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1. WO2020129378 - 電源システム、診断装置及び無停電電源装置

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明 細 書

発明の名称 電源システム、診断装置及び無停電電源装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

符号の説明

0089  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 電源システム、診断装置及び無停電電源装置

技術分野

[0001]
 本発明は、電源システム、診断装置及び無停電電源装置に関する。

背景技術

[0002]
 無停電電源装置は、停電時等のトラブルの際、二次電池に蓄えた電力を用いることで、サーバや、その他の負荷装置に安定した電力を供給することが可能な電源装置である。二次電池に鉛蓄電池等が採用された無停電電源装置が主流であったが、近年では、二次電池に小型且つ軽量なリチウムイオン電池が採用された無停電電源装置も普及し始めている。
[0003]
 トラブルの際に無停電電源装置を確実に動作させるために、二次電池の定期点検の他、二次電池の状態を診断する診断装置が設置される。二次電池は劣化すると内部抵抗が上昇し、満充電容量が減少するといった性能低下が生じる。このため、負荷装置に所望電力が供給可能か否かを判定するためには、二次電池の劣化に伴う性能変化を把握する必要がある。
[0004]
 従来、二次電池の診断装置として、二次電池の内部抵抗値から劣化の程度を診断するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の診断装置は、二次電池を定電流でパルス放電させて二次電池の内部抵抗値を算出し、この内部抵抗値に基づいて二次電池の劣化の程度を診断している。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2000-121710号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 ところで、無停電電源装置は、瞬停具合や停電具合が設置環境によって異なるため、設置環境に応じて容量劣化に少なからず個体差が生じている。特許文献1に記載の診断装置は、二次電池の内部抵抗値によって劣化を予測するものであるため、この個体差に応じた実際の容量劣化までは精度よく診断することができない。このため、電源トラブルの際に、負荷装置に必要なバックアップ用の電力を確実に確保できないおそれがあった。
[0007]
 本発明は前記課題を解決するもので、その目的とするところは、バックアップ用の電力を確保しつつ、電池の容量劣化を精度よく診断することができる電源システム、診断装置及び無停電電源装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の一態様の電力システムは、二次電池を有する無停電電源装置と、前記無停電電源装置の二次電池の容量劣化を診断する診断装置と、を備えた電源システムであって、前記無停電電源装置は、第1の充電状態まで二次電池を充電可能な通常モードと、前記第1の充電状態よりも高い第2の充電状態まで二次電池を充電可能な診断モードとで動作し、前記診断装置は、前記無停電電源装置を前記通常モードから前記診断モードに切り替えて、前記無停電電源装置の二次電池の容量劣化を、前記第1の充電状態及び前記第2の充電状態の間の容量領域を用いて診断することを特徴とする。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、第1の充電状態と第2の充電状態の間の容量領域を利用することで、バックアップ用の電力を確保しながら、無停電電源装置の二次電池を実際に放電して、二次電池の容量劣化を精度よく診断できる。本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 第1の実施形態に係る電源システムの構成図。
[図2] 第1の実施形態に係る無停電電源装置の構成図。
[図3] 第1の実施形態に係る二次電池の構成図。
[図4] 第1の実施形態に係る診断装置の制御ブロック図。
[図5] 第1の実施形態に係る通常モードの無停電電源装置の充電状態の一例。
[図6] 第1の実施形態に係る診断モードの無停電電源装置の充電状態の一例。
[図7] 第1の実施形態に係る容量劣化の診断処理のシーケンス図。
[図8] 第1の実施形態に係る容量劣化の他の診断処理のシーケンス図。
[図9] 第2の実施形態に係る診断モードの無停電電源装置の充電状態の一例。
[図10] 第3の実施形態に係る電源システムの構成図。
[図11] 第4の実施形態に係る電源システムの構成図。

発明を実施するための形態

[0011]
 [第1の実施形態]
 以下、図面を参照して、第1の実施形態に係る電源システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る電源システムの構成図である。電源システムは、商用電源等の電力系統101と、電力系統101からの電力が供給される負荷装置103との間に介在されている。電源システムには、二次電池204(図2参照)を有する複数の無停電電源装置102と、各無停電電源装置102の二次電池204の容量性能を診断する診断装置104とが設けられている。この電源システムでは、平常時には電力系統101からの電力が負荷装置103に供給され、停電時には複数の無停電電源装置102の二次電池204の蓄電量を用いて負荷装置103に電力が供給される。
[0012]
 複数の無停電電源装置102では、電力系統101からの電力で所定の充電状態(SOC:State of Charge)まで二次電池204が充電されている。診断装置104は、無停電電源装置102の二次電池204の容量診断機能や、無停電電源装置102の二次電池204の充放電制御機能を有している。以降では、診断装置104が無停電電源装置102の外部に設置してある例について述べるが、無停電電源装置102の内部に設置することも可能である。この場合、一つの無停電電源装置102に診断装置104の各機能を内蔵するか、全ての無停電電源装置102に診断装置104の各機能を内蔵しておき、システムを運用する際は一つの無停電電源装置102を診断装置として動作させるとよい。
[0013]
 図2は、無停電電源装置102の構成図である。無停電電源装置102には電力入力端子201を通じて電力系統101(図1参照)が接続されており、開閉スイッチ202を介して電力系統101からの交流電力が整流器203に入力される。整流器203で交流電力が直流電力に変換されて二次電池204に充電される。二次電池204から必要に応じて直流電力が放電され、インバータ205で直流電力から交流電力に変換される。無停電電源装置102には電力出力端子207を通じて負荷装置103が接続されており、経路切替スイッチ206を介してインバータ205からの交流電力が負荷装置103(図1参照)に出力される。
[0014]
 開閉スイッチ202は電力系統101との接続を必要に応じて切り離し、経路切替スイッチ206は交流電力の供給元を電力系統101とインバータ205の間で切り替えている。また、無停電電源装置102には信号端子として、診断装置104からの信号を受信するための信号入力端子208と、診断装置104へ信号を送信するための信号出力端子209とが設けられている。なお、図2の無停電電源装置102は一例を示すものであり、常時インバータ給電方式、ラインインタラクティブ方式、常時商用給電方式のいずれの給電方式で構成されていてもよい。
[0015]
 図3は、二次電池204の構成図である。二次電池204は、複数の単電池を直列接続して高電圧化し、必要に応じて複数の単電池を並列接続して高容量化した単電池群301を電池接続端子306によって外部と電気的に接続する(並列接続に関しては図示せず)。単電池群301に出入りする電流は電流センサ303によって測定され、複数の単電池の中から代表的な温度が温度センサ304によって測定される。代表的な温度とは、複数の単電池のうち、最も温度が高くなる場所、最も温度が低くなる場所、平均的な温度が得られる場所等で測定された温度値である。単電池群301に出入りする電力は、電池管理部302で測定した単電池其々の電圧の合計値と、電流センサ303で測定した電流値とを乗算することで測定できる。
[0016]
 また、二次電池204には、単電池群301の各単電池を管理する電池管理部302と、単電池群301の状態を検知する状態検知部305とが設けられている。電池管理部302は、単電池群301の単電池其々の電圧を測定する機能の他、単電池の間で電圧ばらつきが生じた場合に電圧ばらつきを均等化するための機能も有する。状態検知部305は、電池管理部302と電流センサ303と温度センサ304が測定した測定値を用いて単電池群301のSOC、異常の有無、容量値(容量性能)等の状態を検知する。状態検知部305は、電池信号入力端子307から入力された指令によって状態を検知し、検知結果は電池信号出力端子308から外部に出力される。
[0017]
 このような二次電池204としてはリチウムイオン電池が普及し始めており、本実施形態の無停電電源装置102でも二次電池204としてリチウムイオン電池を採用している。リチウムイオン電池の劣化要因としては、高い充電状態で保存することで劣化が進む保存劣化と、使用頻度に応じて劣化が進むサイクル劣化が存在する。無停電電源装置102(図2参照)は停電等のトラブルが発生しなければ使用されないため、無停電電源装置102の二次電池204として使用されるリチウムイオン電池では保存劣化が主な劣化要因となる。無停電電源装置102が使用されずに、二次電池204が満充電状態で維持され続けると内部抵抗が上昇し、満充電容量が減少する。
[0018]
 無停電電源装置102の二次電池204が容量劣化すると、トラブル時に負荷装置103に必要な電力を供給できない恐れがある。定期的に無停電電源装置102の二次電池204の容量劣化を診断する必要があるが、二次電池204の容量劣化を精度よく診断するためには二次電池204を実際に放電しなければならない。二次電池204の放電によって電源システムから負荷装置103に供給可能な電力の総量が減少することから、二次電池204の放電によって容量劣化を診断するためにはバックアップ用の電力を余分に確保する必要がある。
[0019]
 そこで、本実施形態の無停電電源装置102では、二次電池204の満充電によって容量劣化が進む点に着目し、平常時には二次電池204を満充電状態よりも低い充電状態で維持するようにしている。二次電池204の保存劣化を抑えると共に、二次電池204の充電状態に余力を残しておき、この充電状態の余力をバックアップ用の電力として利用している。これにより、複数の無停電電源装置102の全体としての二次電池204の蓄電量の総量を維持しつつ、二次電池204を実際に放電して容量劣化を診断することが可能になっている。
[0020]
 以下、第1の実施形態の容量診断について詳細に説明する。無停電電源装置102は、停電に備えて蓄電する通常モードと二次電池204の容量劣化を診断するための診断モードの2種類の動作モードで動作する。通常モードは、第1のSOC(第1の充電状態)まで二次電池204を充電可能な動作モードである。通常モードでは、無停電電源装置102が第1のSOCに充電レベルを維持するように動作する。診断モードは、通常モードの第1のSOCよりも高い第2のSOC(第2の充電状態)まで二次電池204を充電可能な動作モードである。診断モードでは、二次電池204の放電によって容量劣化が診断される。なお、SOCとは、二次電池204の満充電に対する蓄電量を示している。無停電電源装置102には、動作モードの設定や診断装置104との通信制御等の各種処理を統括制御する制御部(不図示)が設けられている。
[0021]
 図4は、診断装置104の制御ブロック図である。診断装置104には、装置各部を統括制御する制御部401が設けられている。制御部401には、複数の無停電電源装置102(図1参照)から診断対象を決定する対象決定部402と、無停電電源装置102の動作モードを切り替えるモード切替部403とが設けられている。また、診断装置104には、無停電電源装置102の二次電池204(図2参照)の充放電を制御する充放電制御部404と、二次電池204の容量劣化を診断する容量劣化診断部405とが設けられている。対象決定部402は、前回の診断時刻から所定の時間が経過した無停電電源装置102を診断対象として決定する。所定の時間が経過した無停電電源装置102が複数存在する場合には、前回の診断時刻から最も時間が経過した無停電電源装置102が診断対象として決定される。
[0022]
 モード切替部403は、通常モード又は診断モードへの移行指令を複数の無停電電源装置102に出力し、無停電電源装置102の動作モードを切り替えている。容量劣化の診断開始時には、診断モードへの移行指令によって無停電電源装置102が通常モードから診断モードに切り替えられ、充電レベルが高い第2のSOCまで二次電池204を充電可能にしている。容量劣化の診断完了時には、通常モードへの移行指令によって無停電電源装置102が診断モードから通常モードに切り替えられ、第1のSOCに二次電池204の充電レベルが抑えられて保存劣化が抑えられる。
[0023]
 充放電制御部404は、充電指令又は放電指令を複数の無停電電源装置102に出力している。無停電電源装置102が通常モードで動作する場合には、充放電制御部404は、充電指令又は放電指令によって各無停電電源装置102に二次電池204を第1のSOCに維持させるように充放電を制御する。無停電電源装置102が診断モードで動作する場合には、充放電制御部404は、充電指令又は放電指令によって、複数の無停電電源装置102の電力の総量を維持しながら、診断対象の無停電電源装置102に二次電池204を放電させるように制御する。なお、充電指令及び放電指令のタイミングについては後述する。
[0024]
 容量劣化診断部405は、状態検知部305(図3参照)から二次電池204の放電時の電流量又は電力量を容量値として取得して、この電流量又は電力量が規定の閾値を下回る場合に容量不足と診断する。状態検知部305では、二次電池204の放電によって電圧が下限電圧に到達するまでの電流又は電圧が測定され、電流測定値又は電流測定値と電圧測定値を乗算して得られる電力値が積分されることで電流量又は電力量が算出される。また、容量劣化診断部405は、状態検知部305から二次電池204の放電時間を容量値として取得して、この放電時間が規定の時間を下回る場合に容量不足と診断してもよい。状態検知部305では、二次電池204の放電によって電圧が下限電圧に到達するまでの放電時間が測定される。
[0025]
 なお、無停電電源装置102の制御部及び診断装置104の制御部401は、プロセッサを用いてソフトウェアで実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)で実現されてもよい。プロセッサを用いる場合には、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が使用される。また、メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NVRAM(Non Volatile RAM)等の一つ又は複数の記録媒体で構成されている。
[0026]
 図5及び図6を用いて、二次電池204の容量劣化の診断方法を説明する。図5は、通常モードの無停電電源装置102A-102Eの充電状態の一例である。通常モードでは、全ての無停電電源装置102A-102Eの二次電池204が第1のSOCまで充電されている。第1のSOCは、停電時に負荷装置103を継続運転させたいバックアップ時間や、停電時に発電装置(図示せず)を起動させるまでの必要時間等に応じて決定される。本実施形態では、仮に第1のSOCを80%として、各無停電電源装置102A-102Eの二次電池204に20%だけ充電できる余力を残している。
[0027]
 図6は、診断モードの無停電電源装置102A-102Eの充電状態の一例である。診断モードでは、診断対象外の無停電電源装置102B-102Eの二次電池204が通常モードの第1のSOCよりも高い第2のSOCまで充電されている。本実施形態では、仮に第2のSOCを100%として、診断対象外の無停電電源装置102B-102Eの二次電池204が20%ずつ充電される。無停電電源装置102B-102Eの二次電池204が第2のSOCまで充電された後では、診断対象の無停電電源装置102AをSOC0%まで放電しても、合計の蓄電量は通常モードと同等レベルを維持することができる。そこで、無停電電源装置102Aの二次電池204を強制的にSOC0%まで放電して、二次電池204の容量劣化を診断することができる。
[0028]
 放電対象外の無停電電源装置102B-102Eの二次電池204に関しては第2のSOCまで充電している。このため、診断対象の無停電電源装置102Aの二次電池204を容量劣化の診断のために強制放電しても、複数の無停電電源装置102A-102E全体としての蓄電量の総量は通常モードの蓄電量を維持できている。万が一、無停電電源装置102Aが二次電池204を放電している最中に、停電が発生しても負荷装置103には所望の電力を供給できる。なお、無停電電源装置102Aの強制放電は、例えば、整流器203(図2参照)の動作を停止するか、開閉スイッチ202(図2参照)をオープンにする等、電力系統101からの電力供給を遮断することで実現する。
[0029]
 上記したように、二次電池204の容量劣化の診断は、二次電池204の充電状態が第1のSOCからSOC0%に到達するまで、すなわち電圧が下限電圧に到達するまで二次電池204を放電した時の電流量又は電力量に基づいて実施される。また、二次電池204の容量劣化の診断は、二次電池204の充電状態が第1のSOCからSOC0%に到達するまで、すなわち電圧が下限電圧に到達するまで二次電池204を放電した時の放電時間に基づいて実施されてもよい。
[0030]
 このように、診断装置104は、診断対象外の無停電電源装置102B-102Eに二次電池204を第2のSOCまで充電させ、診断対象の無停電電源装置102Aに二次電池204を放電させている。これにより、全ての無停電電源装置102A-102Bの二次電池204によって電源システム全体の蓄電量を維持したまま、診断対象の無停電電源装置102Aに二次電池204を放電させて容量劣化を精度よく診断することができる。
[0031]
 また、診断装置104は、複数の無停電電源装置102A-102Eの中で診断対象を変更することで、全ての無停電電源装置102A-102Eの二次電池の容量劣化を順番に診断する。すなわち、強制放電する無停電電源装置102を順に変更し、その他の無停電電源装置102の二次電池204の強制放電前に第2のSOCに充電することで、全ての無停電電源装置102A-102Eの二次電池204の容量劣化を、信頼性を確保したまま診断できる。
[0032]
 図7を参照して容量劣化の診断処理について説明する。図7は、容量劣化の診断処理のシーケンス図である。なお、容量劣化の診断処理は一定間隔で実行されるものとする。先ず、診断装置104は、各無停電電源装置102から前回の診断処理からの経過時間を定期的に取得する(ステップS01)。次に、診断装置104(対象決定部402)は、各無停電電源装置102から取得した経過時間に基づいて診断対象の無停電電源装置102を決定する(ステップS02)。無停電電源装置102から取得した経過時間と所定の時間が比較されて、経過時間が所定の時間よりも長い無停電電源装置102が診断対象として決定される。複数の無停電電源装置102から取得した経過時間が所定の時間よりも長い場合には、経過時間が最も長い無停電電源装置102が診断対象として決定される。
[0033]
 次に、診断装置104(モード切替部403)は、全ての無停電電源装置102に通常モードから診断モードへの移行指令を発信する(ステップS03)。各無停電電源装置102は、移行指令を受信して通常モードから診断モードに動作モードを切り替える(ステップS04)。次に、診断装置104(充放電制御部404)は、診断対象外の無停電電源装置102に第2のSOCを指令値とした充電指令を発信する(ステップS05)。診断対象外の無停電電源装置102は、充電指令を受信して第2のSOCまで二次電池204を充電し(ステップS06)、二次電池204の充電完了後に診断装置104に充電完了通知を発信する(ステップS07)。これにより、診断対象の無停電電源装置102の二次電池204が強制放電されても負荷装置103をバックアップ可能な蓄電量が、診断対象外の無停電電源装置102の二次電池204に確保される。
[0034]
 診断装置104(充放電制御部404)は、充電完了通知を受信して診断対象の無停電電源装置102に二次電池204を強制放電させる放電指令を発信する(ステップS08)。診断対象の無停電電源装置102は、放電指令を受信して二次電池204の強制放電を開始する(ステップS09)。整流器203(図2参照)の動作停止や、開閉スイッチ202のオープン等によって、電力系統101からの電力が供給されない状態にすることで二次電池204が強制放電される。なお、二次電池204が強制放電可能であれば、他の放電方法を採用することもできる。
[0035]
 診断対象の無停電電源装置102は、二次電池204の強制放電が開始されると、強制放電中に二次電池204の容量値を算出する(ステップS10)。状態検知部305によって、二次電池204の電圧が下限電圧に到達して放電が停止するまで電流又は電力が測定され、電流又は電力が積分された電流量又は電力量が二次電池204の容量値として算出される。なお、状態検知部305によって、強制放電の開始から二次電池204の電圧が下限電圧に到達するまでの放電時間が容量値として算出されてもよい。診断対象の無停電電源装置102は、二次電池204の強制放電が完了すると、診断装置104に放電完了通知と共に二次電池204の容量値を発信する(ステップS11)。
[0036]
 診断装置104(容量劣化診断部405)は、放電完了通知及び二次電池204の容量値を受信して、容量値に基づいて二次電池204の容量不足を診断する(ステップS12)。容量値として電流量又は電力量が測定された場合には、電流量又は電力量が規定の閾値を下回った場合に容量不足と診断される。容量値として放電時間が測定された場合には、放電時間と規定の時間が比較されて、放電時間が規定の時間を下回った場合に容量不足と診断される。なお、これら規定の閾値及び規定の時間には、負荷装置103に所望の電力を供給するにあたって二次電池204の容量性能が十分か否かに応じて、過去データ等から実験的、経験的又は理論的に求められた値が使用される。
[0037]
 ここでは、診断装置104で二次電池204の容量不足を診断する構成にしたが、この構成に限定されない。診断対象の無停電電源装置102の状態検知部305で容量不足を診断して、警告メッセージ等で容量不足を無停電電源装置102から診断装置104に発信してもよい。また、無停電電源装置102の状態検知部305で電流量、電力量、放電時間等を算出する構成にしたが、この構成に限定されない。状態検知部305は二次電池204の電流又は電力の測定値を診断装置104に通知し、診断装置104が電流又は電力の測定値を積分した電流量又は電力量を容量値として算出してもよい。更には、診断装置104が放電指令を発信し、二次電池204の電圧が下限電圧に到達するまでの時間を診断装置104が測定することで放電時間を容量値として算出してもよい。
[0038]
 次に、診断装置104(モード切替部403)は、容量劣化の診断後に、全ての無停電電源装置102に診断モードから通常モードへの移行指令を発信する(ステップS13)。各無停電電源装置102は、移行指令を受信して診断モードから通常モードに動作モードを切り替える(ステップS14)。次に、診断装置104(充放電制御部404)は、診断対象の無停電電源装置102に第1のSOCを指令値として充電指令を発信する(ステップS15)。診断対象の無停電電源装置102は、充電指令を受信して第1のSOCまで二次電池204を充電し(ステップS16)、二次電池204の充電完了後に診断装置104に充電完了通知を発信する(ステップS17)。
[0039]
 次に、診断装置104(充放電制御部404)は、診断対象外の無停電電源装置102に第1のSOCを指令値として放電指令を発信する(ステップS18)。診断対象外の無停電電源装置102は、放電指令を受信して第1のSOCまで二次電池204を放電し(ステップS19)、二次電池204の放電完了後に診断装置104に放電完了通知を発信する(ステップS20)。そして、診断装置104は、全ての無停電電源装置102から完了通知を受信すると、全ての無停電電源装置102の二次電池204が第1のSOCに復帰したと判断して診断処理を完了する(ステップS21)。
[0040]
 なお、上記の診断処理では、診断対象外の無停電電源装置102に二次電池204を第2のSOCまで充電させて蓄電量を確保した後に、診断対象の無停電電源装置102に二次電池204を強制放電させて容量劣化を診断しているが、この構成に限定されない。診断対象外の無停電電源装置102に二次電池204を充電させるのに並行して、診断対象の無停電電源装置102に二次電池204を放電させてもよい。この場合、複数の無停電電源装置102の二次電池204の蓄電量の総量を所定以上に維持しながら、診断対象の無停電電源装置102に二次電池204を放電させて二次電池204の容量劣化を診断する。
[0041]
 図8は容量劣化の他の診断処理のシーケンス図である。なお、ステップS31からステップS34の処理は、図7のステップS01からS04の処理と同じであるため説明を省略する。診断装置104(充放電制御部404)は、診断対象外の無停電電源装置102に充電指令を発信すると共に、診断対象の無停電電源装置102に放電指令を発信する(ステップS35)。このとき、診断対象外の無停電電源装置102には第2のSOCを指令値とした充電指令が発信され、診断対象の無停電電源装置102には診断対象外の無停電電源装置102の充電電流の総量以下の放電電流を指令値として放電指令が発信される。なお、診断対象の無停電電源装置102には診断対象外の無停電電源装置102の充電電力の総量以下の放電電力を指令値として放電指令が発信されてもよい。
[0042]
 診断対象外の無停電電源装置102は充電指令を受信して第2のSOCまで二次電池204を充電し、診断対象の無停電電源装置102は放電指令を受信して二次電池204を強制放電する(ステップS36)。これにより、全ての無停電電源装置102の蓄電量の総量を、通常モードの蓄電量の総量以上で維持したまま、診断対象の無停電電源装置102の二次電池204を強制放電できる。診断対象の無停電電源装置102は、二次電池204の強制放電が開始されると、強制放電中に二次電池204の容量値を算出する(ステップS37)。
[0043]
 診断対象外の無停電電源装置102は充電完了後に診断装置104に充電完了通知を発信し、診断対象の無停電電源装置102は放電完了後に診断装置104に放電完了通知及び容量値を発信する(ステップS38)。診断対象外の無停電電源装置102の二次電池204の第2のSOCへの充電完了を待たずに、診断対象の無停電電源装置102の二次電池204を強制放電して容量劣化を診断できるため、診断時間を短縮することができる。なお、ステップS39からステップS48の処理は、図7のステップS12からS21の処理と同じであるため説明を省略する。
[0044]
 以上のように、第1の実施形態の診断装置104は、複数の無停電電源装置102のうち、診断対象外の無停電電源装置102に二次電池204を第1のSOCから第2のSOCまで充電させて、診断対象の無停電電源装置102に二次電池204を放電させている。これにより、診断対象外の無停電電源装置102の二次電池204によってバックアップ用の電力を確保しながら、診断対象の無停電電源装置102の二次電池204を放電することができる。よって、診断対象の無停電電源装置102の二次電池204の容量劣化を精度よく診断することができる。
[0045]
 [第2の実施形態]
 続いて、第2の実施形態に係る電源システムについて説明する。第2の実施形態は、診断対象の無停電電源装置102の二次電池204を第1のSOCと第2のSOCの間で充放電することで、二次電池204の容量劣化を診断する点で第1の実施形態と相違している。したがって、第1の実施形態と同様な構成については説明を極力省略する。
[0046]
 図9は、第2の実施形態に係る診断モードの無停電電源装置102A-102Eの充電状態の一例である。診断モードでは、無停電電源装置102A-102Eの二次電池204が通常モードの第1のSOCよりも高い第2のSOCまで充電された後、無停電電源装置102A-102Eの二次電池204が第2のSOCから第1のSOCまで放電される。第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、第1のSOCを80%、第2のSOCを100%として、全ての無停電電源装置102A-102Eの二次電池204のSOCが20%ずつ変化する。放電時の電流量又は電力量が測定され、電流量又は電力量とSOCの変化量から二次電池204の容量値が測定される。本実施形態ではSOC変化量が20%であるため、放電時の電流量を4倍にすれば、通常モードの蓄電量であるSOC80%の容量値(電流量)を測定できる。又は、SOC変化量が20%であるため、放電時の電力量を4倍し、更に第2のSOCから第1のSOCの間における電圧値と第1のSOCから下限SOCの間における電圧値の違いを補正するための補正係数を乗算すれば、通常モードの蓄電量であるSOC80%の容量値(電力量)を測定できる。
[0047]
 なお、第2のSOCから第1のSOCに放電する際の電流量又は電力量の測定値を使用する代わりに、第1のSOCから第2のSOCに充電する際の電流量又は電力量の測定値を使用して二次電池204の容量値を測定してもよい。また、第2のSOCから第1のSOCに放電する際の放電時間、又は第1のSOCから第2のSOCに充電するまでの充電時間によって二次電池204の容量値を測定してもよい。このように、各無停電電源装置102A-102Eの二次電池204の容量値を測定することで、無停電電源装置102A-102Eの二次電池204の容量劣化を診断することができる。なお、無停電電源装置102A-102Eが同時に診断されてもよいし、無停電電源装置102A-102Eが個別に診断されてもよい。
[0048]
 以上のように、第2の実施形態では、第1のSOCと第2のSOCの間で二次電池204を充電又は放電させることで、各無停電電源装置102の蓄電量を第1のSOC以上に維持できる。よって、バックアップ用の電力を確保しながら、診断対象の無停電電源装置102を実際に放電して、二次電池204の容量劣化を精度よく診断することができる。
[0049]
 [第3の実施形態]
 続いて、第3の実施形態に係る電源システムについて説明する。第3の実施形態は、電源システムに発電設備が接続されている点で第1の実施形態と相違している。したがって、第1の実施形態と同様な構成については説明を極力省略する。なお、ここでは発電設備として太陽光パネルを例示して説明するが、発電設備は風力発電器、水流発電器等の発電器を備えた設備であればよい。
[0050]
 図10は、第3の実施形態に係る電源システムの構成図である。電源システムには、太陽光発電PCS502を介して太陽光パネル501が接続されると共に電力系統として商用電源504が接続されている。太陽光パネル501の発電電力は、太陽光発電PCS502を介して無停電電源装置102の二次電池204(図2参照)又は負荷装置103に供給される。また、発電システムには、システム内の電力を管理する電力管理装置503が設けられている。電力管理装置503では、商用電源504の時間帯別の料金、太陽光パネル501の発電状況、負荷装置103の消費電力が管理されている。
[0051]
 この電源システムでは、平常時に太陽光パネル501又は商用電源504からの電力で無停電電源装置102の二次電池204が充電され、停電時に無停電電源装置102の二次電池204の蓄電量で負荷装置103に電力が供給される。無停電電源装置102の二次電池204の容量を診断する際には、診断装置104から無停電電源装置102への充電指令及び放電指令の発信タイミングが電力管理装置503によって制御される。
[0052]
 電力管理装置503は、商用電源504の電力料金が安価な時間帯に診断装置104から無停電電源装置102に充電指令を発信させる。また、電力管理装置503は、太陽光パネル501の発電電力と負荷装置103の消費電力を比較して、発電電力の余剰時に診断装置104から無停電電源装置102に充電指令を発信させる。電力料金が安価な時間帯又は発電電力の余剰時に無停電電源装置102に二次電池204を充電させることで電力料金を低減することができる。
[0053]
 電力管理装置503は、商用電源504の電力料金が高価な時間帯に診断装置104から無停電電源装置102に放電指令を発信させる。また、電力管理装置503は、太陽光パネル501の発電電力と負荷装置103の消費電力を比較して、発電電力の不足時に診断装置104から無停電電源装置102に放電指令を発信させる。電力料金が高価な時間帯又は発電電力の不足時を容量劣化の診断に充てて、無停電電源装置102の放電によって負荷装置103に電力供給している。よって、商用電源からの買電を抑えて電力料金を低減することができる。
[0054]
 以上のように、第3の実施形態では、電力料金が安価な時間帯には、商用電源504からの電力で二次電池204を充電させる。同様に、太陽光パネル501の発電電力の余剰時にも、発電電力の余剰分で二次電池204を充電させる。一方、電力料金が高価な時間帯には、商用電源504からの買電を抑えるために、二次電池204の放電によって負荷装置103に電力供給しながら容量劣化を診断している。同様に、太陽光パネル501の発電電力の不足時にも、商用電力の買電を抑えるために二次電池204を放電させる。これにより、電力料金の上昇を抑制しながら無停電電源装置102の二次電池204の容量劣化を診断できる。
[0055]
 [第4の実施形態]
 続いて、第4の実施形態に係る電源システムについて説明する。第4の実施形態は、電源システムに他の電源システムが接続可能な点で第1の実施形態と相違している。したがって、第1の実施形態と同様な構成については説明を極力省略する。なお、ここでは他の電源システムとして電気自動車を例示して説明するが、他の電源システムは本実施形態の電源システムに電力供給可能な構成であればよい。
[0056]
 図11は、第4の実施形態に係る電源システムの構成図である。電源システムには、接続器としての充電器602を介して電気自動車601が接続されると共に電力系統として商用電源504が接続されている。電気自動車601には二次電池(不図示)が設けられている。充電器602は、電気自動車601の二次電池を充電する他、必要に応じて電気自動車601の二次電池の電力を電源システムに取り込むことが可能になっている。充電器602に電気自動車601が接続されると、充電器602から電力管理装置503に電気自動車601の二次電池の蓄電量が通知され、電力管理装置503によって電気自動車601の二次電池の蓄電量に基づいて容量診断のタイミングが制御される。
[0057]
 電力管理装置503は、電気自動車601の二次電池の蓄電量と診断対象の無停電電源装置102の二次電池204の蓄電量を比較して、電気自動車601の二次電池の蓄電量が大きい場合に診断装置104から無停電電源装置102に放電指令を発信させる。診断対象の無停電電源装置102が二次電池204を放電している最中に停電が発生しても、電気自動車601の二次電池の蓄電量が、放電中の無停電電源装置102の蓄電量を代替できるため、負荷装置103に所望の電力を供給することができる。このように、電気自動車601の二次電池の蓄電量を利用して、診断対象の無停電電源装置102の二次電池204を放電させて容量劣化を診断することができる。
[0058]
 以上のように、第4の実施形態では、他の電源システムの二次電池の蓄電量をバックアップ用の電力として利用することができる。よって、バックアップ用の電力を確保しながら、無停電電源装置の二次電池を実際に放電して、二次電池の容量劣化を精度よく診断することができる。
[0059]
 なお、上記した各実施形態では、二次電池204としてリチウムイオン電池を例示して説明したが、二次電池は鉛蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素電池、ナトリウムイオン電池でもよい。
[0060]
 また、上記した第1、第2の実施形態の容量劣化の診断処理は一例を示すものであり、容量劣化の診断処理は無停電電源装置の二次電池の容量劣化を、第1の充電状態及び第2の充電状態の間の容量領域を用いて診断する方法であればよい。
[0061]
 また、上記した第1、第2の実施形態では、第1、第2の充電状態として第1、第2のSOCを例示したが、第1、第2の充電状態は第1、第2の蓄電量でもよい。すなわち、充電状態は、満充電に対する蓄電量の比率ではなく蓄電量を用いることが可能である。
[0062]
 また、上記した第3、第4の実施形態では、診断装置104に電力管理装置503の機能が設けられていてもよいし、無停電電源装置102に診断装置104及び電力管理装置503の機能が設けられていてもよい。
[0063]
 また、上記した第4の実施形態では、接続器として充電器602を例示したが、接続器は電源システムと他の電源システムで電力を受け渡し可能に接続するものであればよい。
[0064]
 以上の通り、本実施形態に記載の電源システムは、二次電池(204)を有する無停電電源装置(102)と、無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を診断する診断装置(104)と、を備えた電源システムであって、無停電電源装置(102)は、第1の充電状態(第1のSOC)まで二次電池(204)を充電可能な通常モードと、第1の充電状態(第1のSOC)よりも高い第2の充電状態(第2のSOC)まで二次電池(204)を充電可能な診断モードとで動作し、診断装置(104)は、無停電電源装置(102)を通常モードから診断モードに切り替えて、無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を、第1の充電状態(第1のSOC)及び第2の充電状態(第2のSOC)の間の容量領域を用いて診断する。
[0065]
 この構成によれば、無停電電源装置(102)を診断モードで動作させることで、第1の充電状態(第1のSOC)と第2の充電状態(第2のSOC)の間の容量領域を、無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を診断するための容量として利用できる。よって、バックアップ用の電力を確保しながら、無停電電源装置(102)の二次電池(204)を実際に放電して、二次電池(204)の容量劣化を精度よく診断することができる。
[0066]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、診断装置(104)は、容量劣化の診断時に、無停電電源装置(102)に二次電池(204)を放電させて、二次電池(204)の電圧が下限電圧に到達するまでの放電時間が規定の時間を下回る場合に、当該二次電池(204)の容量不足であると診断する。
[0067]
 この構成によれば、二次電池(204)の放電時間から容量不足を診断することができる。
[0068]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、診断装置(104)は、容量劣化の診断時に、無停電電源装置(102)に二次電池(204)を放電させて、二次電池(204)の電流量又は電力量が規定の閾値を下回る場合に、当該二次電池(204)の容量不足であると診断する。
[0069]
 この構成によれば、二次電池(204)の電流量又は電力量から容量不足を診断することができる。
[0070]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、無停電電源装置(102)は複数の無停電電源装置(102)であり、診断装置(104)は、複数の無停電電源装置(102)を通常モードから診断モードに切り替え、複数の無停電電源装置(102)のうち、診断対象外の無停電電源装置(102)に二次電池(204)を第2の充電状態まで充電させ、診断対象の無停電電源装置(102)に二次電池(204)を放電させて当該二次電池(204)の容量劣化を診断する。
[0071]
 この構成によれば、診断対象外の無停電電源装置(102)の二次電池(204)によってバックアップ用の電力を確保しながら、診断対象の無停電電源装置(102)の二次電池を放電することができる。よって、診断対象の無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を精度よく診断することができる。
[0072]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、診断装置(104)は、複数の無停電電源装置(102)の二次電池(204)の蓄電量の総量を所定以上に維持しながら、診断対象の無停電電源装置(102)に二次電池(204)を放電させて当該二次電池(204)の容量劣化を診断する。
[0073]
 この構成によれば、診断対象外の無停電電源装置(102)の充電と並行して診断対象の無停電電源装置(102)の二次電池(204)を放電させることができる。よって、診断対象の無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化の診断時間を短縮することができる。
[0074]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、診断装置(104)は、複数の無停電電源装置(102)の中で診断対象を変更することで、全ての無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を順番に診断する。
[0075]
 この構成によれば、複数の無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を精度よく診断することができる。
[0076]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、診断装置(104)は、無停電電源装置(102)の二次電池(204)の第1の充電状態(第1のSOC)から第2の充電状態(第2のSOC)までの充電時の容量値の測定、又は第2の充電状態(第2のSOC)から第1の充電状態(第1のSOC)までの放電時の容量値の測定によって当該二次電池(204)の容量劣化を診断する。
[0077]
 この構成によれば、第1の充電状態(第1のSOC)と第2の充電状態(第2のSOC)の間で二次電池(204)を充電又は放電させることで、無停電電源装置(102)の蓄電量を第1の充電状態(第1のSOC)以上に維持できる。よって、バックアップ用の電力を確保しながら、診断対象の無停電電源装置(102)の二次電池(204)を実際に放電して、二次電池(204)の容量劣化を精度よく診断することができる。
[0078]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、無停電電源装置(102)は、発電設備(太陽光パネル501)又は商用電源(504)からの電力で二次電池(204)を充電し、停電時に二次電池(204)から負荷装置(103)に電力を供給しており、診断装置(104)は、発電設備(太陽光パネル501)の発電電力の余剰時又は商用電源(504)の電力料金が安価な時間帯に、無停電電源装置(102)に二次電池(204)を充電させる。
[0079]
 この構成によれば、発電電力の余剰時又は安価な時間帯に無停電電源装置(102)の二次電池(204)を充電させて電力料金を低減することができる。
[0080]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、無停電電源装置(102)は、発電設備(太陽光パネル501)又は商用電源(504)からの電力で二次電池(204)を充電し、停電時に二次電池(204)から負荷装置(103)に電力を供給しており、診断装置(104)は、発電設備(太陽光パネル501)の発電電力の不足時又は商用電源(504)の電力料金が高価な時間帯に、無停電電源装置(102)に二次電池(204)を放電させて容量劣化を診断する。
[0081]
 この構成によれば、発電電力の不足時又は電力料金が高価な時間帯を容量劣化の診断に充てることで、商用電源(504)からの買電を抑えて電力料金を低減することができる。
[0082]
 本実施形態に記載の電源システムにおいて、二次電池(204)はリチウムイオン電池である。
[0083]
 この構成によれば、リチウムイオン電池は蓄電量が高いと劣化が加速するが、無停電電源装置(102)が通常モードで第2の充電状態(第2のSOC)よりも低い第1の充電状態(第1のSOC)で動作するため、リチウムイオン電池の劣化を抑えることができる。
[0084]
 本実施形態に記載の他の電源システムは、二次電池(204)を有する無停電電源装置(102)と、無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を診断する診断装置(104)と、二次電池を有する他の電源システム(電気自動車601)に接続可能な接続器(充電器602)と、を備えた電源システムであって、診断装置(104)は、接続器(充電器602)に他の電源システム(電気自動車601)が接続されたときに、他の電源システム(電気自動車601)の二次電池の蓄電量が無停電電源装置(102)の二次電池(204)の蓄電量以上の場合に、無停電電源装置(102)に二次電池(204)を放電させて当該二次電池(204)の容量劣化を診断する。
[0085]
 この構成によれば、他の電源システム(電気自動車601)の二次電池の蓄電量をバックアップ用の電力として利用することができる。よって、バックアップ用の電力を確保しながら、無停電電源装置(102)の二次電池(204)を実際に放電して、二次電池(204)の容量劣化を精度よく診断することができる。
[0086]
 本実施形態に記載の診断装置(104)は、二次電池(204)を有する無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を診断する診断装置(104)であって、無停電電源装置(102)を、第1の充電状態(第1のSOC)まで二次電池(204)を充電可能な通常モードから第1の充電状態(第1のSOC)よりも高い第2の充電状態(第2のSOC)まで二次電池(204)を充電可能な診断モードに切り替えて、無停電電源装置(102)の二次電池(204)の容量劣化を、第1の充電状態(第1のSOC)及び第2の充電状態(第2のSOC)の間の容量領域を用いて診断する。
[0087]
 本実施形態に記載の無停電電源装置(102)は、二次電池(204)を有する無停電電源装置(102)であって、第1の充電状態(第1のSOC)まで二次電池(204)を充電可能な通常モードと、第1の充電状態(第1のSOC)よりも高い第2の充電状態(第2のSOC)まで二次電池(204)を充電可能な診断モードとで動作し、診断モードでは、第1の充電状態(第1のSOC)及び第2の充電状態(第2のSOC)の間の容量領域を用いて二次電池(204)の容量劣化が診断可能である。
[0088]
 以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

符号の説明

[0089]
102 無停電電源装置
104 診断装置
204 二次電池
501 太陽光パネル(発電設備)
504 商用電源
601 電気自動車(他の電源システム)
602 充電器(接続器)

請求の範囲

[請求項1]
 二次電池を有する無停電電源装置と、前記無停電電源装置の二次電池の容量劣化を診断する診断装置と、を備えた電源システムであって、
 前記無停電電源装置は、第1の充電状態まで二次電池を充電可能な通常モードと、前記第1の充電状態よりも高い第2の充電状態まで二次電池を充電可能な診断モードとで動作し、
 前記診断装置は、前記無停電電源装置を前記通常モードから前記診断モードに切り替えて、前記無停電電源装置の二次電池の容量劣化を、前記第1の充電状態及び前記第2の充電状態の間の容量領域を用いて診断することを特徴とする電源システム。
[請求項2]
 前記診断装置は、容量劣化の診断時に、前記無停電電源装置に二次電池を放電させて、前記二次電池の電圧が下限電圧に到達するまでの放電時間が規定の時間を下回る場合に、当該二次電池の容量不足であると診断することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
[請求項3]
 前記診断装置は、容量劣化の診断時に、前記無停電電源装置に二次電池を放電させて、前記二次電池の電流量又は電力量が規定の閾値を下回る場合に、当該二次電池の容量不足であると診断することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
[請求項4]
 前記無停電電源装置は複数の無停電電源装置であり、
 前記診断装置は、前記複数の無停電電源装置を前記通常モードから前記診断モードに切り替え、前記複数の無停電電源装置のうち、診断対象外の無停電電源装置に二次電池を前記第2の充電状態まで充電させ、診断対象の無停電電源装置に二次電池を放電させて当該二次電池の容量劣化を診断することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
[請求項5]
 前記診断装置は、前記複数の無停電電源装置の二次電池の蓄電量の総量を所定以上に維持しながら、診断対象の無停電電源装置に二次電池を放電させて当該二次電池の容量劣化を診断することを特徴とする請求項4に記載の電源システム。
[請求項6]
 前記診断装置は、前記複数の無停電電源装置の中で診断対象を変更することで、全ての無停電電源装置の二次電池の容量劣化を順番に診断することを特徴とする請求項4に記載の電源システム。
[請求項7]
 前記診断装置は、前記無停電電源装置の二次電池の前記第1の充電状態から前記第2の充電状態までの充電時の容量値の測定、又は前記第2の充電状態から前記第1の充電状態までの放電時の容量値の測定によって当該二次電池の容量劣化を診断することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
[請求項8]
 前記無停電電源装置は、発電設備又は商用電源からの電力で二次電池を充電し、停電時に前記二次電池から負荷装置に電力を供給しており、
 前記診断装置は、前記発電設備の発電電力の余剰時又は前記商用電源の電力料金が安価な時間帯に、前記無停電電源装置に二次電池を充電させることを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
[請求項9]
 前記無停電電源装置は、発電設備又は商用電源からの電力で二次電池を充電し、停電時に前記二次電池から負荷装置に電力を供給しており、
 前記診断装置は、前記発電設備の発電電力の不足時又は前記商用電源の電力料金が高価な時間帯に、前記無停電電源装置に二次電池を放電させて容量劣化を診断することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
[請求項10]
 前記二次電池はリチウムイオン電池であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電源システム。
[請求項11]
 二次電池を有する無停電電源装置と、前記無停電電源装置の二次電池の容量劣化を診断する診断装置と、二次電池を有する他の電源システムに接続可能な接続器と、を備えた電源システムであって、
 前記診断装置は、前記接続器に前記他の電源システムが接続されたときに、前記他の電源システムの二次電池の蓄電量が前記無停電電源装置の二次電池の蓄電量以上の場合に、前記無停電電源装置に二次電池を放電させて当該二次電池の容量劣化を診断することを特徴とする電源システム。
[請求項12]
 二次電池を有する無停電電源装置の二次電池の容量劣化を診断する診断装置であって、 前記無停電電源装置を、第1の充電状態まで二次電池を充電可能な通常モードから前記第1の充電状態よりも高い第2の充電状態まで二次電池を充電可能な診断モードに切り替えて、
 前記無停電電源装置の二次電池の容量劣化を、前記第1の充電状態及び前記第2の充電状態の間の容量領域を用いて診断することを特徴とする診断装置。
[請求項13]
 二次電池を有する無停電電源装置であって、
 第1の充電状態まで二次電池を充電可能な通常モードと、前記第1の充電状態よりも高い第2の充電状態まで二次電池を充電可能な診断モードとで動作し、
 前記診断モードでは、前記第1の充電状態及び前記第2の充電状態の間の容量領域を用いて二次電池の容量劣化が診断可能なことを特徴とする無停電電源装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]