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1. WO2020129922 - 直流モータ

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明 細 書

発明の名称 直流モータ 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008   0009   0010   0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

明 細 書

発明の名称 : 直流モータ

関連出願の相互参照

[0001]
 本出願は、2018年12月17日に出願された日本出願番号2018-235280号、2018年12月17日に出願された日本出願番号2018-235281号、及び2018年12月17日に出願された日本出願番号2018-235282号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は、直流モータに関するものである。

背景技術

[0003]
 従来、直流モータとしては、4極10スロット等、2P極(但しPは2以上の整数)でスロット及び整流子セグメントの数が2Pで割り切れない直流モータがあり、一対の給電用ブラシのいずれか一方が2つの整流子セグメントに当接された状態で他方が1つの整流子セグメントにのみ当接された状態となるものがある(例えば、特許文献1参照)。このような直流モータでは、一対の給電用ブラシが共に2つの整流子セグメントに同時に当接するものに比べて、給電用ブラシの整流子セグメントへの接触状態の切り替わりで生じる電流の波形の振幅が小さくなることなどから、振動及び騒音を低減することができる。
[0004]
 また、従来、直流モータとしては、新規に測定した電流の波形の周期と過去に測定した電流の波形の周期とに基づいて平均の周期を演算し、その平均の周期に基づいてモータを制御するものがある(例えば、特許文献2参照)。このような直流モータでは、電流の波形の山が抜けたり電流の波形の山が割れたりしてしまうことに基づく周期の誤検出を抑えることができる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2007-116813号公報
特許文献2 : 特開2011-109880号公報

発明の概要

[0006]
 ところで、直流モータは、コストの低減を図るべく、電流の波形から回転速度を検出し、回転速度検出用のホール素子等を省略したものがある。しかしながら、上記のような直流モータでは、電流の波形の振幅が小さくなるため、給電用ブラシの暴れ等による波形の乱れの影響が大きくなり、電流の波形から回転速度を検出する場合に誤判定してしまう虞があった。すなわち、上記のような直流モータでは、給電用ブラシの暴れ等によって、通常時に発生する電流の波形の山が小さな二つの山に別れることなどにより、通常時に1つカウントするところを2つカウントしたり1つもカウントしなかったりする状態が発生し易かった。
[0007]
 また、特許文献2のような直流モータでは、電流の波形の抜けや割れが断続的に発生した場合には正常に機能するものの、電流の波形の抜けや割れが連続的に発生した場合には誤った判定にてモータを制御してしまう虞があった。
[0008]
 本開示の第1の目的は、高精度な回転速度の検出を可能とした直流モータを提供することにある。
 本開示の第2の目的は、電流の波形の異常を高精度に検出することができる直流モータを提供することにある。
[0009]
 上記第1の目的を達成するため、本開示の第1の態様に係る直流モータは、一対の給電用ブラシと、2つの整流子セグメントとを備える。前記直流モータは、前記一対の給電用ブラシのいずれか一方が前記2つの整流子セグメントに当接された状態で他方が前記2つの整流子セグメントのうちの1つにのみ当接された状態となるように構成されている。前記直流モータは、複数のティースを有する電機子コアと、前記複数のティースにそれぞれ巻回される複数の巻線と、フィルタ部と、算出部とをさらに備える。前記複数の巻線は、前記複数の巻線の内予め定めた巻線の巻き数が該予め定めた巻線以外の巻線の巻き数と異なるように設定されている。前記フィルタ部は、前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形を通過させ、前記給電用ブラシの整流子セグメントへの接触状態の切り替わりで生じる電流の波形を遮断するように構成されている。前記算出部は、前記フィルタ部を通過した波形から回転速度を算出するように構成されている。
[0010]
 上記第2の目的を達成するため、本開示の第2の態様に係る直流モータは、複数のティースを有する電機子コアと、前記複数のティースにそれぞれ巻回される複数の巻線と、第1フィルタ部と、一対の給電用ブラシと、2つの整流子セグメントと、第2フィルタ部と、検出部と、を備える。前記複数の巻線は、前記複数の巻線の内予め定めた巻線の巻き数が該予め定めた巻線以外の巻線の巻き数と異なるように設定されている。前記第1フィルタ部は、前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形を通過させるように構成されている。前記第2フィルタ部は、前記一対の給電用ブラシの前記2つの整流子セグメントへの接触状態の切り替わりに基づいて生じる電流の波形を通過させるように構成されている。前記検出部は、前記第1フィルタ部を通過した波形と前記第2フィルタ部を通過した波形とに基づいて波形の異常を検出するように構成されている検出部。
[0011]
 上記第1の目的を達成するため、本開示の第3の態様に係る直流モータは、一対の給電用ブラシと、2つの整流子セグメントと、を備える。前記直流モータは、前記一対の給電用ブラシのいずれか一方が前記2つの整流子セグメントに当接された状態で他方が前記2つの整流子セグメントのうちの1つにのみ当接された状態となるように構成されている。前記直流モータは、複数のティースを有する電機子コアと、前記複数のティースにそれぞれ巻回される複数の巻線と、検出部とをさらに備える。前記複数の巻線は、前記複数の巻線の内予め定めた巻線の巻き数は該予め定めた巻線以外の巻線の巻き数と異なるように設定されている。前記検出部は、前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形に基づいて回転速度を検出する。

図面の簡単な説明

[0012]
 本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参酌しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
[図1] 第1~第3実施形態における直流モータのモータ本体の一部断面図。
[図2] 第1実施形態における直流モータの電気回路図。
[図3] 第1実施形態における検出部のブロック図。
[図4] 第1実施形態における直流モータの誘起電圧-角度特性図。
[図5] 第1実施形態における直流モータの電流-時間特性図。
[図6] 第1実施形態における直流モータの電流-時間特性図。
[図7] 第1実施形態の別例における直流モータの誘起電圧-角度特性図。
[図8] 第2実施形態における直流モータの電気回路図。
[図9] 第2実施形態における直流モータの誘起電圧-角度特性図。
[図10] 第2実施形態における直流モータの電流-時間特性図。
[図11] 第2実施形態における直流モータの電流-時間特性図。
[図12] 第2実施形態における直流モータの電流-時間特性図。
[図13] 第2実施形態における直流モータの電流-時間特性図。
[図14] 第2実施形態における直流モータの電流-時間特性図。
[図15] 第3実施形態における直流モータの電気回路図。
[図16] 第3実施形態における直流モータの誘起電圧-角度特性図。
[図17] 第3実施形態における直流モータの電流-時間特性図。
[図18] 第3実施形態における直流モータの振幅-周波数特性図。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、直流モータの第1実施形態を図1~図6に従って説明する。
 図1に示すように、直流モータのモータ本体1は、略円筒状のヨーク2と該ヨーク2の内周面に固着されて配置された4つの永久磁石3とを有するステータ4と、そのステータ4の内側で回転可能に支持されたロータ5と、ステータ4に対して支持された一対の給電用ブラシ6,7とを備える。
[0014]
 ロータ5は、回転軸8と、その回転軸8に固定され整流子セグメント9が周方向に並設された整流子10と、同じく回転軸8に対して固定され放射状に延びるティース11を有する電機子コア12と、前記ティース11に巻回された巻線13a~13eとを備える。
[0015]
 整流子セグメント9及びティース11は、それぞれ周方向に10個設けられている。すなわち、第1実施形態の直流モータは4極10スロットである。巻線13a~13eは、その両端が周方向に隣り合う整流子セグメント9に接続され、2つのティース11に渡って分布巻にて巻回されている。また、180度離間した整流子セグメント9同士は、図示しない短絡線によって接続されている。尚、図1では、巻線13a~13eを模式的に図示している。
[0016]
 一対の給電用ブラシ6,7は、90°間隔で設けられている。給電用ブラシ6,7は、ステータ4に対して保持された図示しないブラシホルダに保持され、図示しないバネ等の付勢手段により径方向内側端部となる先端部が整流子10に押圧接触されている。そして、一対の給電用ブラシ6,7は、いずれか一方が2つの整流子セグメント9に当接された状態で、他方が1つの整流子セグメント9にのみ当接された状態となるように設定されている。言い換えると、一対の給電用ブラシ6,7は、同時に2つの整流子セグメント9に当接された状態となることがないように設定されている。
[0017]
 ここで、本実施形態の巻線13a~13eは、予め定めた巻線13aの巻き数が他の巻線13b~13eの巻き数と異なるように設定されている。詳しくは、巻線13a~13eは、180度離間した巻線13a~13e同士が同じ通電状態となる対をなし、それぞれ対をなす第1~第5の巻線13a~13eを有する。そして、本実施形態では第1の巻線13aの巻き数が第2~第5の巻線13b~13eの巻き数と異なるように設定されている。なお、本実施形態では、第1の巻線13aの巻き数が30ターンに設定され、第2~第5の巻線13b~13eの巻き数が40ターンに設定されている。
[0018]
 また、図2に示すように、直流モータはバッテリBに接続される制御回路21を備えている。制御回路21は、各種演算及び制御を行う制御部22、制御部22にて給電用ブラシ6,7への電流の供給を制御する駆動回路23、及び制御部22による電流の検出を可能とするシャント抵抗24等を備えている。
[0019]
 制御回路21は、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサ、2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは3)それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
[0020]
 そして、制御部22は、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形に基づいて回転速度を検出する検出部25を備えている。
 詳しくは、図3に示すように、検出部25は、電流を検出する電流検出部26と、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形を通過させ給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりで生じる電流の波形を遮断するためのフィルタ部27と、フィルタ部27を通過した波形から回転速度を算出する算出部28とを備えている。また、検出部25は、検出した電流値に対応した回転速度からフィルタ部27を通過させる電流の波形の周波数の範囲を決定する範囲決定部29を備えている。
[0021]
 次に、上記のように構成された直流モータにおけるモータ本体1の作用と検出部25の動作及び作用について詳述する。
 まず、駆動回路23を介して給電用ブラシ6,7に電流が供給されると、整流子セグメント9を介して巻線13a~13eに順次駆動電流が供給されつつロータ5が回転駆動する。
[0022]
 このとき、図4に示すように、各巻線13a~13eが永久磁石3を横切ることで、誘起電圧Eが発生する。このとき発生する誘起電圧Eは、第1~第5の巻線13a~13eにてそれぞれ発生される誘起電圧E1~E5の合計であって、1回転(360°)で20個の周期の小さい山を有しつつ、巻き数の少ない第1の巻線13aで小さな誘起電圧E1が発生されることに基づいて1回転(360°)で4個の周期の大きな山を有する波形となる。言い換えると、誘起電圧Eは、全ての巻線13a~13eに基づく20次の成分と、巻き数の少ない第1の巻線13aに基づく4次の成分とを含んだ波形となる。
[0023]
 そして、図5に示すように、上記した誘起電圧Eの波形に基づいて、検出部25の電流検出部26では20次の成分と4次の成分を含んだ電流Iが検出される。
 また、検出部25の範囲決定部29では、検出した電流値(例えば検出した電流Iの平均値)に対応した回転速度が予め記憶された情報から読み出され、その読み出された回転速度からフィルタ部27を通過させる電流の波形の周波数の範囲が決定される。具体的には、範囲決定部29では、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数の範囲が決定される。すなわち、範囲決定部29は検出した電流値から大凡の回転速度を特定することで、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の大凡の周波数を特定し、その周波数を中心として予め設定された分だけ離れた周波数の範囲を決定する。
[0024]
 そして、検出部25のフィルタ部27では、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形を通過させるべく前記範囲決定部29で決定された周波数の範囲の波形(すなわち、4次の成分)が通過される。また、フィルタ部27では、給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりで生じる電流の波形を遮断すべく前記範囲決定部29で決定された周波数の範囲以外の周波数の波形(すなわち、主に20次の成分)が遮断される。
[0025]
 そして、図6に示すように、検出部25の算出部28では、フィルタ部27を通過した波形Iaから回転速度が算出される。具体的には本実施形態の算出部28では、フィルタ部27を通過した波形Iaが閾値Sを上回る際に立ち上がり、同波形Iaが閾値を下回る際に立ち下がるパルスPが生成され、そのパルスPをカウントすることで回転速度が算出される。
[0026]
 次に、第1実施形態の効果を以下に記載する。
 (1)一対の給電用ブラシ6,7のいずれか一方が2つの整流子セグメント9に当接された状態で他方が1つの整流子セグメント9にのみ当接された状態となるように直流モータが構成されているため、一対の給電用ブラシが共に2つの整流子セグメントに同時に当接するものに比べて、電流Iの波形の振幅が小さくなることなどから、振動及び騒音を低減することができる。そして、電機子コア12のティース11に巻回される複数の巻線13a~13eの内、予め定めた巻線13aの巻き数が予め定めた巻線13a以外の巻線13b~13eの巻き数と異なるように設定されるため、前記巻き数が異なることに基づいて特定の周波数の電流の波形(すなわち4次の成分)が生じることになる。そして、直流モータは、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形を通過させ、給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりで生じる電流の波形を遮断するためのフィルタ部27と、フィルタ部27を通過した波形から回転速度を算出する算出部28とを備える。よって、給電用ブラシ6,7の暴れ等による波形の乱れの影響を受け難く、回転速度を高精度に検出することが可能となる。
[0027]
 (2)検出した電流値に対応した回転速度からフィルタ部27を通過させる電流の波形の周波数の範囲を決定する範囲決定部29を備えるため、そのときの回転速度に応じて、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形が良好に通過される。すなわち、範囲決定部29によって、フィルタ部27を通過させる電流の波形の周波数の範囲を、ロータ5の回転速度に応じた好適な範囲とすることができる。
[0028]
 以下、直流モータの第2実施形態を図1及び図8~図14に従って説明する。
 第2実施形態の直流モータは、図1に示す第1実施形態の直流モータと同様の構成を有している。
[0029]
 図8に示すように、第2実施形態の直流モータはバッテリBに接続される制御回路121を備えている。第2実施形態の制御回路121について、第1実施形態の制御回路21と異なる点を中心に説明する。制御回路121は、各種演算及び制御を行う制御部122、制御部122にて給電用ブラシ6,7への電流の供給を制御する駆動回路123、及び制御部122による電流の検出を可能とするシャント抵抗124等を備えている。
[0030]
 そして、制御部122は、前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形を通過させるための第1フィルタ部125と、給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりに基づいて生じる電流の波形を通過させるための第2フィルタ部126とを備える。
[0031]
 詳しくは、第1フィルタ部125は、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形を通過させ、それ以外の波形であって給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりに基づいて生じる電流の波形等を遮断するためのものである。また、第2フィルタ部126は、給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりに基づいて生じる電流の波形を通過させ、それ以外の波形であって巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形等を遮断するためのものである。
[0032]
 また、制御部122は、前記第1フィルタ部125を通過した波形と前記第2フィルタ部126を通過した波形とに基づいて波形の異常を検出する検出部127を備える。
 詳しくは、検出部127は、第2フィルタ部126を通過した波形の周期から巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の理論的な周期を理論周期として算出し、該理論周期と第1フィルタ部125を通過した波形の周期とに基づいて波形の異常を検出する。具体的には、検出部127は、前記理論周期が、第1フィルタ部125を通過した波形の周期に予め設定された1より大きい数値(例えば、本実施形態では1.1)を掛け算した値より大きい場合、電流の波形が抜けたと判定する。また、検出部127は、前記理論周期が、第1フィルタ部125を通過した波形の周期に予め設定された1未満の数値(例えば、本実施形態では0.9)を掛け算した値より小さい場合、電流の波形が割れたと判定する。
[0033]
 次に、上記のように構成された直流モータにおけるモータ本体1の作用と、第1フィルタ部125、第2フィルタ部126及び検出部127の動作及び作用について詳述する。
 まず、駆動回路123を介して給電用ブラシ6,7に電流が供給されると、整流子セグメント9を介して巻線13a~13eに順次駆動電流が供給されつつロータ5が回転駆動する。
[0034]
 このとき、図9に示すように、各巻線13a~13eが永久磁石3を横切ることで、誘起電圧Eが発生する。このとき発生する誘起電圧Eは、第1~第5の巻線13a~13eにてそれぞれ発生される誘起電圧E1~E5の合計であって、1回転(360°)で20個の周期の小さい山を有しつつ、巻き数の少ない第1の巻線13aで小さな誘起電圧E1が発生されることに基づいて1回転(360°)で4個の周期の大きな山を有する波形となる。言い換えると、誘起電圧Eは、全ての巻線13a~13eに基づく20次の成分と、巻き数の少ない第1の巻線13aに基づく4次の成分とを含んだ波形となる。
[0035]
 そして、図10に示すように、上記した誘起電圧Eの波形及び給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりに基づいて、制御部122では20次の成分と4次の成分を含んだ電流Iが検出される。
[0036]
 そして、図11に示すように、第1フィルタ部125では、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形(4次の成分)I4が通過され、それ以外の波形が遮断される。
 また、図12に示すように、第2フィルタ部126では、給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりに基づいて生じる電流の波形(20次の成分)I20が通過され、それ以外の波形が遮断される。なお、第1フィルタ部125及び第2フィルタ部126が通過させる周波数の範囲は、例えば検出した電流値(例えば検出した電流Iの平均値)に基づいた回転速度から決定される。また、このとき第1フィルタ部125を通過する波形I4の周期T4は、理論的には、第2フィルタ部126を通過する波形I20の周期T20の5倍となる。また、制御部122は、第1フィルタ部125及び第2フィルタ部126を通過した波形I4,I20が閾値よりも低くなることに基づいてパルスP4,P20を生成し、そのパルスP4,P20の間隔を前記波形I4,I20の周期T4,T20と判定する。
[0037]
 そして、検出部127では、第1フィルタ部125を通過した波形I4と第2フィルタ部126を通過した波形I20とに基づいて波形の異常が検出される。
 詳しくは、検出部127では、まず第2フィルタ部126を通過した波形I20の周期T20から巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の理論的な周期を理論周期(すなわち5×T20)として算出し、該理論周期と第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4とに基づいて波形の異常を検出する。
[0038]
 具体的には、検出部127は、前記理論周期(T20×5)が、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4に予め設定された1より大きい数値k1を掛け算した値より大きいか否かを判定し、大きい場合(すなわちT20×5>k1×T4を満たす場合)、電流の波形I20が抜けた(詳しくは波形I20の山が少ない)と判定する。なお、本実施形態では上記数値k1は1.1に設定されている。
[0039]
 また、図13は、上記T20×5>k1×T4を満たす場合を図示している。すなわち、図13に示すように、給電用ブラシ6,7の暴れ等によって電流の波形I20が抜けた(詳しくは波形I20の山が少ない)場合には、その周期T20が大きくなり、T20×5>k1×T4を満たすことになって、電流の波形I20が抜けたことが検出される。
[0040]
 また、検出部127は、前記理論周期(T20×5)が、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4に予め設定された1未満の数値k2を掛け算した値より小さいか否かを判定し、小さい場合(すなわちT20×5<k2×T4を満たす場合)、電流の波形I20が割れた(詳しくは波形I20の山が多い)と判定する。なお、本実施形態では上記数値k2は0.9に設定されている。
[0041]
 また、図14は、上記T20×5<k2×T4を満たす場合を図示している。すなわち、図14に示すように、給電用ブラシ6,7の暴れ等によって電流の波形I20が割れた(詳しくは波形I20の山が多い)場合には、その周期T20が小さくなり、T20×5<k2×T4を満たすことになって、電流の波形I20が割れたことが検出される。
[0042]
 次に、第2実施形態の効果を以下に記載する。
 (3)電機子コア12のティース11に巻回される巻線13a~13eの内、予め定めた巻線13aの巻き数が予め定めた巻線13a以外の巻線13b~13eの巻き数と異なっているため、前記巻き数が異なることに基づいて特定の周波数の電流の波形(すなわち4次の成分)が生じることになる。そして、直流モータは、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形I4を通過させるための第1フィルタ部125と、給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりに基づいて生じる電流の波形I20を通過させるための第2フィルタ部126とを備えるため、同時に関連しつつも異なる2つの波形I4,I20を得ることができる。そして、直流モータは、第1フィルタ部125を通過した波形I4と第2フィルタ部126を通過した波形I20とに基づいて波形の異常を検出する検出部127を備えるため、随時、電流の波形の異常を検出することができる。すなわち、過去の電流の波形に関わらず、そのときそのときで電流の波形の異常を検出することができ、例えば電流の波形の抜けや割れが連続的に発生した場合であっても、異常を高精度に検出することができる。
[0043]
 (4)検出部127は、第2フィルタ部126を通過した波形I20の周期T20から巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の理論的な周期を理論周期として算出し、該理論周期と第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4とに基づいて波形の異常を検出するため、具体的に異常を高精度に検出することができる。
[0044]
 (5)検出部127は、前記理論周期(すなわちT20×5)が、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4に予め設定された1より大きい数値k1(本実施形態では1.1)を掛け算した値より大きい場合(すなわちT20×5>k1×T4の場合)、電流の波形I20が抜けたと判定する。よって、電流の波形I20の抜け、すなわち波形I20の山が少ないことを検出することができる。
[0045]
 (6)検出部127は、前記理論周期(すなわちT20×5)が、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4に予め設定された1未満の数値k2(本実施形態では0.9)を掛け算した値より小さい場合(すなわちT20×5<k2×T4の場合)、電流の波形I20が割れたと判定する。よって、電流の波形I20の割れ、すなわち割れて波形I20の山が多いことを検出することができる。
[0046]
 (7)一対の給電用ブラシ6,7のいずれか一方が2つの整流子セグメント9に当接された状態で他方が2つの整流子セグメント9のうちの1つにのみ当接された状態となるため、一対の給電用ブラシが共に2つの整流子セグメントに同時に当接するものに比べて、電流Iの波形の振幅が小さくなることなどから、振動及び騒音を低減することができる。そして、電流Iの波形の振幅が小さくなることで電流の波形の異常を検出することが困難となるが、上記した理由で、その異常を高精度に検出することができる。
[0047]
 以下、直流モータの第3実施形態を図1及び図15~図18に従って説明する。
 第3実施形態の直流モータは、図1に示す第1実施形態の直流モータと同様の構成を有している。
[0048]
 図15に示すように、第3実施形態の直流モータはバッテリBに接続される制御回路221を備えている。第3実施形態の制御回路221について、第1実施形態の制御回路21と異なる点を中心に説明する。制御回路221は、各種演算及び制御を行う制御部222、制御部222にて給電用ブラシ6,7への電流の供給を制御する駆動回路223、及び制御部222による電流の検出を可能とするシャント抵抗224等を備えている。
[0049]
 そして、制御部222は、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形に基づいて回転速度を検出する検出部225を備えている。詳しくは、本実施形態の検出部225は、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数を、高速フーリエ変換を用いて特定して、その周波数から回転速度を算出する。また、検出部225は、検出した電流値に対応した回転速度から巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数の範囲を決定し、電流の波形を高速フーリエ変換した結果における前記周波数の範囲内で最も振幅の大きな周波数を、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数とする。
[0050]
 次に、上記のように構成された直流モータにおけるモータ本体1の作用と検出部225の動作及び作用について詳述する。
 まず、駆動回路223を介して給電用ブラシ6,7に電流が供給されると、整流子セグメント9を介して巻線13a~13eに順次駆動電流が供給されつつロータ5が回転駆動する。
[0051]
 このとき、図16に示すように、各巻線13a~13eが永久磁石3を横切ることで、誘起電圧Eが発生する。このとき発生する誘起電圧Eは、第1~第5の巻線13a~13eにてそれぞれ発生される誘起電圧E1~E5の合計であって、1回転(360°)で20個の周期の小さい山を有しつつ、巻き数の少ない第1の巻線13aで小さな誘起電圧E1が発生されることに基づいて1回転(360°)で4個の周期の大きな山を有する波形となる。言い換えると、誘起電圧Eは、全ての巻線13a~13eに基づく20次の成分と、巻き数の少ない第1の巻線13aに基づく4次の成分とを含んだ波形となる。
[0052]
 そして、図17に示すように、上記した誘起電圧Eの波形に基づいて、検出部225では20次の成分と4次の成分を含んだ電流Iが検出される。
 また、検出部225では、検出した電流値(例えば検出した電流Iの平均値)に対応した回転速度が予め記憶された情報から読み出され、その読み出された回転速度から巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数の範囲X(図18参照)が決定される。すなわち、検出部225は検出した電流値から大凡の回転速度を特定することで、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の大凡の周波数を特定し、その周波数を中心として予め設定された分だけ離れた周波数の範囲Xを決定する。
[0053]
 そして、図18に示すように、検出部225では、電流Iについての高速フーリエ変換が行われ、その結果Zにおいて前記周波数の範囲X内で最も振幅の大きな周波数f1が、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数と判定される。そして、検出部225では、その周波数f1から回転速度(回転速度K[rpm]=f1/4×60)が算出される。
[0054]
 次に、第3実施形態の効果を以下に記載する。
 (8)一対の給電用ブラシ6,7のいずれか一方が2つの整流子セグメント9に当接された状態で他方が1つの整流子セグメント9にのみ当接された状態となるように直流モータが構成されているため、一対の給電用ブラシが共に2つの整流子セグメントに同時に当接するものに比べて、電流Iの波形の振幅が小さくなることなどから、振動及び騒音を低減することができる。そして、電機子コア12のティース11に巻回される複数の巻線13a~13eの内、予め定めた巻線13aの巻き数が予め定めた巻線13a以外の巻線13b~13eの巻き数と異なるように設定されるため、前記巻き数が異なることに基づいて特定の周波数の電流の波形(すなわち4次の成分)が生じることになる。そして、直流モータは、前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形(すなわち4次の成分)に基づいて回転速度を検出する検出部225を備えるため、給電用ブラシ6,7の暴れ等による波形の乱れの影響を受け難く、回転速度を高精度に検出することが可能となる。
[0055]
 (9)検出部225は、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数を高速フーリエ変換を用いて特定して、その周波数から回転速度を算出するため、容易且つ高速で回転速度を得ることができる。
[0056]
 (10)検出部225は、検出した電流値に対応した回転速度から巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数の範囲Xを決定する。そして、検出部225は、電流の波形を高速フーリエ変換した結果Zにおける前記周波数の範囲X内で最も振幅の大きな周波数f1を、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数とするため、容易且つ高速で回転速度を得ることができる。
[0057]
 第1~第3実施形態は、以下のように変更して実施することができる。第1~第3実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
[0058]
 ・第1実施形態では、検出した電流値に対応した回転速度からフィルタ部27を通過させる電流の波形の周波数の範囲を決定する範囲決定部29を備えるとしたが、これに限定されず、フィルタ部27を通過させる電流の波形の周波数の範囲を他の処理で決定してもよい。
[0059]
 ・第1実施形態では、検出部25の算出部28は、フィルタ部27を通過した波形Iaが閾値Sを上回る際に立ち上がり、同波形Iaが閾値を下回る際に立ち下がるパルスPを生成し、そのパルスPをカウントすることで回転速度を算出するとしたが、フィルタ部27を通過した波形Iaの極値をカウントする等、他の処理で回転速度を算出してもよい。
[0060]
 ・第2実施形態の検出部127は、第1フィルタ部125を通過した波形I4と第2フィルタ部126を通過した波形I20とに基づいて波形の異常を検出すれば、第2実施形態とは異なる処理にて波形の異常を検出してもよい。例えば、第2実施形態では、検出部127は、第2フィルタ部126を通過した波形I20の周期T20から巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の理論的な周期を理論周期(すなわちT20×5)として算出し、該理論周期と第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4とに基づいて波形の異常を検出するとしたが、逆に処理してもよい。すなわち、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4から給電用ブラシ6,7の整流子セグメント9への接触状態の切り替わりに基づいて生じる電流の波形の理論的な周期を理論周期(すなわちT4/5)として算出し、該理論周期と第2フィルタ部126を通過した波形I20の周期T20とに基づいて波形の異常を検出してもよい。
[0061]
 ・第2実施形態では、検出部127は、前記理論周期が、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4に予め設定された1より大きい数値k1を掛け算した値より大きいか否かを判定するとしたが、前記理論周期が、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4に予め設定された正の数値を足し算した値より大きいか否かを判定してもよい。
[0062]
 ・第2実施形態では、検出部127は、前記理論周期が、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4に予め設定された1未満の数値k2を掛け算した値より小さいか否かを判定するとしたが、前記理論周期が、第1フィルタ部125を通過した波形I4の周期T4に予め設定された正の数値を引き算した値より小さいか否かを判定してもよい。
[0063]
 ・第2実施形態では、1より大きい数値k1を1.1とし、1未満の数値k2を0.9としたが、これら数値は、例えば数値k1を1.2としたり、数値k2を0.8とする等、他の数値に変更してもよい。
[0064]
 ・第3実施形態では、検出部225は、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数を高速フーリエ変換を用いて特定し、その周波数から回転速度を算出するとしたが、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形(すなわち4次の成分)に基づいて回転速度を検出すれば、他の処理で回転速度を検出してもよい。
[0065]
 ・第3実施形態において、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数の範囲Xの決定方法は種々の方法を採用してもよい。
 例えば、具体的には、検出部225は、検出した電流値に対応した回転速度を予め記憶した情報から読み出し、その読み出した回転速度から巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数を算出し、その算出した周波数の前後10%を上記した周波数の範囲Xとしてもよい。なお、もちろん、上記した前後10%は、20%や30%とする等、予め設定された他の割合に変更してもよい。
[0066]
 また、第3実施形態では、検出部225は、電流の波形を高速フーリエ変換した結果Zにおける前記周波数の範囲X内で最も振幅の大きな周波数f1を、巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数とし、その周波数f1から回転速度(回転速度K[rpm]=f1/4×60)を算出するとしたが、異なる方法で回転速度を算出してもよい。
[0067]
 例えば、検出部225は、電流の波形を高速フーリエ変換した結果Zにおける前記周波数の範囲Xを通過させるフィルタ部を有し、該フィルタ部を通過したデータを逆高速フーリエ変換し、その結果の波形をパルス化することなどの方法により巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数を算出し、その周波数から回転速度を算出してもよい。
[0068]
 ・第1~第3実施形態では、4極10スロットの直流モータに本開示を具体化したが、例えば、4極14スロット等、2P極(但しPは2以上の整数)でティース(言い換えるとスロット)及び整流子セグメントの数が2Pで割り切れない他の直流モータに本開示を具体化してもよい。
[0069]
 ・第1~第3実施形態では、第1の巻線13aの巻き数が他の第2~第5の巻線13b~13eの巻き数と異なるように設定されるとしたが、2つ以上の予め定めた巻線の巻き数が他の巻線の巻き数と異なるように設定してもよい。また、第1の巻線13aの巻き数が30ターンに設定され、第2~第5の巻線13b~13eの巻き数が40ターンに設定されるとしたが、例えば、第1の巻線13aの巻き数を50ターンに設定し、第2~第5の巻線13b~13eの巻き数を60ターンに設定する等、巻き数を変更してもよい。また、第1の巻線13aの巻き数が他の第2~第5の巻線13b~13eの巻き数よりも多くなるように設定してもよい。例えば、第1の巻線13aの巻き数を40ターンに設定し、第2~第5の巻線13b~13eの巻き数を30ターンに設定してもよい。このようにすると、図7に示すように、各巻線13a~13eが永久磁石3を横切ることで、誘起電圧Eが発生する。このとき発生する誘起電圧Eは、第1~第5の巻線13a~13eにてそれぞれ発生される誘起電圧E1~E5の合計であって、1回転(360°)で20個の周期の小さい山を有しつつ、巻き数の多い第1の巻線13aで大きな誘起電圧E1が発生されることに基づいて1回転(360°)で4個の周期の大きな山を有する波形となる。言い換えると、誘起電圧Eは、全ての巻線13a~13eに基づく20次の成分と、巻き数の多い第1の巻線13aに基づく4次の成分とを含んだ波形となる。このようにしても、第1~第3実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
[0070]
 ・第1~第3実施形態では、第1の巻線13aの巻き数が他の第2~第5の巻線13b~13eの巻き数と異なるように設定されるとした。すなわち、径方向で最も内側に位置する巻線の巻き数がそれ以外の巻線の巻き数と異なるように設定されている。これに代えて、径方向で最も外側に位置する巻線の巻き数がそれ以外の巻線の巻き数と異なるように設定してもよい。一例では、第5の巻線13eの巻き数が他の第1~第4の巻線13a~13dの巻き数と異なるように設定される。このような構成における巻き数の一例では、第5の巻線13eの巻き数が40ターンに設定され、第1~第4の巻線13a~13dの巻き数が30ターンに設定される。このような構成においても、例えば、第5の巻線13eの巻き数を60ターンに設定し、第1~第4の巻線13a~13dの巻き数を50ターンに設定する等、巻き数を変更してもよい。また、第5の巻線13eの巻き数が他の第1~第4の巻線13a~13dの巻き数よりも少なくなるように設定してもよい。例えば、第5の巻線13eの巻き数を30ターンに設定し、第1~第4の巻線13a~13dの巻き数を40ターンに設定してもよい。このようにしても、第1~第3実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
[0071]
 ・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

請求の範囲

[請求項1]
 直流モータであって、
 一対の給電用ブラシ(6,7)と、
 2つの整流子セグメント(9)と、を備え、
 前記直流モータは、前記一対の給電用ブラシ(6,7)のいずれか一方が前記2つの整流子セグメント(9)に当接された状態で他方が前記2つの整流子セグメントのうちの1つにのみ当接された状態となるように構成されており、
 前記直流モータは、
 複数のティース(11)を有する電機子コア(12)と、
 前記複数のティース(11)にそれぞれ巻回される複数の巻線(13a~13e)であって、前記複数の巻線(13a~13e)の内予め定めた巻線(13a)の巻き数が該予め定めた巻線(13a)以外の巻線(13b~13e)の巻き数と異なるように設定されている、前記複数の巻線(13a~13e)と、
 前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形を通過させ、前記給電用ブラシの整流子セグメントへの接触状態の切り替わりで生じる電流の波形を遮断するように構成されたフィルタ部(27)と、
 前記フィルタ部を通過した波形から回転速度を算出するように構成された算出部(28)と、
をさらに備える直流モータ。
[請求項2]
 検出した電流値に対応した回転速度から前記フィルタ部を通過させる電流の波形の周波数の範囲を決定するように構成された範囲決定部(29)をさらに備えた請求項1に記載の直流モータ。
[請求項3]
 複数のティース(11)を有する電機子コア(12)と、
 前記複数のティース(11)にそれぞれ巻回される複数の巻線(13a~13e)であって、前記複数の巻線(13a~13e)の内予め定めた巻線(13a)の巻き数が該予め定めた巻線(13a)以外の巻線(13b~13e)の巻き数と異なるように設定されている、前記複数の巻線(13a~13e)と、
 前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形(I4)を通過させるように構成されている第1フィルタ部(125)と、
 一対の給電用ブラシ(6,7)と、
 2つの整流子セグメント(9)と、
 前記一対の給電用ブラシ(6,7)の前記2つの整流子セグメント(9)への接触状態の切り替わりに基づいて生じる電流の波形(I20)を通過させるように構成されている第2フィルタ部(126)と、
 前記第1フィルタ部を通過した波形と前記第2フィルタ部を通過した波形とに基づいて波形の異常を検出するように構成されている検出部(127)と
を備えた直流モータ。
[請求項4]
 前記検出部は、
 前記第2フィルタ部を通過した波形の周期(T20)から前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の理論的な周期を理論周期として算出するように構成され、且つ
 該理論周期と前記第1フィルタ部を通過した波形の周期(T4)とに基づいて波形の異常を検出するように構成されている請求項3に記載の直流モータ。
[請求項5]
 前記検出部は、前記理論周期が、前記第1フィルタ部を通過した波形の周期に予め設定された1より大きい数値(k1)を掛け算した値より大きい場合、電流の波形が抜けたと判定するように構成されている請求項4に記載の直流モータ。
[請求項6]
 前記検出部は、前記理論周期が、前記第1フィルタ部を通過した波形の周期に予め設定された1未満の数値(k2)を掛け算した値より小さい場合、電流の波形が割れたと判定するように構成されている請求項4又は5に記載の直流モータ。
[請求項7]
 前記直流モータは、前記一対の前記給電用ブラシのいずれか一方が前記2つの整流子セグメントに当接された状態で他方が前記2つの整流子セグメントのうちの1つにのみ当接された状態となるように構成された請求項3~6のいずれか1項に記載の直流モータ。
[請求項8]
 直流モータであって、
 一対の給電用ブラシ(6,7)と、
 2つの整流子セグメント(9)と、を備え、
 前記直流モータは、前記一対の給電用ブラシ(6,7)のいずれか一方が前記2つの整流子セグメント(9)に当接された状態で他方が前記2つの整流子セグメントのうちの1つにのみ当接された状態となるように構成されており、
 前記直流モータは、
 複数のティース(11)を有する電機子コア(12)と、
 前記複数のティース(11)にそれぞれ巻回される複数の巻線(13a~13e)であって、前記複数の巻線(13a~13e)の内予め定めた巻線(13a)の巻き数は該予め定めた巻線(13a)以外の巻線(13b~13e)の巻き数と異なるように設定されている、前記複数の巻線(13a~13e)と、
 前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形に基づいて回転速度を検出する検出部(225)と、
をさらに備える直流モータ。
[請求項9]
 前記検出部は、
 前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数を高速フーリエ変換を用いて特定するように構成され、且つ
 その周波数(f1)から回転速度を算出するように構成されている請求項8に記載の直流モータ。
[請求項10]
 前記検出部は、
 検出した電流値に対応した回転速度から前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数の範囲(X)を決定するように構成され、且つ
 電流の波形を高速フーリエ変換した結果(Z)における前記周波数の範囲内で最も振幅の大きな周波数(f1)を、前記巻き数が異なることに基づいて生じる電流の波形の周波数とする請求項9に記載の直流モータ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]