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1. WO2020183768 - ワークチェンジャ、ワーク搬送装置、加工装置、及び、リング軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法

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明 細 書

発明の名称 ワークチェンジャ、ワーク搬送装置、加工装置、及び、リング軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090  

符号の説明

0091  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : ワークチェンジャ、ワーク搬送装置、加工装置、及び、リング軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ワークチェンジャ、ワーク搬送装置、加工装置、及び、リング軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 リング状のワークに研削等を施す加工装置では、ワーク搬送路で搬送されてくるワークを加工位置に配置させ、加工位置にて所定の加工を実施する。そして、加工後のワークを加工位置から取り出してワーク搬送路に戻し、ワークを後段の工程へ送る。このような加工位置へワークを搬送させる機構として、ワークチェンジャやローディング装置が広く用いられている(例えば、特許文献1~4)。
[0003]
 特許文献1に記載のワークチェンジャでは、被加工物及び加工完了品をそれぞれ保持可能な保持部が旋回アームの両端部に設けられ、旋回アームが水平回転軸回りに間欠回転することによって、一方の保持部に保持された被加工物を給排位置近傍から加工位置近傍へ搬送する。また、これと同時に、他方の保持部に保持された加工完了品を加工位置近傍から給排位置近傍へ搬送する。
[0004]
 特許文献2には、遊星運動が自在な遊星歯車を有する遊星歯車装置を備えたローディング装置が記載されている。遊星歯車が遊星運動を行うことによって、遊星歯車に自転中心に対して偏心して設けられて回転部材及びローダ部材に連結される偏心連結部が、サイクロイド曲線に沿う運動を行う。これにより、回転部材の回転及びローダ部材の半径方向の動作を行わせ、固定されたシューに対してワークの入れ替え動作を行っている。
[0005]
 特許文献3には、ワーク供給ポジションでワークが供給され、ワーク研削ポジションでワークに対して研削加工を行い、ワーク排出ポジションで研削加工が終了したワークを外部へ排出するローダ手段を備えたローディング装置が記載されている。このローディング装置では、各ポジションに同一タイミングでワーク保持機構を位置させている。
[0006]
 特許文献4には、互いに反対方向に延びるワーク支えアームを有する回転可能なホルダと、ホルダと同軸で回転するワーク押さえアームとを有するローディング装置が記載されている。このローディング装置では、固定されたシューに支持されて加工されたワークを、ホルダの一方のワーク支えアームとワーク押さえアームで挟持し、その後、ホルダとワーク押さえアームが共に回転することで、加工後のワークを取り出すようになっている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 日本国特許第5321123号公報
特許文献2 : 日本国特許第3926583号公報
特許文献3 : 日本国特許第6312473号公報
特許文献4 : 日本国特開平3-196936号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 ところで、大量生産されるワークの加工装置においては、生産性の向上の要求から、ワークの入れ替えに要するローディング時間の短縮が求められている。
[0009]
 しかし、ワーク搬出動作、ワーク定配動作及びワーク搬入動作等の複数の動作を連続して行う上記のようなワークチェンジャやローディング装置では、ローディング時間の短縮に限度があった。また、加工内容の変更や段取り替えの際に、ローディング装置の構造や部品の配置等を変更しなければならず、汎用性に乏しかった。しかも、加工するワークの形状に合わせて複数の部品を交換しなければならず、段取り替えの作業に長い時間を要していた。
[0010]
 このような事情から、立形研削盤用に設けられるローディング装置として、ボールねじとサーボモータによる直進動作を、カム形状の溝に倣った経路の移動に変換して、ワークの入れ替え動作を高速に行うものもある。しかし、このローディング装置であっても、ワークを溝形状に倣って移動させる構造であるため、ワークの移動方向が制限される。したがって、ワーク形状の変更等、段取り替えの作業が依然として煩雑なままであった。
[0011]
 本発明は、高速でワークの入れ替えを行うことができ、また、汎用性を高めることができ、しかも、段取り替えの手間を抑えることが可能なワークチェンジャ、ワーク搬送装置、加工装置、及び、リング軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0012]
 本発明は下記の構成からなる。
(1) リング状のワークの入れ替え位置と、前記ワークを加工する加工位置との間で、前記ワークを入れ替えするワークチェンジャであって、
 回転軸を中心に回転自在に支持され、少なくとも2箇所の径方向外縁部に、前記ワークを保持するワーク保持部が設けられたローディング部材と、
 前記回転軸の軸方向垂直面内で前記ローディング部材を移動自在に支持するローディング部材支持機構と、
 前記ローディング部材を前記回転軸回りに回転駆動する回転駆動部と、
 前記ローディング部材を、前記ワーク保持部が前記入れ替え位置と前記加工位置にそれぞれ配置されるワークセット状態と、前記ワーク保持部が前記入れ替え位置及び前記加工位置から離間して配置されるワーク退避状態とに、前記ローディング部材支持機構を駆動して変位させる変位駆動部と、を備え、
 前記加工位置には、前記ワークの外周を支持するシューが配置され、
 前記ローディング部材支持機構が、前記ローディング部材を前記ワークセット状態から前記ワーク退避状態になり、再び前記ワークセット状態に戻るまでの間に、
 前記変位駆動部と前記回転駆動部は、前記ローディング部材を前記シューと干渉させない軌跡で、前記加工位置に配置されていた前記ワーク保持部を前記入れ替え位置に配置させる動作と、前記入れ替え位置に配置されていた前記ワーク保持部を前記加工位置に配置させる動作とを行うワークチェンジャ。
(2) (1)のワークチェンジャと、
 加工前のワークが連続供給されるワーク供給位置と、加工後の前記ワークが載置されるワーク受取位置とを有し、前記ワークを搬送するワーク搬送部と、を備えるワーク搬送装置であって、
 前記ピックアンドプレース機構は、
 加工前の前記ワークを、前記ワーク供給位置から前記ローディング部材の前記入れ替え位置に配置された前記ワーク保持部に移載するローディング動作と、
 前記ローディング部材の前記入れ替え位置の前記ワーク保持部に保持された加工済みのワークを、前記ワーク受取位置に移載するアンローディング動作と、を交互に行う機能を有するワーク搬送装置。
(3) (1)に記載のワークチェンジャを備え、前記ワークを加工する加工装置。
(4) (3)に記載の加工装置を用いてリング軸受を製造するリング軸受の製造方法。
(5) (3)に記載の加工装置を用いて機械を製造する機械の製造方法。
(6) (3)に記載の加工装置を用いて車両を製造する車両の製造方法。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、高速でワークの入れ替えを行うことができ、また、汎用性を高めることができ、しかも、段取り替えの手間を抑えることができる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 転がり軸受の一部断面斜視図である。
[図2] 第1構成例のワークチェンジャを備えたワーク搬送装置の斜視図である。
[図3] 図2に示すワークチェンジャのIII-III断面を表す断面図である。
[図4] ワークチェンジャの平面図である。
[図5] (A)及び(B)はピックアンドプレース機構によるローディング動作を説明する概略平面図である。
[図6] (A)~(E)はワークチェンジャによるワーク入れ替え動作を説明する概略平面図である。
[図7] (A)及び(B)はピックアンドプレース機構によるアンローディング動作を説明する概略平面図である。
[図8] (A)~(C)はワークへの加工例及びワークの退避方向を説明する加工位置における平面図である。
[図9] 2軸一体型モータを備える第2構成例を説明するモータの軸線方向に沿う概略断面図である。
[図10] 第3構成例のワークチェンジャの平面図である。
[図11] 第4構成例のワークチェンジャの平面図である。
[図12] リング状のワークである外輪及び内輪を備えた軸受が用いられたモータの概略断面図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここでは、転がり軸受の外輪をワークとした場合を一例として説明するが、これに限らない。
[0016]
<ワーク>
 図1は転がり軸受の一部断面斜視図である。
 転がり軸受(以下、単に「軸受」と記す。)100は、内輪11と、外輪13と、内輪11と外輪13との間に設けられる複数の転動体15と、転動体15を転動自在に保持する保持器17と、を備える。内輪11は、外周面に転動体15の軌道溝(案内面)11aを有する鋼材等の金属製の円環状体である。外輪13は、内周面に転動体15の軌道溝(案内面)13aを有する鋼材等の金属製の円環状体である。
[0017]
<ワーク搬送装置>
[第1構成例]
 図2は第1構成例のワークチェンジャを備えたワーク搬送装置の斜視図である。図3は図2に示すワークチェンジャのIII-III断面を表す断面図である。ここで例示するワークWは、図1に示す円環状体の外輪13である。
[0018]
 図2に示すように、本構成例のワークチェンジャ200は、ワークWを搬送するワーク搬送部300と、ワークWを加工位置に移送するピックアンドプレース機構400と共にワーク搬送装置500を構成する。ワーク搬送装置500は、ワーク搬送部300によって前工程から供給される加工前のワークWを、ピックアンドプレース機構400によって立形の加工装置(図示略)の加工位置P1へ移送し、加工装置によって加工された加工後のワークWを、加工装置から排出してワーク搬送部300に戻し、ワーク搬送部300によって次工程へ搬送させる。
[0019]
(ワークチェンジャ)
 図3に示すように、ワークチェンジャ200は、ローディング部材21と、ローディング部材支持機構23と、回転駆動部25と、変位駆動部27と、を備えている。
[0020]
 ローディング部材21は、図4に示すように細長の板状に形成されており、その中間部は、回転軸31によって鉛直方向に支持され、この回転軸31を中心に回転自在となっている。ローディング部材21には、径方向外縁部の2箇所に、ワークWを保持するワーク保持部33が設けられている。具体的には、ワーク保持部33は、ローディング部材21の長手方向の一端部と他端部における回転軸31から径方向に等距離の位置にそれぞれ設けられている。ワーク保持部33は、加工装置によるワークWへの加工が行われる加工位置P1と、ワークWが受け渡されて入れ替えられる入れ替え位置P2とに配置される。これらの一対のワーク保持部33は、ローディング部材21の回転軸31回りの反転(180°回転)によって互いの位置が入れ替わる。
[0021]
 ワーク保持部33は、ワークWよりも僅かに大径の孔部を有し、ワーク保持部33の上方(図3の上方、図4の紙面垂直方向手前)側からワークWが出し入れされる。ローディング部材21の下方には、テーブル35が設けられている。テーブル35には、回転軸31が挿通される円弧状の長孔からなる開口部37が形成されている(図4参照)。この開口部37は、ローディング部材支持機構23の後述する旋回部43の揺動駆動軸51の中心軸を中心とした円弧状に形成されている。ワーク保持部33内のワークWは、その下部がテーブル35に接した状態で外周面がワーク保持部33の内周面で保持される。ローディング部材21が回転軸31回りに回転されると、ワークWは、ワーク保持部33内に収容された状態でテーブル35の上面を滑りながら移動する。
[0022]
 ローディング部材支持機構23は、ローディング部材21を回転軸31で支持する。また、ローディング部材支持機構23は、回転軸31の軸方向垂直面内でローディング部材21を移動自在に支持する。
[0023]
 ローディング部材支持機構23は、アーム41と、旋回部43とを有する。対向する一対の部材で箱状とされたアーム41は、ローディング部材21の回転軸31を先端部で支持する。旋回部43は、アーム41の回転軸31側とは反対側の基端部を揺動自在に支持する。
[0024]
 アーム41の先端部には、従動プーリ47と一体となった軸支持部45に回転軸31が支持される。回転軸31は、頭部と軸部とを有し、軸部がテーブル35の開口部37を貫通し、アーム41側の軸支持部45に固定され、頭部がローディング部材21の中間部に固定される。従動プーリ47は、アーム41内に収容されている。
[0025]
 図3に示すように旋回部43は、筒状に形成された揺動駆動軸51を有する。揺動駆動軸51は、架台55に設けられた支持筒部57に、軸受59を介して回転可能に支持される。揺動駆動軸51の上端部は、アーム41の基端部と連結し、揺動駆動軸51とアーム41とが一体に構成される。これにより、アーム41は、旋回部43によって基端部が揺動自在に支持される。
[0026]
 このように、ローディング部材支持機構23は、アーム41の先端部に設けた回転軸31を、旋回部43の揺動駆動軸51の軸回りに円弧移動させ、回転軸31により支持されたローディング部材21を、回転軸31の軸方向垂直面内で移動させる。なお、立形の場合、ローディング部材21を水平面内で移動させるが、回転軸31の軸方向は必ずしも鉛直方向に限らず、鉛直方向から傾斜していてもよい。
[0027]
 回転駆動部25は、回転駆動軸61と、回転伝達部材63と、回転用モータ65と、を有する。回転駆動軸61は、旋回部43の揺動駆動軸51の内部に挿通されて、揺動駆動軸51と同軸に配置される。回転駆動軸61は、その上下端の近傍部分が軸受67によって揺動駆動軸51に回転可能に支持される。回転駆動軸61には、その上端部に駆動プーリ69が固定されている。この駆動プーリ69は、アーム41内に収容されている。回転伝達部材63は、例えば、無端状のベルトからなるもので、ローディング部材21の回転軸31の従動プーリ47と、回転駆動軸61の駆動プーリ69との間に掛けられている。回転用モータ65は、サーボモータからなるもので、回転駆動軸61の下方に配置されている。回転駆動軸61は、回転用モータ65の駆動軸71に連結される。回転駆動軸61は、回転用モータ65により回転駆動される。回転伝達部材63は、回転駆動軸61の回転をローディング部材21の回転軸31に伝達する。これにより、ローディング部材21が回転軸31と一体となって回転駆動される。
[0028]
 変位駆動部27は、揺動用モータ75と、駆動歯車77と、従動歯車79とを有する。揺動用モータ75は、外付けのサーボモータからなるもので、駆動歯車77は、揺動用モータ75の駆動軸81に固定される。従動歯車79は、旋回部43を構成する揺動駆動軸51の下端部に固定されている。駆動歯車77と従動歯車79は、互いに噛み合わされており、揺動用モータ75の回転を揺動駆動軸51に伝達する。これにより、揺動駆動軸51に支持されたアーム41が、揺動用モータ75の駆動によって揺動される。なお、揺動用モータ75としては、ビルトイン構造として変位駆動部27の筐体内(不図示)に内蔵させてもよい。また、揺動用モータ75の回転力の揺動駆動軸51への伝達方式としては、歯車による伝達方式に限らず、ベルトによる伝達方式等、他の方式であってもよい。
[0029]
 このように、ワークチェンジャ200は、揺動駆動軸51を駆動する揺動用モータ75と、回転駆動軸61を駆動する回転用モータ65とが、それぞれ個別に駆動可能に設けられている。
[0030]
 図4はワークチェンジャの平面図である。
 図3に示す変位駆動部27は、揺動用モータ75によって揺動駆動軸51を回転させてアーム41を揺動させることで、ローディング部材21をワークセット状態S1とワーク退避状態S2との間で変位させる。ワークセット状態S1では、ローディング部材支持機構23によってワーク保持部33が入れ替え位置P2と加工位置P1にそれぞれ配置され、ワーク退避状態S2では、ワーク保持部33が入れ替え位置P2及び加工位置P1から離間して配置される。
[0031]
 ローディング部材21をワークセット状態S1とした場合に、一方のワーク保持部33が配置される加工位置P1には、複数のシュー91が配置されている。これらのシュー91は、図2に示すように、加工装置の支持台93上に固定される。支持台93は、テーブル35の下方に配置されており、支持台93に固定されたシュー91は、加工位置P1に配置されたワークWの外周を支持する。
[0032]
 加工装置は、例えば、砥石等の加工ツールを備え、この加工ツールは、支持台93の上面の面内方向に移動(切り込み)可能に、且つ、垂直方向に上下動(送り)可能に設けられる。加工ツールは、加工位置P1に配置されたワークWに対して相対移動することでワークWへの加工がなされる。
[0033]
 上記構成のワークチェンジャ200では、ローディング部材支持機構23が、ローディング部材21をワークセット状態S1からワーク退避状態S2にし、再びワークセット状態S1に戻すまでの間に、変位駆動部27と回転駆動部25が、以下に説明する送り出し動作と送り込み動作とからなるワーク入れ替え動作を行い、加工位置P1のワークWを入れ替える。
[0034]
 送り出し動作では、変位駆動部27と回転駆動部25が、ローディング部材21をシュー91と干渉させない軌跡で、加工位置P1に配置されていたワーク保持部33を入れ替え位置P2に配置させる。また、送り込み動作では、変位駆動部27と回転駆動部25が、入れ替え位置P2に配置されていたワーク保持部33を加工位置P1に配置させる。
[0035]
 この送り出し動作及び送り込み動作を同時に行って、加工位置P1に対してワークWを1回入れ替えする際に回転軸31を円弧移動(揺動)させる回転量αは、ローディング部材21の回転軸31回りの回転量β(β=180°)より少なくされている。
[0036]
(ワーク搬送部)
 図2に示すように、ワーク搬送部300は、例えば、ベルトコンベア等から構成され、ワークWを搬送する。ワーク搬送部300は、加工前のワークWが連続供給されるワーク供給位置P3と、加工後のワークWが載置されるワーク受取位置P4とを有する。前工程から供給された加工前のワークWは、ワーク供給位置P3へ向かって(図2の矢印A方向へ向かって)搬送される。また、ワーク受取位置P4に載置された加工後のワークWは、次工程へ向かって(図2の矢印B方向へ向かって)搬送される。ワーク搬送部300は、一本のベルトコンベアに限らず、複数のベルトコンベアであってもよく、ワークWをワーク供給位置P3に供給し、ワーク受取位置P4から後段に搬送する機能を有していればよい。
[0037]
(ピックアンドプレース機構)
 ピックアンドプレース機構400は、支柱101と、ピックアップ支持体103と、把持機構105とを備える。ピックアップ支持体103は、支柱101を中心に揺動及び昇降可能に支持される。把持機構105は、ピックアップ支持体103の先端に支持されている。把持機構105は、一対のチャック107を有し、これらチャック107は、それぞれ下方へ延びる把持ピン109を備える。把持機構105は、把持ピン109を備えるチャック107を水平面内で互いに近接及び離間する方向へ移動させることで、ワークWの把持と把持解除を行う。
[0038]
 このピックアンドプレース機構400は、一対の把持ピン109を近接させた状態にして、ピックアップ支持体103を下降させて把持ピン109をリング状のワークW内に挿し込む。そして、チャック107を互いに離間させることで、ワークW内で一対の把持ピン109によってワークWを内周側から把持する。そして、ピックアップ支持体103を上昇させることで、チャック107に把持されたワークWを持ち上げる。そして、ピックアップ支持体103を揺動させることで把持したワークWを水平移動させる。移動先にワークWを配置させる際は、ピックアップ支持体103によりワークWを移動先に移動させた後、ピックアップ支持体103を下降させて把持機構105のチャック107を近接させる。これにより、把持ピン109によるワークWの把持を解除し、ワークWを移動先に載置する。その後、ピックアップ支持体103を上昇させてワークWから把持ピン109を抜き取る。
[0039]
 上記のワーク移動を行うピックアンドプレース機構400は、ワークWのローディング動作及びアンローディング動作を交互に行う機能を有している。
[0040]
 ローディング動作は、ワーク搬送部300のワーク供給位置P3に配置された加工前のワークWを把持し、入れ替え位置P2に配置されたローディング部材21のワーク保持部33に移載して供給する供給動作である。また、アンローディング動作は、入れ替え位置P2に配置されたローディング部材21のワーク保持部33に保持された加工済みのワークWを把持し、ワーク搬送部300のワーク受取位置P4に移載して排出する排出動作である。このピックアンドプレース機構400によるローディング動作及びアンローディング動作は、加工装置によるワークWの加工中に行われるため、非加工時間に搬送待ち状態になる等、タクトタイムに影響を及ぼすことはない。
[0041]
<ワーク搬送装置の動作>
 次に、上記のワークチェンジャ200を備えたワーク搬送装置500の具体的な動作について説明する。
 図5(A)及び(B)はピックアンドプレース機構400によるローディング動作を説明する概略平面図である。図6(A)~(E)はワークチェンジャ200によるワーク入れ替え動作を説明する概略平面図であり、図6(A)はワークセット状態S1、図6(C)はワーク退避状態S2を示している。図7(A)及び(B)はピックアンドプレース機構400によるアンローディング動作を説明する概略平面図である。
[0042]
(ローディング動作)
 図5(A)に示すように、ワーク搬送部300のワーク供給位置P3に加工前のワークWが搬送されると、ワーク供給位置P3に配置された加工前のワークWがピックアンドプレース機構400のチャック107に把持される。その後、図5(B)に示すように、ピックアップ支持体103が入れ替え位置P2へ向かって(図5(B)の矢印C方向へ向かって)揺動し、入れ替え位置P2に配置されたローディング部材21のワーク保持部33に加工前のワークWが移載される。
[0043]
(ワーク入れ替え動作)
 図6(A)に示すように、入れ替え位置P2のワーク保持部33に加工前のワークWが移載され、さらに、加工位置P1のワーク保持部22のワークWに対する加工が終了すると、ワークチェンジャ200による送り出し動作と送り込み動作とからなるワーク入れ替え動作が開始される。
[0044]
 送り出し動作では、まず、図3に示す変位駆動部27の揺動用モータ75及び回転駆動部25の回転用モータ65が駆動する。すると、図6(B)に示すように、アーム41がワークセット状態S1の位置からワーク退避状態S2へ向かって(図6(B)の矢印D方向へ向かって)揺動するとともに、ローディング部材21がアーム41と同一方向(図6(B)の矢印E方向)へ回転する(図4も参照)。これにより、ワークセット状態S1のローディング部材21は、図3に示す揺動駆動軸51の軸線L1を中心として揺動しつつ、回転軸31の軸線L2を中心として回転する。すると、加工位置P1に配置されていたローディング部材21のワーク保持部33が加工位置P1から離脱され、このワーク保持部33に保持されていたワークWが、シュー91から離間する方向へ移動される。その後、図6(C)に示すように、ローディング部材21がワーク退避状態S2(図4も参照)に達し、送り出し動作から送り込み動作に移行する。
[0045]
 送り込み動作では、図3に示す回転駆動部25の回転用モータ65によるローディング部材21の矢印E方向の回転を継続しつつ、変位駆動部27の揺動用モータ75の駆動を逆転させる。これにより、図6(D)に示すように、アーム41がワークセット状態S1の位置へ向かって(図6(D)の矢印F方向へ向かって)揺動する。すると、加工後のワークWを保持しているワーク保持部33が入れ替え位置P2へ向かって移動されるとともに、加工前のワークWを保持しているワーク保持部33が加工位置P1へ向かって移動される。このとき、ワークWのシュー91との干渉を回避するために、アーム41がワークセット状態S1の位置に到達する前に、ローディング部材21を図6(D)から更にE方向に回転させておき、その後、アーム41をワークセット状態S1の位置に到達させるように不図示の制御装置にて制御する。その後、図6(E)に示すように、ローディング部材21がワークセット状態S1(図4も参照)に達すると、加工済みのワークWを保持しているワーク保持部33が入れ替え位置P2に配置されるとともに、加工前のワークWを保持しているワーク保持部33が加工位置P1に配置される。このとき、加工前のワークWは、シュー91に干渉することなく徐々に加工位置P1に配置される。
[0046]
(アンローディング動作)
 図7(A)に示すように、加工済みのワークWを保持したローディング部材21のワーク保持部33が入れ替え位置P2に配置されると、ワーク保持部33に保持されている加工後のワークWがピックアンドプレース機構400のチャック107に把持される。その後、図7(B)に示すように、ピックアップ支持体103がワーク受取位置P4へ向かって(図7(B)の矢印G方向へ向かって)揺動し、ワーク搬送部300のワーク受取位置P4に加工済みのワークWが載置される。
[0047]
 ここで、加工位置P1におけるワークWへの加工例及びワークWの退避方向について説明する。
 図8は(A)~(C)はワークへの加工例及びワークの退避方向を説明する加工位置における平面図である。
[0048]
(内径研磨)
 図8(A)に示すように、ワークWの内周面を研磨する場合、回転駆動され軸断面が円形の砥石を有する加工ツールTが、加工位置P1に配置され、一対のシュー91で支持されたワークWの内側に入り込む。そして、加工ツールTがワークWの内周面に当接することで、ワークWの内周面の研磨加工が行われる。この加工例の場合、加工後に加工ツールTが軸方向(図8(A)の奥行き方向)に移動すると、ワーク入れ替え動作の送り出し動作によってワークWがそれぞれのシュー91から離間する方向(図8(A)の矢印H1方向)に移動する。
[0049]
(外径研磨)
 図8(B)に示すように、ワークWの外周面を研磨する場合、回転駆動され軸断面が円形の砥石を有する加工ツールTが、加工位置P1に接近して、一対のシュー91で支持されたワークWの外側に配置される。そして、加工ツールTがワークWの外周面に当接することで、ワークWの外周面の研磨加工が行われる。この加工例の場合も、加工後に加工ツールTが退避すると、ワーク入れ替え動作の送り出し動作によってワークWがそれぞれのシュー91から離間する方向(図8(B)の矢印H2方向)へ移動される。
[0050]
(その他の加工)
 図8(C)に示すように、その他の各種の加工の場合も、ワーク入れ替え動作の送り出し動作によってワークWがそれぞれのシュー91から離間する方向(図8(C)中矢印H3方向)へ移動される。
[0051]
 このように、加工位置P1からのワークWの離脱方向H1,H2,H3は、ワークWの加工部位や加工工程によって異なるシュー91の位置等に応じて適宜変更される。
[0052]
 以上、説明したように、本構成によれば、ローディング部材支持機構23が、ローディング部材21をワークセット状態S1からワーク退避状態S2になり、再びワークセット状態S1に戻すまでの間に、変位駆動部27と回転駆動部25が、ローディング部材21をシュー91と干渉させない軌跡で、加工位置P1と入れ替え位置P2との間でのワークWの入れ替えを同時に行う。したがって、ローディング部材21の移動と回転とを別々に行う場合と比べ、ワークWの入れ替え動作を高速で行うことができ、生産性を向上できる。そして、ローディング部材21を移動させる機構が全て回転機構であるため、摺動部を、Oリング等によって簡単にシールできる。その結果、粉塵や異物が摺動面に入りこむことを確実に防止でき、使用環境に対する自由度が高められる。
[0053]
 また、変位駆動部27によるローディング部材支持機構23の移動及び回転駆動部25によるローディング部材21の回転のタイミング等を、ワークチェンジャ200の各部を駆動する駆動プログラムを変更するだけで調整できる。つまり、ワークWの入れ替え動作の際の動きを、ワークWの加工部位や加工工程によって異なるシュー91の位置等に応じて様々な経路に調整できる。したがって、ワークWの種類や加工内容等に応じてシュー91の位置等が変更されても、ワーク搬送装置の構造や各部の部品の配置を変更する必要が殆どなく、簡単且つ迅速に調整作業を完了させることができる。このように、ワーク搬送装置の汎用性を大きく向上させることができる。
[0054]
 例えば、従来のカセットローダー等のローディング装置では、インシュートやアウトシュートの交換又は調整、ワークの加工位置への搬入及び搬出を行うガイドプレートの交換、定配ストッパーの交換等の様々な部品の交換が必要であり、段取り替えに多くの手間を要していた。これに対して、本構成のワークチェンジャ200では、ワークWを保持するワーク保持部33を有するローディング部材21だけを交換するだけで、加工対象のワークWの変更に対して簡単且つ迅速に対応することができ、段取り替えの作業を円滑に行うことができる。
[0055]
[第2構成例]
 上記した第1構成例のワークチェンジャでは、回転駆動部25の回転用モータ65と、変位駆動部27の揺動用モータ75とを個別に設けたが、回転駆動部25及び変位駆動部27のモータとして、2軸一体型モータを用いてもよい。
[0056]
 図9は2軸一体型モータを備える第2構成例を説明するモータの軸線方向に沿う概略断面図である。
 図9に示すように、2軸一体型モータ600は、円筒状のベース110と、ベース110の内周側に構成された内軸ロータ111と、ベース110の外周側に構成された外軸ロータ113とを有する。この2軸一体型モータ600は、回転用モータ65が内軸ロータ111を有し、揺動用モータ75が外軸ロータ113を有している。
[0057]
 内軸ロータ111は、ベース110の内側に設けられたロータヨーク121と、ロータヨーク121の外周面に沿って環状に配置された複数の磁石123と、ベース110の内周面に設けられたコア125とを有する。ロータヨーク121は、ベース110の上端部において、転がり軸受127によって回転可能に支持されており、このロータヨーク121の上端部に回転駆動軸61が連結される。コア125は、鉄心125aと、鉄心125aに巻回されたコイル125bとから構成されている。
[0058]
 外軸ロータ113は、ベース110の外側に設けられたロータヨーク131と、ロータヨーク131の内周面に沿って環状に配置された複数の磁石133と、ベース110の外周面に設けられたコア135とを有する。ロータヨーク131は、ベース110の上端部において、転がり軸受137によって回転可能に支持されており、このロータヨーク121の上端部に揺動駆動軸51が連結される。コア135は、鉄心135aと、鉄心135aに巻回されたコイル135bとから構成されている。
[0059]
 この内軸ロータ111のロータヨーク121を図3に示す回転駆動軸61と連結し、外軸ロータ113のロータヨーク131を図3に示す揺動駆動軸51と連結する。
[0060]
 そして、内軸ロータ111は、コア125のコイル125bへの電力供給により、ベース110に対してロータヨーク121を回転駆動する。また、外軸ロータ113は、コア135のコイル135bへの電力供給により、ベース110に対してロータヨーク131を回転駆動する。外軸ロータ113のロータヨーク131が回転することで、回転駆動軸61が回転され、その回転が回転軸31に伝達されて、ローディング部材21が回転される。
[0061]
 また、外軸ロータ113は、コア135のコイル135bへの電力供給により、ベース110に対してロータヨーク131を回転駆動する。外軸ロータ113のロータヨーク131が回転することで、揺動駆動軸51が回転されてアーム41が揺動され、ローディング部材21が移動される。
[0062]
 本構成のように、2軸一体型モータ600を回転駆動部25及び変位駆動部27の駆動用のモータとして用いれば、装置の小型化を図ることができる。
[0063]
[第3構成例]
 次に、ワークチェンジャ200の第3構成例について説明する。
 なお、上記構成のワークチェンジャ200と同一の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。
[0064]
 図10は第3構成例のワークチェンジャの平面図である。
 図10に示すように、本構成のワークチェンジャ200Aは、ローディング部材支持機構23Aが、第1直動ステージ141と第2直動ステージ143とを備える。第1直動ステージ141は、スライダ141aと移動レール141bとを有し、第2直動ステージ143は、スライダ143aと移動レール143bとを有する。
[0065]
 第1直動ステージ141のスライダ141aは、ローディング部材21の回転軸31を支持する。第1直動ステージ141は、スライダ141aを移動レール141bに沿って移動させることで、ローディング部材21をX方向に移動させる。第2直動ステージ143のスライダ143aは、第1直動ステージ141の移動レール141baを一体に支持する。第2直動ステージ143は、スライダ143aを移動レール143bに沿って移動させることで、ローディング部材21をY方向に移動させる。
[0066]
 これにより、本構成のワークチェンジャ200Aでは、ローディング部材21を回転軸31の軸方向垂直面内(水平面内)でX方向とY方向に独立して移動させることができる。よって、ローディング部材21を、ワークセット状態S1とワーク退避状態S2との間で移動させるワーク入れ替え動作を、移動方向の制約を抑制して高効率で実現できる。
[0067]
 したがって、本構成のワークチェンジャ200Aによれば、第1直動ステージ141と第2直動ステージ143によってスライダ141aに搭載したローディング部材21の回転軸31を、水平面内で任意の方向へ自在に移動させることができ、ローディング部材21を円弧軌跡に限らず、任意の軌跡で移動させることが可能となる。よって、ローディング部材21を、シュー91等の周囲部材との干渉を回避して、ワークセット状態S1及びワーク退避状態S2に効率よく変位させることができる。
[0068]
[第4構成例]
 図11は第4構成例のワークチェンジャの平面図である。
 図11に示すように、本構成のワークチェンジャ200Bは、平面視で略三角形のローディング部材21Aを備えており、その中心が回転軸31に支持されて回転される。このローディング部材21Aは、回転の径方向外縁部である3箇所の角部にワーク保持部33が設けられている。
[0069]
 本構成のワークチェンジャ200Bでは、一つのワーク保持部33が加工位置P1に配置された状態で、他の二つのワーク保持部33がそれぞれ異なる入れ替え位置P2A,P2Bに配置される。したがって、加工位置P1でワークWに対して加工を行っている最中に、ピックアンドプレース機構400が、一方の入れ替え位置P2Aのワーク保持部33に対してローディング動作によって加工前のワークWを供給し、他方の入れ替え位置P2Bのワーク保持部33に対してアンローディング動作によって加工後のワークWを排出することができる。このようにローディング動作とアンローディング動作とが同時に実施可能となるため、例えば、ワークWの加工時間が、前述したローディング動作とアンローディング動作とを順次に実施するワーク入れ替えの合計時間より短い場合に、非加工時間に搬送待ち状態になることを抑制でき、タクトタイムを短縮できる。これにより、作業効率を向上させて生産性を高められる。
[0070]
 以上説明した各構成例のワークチェンジャは、例えば、図12に示すモータ700の回転軸163を支持する軸受100A,100B等の内輪11A,11Bや外輪13A,13B等のリング状のワークに対する移動、搬送を行うワーク搬送装置、及びこれを備えたワーク加工装置、並びに、リング軸受を製造するリング軸受製造装置等に適用できる。
[0071]
 ここで例示するモータ700は、ブラシレスモータであって、円筒形のセンタハウジング165と、このセンタハウジング165の一方の開口端部を閉塞する略円板状のフロントハウジング167とを有する。センタハウジング165の内側には、その軸心に沿って、フロントハウジング167及びセンタハウジング165の底部に配置された軸受100A,100Bを介して、回転自在な回転軸163が支持される。回転軸163の周囲にはモータ駆動用のロータ169が設けられ、センタハウジング165の内周面にはステータ171が固定される。
[0072]
 上記構成のモータ700は、一般に、機械や車両に搭載され、軸受100A,100Bにより支持された回転軸163を回転駆動する。
[0073]
 この他にも、回転部を有する機械、各種製造装置、例えば、ボールねじ装置等のねじ装置、及びアクチュエータ(直動案内軸受とボールねじの組合せ、XYテーブル等)等の直動装置の回転支持部、また、ステアリングコラム、自在継手、中間ギア、ラックアンドピニオン、電動パワーステアリング装置、及びウォーム減速機等の操舵装置の回転支持部、更に、自動車、オートバイ、鉄道等の車両の回転支持部等のリング状のワークを移動、搬送又は加工する際に適用可能である。このように、相対回転する箇所に適用されるリング状の構成部品(ワーク)であれば、上記した各装置で好適に用いることができ、各装置を用いて構成部品を製造することで、生産性及び製品品質を向上できる。
[0074]
 このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
[0075]
 上記の加工装置は立形の構成で説明したが、横形にすることもできる。立形の加工装置は、横形の場合と比較してツール駆動用モータの上下方向への配置自由度が高くなり、装置全体の小型化が可能となるため好ましい。また、加工装置の加工位置にワークを水平移動させて入れ替えるので、ワークを上下に移動させて入れ替えを行う横形のワークチェンジャと比べて重力の影響を受け辛く、ワークの移動経路の設計自由度が高くなる。
[0076]
 以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) リング状のワークの入れ替え位置と、前記ワークを加工する加工位置との間で、前記ワークを入れ替えするワークチェンジャであって、
 回転軸を中心に回転自在に支持され、少なくとも2箇所の径方向外縁部に、前記ワークを保持するワーク保持部が設けられたローディング部材と、
 前記回転軸の軸方向垂直面内で前記ローディング部材を移動自在に支持するローディング部材支持機構と、
 前記ローディング部材を前記回転軸回りに回転駆動する回転駆動部と、
 前記ローディング部材を、前記ワーク保持部が前記入れ替え位置と前記加工位置にそれぞれ配置されるワークセット状態と、前記ワーク保持部が前記入れ替え位置及び前記加工位置から離間して配置されるワーク退避状態とに、前記ローディング部材支持機構を駆動して変位させる変位駆動部と、を備え、
 前記加工位置には、前記ワークの外周を支持するシューが配置され、
 前記ローディング部材支持機構が、前記ローディング部材を前記ワークセット状態から前記ワーク退避状態になり、再び前記ワークセット状態に戻るまでの間に、
 前記変位駆動部と前記回転駆動部は、前記ローディング部材を前記シューと干渉させない軌跡で、前記加工位置に配置されていた前記ワーク保持部を前記入れ替え位置に配置させる動作と、前記入れ替え位置に配置されていた前記ワーク保持部を前記加工位置に配置させる動作とを行うワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、ローディング部材支持機構が、ローディング部材をワークセット状態からワーク退避状態になり、再びワークセット状態に戻るまでの間に、変位駆動部と回転駆動部が、ローディング部材をシューと干渉させない軌跡で、加工位置と入れ替え位置との間でのワークの入れ替えを同時に行う。
 したがって、ワークの入れ替え動作を高速で行うことができ、生産性が高められる。また、シューの位置等によって装置の構造や部品の配置を変更する必要がなく、汎用性を高めることができる。しかも、ワーク保持部を有するローディング部材だけを交換することや、駆動プログラムを変更するだけで、ワークや加工内容の変更に対して簡単にかつ迅速に対応することができ、段取り替えに要する手間を大幅に抑えることができる。
[0077]
(2) 前記ローディング部材には、長手方向の一端部と他端部に、前記回転軸から径方向に等距離の位置にそれぞれ前記ワーク保持部が設けられ、
 一対の前記ワーク保持部は、前記回転軸回りの反転によって互いの位置が入れ替わる、(1)に記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、ワーク保持部の位置が反転するようにローディング部材を回転させることで、ワーク保持部を加工位置と入れ替え位置との間で簡単に入れ替えできる。
[0078]
(3) 前記ローディング部材支持機構は、前記回転軸を円弧移動させる、(1)又は(2)に記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、ローディング部材支持機構がローディング部材を支持する回転軸を円弧移動させることで、ローディング部材をワークセット状態及びワーク退避状態に簡単にかつ正確に変位させることができる。
[0079]
(4) 前記ローディング部材支持機構は、
 前記ローディング部材の前記回転軸を先端部で支持するアームと、
 前記アームの基端部を揺動自在に支持する旋回部と、
を備える(3)に記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、旋回部に支持されたアームが揺動されることで、アームの先端部に支持されたローディング部材をワークセット状態及びワーク退避状態に簡単にかつ正確に変位させることができる。
[0080]
(5) 前記ワークを1回入れ替えする際に前記回転軸を円弧移動させる回転量は、前記ローディング部材の前記回転軸回りの回転量より少ない、(3)又は(4)に記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、ワークの入れ替え動作の際に、回転軸を円弧移動させる回転量をローディング部材の回転軸回りの回転量より少なくすることで、回転軸の円弧駆動が必要最小限の回転量となり、ワークの入れ替え速度を速めることができる。また、モータ等の駆動源をそれぞれ最適なものに選定できる。
[0081]
(6) 前記旋回部には、前記アームを揺動する揺動駆動軸と、前記ローディング部材の前記回転軸を駆動する回転駆動軸とが同軸に配置され、
 前記アームには、前記回転駆動軸から前記ローディング部材の前記回転軸に回転を伝達する回転伝達部材が配置されている、(4)に記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、アームを揺動する揺動駆動軸と、ローディング部材の回転軸を駆動する回転駆動軸とを同軸に配置することで、装置の小型化を図ることができる。また、回転駆動軸からローディング部材の回転軸に回転を伝達する回転伝達部材をアームに設けることで、ローディング部材支持機構の構造の簡略化及び小型化を図れる。しかも、アームの先端に回転軸を回転させるためのモータ等を設ける場合と比べて、アームの軽量化による移動の高速化が図れる。また、駆動源への給電線やエンコーダケーブル等の電線をアームに設ける必要がなくなり、構造を簡略化して低コスト化でき、電線の疲労や摩耗等による断線の不具合をなくして信頼性を高めることができる。
[0082]
(7) 前記揺動駆動軸を駆動する揺動用モータと、前記回転駆動軸を駆動する回転用モータとが、それぞれ個別に駆動可能に設けられている、(6)に記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、揺動用モータ及び回転用モータをそれぞれ個別に制御することで、アームの揺動及びローディング部材の回転を個別に制御できる。したがって、ワークの入れ替え動作の動きをきめ細かく調整でき、シューの位置等の干渉防止に円滑に対応することができる。
[0083]
(8) 前記揺動用モータと前記回転用モータは、それぞれ回転可能に設けられ、回転方向が同一に配置された内軸ロータと外軸ロータとを有する2軸一体型モータで構成され、
 前記揺動用モータと前記回転用モータの一方は前記内軸ロータを駆動し、他方は前記外軸ロータを駆動する、(7)に記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、揺動駆動軸を駆動する揺動用モータ及び回転駆動軸を駆動する回転用モータとして、2軸一体型のモータを用いることにより、装置の小型化が図れ、しかも、動力伝達部材等の構造の簡略化により、低コスト化が図れる。
[0084]
(9) 前記ローディング部材支持機構は、
 前記ローディング部材の前記回転軸を支持するスライダと、
 前記スライダを前記回転軸の軸方向垂直面内で直動自在に支持する直動ステージと、
を備える、(1)~(3)のいずれか1つに記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、直動ステージによってスライダを回転軸の軸方向垂直面内で移動させることで、ローディング部材をワークセット状態及びワーク退避状態に簡単にかつ正確に変位させることができる。
[0085]
(10) 前記ローディング部材支持機構は、前記回転軸が鉛直方向になるように支持された前記ローディング部材を水平面内で移動させる、(1)~(9)のいずれか1つに記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、立形の加工装置に用いることで、横形の場合と比較してツール駆動用モータの上下方向への配置自由度が高くなり、装置全体の小型化が可能となる。また、加工装置の加工位置にワークを水平移動させて入れ替えるので、ワークを上下に移動させて入れ替えを行う横形のワークチェンジャと比べて重力の影響を受け辛く、ワークの移動経路の設計自由度が高くなる。
[0086]
(11) 前記ローディング部材の前記入れ替え位置に配置された前記ワーク保持部に、加工前のワークを供給し、加工後のワークを排出するピックアンドプレース機構を更に備える、(1)~(10)のいずれか1つに記載のワークチェンジャ。
 このワークチェンジャによれば、ピックアンドプレース機構を備えることで、入れ替え位置における加工前のワークの供給及び加工後のワークの排出を迅速に行うことができる。また、このワークの入れ替え動作をワークの加工中に行うことで、タクトタイムに影響を及ぼすことはない。
[0087]
(12) (11)のワークチェンジャと、
 加工前のワークが連続供給されるワーク供給位置と、加工後の前記ワークが載置されるワーク受取位置とを有し、前記ワークを搬送するワーク搬送部と、を備えるワーク搬送装置であって、
 前記ピックアンドプレース機構は、
 加工前の前記ワークを、前記ワーク供給位置から前記ローディング部材の前記入れ替え位置に配置された前記ワーク保持部に移載するローディング動作と、
 前記ローディング部材の前記入れ替え位置の前記ワーク保持部に保持された加工済みのワークを、前記ワーク受取位置に移載するアンローディング動作と、を交互に行う機能を有するワーク搬送装置。
 このワーク搬送装置によれば、ピックアンドプレース機構がローディング動作とアンローディング動作を交互に行うことで、ワーク供給位置から入れ替え位置への加工前ワークの移載及び入れ替え位置からワーク受取位置への加工済みワークの移載が自動的に行われる。これにより、ワーク搬送部とワークチェンジャとの間でのワークの受け渡しを円滑に実施できる。また、ワーク搬送部におけるワーク供給位置やワーク受取位置でのワークの位置決め部品等を変更するだけで、ワークの変更に対して簡単に段取り替えができる。
[0088]
(13) (1)~(11)のいずれか1つに記載のワークチェンジャを備え、前記ワークを加工する加工装置。
 この加工装置によれば、加工位置に対するリング状のワークの入れ替えを高速で行うことができるので、ワークに対する加工効率を高め、生産性を向上させることができる。
[0089]
(14) (13)に記載の加工装置を用いてリング軸受を製造するリング軸受の製造方法。
(15) (13)に記載の加工装置を用いて機械を製造する機械の製造方法。
(16) (13)に記載の加工装置を用いて車両を製造する車両の製造方法。
 このリング軸受、機械、車両の製造方法によれば、各軸受部品の加工位置への入れ替え動作を簡単にかつ迅速に行うことができるため、生産性を向上させることができる。
[0090]
 なお、本出願は、2019年3月12日出願の日本特許出願(特願2019-44821)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。

符号の説明

[0091]
 21 ローディング部材
 23 ローディング部材支持機構
 25 回転駆動部
 27 変位駆動部
 31 回転軸
 33 ワーク保持部
 41 アーム
 43 旋回部
 51 揺動駆動軸
 61 回転駆動軸
 63 回転伝達部材
 65 回転用モータ
 75 揺動用モータ
 91 シュー
 111 内軸ロータ
 113 外軸ロータ
 141 第1直動ステージ
 141a スライダ
 141b 移動レール
 143 第2直動ステージ
 143a スライダ
 143b 移動レール
 200,200A,200B ワークチェンジャ
 300 ワーク搬送部
 400 ピックアンドプレース機構
 500 ワーク搬送装置
 600 2軸一体型モータ
 P1 加工位置
 P2 入れ替え位置
 P3 ワーク供給位置
 P4 ワーク受取位置
 S1 ワークセット状態
 S2 ワーク退避状態
 W ワーク
 α,β 回転量

請求の範囲

[請求項1]
 リング状のワークの入れ替え位置と、前記ワークを加工する加工位置との間で、前記ワークを入れ替えするワークチェンジャであって、
 回転軸を中心に回転自在に支持され、少なくとも2箇所の径方向外縁部に、前記ワークを保持するワーク保持部が設けられたローディング部材と、
 前記回転軸の軸方向垂直面内で前記ローディング部材を移動自在に支持するローディング部材支持機構と、
 前記ローディング部材を前記回転軸回りに回転駆動する回転駆動部と、
 前記ローディング部材を、前記ワーク保持部が前記入れ替え位置と前記加工位置にそれぞれ配置されるワークセット状態と、前記ワーク保持部が前記入れ替え位置及び前記加工位置から離間して配置されるワーク退避状態とに、前記ローディング部材支持機構を駆動して変位させる変位駆動部と、を備え、
 前記加工位置には、前記ワークの外周を支持するシューが配置され、
 前記ローディング部材支持機構が、前記ローディング部材を前記ワークセット状態から前記ワーク退避状態になり、再び前記ワークセット状態に戻るまでの間に、
 前記変位駆動部と前記回転駆動部は、前記ローディング部材を前記シューと干渉させない軌跡で、前記加工位置に配置されていた前記ワーク保持部を前記入れ替え位置に配置させる動作と、前記入れ替え位置に配置されていた前記ワーク保持部を前記加工位置に配置させる動作とを行うワークチェンジャ。
[請求項2]
 前記ローディング部材には、長手方向の一端部と他端部に、前記回転軸から径方向に等距離の位置にそれぞれ前記ワーク保持部が設けられ、
 一対の前記ワーク保持部は、前記回転軸回りの反転によって互いの位置が入れ替わる、請求項1に記載のワークチェンジャ。
[請求項3]
 前記ローディング部材支持機構は、前記回転軸を円弧移動させる、
請求項1又は2に記載のワークチェンジャ。
[請求項4]
 前記ローディング部材支持機構は、
 前記ローディング部材の前記回転軸を先端部で支持するアームと、
 前記アームの基端部を揺動自在に支持する旋回部と、
を備える請求項3に記載のワークチェンジャ。
[請求項5]
 前記ワークを1回入れ替えする際に前記回転軸を円弧移動させる回転量は、前記ローディング部材の前記回転軸回りの回転量より少ない、請求項3又は4に記載のワークチェンジャ。
[請求項6]
 前記旋回部には、前記アームを揺動する揺動駆動軸と、前記ローディング部材の前記回転軸を駆動する回転駆動軸とが同軸に配置され、
 前記アームには、前記回転駆動軸から前記ローディング部材の前記回転軸に回転を伝達する回転伝達部材が配置されている、請求項4に記載のワークチェンジャ。
[請求項7]
 前記揺動駆動軸を駆動する揺動用モータと、前記回転駆動軸を駆動する回転用モータとが、それぞれ個別に駆動可能に設けられている、請求項6に記載のワークチェンジャ。
[請求項8]
 前記揺動用モータと前記回転用モータは、それぞれ回転可能に設けられ、回転方向が同一に配置された内軸ロータと外軸ロータとを有する2軸一体型モータで構成され、
 前記揺動用モータと前記回転用モータの一方は前記内軸ロータを駆動し、他方は前記外軸ロータを駆動する、請求項7に記載のワークチェンジャ。
[請求項9]
 前記ローディング部材支持機構は、
 前記ローディング部材の前記回転軸を支持するスライダと、
 前記スライダを前記回転軸の軸方向垂直面内で直動自在に支持する直動ステージと、
を備える請求項1~3のいずれか1項に記載のワークチェンジャ。
[請求項10]
 前記ローディング部材支持機構は、前記回転軸が鉛直方向になるように支持された前記ローディング部材を水平面内で移動させる、請求項1~9のいずれか1項に記載のワークチェンジャ。
[請求項11]
 前記ローディング部材の前記入れ替え位置に配置された前記ワーク保持部に、加工前のワークを供給し、加工後のワークを排出するピックアンドプレース機構を更に備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のワークチェンジャ。
[請求項12]
 請求項11のワークチェンジャと、
 加工前のワークが連続供給されるワーク供給位置と、加工後の前記ワークが載置されるワーク受取位置とを有し、前記ワークを搬送するワーク搬送部と、を備えるワーク搬送装置であって、
 前記ピックアンドプレース機構は、
 加工前の前記ワークを、前記ワーク供給位置から前記ローディング部材の前記入れ替え位置に配置された前記ワーク保持部に移載するローディング動作と、
 前記ローディング部材の前記入れ替え位置の前記ワーク保持部に保持された加工済みのワークを、前記ワーク受取位置に移載するアンローディング動作と、を交互に行う機能を有するワーク搬送装置。
[請求項13]
 請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のワークチェンジャを備え、前記ワークを加工する加工装置。
[請求項14]
 請求項13に記載の加工装置を用いてリング軸受を製造するリング軸受の製造方法。
[請求項15]
 請求項13に記載の加工装置を用いて機械を製造する機械の製造方法。
[請求項16]
 請求項13に記載の加工装置を用いて車両を製造する車両の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]