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1. WO2020195268 - 半導体装置

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明 細 書

発明の名称 半導体装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113  

符号の説明

0114  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5A   5B   6A   6B   7A   7B   8   9A   9B   10A   10B   11   12   13A   13B   14A   14B   15A   15B   16A   16B   17   18   19   20   21   22   23   24  

明 細 書

発明の名称 : 半導体装置

技術分野

[0001]
 本発明の実施形態の一つは、半導体装置及び表示装置に関する。特に、本発明の実施形態の一つは、チャネルとして酸化物半導体が用いられた半導体装置及び当該半導体装置を用いた表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 最近、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、および単結晶シリコンに替わり、酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置の開発が進められている(例えば、特許文献1)。酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置は、アモルファスシリコンをチャネルに用いた半導体装置と同様に単純な構造かつ低温プロセスで半導体装置を形成することができる。酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置は、アモルファスシリコンをチャネルに用いた半導体装置よりも高い移動度を有することが知られている。酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置は、オフ電流が非常に低いことが知られている。
[0003]
 酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置が安定した動作をするために、その製造工程において酸化物半導体により多くの酸素を供給し、酸化物半導体に形成される酸素欠損を少なくすることが重要である。酸化物半導体に酸素を供給する方法の一つとして、特許文献1では、酸化物半導体を覆う絶縁層を、当該絶縁層が酸素をより多く含む条件で形成する技術が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2018-78339

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、酸素をより多く含む条件で形成された絶縁層は欠陥を多く含む。その影響で、その欠陥に電子がトラップされることが原因と考えられる半導体装置の特性異常又は信頼性試験における特性変動が発生する。一方、欠陥の少ない絶縁層を用いると、絶縁層に含まれる酸素を多くすることができない。したがって、絶縁層から酸化物半導体に十分に酸素を供給することができない。このように、酸化物半導体を覆う絶縁層として酸素を多く含む絶縁層が用いられた場合であっても、半導体装置の信頼性を向上させるための半導体装置構造及びその製造方法を実現することが要求されている。
[0006]
 本発明の実施形態の一つは、信頼性が高い半導体装置を実現することを課題の一つとする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の一実施形態に係る半導体装置は、インジウムを含む酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層に対向するゲート電極と、前記酸化物半導体層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層と、前記酸化物半導体層の上方から前記酸化物半導体層に接する第1電極と、を有する。平面視で前記第1電極と重なる領域の前記酸化物半導体層において、インジウムが偏在している。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。
[図2] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す平面図である。
[図3] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の一部を拡大した断面図である。
[図4] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面TEM像である。
[図5A] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像である。
[図5B] 本発明の一実施形態に係る半導体装置のEDXマッピング測定結果である。
[図6A] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像である。
[図6B] 本発明の一実施形態に係る半導体装置のEDXのライン分析結果である。
[図7A] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像である。
[図7B] 本発明の一実施形態に係る半導体装置のEDXのライン分析結果である。
[図8] 従来の半導体装置の断面TEM像である。
[図9A] 従来の半導体装置の断面STEM像である。
[図9B] 従来の半導体装置のEDXマッピング測定結果である。
[図10A] 従来の半導体装置の信頼性試験結果を示す図である。
[図10B] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の信頼性試験結果を示す図である。
[図11] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の一部を拡大した断面図である。
[図12] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面TEM像である。
[図13A] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像である。
[図13B] 本発明の一実施形態に係る半導体装置のEDXマッピング測定結果である。
[図14A] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像である。
[図14B] 本発明の一実施形態に係る半導体装置のEDXのライン分析結果である。
[図15A] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像である。
[図15B] 本発明の一実施形態に係る半導体装置のEDXのライン分析結果である。
[図16A] 本発明の第1実施形態に係る半導体装置の電気特性を示す図である。
[図16B] 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の電気特性を示す図である。
[図17] 本発明の一実施形態に係る半導体装置の信頼性試験結果を示す図である。
[図18] 本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
[図19] 本発明の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示すブロック図である。
[図20] 本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路を示す回路図である。
[図21] 本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。
[図22] 本発明の一実施形態に係る表示装置の画素電極及び共通電極の平面図である。
[図23] 本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路を示す回路図である。
[図24] 本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の開示はあくまで一例にすぎない。当業者が、発明の主旨を保ちつつ、実施形態の構成を適宜変更することによって容易に想到し得る構成は、当然に本発明の範囲に含有される。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状はあくまで一例であって、本発明の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号の後にアルファベットを付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
[0010]
 本発明の各実施の形態において、基板から酸化物半導体層に向かう方向を上又は上方という。逆に、酸化物半導体層から基板に向かう方向を下又は下方という。このように、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明するが、例えば、基板と酸化物半導体層との上下関係が図示と逆になるように配置されてもよい。以下の説明で、例えば基板上の酸化物半導体層という表現は、上記のように基板と酸化物半導体層との上下関係を説明しているに過ぎず、基板と酸化物半導体層との間に他の部材が配置されていてもよい。上方又は下方は、複数の層が積層された構造における積層順を意味し、トランジスタの上方の画素電極と表現する場合、平面視でトランジスタと画素電極とが重ならない位置関係であってもよい。一方、トランジスタの鉛直上方の画素電極と表現する場合は、平面視でトランジスタと画素電極とが重なる位置関係を意味する。
[0011]
 「表示装置」とは、電気光学層を用いて映像を表示する構造体を指す。例えば、表示装置という用語は、電気光学層を含む表示パネルを指す場合もあり、又は表示セルに対して他の光学部材(例えば、偏光部材、バックライト、タッチパネル等)を装着した構造体を指す場合もある。「電気光学層」には、技術的な矛盾が生じない限り、液晶層、エレクトロルミネセンス(EL)層、エレクトロクロミック(EC)層、電気泳動層が含まれ得る。したがって、後述する実施形態について、表示装置として、液晶層を含む液晶表示装置、及び有機EL層を含む有機EL表示装置を例示して説明するが、本実施形態における構造は、上述した他の電気光学層を含む表示装置へ適用することができる。
[0012]
 本明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
[0013]
 以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
[0014]
〈第1実施形態〉
 図1~図7を用いて、本発明の一実施形態に係る半導体装置について説明する。以下に示す実施形態の半導体装置は、表示装置に用いられるトランジスタの他に、例えば、マイクロプロセッサ(Micro-Processing Unit:MPU)などの集積回路(Integrated Circuit:IC)、又はメモリ回路に用いられてもよい。
[0015]
[半導体装置10の構成]
 図1~図3を用いて、本発明の一実施形態に係る半導体装置10の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す平面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の一部を拡大した断面図である。
[0016]
 図1に示すように、半導体装置10は基板100の上方に設けられている。半導体装置10は、第1ゲート電極110、第1ゲート絶縁層120、第1酸化物半導体層130、第1ソース電極141、第1ドレイン電極143、第1絶縁層150、酸化物層160、第1ソース配線171、及び第1ドレイン配線173を有する。第1ソース電極141及び第1ドレイン電極143を特に区別しない場合、これらの電極を第1電極140という場合がある。第1ソース配線171及び第1ドレイン配線173を特に区別しない場合、これらの配線を第1導電層170という場合がある。
[0017]
 第1ゲート電極110は基板100の上に設けられている。第1ゲート電極110は第1酸化物半導体層130に対向する。第1ゲート絶縁層120は、第1ゲート電極110と第1酸化物半導体層130との間に設けられている。第1電極140は第1ゲート絶縁層120の上及び第1酸化物半導体層130の上に設けられている。第1電極140は、第1ゲート絶縁層120の上面から第1酸化物半導体層130のパターン端部に乗り上げて、第1酸化物半導体層130の上面まで連続している。つまり、第1電極140は第1酸化物半導体層130の上方から第1酸化物半導体層130に接している。
[0018]
 詳細は後述するが、第1酸化物半導体層130はインジウムを含む酸化物半導体である。第1酸化物半導体層130は、第1ソース電極141と第1ドレイン電極143との間にチャネル領域131を備えている。つまり、第1ソース電極141及び第1ドレイン電極143の各々は、チャネル領域131の端部において、第1酸化物半導体層130に接している。第1ソース電極141及び第1ドレイン電極143の下方における第1酸化物半導体層130中では、第1酸化物半導体層130に含まれるインジウムが偏在している。換言すると、平面視で第1電極140と重なる領域の第1酸化物半導体層130中では、第1酸化物半導体層130に含まれるインジウムが偏在している。
[0019]
 発明者らによって、第1酸化物半導体層130のうち第1電極140の下方の(平面視で第1電極140と重なる領域の)第1酸化物半導体層130について、第1酸化物半導体層130に含まれるインジウムを偏析させて、第1酸化物半導体層130をインジウムが偏在した状態にすることで、半導体装置10の信頼性が向上することが見出された。
[0020]
 第1絶縁層150は、第1酸化物半導体層130及び第1電極140を覆う。第1絶縁層150には第1開口151、153が設けられている。第1開口151は第1ソース電極141に達する開口である。第1開口153は第1ドレイン電極143に達する開口である。酸化物層160は第1絶縁層150の上に設けられている。酸化物層160には第2開口161、163が設けられている。第2開口161は第1開口151と連続する開口である。第2開口163は第1開口153と連続する開口である。
[0021]
 第1導電層170は酸化物層160の上及び第1開口151、153の内部に設けられている。平面視で、第1開口151、153を除き、第1導電層170は酸化物層160と同じ領域に設けられている。つまり、平面視で第1導電層170が設けられていない領域には酸化物層160は設けられておらず、第1絶縁層150が酸化物層160から露出されている。第1導電層170は第1開口151、153の底部で第1電極140に接しており、第1電極140を介して第1酸化物半導体層130に電気的に接続されている。
[0022]
 図2に示すように、平面視で第1酸化物半導体層130は第1ゲート電極110の内側に設けられている。特に、半導体装置10のチャネルが形成される領域において、第1酸化物半導体層130は第1ゲート電極110の内側に設けられている。換言すると、平面視で第1酸化物半導体層130のパターンの外縁は、第1ゲート電極110のパターンの外縁によって囲まれている。平面視で第1電極140は第1酸化物半導体層130を横切っている。換言すると、第1電極140は第1酸化物半導体層130と交差している。第2開口161は平面視で第1開口151と重なっている。第2開口163は平面視で第1開口153と重なっている。平面視で第1電極140と重なる領域の第1酸化物半導体層130中には、第1酸化物半導体層130に含まれるインジウムが偏在している。上記の構成はあくまで一実施形態に過ぎず、本発明は上記の構成に限定されない。
[0023]
 図3は、図1において点線枠で囲まれた領域の拡大図である。図3に示すように、第1酸化物半導体層130にはチャネル領域131、第1領域133、及び第2領域135が設けられている。チャネル領域131は、第1酸化物半導体層130の上方に第1電極140が設けられていない領域である。第1領域133及び第2領域135は、第1酸化物半導体層130の上方に第1電極140が設けられた領域である。換言すると、チャネル領域131は、平面視で第1酸化物半導体層130が第1電極140から露出された領域である。第1領域133及び第2領域135は、平面視で第1酸化物半導体層130が第1電極140と重なる領域である。
[0024]
 チャネル領域131、第1領域133、及び第2領域135は、それぞれ1つの酸化物半導体層から形成されており、成膜直後の状態ではいずれも同一の組成及び同一の結晶状態である。しかし、半導体装置10の製造工程の影響によって、上記の各領域における第1酸化物半導体層130の組成及び結晶状態は異なっている。
[0025]
 第1領域133及び第2領域135における第1酸化物半導体層130では、第1酸化物半導体層130に含まれるインジウムが偏在している。一方、チャネル領域131における第1酸化物半導体層130では、インジウムは偏在していない。第1酸化物半導体層130におけるインジウムの偏在の有無は、評価方法及び評価精度によって異なる場合がある。仮に、チャネル領域131における第1酸化物半導体層130においてインジウムが偏在していると評価された場合、チャネル領域131に比べて第1領域133及び第2領域135の方が、第1酸化物半導体層130におけるインジウムの偏在の程度が大きい。第1領域133に比べて第2領域135の方が、第1酸化物半導体層130におけるインジウムの偏在の程度が大きい。
[0026]
 インジウムの偏在の程度が大きいとは、インジウムが偏在している領域が相対的に大きいこと、他の領域に比べてインジウムの濃度が高い領域(高濃度領域)のサイズが相対的に大きいこと、又は結晶化したインジウムのサイズ(又は結晶粒径)が相対的に大きいことを意味する。
[0027]
 その他に、例えば断面TEM(Transmission Electron Microscope;透過型電子顕微鏡)像、断面STEM(Scanning Transmission Electron Microscope;走査型透過電子顕微鏡)像、又は断面SEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)像において、チャネル領域131における第1酸化物半導体層130に比べて第1領域133及び第2領域135における第1酸化物半導体層130の方が相対的にコントラストが大きい場合に、チャネル領域131に比べて第1領域133及び第2領域135の方がインジウムの偏在の程度が大きいと判断できる。
[0028]
 又は、上記の断面像におけるコントラストにおいて、「明」の部分又は「暗」の部分の塊のサイズが相対的に大きい場合に、インジウムの偏在の程度が大きいと判断できる。又は、例えば、SEM又はSTEMを用いたEDX(Energy Dispersive X-ray spectrometry;エネルギー分散型X線分光法)のマッピング分析(面分析)において、インジウムに起因する信号強度が他の領域よりも大きい領域、つまりインジウムが密集した領域が相対的に大きい場合に、インジウムの偏在の程度が大きいと判断できる。
[0029]
[第1酸化物半導体層130におけるインジウムの偏在]
 図4~図7を用いて、第1酸化物半導体層130のチャネル領域131、第1領域133、及び第2領域135におけるインジウムの偏在の様子について説明する。
[0030]
 図4は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面TEM像である。図4では、第1電極140として、下からチタン(Ti)、アルミニウム(Al)が積層された構造が用いられている。チタン層145とアルミニウム層147とは、それぞれの異なる結晶状態に起因して断面視における模様が異なっている。第1酸化物半導体層130としてインジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び酸素(O)を含む酸化物半導体(IGZO)が用いられている。第1酸化物半導体層130のうち、その上方に第1電極140が設けられていない領域がチャネル領域131であり、その上方に第1電極140が設けられた領域が第1領域133及び第2領域135に相当する。図4において、重い元素ほど暗く表示されている。
[0031]
 図4に示すように、断面像のコントラストにおける明暗について、第1領域133及び第2領域135における第1酸化物半導体層130の「暗」の部分の塊のサイズは、チャネル領域131における第1酸化物半導体層130の「暗」の部分の塊のサイズよりも大きい。図4において、チャネル領域131における第1酸化物半導体層130では、「明」の部分と「暗」の部分とが略均一に存在しているため、インジウムは偏在していないと判断される。一方、第1領域133及び第2領域135における第1酸化物半導体層130では、「暗」の部分が局在しているため、インジウムは偏在していると判断される。以下の説明において、「明」の部分及び「暗」の部分という表現は、断面像のコントラストにおける明暗を意味する。
[0032]
 第2領域135における第1酸化物半導体層130の「暗」の部分の塊のサイズは、第1領域133における第1酸化物半導体層130の「暗」の部分の塊のサイズよりも大きい。つまり、チャネル領域131よりも、第1領域133及び第2領域135の方が、第1酸化物半導体層130のインジウムの偏在の程度が大きい。第1領域133よりも第2領域135の方が第1酸化物半導体層130のインジウムの偏在の程度が大きい。インジウムの偏在はインジウムの結晶化に起因していると考えられるため、第1領域133よりも第2領域135の方が第1酸化物半導体層130において偏在したインジウムの結晶粒径が大きい、ということができる。チタン層145とアルミニウム層147との間にチタンとアルミニウムとが反応した混晶領域が形成されている。
[0033]
 図5Aは、本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像である。図5Bは、本発明の一実施形態に係る半導体装置のEDXマッピング測定結果である。図5A及び図5Bに示す断面STEM像及びEDXマッピング測定の試料は、図4に示す断面TEM像の試料と同じである。図5Aに示すSTEM像は、HAADF(High-Angle Annular Dark Field)-STEM像である。つまり、図5Aにおいて、重い元素は明るく表示されている。図5Aに示されたSTEM像及び図5Bに示されたEDXマッピング像は、同じ試料の同じ箇所を測定したものである。
[0034]
 図5AのSTEM像及び図5BのEDXマッピング像のそれぞれにおいて、第1電極140の端部(図5A及び図5Bにおける第1電極140のチタン層145の左下の端部)に対応する位置に上下方向に延びる点線が示されている。EDXマッピング像において、チタン層145に相当する領域が点線で囲まれている。
[0035]
 図5AのSTEM像及び図5BのEDXマッピング像に示すように、第1酸化物半導体層130のチャネル領域131は、他の領域に比べてインジウムの均一性が高い領域である。換言すると、第1酸化物半導体層130のチャネル領域131は、他の領域に比べて「明」の部分の塊のサイズが小さい領域である。つまり、チャネル領域131は、第1酸化物半導体層130におけるインジウムの偏在がない領域である。
[0036]
 一方、第1領域133及び第2領域135は、いずれも第1酸化物半導体層130においてインジウムが偏在した領域である。第1領域133と第2領域135とを比較すると、第2領域135における「明」の部分の塊のサイズは、第1領域133における「明」の部分の塊のサイズよりも大きい。
[0037]
 図5BのEDXマッピング像に示すように、図5AのSTEM像で確認された「明」の部分では、EDX分析におけるインジウムの強度が他の部分に比べて大きい。つまり、STEM像における「明」の部分にはインジウムが密集している。以下の説明において、「明」の部分の塊が存在する領域はインジウムが密集している領域なので「インジウム密集領域」といい、「暗」の部分の塊が存在する領域はインジウムが欠乏している領域なので「インジウム欠乏領域」という。インジウムが偏在している領域は、インジウム密集領域及びインジウム欠乏領域を含む領域である。
[0038]
 上記のように、第1領域133よりも第2領域135の方が第1酸化物半導体層130のインジウムの偏在の程度が大きい。上記と同様に、インジウムの偏在はインジウムの結晶化に起因していると考えられるため、第1領域133よりも第2領域135の方が第1酸化物半導体層130において偏在したインジウムの結晶粒径が大きい、ということができる。
[0039]
 図6A、図6B、図7A、及び図7Bは、本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像及びその一部を測定したEDX線分析結果である。図6A及び図7Aに示す断面STEM像の試料は、図5Aに示す断面STEM像の試料と同じである。図6A及び図7AのSTEM像において、EDXのライン分析を行った領域が点線155で示されている。図6B及び図7BのEDXライン分析結果において、横軸はライン分析における分析位置を示し、縦軸は各元素の信号強度を示す。EDXライン分析結果には、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)、及びチタン(Ti)のスペクトルが示されている。EDXライン分析結果のグラフ内の横軸の範囲において、それぞれ第1酸化物半導体層130及び第1電極140に対応する範囲が図示されている。
[0040]
 図6A及び図7AのSTEM像において、第1領域133及び第2領域135のそれぞれにインジウム密集領域133-1、135-1(ともに図6A参照)、133-2、135-2(ともに図7A参照)が存在している。図6B及び図7BのEDXライン分析結果に示すように、これらのインジウム密集領域では、Inのスペクトルにピークが確認される。特にインジウム密集領域135-1、135-2の各スペクトルに注目すると、Inのピークが存在する領域では、Ga、Zn、Oの信号強度が低下している。つまり、インジウム密集領域135-1、135-2では、Inが密集又は結晶化しており、局所的にIGZOとは異なる組成が形成されていると考えられる。
[0041]
[第1酸化物半導体層130にインジウムの偏在領域を形成する方法]
 第1酸化物半導体層130にインジウムの偏在領域を形成する方法として、さまざまな方法が挙げられるが、その方法の一例について説明する。例えば、第1電極140の上に第1絶縁層150が成膜された状態で、第1電極140の下方の第1酸化物半導体層130が加熱されることで、第1電極140の下方の第1酸化物半導体層130にインジウムの偏在領域を形成することができる。
[0042]
 例えば、第1電極140の下方の第1酸化物半導体層130を局所的に加熱する方法として、第1電極140に対して上方からレーザ光を照射する方法が用いられる。レーザ光の波長として、第1酸化物半導体層130に対するレーザ光の吸収率に比べて第1電極140に対するレーザ光の吸収率が高い波長を選択することができる。このような波長のレーザ光を用いて第1電極140の上方からレーザ照射を行うことで、第1電極140を選択的に加熱することができる。したがって、第1電極140の下方の第1酸化物半導体層130を選択的に高温で加熱することができる。
[0043]
 上記のように第1電極140の下方の第1酸化物半導体層130を選択的に加熱することで、その領域の第1酸化物半導体層130と第1電極140との間で化学反応が進る。この化学反応によって第1酸化物半導体層130中の酸化インジウムが還元されて、孤立したインジウム同士が結合し、インジウムの結晶化が進む。その結果、インジウムの偏在領域が形成される。
[0044]
[チャネルとして酸化物半導体が用いられた従来の半導体装置]
 図8、図9A、及び図9Bを用いて、チャネルとして酸化物半導体が用いられた従来の半導体装置について、酸化物半導体層におけるインジウムの偏在の有無を評価した結果について説明する。図8は、従来の半導体装置の断面TEM像である。図9A及び図9Bは、従来の半導体装置の断面STEM像及びそれに対応するEDXマッピング測定結果である。図8に示す半導体装置10Zは、以下に示すように第1酸化物半導体層130Zにインジウムの偏在がない点を除き、図4に示す半導体装置10と同じである。つまり、半導体装置10Zを構成する各層の成膜条件は、半導体装置10を構成する各層の成膜条件と同じである。
[0045]
 図8は、図4に対応する断面TEM像である。図8に示す第1電極140Zの構造は、図4と同様に、下からチタン層145Z及びアルミニウム層147Zが積層された構造である。図4とは異なり、チタン層145Zとアルミニウム層147Zとの間にチタンとアルミニウムとが反応した混晶領域は形成されていない。第1酸化物半導体層130ZとしてIGZOが用いられている。図8において、第1酸化物半導体層130Zのうち、その上方に第1電極140Zが設けられていない領域がチャネル領域131Zであり、その上方に第1電極140Zが設けられた領域が第4領域137Zである。第4領域137Zは、図4における第1領域133及び第2領域135に相当する領域である。
[0046]
 図8に示すように、断面像のコントラストにおける明暗について、チャネル領域131Z及び第4領域137Zにおける第1酸化物半導体層130Zでは、「明」の部分と「暗」の部分とが略均一に存在している。
[0047]
 図9Aに示す断面STEM像の試料は、図8に示す断面TEM像の試料と完全同一ではないが、それぞれの試料の断面構造は同じである。図9Aに示すSTEM像及び図9Bに示すEDXマッピング像のそれぞれにおいて、第1電極140Zの端部(図9A及び図9Bの各々における第1電極140Zのチタン層145Zの右下の端部)に対応する位置に上下方向に延びる点線が示されている。EDXマッピング像において、チタン層145Zに相当する領域が点線で囲まれている。図9A及び図9Bに示すように、チャネル領域131Z及び第4領域137Zにおける第1酸化物半導体層130Zでは、インジウムの偏在は確認されない。
[0048]
[第1実施形態の半導体装置10と従来の半導体装置10Zとの信頼性比較]
 図10Aは、従来の半導体装置の信頼性試験結果を示す図である。図10Bは、本発明の一実施形態に係る半導体装置の信頼性試験結果を示す図である。図10Bに示す試験結果200は第1実施形態の半導体装置10に対して行われた信頼性試験の結果であり、図10Aに示す試験結果200Zは従来の半導体装置10Zに対して行われた信頼性試験の結果である。試験に用いられた半導体装置の[チャネル長/チャネル幅]は、いずれも[3.5μm/4.0μm]である。
[0049]
 図10A及び図10Bの信頼性試験はNBTIS(Negative Bias Thermal Illumination Stress)ストレス信頼性を評価する試験である。当該信頼性試験の条件は以下の通りである。
  ・光照射条件:白色LED 8,000nits
  ・ゲート電圧:-30V
  ・ソース及びドレイン電圧:0V
  ・ストレス印加時のステージ温度:60℃
[0050]
 図10A及び図10Bでは、ストレス印加前(0sec)、及び各ストレス印加時間(100sec~3600sec)経過後に、それぞれの半導体装置の電気特性を評価した結果が重ねて表示されている。ストレス印加前、及びストレス印加後の半導体装置の電気特性の測定条件は以下の通りである。
  ・ソース-ドレイン間電圧:0.1V、10V
  ・ゲート走査電圧:-15V~15V
  ・測定環境:暗室
  ・測定時のステージ温度:60℃(又は「R.T.(室温)」)
[0051]
 図10A及び図10Bに示すように、第1実施形態の半導体装置10及び従来の半導体装置10Zはともに、ストレス印加時間の増加に伴いしきい値がマイナスシフトしている。ただし、半導体装置10Zでは3600secのストレス印加によって、しきい値のマイナスシフト量が約10Vである(図10A参照)のに対して、半導体装置10では同じ時間のストレス印加でもしきい値のマイナスシフト量は約2Vである(図10B参照)。
[0052]
 第1実施形態の半導体装置10と従来の半導体装置10Zとの構造上の相違点は以下の通りである。半導体装置10において、平面視で第1電極140と重なる領域の第1酸化物半導体層130では、第1酸化物半導体層130に含まれるインジウムが偏在しているの。一方、半導体装置10Zでは、第1酸化物半導体層130Zにおけるインジウムの偏在がない。したがって、半導体装置10のように、平面視で第1電極140と重なる領域(第1領域133及び第2領域135)の第1酸化物半導体層130にインジウムを偏在させることで、少なくとも上記のNBTIS試験における信頼性を向上させることができることが判明した。チャネル領域131の第1酸化物半導体層130にインジウムが偏在すると、半導体装置10の特性に悪影響があるため、インジウムの偏在領域は第1領域133及び第2領域135だけに形成することが好ましい。
[0053]
[半導体装置10の各部材の材質]
 基板100として、ポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板など、樹脂を含み、可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。基板100の耐熱性を向上させるために、上記の樹脂に不純物を導入してもよい。特に、半導体装置10がトップエミッション型のディスプレイである場合、基板100が透明である必要はないため、基板100の透明度を悪化させる不純物を用いることができる。一方、基板100が可撓性を有する必要がない場合は、基板100としてガラス基板、石英基板、およびサファイア基板など、透光性を有し、可撓性を有しない剛性基板を用いることができる。表示装置ではない集積回路に半導体装置10が用いられる場合は、基板100としてシリコン基板、炭化シリコン基板、化合物半導体基板などの半導体基板や、ステンレス基板などの導電性基板など、透光性を有さない基板を用いることができる。
[0054]
 第1ゲート電極110、第1電極140、及び第1導電層170として、一般的な金属材料を用いることができる。例えば、これらの部材として、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、及びこれらの合金又は化合物が用いられる。第1ゲート電極110、第1電極140、及び第1導電層170として、上記の材料が単層で用いられてもよく積層で用いられてもよい。
[0055]
 例えば、第1電極140のうち第1酸化物半導体層130と接する金属材料として、第1酸化物半導体層130を構成する金属の酸化物よりも安定な酸化金属になる金属材料を用いることができる。つまり、第1酸化物半導体層130を構成する金属元素が複数ある場合、複数の金属元素の各々の酸化金属のギブス自由エネルギー(ΔG )より、第1酸化物半導体層130に接する金属の酸化金属のギブス自由エネルギーの方が小さいことが好ましい。
[0056]
 例えば、第1酸化物半導体層130としてIGZOが用いられた場合、IGZOに接する金属としてTiを用いることができる。酸化Inのギブス自由エネルギーは酸化Ga及び酸化Znのギブス自由エネルギーよりも大きい。つまり、酸化Inは科学的により不安定であり、還元されやすい。一方、酸化Tiのギブス自由エネルギーは酸化Ga及び酸化Znよりも十分に小さいため、TiがIGZO上に形成されると、TiはIGZO中の酸素と結合して酸化Tiを形成する。上記のように酸化Inは還元されやすいため、IGZOとTiとが接触した状態で高いエネルギーが供給されると、酸化Inが還元され、Tiが酸化される。その結果、第1酸化物半導体層130の上に第1電極140を形成した後の工程であっても、第1酸化物半導体層130中にインジウムの偏在領域を生成することができる。
[0057]
 第1ゲート絶縁層120及び第1絶縁層150として、一般的な絶縁層性材料を用いることができる。例えば、これらの絶縁層として、酸化シリコン(SiO )、酸化窒化シリコン(SiO )、窒化シリコン(SiN )、窒化酸化シリコン(SiN )、酸化アルミニウム(AlO )、酸化窒化アルミニウム(AlO )、窒化酸化アルミニウム(AlN )、窒化アルミニウム(AlN )などの無機絶縁層を用いることができる。これらの絶縁層として、欠陥が少ない絶縁層を用いることができる。例えば、第1絶縁層150における酸素の組成比と、第1絶縁層150と同じ組成の絶縁層(以下、「他の絶縁層」という)における酸素の組成比とを比較した場合、当該他の絶縁層における酸素の組成比よりも第1絶縁層150における酸素の組成比の方が第1絶縁層150と同じの組成の絶縁層に対する化学量論比に近い。
[0058]
 上記のSiO 及びAlO は、酸素(O)よりも少ない比率(x>y)の窒素(N)を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。SiN 及びAlN は、窒素よりも少ない比率(x>y)の酸素を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。
[0059]
 第1酸化物半導体層130として、半導体の特性を有する酸化金属を用いることができる。例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び酸素(O)を含む酸化物半導体を用いることができる。特に、In:Ga:Zn:O=1:1:1:4の組成比を有する酸化物半導体を用いることができる。ただし、本実施形態で使用されるIn、Ga、Zn、及びOを含む酸化物半導体は上記の組成に限定されるものではなく、上記とは異なる組成の酸化物半導体を用いることもできる。例えば、移動度を向上させるためにInの比率を上記より大きくしてもよい。バンドギャップを大きくし、光照射による影響を小さくするためにGaの比率を上記より大きくしてもよい。
[0060]
 In、Ga、Zn、及びOを含む酸化物半導体に他の元素が添加されていてもよく、例えばAl、Snなどの金属元素が添加されていてもよい。上記の酸化物半導体以外にもIn及びGaを含む酸化物半導体(IGO)、In及びZnを含む酸化物半導体(IZO)、In、Sn及びZnを含む酸化物半導体(ITZO)、並びにIn及びWを含む酸化物半導体などを第1酸化物半導体層130として用いることができる。第1酸化物半導体層130はアモルファスであってもよく、結晶性であってもよい。第1酸化物半導体層130はアモルファスと結晶の混相であってもよい。
[0061]
 酸化物層160として、第1酸化物半導体層130と同じの組成の酸化物半導体層、ITOなどの酸化物導電層、又はSiO 、SiO 、AlO 、AlO などの酸化物絶縁層を用いることができる。酸化物層160はスパッタリング法で形成することが好ましい。酸化物層160をスパッタリング法で形成した場合、酸化物層160の膜中にはスパッタリングで用いられたプロセスガスが残存する。例えば、スパッタリングのプロセスガスとしてArが用いられた場合、酸化物層160の膜中にはArが残存する。残存したArは酸化物層160に対するSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析で検出することができる。酸化物層160として、第1絶縁層150に用いられる材料と同じ組成の酸化絶縁層が用いられる場合、酸化物層160の酸素の組成比は第1絶縁層150の酸素の組成比よりも大きい。
[0062]
 以上のように、本実施形態に係る半導体装置10によると、チャネル領域131の第1酸化物半導体層130にはインジウムを偏在させず、第1領域133及び第2領域135の第1酸化物半導体層130にインジウムを偏在させることで、半導体装置10の信頼性を向上させることができることができる。
[0063]
 本実施形態では、第1ゲート電極110が第1酸化物半導体層130の下方に設けられたボトムゲート型の半導体装置10が示されているが、半導体装置は、ゲート電極が酸化物半導体層の上方に設けられたトップゲート型の半導体装置であってもよい。
[0064]
 本実施形態では、第1絶縁層150と第1導電層170との間に酸化物層160が設けられた構成が例示されているが、この構成に限定されない。酸化物層160が省略され、第1導電層170が第1絶縁層150の上面に接していてもよい。酸化物層160が第1開口151、153の側壁に設けられていてもよい。第1導電層170が設けられていない領域に酸化物層160が設けられていてもよい。例えば、酸化物層160は第1酸化物半導体層130の上方に設けられていてもよい。換言すると、平面視で、酸化物層160は第1酸化物半導体層130と重なっていてもよい。
[0065]
 本実施形態では、各層が1つの層で構成された場合が例示されているが、各層が積層構造であってもよい。
[0066]
〈第2実施形態〉
 図11~図17を用いて、本発明の一実施形態に係る半導体装置について説明する。
[0067]
[半導体装置10Aの構成]
 図11は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。図11に示す断面図は、図3に示す断面図に相当する。図11に示す半導体装置10Aは、図1~図3に示す半導体装置10と類似しているが、第1電極140Aの下方の第1酸化物半導体層130Aにおいてインジウムが偏在する領域が異なる点において、半導体装置10と相違する。以下の半導体装置10Aの説明において、半導体装置10と同様の特徴については説明を省略し、主に半導体装置10との相違点について説明する。
[0068]
 図11に示すように、第1酸化物半導体層130Aにはチャネル領域131A、第1領域133A、第2領域135A、及び第3領域139Aが備えられている。チャネル領域131Aは、第1酸化物半導体層130Aの上方に第1電極140Aが設けられていない領域である。第1領域133A、第2領域135A、及び第3領域139Aは、第1酸化物半導体層130Aの上方に第1電極140Aが設けられた領域である。換言すると、チャネル領域131Aは、平面視で第1電極140Aから露出された領域である。第1領域133A、第2領域135A、及び第3領域139Aは、平面視で第1電極140Aと重なる領域である。
[0069]
 図11に示すように、断面視で、第3領域139Aは第1ゲート絶縁層120Aと第1領域133Aとの間に設けられている。第3領域139Aはチャネル領域131Aと第2領域135Aとの間に設けられている。換言すると、第3領域139Aは、第1電極140Aのチャネル領域131A側の端部の下方から、第1電極140Aのパターン内部に向かって延びている。
[0070]
 第3領域139Aは、断面視における所定の大きさの正方形138Aを包含する。換言すると、断面視で、当該正方形138Aは第3領域139Aの外縁によって囲まれている。断面視における当該正方形138Aは、一辺の長さが、平面視で第1電極140Aと重なる領域における第1酸化物半導体層130Aの膜厚の半分以上の長さである正方形である。具体的には、第3領域139Aに含まれる正方形138Aの一辺の長さT1は、平面視で第1電極140Aと重なる領域における第1酸化物半導体層130Aの膜厚T2の半分(T2/2)以上の長さである。すなわち、第3領域139Aの断面視での縦横の幅は、第1酸化物半導体層130Aの膜厚T2の半分(T2/2)より大きい。詳細は後述するが、第2実施形態に係る半導体装置10Aは、下記の特徴を有する第3領域139Aを備えることで、半導体装置10Aの電気特性が向上するという効果を奏する。この効果は、第3領域139Aが上記の条件を満たす場合に顕著に現れる。
[0071]
 チャネル領域131A、第1領域133A、第2領域135A、及び第3領域139Aは、それぞれ1つの酸化物半導体層から形成されており、成膜直後の状態ではいずれも同一の組成及び同一の結晶状態である。しかし、第1酸化物半導体層130Aでは、半導体装置10Aの製造工程の影響によって、上記の各領域における第1酸化物半導体層130Aの組成及び結晶状態は異なっている。
[0072]
 チャネル領域131A、第1領域133A、及び第2領域135Aにおけるインジウムの偏在の程度は第1実施形態と同じなので、説明を省略する。第3領域139Aにおける第1酸化物半導体層130Aでは、チャネル領域131Aと同様にインジウムは偏在していない。第1酸化物半導体層130Aにおけるインジウムの偏在の有無は、評価方法及び評価精度によって異なる場合があるが、仮に、第3領域139Aにおける第1酸化物半導体層130Aにおいてインジウムが偏在していると評価された場合、第1領域133A及び第2領域135Aに比べて第3領域139Aの方が、第1酸化物半導体層130Aにおけるインジウムの偏在の程度が小さい。換言すると、第3領域139Aでは、第1領域133A及び第2領域135Aよりもインジウムが均一に存在する。この場合、チャネル領域131Aと第3領域139Aとはインジウムの偏在の程度はほぼ同じである。つまり、例えば、断面TEM像、断面STEM像、断面SEM像、又はEDXの面分析の観察結果において、チャネル領域131Aと第3領域139Aとの間にほとんど差は無い。換言すると、上記の観察結果において、チャネル領域131A及び第3領域139Aの各々の第1酸化物半導体層130Aは連続してつながっている。
[0073]
[第1酸化物半導体層130Aにおけるインジウムの偏在]
 図12~図15Bを用いて、第1酸化物半導体層130Aのチャネル領域131A、第1領域133A、第2領域135A、及び第3領域139Aにおけるインジウムの偏在の様子について説明する。
[0074]
 図12は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面TEM像である。図4と同様に、第1電極140Aとして、下からチタン層145Aとアルミニウム層147Aとが積層された構造が用いられている。第1酸化物半導体層130AとしてIGZOが用いられている。図12において、チャネル領域131A、第1領域133A、第2領域135A、及び第3領域139Aの位置はそれぞれ図示された通りである。第1電極140Aの下方に第1領域133Aが設けられており、第1領域133Aの下方に第2領域135A及び第3領域139Aが互いに隣接して設けられている。第3領域139Aはチャネル領域131Aと第2領域135Aとの間に設けられている。
[0075]
 図12に示すように、第3領域139Aにおける第1酸化物半導体層130Aは、チャネル領域131Aにおける第1酸化物半導体層130Aと同様に、断面像のコントラストにおける明暗について、「明」の部分と「暗」の部分とが略均一に存在している。したがって、第3領域139Aにおける第1酸化物半導体層130Aでは、インジウムは偏在していないと判断される。
[0076]
 チャネル領域131A、第1領域133A、及び第2領域135Aの各々における第1酸化物半導体層130Aのインジウムの偏在は、図4に示す場合と同様の傾向なので、これらの説明を省略する。
[0077]
 図13A及び図13Bは、本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像及びそれに対応するEDXマッピング測定結果である。図13Aに示す断面STEM像の試料は、図12に示す断面TEM像の試料と同じである。
[0078]
 図13AのSTEM像及び図13BのEDXマッピング像のそれぞれにおいて、第1電極140Aの端部(図13A及び図13Bにおける第1電極140Aのチタン層145Aの左下の端部)に対応する位置に上下方向に延びる点線が示されている。EDXマッピング像において、チタン層145Aに相当する領域が点線で囲まれている。
[0079]
 図13AのSTEM像に示すように、第1酸化物半導体層130Aのチャネル領域131A及び第3領域139Aは、他の領域に比べて均一性が高い領域である。又は、第1酸化物半導体層130Aのチャネル領域131A及び第3領域139Aは、他の領域に比べて、「明」の部分の塊のサイズが小さい領域である。つまり、チャネル領域131A及び第3領域139Aは、第1酸化物半導体層130Aにおけるインジウムの偏在がない領域である。
[0080]
 図13BのEDXマッピング像に示すように、チャネル領域131A及び第3領域139Aにおける第1酸化物半導体層130Aは、第1領域133A及び第2領域135Aにおける第1酸化物半導体層130Aに比べてインジウムが均一に存在している。図5Bと同様に、第1領域133A及び第2領域135Aの第1酸化物半導体層130Aでは、いずれもインジウムが偏在している。
[0081]
 図14A、図14B、図15A、及び図15Bは、本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面STEM像及びその一部を測定したEDXのライン分析結果である。図14A及び図15Aに示す断面STEM像の試料は、図13Aに示す断面STEM像の試料と同じである。図14A及び図15AのSTEM像において、EDXのライン分析を行った領域が点線で示されている。図14B及び図15BのEDXライン分析結果に示された各スペクトルは図6と同様なので、説明を省略する。
[0082]
 図14A及び図15AのSTEM像において、第1領域133A及び第2領域135Aのそれぞれにインジウム密集領域133A-3(図14A参照)、135A-4(図15A参照)が存在している。図14B及び図15BのEDXライン分析結果に示すように、これらのインジウム密集領域では、Inのスペクトルにピークが確認される。特にインジウム密集領域135A-4のスペクトルに注目すると、Inの大きなピークが存在する領域では、Ga、Zn、Oの信号強度が低下している。つまり、インジウム密集領域135A-4では、Inが密集又は結晶化しており、局所的にIGZOとは異なる組成が形成されていると考えられる。
[0083]
[第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体装置の電気特性比較]
 図16Aは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の電気特性を示す図である。図16Bは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の電気特性を示す図である。図16Aの電気特性210は第1実施形態の半導体装置10の電気特性である。図16Bの電気特性210Aは第2実施形態の半導体装置10Aの電気特性である。試験に用いられた半導体装置の[チャネル長/チャネル幅]は、いずれも[3.5μm/4.0μm]である。
[0084]
 図16A及び図16Bに示す電気特性の測定条件は以下の通りである。
  ・ソース-ドレイン間電圧:0.1V、10V
  ・ゲート走査電圧:-15V~15V
  ・測定環境:暗室
  ・測定時のステージ温度:R.T.
[0085]
 図16A及び図16Bに示すように、第2実施形態に係る半導体装置10A(電気特性210A)は第1実施形態に係る半導体装置10(電気特性210)に比べて、ON電流の立ち上がりが急峻である。
[0086]
 第1実施形態に係る半導体装置10と第2実施形態に係る半導体装置10Aとの構造上の相違点は、半導体装置10では、インジウムが偏在している第2領域135がチャネル領域131付近まで存在しているのに対して、半導体装置10Aでは、チャネル領域131Aと第2領域135Aとの間にインジウムが偏析していない(又は、インジウムの偏在の程度が第2領域135Aよりも小さい)第3領域139Aが存在している点である。
[0087]
 上記の第3領域139Aは一定以上の大きさを有している必要がある。図16に示すように、ON電流が急峻に立ち上がる電気特性を得るためには、第3領域139Aが、正方形138A(図11参照)よりも広い領域に連続して存在している必要がある。本実施形態では、正方形138Aの一辺の長さT1が、平面視で第1電極140Aと重なる領域における第1酸化物半導体層130Aの膜厚T2の半分(T2/2)以上の長さである構成が例示されているが、この構成に限定されない。正方形138Aの一辺の長さT1は、上記膜厚T2の60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上であってもよい。
[0088]
 第1実施形態で説明したように、第1電極140の下方における第1酸化物半導体層130において、第1酸化物半導体層130に含まれるインジウムを偏在(又は結晶化)させることで、少なくともNBTIS試験における信頼性を向上させることができる。一方で、第1実施形態に示すように第2領域135がチャネル領域131付近まで存在していると、ON電流の立ち上がりが緩やかになる。
[0089]
 例えばIZGOでは、インジウムの5s軌道によって伝導帯が形成されることが知られている。第2領域135のようにインジウムの偏在に伴ってIZGOの組成に偏りが生じると、伝導パスが途切れてしまいIZGO膜としての抵抗が大きくなると考えられる。このような理由で、第1実施形態の半導体装置10の場合、チャネル領域131付近の第2領域135における第1酸化物半導体層130の抵抗値が高いため、ON電流の立ち上がりが緩やかになったと推測される。
[0090]
 一方、第2実施形態に係る半導体装置10Aでは、チャネル領域131Aと第2領域135Aとの間の第3領域139Aは、インジウムが偏在していない領域なので、第3領域139Aにおける第1酸化物半導体層130Aの抵抗値は、第2領域135Aにおける第1酸化物半導体層130Aの抵抗値よりも小さいと考えられる。その結果、半導体装置10Aは半導体装置10に比べてON電流の立ち上がりが急峻になったと推測される。図17に示すように、半導体装置10AのNBTIS試験における信頼性も、半導体装置10の信頼性と同様(図10B参照)に、従来の半導体装置10Z(図10A参照)に比べて向上している。図17において、試験結果200Aは第2実施形態の半導体装置10Aに対して行われた信頼性試験の結果である。
[0091]
 以上のように、第2実施形態に係る半導体装置10Aによると、第1実施形態に係る半導体装置10と同様に信頼性を向上させることができ、かつ、上記のようにON電流の立ち上がりが急峻な電気特性を得ることができる。
[0092]
〈第3実施形態〉
 図18~図22を用いて、本発明の一実施形態に係る半導体装置を用いた表示装置について説明する。以下に示す実施形態では、上記の第1実施形態及び第2実施形態で説明した半導体装置を液晶表示装置の回路に適用した構成について説明する。
[0093]
[表示装置20Bの概要]
 図18は、本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。図18に示すように、表示装置20Bは、アレイ基板300B、シール部400B、対向基板500B、フレキシブルプリント回路基板600B(FPC600B)、およびICチップ700Bを有する。アレイ基板300Bおよび対向基板500Bはシール部400Bによって貼り合わせられている。シール部400Bに囲まれた液晶領域22Bには、複数の画素回路310Bがマトリクス状に配置されている。液晶領域22Bは、後述する液晶素子410Bと平面視で重なる領域である。
[0094]
 シール部400Bが設けられたシール領域24Bは、液晶領域22Bの周囲の領域である。FPC600Bは端子領域26Bに設けられている。端子領域26Bはアレイ基板300Bが対向基板500Bから露出された領域であり、シール領域24Bの外側に設けられている。シール領域24Bの外側とは、シール部400Bが設けられた領域及びシール部400Bによって囲まれた領域の外側を意味する。ICチップ700BはFPC600B上に設けられている。ICチップ700Bは各画素回路310Bを駆動させるための信号を供給する。
[0095]
[表示装置20Bの回路構成]
 図19は、本発明の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示すブロック図である。図19に示すように、画素回路310Bが配置された液晶領域22Bに対してD1方向(列方向)に隣接する位置にはソースドライバ回路320Bが設けられており、液晶領域22Bに対してD2方向(行方向)に隣接する位置にはゲートドライバ回路330Bが設けられている。ソースドライバ回路320B及びゲートドライバ回路330Bは、上記のシール領域24Bに設けられている。ただし、ソースドライバ回路320B及びゲートドライバ回路330Bが設けられる領域はシール領域24Bに限定されず、画素回路310Bが設けられた領域の外側であれば、どの領域でもよい。
[0096]
 ソースドライバ回路320Bからソース配線321BがD1方向に延びており、D1方向に配列された複数の画素回路310Bに接続されている。ゲートドライバ回路330Bからゲート配線331BがD2方向に延びており、D2方向に配列された複数の画素回路310Bに接続されている。
[0097]
 端子領域26Bには端子部333Bが設けられている。端子部333Bとソースドライバ回路320Bとは接続配線341Bで接続されている。同様に、端子部333Bとゲートドライバ回路330Bとは接続配線341Bで接続されている。FPC600Bが端子部333Bに接続されることで、FPC600Bが接続された外部機器と表示装置20Bとが接続され、外部機器からの信号によって表示装置20Bに設けられた各画素回路310Bが駆動する。
[0098]
 第1実施形態及び第2実施形態に示す半導体装置は、画素回路310B、ソースドライバ回路320B、及びゲートドライバ回路330Bに含まれるトランジスタに適用される。
[0099]
[表示装置20Bの画素回路310B]
 図20は、本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路を示す回路図である。図20に示すように、画素回路310Bはトランジスタ800B、保持容量890B、及び液晶素子410Bなどの素子を含む。トランジスタ800Bは第1ゲート電極810B、第1ソース電極830B、及び第1ドレイン電極840Bを有する。第1ゲート電極810Bはゲート配線331Bに接続されている。第1ソース電極830Bはソース配線321Bに接続されている。第1ドレイン電極840Bは保持容量890B及び液晶素子410Bに接続されている。第1実施形態及び第2実施形態に示す半導体装置は、図20に示すトランジスタに適用される。本実施形態では、説明の便宜上、830Bをソース電極といい、840Bをドレイン電極というが、それぞれの電極のソースとしての機能とドレインとしての機能とが入れ替わってもよい。
[0100]
[表示装置20Bの断面構造]
 図21は、本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。図21に示すように、表示装置20Bは、同一基板上に構造が異なるトランジスタ800B、900Bが設けられた表示装置である。トランジスタ800Bの構造はトランジスタ900Bの構造とは異なる。具体的には、トランジスタ800Bは、チャネルとして第1酸化物半導体層820Bが用いられたボトムゲート型トランジスタである。トランジスタ900Bは、チャネルとして半導体層920Bが用いられたトップゲート型トランジスタである。例えば、トランジスタ800Bは画素回路310Bに用いられ、トランジスタ900Bはソースドライバ回路320B及びゲートドライバ回路330Bに用いられる。トランジスタ900Bが画素回路310Bに用いられてもよい。
[0101]
 トランジスタ800Bは、基板301Bに形成されたトランジスタであり、絶縁層340B、342B、344B、346Bを下地層とするトランジスタである。絶縁層346Bの上に第1ゲート電極810Bが設けられている。第1ゲート電極810Bの上方に第1酸化物半導体層820Bが設けられている。第1ゲート電極810Bは第1酸化物半導体層820Bに対向している。第1ゲート電極810Bと第1酸化物半導体層820Bとの間に、ゲート絶縁層として機能する絶縁層348Bが設けられている。第1酸化物半導体層820Bのパターンの一方の端部には第1ソース電極830Bが設けられており、他方の端部には第1ドレイン電極840Bが設けられている。第1ソース電極830B及び第1ドレイン電極840Bは、それぞれ第1酸化物半導体層820Bの上面及び側面において、第1酸化物半導体層820Bに接続されている。
[0102]
 第1酸化物半導体層820B、第1ソース電極830B、及び第1ドレイン電極840Bの上に第1絶縁層350B、352Bが設けられている。第1絶縁層350B、352Bには、開口851B、861Bが設けられている。第1絶縁層352Bの上及び開口851Bの内部に第1ソース配線850Bが設けられている。第1絶縁層352Bの上及び開口861Bの内部に第1ドレイン配線860Bが設けられている。第1絶縁層352Bの上面と第1ソース配線850Bとの間には酸化物層853Bが設けられている。第1絶縁層352Bの上面と第1ドレイン配線860Bとの間には酸化物層855Bが設けられている。
[0103]
 第1ソース配線850B及び第1ドレイン配線860Bの上に第2絶縁層354Bが設けられている。第2絶縁層354Bの上に、複数の画素に共通して設けられる共通電極880Bが設けられている。共通電極880Bの上に第2絶縁層356Bが設けられている。第2絶縁層354B、356Bには第3開口871Bが設けられている。第2絶縁層356Bの上及び第3開口871Bの内部に画素電極870Bが設けられている。画素電極870Bは第1ドレイン配線860Bに接続されている。
[0104]
 図22は、本発明の一実施形態に係る表示装置の画素電極及び共通電極の平面図である。図22に示すように、共通電極880Bは、平面視で画素電極870Bと重なる重畳領域と、画素電極870Bと重ならない非重畳領域とを有する。画素電極870Bと共通電極880Bとの間に電圧を供給すると、重畳領域の画素電極870Bから非重畳領域の共通電極880Bに向かって横電界が形成される。この横電界によって液晶素子410Bに含まれる液晶分子が動作することで、画素の階調が決定される。
[0105]
 上記の構造において、トランジスタ800Bとして、図1、3又は図11の半導体装置10又は10Aを適用することができる。この場合、図1と図21とを対比すると、それぞれの図面における各部材は、以下のように対応する。第1ゲート電極110は第1ゲート電極810Bに対応する。第1ゲート絶縁層120は絶縁層348Bに対応する。第1酸化物半導体層130は第1酸化物半導体層820Bに対応する。第1ソース電極141は第1ソース電極830Bに対応する。第1ドレイン電極143は第1ドレイン電極840Bに対応する。第1絶縁層150は第1絶縁層350B、352Bに対応する。第1開口151は開口851Bに対応する。第1開口153は開口861Bに対応する。酸化物層160は酸化物層853B、855Bに対応する。第1ソース配線171は第1ソース配線850Bに対応する。第1ドレイン配線173は第1ドレイン配線860Bに対応する。
[0106]
 トランジスタ900Bは、基板301Bに形成されたトランジスタであり、絶縁層340Bを下地層とするトランジスタである。絶縁層340Bの上に遮光層910Bが設けられている。遮光層910Bの上に絶縁層342Bが設けられている。絶縁層342Bの上に半導体層920Bが設けられている。半導体層920Bの上方に第2ゲート電極930Bが設けられている。半導体層920Bと第2ゲート電極930Bとの間に、ゲート絶縁層として機能する絶縁層344Bが設けられている。第2ゲート電極930Bの上に絶縁層346B、348B、350B、352Bが設けられている。これらの絶縁層には、開口941B、951Bが設けられている。絶縁層352Bの上及び開口941Bの内部に第2ソース配線940Bが設けられている。絶縁層352Bの上及び開口951Bの内部に第2ドレイン配線950Bが設けられている。第2ソース配線940B及び第2ドレイン配線950Bの上に絶縁層354Bが設けられている。上記の構成を換言すると、第2ゲート電極930Bは、トランジスタ800Bのゲート絶縁層と同じ層(絶縁層348B)の下方に設けられている、ということができる。
[0107]
〈第4実施形態〉
 図23及び図24を用いて、本発明の一実施形態に係る半導体装置を用いた表示装置について説明する。以下に示す実施形態では、上記の第1実施形態及び第2実施形態で説明した半導体装置を有機EL表示装置の回路に適用した構成ついて説明する。表示装置20Cの概要及び回路構成は図18及び図19に示すものと同様なので、説明を省略する。
[0108]
[表示装置20Cの画素回路310C]
 図23は、本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路を示す回路図である。図23に示すように、画素回路310Cは駆動トランジスタ960C、選択トランジスタ970C、保持容量980C、及び発光素子DOなどの素子を含む。選択トランジスタ970Cのソース電極は信号線971Cに接続され、選択トランジスタ970Cのゲート電極はゲート線973Cに接続されている。駆動トランジスタ960Cのソース電極はアノード電源線961Cに接続され、駆動トランジスタ960Cのドレイン電極は発光素子DOの一端に接続されている。発光素子DOの他端はカソード電源線963Cに接続されている。駆動トランジスタ960Cのゲート電極は選択トランジスタ970Cのドレイン電極に接続されている。保持容量980Cは駆動トランジスタ960Cのゲート電極及びドレイン電極に接続されている。信号線971Cには、発光素子DOの発光強度を決める階調信号が供給される。ゲート線973Cには、上記の階調信号を書き込む画素行を選択する信号が供給される。
[0109]
[表示装置20Cの断面構造]
 図24は、本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。図24に示す表示装置20Cの構成は、図21に示す表示装置20Bと類似しているが、表示装置20Cの絶縁層354Cよりも上方の構造が表示装置20Bの絶縁層354Bよりも上方の構造と相違する。以下、図24に示す表示装置20Cの構成のうち、図21に示す表示装置20Bと同様の構成については説明を省略し、表示装置20Bとの相違点について説明する。
[0110]
 図24に示すように、表示装置20Cは、絶縁層354Cの上方に画素電極981C、発光層983C、及び共通電極985Cを有する。画素電極981Cは絶縁層354Cの上及び第3開口871Cの内部に設けられている。画素電極981Cの上に絶縁層358Cが設けられている。絶縁層358Cには開口359Cが設けられている。開口359Cは発光領域に対応する。つまり、絶縁層358Cは画素を画定する。開口359Cによって露出した画素電極981Cの上に発光層983C及び共通電極985Cが設けられている。画素電極981C及び発光層983Cは、各画素に対して個別に設けられている。一方、共通電極985Cは、複数の画素に共通して設けられている。発光層983Cは、画素の表示色に応じて異なる材料が用いられる。
[0111]
 第3実施形態及び第4実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態で説明した半導体装置を液晶表示装置及び有機EL表示装置に適用した構成が例示されているが、これらの表示装置以外の表示装置(例えば、有機EL表示装置以外の自発光型表示装置又は電子ペーパ型表示装置)に当該半導体装置を適用してもよい。中小型の表示装置から大型の表示装置まで、特に限定することなく上記半導体装置の適用が可能である。
[0112]
 本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態の半導体装置及び表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
[0113]
 上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。

符号の説明

[0114]
10:半導体装置、 20B:表示装置、 22B:液晶領域、 24B:シール領域、 26B:端子領域、 100:基板、 110:第1ゲート電極、 120:第1ゲート絶縁層、 130:第1酸化物半導体層、 131:チャネル領域、 133:第1領域、 133-1、133A-3、135-1、135-2、135A-4:インジウム密集領域、 135:第2領域、 137Z:第4領域、 138A:正方形、 139A:第3領域、 140:第1電極、 141:第1ソース電極、 143:第1ドレイン電極、 145:チタン層、 147:アルミニウム層、 150:第1絶縁層、 151、153:第1開口、 160:酸化物層、 161、163:第2開口、 170:第1導電層、 171:第1ソース配線、 173:第1ドレイン配線、 200:試験結果、 210:電気特性、 300B:アレイ基板、 301B:基板、 310B:画素回路、 320B:ソースドライバ回路、 321B:ソース配線、 330B:ゲートドライバ回路、 331B:ゲート配線、 333B:端子部、 340B、342B、344B、346B、348B:絶縁層、 341B:接続配線、 350B、352B:第1絶縁層、 354B、356B:第2絶縁層、 358C:絶縁層、 359C:開口、 400B:シール部、 410B:液晶素子、 500B:対向基板、 600B:フレキシブルプリント回路基板、 700B:チップ、 800B:トランジスタ、 810B:第1ゲート電極、 820B:第1酸化物半導体層、 830B:第1ソース電極、 840B:第1ドレイン電極、 850B:第1ソース配線、 851B、861B:開口、 853B、855B:酸化物層、 860B:第1ドレイン配線、 870B:画素電極、 871B、871C:第3開口、 880B:共通電極、 890B:保持容量、 900B:トランジスタ、 910B:遮光層、 920B:半導体層、 930B:第2ゲート電極、 940B:第2ソース配線、 941B、951B:開口、 950B:第2ドレイン配線、 960C:駆動トランジスタ、 961C:アノード電源線、 963C:カソード電源線、 970C:選択トランジスタ、 971C:信号線、 973C:ゲート線、 980C:保持容量、 981C:画素電極、 983C:発光層、 985C:共通電極

請求の範囲

[請求項1]
 インジウムを含む酸化物半導体層と、
 前記酸化物半導体層に対向するゲート電極と、
 前記酸化物半導体層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層と、
 前記酸化物半導体層の上方から前記酸化物半導体層に接する第1電極と、
を有し、
 平面視で前記第1電極と重なる領域の前記酸化物半導体層において、インジウムが偏在している半導体装置。
[請求項2]
 前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁層は、前記酸化物半導体層の下方に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
[請求項3]
 インジウムが偏在している領域は、エネルギー分散型X線分光法を用いた面分析において、平面視で前記第1電極から露出された領域と比べてインジウムが密集している領域及びインジウムが欠乏している領域を含む、請求項1に記載の半導体装置。
[請求項4]
 平面視で前記第1電極と重なる前記酸化物半導体層は、前記第1電極側の第1領域と、前記第1領域よりも前記ゲート電極側の第2領域とを備え、
 前記第2領域において偏在したインジウムの高濃度領域の大きさは、前記第1領域において偏在したインジウムの高濃度領域の大きさより大きい、請求項1に記載の半導体装置。
[請求項5]
 平面視で前記第1電極と重なる前記酸化物半導体層は、前記第2領域と平面視で前記第1電極から露出された領域との間に、前記第1領域及び前記第2領域の各々よりもインジウムが均一に存在する第3領域を備え、
 前記第3領域は、平面視で前記第1電極から露出された領域と連続しており、
 断面視で、前記第3領域は正方形を包含し、
 前記正方形の一辺の長さは、平面視で前記第1電極と重なる領域における前記酸化物半導体層の膜厚の半分以上の長さである、請求項4に記載の半導体装置。
[請求項6]
 平面視で前記第1電極と重なる前記酸化物半導体層は、前記第1電極側の第1領域と、前記第1領域よりも前記ゲート電極側の第2領域とを備え、
 前記第2領域において偏在したインジウムの結晶粒径は、前記第1領域において偏在したインジウムの結晶粒径より大きい、請求項1に記載の半導体装置。
[請求項7]
 平面視で前記第1電極と重なる前記酸化物半導体層は、前記第2領域と平面視で前記第1電極から露出された領域との間に、前記第1領域及び前記第2領域の各々よりもインジウムが均一に存在する第3領域を備え、
 前記第3領域は、平面視で前記第1電極から露出された領域と連続しており、
 断面視で、前記第3領域は正方形を包含し、
 前記正方形の一辺の長さは、平面視で前記第1電極と重なる領域における前記酸化物半導体層の膜厚の半分以上の長さである、請求項5に記載の半導体装置。
[請求項8]
 平面視で前記第1電極と重なる前記酸化物半導体層は、前記第1電極側の第1領域と、前記第1領域よりも前記ゲート電極側の第2領域とを備え、
 エネルギー分散型X線分光法を用いた面分析によって得られたインジウムの面分析結果において、
 前記第2領域においてインジウムに起因する信号強度が相対的に大きい領域の大きさは、前記第1領域においてインジウムに起因する信号強度が相対的に大きい領域の大きさより大きい、請求項1に記載の半導体装置。
[請求項9]
 平面視で前記第1電極と重なる前記酸化物半導体層は、前記第2領域と平面視で前記第1電極から露出された領域との間に、前記第1領域及び前記第2領域の各々よりもインジウムが均一に存在する第3領域を備え、
 前記第3領域は、平面視で前記第1電極から露出された領域と連続しており、
 断面視で、前記第3領域は正方形を包含し、
 前記正方形の一辺の長さは、平面視で前記第1電極と重なる領域における前記酸化物半導体層の膜厚の半分以上の長さである、請求項8に記載の半導体装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7A]

[ 図 7B]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13A]

[ 図 13B]

[ 図 14A]

[ 図 14B]

[ 図 15A]

[ 図 15B]

[ 図 16A]

[ 図 16B]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]