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1. WO2020129358 - 波長変換部材、光学装置及びプロジェクタ

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明 細 書

発明の名称 波長変換部材、光学装置及びプロジェクタ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102  

実施例

0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140  

産業上の利用可能性

0141  

符号の説明

0142  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3A   3B   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : 波長変換部材、光学装置及びプロジェクタ

技術分野

[0001]
 本開示は、波長変換部材、光学装置及びプロジェクタに関する。

背景技術

[0002]
 近年、励起光源及び波長変換部材を備えた光学装置が開発されている。波長変換部材は、マトリクスに埋め込まれた蛍光体を有する。励起光源の光が励起光として蛍光体に照射され、励起光の波長よりも長い波長の蛍光の光が蛍光体から放射される。このタイプの光学装置において、光の輝度及び出力を高めるための試みがなされている。
[0003]
 特許文献1は、マトリクスの材料として酸化亜鉛(ZnO)が使用された波長変換素子を開示している。ZnOは、多くの蛍光体の屈折率に近い屈折率を有する無機材料であるとともに、優れた透光性及び熱伝導性を有する。特許文献1の波長変換素子では、蛍光体とZnOマトリクスとの界面での光散乱が抑制され、高い光出力が達成されうる。特許文献1の波長変換素子において、マトリクスは基板の上に配置されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第5672622号公報

発明の概要

[0005]
 波長変換部材は、基板と、基板に支持されてかつ無機材料を含むマトリクスと、マトリクスに埋め込まれた蛍光体と、マトリクスに埋め込まれたフィラー粒子とを備える。フィラー粒子の線膨張係数は25ppm/K以上790ppm/K以下であり、かつ、マトリクスの線膨張係数よりも大きい。
[0006]
 この波長変換部材は、基板の反りが抑制される。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 図1は、本開示の実施形態1にかかる波長変換部材の概略断面図である。
[図2] 図2は、図1に示す波長変換部材のフィラー粒子の断面図である。
[図3A] 図3Aは、本開示の実施形態1にかかる波長変換部材における基板の反りの度合いを説明するための図である。
[図3B] 図3Bは、本開示の実施形態1にかかる波長変換部材における基板の反りの度合いを説明するための図である。
[図4] 図4は、本開示の実施形態1にかかる波長変換部材において、基板の反りが抑制されるメカニズムを説明するための図である。
[図5] 図5は、本開示の実施形態2にかかる波長変換部材の概略断面図である。
[図6] 図6は、本開示の実施形態3にかかる波長変換部材の概略断面図である。
[図7] 図7は、本開示の実施形態4にかかる波長変換部材の概略断面図である。
[図8] 図8は、本開示の実施形態5にかかる波長変換部材の概略断面図である。
[図9] 図9は、本開示の波長変換部材を用いた反射型光学装置の概略断面図である。
[図10] 図10は、本開示の波長変換部材を用いた透過型光学装置の概略断面図である。
[図11] 図11は、本開示の変形例にかかる光学装置の概略構成図である。
[図12] 図12は、図11に示す光学装置が備える波長変換部材の斜視図である。
[図13] 図13は、本開示の光学装置を用いたプロジェクタの概略構成図である。
[図14] 図14は、図13に示すプロジェクタの斜視図である。
[図15] 図15は、本開示の光学装置を用いた照明装置の概略構成図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 (本開示の基礎となった知見)
 溶液成長法によって基板の上に無機結晶のマトリクスを形成したとき、得られた波長変換部材の温度が高いことがある。波長変換部材を使用したとき、波長変換部材の温度が上昇することもある。このとき、波長変換部材の温度が低下すると、基板及びマトリクスのそれぞれが収縮する。波長変換部材において、基板の線膨張係数がマトリクスの線膨張係数と異なるとき、基板の収縮の度合いは、マトリクスの収縮の度合いと異なる。そのため、波長変換部材の温度が低下することによって、基板とマトリクスとの間に応力が生じる。これにより、基板に反りが生じることがある。特に、基板において、マトリクスが形成されるべき領域の面積が大きい場合、基板の反りが大きくなりやすい。例えば、特許文献1に開示されている波長変換素子では、基板に反りが生じることがある。
[0009]
 基板に反りが生じると、励起光によって照射されるべき波長変換部材の領域がずれる。これにより、波長変換部材の発光効率が低下することがある。基板の反りが大きいとき、マトリクスが基板から脱落することもある。
[0010]
 以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
[0011]
 (実施形態1)
 図1は、実施形態1の波長変換部材100の概略断面図である。図1に示すように、波長変換部材100は、基板10及び蛍光体部20を備えている。基板10は、蛍光体部20を支持している。蛍光体部20は、基板10の上に配置されている。蛍光体部20は、マトリクス21、蛍光体22及び複数のフィラー粒子23を有する。蛍光体22は、例えば、複数の粒子122よりなる。蛍光体22の粒子122及び複数のフィラー粒子23のそれぞれは、マトリクス21に埋め込まれている。言い換えれば、蛍光体22の粒子122及び複数のフィラー粒子23のそれぞれは、マトリクス21に分散されている。蛍光体22の粒子122及び複数のフィラー粒子23のそれぞれは、マトリクス21に囲まれている。
[0012]
 蛍光体部20の形状は、例えば、層状である。蛍光体部20の厚さは、例えば、20μm以上200μm以下である。蛍光体部20の厚さは、50μmより大きくてもよい。蛍光体部20の形状が層状であるとき、平面視での蛍光体部20の面積は、例えば、0.5mm2以上1500mm 以下である。
[0013]
 第1の波長帯域を有する励起光が波長変換部材100に照射されたとき、波長変換部材100は、励起光の一部を第2の波長帯域を有する光に変換して放射する。波長変換部材100は、励起光の波長よりも長い波長の光を放射する。第2の波長帯域は、第1の波長帯域と異なる帯域である。ただし、第2の波長帯域の一部が第1の波長帯域に重なっていてもよい。波長変換部材100から放射された光には、蛍光体22から放射された光だけでなく、励起光そのものが含まれていてもよい。
[0014]
 基板10は、例えば、基板本体11及び薄膜12を有する。基板10の厚さは、例えば、蛍光体部20の厚さよりも大きい。基板本体11は、ステンレス鋼、アルミニウムと炭化ケイ素との複合材料(Al-SiC)、アルミニウムとシリコンとの複合材料(Al-Si)、アルミニウムと炭素との複合材料(Al-C)、銅(Cu)、サファイア(Al )、アルミナ、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガラス、石英(SiO )、炭化ケイ素(SiC)及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる1つの材料で作られている。銅(Cu)を含む基板本体11は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの他の元素をさらに含んでいてもよい。基板本体11がステンレス鋼、アルミニウムと炭化ケイ素との複合材料(Al-SiC)、アルミニウムとシリコンとの複合材料(Al-Si)、アルミニウムと炭素との複合材料(Al-C)及び銅(Cu)からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むとき、基板本体11は、小さい熱膨張係数を有する。ステンレス鋼、アルミニウムと炭化ケイ素との複合材料(Al-SiC)、アルミニウムとシリコンとの複合材料(Al-Si)、アルミニウムと炭素との複合材料(Al-C)及び銅(Cu)からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む基板10は、プロジェクタの用途に適している。基板本体11は、例えば、励起光及び蛍光体22から放射された光を透過させる透光性を有する。この場合、波長変換部材100は、透過型光学装置に好適に使用されうる。基板10が透光性を有していない場合、波長変換部材100は、反射型光学装置に使用されうる。基板本体11は、鏡面研磨された表面を有していてもよい。
[0015]
 基板本体11の表面は、反射防止膜、ダイクロイックミラー、金属反射膜、増反射膜、保護膜などによって被覆されていてもよい。反射防止膜は、励起光の反射を防止するための膜である。ダイクロイックミラーは、誘電体多層膜によって構成されうる。金属反射膜は、光を反射させるための膜であり、銀、アルミニウムなどの金属材料で作られている。増反射膜は、誘電体多層膜によって構成されうる。保護膜は、これらの膜を物理的又は化学的に保護するための膜でありうる。
[0016]
 薄膜12は、蛍光体部20を形成するための下地層として機能する。蛍光体部20のマトリクス21が結晶質であるとき、薄膜12は、マトリクス21の結晶成長過程における種結晶として機能する。つまり、薄膜12は、単結晶薄膜又は多結晶薄膜である。マトリクス21がZnO単結晶又はZnO多結晶によって構成されているとき、薄膜12は、ZnO単結晶薄膜又はZnO多結晶薄膜でありうる。薄膜12には、Zn以外の他の元素が添加されていてもよい。薄膜12にGa、Al、Bなどの元素が添加されているとき、薄膜12は、低い電気抵抗を有する。薄膜12は、アモルファスのZn化合物又はアモルファスのZnOを含んでいてもよい。薄膜12の厚さは、5nm以上2000nm以下であってもよく、5nm以上200nm以下であってもよい。薄膜12が薄ければ薄いほど、蛍光体部20と基板10との間の距離が短いため、優れた熱伝導性が得られる。ただし、基板本体11が種結晶の機能を発揮できる場合、薄膜12は省略されていてもよい。例えば、基板本体11が結晶質のGaN又は結晶質のZnOによって構成されているとき、結晶質のZnOによって構成されたマトリクス21を基板本体11の上に直接形成することができる。マトリクス21が結晶質でないときにも、薄膜12は省略されうる。
[0017]
 基板10の線膨張係数α3は、特に限定されない。基板10の線膨張係数α3は、マトリクス21の線膨張係数α1より大きく、かつ、フィラー粒子23の線膨張係数α2より小さくてもよい。線膨張係数α1、α2、α3の大小関係は、例えば、それぞれの部材について、互いに同じ温度範囲で測定された線膨張係数の平均値を用いて判断することができる。線膨張係数α1、α2、α3と、蛍光体22の線膨張係数α4との大小関係も、例えば、それぞれの部材について、互いに同じ温度範囲で測定された線膨張係数の平均値を用いて判断することができる。上記の温度範囲は、マトリクス21を形成するときの温度、又は、波長変換部材100を使用するときの温度に応じて設定できる。基板10の線膨張係数α3は、0.5ppm/K以上24ppm/K以下であってもよく、9.9ppm/K以上17.8ppm/K以下であってもよい。基板10において、基板本体11の厚さは、薄膜12に比べて十分に大きい。そのため、波長変換部材100では、基板本体11の線膨張係数を基板10の線膨張係数α3とみなすことができる。本開示では、基板本体11の線膨張係数についても「線膨張係数α3」と呼ぶことがある。
[0018]
 基板本体11の線膨張係数α3は、例えば、JIS(日本工業規格) Z2285:2003に準拠した方法によって、次のように測定することができる。まず、基板本体11と同じ組成を有する試験片を準備する。試験片の形状は、JIS Z2285:2003に規定されている。JIS Z2285:2003に規定された方法で、例えば、298Kから363Kの温度の範囲における試験片の線膨張係数を測定する。得られた試験片の線膨張係数を基板本体11の線膨張係数α3とみなすことができる。ただし、本開示において、基板本体11の線膨張係数α3の測定方法は、上記の方法に限定されない。本開示では、基板本体11において、基板本体11の厚さ方向の線膨張係数と、厚さ方向に直交する基板本体11の平面方向の線膨張係数とが異なる場合は、基板本体11の平面方向の線膨張係数を基板本体11の線膨張係数α3として採用する。
[0019]
 基板本体11に含まれうる材料の線膨張係数の代表的な文献値を表1に示す。表1において、ステンレス鋼の線膨張係数の下限値は、0℃から100℃の範囲における線膨張係数の平均値を示している。ステンレス鋼の線膨張係数の上限値は、0℃から316℃の範囲における線膨張係数の平均値を示している。
[0020]
[表1]


[0021]
 蛍光体部20において、蛍光体22の粒子122は、マトリクス21に分散されている。図1において、蛍光体22の粒子122は、互いに離れている。ただし、蛍光体22の粒子122は、互いに接していてもよい。フィラー粒子23は、2つの蛍光体22の粒子122の間に位置していてもよく、蛍光体22の粒子122と基板10との間に位置していてもよい。フィラー粒子23は、蛍光体22の粒子122に接していてもよい。フィラー粒子23は、基板10と接していてもよい。複数のフィラー粒子23は、互いに離れていてもよく、互いに接していてもよい。蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23は、石垣のように積まれていてもよい。
[0022]
 蛍光体22の材料は、特に限定されない。種々の蛍光物質が蛍光体22の材料として使用されうる。具体的には、Y Al 12:Ce(YAG)、Y (Al,Ga) 12:Ce(GYAG)、Lu Al 12:Ce(LuAG)、(Si,Al) (O,N) :Eu(β-SiAlON)、(La,Y) Si 11:Ce(LYSN)、Lu CaMg Si 12:Ce(LCMS)などの蛍光物質が使用されうる。蛍光体22は、蛍光物質以外の他の材料をさらに含んでいてもよい。他の材料としては、例えば、透光性を有する材料が挙げられる。透光性を有する材料としては、例えば、ガラス、SiO 、Al などが挙げられる。蛍光体22は、互いに異なる組成を有する複数の種類の蛍光体を含んでいてもよい。蛍光体22の材料は、波長変換部材100から放射されるべき光の色度に応じて選択される。
[0023]
 蛍光体22の粒子122の平均粒径は、例えば、0.1μm以上50μm以下の範囲にある。蛍光体22の粒子122の平均粒径は、10μmより大きくてもよい。蛍光体22の粒子122の平均粒径は、例えば、次の方法によって特定することができる。まず、波長変換部材100の断面を走査電子顕微鏡で観察する。得られた電子顕微鏡像において、特定の蛍光体22の粒子122の面積を画像処理によって算出する。算出された面積と同じ面積を有する円の直径をその特定の蛍光体22の粒子122の粒径(粒子の直径)とみなす。任意の個数(例えば50個)の蛍光体22の粒子122の粒径をそれぞれ算出し、算出値の平均値を蛍光体22の粒子122の平均粒径とみなす。本開示において、蛍光体22の粒子122の形状は限定されない。蛍光体22の粒子122の形状は、球状であってもよく、楕円体状であってもよく、鱗片状であってもよく、繊維状であってもよい。本開示において、平均粒径の測定方法は、上記の方法に限定されない。
[0024]
 蛍光体部20の体積に対する蛍光体22の粒子122の体積の合計の比率は、特に限定されず、0.1以上0.9以下であってもよく、0.3以上0.7以下であってもよい。
[0025]
 蛍光体22の線膨張係数α4は、特に限定されない。蛍光体22の線膨張係数α4は、フィラー粒子23の線膨張係数α2より小さくてもよい。蛍光体22の線膨張係数α4は、10ppm/K以下であってもよい。蛍光体22の線膨張係数α4の下限値は、例えば、1ppm/Kである。蛍光体22の線膨張係数α4は、基板本体11の線膨張係数α3と同様の方法で測定できる。蛍光体22に含まれうる材料の線膨張係数の代表的な文献値を表2に示す。
[0026]
[表2]


[0027]
 蛍光体部20において、フィラー粒子23は、マトリクス21に分散されている。フィラー粒子23は、例えば、樹脂材料を含む。フィラー粒子23は、樹脂材料を主成分として含んでいてもよい。「主成分」とは、フィラー粒子23に重量比で最も多く含まれた成分を意味する。フィラー粒子23は、例えば、実質的に樹脂材料からなる。「実質的に~からなる」は、言及された材料の本質的特徴を変更する他の成分を排除することを意味する。ただし、フィラー粒子23は、樹脂材料の他に不純物を含んでいてもよい。樹脂材料は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよく、熱硬化性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリスチレン(PS)、メタクリル樹脂及びポリカーボネート(PC)からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。熱可塑性樹脂は、ポリイミド又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでいてもよい。メタクリル樹脂は、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含む。フィラー粒子23が熱可塑性樹脂を含むとき、波長変換部材100の強度が向上する。熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマーを含んでいてもよい。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー及びアミド系エラストマーが挙げられる。エラストマー(elastomer)とは、ゴム弾性を有する材料を意味する。
[0028]
 熱硬化性樹脂は、例えば、シリコーン樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。シリコーン樹脂は、例えば、シロキサン結合を有する高分子化合物である。シリコーン樹脂は、例えば、シロキサン結合を主骨格に有する。シリコーン樹脂としては、例えば、ジメチルポリシロキサン及びポリオルガノシルセスキオキサンなどが挙げられる。ポリオルガノシルセスキオキサンは、例えば、シロキサン結合によって三次元網目状に架橋した構造を有する。この構造は、例えば、一般式(RSiO 3/2で表される。この一般式において、Rは、例えば、アルキル基である。
[0029]
 熱硬化性樹脂は、熱硬化性エラストマーを含んでいてもよい。熱硬化性エラストマーとしては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム及びフッ素ゴムなどが挙げられる。シリコーンゴムは、ゴム弾性を有するシリコーン樹脂である。シリコーンゴムは、例えば、ジメチルポリシロキサンを架橋した構造を有する。
[0030]
 シリコーン樹脂又はシリコーンゴムを含むフィラー粒子としては、例えば、信越化学工業社からKMPシリーズ、KSPシリーズ、X-52シリーズなどが市販されており、東レ・ダウコーニング社からEPシリーズ、TREFILシリーズ、30-424 Additiveなどが市販されている。樹脂材料がシロキサン結合を有する高分子化合物を含むとき、フィラー粒子23は、優れた耐熱性を有する。
[0031]
 フィラー粒子23は、官能基で修飾された表面24を有していてもよい。このとき、フィラー粒子23は、優れた分散性を有する。すなわち、官能基で修飾された表面24によって、フィラー粒子23が凝集することを抑制できる。表面24を修飾している官能基としては、例えば、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メチル基などが挙げられる。
[0032]
 フィラー粒子23の平均粒径は、0.1μm以上20μm以下であってもよく、1.0μm以上10μm以下であってもよい。フィラー粒子23の平均粒径は、例えば、蛍光体22の粒子122の平均粒径よりも小さい。蛍光体22の粒子122の平均粒径D1に対するフィラー粒子23の平均粒径D2の比率(D2/D1)は、例えば、0.01以上0.90以下である。フィラー粒子23の平均粒径は、蛍光体22の粒子122の平均粒径と同じ方法によって測定されうる。蛍光体22の粒子122の合計体積V1とフィラー粒子23の合計体積V2とにより求められるV2/(V1+V2)の値は、例えば、0.01以上0.70以下であってもよく、0.05以上0.16以下であってもよい。フィラー粒子23の比重は、例えば、0.5g/cm 以上1.5g/cm 以下である。蛍光体22の粒子122の合計体積V1は蛍光体22の全体の体積である。
[0033]
 蛍光体部20の体積に対するフィラー粒子23の合計体積の比率は、特に限定されず、0.005以上0.7以下であってもよく、0.01以上0.4以下であってもよい。
[0034]
 本開示において、フィラー粒子23の形状は特に限定されない。フィラー粒子23の形状は、球状であってもよく、楕円体状であってもよく、鱗片状であってもよく、繊維状であってもよい。図2は、フィラー粒子23の断面の一例を示している。図2に示すように、フィラー粒子23は、コア30とコア30を被覆しているシェル31とを有していてもよい。シェル31は、コア30の表面全体を被覆していてもよく、コア30の表面を部分的に被覆していてもよい。シェル31は、例えば、コア30に接している。コア30の組成は、例えば、シェル31の組成と異なる。一例として、コア30がシリコーンゴムでできており、シェル31がシリコーンゴム以外の他のシリコーン樹脂でできている。コア30の形状は、例えば、球状である。図2では、シェル31は、複数の粒子によって構成されている。ただし、シェル31の形状は、層状であってもよい。シェル31を構成する粒子の平均粒径は、例えば、1nm以上1μm以下である。フィラー粒子23がシェル31を有しているとき、フィラー粒子23は、優れた分散性を有する。すなわち、シェル31によって、フィラー粒子23が凝集することを抑制できる。
[0035]
 フィラー粒子23の線膨張係数α2は、25ppm/K以上790ppm/K以下であり、かつ、マトリクス21の線膨張係数α1より大きい。フィラー粒子23の線膨張係数α2は、25ppm/K以上400ppm/K以下であってもよく、50ppm/K以上400ppm/K以下であってもよい。200ppm/K以上であってもよい。フィラー粒子23の線膨張係数α2は、マトリクス21を形成するときの温度、又は、波長変換部材100を使用するときの温度に応じて選択されうる。
[0036]
 フィラー粒子23の線膨張係数α2は、例えば、JIS K7197:2012に準拠した方法によって、次のように測定することができる。まず、フィラー粒子23と同じ組成を有する試験片を準備する。試験片の形状は、JIS K7197:2012に規定されている。JIS K7197:2012に規定された方法で、例えば、298Kから363Kの範囲における試験片の線膨張係数を測定する。得られた試験片の線膨張係数をフィラー粒子23の線膨張係数α2とみなすことができる。ただし、本開示において、フィラー粒子23の線膨張係数α2の測定方法は、上記の方法に限定されない。
[0037]
 フィラー粒子23に含まれうる材料の線膨張係数の代表的な文献値を表3に示す。
[0038]
[表3]


[0039]
 樹脂材料が熱可塑性エラストマー又は熱硬化性エラストマーを含むとき、フィラー粒子23は、ゴム弾性を有する。フィラー粒子23のゴム硬度は、10以上90以下であってもよく、30以上75以下であってもよい。フィラー粒子23のゴム硬度は、例えば、JIS K6253-3:2012に準拠した方法によって、次のように測定することができる。まず、フィラー粒子23と同じ組成を有する試験片を準備する。試験片の形状は、JIS K6253-3:2012に規定されている。例えば、JIS K6253-3:2012に規定されたタイプAデュロメータを用いた方法によって、試験片のゴム硬度を測定する。得られた試験片のゴム硬度をフィラー粒子23のゴム硬度とみなすことができる。ただし、本開示において、ゴム硬度の測定方法は、上記の方法に限定されない。
[0040]
 フィラー粒子23のガラス転移温度Tgは、特に限定されない。フィラー粒子23が熱可塑性樹脂を含むとき、フィラー粒子23のガラス転移温度Tgは、例えば、50℃以上300℃以下であってもよい。フィラー粒子23が熱硬化性エラストマーを含むとき、フィラー粒子23のガラス転移温度Tgは、30℃以下であってもよく、0℃以下であってもよい。一例として、シリコーンゴムのガラス転移温度Tgは、-125℃である。フィラー粒子23のガラス転移温度Tgの下限値は、例えば、-273℃である。フィラー粒子23のガラス転移温度Tgが室温よりも低いとき、フィラー粒子23は、室温で優れた接着性を有する。本開示において、室温は、25℃以上30℃以下を意味する。フィラー粒子23のガラス転移温度Tgは、例えば、示差走査熱量計(DSC)を用いて、JIS K7121:1987に準拠した方法によって測定できる。シリコーンゴムなどを含み、かつ0℃以下のガラス転移温度Tgを有するフィラー粒子23に関して、フィラー粒子23の具体的なガラス転移温度Tgを特定する場合には、0℃以下の温度でもガラス転移温度Tgを測定することができるDSCを用いる。ただし、本開示において、ガラス転移温度Tgの測定方法は、上記の方法に限定されない。
[0041]
 フィラー粒子23に励起光が照射されたとき、フィラー粒子23は、蛍光の光を放射しないか、無視できる強度の蛍光の光のみを放射する。フィラー粒子23の光の吸収率は、特に限定されない。550nmの波長の光に対するフィラー粒子23の吸収率は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。フィラー粒子23は、550nmの波長の光を実質的に吸収しなくてもよい。450nmの波長の光に対するフィラー粒子23の吸収率は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。フィラー粒子23は、450nmの波長の光を実質的に吸収しなくてもよい。
[0042]
 フィラー粒子23の光の吸収率は、例えば、市販の絶対PL量子収率測定装置を用いて測定することができる。絶対PL量子収率測定装置は、フォトルミネッセンス(PL)法により、発光ダイオード(LED)用蛍光材料などのサンプルの発光量子収率の絶対値を測定する装置である。サンプルの発光量子収率は、計測用のサンプルホルダ及び粉体計測用のシャーレを用いて、次の方法によって測定できる。まず、シャーレの内部にサンプルを配置する。次に、このシャーレを積分球の内部に配置する。キセノン光源から分光され、特定の波長を有する励起光をサンプルに照射する。このとき、サンプルから放射された光について測定することによって、サンプルの発光量子収率を測定できる。フィラー粒子23の光の吸収率は、例えば、次の方法によって測定できる。まず、サンプルが配置されていない空のシャーレを積分球の内部に配置する。空のシャーレについて発光量子収率の測定を行う。これにより、サンプルが配置されていない状態での励起光の光子数を測定できる。次に、サンプルとしてフィラー粒子23が配置されたシャーレを積分球の内部に配置する。フィラー粒子23について発光量子収率の測定を行う。これにより、フィラー粒子23が配置された状態での励起光の光子数を測定できる。これらの測定結果から、フィラー粒子23に照射された励起光の光子数に対する、フィラー粒子23に吸収された光子数の比率を算出できる。この比率をフィラー粒子23の光の吸収率とみなすことができる。シャーレは、例えば、測定波長範囲での光の吸収が少ない合成石英でできている。シャーレの底面は、例えば、平面視で円の形状を有している。平面視でのシャーレの底面の直径は、例えば、約17mmである。シャーレの厚さは、例えば、約5mmである。シャーレは、例えば、蓋を備えている。
[0043]
 フィラー粒子23が周囲温度200℃で24時間加熱された場合において、550nmの波長の光に対するフィラー粒子23の吸収率は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。フィラー粒子23が周囲温度240℃で24時間加熱された場合において、550nmの波長の光に対するフィラー粒子23の吸収率は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。
[0044]
 マトリクス21は、無機材料を含む。無機材料は、無機結晶を含んでいてもよい。無機材料は、例えば、ZnO、SiO 、Al 、SnO 、TiO 、PbO、B 、P 、TeO 、V 、Bi 、Ag O、Tl O及びBaOからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。マトリクス21は、無機材料としてガラスを含んでいてもよい。
[0045]
 マトリクス21は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)を含む。ZnOは、透明性及び熱伝導性の観点から、マトリクス21の材料に適している。ZnOは、高い熱伝導性を有する。そのため、ZnOがマトリクス21の材料として使用されているとき、蛍光体部20の熱を外部(主に基板10)に容易に逃がすことができる。これにより、蛍光体22の温度の上昇を抑制することができる。マトリクス21は、ZnOを主成分として含んでいてもよい。マトリクス21は、例えば、実質的にZnOからなる。ただし、マトリクス21は、ZnOの他に不純物を含んでいてもよい。
[0046]
 マトリクス21の材料としてのZnOは、詳細には、ZnOの単結晶又はZnOの多結晶である。ZnOは、ウルツ鉱型の結晶構造を有する。結晶成長によってマトリクス21を形成したとき、マトリクス21は、例えば、薄膜12の結晶構造に応じた結晶構造を有する。すなわち、薄膜12として、c軸に配向したZnOの多結晶を用いたとき、マトリクス21は、c軸に配向したZnOの多結晶を有する。「c軸に配向したZnO」とは、基板10の主面に平行な面がc面であることを意味する。「主面」とは、基板10の最も広い面積を有する面を意味する。マトリクス21がc軸に配向したZnO多結晶を含むとき、蛍光体部20の内部において光散乱が抑制され、高い光出力を達成できる。
[0047]
 c軸に配向したZnO多結晶は、c軸に配向した複数の柱状の結晶粒を含む。c軸に配向したZnO多結晶において、c軸方向の結晶粒界が少ない。「柱状の結晶粒がc軸に配向している」とは、c軸方向のZnOの成長がa軸方向のZnOの成長よりも速く、基板10の上に縦長のZnO結晶粒が形成されていることを意味する。ZnO結晶粒のc軸は、基板10の法線方向に平行である。言い換えると、ZnO結晶粒のc軸は、蛍光体部20の励起光を受光する表面の法線方向に平行である。ZnOがc軸配向の結晶であるかどうかは、X線回折(XRD)測定(2θ/ωスキャン)によって確認できる。XRD測定結果から得られたZnOの回折ピークにおいて、ZnOのc面に起因する回折ピークが、ZnOのc面以外に起因する回折ピークよりも大きい強度を有する場合、ZnOがc軸配向の結晶であると判断できる。国際公開第2013/172025号は、c軸に配向したZnO多結晶によって構成されたマトリクスを詳しく開示している。
[0048]
 蛍光体部20の体積に対するマトリクス21の体積の比率は、特に限定されず、0.1以上0.9以下であってもよく、0.3以上0.7以下であってもよい。
[0049]
 マトリクス21の線膨張係数α1は、フィラー粒子23の線膨張係数α2より小さい。マトリクス21の線膨張係数α1は、例えば、9.8ppm/K以下である。マトリクス21の線膨張係数α1の下限値は、例えば、2ppm/Kである。マトリクス21の線膨張係数α1は、基板本体11の線膨張係数α3と同様の方法で測定できる。マトリクス21に含まれうる材料の線膨張係数の代表的な文献値を表4に示す。
[0050]
[表4]


[0051]
 波長変換部材100において、蛍光体部20の線膨張係数α5は、特に限定されない。蛍光体部20の線膨張係数α5は、2ppm/K以上25ppm/K以下であってもよく、3ppm/K以上13ppm/K以下であってもよい。蛍光体部20の線膨張係数α5は、例えば、マトリクス21の線膨張係数α1、フィラー粒子23の線膨張係数α2及び蛍光体22の線膨張係数α4を用いて、次の式によって算出することができる。
[0052]
 α5=α1×P1+α2×P2+α4×P3
 上記の式において、P1は、蛍光体部20の体積に対するマトリクス21の体積の比率である。P2は、蛍光体部20の体積に対するフィラー粒子23の合計体積の比率である。P3は、蛍光体部20の体積に対する蛍光体22の体積の比率である。
[0053]
 蛍光体部20の線膨張係数α5と、基板10の線膨張係数α3との差は、特に限定されず、10ppm/K以下であってもよく、3ppm/K以下であってもよい。蛍光体部20の線膨張係数α5は、実質的に基板10の線膨張係数α3と同じであってもよい。
[0054]
 本実施形態の波長変換部材100では、基板10の反りが抑制されている。図3Aは、波長変換部材100における基板10の反りの度合いを説明するための図である。図3Aは、蛍光体部20を基板10の上方に配置した場合に、上面が上方に突出する凸面となるように凸状に反っている基板10を示している。基板10の反りの度合いは、例えば、次のように評価することができる。まず、波長変換部材100を水平方向Hに延びている平面SH上に配置する。蛍光体部20の上面15において、鉛直方向Vについて最も上方に位置している部分を頂部15aと定義する。蛍光体部20の上面15において、鉛直方向Vについて最も下方に位置している部分を谷部15bと定義する。次に、基板10の下面16において、鉛直方向Vについて最も上方に位置している部分を頂部16aと定義する。基板10の下面16において、鉛直方向Vについて最も下方に位置している部分を底部16bと定義する。鉛直方向Vについての頂部15aと底部16bとの間の距離L1を特定する。鉛直方向Vについての谷部15bと底部16bとの間の距離L2を特定する。距離L1と距離L2との差を算出する。距離L1と距離L2との差は、鉛直方向Vについての頂部15aと谷部15bとの距離L3に相当する。基板本体11における鉛直方向Vについての頂部16aと底部16bとの間の距離L4は、距離L3とみなすことができる。そのため、距離L3又は距離L4に基づいて、基板10の反りの度合いを評価することができる。
[0055]
 基板10の反りの度合いは、例えば、次のように評価することもできる。まず、波長変換部材100を水平方向Hに延びている平面SHの上に配置する。基板10の上面において、鉛直方向Vについて最も上方に位置している部分を基板頂部と定義する。基板10の上面において、鉛直方向Vについて最も下方に位置している部分を基板谷部と定義する。鉛直方向Vについての基板頂部と基板谷部との距離を特定する。この距離に基づいて、基板10の反りの度合いを評価することもできる。
[0056]
 図3Bは、蛍光体部20を基板10の上方に配置した場合に、凹状に反っている基板10を示している。上面が下方に凹む凹面となるように基板10が凹状に反っている場合でも、上述した方法と同様の方法で距離L4を算出することができる。距離L4は、鉛直方向Vについての頂部15aと頂部16aとの間の距離と、距離L1との差に相当する。蛍光体部20における距離L3は、距離L4とみなすことができる。そのため、距離L3又は距離L4に基づいて、基板10の反りの度合いを評価することができる。ただし、本開示において、基板10の反りの度合いの測定方法は、上記の方法に限定されない。
[0057]
 波長変換部材100において、距離L3は、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは30μm以下である。距離L3は、実質的に0μmであってもよい。すなわち、距離L1が距離L2と実質的に同じであってもよい。
[0058]
 波長変換部材100の発光効率は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。本開示において、波長変換部材100の発光効率とは、波長変換部材100に照射された励起光のうち、波長変換部材100に吸収された励起光の光子数に対する、波長変換部材100から放射された蛍光の光の光子数の比率を意味する。波長変換部材100の発光効率は、例えば、マルチチャンネル分光器によって測定できる。波長変換部材100の発光効率は、例えば、2W/mm2のエネルギー密度を有する励起光を波長変換部材100に照射したときの値である。
[0059]
 さらに、波長変換部材100が周囲温度240℃で24時間加熱された場合において、波長変換部材100の発光効率は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。
[0060]
 次に、波長変換部材100の製造方法を説明する。
[0061]
 まず、基板10を準備する。例えば、基板本体11の上に薄膜12として結晶性のZnO薄膜を形成する。ZnO薄膜を形成する方法としては、蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性プラズマ蒸着法、イオンアシスト蒸着法、スパッタリング法、パルスレーザ堆積法などの気相成膜法が用いられる。薄膜12は、次の方法によって形成してもよい。まず、亜鉛アルコキシドなどの前駆体を含むゾルを調製する。印刷法によって、ゾルを基板本体11に塗布し、塗膜を形成する。次に、塗膜を加熱処理することによって薄膜12が得られる。薄膜12は、ZnO単結晶薄膜又はZnO多結晶薄膜でありうる。
[0062]
 次に、基板10の上(薄膜12の上)に蛍光体部20を作製する。まず、基板10の上に蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23を配置する。例えば、蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23を含む分散液を調製する。基板10を分散液中に配置し、電気泳動法を用いて蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23を基板10の上に堆積させる。これにより、基板10の上に蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23を配置することができる。基板10を分散液中に配置し、蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23を沈降させることによって基板10の上に蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23を配置することもできる。蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23を含む塗布液を用い、印刷法などの厚膜形成方法によって蛍光体22の粒子122及びフィラー粒子23を基板10の上に配置することもできる。
[0063]
 次に、フィラー粒子23及び蛍光体22の粒子122のそれぞれがマトリクス21に埋め込まれるように、マトリクス21を形成する。これにより、蛍光体部20を作製できる。マトリクス21がガラスを含む場合、次の方法によって、蛍光体部20を作製できる。まず、シリコンアルコキシドなどの前駆体を含むゾルを調製する。ゾルをフィラー粒子23及び蛍光体22の粒子122の上に塗布する。ゾルをゲル化させ、焼成する。これにより、蛍光体部20が得られる。マトリクス21がガラス以外の他の無機材料を含む場合も、上記の方法と同様に、アルコキシドを含むゾルを用いて、蛍光体部20を形成することができる。さらに、無機材料を含む低融点のガラスをフィラー粒子23及び蛍光体22の粒子122の間に充填することによって、蛍光体部20を形成することもできる。
[0064]
 マトリクス21が酸化亜鉛を含む場合、マトリクス21を形成する方法としては、Znイオンを含有する溶液を使用した溶液成長法を利用できる。溶液成長法には、大気圧下で行われる化学溶液析出法(chemical bath deposition)、大気圧以上の圧力下で行う水熱合成法(hydrothermal synthesis)、電圧又は電流を印加する電解析出法(electrochemical deposition)などが用いられる。結晶成長用の溶液として、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(Hexamethylenetetramine:C6H12N4)を含有する硝酸亜鉛(Zinc nitrate:Zn(NO )の水溶液が用いられる。硝酸亜鉛の水溶液のpHは、例えば、5以上7以下である。溶液成長法によって、マトリクス21が薄膜12の上に結晶成長する。これによって、蛍光体部20が得られる。溶液成長法の詳細は、例えば、特開2004-315342号公報に開示されている。
[0065]
 図4は、波長変換部材100において、基板10の反りが抑制されるメカニズムを説明するための図である。溶液成長法によって蛍光体部20を形成したとき、得られた波長変換部材100の温度が高いことがある。さらに、波長変換部材100を使用したときに、波長変換部材100の温度が上昇することもある。本実施形態の波長変換部材100において、フィラー粒子23の線膨張係数α2は、マトリクス21の線膨張係数α1より大きい。そのため、波長変換部材100の温度が低下したとき、フィラー粒子23の収縮の度合いは、マトリクス21の収縮の度合いよりも大きい。これにより、図4に示すとおり、フィラー粒子23とマトリクス21との間には、空隙25が生じる。マトリクス21に空隙25が含まれていると、基板10の変形に応じてマトリクス21が変形しやすい。これにより、基板10とマトリクス21との間に生じる応力を緩和することができる。さらに、フィラー粒子23がゴム弾性を有するとき、基板10の変形に応じてフィラー粒子23自体が変形できる。つまり、マトリクス21にゴム弾性を有するフィラー粒子23が含まれていると、基板10の変形に応じてマトリクス21が変形しやすい。これにより、基板10とマトリクス21との間に生じる応力を緩和することができる。基板10とマトリクス21との間に生じる応力を緩和することによって、基板10の反りを抑制することができる。
[0066]
 (実施形態2)
 図5は、実施形態2にかかる波長変換部材110の概略断面図である。図5に示すように、波長変換部材110の蛍光体22は、ブロック222の形状を有している。蛍光体部20に含まれた複数の蛍光体22のうち、一部の蛍光体22が蛍光体部20から部分的に露出している。以上を除き、波長変換部材110の構造は、実施形態1の波長変換部材100の構造と同じである。したがって、実施形態1の波長変換部材100と本実施形態の波長変換部材110とで共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。すなわち、以下の各実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。さらに、技術的に矛盾しない限り、各実施形態は、相互に組み合わされてもよい。
[0067]
 蛍光体22のブロック222は、例えば、多面体の形状を有する。蛍光体22のブロック222の形状は、直方体状であってもよく、立方体状であってもよい。蛍光体22のブロック222の形状は、塊状であってもよい。蛍光体22のブロック222は、例えば、板状の蛍光体を破砕することによって作製することができる。蛍光体22のブロック222のサイズは、蛍光体の粒子122のサイズより大きくてもよい。
[0068]
 波長変換部材110において、複数の蛍光体22のうち、一部の蛍光体22は、蛍光体部20の側面から部分的に露出している。蛍光体22は、蛍光体部20の上面から露出していてもよい。すなわち、蛍光体22は、マトリクス21に部分的に埋め込まれてよく、完全には埋め込まれていなくてもよい。
[0069]
 (実施形態3)
 実施形態2の波長変換部材110において、複数の蛍光体22は、規則的に並んでいてもよい。図6は、実施形態3にかかる波長変換部材120の概略断面図である。図6に示すように、波長変換部材120では、複数の蛍光体22は、蛍光体部20の厚さ方向と直交する方向に等間隔で並んでいる。蛍光体22の上面及び下面は、蛍光体部20の厚さ方向と直交する方向に延びていてもよい。蛍光体22の上面及び下面は、互いに平行であってもよい。蛍光体22の側面は、蛍光体部20の厚さ方向に延びていてもよい。蛍光体22の側面は、互いに平行であってもよい。
[0070]
 フィラー粒子23は、例えば、蛍光体22の下面及び基板10の間に位置している。フィラー粒子23は、蛍光体22の側面及び他の蛍光体22の側面の間に位置していてもよい。
[0071]
 波長変換部材120において、複数の蛍光体22のうち、一部の蛍光体22は、蛍光体部20から露出していてもよい。蛍光体22は、蛍光体部20の上面から露出していてもよい。すなわち、蛍光体22は、マトリクス21に部分的に埋め込まれてもよく、完全には埋め込まれていなくてもよい。
[0072]
 (実施形態4)
 図7は、実施形態4にかかる波長変換部材130の概略断面図である。図7に示すように、波長変換部材130の蛍光体部20は、1つの蛍光体22を有している。蛍光体22の形状は、例えば、板状である。板状の蛍光体22のサイズは、蛍光体の粒子122のサイズより大きくてもよい。以上を除き、波長変換部材130の構造は、実施形態1にかかる波長変換部材100の構造と同じである。
[0073]
 蛍光体22は、複数の孔22aを有していてもよい。複数の孔22aは、例えば、蛍光体22を厚さ方向に貫通する貫通孔である。複数の孔22aのそれぞれには、例えば、マトリクス21が充填されている。図7では、説明のため、マトリクス21のハッチングが省略されている。
[0074]
 複数の孔22aは、例えば、板状の蛍光体22に対して、レーザー光又はイオンビームを照射することによって形成することができる。複数の孔22aは、例えば、板状の蛍光体22をエッチングすることによって形成することもできる。
[0075]
 フィラー粒子23は、例えば、蛍光体22の下面及び基板10の間に位置している。蛍光体部20は、複数の板状の蛍光体22を含んでいてもよい。蛍光体部20において、複数の板状の蛍光体22が蛍光体部20の厚さ方向に並んでいてもよい。このとき、フィラー粒子23は、蛍光体22の上面及び他の蛍光体22の下面の間に位置していてもよい。
[0076]
 波長変換部材130において、板状の蛍光体22の上面は、蛍光体部20から露出していてもよい。板状の蛍光体22の側面が蛍光体部20から露出していてもよい。すなわち、板状の蛍光体22は、マトリクス21に部分的に埋め込まれていてもよく、完全には埋め込まれていなくてもよい。
[0077]
 (実施形態5)
 実施形態4にかかる波長変換部材130において、複数の孔22aは、貫通孔でなくてもよい。図8は、実施形態5にかかる波長変換部材140の概略断面図である。図8に示すように、波長変換部材140において、複数の孔22aのそれぞれは、蛍光体22の下面のみに開口しており、上面には開口していない。複数の孔22aは、蛍光体22の上面のみに開口し、下面には開口していなくてもよい。
[0078]
 波長変換部材140において、板状の蛍光体22の上面は、蛍光体部20から露出していてもよい。板状の蛍光体22の側面が蛍光体部20から露出していてもよい。すなわち、板状の蛍光体22は、マトリクス21に部分的に埋め込まれてもよく、完全には埋め込まれていなくてもよい。
[0079]
 (光学装置の実施形態)
 図9は、実施形態にかかる光学装置200の概略断面図である。図9に示すように、光学装置200は、波長変換部材100及び励起光源40を備えている。励起光源40は、励起光を放射する。波長変換部材100は、励起光源40から放射された励起光が進む光路上に配置されている。励起光源40と波長変換部材100の基板10との間に波長変換部材100の蛍光体部20が位置している。光学装置200は、反射型光学装置である。波長変換部材100に代えて、図5を参照して説明した波長変換部材110、図6を参照して説明した波長変換部材120、図7を参照して説明した波長変換部材130及び図8を参照して説明した波長変換部材140も使用可能である。波長変換部材100、110、120、130、140の組み合わせを光学装置200に使用することも可能である。
[0080]
 励起光源40は、典型的には、半導体発光素子である。半導体発光素子は、例えば、発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)又はレーザーダイオード(LD)である。
[0081]
 励起光源40は、1つのLDによって構成されていてもよく、複数のLDによって構成されていてもよい。複数のLDは、光学的に結合されていてもよい。励起光源40は、例えば、青色光を放射する。本開示において、青色光は、420nm以上470nm以下のピーク波長を有する光である。
[0082]
 光学装置200は、光学系50をさらに備えている。励起光源40から放射された励起光の光路上に光学系50が位置していてもよい。光学系50は、レンズ、ミラー、光ファイバーなどの光学部品を含む。
[0083]
 (光学装置の変形例)
 蛍光体部20は、励起光源40と波長変換部材100の基板10との間に位置していなくてもよい。図10は、変形例にかかる光学装置210の概略断面図である。図10の光学装置210において、励起光源40は、波長変換部材100の基板10に向かい合っている。光学装置210において、基板10は、励起光に対して透光性を有する。励起光は、基板10を透過して蛍光体部20に到達する。光学装置210は、透過型光学装置である。
[0084]
 (光学装置の別の変形例)
 図11は、別の変形例にかかる光学装置220の概略断面図である。図11に示すように、本実施形態の光学装置220は、複数の励起光源40及び波長変換部材100を備えている。図11では、波長変換部材100の蛍光体部20は、複数の励起光源40のそれぞれと波長変換部材100の基板10との間に位置している。複数の励起光源40は、波長変換部材100の蛍光体部20に向かい合っている。光学装置220は、プロジェクタの用途に適している。
[0085]
 図12は、光学装置220が備える波長変換部材100の斜視図である。図12に示すように、光学装置220の波長変換部材100は、ホイールの形状を有する。詳細には、光学装置220の波長変換部材100の基板10は、円板の形状を有する。基板10は、貫通孔13及び透光部14を有する。貫通孔13は、基板10の厚さ方向に延びている。貫通孔13は、例えば、基板10の外周面によって規定された仮想円の中心に位置する。光を透過する透光部14は、円弧の形状すなわち円環扇形状を有する。透光部14は、蛍光体部20に接していてもよい。透光部14は、例えば、貫通孔である。透光部14は、透明樹脂又はガラスでできていてもよい。透光部14は、サファイア、石英などの透光性を有する材料でできていてもよい。
[0086]
 蛍光体部20は、円弧の形状すなわち円環扇形状を有している。蛍光体部20の外周面によって規定された仮想円に沿って、蛍光体部20と透光部14とが並んでいる。蛍光体部20は、基板10の主面を部分的に被覆している。光学装置220において、波長変換部材100は、複数の蛍光体部20を含んでいてもよい。特定の蛍光体部20の外周面によって規定された仮想円に沿って、複数の蛍光体部20が並んでいてもよい。複数の蛍光体部20に含まれる蛍光体22は、それぞれ、互いに異なる組成を有していてもよい。
[0087]
 図11に示すように、光学装置220は、モーター60をさらに備える。波長変換部材100は、モーター60に配置されている。詳細には、モーター60のシャフトが基板10の貫通孔13に挿入されている。波長変換部材100は、例えば、ネジなどの固定部材によって、モーター60に固定されている。モーター60によって波長変換部材100が回転させられ、複数の励起光源40から放射された励起光が波長変換部材100に照射される。これにより、励起光が蛍光体部20に局所的に照射されることを防ぐことができる。そのため、励起光及び蛍光の光によって、蛍光体部20の温度が上昇することを抑制できる。
[0088]
 光学装置220は、コリメートレンズ51、ダイクロイックミラー52、レンズ53及び54、並びに、反射ミラー55、56、57をさらに備える。コリメートレンズ51、ダイクロイックミラー52及びレンズ53は、複数の励起光源40と波長変換部材100との間に位置する。コリメートレンズ51、ダイクロイックミラー52及びレンズ53は、複数の励起光源40から放射された励起光の光路上にこの順番で並んでいる。レンズ54、反射ミラー55、56、57、並びに、ダイクロイックミラー52は、波長変換部材100を透過した励起光の光路上に、この順番で並んでいる。
[0089]
 コリメートレンズ51は、複数の励起光源40から放射された励起光を集光する。コリメートレンズ51により、平行光が得られる。ダイクロイックミラー52は、励起光を透過し、かつ、波長変換部材100から放射された光を効率的に反射できる。レンズ53は、励起光及び波長変換部材100から放射された光を集光する。レンズ54は、波長変換部材100を透過した励起光を集光する。レンズ54により、平行光が得られる。反射ミラー55、56、57のそれぞれは、励起光を反射する。
[0090]
 光学装置220は、ヒートシンク41をさらに備える。ヒートシンク41は、複数の励起光源40に接している。ヒートシンク41により、複数の励起光源40の熱を外部に容易に逃がすことができる。これにより、複数の励起光源40の温度が上昇することを抑制できるため、複数の励起光源40におけるエネルギーの変換効率の低下を抑制できる。
[0091]
 次に、光学装置220の動作を説明する。
[0092]
 まず、複数の励起光源40が励起光を放射する。励起光は、コリメートレンズ51によって集光され、平行光に変換される。次に、励起光は、ダイクロイックミラー52を透過し、レンズ53によってさらに集光される。レンズ53により、蛍光体部20に入射するべき励起光のスポット径を調節できる。次に、励起光が波長変換部材100に入射する。波長変換部材100は、モーター60によって回転されている。そのため、光学装置220の動作には、励起光が蛍光体部20に入射する期間と、励起光が透光部14を透過する期間とが存在する。励起光が蛍光体部20に入射する期間には、波長変換部材100は、励起光の波長よりも長い波長の光を放射する。励起光が透光部14を透過する期間には、励起光がレンズ54に入射する。波長変換部材100から放射された光は、レンズ53によって集光され、平行光に変換される。波長変換部材100から放射された光は、ダイクロイックミラー52によって反射され、光学装置220の外部へ送られる。
[0093]
 励起光が透光部14を透過するとき、励起光は、レンズ54によって集光され、平行光に変換される。レンズ54を通過した励起光は、反射ミラー55、56、57によって反射される。次に、励起光は、ダイクロイックミラー52を透過する。これにより、励起光は、光学装置220の外部へ送られる。このとき、励起光は、波長変換部材100から放射された光と混ざる。
[0094]
 (プロジェクタの実施形態)
 図13は、本実施形態にかかるプロジェクタ500の概略構成図である。図13に示すように、プロジェクタ500は、光学装置220、光学ユニット300及び制御部400を備える。光学ユニット300は、光学装置220から放射された光を変換し、プロジェクタ500の外部の対象物に画像又は映像を投射する。対象物としては、例えば、スクリーンが挙げられる。光学ユニット300は、集光レンズ70、ロッドインテグレータ71、レンズユニット72、表示素子73及び投射レンズ74を備える。
[0095]
 集光レンズ70は、光学装置220から放射された光を集光させる。これにより、光学装置220から放射された光は、ロッドインテグレータ71の入射側の端面に集光する。
[0096]
 ロッドインテグレータ71は、例えば、四角柱の形状を有する。ロッドインテグレータ71の入射端面に入射した光は、ロッドインテグレータ71内で全反射を繰り返し、ロッドインテグレータ71の出射端面から出射される。ロッドインテグレータ71から出射した光は、均一な輝度分布を有する。
[0097]
 レンズユニット72は、複数のレンズを有する。レンズユニット72が有する複数のレンズとしては、例えば、コンデンサレンズ及びリレーレンズが挙げられる。レンズユニット72は、ロッドインテグレータ71から出射した光を表示素子73に導く。
[0098]
 表示素子73は、レンズユニット72を通過した光を変換する。これにより、プロジェクタ500の外部の対象物に投射されるべき画像又は映像が得られる。表示素子73は、例えば、デジタルミラーデバイス(DMD)である。
[0099]
 投射レンズ74は、表示素子73によって変換された光をプロジェクタ500の外部に投射する。これにより、表示素子73によって変換された光を対象物に投射することができる。投射レンズ74は、1又は2以上のレンズを有する。投射レンズ74が有するレンズとしては、例えば、両凸レンズ及び平凹レンズが挙げられる。
[0100]
 制御部400は、光学装置220及び光学ユニット300の各部を制御する。制御部400は、例えば、マイクロコンピュータ又はプロセッサである。
[0101]
 図14は、プロジェクタ500の斜視図である。図14に示すように、プロジェクタ500は、筐体510をさらに備える。筐体510は、光学装置220、光学ユニット300及び制御部400を収容している。光学ユニット300の投射レンズ74の一部は、筐体510の外部に露出している。
[0102]
 (照明装置の実施形態)
 図15は、本実施形態にかかる照明装置600の概略構成図である。図15に示すように、照明装置600は、光学装置200及び光学部品80を備えている。光学装置200に代えて、図10を参照して説明した光学装置210も使用可能である。光学部品80は、光学装置200から放射された光を前方に導くための部品であり、具体的には、リフレクタである。光学部品80は、例えば、Al、Agなどの金属膜又は表面に誘電体層が形成されたAl膜を有する。光学装置200の前方には、フィルタ81が設けられていてもよい。フィルタ81は、光学装置200の励起光源からのコヒーレントな青色光が直接外部に出ないように、青色光を吸収又は散乱させる。照明装置600は、いわゆるリフレクタータイプであってもよく、プロジェクタータイプであってもよい。照明装置600は、例えば、車両用ヘッドランプである。
実施例
[0103]
 本開示を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本開示は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[0104]
 [フィラー粒子]
 (サンプル1~5)
 サンプル1~5のフィラー粒子を準備した。サンプル1のフィラー粒子は、アルミナでできていた。サンプル1のフィラー粒子の線膨張係数は、7.5ppm/Kであった。サンプル2のフィラー粒子は、ポリスチレンでできていた。サンプル2のフィラー粒子の線膨張係数は、65ppm/Kであった。サンプル3のフィラー粒子は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)でできていた。サンプル3のフィラー粒子の線膨張係数は、70ppm/Kであった。サンプル4のフィラー粒子は、シリコーンゴムでできたコア、及び、シリコーンゴム以外の他のシリコーン樹脂でできたシェルで構成されたシリコーン複合粒子であった。サンプル4のフィラー粒子の線膨張係数は、286ppm/Kであった。サンプル5のフィラー粒子は、シリコーンゴムでできていた。サンプル5のフィラー粒子の線膨張係数は、300ppm/Kであった。
[0105]
 [フィラー粒子の光の吸収率]
 サンプル1~5のフィラー粒子のそれぞれについて、450nmの波長の光に対する吸収率、及び、550nmの波長の光に対する吸収率を測定した。吸収率の測定には、絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製のC9920-02G)を用いた。吸収率の測定には、合成石英でできたシャーレを用いた。シャーレの底面は、平面視で円の形状を有していた。平面視でのシャーレの底面の直径は、約17mmであった。シャーレの厚さは、約5mmであった。シャーレは、蓋を備えていた。測定の結果を表5に示す。
[0106]
 表5において、550nmの波長の光に対する吸収率が10%以下であるフィラー粒子については、耐熱性が良好(「G」で示す)であると評価した。550nmの波長の光に対する吸収率が10%より大きく、25%以下であるフィラー粒子については、耐熱性がやや良好(「F」で示す)であると評価した。550nmの波長の光に対する吸収率が25%よりも大きいフィラー粒子については、耐熱性が不良(「NG」で示す)であると評価した。
[0107]
 [フィラー粒子の200℃での耐熱性]
 サンプル1から5のフィラー粒子のそれぞれを周囲温度200℃で24時間加熱した。加熱した後のフィラー粒子について、上記と同様の方法で、450nmの波長の光に対する吸収率、及び、550nmの波長の光に対する吸収率を測定した。測定の結果を表5に示す。
[0108]
 表5において、550nmの波長の光に対する吸収率が10%以下であるフィラー粒子については、200℃での耐熱性が良好(「G」で示す)であると評価した。550nmの波長の光に対する吸収率が10%より大きく、25%以下であるフィラー粒子については、200℃での耐熱性がやや良好(「F」で示す)であると評価した。550nmの波長の光に対する吸収率が25%よりも大きいフィラー粒子については、200℃での耐熱性が不良(「NG」で示す)であると評価した。
[0109]
 [フィラー粒子の240℃での耐熱性]
 サンプル1から5のフィラー粒子のそれぞれを周囲温度240℃で24時間加熱した。加熱した後のフィラー粒子について、上記と同様の方法で、450nmの波長の光に対する吸収率、及び、550nmの波長の光に対する吸収率を測定した。測定の結果を表5に示す。
[0110]
 表5において、550nmの波長の光に対する吸収率が10%以下であるフィラー粒子については、240℃での耐熱性が良好(「G」で示す)であると評価した。550nmの波長の光に対する吸収率が10%より大きく、25%以下であるフィラー粒子については、240℃での耐熱性がやや良好(「F」で示す)であると評価した。550nmの波長の光に対する吸収率が25%よりも大きいフィラー粒子については、240℃での耐熱性が不良(「NG」で示す)であると評価した。
[0111]
[表5]


[0112]
 表5からわかるとおり、シリコーンゴム又はシリコーン樹脂を含むサンプル4、5のフィラー粒子は、優れた耐熱性を有していた。
[0113]
 [波長変換部材]
 (比較例1)
 次の方法によって、比較例1の波長変換部材を作製した。まず、反射層を備えた基板本体を準備した。基板本体としては、アルミニウム基板を用いた。基板本体は、円板の形状を有していた。基板本体は、基板本体を厚さ方向に貫通する貫通孔を有していた。貫通孔は、平面視で円形状を有していた。貫通孔は、基板本体の外周面によって規定された仮想円の中心に位置していた。基板本体の厚さは、1.0mmであった。平面視での基板本体の直径は、65mmであった。平面視での貫通孔の直径は、25mmであった。基板本体の線膨張係数は、23ppm/Kであった。次に、基板本体の上に、結晶性のZnO薄膜を形成した。ZnO薄膜は、平面視でリングの形状を有していた。基板本体の外周面によって規定された仮想円の中心は、ZnO薄膜の外周面によって規定された仮想円の中心と一致していた。ZnO薄膜の外周面によって規定された仮想円の直径は、62mmであった。ZnO薄膜の内周面によって規定された仮想円の直径は、52mmであった。
[0114]
 次に、ZnO薄膜の上に、蛍光体の粒子を配置した。蛍光体は、Y Al 12:Ce(YAG)でできていた。蛍光体の粒子の平均粒径は、16μmであった。蛍光体の線膨張係数は、8ppm/Kであった。次に、溶液成長法によって、ZnO薄膜の上に結晶質のZnOマトリクスを作製した。結晶成長用の溶液としては、硝酸亜鉛及びヘキサメチレンテトラミンの水溶液を用いた。溶液成長法を行っているときの結晶成長用の溶液の温度は、90℃であった。これにより、比較例1の波長変換部材を得た。しかし、比較例1の波長変換部材では、マトリクスを形成している間に蛍光体が基板から脱落した。
[0115]
 (実施例1)
 蛍光体の粒子とともに、サンプル3のフィラー粒子をZnO薄膜の上に配置したことを除き、比較例1と同じ方法によって実施例1の波長変換部材を得た。実施例1の波長変換部材において、蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の合計体積の比率P2は、0.029であった。このとき、蛍光体の粒子の合計体積V1とフィラー粒子の合計体積V2とにより求められるV2/(V1+V2)の値は、0.05であった。実施例1の波長変換部材において、蛍光体部の厚さは、60μmであった。実施例1の波長変換部材に含まれるマトリクスの線膨張係数は、3.5ppm/Kであった。
[0116]
 実施例1の波長変換部材は、蛍光体部を基板の上方に配置した場合に、わずかに上方に突出する凸面を有するように凸状に反っていた。蛍光体部が基板の上方に位置するように、波長変換部材を平面の基準となる定盤の上に設置した。実施例1の波長変換部材の基板の上面において、鉛直方向について最も上方に位置している部分を基板頂部として特定した。基板の上面において、鉛直方向について最も下方に位置している部分を基板谷部として特定した。実施例1の波長変換部材において、基板頂部は、基板の貫通孔の近傍に位置していた。基板谷部は、基板の外周面の近傍に位置していた。さらに、実施例1の波長変換部材の基板の下面において、鉛直方向について最も下方に位置している部分を底部として特定した。鉛直方向についての基板頂部と底部との間の距離を特定した。鉛直方向についての基板谷部と底部との間の距離を特定した。これらの距離の差を基板の反りの度合いとして算出した。これらの距離の差は、鉛直方向Vについての基板頂部と基板谷部との距離に相当する。算出の結果を表6に示す。
[0117]
 (実施例2)
 蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率P2を0.081に調節したことを除き、実施例1と同じ方法によって実施例2の波長変換部材を得た。このとき、V2/(V1+V2)の値は、0.14であった。さらに、実施例1と同じ方法によって、実施例2の波長変換部材について、基板の反りの度合いを算出した。算出の結果を表6に示す。
[0118]
 (実施例3)
 蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率P2を0.161に調節したことを除き、実施例1と同じ方法によって実施例3の波長変換部材を得た。このとき、V2/(V1+V2)の値は、0.28であった。さらに、実施例1と同じ方法によって、実施例3の波長変換部材について、基板の反りの度合いを算出した。算出の結果を表6に示す。
[0119]
[表6]


[0120]
 表6からわかるとおり、マトリクスの線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有するフィラー粒子の含有率が高ければ高いほど、基板の反りの度合いが低下した。
[0121]
 [蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率]
 次に、蛍光体部の線膨張係数が基板の線膨張係数と等しい場合における、蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率を算出した。
[0122]
 (計算例1)
 まず、基板本体として、アルミニウム基板を用いることを想定した。アルミニウム基板の線膨張係数は、23ppm/Kであった。蛍光体として、YAGを用いることを想定した。YAGの線膨張係数は、8ppm/Kであった。マトリクスとして、ZnOを用いることを想定した。ZnOの線膨張係数は、3.5ppm/Kであった。フィラー粒子として、サンプル3のフィラー粒子を用いることを想定した。サンプル3のフィラー粒子の線膨張係数は、70ppm/Kであった。
[0123]
 次に、蛍光体部の体積に対するマトリクスの体積の比率P1が0.425であると想定した。このとき、蛍光体部の線膨張係数が基板の線膨張係数と等しい場合における、蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率P2は、0.273であった。ただし、蛍光体部の線膨張係数は、上述した式によって算出された値である。このとき、蛍光体の粒子の合計体積V1とフィラー粒子の合計体積V2とで求められるV2/(V1+V2)の値は、0.475であった。
[0124]
 (計算例2)
 基板本体として、ステンレス鋼(SUS430)を用いることを想定したことを除き、計算例1と同じ方法によって計算例2の計算を行った。SUS430の線膨張係数は、10.4ppm/Kであった。蛍光体部の線膨張係数が基板の線膨張係数と等しい場合における、蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率P2は、0.070であった。このとき、V2/(V1+V2)の値は、0.122であった。
[0125]
 (計算例3)
 フィラー粒子として、サンプル5のフィラー粒子を用いることを想定したことを除き、計算例1と同じ方法によって計算例3の計算を行った。サンプル5のフィラー粒子の線膨張係数は、300ppm/Kであった。蛍光体部の線膨張係数が基板の線膨張係数と等しい場合における、蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率P2は、0.058であった。このとき、V2/(V1+V2)の値は、0.101であった。
[0126]
 (計算例4)
 基板本体として、ステンレス鋼(SUS430)を用いることを想定したことを除き、計算例3と同じ方法によって計算例4の計算を行った。蛍光体部の線膨張係数が基板の線膨張係数と等しい場合における、蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率P2は、0.015であった。このとき、V2/(V1+V2)の値は、0.025であった。
[0127]
 計算例1と計算例3との対比、及び、計算例2と計算例4との対比から、サンプル3のフィラー粒子よりも線膨張係数が大きいサンプル5のフィラー粒子を用いれば、蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率をある程度低下させても、基板の反りを抑制できることが予想できる。さらに、計算例1と計算例2との対比、及び、計算例3と計算例4との対比から、アルミニウム基板よりも線膨張係数が小さいステンレス鋼の基板を用いれば、蛍光体部の体積に対するフィラー粒子の体積の比率をある程度低下させても、基板の反りを抑制できることが予想できる。
[0128]
 本開示の波長変換部材は、基板10と、基板10に支持されてかつ無機材料を含むマトリクス21と、マトリクス21に埋め込まれた蛍光体22と、マトリクス21に埋め込まれたフィラー粒子23とを備える。フィラー粒子23の線膨張係数は、25ppm/K以上790ppm/K以下であり、かつ、マトリクス21の線膨張係数よりも大きい。
[0129]
 フィラー粒子23の線膨張係数がマトリクス21の線膨張係数よりも大きいため、フィラー粒子23の収縮の度合いは、マトリクス21の収縮の度合いよりも大きい。そのため、波長変換部材の温度が低下したときに、フィラー粒子23とマトリクス21との間に空隙が生じる。空隙により、基板10の変形に応じてマトリクス21が変形できる。これにより、波長変換部材に生じる応力を緩和することができる。波長変換部材に生じる応力を緩和することによって、基板10の反りを抑制することができる。
[0130]
 波長変換部材では、基板10の線膨張係数は、マトリクス21の線膨張係数より大きく、かつ、フィラー粒子23の線膨張係数より小さくてもよい。これにより、基板10の線膨張係数の値は、マトリクス21及びフィラー粒子23を含む蛍光体部20の線膨張係数の値に近似している。そのため、基板10の収縮の度合いが蛍光体部20の収縮の度合いと同程度である。すなわち、波長変換部材に生じる応力を緩和できる。これにより、基板10の反りをより抑制することができる。
[0131]
 例えば、マトリクス21の線膨張係数は、9.8ppm/K以下であってもよい。これにより、基板10の反りをより抑制することができる。
[0132]
 例えば、基板10の線膨張係数は、9.9ppm/K以上17.8ppm/K以下であってもよい。これにより、基板10の反りをより抑制することができる。
[0133]
 例えば、フィラー粒子23は、シロキサン結合を有する高分子化合物を含んでいてもよい。これにより、フィラー粒子23は、優れた耐熱性を有する。
[0134]
 例えば、フィラー粒子23は、ゴム弾性を有していてもよい。これにより、フィラー粒子23自体が変形できる。これにより、基板10の変形に応じてマトリクス21が容易に変形でき、波長変換部材に生じる応力を緩和することができる。そのため、基板10の反りをより抑制することができる。
[0135]
 例えば、550nmの波長の光に対するフィラー粒子23の吸収率が好ましくは25%以下である。これにより、波長変換部材は、高い発光効率を有する。
[0136]
 マトリクス21は、無機結晶を含んでいてもよい。これにより、マトリクス21は、優れた放熱性を有する。
[0137]
 無機結晶は、酸化亜鉛を含んでいてもよい。これにより、マトリクス21は、より優れた放熱性を有する。
[0138]
 第9態様にかかる波長変換部材では、上記酸化亜鉛は、c軸に配向していてもよい。これにより、マトリクス21は、より優れた放熱性を有する。
[0139]
 光学装置200(210、220)は、波長変換部材100(110、120、130、140)と、波長変換部材に励起光を照射する励起光源40とを備える。この光学装置は、優れた発光効率を有する。
[0140]
 プロジェクタ500は、波長変換部材100(110、120、130、140)を備える。プロジェクタ500は、優れた発光効率を有する。

産業上の利用可能性

[0141]
 本開示の波長変換部材は、例えば、シーリングライトなどの一般照明装置;スポットライト、スタジアム用照明、スタジオ用照明などの特殊照明装置;ヘッドランプなどの車両用照明装置;プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイなどの投影装置;医療用又は工業用の内視鏡用ライト;デジタルカメラ、携帯電話機、スマートフォンなどの撮像装置;パーソナルコンピュータ(PC)用モニター、ノート型パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯情報端末(PDX)、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話などの液晶ディスプレイ装置などにおける光源に利用することができる。

符号の説明

[0142]
10  基板
11  基板本体
12  薄膜
20  蛍光体部
21  マトリクス
22  蛍光体
23  フィラー粒子
40  励起光源
100,110,120,130,140  波長変換部材
200,210,220  光学装置
500  プロジェクタ
600  照明装置

請求の範囲

[請求項1]
 基板と、
 前記基板に支持されてかつ無機材料を含むマトリクスと、
 前記マトリクスに埋め込まれた蛍光体と、
 前記マトリクスに埋め込まれたフィラー粒子と、
を備え、
 前記フィラー粒子の線膨張係数は25ppm/K以上790ppm/K以下であり、かつ、前記マトリクスの線膨張係数よりも大きい、波長変換部材。
[請求項2]
前記基板の線膨張係数は、前記マトリクスの前記線膨張係数より大きく、かつ、前記フィラー粒子の前記線膨張係数より小さい、請求項1に記載の波長変換部材。
[請求項3]
前記マトリクスの前記線膨張係数は9.8ppm/K以下である、請求項1又は2に記載の波長変換部材。
[請求項4]
前記基板の線膨張係数は9.9ppm/K以上17.8ppm/K以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の波長変換部材。
[請求項5]
前記フィラー粒子は、シロキサン結合を有する高分子化合物を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の波長変換部材。
[請求項6]
前記フィラー粒子はゴム弾性を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の波長変換部材。
[請求項7]
550nmの波長の光に対する前記フィラー粒子の吸収率が25%以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載の波長変換部材。
[請求項8]
前記マトリクスは無機結晶を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の波長変換部材。
[請求項9]
前記無機結晶は酸化亜鉛を含む、請求項8に記載の波長変換部材。
[請求項10]
前記酸化亜鉛はc軸に配向している、請求項9に記載の波長変換部材。
[請求項11]
 請求項1から10のいずれか1項に記載の波長変換部材と、
 前記波長変換部材に励起光を照射する励起光源と、
を備えた光学装置。
[請求項12]
請求項1から10のいずれか1項に記載の波長変換部材を備えたプロジェクタ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]