン合金、アルミニウム合金等の金属材料よりなり、その基端部に鋭利な針先38aが形成されている。接続針38の内部は中空状に形成されており、その中空部が軸方向に延びて流路44を形成している。流路44は、弾性封止体26を穿刺した際のコアリングを防ぐべく、針先38aよりも先端側の接続針38の側部の開口部42において開口している。
[0048]
 接続針38の先端側(根元の部分)には、接続針38の外周部に当接するようにして、突出部39が設けられている。突出部39は、円筒状に形成され、針ハブ50の仕切壁46から軸方向基端側に突出している。図8に示すように、突出部39は、コネクタ40を封止部材25に装着した際に、装着部24の開口部24aに挿入されて弾性封止体26を押圧する部位であり、本実施形態における押込構造を構成している。突出部39は接続針38を保持するべく、接着剤等で接続針38の側部と接合されている。
[0049]
 図7に示すように、仕切壁46の先端側には、コネクタ等を接続するための接続ポート51が形成されている。また、仕切壁46の基端側には、筒状部52が基端方向に向けて突出して形成されている。筒状部52の基端部には、フランジ状に拡径した拡径部53が設けられている。拡径部53の外周部からは、基端側に向けて、案内壁48が円筒状に延び出て形成されている。案内壁48の基端部48aの内径は、封止部材25の装着部24の外径と略同じ径に形成されている。この案内壁48は、コネクタ40を封止部材25に装着する際に、接続針38に先立って装着部24の外周部に嵌合し、接続針38が弾性封止体26の中心へ穿刺されるように案内する。
[0050]
 案内壁48の内側部には、ロック片48bが内方に突出して形成されている。ロック片48bは、装着部24の段差部24b1に係合可能な位置に形成されている。図8に示すように、コネクタ40を基端側に押し込むと、ロック片48bが段差部24b1に係合して、コネクタ40が軸方向基端側に付勢された状態で封止部材25に固定される。
[0051]
 本実施形態においては、接続針38は、薬液の流量の確保に十分な径に形成されており、図1~図5を参照しつつ説明した接続針28よりも小さな直径に形成されている。そのため、接続針38は、弾性封止体26に容易に穿刺可能となっている。また、コネクタ40を封止部材25に固定すると、突出部39が開口部24a内に押し込まれて、弾性封止体26が先端側から基端側に向けて軸方向に圧縮される。この圧縮によって、弾性封止体26が接続針38、装着部24及び薬液排出部20と、密着して耐圧性が発揮される。
[0052]
(実施例2及び比較例2)
 実施例2及び比較例2では、図9に示す薬液投与器具10A及び接続構造14Aを用意して、接続針38の穿刺性の評価及び、弾性封止体26の耐圧性の評価を行った。弾性封止体26の耐圧性は、実施例1と同様に収容室18の内圧を600KPaとした条件の下で、液漏れの有無により評価を行った。
[0053]
 実施例2では、弾性封止体26は図9において斜線部V2に相当する体積だけ圧縮される。ここでは、突出部39の基端方向への突出長さを変えたものを用意して、弾性封止体26の圧縮率を95%としたコネクタ40と、弾性封止体26の圧縮率を90%としたコネクタ40について評価を行った。
[0054]
 また、比較例2では、突出部39を弾性封止体26に押し込まずに、接続針38のみを弾性封止体26に穿刺した場合について評価を行った。比較例2における弾性封止体26の圧縮率は、97%であった。
[0055]
 実施例2及び比較例2の結果を、図10に示す。図示のように、実施例2に係る圧縮率が95%のコネクタ40及び圧縮率が90%のコネクタ40共に、穿刺性が良好であり、耐圧性も満たす結果となった。
[0056]
 これに対し、比較例2のコネクタ40では、穿刺性については良好な結果が得られたものの、耐圧性が不十分であり、液漏れが発生する結果となった。
[0057]
 以上の結果から、本実施形態のコネクタ40では、突出部39の長さは、弾性封止体26の圧縮率が95%以下となる範囲とすればよいことがわかる。
[0058]
 本実施形態の薬液投与器具10A及び接続構造14Aは以下の効果を奏する。
[0059]
 本実施形態の接続構造14Aは、接続針38より太い径に形成され針ハブ50から弾性封止体26に向けて突出した突出部39よりなる押込構造を備え、突出部39は弾性封止体26の軸方向に圧縮率を増大させる。このような接続構造14Aによれば、接続針38の径を細くして穿刺性を向上させつつ、弾性封止体26の耐圧性を向上させることができる。
[0060]
 上記の接続構造14Aにおいて、接続針38の穿刺前の弾性封止体26の体積をAとし、接続針38の穿刺後の弾性封止体26の体積をBとして、突出部39は圧縮率B/Aが95%以下となる範囲で弾性封止体26を圧縮するように構成することができる。このような圧縮率を実現できる突出部39を用いることにより、弾性封止体26の耐圧性を向上させることができる。
[0061]
 上記の接続構造14Aは、コネクタ40は、装着部24に係合可能な案内壁48を備え、コネクタ40を装着部24に係合することにより、突出部39が弾性封止体26に向けて軸方向に押し込まれた状態に維持される。これにより、突出部39が弾性封止体26に押圧された状態を維持できて好適である。
[0062]
 また、本実施形態の薬液投与器具10Aは、上記の接続構造14Aを備えている。これにより、接続針38の穿刺性を高めつつ、弾性封止体26の耐圧性を向上させることができる。
[0063]
 上記において、接続構造及び薬液投与器具について好適な実施形態を挙げて説明したが、接続構造及び薬液投与器具は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。また、上記の説明では、医療用容器12としてシリンジを例に説明した、本発明はこれに限定されるものではなく、医療用容器12として薬液を収容する可撓性のバッグであってもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 薬液を収容する薬液収容部と、前記薬液収容部の先端に設けられた前記薬液を排出する薬液排出部と、を有する医療用容器の接続構造であって、
 前記薬液排出部の外方を覆うように装着される装着部と、前記装着部の先端部に形成された開口部と、前記開口部と前記薬液排出部との間の空間に配置されて前記薬液排出部を封止する弾性封止体と、を有する封止部材と、
 前記弾性封止体を穿刺する接続針と、前記接続針を保持する針ハブと、を有し、前記封止部材に装着可能なコネクタと、を備え、
 前記コネクタは、前記封止部材に前記コネクタを装着して前記接続針を前記弾性封止体に穿刺した際に、前記弾性封止体を圧縮する押込構造を有し、
 前記接続針の穿刺前の前記弾性封止体の体積をAとし、前記接続針の穿刺後の前記弾性封止体の体積をBとして、前記押込構造は圧縮率B/Aが70~95%の範囲で前記弾性封止体を圧縮する、
 接続構造。
[請求項2]
 請求項1記載の接続構造であって、前記押込構造は、前記弾性封止体の径に対して所定の径を有する前記接続針よりなり、
 前記接続針は、前記弾性封止体の径方向に前記圧縮率を増大させる、接続構造。
[請求項3]
 請求項1又は2記載の接続構造であって、前記押込構造は、前記接続針より太い径に形成され前記針ハブから前記弾性封止体に向けて突出した突出部よりなり、
 前記突出部は、前記弾性封止体の軸方向に前記圧縮率を増大させる、接続構造。
[請求項4]
 請求項3記載の接続構造であって、前記針ハブは、前記装着部に係合可能な案内壁を備え、前記案内壁が前記装着部に係合することにより、前記突出部が前記弾性封止体に向けて前記軸方向に押し込まれる、接続構造。
[請求項5]
 請求項1~4のいずれか1項に記載の接続構造であって、前記弾性封止体の体積Aは、前記開口部と前記薬液排出部との隙間に配置される前の前記弾性封止体の体積よりも圧縮されている、接続構造。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれか1項に記載の接続構造であって、前記装着部は、前記開口部と前記薬液排出部との間に円板状の空間を形成するとともに、前記弾性封止体は、前記開口部と前記薬液排出部との間の空間を占める本体部と、前記本体部から突出して前記開口部の内部に挿入された第1凸部と、前記本体部から突出して前記薬液排出部の薬液流路の内部に挿入された第2凸部とを備えている、接続構造。
[請求項7]
 薬液を収容する薬液収容部と、前記薬液を排出する薬液排出部と、を有する医療用容器と、前記薬液排出部に接続される接続構造とを備えた、薬液投与器具であって、前記接続構造は、
 前記薬液排出部の外方を覆うように装着される装着部と、前記薬液排出部の延在方向の前記装着部に形成された開口部と、前記開口部と前記薬液排出部との間の空間に配置されて前記薬液排出部を封止する弾性封止体と、を有する封止部材と、
 前記弾性封止体を穿刺する接続針と、前記接続針を保持する針ハブと、を有するコネクタと、を備え、
 前記コネクタは、前記封止部材に前記コネクタを装着して前記接続針を前記弾性封止体に穿刺した際に、前記弾性封止体を圧縮する押込構造を有し、
 前記接続針の穿刺前の前記弾性封止体の体積をAとし、前記接続針の穿刺後の前記弾性封止体の体積をBとして、前記押込構造は圧縮率B/Aが70~95%の範囲で前記弾性封止体を圧縮する、薬液投与器具。
[請求項8]
 請求項7記載の薬液投与器具であって、前記医療用容器はシリンジ又は可撓性を有するバッグである、薬液投与器具。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]