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1. WO2020130148 - 老化抑制剤

Document

明 細 書

発明の名称 老化抑制剤

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

非特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031  

実施例

0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 老化抑制剤

技術分野

[0001]
 本発明は老化抑制剤,特に,桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として含有する内皮間葉移行抑制剤,並びにリンパ管の内皮間葉移行を抑制することによりリンパ管の老化を抑制するリンパ管老化抑制剤に関する。

背景技術

[0002]
 リンパ管は,細胞のすき間から炎症性細胞・タンパク質・水分といった老廃物を回収するという排水管としての役割を担う。一方,老化によりリンパ管の機能が損なわれると,老廃物の排出が滞り,むくみといった各種問題が生じることが知られている。よって,リンパ管の老化を予防/改善する物質が望まれる。
[0003]
 近年,眼球では,リンパ管様のシュレム管の内皮細胞が間葉系細胞に分化転換し,房水排出機能が損なわれる結果,老化に伴う緑内障を引き起こすことが報告された(非特許文献1)。また,血管内皮細胞の内皮間葉移行が腫瘍の進展に関与すること等も報告されている。
[0004]
 しかしながら,皮膚等の器官におけるリンパ管の老化に内皮細胞の内皮間葉移行が関与するか否かは不明である。また,リンパ管の間葉系細胞への分化転換を抑制する物質について探索する必要もある。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2014-218479号公報
特許文献2 : 特開2007-22957号公報
特許文献3 : 国際公開第2007/007732号

非特許文献

[0006]
非特許文献1 : The Journal of Clinical Investigation, 2017;127(10):3877-3896

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 本発明の課題は,リンパ管の内皮間葉移行抑制剤およびリンパ管の内皮間葉移行を抑制することによりリンパ管の老化を抑制するリンパ管老化抑制剤の提供にある。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明者らは,皮膚などの器官においてリンパ管内皮細胞の間葉系細胞への分化転換がリンパ管の老化に関与することを確認した。よって,リンパ管の内皮細胞の間葉系細胞への分化転換を抑制できれば,体の各器官のリンパ管の老化が抑制され,ひいては,当該器官の老化抑制に寄与することが期待される。そこで,本発明者らは様々な成分についてリンパ管の内皮間葉移行抑制剤としての効果について鋭意研究の結果,桑白皮及びグアバ葉が特に高い効果を有することを見出し,以下の発明を完成するに至った:
 (1)桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として含有するリンパ管の内皮間葉移行抑制剤。
 (2)TGF-β(transforming growth factor-β)を阻害することによりリンパ管の内皮間葉移行を抑制する(1)に記載の内皮間葉移行抑制剤。
 (3)桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として含有し,リンパ管の内皮間葉移行を抑制することによりリンパ管の老化を抑制するリンパ管老化抑制剤。
 (4)TGF-βを阻害することによりリンパ管の内皮間葉移行を抑制する(3)に記載のリンパ管老化抑制剤。
 (5)グアバ葉を有効成分として含有するTGF-β阻害剤。
 (6)(1)又は(2)に記載の内皮間葉移行抑制剤,(3)又は(4)に記載のリンパ管老化抑制剤,及び/又は(5)に記載のTGF-β阻害剤を含む組成物。
 (7)(6)に記載の組成物を対象に投与することを含む,対象のリンパ管老化を予防するための美容方法。
 (8)(6)に記載の組成物を対象に提案することを含む,対象の美容行為を支援する美容カウンセリング方法。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば,桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として含有する内皮間葉移行抑制剤を提供することができる。本発明の内皮間葉移行抑制剤の投与により,内皮間葉移行を抑制することができる。リンパ管の内皮間葉移行を抑制することによりリンパ管の老化を抑制することもできる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 図1は,若年群と高齢群のLYVE1およびSM22αの発現を示す。上図は,若年群と高齢群の皮膚リンパ管の内皮細胞におけるLYVE1およびSM22αの発現を示す代表的な図である。下図は,若年群と高齢群におけるLYVE1とSM22αの発現量の比率(EndMT ratio)を示すグラフである(n=8)(ステューデントのt検定,*p<0.05)。
[図2] 図2は,ヒト皮膚由来リンパ管内皮細胞(HDLEC)におけるProx1(上図)とVEGFR3(下図)の発現量を培養世代ごとに示したグラフである。縦軸は,第五継代細胞(kk2 p5)における発現量を100とし,その後の各培養世代における発現量の割合を示す(%)。横軸は,第五継代細胞からの培養世代を示す。
[図3] 図3は,HDLECにおけるLYVE1とSM22αの発現量を示す。各グラフにおいて,それぞれ,左からSB431542(SB),対照として0.1%BSA/4mM HCl(Ctrl),TGF-β(TGF-β)を添加した結果を示す(T検定,***p<0.001)。
[図4] 図4は,各種試料によるTGF-βの阻害効果を示す。PBSのみ(cont),TGF-βのみ(TGFb),TGF-β+SB431542(TGFb+SB),TGF-β+各種試料(1~18)を添加した結果を示す。13はグアバ葉抽出物,15は桑白皮抽出物を示す。
[図5] 図5は,HDLECにおけるLYVE1およびProx1の発現量をRT-PCRにより測定した結果を示す。左図はLYVE1の発現量を示し,右図はProx1の発現量を示す。各図において,それぞれ,左から順にPBSのみ,TGF-βのみ,SB431542のみ,SB431542+TGF-β,桑白皮抽出物のみ,TGF-β+桑白皮抽出物を添加した場合を示す。
[図6] 図6は,HDLECにおけるSM22αの発現量をRT-PCRにより測定した結果を示す。左から順にPBSのみ,TGF-βのみ,SB431542のみ,SB431542+TGF-β,桑白皮抽出物のみ,TGF-β+桑白皮抽出物を添加した場合を示す。
[図7] 図7は,桑白皮およびTGF-βの添加によるHDLECの形態の変化を示す。上図の左から順にSBのみ(SB),BSA/4mM HClのみ(mock),TGF-β(TGF-β),下図の左から順にSB431542+TGF-β(SB+TGF-β),桑白皮抽出物のみ(抽出液),桑白皮抽出物+TGF-β(抽出液+TGF-β)を添加した場合を示す。
[図8] 図8は,HDLECの透過性を測定したアッセイの結果を示す。左から,添加物無(con),並びにTGF-βのみ(TGF-β2),TGF-β+SB431542(TGF-β2+SB),TGF-β+桑白皮抽出物(TGF-β2+15)を添加した結果を示す(ダネットの多重検定定,*p<0.01)。縦軸は,各群のinsertから漏出したFITC-Dextranの吸光度を,無添加の場合を1とした相対値で示す。
[図9] 図9は,SM22αの発現量をRT-PCRにより測定した結果を示す。左から,PBSのみ(control),TGF-βのみ(TGF-β),TGF-β+SB431542(TGF-β+SB),TGF-β+グアバ葉抽出物(TGF-β+グアバ葉)を添加した結果を,controlを添加した場合を100とした相対値で示す(ダネットの多重検定, **p<0.001)。

発明を実施するための形態

[0011]
 本発明の内皮間葉移行抑制剤の投与により,リンパ管の内皮間葉移行を抑制することができる。リンパ管の内皮間葉移行を抑制することにより,リンパ管の老化を抑制することができる。本発明の内皮間葉移行抑制剤および老化抑制剤は,老廃物の排出,むくみの予防又は改善,代謝の促進,並びにリンパ管機能障害の予防又は治療に有用である。例えば,皮膚リンパ管の機能が良好に保たれることにより,老廃物の除去,リンパ液の循環等が正常に行われる結果,しみ,しわ,たるみといった皮膚老化の予防が期待される。
[0012]
 リンパ管の内皮間葉移行とは,リンパ管の内皮細胞が間葉系細胞に分化転換(以下,endothelial-mesenchymal transition:以下EndMTと略記する場合がある)することを言う。リンパ管の内皮間葉移行は,リンパ管内皮細胞における内皮細胞マーカーの発現量の減少,間葉系細胞マーカーの発現量の増加,並びに,内皮細胞マーカーに対する間葉系細胞マーカーの発現量の比率(EndMT ratio:下記式1の方法で算出)の増加等で測定可能である。内皮細胞マーカーとしてはLYVE1,Prox1,VEGFR3;間葉系細胞マーカーとしてはSM22α等が挙げられるがこれらに限定されず,任意の内皮細胞マーカーや間葉系細胞マーカーが使用でき,それらの比率であるEndMT ratioも上記マーカーに応じて任意である。また,内皮細胞が間葉系細胞へ分化転換すると,例えば線維化等といった形態の変化が見られるため(図7),細胞を形態的に観察することによって測定することも可能である。更に,内皮細胞が間葉系細胞へ分化転換すると,リンパ管内皮細胞の数が減少する,あるいはリンパ管内皮細胞としての性質を維持できないといった理由により,リンパ管の機能が損なわれリンパ管内を流れる液体が漏出してしまう。このようなリンパ管の機能の悪化は,例えば,実施例で示すような透過性アッセイによりリンパ管内皮細胞が形成されたインサートの透過性を測定することにより確認できる。つまり,リンパ管の内皮間葉移行は,透過性アッセイによる透過性の亢進により確認することが可能である。
[数1]


[0013]
 リンパ管の内皮間葉移行抑制とは,リンパ管の内皮細胞が間葉系細胞に分化転換することを抑制することを言う。
[0014]
 リンパ管の内皮間葉移行抑制は,例えば,リンパ管内皮細胞における間葉系細胞マーカーの発現量やEndMT ratioの増加,内皮細胞マーカーの発現量の減少を,リンパ管の内皮間葉移行抑制剤を添加すると,添加しない場合と比べて抑制することを意味する場合がある。抑制は,例えば,有意水準を5%とした統計学的有意差(例えばスチューデントのt検定)を有する減少であってもよく,及び/又は,例えば10%以上,20%以上,30%以上,40%以上,50%以上,60%以上,70%以上,80%以上,90%以上,100%の抑制であってもよい。
[0015]
 ここで,TGF-βは,内皮間葉移行を誘導する作用があることが報告されている。よって,各種薬剤のリンパ管の内皮間葉移行抑制効果を測定する際に,例えば,リンパ管の内皮間葉移行をTGF-β等の内皮間葉移行を促進する物質の添加によって促進してもよい。例えば,上記間葉系細胞マーカーの発現量やEndMT ratioの増加,内皮細胞マーカーの発現量の減少を,TGF-βにより促進してもよい。
[0016]
 TGF-βは,線維芽細胞の形質転換を促進する因子として同定されたホモ二量体(分子量約25kDa)の多機能性サイトカインであり,ヒトなどの哺乳動物では,類似する構造を有する3種類のサブタイプ(TGF-β1~3)が存在する。TGF-βは,細胞膜上の受容体に結合することによって細胞増殖,分化,発生の制御といった多様な作用を発揮する。また,TGF-βは,上皮細胞,血管内皮細胞,リンパ球等の各種細胞に対する増殖を抑制することも知られており,癌や腎線維化など様々な病態に関係していると考えられている。
[0017]
 本発明者らは,加齢によりリンパ管内皮細胞における内皮細胞マーカーの発現量が減少すること,間葉系細胞マーカーの発現量やEndMT ratioが上昇すること,リンパ管内皮細胞の数が減少すること,内皮細胞の形態が変化すること等を確認した。したがって,リンパ管の老化とは,加齢により,リンパ管内皮細胞におけるLYVE1,Prox1,VEGFR3といった内皮細胞マーカーの発現量が減少すること,及び/又はSM22αなどの間葉系細胞マーカーの発現量やEndMT ratioが上昇することを指してもよく,リンパ管内皮細胞が減少あるいは硬化することを指してもよく,リンパ管の内皮細胞の形態の変化(例えば線維芽細胞様への変化)を指してもよく,リンパ管の内皮細胞が減少及び/又は硬化することによりリンパ管の機能が損なわれることを指してもよい。なお,内皮細胞マーカー,間葉系細胞マーカー,EndMT ratioは上述と同様に限定されない。
[0018]
 リンパ管老化抑制は,上述のようなリンパ管の老化を抑制することを指し,リンパ管の内皮間葉移行の抑制を介するものであってもよい。
[0019]
 リンパ管の老化抑制とは,例えば,老化に伴うリンパ管内皮細胞における間葉系細胞マーカーの発現量やEndMT ratioの増加,内皮細胞マーカーの発現量の減少を,リンパ管の老化抑制剤を添加すると,添加しない場合と比べて抑制することを意味する場合もある。抑制は,例えば,有意水準を5%とした統計学的有意差(例えばスチューデントのt検定)を有する上記マーカー発現量の低減であってもよく,及び/又は,例えば10%以上,20%以上,30%以上,40%以上,50%以上,60%以上,70%以上,80%以上,90%以上,100%の抑制であってもよい。
[0020]
 ここで,各種薬剤のリンパ管の老化抑制効果を測定する際に,例えば,TGF-β等の添加によってリンパ管の内皮間葉移行を促進させて老化を促進してもよい。例えば,上記老化による間葉系細胞マーカーの発現量やEndMT ratioの増加,内皮細胞マーカーの発現量の減少を,TGF-βの使用により促進してもよい。
[0021]
 桑白皮は,マグワ(Morus alba Linne)といったクワ科クワ属に属する植物の根皮を指す。桑白皮は,昔から漢方薬として用いられており,利尿,鎮痛,抗炎症,鎮咳作用などがあることが報告されている(特許文献1,2)。また,桑白皮にTGF-β阻害効果があり,育毛などに効果があることが報告された(特許文献2)。グアバ葉は,グアバ(Psidium guajava)といったフトモモ科バンジロウ属に属する植物の葉を指す。グアバ葉は,糖尿病,高血圧,肥満,下痢等効果があることが報告されている(特許文献3)。しかしながら,桑白皮やグアバ葉に皮膚などの器官におけるリンパ管の内皮間葉移行抑制作用やリンパ管老化抑制作用があることは知られていない。
[0022]
 本発明のリンパ管の内皮間葉移行抑制剤又はリンパ管老化抑制剤は,有効成分として桑白皮及び/又はグアバ葉を,乾燥重量として,例えば,10質量%以上,20質量%以上,30質量%以上,40質量%以上,50質量%以上,60質量%以上,70質量%以上,80質量%以上,90質量%以上,95質量%以上,又は99質量%以上含有することがある。一実施形態では,本発明のリンパ管の内皮間葉移行抑制剤又はリンパ管老化抑制剤は桑白皮及び/又はグアバ葉からなることもある。
[0023]
 桑白皮及び/又はグアバ葉は生のままでも乾燥したものでも使用することができるが,乾燥粉末あるいは抽出物の形態であってもよい。
[0024]
 乾燥粉末を得る方法としては,桑白皮及び/又はグアバ葉を細断又は粉砕し,その後に乾燥する方法や植物を乾燥した後に細断又は粉砕して乾燥粉末を得る方法がある。また,植物を細断又は粉砕し,発酵や酵素処理を施した後,乾燥し,更に必要に応じて所定の粒径にすべく粉砕する方法等を適宜採ることができる。
[0025]
 桑白皮及び/又はグアバ葉を抽出物として用いる場合,抽出方法は溶媒抽出により行うことができる。溶媒抽出の場合には,桑白皮及び/又はグアバ葉を必要に応じて乾燥させ,更に必要に応じて細断又は粉砕した後,水性抽出剤,例えば冷水,温水,又は沸点若しくはそれより低温の熱水,あるいは含水有機溶媒,有機溶媒,例えばメタノール,エタノール,1,3-ブタンジオール,エーテル,酢酸エチル等を常温で又は加熱して用いることにより抽出される。しかしながら,抽出方法は溶媒抽出に限定されず,当業界で知られている常用の手法によってもよい。上記抽出物の形態は,抽出液自体だけでなく,常用の手法により適宜希釈又は濃縮したものであってもよく,更に,抽出液を乾燥することによって得られる粉状あるいは塊状の固体であってもよい。
[0026]
 本発明は,桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として含有する内皮間葉移行抑制剤又はリンパ管老化抑制剤あるいはそれを含有する組成物を投与することによりリンパ管の内皮間葉移行抑制を介して,リンパ管の老化を予防するための方法も提供する。本発明の方法は,美容を目的とする方法であり,医師や医療従事者による治療ではない場合がある。一実施形態として,本発明の方法は,桑白皮及び/又はグアバ葉あるいはそれを含有する組成物を投与することにより皮膚におけるリンパ管の内皮間葉移行抑制を介して,皮膚のリンパ管の老化を予防することにより,むくみ,しみ,しわ,たるみといった皮膚のリンパ管の老化に起因する皮膚老化を予防するための美容方法であってもよい。また,本発明は桑白皮及び/又はグアバ葉あるいはそれを含有する組成物を対象に提案することを含む,対象の美容行為を支援する美容カウンセリング方法も提供する。
[0027]
 本発明の内皮間葉移行抑制剤又はリンパ管老化抑制剤あるいは組成物の投与経路は任意に選択でき,例えば経口投与,経皮投与,皮下投与,経粘膜投与,筋肉内投与等が挙げられる。
[0028]
 本発明のリンパ管の内皮間葉移行抑制剤又はリンパ管老化抑制剤あるいは組成物における桑白皮及び/又はグアバ葉の配合量は,それらの種類,目的,形態,利用方法などに応じて,適宜決めることができる。例えば,経皮投与の場合,外用剤の全体の質量に対して乾燥質量換算で,約0.0001質量%~約10質量%,約0.001質量%~約1質量%,約0.01質量%~約0.1質量%程度になるように任意に調整してもよい。いずれの場合でも,本発明の有効成分をリンパ管の内皮間葉移行抑制効果が十分発揮されるような量で含有させることが好ましい。
[0029]
 また,本発明の組成物は食品組成物,化粧料組成物,又は医薬組成物であってもよい。食品組成物は,粉末,飲料,または錠剤であってもよく,粉末状,液状,固形状,顆粒状,粒状,ペースト状,ゲル状等の様々な形態であり得る。化粧料組成物は,乳液,クリーム,美容液,ローション,パック,洗顔料,石鹸,ボディソープ,シャンプー等であってもよく,液状,乳液状,クリーム状,固形状,シート状,スプレー状,ゲル状,泡状,パウダー状等の様々な形態であり得る。医薬組成物は,錠剤,カプセル剤,散剤,顆粒剤,軟膏剤,クリーム剤,貼付剤等であってもよい。
[0030]
 また,医薬部外品,化粧品,医薬品等に用いられる成分を,必要に応じて適宜配合することができる。例えば,賦形剤,着色剤,保存剤,増粘剤,結合剤,崩壊剤,分散剤,安定化剤,ゲル化剤,酸化防止剤,界面活性剤,保存剤,pH調整剤油分,界面活性剤,粉末,色材,水,アルコール類,増粘剤,キレート剤,シリコーン類,酸化防止剤,紫外線吸収剤,保湿剤,香料,各種薬効成分,防腐剤,pH調整剤,中和剤等,公知のものを適宜選択して使用できる。
[0031]
 また,本発明は,リンパ管の内皮間葉移行を抑制することを介してリンパ管の老化を抑制するための桑白皮及び/又はグアバ葉;内皮間葉移行抑制剤又はリンパ管老化抑制剤の製造における桑白皮及び/又はグアバ葉の使用;並びに、桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として用いて内皮間葉移行抑制剤又はリンパ管老化抑制剤あるいはそれを含有する組成物を製造する方法も提供する。本製造方法で使用される桑白皮及び/又はグアバは,上述のように,乾燥状,粉末状,抽出物等任意の形態であり得る。
実施例
[0032]
 次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお,本発明はこれにより限定されるものではない。
[0033]
 実験1:皮膚リンパ管内皮細胞の老化によるin vivoの変化
 22歳以上の健康な男女の被験者を採用し余剰皮膚を取得した。これらの被験者を,22歳以上40歳以下の若者からなる8名の若年群と,40歳超73歳以下の高齢者からなる8名の高齢群に分けた。内皮細胞マーカーとしてはLYVE1を,間葉系細胞マーカーとしてはSM22αを利用した。
 抗LYVE-1(Reliatech社)と抗SM22alpha抗体(Abcam社),並びに対応する蛍光標識2次抗体を用いた蛍光免疫組織学的染色により各群の皮膚リンパ管における内皮細胞試料を作成し,共焦点レーザー顕微鏡(カールツァイス社)により内皮細胞におけるLYVE1とSM22αの発現を可視化した。また,LYVE1とSM22αの発現量の比率(EndMT ratio)を下記式2に従って算出した。統計的有意差検定には,ステューデントのt検定を用いた。
[数2]


[0034]
 結果を図1に示す。下図は,実験1の結果である,LYVE1とSM22αの発現量の比率(EndMT ratio)を各群ごとに示したグラフである。この図より,高齢群におけるEndMT ratioは,若年群に対し有意差をもって上昇していた(p<0.05),つまり,高齢者ほど,LYVE1に対するSM22αの発現量が増加していることがわかる。また,リンパ管を撮影した蛍光顕微鏡写真でも,若年群ではLYVE1の発現が多く見られるものの,高齢群ではLYVE1の発現(赤色)が減りSM22αの発現(緑色)が多く見られるようになった(図1の上図)。これらの結果より,高齢者ほど皮膚のリンパ管の内皮細胞が間葉系細胞へ分化転換していることが確認された。
[0035]
 実験2:ヒト皮膚リンパ管内皮細胞(HDLEC)の老化によるin vitroの変化
 2-1:ヒト皮膚リンパ管内皮細胞の培養
 試料は,Kajiya et al., EMBO J. 2005 Aug 17; 24(16): 2885-2895に記載の方法に従い,包皮から単離したヒト皮膚リンパ管内皮細胞(HDLEC細胞:Human Dermal Lymphatic Endothelial Cells)を使用した。このHDLEC細胞にEGM TM-2MV Microvascular Endothelial Cell Growth Medium-2 BulletKit TM(Lonza社,C-3202)を用いて当該キットに付属のBasal Medium(CC-3156)にSingleQuots TMsupplements(CC-4147)を添加した培地(以下EBM2(+)培地と略記)を加えて培養した。内皮細胞マーカーとしてProx1とVEGFR3を用いることで細胞の状態を確認し,継代を繰り返した。
 Prox1とVEGFR3の発現量は,applied biosystems社のTaqMan Gene Expression Assaysを用い以下に詳述する定量的RT-PCRにより測定した。
[0036]
 2-2:細胞の回収とRNAの調製
 PBSでウェルを洗浄後,QIAGEN RNeasy Mini KitのRLT Bufferを加え,cell scraperを使って細胞をかきとり,1.5ml容エッペンチューブに移し取った。QIAGEN RNeasy Mini Kitのプロトコルに従い,RNAを抽出した。RNase free water 30μlで溶出した。RNA濃度はNano Drop2000超微量分光光度計で計測し,50nMの濃度になるよう一部を希釈した。
[0037]
 2-3:RT-PCRによるmRNAの定量
 プローブ検出によるリアルタイムPCRでRNAの発現を測定した。TaqMan RNA-to-C 1Step Kit Applied Biosystemsを使用し,プローブにはProx1,VEGFR3を用いた。計測機器はLight Cycler 480II(Roche)を使用した。PCRのプログラムと組成は下表の通りである。
[表1]



[表2]


[0038]
 図2は,実験2の結果である,Prox1(上図)とVEGFR3(下図)の発現量を培養世代ごとに示したグラフである。継代の回数が増すほど,これらの内皮細胞マーカーの発現量が減少していた。したがって,皮膚のリンパ管の内皮細胞は,老化に伴い正常なリンパ管内皮細胞に分化できず,もしくはリンパ管内皮細胞としての性質を維持できずにその数が減少してしまうことが確認された。
[0039]
 実験1,2により,皮膚リンパ管の内皮間葉移行は老化と関連があり,内皮間葉移行を抑制できれば,リンパ管の老化を抑制できることが示唆される。そこで,内皮間葉移行を抑制する物質を探索した。
[0040]
 実験3:試料の調製
 マグワ(Morus alba Linne)の根皮である「ソウハクヒ」を70容量%エタノールで抽出し,得られた抽出液を酢酸エチルで更に抽出したのち,酢酸エチルを留去し,残分を70容量%エタノールで溶解することにより桑白皮抽出物を調製した。
 グアバ(Psidium guajava)の葉である「バンジロウ」の葉を70容量%エタノールで抽出し,得られた抽出液を70容量%エタノールにより精製することによりグアバ葉抽出物を調製した。
 また,上記試料の他,例えばアロエベラ液汁といった32種の植物を使用し,計34種類の試料を調製した。
[0041]
 実験4:ヒト皮膚リンパ管内皮細胞(HDLEC)における内皮細胞マーカーおよび間葉系細胞マーカーの発現に対するTGF-βシグナルの効果
 4-1:ヒト皮膚リンパ管内皮細胞の培養およびHDLEC細胞への試料添加
 HDLEC細胞(Lonza社,cc-2810)を用い,コラーゲンコートされた6-wellプレートに8×10 4 cells/wellで播種し37℃で実験2と同じEBM2(+)培地により培養を行った。翌日,TGF-β受容体キナーゼ阻害剤であるSB431542(Wako社,198-16543)(以下,SBと略記)を最終濃度が5μMとなるように,TGF-β2(以下,TGF-βと略記)を最終濃度が1 ng/mlとなるように,そして対照として4 mM HClに溶解した0.1%BSA(Ctrl)を1 μlそれぞれ添加して更に72時間培養した。
[0042]
 4-2:細胞の回収とRNAの調製
 PBSでウェルを洗浄後,NucleoSpin RNAを用いてRNAを調製し,PrimeScript II(TaKaRaBio)によりrandom hexamer primerを用いてcDNA合成を行った。
[0043]
 4-3:RT-PCRによるmRNAの定量
 実験4-2で合成したcDNAをテンプレートとして,下表に示すPCRプライマーとFastStart Universal SYBR Green Master(ROX)(Roche)を用いて定量的RT-PCRを行った。β-actinを内因性コントロールとして用いた。PCRのプログラムと組成は下表の通りである。
[表3]



[表4]



[表5]


[0044]
 4-4:結果
 上述の定量的RT-PCRによりLYVE1とSM22αの発現量を測定した結果を図3に示す。LYVE1の発現は,TGF-βを添加すると対照よりも有意に減少し,TGF-βの阻害剤を添加すると対照よりも有意に増加した。また,SM22αの発現は,TGF-βを添加すると対照よりも有意に増加し,TGF-βの阻害剤を添加すると対照よりも有意に減少した。
[0045]
 実験4の結果より,皮膚リンパ管の内皮間葉移行はTGF-βシグナルにより促進されることがわかり,従って,皮膚リンパ管の老化もTGF-βシグナルにより促進されることが示唆される。よって,TGF-βシグナルによる内皮間葉移行を抑制できれば,リンパ管の老化を抑制できることが示唆される。また,HDLECにおける内皮細胞マーカーおよび間葉系細胞マーカーの発現を利用した内皮間葉移行評価系を用いることによりリンパ管の内皮間葉移行抑制剤および老化抑制剤の探索が可能であり,このような評価系にTGF-βシグナルを利用できることがわかる。
[0046]
 実験5:各種試料によるTGF-βの阻害効果
 実験4の内皮間葉移行評価系に使用する前のプレスクリーニングとして,実験3にて調製した各種試料のTGF-βの阻害効果をHEK-Blue TGF-β細胞(InvivoGen社)を用いて吸光度(640nm)を測定することにより調べた。具体的には,実験3で調製した34種の試料のうちの試料番号1~18の試料を用いてTGF-βと共に添加した。対照として,PBSのみ,TGF-βのみ,TGF-β+SBを使用した。24wellプレートにHEK-Blue TGF-β細胞を12×10 4cells/wellで播種した。翌日に下表のようにそれぞれ刺激を行った。SBの添加がある場合は,SBを添加してから2時間後にTGF-β及び各リガンドで刺激した。刺激から24時間後に上清2.5μLを取り基質であるQUANTI-Blue 100μLと混合し37℃で30分間保温し,640nmにおける吸光度を測定した。
[表6]



 上記試料番号1~18とTGF-βを添加した結果(1~18),並びにPBSのみ(cont),TGF-βのみ(TGFb),TGF-β+SB(TGFb+SB)を添加した結果を図4に示す。図中,試料番号15は桑白皮抽出物(最終濃度0.01質量%),試料番号13はグアバ葉抽出物(最終濃度0.1質量%)を示す。TGF-βが入っていないcont以外では,吸光度が低いほどTGF-βの阻害効果が高いことを示す。
 図4より,桑白皮抽出物(15)およびグアバ葉抽出物(13)についてTGF-βの阻害効果が見られたことがわかる。
[0047]
 実験6:桑白皮抽出物添加による内皮細胞マーカーの発現量の解析
 実験5でプレスクリーニングされた桑白皮抽出物を用いて実験4の内皮間葉移行評価系により内皮細胞マーカーLYVE1およびProx1の発現量を解析した。具体的には,実験4と同様にHDLEC細胞をコラーゲンコートされた6-wellプレートに8×10 4 cells/wellで播種し37℃で実験2と同じEBM2(+)培地で培養した。翌日,細胞の接着を確認し,下表のような試験区を設定し各試料を添加した。つまり,対照としてPBSを2 μl,TGF-βを最終濃度が1ng/mLとなるように,SBを最終濃度が5μMとなるように,そして実験3で調製した桑白皮抽出物を(最終濃度が0.1質量%となるように)2 μlをそれぞれ添加して72時間培養した後に実験4と同様の定量的RT-PCRを行った。内皮細胞マーカーLYVE1に加えProx1のPCRプライマーを用い,内因性コントロールとしてβ-アクチンプローブを用いた。LYVE1とβ-アクチンのPCRプライマーは実験4と同じである。Prox1のPCRプライマーを下記に示す。
[表7]



[表8]


[0048]
 結果を図5に示す。TGF-βのみを添加した場合LYVE1およびProx1の発現は減少したが,SBを添加したところ,その発現は上昇した。さらに,桑白皮抽出物を添加するとTGF-βによるLYVE1およびProx1の発現の減少は抑制されており,その上,何も添加しない場合よりもかなり上昇していた。したがって,桑白皮には,TGF-βにより促進させた内皮間葉移行を抑制する効果のみならずリンパ管内皮細胞への分化を促進させる効果もあることが示唆される。
[0049]
 実験7:桑白皮抽出物添加による間葉系細胞マーカーの発現量の解析
 内皮細胞マーカーの代わりに間葉系細胞マーカーSM22αの発現量を測定した以外は実験6と同じ試料/方法を行った。
[0050]
 結果を図6に示す。間葉系細胞マーカーSM22αのTGF-βによる発現の上昇は,桑白皮抽出液によって阻害されていた。その阻害効果はSBによるものより強いものであった。
[0051]
 実験8:桑白皮およびTGF-βの添加によるHDLECの形態の変化
 実験4と同様のHDLEC細胞をコラーゲンコートされた6-wellプレートに8×10 4 cells/wellで播種し37℃で実験2と同じEBM2(+)培地で培養した。翌日細胞の接着を確認し,下表のような試験区を設定し各試料を添加した。つまり,SBを最終濃度が5μMとなるように,対照として0.1%BSA/4mM HClを1 μl,TGF-βを最終濃度が1ng/mLとなるように,そして実験3で調製した桑白皮抽出物を(最終濃度が0.1質量%となるように)2 μlをそれぞれ添加し72時間培養した後に蛍光顕微鏡BZ-X710(Keyence社)を用いて細胞の形態を観察した。
[表9]


[0052]
 図7に結果を示す。図7より,TGF-βを添加した場合,細胞の数が著しく減少しその形態も変化していることが分かる。よって,TGF-βにより皮膚リンパ管内皮細胞が影響を受け,リンパ管としての機能も損なわれることが示唆される。しかしながら,TGF-βを添加した場合であっても,SBや桑白皮抽出物も同時に添加すると細胞数の減少や形態の変化が抑制されているのがわかる。
[0053]
 実験9:ヒトリンパ管内皮細胞(HDLEC)の透過性(漏出性)アッセイ
 PBSで5 μg/mlに希釈したFibronectin(Corning社)をHTS transwell-24well 0.4um(corning社)のinsertに100μlずつ添加し,37度で15分間インキュベートした後アスピレートした(fibronectin coating)。実験2と同様にEBM2(+)培地で培養したHDLECをfibronectin coat済insertに4x10 4cells/wellで播種し,37度で培養した。
[0054]
 24時間後,細胞を4群(対照(control),TGF-β,TGF-β+SB,TGF-β+桑白皮抽出物(15))に分けた。SBを添加する群にはEBM2(+)培地にSBを最終濃度が1μMとなるように,あるいは桑白皮抽出物を添加する群はEBM2(+)培地に桑白皮抽出物を最終濃度が0.1%となるように添加して調製した培地,それ以外の群は無添加のEBM2(+)培地に培地を交換し,37度で培養した。
[0055]
 3時間後,すべてのwellについて無添加EBM2(+)培地に培地を交換し,37度で培養した。その24時間後,TGF-βを添加する群にはTGF-βを最終濃度が1ng/mlになるよう添加して調製したEBM2(+)培地に,それ以外の群は無添加EBM2(+)培地に培地を交換し,37度で培養した。24時間後,10mg/mlに調整したFITC-Dextranを50μl添加し,37度で15分間インキュベートした後,insertから漏出したFITC-Dextranをプレートリーダーで測定した。
[0056]
 結果を図8に,各群のinsertから漏出したFITC-Dextranの吸光度を,対照の場合を1とした相対値として示す。TGF-β2のみの添加によってHDLECの透過性が上昇した一方,TGF-β阻害剤であるSBならびに桑白皮抽出物の処理によって,透過性の上昇が抑制された。
[0057]
 実験10:グアバ葉抽出物添加による間葉系細胞マーカーの発現量の解析
 10-1:リンパ管内皮細胞の培養
 実験5でプレスクリーニングされたグアバ葉抽出物を用いて実験4の内皮間葉移行評価系により間葉系細胞マーカーSM22αの発現量を解析した。具体的には,LONZA社から得たヒト皮膚微小リンパ管内皮細胞(HDLEC)を実験2と同じEBM2(+)を加え6×10 4cells/wellで6ウェルプレートに播き,37℃で一晩培養した。翌日細胞の接着を確認し,SBを5 μM,TGF-βを1 ng/mLでそれぞれ刺激してから72時間培養した。
[0058]
 10-2:HDLEC細胞への試料添加
 上述のように培養したHDLEC細胞をコラーゲンコートされた6ウェルデッシュに,4×10 5cells/wellで播種した。実験2と同じキットに付属のBasal Medium(CC-3156)にSingleQuots TMsupplements(CC-4147)を添加した培地(EBM2(+)培地)を加え,1ウェルにつき細胞懸濁液が2mlになるようにした。37℃で24時間培養後,当該キットのBasal Medium(CC-3156)(EBM2(-)培地)に0.5%の濃度でFBSを加えた培地に置き換えた。37℃で4時間培養後,下表のような試験区を設定し各試料を添加した。各試料はPBSで希釈して以下の表に記載の濃度になるように加えた。添加後,HDLEC細胞を37℃で20時間培養した。培養後,実験2と同様の定量的RT-PCRによりSM22αの発現量を解析した。
[表10]


[0059]
 10-3:結果
 結果を図9に示す。TGF-βのみを添加した場合SM22αの発現は上昇したが,SBを添加したところ,その発現は減少した。さらに,グアバ葉抽出物についてもTGF-βによるSM22αの発現が有意に減少していたことが分かった。したがって,グアバ葉抽出物にも,TGF-βにより促進させたリンパ管の内皮間葉移行を抑制する効果があった。
[0060]
 実験11:他の試料の解析
 実験3にて調製した桑白皮及びグアバ葉以外の32種の試料について,試料18についてTGF-β阻害効果がみられた。しかし,実験4と同様の方法により試料18を使用してSM22αの発現を確認したところ,TGF-βのみを添加した場合より,TGF-β+試料18のほうがSM22αの発現が高くなり,内皮間葉移行はむしろ促進されていた。さらに,試料17にもTGF-β阻害効果がみられたものの,細胞毒性が見られた(データ示さず)。
[0061]
 以上の結果により,桑白皮及びグアバ葉にはTGF-β阻害効果,並びに内皮間葉移行抑制効果やリンパ管老化抑制効果があることが明らかになった。
[0062]
 本発明は,桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として含有する内皮間葉移行抑制剤の投与により,内皮間葉移行を抑制することができる。リンパ管の内皮間葉移行を抑制することによりリンパ管の老化を抑制することができる。また,本発明の内皮間葉移行抑制剤は,リンパ管のみならず血管の内皮間葉移行を抑制し,血管の老化を予防することも期待される。

請求の範囲

[請求項1]
 桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として含有するリンパ管の内皮間葉移行抑制剤。
[請求項2]
 TGF-β(transforming growth factor-β)を阻害することによりリンパ管の内皮間葉移行を抑制する,請求項1に記載の内皮間葉移行抑制剤。
[請求項3]
 桑白皮及び/又はグアバ葉を有効成分として含有し,リンパ管の内皮間葉移行を抑制することによりリンパ管の老化を抑制するリンパ管老化抑制剤。
[請求項4]
 TGF-βを阻害することによりリンパ管の内皮間葉移行を抑制する,請求項3に記載のリンパ管老化抑制剤。
[請求項5]
 グアバ葉を有効成分として含有するTGF-β阻害剤。
[請求項6]
 請求項1又は2に記載の内皮間葉移行抑制剤,請求項3又は4に記載のリンパ管老化抑制剤,及び/又は,請求項5に記載のTGF-β阻害剤を含む組成物。
[請求項7]
 請求項6に記載の組成物を対象に投与することを含む,対象のリンパ管老化を予防するための美容方法。
[請求項8]
 請求項6に記載の組成物を対象に提案することを含む,対象の美容行為を支援する美容カウンセリング方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]