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1. WO2020129946 - ステータ用接着積層コア、その製造方法および回転電機

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明 細 書

発明の名称 ステータ用接着積層コア、その製造方法および回転電機

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100  

産業上の利用可能性

0101  

符号の説明

0102  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : ステータ用接着積層コア、その製造方法および回転電機

技術分野

[0001]
 本発明は、ステータ用接着積層コア、その製造方法および回転電機に関する。
 本願は、2018年12月17日に、日本に出願された特願2018-235869号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 従来、回転電機に使用されるコアとして、複数の電磁鋼板が互いに積層された積層コアが知られている。複数枚の鋼板は、溶接、接着、かしめなどの方法で接合される。
 特許文献1には、ロータコアを構成する複数のロータ鋼板の積層工程において、2液硬化型接着剤を用いる技術が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 日本国特開2017-046442号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかし、特許文献1の技術で得られるロータコアでは、回転電機の鉄損を充分に抑制できない。
[0005]
 本発明は、回転電機の鉄損を抑制でき、生産性にも優れたステータ用接着積層コアおよびその製造方法、ならびに前記ステータ用接着積層コアを備えた回転電機の提供を課題とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の一実施形態は以下の態様を有する。
 〔1〕互いに積層され、両面が絶縁被膜により被覆された複数の電磁鋼板と、
 積層方向に隣り合う前記電磁鋼板同士の間に配置され、これらの電磁鋼板同士を接着する接着部と、を備え、
 前記積層方向に隣り合う前記電磁鋼板同士の全ての組が、前記接着部により接着され、
 前記接着部を形成する接着剤が、アクリル系化合物と酸化剤と還元剤とを含み、前記アクリル系化合物の一部と前記酸化剤とが第一剤に、前記アクリル系化合物の残部と前記還元剤とが第二剤に配された二剤型のアクリル系接着剤であり、
 前記積層方向に隣り合う電磁鋼板同士の間において、前記接着部が部分的に設けられているステータ用接着積層コア。
 〔2〕前記アクリル系化合物が、メチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2-ヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
 前記アクリル系接着剤の総質量に対し、前記メチルメタクリレートが0~50質量%、前記フェノキシエチルメタクリレートが0~50質量%、前記2-ヒドロキシエチルメタクリレートが0~50質量%、前記2-ヒドロキシプロピルメタクリレートが0~50質量%である前記〔1〕のステータ用接着積層コア。
 〔3〕互いに積層され、両面が絶縁被膜により被覆された複数の電磁鋼板と、
 積層方向に隣り合う前記電磁鋼板同士の間に配置され、これらの電磁鋼板同士を接着する接着部と、を備え、
 前記積層方向に隣り合う前記電磁鋼板同士の全ての組が、前記接着部により接着され、
 前記接着部を形成する接着剤が、アクリル系化合物を含むアクリル系接着剤であり、
 前記積層方向に隣り合う電磁鋼板同士の間において、前記接着部が部分的に設けられているステータ用接着積層コア。
 〔4〕前記アクリル系接着剤が嫌気性接着剤である、前記〔3〕に記載のステータ用接着積層コア。
 〔5〕前記アクリル系化合物がシアノアクリレートである、前記〔3〕に記載のステータ用接着積層コア。
 〔6〕前記アクリル系接着剤がエラストマーをさらに含む前記〔1〕~〔5〕のいずれかのステータ用接着積層コア。
 〔7〕前記エラストマーが、アクリロニトリルブタジエンゴムを含み、
 前記アクリル系接着剤の総質量に対し、前記アクリロニトリルブタジエンゴムが1~20質量%である前記〔6〕のステータ用接着積層コア。
 〔8〕各々の前記電磁鋼板間における、前記接着部による前記電磁鋼板の接着面積率が、20~80%である前記〔1〕~〔7〕のいずれかのステータ用接着積層コア。
 〔9〕前記〔1〕のステータ用接着積層コアの製造方法であって、
 常温下で、前記電磁鋼板の表面の一部に前記アクリル系接着剤の第一剤と第二剤とを塗布した後に別の電磁鋼板の上に重ねて圧着し、前記接着部を形成する操作を繰り返す、ステータ用接着積層コアの製造方法。
 〔10〕前記〔3〕に記載のステータ用接着積層コアの製造方法であって、
 常温下で、前記電磁鋼板の表面の一部に前記アクリル系接着剤を塗布した後に別の電磁鋼板の上に重ねて圧着し、前記接着部を形成する操作を繰り返す、ステータ用接着積層コアの製造方法。
 〔11〕前記〔1〕~〔8〕のいずれかのステータ用接着積層コアを備える回転電機。

発明の効果

[0007]
 本発明によれば、回転電機の鉄損を抑制でき、生産性にも優れたステータ用接着積層コアおよびその製造方法、ならびに前記ステータ用接着積層コアを備えた回転電機を提供できる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本発明の一実施形態に係るステータ用接着積層コアを備えた回転電機の断面図である。
[図2] 同ステータ用積層コアの側面図である。
[図3] 図2のA-A断面図であって、同ステータ用接着積層コアの接着部の配置パターン例を示す図である。
[図4] ステータ用接着積層コアの製造装置の概略構成を示す側面図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るステータ用接着積層コアと、このステータ用接着積層コアを備えた回転電機とについて説明する。なお、本実施形態では、回転電機として電動機、具体的には交流電動機、より具体的には同期電動機、より一層具体的には永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明する。この種の電動機は、例えば、電気自動車などに好適に採用される。
[0010]
[第一実施形態]
 図1に示すように、回転電機10は、ステータ20と、ロータ30と、ケース50と、回転軸60と、を備える。ステータ20およびロータ30は、ケース50内に収容される。ステータ20は、ケース50内に固定される。
 本実施形態では、回転電機10として、ロータ30がステータ20の径方向内側に位置するインナーロータ型を採用している。しかしながら、回転電機10として、ロータ30がステータ20の外側に位置するアウターロータ型を採用してもよい。また、本実施形態では、回転電機10が、12極18スロットの三相交流モータである。しかしながら、極数、スロット数、相数などは、適宜変更することができる。
 回転電機10は、例えば、各相に実効値10A、周波数100Hzの励磁電流を印加することにより、回転数1000rpmで回転することができる。
[0011]
 ステータ20は、ステータ用接着積層コア(以下、ステータコア)21と、図示しない巻線と、を備える。
 ステータコア21は、環状のコアバック部22と、複数のティース部23と、を備える。以下では、ステータコア21(またはコアバック部22)の中心軸線О方向を軸方向と言い、ステータコア21(またはコアバック部22)の径方向(中心軸線Оに直交する方向)を径方向と言い、ステータコア21(またはコアバック部22)の周方向(中心軸線О回りに周回する方向)を周方向と言う。
[0012]
 コアバック部22は、ステータ20を軸方向から見た平面視において円環状に形成されている。
 複数のティース部23は、コアバック部22の内周から径方向の内側に向けて(径方向に沿ってコアバック部22の中心軸線Оに向けて)突出する。複数のティース部23は、周方向に同等の角度間隔をあけて配置されている。本実施形態では、中心軸線Оを中心とする中心角20度おきに18個のティース部23が設けられている。複数のティース部23は、互いに同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。よって、複数のティース部23は、互いに同じ厚さ寸法を有している。
 前記巻線は、ティース部23に巻回されている。前記巻線は、集中巻きされていてもよく、分布巻きされていてもよい。
[0013]
 ロータ30は、ステータ20(ステータコア21)に対して径方向の内側に配置されている。ロータ30は、ロータコア31と、複数の永久磁石32と、を備える。
 ロータコア31は、ステータ20と同軸に配置される環状(円環状)に形成されている。ロータコア31内には、前記回転軸60が配置されている。回転軸60は、ロータコア31に固定されている。
 複数の永久磁石32は、ロータコア31に固定されている。本実施形態では、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成している。複数組の永久磁石32は、周方向に同等の角度間隔をあけて配置されている。本実施形態では、中心軸線Оを中心とする中心角30度おきに12組(全体では24個)の永久磁石32が設けられている。
[0014]
 本実施形態では、永久磁石界磁型電動機として、埋込磁石型モータが採用されている。ロータコア31には、ロータコア31を軸方向に貫通する複数の貫通孔33が形成されている。複数の貫通孔33は、複数の永久磁石32の配置に対応して設けられている。各永久磁石32は、対応する貫通孔33内に配置された状態でロータコア31に固定されている。各永久磁石32のロータコア31への固定は、例えば永久磁石32の外面と貫通孔33の内面とを接着剤により接着することなどにより、実現できる。なお、永久磁石界磁型電動機として、埋込磁石型モータに代えて表面磁石型モータを採用してもよい。
[0015]
 ステータコア21およびロータコア31は、いずれも積層コアである。例えばステータコア21は、図2に示すように、複数の電磁鋼板40が積層されることで形成されている。
 なお、ステータコア21およびロータコア31それぞれの積厚(中心軸線Оに沿った全長)は、例えば50.0mmとされる。ステータコア21の外径は、例えば250.0mmとされる。ステータコア21の内径は、例えば165.0mmとされる。ロータコア31の外径は、例えば163.0mmとされる。ロータコア31の内径は、例えば30.0mmとされる。ただし、これらの値は一例であり、ステータコア21の積厚、外径や内径、およびロータコア31の積厚、外径や内径は、これらの値のみに限られない。ここで、ステータコア21の内径は、ステータコア21におけるティース部23の先端部を基準とする。すなわち、ステータコア21の内径は、全てのティース部23の先端部に内接する仮想円の直径である。
[0016]
 ステータコア21およびロータコア31を形成する各電磁鋼板40は、例えば、母材となる電磁鋼板を打ち抜き加工することなどにより形成される。電磁鋼板40としては、公知の電磁鋼板を用いることができる。電磁鋼板40の化学組成は特に限定されない。本実施形態では、電磁鋼板40として、無方向性電磁鋼板を採用している。無方向性電磁鋼板としては、例えば、JIS C 2552:2014の無方向性電鋼帯を採用することができる。
 しかしながら、電磁鋼板40として、無方向性電磁鋼板に代えて方向性電磁鋼板を採用することも可能である。方向性電磁鋼板としては、例えば、JIS C 2553:2012の方向性電鋼帯を採用することができる。
[0017]
 電磁鋼板の加工性や、積層コアの鉄損を改善するため、電磁鋼板40の両面は、絶縁被膜で被覆されている。絶縁被膜を構成する物質としては、例えば、(1)無機化合物、(2)有機樹脂、(3)無機化合物と有機樹脂との混合物、などが採用できる。無機化合物としては、例えば、(1)重クロム酸塩とホウ酸の複合物、(2)リン酸塩とシリカの複合物、などが挙げられる。有機樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
[0018]
 互いに積層される電磁鋼板40間での絶縁性能を確保するために、絶縁被膜の厚さ(電磁鋼板40片面あたりの平均厚さ)は0.1μm以上とすることが好ましい。
 一方で、絶縁被膜が厚くなるに連れて絶縁効果が飽和する。また、絶縁被膜が厚くなるに連れて、積層コアにおいて電磁鋼板の占める割合(占積率)が低下し、積層コアとしての性能が低下する。したがって、絶縁被膜は、絶縁性能が確保できる範囲で薄い方がよい。絶縁被膜の厚さ(電磁鋼板40片面あたりの厚さ)は、好ましくは0.1μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上2μm以下である。
[0019]
 電磁鋼板40の板厚が薄くなるに連れて次第に鉄損の改善効果が飽和する。また、電磁鋼板40が薄くなるに連れて電磁鋼板40の製造コストは増す。そのため、鉄損の改善効果および製造コストを考慮すると電磁鋼板40の厚さは0.10mm以上とすることが好ましい。
 一方で電磁鋼板40が厚すぎると、電磁鋼板40のプレス打ち抜き作業が困難になる。そのため、電磁鋼板40のプレス打ち抜き作業を考慮すると、電磁鋼板40の厚さは0.65mm以下とすることが好ましい。
 また、電磁鋼板40が厚くなると鉄損が増大する。そのため、電磁鋼板40の鉄損特性を考慮すると、電磁鋼板40の厚さは0.35mm以下とすることが好ましく、0.20mmまたは0.25mmとすることがより好ましい。
 上記の点を考慮し、各電磁鋼板40の厚さは、例えば、0.10mm以上0.65mm以下、好ましくは0.10mm以上0.35mm以下、より好ましくは0.20mmや0.25mmである。なお、電磁鋼板40の厚さには、絶縁被膜の厚さも含まれる。
[0020]
 図2に示すように、ステータコア21では、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士の全ての組の間に、これらの電磁鋼板40同士を接着する接着部41が部分的に設けられている。積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士の全ての組は、それらの間に部分的に設けられた接着部41を介して積層されている。積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士は、他の手段(例えば、かしめなど)によっては固定されていない。
[0021]
 接着部41は、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士を接着するものである。接着部41は、分断されることなく硬化した接着剤である。
[0022]
 接着部41の厚さは、安定して十分な接着強度を得るために、1μm以上とすることが好ましい。
 一方で接着部41の厚さが100μmを超えると接着力が飽和する。また、接着部41が厚くなるに連れて占積率が低下し、ステータコアの鉄損などの磁気特性が低下する。したがって、接着部41の厚さは1μm以上100μm以下とすることが好ましく、1μm以上10μm以下とすることがより好ましい。
 なお、上記において接着部41の厚さは、接着部41の平均厚みを意味する。接着部41の平均厚みは、例えば、接着剤の塗布量を変えて調整することができる。
[0023]
 接着部41の平均厚みは、積層コア全体としての平均値である。接着部41の平均厚みはその積層方向に沿った積層位置や積層コアの中心軸線回りの周方向位置で殆ど変わらない。そのため、接着部41の平均厚みは、積層コアの上端位置において、円周方向10箇所以上で測定した数値の平均値をもってその値とすることができる。
[0024]
 接着部41を形成する接着剤は、第二世代アクリル系接着剤(SGA:Second Generation Acrylic adhesive)である。接着部41は、SGAの硬化物からなるものともいえる。
 SGAは、アクリル系化合物と酸化剤と還元剤とを含む。
 本実施形態におけるSGAは二剤型であり、第一剤および第二剤の二剤から構成される。また、前記した成分のうち、アクリル系化合物の一部と酸化剤とは第一剤に配されており、アクリル系化合物の残部と還元剤とは第二剤に配されている。これら第一剤と第二剤とが接触すると、レドックス反応によるアクリル系化合物の重合が進み、硬化する。
 二剤型のSGAの硬化は常温(例えば20~30℃、さらには20~25℃)下で速やかに進むので、接着部41を形成する際に、熱硬化型接着剤の場合の加熱処理、自然硬化時の長時間保持などの硬化処理を行う必要がなく、優れた生産性でステータコア21を製造できる。SGAについては後で詳しく説明する。
[0025]
 一般に、接着剤を硬化させる際には、硬化収縮が生じる。この硬化収縮により、電磁鋼板40に圧縮応力や引張応力が加わる。これら応力が電磁鋼板40に加わることにより、歪みが生じる。特に熱硬化型の接着剤の場合、電磁鋼板40と接着部との熱膨張係数の差により、加わる応力が大きくなる。電磁鋼板40の歪みは、回転電機10の鉄損を増大させる。ステータコア21を構成する電磁鋼板40の歪みが鉄損に与える影響は、ロータコア31を構成する鋼板の歪みが与える影響よりも大きい。
 本実施形態では、接着部41が部分的に設けられているので、接着部41が全面に設けられている場合に比べて、硬化収縮により電磁鋼板40に加わる応力が低減されている。また、二剤型のSGAは常温で硬化するため、熱膨張係数の差による応力も低減されている。そのため、電磁鋼板40の歪みを抑制でき、鉄損の増大を抑制できる。
[0026]
 接着部41は、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士の間において、部分的に設けられている。つまり、電磁鋼板40において積層方向を向く面(第1面)には、接着領域42と非接着領域43とが形成されている。接着領域42は、電磁鋼板40の第1面のうち接着部41が設けられた領域、すなわち電磁鋼板40の第1面のうち分断されることなく硬化した接着剤が設けられている領域である。非接着領域43は、電磁鋼板40の第1面のうち接着部41が設けられていない領域、すなわち電磁鋼板40の第1面のうち分断されることなく硬化した接着剤が設けられていない領域である。ステータコア21では、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士の間において、接着部41が、コアバック部22間に部分的に設けられ、かつティース部23間にも部分的に設けられていることが好ましい。
 接着部41は、典型的には、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士の全ての組の間の複数箇所に分散して配置されている。すなわち、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士の全ての組は、典型的には、それらの間に設けられた複数の接着部41を介して積層されている。
[0027]
 図3に、接着部41の配置パターンの一例を示す。この例において、複数の接着部41はそれぞれ、円形をなす点状に形成されている。より具体的に言うと、コアバック部22においては、その周方向に等角度間隔を置いて複数の接着部41が、平均直径が12mmの点状に形成されている。各ティース部23においては、径方向に沿って複数の接着部41が、平均直径が8mmの点状に形成されている。
 ここで示した平均直径は一例である。コアバック部22における点状の接着部41の平均直径は、例えば2mm~20mmの範囲内より適宜選定することができ、各ティース部23における点状の接着部41の平均直径は、例えば2mm~15mmの範囲内より適宜選定することができる。また、図3の形成パターンは一例であり、電磁鋼板40同士の間に設けられる接着部41の数、形状および配置は必要に応じて適宜変更できる。
 平均直径は、電磁鋼板40同士を剥離した接着部41の接着剤跡の直径を定規により測定することで求められる。接着剤跡の平面視形状が真円でない場合、その直径は平面視での接着剤跡の外接円(真円)の直径とする。
 なお、本明細書中において、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
[0028]
 各々の電磁鋼板40間において、接着部41による電磁鋼板40の接着面積率は、20~80%が好ましく、30~75%がより好ましく、40~70%がさらに好ましい。電磁鋼板40の接着面積率が前記範囲の下限値以上であれば、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士を充分な接着強度で接着できるので、コア剛性が優れる。電磁鋼板40の接着面積率が前記範囲の上限値以下であれば、コア鉄損の抑制効果がより優れる。
 電磁鋼板40の接着面積率は、電磁鋼板40の第1面の面積に対する、電磁鋼板40の第1面のうちの接着部41が占める領域(接着領域42)の面積の割合である。
[0029]
 接着部41によるコアバック部22の接着面積率は、接着強度と鉄損の抑制効果とのバランスから、50~80%が好ましく、60~80%がより好ましく、70~80%がさらに好ましい。
 コアバック部22の接着面積率は、電磁鋼板40のコアバック部22の第1面の面積に対する、コアバック部22の第1面のうちの接着部41が占める領域(接着領域42)の面積の割合である。
[0030]
 接着部41によるティース部23の接着面積率は、接着強度と鉄損の抑制効果とのバランスから、20~50%が好ましく、20~40%がより好ましく、20~30%がさらに好ましい。
 ティース部23の接着面積率は、電磁鋼板40のティース部23の第1面の面積に対する、ティース部23の第1面のうちの接着部41が占める領域(接着領域42)の面積の割合である。
[0031]
 本実施形態では、ロータコア31を形成する方の複数の電磁鋼板は、かしめ(ダボ)によって互いに固定されている。しかしながら、ロータコア31を形成する複数の電磁鋼板も、ステータコア21と同様に接着剤により固定した積層構造を有してもよい。
 また、ステータコア21やロータコア31などの積層コアは、いわゆる回し積みにより形成されていてもよい。
[0032]
(SGA)
 前記したように、SGAは、アクリル系化合物と酸化剤と還元剤とを含む。また、本実施形態におけるSGAは二剤型であり、第一剤および第二剤の二剤から構成される。前記した成分のうち、アクリル系化合物の一部と酸化剤とは第一剤に配されており、アクリル系化合物の残部と還元剤とは第二剤に配されている。酸化剤は全て第一剤に配され、第二剤に配されない。還元剤は全て第二剤に配され、第一剤に還元剤は配されない。
[0033]
 アクリル系化合物は、置換または無置換のアクリロイル基を有する化合物である。置換または無置換のアクリロイル基としては、例えば、CH =C(R)CO-(Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示す。)で表される基が挙げられる。
 アクリル系化合物としては、アクリル系モノマー、アクリル系オリゴマー、アクリル系マクロモノマー、などが挙げられる。
 アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート;2、2-ビス(4-メタクリロキシフェニル)プロパン、2、2-ビス(4-メタクリロキジエトキシフェニル)プロパン、2、2-ビス(4-メタクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(トリ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
 アクリル系オリゴマーとしては、上記アクリル系モノマーの反応物、ノニルフェノールエチレンオキサイド(EO)変性アクリレート、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、多塩基酸変性アクリルオリゴマー、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどが挙げられる。
 これらのアクリル系化合物は、いずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0034]
 アクリル系化合物としては、硬化時間や取扱い性の点から、メチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2-ヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
[0035]
 SGA中のアクリル系化合物の含有量は、SGAの総質量に対し、20~70質量%が好ましく、30~60質量%がより好ましい。アクリル系化合物の含有量が前記範囲内であれば、接着強度がより優れる。
[0036]
 アクリル系化合物のうち、メチルメタクリレートの含有量は、SGAの総質量に対し、0~50質量%が好ましく、20~40質量%がより好ましい。フェノキシエチルメタクリレートの含有量は、SGAの総質量に対し、0~50質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましい。2-ヒドロキシエチルメタクリレートの含有量は、SGAの総質量に対し、0~50質量%が好ましく、0~20質量%がより好ましい。2-ヒドロキシプロピルメタクリレートの含有量は、SGAの総質量に対し、0~50質量%が好ましく、0~20質量%がより好ましい。各化合物の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、取扱い性が良好である。
[0037]
 上記のうち、2-ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2-ヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むと、硬化時に3次元構造が形成され、平均引張弾性率が高まる。
 2-ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2-ヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、アクリル系化合物の総質量に対し、10~70質量%が好ましい。
[0038]
 SGA中のアクリル系化合物の全量のうち、第一剤中のアクリル系化合物の割合は、例えば、50~90質量%である。
 SGAが2種以上のアクリル系化合物を含む場合、第一剤中のアクリル系化合物の組成と第二剤中のアクリル系化合物の組成は同一でも異なってもよい。
[0039]
 酸化剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物が挙げられる。これらの酸化剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0040]
 SGA中の酸化剤の含有量は、アクリル系化合物100質量部に対し、0.5~10質量部が好ましく、1~7質量部がより好ましい。酸化剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、硬化速度がより優れる。酸化剤の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、貯蔵安定性がより優れる。
[0041]
 還元剤としては、例えば、エメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素などのチオ尿素化合物;ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、バナジルアセチルアセテートなどの金属錯体;トリメチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルパラトルイジンなどの第3級アミンが挙げられる。これらの還元剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0042]
 SGA中の還元剤の含有量は、アクリル系化合物100質量部に対し、0.01~5質量部が好ましく、0.05~1質量部がより好ましい。還元剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、硬化速度がより優れる。還元剤の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、貯蔵安定性がより優れる。
[0043]
 SGAは、エラストマーをさらに含むことが好ましい。
 エラストマーは、粘性、流動特性、弾性の向上に寄与する。
 SGAがエラストマーを含む場合、エラストマーは、第一剤に配されてもよく、第二剤に配されてもよく、それらの両方に配されてもよい。
[0044]
 エラストマーとしては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。これらのエラストマーは、いずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 エラストマーとしては、硬化物の弾性の点で、NBRが好ましい。
[0045]
 SGAがエラストマーを含む場合、エラストマーの含有量は、エラストマーの種類、分子量などによっても異なるが、例えば、SGAの総質量に対し、1~30質量%である。
 エラストマーがNBRを含む場合、NBRの含有量は、SGAの総質量に対し、1~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。NBRの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、接着強度がより優れる。NBRの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、硬化速度がより優れる。
[0046]
 SGAは、必要に応じて、アセトン、トルエンなどの溶剤を含むことができる。SGAが溶剤を含む場合、溶剤は、第一剤に配されてもよく、第二剤に配されてもよく、それらの両方に配されてもよい。
 SGAは、必要に応じて、他の成分をさらに含むことができる。SGAが他の成分を含む場合、他の成分は、第一剤に配されてもよく、第二剤に配されてもよく、それらの両方に配されてもよい。
 他の成分としては、例えば、モノメチルフォスフェート、ジフェニルフォスフェートなどの酸性リン酸エステル、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタールなどの光重合開始剤、微粉末シリカ、パラフィン、カルナバろう、ラノリンなどのパラフィン類などが挙げられる。
 SGA中の他の成分の含有量は、例えば、SGAの総質量に対し、0~10質量%である。
[0047]
 SGAの硬化物の常温(20~30℃)における平均引張弾性率は、1500~5000MPaが好ましく、1500~4000MPaがより好ましい。硬化物の平均引張弾性率、すなわち接着部41の平均引張弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、積層コアの鉄損特性が優れる。硬化物の平均引張弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、積層コアの結合強度が優れる。
 SGAの硬化物の平均引張弾性率は、測定用のサンプルを製作し、共振法により測定される。具体的には、サンプルは、2枚の電磁鋼板40間を、測定対象の接着剤(SGA)により接着し、硬化させて接着部41を形成することにより、得られる。このサンプルについての平均引張弾性率を、JIS R 1602:1995に準拠して共振法で測定する。その後、サンプルの平均引張弾性率(測定値)から、電磁鋼板40自体の影響分を計算により除くことで、接着部41単体の平均引張弾性率が求められる。
 このようにしてサンプルから求められた引張弾性率は、積層コア全体としての平均値に等しくなるので、この数値をもって平均引張弾性率とみなす。平均引張弾性率は、その積層方向に沿った積層位置や積層コアの中心軸線回りの周方向位置で殆ど変わらないよう、組成が設定されている。そのため、平均引張弾性率は、積層コアの上端位置にある、硬化後の接着部41を測定した数値をもってその値とすることもできる。
 SGAの硬化物の平均引張弾性率は、エラストマーの種類、物性、分子量、添加量などによって調整できる。例えばエラストマーの分子量を小さくすると、平均引張弾性率が大きくなる傾向がある。
[0048]
 一般に、SGAとしては、二剤型と一剤型とが知られている。二剤型のSGCとしては、上記のように第一剤および第二剤の両方にアクリル系化合物が配された二主剤型と、第一剤および第二剤のいずれか一方のみにアクリル系化合物を配したプライマー型(第一剤にアクリル系化合物と酸化剤を配し、第二剤に還元剤を配したものと、第一剤にアクリル系化合物と還元剤を配し、第二剤に酸化剤を配したもの)が知られている。
 一剤型のSGAは、硬化させるために加熱が必要である。これに対し、二剤型のSGAは、常温で硬化可能である。また、二主剤型のSGAは、プライマー型のSGAに比べて、混合割合を厳密に調整しなくてよい。
 また、一般に、常温で硬化可能な接着剤としては、二剤型のSGAのほか、二剤型のエポキシ系接着剤、嫌気性接着剤、シアノアクリレート系接着剤などが知られている。
 二剤型のSGAは、硬化速度が速い割には応力付与を小さくできるので、鉄損抑制の点で、常温で硬化可能な他の接着剤よりも優れる。
[0049]
(ステータコアの製造方法)
 ステータコア21は、例えば、常温下で、電磁鋼板40の表面の一部にSGAの第一剤と第二剤とを部分的に塗布した後に別の電磁鋼板40の上に重ねて圧着し、接着部41を形成する操作を繰り返すことにより製造できる。
 塗布された第一剤と第二剤とが接触すると、常温下でSGAの硬化が進み、接着部41が形成される。第一剤および第二剤は、典型的には、電磁鋼板40の表面の同じ位置に塗布される。第一剤および第二剤のどちらを先に塗布してもよい。
[0050]
 以下に、図4に示す製造装置100を用いて、ステータコア21を製造する方法を説明する。
 まず先に、製造装置100について説明する。同製造装置100では、コイルC(フープ)から電磁鋼板Pを矢印F方向に向かって送り出しつつ、各ステージに配置された金型により複数回の打ち抜きを行って電磁鋼板40の形状に徐々に形成していき、2枚目以降の電磁鋼板40の下面に対応する位置にSGAの第一剤および第二剤を塗布し、打ち抜いた電磁鋼板40を順次積層して圧着する。
[0051]
 図4に示すように、製造装置100は、コイルCに最も近い位置に一段目の打ち抜きステーション110と、この打ち抜きステーション110よりも電磁鋼板Pの搬送方向に沿った下流側に隣接配置された二段目の打ち抜きステーション120と、この打ち抜きステーション120よりもさらに下流側に隣接配置された第1の接着剤塗布ステーション130と、第1の接着剤塗布ステーション130よりもさらに下流側に隣接配置された第2の接着剤塗布ステーション140と、を備えている。
 打ち抜きステーション110は、電磁鋼板Pの下方に配置された雌金型111と、電磁鋼板Pの上方に配置された雄金型112とを備える。
 打ち抜きステーション120は、電磁鋼板Pの下方に配置された雌金型121と、電磁鋼板Pの上方に配置された雄金型122とを備える。
 第1の接着剤塗布ステーション130、第2の接着剤塗布ステーション140はそれぞれ、前述した接着部41の配置パターンに応じて配置された複数本のインジェクターを備える塗布器131、141を備える。
[0052]
 製造装置100は、さらに、第2の接着剤塗布ステーション140よりも下流位置に積層ステーション150を備える。この積層ステーション150は、保持部材151と、外周打ち抜き雌金型152と、外周打ち抜き雄金型153と、スプリング154と、を備えている。
 保持部材151、外周打ち抜き雌金型152は、電磁鋼板Pの下方に配置されている。一方、外周打ち抜き雄金型153およびスプリング154は、電磁鋼板Pの上方に配置されている。
[0053]
 以上説明の構成を有する製造装置100において、まずコイルCより電磁鋼板Pを図4の矢印F方向に順次送り出す。そして、この電磁鋼板Pに対し、まず打ち抜きステーション110による打ち抜き加工を行う。続いて、この電磁鋼板Pに対し、打ち抜きステーション120による打ち抜き加工を行う。これら打ち抜き加工により、電磁鋼板Pに、図3に示したコアバック部22と複数のティース部23を有する電磁鋼板40の形状を得る。ただし、この時点では完全には打ち抜かれていないので、矢印F方向に沿って次工程へと進む。
 次工程の第1の接着剤塗布ステーション130では、塗布器131の前記各インジェクターからSGAの第一剤が供給され、電磁鋼板40の下面の複数箇所に第一剤が点状に塗布される。次工程の第2の接着剤塗布ステーション140では、塗布器141の前記各インジェクターからSGAの第二剤が供給され、第1の接着剤塗布ステーション130で塗布された第一剤の上に第二剤が点状に塗布される。
 なお、第1の接着剤塗布ステーション130で第二剤を塗布し、第2の接着剤塗布ステーション140で第一剤を塗布してもよい。
[0054]
 そして最後に、電磁鋼板Pは積層ステーション150へと送り出され、外周打ち抜き雄金型153により打ち抜かれて精度良く、積層される。例えば、コアバック部の外周端部の複数箇所に切欠きを形成し、その切欠きに対して側面からスケールを押し当てることで、各電磁鋼板40のずれを防止でき、より高精度に積層できる。積層の際、電磁鋼板40はスプリング154により一定の加圧力を受ける。
 以上説明のような、打ち抜き工程、SGAの第一剤および第二剤の塗布工程、積層工程、を順次繰り返すことで、所定枚数の電磁鋼板40を積み重ねることができる。さらに、このようにして電磁鋼板40を積み重ねて形成された鉄芯においては、常温下でSGAの硬化が進み、接着部41が形成される。
 以上の各工程により、ステータコア21が完成する。
[0055]
[第二実施形態]
 SGAの代わりに、SGAを除く、アクリル系化合物を含むアクリル系接着剤を用いて接着部を形成してもよい。SGAを除くアクリル系接着剤としては、例えば、嫌気性接着剤が挙げられる。
 第二実施形態の回転電機は、SGAの代わりに嫌気性接着剤を用いる以外は第一実施形態と同様の態様とすることができる。
[0056]
 嫌気性接着剤を用いる第二実施形態でも、積層方向に隣り合う電磁鋼板同士の間において接着部が部分的に設けられることで、接着部が全面に設けられている場合に比べて、硬化収縮により電磁鋼板に加わる応力が低減される。また、嫌気性接着剤は常温で硬化するため、熱膨張係数の差による応力も低減される。そのため、電磁鋼板の歪みを抑制でき、鉄損の増大を抑制できる。
[0057]
(嫌気性接着剤)
 嫌気性接着剤は、金属イオン存在下で酸素が遮断されることで硬化を開始するアクリル系接着剤である。
 嫌気性接着剤は、アクリル系化合物と重合開始剤と嫌気性硬化促進剤とを含む。
[0058]
 嫌気性接着剤に含まれるアクリル系化合物としては、特に限定されず、例えば、H C=CR -COOR で表される(メタ)アクリレートを例示できる。ただし、前記式中、R は水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子数1~4のアルキル基である。R は炭素原子数1~16のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルカリール基、アラルキル基、またはアリール基である。R の基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基などの置換基を有していてもよく、カルボニル基、エステル基、アミド基などの2価の基を含んでいてもよい。
[0059]
 嫌気性接着剤に含まれる(メタ)アクリレートは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートを例示できる。嫌気性接着剤に含まれる(メタ)アクリレートは、1種でもよく、2種以上でもよい。
 嫌気性接着剤に含まれる(メタ)アクリレートとしては、硬化速度の点から、ジ(メタ)アクリレート類、エチル(メタ)アクリレート、および2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
[0060]
 嫌気性接着剤中のアクリル系化合物の含有量は、嫌気性接着剤の総質量に対して、50~95質量%が好ましく、70~90質量%がより好ましい。
[0061]
 重合開始剤としては、例えばクメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、p-メタンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、その他、ケトンパーオキサイド類、ジアリルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。
 嫌気性接着剤に含まれる重合開始剤としては、保存性(ポットライフ)の点から、ハイドロパーオキサイド類が好ましい。
[0062]
 重合開始剤の配合量は、アクリル系化合物の合計質量100質量部に対して0.1~5質量部が好ましい。0.1質量部よりも少ないと重合反応を生じさせるのに不十分であり、5質量部よりも多いと、嫌気性接着剤の安定性が低下する。
[0063]
 嫌気性硬化促進剤としては、特に限定されず、例えば、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-o-トルイジンなどのトルイジン、サッカリン、アセチルフェニルヒドラジン(APH)などのヒドラジン類、ベンゾトリアゾール、エチルメルカプタン、マレイン酸、ナフタキノン、アントラキノンを例示できる。嫌気性接着剤に含まれる嫌気性硬化促進剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
 嫌気性接着剤に含まれる嫌気性硬化促進剤としては、保存性(ポットライフ)の点から、ベンゾトリアゾール、エチルメルカプタン、ヒドラジン類が好ましい。
[0064]
 嫌気性接着剤中の嫌気性硬化促進剤の含有量は、アクリル系化合物の総質量100質量部に対して、0.01~5質量部が好ましく、0.1~1質量部がより好ましい。
[0065]
 嫌気性接着剤は、SGAと同様の理由から、エラストマーをさらに含むことが好ましい。
 エラストマーとしては、SGAで例示したものと同じものを例示できる。嫌気性接着剤に含まれるエラストマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。嫌気性接着剤に含まれるエラストマーとしては、硬化物の弾性の点で、NBRが好ましい。
[0066]
 嫌気性接着剤がエラストマーを含む場合、エラストマーの含有量は、エラストマーの種類、分子量などによっても異なるが、例えば、嫌気性接着剤の総質量に対し、1~30質量%である。
 エラストマーがNBRを含む場合、NBRの含有量は、嫌気性接着剤の総質量に対し、1~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。NBRの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、接着強度がより優れる。NBRの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、硬化速度がより優れる。
[0067]
 嫌気性接着剤は、アクリル系化合物、嫌気性硬化促進剤およびエラストマー以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、マレイミド、反応性希釈剤、可塑剤、重合抑制剤、増粘剤、充填剤を例示できる。
 嫌気性接着剤中の他の成分の含有量は、例えば、嫌気性接着剤の総質量に対し、0~10質量%である。
[0068]
 嫌気性接着剤を用いる場合、例えば、常温下で、電磁鋼板の表面の一部に嫌気性接着剤を部分的に塗布した後に別の電磁鋼板の上に重ねて圧着し、接着部を形成する操作を繰り返すことにより、ステータ用接着積層コアを製造できる。例えば、第2の接着剤塗布ステーション140を備えない以外は製造装置100と同様の態様の製造装置を用いてステータ用接着積層コアを製造できる。
[0069]
[第三実施形態]
 SGAの代わりに、アクリル系化合物としてシアノアクリレートを含むシアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)を用いてもよい。第三実施形態の回転電機は、SGAの代わりにシアノアクリレート系接着剤を用いる以外は第一実施形態と同様の態様とすることができる。
[0070]
 シアノアクリレート系アクリル系接着剤を用いる第三実施形態でも、積層方向に隣り合う電磁鋼板同士の間において接着部が部分的に設けられることで、接着部が全面に設けられている場合に比べて、硬化収縮により電磁鋼板に加わる応力が低減される。また、シアノアクリレート系アクリル系接着剤は常温で硬化するため、熱膨張係数の差による応力も低減される。そのため、電磁鋼板の歪みを抑制でき、鉄損の増大を抑制できる。
[0071]
(シアノアクリレート系接着剤)
 シアノアクリレート系接着剤としては、シアノアクリレートが重合して硬化する接着剤を制限なく使用できる。シアノアクリレート系接着剤に含まれるシアノアクリレートとしては、例えば、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、メトキシエチルシアノアクリレート、ブチルシアノアクリレート、オクチルシアノアクリレートを例示できる。シアノアクリレート系接着剤に含まれるシアノアクリレートは、1種でもよく、2種以上でもよい。
 シアノアクリレート系接着剤としては、作業性の点から、エチルシアノアクリレートを含むことが好ましい。
[0072]
 シアノアクリレート系接着剤は、SGAと同様の理由から、エラストマーをさらに含むことが好ましい。
 エラストマーとしては、SGAで例示したものと同じものを例示できる。シアノアクリレート系接着剤に含まれるエラストマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。シアノアクリレート系接着剤に含まれるエラストマーとしては、硬化物の弾性の点で、NBRが好ましい。
[0073]
 シアノアクリレート系接着剤中のシアノアクリレートの含有量は、シアノアクリレート系接着剤の総質量に対して、50~95質量%が好ましく、70~90質量%がより好ましい。
[0074]
 シアノアクリレート系接着剤がエラストマーを含む場合、エラストマーの含有量は、エラストマーの種類、分子量などによっても異なるが、例えば、シアノアクリレート系接着剤の総質量に対し、1~30質量%である。
 エラストマーがNBRを含む場合、NBRの含有量は、シアノアクリレート系接着剤の総質量に対し、1~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。NBRの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、接着強度がより優れる。NBRの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、硬化速度がより優れる。
[0075]
 シアノアクリレート系接着剤は、シアノアクリレートおよびエラストマー以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、硬化促進剤としてアミン類を例示できる。アミン類としては、特に限定されず、例えば、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジンなどのトルイジンを例示できる。硬化促進剤を用いる場合、化学反応の進行が非常に早まることから、積層コアを接着剤する直前にシアノアクリレート系接着剤に硬化促進剤を配合するのがよい。
 シアノアクリレート系接着剤中の他の成分の含有量は、例えば、シアノアクリレート系接着剤の総質量に対し、0~10質量%である。
[0076]
 シアノアクリレート系接着剤を用いる場合、例えば、常温下で、電磁鋼板の表面の一部にシアノアクリレート系接着剤を部分的に塗布した後に別の電磁鋼板の上に重ねて圧着し、接着部を形成する操作を繰り返すことにより、ステータ用接着積層コアを製造できる。例えば、第2の接着剤塗布ステーション140を備えない以外は製造装置100と同様の態様の製造装置を用いてステータ用接着積層コアを製造できる。
[0077]
 なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
[0078]
 ステータコアの形状は、前記実施形態で示した形態に限定されるものではない。具体的には、ステータコアの外径および内径の寸法、積厚、スロット数、ティース部の周方向と径方向の寸法比率、ティース部とコアバック部との径方向の寸法比率、などは所望の回転電機の特性に応じて任意に設計可能である。
[0079]
 前記実施形態におけるロータでは、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、1つの永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよく、3つ以上の永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよい。
[0080]
 前記実施形態では、回転電機として、永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明したが、回転電機の構造は、以下に例示するようにこれに限られず、更には以下に例示しない種々の公知の構造も採用可能である。
 前記実施形態では、回転電機として、永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機がリラクタンス型電動機や電磁石界磁型電動機(巻線界磁型電動機)であってもよい。
 前記実施形態では、交流電動機として、同期電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が誘導電動機であってもよい。
 前記実施形態では、回転電機として、交流電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が直流電動機であってもよい。
 前記実施形態では、回転電機として、電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が発電機であってもよい。
[0081]
 前記ステータコア21を、回転電機10に代えて変圧器に採用することも可能である。この場合、電磁鋼板として、無方向電磁鋼板を採用することに代えて、方向性電磁鋼板を採用することが好ましい。
[0082]
 その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
[0083]
 以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[0084]
(製造例1~5)
 表1に示す配合で各成分を混合してSGAの第一剤および第二剤を調製した。なお、表中には記載していないが、溶剤として適宜アセトンを使用した。
[0085]
(製造例6~9)
 表3に示す配合で各成分を混合して嫌気性接着剤およびシアノアクリレート系接着剤を調製した。
[0086]
(実施例1~6)
 Si:3.0質量%、Al:0.5質量%、Mn:0.1質量%を含有する無方向性電磁鋼板用の組成を有するフープを作製した。地鉄の厚さは0.3mmとした。このフープにリン酸金属塩とアクリル樹脂エマルジョンを含有する絶縁被膜処理液を塗布し、300℃で焼付け、所定量の絶縁被膜を施した。
 このフープ(電磁鋼板)を、図4に示す構成の製造装置100を用いて、以下の手順で、外径300mm、内径240mmのリング状で、内径側に長さ30mm、幅15mmの長方形のティース部を18か所設けた単板コアに打抜き、順次積層してステータコアを作製した。
 コイルCより前記フープを図4の矢印F方向に順次送り出した。そして、このフープに対し、まず打ち抜きステーション110による打ち抜き加工を行い、続いて、このフープに対し、打ち抜きステーション120による打ち抜き加工を行った。これら打ち抜き加工により、フープに、図3に示したコアバック部22と複数のティース部23を有する電磁鋼板40の形状を形成した(打ち抜き工程)。
 続いて、第1の接着剤塗布ステーション130で塗布器131によりSGAの第一剤を、フープの下面(第1面)の複数箇所に点状に塗布した。続いて、第2の接着剤塗布ステーション140で塗布器141により第二剤を、フープの下面の複数箇所に点状に塗布した(塗布工程)。第一剤および第二剤は、同一平面上に重ねて塗布した。
 続いて、積層ステーション150へ送り出されたフープを外周打ち抜き雄金型153により単板コアに打ち抜き、加圧しながら積層した(積層工程)。
 以上の打ち抜き工程、塗布工程、積層工程を順次繰り返して単板コア130枚を積層した後、金型下部から排出された積層コアを装置横に準備したサンプル台に移し、25℃の雰囲気下で5分間養生してSGAを硬化させ、ステータコアを得た。
 実施例1~3では、第一剤および第二剤の塗布量を変更することにより、コアバック部、ティース部それぞれの接着面積率を変更した。各例で得られたステータコアの電磁鋼板同士を剥離し、接着部の平均直径、コアバック部、ティース部、電磁鋼板それぞれの接着面積率を測定した。結果を表2に示す。
[0087]
(実施例7~10)
 SGAの代わりに表4に示す嫌気性接着剤を使用し、接着部の平均直径、接着部の厚さ、コアバック部、ティース部、電磁鋼板それぞれの接着面積率を表4に示すとおりにし、嫌気性接着剤の塗布後に加圧圧着して硬化させた以外は、実施例1と同様にしてステータコアを得た。
[0088]
(実施例11~14)
 SGAの代わりに表4に示すシアノアクリレート系接着剤を使用し、接着部の平均直径、接着部の厚さ、コアバック部、ティース部、電磁鋼板それぞれの接着面積率を表4に示すとおりにし、シアノアクリレート系接着剤の塗布後に加圧圧着して硬化させた以外は、実施例1と同様にしてステータコアを得た。
[0089]
(比較例1)
 SGAの第一剤および第二剤を、電磁鋼板の接着面積率が100%となるように塗布した以外は実施例1と同様にしてステータコアを作製した。
[0090]
(比較例2)
 接着剤として、製造例4のSGAを用いた以外は実施例1と同様にしてステータコアを作製した。
[0091]
(比較例3)
 接着剤として、1液型の熱硬化型エポキシ系接着剤(セメダイン社製「EP171」)を用いた以外は実施例1と同様にしてステータコアを作製した。
[0092]
(比較例4)
 SGAの代わりに表4に示す嫌気性接着剤を使用し、電磁鋼板の接着面積率が100%となるように塗布した以外は実施例7と同様にしてステータコアを作製した。
[0093]
(比較例5)
 SGAの代わりに表4に示すシアノアクリレート系接着剤を使用し、電磁鋼板の接着面積率が100%となるように塗布した以外は実施例11と同様にしてステータコアを作製した。
[0094]
(評価)
 各例のステータコアについて、以下の評価を行った。結果を表2および表4に示す。
[0095]
 <鉄損>
 直径239.5mmのロータ形状の検出器を持つ回転鉄損シミュレーターを用いて、ステータ鉄損を測定した。この回転鉄損シミュレーターは、電気学会研究会資料.RM-92-79,1992に開示されているものである。
 ステータコアの鉄損評価においては、評価の基準とするコアとして、コアバック部に接着部を8箇所形成し、全ティース部の中央部に直径1.5mmのかしめを形成した積層枚数10枚のかしめ固着積層コアを作製した。各例のステータコアとかしめ固着積層コアについて回転鉄損シミュレーターによる測定を行い、以下の基準で鉄損を評価した。
 1:かしめ固着積層コアに比べて20%以上磁性が良好である。
 2:かしめ固着積層コアに比べて15%以上20%未満の範囲で磁性が良好である。
 3:かしめ固着積層コアに比べて10%以上15%未満の範囲で磁性が良好である。
 4:磁性の向上がかしめ固着積層コアに比べて0%超10%未満である。
 5:かしめ固着積層コアに比べて磁性の向上がみられない。
[0096]
 <生産性>
 図4に示す製造装置を用いて、150spm(1分間に積層する電磁鋼板の数が150枚)でステータコアを作製した際に、金型から取り出されたステータコアの固着状況を確認し、以下の基準で生産性を評価した。
 1:問題無くステータコアが作製できた。
 2:金型から取り出した後、数秒から数分間保持することでステータコアを作製できた。
 3:金型から取り出した後、積層面を加圧することでステータコアを作製できた。
 4:ハンドリング中に電磁鋼板同士が剥がれたり、積層が歪んだりした。
 5:電磁鋼板同士の固着が不充分であった。
[0097]
[表1]


[0098]
[表2]


[0099]
[表3]


[0100]
[表4]


産業上の利用可能性

[0101]
 本発明によれば、回転電機の鉄損を抑制でき、またステータ用接着積層コアの生産性を向上させることができる。よって、産業上の利用可能性は大である。

符号の説明

[0102]
 10 回転電機
 20 ステータ
 21 ステータ用接着積層コア
 40 電磁鋼板
 41 接着部
 42 接着領域
 43 非接着領域

請求の範囲

[請求項1]
 互いに積層され、両面が絶縁被膜により被覆された複数の電磁鋼板と、
 積層方向に隣り合う前記電磁鋼板同士の間に配置され、これらの電磁鋼板同士を接着する接着部と、を備え、
 前記積層方向に隣り合う前記電磁鋼板同士の全ての組が、前記接着部により接着され、
 前記接着部を形成する接着剤が、アクリル系化合物と酸化剤と還元剤とを含み、前記アクリル系化合物の一部と前記酸化剤とが第一剤に、前記アクリル系化合物の残部と前記還元剤とが第二剤に配された二剤型のアクリル系接着剤であり、
 前記積層方向に隣り合う電磁鋼板同士の間において、前記接着部が部分的に設けられているステータ用接着積層コア。
[請求項2]
 前記アクリル系化合物が、メチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2-ヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
 前記アクリル系接着剤の総質量に対し、前記メチルメタクリレートが0~50質量%、前記フェノキシエチルメタクリレートが0~50質量%、前記2-ヒドロキシエチルメタクリレートが0~50質量%、前記2-ヒドロキシプロピルメタクリレートが0~50質量%である請求項1に記載のステータ用接着積層コア。
[請求項3]
 互いに積層され、両面が絶縁被膜により被覆された複数の電磁鋼板と、
 積層方向に隣り合う前記電磁鋼板同士の間に配置され、これらの電磁鋼板同士を接着する接着部と、を備え、
 前記積層方向に隣り合う前記電磁鋼板同士の全ての組が、前記接着部により接着され、
 前記接着部を形成する接着剤が、アクリル系化合物を含むアクリル系接着剤であり、
 前記積層方向に隣り合う電磁鋼板同士の間において、前記接着部が部分的に設けられているステータ用接着積層コア。
[請求項4]
 前記アクリル系接着剤が嫌気性接着剤である、請求項3に記載のステータ用接着積層コア。
[請求項5]
 前記アクリル系化合物がシアノアクリレートである、請求項3に記載のステータ用接着積層コア。
[請求項6]
 前記アクリル系接着剤がエラストマーをさらに含む請求項1~5のいずれか一項に記載のステータ用接着積層コア。
[請求項7]
 前記エラストマーが、アクリロニトリルブタジエンゴムを含み、
 前記アクリル系接着剤の総質量に対し、前記アクリロニトリルブタジエンゴムが1~20質量%である請求項6に記載のステータ用接着積層コア。
[請求項8]
 各々の前記電磁鋼板間における、前記接着部による前記電磁鋼板の接着面積率が、20~80%である請求項1~7のいずれか一項に記載のステータ用接着積層コア。
[請求項9]
 請求項1に記載のステータ用接着積層コアの製造方法であって、
 常温下で、前記電磁鋼板の表面の一部に前記アクリル系接着剤の第一剤と第二剤とを塗布した後に別の電磁鋼板の上に重ねて圧着し、前記接着部を形成する操作を繰り返す、ステータ用接着積層コアの製造方法。
[請求項10]
 請求項3に記載のステータ用接着積層コアの製造方法であって、
 常温下で、前記電磁鋼板の表面の一部に前記アクリル系接着剤を塗布した後に別の電磁鋼板の上に重ねて圧着し、前記接着部を形成する操作を繰り返す、ステータ用接着積層コアの製造方法。
[請求項11]
 請求項1~8のいずれか一項に記載のステータ用接着積層コアを備える回転電機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]