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1. WO2020129503 - 加硫成形用金型および同金型により製造された空気入りタイヤ

Document

明 細 書

発明の名称 加硫成形用金型および同金型により製造された空気入りタイヤ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004   0005   0006   0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

符号の説明

0066  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 加硫成形用金型および同金型により製造された空気入りタイヤ

技術分野

[0001]
 本発明は、タイヤトレッドに幅方向溝を形成する加硫成形用金型および同金型により製造された空気入りタイヤに関する。

背景技術

[0002]
 タイヤトレッドにタイヤ幅方向に延設されるサイプ等の幅方向溝は、エッヂ効果を期待できるとともに排水性に寄与するものである。
 しかし、走行によりトレッド表面の摩耗が進んだ場合、トレッド部の剛性が増し、エッヂ効果が低下したり、溝深さが浅くなるにつれて排水性が劣ってウェット性能が低下することがある。
[0003]
 そこで、タイヤトレッドの幅方向溝の底部の幅を拡大することで、トレッド表面の摩耗が進んだ場合でも、エッヂ効果およびウェット性能を維持することができるようにした例(例えば、特許文献1参照)がある。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2013-129327号公報
特許文献2 : 特開2006-334872号公報
[0005]
 特許文献1に開示された空気入りタイヤは、タイヤトレッドの主溝と横溝により区画されたブロックにタイヤ幅方向に複数のサイプが延設されている。
 サイプの中には、底部に拡大部を有する底部拡大サイプが含まれており、底部拡大サイプは、タイヤトレッドの外周面に周方向に偏ることなく略均等に設けられている。
[0006]
 通常、空気入りタイヤのトレッド部は、加硫成形用金型の環状金型により加硫成形される。
 環状金型は、周方向に複数のセクターモールドに分割され、各セクターモールドが中心方向に移動して合体することで、内側の生タイヤを型締めし加硫成形する(例えば、特許文献2参照)。
[0007]
 セクターモールドの型面には、サイプ等を形成するタイヤ幅方向に延びる薄板状部材であるブレードが植設されている。
 サイプは、トレッド外周面に対して垂直に、すなわちタイヤ中心軸に向かって切り込まれるように形成されるので、セクターモールドの型面に設けられるブレードは、型面に対して垂直に、すなわち環状に合体したときに中心軸に向かって突出するように植設されている。
 底部拡大サイプを形成するブレードは、先端側に板厚方向に拡大した先端側厚肉部を有する。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 各セクターモールドは中心方向に移動して環状に合体して加硫成形するので、加硫成形した後に、型開きするときは、各セクターモールドは中心から離れる放射方向に移動する。
[0009]
 したがって、セクターモールドの型面に垂直に突出されたブレードの突出方向は、セクターモールドの周方向中央部側領域では、型開き時のタイヤトレッドから引き抜かれる方向(セクターモールドの中心から離れる放射方向)と略平行であり、先端側厚肉部を有するブレードであっても先端側厚肉部が突出方向と略平行に抜けるので、抵抗が小さく型抜きし易い。
[0010]
 しかし、セクターモールドの周方向端部側領域のブレードは、その突出方向が型開き時のタイヤトレッドから引き抜かれる方向に対して平行でなく、ある程度角度を有するので、先端側厚肉部を有するブレードは、先端側厚肉部が突出方向と角度を有する方向に引き抜かれようとするため、比較的大きい抵抗があり型抜きが容易でなく、場合によってはブロックの一部が欠損したり、ブレードが破損するなどの不具合が生じ易い。
[0011]
 本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、先端側厚肉部を有するブレードを備えた金型であり、不具合を生じることなく型抜きが円滑に行われる加硫成形用金型および該加硫成形用金型を用いて製造した空気入りタイヤを供する点にある。

課題を解決するための手段

[0012]
 上記目的を達成するために、本第1の発明は、
 空気入りタイヤのタイヤトレッドを形成する環状金型が、周方向に複数のセクターモールドに分割され、各セクターモールドが中心方向に移動して合体することで内側の生タイヤを型締めし加硫成形する加硫成形用金型であって、
 前記セクターモールドには、型面にタイヤ幅方向に延びる薄板状部材であってタイヤトレッドに溝条を形成するブレードが植設され、
 前記ブレードが、前記セクターモールドに埋め込まれるブレード基端部と、先端側の板厚方向に拡大したブレード先端側厚肉部と、前記ブレード基端部と前記ブレード先端側厚肉部とを連結するブレード連結部とからなる加硫成形用金型において、
 前記ブレードの前記セクターモールドから突出する前記ブレード連結部の突出辺の全長は、前記セクターモールドの周方向中央部側領域の前記ブレードより周方向端部側領域の前記ブレードの方が、短いことを特徴とする加硫成形用金型を提供する。
[0013]
 ブレードのセクターモールドから突出するブレード連結部の突出辺(型面から突出する辺)の全長は、型抜きの難易度を示し、ブレード連結部の突出辺の全長が短いほど型抜き時の抵抗が小さく型抜きが容易である。
 上記構成によれば、セクターモールドの周方向中央部側領域のブレードより型抜きが容易でない周方向端部側領域のブレードのブレード連結部の突出辺の全長を、周方向中央部側領域のブレードのブレード連結部の突出辺の全長より短くすることで、加硫成形用金型の型開き時にセクターモールド全体の型抜けを、不具合を生じさせることなく円滑に行うことができる。
[0014]
 本発明の好適な実施形態では、
 前記ブレードのタイヤ幅方向に垂直な断面形状で、前記ブレード先端側厚肉部の厚みの最大幅の幅で前記ブレード先端側厚肉部から型面までの面積から前記ブレード連結部の断面積を減算した掃き面積を、前記ブレード連結部の突出辺の全長に乗算した乗算値は、前記セクターモールドの周方向中央部側領域の前記ブレードより周方両端部側領域の前記ブレードの方が、小さい加硫成形用金型である。
[0015]
 ブレードのタイヤ幅方向に垂直な断面形状で、ブレード先端側厚肉部の厚みの最大幅の幅でブレード先端側厚肉部から型面までの面積からブレード連結部の断面積を減算した掃き面積は、型抜きの難易度を示し、掃き面積が小さいほど型抜きが容易である。
 よって、この掃き面積をブレード連結部の突出辺の全長に乗算した乗算値は、型抜きの難易度を示し、該乗算値が小さいほど型抜きが容易である。
[0016]
 上記構成によれば、セクターモールドの中央部側領域のブレードより型抜きが容易でない周方向端部側領域の掃き面積とブレード連結部の突出辺の全長の乗算値を、中央部側領域の掃き面積とブレード連結部の突出辺の全長の乗算値より小さくすることで、加硫成形用金型の型開き時にセクターモールド全体の型抜けを、不具合を生じさせることなく円滑に行うことができる。
[0017]
 本第2の発明は、前記加硫成形用金型を用いて製造した空気入りタイヤである。
[0018]
 この構成によれば、加硫成形用金型を用いて製造した空気入りタイヤは、型開き時の型抜けを円滑にし、ブロックの一部の欠損などの型抜け不良を生じさせることがなく、生産効率を上げることができる。

発明の効果

[0019]
 本発明は、セクターモールドの周方向中央部側領域のブレードより型抜きが容易でない周方向端部側領域のブレードのブレード連結部の突出辺の全長を、周方向中央部側領域のブレードのブレード連結部の突出辺の全長より短くすることで、加硫成形用金型の型開き時にセクターモールド全体の型抜けを、不具合を生じさせることなく円滑に行うことができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 本発明の一実施の形態に係る加硫成形用金型の全体概略図である。
[図2] 同加硫成形用金型の1セクターの斜視図である。
[図3] セクターモールドにより成形されるタイヤトレッドのトレッド面の展開図である。
[図4] 同加硫成形用金型のセクターモールドのタイヤ幅方向に垂直な断面図である。
[図5] 周方向中央部側領域Cのブレードの拡大断面図である。
[図6] 周方向端部側領域Eのブレードの拡大断面図である。
[図7] 別の実施の形態に係る加硫成形用金型のセクターモールドのタイヤ幅方向に垂直な断面図である。
[図8] 周方向中央部側領域Cのブレードの拡大断面図である。
[図9] 周方向端部側領域Eのブレードの拡大断面図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図6に基づいて説明する。
 本実施の形態に係るタイヤの加硫成形用金型1は、図1に示すように周方向に複数のセクターに分割され(本実施の形態では9分割)、各セクターのホルダー2が内周側にタイヤのトレッド部を成形するセクターモールド3を保持している。
[0022]
 ホルダー2に保持されるセクターモールド3自体が、複数の分割モールド4を組み合わせて構成される割りモールド式金型であり、各ホルダー2が周方向に分割された複数の分割モールド4を保持してセクターモールド3を構成する。
[0023]
 各ホルダー2は、径方向に摺動可能で、全ホルダー2が遠心方向に一斉に摺動することで、加硫成形用金型1は大径同心円に開き、内側中心に生タイヤをセットすることができる。
[0024]
 そして、全ホルダー2が中心方向に一斉に摺動することで、生タイヤを内側に納めて、図1に示すように、タイヤ加硫金型1は閉じて円環状の金型が構成され、内側の生タイヤの加硫成形がなされる。
[0025]
 図2は、1セクターのホルダー2とこれに保持される複数の分割モールド4の斜視図である。
 分割モールド4の型面4fにはタイヤ周方向に延びる周方向突条5が突出されていて、分割モールド4が組み合されたセクターモールド3には周方向溝を形成する連続した周方向突条5がタイヤ幅方向に5本平行に形成されている。
[0026]
 そして、セクターモールド3の型面4fには、隣合う周方向突条5,5間に薄板状部材であるブレード6,7がタイヤ幅方向に若干傾いて延びて植設されている。
 複数のブレード6,7は、タイヤ周方向に略均等に互いに平行に配列されている。
[0027]
 図3は、製造された空気入りタイヤ20のセクターモールド3により成形されるタイヤトレッド21のトレッド面の展開図である。
 タイヤ周方向にタイヤ周方向溝25が、セクターモールド3の周方向突条5によりタイヤ幅方向に5本配列されて形成される。
[0028]
 隣合うタイヤ周方向溝25,25間の陸部には、タイヤ周方向溝25,25を連通するように幅方向溝であるサイプ26,27が、セクターモールド3のブレード6,7により形成される。
[0029]
 図4は、セクターモールド3のタイヤ幅方向に垂直な断面図である。
 同図4を参照して、周方向中央部側領域Cのブレード6と周方向端部側領域Eのブレード7は、型面4fから垂直に突出しているが、互いに形状が異なる。
 なお、周方向中央部側領域Cは、セクターモールド3の周方向全領域幅の50%程度の領域幅を有し、該周方向中央部側領域Cの両側が周方向端部側領域Eである。
[0030]
 型開きするときは、セクターモールド3は中心から離れる放射方向Rに移動する。
 すなわち、放射方向Rは、型開き時にブレード6,7がタイヤトレッド21から引き抜かれる方向である。
[0031]
 周方向中央部側領域Cの型面4fに垂直に突出されたブレード6は、その突出方向が型開き時のタイヤトレッドから引き抜かれる方向Rと略平行であり、ブレード先端側厚肉部6cを有するブレード6であってもブレード先端側厚肉部6cが突出方向と平行に抜けるので、抵抗が小さく型抜きし易い。
[0032]
 しかし、セクターモールド3の周方向端部側領域Eのブレード7は、その突出方向が型開き時のタイヤトレッドから引き抜かれる方向Rに対して平行でなく、ある程度角度を有するので、ブレード先端側厚肉部7cを有するブレード7は、ブレード先端側厚肉部7cが突出方向と角度を有する方向Rに引き抜かれようとするので、比較的大きい抵抗があり、周方向中央部側領域Cのブレード6に比べて型抜きが容易でない。
[0033]
 そこで、周方向中央部側領域Cのブレード6と周方向端部側領域Eのブレード7は、互いに形状を異にしている。
 周方向中央部側領域Cのブレード6の拡大断面図を図5に示す。
 ブレード6は、セクターモールド3に埋め込まれるブレード基端部6aと、先端側の板厚方向に拡大したブレード先端側厚肉部6cと、ブレード基端部6aとブレード先端側厚肉部6cとを連結するブレード連結部6bとからなる。
[0034]
 ブレード基端部6aとブレード連結部6bは、一定の板厚の薄板状をなし、ブレード基端部6aは断面が直線状をなしているが、ブレード連結部6bは断面がジグザグ状に屈曲している。
[0035]
 ブレード連結部6bの図5に示す断面形状は、セクターモールド3から突出するブレード連結部6bの突出辺6bsと同じ形状であるので、図5に示されるブレード連結部6bの断面に突出辺の符号6bsを付しておく。
 以下、ブレードの断面図には、ブレード連結部の断面に突出辺の符号を付す。
[0036]
 ブレード連結部6bの断面のジグザグ状に屈曲した長さ(薄板状のブレード連結部6bの型面4fから突出する突出辺6bsの長さの総和、図5に示される破線の長さ)が、ブレード連結部6bの突出辺6bsの全長Lcである。
 このブレード連結部6bの突出辺6bsの全長Lcは、屈曲している分、型面4fからの突出距離より長い。
[0037]
 ブレード連結部6bの突出辺6bsの全長Lcは、タイヤトレッド21に埋設され、型開き時にブレード連結部6bを抜き取るときに抵抗となる長さであり、型抜きの難易度を示し、ブレード連結部6bの突出辺6bsの全長Lcが短いほど型抜きが容易である。
[0038]
 ブレード先端側厚肉部6cは、図5に示す断面形状が円形をしており、その円形の直径はブレード先端側厚肉部6cの板厚方向に拡大した厚みWcである。
 図5に示す断面図で、ブレード先端側厚肉部6cの厚みの最大幅Wcの幅でブレード先端側厚肉部6cから型面4fまでの面積からブレード連結部6bの断面積を減算した掃き面積(図5で散点模様を施した部分の面積)をScとする。
[0039]
 周方向端部側領域Eのブレード7の拡大断面図を図6に示す。
 ブレード7は、セクターモールド3に埋め込まれるブレード基端部7aと、先端側の板厚方向に拡大したブレード先端側厚肉部7cと、ブレード基端部7aとブレード先端側厚肉部7cとを連結するブレード連結部7bとからなる。
[0040]
 ブレード基端部7aとブレード連結部7bは、一定の板厚の薄板状をなし、断面が直線状をなしており、ブレード連結部7bの突出辺7bsの全長(図6に示される破線の長さ)はLeである。
 ブレード先端側厚肉部7cは、図6に示す断面形状が長円形をしており、その板厚方向に拡大した厚みはWeである。
[0041]
 図6に示す断面図で、ブレード先端側厚肉部7cの厚みの最大幅Weの幅でブレード先端側厚肉部7cから型面4fまでの面積からブレード連結部7bの断面積を減算した掃き面積(図6で散点模様を施した部分の面積)をSeとする。
[0042]
 図5と図6を参照して、セクターモールド3の周方向中央部側領域Cのブレード6と周方向端部側領域Eのブレード7を比較すると、周方向中央部側領域Cのブレード6の掃き面積Scと周方向端部側領域Eのブレード7の掃き面積Seは、略同じである。
[0043]
 しかし、周方向中央部側領域Cのブレード6のブレード連結部6bのジグザグ状の突出辺6bsの全長Lcより周方向端部側領域Eのブレード7のブレード基端部7aの突出辺7bsの全長Leの方が短い(Le<Lc)。
[0044]
 セクターモールド3の中央部側領域のブレード6より型抜きが容易でない周方向端部側領域のブレード7のブレード基端部7aの突出辺7bsの全長Leを、周方向中央部側領域のブレード6のブレード連結部6bの突出辺6bsの全長Lcより短くすることで、加硫成形用金型の型開き時にセクターモールド全体の型抜けを、不具合を生じさせることなく円滑に行うことができる。
[0045]
 加硫成形用金型1を用いて製造した空気入りタイヤ20は、型開き時の型抜けを円滑にし、ブロックの一部の欠損などの型抜け不良を生じさせることがなく、生産効率を上げることができる。
[0046]
 次に、別の実施の形態に係る加硫成形用金型について図7ないし図9に基づいて説明する。
 本加硫成形用金型のセクターモールドは、前記セクターモールド3と同じ構造のものであり、分割モールドおよび周方向突条とともに同じ符号を用いる。
 同様に、空気入りタイヤおよびタイヤトレッドも同じ符号を用いる。
[0047]
 そして、セクターモールド3の型面4fには、隣合う周方向突条5,5間に薄板状部材であるブレード8,9がタイヤ幅方向に若干傾いて延びて植設されている。
[0048]
 図7は、本加硫成形用金型のセクターモールド3のタイヤ幅方向に垂直な断面図である。
 同図7を参照して、周方向中央部側領域Cのブレード8と周方向端部側領域Eのブレード9は、型面4fから垂直に突出している。
 型開き時にブレード8,9は、セクターモールド3が中心から離れる放射方向Rにタイヤトレッド21から引き抜かれる。
[0049]
 前記したように、セクターモールド3の周方向端部側領域Eのブレード9は、その突出方向が型開き時のタイヤトレッドから引き抜かれる方向Rに対して平行でなく、ある程度角度を有するので、ブレード先端側厚肉部9cを有するブレード9は、ブレード先端側厚肉部9cが突出方向と角度を有する方向Rに引き抜かれようとするので、比較的大きい抵抗があり、周方向中央部側領域Cのブレード8に比べて型抜きが容易でない。
[0050]
 そこで、周方向中央部側領域Cのブレード8と周方向端部側領域Eのブレード9は、互いに形状を異にしている。
 周方向中央部側領域Cのブレード8の拡大断面図を図8に示す。
 ブレード8は、セクターモールド3に埋め込まれるブレード基端部8aと、先端側の板厚方向に拡大したブレード先端側厚肉部8cと、ブレード基端部8aとブレード先端側厚肉部8cとを連結するブレード連結部8bとからなる。
[0051]
 ブレード基端部8aとブレード連結部8bは、一定の板厚の薄板状をなし、ブレード基端部8aは断面が直線状をなしているが、ブレード連結部8bは断面がジグザグ状に屈曲している。
[0052]
 周方向中央部側領域Cのブレード8のジグザグ状に屈曲したブレード連結部8bの突出辺8bsの全長がLcである。
 このブレード連結部8bの突出辺8bsの全長Lcは、屈曲している分、型面4fからの突出距離より長い。
[0053]
 ブレード先端側厚肉部8cは、図8に示す断面形状が円形をしており、その板厚方向に拡大した厚みはWcである。
 図8に示す断面図で、ブレード先端側厚肉部8cの厚みの最大幅Wcの幅でブレード先端側厚肉部8cから型面4fまでの面積からブレード連結部8bの断面積を減算した掃き面積(図8で散点模様を施した部分の面積)をScとする。
[0054]
 周方向端部側領域Eのブレード9の拡大断面図を図9に示す。
 ブレード9は、セクターモールド3に埋め込まれるブレード基端部9aと、先端側の板厚方向に拡大したブレード先端側厚肉部9cと、ブレード基端部9aとブレード先端側厚肉部9cとを連結するブレード連結部9bとからなる。
[0055]
 ブレード基端部9aとブレード連結部9bは、一定の板厚の薄板状をなし、断面が直線状をなしている。
 このブレード連結部9bの突出辺9bsの全長(薄板状のブレード連結部9bの型面4fから突出する辺の長さ、図9に示される破線の長さ)は、Leである。
[0056]
 ブレード先端側厚肉部9cは、図9に示す断面形状が円形をしており、その円形の直径はブレード先端側厚肉部9cの板厚方向に拡大した厚みWeである。
 図9に示す断面図で、ブレード先端側厚肉部9cの厚みの最大幅Weの幅でブレード先端側厚肉部9cから型面4fまでの面積からブレード連結部9bの断面積を減算した掃き面積(図5で散点模様を施した部分の面積)をSeとする。
[0057]
 前記したように、掃き面積Seは、型開き時にタイヤトレッド21に埋設されているブレード先端側厚肉部9cとブレード連結部9bを抜き取るときに抵抗となる面積であり、型抜きの難易度を示し、掃き面積Seが小さいほど型抜きが容易である。
[0058]
 図8と図9を参照して、周方向中央部側領域Cのブレード8と周方向端部側領域Eのブレード9を比較すると、周方向中央部側領域Cのブレード8のブレード連結部8bの突出辺8bsの全長Lcより周方向端部側領域Eのブレード9のブレード連結部9bの突出辺9bsの全長Leの方が短いが、ブレード9の掃き面積Seは、ブレード8の掃き面積Scより大きく、型抜きが容易でない。
[0059]
 そこで、本実施の形態では、ブレード連結部の突出辺の全長だけでなく別の型抜きの難易度を示す掃き面積も考慮して設計し、セクターモールド全体の型抜けを容易にするものである。
[0060]
 すなわち、周方向中央部側領域Cのブレード8のブレード連結部8bの突出辺8bsの全長Lcにブレード8の掃き面積Scを乗算した乗算値Mc(=Lc×Sc)と、周方向端部側領域Eのブレード9のブレード連結部9bの突出辺9bsの全長Leにブレード9の掃き面積Seを乗算した乗算値Me(=Le×Se)とを比較して、周方向中央部側領域Cのブレード8の乗算値Mcよりも周方向端部側領域Eのブレード9の乗算値Meを小さくしている(Me<Mc)。
[0061]
 ブレードのブレード連結部の突出辺の全長とブレードの掃き面積とを乗算した乗算値は、小さいほど型抜きが容易である。
 したがって、セクターモールド3の周方向中央部側領域Cのブレード8より型抜きが容易でない周方向端部側領域Eのブレード9の乗算値Me(=Le×Se)を、周方向中央部側領域Cのブレード8の乗算値Mc(=Lc×Sc)より小さくすることで、加硫成形用金型の型開き時にセクターモールド全体の型抜けを、不具合を生じさせることなく円滑に行うことができる。
[0062]
 本実施の形態の加硫成形用金型を用いて製造した空気入りタイヤ20は、型開き時の型抜けを円滑にし、ブロックの一部の欠損などの型抜け不良を生じさせることがなく、生産効率を上げることができる。
[0063]
 以上、本発明に係る2つの実施の形態に係る加硫成形用金型について説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
[0064]
 例えば、本発明のブレードの形状は、実施形態に開示されたブレードに限らず種々のものが考えられるが、請求項1の要件を備えるブレードであればよい。
 特に、ブレード先端側厚肉部の断面形状が円形や長円形に限らず、フラスコ形である三角形状、その他多角形状等、種々の形状が考えられる。
 なお、ブレード先端側厚肉部は、ブレードの先端側にある厚肉部であり、ブレードの先端にあるとは限らず、厚肉部から径方向内側に向かって厚みが減少するような形状のものでもよい。
[0065]
 また、セクターモールドの型面に植設されるブレードの前記ブレード連結部の突出辺の全長または前記乗算値が、周方向中央部のブレードから周方向端部側のブレードにいくに従って、徐々に小さくなるようにしてもよい。
 さらに、ブレードにより形成される溝は、幅狭の細溝であるサイプに限らずタイヤ幅方向に延びる多少幅広の幅方向溝も含む。
 さらにまた、前記実施形態では、周方向突条が5本であったが、周方向突条は5本に限らず、5本より少なくても、また多くてもよい。

符号の説明

[0066]
 1…加硫成形用金型、2…ホルダー、3…セクターモールド、4…分割モールド、4f…型面、5…周方向突条、
 6…ブレード、6a…ブレード基端部、6b…ブレード連結部、6bs…突出辺、6c…ブレード先端側厚肉部、
 7…ブレード、7a…ブレード基端部、7b…ブレード連結部、7bs…突出辺、7c…ブレード先端側厚肉部、
 8…ブレード、8a…ブレード基端部、8b…ブレード連結部、8bs…突出辺、8c…ブレード先端側厚肉部、
 9…ブレード、9a…ブレード基端部、9b…ブレード連結部、9bs…突出辺、9c…ブレード先端側厚肉部、
 20…空気入りタイヤ、21…タイヤトレッド、25…タイヤ周方向溝、26…サイプ、27…サイプ、
 C…周方向中央部側領域、E…周方向端部側領域、
 Sc,Se…掃き面積、Lc,Le…ブレード連結部の突出辺の全長。

請求の範囲

[請求項1]
 空気入りタイヤのタイヤトレッドを形成する環状金型が、周方向に複数のセクターモールドに分割され、各セクターモールドが中心方向に移動して合体することで内側の生タイヤを型締めし加硫成形する加硫成形用金型であって、
 前記セクターモールドには、型面にタイヤ幅方向に延びる薄板状部材であってタイヤトレッドに溝条を形成するブレードが植設され、
 前記ブレードが、前記セクターモールドに埋め込まれるブレード基端部と、先端側の板厚方向に拡大したブレード先端側厚肉部と、前記ブレード基端部と前記ブレード先端側厚肉部とを連結するブレード連結部とからなる加硫成形用金型において、
 前記ブレードの前記セクターモールドから突出する前記ブレード連結部の突出辺の全長は、前記セクターモールドの周方向中央部側領域の前記ブレードより周方向端部側領域の前記ブレードの方が、短いことを特徴とする加硫成形用金型。
[請求項2]
 前記ブレードのタイヤ幅方向に垂直な断面形状で、前記ブレード先端側厚肉部の厚みの最大幅の幅で前記ブレード先端側厚肉部から型面までの面積から前記ブレード連結部の断面積を減算した掃き面積を、前記ブレード連結部の突出辺の全長に乗算した乗算値は、前記セクターモールドの周方向中央部側領域の前記ブレードより周方両端部側領域の前記ブレードの方が、小さいことを特徴とする請求項1に記載の加硫成形用金型。
[請求項3]
 請求項1または請求項2に記載の加硫成形用金型を用いて製造したことを特徴とする空気入りタイヤ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]