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1. WO2020195137 - 検査装置及び検査方法

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明 細 書

発明の名称 検査装置及び検査方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

符号の説明

0058  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 検査装置及び検査方法

技術分野

[0001]
 本発明の一態様は、検査装置及び検査方法に関する。

背景技術

[0002]
 ウェハ上に形成された発光素子群の良・不良を判定する手法として、発光素子が発するフォトルミネッセンスを観察し、該フォトルミネッセンスの輝度に基づいて発光素子の良否判定を行う手法が知られている(例えば特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2015-148447号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ここで、例えばプロセス斑(膜厚、不純物濃度等)によって、ウェハ上の各発光素子の輝度分布が緩やかとなることがある。この場合には、輝度の絶対値のみに基づいて発光素子の良否判定を高精度に行うことが困難である。
[0005]
 上記問題を解決し得る手法として、判定対象の発光素子と該発光素子の周辺の発光素子とを含む発光素子群の平均輝度に対する判定対象の発光素子の輝度比率(すなわち相対輝度)に基づいて判定対象の発光素子の良否判定を行う手法が考えられる。しかしながら、例えば判定対象の発光素子を含む発光素子群(判定対象の発光素子及び該発光素子の周辺の発光素子)がごみ等に覆われ暗領域となっている場合には、発光素子群に含まれる全ての発光素子の輝度値の絶対値が極めて低いにも関わらず、判定対象の発光素子の相対輝度が低くならないため、判定対象の発光素子が良品として判定されてしまうおそれがある。
[0006]
 本発明の一態様は上記実情に鑑みてなされたものであり、フォトルミネッセンスに基づく発光素子の良否判定を高精度に行うことを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の一態様に係る検査装置は、第1の発光素子及び該第1の発光素子の周辺に配置された第2の発光素子を含む複数の発光素子が形成された対象物を検査する検査装置であって、対象物に照射される励起光を生成する励起光源と、対象物からの蛍光を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された第1の発光素子からの蛍光及び第2の発光素子からの蛍光に基づいて、第1の発光素子からの蛍光の相対輝度を算出し、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度に基づく算出値と所定の閾値とを比較することにより、第1の発光素子の良否判定を行う判定部と、を備える。
[0008]
 本発明の一態様に係る検査装置では、励起光が照射された第1の発光素子の蛍光及び第2の発光素子の蛍光に基づいて第1の発光素子の相対輝度が算出され、該相対輝度及び第1の発光素子の蛍光の絶対輝度に基づく算出値が所定の閾値と比較されて、第1の発光素子の良否判定が行われている。例えば、判定対象の発光素子及び該発光素子の周辺の発光素子(発光素子群)がごみ等に覆われて暗領域となっている場合においては、発光素子群に含まれる全ての発光素子の蛍光の絶対輝度が極めて低い(すなわち不良品である)にも関わらず、判定対象の発光素子の相対輝度が低くならないため、相対輝度に基づき良否判定を行うと、判定対象の発光素子が良品として判定されてしまうおそれがある。この点、本発明の一態様に係る検査装置では、相対輝度だけでなく絶対輝度が考慮されて、絶対輝度及び相対輝度から算出される算出値に基づいて発光素子の良否判定が行われるため、上述したように発光素子群が暗領域となっているような場合において、相対輝度が高くても絶対輝度が極めて低い発光素子を不良品と判定することが可能となる。すなわち、本発明の一態様に係る検査装置によれば、フォトルミネッセンスに基づく発光素子の良否判定を高精度に行うことができる。
[0009]
 上記検査装置において、判定部は、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度の積を算出値として算出し、該算出値が閾値よりも小さい場合に、第1の発光素子を不良品と判定してもよい。絶対輝度及び相対輝度の積が算出されることにより、絶対輝度が極めて低い(0に近い)発光素子の算出値を適切に小さい値として、該発光素子を適切に不良品と判定することができる。
[0010]
 上記検査装置において、判定部は、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度のm乗(mは正の数)及び相対輝度のn乗(nは正の数)の積を算出値として算出し、該算出値が閾値よりも小さい場合に、第1の発光素子を不良品と判定してもよい。絶対輝度及び相対輝度の累乗の積が算出されることにより、絶対輝度が極めて低い(0に近い)発光素子の算出値をより顕著に小さい値とすることができ、該発光素子をより適切に不良品と判定することができる。
[0011]
 上記検査装置は、第1の発光素子からの蛍光について、第1の発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した補正を行う補正部を更に備えていてもよい。撮像部が撮像した第1の発光素子の蛍光は、第1の発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を受けていると考えられる。この点、第1の発光素子からの蛍光について、周辺の発光素子からの蛍光の影響を考慮して補正がなされることにより、第1の発光素子からの本来の蛍光に基づいて、第1の発光素子の良否判定をより高精度に行うことができる。
[0012]
 上記検査装置において、判定部は、撮像部が撮像した対象物の領域のうち、発光素子の縁部を除いた領域から、発光素子からの蛍光を取得してもよい。一般的に、発光素子は対象物においてメサ状に形成され、縁部に傾斜部を有する。このような傾斜部は光を反射するところ、該傾斜部を含んで輝度を算出すると発光素子からの蛍光の輝度を適切に算出できないおそれがある。この点、該傾斜部のような縁部を除いた領域から蛍光(発光素子からの蛍光)を取得することにより、傾斜部の影響を排除して、発光素子からの蛍光を適切に取得することができる。
[0013]
 本発明の一態様に係る検査方法は、第1の発光素子及び該第1の発光素子の周辺に配置された第2の発光素子を含む複数の発光素子が形成された対象物の検査方法であって、対象物に励起光を照射する照射ステップと、対象物からの蛍光を撮像する撮像ステップと、撮像ステップにおいて撮像された第1の発光素子からの蛍光及び第2の発光素子からの蛍光に基づいて、第1の発光素子からの蛍光の相対輝度を算出する相対輝度算出ステップと、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度に基づく算出値と所定の閾値とを比較することにより、第1の発光素子の良否判定を行う判定ステップと、を含む。
[0014]
 上記検査方法の判定ステップでは、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度の積を算出値として算出し、該算出値が閾値よりも小さい場合に、第1の発光素子を不良品と判定してもよい。
[0015]
 上記検査方法の判定ステップでは、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度のm乗(mは正の数)及び相対輝度のn乗(nは正の数)の積を算出値として算出し、該算出値が閾値よりも小さい場合に、第1の発光素子を不良品と判定してもよい。
[0016]
 上記検査方法は、撮像ステップの後、且つ、相対輝度算出ステップの前において、第1の発光素子からの蛍光について、第1の発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した補正を行う補正ステップを更に含んでいてもよい。
[0017]
 上記検査方法の相対輝度算出ステップでは、撮像ステップにおいて撮像された対象物の領域のうち、発光素子の縁部を除いた領域から、発光素子からの蛍光を取得してもよい。

発明の効果

[0018]
 本発明の一態様によれば、フォトルミネッセンスに基づく発光素子の良否判定を高精度に行うことができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 本発明の実施形態に係る検査装置の構成図である。
[図2] 図1の検査装置に含まれる制御装置の機能ブロック図である。
[図3] 計測領域の設定例を説明する図である。
[図4] エッジ強調処理について説明する図である。
[図5] 算出値のソート結果を示す図である。
[図6] 検査装置が実行する検査方法のフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[0021]
 図1は、本実施形態に係る検査装置1の構成図である。検査装置1は、サンプルS(対象物)を検査する装置である。サンプルSは、例えば、ウェハ上に複数の発光素子が形成された半導体デバイスである。以下では、サンプルSの複数の発光素子には、少なくとも、第1の発光素子と、該第1の発光素子の周辺に配置(具体的には第1の発光素子に隣接して配置)された複数の第2の発光素子とが含まれているとして説明する。なお、第1の発光素子の周辺に配置された第2の発光素子は、複数ではなく1つであってもよい。発光素子は、例えばμLED等である。検査装置1は、サンプルSにおいて形成されている複数の発光素子について、フォトルミネッセンス(具体的には蛍光)を観察し、各発光素子に対応するフォトルミネッセンスの輝度(具体的には絶対輝度及び相対輝度)に基づいて、各発光素子の良否判定を行う。発光素子の良否判定は、例えばプロービングによって(すなわち電気的特性に基づいて)行うことが考えられる。しかしながら、例えばμLED等の微細なLEDについては、針をあてて計測を行うプロービングが物理的に困難である。この点、本実施形態に係るフォトルミネッセンスに基づく発光素子の良否判定方法は、蛍光画像を取得することによって良否判定を行うことができるので、物理的な制約にとらわれることなく、大量の発光素子を効率的に良否判定することができる。以下では絶対輝度については単に「輝度」と記載する場合がある。
[0022]
 図1に示されるように、検査装置1は、チャック11と、XYステージ12と、励起光源20と、光学系30と、ダイクロックミラー40と、対物レンズ51と、Zステージ52と、結像レンズ60と、カメラ70(撮像部)と、暗箱80と、制御装置90と、モニタ100と、を備えている。暗箱80は、上述した構成のうち制御装置90及びモニタ100以外の構成を収容しており、収容した各構成に外部の光の影響が及ぼされることを回避するために設けられている。なお、暗箱80に収容される各構成は、カメラ70において撮像される画像の質の向上(画質の向上及び画像の位置ずれ防止)を図るべく除振台の上に搭載されていてもよい。
[0023]
 チャック11は、サンプルSを保持する保持部材である。チャック11は、例えばサンプルSのウェハを真空吸着することにより、サンプルSを保持する。XYステージ12は、サンプルSを保持しているチャック11をXY方向(前後・左右方向)、すなわちチャック11におけるサンプルSの載置面に沿った方向に移動させるステージである。XYステージ12は、制御装置90の制御に応じて、複数の発光素子のそれぞれが順次、励起光の照射領域とされるように、チャック11をXY方向に移動させる。なお、検査装置1は、更に回転ステージ(Θステージ。不図示)を備えていてもよい。このような回転ステージは、例えばXYステージ12の上且つチャック11の下に設けられていてもよいし、XYステージ12と一体的に設けられていてもよい。回転ステージは、サンプルSの縦横の位置を精度よく合わせるためのものである。回転ステージが設けられることによって、位置合わせ等の時間を短縮し、データ処理のトータル時間を短縮することができる。
[0024]
 励起光源20は、サンプルSに照射される励起光を生成し、該励起光をサンプルSに照射する光源である。励起光源20は、サンプルSの発光素子を励起させる波長を含む光を生成可能な光源であればよく、例えばレーザ光源、LED、SLD、水銀ランプ、ハロゲンランプ、プラズマ光源等である。なお、検査装置1は、励起光源20から出射される励起光の輝度を一定に保つべく、照明輝度をモニタするセンサをさらに備えていてもよい。
[0025]
 光学系30は、光ファイバケーブル31と、導光レンズ32と、を含んで構成されている。光ファイバケーブル31は、励起光源20に接続された導光用の光ファイバケーブルである。光ファイバケーブル31としては、例えば、偏波保存ファイバ又はシングルモードファイバ等を用いることができる。導光レンズ32は、例えば単独又は複合の凸レンズであり、光ファイバケーブル31を介して到達した励起光をダイクロックミラー40方向に導く。なお、励起光源20から出射される励起光の波長が経時的に変化することを防ぐために、検査装置1は、励起光源20とダイクロックミラー40との間にバンドパスフィルタ(不図示)を備えていてもよい。
[0026]
 ダイクロックミラー40は、特殊な光学素材を用いて作成されたミラーであり、特定の波長の光を反射すると共に、その他の波長の光を透過する。具体的には、ダイクロックミラー40は、励起光を対物レンズ51方向に反射すると共に、励起光とは異なる波長帯の光である発光素子からのフォトルミネッセンス(詳細には蛍光)を結像レンズ60方向に透過するように構成されている。
[0027]
 対物レンズ51は、サンプルSを観察するための構成であり、ダイクロックミラー40によって導かれた励起光をサンプルSに集光する。Zステージ52は、対物レンズ51をZ方向(上下方向)、すなわちチャック11におけるサンプルSの載置面に交差する方向に移動させてフォーカス調整を行う。結像レンズ60は、サンプルSからの蛍光を結像させ、蛍光をカメラ70に導くレンズである。
[0028]
 カメラ70は、サンプルSからの蛍光を撮像する撮像部である。具体的には、カメラ70は、結像レンズ60によって結像された画像を検出することによって蛍光を撮像する。カメラ70は、撮像結果である蛍光画像を制御装置90に出力する。カメラ70は、例えばCCDやCMOS等のエリアイメージセンサである。また、撮像部はカメラ70の代わりに、ラインセンサやTDI(Time Delay Integration)センサによって構成されていてもよい。
[0029]
 制御装置90は、XYステージ12、励起光源20、Zステージ52、及びカメラ70を制御する。具体的には、制御装置90は、XYステージ12を制御することにより励起光の照射領域(サンプルSにおける照射領域)を調整する。制御装置90は、Zステージ52を制御することにより励起光に係るフォーカス調整を行う。制御装置90は、励起光源20を制御することにより励起光の出射調整並びに励起光の波長及び振幅等の調整を行う。制御装置90は、カメラ70を制御することにより蛍光画像の取得に係る調整を行う。また、制御装置90は、カメラ70によって撮像された蛍光画像に基づいて、サンプルSの発光素子の良否判定を行う(詳細は後述)。なお、制御装置90は、コンピュータであって、物理的には、RAM、ROM等のメモリ、CPU等のプロセッサ(演算回路)、通信インターフェイス、ハードディスク等の格納部を備えて構成されている。かかる制御装置90としては、例えばパーソナルコンピュータ、クラウドサーバ、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット端末など)などが挙げられる。制御装置90は、メモリに格納されるプログラムをコンピュータシステムのCPUで実行することにより機能する。モニタ100は、計測結果である蛍光画像を表示する表示装置である。
[0030]
 次に、発光素子の良否判定に係る制御装置90の機能について、図2を参照して説明する。図2は、図1の検査装置1に含まれる制御装置90の機能ブロック図である。なお、図2の機能ブロックは、制御装置90の機能のうち発光素子の良否判定に係る機能のみを示している。
[0031]
 図2に示されるように、制御装置90は、発光素子の良否判定に係る機能として、判定部91と、補正部92とを備えている。
[0032]
 判定部91は、発光素子の蛍光の絶対輝度を導出する輝度導出処理と、補正部92による輝度補正後において発光素子の良否判定を行う判定処理とを行う。輝度導出処理では、判定部91は、カメラ70によって撮像された蛍光画像に基づいて、励起光の照射領域に含まれる各発光素子の蛍光の輝度(絶対輝度)を導出する。判定部91は、まず、蛍光画像における各領域の輝度を特定する。この時点では、各輝度と各発光素子とは紐づいていない。そして、判定部91は、例えばパターン認識技術を利用して、輝度と発光素子の位置情報とを紐づける。これにより、判定部91は、各発光素子からの蛍光の輝度を導出する。
[0033]
 なお、判定部91は、カメラ70が撮像したサンプルSの領域のうち、発光素子の縁部を除いた領域から発光素子の蛍光を取得してもよい。すなわち、判定部91は、蛍光を取得する領域(計測領域)を、発光素子の縁部を含まないように設定してもよい。発光素子は、一般的にウェハ上においてメサ状に形成されており、縁部に傾斜部を有している。このような傾斜部は外部からの発光を反射しやすいため、該傾斜部を含んで輝度を算出すると発光素子からの蛍光の輝度を適切に導出できないおそれがある。この点、判定部91は、上述したような傾斜部を含まないように、発光素子からの蛍光を取得する領域(計測領域)を設定することによって、発光素子からの蛍光の輝度を適切に取得することができる。図3は、計測領域の設定例を説明する図である。図3においては、サンプルSに形成された複数の発光素子が示されている。図3に示す発光素子L1については、発光素子L1の周辺の傾斜部も含んだ領域A1が計測領域とされている。この場合には、上述したように、傾斜部における反射によって発光素子L1からの蛍光の輝度を適切に導出できないおそれがある。この点、図3に示す発光素子L2については、発光素子L2ではないサンプルSの領域を含まない領域A2が計測領域とされている。この場合には、傾斜部における反射の影響を受けずに発光素子L2からの蛍光の輝度をより精度良く導出することができる。以上が輝度導出処理である。判定部91の判定処理については、補正部92の機能を説明した後に説明する。
[0034]
 補正部92は、ある発光素子(第1の発光素子)からの蛍光について、該発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した補正を行う。発光素子の蛍光の輝度分布は、周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を受ける。具体的には、例えばサンプルSが、サファイア基板(ウェハ)上にGaN μLEDチップを形成した半導体デバイスであるような場合において、蛍光が空間側だけでなくウェハの裏面側にも放射されることによって、該裏面側からの再反射光がカメラ70に写りこみ、発光素子の輝度分布が、周辺の発光素子の影響を受けて本来(影響を受けていない場合)よりも滑らかになってしまうことが考えられる。また、周辺に配置された発光素子の影響を受けられないエッジ部分については本来よりも暗く観察されることとなる。これらを解決するために、補正部92は以下のエッジ強調処理を行う。後述する判定部91の判定処理においては、補正部92によるエッジ強調処理後の輝度(絶対輝度)が用いられる。
[0035]
 補正部92は、例えば、座標(i,j)の発光素子の蛍光の輝度の計測値がl(i,j)である場合において、当該発光素子が、図4(a)に示されるように、周囲4方向の座標(i,j-1)、(i,j+1)、(i-1,j)、(i+1,j)の発光素子からそれぞれの輝度に対して同じ割合aだけ影響を受け(明るさが一定量紛れ込み)、反対に、周囲の4方向の発光素子に対して自身の輝度に対して同じ割合aだけ影響を与えている(明るさが周りに広がって減っている)とすると、(i,j)の発光素子の蛍光の輝度の計測値l(i,j)と、周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した(すなわち補正後の)(i,j)の発光素子の蛍光の輝度の算出値l´(i,j)とは以下の(1)式で示した関係となる。
  l(i,j)=l´(i,j)(1-4a)+a(l(i-1,j)+l(i+1,j)+l(i,j-1)+l(i,j+1))・・・(1)
なお、本来であれば、a(l(i-1,j)+l(i+1,j)+l(i,j-1)+l(i,j+1))のlもl´としなければならないが、当該式においては平均化が行われているため、大きな差異はないと考え、計測値であるlを用いている。
[0036]
 上述した例では座標(i,j)の発光素子の周辺の発光素子が対称に配置されており、影響を受ける輝度の割合がaで一定としたが、例えば周辺の発光素子が非対称に配置されている場合には、図4(b)に示されるように、影響を受ける輝度の割合はa~dで別々となり、(i,j)の発光素子の蛍光の輝度の計測値l(i,j)と、周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した(すなわち補正後の)(i,j)の発光素子の蛍光の輝度の算出値l´(i,j)とは以下の(2)式で示した関係となる。
  l(i,j)=l´(i,j)(1-a-b-c-d)+a(l(i-1,j))+b(l(i+1,j))+c(l(i,j-1))+d(l(i,j+1))・・・(2)
[0037]
 判定部91は、判定処理では、カメラ70によって撮像された発光素子からの蛍光に基づいて、判定対象の発光素子の良否判定を行う。具体的には、判定部91は、第1の発光素子からの蛍光と、該第1の発光素子の周辺に配置された複数の第2の発光素子からの蛍光とに基づき、第1の発光素子からの蛍光の相対輝度(発光素子群の平均輝度に対する第1の発光素子の輝度比率)を算出する。すなわち、判定部91は、第1の発光素子と複数の第2の発光素子とが含まれた領域のみを抽出し(すなわちマスク処理を行い)、第1の発光素子からの蛍光の輝度のシフト量(マスク内輝度平均からのシフト量)を第1の発光素子からの蛍光の相対輝度として算出する。マスクに含まれる発光素子の数は、例えば5×5とされる。なお、上述したように、判定処理における輝度(絶対輝度)とは、補正部92によるエッジ強調処理後の輝度である。
[0038]
 判定部91は、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度P及び相対輝度Qに基づいて、算出値Lを算出する。判定部91は、例えば、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度P及び相対輝度Qの積を算出値Lとして算出してもよい。また、判定部91は、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度Pのm乗(mは正の数)及び相対輝度Qのn乗(nは正の数)の積を算出値Lとして算出してもよい。この場合、算出値Lは以下の(3)式により算出される。なお、mの値は例えば1、nの値は例えば2に設定されてもよい。
  L=P ×Q ・・・(3)
[0039]
 判定部91は、同一の蛍光画像に含まれる各発光素子それぞれについて上述した算出値Lの算出を行う。また、判定部91は、照射領域を変更することにより新たな蛍光画像を取得し、該蛍光画像に含まれる各発光素子それぞれについて上述した算出値Lの算出を行う。判定部91は、全ての発光素子について算出値Lを算出し、該算出値Lの大きさ順にソート(並び替え)を行う。図5は、算出値のソート結果を示す図である。図5において、縦軸は算出値Lを所定の評価指数に変換した値を示しており、横軸は各発光素子の算出値Lの順位(詳細には算出値Lの評価指数の順位)を示している。図5に示されるように、算出値Lの評価指数は、ある点(変化点)を境に急激に小さくなっている。判定部91は、例えばこのような変化点を閾値として、該閾値よりも算出値L(詳細には算出値Lの評価指数)が小さい発光素子(第1の発光素子)を不良品と判定してもよい。なお、閾値は、例えば、事前に閾値決定用の参照半導体デバイスを用いて、蛍光(フォトルミネッセンス)に基づく発光素子の良否判定結果と、プロービングに基づく良否判定結果(電気的特性に基づく良否判定結果)とを比較して決定されていてもよい。
[0040]
 次に、図6を参照して、検査装置1が実行する検査方法(発光素子の良否判定)の処理手順について説明する。図6は、検査装置1が実行する検査方法のフローチャートである。
[0041]
 図6に示されるように、検査装置1では、最初に、サンプルSにおける照射領域が決定される(ステップS1)。具体的には、制御装置90は、XYステージ12を制御することにより励起光の照射領域を決定する。
[0042]
 つづいて、制御装置90の制御に応じて、励起光源20が照射領域に励起光を照射する(ステップS2。照射ステップ)。励起光源20は、サンプルSの発光素子を励起させる波長を含む光を生成して出射する。励起光は光学系30の光ファイバケーブル31及び導光レンズ32を経てダイクロックミラー40に到達し、ダイクロックミラー40において反射され、対物レンズ51を経てサンプルSの照射領域に集光される。サンプルSの発光素子は励起光に応じて蛍光を発する。該蛍光はダイクロックミラー40を透過して、結像レンズ60によって結像され、カメラ70に導かれる。
[0043]
 カメラ70は、サンプルSからの蛍光を撮像する(ステップS3。撮像ステップ)。カメラ70は、撮像結果である蛍光画像を制御装置90に出力する。
[0044]
 つづいて、制御装置90の判定部91は、蛍光画像における各領域の絶対輝度を導出する(ステップS4)。つづいて、判定部91は、例えばパターン認識技術を利用して、絶対輝度と発光素子の位置情報とを紐づける(ステップS5)。これにより、判定部91は、各発光素子からの蛍光の絶対輝度を導出する。
[0045]
 つづいて、制御装置90の補正部92は、ある発光素子(第1の発光素子)からの蛍光について、該発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した補正、具体的にはエッジ強調処理を実施する(ステップS6。補正ステップ)。
[0046]
 つづいて、制御装置90の判定部91は、補正部92による補正後の蛍光の絶対輝度に基づいて、各発光素子の相対輝度を算出する(ステップS7。相対輝度算出ステップ)。具体的には、判定部91は、第1の発光素子からの蛍光と、該第1の発光素子の周辺に配置された複数の第2の発光素子からの蛍光とに基づき、第1の発光素子からの蛍光の相対輝度を算出する。すなわち、判定部91は、第1の発光素子と複数の第2の発光素子とが含まれた領域のみを抽出し(すなわちマスク処理を行い)、第1の発光素子からの蛍光の輝度のシフト量(マスク内輝度平均からのシフト量)を第1の発光素子からの蛍光の相対輝度として算出する。
[0047]
 つづいて、制御装置90の判定部91は、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度P及び相対輝度Qに基づいて、算出値Lを算出する(ステップS8)。判定部91は、例えば、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度P及び相対輝度Qの積を算出値Lとして算出してもよい。また、判定部91は、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度Pのm乗(mは正の数)及び相対輝度Qのn乗(nは正の数)の積を算出値Lとして算出してもよい。判定部91は、蛍光画像に含まれる各発光素子について、算出値Lを算出する。
[0048]
 つづいて、制御装置90の判定部91は、サンプルSの全ての発光素子(判定対象の発光素子)について、上述した算出値Lを算出しているか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9において算出値L算出前の発光素子が存在する場合には、制御装置90は、該算出前の発光素子が照射領域に含まれるようにXYステージ12を制御する(ステップS10)。その後、再度ステップS2以降の処理が行われる。
[0049]
 ステップS9において全ての発光素子について算出値Lが算出済みである場合には、制御装置90の判定部91は、算出値Lの大きさ順にソートを行い(図5参照)、算出値Lと所定の閾値とを比較して、算出値Lが閾値よりも大きい発光素子を「良」、算出値Lが閾値よりも小さい発光素子を「不良」と判定する(ステップS11。判定ステップ)。なお、算出値Lが閾値と同じである発光素子については、「良」としてもよいし「不良」としてもよい。以上が、検査装置1が実行する検査方法のフローチャートである。
[0050]
 次に、本実施形態の作用効果について説明する。
[0051]
 本実施形態に係る検査装置1は、第1の発光素子及び該第1の発光素子の周辺に配置された第2の発光素子を含む複数の発光素子が形成されたサンプルSを検査する検査装置であって、サンプルSに照射される励起光を生成する励起光源20と、サンプルSからの蛍光を撮像するカメラ70と、カメラ70によって撮像された第1の発光素子からの蛍光及び第2の発光素子からの蛍光に基づいて、第1の発光素子からの蛍光の相対輝度を算出し、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度に基づく算出値と所定の閾値とを比較することにより、第1の発光素子の良否判定を行う制御装置90の判定部91と、を備える。
[0052]
 検査装置1では、励起光が照射された第1の発光素子の蛍光及び第2の発光素子の蛍光に基づいて第1の発光素子の相対輝度が算出され、該相対輝度及び第1の発光素子の蛍光の絶対輝度に基づく算出値が所定の閾値と比較されて、第1の発光素子の良否判定が行われている。例えば、判定対象の発光素子及び該発光素子の周辺の発光素子(発光素子群)がごみ等に覆われて暗領域となっている場合においては、発光素子群に含まれる全ての発光素子の蛍光の絶対輝度が極めて低い(すなわち不良品である)にも関わらず、判定対象の発光素子の相対輝度が低くならないため、相対輝度に基づき良否判定を行うと、判定対象の発光素子が良品として判定されてしまうおそれがある。この点、検査装置1では、相対輝度だけでなく絶対輝度が考慮されて、絶対輝度及び相対輝度から算出される算出値に基づいて発光素子の良否判定が行われるため、上述したように発光素子群が暗領域となっているような場合において、相対輝度が高くても絶対輝度が極めて低い発光素子を不良品と判定することが可能となる。すなわち、検査装置1によれば、フォトルミネッセンスに基づく発光素子の良否判定を高精度に行うことができる。
[0053]
 検査装置1において、判定部91は、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度の積を算出値として算出し、該算出値が閾値よりも小さい場合に、第1の発光素子を不良品と判定している。絶対輝度及び相対輝度の積が算出されることにより、絶対輝度が極めて低い(0に近い)発光素子の算出値を適切に小さい値として、該発光素子を適切に不良品と判定することができる。
[0054]
 検査装置1において、判定部91は、第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度のm乗(mは正の数)及び相対輝度のn乗(nは正の数)の積を算出値として算出し、該算出値が閾値よりも小さい場合に、第1の発光素子を不良品と判定する。絶対輝度及び相対輝度の累乗の積が算出されることにより、絶対輝度が極めて低い(0に近い)発光素子の算出値をより顕著に小さい値とすることができ、該発光素子をより適切に不良品と判定することができる。
[0055]
 検査装置1の制御装置90は、第1の発光素子からの蛍光について、第1の発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した補正を行う補正部92を備えている。カメラ70が撮像した第1の発光素子の蛍光は、第1の発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を受けていると考えられる。この点、第1の発光素子からの蛍光について、周辺の発光素子からの蛍光の影響を考慮して補正がなされることにより、第1の発光素子からの本来の蛍光に基づいて、第1の発光素子の良否判定をより高精度に行うことができる。
[0056]
 検査装置1において、判定部91は、カメラ70が撮像したサンプルSの領域のうち、発光素子の縁部を除いた領域から、発光素子からの蛍光を取得してもよい。一般的に、発光素子はサンプルSにおいてメサ状に形成され、縁部に傾斜部を有する。このような傾斜部は光を反射するところ、該傾斜部を含んで輝度を算出すると発光素子からの蛍光の輝度を適切に算出できないおそれがある。この点、該傾斜部のような縁部を除いた領域から蛍光(発光素子からの蛍光)を取得することにより、傾斜部の影響を排除して、発光素子からの蛍光を適切に取得することができる。
[0057]
 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、判定部91は、良否判定において閾値と比較される算出値を、相対輝度及び絶対輝度の積から導出するとして説明したがこれに限定されない。すなわち、判定部91は、相対輝度及び絶対輝度の双方を考慮して算出値を導出すればよく、積以外の演算等によって算出値を導出してもよい。

符号の説明

[0058]
 1…検査装置、20…励起光源、70…カメラ(撮像部)、91…判定部、92…補正部。

請求の範囲

[請求項1]
 第1の発光素子及び該第1の発光素子の周辺に配置された第2の発光素子を含む複数の発光素子が形成された対象物を検査する検査装置であって、
 前記対象物に照射される励起光を生成する励起光源と、
 前記対象物からの蛍光を撮像する撮像部と、
 前記撮像部によって撮像された前記第1の発光素子からの蛍光及び前記第2の発光素子からの蛍光に基づいて、前記第1の発光素子からの蛍光の相対輝度を算出し、前記第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度に基づく算出値と所定の閾値とを比較することにより、前記第1の発光素子の良否判定を行う判定部と、を備える検査装置。
[請求項2]
 前記判定部は、前記第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度の積を前記算出値として算出し、該算出値が前記閾値よりも小さい場合に、前記第1の発光素子を不良品と判定する、請求項1記載の検査装置。
[請求項3]
 前記判定部は、前記第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度のm乗(mは正の数)及び相対輝度のn乗(nは正の数)の積を前記算出値として算出し、該算出値が前記閾値よりも小さい場合に、前記第1の発光素子を不良品と判定する、請求項1記載の検査装置。
[請求項4]
 前記第1の発光素子からの蛍光について、前記第1の発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した補正を行う補正部を更に備える、請求項1~3のいずれか一項記載の検査装置。
[請求項5]
 前記判定部は、前記撮像部が撮像した前記対象物の領域のうち、発光素子の縁部を除いた領域から、発光素子からの蛍光を取得する、請求項1~4のいずれか一項記載の検査装置。
[請求項6]
 第1の発光素子及び該第1の発光素子の周辺に配置された第2の発光素子を含む複数の発光素子が形成された対象物の検査方法であって、
 前記対象物に励起光を照射する照射ステップと、
 前記対象物からの蛍光を撮像する撮像ステップと、
 前記撮像ステップにおいて撮像された前記第1の発光素子からの蛍光及び前記第2の発光素子からの蛍光に基づいて、前記第1の発光素子からの蛍光の相対輝度を算出する相対輝度算出ステップと、
 前記第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度に基づく算出値と所定の閾値とを比較することにより、前記第1の発光素子の良否判定を行う判定ステップと、を含む検査方法。
[請求項7]
 前記判定ステップでは、前記第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度及び相対輝度の積を前記算出値として算出し、該算出値が前記閾値よりも小さい場合に、前記第1の発光素子を不良品と判定する、請求項6記載の検査方法。
[請求項8]
 前記判定ステップでは、前記第1の発光素子からの蛍光の絶対輝度のm乗(mは正の数)及び相対輝度のn乗(nは正の数)の積を前記算出値として算出し、該算出値が前記閾値よりも小さい場合に、前記第1の発光素子を不良品と判定する、請求項6記載の検査方法。
[請求項9]
 前記撮像ステップの後、且つ、前記相対輝度算出ステップの前において、前記第1の発光素子からの蛍光について、前記第1の発光素子の周辺に配置された発光素子からの蛍光の影響を考慮した補正を行う補正ステップを更に含む、請求項6~8のいずれか一項記載の検査方法。
[請求項10]
 前記相対輝度算出ステップでは、前記撮像ステップにおいて撮像された前記対象物の領域のうち、発光素子の縁部を除いた領域から、発光素子からの蛍光を取得する、請求項6~9のいずれか一項記載の検査方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]