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1. WO2020129566 - 通信システム

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明 細 書

発明の名称 通信システム 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5A   5B   5C   5D   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 通信システム

関連出願への相互参照

[0001]
 本出願は、2018年12月19日に出願された日本特許出願番号2018-237458号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。

技術分野

[0002]
 本開示は、マスタ装置および当該マスタ装置にデイジーチェーン接続された複数のスレーブ装置を備える通信システムに関する。

背景技術

[0003]
 従来より、マスタ装置と、スレーブ装置とを備える通信システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この通信システムは、車両に搭載されており、マスタ装置としての車載ECU(Electronic Control Unitの略)と、スレーブ装置としての複数のセンサ(例えば、ソナー)を備える構成とされている。そして、各スレーブ装置には、マスタ装置にて各センサの位置を認識できるように、取り付けられる位置に応じて本識別情報が設定されている。以下では、識別情報のことをID(identificationの略)と称する。これにより、マスタ装置は、各センサの位置を認識しつつ、各センサの検出結果に基づいた種々の制御を行う。なお、各スレーブ装置の本IDは、例えば、スレーブ装置内にIDを設定するための電流が流れなくなる順番等に基づいて設定される。
 また、この通信システムでは、例えば、車両のイグニッションがオンされた際、各スレーブ装置に仮IDを付与すると共に本IDと仮IDとを比較することにより、スレーブ装置の入れ替えの有無を検出するようになっている。つまり、本IDを設定した後にもスレーブ装置の入れ替えの有無を検出するようになっている。これにより、各スレーブ装置が入れ替わってしまったとしても、マスタ装置は、スレーブ装置の入れ替わりを認識できる。このため、マスタ装置は、スレーブ装置の位置を誤って認識することを抑制でき、誤った制御を行うことを抑制できる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2017-52386号公報

発明の概要

[0005]
 しかしながら、上記通信システムでは、本IDを設定する際、ノイズ等により、想定される本IDと異なる本IDが設定される可能性がある。つまり、上記通信システムでは、各スレーブ装置に想定される本IDと入れ替わった本IDが設定される可能性があり、適切なIDが設定されない可能性がある。
[0006]
 また、上記通信システムでは、仮IDを設定する際、ノイズ等により、想定される仮IDと異なる仮IDが設定される可能性がある。つまり、上記通信システムでは、各スレーブ装置に想定される仮IDと入れ替わった仮IDが設定される可能性があり、適切な仮IDが設定されない可能性がある。このため、この状態では、スレーブ装置の入れ換えの有無の確認を適切に行い難くなる可能性がある。
[0007]
 そして、これらのような状態では、マスタ装置では、スレーブ装置の検出結果に基づいた適切な処理を実行し難くなる可能性がある。
[0008]
 本開示は、複数のスレーブ装置に誤ったIDを設定することを抑制できる通信システムを提供すること、および設定されているIDの確認精度の向上を図ることができる通信システムを提供することを目的とする。
[0009]
 本開示の1つの観点によれば、マスタ装置と複数のスレーブ装置とが接続された通信システムは、マスタ装置と、マスタ装置に対してデイジーチェーン接続されている複数のスレーブ装置と、を備え、マスタ装置は、複数のスレーブ装置にIDを設定させるマスタ制御部と、複数のスレーブ装置に電流または電圧を印加する出力部と、を有し、複数のスレーブ装置は、電流または電圧を検出する検出部と、オン状態である際に、該スレーブ装置よりもマスタ装置側に位置するスレーブ装置の検出部にマスタ装置からの電流または電圧が印加されるようにしつつ、該スレーブ装置の検出部にマスタ装置からの電流または電圧が印加されないようにし、オフ状態である際に、該スレーブ装置よりもマスタ装置側に位置するスレーブ装置の検出部、および該スレーブ装置の検出部にマスタ装置からの電流または電圧が印加されないようにするスイッチング部と、マスタ装置からの設定信号に基づき、検出部の検出結果に基づいて該スレーブ装置のIDを設定するID設定処理を実行するスレーブ制御部と、をそれぞれ有し、スレーブ制御部は、ID設定処理において、IDを設定する前では、スイッチング部をオンにすると共に、検出部の検出結果が閾値以下である場合にIDを設定し、IDを設定した後では、スイッチング部をオフにすると共に、検出部の検出結果が閾値より大きい場合、IDの設定が異常であると判定するようにする。
[0010]
 これによれば、複数のスレーブ装置にIDを設定する際には、まだIDが設定されていないスレーブ装置のスイッチング部をオンにし、検出部の検出結果が閾値以下である場合にIDを設定する。そして、IDを設定したスレーブ装置の検出部の検出結果が閾値より大きい場合、IDの設定が異常であると判定する。このため、複数のスレーブ装置にIDが入れ替わって設定されることを抑制できる。
[0011]
 また、本開示の別の観点によれば、マスタ装置と複数のスレーブ装置とが接続された通信システムは、マスタ装置と、マスタ装置に対してデイジーチェーン接続されている複数のスレーブ装置と、を備え、マスタ装置は、複数のスレーブ装置に設定されているIDを確認させるマスタ制御部と、複数のスレーブ装置に電流または電圧を印加する出力部と、を有し、複数のスレーブ装置は、電流または電圧を検出する検出部と、オン状態である際に、該スレーブ装置よりもマスタ装置側に位置するスレーブ装置の検出部にマスタ装置からの電流または電圧が印加されるようにしつつ、該スレーブ装置の検出部にマスタ装置からの電流または電圧が印加されないようにし、オフ状態である際に、該スレーブ装置よりもマスタ装置側に位置するスレーブ装置の検出部、および該スレーブ装置の検出部にマスタ装置からの電流または電圧が印加されないようにするスイッチング部と、マスタ装置からの確認信号に基づき、検出部の検出結果に基づいて該スレーブ装置に設定されているIDを確認するID確認処理を実行するスレーブ制御部と、をそれぞれ有し、スレーブ制御部は、ID確認処理において、設定されているIDに応じた待機期間、および検出部の検出結果に基づき、設定されているIDに入れ替わりが発生しているか否かを判定するようにする。
[0012]
 これによれば、複数のスレーブ装置の設定されているIDを確認する際には、設定されているIDに応じた待機期間、および検出部の検出結果に基づいてIDの入れ替わりが発生しているか否かを判定している。このため、各スレーブ装置のIDに入れ替わりが発生したとしも、当該IDの入れ替わりを高精度に判定できる。
[0013]
 なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本実施形態における通信システムを示す模式図である。
[図2] 図1中のスレーブ装置の構成を示す模式図である。
[図3] マスタ制御部が実行するID設定処理を示すフローチャートである。
[図4] スレーブ制御部が実行するID設定処理を示すフローチャートである。
[図5A] 第1~第4スレーブ装置で定電流回路がオンされている際の電流を示す模式図である。
[図5B] 第1~第3スレーブ装置で定電流回路がオンされている際の電流を示す模式図である。
[図5C] 第1、第2スレーブ装置で定電流回路がオンされている際の電流を示す模式図である。
[図5D] 第1スレーブ装置で定電流回路がオンされている際の電流を示す模式図である。
[図6] ID設定を実行する際に入れ替わりが発生する例を説明するための模式図である。
[図7] マスタ制御部が実行するID確認処理を示すフローチャートである。
[図8] スレーブ制御部が実行するID確認処理を示すフローチャートである。
[図9] スレーブ制御部が実行する降順状態でのID確認処理を示すフローチャートである。
[図10] 設定されているIDを確認する際に入れ替わりが発生している例を説明するための模式図である。
[図11] スレーブ制御部が実行する昇順状態でのID確認処理を示すフローチャートである。
[図12] 設定されているIDを確認する際に入れ替わりが発生している例を説明するための模式図である。
[図13] 他の実施形態におけるスレーブ装置の構成を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本開示の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
[0016]
 (第1実施形態)
 第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、本実施形態の通信システムを車両に搭載した例について説明する。
[0017]
 まず、本実施形態の通信システムは、図1に示されるように、マスタ装置10と、第1~第4スレーブ装置21~24とを備えている。そして、第1~第4スレーブ装置21~24は、マスタ装置10に対して通信線30を介してデイジーチェーン接続されている。本実施形態では、第1~第4スレーブ装置21~24は、マスタ装置10側から第1スレーブ装置21、第2スレーブ装置22、第3スレーブ装置23、第4スレーブ装置24の順に配列されるように、マスタ装置10に対してデイジーチェーン接続されている。例えば、マスタ装置10と第1~第4スレーブ装置21~24との間の通信方式としては、DSI(Distributed Systems Interfaceの略)3の方式が採用される。
[0018]
 マスタ装置10は、図示しないCPUや、ROM、RAM、不揮発性RAM等の記憶部を有するマスタ制御部11および電流部12等を有しており、例えば、車載ECUで構成される。CPUは、Central Processing Unitの略であり、ROMは、Read Only Memoryの略であり、RAMは、Random Access Memoryの略である。
[0019]
 そして、マスタ制御部11は、CPUがROM、または不揮発性RAMからプログラム(すなわち、後述の各ルーチン)を読み出して実行することで各種の制御作動を実現する。なお、ROM、または不揮発性RAM等の記憶部には、プログラムの実行の際に用いられる各種のデータ(例えば、初期値、ルックアップテーブル、マップ等)が予め格納されている。また、ROM等の記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。
[0020]
 本実施形態では、具体的には後述するが、マスタ制御部11は、第1~第4スレーブ装置21~24にIDを設定させるID設定処理を実行する。そして、本実施形態では、マスタ制御部11は、各スレーブ制御部34にID設定処理を実行させる際にID設定信号を送信するが、1つのスレーブ制御部34がIDを設定する毎にID設定信号を送信する。このため、マスタ制御部11の記憶部には、1つのIDを設定するのに必要な1つのID設定期間が記憶されている。
[0021]
 また、本実施形態では、マスタ制御部11は、第1~第4スレーブ装置21~24がID設定処理を行った後、所定の処理を行う。このため、マスタ制御部11の記憶部には、第1~第4スレーブ装置21~24の全てがIDを設定するのに必要な全てのID設定期間が記憶されている。
[0022]
 さらに、具体的には後述するが、マスタ制御部11は、第1~第4スレーブ装置21~24にIDを確認させるID確認処理を実行する。そして、本実施形態では、マスタ制御部11は、第1~第4スレーブ装置21~24がID確認処理を行った後、所定の処理を行う。このため、マスタ制御部11の記憶部には、第1~第4スレーブ装置21~24の全てがIDを確認するのに必要な全てのID確認期間が記憶されている。
[0023]
 電流部12は、第1~第4スレーブ装置21~24に電流を流すと共に、流れる電流を検出する機能を発揮する回路部等を有する構成とされている。なお、本実施形態では、電流部12が出力部に相当する。
[0024]
 第1~第4スレーブ装置21~24は、例えば、車両に搭載されるソナーである。そして、第1スレーブ装置21は、車両の前方に位置する障害物を検出できるように、車両のフロントバンパーに装着されている。第2スレーブ装置22は、車両の左側方に位置する障害物を検出できるように、左側のドアミラー近傍に備えられている。第3スレーブ装置23は、車両の後方に位置する障害物を検出できるように、車両のリアバンパーに装着されている。第4スレーブ装置24は、車両の右側方に位置する障害物を検出できるように、右側のドアミラー近傍に備えられる。そして、第1~第4スレーブ装置21~24は、上記のように、マスタ装置10に対してデイジーチェーン接続されている。
[0025]
 第1~第4スレーブ装置21~24は、同じ構成とされており、図2に示されるように、通信検出部31、電流検出部32、定電流回路33、スレーブ制御部34を備えている。なお、図2では特に図示していないが、第1~第4スレーブ装置21~24には、車両の周囲に位置する障害物を検出する検知部等も備えられている。
[0026]
 通信検出部31は、マスタ装置10から送信される各種コマンドを含む信号を受信する回路部であり、通信線30およびスレーブ制御部34と接続されている。そして、通信検出部31は、マスタ制御部11から受信した信号をスレーブ制御部34に出力する。
[0027]
 電流検出部32は、各スレーブ装置21~24内に流れる電流を検出する回路部であり、通信線30およびスレーブ制御部34と接続されている。そして、電流検出部32は、各スレーブ装置21~24内に流れる電流を検出する。なお、電流検出部32は、特に限定されるものではないが、例えば、シャント抵抗およびコンパレータ等を有する構成とされており、シャント抵抗に流れる電流を検出する。
[0028]
 定電流回路33は、スイッチング部に相当するものであり、通信線30とグランドとの間に配置され、スレーブ制御部34と接続されている。そして、スレーブ制御部34からの制御信号に応じてオン状態、オフ状態が切り替えられる。
[0029]
 また、定電流回路33は、オン状態である際、当該定電流回路33が備えられるスレーブ装置よりもマスタ装置10側の電流検出部32に電流が流れつつ、当該定電流回路33が備えられるスレーブ装置の電流検出部32に電流が流れないように配置されている。具体的には、本実施形態では、電流検出部32は、入力側の端子35aと出力側の端子35bとの間に配置されており、定電流回路33は、一端側が入力側の端子35aと電流検出部32との間に接続され、他端側がグランドと接続されている。
[0030]
 スレーブ制御部34は、図示しないCPUや、ROM、RAM、不揮発性RAM等の記憶部を備えた構成とされている。そして、スレーブ制御部34は、CPUがROM、または不揮発性RAMからプログラム(すなわち、後述の各ルーチン)を読み出して実行することで各種の制御作動を実現する。なお、ROM、または不揮発性RAM等の記憶部には、プログラムの実行の際に用いられる各種のデータ(例えば、初期値、ルックアップテーブル、マップ等)が予め格納されている。また、ROM等の記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。
[0031]
 本実施形態では、具体的には後述するが、スレーブ制御部34は、IDを設定するID設定処理を実行する。そして、スレーブ制御部34は、ID設定処理を実行する際、カウンタの値に基づいてIDを設定する。このため、スレーブ制御部34の記憶部には、カウンタの値とIDとの対応関係に関する情報が記憶されている。
[0032]
 また、具体的には後述するが、スレーブ制御部34は、当該スレーブ制御部34が備えられている第1~第4スレーブ装置21~24にIDを設定する処理を実行する。そして、本実施形態では、スレーブ制御部34は、第1~第4スレーブ装置21~24の全てにIDを設定する期間が経過するとID設定処理を終了する。このため、スレーブ制御部34の記憶部には、第1~第4スレーブ装置21~24の全てがIDを設定するのに必要な全てのID設定期間が記憶されている。
[0033]
 さらに、具体的には後述するが、スレーブ制御部34は、設定されているIDを確認するID確認処理を実行する。そして、スレーブ制御部34は、ID確認処理を実行する際、設定されているIDに基づく待機期間が経過した後に定電流回路33をオンする。このため、スレーブ制御部34の記憶部には、設定されているIDと待機期間に関する情報が記憶されている。
[0034]
 また、具体的には後述するが、スレーブ制御部34は、第1~第4スレーブ装置21~24の全てのID確認をする期間が経過すると、ID確認処理を終了する。このため、スレーブ制御部34の記憶部には、第1~第4スレーブ装置21~24の全てがIDを確認するのに必要な全てのID確認期間が記憶されている。
[0035]
 以上が本実施形態における通信システムの構成である。次に、上記通信システムにおけるID設定処理について、マスタ制御部11が実行する処理、およびスレーブ制御部34が実行する処理について説明する。なお、ID設定処理は、例えば、上記通信システムが車両に搭載された後、車両を出荷する前の工場やディーラ等で実行される。但し、これに限定されるものではなく、ID設定処理は、例えば、車両のイグニッションがオンされた後に行われるようにしてもよい。
[0036]
 まず、マスタ制御部11が実行するID設定処理について説明する。マスタ制御部11は、例えば、工場やディーラ等において、外部からID設定処理を実行すべく信号が入力されると以下の処理を行う。また、後述するように、ID確認処理にてエラーフラグがオンに設定されていると判定すると(すなわち、ステップS308:YES)、以下の処理を行う。
[0037]
 マスタ制御部11は、ステップS101にて、第1~第4スレーブ装置21~24のスレーブ制御部34にID設定処理を実行させるためのID設定信号を送信する。これにより、後述するように、スレーブ制御部34にてID設定処理が実行される。
[0038]
 次に、マスタ制御部11は、ステップS102にて、電流部12から第1~第4スレーブ装置21~24側に流れる電流が閾値より大きいか否かを判定する。つまり、本実施形態では、後述するように、スレーブ制御部34がID設定処理を実行する場合には、定電流回路33がオンされることで電流部12から対応するスレーブ装置へと電流が流れる。このため、マスタ制御部11は、ステップS102にて、電流が流れるか否かを判定することにより、スレーブ制御部34がID設定処理を実行しているか否かを判定する。なお、閾値は、極小電流程度の大きさとされており、マスタ装置10からの電流に対して十分に小さい値とされている。
[0039]
 マスタ制御部11は、電流が閾値より大きいと判定した場合には(すなわち、ステップS102:YES)、ステップS103にて1つのID設定期間が経過したか否かを判定する。つまり、マスタ制御部11は、スレーブ制御部34の1つがID設定処理を終了したか否かを判定する。
[0040]
 そして、マスタ制御部11は、1つのID設定期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS103:NO)、1つのID設定期間が経過するまで待機する。一方、マスタ制御部11は、ID設定期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS103:NO)、ステップS101以降の処理を再び実行する。
[0041]
 また、マスタ制御部11は、電流が閾値以下であると判定した場合には(すなわち、ステップS102:NO)、ステップS104にて、全てのID設定期間が経過したか否かを判定する。すなわち、マスタ制御部11で電流が閾値以下であると判定されるのは、後述するスレーブ制御部34の処理において、全てのスレーブ制御部34がID設定を行った場合か、または1つのスレーブ制御部34がID設定を終えて定電流回路33をオフした場合である。このため、マスタ制御部11は、ステップS104にて、全てのID設定期間が経過したか否かを判定することにより、電流が閾値以下となっている要因を特定する。
[0042]
 そして、マスタ制御部11は、全てのID設定期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS104:NO)、再びステップS102の処理を実行する。一方、マスタ制御部11は、ステップS104にて全てのID設定期間が経過したと判定した場合(すなわち、ステップS104:YES)、ステップS105にて第1~第4スレーブ装置21~24でID設定が完了したと判定する。そして、マスタ制御部11は、ステップS106にて、第1~第4スレーブ装置21~24のエラーフラグを検出する。なお、本実施形態では、後述するように、スレーブ制御部34は、ID設定が適切に行われなかった場合にエラーフラグをオンに設定する。
[0043]
 そして、マスタ制御部11は、ステップS107にてエラーフラグがオンに設定されているか否かを判定し、エラーフラグがオンに設定されていないと判定した場合には(すなわち、ステップS107:NO)、本処理を終了する。一方、マスタ制御部11は、ステップS107にてエラーフラグがオンに設定されていると判定した場合には(すなわち、ステップS107:YES)、ステップS108にて初期化信号を送信し、ステップS101以降の処理を再び実行する。すなわち、マスタ制御部11は、第1~第4スレーブ装置21~24に適切にIDが設定されるまで各スレーブ制御部34に繰り返しID設定処理を実行させるようにする。なお、スレーブ制御部34は、後述するように、初期化信号を受信すると、エラーフラグ等を消去する初期化処理を実行する。
[0044]
 以上が本実施形態におけるマスタ制御部11が実行するID設定処理である。次に、第1~第4スレーブ装置21~24の各スレーブ制御部34が実行するID設定処理について説明する。なお、第1~第4スレーブ装置21~24の各スレーブ制御部34は、それぞれ下記処理を実行する。
[0045]
 スレーブ制御部34は、ステップS201にて初期化信号を受信しているか否かを判定し、初期化信号を受信していると判定すると(すなわち、ステップS201:YES)、初期化を実行する。本実施形態では、後述する処理を実行して各スレーブ装置21~24にIDを設定するが、IDの設定が適切に実行されなかった場合にはエラーフラグがオンに設定される。そして、エラーフラグがオンに設定されている場合には、マスタ制御部11から初期化信号が送信されて再びIDの設定を実行する。このため、スレーブ制御部34は、初期化信号を受信すると、エラーフラグを消去したり、カウンタを0クリアする等の処理を実行する。
[0046]
 スレーブ制御部34は、初期化信号を受信していないと判定した場合(すなわち、ステップS201:NO)、または初期化を実行した後は、ステップS203にて、ID設定信号を受信したか否かを判定する。そして、スレーブ制御部34は、ステップS203にてID設定信号を受信していないと判定した場合には(すなわち、ステップS203:NO)、ステップS204にて全てのID設定期間が経過したか否かを判定する。スレーブ制御部34は、全てのID設定期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、S204:NO)、ステップS201以降の処理を実行する。一方、スレーブ制御部34は、全てのID設定期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS204:YES)、本処理を終了する。
[0047]
 スレーブ制御部34は、ID設定信号を受信したと判定した場合には(すなわち、ステップS203:YES)、ステップS205にて、カウンタの値をインクリメントする。次に、スレーブ制御部34は、ステップS206にて、IDを既に設定したか否かを判定する。そして、スレーブ制御部34は、IDをまだ設定していないと判定した場合には(すなわち、ステップS206:NO)、定電流回路33をオンする。
[0048]
 続いて、スレーブ制御部34は、ステップS208にて、電流検出部32に流れる電流を検出し、ステップS209にて、検出電流が第1閾値より大きいか否かを判定する。なお、第1閾値は、極小電流程度の大きさとされており、マスタ装置10からの電流に対して十分に小さい値とされている。つまり、スレーブ制御部34は、ステップS209では、マスタ装置10からの電流が電流検出部32に流れているか否かを判定する。なお、後述する第2~第4閾値は、第1閾値と同様に、極小電流程度の大きさとされており、マスタ装置10からの電流に対して十分に小さい値とされている。この場合、第1~第4閾値は、同じ値とされていてもよいし、異なる値とされていてもよい。
[0049]
 そして、スレーブ制御部34は、検出電流が第1閾値以下であると判定すると(すなわち、ステップS209:NO)、ステップS210にて所定期間が経過したか否かを判定する。スレーブ制御部34は、所定期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS210:NO)、ステップS209の処理を再び実行する。つまり、スレーブ制御部34は、ステップS209およびステップS210では、所定期間の間に検出電流が第1閾値より大きくなることがあるか否かを判定する。
[0050]
 スレーブ制御部34は、所定期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS210:YES)、ステップS211にて当該スレーブ制御部34が備えられているスレーブ装置のIDを設定する。本実施形態では、上記のように、記憶部にカウンタの値とIDとの対応関係に関する情報が記憶されているため、カウンタの値に基づいてID設定を行う。例えば、スレーブ制御部34は、カウンタの値が1であればIDとして「1」を設定し、カウンタの値が2であればIDとして「2」を設定する。
[0051]
 そして、スレーブ制御部34は、IDを設定した後、または検出電流が第1閾値より大きいと判定した場合には(すなわち、ステップS209:YES)、ステップS212にて定電流回路33をオフし、再びステップS201以降の処理を実行する。
[0052]
 また、スレーブ制御部34は、ステップS206にてIDを設定済みと判定した場合には(すなわち、ステップS206:YES)、ステップS213にて電流検出部32に流れる電流を検出する。そして、スレーブ制御部34は、ステップS214にて検出電流が第2閾値より大きいか否かを判定する。
[0053]
 そして、スレーブ制御部34は、検出電流が第2閾値より大きいと判定した場合には(すなわち、ステップS214:YES)、エラーフラグをオンに設定した後、ステップS201以降の処理を実行する。つまり、本実施形態では、上記のようにIDを設定するため、後述するように、正常にIDが設定される場合には、第4スレーブ装置24、第3スレーブ装置23、第2スレーブ装置22、第1スレーブ装置21の順にIDが設定される。そして、IDを設定したスレーブ装置の定電流回路33はオンされない。このため、IDを設定したスレーブ装置に電流が流れるのは、IDを設定する順番が入れ替わる等のIDを適切に設定できなかった場合である。したがって、スレーブ制御部34は、ステップS214で検出電流が第2閾値より大きいと判定した場合には、エラーフラグをオンに設定する。一方、スレーブ制御部34は、検出電流が第2閾値以下であると判定した場合には(すなわち、ステップS214:NO)、そのままステップS201以降の処理を実行する。
[0054]
 以上が本実施形態におけるスレーブ制御部34が実行するID設定処理である。次に、上記ID設定処理を行っている際の第1~第4スレーブ装置21~24に流れる電流等について、図5A~図5D、図6を参照しつつ説明する。なお、図5A~図5D、図6では、通信検出部31等を省略して示している。
[0055]
 本実施形態では、スレーブ制御部34が上記処理を実行するため、第1~第4スレーブ装置24に流れる電流は次のようになる。
[0056]
 まず、第1~第4スレーブ装置21~24の各スレーブ制御部34がID設定済みでない場合、全てのスレーブ装置21~24で定電流回路33がオンされる。この場合、図5Aに示されるように、マスタ装置10からの電流は、第1~第3スレーブ装置21~23の電流検出部32に流れると共に、第1~第4スレーブ装置21~24の定電流回路33に流れる。したがって、第4スレーブ装置24のスレーブ制御部34は、第4スレーブ装置24の電流検出部32に電流が流れないため、IDを設定する。この場合、第4スレーブ装置24のスレーブ制御部34は、例えば、カウンタの値が「1」となっているため、IDとして「1」を設定する。
[0057]
 また、第1~第3スレーブ装置21~23のスレーブ制御部34がID設定済みでなく、第4スレーブ装置24のスレーブ制御部34がID設定済みである場合、第1~第3スレーブ装置21~23で定電流回路33がオンされる。この場合、図5Bに示されるように、マスタ装置10からの電流は、第1、第2スレーブ装置21、22の電流検出部32に流れると共に、第1~第3スレーブ装置21~23の定電流回路33に流れる。したがって、第3スレーブ装置23のスレーブ制御部34は、第3スレーブ装置23の電流検出部32に電流が流れないため、IDを設定する。この場合、第3スレーブ装置23のスレーブ制御部34は、例えば、カウンタの値が「2」となっているため、IDとして「2」を設定する。
[0058]
 また、第1、第2スレーブ装置21、22のスレーブ制御部34がID設定済みでなく、第3、第4スレーブ装置23、24のスレーブ制御部34がID設定済みである場合、第1、第2スレーブ装置21、22で定電流回路33がオンされる。この場合、図5Cに示されるように、マスタ装置10からの電流は、第1スレーブ装置21の電流検出部32に流れると共に、第1、第2スレーブ装置21、22の定電流回路33に流れる。したがって、第2スレーブ装置22のスレーブ制御部34は、第2スレーブ装置24の電流検出部32に電流が流れないため、IDを設定する。この場合、第2スレーブ装置22のスレーブ制御部34は、例えば、カウンタの値が「3」となっているため、IDとして「3」を設定する。
[0059]
 また、第1スレーブ装置21のスレーブ制御部34がID設定済みでなく、第2~第4スレーブ装置22~24のスレーブ制御部34がID設定済みである場合、第1スレーブ装置21で定電流回路33がオンされる。この場合、図5Dに示されるように、マスタ装置10からの電流は、第1スレーブ装置21の定電流回路33に流れるのみであり、各電流検出部32に流れない。したがって、第1スレーブ装置21のスレーブ制御部34は、第1スレーブ装置21の電流検出部32に電流が流れないため、IDを設定する。この場合、第1スレーブ装置24のスレーブ制御部34は、例えば、カウンタの値が「4」となっているため、IDとして「4」を設定する。
[0060]
 つまり、本実施形態では、第1~第4スレーブ装置21~24は、第4スレーブ装置24、第3スレーブ装置23、第2スレーブ装置22、第1スレーブ装置21の順にID設定が行われる。そして、ID設定が実行されたスレーブ装置では、定電流回路33がオンされない。このため、本実施形態の通信システムでは、正常にIDが設定された場合、IDが設定されたスレーブ装置の電流検出部32に電流が流れない。
[0061]
 しかしながら、ノイズ等により、ID設定を入れ替わって実行してしまう場合がある。例えば、図6に示されるように、全ての定電流回路33がオンされていたとしても、ノイズにより、第4スレーブ装置24における電流検出部32に電流が流れると共に、第3スレーブ装置24における電流検出部32に電流が流れないという状態が発生し得る。この場合、第3スレーブ装置23のスレーブ制御部34がIDを設定し、第4スレーブ装置24のスレーブ制御部34がIDを設定しなくなる。つまり、例えば、第3スレーブ装置23にIDとして「1」が設定される場合がある。
[0062]
 そして、例えば、2回目のステップS201以降の処理を実行する場合、第3スレーブ装置23のスレーブ制御部34は、ステップS206にてID設定済みであると判定する。一方、第4スレーブ装置24のスレーブ制御部34は、ステップS206にてID設定済みでないと判定する。このため、第3スレーブ装置23では、ID設定を終了したにも関わらず、第4スレーブ装置24で定電流回路33がオンされるため、電流検出部32に電流が流れる。したがって、このような場合には、第3スレーブ装置23のスレーブ制御部34は、エラーフラグをオンに設定し、マスタ制御部11がIDの設定が適切に実行されなかったことを認識できるようにする。そして、エラーフラグがオンに設定されている場合には、マスタ制御部11は、初期化信号を送信して再びID設定信号を送信する。このため、本実施形態では、各スレーブ装置21~24にIDが入れ替わって設定されることを抑制できる。
[0063]
 続いて、上記通信システムにおけるID確認処理について、マスタ制御部11が実行する処理、およびスレーブ制御部34が実行する処理について説明する。すなわち、本実施形態では、上記のようにID設定を行うため、各スレーブ装置21~24にIDが入れ替わって設定されることを抑制できるが、設定されているIDがノイズ等によって入れ替わった値となる可能性がある。したがって、本実施形態では、以下のID確認処理を実行する。なお、マスタ制御部11は、所定のタイミングであると判定すると以下の処理を行う。
[0064]
 まず、本実施形態では、第1~第4スレーブ装置21~24には、上記のようにIDが設定される。このため、例えば、第4スレーブ装置24のIDが「1」とされ、第3スレーブ装置23のIDが「2」とされ、第2スレーブ装置22のIDが「3」とされ、第1スレーブ装置21のIDが「4」とされる。つまり、このような場合は、第1~第4スレーブ装置21~24のIDは、マスタ装置10側から順に小さくなる。このため、以下では、このようにIDが設定されていることをIDが降順に設定されているとも称する。
[0065]
 また、上記のようにIDが設定された後、第1~第4スレーブ装置21~24の配置場所等により、設定されているIDの順番を意図的に入れ替える場合もある。つまり、例えば、第4スレーブ装置24のIDが「4」とされ、第3スレーブ装置23のIDが「3」とされ、第2スレーブ装置22のIDが「2」とされ、第1スレーブ装置21のIDが「1」とされる場合もある。このような場合は、第1~第4スレーブ装置21~24のIDは、マスタ装置10側から順に大きくなる。このため、以下では、このようにIDが設定されていることをIDが昇順に設定されているとも称する。
[0066]
 そして、マスタ制御部11における記憶部には、第1~第4スレーブ装置21~24のIDが降順に設定されているのか、昇順に設定されているのかが記憶される。
[0067]
 まず、マスタ制御部11が実行するID確認処理について、図7を参照しつつ説明する。
[0068]
 マスタ制御部11は、ID確認処理を実行するタイミングであると判定した場合には、ステップS301にて、ID確認信号を第1~第4スレーブ装置21~24に送信する。これにより、後述するように、スレーブ制御部34にてID確認処理が実行される。
[0069]
 なお、マスタ制御部11は、例えば、車両のイグニッションがオンされた後から所定期間経過後にID確認処理を実行するタイミングであると判定する。この場合、マスタ制御部11は、所定期間経過毎にID確認処理を実行するタイミングであると判定するように構成されていてもよい。また、マスタ制御部11は、例えば、乗員がID確認処理を実行すべき操作を行った際、ID確認処理を実行するタイミングであると判定する。さらに、マスタ制御部11は、例えば、第1~第4スレーブ装置21~24における図示しない検知部で障害物を検出する必要性が低い駐車時や高速走行時等にID確認処理を実行するタイミングであると判定する。
[0070]
 そして、マスタ制御部11は、ステップS302にて、第1~第4スレーブ装置21~24のIDが降順に設定されているか否かを判定する。マスタ制御部11は、設定されているIDが降順であると判定した場合には(すなわち、ステップS302:YES)、ステップS303にて降順信号を送信する。一方、マスタ制御部11は、設定されているIDが降順でないと判定した場合(すなわち、ステップS302:NO)、つまり設定されているIDが昇順であると判定した場合には、ステップS304にて昇順信号を送信する。
[0071]
 そして、マスタ制御部11は、降順信号を送信した後、または昇順信号を送信した後は、ステップS305にて、全てのID確認期間が経過したか否かを判定する。マスタ制御部11は、全てのID確認期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS305:NO)、全てのID確認期間が経過するまで待機する。一方、マスタ制御部11は、全てのID確認期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS305:YES)、ステップS306にて第1~第4スレーブ装置21~24のID確認が完了したと判定する。そして、マスタ制御部11は、ステップS307にて、第1~第4スレーブ装置21~24のエラーフラグを検出する。なお、本実施形態では、後述するように、スレーブ制御部34は、IDの入れ替わりが発生している場合にエラーフラグをオンに設定する。
[0072]
 そして、スレーブ制御部34は、ステップS308にてエラーフラグがオンに設定されているか否かを判定し、エラーフラグがオンに設定されていないと判定した場合には(すなわち、ステップS308:NO)、本処理を終了する。一方、スレーブ制御部34は、ステップS308にてエラーフラグがオンに設定されているとは判定した場合には(すなわち、ステップS308:YES)、ステップS309にて初期化信号を送信し、ステップS101の処理を実行する。つまり、マスタ制御部11は、第1~第4スレーブ装置21~24のいずれかでエラーフラグがオンに設定されている場合には、スレーブ制御部34に再びID設定を実行させるようにする。
[0073]
 以上が本実施形態におけるマスタ制御部11が実行するID確認処理である。次に、第1~第4スレーブ装置21~24の各スレーブ制御部34が実行するID確認処理について説明する。なお、第1~第4スレーブ装置21~24の各スレーブ制御部34は、それぞれ下記処理を実行する。
[0074]
 スレーブ制御部34は、まず、ステップS401にて、ID確認信号を受信したか否かを判定する。そして、スレーブ制御部34は、ID確認信号を受信していないと判定した場合には(すなわち、ステップS401:NO)、ID確認信号を受信するまで待機する。一方、スレーブ制御部34は、ID確認信号を受信した場合には(すなわち、ステップS401:YES)、ステップS402にて降順信号を受信したか否かを判定する。
[0075]
 そして、スレーブ制御部34は、降順信号を受信したと判定した場合には(すなわち、S402:YES)、ステップS403にて降順状態に応じたID確認処理を実行し、本処理を終了する。これに対し、スレーブ制御部34は、降順信号を受信していないと判定した場合には(すなわち、S402:NO)、昇順信号を受信するため、ステップS404にて昇順状態に応じたID確認処理を実行し、本処理を終了する。
[0076]
 次に、スレーブ制御部34がステップS403にて実行する降順状態に応じたID確認処理について、図9を参照しつつ説明する。
[0077]
 スレーブ制御部34は、ステップS501にて、当該スレーブ制御部34が備えられているスレーブ装置のIDに応じた待機期間が経過したか否かを判定する。なお、本実施形態では、待機期間は、IDが大きくなるにつれて長くなるように設定されている。このため、第1~第4スレーブ装置21~24に対して降順にIDが設定されている場合、待機期間は、第4スレーブ装置24、第3スレーブ装置23、第2スレーブ装置22、第1スレーブ装置21の順に長くなる。
[0078]
 そして、スレーブ制御部34は、待機期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS501:NO)、待機期間が経過するまで待機する。このため、第1~第4スレーブ装置21~24に降順にIDが設定されている場合、第4スレーブ装置24、第3スレーブ装置23、第2スレーブ装置22、第1スレーブ装置21に備えられたスレーブ制御部34の順に、ステップS501で待機期間が経過したと判定する。
[0079]
 そして、スレーブ制御部34は、待機期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS501:YES)、ステップS502にて定電流回路33をオンにし、ステップS503にて、所定期間が経過したか否かを判定する。スレーブ制御部34は、所定期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS503:NO)、待機し、所定期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS503:YES)、ステップS504にて定電流回路33をオフする。
[0080]
 次に、スレーブ制御部34は、ステップS505にて電流検出部32に流れる電流を検出し、ステップS506にて検出電流が第3閾値より大きいか否かを判定する。そして、スレーブ制御部34は、検出電流が第3閾値より大きいと判定した場合(すなわち、ステップS506:YES)、エラーフラグをオンに設定する。
[0081]
 一方、スレーブ制御部34は、検出電流が第3閾値以下であると判定した場合(すなわち、ステップS506:NO)、またはエラーフラグをオンに設定した後は、ステップS508にて全てのID確認期間が経過したか否かを判定する。スレーブ制御部34は、全てのID確認期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS508:NO)、ステップS505以降の処理を再び実行する。一方、スレーブ制御部34は、全てのID確認期間が経過したと判定した場合には、本処理を終了する。
[0082]
 以上が各スレーブ制御部34が実行する降順状態でのID確認処理である。要約すると、第1~第4スレーブ装置21~24に対して降順にIDが設定されている場合、第4スレーブ装置24、第3スレーブ装置23、第2スレーブ装置22、第1スレーブ装置21のスレーブ制御部34の順にステップS501で待機期間が経過したと判定する。そして、この順に待機期間が経過した場合には、正常にIDが設定されていれば、待機期間が経過したスレーブ装置の電流検出部32に電流が流れない。このため、スレーブ制御部34は、当該スレーブ制御部34の待機期間が経過した後に電流検出部32に電流が流れた場合には、エラーフラグをオンに設定する。
[0083]
 例えば、図10に示されるように、第1スレーブ装置21にIDとして「4」が設定され、第2スレーブ装置22にIDとして「3」が設定されているとする。また、第3スレーブ装置23にIDとして「1」が設定され、第4スレーブ装置24にIDとして「2」が設定されているとする。
[0084]
 この場合、第3スレーブ装置23の待機期間が経過した後に第4スレーブ装置24の待機期間が経過することになり、第3スレーブ装置23には、待機時間が経過した後に電流検出部32に電流が流れる。このため、このような場合には、第3スレーブ装置24のスレーブ制御部34は、エラーフラグをオンに設定する。これにより、マスタ制御部11は、ステップS308にてエラーフラグがあると判定し、再びスレーブ制御部34にID設定を実行させる処理を行う。したがって、マスタ制御部11は、誤ったIDを基に各種制御を実行してしまうことが抑制される。
[0085]
 次に、スレーブ制御部34がステップS404にて実行する昇順状態に応じたID確認処理について、図11を参照しつつ説明する。
[0086]
 スレーブ制御部34は、ステップS601にて、当該スレーブ制御部34が備えられているスレーブ装置のIDに応じた待機期間が経過したか否かを判定する。なお、第1~第4スレーブ装置21~24に対して昇順にIDが設定されている場合、第1スレーブ装置21、第2スレーブ装置22、第3スレーブ装置23、第4スレーブ装置24に備えられたスレーブ制御部34の順に、ステップS601で待機期間が経過したと判定する。
[0087]
 そして、スレーブ制御部34は、待機期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS601:YES)、ステップS602にて定電流回路33をオンにし、ステップS603にて、所定期間が経過したか否かを判定する。スレーブ制御部34は、所定期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS603:NO)、待機し、所定期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS603:YES)、ステップS604にて定電流回路33をオフする。
[0088]
 次に、スレーブ制御部34は、ステップS605にて全てのID確認期間が経過したか否かを判定する。そして、スレーブ制御部34は、全てのID確認期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS605:NO)、待機する。一方、スレーブ制御部34は、全てのID確認期間が経過したと判定した場合には(すなわち、ステップS605:YES)、本処理を終了する。
[0089]
 また、スレーブ制御部34は、ステップS601にて待機期間が経過していないと判定した場合には(すなわち、ステップS601:NO)、ステップS606にて電流検出部32に流れる電流を検出する。そして、スレーブ制御部34は、ステップS607にて検出電流が第4閾値より大きいか否かを判定する。
[0090]
 スレーブ制御部34は、検出電流が第4閾値より大きいと判定した場合(すなわち、ステップS607:YES)、ステップS608にてエラーフラグをオンに設定する。そして、スレーブ制御部34は、検出電流が第4閾値以下であると判定した場合(すなわち、ステップS607:NO)、またはエラーフラグをオンに設定した後は、ステップS601以降処理を再び行う。
[0091]
 以上が各スレーブ制御部34が実行する昇順状態でのID確認処理である。要約すると、第1~第4スレーブ装置21~24に対して昇順にIDが設定されている場合、第1スレーブ装置21、第2スレーブ装置22、第3スレーブ装置23、第4スレーブ装置24の順にステップS601で待機期間が経過したと判定する。この場合、正常にIDが設定されていれば、待機期間が経過する前のスレーブ装置の電流検出部32に電流が流れない。このため、スレーブ制御部34は、当該スレーブ制御部34の待機期間が経過する前に電流検出部32に電流が流れた場合には、エラーフラグをオンに設定する。
[0092]
 例えば、図12に示されるように、第1スレーブ装置21にIDとして「1」が設定され、第2スレーブ装置22にIDとして「2」が設定されているとする。また、第3スレーブ装置23にIDとして「4」が設定され、第4スレーブ装置24にIDとして「3」が設定されているとする。
[0093]
 この場合、第3スレーブ装置23よりも第4スレーブ装置24の待機期間が先に経過し、第3スレーブ装置23では、第3スレーブ装置23の待機期間が経過する前に電流検出部32に電流が流れる。このため、このような場合には、第3スレーブ装置23のスレーブ制御部34は、エラーフラグをオンに設定する。これにより、マスタ制御部11は、ステップS308にてエラーフラグがあると判定し、再びスレーブ制御部34にID設定を実行させる処理を行う。したがって、マスタ制御部11は、誤ったIDを基に各種制御を実行してしまうことを抑制できる。
[0094]
 以上説明したように、本実施形態では、第1~第4スレーブ装置21~24にIDを設定する際には、まだIDが設定されていないスレーブ装置の定電流回路33をオンにし、電流検出部32に電流が流れないスレーブ装置にIDを設定している。そして、IDを設定したスレーブ装置の電流検出部32に電流が流れた場合、再度IDを設定するようにしている。これにより、第1~第4スレーブ装置21~24にIDが入れ替わって設定されることを抑制できる。
[0095]
 また、本実施形態では、第1~第4スレーブ装置21~24に設定されているIDを確認する際には、設定されているIDの待機期間に応じ、電流検出部32に電流が流れるか否かによってIDの入れ替わりが発生しているか否かを判定している。このため、IDの入れ替わりを高精度に判定できる。また、このようにIDを確認することにより、上記IDを設定する際の構成要素をそのまま用いることができるため、システムが複雑化することも抑制できる。
[0096]
 また、IDの入れ替わりが発生していると判定した場合には、再び第1~第4スレーブ装置21~24にIDを設定するようにしている。このため、マスタ制御部11が誤ったIDを基に各種制御を実行してしまうことを抑制できる。
[0097]
 さらに、本実施形態では、スレーブ制御部34は、ID設定処理では全てのID設定処理期間が経過するとそのままID設定処理を終了する。また、スレーブ制御部34は、ID確認処理では、全てのID確認期間が経過するとそのままID確認処理を終了する。つまり、マスタ制御部11からの終了信号等を受信せずにそのまま処理を終了する。このため、スレーブ制御部34は、例えば、マスタ制御部11からの終了信号を受信してから処理を終了する場合と比較して、通信エラー等によって処理を終了しないことを抑制できる。
[0098]
 (他の実施形態)
 本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
[0099]
 例えば、上記第1実施形態では、スレーブ制御部34は、電流に基づいてID設定、およびID確認を行う例について説明した。しかしながら、第1~第4スレーブ装置21~24に電圧検出部を備え、スレーブ制御部34は、電圧に基づいてID設定、およびID確認を行うようにしてもよい。
[0100]
 また、上記第1実施形態において、第1~第4スレーブ装置21~24は、図13示されるように構成されていてもよい。すなわち、第1~第4スレーブ装置21~24は、第1通信線30aおよび第2通信線30bと接続される構成とし、スイッチング部としてのスイッチング素子36により、第1通信線30aと第2通信線30bとが接続されるようにしてもよい。このようなスレーブ装置では、スイッチング素子36がオンされることにより、図中の矢印で示されるように、第1通信線30aからの電流がスイッチング素子36を介して第2通信線30bに流れる。つまり、例えば、第1~第4スレーブ装置21~24のスイッチング素子がオンされた場合には、第1~第3スレーブ装置21~23の電流検出部32に電流が流れる。このため、上記第1実施形態と同様の処理を行うことができる。
[0101]
 さらに、上記第1実施形態において、ID設定処理では、マスタ制御部11は、全てのID設定期間が経過したと判定した場合、終了信号を送信するようにしてもよい。そして、各スレーブ制御部34は、終了信号を受信した際にID設定処理を終了するようにしてもよい。同様に、ID確認処理では、マスタ制御部11は、全てのID確認期間が経過したと判定した場合、終了信号を送信するようにしてもよい。そして、各スレーブ制御部34は、終了信号を受信した際にID確認処理を終了するようにしてもよい。
[0102]
 また、上記第1実施形態において、ID設定処理では、ID確認処理と同様に、マスタ制御部11がID設定信号を1回送信することにより、全てのスレーブ制御部34が順にIDを設定するようにしてもよい。同様に、ID確認処理では、ID設定処理と同様に、マスタ制御部11がID確認信号を1回送信することにより、1つのスレーブ制御部34がID確認を処理するようにしてもよい。
[0103]
 さらに、上記第1実施形態では、通信システムを車両に適用される例について説明したが、通信システムは、車両以外に適用されるようにしてもよい。
[0104]
 また、本開示に記載の制御部11、34及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部11、34及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部11、34及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 マスタ装置(10)と複数のスレーブ装置(21~24)とが接続された通信システムであって、
 前記マスタ装置と、
 前記マスタ装置に対してデイジーチェーン接続されている前記複数のスレーブ装置と、を備え、
 前記マスタ装置は、前記複数のスレーブ装置に識別情報を設定させるマスタ制御部(11)と、前記複数のスレーブ装置に電流または電圧を印加する出力部(12)と、を有し、
 前記複数のスレーブ装置は、
 前記電流または前記電圧を検出する検出部(32)と、
 オン状態である際に、該スレーブ装置よりも前記マスタ装置側に位置する前記スレーブ装置の前記検出部に前記マスタ装置からの前記電流または前記電圧が印加されるようにしつつ、該スレーブ装置の前記検出部に前記マスタ装置からの前記電流または前記電圧が印加されないようにし、オフ状態である際に、該スレーブ装置よりも前記マスタ装置側に位置する前記スレーブ装置の前記検出部、および該スレーブ装置の前記検出部に前記マスタ装置からの前記電流または前記電圧が印加されないようにするスイッチング部(33、36)と、
 前記マスタ装置からの設定信号に基づき、前記検出部の検出結果に基づいて該スレーブ装置の識別情報を設定する識別情報設定処理を実行するスレーブ制御部(34)と、をそれぞれ有し、
 前記スレーブ制御部は、前記識別情報設定処理において、前記識別情報を設定する前では、前記スイッチング部をオンにすると共に、前記検出部の検出結果が閾値以下である場合に前記識別情報を設定し、前記識別情報を設定した後では、前記スイッチング部をオフにすると共に、前記検出部の検出結果が閾値より大きい場合、前記識別情報の設定が異常であると判定する通信システム。
[請求項2]
 前記スレーブ制御部は、前記識別情報設定処理では、複数の前記スレーブ制御部の前記識別情報を設定する全ての期間が経過すると、前記識別情報設定処理を終了する請求項1に記載の通信システム。
[請求項3]
 マスタ装置(10)と複数のスレーブ装置(21~24)とが接続された通信システムであって、
 前記マスタ装置と、
 前記マスタ装置に対してデイジーチェーン接続されている前記複数のスレーブ装置と、を備え、
 前記マスタ装置は、前記複数のスレーブ装置に設定されている識別情報を確認させるマスタ制御部(11)と、前記複数のスレーブ装置に電流または電圧を印加する出力部(12)と、を有し、
 前記複数のスレーブ装置は、
 前記電流または前記電圧を検出する検出部(32)と、
 オン状態である際に、該スレーブ装置よりも前記マスタ装置側に位置する前記スレーブ装置の前記検出部に前記マスタ装置からの前記電流または前記電圧が印加されるようにしつつ、該スレーブ装置の前記検出部に前記マスタ装置からの前記電流または前記電圧が印加されないようにし、オフ状態である際に、該スレーブ装置よりも前記マスタ装置側に位置する前記スレーブ装置の前記検出部、および該スレーブ装置の前記検出部に前記マスタ装置からの前記電流または前記電圧が印加されないようにするスイッチング部(33、36)と、
 前記マスタ装置からの確認信号に基づき、前記検出部の検出結果に基づいて該スレーブ装置に設定されている識別情報を確認する識別情報確認処理を実行するスレーブ制御部(34)と、をそれぞれ有し、
 前記スレーブ制御部は、前記識別情報確認処理において、設定されている前記識別情報に応じた待機期間、および前記検出部の検出結果に基づき、設定されている前記識別情報に入れ替わりが発生しているか否かを判定する通信システム。
[請求項4]
 前記スレーブ制御部は、前記識別情報確認処理では、複数の前記スレーブ制御部の前記識別情報を確認する全ての期間が経過すると、前記識別情報確認処理を終了する請求項3に記載の通信システム。
[請求項5]
 前記スレーブ制御部は、前記複数のスレーブ装置に前記マスタ装置側と反対側から前記マスタ装置側に向かって前記待機期間が長くなる前記識別情報が順に設定されている場合、前記待機期間が経過した後に前記スイッチング部をオン状態にしてオフ状態にし、その後に前記検出部の検出結果が閾値より大きいと判定すると、設定されている前記識別情報が異常であると判定する請求項3または4に記載の通信システム。
[請求項6]
 前記スレーブ制御部は、前記複数のスレーブ装置に前記マスタ装置側から前記マスタ装置と反対側に向かって前記待機期間が長くなる前記識別情報が順に設定されている場合、前記待機期間が経過した後に前記スイッチング部をオン状態にしてオフ状態にし、前記待機期間が経過する前では、前記スイッチング部をオフ状態にした状態で前記検出部の検出結果が閾値より大きいと判定すると、設定されている前記識別情報が異常であると判定する請求項3または4に記載の通信システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]

[ 図 5D]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]