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1. WO2020129911 - 統括ECU、制御方法、制御システム及びプログラム

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明 細 書

発明の名称 統括ECU、制御方法、制御システム及びプログラム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

0004   0005   0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127  

符号の説明

0128  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 統括ECU、制御方法、制御システム及びプログラム

技術分野

[0001]
 本発明は、統括ECU、制御方法、制御システム及びプログラムに関する。
 本出願は、2018年12月18日出願の日本出願第2018-236601号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。

背景技術

[0002]
 従来、車両には、車両における各車載装置の動作を制御する複数のECU(Electronic Control Unit)が搭載されている。また、車両においては、各ECUを、例えば、運転系、ボディ系及びインフォメーション系等の系統に分けて各系統を統括する統括ECUにより制御する制御システムが搭載される場合がある(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2015-067187号公報

発明の概要

[0004]
 本開示の一態様に係る統括ECUは、車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUを統括する統括ECUであって、前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定する判定部と、該判定部が前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う要求部とを備える。
[0005]
 本開示の一態様に係る制御方法は、車載装置を制御する複数のECUと、該複数のECUを、所定の系統に分けて統括する複数の統括ECUとを備える車両における前記車載装置の制御方法であって、各統括ECUは、前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定し、所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う。
[0006]
 本開示の一態様に係る制御システムは、車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUと、該複数のECUを、所定の系統に分けて統括する複数の統括ECUとを備え、各統括ECUは、前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定する判定部と、該判定部が前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う要求部とを有する。
[0007]
 本開示の一態様に係るプログラムは、車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUを統括する統括ECUに、前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定し、前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う処理を実行させる。
[0008]
 本開示の一態様に係る統括ECUは、車両に搭載される複数の車載装置夫々に接続される個別ECU夫々と、通信可能に接続される統括ECUであって、前記個別ECUから取得したデータに基づき、前記車載装置の制御データを生成及び出力する制御部を備え、前記制御部は、前記制御データの生成を行うための処理負荷に関する情報を含む処理負荷情報を、他の統括ECUと共有し、前記処理負荷情報に応じて、自統括ECUに直接、接続された個別ECUから取得したデータに基づき制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施の形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
[図2] 統括ECUの構成を示すブロック図である。
[図3] 優先順位テーブルのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
[図4] 統括ECUが行う要求処理の手順を示すフローチャートである。
[図5] 統括ECUが行う要求処理の手順を示すフローチャートである。
[図6] 統括ECUが行う確認処理の手順を示すフローチャートである。
[図7] 画像データの分割態様の説明図である。
[図8] 実施形態2に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
[図9] 処理負荷情報をテーブル形式(処理負荷テーブル)にて例示した説明図である。
[図10] 統括ECU管理情報をテーブル形式(統括ECUマスタテーブル)にて例示した説明図である。
[図11] 統括ECUの制御部の処理を例示するフローチャートである。
[0010]
[本開示が解決しようとする課題]
 上記の制御システムにおいては、各系統の統括ECUに要求される処理量が不均一であるため、各統括ECUについて異なる設計をする必要があり、設計が煩雑になるという問題がある。
[0011]
 本開示の目的は、設計を容易に行うことができる統括ECU、制御方法、制御システム及びプログラムを提供することにある。
[0012]
[本開示の効果]
 上記によれば、設計を容易に行うことができる。
[0013]
[本開示の実施形態の説明]
 最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[0014]
 (1)本開示の一態様に係る統括ECUは、車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUを統括する統括ECUであって、前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定する判定部と、該判定部が前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う要求部とを備える。
[0015]
 車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過する場合、処理量が少ない他の統括ECUに処理を要求することにより、処理量を自身の処理能力の範囲内とすることができる。したがって、車両にECUを系統毎に統括する複数の統括ECUを搭載する場合に、各統括ECUの処理能力を同一に設計し、全ての統括ECUの処理能力の範囲で全体の処理を完了することができる。したがって、ECUを統括する統括ECUの設計を容易に行うことができる。
[0016]
 (2)本開示の一態様に係る統括ECUは、他の統括ECUから前記要求が行われた場合に、前記要求を受け付けるか否かを決定する決定部を有する。
[0017]
 本態様にあっては、処理を要求された統括ECUにおいて、要求を受け付けない決定をすることができるので、自身の処理能力の範囲を超える処理を有する状態になることを防止することができる。
[0018]
 (3)本開示の一態様に係る統括ECUは、前記決定部は、前記処理について定められた優先順位を用いて、前記処理の要求を受け付けるか否かを決定する。
[0019]
 本態様にあっては、優先順位の高い処理を優先して実行することができる。
[0020]
 (4)本開示の一態様に係る統括ECUは、前記決定部が実行中の処理よりも優先順位が高い処理を受け付けると決定した場合、前記実行中の処理を中断する。
[0021]
 本態様にあっては、優先順位の高い処理を優先して実行することができる。
[0022]
 (5)本開示の一態様に係る統括ECUは、前記要求部は、一の処理の内、分割した一部の処理を要求する。
[0023]
 本態様にあっては、一部の処理の実行を要求することにより、他の統括ECUと処理を分担でき、処理量の多い処理について良好に完了することができる。
[0024]
 (6)本開示の一態様に係る統括ECUは、前記処理は画像データの解析である。
[0025]
 本態様にあっては、車両に搭載されたカメラの画像データの解析を、処理量が多い場合であっても、良好に完了することができる。
[0026]
 (7)本開示の一態様に係る制御方法は、車載装置を制御する複数のECUと、該複数のECUを、所定の系統に分けて統括する複数の統括ECUとを備える車両における前記車載装置の制御方法であって、各統括ECUは、前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定し、所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う。
[0027]
 本態様にあっては、各系統のECUを統括する統括ECUの処理量が不均一である場合、処理量が多い統括ECUが、処理量が少ない統括ECUに処理を要求することにより、各統括ECUの処理量を自身の処理能力の範囲内とすることができる。したがって、各統括ECUの処理能力を同一に設計し、全ての統括ECUの処理能力の範囲で全体の処理を完了することができる。したがって、ECUを統括する統括ECUの設計を容易に行うことができる。
[0028]
 (8)本開示の一態様に係る制御システムは、車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUと、該複数のECUを、所定の系統に分けて統括する複数の統括ECUとを備え、各統括ECUは、前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定する判定部と、該判定部が前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う要求部とを有する。
[0029]
 本態様にあっては、各統括ECUにおいて車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過する場合、処理量が少ない統括ECUに処理を要求することにより、各統括ECUの処理量を自身の処理能力の範囲内とすることができる。したがって、各統括ECUの処理能力を同一に設計し、全ての統括ECUの処理能力の範囲で全体の処理を完了することができる。したがって、ECUを統括する統括ECUの設計を容易に行うことができる。
[0030]
 (9)本開示の一態様に係るプログラムは、車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUを統括する統括ECUに、前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定し、前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う処理を実行させる。
[0031]
 統括ECUは、車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過する場合、処理量が少ない他の統括ECUに処理を要求することにより、処理量を自身の処理能力の範囲内とすることができる。したがって、車両にECUを系統毎に統括する統括ECUを搭載する場合に、各統括ECUの処理能力を同一に設計し、全ての統括ECUの処理能力の範囲で全体の処理を完了することができる。したがって、ECUを統括する統括ECUの設計を容易に行うことができる。
[0032]
(10)本開示の一態様に係る統括ECUは、車両に搭載される複数の車載装置夫々に接続される個別ECU夫々と、通信可能に接続される統括ECUであって、
 前記個別ECUから取得したデータに基づき、前記車載装置の制御データを生成及び出力する制御部を備え、
 前記制御部は、
 前記制御データの生成を行うための処理負荷に関する情報を含む処理負荷情報を、他の統括ECUと共有し、
 前記処理負荷情報に応じて、自統括ECUに直接、接続された個別ECUから取得したデータに基づき制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する。
[0033]
 本態様にあたっては、統括ECUは、処理負荷情報を他の統括ECUと共有しており、当該処理負荷情報には、個別ECU夫々から取得したデータに基づき、制御データの生成を行うための処理負荷に関する情報が含まれている。統括ECUは、いずれかの個別ECUから取得したデータに基づき制御データの生成を行う場合、他の統括ECUと共有している処理負荷情報に基づき、当該制御データを生成する処理を自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定するため、自身(自統括ECU)の処理負荷が高い場合であっても、当該制御データを生成する処理に遅延が発生することを抑制することができる。このように自統括ECU及び他の統括ECUにおいて共有される処理負荷情報に基づき、いずれかの統括ECUが制御データを生成する処理を担うため、これら統括ECUの基本仕様及び処理を行うためのプログラムの実装態様を共通化又は標準化することができ、当該統括ECUの設計を容易に、又は効率的に行うことができる。
[0034]
(11)本開示の一態様に係る統括ECUは、前記処理負荷情報は、前記自統括ECU及び前記他の統括ECUにおける処理負荷に関する情報を含み、
 前記制御部は、
 前記自統括ECUよりも処理負荷が低い前記他の統括ECUが存在する場合、制御データを生成する処理を、前記他の統括ECUに要求すると決定し、
 前記自統括ECUよりも処理負荷が低い前記他の統括ECUが存在しない場合、制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うと決定する。
[0035]
 本態様にあたっては、制御部は、処理負荷情報を参照し、自統括ECUよりも処理負荷が低い他の統括ECUが存在する場合、制御データを生成する処理を、他の統括ECUに要求し、自統括ECUよりも処理負荷が低い他の統括ECUが存在しない場合、制御データを生成する処理を、自統括ECUにて行う。従って、自統括ECU及び他の統括ECUにおける処理負荷を平準化させることができ、個別ECU夫々から取得したデータに基づき制御データの生成を効率的に行うことができる。
[0036]
(12)本開示の一態様に係る統括ECUは、前記処理負荷情報は、前記個別ECUから取得したデータに基づき導出される、前記制御データの生成に要する推定所要時間を含み、
 前記制御部は、
 導出した前記推定所要時間が、前記制御データの生成を行うにあたり要求される要求時間を超過しない場合、前記制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うと決定し、
 導出した前記推定所要時間が、前記制御データの生成を行うにあたり要求される要求時間を超過する場合、前記制御データを生成する処理を、前記他の統括ECUに要求すると決定する。
[0037]
 本態様にあたっては、制御部は、処理負荷情報を参照し、制御データの生成に要する推定所要時間が、制御データの生成を行うにあたり要求される要求時間を超過しない場合、制御データを生成する処理を、自統括ECUにて行い、要求時間を超過する場合、制御データを生成する処理を、他の統括ECUに要求する。従って、自統括ECUの処理負荷が高く、自統括ECUの処理によっては要求時間以内に制御データの生成ができない場合であっても、他の統括ECUに当該処理を要求することにより、当該制御データの生成における要求時間に対応することができる。
[0038]
(13)本開示の一態様に係る統括ECUは、前記処理負荷情報は、前記制御データの生成を行うための処理における優先順位に関する情報を含み、
 前記制御部は、前記制御データを生成する処理を前記自統括ECUにて行う場合、前記優先順位に関する情報に基づいて、既に実行中の処理を中断するか否かを決定する。
[0039]
 本態様にあたっては、制御部は、制御データを生成する処理を自統括ECUにて行う場合、優先順位に関する情報に基づいて、既に実行中の処理を中断するか否かを決定するため、優先順位の高い処理に効率的に対応することができる。
[0040]
(14)本開示の一態様に係る統括ECUは、前記制御部は、
 前記自統括ECUに直接、接続される個別ECUと、前記他の統括ECUに直接、接続される個別ECUとの間にて送受信されるデータの中継制御に関する処理を行い、
 前記中継制御に関する処理を、前記制御データを生成する処理よりも、優先して行う。
[0041]
 本態様にあたっては、制御部は、制御データの生成を行うための処理を行うと共に、自統括ECUに直接、接続される個別ECUと、他の統括ECUに直接、接続される個別ECUとの間にて送受信されるデータの中継制御に関する処理を行う。制御部は、例えば、制御データの生成を行うための処理と、個別ECU間のデータの中継制御に関する処理とが、所定期間内にて重複して発生した場合、制御データの生成を行うための処理よりも、個別ECU間のデータの中継制御を優先して行う。従って、自統括ECUに直接、接続される個別ECUと、他の統括ECUに直接、接続される個別ECUとの間にて送受信されるデータの中継を確実に担保しつつ、制御データの生成を行うための処理を効率的に行うことができる。
[0042]
(15)本開示の一態様に係る制御方法は、コンピュータに
 車両に搭載される複数の車載装置夫々に接続される個別ECUからデータを取得し、
 複数の統括ECUにおいて共有化されている処理負荷情報を参照し、
 取得したデータに基づき前記車載装置の制御データを生成する処理を、自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する
 処理を実行させる。
[0043]
 本態様にあたっては、コンピュータを統括ECUとして機能させることができる。
[0044]
(16)本開示の一態様に係る制御システムは、車両に搭載される複数の車載装置夫々に接続される個別ECU夫々と通信可能に接続される複数の統括ECUを含む制御システムであって、
 複数の統括ECUの内のいずれかの統括ECUは、前記個別ECUから取得したデータに基づき、前記車載装置の制御データを生成及び出力する制御部を備え、
 前記いずれかの統括ECUの制御部は、
 前記制御データの生成を行うための処理負荷に関する情報を含む処理負荷情報を、他の統括ECUと共有し、
 前記処理負荷情報に応じて、自統括ECUに直接、接続された個別ECUから取得したデータに基づき制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する。
[0045]
 本態様にあたっては、相互に負荷分散を行うことができる複数の統括ECUであって、これら複数の統括ECU統括ECUの基本仕様及び処理を行うためのプログラムの実装態様を共通化又は標準化することができ、設計を容易に又は効率的に行うことができる統括ECUによって構成される制御システムを提供することができる。
[0046]
[本開示の実施形態の詳細]
 本開示をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。本開示の実施形態に係る統括ECU等を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[0047]
(実施形態1)
 以下、本開示をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。図1は実施の形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。図1において、1は制御システムであり、制御システム1は車両に搭載される。制御システム1は第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30を備える。
[0048]
 第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30は、車両に搭載される各車載装置を制御する複数のECUに接続されており、これらを所定の系統に分けて夫々統括している。系統は、例えば、運転系、ボディ系及びインフォメーション系である。
[0049]
 図1に示すように、第1統括ECU10は、カメラECU11、ステアリングECU12及びブレーキECU13等の運転系のECUに接続されており、これらのECUの制御を統括する。また、第2統括ECU20は、ライトECU21、ドアロックECU22及びワイパーECU23等のボディ系のECUに接続されており、これらのECUの制御を統括する。更に、第3統括ECU30は、通信ECU31、ナビECU32及びディスプレイECU33等のインフォメーション系のECUに接続されており、これらのECUの制御を統括する。
[0050]
 カメラECU11は、車両に搭載されるカメラの動作等を制御し、ステアリングECU12は車両のステアリング機構を制御し、ブレーキECU13は車両のブレーキシステムを制御する。
[0051]
 ライトECU21は、車両が備えるライトの点灯等を制御し、ドアロックECU22は、車両のドアのロック機構を制御し、ワイパーECU23は、ワイパーの動作を制御する。
[0052]
 通信ECU31は、車両に設けられたアンテナを介して、他車両又は外部サーバ等との通信を制御する。ナビECU32は、車両に搭載されたナビゲーションシステムの動作を制御し、ディスプレイECU33は、車両に搭載されたヘッドマウントディスプレイの動作を制御する。
[0053]
 第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30は、同様の構成をなしており、互いに通信可能である。第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30夫々の処理能力は同一に設計され、同一内容の処理が可能であり、第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30により、車両全体において要求される処理能力及び処理速度が最大となる場合であっても対応可能に設計されている。
[0054]
 図2は、統括ECUの構成を示すブロック図である。図2においては、第1統括ECU10の構成を示しているが、第2統括ECU20及び第3統括ECU30も同様の構成をなす。第1統括ECU10は制御部14、記憶部15、第1通信部16、第2通信部17及び入出力部18を有する。制御部14は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等により構成される。記憶部15はROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)等を含んで構成され、制御プログラム15a及び優先順位テーブル15bを記憶している。制御部14は、記憶部15から制御プログラム15aを読み出すことにより、接続された各ECUの制御、並びに以下で説明する要求処理及び確認処理等を行う。
[0055]
 第1通信部16及び第2通信部17は夫々、他の統括ECU(図2においては、夫々第2統括ECU20、第3統括ECU30)と、無線又は有線により通信を行う。なお、第1通信部16及び第2通信部17は、一の通信部として構成されていてもよい。入出力部18は、各統括ECUが統括する系統のECU(図2においては、カメラECU11、ステアリングECU12及びブレーキECU13等の運転系等のECU)に接続され、接続されたECUに対して情報の入出力が行われる。
[0056]
 図3は、優先順位テーブル15bのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。優先順位テーブル15bは、車両に搭載された各ECUに係る処理の優先順位を定める。優先順位は、例えば、走行における安全性を考慮して定められ、ISO26262のASIL(Automotive Safety Integrity Level:安全性要求レベル)に基づいて定められている。優先順位テーブル15bにおいては、優先順位に対応付けて、ASILのレベル及びこれに対応するECUの種類が記憶されている。各統括ECUは、優先順位の高いECUに係る処理を優先して行う。
[0057]
 ASILのレベルは、QM、ASIL-A,ASIL-B,ASIL-C,ASIL-Dのレベルに分類されている。QMレベルは、ISO26262による機能安全を適用しなくてもよい通常の品質管理である。ASIL-AからDのレベルにおいては、ISO26262による機能安全の適用が必要となるレベルであり、ASIL-AからASIL-Dになるについて、機能安全要件が厳しくなる。本制御システム1における優先順位は、上記ASILのレベルに対応して設定されており、QMレベルの優先順位(図3中優先順位「5」)が最も低く、ASIL-AからDにおいて順に優先順位(図3中優先順位「4」~「1」)が上がり、ASIL-Dレベルの優先順位(図3中優先順位「1」)が最も高く設定されている。
[0058]
 各ASILレベルに対応したECUとして、例えば、QMレベルに相当するECUは、ナビECU32等のインフォメーション系ECUである。ASIL-Aレベルに相当するECUは、ワイパーECU23等のボディ系ECUである。ASIL-Bレベルに相当するECUは、エンジンECU(不図示)等の駆動制御等に関する運転系ECUである。ASIL-Cレベルに相当するECUは、ステアリングECU12又はブレーキECU13等に関する運転系ECUである。ASIL-Dレベルに相当するECU30は、自動運転制御に関する自動運転系ECU30である。なお、図3における自動運転系ECUは、例えば、制御システム1が搭載される車両が自動運転が行われる車両である場合におけるカメラECU11等が対応する。
[0059]
 なお、各ECUにおける車両の走行における安全性に関する優先度は、以上のように、自動運転系ECUを最も高い優先度とし、車両の旋回(曲がる)又は停止に関する制御を行うECUを次に高い優先度とし、車両の走行(走る)に関する制御を行うECUをその次に高い優先度とする。そして、これら以外に関する制御を行うECUを低い優先度としている。
[0060]
 図4及び図5は、統括ECUが行う要求処理の手順を示すフローチャートである。統括ECUは、入出力部18に接続されたECUから処理の要求があった場合等に下記の要求処理を行う。以下の説明においては、要求処理を行う統括ECUを第1統括ECU10として説明するが、他の統括ECUも同様の要求処理を行う。第1統括ECU10は、ECUから該ECUが行う処理に係る処理情報を、入出力部18を介して取得する(S1)。ECUが行う処理は、カメラECU11が制御するカメラの画像データの解析等である。
[0061]
 第1統括ECU10は、取得した処理情報に基づいて、処理に要する処理時間を算出する(S2)。このとき、処理情報に係る処理のデータ等について分割を行い、分割した夫々について、処理時間を算出してもよい。第1統括ECU10の制御部14は、算出した処理時間が、処理に要求される所定の要求時間を超過するか否か判定する(S3)。処理情報に係る処理のデータ等について分割を行った場合、それぞれについて要求時間を超過しているか否かを判定する。第1統括ECU10の制御部14は、要求時間を超過しないと判定した場合(S3:NO)、処理を実行し(S4)、要求処理を終了する。
[0062]
 第1統括ECU10は、要求時間を超過すると判定した場合(S3:YES)、第1通信部16及び第2通信部17を介して他の統括ECUの処理状況を要求する要求信号を送信する(S5)。他の統括ECUは、要求信号を受信し(S6)、処理状況を送信元である第1統括ECU10に送信する(S7)。ここで処理状況とは、自身の処理能力に対して、自身が実行する処理に係る処理量の割合、許容できる処理量等である。
[0063]
 第1統括ECU10は、他の統括ECUの処理状況を受信し(S8)、許容できる処理量が最も高い統括ECUに、要求に係る処理情報を送信する(S9)。このとき、処理情報は、上記の如く分割した処理情報に係る処理の一部であってもよい。この場合、残りの処理については要求元の第1統括ECU10自身で処理を行う。他の統括ECUは処理情報を受信し(S10)、後述の確認処理を行って(S11)、処理情報に係る処理を受け付けることが可能か否かを決定する。他の統括ECUは、処理の要求の受け付けの可否情報を第1統括ECU10に送信し(S12)、第1統括ECU10は可否情報を受信する
(S13)。このとき、他の統括ECUは、処理の受け付けが可能である場合は、下記の確認処理で算出した処理時間を可否情報に併せて送信する。
[0064]
 第1統括ECU10の制御部14は、他の統括ECUの可否情報に基づいて処理の要求の受付が可能であるか否かを判定する(S14)。第1統括ECU10は、処理が要求可能でないと判定した場合(S14:NO)、処理をステップS3に戻す。制御部14は、処理が要求可能であると判定した場合(S14:YES)、受付先の他の統括ECUが受け付けた場合の処理時間が要求時間を超過するか否かを判定する(S15)。
[0065]
 第1統括ECU10は、要求時間を超過すると判定した場合(S15:YES)、処理をステップS3に戻す。第1統括ECU10は、要求時間を超過しないと判定した場合(S15:NO)、処理の開始信号を、受付先である他の統括ECUに第1通信部16又は第2通信部17を介して送信する(S16)。他の統括ECUは、開始信号を受信し(S17)、受け付けた処理を実行し(S18)、処理結果を要求元の第1統括ECU10に送信する(S19)。第1統括ECU10は処理結果を受信し(S20)、要求処理を終了する。なお、分割した処理の一部を他の統括ECUに要求した場合は、受信した処理結果と、自身の処理結果を結合する。
[0066]
 上記の要求処理において、他の処理情報を受信した統括ECUは、下記の確認処理を行う。図6は、統括ECUが行う確認処理の手順を示すフローチャートである。統括ECUの制御部14は、優先順位テーブル15bを参照し、受信した処理情報に係る処理と、自身が現在有する処理との優先順位を確認する(S111)。その制御部14は、処理が要求された場合の全体の処理量が自身の処理能力を超過するか否か判定する(S112)。
[0067]
 制御部14は、処理能力を超過しないと判定した場合(S112:NO)、要求を受け付けることを決定し(S113)、処理時間を算出し(S114)、リターンする。統括ECUは、処理能力を超過すると判定した場合(S112:YES)、処理情報に係る処理の優先順位が、自身が有する処理の中で最低であるか否かを判定する(S115)。
[0068]
 制御部14は、優先順位が最低であると判定した場合(S115:YES)、要求の受け付けの不可決定をし(S116)、リターンする。制御部14は、優先順位が最低でないと判定した場合(S115:NO)、自身が有する処理の内優先順位が最低である処理を中断して(S117)、処理をステップS112に戻す。中断された処理は、処理能力における処理量に余裕ができた場合等に実行される。なお、優先順位を使用せずに、自身の処理能力を超過しない場合には要求の受付決定をし、処理能力を超過する場合には受付の不可決定をすることとしてもよい。
[0069]
 図7は、画像データの分割態様の説明図である。第1統括制御ECU10は、要求する処理としてカメラECU11の画像データ解析を他の統括ECUに要求する場合、画像データを分割して、分割した一部の解析処理について上記の要求処理を行ってもよい。この場合、図7に示すように、カメラが撮影した画像5について、例えば右領域50、中央領域51及び左領域52の3つの領域に分割し、右領域50については自身で解析し、中央領域51及び左領域については上記要求処理を行って第2統括ECU20又は第3統括ECU30に解析を要求して画像5全体についての解析を行う。この場合、第1統括ECU10は、第2統括ECU20又は第3統括ECU30から受信した処理結果と、自身の処理結果とを結合し、画像データの解析結果とする。
[0070]
 以上の構成により、各系統のECUを統括する第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30の車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過する場合、処理量が少ない統括ECUに処理を要求することにより、各統括ECUの処理量を自身の処理能力の範囲内とすることができる。したがって、第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30の処理能力を同一に設計し、全ての統括ECUの処理能力の範囲で車両に搭載される車載装置全体の処理を完了することができる。したがって、ECUを統括する第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30の設計を容易に行うことができ、設計のコストを低減することができる。
[0071]
 他の統括ECUの要求処理によりECUに係る処理を要求された統括ECUは、確認処理において、要求された処理の受け付けを拒否することができ、これにより自身の処理能力を超える処理を実行する状態になることを防止することができる。また、確認処理において、優先順位テーブル15bを使用して、各処理に優先順位をつけて、処理の受け付けを判断することにより、優先順位の高い処理を優先して実行することができる。
[0072]
 要求処理において、分割した一部の処理の実行を要求することにより、処理量の多い処理についても、各統括ECUで処理を分担でき、良好に処理を完了することができる。また、車両に搭載されたカメラの画像データの解析を、要求処理により各統括ECUで処理を分担でき、処理量が多い場合であっても、良好に完了することができる。
[0073]
 なお、統括ECUの数は3つに限られない。また、ECUの系統は運転系、ボディ系及びインフォメーション系に限定されない。更に、上述のECUは例示であって、他のECUを含む構成であってもよい。
[0074]
(実施形態2)
 図8は、実施形態2に係る制御システム1の構成を示すブロック図である。実施形態2に係る制御システム1は、実施形態1に係る制御システム1と同様に車両に搭載され、複数の統括ECUを備える。
[0075]
 図示のとおり、制御システム1に含まれる複数の統括ECUは、例えば、3個(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)であり、これら複数の統括ECUが、相互に通信可能に接続されることにより、ループ状の基幹系ネットワークが形成される。夫々の統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)は、車載装置101にシリアルケーブル等のワイヤーハーネスにて直接、接続される個別ECU100と、通信可能に接続されている。
[0076]
 夫々の統括ECUと、当該統括ECUの入出力部18を介して個別ECU100とを接続することにより、例えばバス状又はスター状の支線系ネットワークが形成される。これら基幹系ネットワーク及び支線系ネットワークによって、車載ネットワークが構成され、当該車載ネットワークに接続される統括ECU及び個別ECU100は、相互に通信可能に接続されている。
[0077]
 統括ECU同士の接続は、上述のとおり第1通信部16及び第2通信部17を介して、例えばイーサネット(登録商標)ケーブル等により接続される。すなわち、統括ECUの第1通信部16及び第2通信部17は、例えば、イーサネットPHY部及び、レイヤー2スイッチ又はレイヤー3スイッチの機能を有する。このように構成された統括ECUは、統括ECU同士間にて送受信されるデータ又は、自身の統括ECU(自統括ECU)に直接、接続される個別ECU100から送信されたデータを中継するイーサスイッチ又はCANゲートウェイ等の車載中継装置として機能する。
[0078]
 夫々の統括ECUは、上述のとおり入出力部18を介して、例えばCANバス又はイーサネットケーブル等によって、自身の統括ECU(自統括ECU)に直接、接続される個別ECU100と通信可能に接続される。すなわち、当該入出力部18は、例えば、イーサネットPHY部又はCANトランシーバとして機能する。
[0079]
 統括ECU夫々には、複数の個別ECU100が、直接、接続されており、上述のとおり、これら複数の個別ECU100は、例えばCANバス又はイーサネットケーブル等によって、統括ECUに接続されている。これら個別ECU100夫々は、例えば、COMSカメラ等の撮像装置、赤外線センサ又はLiDAR等の検知系の車載装置101又は、駆動モータ、蓄電装置、ステアリング装置等の操作系の車載装置101にワイヤーハーネスにて直接、接続されている。個別ECU100は、センサ等の検知系の車載装置101から出力された検知データ又は画像データを、自身(自個別ECU100)に直接、接続されているいずれかの統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20又は第3統括ECU30)に出力する。
[0080]
 統括ECUは、個別ECU100から送信された検知データ又は画像データ等のデータに基づき、制御対象となるいずれかの車載装置101を制御するための制御データを生成し、当該車載装置101に直接、接続されている個別ECU100に送信する。
[0081]
 統括ECUから送信された制御データを取得(受信)した個別ECU100は、当該制御データに基づき、自個別ECU100に直接、接続されている車載装置101を操作又は駆動するための信号を生成し、当該車載装置101に出力する。車載装置101を操作又は駆動するための信号とは、例えば、当該車載装置101に含まれるリレーをオン又はオフにする信号、当該車載装置101に含まれるモータを回転させるためのデューティ信号、パルス信等号を含む。このように構成された個別ECU100は、車載装置101を操作又は駆動するためのデバイスドライバ又はBIOS(Basic Input Output System)として機能するものであってもよい。個別ECU100は、実施形態1において説明したカメラECU11、ステアリングECU12、ブレーキECU13、ライトECU21、ドアロックECU22、ワイパーECU23、通信ECU31、ナビECU32及びディスプレイECU33を含む。
[0082]
 統括ECUは、このように構成された複数の個別ECU100からなる機能ドメインを統括するドメインコントローラとして機能するものであってもよい。すなわち、統括ECU夫々は、自統括ECUに直接、接続された複数の個別ECU100から成る機能ドメインを統括するものであり、個別ECU100夫々から送信されたデータに基づき、例えば、認知及び判断に関する処理を行い、当該処理の結果として、個別ECU100に接続される車載装置101を制御するための制御データを生成する。統括ECUは、生成した制御データを、当該制御の対象となる車載装置101に直接、接続された個別ECU100に出力(送信)することにより、当該車載装置101を実質的に制御する。
[0083]
 統括ECU(本実施形態のおいては、第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30からなる3個の統括ECU)は、個別ECU100夫々から送信されたデータに基づき制御データを生成するための共通の制御プログラム15a又は、相互に互換性を有する制御プログラム15aが実装されている。すなわち、いずれの統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20又は第3統括ECU30)においても、個別ECU100夫々から送信されたデータに基づき制御データを生成する処理を同様に行うことができる。
[0084]
 夫々の統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)の処理能力、すなわち制御部14を構成するCPU等のプロセッサの処理クロック、又は記憶部15の記憶容量等のハードウェアリソースは同一であると説明したがこれに限定されず、処理能力が異なる統括ECUが混在するものであってもよい。複数の統括ECUにおいて、処理能力が異なる場合であっても、後述する性能指数に応じて、統括ECU夫々における処理負荷を正規化することにより、統括ECU夫々における処理能力の差異を吸収して、制御データを生成する処理の割当を決定することができる。
[0085]
 詳細は後述するが、統括ECU夫々は、自統括ECUに直接、接続された個別ECU100から送信されたデータに基づき、制御データを生成する処理を行うにあたり、自統括ECU及び他の統括ECUにおける処理負荷に関する情報を含む処理負荷情報を参照し、当該制御データを生成する処理を、自統括ECUにて行うか、又は他の統括ECUに要求(依頼)するかの決定を行う。統括ECU夫々は、自身(自統括ECU)が行う制御データを生成する処理に関する情報、すなわち処理負荷情報を、他の統括ECUと共有している。従って、統括ECU夫々は、自身(自統括ECU)の処理負荷のみならず、他の統括ECUの処理負荷についても、常時確認することができるため、制御データを生成する処理を、自統括ECUにて行うか、他の統括ECUに要求(依頼)するかの決定を効率的に行うことができる。
[0086]
 図9は、処理負荷情報をテーブル形式(処理負荷テーブル)にて例示した説明図である。図10は、統括ECU管理情報をテーブル形式(統括ECUマスタテーブル)にて例示した説明図である。上述のとおり、夫々の統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)は、自統括ECU及び他の統括ECUが行う制御データを生成する処理に関する情報、すなわち処理負荷情報を共有しており、当該処理負荷情報を参照することができる。
[0087]
 処理負荷情報は、例えば、夫々の統括ECUの記憶部15に記憶されており、これら統括ECU間にて常時通信することにより、夫々の統括ECUの記憶部15に記憶されている処理負荷情報を整合させるものであってもよい。又は、処理負荷情報は、車両に搭載されるストレージ装置(図示せず)、又は無線装置を介して通信可能に接続されたクラウドサーバ等の車外サーバ等、夫々の統括ECUからアクセス可能な所定の記憶領域に記憶されているものであってもよい。処理負荷情報は、例えば、テーブル形式にて統括ECUの記憶部15に記憶されるものであってもよい。処理負荷情報は、例えば、処理夫々に関する事項をテーブル形式にて保存及び管理する処理負荷テーブル及び、夫々の統括ECUにおけるCPU使用率に相当する負荷合計値をテーブル形式にて保存及び管理する統括ECUマスタテーブルを含むものであってもよい。
[0088]
 処理負荷情報をテーブル形式にて例示した処理負荷テーブルは、管理項目(フィールド)として例えば、処理ID、優先順位、処理受付時刻、推定所要時間、状態、実行する統括ECU、開始時刻、及び負荷値を含む。これらフィールド夫々には、下記事項が格納される。
[0089]
 処理IDは、制御データを生成する処理が発生する都度、発番される番号であり、当該処理を一意に確定するための管理番号である。
[0090]
 優先順位は、制御データを生成する処理又は個別ECU100から送信されるデータに基づき、例えば上述したASILにて決定される優先順位(優先度)である。
[0091]
 処理受付時刻は、自統括ECUに直接、接続される個別ECU100から送信されたデータを取得した時刻である。
[0092]
 推定所要時間は、個別ECU100から送信されたデータに基づき、制御データを生成する処理に要すると推定される時間である。
[0093]
 状態は、制御データを生成する処理の実行に関する状態であり、例えば、実行中(RUN)又は、中断されることによる中断中(保留/PEND)を含む。
[0094]
 実行する統括ECUは、制御データを生成する処理を実行する統括ECUを示すものであり、制御システム1に含まれるいずれかの統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20又は第3統括ECU30)を示すものである。
[0095]
 開始時刻は、統括ECUが制御データを生成する処理を実行した時刻である。
[0096]
 負荷値は、制御データを生成する処理を実行するにあたり、当該処理を実行する統括ECUにて発生する負荷値を示すものである。処理負荷テーブルは、更に、処理夫々において予め決定されている要求時間のフィールドを含むものであってもよい。
[0097]
 統括ECU管理情報をテーブル形式にて例示した統括ECUマスタテーブルは、管理項目(フィールド)として例えば、統括ECU名、IPアドレス、性能指数及び負荷合計値を含む。
[0098]
 統括ECU名は、統括ECUの名称又は番号を示すものであり、統括ECUに確定するためのIDである。IPアドレスは、夫々の統括ECUに設定されているIPアドレスである。
[0099]
 性能指数は、統括ECU夫々における性能を正規化するための指数値であり、例えば、性能指数が10の統括ECUに対し、性能指数が15の統括ECUは、1.5倍の処理能力を有する。このように統括ECU夫々に対し性能指数を設定することにより、同一の処理に対する推定所要時間に対し、統括ECU夫々に適合した夫々の推定所要時間を導出することができる。
[0100]
 負荷合計値は、個々の統括ECUおいて実行されている処理の負荷値の合計値であり、例えば、制御部14を構成するCPUの使用率に相当する。図示のとおり、例えば、ECU-2において、処理IDが002及び004の2つの処理が、並行して実行されている場合、処理ID:002の負荷値:60と、処理ID:004の負荷値:10の合算値:70が、ECU-2の負荷合計値となる。
[0101]
 上述のとおり、統括ECUは、自統括ECUに直接、接続される複数の個別ECU100により構成される機能ドメインにおける処理を統括するため、複数の処理が並行して実行されることが想定される。このようにいずれかの統括ECUにて、複数の処理が並行して実行される場合であっても、個々の処理の負荷値を合算した値である負荷合計値を管理することにより、統括ECU夫々の負荷状況を効率的に取得することができる。処理負荷テーブル及び統括ECUマスタテーブルにて格納される情報を含む処理負荷情報は、制御システム1に含まれる全ての統括ECUにて共有化されているため、統括ECU夫々は、自統括ECU及び他の統括ECUの負荷状況及び、実行している処理の状況に関する情報を効率的に取得することができる。
[0102]
 夫々の統括ECUは、例えば、個別ECU100から送信されたデータを取得(受信)した場合、当該データに基づく制御データを生成する処理が発生したことを検知し、処理受付時刻を確定する。そして、統括ECUは、例えば、当該データのデータサイズ(容量)、データの種類又は送信した個別ECU100の区別に応じて、制御データを生成する処理に要する時間である推定所要時間を導出する。統括ECUは、推定所要時間を導出するにあたり、統括ECU夫々における合計負荷値を参酌して、当該推定所要時間を導出するものであってもよい。
[0103]
 統括ECUは、確定した処理受付時刻及び導出した推定所要時間と、自統括ECU及び他の統括ECUの負荷合計値に基づき、当該処理を自統括ECUで行うか、又は他の統括ECUに処理を要求(依頼)するかを決定する。処理を自統括ECUで行うか、又は他の統括ECUに処理を要求(依頼)するかを決定するにあたり、統括ECUは、例えば、処理負荷情報に含まれる統括ECU夫々の負荷(負荷合計値)を参照し、負荷合計値が最も低い統括ECUが自統括ECUであれば、自統括ECUで行うと決定してもよい。又は、統括ECUは、処理負荷情報に含まれる統括ECU夫々の負荷(負荷合計値)を参照し、負荷合計値が最も低い統括ECUが自統括ECUでない場合、負荷合計値が最も低い他の統括ECUに処理を要求(依頼)するものであってもよい。又は、統括ECUは、実施形態1と同様に当該処理を自統括ECUにて行った場合、処理に要する推定所要時間が、当該処理において予め定められている要求時間を超えると判定される場合は、当該処理を他の統括ECUに要求(依頼)するものであってもよい。又は、統括ECUは、処理負荷情報に含まれる統括ECU夫々が行っている処理(実行中の処理)の優先順位(優先度)を参照し、当該決定の対象となる処理の優先順位(優先度)よりも、低い優先順位(優先度)の処理を行っている統括ECUがあれば、当該統括ECUに、処理を要求(依頼)するものであってもよい。
[0104]
 処理を行う自統括ECU、又は処理を要求(依頼)された他の統括ECUは、当該処理を実行した場合、開始時刻が決定され、当該処理の状態が、処理待(WAIT)から実行中(RUN)に遷移される。統括ECUは、導出及び決定等した処理受付時刻、推定所要時間及び処理に関する決定、及び処理の実行に関する事項を処理負荷情報(処理負荷テーブル及び統括ECUマスタテーブルの負荷合計値のフィールド)に反映させる。これら事項が反映された処理負荷情報(処理負荷テーブル)は、全ての統括ECUによって共有化されているため、統括ECU夫々は、自統括ECUを含め、統括ECU夫々における処理負荷に関する情報を取得することができる。
[0105]
 上述のとおり、統括ECUは、他の統括ECU間にて送受信されるデータ中継、又は個別ECU100間にて送受信されるデータの中継を行う車載中継装置として機能するものであってもよい。統括ECUは、これらデータの中継の制御に関する処理(中継制御処理)を行うにあたり、当該中継制御処理を、制御データを生成する処理よりも優先して実行するものであってもよい。
[0106]
 図11は、統括ECUの制御部14の処理を例示するフローチャートである。統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)の制御部14は、例えば車両Cが起動状態(イグニッションスイッチがオン)又は停止状態(イグニッションスイッチがオフ)において、定常的に以下の処理を行う。本実施形態においては、一例として、第1統括ECU10を自統括ECUとし、第2統括ECU20を他の統括ECUとして説明する。
[0107]
 統括ECU(第1統括ECU10)の制御部14は、個別ECU100からデータを取得する(S201)。第1統括ECU10の制御部14は、入出力部18を介して自統括ECUに直接、接続されている個別ECU100から送信されたデータを取得する。
[0108]
 第1統括ECU10の制御部14は、取得したデータに基づき、車載装置101の制御データの生成に要する推定所要時間を導出する(S202)。第1統括ECU10の制御部14は、例えば、個別ECU100から取得したデータのデータサイズ(容量)、データの種類又は送信した個別ECU100の区別に応じて、制御データを生成する処理に要する時間である推定所要時間を導出する。
[0109]
 第1統括ECU10の制御部14は、処理負荷情報を参照する(S203)。処理負荷情報は、全ての統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)において共有されており、現時点における、これら統括ECU夫々にて実行されている処理による負荷(負荷値)、又は統括ECU夫々の負荷(負荷合計値)に関する情報を含んでいる。従って、第1統括ECU10の制御部14は、処理負荷情報を参照することにより、自統括ECU及び他の統括ECUにおける負荷状況を取得することができる。
[0110]
 第1統括ECU10の制御部14は、自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する(S204)。第1統括ECU10の制御部14は、推定所要時間、処理夫々において予め定められている要求時間、及び自統括ECU及び他の統括ECUにおける負荷状況に基づき、当該処理を自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する。第1統括ECU10の制御部14は、例えば、処理負荷情報に含まれる統括ECU夫々の負荷(負荷合計値)を参照し、負荷合計値が最も低い統括ECUが自統括ECUであれば、自統括ECUで行うと決定してもよい。又は、第1統括ECU10の制御部14は、実施形態1と同様に、自統括ECUでの処理に要する推定所要時間が、当該処理において予め定められている要求時間を超えると判定される場合は、当該処理を他の統括ECUに要求(依頼)するものであってもよい。又は、第1統括ECU10の制御部14は、自統括ECUより負荷合計値が高い他の統括ECUが存在する場合であっても、当該他の統括ECUが実行中の処理の優先順位(優先度)が、自統括ECUが実行中の処理の優先順位(優先度)よりも低いものであれば、当該他の統括ECUに要求すると決定してもよい。
[0111]
 自統括ECUにて行うと決定した場合(S204:YES)、第1統括ECU10の制御部14は、車載装置101の制御データを生成し、出力する処理を行う(S205)。第1統括ECU10の制御部14は、自統括ECUにて行うと決定した場合、個別ECU100から取得したデータに基づき、制御の対象となる車載装置101の制御データを生成し、当該車載装置101に直接、接続されている個別ECU100に当該制御データを出力する。車載装置101に直接、接続されている個別ECU100が、自統括ECUの入出力部18を介して、自統括ECUに直接、接続されている個別ECU100である場合、第1統括ECU10の制御部14は、自統括ECUの入出力部18から当該制御データを出力(送信)する。
[0112]
 車載装置101に直接、接続されている個別ECU100が、他の統括ECUに直接、接続されている個別ECU100である場合、第1統括ECU10の制御部14は、当該制御データを第1通信部16又は第2通信部17を介して、当該他の統括ECUに出力(送信)する。当該他の統括ECUは、第1統括ECU10から取得(受信)した制御データを入出力部18から、制御対象の車載装置101に直接、接続されている個別ECU100に出力(送信)することにより、当該制御データを中継する車載中継装置として機能する。
[0113]
 例えば、データを出力した個別ECU100が、撮像装置又はLiDAR等の検知系の車載装置101に直接、接続された個別ECU100であり、制御対象の車載装置101が駆動モータ又はステアリング装置等の操作系の車載装置101に直接、接続された個別ECU100である場合、第1統括ECU10は、検知系の車載装置101に接続された個別ECU100から取得したデータに基づき制御データを生成し、制御対象である操作系の車載装置101に接続された個別ECU100に、当該制御データを出力(送信)する。
[0114]
 自統括ECUにて行わないと決定した場合(S204:NO)、すなわち他の統括ECUに要求すると決定した場合、第1統括ECU10の制御部14は、依頼する他の統括ECUを決定する(S2040)。自統括ECUにて行わないと決定した場合、第1統括ECU10の制御部14は、全ての統括ECUにおいて共有化されている処理負荷情報を参照し、例えば、負荷合計値が低い統括ECUを、要求(依頼)する他の統括ECUとして決定するものであってもよい。又は、第1統括ECU10の制御部14は、処理負荷情報を参照し、例えば、最も優先順位(優先度)が低い処理を実行中の統括ECUを、要求(依頼)する他の統括ECUとして決定するものであってもよい。第1統括ECU10の制御部14は、要求(依頼)する他の統括ECUとして決定するにあたり、他の統括ECU夫々における性能指数及び負荷合計値に基づき、統括ECU夫々における推定所要時間を導出し、最も短い時間の推定所要時間となる統括ECUを、要求(依頼)する他の統括ECUとして決定するものであってもよい。
[0115]
 第1統括ECU10の制御部14は、他の統括ECUに制御データを生成する処理を要求する(S2041)。第1統括ECU10の制御部14は、例えば、第2統括ECUを要求(依頼)する他の統括ECUとして決定した場合、第2統括ECUに統括ECUに制御データを生成する処理を要求する。第1統括ECU10の制御部14は、一連の上記処理において、個別ECU100からデータを取得した時刻(処理受付時刻)、処理の優先順位(優先度)、導出した推定所要時間、制御データを生成する処理を行う統括ECUとして決定された統括ECU名を処理負荷情報に反映する。
[0116]
 第1統括ECU10の制御部14は、個別ECU100から取得したデータを、他の統括ECUに送信する(S2042)。第1統括ECU10の制御部14は、第1通信部16又は第2通信部17を介して、処理を要求(依頼)する他の統括ECUとして決定した第2統括ECU20に、個別ECU100から取得したデータを出力(送信)する。
[0117]
 本実施形態において、第1統括ECU10の制御部14は、処理を他の統括ECUに要求(依頼)する場合、当該処理の要求及びデータの出力の2つのステップを行っているが、これに限定されない。第1統括ECU10の制御部14は、処理を他の統括ECUに要求(依頼)する場合、個別ECU100から取得したデータを、他の統括ECUに出力(送信)することにより、当該処理の要求を行うものとしてもよい。すなわち、他の統括ECUは、第1統括ECU10から出力(送信)されたデータ(第1統括ECU10に直接、接続されている個別ECU100から送信されたデータ)を取得(受信)することにより、第1統括ECU10からの処理の要求を受け付けるものであってもよい。
[0118]
 上述のとおり、第1統括ECU10は、処理負荷情報を参照して、制御データを生成する処理を、自統括ECUにて行うか、他の統括ECUに要求(依頼)するかの決定を行うため、当該処理を行うにあたり、最も好適な統括ECUを決定又は選択することができる。すなわち、処理を要求された統括ECUは、制御システム1に含まれる複数の統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)において負荷分散を行うにあたり最適な統括ECUとなるため、車両を動作させるにあたり発生する複数の処理(制御データの生成)を、複数の統括ECUにおいて効率的に負荷分散させ、制御システム1を安定的に稼働させることができる。
[0119]
 他の統括ECU(第2統括ECU20)は、統括ECUから送信されたデータを取得する(S211)。第1統括ECU10によって決定された第2統括ECU20は、第1統括ECU10からの処理の要求を受け付けると共に、第1統括ECU10から送信されたデータを取得する。
[0120]
 第2統括ECUは、処理負荷情報を参照する(S212)。第2統括ECUは、処理負荷情報を参照し、自統括ECU(第2統括ECU)にて実行中の処理に関する情報を取得する。
[0121]
 第2統括ECUは、中断可能な実施中の処理があるか否かを判定する(S213)。第2統括ECUは、例えば、第1統括ECU10から要求された処理よりも、優先順位が低い処理を実行中の場合、当該優先順位が低い処理を中断可能な実施中の処理であると決定し、中断可能な実施中の処理があると判定する。第2統括ECUは、例えば、第1統括ECU10から要求(依頼)された処理の優先順位と同じ優先順位又は、当該優先順位よりも高い優先順位の処理を実行中の場合、中断可能な実施中の処理がないと判定する。第2統括ECUは、第1統括ECU10から処理を要求された時点において、実行中の処理がない場合、中断可能な実施中の処理がないと判定することは、言うまでもない。
[0122]
 中断可能な実施中の処理がある場合(S213:YES)、第2統括ECUは、中断可能な実施中の処理を中断する(S214)。第2統括ECUは、中断可能な実施中の処理がある場合、当該中断可能な実施中の処理を中断し、処理負荷情報に含まれる当該処理の処理IDにおける状態を、実行中(RUN)から中断中(PEND)に変更する。第2統括ECUは、中断可能な実施中の処理を中断後、第1統括ECU10から依頼(要求)された処理を後述するS215のとおり実行する。
[0123]
 中断可能な実施中の処理がない場合(S213:NO)、第2統括ECUは、車載装置101の制御データを生成し、出力する処理を行う(S215)。第2統括ECUは、第1統括ECU10による処理S205と同様に、第1統括ECU10によって中継されたデータである、個別ECU100から送信されたデータに基づき、制御の対象となる車載装置101の制御データを生成し、当該車載装置101に直接、接続されている個別ECU100に当該制御データを出力する。第2統括ECUは、制御データを生成し、出力する処理を行った後、中断中(PEND)の処理があれば、当該中断中の処理を再開し、当該処理の処理IDにおける状態を、中断中(PEND)から実行中(RUN)に変更する。
[0124]
 本実施形態に統括ECU(第1統括ECU10)は、個別ECU100から取得したデータに基づき、制御データを生成するために要する推定所要時間を導出するとしたが、これに限定されない。統括ECUは、個別ECU100からデータを取得した場合、当該推定所要時間を導出することなく、処理負荷情報を参照し、例えば、最も負荷合計値が低い統括ECUを、当該データに基づき制御データを生成する処理を行う統括ECUとして決定するものであってもよい。統括ECUは、推定所要時間を導出することなく処理負荷情報を参照し処理を実行する統括ECUを決定することにより、当該推定所要時間の導出による処理時間を短縮しつつ、制御システム1全体における負荷分散を行うことができる。
[0125]
 本実施形態によれば、制御システム1に含まれる複数の統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)は、処理負荷情報を共有しているため、個々の統括ECUが、個別ECU100から取得したデータに基づき制御データを生成する処理を、複数の統括ECUにおいて負荷分散させて行うことができる。複数の統括ECUは、個々のデータに基づき制御データを生成する処理夫々に対応するプログラムモジュール夫々を含む制御プログラム15aが実装されており、プログラムの実装態様が共通化又は標準化されているため、これら複数の統括ECUにおける機能仕様、ハードウェア構成等の設計仕様を共通化又は標準化させることができ、当該統括ECUの設計を容易に又は効率的に行うことができる。
[0126]
 本実施形態によれば、制御システム1に含まれる複数の統括ECU(第1統括ECU10、第2統括ECU20及び第3統括ECU30)は、統括ECU同士間にて送受信されるデータ又は、異なる統括ECUに直接、接続される個別ECU100同士にて送受信されるデータを中継する車載中継装置として機能する。統括ECUは、当該中継の制御に関する処理等の中継制御処理を、制御データを生成する処理よりも優先して行うため、自統括ECUに直接、接続される個別ECU100と、他の統括ECUに直接、接続される個別ECU100との間にて送受信されるデータの中継を確実に担保しつつ、制御システム1にて負荷分散することにより制御データの生成を行うための処理を効率的に行うことができる。
[0127]
 今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

符号の説明

[0128]
 1 制御システム
 10 第1統括ECU(統括ECU)
 11 カメラECU
 12 ステアリングECU
 13 ブレーキECU
 14 制御部(判定部、要求部、決定部)
 15 記憶部
 15a 制御プログラム
 15b 優先順位テーブル
 16 第1通信部
 17 第2通信部
 18 入出力部
 20 第2統括ECU(統括ECU)
 21 ライトECU
 22 ドアロックECU
 23 ワイパーECU
 30 第3統括ECU(統括ECU)
 31 通信ECU
 32 ナビECU
 33 ディスプレイECU
 50 右領域
 51 中央領域
 52 左領域
 100 個別ECU
 101 車載装置(ACT)

請求の範囲

[請求項1]
 車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUを統括する統括ECUであって、
 前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定する判定部と、
 該判定部が前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う要求部と
 を備える統括ECU。
[請求項2]
 他の統括ECUから前記要求が行われた場合に、前記要求を受け付けるか否かを決定する決定部を有する請求項1に記載の統括ECU。
[請求項3]
 前記決定部は、前記処理について定められた優先順位を用いて、前記処理の要求を受け付けるか否かを決定する請求項2に記載の統括ECU。
[請求項4]
 前記決定部が実行中の処理よりも優先順位が高い処理を受け付けると決定した場合、前記実行中の処理を中断する請求項3に記載の統括ECU。
[請求項5]
 前記要求部は、一の処理の内、分割した一部の処理を要求する請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の統括ECU。
[請求項6]
 前記処理は画像データの解析である請求項5に記載の統括ECU。
[請求項7]
 車載装置を制御する複数のECUと、該複数のECUを、所定の系統に分けて統括する複数の統括ECUとを備える車両における前記車載装置の制御方法であって、
 各統括ECUは、
 前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定し、
 所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う
 制御方法。
[請求項8]
 車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUと、
 該複数のECUを、所定の系統に分けて統括する複数の統括ECUとを備え、
 各統括ECUは、
 前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定する判定部と、
 該判定部が前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う要求部とを有する
 制御システム。
[請求項9]
 車両に搭載される車載装置を制御する複数のECUを統括する統括ECUに、
 前記車載装置に係る処理に要する時間が所定時間を超過するか否かを判定し、
 前記所定時間を超過すると判定した場合、他の統括ECUへの前記処理の要求を行う
 処理を実行させるプログラム。
[請求項10]
 車両に搭載される複数の車載装置夫々に接続される個別ECU夫々と、通信可能に接続される統括ECUであって、
 前記個別ECUから取得したデータに基づき、前記車載装置の制御データを生成及び出力する制御部を備え、
 前記制御部は、
 前記制御データの生成を行うための処理負荷に関する情報を含む処理負荷情報を、他の統括ECUと共有し、
 前記処理負荷情報に応じて、自統括ECUに直接、接続された個別ECUから取得したデータに基づき制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する
 統括ECU。
[請求項11]
 前記処理負荷情報は、前記自統括ECU及び前記他の統括ECUにおける処理負荷に関する情報を含み、
 前記制御部は、
 前記自統括ECUよりも処理負荷が低い前記他の統括ECUが存在する場合、制御データを生成する処理を、前記他の統括ECUに要求すると決定し、
 前記自統括ECUよりも処理負荷が低い前記他の統括ECUが存在しない場合、制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うと決定する
 請求項10に記載の統括ECU。
[請求項12]
 前記処理負荷情報は、前記個別ECUから取得したデータに基づき導出される、前記制御データの生成に要する推定所要時間を含み、
 前記制御部は、
 導出した前記推定所要時間が、前記制御データの生成を行うにあたり要求される要求時間を超過しない場合、前記制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うと決定し、
 導出した前記推定所要時間が、前記制御データの生成を行うにあたり要求される要求時間を超過する場合、前記制御データを生成する処理を、前記他の統括ECUに要求すると決定する
 請求項10に記載の統括ECU。
[請求項13]
 前記処理負荷情報は、前記制御データの生成を行うための処理における優先順位に関する情報を含み、
 前記制御部は、前記制御データを生成する処理を前記自統括ECUにて行う場合、前記優先順位に関する情報に基づいて、既に実行中の処理を中断するか否かを決定する
 請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の統括ECU。
[請求項14]
 前記制御部は、
 前記自統括ECUに直接、接続される個別ECUと、前記他の統括ECUに直接、接続される個別ECUとの間にて送受信されるデータの中継制御に関する処理を行い、
 前記中継制御に関する処理を、前記制御データを生成する処理よりも、優先して行う
 請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の統括ECU。
[請求項15]
 コンピュータに
 車両に搭載される複数の車載装置夫々に接続される個別ECUからデータを取得し、
 複数の統括ECUにおいて共有化されている処理負荷情報を参照し、
 取得したデータに基づき前記車載装置の制御データを生成する処理を、自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する
 処理を実行させる制御方法。
[請求項16]
 車両に搭載される複数の車載装置夫々に接続される個別ECU夫々と通信可能に接続される複数の統括ECUを含む制御システムであって、
 複数の統括ECUの内のいずれかの統括ECUは、前記個別ECUから取得したデータに基づき、前記車載装置の制御データを生成及び出力する制御部を備え、
 前記いずれかの統括ECUの制御部は、
 前記制御データの生成を行うための処理負荷に関する情報を含む処理負荷情報を、他の統括ECUと共有し、
 前記処理負荷情報に応じて、自統括ECUに直接、接続された個別ECUから取得したデータに基づき制御データを生成する処理を、前記自統括ECUにて行うか又は、他の統括ECUに要求するかを決定する
 制御システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]