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1. WO2020129145 - めっき装置及びめっき方法

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明 細 書

発明の名称 めっき装置及びめっき方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  (R91)   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031  

符号の説明

0032  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : めっき装置及びめっき方法

技術分野

[0001]
 本発明は、被めっき素材である長尺状シート素材を所定の処理液中を搬送させながら電解めっき処理を行うめっき装置及びそのめっき装置を用いためっき方法に関するもので、特に、長尺状シート素材の電気抵抗が大きい場合であっても、好適な電解めっきを施すことができるめっき装置及びそのめっき装置を用いためっき方法である。

背景技術

[0002]
 従来から、長尺状シート素材に対し、給電ロールを接触させることで給電し、この長尺状シート素材に電解めっき処理を行うめっき装置や、めっき方法が知られている。例えば、特許文献1や、特許文献2の技術は、めっき槽内のめっき液中の被めっき素材に対して、めっき槽の搬送方向手前に設けられた空中の給電ロールから、被めっき素材の搬送方向に沿う方向に給電して電解めっきを施すというものである。
[0003]
 また、従来例として、図6に示すめっき装置のように、被めっき素材である長尺状シートを巻出側ロール(図示せず)と巻取側ロール(図示せず)の間を空中のカソードロール54を介して搬送し、この長尺状シートが、複数設けられている各めっき槽50を通る際に、カソードロール54から長尺状シートに対し給電することで電解めっき処理を行うというものがある。
[0004]
 このめっき装置は、搬送用ロール、カソードロール54が設けられており、それぞれ回転軸が、長尺状シートの搬送方向と垂直な方向に延長されており、長尺状シートの表面に当接しながら長尺状シートを搬送方向へと搬送させている。さらに、このめっき装置は、各カソードロール54が、整流器に繋がれた1本の導体棒52(陰極)に、そして、各アノード56が、対応する各整流器に、それぞれ接続されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開昭53-87941号公報
特許文献2 : 特開昭63-183192号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、上記特許文献1、2に開示されている技術では、被めっき素材の電気抵抗が大きい場合に、めっき不良を生じやすいという問題が指摘されている(例えば、国際公開公報WO2016/143714)。また、上記従来のめっき装置は、各めっき槽において、1本の導電棒52(陰極)にカソードロール54が接続される構造であるため、各整流器から各めっき槽のアノードに送られた電気は、下流側の抵抗が低い方に向かって流れ易く、電気の偏りが生じ、例えば、ニッケル金属皮膜が生成された長尺状シートに対する銅などの金属薄膜の密着性に問題が生じてしまう。
[0007]
 本発明は、上述の課題を解決するためのもので、被めっき素材である長尺状シートの電気抵抗が大きい場合であっても、好適にめっき処理を行え、さらに、長尺状シート表面に対する銅などの金属薄膜の密着性を向上させるとともに、高品質なめっき処理が施されたニッケル又はニッケル合金皮膜が生成された長尺状シートを得られるめっき装置及びめっき方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明によれば、巻出側ロールと巻取側ロールの間を、軸受けされたカソードロールを介して被めっき素材である長尺状シートを維持搬送するとともに、前記長尺状シートを、めっき液中に没する状態でアノードが設けられているめっき槽中を搬送させながら、前記カソードロールから前記長尺状シートに対して給電することにより、当該長尺状シートに対し電解めっき処理を行うめっき装置であって、前記めっき槽は、2以上設けられており、各めっき槽に、前記カソードロールの戻り配線及び前記アノードに繋がれた電源が、それぞれ設けられていることを特徴とするめっき装置が提供される。
[0009]
 本発明によれば、被めっき素材の電気抵抗が大きい場合であっても、好適にめっき処理を行える。また、ニッケル又はニッケル合金皮膜が生成された長尺状シート表面に対する金属薄膜の密着性を向上させることができる。さらに、高品質なめっき処理を施した被めっき素材を得ることができる。
[0010]
 好ましくは、前記カソードロールは、前記めっき槽に対し、前記長尺状シート搬送方向における上流側であって、前記めっき槽の上流側の入口からの距離が、150mm以下の範囲に設けられているめっき装置である。好ましくは、前記カソードロールは、弾性を持つめっき装置である。
[0011]
 好ましくは、前記カソードロールは、その両端部の所定範囲において、前記長尺状シートに対し給電するものである。好ましくは、前記長尺状シートを前記カソードロールに対して押し付けることで、当該長尺状シートと当該カソードロールの接触面積を増大させる押し付け機構が設けられているめっき装置である。また、好ましくは、前記押し付け機構は、前記長尺状シートを前記カソードロールに対して押し付けるための押し付けロールを有しており、当該押し付けロールは、弾性を持つめっき装置である。
[0012]
 好ましくは、前記カソードロールは、回転駆動力を与えずに、前記長尺状シートとの抵抗により、当該長尺状シートの搬送に伴い回転するめっき装置である。
[0013]
 また、好ましくは、本発明のめっき装置を用いて、シート抵抗値が1Ω/sq以上のシード層が形成された長尺状シートにめっき処理を行うめっき方法である。好ましくは、本発明のめっき装置を用いて、200nm以下のニッケル又はニッケル合金皮膜が形成された長尺状シートにめっき処理を行うめっき方法である。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本発明に係るめっき装置の実施形態を示した正面簡略図である。
[図2] 本発明に係るめっき装置の実施形態を示した図で、(a)は、銅ストライクめっき処理を施すめっき槽近傍のカソードロール等を含む構造を示した正面簡略図、(b)は、後工程の銅めっき処理を施すめっき槽近傍のカソードロール等を含む構造を示した正面簡略図である。
[図3] 本発明に係るめっき装置の実施形態におけるカソードロールを示した平面簡略図である。
[図4] カソードロールにより給電した際のピンホールの出現状態を表した図で(a)は、一般のカソードロールにより給電した際のピンホールの出現状態、(b)は、本発明に係るめっき装置の実施形態におけるカソードロールにより給電した際のピンホールの出現状態を表したものである。
[図5] 本発明に係るめっき装置の他の実施形態を示したもので、銅ストライクめっき処理を施すめっき槽近傍のカソードロール等を含む構造を示した正面簡略図である。
[図6] 従来のめっき装置を示した平面簡略図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 本発明に係るめっき装置及びめっき方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るめっき装置の実施形態を示した正面簡略図である。図2は、本発明に係るめっき装置の実施形態を示した図で、(a)は、銅ストライクめっき処理を施すめっき槽近傍のカソードロール等を含む構造を示した正面簡略図、(b)は、後工程の銅めっき処理を施すめっき槽近傍のカソードロール等を含む構造を示した正面簡略図である。
[0016]
 そして、図3は、本発明に係るめっき装置の実施形態におけるカソードロールを示した平面簡略図である。また、図4は、カソードロールにより給電した際のピンホールの出現状態を表した図で(a)は、一般のカソードロールにより給電した際のピンホールの出現状態、(b)は、本発明に係るめっき装置の実施形態におけるカソードロールにより給電した際のピンホールの出現状態を表したものである。さらに、図5は、本発明に係るめっき装置の他の実施形態を示したもので、銅ストライクめっき処理を施すめっき槽近傍のカソードロール等を含む構造を示した正面簡略図である。
[0017]
 そして、符号については、10がめっき装置、12が巻出側ロール、14が巻取側ロール、16がカソードロール、18が長尺状シート、20がめっき液、22がアノード、24がめっき槽(ストライク)、26が電源、28が給電範囲、30が押し付け機構、32が駆動型カソードロール、34が後工程めっき槽、50がめっき槽、52が導電棒、54がカソードロール、56がアノード、58がシリンダー、60が押し付けロールを示している。
[0018]
 まず、本実施形態におけるめっき装置10は、図1に示すように、巻出側ロール12と巻取側ロール14の間を、軸受けされたカソードロール16を介して被めっき素材である長尺状シート18を維持搬送するとともに、長尺状シート18を、めっき液20中に没する状態でアノード22が設けられているめっき槽(ストライク)24中を搬送させながら、カソードロール16から長尺状シート18に対して給電することにより、長尺状シート18に対し電解めっき処理を行うものであって、さらに、カソードロール16が、めっき槽(ストライク)24に対し、長尺状シート18の搬送方向における上流側であって、めっき槽(ストライク)24の上流側の入口からの距離が、150mm以下の範囲に設けられている。
[0019]
 続いて、本実施形態について、詳細に説明する。本実施形態では、無電解めっきにより、予め、長尺状の被めっき素材の表面に導電性金属であるニッケル又はニッケル合金のめっきを施し、導電性金属のシード層とするニッケル又はニッケル合金皮膜を生成させた長尺状シート18を作製しておく。なお、無電解ニッケルめっき処理又は無電解ニッケル合金めっき処理では、一般的に、10~300nm程度の導電性のニッケル又はニッケル合金によるシード層を形成させるが、200nm以下のニッケル又はニッケル合金の薄膜とすることが好ましい。また、シード層は、シート抵抗値が1Ω/sq以上のものであることが好ましい。
[0020]
 次に、本実施形態におけるめっき装置10は、巻出側ロール12と、巻取側ロール14の間を水平方向に軸受けされたカソードロール16を介して、長尺状シート18を搬送していく。そして、長尺状シート18に銅ストライクめっき処理を施す際には、めっき液20中に没する状態でアノード22が設けられているめっき槽(ストライク)24内に、長尺状シート18を搬送させながら、カソードロール16から長尺状シート18に対して給電を行う。
[0021]
 そうすることで、長尺状シート18に対し、銅ストライクめっき処理(電解めっき処理)を施すことができる。なお、本実施形態におけるめっき装置10では、図1に示すように、カソードロール16は、めっき槽(ストライク)24に対し、長尺状シート18の搬送方向における上流側であって、めっき槽(ストライク)24の上流側の入口からの距離が、150mm以下の範囲(より好ましくは、50mm~120mmの範囲)に設けられている。
[0022]
 一般のめっき装置における構成では、ストライクめっき処理におけるカソードロールは、作業性や、メンテナンス性を鑑み、めっき槽の手前200mm~300mm程度の位置に設置させるが、本実施形態のように、カソードロール16の設定を150mm以下の範囲(より好ましくは、50mm~120mmの範囲)とすれば、めっき槽との距離が通常よりも短いため、抵抗が大きいニッケル金属皮膜を生成させた長尺状シート18に対しても、適切な給電が行える。また、給電のパワーを上げる必要もなくなる。
[0023]
[規則91に基づく訂正 20.01.2020] 
 なお、本実施形態の後工程にあたるめっき処理(図1中、Cuめっきの範囲)におけるカソードロール32は、めっき槽34の手前200mm程度の位置に設置させている。これは、前工程でのストライクめっき処理により、ニッケル金属皮膜を生成させた長尺状シート18の抵抗が小さくなっているため、カソードロール32とめっき槽34の距離を短くする必要がないためである。なお、この後工程のめっき処理における構成は、本発明を何ら限定するものではない。
[0024]
 また、本実施形態は、図1に示すように、めっき槽(ストライク)24が2以上設けられており、また、後工程めっき槽34も2以上設けられている。そして、各めっき槽(ストライク)24に対し、それぞれ、電源26が配置され、カソードロール16の戻り配線と、アノード22が接続されている。また、後工程めっき槽34に対しても、それぞれ、電源が配置され、駆動型カソードロール32の戻り配線と、アノードが接続されているが、本図では省略している。なお、図中、2つのカソードロール16のうち、上流側のカソードロール16は、電源26に接続されていないように示されているが、実際には、接続されていることは言うまでもない。
[0025]
 従来のめっき装置は、図6に示すように、外部の整流器(図示せず)に繋がれた1本の導電棒52に、各めっき槽50に対応するカソードロール54の戻り配線が、それぞれ接続され、そして、各アノード56は、対応した整流器に、それぞれ接続されている。このような構成の場合、各整流器から各アノード56に送られた電気は、下流側の抵抗の低い方に向かって流れ易く、電気が偏ってしまうことから、上流におけるニッケル金属皮膜が生成された長尺状シートに対する銅の密着性に様々な問題が生じてしまう。
[0026]
 これに対し、本実施形態のように、各めっき槽(ストライク)24、後工程めっき槽34は、それぞれ個別に、カソードロール16の戻り配線と、アノード22が各電源26と接続されているため、電気の偏りが生じず、好適な給電が行え、ニッケル金属皮膜が生成された長尺状シート18に対する銅の密着性の向上に繋がる。
[0027]
 続いて、本実施形態におけるめっき装置10は、図5に示すように、長尺状シート18をカソードロール16に対して、それぞれ、上方側と下方側から押し付けることで、長尺状シート18とカソードロール16の接触面積を増大させる押し付け機構30が設けられている。長尺状シート18とカソードロール16の接触面積を増大させることで、カソードロール16からの給電をより好適に行うことができる。
[0028]
 詳しくは、押し付け機構30は、シリンダー58と、押し付けロール60とにより構成されていて、上流側のカソードロール16では、長尺状シート18を上方側から押し付けロール60によってカソードロール16に押し付けるようにシリンダー58が駆動する。また、下流側のカソードロール16では、長尺状シート18を下方側から押し付けロール60によってカソードロール16に押し付けるようにシリンダー58が駆動する。さらに、カソードロール16に弾性を持たせることで、より長尺状シート18とカソードロール16の接触面積を増大させることが可能となり、また、押し付け時の異物噛み込みや、擦れに起因した長尺シート18における傷の発生を抑制することができる。また、押し付けロール60にも弾性を持たせるのが好ましい。
[0029]
 次に、本実施形態におけるめっき装置10は、図2(a)に示すように、カソードロール16には、回転駆動力を与えず、カソードロール16と長尺状シート18との摩擦抵抗により、長尺状シート18の搬送に伴い回転する機構としている。このような構成とすることで、極めて薄い長尺状シート18であっても、搬送時に長尺状シート18のシード層や下地の金属膜に不良が発生する可能性が極めて低くなる。なお、本実施形態の後工程のめっき処理では、図2(b)に示すように、駆動型カソードロール32には、回転駆動力を与え、長尺状シート18の搬送動力の一つとなっている。なお、この後工程のめっき処理における構成は、本発明を何ら限定するものではない。
[0030]
 そして、本実施形態におけるめっき装置10は、図3に示すように、カソードロール16は、両端部の所定範囲(給電範囲28)において、長尺状シート18に対し給電を行うように構成されている。一般的なロールめっき装置においては、大部分が給電範囲に構成されたカソードロールから、長尺状シートが離れる際に、スパークが生じてしまい、長尺状シートの表面に多数のピンホールが発生してしまう。
[0031]
 しかし、本実施形態のように、両端部の所定範囲(給電範囲28)においてのみ、長尺状シート18に対し給電を行うように構成させれば、長尺状シート18の重要な部分においてスパークが発生せず、その結果、高品質な長尺状シート18のめっき処理を施すことが可能となるわけである。なお、本実施形態では、給電範囲28は、それぞれ、端部から10mm程度の範囲としている。参考として、図4(a)に一般的なロールめっき装置における長尺状シートの表面に発生したピンホールの状態と、図4(b)に本実施形態におけるめっき装置における長尺状シートの表面に発生したピンホールの状態を示しておく。

符号の説明

[0032]
10 めっき装置
12 巻出側ロール
14 巻取側ロール
16 カソードロール
18 長尺状シート
20 めっき液
22 アノード
24 めっき槽(ストライク)
26 電源
28 給電範囲
30 押し付け機構
32 駆動型カソードロール
34 後工程めっき槽
50 めっき槽
52 導電棒
54 カソードロール
56 アノード
58 シリンダー
60 押し付けロール

請求の範囲

[請求項1]
 巻出側ロールと巻取側ロールの間を、軸受けされたカソードロールを介して被めっき素材である長尺状シートを維持搬送するとともに、前記長尺状シートを、めっき液中に没する状態でアノードが設けられているめっき槽中を搬送させながら、前記カソードロールから前記長尺状シートに対して給電することにより、当該長尺状シートに対し電解めっき処理を行うめっき装置であって、
 前記めっき槽は、2以上設けられており、各めっき槽に、前記カソードロールの戻り配線及び前記アノードに繋がれた電源が、それぞれ設けられていることを特徴とするめっき装置。
[請求項2]
 前記カソードロールは、前記めっき槽に対し、前記長尺状シート搬送方向における上流側であって、前記めっき槽の上流側の入口からの距離が、150mm以下の範囲に設けられていることを特徴とする請求項1記載のめっき装置。
[請求項3]
 前記カソードロールは、弾性を持つことを特徴とする請求項1又は2記載のめっき装置。
[請求項4]
 前記カソードロールは、その両端部の所定範囲において、前記長尺状シートに対し給電するものであることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載のめっき装置。
[請求項5]
 前記長尺状シートを前記カソードロールに対して押し付けることで、当該長尺状シートと当該カソードロールの接触面積を増大させる押し付け機構が設けられていることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載のめっき装置。
[請求項6]
 前記カソードロールは、回転駆動力を与えずに、前記長尺状シートとの摩擦抵抗により、当該長尺状シートの搬送に伴い回転するものであることを特徴とする請求項1~5何れか1項記載のめっき装置。
[請求項7]
 請求項1~6の何れか1項に記載されためっき装置を用いて、シート抵抗値が1Ω/sq以上のシード層が形成された長尺状シートにめっき処理を行うことを特徴とするめっき方法。
[請求項8]
 請求項1~6の何れか1項に記載されためっき装置を用いて、200nm以下のニッケル又はニッケル合金皮膜が形成された長尺状シートにめっき処理を行うことを特徴とするめっき方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]