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1. WO2020184635 - 1,1,2-トリフルオロエタンを含む組成物

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明 細 書

発明の名称 1,1,2-トリフルオロエタンを含む組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062  

実施例

0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 1,1,2-トリフルオロエタンを含む組成物

技術分野

[0001]
 本開示は、1,1,2-トリフルオロエタン(HFC-143)を含む組成物に関する。

背景技術

[0002]
 1,1,2-トリフルオロエタン(HFC-143)は、ポリオレフィンおよびポリウレタン用の発泡剤、エアロゾル噴射剤、冷媒、伝熱媒体、気体誘電体、消火剤、動力サイクル作動流体、重合媒体、粒子除去流体、搬送流体、バフみがき研摩剤および置換乾燥剤として有用とされる(特許文献1)。HFC-143の沸点は約4℃である。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第94/011460号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 本開示は、HFC-143を含む新たな組成物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0005]
項1.
 HFC-143と、
 1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO-1123)、1,1,1-トリフルオロメタン(HFC-143a)、1,-クロロ-1,2,2-トリフルオロエチレン(CTFE)、1-クロロ-1-フルオロエチレン(HCFO-1131a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,2-ジフルオロエタン(HFC-152)、トランス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(E))、シス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(Z))、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、フルオロエタン(HFC-161)、1,2-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141)、1,1-ジクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン(HCFC-123)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-142)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-142a)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)、フルオロエチレン(HFO-1141)、ジクロロフルオロメタン(HCFC-21)、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、トリフルオロメタン(HFC-23)、エチレン及びアセチレンからなる群より選択される少なくとも一種の追加的化合物と
を含む、組成物。
項2.
 HFC-143と前記追加的化合物との混合物が、共沸又は共沸様である、項1に記載の組成物。
項3.
 前記追加的化合物を、HFC-143と前記追加的化合物との混合物の全体に対して合計で0質量%より多く、かつ30質量%以下含む、項1又は2に記載の組成物。
項4.
 項1~3のいずれか一項に記載の組成物の、熱移動媒体組成物としての使用。
項5.
 HFC-143と、
 1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO-1123)、1,1,1-トリフルオロメタン(HFC-143a)、1,-クロロ-1,2,2-トリフルオロエチレン(CTFE)、1-クロロ-1-フルオロエチレン(HCFO-1131a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,2-ジフルオロエタン(HFC-152)、トランス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(E))、シス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(Z))、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、フルオロエタン(HFC-161)、 1,2-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141)、1,1-ジクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン(HCFC-123)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-142)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-142a)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)、フルオロエチレン(HFO-1141)、ジクロロフルオロメタン(HCFC-21)、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、トリフルオロメタン(HFC-23)、エチレン及びアセチレンからなる群より選択される少なくとも一種の追加的化合物とを含む混合物において、
HFC-143と前記追加的化合物とを分離する方法であって、
  (1)HFC-143及び前記追加的化合物を含む出発組成物を第1蒸留塔に供給することにより:
   HFC-143及び前記追加的化合物を含む共沸混合物組成物を第1留出物として;かつ
   HFC-143又は前記追加的化合物のいずれかに前記出発組成物より濃度的に富む組成物を第1蒸留塔ボトム組成物として抜き出す工程と;
  (2)必要に応じて、前記第1留出物又は第1蒸留塔ボトム組成物を第1蒸留塔と運転条件の異なる第2蒸留塔に供給してHFC-143又は追加的化合物のいずれかに前記出発組成物より濃度的に富む組成物を形成する工程と
を含む方法。

発明の効果

[0006]
 HFC-143を含む新たな組成物が提供される。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 蒸留塔を用いてHFC-143と追加的成分としてHFO-1123、エチレン、HFC-161、HFC-152、HCFC-133、HCFC-123、HCFC-21を含む組成物を蒸留する、実施例の操作の模式図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 <用語の定義>
 本明細書において用語「冷媒」には、ISO817(国際標準化機構)で定められた、冷媒の種類を表すRで始まる冷媒番号(ASHRAE番号)が付された化合物が少なくとも含まれ、さらに冷媒番号が未だ付されていないとしても、それらと同等の冷媒としての特性を有するものが含まれる。冷媒は、化合物の構造の面で、「フルオロカーボン系化合物」と「非フルオロカーボン系化合物」とに大別される。「フルオロカーボン系化合物」には、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びハイドロフルオロカーボン(HFC)が含まれる。「非フルオロカーボン系化合物」としては、プロパン(R290)、プロピレン(R1270)、ブタン(R600)、イソブタン(R600a)、二酸化炭素(R744)及びアンモニア(R717)等が挙げられる。
[0009]
 本明細書において、用語「冷媒を含む組成物」には、(1)冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と、(2)その他の成分をさらに含み、少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることのできる組成物と、(3)冷凍機油を含有する冷凍機用作動流体とが少なくとも含まれる。本明細書においては、これら三態様のうち、(2)の組成物のことを、冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と区別して「冷媒組成物」と表記する。また、(3)の冷凍機用作動流体のことを「冷媒組成物」と区別して「冷凍機油含有作動流体」と表記する。
[0010]
 本明細書において、用語「共沸様組成物」は、共沸組成物と実質的に同様に取り扱うことができる組成物を意味する。具体的には、本明細書において、用語「共沸様組成物」は、実質的に単一物質として振る舞う2つ以上の物質の定沸点の、または実質的に定沸点の混合物を意味する。共沸様組成物の特徴の一つとして、液体の蒸発又は蒸留によって発生した蒸気の組成が、液体の組成と実質的に変化しないことが挙げられる。すなわち、本明細書においては、ある混合物が、実質的な組成変化なしに沸騰、蒸留又は還流するとき、この混合物のことを、共沸様組成物と呼ぶ。具体的には、ある特定の温度での組成物のバブルポイント蒸気圧と、当該組成物の露点蒸気圧との差が3%以下(バブルポイント圧力を基準として)である場合に、当該組成物は共沸様組成物であると本開示では定義する。
[0011]
 本明細書において、用語「代替」は、第一の冷媒を第二の冷媒で「代替」するという文脈で用いられる場合、第一の類型として、第一の冷媒を使用して運転するために設計された機器において、必要に応じてわずかな部品(冷凍機油、ガスケット、パッキン、膨張弁、ドライヤその他の部品のうち少なくとも一種)の変更及び機器調整のみを経るだけで、第二の冷媒を使用して、最適条件下で運転することができることを意味する。すなわち、この類型は、同一の機器を、冷媒を「代替」して運転することを指す。この類型の「代替」の態様としては、第二の冷媒への置き換えの際に必要とされる変更乃至調整の度合いが小さい順に、「ドロップイン(drop in)代替」、「ニアリー・ドロップイン(nealy drop in)代替」及び「レトロフィット(retrofit)」があり得る。
[0012]
 第二の類型として、第二の冷媒を用いて運転するために設計された機器を、第一の冷媒の既存用途と同一の用途のために、第二の冷媒を搭載して用いることも、用語「代替」に含まれる。この類型は、同一の用途を、冷媒を「代替」して提供することを指す。
[0013]
 本明細書において用語「冷凍機(refrigerator)」とは、物あるいは空間の熱を奪い去ることにより、周囲の外気よりも低い温度にし、かつこの低温を維持する装置全般のことをいう。言い換えれば、冷凍機は温度の低い方から高い方へ熱を移動させるために、外部からエネルギーを得て仕事を行いエネルギー変換する変換装置のことをいう。
[0014]
 本明細書においてGWPはIPCC第5次報告書(AR5)の定めるところにより算出されるものとする。
[0015]
 1. 組成物
 1.1  追加的化合物
 本開示の冷媒は、HFC-143に加えてさらに、HFO-1132a、HFO-1123、HFC-143a、CTFE、HCFO-1131a、HFC-152a、HFC-152、HCFO-1131(E)、HCFO-1131(Z)、HFC-134a、HFC-161、HCFC-141、HCFC-123、HCFC-142、HCFC-142a、HCFO-1122、HCFO-1122a、HFO-1141、HCFC-21、HCFC-22、HFC-23、エチレン及びアセチレンからなる群より選択される少なくとも一種の追加的化合物を含む。
[0016]
 HFC-143と、前記追加的化合物の合計との混合物は、安定性に優れる。また、HFC-143と追加的化合物とはいずれも冷媒としても作用しうるため、本混合物は冷媒としても使用することができ、かつ従来から用いられるCFC冷媒及びHCFC冷媒と比較して非常に低いODP(オゾン層破壊係数)を有する。また、本混合物は、有機合成用中間体としても有用である。
[0017]
 安定性や冷媒としての性能の点において、又は有機合成用中間体として利用する上で、追加的化合物は、HFC-143と前記追加的化合物との混合物全体に対して合計で、0質量%より多く、かつ30%質量以下含まれることが好ましく、0質量%より多く、かつ20質量%以下含まれることがより好ましく、0質量%より多く、かつ10質量%以下含まれることがさらに好ましく、0質量%より多く、かつ1質量%以下含まれることがさらにより好ましい。
[0018]
 1.2  共沸又は共沸様組成物
 HFC-143と、前記追加的化合物の合計との混合物は、好ましくは共沸又は共沸様組成物である。これらの共沸又は共沸様組成物は、HFC-143と追加的成分との混合物において、追加的成分をHFC-143から分離する共沸蒸留を行う際に重要な組成物となりうる。
[0019]
 共沸蒸留とは、共沸又は共沸様組成物が分離されるような条件下で蒸留塔を運転することにより目的物を濃縮乃至分離する方法である。共沸蒸留によって、分離対象成分のみを蒸留することができる場合もあるが、分離対象成分の1つ以上と共沸混合物を形成する別の成分を外部から添加した場合に初めて共沸蒸留が起こる場合もある。狭義には、後者のみを共沸蒸留と呼ぶ。例えば、HFC-143と追加的成分とを含む共沸又は共沸様組成物を、HFC-143と追加的成分とを少なくとも含む組成物から共沸蒸留によって抜き出すことによって、追加的成分をHFC-143から分離することができる。
[0020]
 共沸又は共沸様を示す上で、HFC-143と、前記追加的化合物の合計との混合物は、追加的化合物を、本混合物の全体に対して合計で、0質量%より多く、かつ1質量%以下含むことが好ましく、0質量%より多く、かつ0.5質量%以下含むことがより好ましく、0質量%より多く、かつ0.1質量%以下含むことがさらに好ましい。
[0021]
 1.3  熱移動媒体組成物
 本開示の組成物は、熱移動媒体組成物として用いることができる。
[0022]
 熱移動媒体組成物として用いられる本開示の組成物は、追加的化合物に加え、さらに少なくとも一種のその他の成分を含有していてもよい。本開示の組成物は、さらに少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることができる(この場合の本開示の組成物を「本開示の冷媒組成物」という)。
[0023]
 本開示の冷媒組成物は、必要に応じて、以下のその他の成分のうち少なくとも一種を含有していてもよい。その他の成分は、特に限定されないが、具体的には、例えば、水、トレーサー、紫外線蛍光染料、安定剤、重合禁止剤等が挙げられる。
[0024]
 本開示の冷媒組成物を、冷凍機における作動流体として使用するに際しては、通常、少なくとも冷凍機油と混合して用いられる。したがって、本開示の冷媒組成物は、好ましくは冷凍機油を実質的に含まない。具体的には、本開示の冷媒組成物は、組成物全体に対する冷凍機油の含有量が好ましくは0~1質量%であり、より好ましくは0~0.1質量%である。
[0025]
 本開示の冷媒組成物は、微量の水を含んでもよい。冷媒組成物における含水割合は、冷媒全体に対して、0.1質量%以下とすることが好ましい。冷媒組成物が微量の水分を含むことにより、冷媒中に含まれ得る不飽和のフルオロカーボン系化合物の分子内二重結合が安定化され、また、不飽和のフルオロカーボン系化合物の酸化も起こりにくくなるため、冷媒組成物の安定性が向上する。
[0026]
 トレーサーは、本開示の冷媒組成物が希釈、汚染、その他何らかの変更があった場合、その変更を追跡できるように検出可能な濃度で本開示の冷媒組成物に添加される。
[0027]
 本開示の冷媒組成物は、トレーサーとして、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
[0028]
 トレーサーとしては、特に限定されず、一般に用いられるトレーサーの中から適宜選択することができる。
[0029]
 トレーサーとしては、例えば、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン、重水素化炭化水素、重水素化ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素(N 2O)等が挙げられる。トレーサーとしては、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン及びフルオロエーテルが特に好ましい。
[0030]
 トレーサーとしては、以下の化合物が好ましい。
FC-14(テトラフルオロメタン、CF 4
HCC-40(クロロメタン、CH 3Cl)
HFC-23(トリフルオロメタン、CHF 3
HFC-41(フルオロメタン、CH 3Cl)
HFC-125(ペンタフルオロエタン、CF 3CHF 2
HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン、CF 3CH 2F)
HFC-134(1,1,2,2-テトラフルオロエタン、CHF 2CHF 2
HFC-143a(1,1,1-トリフルオロエタン、CF 3CH 3
HFC-152(1,2-ジフルオロエタン、CH 2FCH 2F)
HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、CF 3CH 2CHF 2)HFC-236fa(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、CF 3CH 2CF 3)HFC-236ea(1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、CF 3CHFCHF 2)HFC-227ea(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、CF 3CHFCF 3)HCFC-22(クロロジフルオロメタン、CHClF 2
HCFC-31(クロロフルオロメタン、CH 2ClF)
CFC-1113(クロロトリフルオロエチレン、CF 2=CClF)
HFE-125(トリフルオロメチル-ジフルオロメチルエーテル、CF 3OCHF 2)HFE-134a(トリフルオロメチル-フルオロメチルエーテル、CF 3OCH 2F)HFE-143a(トリフルオロメチル-メチルエーテル、CF 3OCH 3
HFE-227ea(トリフルオロメチル-テトラフルオロエチルエーテル、CF 3OCHFCF 3)HFE-236fa(トリフルオロメチル-トリフルオロエチルエーテル、CF 3OCH 2CF 3
[0031]
 本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、約10重量百万分率(ppm)~約1000ppm含んでいてもよい。本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、好ましくは約30ppm~約500ppm、より好ましくは約50ppm~約300ppm含んでいてもよい。
[0032]
 本開示の冷媒組成物は、紫外線蛍光染料として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
[0033]
 紫外線蛍光染料としては、特に限定されず、一般に用いられる紫外線蛍光染料の中から適宜選択することができる。
[0034]
 紫外線蛍光染料としては、例えば、ナフタルイミド、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン及びフルオレセイン、並びにこれらの誘導体が挙げられる。紫外線蛍光染料としては、ナフタルイミド及びクマリンのいずれか又は両方が特に好ましい。
[0035]
 本開示の冷媒組成物は、安定剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
[0036]
 安定剤としては、特に限定されず、一般に用いられる安定剤の中から適宜選択することができる。
[0037]
 安定剤としては、例えば、ニトロ化合物、エーテル類及びアミン類等が挙げられる。
[0038]
 ニトロ化合物としては、例えば、ニトロメタン及びニトロエタン等の脂肪族ニトロ化合物、並びにニトロベンゼン及びニトロスチレン等の芳香族ニトロ化合物等が挙げられる。
[0039]
 エーテル類としては、例えば、1,4-ジオキサン等が挙げられる。
[0040]
 アミン類としては、例えば、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
[0041]
 その他にも、ブチルヒドロキシキシレン、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
[0042]
 安定剤の含有割合は、特に限定されず、HFC-143と、前記追加的化合物の合計との混合物全体に対して、通常、0.01~5質量%とすることが好ましく、0.05~2質量%とすることがより好ましい。
[0043]
 本開示の冷媒組成物は、重合禁止剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
[0044]
 重合禁止剤としては、特に限定されず、一般に用いられる重合禁止剤の中から適宜選択することができる。
[0045]
 重合禁止剤としては、例えば、4-メトキシ-1-ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、ジメチル-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
[0046]
 重合禁止剤の含有割合は、特に限定されず、HFC-143と、前記追加的化合物の合計との混合物全体に対して、通常、0.01~5質量%とすることが好ましく、0.05~2質量%とすることがより好ましい。
[0047]
 本開示の組成物は、冷凍機油を含有する冷凍機用作動流体としても使用できる(この組成物を「本開示の冷凍機油含有作動流体」という)。本開示の冷凍機油含有作動流体は、本開示の冷媒組成物と、冷凍機油とを少なくとも含み、冷凍機における作動流体として用いられる。具体的には、本開示の冷凍機油含有作動流体は、冷凍機の圧縮機において使用される冷凍機油と、HFC-143と前記追加的化合物の合計との混合物又は冷媒組成物とが互いに混じり合うことにより得られる。冷凍機油含有作動流体には冷凍機油は一般に10~50質量%含まれる。
[0048]
 本開示の冷凍機油含有作動流体は、冷凍機油として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
[0049]
 冷凍機油としては、特に限定されず、一般に用いられる冷凍機油の中から適宜選択することができる。その際には、必要に応じて、前記混合物との相溶性及び前記混合物の安定性等を向上する作用等の点でより優れている冷凍機油を適宜選択することができる。
[0050]
 冷凍機油の基油としては、例えば、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリオールエステル(POE)及びポリビニルエーテル(PVE)からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
[0051]
 冷凍機油は、基油に加えて、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、酸化防止剤、極圧剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、銅不活性化剤、防錆剤、油性剤及び消泡剤からなる群より選択される少なくとも一種であってもよい。
[0052]
 冷凍機油として、40℃における動粘度が5~400 cStであるものが、潤滑の点で好ましい。
[0053]
 本開示の冷凍機油含有作動流体は、必要に応じて、さらに少なくとも一種の添加剤を含んでもよい。添加剤としては例えば以下の相溶化剤等が挙げられる。
[0054]
 本開示の冷凍機油含有作動流体は、相溶化剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
[0055]
 相溶化剤としては、特に限定されず、一般に用いられる相溶化剤の中から適宜選択することができる。
[0056]
 相溶化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1-トリフルオロアルカン等が挙げられる。相溶化剤としては、ポリオキシアルキレングリコールエーテルが特に好ましい。
[0057]
 2. 分離方法
 また、本開示では、上記の組成物を利用したこれらの成分の分離方法も開示される。
[0058]
 例えば、HFC-143と追加的成分とを含む共沸又は共沸様組成物を、HFC-143と追加的成分とを少なくとも含む組成物から共沸蒸留によって抜き出すことによって、追加的成分をHFC-143から分離することができる。
[0059]
 より具体的には、本開示の分離方法は、
 HFC-143と、少なくとも一種の追加的化合物とを含む混合物において、
HFC-143と前記追加的化合物とを分離する方法であって、
  (1)HFC-143及び前記追加的化合物を含む出発組成物を第1蒸留塔に供給することにより:
   HFC-143及び前記追加的化合物を含む共沸混合物組成物を第1留出物として;かつ
   HFC-143又は前記追加的化合物のいずれかに前記出発組成物より濃度的に富む組成物を第1蒸留塔ボトム組成物として抜き出す工程と;
  (2)必要に応じて、前記第1留出物又は第1蒸留塔ボトム組成物を第1蒸留塔と運転条件の異なる第2蒸留塔に供給してHFC-143又は追加的化合物のいずれかに前記出発組成物より濃度的に富む組成物を形成する工程と
を含む方法であってもよい。
[0060]
 上記において、前記追加的化合物としては、例えば、1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO-1123)、1,1,1-トリフルオロメタン(HFC-143a)、1,-クロロ-1,2,2-トリフルオロエチレン(CTFE)、1-クロロ-1-フルオロエチレン(HCFO-1131a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,2-ジフルオロエタン(HFC-152)、トランス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(E))、シス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(Z))、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、フルオロエタン(HFC-161)、 1,2-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141)、1,1-ジクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン(HCFC-123)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-142)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-142a)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)、フルオロエチレン(HFO-1141)、ジクロロフルオロメタン(HCFC-21)、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、トリフルオロメタン(HFC-23)、エチレン及びアセチレンからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。
[0061]
 上記工程において、各蒸留塔への供給の方法及び条件、並びに各蒸留塔の仕様及びそれにおける蒸留の条件等については、各工程の目的が達成されるよう適宜設定できる。
[0062]
 以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
実施例
[0063]
 以下に、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本開示は、これらの実施例に限定されるものではない。
[0064]
  実施例1
 HFC-143と、各追加化合物を含む組成物の冷凍サイクル計算の結果を表1に示す。計算条件は以下の通りである。
蒸発温度 10℃、凝縮温度 45℃、過熱度 5℃、過冷却度 5℃、圧縮効率70%物性モデルとしてPeng-Robinsonを用いた。
[0065]
[表1]


[0066]
  実施例2
(HFC-143の製造方法)
 50A反応管を1個準備し、この反応管に670gの触媒を充填した。触媒は、活性炭を担体とし、貴金属をパラジウムとして形成した。触媒を充填した反応管の原料供給口から、CTFE(クロロトリフルオロエチレン)を500Nml/minの流量で、水素を1800Nml/minの流量で供給し、上流部及び下流部の順に触媒を通過させた。このとき、上流部の温度は320℃、下流部の温度は230℃とした。以上の反応では、反応管内の触媒の充填量をW(g)、反応管に流入させるフルオロエチレン及び水素ガスの全流量をFoとして、W/Foで表される接触時間を17.5g・sec/ccとした。結果は表2の通りとなった。
[0067]
[表2]


[0068]
 目的物であるHFC-143が高い収率で得られる。
[0069]
  実施例3
 図1に示す蒸留塔を用いてHFC-143と追加的成分としてHFO-1123、エチレン、HFC-161、HFC-152、HCFC-133、HCFC-123、HCFC-21を含む組成物を蒸留した。結果を表3に示す。
[0070]
[表3]


[0071]
 上記の通り、HFC-143とHFO-1123、エチレン、HFC-161からなる共沸様組成物を利用して蒸留により分離することで、高純度のHFC-143を得ることができた。

請求の範囲

[請求項1]
1,1,2-トリフルオロエタン(HFC-143)と、
 1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO-1123)、1,1,1-トリフルオロメタン(HFC-143a)、1,-クロロ-1,2,2-トリフルオロエチレン(CTFE)、1-クロロ-1-フルオロエチレン(HCFO-1131a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,2-ジフルオロエタン(HFC-152)、トランス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(E))、シス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(Z))、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、フルオロエタン(HFC-161)、1,2-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141)、1,1-ジクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン(HCFC-123)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-142)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-142a)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)、フルオロエチレン(HFO-1141)、ジクロロフルオロメタン(HCFC-21)、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、トリフルオロメタン(HFC-23)、エチレン及びアセチレンからなる群より選択される少なくとも一種の追加的化合物と
を含む、組成物。
[請求項2]
 HFC-143と前記追加的化合物との混合物が、共沸又は共沸様である、請求項1に記載の組成物。
[請求項3]
 前記追加的化合物を、HFC-143と前記追加的化合物との混合物の全体に対して合計で0質量%より多く、かつ30質量%以下含む、請求項1又は2に記載の組成物。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物の、熱移動媒体組成物としての使用。
[請求項5]
 HFC-143と、
 1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO-1123)、1,1,1-トリフルオロメタン(HFC-143a)、1,-クロロ-1,2,2-トリフルオロエチレン(CTFE)、1-クロロ-1-フルオロエチレン(HCFO-1131a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,2-ジフルオロエタン(HFC-152)、トランス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(E))、シス-1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131(Z))、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、フルオロエタン(HFC-161)、 1,2-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141)、1,1-ジクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン(HCFC-123)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-142)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-142a)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)、フルオロエチレン(HFO-1141)、ジクロロフルオロメタン(HCFC-21)、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、トリフルオロメタン(HFC-23)、エチレン及びアセチレンからなる群より選択される少なくとも一種の追加的化合物とを含む混合物において、
HFC-143と前記追加的化合物とを分離する方法であって、
  (1)HFC-143及び前記追加的化合物を含む出発組成物を第1蒸留塔に供給することにより:
   HFC-143及び前記追加的化合物を含む共沸又は共沸様混合物組成物を第1留出物として;かつ
   HFC-143又は前記追加的化合物のいずれかに前記出発組成物より濃度的に富む組成物を第1蒸留塔ボトム組成物として抜き出す工程と;
  (2)必要に応じて、前記第1留出物又は第1蒸留塔ボトム組成物を第1蒸留塔と運転条件の異なる第2蒸留塔に供給してHFC-143又は追加的化合物のいずれかに前記出発組成物より濃度的に富む組成物を形成する工程と
を含む方法。

図面

[ 図 1]