処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2020129491 - 電池昇温装置

Document

明 細 書

発明の名称 電池昇温装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32   33   34   35   36   37   38   39   40   41   42   43   44   45   46   47   48  

明 細 書

発明の名称 : 電池昇温装置

関連出願の相互参照

[0001]
 本出願は、2018年12月17日に出願された日本特許出願2018-235307号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は、電池の温度を上昇させる電池昇温装置に関する。

背景技術

[0003]
 電気自動車やハイブリッド車などの電動車両では、二次電池などの蓄電装置に蓄えた電気エネルギーを、インバータなどを介してモータに供給し走行する。二次電池は、低温になると内部抵抗が大きくなることから、入出力特性が悪化する。そのため、外気温が低い環境下にて電気自動車が走行するためには、二次電池を昇温することが必要である。また、ハイブリッド車においても、低外気温度の時に燃費向上させるためには、二次電池の昇温が重要である。
[0004]
 電池を暖機する手法に関しては、電池セルの外部より加熱する手法がある。例えば、暖かい空気を電池セルに供給する方法や、電池セルと熱交換器を接触させて、その熱交換器内に温水を流す方法がある。しかし、いずれの方法も電池セルを外部から加熱するため、電池セルの中心まで暖まるのに時間を要してしまう。そのため、電池セルの中心まで急速に暖機させる手法が必要である。
[0005]
 従来、特許文献1には、二次電池を内部から昇温させる技術として、電池の自己発熱を利用する技術が記載されている。この従来技術では、所定周波数のリップル電流を二次電池に積極的に発生させることによって、二次電池を自身の内部抵抗により昇温させる。リップル電流の所定周波数は、二次電池のインピーダンスの周波数特性に基づいて、インピーダンスの絶対値が相対的に低下する周波数領域の周波数に設定される。
[0006]
 これにより、常温時と比べて二次電池のインピーダンスが大きくなる低温下であっても、電池の上下限電圧を守りつつ電池内部に発熱のための電流を流している。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 国際公開2011/004464号

発明の概要

[0008]
 しかしながら、上記特許文献1の従来技術においても、電池の内部抵抗の温度依存性は解消されるわけではない。すなわち、電池の温度が低いほど内部抵抗が大きいという特性がある限り、低温下では電池に流せる電流が小さくなるという傾向は変わらない。
[0009]
 上記特許文献1の従来技術において、電気的に接続された複数の電池セル同士の間に温度差が生じていると、電池セルに流せる電流は、最も温度が低い電池セル、すなわち最も内部抵抗が大きい電池セルによって制限されてしまうこととなる。そのため、電池セルの昇温速度が遅くなってしまう。
[0010]
 本開示は上記点に鑑みて、リップル電流を用いて電池を昇温させる電池昇温装置において、電池をより速く昇温させることを目的とする。
[0011]
 本開示の一態様による電池昇温装置は、電流発生装置と、温度差低減部とを備える。電流発生装置は、互いに電気的に接続された複数の電池セルを有する組電池に電気的に接続され、リップル電流を発生する。温度差低減部は、複数の電池セルのうちリップル電流によって昇温させたい電池セル同士の温度差を低減する。
[0012]
 これにより、電池セル同士の温度差を低減しつつ、電池セルにリップル電流を発生させることができるので、電池セルに流せる電流を大きくすることができ、ひいては電池セルをより速く昇温させることができる。

図面の簡単な説明

[0013]
 本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な既述により、より明確となる。
[図1] 第1実施形態における電池昇温装置の電気回路図である。
[図2] 第1実施形態における電池昇温装置のサーモサイフォン式冷却装置を示す構成図である。
[図3] 電池温度と電池入出力との相関関係を示すグラフである。
[図4] 第1実施形態における電流発生装置の電気回路図である。
[図5] 第1実施形態における制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図6] 第1実施形態における制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図7] 組電池内の電池セルが均温化されていない場合の、各電池セルの温度の一例を示すグラフである。
[図8] 組電池内の電池セルが均温化された場合の、各電池セルの温度の一例を示すグラフである。
[図9] 電池温度と電池の内部抵抗との相関関係を示すグラフである。
[図10] 電池セル間に電流値の偏りがある場合とない場合とで電池容量の変化を比較したグラフである。
[図11] 第2実施形態における電池昇温装置のサーモサイフォン式冷却装置を示す構成図である。
[図12] 第2実施形態における制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図13] 第3実施形態における電池昇温装置のサーモサイフォン式冷却装置を示す構成図である。
[図14] 第3実施形態における制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図15] 第3実施形態において、組電池を冷却する時の電池昇温装置の作動状態を示す図である。
[図16] 第3実施形態において、組電池を暖機する時の電池昇温装置の作動状態を示す図である。
[図17] 第4実施形態における電池昇温装置のサーモサイフォン式冷却装置を示す構成図である。
[図18] 第5実施形態における電池昇温装置のサーモサイフォン式冷却装置を示す構成図である。
[図19] 第6実施形態における制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図20] 第7実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置を示す構成図である。
[図21] 第8実施形態における制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図22] 第8実施形態において、組電池を冷却する時の冷却水循環装置の作動状態を示す図である。
[図23] 第8実施形態において、組電池を均温化する時の冷却水循環装置の作動状態を示す図である。
[図24] 第8実施形態において、組電池を保温する時の冷却水循環装置の状態を示す図である。
[図25] 第9実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置および冷凍サイクル装置を示す構成図である。
[図26] 第9実施形態における制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図27] 第9実施形態において、組電池を均温化する時の冷却水循環装置の作動状態を示す図である。
[図28] 第9実施形態において、組電池を保温する時の冷却水循環装置の状態を示す図である。
[図29] 第9実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置および冷凍サイクル装置を示す構成図である。
[図30] 第10実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置を示す構成図であり、組電池を冷却する時の作動状態を示している。
[図31] 第10実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置を示す構成図であり、組電池を均温化する時の作動状態を示している。
[図32] 第10実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置を示す構成図であり、組電池を暖機する時の作動状態を示している。
[図33] 第10実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置を示す構成図であり、組電池を保温する時の状態を示している。
[図34] 第11実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置を示す構成図であり、組電池を暖機する時の作動状態を示している。
[図35] 第11実施形態における電池昇温装置の冷却水循環装置を示す構成図であり、リップル電流発生装置の廃熱を導入する時の作動状態を示している。
[図36] 第12実施形態における電池昇温装置の空気循環装置を示す構成図であり、組電池を冷却する時の作動状態を示している。
[図37] 第12実施形態における電池昇温装置の空気循環装置を示す構成図であり、組電池を均温化する時の作動状態を示している。
[図38] 第12実施形態における制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図39] 第12実施形態の変形例における電池昇温装置の空気循環装置を示す構成図であり、組電池を冷却する時の作動状態を示している。
[図40] 第13実施形態における組電池と蒸発部との配置関係を示す斜視図である。
[図41] 第14実施形態における組電池と蒸発部との配置関係を示す斜視図である。
[図42] 第15実施形態の第1実施例における複数の電池セルの電気的な接続形態を示す電気回路図である。
[図43] 第15実施形態の第2実施例における複数の電池セルの電気的な接続形態を示す電気回路図である。
[図44] 第15実施形態の第3実施例における複数の電池セルの電気的な接続形態を示す電気回路図である。
[図45] 第15実施形態の第4実施例における複数の電池セルの電気的な接続形態を示す電気回路図である。
[図46] 第15実施形態の第5実施例における複数の電池セルの電気的な接続形態を示す電気回路図である。
[図47] 第15実施形態の第6実施例における複数の電池セルの電気的な接続形態を示す電気回路図である。
[図48] 第15実施形態の第7実施例における複数の電池セルの電気的な接続形態を示す電気回路図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の実施形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
[0015]
 (第1実施形態)
 本実施形態の電池昇温装置は、車両に搭載される電池を昇温させる車両用電池昇温装置である。電池昇温装置は、図1に示す電流発生装置1と、図2に示すサーモサイフォン式冷却装置10とを有している。
[0016]
 電流発生装置1は、組電池11に電気的に接続されている。組電池11は、電気エネルギーを蓄える二次電池などの蓄電装置である。組電池11は、インバータなどを介して走行用モータに電気を供給する。組電池11は、回生電力を蓄える蓄電池である。組電池11は、走行中など充放電使用時に自己発熱する。組電池11は、サーモサイフォン式冷却装置10の冷却対象物である。
[0017]
 組電池11は、複数の電池セル111を有している。本実施形態では、互いに並列に接続された2個1組の電池セル111が複数組、互いに直列に接続されている。
[0018]
 図3に示すように、電池セル111が高温になると十分な出力を得られないだけでなく電池セル111の劣化や破損を招く。そのため、電池セル111を冷却して一定温度以下に維持する必要がある。
[0019]
 特に加速時や登坂時(換言すれば走行負荷が高い時)には電池セル111の放電量が多くなって発熱量が増加するので、電池セル111を高い冷却能力で冷却する必要がある。
[0020]
 電池セル111の温度は、走行中だけでなく夏期の駐車放置中などにも上昇する。電池セル111を高温状態で放置すると寿命が大幅に低下するため、駐車放置中も冷却するなど電池温度を低温に維持する必要がある。
[0021]
 電流発生装置1は、複数の電池セル111が充放電を繰り返すように周期的に変化するリップル電流を発生させる。
[0022]
 図4に示すように、電流発生装置1は、昇圧コンバータ1aとコンデンサC1とを有している。昇圧コンバータ1aは、リアクトルL1とスイッチング素子Q1、Q2とを有している。電流発生装置1は、コンデンサC1と複数の電池セル111との間でリップル電流を発生させ、充放電を繰り返すことにより、複数の電池セル111を発熱させる。
[0023]
 図2中、上下の矢印は、電流発生装置1およびサーモサイフォン式冷却装置10が搭載される車両の上下の各方向を示している。車両は、電気自動車やハイブリッド車などの電動車両である。電気自動車やハイブリッド車などの電動車両は、二次電池などの蓄電装置に蓄えた電気エネルギーをインバータなどを介して走行用モータに供給し走行する。
[0024]
 サーモサイフォン式冷却装置10は、複数の電池セル111を冷却する電池冷却装置である。サーモサイフォン式冷却装置10は、複数の電池セル111同士の温度差を低減する温度差低減部である。
[0025]
 サーモサイフォン式冷却装置10は、冷媒回路12を備える。冷媒回路12は、蒸発器13、凝縮器14、ガス配管15および液配管16を有している。
[0026]
 冷媒回路12内には、冷媒が封入充填されている。冷媒回路12は、作動流体としての冷媒が循環する熱媒体回路である。本実施形態では、冷媒としてHFO-1234yfやHFC-134aなどのフロン系冷媒が用いられている。
[0027]
 冷媒は、冷媒回路12に所定の圧力で封入されている。冷媒は、常温時には冷媒回路12内において大部分は液状態、一部はガス状態になっている。
[0028]
 冷媒回路12は、冷媒の蒸発および凝縮により熱移動を行うヒートパイプである。冷媒回路12は、ガス状の冷媒が流れる流路と、液状の冷媒が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォンである。
[0029]
 蒸発器13は、複数の電池セル111を、冷媒の蒸発により冷却する。蒸発器13は、電池セル111と熱伝導可能になっており、電池セル111の熱を冷媒に吸熱させることによって電池セル111を冷却するとともに冷媒を蒸発させる。
[0030]
 蒸発器13は、車両上下方向に延びる薄形矩形状の外形を有している。蒸発器13は、蒸発部131、液通路部132およびガス通路部133を有している。蒸発部131、液通路部132およびガス通路部133は、下方から上方に向かってガス通路部133、蒸発部131、液通路部132の順番で配置されている。
[0031]
 蒸発部131の外面は平面状になっている。電池セル111は、直方体状の外形を有している。電池セル111の1つの面は、蒸発部131の外面に、電気絶縁熱伝導シート17を介して熱伝導可能に当接している。各電池セル111は、その端子112が蒸発部131とは反対側を向くように配置されている。
[0032]
 電気絶縁熱伝導シート17は、電気絶縁性と熱伝導性とを有する薄膜状の部材である。蒸発部131と電池セル111との間に、板状の熱伝導部材が介在していてもよい。
[0033]
 蒸発部131は、内部の冷媒流路を流れる液冷媒に電池セル111の熱を吸熱させて液冷媒を沸騰蒸発させる。
[0034]
 蒸発部131の内部には、図示しない多数の冷媒流路が形成されている。蒸発部131の多数の冷媒流路は、互いに並列に上下方向に延びている。
[0035]
 液通路部132には、液配管16が接続されている。液通路部132は、液配管16を流れた液冷媒を蒸発部131の多数の冷媒流路に分配する。
[0036]
 ガス通路部133には、ガス配管15が接続されている。ガス通路部133は、蒸発部131の多数の冷媒流路にて沸騰蒸発したガス冷媒を集合させてガス配管15に流出させる。
[0037]
 凝縮器14は、蒸発器13で蒸発した冷媒を冷却水循環回路20の冷却水と熱交換させて冷却凝縮させる熱交換器である。凝縮器14は、車両のエンジンルームに配置されている。凝縮器14は、蒸発器13よりも車両の上方側に配置されている。
[0038]
 冷却水は、熱媒体としての流体である。冷却水は、例えば、少なくともエチレングリコールまたはジメチルポリシロキサンを含む液体や、不凍液体、クーラント等である。
[0039]
 ガス配管15および液配管16は、蒸発器13と凝縮器14とを接続する冷媒配管である。ガス配管15は、蒸発器13で蒸発したガス冷媒が流れる気相配管である。ガス配管15は、ガス冷媒を凝縮器14に導くガス冷媒流路を形成している。
[0040]
 液配管16は、凝縮器14で凝縮した液冷媒が流れる液相配管である。液配管16は、液冷媒を蒸発器13に導く液冷媒流路を形成している。
[0041]
 冷却水循環回路20は、冷却水ポンプ21およびラジエータ22を有している。冷却水ポンプ21は、冷却水循環回路20の冷却水を吸入して吐出するポンプである。ラジエータ22は、冷却水循環回路20を循環する冷却水と外気とを熱交換させて冷却水を冷却する熱交換器である。外気送風機23は、ラジエータ22に外気を送風する送風機である。
[0042]
 冷却水ポンプ21および外気送風機23の作動は、制御装置30によって制御される。制御装置30は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置30は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された冷却水ポンプ21および外気送風機23等の作動を制御する制御部である。
[0043]
 制御装置30の入力側には、電池セル温度センサ31等が接続されている。そして、制御装置30には、これらのセンサ群の検出信号が入力される。
[0044]
 電池セル温度センサ31は、複数の電池セル111のうち、少なくとも2つ以上の電池セル111の温度を検出する温度検出部である。
[0045]
 次に、上記構成における作動を説明する。制御装置30は、図5~図6のフローチャートに示す制御処理を実行する。
[0046]
 ステップS100では、組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。
[0047]
 組電池11の冷却が必要であると判定した場合、ステップS110へ進み、凝縮器14に冷却水を供給する。冷却水ポンプ21を作動状態にする。
[0048]
 このとき、組電池11の温度が冷媒の沸点よりも高ければ、サーモサイフォン式冷却装置10の冷媒回路12では、サーモサイフォン現象(換言すれば相変化)によって冷媒が循環する。
[0049]
 具体的には、蒸発器13の蒸発部131内において、液冷媒は組電池11からの熱を吸熱して蒸発してガス冷媒となる。蒸発器13の蒸発部131内で蒸発したガス冷媒は、ガス通路部133を介してガス配管15に流入し、ガス配管15を上昇して凝縮器14に流入する。
[0050]
 凝縮器14では、ガス配管15から流入したガス冷媒が外気に放熱して凝縮し、液冷媒となる。凝縮器14で凝縮した液冷媒は、重力により液配管16を流下して蒸発器13の液通路部132を介して蒸発部131に流入する。
[0051]
 このように冷媒回路12を冷媒が循環することによって、蒸発器13で組電池11を冷却できる。動力を利用することなく冷媒回路12に冷媒を循環させることができるので、省動力化を図ることができるとともに、駐車放置時にも組電池11を冷却できる。
[0052]
 一方、ステップS100にて、組電池11の冷却が必要でないと判定した場合、ステップS120へ進み、凝縮器14に冷却水を供給しない。具体的には、冷却水ポンプ21を停止状態にする。
[0053]
 次いでステップS130へ進み、図6に示すリップル電流制御処理を行う。リップル電流制御処理では、ステップS1310にて組電池11の昇温が必要であるか否かを判定する。具体的には、電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて、組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。
[0054]
 組電池11の昇温が必要であると判定した場合、ステップS1320へ進み、複数の電池セル111の温度バラツキが閾値以下であるか否かを判定する。電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて、複数の電池セル111の温度バラツキが閾値以下であるか否かを判定する。
[0055]
 複数の電池セル111の温度バラツキが閾値以下でないと判定した場合、ステップS1330へ進み、リップル電流の発生を遅延させる。
[0056]
 これにより、蒸発器13の蒸発部131内において、液冷媒は複数の電池セル111のうち冷媒の沸点よりも高温の電池セル111からの熱を吸熱して蒸発してガス冷媒となる。これと同時に、蒸発器13の蒸発部131内において、ガス冷媒は複数の電池セル111のうち冷媒の沸点よりも低温の電池セル111へ放熱して凝縮して液冷媒となる。
[0057]
 その結果、複数の電池セル111が、冷媒の沸点(換言すれば飽和温度)に収束していき、均温化されていく。動力を利用することなく組電池11を均温化できるので、省動力化を図ることができるとともに、駐車放置時にも組電池11を均温化できる。
[0058]
 ステップS1320にて、複数の電池セル111の温度バラツキが閾値以下であると判定した場合、ステップS1340へ進み、リップル電流を発生させる。これにより、複数の電池セル111が昇温される。
[0059]
 このとき、電池セル111に上下限電圧を超える電流値を流せば電池セル111の昇温速度を速めることができるが、電池セル111の劣化が激しくなる。そのため、電池セル111の劣化を抑制するために、上下限電圧を超えない電流値でリップル昇温を実施することが望ましい。
[0060]
 上記制御処理によると、複数の電池セル111に対して均温化がされて温度バラツキが極力少ない状態でリップル電流が流れるので、以下の(1)~(3)の作用効果が得られる。
[0061]
 (1)リップル昇温の際、流せる電流が大きくなることで、組電池11の昇温速度を速くできる。
[0062]
 図7は、組電池11内の電池セル111が均温化されていない場合の、各電池セル111の温度の一例を示している。図8は、組電池11内の電池セル111が均温化された場合の、各電池セル111の温度の一例を示している。図7と図8とでは、組電池11内の電池セル111の平均温度が互いに同じになっている。
[0063]
 電池の内部抵抗は、電池温度が低いほど大きくなるので、組電池11内の電池セル111のうち最も温度が低い電池セルによって、流せる電流値が制限されてしまう。
[0064]
 例えば、図7および図8に示すように、組電池11内の電池セル111の平均温度が互いに同じであった場合でも、均温化されている場合と均温化されていない場合とでは、均温化されていない場合の方が、最も低温の電池セル111の温度が低い。
[0065]
 そのため、均温化されていない場合、最も低温の電池セル111がボトルネックとなって流せる電流値が制限されるので、均温化されている場合の方が流せる電流値が大きくなる。したがって、リップル昇温の際に組電池11を均温化することによってリップル電流値を大きくすることができるので、組電池11の昇温速度を速くすることができる。
[0066]
 (2)電池セル111の温度ばらつきの拡大を抑制できる。
本実施形態のように複数の電池セル111が互いに並列接続された組電池11においては、電池セル111間で温度ばらつきがあると、温度の高い方の電池セル111へ電流が集中する。
[0067]
 その理由を説明する。図9に示すように、電池の温度が低いほど電池の内部抵抗が大きくなる。そのため、2つの電池セルが互いに並列接続されている場合、2つの電池セルの間に温度差があると、温度の低い方の電池セルは、温度の高い方の電池セルよりも内部抵抗が大きくなり、流れる電流が小さくなる。
[0068]
 電池の発熱量は、流れる電流の2乗に比例することから、温度の低い方の電池セルは、温度の高い方の電池セルよりも発熱量が小さくなる。したがって、リップル電流を流すほど、2つの電池セルの間の温度差が拡大してしまうこととなる。
[0069]
 この点、本実施形態では、複数の電池セル111に対して均温化がされて温度バラツキが極力少ない状態でリップル電流が流れるので、複数の電池セル111を極力均等に昇温させることができる。
[0070]
 (3)電池セル111の劣化ばらつきを抑制できる。
上述のように、互いに並列に接続された電池セル111間に温度ばらつきがあると、各電池セル111の電流値に差が生じる。
[0071]
 図10に示すように、電池セル111間に電流値の偏りがある場合とない場合とで電池容量の変化、換言すれば電池セル111の劣化度合いを比較すると、電池セル111間に電流値の偏りがある場合の方が、温度の高い電池セル111の劣化が激しくなる。
[0072]
 その理由は、電池セル111に流す電流値を、上下限電圧を超えない範囲にしていても、電池セル内部に局所的に電流が集中してしまうことで、上下限電圧を超えてしまう部位が発生するからである。
[0073]
 組電池11の電池セル111は全てが電気的に接続されているため、最も性能が低いセルに組電池11の性能が律速される。そのため、一部の電池セル111が劣化すると組電池11全体の性能が悪化してしまう。この現象は電池が低温かつ大電流を流したときに発生するため、リップル電流を発生させて低温の組電池11の暖機を行う際の温度ばらつき低減は極めて重要である。
[0074]
 この点、本実施形態では、複数の電池セル111に対して均温化がされて温度バラツキが極力少ない状態でリップル電流が流れるので、電池セル111の劣化ばらつきを抑制できる。
[0075]
 (4)組電池11の昇温完了までの時間を短くできる。
[0076]
 上述のように、組電池11の電池セル111は全てが電気的に接続されているため、最も性能が低い電池セル111に組電池11の性能が律速される。すなわち、組電池11の暖機においては、全ての電池セル111を目標温度まで到達させる必要がある。
[0077]
 電池セル111間で温度ばらつきがある状態で昇温させると、最も低温の電池セル111が目標温度に到達した時には、他の電池セル111は目標温度を超えてしまう。すなわち、他の電池セル111を余分に暖めることになってしまう。そのため、組電池11を昇温させるためのエネルギーが余分に必要となり、組電池11の昇温完了までの時間が長くなってしまう。
[0078]
 これに対し、本実施形態では、複数の電池セル111に対して均温化がされて温度バラツキが極力少ない状態でリップル電流が流れるので、全ての電池セル111を極力均等に昇温させることができる。すなわち、電池セル111を余分に暖めることを極力抑制できる。そのため、少ないエネルギーで短時間に組電池11の昇温を完了させることができる。
[0079]
 本実施形態の電池昇温装置は、電流発生装置1とサーモサイフォン式冷却装置10とを備える。電流発生装置1は、組電池11の複数の電池セル111に電気的に接続され、リップル電流を発生する。サーモサイフォン式冷却装置10は、電池セル111同士の温度差を低減する。
[0080]
 これにより、電池セル111間の温度ばらつきを低減しつつ、リップル電流を発生させることができるので、より速く昇温することができる。
[0081]
 本実施形態では、制御装置30は、サーモサイフォン式冷却装置10が電池セル同士の温度差を低減した後にリップル電流を発生させるように電流発生装置1を制御する。
[0082]
 これによると、リップル昇温の際に組電池11を均温化することによってリップル電流値を大きくすることができるので、組電池11の昇温速度を速くすることができる。
[0083]
 本実施形態では、制御装置30は、サーモサイフォン式冷却装置10が電池セル111同士の温度差を閾値以下に低減した後にリップル電流を発生させるように電流発生装置1を制御する。
[0084]
 これによると、リップル昇温の際に組電池11を確実に均温化することによってリップル電流値を確実に大きくすることができるので、組電池11の昇温速度を確実に速くすることができる。
[0085]
 本実施形態では、サーモサイフォン式冷却装置10は、熱媒体の蒸発および凝縮によって温度差を低減するので、組電池11を効果的に均温化できる。
[0086]
 本実施形態では、複数の電池セル111は、電気的に互いに並列に接続されているので組電池11を均温化することによって電池セル111間の温度ばらつきの拡大を抑制できるとともに劣化ばらつきを抑制できる。
[0087]
 (第2実施形態)
 上記実施形態では、組電池11の冷却と昇温との切り替えを冷却水ポンプ21の制御によって行うが、本実施形態では、図11に示すように、組電池11の冷却と昇温との切り替えを冷媒バルブ18の制御によって行う。
[0088]
 冷媒バルブ18は液配管16に配置されている。冷媒バルブ18は液配管16を開閉する電磁弁である。冷媒バルブ18の作動は、制御装置30によって制御される。
[0089]
 制御装置30は、図12のフローチャートに示す制御処理を実行する。ステップS200では、組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。具体的には、電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。
[0090]
 組電池11の冷却が必要であると判定した場合、ステップS210へ進み、凝縮器14に冷却水を供給するとともに、凝縮器14に冷媒を循環可能にする。具体的には、冷却水ポンプ21を作動状態にするとともに、冷媒バルブ18を開状態にする。
[0091]
 このとき、組電池11の温度が冷媒の沸点よりも高ければ、サーモサイフォン式冷却装置10の冷媒回路12では、サーモサイフォン現象(換言すれば相変化)によって冷媒が循環する。その結果、蒸発器13で組電池11を冷却できる。
[0092]
 一方、ステップS200にて、組電池11の冷却が必要でないと判定した場合、ステップS220へ進み、凝縮器14に冷媒を循環させないようにする。具体的には、冷媒バルブ18を閉状態にする。ステップS220では、冷却水ポンプ21を作動状態、停止状態のいずれにしてもよいが、省動力化のために冷却水ポンプ21を停止状態にするのが好ましい。
[0093]
 次いでステップS230へ進み、上記第1実施形態のステップS130と同様にリップル電流制御処理を行う。
[0094]
 本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[0095]
 (第3実施形態)
 上記第1実施形態では、リップル電流によって組電池11を昇温させるが、本実施形態では、図13に示すように、リップル電流と廃熱とによって組電池11を昇温させる。
[0096]
 冷却水循環回路20には廃熱機器24と三方弁25とが配置されている。廃熱機器24は、作動に伴って廃熱を発生する機器である。廃熱機器24は、インバータ、モータ、充電器等である。廃熱機器24として電流発生装置1を用いてもよい。
[0097]
 冷却水循環回路20および廃熱機器24は、電池セル111に廃熱を導入させる廃熱導入部である。
[0098]
 本実施形態では、凝縮器14が蒸発器13と同じ高さに配置されている。
[0099]
 制御装置30は、図14のフローチャートに示す制御処理を実行する。ステップS300では、組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。
[0100]
 組電池11の冷却が必要であると判定した場合、ステップS310へ進み、図15に示すように凝縮器14およびラジエータ22に冷却水を供給する。具体的には、冷却水ポンプ21を作動状態にするとともに、冷却水ポンプ21側とラジエータ22側とが連通するように三方弁25を切り替える。
[0101]
 このとき、組電池11の温度が冷媒の沸点よりも高ければ、サーモサイフォン式冷却装置10の冷媒回路12では、サーモサイフォン現象(換言すれば相変化)によって冷媒が循環する。その結果、蒸発器13で組電池11を冷却できる。
[0102]
 一方、ステップS300にて、組電池11の冷却が必要でないと判定した場合、ステップS320へ進み、組電池11の暖機が必要であるか否かを判定する。電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて組電池11の暖機が必要であるか否かを判定する。
[0103]
 組電池11の暖機が必要であると判定した場合、ステップS330へ進み、図16に示すように凝縮器14および廃熱機器24に冷却水を供給する。具体的には、冷却水ポンプ21を作動状態にするとともに、冷却水ポンプ21側と廃熱機器24側とが連通するように三方弁25を切り替える。
[0104]
 これにより、組電池11の複数の電池セル111を廃熱機器24の廃熱で暖機できる。このとき、蒸発器13の蒸発部131内において、液冷媒は複数の電池セル111のうち冷媒の沸点よりも高温の電池セル111からの熱を吸熱して蒸発してガス冷媒となる。これと同時に、蒸発器13の蒸発部131内において、ガス冷媒は複数の電池セル111のうち冷媒の沸点よりも低温の電池セル111へ放熱して凝縮して液冷媒となる。その結果、複数の電池セル111が均温化されていく。
[0105]
 組電池11を均温化しながら暖機するので、組電池11の昇温速度を速くすることができる。
[0106]
 一方、ステップS320にて、組電池11の暖機が必要でないと判定した場合、ステップS340へ進み、凝縮器14に冷却水を供給しない。具体的には、冷却水ポンプ21を停止状態にする。これにより、組電池11が保温される。
[0107]
 このとき、蒸発器13の蒸発部131内において、液冷媒は複数の電池セル111のうち冷媒の沸点よりも高温の電池セル111からの熱を吸熱して蒸発してガス冷媒となる。これと同時に、蒸発器13の蒸発部131内において、ガス冷媒は複数の電池セル111のうち冷媒の沸点よりも低温の電池セル111へ放熱して凝縮して液冷媒となる。その結果、複数の電池セル111が均温化されていく。
[0108]
 本実施形態では、冷却水循環回路20および廃熱機器24は、電池セル111に廃熱を導入させる。これにより、リップル電流と廃熱とによって組電池11を昇温させることができるので、組電池11の昇温速度を一層速くすることができる。
[0109]
 本実施形態では、凝縮器14が蒸発器13と同じ高さに配置されているため、組電池11の冷却と暖機の双方を実施することができる。
[0110]
 (第4実施形態)
 上記実施形態では、凝縮器14は、蒸発器13で蒸発した冷媒を冷却水と熱交換させて冷却凝縮させる熱交換器である。本実施形態では、図17に示すように、凝縮器14は、蒸発器13で蒸発した冷媒を冷凍サイクル装置40の冷媒と熱交換させて冷却凝縮させる熱交換器である。
[0111]
 以下では、蒸発器13で蒸発した冷媒を、サーモサイフォン冷媒と言い、冷凍サイクル装置40の冷媒を、冷凍サイクル冷媒と言う。
[0112]
 冷凍サイクル装置40は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であり、圧縮機41、放熱器42および膨張弁43を有している。圧縮機41は、冷凍サイクル冷媒を吸入して吐出する。放熱器42は、圧縮機41から吐出された高温高圧の冷凍サイクル冷媒と外気とを熱交換させて、冷凍サイクル冷媒を放熱凝縮させる熱交換器である。膨張弁43は、放熱器42で凝縮された冷凍サイクル冷媒を減圧させる減圧器である。
[0113]
 膨張弁43で減圧された低温低圧の冷凍サイクル冷媒は、凝縮器14にてサーモサイフォン冷媒と熱交換して蒸発し、圧縮機41に吸入される。
[0114]
 本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[0115]
 (第5実施形態)
 上記第1実施形態では、冷却水循環回路20にラジエータ22が配置されているが、本実施形態では、図18に示すように、ラジエータ22の代わりにチラー44が配置されている。
[0116]
 チラー44は、冷却水循環回路20の冷却水を、冷凍サイクル装置40の冷媒と熱交換させて冷却する熱交換器である。
[0117]
 冷凍サイクル装置40は、圧縮機41、放熱器42、膨張弁43を有している。膨張弁43で減圧された低温低圧の冷凍サイクル冷媒は、チラー44にて冷却水循環回路20の冷却水と熱交換して蒸発し、圧縮機41に吸入される。
[0118]
 本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[0119]
 (第6実施形態)
 上記第1実施形態では、リップル昇温前に均温化するが、本実施形態では、図19に示すように、リップル昇温中に均温化する。
[0120]
 制御装置30は、組電池11の暖機が必要であると判定した場合、リップル昇温を開始する。制御装置30は、リップル昇温を開始すると、図19のフローチャートに示す制御処理を実行する。
[0121]
 ステップS400では、複数の電池セル111の温度バラツキが閾値以下であるか否かを判定する。具体的には、電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて、複数の電池セル111の温度バラツキが閾値以下であるか否かを判定する。
[0122]
 複数の電池セル111の温度バラツキが閾値以下でないと判定した場合、ステップS410へ進み、均温化作動を行う。具体的には、冷却水ポンプ21を作動させる。これにより、複数の電池セル111の温度バラツキが小さくなって均温化されていく。
[0123]
 一方、ステップS420にて、複数の電池セル111の温度バラツキが閾値以下であると判定した場合、ステップS420へ進み、均温化作動を行わない。具体的には、冷却水ポンプ21を停止させる。
[0124]
 これにより、複数の電池セル111の温度バラツキが小さい時に冷却水ポンプ21での動力の消費をなくすことができるので、省動力化を図ることができる。
[0125]
 本実施形態では、制御装置30は、電流発生装置1がリップル電流を発生しているときに電池セル111同士の温度差が低減するようにサーモサイフォン式冷却装置10を制御する。
[0126]
 これによると、組電池11を均温化しながらリップル昇温することによってリップル電流値を大きくすることができるので、組電池11の昇温速度を速くすることができる。
[0127]
 本実施形態では、制御装置30は、電流発生装置1がリップル電流を発生しているときに電池セル111同士の温度差が閾値以下に低減するようにサーモサイフォン式冷却装置10を制御する。
[0128]
 これによると、組電池11を確実に均温化しながらリップル昇温することによってリップル電流値を確実に大きくすることができるので、組電池11の昇温速度を確実に速くすることができる。
[0129]
 (第7実施形態)
 上記第1実施形態では、サーモサイフォン式冷却装置10によって組電池11を均温化するが、本実施形態では、図20に示すように、冷却水循環装置50によって組電池11を均温化する。
[0130]
 冷却水循環装置50は、複数の電池セル111を冷却するために冷却水を循環させる装置である。冷却水は、熱媒体としての液体である。冷却水は、例えば、少なくともエチレングリコールまたはジメチルポリシロキサンを含む液体や、不凍液体、クーラント等である。
[0131]
 冷却水循環装置50は、複数の電池セル111同士の温度差を低減する温度差低減部である。
[0132]
 冷却水循環装置50は、冷却器51、ラジエータ52、冷却水ポンプ53、バイパス流路54および冷却水バルブ55を有している。
[0133]
 冷却器51は、複数の電池セル111を冷却水により冷却する。冷却器51は、電池セル111と熱伝導可能になっており、電池セル111の熱を冷却水に吸熱させることによって電池セル111を冷却する。
[0134]
 冷却器51は、車両上下方向に延びる薄形矩形状の外形を有している。電池セル111は、冷却器51の外面に熱伝導可能に当接している。例えば、組電池11は、車両の床下に配置されている。
[0135]
 ラジエータ52は、冷却器51で吸熱した冷却水を外気と熱交換させて冷却水を冷却させる熱交換器である。ラジエータ52は、車両のエンジンルームに配置されている。
[0136]
 冷却水ポンプ53は、冷却水循環装置50の冷却水を吸入して吐出するポンプである。冷却水ポンプ53の作動は、制御装置30によって制御される。
[0137]
 バイパス流路54は、冷却水がラジエータ52をバイパスして流れる流路である。冷却水バルブ55は、冷却水がラジエータ52を流れる状態と、冷却水がバイパス流路54を流れる状態とを切り替える三方弁である。冷却水バルブ55の切替作動は、制御装置30によって制御される。
[0138]
 制御装置30は、図21のフローチャートに示す制御処理を実行する。ステップS500では、組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。
[0139]
 組電池11の冷却が必要であると判定した場合、ステップS510へ進み、冷却水ポンプ53を作動させるとともに、冷却水がラジエータ52を流れるように冷却水バルブ55を切り替える。
[0140]
 これにより、図22に示すように冷却水循環装置50に冷却水が循環し、ラジエータ52で冷却された冷却水が冷却器51を流れるので、組電池11が冷却される。
[0141]
 ステップS510にて組電池11の冷却が必要でないと判定した場合、ステップS520へ進み、複数の電池セル111の均温が必要であるか否かを判定する。電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて複数の電池セル111の均温が必要であるか否かを判定する。
[0142]
 複数の電池セル111の均温が必要であると判定した場合、ステップS530へ進み、冷却水ポンプ53を作動させるとともに、冷却水がバイパス流路54を流れるように冷却水バルブ55を切り替える。
[0143]
 これにより、図23に示すように冷却水循環装置50に冷却水が循環し、冷却水がラジエータ52で冷却されることなく冷却器51を循環するので、組電池11が均温化される。
[0144]
 一方、ステップS520にて複数の電池セル111の均温が必要ないと判定した場合、ステップS540へ進み、冷却水ポンプ53を停止させる。これにより、図24に示すように冷却水循環装置50に冷却水が循環しないので、組電池11が保温される。
[0145]
 本実施形態では、冷却水循環装置50は、冷却器51に冷却水を循環させることによって温度差を低減するので、組電池11を良好に均温化できる。
[0146]
 (第8実施形態)
 上記第7実施形態では、ラジエータ52にて外気で冷却された冷却水を冷却器51に流すが、本実施形態では、図25に示すように、チラー44にて冷媒で冷却された冷却水を冷却器51に流す。
[0147]
 チラー44は、冷却水循環装置50を循環する冷却水と、冷凍サイクル装置40の冷媒とを熱交換させて、冷却水循環装置50を循環する冷却水を冷却する熱交換器である。
[0148]
 制御装置30は、図26のフローチャートに示す制御処理を実行する。ステップS600では、組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。具体的には、電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。
[0149]
 組電池11の冷却が必要であると判定した場合、ステップS610へ進み、圧縮機41および冷却水ポンプ53を作動させる。
[0150]
 これにより、図25に示すように冷凍サイクル装置40に冷媒が循環するとともに冷却水循環装置50に冷却水が循環し、チラー44で冷却された冷却水が冷却器51を流れるので、組電池11が冷却される。
[0151]
 ステップS610にて組電池11の冷却が必要でないと判定した場合、ステップS620へ進み、複数の電池セル111の均温が必要であるか否かを判定する。具体的には、電池セル温度センサ31の検出温度に基づいて複数の電池セル111の均温が必要であるか否かを判定する。
[0152]
 複数の電池セル111の均温が必要であると判定した場合、ステップS630へ進み、圧縮機41を停止させるとともに冷却水ポンプ53を作動させる。
[0153]
 これにより、図27に示すように冷凍サイクル装置40に冷媒が循環せず、冷却水循環装置50に冷却水が循環し、冷却水がチラー44で冷却されることなく冷却器51を循環するので、組電池11が均温化される。
[0154]
 一方、ステップS620にて複数の電池セル111の均温が必要ないと判定した場合、ステップS640へ進み、圧縮機41および冷却水ポンプ53を停止させる。これにより、図28に示すように冷却水循環装置50に冷却水が循環しないので、組電池11が保温される。冷凍サイクル装置40に冷媒が循環しないので、省動力化できる。
[0155]
 (第9実施形態)
 上記第8実施形態では、冷凍サイクル装置40は、組電池11の冷却に用いられるが、本実施形態では、図29に示すように、冷凍サイクル装置40は、組電池11の冷却のみならず車室内の空調にも用いられる。
[0156]
 冷凍サイクル装置40は、蒸発器用膨張弁45、空調用蒸発器46、チラー側バルブ47および蒸発器側バルブ48を有している。蒸発器用膨張弁45は、放熱器42で凝縮された冷凍サイクル冷媒を減圧する。
[0157]
 空調用蒸発器46は、蒸発器用膨張弁45で減圧された冷凍サイクル冷媒と車室内へ送風される空気とを熱交換させて、冷凍サイクル冷媒を蒸発させるとともに、車室内へ送風される空気を冷却する熱交換器である。
[0158]
 蒸発器用膨張弁45および空調用蒸発器46は、膨張弁43およびチラー44に対して冷媒が並列に流れる。
[0159]
 チラー側バルブ47は、膨張弁43入口側の冷媒通路を開閉する電磁弁である。蒸発器側バルブ48は、蒸発器用膨張弁45入口側の冷媒通路を開閉する電磁弁である。
[0160]
 チラー側バルブ47および蒸発器側バルブ48は、全開と全閉との間で任意に開度を調整可能になっている。チラー側バルブ47および蒸発器側バルブ48の作動は、制御装置30によって制御される。
[0161]
 チラー44で冷却水を冷却する場合、チラー側バルブ47を開ける。車室内の冷房または除湿を行う場合、蒸発器側バルブ48を開ける。
[0162]
 チラー44で冷却水を冷却し、かつ車室内の冷房または除湿を行う場合、チラー側バルブ47の開度を調整することにより、チラー44の熱交換能力を調整する。チラー44の冷媒出口側に、図示しない圧力調整弁が配置されていてもよい。
[0163]
 本実施形態によると、冷凍サイクル装置40によって、組電池11の冷却のみならず、車室内の冷房・除湿も行うことができる。
[0164]
 (第10実施形態)
 本実施形態では、図30に示すように、第7実施形態の冷却水循環装置50に廃熱機器24が配置されている。
[0165]
 廃熱機器24は、作動に伴って発熱する機器であり、自身の発熱によって許容温度を超えないように冷却される必要がある。廃熱機器24は、冷却水循環装置50の冷却水によって冷却される。
[0166]
 廃熱機器24は、冷却水循環装置50の冷却水の流れにおいて、ラジエータ52およびバイパス流路54に対して並列に配置されている。
[0167]
 冷却水循環装置50には、廃熱機器用三方弁56が配置されている。廃熱機器用三方弁56は、冷却水循環装置50の冷却水が廃熱機器24側を流れる状態と、冷却水循環装置50の冷却水がラジエータ52側を流れる状態とを切り替える。廃熱機器用三方弁56は電磁弁である。廃熱機器用三方弁56の作動は、制御装置30によって制御される。
[0168]
 組電池11を冷却する場合には、図30に示すように、冷却器51とラジエータ52との間で冷却水が循環する。
[0169]
 組電池11を廃熱機器24の廃熱によって暖機する場合には、図31に示すように、冷却器51と廃熱機器24との間で冷却水が循環する。
[0170]
 組電池11を均温化する場合には、図32に示すように、冷却器51とバイパス流路54との間で冷却水が循環する。
[0171]
 組電池11を保温する場合には、図33に示すように、冷却水ポンプ53を停止させて冷却水循環装置50に冷却水が循環しないようにする。
[0172]
 凝縮器14と廃熱機器24とが共通の冷却水循環装置50に配置されているので、凝縮器14と廃熱機器24とが別個の冷却水循環装置50に配置されている場合と比較して構成を簡素化できる。また、廃熱機器24の廃熱を利用して組電池11を暖機することが可能になる。
[0173]
 廃熱機器24の廃熱を暖機に使用する場合は、電池セル111の温度ばらつきが閾値よりも大きくならない範囲で廃熱を導入することが望ましい。その際は、廃熱機器24の温度、または廃熱機器24を流れる冷却水の温度に基づいて電池セル111の温度ばらつき発生量を予測し、予測した電池セル111の温度ばらつき発生量に基づいて電池セル111の温度ばらつきが閾値よりも低いと判断された際に廃熱を導入することが望ましい。
[0174]
 廃熱を導入する際は、冷却器51に流入する冷却水と、冷却器51に流出する冷却水との温度差が小さくなるよう流量を制御する。その際は、冷却器51に流入する冷却水と、冷却器51に流出する冷却水との温度差が、上述の閾値よりも小さくなるように冷却水の流量を調整することが望ましい。
[0175]
 廃熱機器24は、インバータ、モータ、充電器や電流発生装置1等であればよい。ラジエータ52の代わりに、冷凍サイクル装置の低温低圧冷媒にて冷却水を冷却するチラーが冷却水循環装置50に配置されていてもよい。
[0176]
 本実施形態では、冷却水循環装置50および廃熱機器24は、電池セル111間の温度差が閾値以下となるように電池セル111に廃熱を導入させるので、電池セル111間の温度ばらつきを抑制しつつ組電池11を早期に昇温できる。
[0177]
 (第11実施形態)
 本実施形態では、上記第10実施形態の廃熱機器24がリップル電流発生装置であり、図34~図35に示すように、冷却水ポンプ53が廃熱機器24とバイパス流路54との間に配置されている。
[0178]
 本実施形態の作動例を説明する。リップル電流発生前は図34に示すように、廃熱機器24(すなわちリップル電流発生装置)と冷却器51との間で冷媒を循環させて、電池セル111の温度ばらつきが閾値以下となるまで均温化する。電池セル111の温度ばらつきが閾値以下であれば、均温化は不要である。
[0179]
 リップル電流発生時において、電池セル111の温度ばらつきが閾値以下である場合、図34に示すように、廃熱機器24と冷却器51との間で冷媒を循環させて、廃熱機器24の廃熱を利用して組電池11を暖機する。
[0180]
 リップル電流は、間欠的に発生させ、図34に示す作動にて廃熱機器24の廃熱を定期的に組電池11に導入させると良い。
[0181]
 リップル電流と廃熱の双方を組電池11の暖機に使えるため、エネルギー効率が良くなる。
[0182]
 リップル電流発生時において、電池セル111の温度ばらつきが閾値を上回る場合、図35に示すように、廃熱機器24および冷却器51のうち廃熱機器24のみに冷却水を循環させて、廃熱機器24を冷却する。
[0183]
 なお、組電池11に廃熱を導入した後は、引き続き図34に示す作動にて温度ばらつきが閾値以下となるよう均温化させると良い。
[0184]
 リップル電流発生から一定時間経過後、リップル電流を停止させる。廃熱機器24の温度が一定値以上となった場合、リップル電流を停止させてもよい。廃熱機器24を流れる冷却水の温度が一定値以上となった場合、リップル電流を停止させてもよい。
[0185]
 (第12実施形態)
 上記実施形態では、組電池11が冷媒や冷却水によって冷却されるが、本実施形態では、図36、37に示すように、組電池11が空気によって冷却される。
[0186]
 組電池11は、空気循環装置60のケーシング61に収容されている。空気循環装置60は、複数の電池セル111同士の温度差を低減する温度差低減部である。
[0187]
 ケーシング61は、空気が循環する空気通路を形成している。ケーシング61内において、組電池11の各電池セル111は、空気の流れに対して互いに並列に、互いに間隔を空けて配置されている。
[0188]
 ケーシング61には、空気導入口61aおよび空気排出口61bが形成されている。空気導入口61aは、車室内の空気をケーシング61内に導入するための開口部である。以下、車室内の空気を内気と言う。空気排出口61bは、ケーシング61内の空気を車室外に排出するための開口部である。
[0189]
 空気循環装置60は、導入口開閉ドア62、排出口開閉ドア63および送風機64を有している。導入口開閉ドア62、排出口開閉ドア63および送風機64は、ケーシング61内に配置されている。
[0190]
 導入口開閉ドア62は、空気導入口61aおよび環流通路61cを切替開閉する。環流通路61cは、ケーシング61内の空気通路のうち、電池セル111の下流側の空気を電池セル111の上流側へ環流させる部位である。排出口開閉ドア63は、空気排出口61bおよび環流通路61cを切替開閉する。
[0191]
 導入口開閉ドア62および排出口開閉ドア63はそれぞれ、図示しないアクチュエータによって駆動される。導入口開閉ドア62および排出口開閉ドア63を駆動する各アクチュエータの作動は、制御装置30によって制御される。
[0192]
 送風機64は、ケーシング61内の空気通路の空気を吸入して吐出する。送風機64の作動は、制御装置30によって制御される。
[0193]
 制御装置30は、図38のフローチャートに示す制御処理を実行する。ステップS700では、組電池11の冷却が必要であるか否かを判定する。組電池11の冷却が必要であると判定した場合、ステップS710へ進み、送風機64を作動させ、導入口開閉ドア62によって空気導入口61aを開けて環流通路61cを閉じ、排出口開閉ドア63によって空気排出口61bを開けて環流通路61cを閉じる。
[0194]
 これにより、図36に示すように、空気導入口61aを通じてケーシング61内に内気が導入され、導入された内気が電池セル111同士の間を流れ、電池セル111同士の間を流れた内気が空気排出口61bを通じて車室外へ排出される。したがって、組電池11が冷却される。
[0195]
 一方、ステップS700にて組電池11の冷却が必要でないと判定した場合、ステップS720へ進み、複数の電池セル111の均温化が必要であるか否かを判定する。
[0196]
 複数の電池セル111の均温化が必要であると判定した場合、ステップS730へ進む。ステップS730では、送風機64を作動させ、導入口開閉ドア62によって空気導入口61aを閉じて環流通路61cを開け、排出口開閉ドア63によって空気排出口61bを閉じて環流通路61cを開ける。
[0197]
 これにより、図37に示すように、ケーシング61内に内気が導入されることなく、ケーシング61内の空気が車室外に排出されることなく、ケーシング61内の空気が電池セル111間の空気通路を循環する。したがって、複数の電池セル111が均温化される。
[0198]
 一方、ステップS720にて複数の電池セル111の均温化が必要でないと判定した場合、ステップS730へ進み、送風機64を停止させ、導入口開閉ドア62を閉じ、排出口開閉ドア63を閉じる。
[0199]
 これにより、ケーシング61内に内気が導入されることなく、ケーシング61内の空気が車室外に排出されることなく、電池セル111同士の間を空気が循環しない。したがって、電池セル111が保温される。
[0200]
 図39に示す変形例のように、空気導入口61aの近傍に、電池冷却用蒸発器65が配置されていてもよい。電池冷却用蒸発器65は、空気導入口61aを通じてケーシング61内に導入された内気と、冷凍サイクル装置の低圧冷媒とを熱交換させて、内気を冷却する熱交換器である。これにより、組電池11の冷却能力を高めることができる。
[0201]
 本実施形態では、空気循環装置60は、複数の電池セル111に空気を循環させることによって温度差を低減するので、組電池11を良好に均温化できる。空気循環装置60は、複数の電池セル111に空気以外の気体を循環させることによって温度差を低減してもよい。
[0202]
 (第13実施形態)
 上記実施形態では、組電池11の各電池セル111の端子112は、電池セル111のうち蒸発部131とは反対側の側面に配置されている。本実施形態では、図40に示すように、組電池11の各電池セル111の端子112は、電池セル111の上面に配置されている。
[0203]
 本実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[0204]
 (第14実施形態)
 上記実施形態では、組電池11が蒸発部131の側面に配置されているが、本実施形態では、図41に示すように、組電池11が蒸発部131の上面に配置されている。
[0205]
 蒸発器13は、水平方向に延びる薄形矩形状の外形を有している。蒸発器13の蒸発部131の上面は平面状になっている。蒸発器13の液通路部132およびガス通路部133は、蒸発部131の側部に配置されている。
[0206]
 蒸発部131の上面には、組電池11が配置されている。組電池11の各電池セル111の端子112は、電池セル111の上面に配置されている。
[0207]
 蒸発部131と組電池11との間に、電気絶縁熱伝導シート17が介在している。電気絶縁熱伝導シート17は、電気絶縁性と熱伝導性とを有する薄膜状の部材である。蒸発部131と組電池11との間に、板状の熱伝導部材が介在していてもよい。
[0208]
 本実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[0209]
 (第15実施形態)
 複数の電池セル111の電気的な接続に関する形態は、図42~図48の実施例に示すように種々の形態であってもよい。
[0210]
 図42に示す第1実施例では、互いに並列に接続された2個の電池セル111で1個の電池モジュール11aを構成し、複数個の電池モジュール11aが互いに直列に接続されている。
[0211]
 図43に示す第2実施例のように、1個の電池モジュール11aが、互いに並列に接続された3個の電池セル111で構成されていてもよい。
[0212]
 図44に示す第3実施例のように、互いに直列に接続された複数個の電池セル111で1個の電池モジュール11aを構成し、互いに並列に接続された2個1組の電池モジュール11aが複数組、互いに直列に接続されていてもよい。第3実施例では、並列の単位が多いため、均温化の効果が一層大きい。
[0213]
 図45に示す第4実施例のように、互いに並列に接続された2個1組の電池セル111が複数組、互いに直列に接続されて1個の電池モジュール11aを構成し、互いに並列に接続された2個1組の電池モジュール11aが複数組、互いに直列に接続されていてもよい。第4実施例では、並列の単位が多いため、均温化の効果が一層大きい。
[0214]
 図46に示す第5実施例のように、互いに直列に接続された複数個の電池セル111で1個の電池モジュール11aを構成し、2個の電池モジュール11aが複数組、互いに並列に接続されていてもよい。第5実施例では、並列の単位が多いため、均温化の効果が一層大きい。
[0215]
 図47に示す第6実施例のように、互いに並列に接続された2個1組の電池セル111が複数組、互いに直列に接続されて1個の電池モジュール11aを構成し、互いに直列に接続された複数個1組の電池モジュール11aが2組、互いに並列に接続されていてもよい。第6実施例では、並列の単位が多いため、均温化の効果が一層大きい。
[0216]
 図48に示す第7実施例のように、互いに直列に接続された複数個の電池セル111で1個の電池モジュール11aを構成し、複数個の電池モジュール11aが互いに直列に接続されていてもよい。
[0217]
 本開示は上述の実施形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
[0218]
 ガス配管15および液配管16は、車両搭載の都合上、車両の他の部品や部材を迂回するように配置されていてもよい。
[0219]
 上記実施形態では、組電池11は、車両の床下に配置されているが、組電池11は、車両の後方の、例えばトランクルームやリアシート下などに配置されていてもよい。組電池11は、車両の前方の、例えばエンジンルームなどに配置されていてもよい。
[0220]
 上記実施形態では、冷媒回路12の冷媒としてフロン系冷媒が用いられているが、作動時に超臨界状態にならない特性を持つ種々の冷媒が用いられてもよい。
[0221]
 上記実施形態では、サーモサイフォン式冷却装置10によって冷却される機器(換言すれば冷却対象物)が組電池11である例を示したが、サーモサイフォン式冷却装置10によって冷却される機器は、モータ、インバータ、充電器等の他の機器であってもよい。
[0222]
 上記実施形態の電流発生装置1のリアクトルL1は、走行用のモータのコイルとで共用できる回路構成してもよい。
[0223]
 電流発生装置1のスイッチング素子Q1、Q2は、リップル電流発生装置と、インバータやDC-DCコンバータとで共用できる回路構成としてもよい。電流発生装置1のコンデンサC1は、他の種々の機器のコンデンサと共用されていてもよい。電流発生装置1の昇圧コンバータ1aは、他の種々の機器と共用されていてもよい。
[0224]
 上記実施形態では、電流発生装置1は全ての電池セル111にリップル電流を流すが、電流発生装置1は複数の電池セル111のうち一部の電池セル111に選択的に電流を流すことが可能になっていてもよい。
[0225]
 電池モジュール11aの個数は、上記第15実施形態に記載の個数に限定されるものではなく、任意の個数でよい。
[0226]
 上記第3実施形態では、冷却水循環回路20に冷却水が循環し、上記第8実施形態では、冷却水循環装置50に冷却水が循環するが、冷却水の代わりに液体状の冷却媒体(例えば、絶縁オイル等の絶縁流体)が循環するようになっていてもよい。
[0227]
 上記第12実施形態では、ケーシング61内に空気導入口61aから車室内の空気が導入されるが、ケーシング61内に空気導入口61aから車室外の空気が導入されてもよい。
[0228]
 上記第3、第10実施形態において、廃熱機器24として電流発生装置1が用いられる場合、廃熱機器24のスイッチング素子Q1、Q2から冷却水に吸熱させるのが好ましい。スイッチング素子Q1、Q2は発熱量が多いからである。
[0229]
 廃熱機器24のスイッチング素子Q1、Q2以外の部品から冷却水に吸熱させるようになっていてもよい。
[0230]
 蒸発器13で電池セル111を冷却する構造は、上記実施形態に示した構造に限定されない。
[0231]
 各電池セル111の外形は直方体状に限定されるものではなく、例えば円筒状やラミネート状であってもよい。
[0232]
 複数の電池セル111を均温化する装置は上記実施形態に示した装置に限定されるものではなく、例えばヒートパイプや、電池セル111間を伝熱する熱伝導板であってもよい。
[0233]
 本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

請求の範囲

[請求項1]
 互いに電気的に接続された複数の電池セル(111)を有する組電池(11)に電気的に接続され、リップル電流を発生する電流発生装置(1)と、
 前記複数の電池セルのうち前記リップル電流によって昇温させたい電池セル同士の温度差を低減する温度差低減部(10、50、60)とを備える電池昇温装置。
[請求項2]
 前記温度差低減部が前記温度差を低減した後に前記リップル電流を発生させるように前記電流発生装置を制御する制御部(30)を備える請求項1に記載の電池昇温装置。
[請求項3]
 前記制御部は、前記温度差低減部が前記温度差を閾値以下に低減した後に前記リップル電流を発生させるように前記電流発生装置を制御する請求項2に記載の電池昇温装置。
[請求項4]
 前記電流発生装置が前記リップル電流を発生しているときに前記温度差が低減するように前記温度差低減部を制御する制御部(30)を備える請求項1に記載の電池昇温装置。
[請求項5]
 前記制御部は、前記電流発生装置が前記リップル電流を発生しているときに前記温度差が閾値以下に低減するように前記温度差低減部を制御する請求項4に記載の電池昇温装置。
[請求項6]
 前記温度差低減部は、熱媒体の蒸発および凝縮によって前記温度差を低減する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電池昇温装置。
[請求項7]
 前記温度差低減部は、サーモサイフォン式冷却装置(10)またはヒートパイプを有している請求項6に記載の電池昇温装置。
[請求項8]
 前記温度差低減部は、液体の循環によって前記温度差を低減する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電池昇温装置。
[請求項9]
 前記温度差低減部は、気体の循環によって前記温度差を低減する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電池昇温装置。
[請求項10]
 前記組電池内において、前記複数の電池セルは、電気的に互いに並列に接続されている請求項1ないし9のいずれか1つに記載の電池昇温装置。
[請求項11]
 前記組電池は、前記複数の電池セルを含む電池モジュール(11a)を複数個、有しており、
 前記複数個の電池モジュールは電気的に互いに並列に接続されている請求項1ないし10のいずれか1つに記載の電池昇温装置。
[請求項12]
 前記電池セルに廃熱を導入させる廃熱導入部(20、24)を備える請求項1ないし11のいずれか1つに記載の電池昇温装置。
[請求項13]
 前記廃熱導入部は、前記温度差が閾値以下となるように前記電池セルに廃熱を導入させる請求項12に記載の電池昇温装置。
[請求項14]
 前記組電池、前記電流発生装置および前記温度差低減部は車両に搭載されている請求項1ないし13のいずれか1つに記載の電池昇温装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30]

[ 図 31]

[ 図 32]

[ 図 33]

[ 図 34]

[ 図 35]

[ 図 36]

[ 図 37]

[ 図 38]

[ 図 39]

[ 図 40]

[ 図 41]

[ 図 42]

[ 図 43]

[ 図 44]

[ 図 45]

[ 図 46]

[ 図 47]

[ 図 48]