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1. WO2020129488 - シート空調装置

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明 細 書

発明の名称 シート空調装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008   0009   0010   0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : シート空調装置

関連出願への相互参照

[0001]
 本出願は、2018年12月19日に出願された日本特許出願番号2018-237458号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。

技術分野

[0002]
 本開示は、車両のシートに設けられるシート空調装置に関するものである。

背景技術

[0003]
 従来、車両のシートに設けられる種々のシート空調装置が知られている。
 特許文献1に記載の装置は、車両の前席に設けられており、前席の着座面のうち背中部から吸い込んだ空気を、前席の側面等に設けた吹出口から車室内後方へ吹き出すように構成されている。これにより、この装置は、前席の側面等の吹出口から空気が吹き出されると、その吹き出された空気(以下、吹出風という)の周囲の空気が、空気の粘性によってその吹出風に巻き込まれて車室内後方へ送風される。そのため、車両のインストルメントパネルの内側に設けられる車両用空調装置で生成されて前席空間に吹き出された冷たい空気は、吹出風に巻き込まれて後席空間へ送風される。これにより、この装置は、車室内の前席空間と後席空間の両方の快適性を高めることができる。
[0004]
 なお、前席空間とは、車室内空間の中で前席の着座面のうち背中部よりも前方の空間をいい、後席空間とは、車室内空間の中で前席の着座面のうち背中部よりも後方の空間をいう。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特許第6094373号公報

発明の概要

[0006]
 しかしながら、上述した特許文献1に記載の装置では、前席に着座した乗員がこの装置を使用すると、後席の乗員の有無に関わらず、車両用空調装置から前席空間に吹き出された冷たい空気が、後席空間へ送風されてしまうことが考えられる。そのため、この装置を使用すると、後席に乗員がいないときにも、前席空間と後席空間の両方の空気が冷やされることになるので、車室内冷房に消費されるエネルギが無駄になるといった課題が考えられる。
[0007]
 本開示は、前席空間と後席空間の両方の快適性を高める状態と、車室内冷房に消費されるエネルギを低減する状態とを切り替え可能なシート空調装置を提供することを目的とする。
[0008]
 本開示の1つの観点によれば、
 車両に搭載されるシート空調装置において、
 車両のシートに設けられる空気通路と、
 空気通路に空気を流す送風機と、
 空気通路を流れる空気をシートの上面に沿うように車室内後方へ吹き出す吹出口と、
 吹出口に対し車両後方に設けられ、吹出口から吹き出された吹出風が周囲の空気を巻き込んで車室内後方へ送風されることを許容する第1状態と、吹出口から吹き出された吹出風が車両天井側または車両床側へ向かうように案内する第2状態とに変位可能に構成されているガイド部材と、を備える。
[0009]
 これによれば、ガイド部材が第1状態のとき、吹出口から吹き出される吹出風は、シートの上面に沿って車室内後方へ流れる。その際、シート上面に沿って流れる吹出風の周囲の空気(すなわち、吹出風の近傍にある空気やその前側にある空気)も、空気の粘性によってその吹出風に巻き込まれて車室内後方へ送風される。以下、吹出風に巻き込まれる空気の流れを「巻き込み風」という。すなわち、車両のインストルメントパネルの内側に設けられる車両用空調装置で生成されて前席空間に吹き出された冷たい空気は、シート空調装置から吹き出される吹出風に巻き込まれ、巻き込み風となって後席空間へ送風される。したがって、このシート空調装置は、ガイド部材を第1状態とすることで、例えば前席と後席の両方に乗員がいる場合など、前席空間と後席空間の両方の快適性を高めることができる。
[0010]
 一方、ガイド部材が第2状態のとき、吹出口から吹き出される吹出風は、シート上面に沿って流れた後、ガイド部材によって車両天井側または車両床側へ案内される。そして、ガイド部材により案内された風は、前席空間と後席空間とを仕切る空気の壁としてのエアカーテンを形成する。これにより、シート上面に沿って流れる吹出風の周囲にある空気は、車室内後方へ向かう流れが遮断される。そのため、例えば前席のみに乗員がいる場合など、前席空間の冷たい空気が後席空間に送風されることが抑制され、前席空間と後席空間とに温度差が発生する。したがって、このシート空調装置は、ガイド部材を第2状態とすることで、前席空間の快適性を高めると共に、車室内冷房に消費されるエネルギを低減することができる。
[0011]
 なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 第1実施形態に係るシート空調装置が搭載される車両の模式図である。
[図2] シート空調装置が設けられる前席の断面図である。
[図3] 図2のIII方向から視た前席の矢視図である。
[図4] 図2のIV部分において、ガイド部材の第1状態を示す断面図である。
[図5] 図2のIV部分において、ガイド部材の第2状態を示す断面図である。
[図6] ガイド部材の一例を示す斜視図である。
[図7] 第1実施形態の吹出部とガイド部材の一例を示す斜視図である。
[図8] 比較例の吹出部を示す斜視図である。
[図9] 第2実施形態に係るシート空調装置において、ガイド部材の第2状態を示す図である。
[図10] 図9におけるガイド部材およびシート上面付近の拡大図である。
[図11] 第3実施形態に係るシート空調装置において、制御系統を示すブロック図である。
[図12] 第4実施形態に係るシート空調装置において、ガイド部材の第1状態を示す図である。
[図13] 第4実施形態に係るシート空調装置において、ガイド部材の第2状態を示す図である。
[図14] 第5実施形態に係るシート空調装置において、ガイド部材の第2状態を示す図である。
[図15] 第6実施形態に係るシート空調装置において、ガイド部材の第2状態を示す図である。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本開示の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
[0014]
 (第1実施形態)
 第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態のシート空調装置1が搭載される車両2は、2列シートになっており、前席3と後席4が設けられている。本実施形態のシート空調装置1は、前席3に設けられている。シート空調装置1は、前席3のうち運転席または助手席の両方に設けられていてもよく、または、その一方のみに設けられていてもよい。なお、本明細書において、前席3をシートと呼び、後席4を後部シートと呼ぶことがある。
[0015]
 この車両2のインストルメントパネル5の内側には、車室内を空調するための車両用空調装置6が設けられている。車両用空調装置6は、車室外空気または車室内空気を吸い込んで、温度および湿度を調整した空調風を、インストルメントパネル5等に設けられた吹出口7から車室内空間に吹き出し、車室内の空調を行うものである。
 以下の説明において、車室内空間の中で、前席3のシートバックよりも前方の空間を前席空間8といい、前席3のシートバックよりも後方の空間を後席空間9ということとする。
[0016]
 図2および図3に示すように、シート空調装置1が設けられるシートは、シートクッション10とシートバック11を有している。なお、シートバック11の上方にはヘッドレスト12が設けられている。シートのシートバック11は、フレーム13に設けられた図示しないスプリングにパッド14が設けられ、その全体が表皮15によって覆われた構成となっている。パッド14は、乗員がシートバック11に凭れ掛かる力を支える部材である。パッド14として、力を分散する柔らかい材質(例えばウレタン)が用いられる。表皮15は、乗員が直接触れるものである。表皮15として、例えば、空気を通すために孔を空けた革製、合皮製もしくは布製(例えばファブリック)のものが用いられる。以下の説明において、シートの表皮15の中で乗員が接する着座面のうち、乗員の背中が接する部位を背中部16と呼び、乗員の下半身が接する部位を臀部17と呼ぶ。
[0017]
 シート空調装置1は、空気通路20、送風機30、吹出部40、および、ガイド部材50などを備えている。
 空気通路20は、シートに設けられる通風路21と配風ダクト22により構成されている。通風路21は、シートのパッド14に形成される空気通路20である。通風路21の一方の側は、シートの背中部16を形成する表皮15側に開口している。通風路21の他方の側は、送風機30の吸込口31側に開口している。そのため、通風路21は、シートの背中部16の表皮15を通過した空気を送風機30へ導くことが可能である。
[0018]
 送風機30は、シートの背中部16の表皮15から通風路21を介して空気を吸込み、その空気を配風ダクト22を介して吹出部40へ送るための装置である。送風機30として、例えば、ターボファン、シロッコファン、ラジアルファンなどの遠心送風機が用いられる。なお、送風機30の種類はこれに限らず、軸流ファン、斜流ファン、横流ファンなど種々のものを使用してもよい。送風機30の吸込口31とパッド14との間には、吸込口パッキン32が設けられる。吸込口パッキン32は、送風機30とパッド14との隙間を埋める部材であり、例えば、多孔質ウレタンを圧縮したものが用いられる。
[0019]
 配風ダクト22は、送風機30と吹出部40を繋ぐ空気通路20を形成する構造部材である。配風ダクト22の一方の端部は、送風機30の空気出口33に接続されている。配風ダクト22の他方の端部は、吹出部40に接続されている。そのため、配風ダクト22は、送風機30の空気出口33から吹き出された空気を吹出部40へ導くことが可能である。配風ダクト22と吹出部40との間には、ダクトパッキン23が設けられる。ダクトパッキン23は、配風ダクト22と吹出部40との隙間を埋める部材であり、例えば、多孔質ウレタンを圧縮したものが用いられる。
[0020]
 吹出部40は、シートバック11の中で上方の部位に設けられている。吹出部40は、配風ダクト22から供給された空気を吹き出す吹出口41を形成するための構造部材である。図3および図7に示すように、吹出部40は、車幅方向の体格が大きく形成されている。そのため、吹出部40は、シートバック11の横幅の大部分を占めている。そして、吹出部40に形成される吹出口41も、車幅方向に広い範囲で形成されている。そのため、吹出口41は、シートバック11の車幅方向の大部分を占めている。
[0021]
 また、吹出口41は、空気通路20を流れる空気をシートの上面(以下、シート上面18という)に沿うように車室内後方へ吹き出すように形成されている。具体的には、図4に示すように、シート上面18のうち吹出口41より前側の面と、吹出口41の前側の壁面とのなす角αは鋭角となっている。また、シート上面18のうち吹出口41より後側の面と、吹出口41の後側の壁面とのなす角βは鈍角となっている。
[0022]
 なお、図7に示すように、吹出部40には、必要に応じて、吹出口41から車室内後方へ吹出された吹出風の風向きを調整するための調節機構42を設けてもよい。なお、この調節機構42の幅W1は、吹出口41の幅W2より小さいものとなっている。
 ガイド部材50は、吹出口41に対し車両後方に設けられている。本実施形態のガイド部材50は、断面が円弧状に形成されている。また、ガイド部材50は、車幅方向に延びるように形成されている。そして、ガイド部材50の幅W3は、吹出口41の幅W2より長いものとなっている。したがって、図7に示すように、ガイド部材50の幅W3>吹出口41の幅W2>調節機構42の幅W1 の関係になっている。
[0023]
 図6に示すように、ガイド部材50は、その幅方向の両端に設けられた支持体51の回転軸52を中心として回転可能に設けられている。なお、ガイド部材50は、乗員の手動操作により回転するように構成されていてもよく、または、図示しない電動モータにより回転するように構成されていてもよい。
[0024]
 図4および図5に示すように、ガイド部材50は、次に述べる第1状態と第2状態とに変位可能に構成されている。第1状態とは、吹出口41から吹き出された吹出風が周囲の空気を巻き込んで車室内後方へ送風されることを許容する状態である。第2状態とは、吹出口41から吹き出された吹出風が車両天井側または車両床側へ向かうように案内する状態である。
[0025]
 図4は、ガイド部材50の第1状態の一例を示している。ガイド部材50は、第1状態のとき、シートに設けられた格納スペース59に格納される。これにより、ガイド部材50は、吹出口41から吹き出された吹出風が周囲の空気を巻き込んで車室内後方へ送風されることを許容する状態となる。
[0026]
 一方、図5は、ガイド部材50の第2状態の一例を示している。ガイド部材50は、第2状態のとき、格納スペース59から少なくとも一部が露出した状態となる。そして、本実施形態のガイド部材50は、第2状態のとき、吹出口41より車両後方で、シート上面18から天井側へ延びる形状となる。これにより、ガイド部材50は、吹出口41から車室内後方へ吹き出される空気の流れを車両天井側へ案内可能な形状となる。
[0027]
 次に、本実施形態のシート空調装置1の作動を説明する。
 シート空調装置1の送風機30が駆動すると、図2の矢印AF1に示すように、シートの背中部16を形成する表皮15を介して通風路21に空気が吸い込まれる。矢印AF2、AF3に示すように、通風路21を流れる空気は、送風機30の吸込口31に集風される。次に、矢印AF4に示すように、送風機30の空気出口33から配風ダクト22に吹き出された空気は、配風ダクト22の中の空気通路20を通って吹出部40に流れる。そして、矢印AF5に示すように、吹出部40に流入した空気は、吹出口41から車室内に吹き出される。
[0028]
 図4に示すように、ガイド部材50が第1状態のとき、吹出口41から吹き出される吹出風は、矢印AF5に示すように、シート上面18に沿って車室内後方へ流れる。その際、シート上面18に沿って流れる吹出風の周囲の空気(すなわち、吹出風の近傍にある空気やその前側にある空気)も、空気の粘性によってその吹出風に巻き込まれて車室内後方へ送風される。以下、吹出風に巻き込まれる空気の流れを「巻き込み風」という。なお、図4では、空気の粘性を模式的に破線Vで示し、巻き込み風を矢印AF6で示している。
[0029]
 このように、ガイド部材50が第1状態のとき、吹出口41から吹き出される吹出風の周囲の空気が、吹出風に巻き込まれて車室内後方へ送風されることで、前席空間8の空気が後席空間9に送風される。そのため、車両2のインストルメントパネル5の内側に設けられる車両用空調装置6で生成されて前席空間8に吹き出された冷たい空気は、巻き込み風となって後席空間9へ送風される。したがって、このシート空調装置1は、ガイド部材50を第1状態とすることで、例えば前席3と後席4の両方に乗員がいる場合など、前席空間8と後席空間9の両方の快適性を高めることができる。
[0030]
 これに対し、図5に示すように、ガイド部材50が第2状態のとき、吹出口41から吹き出される吹出風は、矢印AF7に示すように、シート上面18に沿って流れた後、ガイド部材50によって車両天井側へ案内される。そして、ガイド部材50によって案内された風は、前席空間8と後席空間9とを仕切る空気の壁としてのエアカーテンを形成する。そのため、矢印AF8に示すように、シート上面18に沿って流れる吹出風の周囲にある空気は、車室内後方へ向かう流れが遮断される。これにより、例えば前席3のみに乗員がいる場合など、前席空間8の冷たい空気が後席空間9に送風されることが抑制され、前席空間8と後席空間9とに温度差が発生する。したがって、このシート空調装置1は、ガイド部材50を第2状態とすることで、前席空間8の快適性を高めると共に、車両用空調装置6が車室内冷房に消費するエネルギを低減することができる。
[0031]
 ここで、上述した第1実施形態のシート空調装置1と比較するため、比較例のシート空調装置が備える吹出部400について説明する。なお、この比較例のシート空調装置が備える吹出部400は、本開示と同一出願人により開発されたものであり、本開示の出願時における公知技術ではない。
[0032]
 図8に示すように、比較例のシート空調装置が備える吹出部400は、ガイド部材50を備えていない。そのため、比較例のシート空調装置も、上記第1実施形態と同様に、送風機30を駆動すると、吹出口41から吹き出される吹出風により、その周囲の空気が巻き込まれて車室内後方へ送風される。そのため、前席空間8の空気が後席空間9に送風されるので、前席空間8と後席空間9の両方の快適性を高めることができる。また、比較例の吹出部400は、調節機構42を備えているので、後席4に着座した乗員は、吹出口41から吹出される吹出風の風向きを調整することが可能である。
[0033]
 しかしながら、比較例のシート空調装置では、前席3に着座した乗員がこの装置を使用すると、後席4の乗員の有無に関わらず、前席空間8の空気が、後席空間9へ送風されてしまう。そのため、比較例のシート空調装置を使用すると、後席4に乗員がいないときにも、前席空間8と後席空間9の両方の空気が冷えることになるので、車両用空調装置6が車室内冷房に消費するエネルギが無駄になってしまうといった問題が考えられる。
[0034]
 このような比較例のシート空調装置に対し、上述した第1実施形態のシート空調装置1は、次のような作用効果を奏するものである。
[0035]
 すなわち、第1実施形態のシート空調装置1と比較例のシート空調装置はいずれも、シートに着座した乗員とシートの背中部との間の蒸れた空気を吸い込むことで、乗員の快適性を高めるといった、SVS(seat ventilation systemの略)としての機能を有している。さらに、これらのシート空調装置はいずれも、前席空間8の空気を後席空間9に送風することで、前席空間8と後席空間9の両方の快適性を高めるといった、SBC(seat back circulatorの略)としての機能を有している。
[0036]
 しかしながら、上述したように比較例のシート空調装置は、前席3に着座した乗員がこのシート空調装置をSVSとして使用すると、後席4の乗員の有無に関わらず、前席空間8の空気が後席空間9へ送風されてしまう。そのため、車両用空調装置6が車室内冷房に消費するエネルギが無駄になってしまうといった問題が考えられる。消費エネルギを低減する観点でみれば、後席4の乗員が不在の時はできる限り後席空間9を冷やさず、前席空間8と後席空間9との温度差がある方がよい。
[0037]
 そこで、本実施形態のシート空調装置1は、後席4の乗員が不在の時は、ガイド部材50を第2状態とすることで、シート上面18に沿って流れていた吹出風の風向きをガイド部材50によって略直上方向に変える構成としている。このガイド部材50によって風向きを変えられた吹出風は、前席空間8と後席空間9とを仕切る空気の壁としてのエアカーテンを形成する。その際、空気の粘性により発生する巻き込み風は、シート側面に沿った流れであるため、ガイド部材50により直交方向に変向された吹出風により後席空間9への流れが防止される。その結果、前席空間8と後席空間9とに温度差が発生する。したがって、このシート空調装置1は、ガイド部材50を第2状態とすることで、前席空間8の快適性を高めると共に、車室内冷房に消費されるエネルギを低減することができる。
[0038]
 また、第1実施形態では、ガイド部材50の幅W3が、吹出口41の幅W2よりも長いものとなっている。ガイド部材50を用いて後席空間9への風流れを防止するためには、ガイド部材50の幅W3は、吹出口41の幅W2よりも長いことが必要と考える。仮にガイド部材50の幅W3が短い場合でも同様の効果を奏するが、少なからず後方流れが発生するために好ましくないと考える。
[0039]
 一方、吹出部40に設けられる調節機構42の用途は、吹出風を後席4の乗員が所望する風向へ調節するものである。このため、調節機構42は、その風向調整の範囲として後席4の乗員周囲を想定しており、吹出風を略直交方向へ曲げる事は想定していないと言える。更に、調節機構42の幅W1は、吹出口41の幅W2よりも短い。これは、調節機構42は、送風の範囲を広げる事を狙いとしているためである。
[0040]
 これに対し、第1実施形態では、ガイド部材50の車幅方向の幅W3が、吹出口41の幅W2よりも長いので、ガイド部材50は第2状態のとき、吹出口41から吹き出される吹出風の殆ど全てを利用して幅の広いエアカーテンを形成することが可能である。したがって、エアカーテンの効果をより高めることで、前席空間8の快適性をより向上し、且つ、車室内冷房に消費されるエネルギをより低減することができる。
[0041]
 (第2実施形態)
 第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対してガイド部材50の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
[0042]
 図9に示すように、第2実施形態では、第1実施形態に対し、ガイド部材50の可動範囲が異なっている。図9に示すように、第2実施形態のガイド部材50は、第2状態のとき、シートの外側に上端と下端の両方が露出した状態となる。この状態でガイド部材50は、吹出口41から車室内後方へ吹き出される空気の流れを車両天井側と車両床側へそれぞれ案内することが可能である。具体的には、矢印AF10に示すように、ガイド部材50によって車両天井側へ案内される吹出風は、シートの上方にエアカーテンを形成する。
[0043]
 一方、矢印AF11に示すように、ガイド部材50によって車両床側へ案内される吹出風は、シートの下方にエアカーテンを形成する。ここで、車両用空調装置6から前席空間8に吹き出された冷たい空気は比重が重いので車室内空間の下方向へ向かって流れる。そこで、第2実施形態では、ガイド部材50によってシートの下方にエアカーテンを形成することで、車室内空間の下方の冷気が後席空間9へ流れることを防ぐことができる。
[0044]
 なお、図9の破線S50は、ガイド部材50の第1状態を示している。ガイド部材50は、第1状態のとき、シートに設けられた格納スペース59に格納することが可能である。ガイド部材50は、第1状態のとき、吹出口41から車室内後方へ吹き出される空気の流れを許容する。
[0045]
 第2実施形態では、ガイド部材50は、第2状態のときの角度が次のように設定される。
 図10に示すように、ガイド部材50のうち車両前側の面の上端56と下端57とを結ぶ平面を第1仮想面S1とする。ガイド部材50のうち車両前側の面の上端56と下端57との中心CLを含みシート上面18に平行な平面を第2仮想面S2とする。そして、第1仮想面S1と第2仮想面S2とのなす角をθ1、θ2とする。なお、θ1、θ2は、第1仮想面S1の車両後方における角度である。このとき、ガイド部材50は、第2状態のときの角度θ1、θ2が、 45°≦θ1≦135°、または、-45°≧θ2≧-135° の範囲に設定される。
[0046]
 ガイド部材50が第2状態のときの角度θ1、θ2をこのように設定することで、エアカーテンを形成する吹出風の主流の角度を、シート上面18に対して略45°~135°、または略-45°~-135°とすることが可能である。これにより、前席空間8と後席空間9とを仕切る空気の壁としてのエアカーテンの機能を高め、前席空間8の冷たい空気が後席空間9に移動することを抑制することが可能である。したがって、第2実施形態のシート空調装置1は、前席空間8の快適性をより高めると共に、車両用空調装置6が車室内冷房に消費するエネルギをより低減することができる。
[0047]
 (第2実施形態の変形例)
 なお、上記第2実施形態の説明では、ガイド部材50は、第2状態のときの角度θ1、θ2が、 45°≦θ1≦135°、または、-45°≧θ2≧-135° の範囲に設定されるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、第2実施形態の変形例では、ガイド部材50は、第2状態のときの角度θ1、θ2を、60°≦θ1≦120°、または、-60°≧θ2≧-120° の範囲に設定する。さらに、ガイド部材50は、第2状態のときの角度θ1、θ2を、シート上面18に対して実質的に垂直に設定することがより好ましい。このように設定することで、エアカーテンを形成する吹出風の主流の角度を、シート上面18に対して垂直に近づけることが可能である。これにより、前席空間8と後席空間9とを仕切る空気の壁としてのエアカーテンの機能を高め、前席空間8の冷たい空気が後席空間9に移動することを抑制できる。
[0048]
 (第3実施形態)
 第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態等に対してガイド部材50の駆動方法を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
[0049]
 図11は、第3実施形態のシート空調装置1の制御系統を示すブロック図である。第3実施形態では、ガイド部材50は、ガイド部材駆動用の電動モータ60により回転するように構成されているものとする。
[0050]
 第3実施形態のシート空調装置1が搭載される車両2には、後席4に着座する乗員の有無を検出するための検出部70が設けられている。検出部70として、例えば、後部ドアの開閉を検出するカーテシスイッチ、後席4に設けられる着座センサ、または、車内カメラなどが挙げられる。その検出部70から出力される信号は、制御装置(ECU:Electronic Control Unit)80に伝送される。
[0051]
 制御装置80は、制御処理や演算処理を行うプロセッサ、プログラムやデータ等を記憶するROM、RAM等の記憶部を含むマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。なお、制御装置80の記憶部は、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。制御装置80は、検出部70によって検出された乗員の有無に応じて、出力ポートに接続されたガイド部材駆動用の電動モータ60の作動を制御する。具体的には、制御装置80は、後席4に乗員が着座していることが検出部70により検出された場合、ガイド部材50を第1状態にする。一方、制御装置80は、後席4に乗員が着座していないことが検出部70により検出された場合、ガイド部材50を第2状態にする。
[0052]
 以上説明した第3実施形態では、制御装置80は、後席4に着座する乗員の有無に応じて、ガイド部材50を第1状態または第2状態に切り替える。後席4に着座する乗員の有無に応じて、ガイド部材50は、乗員の手動によらず、第1状態と第2状態とに自動的に切り替える。したがって、第3実施形態のシート空調装置1は、ガイド部材50を動かす乗員の手間を省き、前席空間8の快適性を高めると共に、車室内冷房に消費されるエネルギを低減することができる。
[0053]
 (第4~第6実施形態)
 第4~第6実施形態は、第1実施形態等に対してガイド部材50の形状などを変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
[0054]
 (第4実施形態)
 図12および図13に示すように、第4実施形態のシート空調装置1が備えるガイド部材50は、断面が直線状に形成されている。したがって、このガイド部材50は、平板状に形成されている。図12は、ガイド部材50の第1状態を示し、図13は、ガイド部材50の第2状態を示している。
[0055]
 ガイド部材50の駆動は、例えば、ラック・アンド・ピニオンによるものとしてもよい。その場合、ガイド部材50に設けられたラック53に対し、シート側に設けられたピニオン54が噛み合う構成とする。ピニオン54が回転すると、ガイド部材50が第1状態と第2状態とに変位する。
 なお、ガイド部材50の駆動方法はこれに限らず、例えば、乗員の手動操作により変位するように構成されていてもよい。また、ガイド部材50は、幅方向の両端に、第1実施形態で説明したような支持体51を有する構成としてもよい。
[0056]
 (第5実施形態)
 図14に示すように、第5実施形態のシート空調装置1が備えるガイド部材50は、断面が2本の線分を組み合わせた形状となっている。その2本の線分同士のなす角θ は、車両前側において90°<θ <180°となっている。
 図14では、ガイド部材50の第1状態を破線S50で示し、ガイド部材50の第2状態を実線で示している。なお、ガイド部材50の駆動方法は、上記各実施形態と同様に、乗員の手動操作により変位するように構成されていてもよく、または、図示しない電動モータ60により回転するように構成されていてもよい。
 第5実施形態のシート空調装置1も、上述した第1~第4実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[0057]
 (第6実施形態)
 図15に示すように、第6実施形態のシート空調装置1が備えるガイド部材50は、複数の凹凸部55を有する形状となっている。その複数の凹凸部55は、ガイド部材50が第2状態のときに、車両前方の面に設けられている。
 図15でも、ガイド部材50の第1状態を破線S50で示し、ガイド部材50の第2状態を実線で示している。なお、ガイド部材50の駆動方法は、上記各実施形態と同様に、乗員の手動操作により変位するように構成されていてもよく、または、図示しない電動モータ60により回転するように構成されていてもよい。
 第6実施形態のシート空調装置1も、上述した第1~第5実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[0058]
 (他の実施形態)
 本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
[0059]
 本開示に記載の制御装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
[0060]
 (1)上記各実施形態では、シート空調装置1は、2列シートの車両2に搭載されるものとして説明したが、これに限られない。シート空調装置1は、3列以上のシートを備える車両2に搭載されるものであってもよい。その場合、シート空調装置1は、前席3に設けられていてもよく、前から2列目以降のシートに設けられていてもよい。
[0061]
 (2)上記各実施形態では、シート空調装置1が備えるガイド部材50の形状について、断面が円弧状、断面が直線状(すなわち平板状)、断面が2本の線分を組み合わせた形状、または、表面に凹凸部55を有する形状について説明したが、これに限らない。ガイド部材50および支持体51の形状、材質等については、種々のものを採用できる。
[0062]
 (3)上記各実施形態では、シート空調装置1が備える空気通路20はシートに設けられる通風路21と配風ダクト22により構成されるものとして説明したが、これに限らない。シート空調装置1が備える空気通路20は、シートの表皮15などから吸い込んだ風を吹出部40に導くことが可能なものであれば、どのような構成としてもよい。
[0063]
 (4)上記各実施形態では、シート空調装置1は、シートの着座面のうち背中部16から空気を吸い込むものとして説明したが、これに限らない。シート空調装置1が空気を吸い込む位置はシートのどこの位置であってもよい。
[0064]
 (5)上記各実施形態では、ガイド部材50は第1状態のとき、シートに設けられた格納スペース59に格納される構成について説明したが、これに限らない。ガイド部材50は第1状態のとき、例えば、シート背面の表皮15に沿ってシート上面18より下方に移動する構成としてもよい。
[0065]
 (まとめ)
 上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車両に搭載されるシート空調装置は、空気通路、送風機、吹出口およびガイド部材を備える。空気通路は、車両のシートに設けられる。送風機は、空気通路に空気を流す。吹出口は、空気通路を流れる空気をシート上面に沿うように車室内後方へ吹き出す。ガイド部材は、吹出口に対し車両後方に設けられている。そして、ガイド部材は、吹出口から吹き出された吹出風が周囲の空気を巻き込んで車室内後方へ送風されることを許容する第1状態と、吹出口から吹き出された吹出風が車両天井側または車両床側へ向かうように案内する第2状態とに変位可能に構成されている。
[0066]
 第2の観点によれば、ガイド部材が第1状態のとき、吹出口から吹き出される吹出風の周囲にある空気が空気の粘性によってその吹出風に巻き込まれて車室内後方へ送風されるように構成されている。一方、ガイド部材が第2状態のとき、吹出口から吹き出されてガイド部材により車両天井側または車両床側へ案内される風により、吹出風の周囲にある空気は、車室内後方へ向かう流れが遮断されるように構成されている。
[0067]
 これによれば、ガイド部材が第1状態のとき、吹出口から吹き出される吹出風は、シートの上面に沿って車室内後方へ流れる。その際、シート上面に沿って流れる吹出風の周囲の空気(すなわち、吹出風の近傍にある空気やその前側にある空気)も、空気の粘性によってその吹出風に巻き込まれて車室内後方へ送風される。そのため、車両用空調装置で生成されて前席空間に吹き出された冷たい空気は、シート空調装置から吹き出される吹出風に巻き込まれ、巻き込み風となって後席空間へ送風される。したがって、このシート空調装置は、ガイド部材を第1状態とすることで、例えば前席と後席の両方に乗員がいる場合など、前席空間と後席空間の両方の快適性を高めることができる。
[0068]
 一方、ガイド部材が第2状態のとき、吹出口から吹き出される吹出風は、シート上面に沿って流れた後、ガイド部材によって車両天井側または車両床側へ案内される。そして、ガイド部材により案内された風は、前席空間と後席空間とを仕切る空気の壁としてのエアカーテンを形成する。これにより、シート上面に沿って流れる吹出風の周囲にある空気は、車室内後方へ向かう流れが遮断される。そのため、例えば前席のみに乗員がいる場合など、前席空間の冷たい空気が後席空間に送風されることが抑制され、前席空間と後席空間とに温度差が発生する。したがって、このシート空調装置は、ガイド部材を第2状態とすることで、前席空間の快適性を高めると共に、車室内冷房に消費されるエネルギを低減することができる。
[0069]
 第3の観点によれば、空気通路は、シートの着座面のうち背中部から吸い込まれた空気が吹出口へ流れるように構成されている。
[0070]
 これによれば、シート空調装置が設けられるシートに着座する乗員とシートの背中部との間の蒸れた空気は、シート空調装置の空気通路に吸い込まれる。これにより、シート空調装置は、シートに着座する乗員の快適性を高めることができる。さらに、シート空調装置は、吹出口から吹き出される吹出風を利用して、後席に乗員がいる場合に後席空間の快適性を高め、後席に乗員がいない場合等にシートの上方または下方にエアカーテンを形成することができる。
[0071]
 第4の観点によれば、ガイド部材の幅は、吹出口の幅よりも長い。
[0072]
 これによれば、ガイド部材は第2状態のとき、吹出口から吹き出される吹出風の殆ど全てを利用して幅の広いエアカーテンを形成することが可能である。したがって、エアカーテンの効果をより高めることで、前席空間の快適性をより向上し、且つ、車室内冷房に消費されるエネルギをより低減することができる。
[0073]
 第5の観点によれば、ガイド部材が第2状態のとき、ガイド部材のうち車両前側の面の上端と下端とを結ぶ第1仮想面と、その上端と下端との中心を含みシート上面に平行な第2仮想面とのなす角をθ1、θ2とする。このとき、ガイド部材は、第2状態のときの角度θ1、θ2が、45°≦θ1≦135°、または、-45°≧θ2≧-135° の範囲に設定されている。
[0074]
 これによれば、ガイド部材が第2状態のとき、エアカーテンを形成する主流の角度を、シート上面に対して略45°~135°、または略-45°~-135°とすることが可能である。これにより、前席空間と後席空間とを仕切る空気の壁としてのエアカーテンの機能を高め、前席空間の冷たい空気が後席空間に移動することを抑制することが可能である。したがって、前席空間の快適性をより高めると共に、車室内冷房に消費されるエネルギをより低減することができる。
[0075]
 第6の観点によれば、シート空調装置は、シート空調装置が設けられるシートより後方に位置する後部シートに着座する乗員の有無を検出する検出部と、その検出部によって検出された乗員の有無に応じてガイド部材の駆動を制御する制御装置と、をさらに備える。制御装置は、後部シートに乗員が着座していることが検出部により検出された場合、ガイド部材を第1状態にする。一方、制御装置は、後部シートに乗員が着座していないことが検出部により検出された場合、ガイド部材を第2状態にする。
[0076]
 これによれば、制御装置は、後部シートに着座する乗員の有無に応じて、ガイド部材を第1状態または第2状態に自動的に切り替える。したがって、このシート空調装置は、ガイド部材を動かす乗員の手間を省き、前席空間の快適性を高めると共に、車室内冷房に消費されるエネルギを低減することができる。

請求の範囲

[請求項1]
 車両(2)に搭載されるシート空調装置において、
 前記車両のシート(3)に設けられる空気通路(20、21、22)と、
 前記空気通路に空気を流す送風機(30)と、
 前記空気通路を流れる空気を前記シートの上面(18)に沿うように車室内後方へ吹き出す吹出口(41)と、
 前記吹出口に対し車両後方に設けられ、前記吹出口から吹き出された吹出風が周囲の空気を巻き込んで車室内後方へ送風されることを許容する第1状態と、前記吹出口から吹き出された吹出風が車両天井側または車両床側へ向かうように案内する第2状態とに変位可能に構成されているガイド部材(50)と、を備えるシート空調装置。
[請求項2]
 前記ガイド部材が前記第1状態のとき、前記吹出口から吹き出される吹出風の周囲にある空気が空気の粘性によって吹出風に巻き込まれて車室内後方へ送風されるように構成されており、
 前記ガイド部材が前記第2状態のとき、前記吹出口から吹き出されて前記ガイド部材により車両天井側または車両床側へ案内される風により、吹出風の周囲にある空気は、車室内後方へ向かう流れが遮断されるように構成されている、請求項1に記載のシート空調装置。
[請求項3]
 前記空気通路は、前記シートの着座面のうち背中部(16)から吸い込まれた空気が前記吹出口へ流れるように構成されている、請求項1または2に記載のシート空調装置。
[請求項4]
 前記ガイド部材の幅(W3)は、前記吹出口の幅(W2)よりも長い、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のシート空調装置。
[請求項5]
 前記ガイド部材が前記第2状態のとき、前記ガイド部材のうち車両前側の面の上端(56)と下端(57)とを結ぶ第1仮想面(S1)と、その上端と下端との中心(CL)を含み前記シートの上面に平行な第2仮想面(S2)とのなす角をθ1、θ2とすると、
 前記ガイド部材は、前記第2状態のときの角度θ1、θ2が、45°≦θ1≦135°、または、-45°≧θ2≧-135° の範囲に設定されている、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のシート空調装置。
[請求項6]
 前記シート空調装置が設けられる前記シートより後方に位置する後部シート(4)に着座する乗員の有無を検出する検出部(70)と、
 前記検出部によって検出された乗員の有無に応じて前記ガイド部材の駆動を制御する制御装置(80)と、をさらに備え、
 前記制御装置は、
 前記後部シートに乗員が着座していることが前記検出部により検出された場合、前記ガイド部材を前記第1状態とし、
 前記後部シートに乗員が着座していないことが前記検出部により検出された場合、前記ガイド部材を前記第2状態とする、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のシート空調装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]