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1. WO2020129816 - 変位拡大機構及びアクチュエータ

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明 細 書

発明の名称 変位拡大機構及びアクチュエータ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071  

符号の説明

0072  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1A   1B   1C   1D   2   3A   3B   3C   4A   4B   4C   5A   5B   6A   6B   6C   7   8A   8B   8C   9   10A   10B  

明 細 書

発明の名称 : 変位拡大機構及びアクチュエータ

技術分野

[0001]
 本発明は、変位拡大機構及びアクチュエータに関する。

背景技術

[0002]
 ピエゾ素子(圧電素子)の小さい変位を拡大して出力する変位拡大機構が知られている。
[0003]
 特許文献1には、出力部と、出力部に関して対称に配置される圧電素子と、圧電素子のそれぞれの両側に配置されるキャップと、出力部と転がり接触するキャップ以外のキャップと転がり接触するサイドブロックと、サイドブロックを剛結合するフレームと、を有する座屈型アクチュエータが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2014-82930号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、圧電素子の一方側のキャップとサイドブロックの間、圧電素子の他方側のキャップと出力部との間は、部品間の摩擦により位置が保持される。しかしながら、組立誤差、部品交差誤差によるアクチュエータの内部に起因する荷重や、外力などの外部起因の荷重により、微小な滑りが生じる。この微小な滑りが動作サイクル数の増加に伴って蓄積され、部品に位置ずれが発生するおそれがある。例えば、両側にキャップを有する圧電素子とフレームとの間には隙間が設けられているが、キャップの位置ずれにより、キャップや圧電素子がフレームと接触するおそれがある。
[0006]
 そこで、本発明は、部品の位置ずれを抑制する変位拡大機構及びアクチュエータを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 実施形態の一態様の変位拡大機構は、容量的性質を有する伸縮素子と、前記伸縮素子の一端と転がり接触する固定部と、前記伸縮素子の他端と転がり接触し、前記伸縮素子の伸縮に応じて前記伸縮素子の伸縮方向とは異なる出力方向に変位する出力部と、前記出力部の前記出力方向及び前記伸縮素子の前記伸縮方向からなる平面と垂直な方向に対して、前記伸縮素子の位置ずれを抑制する位置ずれ抑制構造と、を備える。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、部品の位置ずれを抑制する変位拡大機構及びアクチュエータを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1A] アクチュエータユニットの斜視図。
[図1B] 外殻の一部を切り欠いた状態のアクチュエータユニットの斜視図。
[図1C] アクチュエータユニットの部分断面図。
[図1D] 変位拡大機構の断面図。
[図2] 変位拡大機構の各構成要素に作用する力を示す模式図。
[図3A] 変位拡大機構の斜視図。
[図3B] 変位拡大機構の正面図。
[図3C] 変位拡大機構の平面図。
[図4A] 第1実施形態に係る変位拡大機構の固定部の斜視図。
[図4B] 第1実施形態に係る変位拡大機構のキャップの斜視図。
[図4C] 第1実施形態に係る変位拡大機構の平面図。
[図5A] yc軸周りの回転による位置ずれを説明する模式図。
[図5B] yc軸周りの回転による位置ずれを説明する模式図。
[図6A] yp軸周りの回転による位置ずれを説明する模式図。
[図6B] yp軸周りの回転による位置ずれを説明する模式図。
[図6C] yp軸周りの回転による位置ずれを説明する模式図。
[図7] 第1実施形態に係る変位拡大機構における各曲率半径の組み合わせとずれ抑制の効果を説明する表。
[図8A] 第2実施形態に係る変位拡大機構の固定部の斜視図。
[図8B] 第2実施形態に係る変位拡大機構のキャップの斜視図。
[図8C] 第2実施形態に係る変位拡大機構の平面図。
[図9] 第2実施形態に係る変位拡大機構における各曲率半径の組み合わせとずれ抑制の効果を説明する表。
[図10A] 変形例に係る変位拡大機構の構成を説明する図。
[図10B] 変形例に係る変位拡大機構の構成を説明する図。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
[0011]
 アクチュエータユニット1について図1Aから図1Dを用いて説明する。図1Aから図1Dは、アクチュエータユニット1の構成を示す図である。具体的には、図1Aはアクチュエータユニット1の斜視図である。図1Bは外殻15の一部を切り欠いた状態のアクチュエータユニット1の斜視図である。図1Cはy-z平面におけるアクチュエータユニット1の部分断面図である。図1Dはy-z平面における変位拡大機構10の断面図である。
[0012]
 アクチュエータユニット1は、容量性アクチュエータを構成する駆動ユニットである。アクチュエータユニット1は、主に、変位拡大機構10と、出力ジョイント20と、バネ予圧調整機構30と、ピエゾ予圧調整機構40と、を有している。
[0013]
 変位拡大機構10は、座屈現象を利用して容量的性質を有する伸縮素子の変位を拡大する機構である。本実施形態では、容量的性質を有する伸縮素子はピエゾ素子であり、例えば積層セラミクスで構成される。但し、伸縮素子は、磁歪素子、油圧シリンダ、空気圧シリンダ等であってもよい。また、変位拡大機構10は、主に、一対のピエゾ素子11と、一対の固定部(「サイドブロック」とも称する。)12と、出力部(「センターブロック」とも称する。)13と、予圧調整バネ14と、外殻(「フレーム」とも称する。)15と、を有する。
[0014]
 一対のピエゾ素子11は、それぞれ、一端が転がりジョイントを介して固定部12に連結され、且つ、他端が転がりジョイントを介して出力部13に連結される。ピエゾ素子11の長手方向の両端面には、キャップCP1、CP2が接合される。なお、本実施形態では、キャップCP1、CP2は、ピエゾ素子11とは別個独立の部材として存在するが、ピエゾ素子11と一体的に形成されてもよい。ピエゾ素子11と固定部12との転がりジョイントは、ピエゾ素子11の一端に接合されたキャップCP1の端部曲面(転がり面)と、固定部12の端部曲面(転がり面)との転がり接触(線接触または点接触)を介した連結により構成される。即ち、ピエゾ素子11と固定部12との連結構造は、固定部12の端部曲面(転がり面)に対してピエゾ素子11の端部曲面(転がり面)が転がり可能に連結する。また、ピエゾ素子11と出力部13との転がりジョイントは、ピエゾ素子11の他端に接合されたキャップCP2の端部曲面(転がり面)と、固定部12の端部曲面(転がり面)との転がり接触(線接触または点接触)を介した連結により構成される。即ち、ピエゾ素子11と出力部13との連結構造は、出力部13の端部曲面(転がり面)に対してピエゾ素子11の端部曲面(転がり面)が転がり可能に連結する。また、図1Dにおいて、円C1は固定部12の端部曲面においてキャップCP1の端部曲面と接触する接点の軌跡を含む円を表し、円C2はキャップCP1、CP2の端部曲面において固定部12または出力部13の端部曲面と接触する接触位置の軌跡を含む円を表し、円C3は出力部13の端部曲面においてキャップCP2の端部曲面と接触する接点の軌跡を含む円を表す。即ち、ピエゾ素子11と固定部12との転がりジョイントは、円C1及び円C2によって、その動作が規定される。また、ピエゾ素子11と出力部13との転がりジョイントは、円C2及び円C3によって、その動作が規定される。
[0015]
 一対のピエゾ素子11はそれぞれ、電圧が印加された場合に長手方向(z軸方向)に伸張して座屈現象を引き起こし、その伸張変位よりも大きい変位で出力部13を長手方向に垂直な方向(y軸方向)に変位させる。すなわち、ピエゾ素子11の伸縮運動は転がりジョイントで回転運動に変換されてその伸縮変位が拡大される。そして、出力部13における直動往復動作をもたらす。このように、変位拡大機構10は、一対のピエゾ素子11のそれぞれの出力を変換し、ピエゾ素子11の伸縮方向とは異なる方向である所定の出力方向に出力部13を付勢して変位させる。なお、以下では出力部13の変位を「拡大変位」と称する。
[0016]
 出力部13は、変位拡大機構10の出力を外部に伝達する機能要素である。本実施形態では、出力部13は、+y側の端部が予圧調整バネ14に接続され、-y側の端部が出力ジョイント20に接続される。
[0017]
 予圧調整バネ(「PCS(Preload Compensation Spring)」とも称する。)14は、変位拡大機構10の出力部13を一定の特性で付勢する付勢手段の一例である。本実施形態では、予圧調整バネ14は、出力部13の拡大変位とその拡大変位によってもたらされる推力との関係である拡大変位-推力特性を調整する。具体的には、予圧調整バネ14は、-y方向に膨らむように湾曲した一対の湾曲部を含む板バネで構成され、その中央部が出力部13に固定され、その両端部がバネ予圧調整機構30を介して一対の固定部12に接続される。予圧調整バネ14は、出力部13の拡大変位によってもたらされる推力をオフセットするy軸方向の力を発生させる。以下では、予圧調整バネ14が発生させる力を「オフセット力」と称する。この構成により、予圧調整バネ14は、出力部13の拡大変位の方向を決定付けて出力部13の挙動を安定化させることができる。
[0018]
 バネ予圧調整機構30は、予圧調整バネ14によるオフセット力を調整する機構である。本実施形態では、バネ予圧調整機構30はウェッジブロックで構成される。使用者は、予圧調整バネ14の両端部のy軸方向における位置を調整することで予圧調整バネ14の中央部が-y方向に出力部13を押し付ける力であるオフセット力を調整できる。
[0019]
 ピエゾ予圧調整機構40は、変位拡大機構10における4つの転がりジョイントに対する予圧の付与及び調整を行う機構である。本実施形態では、ピエゾ素子11に関するピエゾ予圧調整機構40は、図1Dに示すように、キャップCP1、ガイドGD1、及びシムSH1で構成される。
[0020]
 キャップCP1は、ピエゾ素子11と固定部12との間の転がりジョイントを構成するためにピエゾ素子11の一端に取り付けられる部材である。
[0021]
 ガイドGD1は、キャップCP1がピエゾ素子11の一端に取り外し可能に取り付けられるように案内する部材であり、キャップCP1に固定される。キャップCP1及びシムSH1はピエゾ素子11で発生した推力を高効率で伝達するように構成される。そのため、望ましくは、鋼材、セラミクス等、高い弾性と強度を備える材料で形成される。ガイドGD1は、キャップCP1及びピエゾ素子11のアライメントを確保すると共にピエゾ素子11の外面を保護するように構成される。そのため、望ましくは、ピエゾ素子11よりも低い弾性の材料で形成され、或いは、低い弾性の構造を有する。なお、キャップCP1とガイドGD1は一体的に形成されてもよい。
[0022]
 シムSH1は、ガイドGD1内でキャップCP1とピエゾ素子11の一端との間に配置可能な部材であり、キャップCP1とピエゾ素子11の一端との間隔を調整するために用いられる。即ち、シムSH1のz軸方向の幅が大きいほど、4つの転がりジョイントに対する予圧は大きくなる。
[0023]
 なお、ピエゾ予圧調整機構40は、ピエゾ素子11の一端(固定部12の側)に配置されるものとして説明したが、ピエゾ素子11の他端(出力部13の側)に配置されてもよい。
[0024]
 ピエゾ予圧調整機構40により、左端の接触点と右端の接触点との間の距離は自然長よりも短くなるように調整される。そのため、転がりジョイントの転がり面は、常に所定値以上の力を受けた状態で転がり接触する。なお、左端の接触点は、左側のキャップCP1の端部曲面と左側の固定部12の端部曲面との接触点であり、右端の接触点は、右側のキャップCP1の端部曲面と右側の固定部12の端部曲面との接触点である。また、自然長は、無負荷状態でz軸方向に一直線上に並べられた各部材(キャップCP1、左側のピエゾ素子11、キャップCP2、出力部13、キャップCP2、右側のピエゾ素子11、キャップCP1)のz軸方向における合計長さである。
[0025]
 外殻15は、一対の固定部12の間の距離を固定する機能要素である。本実施形態では、外殻15は、一対のピエゾ素子11、一対の固定部12、及び出力部13を取り囲むように形成される部材であり、変位拡大機構10で座屈現象が生じる場合に一対の固定部12の間の距離が拡がるのを防止する。
[0026]
 以上の構成により、変位拡大機構10は、ピエゾ素子11の変位を100倍以上に拡大可能であり、且つ、出力エネルギを70%以上伝達可能な特性を有する。また、静推力維持に伴うエネルギロスが無く且つ拡大変位が比較的大きいという特性を備えていることから、変位拡大機構10は、例えば、クランプ動作が求められるブレーキアクチュエータに適用され得る。
[0027]
 次に、変位拡大機構10の出力特性について図2を用いて説明する。図2は、変位拡大機構10の各構成要素に作用する力を示す模式図である。
[0028]
 変位拡大機構10の出力特性は、ピエゾ素子11のアクチュエータ特性と、変位拡大機構10による運動変換特性を考慮すると、式(1)のように表される。
[0029]
[数1]


[0030]
 なお、kPCSはバネ予圧調整機構30の機械的圧縮剛性を表し、kPZTはピエゾ素子11の機械的圧縮剛性を表す。また、kFは外殻15の長手方向の機械的引張剛性を表し、kJは転がりジョイントの機械的圧縮剛性を表す。また、kSはピエゾ素子11の変位方向における変位拡大機構10の総合機械剛性を表し、外殻15の機械的引張剛性kF、及び、転がりジョイントの機械的圧縮剛性kJに依存する。また、Lは固定部12に関する転がりジョイントの回転中心と出力部13に関する転がりジョイントの回転中心との間の距離を表す。また、FVはピエゾ推力を表し、FPLはピエゾ予圧調整機構40によるピエゾ予圧力を表し、FZはピエゾ素子11の変位量に依存してピエゾ素子11の内部で発生する機械的推力を表す。また、zPZTはピエゾ素子11の変位を表し、zSはピエゾ素子11の変位方向における転がりジョイントと外殻15との総合変位を表す。また、dは圧電定数であり、VPZTはピエゾ素子11に印加される電圧を表す。また、αは接点間角度を表す。接点間角度αは、ピエゾ素子11と固定部12との接点と、ピエゾ素子11と出力部13との接点とを結ぶ線分の基準線に対する角度である。基準線は、拡大変位Yがゼロのときの固定部12に関する転がりジョイントの回転中心と出力部13に関する転がりジョイントの回転中心とを繋ぐ直線である。なお、図2のy0は、予圧調整バネ14に対する一定の変位量(予荷重)を表す。
[0031]
 式(1)の第1式は出力部13の拡大変位Yの方向における力のつり合いを示す。第2式は変位拡大機構10による運動変換特性を示す。第3式はピエゾ素子11の変位方向における力のつり合いを示す。なお、zは、キャップCP1が固定部12の端部曲面と転がり接触(線接触または点接触)する円弧の中心と、キャップCP2が出力部13の端部曲面と転がり接触(線接触または点接触)する円弧の中心との距離を表す。また、第2式では、ピエゾ素子11の伸縮の影響をキャップの径の微小変化で近似している。この近似は、例えば、キャップCP1の端部曲面の輪郭を含む円と、キャップCP2の端部曲面の輪郭を含む円とが同心円C2(図1D参照。)となるように設計された場合に採用可能である。
[0032]
 次に、変位拡大機構10について、図3Aから図3Cを用いて更に説明する。図3Aから図3Cは、変位拡大機構10の構成を示す模式図である。具体的には、図3Aは変位拡大機構10の斜視図である。図3Bはy-z平面と垂直な方向から見た変位拡大機構10の正面図である。図3Cはz-x平面と垂直な方向から見た変位拡大機構10の平面図である。なお、図3Aから図3Cにおいて、出力ジョイント20、バネ予圧調整機構30、予圧調整バネ14等は省略して図示している。また、図3Aでは外殻15を透過して図示しており、図3Bでは外殻15の図示を省略している。なお、図3Aから図3Cの例では、キャップCP1,CP2の転がり面、固定部12の転がり面、出力部13の転がり面が円筒面の場合を例に図示している。
[0033]
 図3Aに示すように、yc軸は、出力部13の出力方向を示し、出力部13の中心を通るy軸と平行な軸である。変位拡大機構10は、yc軸を通りx-y面に平行な面を基準として、対象構造を有している。zp軸は、ピエゾ素子11の伸長方向と一致し、ピエゾ素子11の中心を通る軸である。yp軸は、zp軸に対して垂直であり、x軸とz-x平面と垂直であり、ピエゾ素子11の中心を通る軸である。
[0034]
 図3Bに示すように、Rsは、固定部12の転がり面の曲率半径を示す。Rcは、出力部13の転がり面の曲率半径を示す。Rpは、ピエゾ素子11のキャップの転がり面の曲率半径を示す。
[0035]
 ここで、図3Cに示すように、キャップCP1,CP2の転がり面、固定部12の転がり面、出力部13の転がり面が円筒面の場合、ピエゾ素子11はx軸方向に対して、幾何学的に拘束されていない。即ち、出力部13の出力方向(y軸方向)及びピエゾ素子11の伸縮方向(z軸方向)からなる平面(y-z平面)と垂直な方向(x軸方向)に対して、幾何学的に拘束されていない。このため、ピエゾ素子11にx軸方向へのずれが発生すると、ピエゾ素子11が外殻15と接触するおそれがある。ピエゾ素子11が外殻15と接触することにより、アクチュエータユニット1の性能の低下や摩耗による寿命低下を招く。
[0036]
 次に、第1実施形態に係る変位拡大機構10について、図4Aから図4Cを用いて説明する。図4Aから図4Cは、第1実施形態に係る変位拡大機構10の構成を説明する図である。具体的には、図4Aは、第1実施形態に係る変位拡大機構10の固定部12の斜視図である。図4Bは、第1実施形態に係る変位拡大機構10のキャップCP1の斜視図である。図4Cは、z-x平面における第1実施形態に係る変位拡大機構10の平面図である。第1実施形態に係る変位拡大機構10は、図3Aから図3Cに示す変位拡大機構10と比較して、転がりジョイントの転がり面の形状が異なっている。
[0037]
 また、第1実施形態に係る変位拡大機構10は、x方向の部品の位置ずれを抑制する位置ずれ抑制構造を有している。即ち、位置ずれ抑制構造は、出力部13の出力方向(y軸方向)及びピエゾ素子11の伸縮方向(z軸方向)からなる平面(y-z平面)と垂直な方向(x軸方向)に対して、部品(ピエゾ素子11)のずれを抑制する。位置ずれ抑制構造は、固定部12の転がり面の形状及びキャップCP1の転がり面の形状によって構成される。また、位置ずれ抑制構造は、出力部13の転がり面の形状及びキャップCP2の転がり面の形状によって構成される。
[0038]
 図4Aに示すように、固定部12は、鞍型形状の転がり面、換言すれば凹曲面となる転がり面を有している。ここで、凹曲面とは、転がり接点の軌跡に対して垂直な面で切断した際、凹円弧となるような曲面である。また、Rsは、転がり円の曲率半径を示す。固定部12の転がり円とは、固定部12の端部曲面においてキャップCP1の端部曲面と接触する接点の軌跡を含む円であり、y-z平面と平行な面上の円である。rsは、固定部12の曲面の曲率半径を示す。また、図4Aにおいて、曲率半径rsの円の中心の軌跡をcsで示す。軌跡csは、曲率半径Rsの円と同一平面上であって、曲率半径Rsの円と同心で、半径Rs+rsの円弧となる。また、曲率半径Rsの円の平面と曲率半径rsの円の平面とは、2円の中心を結ぶ線を軸として90°回転した平面となっている。固定部12の転がり面は、曲率半径Rsの転がり円に沿って、曲率半径rsの円弧をスイープすることによって形成される曲面である。
[0039]
 図4Bに示すように、キャップCP1は、凸曲面となる転がり面を有している。ここで、凸曲面とは、転がり接点の軌跡に対して垂直な面で切断した際、凸円弧となるような曲面である。また、Rpは、転がり円の曲率半径を示す。キャップCP1の転がり円とは、キャップCP1の端部曲面において固定部12の端部曲面と接触する接点の軌跡を含む円であり、y-z平面と平行な面上の円である。rpは、キャップCP1の曲面の曲率半径を示す。また、図4Bにおいて、曲率半径rpの円の中心の軌跡をcpで示す。軌跡cpは、曲率半径Rpの円と同一平面上であって、曲率半径Rpの円と同心で、半径Rp-rpの円弧となる。また、曲率半径Rpの円の平面と曲率半径rpの円の平面とは、2円の中心を結ぶ線を軸として90°回転した平面となっている。キャップCP1の転がり面は、曲率半径Rpの転がり円に沿って、曲率半径rpの円弧をスイープすることによって形成される曲面である。
[0040]
 出力部13の転がり面は、固定部12の転がり面と同様に、転がり円の曲率半径Rc及び曲面の曲率半径rcで規定される凹曲面となる転がり面を有している。また、キャップCP2の転がり面は、キャップCP1の転がり面と同様に、転がり円の曲率半径Rp及び曲面の曲率半径rpで規定される凸曲面となる転がり面を有している。
[0041]
 また、左右の固定部12でのジョイント接点を通る円の曲率半径をrssとする。また、固定部12でのジョイント接点と出力部13でのジョイント接点を通る円の曲率半径をrscとする。なお、1つのピエゾ素子11の両端のキャップCP1,CP2のRpを同一円とする場合、rscは、Rpとほぼ同値となる。
[0042]
 このような構成により、ピエゾ素子11のキャップCP1と固定部12との転がりジョイントは、曲率半径Rsの転がり円及び曲率半径Rpの転がり円によって、その動作が規定される。また、ピエゾ素子11のキャップCP2と出力部13との転がりジョイントは、曲率半径Rpの転がり円及び曲率半径Rcの転がり円によって、その動作が規定される。よって、第1実施形態に係る変位拡大機構10は、図3Aから図3Cに示す端部曲面が円筒面の場合の変位拡大機構10と同様に、変位拡大動作をすることができる。
[0043]
 次に、第1実施形態に係る変位拡大機構10について、各曲率半径の組み合わせとずれの抑制効果について説明する。
[0044]
 なお、以下の説明では、前提条件として、固定部12の曲面の曲率半径rsと出力部13の曲面の曲率半径rcとは等しい(rs=rc)ものとして説明する。また、各キャップCP1,CP2の曲面の曲率半径rpは等しいものとして説明する。また、転がりジョイントが幾何学的に成立するために、rp≦rsとしている。
[0045]
 第1実施形態に係る変位拡大機構10は、図4Cに示すように、固定部12の端部曲面が凹曲面となり、ピエゾ素子11のキャップCP1の端部曲面が凸曲面となる。また、出力部13の端部曲面が凹曲面となり、ピエゾ素子11のキャップCP2の端部曲面が凸曲面となる。これにより、ピエゾ素子11がx軸方向にずれることを抑制することができる。
[0046]
 図5Aから図5Bは、yc軸周りの回転による位置ずれを説明する模式図である。なお、rs1は左側の固定部12の曲面の曲率半径を表す。rs2は右側の固定部12の曲面の曲率半径を表す。rps1は左側の固定部12と接触するキャップCP1の曲面の曲率半径を表す。rps2は右側の固定部12と接触するキャップCP1の曲面の曲率半径を表す。
[0047]
 図5Aでは、固定部12の曲率半径rsが左右の固定部12でのジョイント接点を通る円の曲率半径rss以上の場合(rss≦rs)を示す。曲率半径rs1の円と曲率半径rs2の円との重なり部分に曲率半径rssの円が含まれる。このため、曲率半径rs1の円と曲率半径rs2の円との重なり部分内で曲率半径rssの円が回転することができる。よって、左右のピエゾ素子11と出力部13のアセンブリがyc軸を回転軸として回転することができる。
[0048]
 図5Bでは、固定部12の曲率半径rsが左右の固定部12でのジョイント接点を通る円の曲率半径rss未満の場合(rs<rss)を示す。曲率半径rs1の円と曲率半径rs2の円との重なり部分よりも曲率半径rssの円が飛び出している。このため、曲率半径rs1の円と曲率半径rs2の円との重なり部分内で曲率半径rssの円が回転することができない。よって、左右のピエゾ素子11と出力部13のアセンブリが、yc軸を回転軸として回転することを抑制することができる。
[0049]
 図6Aから図6Cは、yp軸周りの回転による位置ずれを説明する模式図である。rpsは、固定部12と接触するキャップCP1の曲面の曲率半径を表す。rpcは、出力部13と接触するキャップCP2の曲面の曲率半径を表す。
[0050]
 図6Aでは、固定部12の曲率半径rsが固定部12でのジョイント接点と出力部13でのジョイント接点を通る円の曲率半径rsc以上、かつ、キャップCPの曲率半径rpが曲率半径rsc以下の場合(rp≦rsc≦rs)を示す。この場合、曲率半径rsの円と曲率半径rcの円との重なり部分に曲率半径rscの円が含まれる。このため、曲率半径rsの円と曲率半径rcの円との重なり部分内で曲率半径rscの円が回転することができる。また、キャップCP1,CP2を含んだピエゾ素子11は曲率半径rscの円内に収まる。よって、ピエゾ素子11がyp軸を回転軸として回転することができる。
[0051]
 図6Bでは、固定部12の曲率半径rsが固定部12でのジョイント接点と出力部13でのジョイント接点を通る円の曲率半径rsc以上、かつ、キャップCPの曲率半径rpが曲率半径rsc以上の場合(rsc≦rp≦rs)を示す。この場合、キャップCP1,CP2を含んだピエゾ素子11は曲率半径rscの円よりも飛び出している。しかしながら、「曲率半径rsの円と曲率半径rcの円との重なり部分」に「曲率半径rpcの円と曲率半径rpsの円との重なり部分」が含まれる。このため、「曲率半径rsの円と曲率半径rcの円との重なり部分」内で「曲率半径rpcの円と曲率半径rpsの円との重なり部分」が回転することができる。よって、ピエゾ素子11がyp軸を回転軸として回転することができる。
[0052]
 図6Cでは、固定部12の曲率半径rsが固定部12でのジョイント接点と出力部13でのジョイント接点を通る円の曲率半径rsc未満の場合(rp≦rs<rsc)を示す。曲率半径rsの円と曲率半径rcの円との重なり部分よりも曲率半径rscの円が飛び出している。このため、曲率半径rsの円と曲率半径rcの円との重なり部分内で曲率半径rscの円が回転することができない。よって、ピエゾ素子11がyp軸を回転軸として回転することを抑制することができる。
[0053]
 次に、zp軸周りの回転による位置ずれを説明する。固定部12の曲率半径rsが固定部12でのジョイント接点と出力部13でのジョイント接点を通る円の曲率半径rsc以上の場合(rsc≦rs)、ピエゾ素子11がzp軸を回転軸として回転することができる。一方、固定部12の曲率半径rsが固定部12でのジョイント接点と出力部13でのジョイント接点を通る円の曲率半径rsc未満の場合(rs<rsc)、ピエゾ素子11がzp軸を回転軸として回転することを抑制することができる。
[0054]
 図7は、第1実施形態に係る変位拡大機構10における各曲率半径の組み合わせとずれ抑制の効果を説明する表である。なお、表において、バツ印は幾何学的条件(rp≦rs)を満たさない範囲である。黒塗りの三角は、x方向のずれを抑制する範囲である。白抜きの三角印は、x方向のずれを抑制し、yc軸周りの回転を抑制する範囲である。二重丸印は、x方向のずれを抑制し、yc軸周りの回転を抑制し、yp軸周りの回転を抑制し、yz軸周りの回転を抑制する範囲である。このように、固定部12の曲率半径rs(出力部13の曲率半径rc)とキャップCPの曲率半径rpを適宜選択することにより、変位拡大機構10内の部品の位置ずれを抑制することができる。なお、ジョイント接触応力が許容値以下に収まるように、ピエゾ素子11の予圧力と各曲面の曲率半径を設計する。
[0055]
 次に、第2実施形態に係る変位拡大機構10について、図8Aから図8Cを用いて説明する。図8Aから図8Cは、第2実施形態に係る変位拡大機構10の構成を説明する図である。具体的には、図8Aは、第2実施形態に係る変位拡大機構10の固定部12の斜視図である。図8Bは、第2実施形態に係る変位拡大機構10のキャップCP1の斜視図である。図8Cは、z-x平面における第2実施形態に係る変位拡大機構10の平面図である。第2実施形態に係る変位拡大機構10は、図3Aから図3Cに示す変位拡大機構10、及び、図4Aから図4Cに示す第1実施形態に係る変位拡大機構10と比較して、転がりジョイントの転がり面の形状が異なっている。
[0056]
 図8Aに示すように、固定部12は、凸曲面となる転がり面を有している。ここで、Rsは、転がり円の曲率半径を示す。固定部12の転がり円とは、固定部12の端部曲面においてキャップCP1の端部曲面と接触する接点の軌跡を含む円であり、y-z平面と平行な面上の円である。rsは、固定部12の曲面の曲率半径を示す。また、図8Aにおいて、曲率半径rsの円の中心の軌跡をcsで示す。軌跡csは、曲率半径Rsの円と同一平面上であって、曲率半径Rsの円と同心で、半径Rs-rsの円弧となる。また、曲率半径Rsの円の平面と曲率半径rsの円の平面とは、2円の中心を結ぶ線を軸として90°回転した平面となっている。固定部12の転がり面は、曲率半径Rsの転がり円に沿って、曲率半径rsの円弧をスイープすることによって形成される曲面である。
[0057]
 図8Bに示すように、キャップCP1は、鞍型形状の転がり面、換言すれば凹曲面となる転がり面を有している。ここで、Rpは、転がり円の曲率半径を示す。キャップCP1の転がり円とは、キャップCP1の端部曲面において固定部12の端部曲面と接触する接点の軌跡を含む円であり、y-z平面と平行な面上の円である。rpは、キャップCP1の曲面の曲率半径を示す。また、図8Bにおいて、曲率半径rpの円の中心の軌跡をcpで示す。軌跡cpは、曲率半径Rpの円と同一平面上であって、曲率半径Rpの円と同心で、半径Rp+rpの円弧となる。また、曲率半径Rpの円の平面と曲率半径rpの円の平面とは、2円の中心を結ぶ線を軸として90°回転した平面となっている。キャップCP1の転がり面は、曲率半径Rpの転がり円に沿って、曲率半径rpの円弧をスイープすることによって形成される曲面である。
[0058]
 出力部13の転がり面は、固定部12の転がり面と同様に、転がり円の曲率半径Rc及び曲面の曲率半径rcで規定される凸曲面となる転がり面を有している。また、キャップCP2の転がり面は、キャップCP1の転がり面と同様に、転がり円の曲率半径Rp及び曲面の曲率半径rpで規定される凹曲面となる転がり面を有している。
[0059]
 また、左右の固定部12でのジョイント接点を通る円の曲率半径をrssとする。また、固定部12でのジョイント接点と出力部13でのジョイント接点を通る円の曲率半径をrscとする。なお、1つのピエゾ素子11の両端のキャップCP1,CP2のRpを同一円とする場合、rscは、Rpとほぼ同値となる。
[0060]
 このような構成により、ピエゾ素子11のキャップCP1と固定部12との転がりジョイントは、曲率半径Rsの転がり円及び曲率半径Rpの転がり円によって、その動作が規定される。また、ピエゾ素子11のキャップCP2と出力部13との転がりジョイントは、曲率半径Rpの転がり円及び曲率半径Rcの転がり円によって、その動作が規定される。よって、第2実施形態に係る変位拡大機構10は、図3Aから図3Cに示す端部曲面が円筒面の場合の変位拡大機構10と同様に、変位拡大動作をすることができる。
[0061]
 次に、第2実施形態に係る変位拡大機構10について、各曲率半径の組み合わせとずれの抑制効果について説明する。
[0062]
 なお、以下の説明では、前提条件として、固定部12の曲面の曲率半径rsと出力部13の曲面の曲率半径rcとは等しい(rs=rc)ものとして説明する。また、各キャップCP1,CP2の曲面の曲率半径rpは等しいものとして説明する。また、転がりジョイントが幾何学的に成立するために、rs≦rpとしている。
[0063]
 第2実施形態に係る変位拡大機構10は、図8Cに示すように、固定部12の端部曲面が凸曲面となり、ピエゾ素子11のキャップCP1の端部曲面が凹曲面となる。また、出力部13の端部曲面が凸曲面となり、ピエゾ素子11のキャップCP2の端部曲面が凹曲面となる。これにより、ピエゾ素子11がx軸方向にずれることを抑制することができる。また、左右のピエゾ素子11と出力部13のアセンブリが、yc軸を回転軸として回転することを抑制することができる。また、ピエゾ素子11がyp軸を回転軸として回転することを抑制することができる。
[0064]
 次に、zp軸周りの回転による位置ずれを説明する。キャップCP1の曲率半径rpが固定部12の転がり円の曲率半径Rs以上の場合(Rs≦rp)、ピエゾ素子11がxp軸を回転軸として回転することができる。一方、キャップCP1の曲率半径rpが固定部12の転がり円の曲率半径Rs未満の場合(rp<Rs)、ピエゾ素子11がzp軸を回転軸として回転することを抑制することができる。
[0065]
 図9は、第2実施形態に係る変位拡大機構10における各曲率半径の組み合わせとずれ抑制の効果を説明する表である。なお、表において、バツ印は幾何学的条件(rp≦rs)を満たさない範囲である。丸印は、x方向のずれを抑制し、yc軸周りの回転を抑制し、yp軸周りの回転を抑制する範囲である。二重丸印は、x方向のずれを抑制し、yc軸周りの回転を抑制し、yp軸周りの回転を抑制し、zp軸周りの回転を抑制する範囲である。このように、固定部12の曲率半径rs(出力部13の曲率半径rc)とキャップCPの曲率半径rpを適宜選択することにより、変位拡大機構10内の部品の位置ずれを抑制することができる。なお、ジョイント接触応力が許容値以下に収まるように、ピエゾ素子11の予圧力と各曲面の曲率半径を設計する。
[0066]
 以上、本実施形態に係る変位拡大機構について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
[0067]
 第1実施形態に係る変位拡大機構10において固定部12の端部曲面及び出力部13の端部曲面は凹曲面であり、第2実施形態に係る変位拡大機構10において固定部12の端部曲面及び出力部13の端部曲面は凸曲面であるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、固定部12とキャップCP1の端部曲面は図4Aから図4Cまたは図8Aから図8Cに示す凹凸曲面を有し、出力部13とキャップCP2の端部曲面は円筒面としてもよい。また、出力部13とキャップCP2の端部曲面は図4Aから図4Cまたは図8Aから図8Cにに示す凹凸曲面を有し、固定部12とキャップCP1の端部曲面は円筒面としてもよい。この場合でも、各曲面の曲率半径を適宜選択することにより、ずれ抑制の効果を奏する。また、一方を円筒面とすることにより、加工コストを低減することができる。
[0068]
 また、第1実施形態及び第2実施形態に係る変位拡大機構10において、固定部12の曲面の曲率半径rsと出力部13の曲面の曲率半径rcとは等しい(rs=rc)ものとして説明したが、これに限られるものではなく、異なっていてもよい。また、キャップCP1,CP2の曲面の曲率半径rpも等しいものとして説明したが、これに限られるものではなく、異なっていてもよい。
[0069]
 また、固定部12及び出力部13における転がり接点の軌跡は、凸円弧(曲率半径Rsの円、曲率半径Rcの円)であるものとして説明したが、これに限られるものではない。転がり接点の軌跡は、直線であってもよく、凹円弧であってもよく、非円形状曲線であってもよく、限定されるものではない。
[0070]
 転がり接点の軌跡が直線の場合を一例として、図10Aから図10Bを用いて説明する。図10Aから図10Bは、変形例に係る変位拡大機構10の構成を説明する図である。図10Aは、転がり接点の軌跡Lsが直線であって、鞍型形状(凹曲面)の転がり面となる固定部12の一例を示す。なお、この固定部12と接触するキャップCP1は、図4Bに示す転がり面が凸曲面となるキャップCP1となる。また、図10Bは、転がり接点の軌跡Lsが直線であって、凸曲面となる固定部12の一例を示す。なお、この固定部12と接触するキャップCP1は、図8Bに示す転がり面が鞍型形状(凹曲面)となるキャップCP1となる。このように、転がり接点の軌跡が直線であっても、ずれを抑制する構成とすることができる。
[0071]
 尚、本願は、2018年12月20日に出願した日本国特許出願2018-238656号に基づく優先権を主張するものであり、これらの日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。

符号の説明

[0072]
1     アクチュエータユニット(アクチュエータ)
10    変位拡大機構
11    ピエゾ素子
12    固定部
13    出力部
14    予圧調整バネ
15    外殻
20    出力ジョイント
30    バネ予圧調整機構
40    ピエゾ予圧調整機構
CP1、CP2 キャップ

請求の範囲

[請求項1]
 容量的性質を有する伸縮素子と、
 前記伸縮素子の一端と転がり接触する固定部と、
 前記伸縮素子の他端と転がり接触し、前記伸縮素子の伸縮に応じて前記伸縮素子の伸縮方向とは異なる出力方向に変位する出力部と、
 前記出力部の前記出力方向及び前記伸縮素子の前記伸縮方向からなる平面と垂直な方向に対して、前記伸縮素子の位置ずれを抑制する位置ずれ抑制構造と、を備える、変位拡大機構。
[請求項2]
 前記位置ずれ抑制構造は、
 前記固定部と前記伸縮素子を転がり可能に連結する連結構造および前記出力部と前記伸縮素子を転がり可能に連結する連結構造のうち少なくとも1つの連結構造に形成される、
請求項1に記載の変位拡大機構。
[請求項3]
 前記位置ずれ抑制構造は、
 一方の部材の転がり面が凹曲面であり、
 前記一方の部材と転がり接触する他方の部材の転がり面が凸曲面である、
請求項2に記載の変位拡大機構。
[請求項4]
 前記固定部および前記出力部の少なくとも1つの転がり面は、前記凹曲面であり、
 前記凹曲面と接触する前記伸縮素子の転がり面は、前記凸曲面である、
請求項3に記載の変位拡大機構。
[請求項5]
 前記凹曲面の曲率は、前記固定部と前記伸縮素子の一端との接点と前記出力部と前記伸縮素子の他端との接点を通る円の曲率よりも小さく、
 前記凸曲面の曲率は、前記固定部と前記伸縮素子の一端との接点と前記出力部と前記伸縮素子の他端との接点を通る円の曲率よりも小さい、
請求項4に記載の変位拡大機構。
[請求項6]
 前記固定部および前記出力部の少なくとも1つの転がり面は、凸曲面であり、
 前記凸曲面と接触する前記伸縮素子の転がり面は、凹曲面である、
請求項3に記載の変位拡大機構。
[請求項7]
 前記凹曲面の曲率は、前記凸曲面の曲率以上である、
請求項6に記載の変位拡大機構。
[請求項8]
 前記固定部および前記出力部の少なくとも1つの転がり面における転がり接点の軌跡は、円弧である、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の変位拡大機構。
[請求項9]
 前記固定部および前記出力部の少なくとも1つの転がり面における転がり接点の軌跡は、直線である、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の変位拡大機構。
[請求項10]
 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の変位拡大機構を備えるアクチュエータ。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 1C]

[ 図 1D]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 3C]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 4C]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 6C]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 8C]

[ 図 9]

[ 図 10A]

[ 図 10B]