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1. WO2020129952 - アルミニウム電解コンデンサ用セパレータ及びアルミニウム電解コンデンサ

Document

明 細 書

発明の名称 アルミニウム電解コンデンサ用セパレータ及びアルミニウム電解コンデンサ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

先行技術文献

特許文献

0016  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025  

課題を解決するための手段

0026   0027   0028  

発明の効果

0029  

発明を実施するための形態

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055  

実施例

0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150  

請求の範囲

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : アルミニウム電解コンデンサ用セパレータ及びアルミニウム電解コンデンサ

技術分野

[0001]
 本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサに関するものである。

背景技術

[0002]
 近年、新興国においても電子機器等のインバータ化が進み、これら電子機器に用いられるアルミニウム電解コンデンサには高耐電圧化が求められるようになってきた。新興国は電圧変動が頻発するため、電子機器に用いられるアルミニウム電解コンデンサには定格電圧700Vまたはそれ以上の定格電圧のコンデンサや、過電圧に対応できるものが求められてきている。
[0003]
 また、例えば携帯電話のチャージャーのような、小型化要求の強い機器に用いられるアルミニウム電解コンデンサにおいては、高定格電圧に加え、さらなる小型化、大容量化の要求が強い。また、低インピーダンス化の要求も強くなっている。
[0004]
 また、近年急激にエレクトロニクス化が進む自動車関連機器においても、ECU(電子制御ユニット)の搭載数が増加している。自動車は狭いスペースの中に、いくつものECUを搭載する必要があるため、ECUの小型化が求められている。このため、ECUに搭載されるアルミニウム電解コンデンサには、小型化、大容量化が求められている。
[0005]
 一般的に、アルミニウム電解コンデンサの定格電圧が100V以下の場合には、低インピーダンス性が求められるため、円網セパレータが使用される。一方、定格電圧が100V以上の定格電圧の場合には、耐ショート性を高めるために、長網円網セパレータあるいは長網セパレータが使用されていた。
[0006]
 いずれの定格電圧のアルミニウムコンデンサにおいても、より高い耐ショート性に加え、低インピーダンス化、大容量化を可能とするために薄葉化が求められるようになってきている。
[0007]
 従来は、アルミニウム電解コンデンサ用セパレータにおいて、耐ショート性を向上させるためには、セパレータを厚く、坪量を高くする事が通例であった。しかしながら、セパレータを厚くした場合や、坪量を高くした場合、このセパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサの耐ショート性は向上するものの、コンデンサ素子の大径化や、インピーダンス特性の悪化に繋がる。
[0008]
 100V以上の定格電圧の中高圧アルミニウム電解コンデンサにおいて、特に、700Vまたはそれ以上の定格電圧において、アルミニウム電解コンデンサはフィルムコンデンサと比べ、耐電圧、寿命、周波数特性で劣るが、容量、省スペース性、価格で優れている。
[0009]
 しかし、フィルムコンデンサに用いられるフィルムの薄膜化に伴い、フィルムコンデンサの容量と省スペース性が改善されてきているため、アルミニウム電解コンデンサにはさらなる大容量化、小型化が求められている。
[0010]
 また、100V以下の定格電圧の低圧アルミニウム電解コンデンサは、積層セラミックコンデンサと比べ、インピーダンス、寿命、省スペース性で劣るが、容量、価格で優れている。しかし、積層セラミックコンデンサの容量が改善されてきているため、アルミニウム電解コンデンサにはさらなる大容量化に加え、小型化、低インピーダンス化が求められている。
[0011]
 このように、アルミニウム電解コンデンサにはさらなる小型化、大容量化、低インピーダンス化が求められており、アルミニウム電解コンデンサ用セパレータには、小型化を可能とするために薄葉化が必須となってきている。そして、薄葉化してもアルミニウム電解コンデンサのショート不良を防止するため、高い耐ショート性が求められる。また、アルミニウム電解コンデンサの発熱を抑制できればコンデンサの長寿命化に繋がるため、アルミニウム電解コンデンサ用セパレータには低インピーダンス化も求められている。
[0012]
 特許文献1には、ゼータ電位の絶対値が0~50.0mVであり、かつ密度が0.700~1.400g/cm 3である層を、少なくとも1層有する構成としたセパレータが開示されている。耐ショート性、インピーダンス特性がともに良好な特許文献1のセパレータを用いることで、中高圧アルミニウム電解コンデンサのショート不良率低減、低インピーダンス化ができる。
[0013]
 特許文献2には、高密度層を0.6~0.9g/cm 3、低密度層を0.6cm 3未満の範囲として重ねあわせ、前記低密度層にポリビニルアルコール(PVA)を付着させたセパレータを用い、電解液に硼酸を加えた中高圧アルミニウム電解コンデンサが開示されている。PVAが硼酸と反応しゲル状電解質を作り、電解液の耐電圧が大幅に高まるため、アルミニウム電解コンデンサの耐ショート性が向上するというものである。
[0014]
 また、特許文献3には、ミクロフィブリルが高度に発達した溶剤紡糸レーヨンを原料としたセパレータに紙力増強剤の精製溶液を電解紙に含浸塗布したことを特徴とする電解コンデンサが開示されている。このセパレータを用いることで、定格電圧100V以下の低圧アルミニウム電解コンデンサのショート不良率とインピーダンスとを低減できる。
[0015]
 更に、 特許文献4には、PVA系樹脂をグリオキシル酸塩組成物により架橋した架橋PVA、及びこの架橋PVAを含有する紙の構成が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0016]
特許文献1 : 特開2015-225904号公報
特許文献2 : 特開2001-189240号公報
特許文献3 : 特開2006-253728号公報
特許文献4 : 特開2011-84738号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0017]
 しかしながら、特許文献1に記載のセパレータは、ゼータ電位の絶対値を小さくすることにより、セパレータの性能を向上させるものであり、ゼータ電位を0mVとした時点が最も耐ショート性が高い状態となる。つまり、ゼータ電位を制御するのみでは、ゼータ電位が0mVの時より更に耐ショート性を高めることは不可能である。
[0018]
 このため、アルミニウム電解コンデンサのさらなる小型化、低インピーダンス化を目的として、ゼータ電位が0mVの特許文献1のセパレータの耐ショート性を維持したまま、薄葉化することができない。また、700Vまたはそれ以上の定格電圧や過電圧対応のために、ゼータ電位が0mVの特許文献1のセパレータのインピーダンス性能を維持したまま、耐ショート性を向上させることもできない。
[0019]
 また、特許文献2記載のセパレータでは、PVAを電解液中の硼酸と反応させてゲル化させるため、セパレータ中のPVAを電解液中に溶解させる必要がある。このため、加熱等のPVA溶解工程が必要となり、生産性に課題がある。
[0020]
 更に、特許文献3に記載されているセパレータには、更なるアルミニウム電解コンデンサのショート不良率低減と低インピーダンス化、小型化のための耐ショート性の向上と低インピーダンス化、薄葉化が要求されていた。
[0021]
 また、特許文献4のようなグリオキシル酸塩組成物により架橋した架橋PVAを塗布した紙を、アルミニウム電解コンデンサ用セパレータとして用いた場合、アルミニウム電解コンデンサのインピーダンスが大幅に上昇する。これは、PVA系樹脂をグリオキシル酸塩組成物により架橋した架橋PVAの抵抗が高く、電解質の両極間の移動を阻害するためと考えられる。
[0022]
 さらに、グリオキシル酸はアルミニウムを腐食する化合物であるため、グリオキシル酸を含有した紙をセパレータとして用いた場合、アルミニウム電解コンデンサがショートに至る場合や、漏れ電流が大きくなりすぎる場合、アルミニウム箔の腐食に伴い発生したガスにより、コンデンサが破裂する場合などがある。
[0023]
 上述した様に、従来はアルミニウム電解コンデンサを小型化、大容量化するためにセパレータの耐ショート性を向上させ、セパレータを薄くし、低インピーダンス化を並立させたアルミニウム電解コンデンサの生産性を向上させることは困難であった。
[0024]
 本発明は上述した課題を解決し、セパレータの耐ショート性の向上と薄葉化、低インピーダンス化を並立させたセパレータを提供することを目的として成された発明である。
[0025]
 また、本発明は、該セパレータを用いることで、小型化、大容量化、低インピーダンス化を可能にし、生産性を向上させたアルミニウム電解コンデンサを提供するために成された発明である。

課題を解決するための手段

[0026]
 上述した問題点を解決し、上述した目的を達成する手段として、本発明は例えば以下の構成を備える。
 即ち、陽極と陰極との間に介在させるアルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、エチレングリコール(EG)不溶化率が90%以上のポリビニルアルコール(PVA)を0.1~10.0g/m 2含有してなることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用セパレータとする。
[0027]
 そして例えば、密度0.7~1.0g/cm 3のセルロース層に、前記EG不溶化率が90%以上のポリビニルアルコール層が積層してなることを特徴とする。また例えば、密度0.2~0.6g/cm 3のセルロース繊維層のセルロース繊維交絡点に、前記EG不溶化率が90%以上のポリビニルアルコールが付着したことを特徴とする。
[0028]
 または、上記したセパレータを用いたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサとする。

発明の効果

[0029]
 本発明によれば、耐衝撃性が高く、過電圧印加時やエージング時の耐ショート性が高いアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサが提供できる。

発明を実施するための形態

[0030]
 以下、本発明の一実施の形態例について詳細に説明する。
 本発明を実施するための形態にかかるセパレータは、エチレングルコール(以下「EG」と称すことがある。)不溶化率が90%以上のポリビニルアルコール(以下「PVA」と称すことがある。)と、セルロース繊維とを含有したセパレータである。
[0031]
 本発明に用いるセルロース繊維は、針葉樹や広葉樹からなる木材パルプや、麻や草本、種子毛から得られる非木材パルプ、また、これらを精製処理した溶解パルプやマーセル化パルプ、セルロースを溶媒に溶解後に繊維状に再生した再生セルロース繊維といったセルロース繊維を特に限定なく用いることができる。また、セルロース繊維を叩解(水中での機械的なせん断処理)して用いてもよい。
[0032]
 本発明に係る実施の形態のセパレータに用いられる、EG(エチレングルコール)不溶化率が90%以上のPVA(ポリビニルアルコール)は、電解液に不溶であり、過電圧印加時やエージング時のセパレータの耐ショート性を高めることができる。このため、アルミニウム電解コンデンサの耐ショート性を向上できる。EG不溶化率は、好ましくは95%以上であり、より好ましくは99%以上である。EG不溶化率が高くなることで、セパレータの耐ショート性がより高くなる。
[0033]
 例えば、PVAを架橋剤により架橋することで、EG不溶化率を90%以上にできる。EG不溶化率を90%以上にできれば、PVAを架橋するための架橋剤の種類に特に限定はないが、アジピン酸ジヒドラジド、グリオキシル酸ナトリウム、グリオキザール、メチロール化メラミン等はPVAと架橋した際の抵抗が高くなり、セパレータのインピーダンスが高くなる。このため、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリカルボン酸といった高分子架橋剤が好ましい。さらに、本発明のEG不溶化率が90%以上のPVAには、インピーダンス特性の悪化を伴わない範囲内であれば、公知である一般的な架橋剤を組み合わせてもよい。
[0034]
 本実施の形態におけるEG不溶化率が90%以上のPVAとは、85℃に加温したEGに30分間浸漬させた後、イオン交換水で洗浄してEGを除去し、EG含浸前、含浸洗浄後における絶乾状態のPVA重量から算出した不溶化率が90%以上であるPVAのことを指す。
[0035]
 エチレングリコール不溶化率が90%未満のPVAを含有したセパレータをコンデンサに用いた場合、PVAが電解液に溶出し、エージング時の耐ショート性が低くなる。
[0036]
 EG不溶化率が90%以上のPVAは、セルロース繊維層の表面にフィルム状に形成しても、セルロース繊維層内で繊維交絡点に付着するように形成しても良い。
[0037]
 上記したように、一般的にはアルミニウム電解コンデンサの定格電圧が100V以下の場合は、低インピーダンスとするため、円網セパレータが使用され、それ以上の定格電圧においては、耐ショート性を高めるために、長網円網セパレータあるいは長網セパレータが使用される。
[0038]
 このため、アルミニウム電解コンデンサの定格電圧が100V以下の場合は、低インピーダンスとするため、EG不溶化率が90%以上のPVAを円網セパレータの繊維交絡点に付着するように形成することが好ましく、それ以上の定格電圧においては、耐ショート性を高めるため、長網円網セパレータあるいは長網セパレータの高密度セルロース繊維層上に、フィルム状に形成することが好ましい。
[0039]
 例えば、EG不溶化率が90%以上のPVAをフィルム状に形成するためには、0.7~1.0g/cm 3の高密度セルロース繊維層に、PVAと上記架橋剤の混合溶液を塗布することで得られる。また、繊維交絡点に付着するように形成するには、密度0.2~0.6g/cm 3のセルロース層にPVAと上記架橋剤の混合溶液を塗布することで得られるが、この方法に限定されるものではない。
[0040]
 フィルム状に形成した場合は、EG不溶化率が90%以上のPVAの膜によりセパレータの過電圧印加時やエージング時の耐ショート性を大幅に向上させることができるため、当該セパレータを使用することにより、電解コンデンサの耐ショート性を向上させることができる。
[0041]
 セルロース繊維層内で繊維同士の交絡点を接着するように形成した場合、電解液を含浸してもセパレータを構成する繊維同士の絡合や水素結合が緩みにくくなり、セパレータの火花放電に対する耐性を向上することが出来る。また、フィルム状に形成した場合と比べ、セパレータ内部の電解質の移動を妨げにくく、インピーダンスの大幅な上昇も起こらない。
[0042]
 EG不溶化率が90%以上のPVAは、0.1~10.0g/m 2の含有量としている。これは、含有量が0.1g/m 2未満では、耐ショート性の改善効果が得られ難く、含有量が10.0g/m 2を超過すると、アルミニウム電解コンデンサのインピーダンス特性が急激に上昇してしまうからである。
[0043]
 EG不溶化PVA含有量は、長網円網セパレータあるいは長網セパレータの高密度セルロース繊維層上にフィルム状に形成した場合は、耐ショート性を高めるために、好ましくは2.0~9.0g/m 2であり、より好ましくは3.0~8.0g/m 2の範囲であることが望ましい。
[0044]
 また、円網セパレータの繊維交絡点に付着するように形成した場合は、低インピーダンスとするため、好ましくは0.1~3.0g/m 2であり、より好ましくは0.1~2.5g/m 2の範囲であることが望ましい。
[0045]
 本実施の形態のセパレータの厚さは、10~65μmが好ましい。セパレータの厚さが65μmを超過すると、コンデンサの小型化が困難になる場合や、セパレータの抵抗が増大する場合があり、セパレータの厚さが10μm未満では、耐ショート性が良好な本発明のセパレータであっても、コンデンサのショート不良を抑制できない場合があるからである。
[0046]
 このように、本実施の形態のセパレータは、耐ショート性が高いため、セパレータの坪量を大きく、セパレータを厚くする必要がない。従って、セパレータの坪量を小さく、薄葉化出来るため、セパレータを低インピーダンス化させることが可能となる。
[0047]
〔セパレータ及びアルミニウム電解コンデンサの特性の測定方法〕
 本実施の形態のセパレータ及びアルミニウム電解コンデンサの各特性の具体的な測定は、以下の条件及び方法で行った。
〔厚さ〕
 「JIS C 2300-2 『電気用セルロース紙-第2部:試験方法』 5.1 厚さ」に規定された、「5.1.1 測定器及び測定方法 a外側マイクロメータを用いる場合」のマイクロメータを用いて、「5.1.3 紙を折り重ねて厚さを測る場合」の10枚に折り重ねる方法で、セパレータの厚さ(μm)を測定した。
[0048]
〔密度〕
 「JIS C 2300-2 『電気用セルロース紙-第2部:試験方法』 7.0A 密度」のB法に規定された方法で、絶乾状態のセパレータの密度(g/cm 3)を測定した。
〔CSF〕
 「JIS P 8121-2 パルプ-ろ水度試験法-第2部:カナダ標準ろ水度法」に規定された方法で、CSF(ml)を測定した。
[0049]
〔EG不溶化PVA含有量〕
 「JIS C 2300-2 『電気用セルロース紙-第2部:試験方法』 6 坪量」に規定された方法で、絶乾状態のセパレータ坪量及び絶乾状態の基材坪量を求め、次式によって算出した。
[0050]
  EG不溶化PVA含有量(g/m 2)=W-Wo
  W:絶乾状態のセパレータ坪量(g/m 2
  Wo:絶乾状態の基材坪量(g/m 2
[0051]
〔架橋剤率〕
 架橋剤率は、絶乾状態の架橋剤重量及び絶乾状態のEG不溶化PVA重量を測定し、次式によって算出した。
   架橋剤率(%)=C/Co×100
   C:絶乾状態の架橋剤重量(g)
   Co:絶乾状態のEG不溶化PVA重量(g)
[0052]
〔EG不溶化率〕
 不溶化率は、85℃に加温したエチレングリコールに30分間浸漬させた後、イオン交換水で洗浄して電解液を除去する。エチレングリコール含浸前、含浸洗浄後において、絶乾状態のPVA重量を測定し、次式によって算出した。
[0053]
 EG不溶化率(%)=I/Io×100
 I:エチレングリコール浸漬、イオン交換水洗浄後、絶乾状態としたPVA重量(g)
   Io:絶乾状態のPVA重量(g)
[0054]
〔エージングショート率〕
 ショート率は、破断不良なく巻き取れたコンデンサ素子を用いて、エージング中のショート不良数を計数し、これらのショート不良となった素子数を、破断不良なく巻き取れた素子数で除して、百分率をもってエージングショート率とした。
[0055]
〔インピーダンス〕
 作製したアルミニウム電解コンデンサのインピーダンスは、LCRメータを用いて、20℃で120Hzの周波数で測定した。
実施例
[0056]
 以下、本発明に係る具体的な各種実施例、比較例、従来例について、詳細に説明する。
 なお、以下に説明する本発明に係る各実施例のセパレータは、長網抄紙機あるいは長網円網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機等を用い抄紙法にて得た紙を、各種コーターを用いて架橋剤を混合したPVAを塗工して得ている。
[0057]
 ただし、セルロース繊維と、所望量のEG不溶化率90%以上のPVAを含有したセパレータと出来れば、セルロース層の製造方法、PVAの含有方法には特に限定はない。
[0058]
 このセパレータを用いてコンデンサ素子を作成し、エチレングリコール系電解液を含浸後ケースに挿入し、封口することで、各定格電圧のアルミニウム電解コンデンサを得た。
[0059]
〔実施例1〕
 セルロース繊維である針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値500mlの原料を用いて長網抄紙した層と、コットンパルプとサイザル麻パルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0060]
 この基材に、PVAに架橋剤としてポリエチレンイミン5.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ59.0μm、密度0.787g/cm 3、EG不溶化PVA含有量5.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は99.3%であった。
[0061]
〔実施例2〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値500mlの原料を用いて長網抄紙した層と、コットンパルプとサイザル麻パルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0062]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン5.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ61.2μm、密度0.819g/cm 3、EG不溶化PVA含有量5.6g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は99.3%であった。
[0063]
〔実施例3〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値500mlの原料を用いて長網抄紙した層と、コットンパルプとサイザル麻パルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0064]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン5.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ58.9μm、密度0.811g/cm 3、EG不溶化PVA含有量5.6g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は99.3%であった。
[0065]
〔実施例4〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値500mlの原料を用いて長網抄紙した層と、コットンパルプとサイザル麻パルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0066]
 この基材に、PVAに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ60.4μm、密度0.768g/cm 3、EG不溶化PVA含有量5.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0067]
〔比較例1〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値500mlの原料を用いて長網抄紙した層と、コットンパルプとサイザル麻パルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0068]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン5.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ61.8μm、密度0.729g/cm 3、EG不溶化PVA含有量5.4g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は99.3%であった。
[0069]
〔比較例2〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値500mlの原料を用いて長網抄紙した層と、コットンパルプとサイザル麻パルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0070]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン5.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ57.4μm、密度0.922g/cm 3、EG不溶化PVA含有量5.9g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は99.3%であった。
[0071]
〔従来例1〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値500mlの原料を用いて長網抄紙した層と、コットンパルプとサイザル麻パルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0072]
 この基材に、PVA水溶液を低密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ71.2μm、密度0.624g/cm 3、PVA含有量5.0g/m 2のセパレータを得た。
[0073]
 このセパレータを用いてアルミニウム電解コンデンサを作製する際、PVAを溶解させるため、電解液含浸後に加熱処理を行った後、エージングを行った。PVAとゲル化させるため、電解液に硼酸(ホウ酸)をPVAに対して4.9重量%添加している。なお、硼酸添加後のこのPVAのEG不溶化率は79.8%であった。
[0074]
〔従来例2〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値450mlの原料を用いて長網抄紙した層と、コットンパルプとマニラ麻パルプを600mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0075]
 この基材に、ポリエチレンイミン樹脂を高密度層の質量に対し固形分で1.0重量%を塗工して乾燥し、厚さ60.8μm、密度0.580g/cm 3、ゼータ電位-47.0mVのセパレータを得た。
[0076]
〔実施例5〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値300mlの原料を用いて長網抄紙した層と、針葉樹溶解パルプとジュートパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0077]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン1.2重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ30.9μm、密度0.766g/cm 3、EG不溶化PVA含有量7.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は90.7%であった。
[0078]
〔実施例6〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値300mlの原料を用いて長網抄紙した層と、針葉樹溶解パルプとジュートパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0079]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン2.8重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ31.4μm、密度0.754g/cm 3、EG不溶化PVA含有量7.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は95.1%であった。
[0080]
〔実施例7〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値300mlの原料を用いて長網抄紙し、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン2.8重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ30.2μm、密度0.801g/cm 3、EG不溶化PVA含有量2.9g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は95.1%であった。
[0081]
〔比較例3〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値300mlの原料を用いて長網抄紙した層と、針葉樹溶解パルプとジュートパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0082]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてグリオキシル酸ナトリウム2.8重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ31.9μm、密度0.742g/cm 3、EG不溶化PVA含有量7.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は98.0%であった。
[0083]
〔比較例4〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値300mlの原料を用いて長網抄紙した層と、針葉樹溶解パルプとジュートパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0084]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン0.2重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ31.0μm、密度0.764g/cm 3、EG不溶化PVA含有量7.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は87.4%であった。
[0085]
〔実施例8〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値200mlの原料を用いて長網抄紙した層と、同原料を400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0086]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ50・5μm、密度0.708g/cm 3、EG不溶化PVA含有量0.2g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0087]
〔実施例9〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値200mlの原料を用いて長網抄紙した層と、同原料を400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0088]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ51.0μm、密度0.740g/cm 3、EG不溶化PVA含有量2.2g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0089]
〔実施例10〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値200mlの原料を用いて長網抄紙した層と、同原料を400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0090]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ51.1μm、密度0.756g/cm 3、EG不溶化PVA含有量3.1g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0091]
〔実施例11〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値200mlの原料を用いて長網抄紙した層と、同原料を400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0092]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ51.3μm、密度0.845g/cm 3、EG不溶化PVA含有量7.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0093]
〔実施例12〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値200mlの原料を用いて長網抄紙した層と、同原料を400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0094]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ51.5μm、密度0.863g/cm 3、EG不溶化PVA含有量8.9g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0095]
〔実施例13〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値200mlの原料を用いて長網抄紙した層と、同原料を400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0096]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ51.7μm、密度0.877g/cm 3、EG不溶化PVA含有量9.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0097]
〔比較例5〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値200mlの原料を用いて長網抄紙した層と、同原料を400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0098]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ50.3μm、密度0.708g/cm 3、EG不溶化PVA含有量0.07g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0099]
〔比較例6〕
 針葉樹クラフトパルプをCSF値が0mlを示した後も更に叩解し、上昇に転じたCSF値200mlの原料を用いて長網抄紙した層と、同原料を400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を抄き合わせ、セパレータ基材を得た。
[0100]
 この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を高密度セルロース繊維層に塗布し、乾燥することで、厚さ51.8μm、密度0.893g/cm 3、EG不溶化PVA含有量10.7g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0101]
〔実施例14〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を二層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン4.6重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ30.2μm、密度0.586g/cm 3、EG不溶化PVA含有量0.5g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は99.1%であった。
[0102]
〔実施例15〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を二層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン2.9重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ31.4μm、密度0.564g/cm 3、EG不溶化PVA含有量0.5g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は90.7%であった。
[0103]
〔実施例16〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を二層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン11.7重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ30.8μm、密度0.575g/cm 3、EG不溶化PVA含有量0.5g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.8%であった。
[0104]
〔比較例7〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を二層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン4.6重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ30.7μm、密度0.622g/cm 3、EG不溶化PVA含有量0.5g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は99.1%であった。
[0105]
〔比較例8〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を二層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリエチレンイミン0.2重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ30.4μm、密度0.582g/cm 3、EG不溶化PVA含有量0.5g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は87.8%であった。
[0106]
〔従来例3〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を二層抄き合わせ、厚さ30.1μm、密度0.571g/cm 3の円網二層セパレータを得た。
[0107]
〔従来例4〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを400mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を二層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、PVA水溶液を塗布し、乾燥することで、厚さ31.0μm、密度0.571g/cm 3、PVA含有量0.5g/m 2のセパレータを得た。
[0108]
 このセパレータを用いてアルミニウム電解コンデンサを作製する際、PVAを溶解させるため、電解液含浸後に加熱処理を行った後、エージングを行った。PVAとゲル化させるため、電解液に硼酸をPVAに対して4.9重量%添加している。なお、硼酸添加後のこのPVAのEG不溶化率は79.8%であった。
[0109]
〔実施例17〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを600mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を三層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン3.0重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ49.2μm、密度0.292g/cm 3、EG不溶化PVA含有量1.9g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.0%であった。
[0110]
〔実施例18〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを600mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を三層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン3.0重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ49.9μm、密度0.311g/cm 3、EG不溶化PVA含有量2.8g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.0%であった。
[0111]
〔実施例19〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを600mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を三層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン3.0重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ52.1μm、密度0.430g/cm 3、EG不溶化PVA含有量9.7g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.0%であった。
[0112]
〔比較例9〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを600mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を三層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン3.0重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ50.6μm、密度0.252g/cm 3、EG不溶化PVA含有量0.05g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.0%であった。
[0113]
〔比較例10〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを600mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を三層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン3.0重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ52.6μm、密度0.439g/cm 3、EG不溶化PVA含有量10.4g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.0%であった。
[0114]
〔比較例11〕
 マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプとエスパルトパルプを600mlに叩解した原料を用いて円網抄紙した層を三層抄き合わせ、セパレータ基材を得た。この基材に、ポリビニルアルコールに架橋剤としてポリアリルアミン3.0重量%を混合した塗工液を塗布し、乾燥することで、厚さ52.0μm、密度0.227g/cm 3、EG不溶化PVA含有量1.9g/m 2のセパレータを得た。また、このEG不溶化PVAのEG不溶化率は96.0%であった。
[0115]
 実施例1乃至4と比較例1及び2と従来例1及び2のセパレータを用いて定格電圧750Vのアルミニウム電解コンデンサを、実施例5乃至7、比較例3及び4のセパレータを用いて、定格電圧450Vのアルミニウム電解コンデンサを、実施例8乃至13、比較例5及び6のセパレータを用いて、定格電圧550Vのアルミニウム電解コンデンサを作製した。
[0116]
 実施例1乃至13、比較例1乃至6、従来例1及び2の各セパレータ、及びアルミニウム電解コンデンサの評価結果を表1に示す。
 なお、各アルミニウム電解コンデンサのサイズは、全て直径18.0mm、高さ36.0mmとした。
[0117]
[表1]


[0118]
 実施例14乃至16、比較例7及び8、従来例3及び4のセパレータを用いて定格電圧100Vのアルミニウム電解コンデンサを、実施例17乃至19、比較例9乃至11のセパレータを用いて定格電圧50Vのアルミニウム電解コンデンサを作製した。
[0119]
 実施例14乃至19、比較例7乃至11、従来例3及び4の各セパレータ、及びアルミニウム電解コンデンサの評価結果を表2に示す。
 なお、各アルミニウム電解コンデンサのサイズは、全て直径18.0mm、高さ36.0mmとした。
[0120]
[表2]


[0121]
 実施例1乃至4、比較例1及び2、従来例1及び2のアルミニウム電解コンデンサは、いずれも定格電圧750Vである。実施例1乃至4は、長網円網二層セパレータの高密度セルロース繊維層に、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いており、表1に示すとおり、いずれもエージングショート率が0.0から0.8%と低い数値になっている。これはセパレータの耐ショート性が高いためだと考えられる。
[0122]
 比較例1は、実施例1乃至3と同じ、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工しているが、高密度セルロース層密度が0.688g/cm 3と低く、PVA水溶液がセパレータに浸透するため、フィルム層の厚さが薄くなる。このため、エージングショート率は11.8%と高い数値になっておりセパレータの耐ショート性が低いことが分かる。
[0123]
 比較例2は、実施例1乃至3と同じ、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工しているが、高密度セルロース層密度が1.002g/cm 3と高いため、インピーダンスは0.899Ωと実施例1乃至3よりも高くなっており、インピーダンス性能に劣ることが分かる。これは、高密度セルロース層の密度が高過ぎるため、セパレータのESRが高くなったと考えられる。
[0124]
 従来例1は、特許文献4のPVAの構成であり、長網円網二層セパレータの低密度セルロース繊維層に、PVAを塗工したセパレータを用い、ゲル化のため電解液に硼酸を添加した例であり、EG不溶化率90%以上のPVAを含有していない。従来例1のコンデンサのエージングショート率は17.2%であり、実施例1乃至4の方が低い数値になっている。このことから、ゲル化したPVAにより電解液の耐電圧は上昇するが、セパレータのエージングショートに対する耐ショート性を高めるものではないため、定格電圧750Vにおける耐ショート性が不足していることが分かる。
[0125]
 従来例2は、特許文献1の構成であり、長網円網二層セパレータの高密度セルロース繊維層に、ポリエチレンイミンを塗工し、ゼータ電位の絶対値を0~50mVにしたセパレータを用いた例であり、EG不溶化率90%以上のPVAを含有していない。従来例2のコンデンサのエージングショート率は8.0%であり、実施例1乃至4の方が低い数値になっている。このことから、実施例1乃至4のセパレータの耐ショート性が高いことがわかる。
[0126]
 実施例5乃至7、比較例3及び4のアルミニウム電解コンデンサは、いずれも定格電圧450Vである。実施例5及び6は、長網円網二層セパレータの高密度セルロース繊維層に、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いており、実施例7は長網セパレータに、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。表1に示すとおり、いずれもエージングショート率が0.2から0.5%と低い数値になっている。
[0127]
 比較例3は、実施例5及び6と同じセパレータの高密度セルロース繊維層に、架橋剤としてグリオキシル酸ナトリウムを加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。EG不溶化PVA含有量は実施例5及び6と同一であるが、インピーダンスが0.433Ωであり、実施例5及び6よりも高い数値になっている。
[0128]
 また、エージングショート不良率が39.4%であり、実施例5及び6よりも高い数値になっている。これは、グリオキシル酸により、アルミニウムが腐食したためと考えられる。
[0129]
 比較例4は、実施例5及び6と同じセパレータの高密度セルロース繊維層に、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。EG不溶化PVA含有量は実施例5及び6と同一であるが、架橋剤率は0.2%と実施例5及び6よりも低く、EG不溶化率が87.4%と低い。エージングショート率は10.1%であり、実施例5及び6よりも高い数値になっている。これはEG不溶化率が87.4%と低く、セパレータの耐ショート性が低下したためと考えられる。
[0130]
 実施例8乃至13、比較例5及び6のアルミニウム電解コンデンサは、いずれも定格電圧550Vである。表1に示すとおり、実施例8乃至13は、長網円網二層セパレータの高密度セルロース繊維層に、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いており、いずれもエージングショート率が0.0から0.9%と低い数値になっている。
[0131]
 比較例5は、実施例8乃至13と同じセパレータの高密度セルロース繊維層に、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。架橋剤率は実施例8乃至13と同一であるが、EG不溶化PVA含有量が0.07g/m 2と実施例8乃至13よりも少ない。エージングショート率は19.7%であり、実施例8乃至13よりも高い数値になっている。これはEG不溶化PVA含有量が0.07g/m 2と少なく、セパレータの耐ショート性が低下したためと考えられる。
[0132]
 比較例6は、実施例8乃至13と同じセパレータの高密度セルロース繊維層に、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。架橋剤率は実施例8乃至13と同一であるが、EG不溶化PVA含有量が10.7g/m 2と実施例8乃至13よりも多い。インピーダンスは0.641Ωであり、実施例8乃至13よりも高い数値になっている。これはEG不溶化PVA含有量が10.7g/m 2と多いため、インピーダンスが悪化したと考えられる。
[0133]
 実施例14乃至16、比較例7及び8、従来例3及び4のアルミニウム電解コンデンサは、いずれも定格電圧100Vである。実施例14乃至16は、円網二層セパレータに、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いており、表2に示すとおり、エージングショート率が0.6から0.9%と低い数値になっている。これはセパレータの耐ショート性が高いためだと考えられる。
[0134]
 比較例7は、密度が0.6g/cm 3以上のセパレータに、実施例14と同じ架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。EG不溶化PVA含有量は実施例14と同一であるが、インピーダンスは0.301Ωであり、実施例14よりも高い数値になっている。これは基材の密度が0.612g/cm 3と高いため、EG不溶化率が90%以上のPVAが膜状になり、インピーダンスが悪化したと考えられる。
[0135]
 比較例8は、実施例14乃至16と同じセパレータに、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。EG不溶化PVA含有量は実施例14乃至16と同一であるが、架橋剤率は0.2%と実施例14乃至16よりも低く、EG不溶化率が87.8%と低い。エージングショート率は12.0%であり、実施例14乃至16よりも高い数値になっている。これはEG不溶化率が87.8%と低く、セパレータの耐ショート性が低下したためと考えられる。
[0136]
 従来例3は、実施例14乃至16と同原料で構成された円網二層セパレータを用いている。エージングショート率は24.9%と実施例14乃至16の方が低い数値になっており、実施例14乃至16のセパレータの耐ショート性が高いことが分かる。
[0137]
 従来例4は、特許文献4のPVAの構成であり、実施例14乃至16と同原料で構成された円網二層セパレータに、PVAを塗工したセパレータを用い、ゲル化のため電解液に硼酸を添加した例であり、EG不溶化率90%以上のPVAを含有していない。
[0138]
 従来例4のコンデンサのエージングショート率は18.1%であり、実施例14乃至16の方が低い数値になっている。このことから、ゲル化したPVAにより電解液の耐電圧は上昇するが、セパレータのエージングショートに対する耐ショート性を高めるものではないため、定格電圧100Vにおける耐ショート性が不足していることが分かる。
[0139]
 実施例17乃至19、比較例9乃至11のアルミニウム電解コンデンサは、いずれも定格電圧50Vである。実施例17乃至19は、円網三層セパレータに、架橋PVA水溶液を塗工したセパレータを用いており、表2に示すとおり、エージングショート率が0.0から0.4%と低い数値になっている。これはセパレータの耐ショート性が高いためだと考えられる。
[0140]
 比較例9は、実施例17乃至19と同じセパレータに、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。架橋剤率は実施例17乃至19と同一であるが、EG不溶化PVA含有量が0.05g/m 2と実施例17乃至19よりも少ない。エージングショート率は29.0%であり、実施例17乃至19よりも高い数値になっている。これはEG不溶化PVA含有量が0.05g/m 2と少なく、セパレータの耐ショート性が低下したためと考えられる。
[0141]
 比較例10は、実施例17乃至19と同じセパレータに、架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。架橋剤率は実施例17乃至19と同一であるが、EG不溶化PVA含有量が10.4g/m 2と実施例17乃至19よりも多い。インピーダンスは0.589Ωであり、実施例17乃至19よりも高い数値になっている。これはEG不溶化PVA含有量が10.4g/m 2と多いため、EG不溶化率が90%以上のPVAが膜状になり、基材の空隙を埋めてしまうため、インピーダンスが悪化したと考えられる。
[0142]
 比較例11は、密度が0.2g/cm 3未満のセパレータに、実施例17乃至19と同じ架橋剤を加えたPVA水溶液を塗工したセパレータを用いている。EG不溶化PVA含有量は実施例17と同一であるが、全数エージングショートしたため、アルミニウム電解コンデンサは得られなかった。これは基材の密度が0.195g/cm 3と低いため、セルロース繊維同士の交絡点が少なく、EG不溶化率が90%以上のPVAによる繊維同士の交絡点接着の効果が得られにくく、セパレータの耐ショート性が低下したためと考えられる。
[0143]
 以上説明したように、本発明の実施の形態に係るアルミニウム電解コンデンサ用セパレータを用いることにより、アルミニウム電解コンデンサの耐ショート性が向上し、かつ小型化、大容量化、生産性向上を可能にしたアルミニウム電解コンデンサを提供できる。
[0144]
 以上に説明したように、本実施の形態のセパレータは、EG不溶化率90%以上のPVAを含有している。EG不溶化率90%以上のPVAは、アルミニウム電解コンデンサの電解液を浸漬させた後においても、溶解することなく形状を維持している。この結果、EG不溶化率90%以上のPVAを含有したセパレータは、セルロース繊維のみからなるセパレータと比べ粘弾性が高いため、耐衝撃性が高く、過電圧印加時やエージング時の耐ショート性が高いことが判明した。
[0145]
 アルミニウム電解コンデンサに定格電圧以上の過電圧が印加された場合、酸化被膜が絶縁破壊され火花放電が発生し、電極間がショートする場合がある。また、アルミニウム電解コンデンサのエージング工程において、直流電圧を印加して酸化被膜の部分的欠損を修復するが、この際に火花放電が発生し、エージングショートが発生する場合がある。このような異常時の故障モードであるショートに対して、本実施の形態に係るセパレータは、過電圧印加時やエージング時の耐ショート性が高く、アルミニウム電解コンデンサのショート不良率を低減させることが出来る。
[0146]
 更に、本発明の実施の形態のセパレータは、EG不溶化率が90%以上のPVAが、過電圧印加時やエージングの際に発生する火花放電による衝撃への耐性を高めるため、セパレータが穿孔しにくくなり、本実施の形態のセパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサのショート不良を抑制できる。このため、セパレータの厚さを薄くしても、セパレータの耐ショート性を維持できる。更に、セパレータを薄くすることで、このセパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサの小型化や、低インピーダンス化にも寄与できる。
[0147]
 また、アルミニウム電解コンデンサに用いられる電解液は、比抵抗が小さいほど、電解液の耐電圧(火花電圧)は低くなるが、本実施の形態に係るセパレータは、過電圧印加時やエージング時の耐ショート性が高いため、比抵抗の小さな電解液を用いることができ、この点からもアルミニウム電解コンデンサの低インピーダンス化に寄与できる。
[0148]
 更に、本実施の形態のセパレータは、EG不溶化率が90%以上のPVAを用いて、セパレータの衝撃に対する耐性を高めることで、アルミニウム電解コンデンサの耐ショート性を高めるため、PVAの溶解やゲル化のような前処理が必要ない。
[0149]
 更に、セルロース繊維からなるセパレータは、エチレングリコール等のアルコールを主溶媒とする電解液に大きく膨潤する。これは、セルロース同士の水素結合に、ヒドロキシル基をもつ電解液が浸入し、セルロース同士の水素結合が切断されることが原因である。そして、セルロース繊維が膨潤すると、セルロース繊維同士の空隙が小さくなるため、セパレータへの電解液の浸透が遅くなる。
 これに対して、本実施の形態のセパレータは、EG不溶化率が90%以上のPVAを含有していることから、エチレングリコール系電解液に大きく膨潤しないため、繊維空隙が小さくならず、セパレータへの電解液の浸透を阻害しない。このため、アルミニウム電解コンデンサの生産性の低下もない。
[0150]
 このように、本実施の形態によれば、耐ショート性に優れ、薄葉化され、低インピーダンスであるアルミニウム電解コンデンサ用セパレータを提供できる。また、該セパレータを用いることで、アルミニウム電解コンデンサの耐ショート性が向上し、かつ小型化、大容量化を可能にし、生産性を向上させたアルミニウム電解コンデンサを提供できる。

請求の範囲

[請求項1]
 陽極と陰極との間に介在させるアルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、
 セルロース繊維と、エチレングリコール不溶化率が90%以上のポリビニルアルコール含有量0.1~10.0g/m 2とからなることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
[請求項2]
 密度0.7~1.0g/cm 3のセルロース繊維層に、前記エチレングリコール不溶化率が90%以上のポリビニルアルコール層が積層してなることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
[請求項3]
 密度0.2~0.6g/cm 3のセルロース繊維層のセルロース繊維交絡点に前記エチレングリコール不溶化率が90%以上のポリビニルアルコールが付着したことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
[請求項4]
 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセパレータを用いたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。