処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2020122120 - 医療機器、アプリケータ、およびクリップユニット

Document

明 細 書

発明の名称 医療機器、アプリケータ、およびクリップユニット

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103  

産業上の利用可能性

0104  

符号の説明

0105  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32   33   34  

明 細 書

発明の名称 : 医療機器、アプリケータ、およびクリップユニット

技術分野

[0001]
 本発明は、医療機器、より詳しくは、結紮装置、並びにこの結紮装置を構成するアプリケータおよびクリップユニットに関する。本願は、2018年12月11日に、PCT出願されたPCT/JP2018/045450号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 内視鏡を用いて行う処置として、クリップユニットを使った結紮が知られている。クリップユニットは一対のアームを備えている。一対のアームが組織を挟んだ状態で一対のアームを所定量牽引すると、一対のアームが組織を強く締め付けた状態でロックされる。
[0003]
 クリップユニットは、アプリケータに装着された状態で体内に導入される。クリップユニットは組織を結紮した状態で体内に留置されるため、一対のアームがロックされた後にアプリケータから切り離す必要がある。
[0004]
 アプリケータとクリップユニットとの連結を解除する態様がいくつか知られている。例えば、アプリケータとクリップユニットとを連結する部材を破断する態様、部材を破断させずに変形させて連結を解除する態様、部材を回動させて連結を解除する態様(例えば、特許文献1参照。)などである。
 変形による連結解除は、小片が生じない点で破断による連結解除に比して優れている。変形による連結解除は、部材と接続された操作伝達部材の牽引操作のみで連結解除できる点で回動による連結解除に比して優れている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 日本国特許第5750620号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 操作者は、一対のアームを閉じさせて対象組織を締め付け、把持位置などを確認しながら結紮が十分であることを確認する。結紮が不十分であると判断した場合には、一対のアームを開かせて対象組織の締め付けを解除し、再度結紮操作を行う。そして、結紮が十分であると判断した場合には、アームをロックする。この時、クリップユニットのアームをロックするために必要な操作力量(ロック力量)が、対象組織を結紮するために必要な力量よりも大幅に大きいことで、操作者は力量のギャップを認識することができ、誤ってアームをロックしてしまうことなく操作を行うことができる。
 クリップユニットのアームをロックするために必要な操作力量(ロック力量)の大きさは、アームが挟んだ対象組織から受ける反力により変化する。対象組織が硬いと、ロック力量は大きくなる。
 変形による連結解除をクリップユニットに適用する場合、ロックが完了する前に連結が解除されると、組織を結紮できない。したがって、連結解除に必要な操作力量(解除力量)は、通常、ロック力量よりも大きく設定される。また、上述した力量ギャップを確保する観点から、ロック力量が更に大きく設定されることもある。ここで、アームが平均的な硬さの組織を挟んだ場合のロック力量を基準にして解除力量を設定すると、硬い組織を挟んだ場合にロックが完了していないにもかかわらず連結が解除される可能性がある。アームが硬い組織を挟んだ場合のロック力量を基準にして解除力量を設定するとこのような可能性をなくせるが、解除力量が非常に大きくなり、操作しにくくなる可能性がある。
[0007]
 上記事情を踏まえ、本発明は、硬い組織を確実に結紮でき、かつ連結解除の操作が容易な医療機器を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の第一の態様は、処置部と、処置部を操作するための細長の動力伝達部材と、動力伝達部材と処置部とを切り離し可能に連結するリンクとを備える医療機器である。
 リンクは、動力伝達部材から受ける力で変形する第一変形部および第二変形部を有するフックと、フックと係合可能なベースとを有する。
 動力伝達部材と処置部とが連結した連結状態において、第一変形部は、基線から離れた位置にある。基線とは、連結状態におけるフックとベースとの接触部分と第二変形部とを通る線である。
[0009]
 本発明の第二の態様は、ベースを有する処置部が装着されるアプリケータである。
 このアプリケータは、処置部を操作するための細長の動力伝達部材と、動力伝達部材と接続され、ベースと係合可能なフックとを備える。
 フックは、動力伝達部材から受ける力で変形する第一変形部および第二変形部を有し、フックとベースとが連結した連結状態において、第一変形部は、基線から離れた位置にある。基線とは、連結状態におけるフックとベースとの接触部分と第二変形部とを通る線である。
[0010]
 本発明の第三の態様は、先端部にベースが設けられた動力伝達部材を備えるアプリケータに装着されるクリップユニットである。
 このクリップユニットは、第一アームと、第二アームと、ベースに係合可能なフックとを備える。
 フックは、動力伝達部材から伝達される力で変形する第一変形部および第二変形部を有し、フックとベースとが連結した連結状態において、第一変形部は、基線から離れた位置にある。基線とは、連結状態におけるフックとベースとの接触部分と第二変形部とを通る線である。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、操作伝達部材の牽引操作のみで処置部を切り離すことができ、かつ切り離すために必要な牽引力量が過大となりにくい。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 本発明の第一実施形態に係る結紮装置の全体構成図である。
[図2] 同結紮装置のクリップユニットを示す図である。
[図3] 同クリップユニットの断面図である。
[図4] 同クリップユニットの断面図であり、図3と異なる方向における断面を示す。
[図5] 同結紮装置におけるクリップ装着部位の拡大断面図である。
[図6] フックの拡大図である。
[図7] フック面およびロック面に作用する力を示す図である。
[図8] フック面およびロック面に作用する力を示す図であり、図7の後の状態を示している。
[図9] 第一係合アームおよびベースを示す図である。
[図10] フックとベースとの連結解除の一過程を示す図である。
[図11] フックとベースとの連結が解除された状態を示す図である。
[図12] 同フックの変形例を示す部分拡大図である。
[図13] 同フックの変形例を示す部分拡大図である。
[図14] 第二変形部の他の例を示す図である。
[図15] 同フックの変形例を示す部分拡大図である。
[図16] 本発明の第二実施形態に係るクリップユニットを示す図である。
[図17] 同クリップユニットのフックとベースとの連結構造を示す図である。
[図18] 第二実施形態におけるフックとベースとの連結解除の一過程を示す図である。
[図19] 第二実施形態におけるフックとベースとの連結解除の一過程を示す図である。
[図20] 本発明の第三実施形態に係る結紮装置のクリップユニットを示す図である。
[図21] 同クリップユニットとアプリケータとを連結する過程を示す連結部分の断面図である。
[図22] 同クリップユニットとアプリケータとを連結する過程を示す連結部分の断面図である。
[図23] 同クリップユニットとアプリケータとを連結する過程を示す連結部分の断面図である。
[図24] 同クリップユニットとアプリケータとを連結する過程を示す連結部分の断面図である。
[図25] 留め具の変形例を備えるカートリッジを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
[図26] 留め具の変形例を備えるカートリッジを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
[図27] 留め具の変形例を備えるカートリッジを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
[図28] 留め具の他の変形例を備えるカートリッジを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
[図29] 留め具の他の変形例を備えるカートリッジを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
[図30] 留め具の他の変形例を備えるカートリッジを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
[図31] 留め具の他の変形例を備えるカートリッジを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
[図32] 留め具の他の変形例を備えるカートリッジを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
[図33] 本発明の変形例におけるリンクを示す図である。
[図34] 本発明の変形例に係る医療機器の先端部の拡大断面図である。

発明を実施するための形態

[0013]
 本発明の第一実施形態について、図1から図15を参照して説明する。
 図1は、本実施形態の医療機器である結紮装置1の外観を示す図である。結紮装置1は、体内に留置されるクリップユニット(処置部)10と、クリップユニット10を操作するためのアプリケータ50とを備えている。クリップユニット10は、アプリケータ50の先端(遠位端)に装着される。
[0014]
 図2は、クリップユニット10の外観を示す図である。図3は、クリップユニット10の断面図である。図2に示すように、クリップユニット10は、アーム部20と、アーム部20の一部が収容された押さえ管(保持部材)30とを備えている。
[0015]
 アーム部20は、第一アーム21および第二アーム22の一対のアームを有する。第一アーム21および第二アーム22は、それぞれ先端部に爪21aおよび22aを有する。図3に示すように、アーム部20の基端部(ベース)20aにおいて、第一アーム21と第二アーム22とが接続されている。基端部20aは、U字状に形成されている。
 アーム部20は、合金を含む金属で形成されている。アーム部20の材質としては、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニッケルチタン合金などを例示できる。
 第一アーム21および第二アーム22は、図2に示す初期状態において拡開している。第一アーム21および第二アーム22は、初期状態から互いに接近すると、材料の弾性力により、初期状態に戻ろうとする付勢力が生じる。
[0016]
 押さえ管30は、金属や樹脂等で形成された筒状の部材である。図3に示すように、アーム部20の基端部20aは、押さえ管30内に収容されている。アーム部20の先端部は、押さえ管の先端開口30aから突出している。押さえ管30の基端開口30bは、先端開口30aよりも小さい。
[0017]
 図4は、押さえ管30の内部を図3と異なる方向から見た図である。図4に示すように、アーム部20の各アームの中間部には、係止部23が設けられており、係止部23において各アーム21、22の幅方向の寸法が大きくなっている(図4には第一アーム21のみ見えている)。各係止部23は、第一アーム21と第二アーム22とが接近することにより、基端開口30bを通過することができる。基端開口30bを通過後に第一アーム21と第二アーム22とが離間すると、係止部23は、基端開口30bを通過できなくなる。その結果、アーム部20は、一対のアームが閉じた状態でロックされる。
 押さえ管30の内部には、コイルバネ31が配置されている。コイルバネ31の前端は、第一アーム21および第二アーム22の後面に接触できる。コイルバネ31の後端は、基端開口30bを有する押さえ管の後端面32と接触できる。
 上述したアーム部20および押さえ管30の基本構造は公知であり、例えば、PCT国際公開2014/181676に開示されている。
[0018]
 アプリケータ50は、図1に示すように、細長の挿入部51と、挿入部51に通された操作ワイヤ(動力伝達部材)52と、挿入部51に接続された操作部60とを備える。
 挿入部51としては、例えばコイルで形成されたシースを使用できる。
 操作部60は、挿入部51と接続された本体61と、本体61に対して摺動可能に取り付けられたスライダ62とを有する。
 操作ワイヤ52としては、たとえば金属素線からなる撚線ワイヤを使用できる。操作ワイヤ52の基端部は、スライダ62と接続されている。スライダ62を本体61に対して移動させると、挿入部51内で操作ワイヤ52を進退させることができる。
[0019]
 図5は、クリップユニット10が装着されたアプリケータ50先端部の拡大断面図である。
 操作ワイヤ52の先端には、クリップユニット10と係合するフック70が固定されている。図5に示すように、操作ワイヤ52の先端部は押さえ管30内に進入し、フック70とアーム部20の基端部20aとが係合している。フック70の外形寸法は、コイルバネ31の内径よりわずかに小さい。
 以降の説明において、基端部20aを「ベース20a」と称することがある。フック70とベース20aとは、アプリケータ50とクリップユニット10とを連結するリンク80を構成する。
[0020]
 図6は、フック70の拡大図である。フック70は、操作ワイヤ52と接続される後部71と、ベース20aと係合する前部72とを有する。
 後部71は、前後方向両端に近づくにつれて徐々に縮小する紡錘状に形成され、後端に開口する有底の穴71aを有する。操作ワイヤ52の先端部は、穴71a内に進入している。操作ワイヤ52とフック70とは、例えばロウ付け等により接続されている。本実施形態においてはフック70と操作ワイヤ52とは、同軸の状態を保持して接続されている。
[0021]
 前部72は、一対の係合アーム73および74を有する。係合アーム73は、ベース20aと接触する爪部75と、爪部75と後部71とを接続する板状部76とを有する。係合アーム74は、係合アーム73と同様に、爪部77および板状部78を有し、係合アーム73と同一の形状を有する。係合アーム73および74は、フック70の中心軸線X1に対して線対称となる位置に設けられている。
 以下、係合アーム73の形状および構造について詳細に説明するが、係合アーム74についても同様である。
[0022]
 板状部76と爪部75との接続部位より前方における爪部75の内面には、切り欠き751が形成されている。爪部75において、切り欠き751が形成された領域は、構成材料が少ないことにより曲げ剛性が低下しており、第一変形部752として機能する。切り欠き751の三次元形状については、特に制限はない。
 第一変形部752よりも前方には、ベース20aの前面(ベース面)754に係止される係止面(フック面)753が形成されている。係止面753は、図6に示す断面において、中心軸線X1と交差する方向に延びている。係止面753よりも前側の部分は、図6に示す断面において、前端に近づくにつれて徐々に縮小するテーパー状に形成されている。
[0023]
 板状部76は、中心軸線X1と平行または略平行に延びている。したがって、本実施形態において、板状部76は、操作ワイヤ52と平行または略平行に延びている。板状部76と後部71との接続部位Tより後方には、切り欠き761が形成されている。板状部76は、前部72や後部71よりも構成材料が少ないことにより変形しやすい。特に、接続部位T付近の板状部76は、フック70とベース20aとの係合部位から最も遠く、かつ厚みの変化が大きいため応力が集中しやすい。その結果、接続部位T付近の板状部76は、第二変形部762として機能する。第二変形部762の曲げ剛性は、第一変形部752の曲げ剛性よりも小さい。
[0024]
 係合アーム73および74は、アーム部20の開閉方向と直交する方向からベース20aを挟み込んでいる。フック70とベース20aとが係合した状態において、フック面753とベース面754とは、第一変形部752よりも前方で接触しているため、第一変形部752は、第二変形部762よりもフック面753に近い。さらに、係合アーム73において、第一変形部752は、フック面753と第二変形部762とを結ぶ線として定義される基線B1から離れた位置にある。本実施形態において、基線B1は中心軸線X1と平行である。
[0025]
 係合アーム74は、係合アーム73と同様に、切り欠き771、第一変形部772、フック面773、切り欠き781、および第二変形部782を有する。係合アーム74において、第一変形部772は、フック面773と第二変形部782とを結ぶ線として定義される基線B2から離れた位置にある。本実施形態において、基線B2は中心軸線X1と平行である。
[0026]
 図5に示すように、挿入部51の先端には、硬質のガイドパイプ55が取り付けられている。ガイドパイプ55の先端側領域の内径は、押さえ管30の外径よりも大きく、押さえ管30が進入できる。操作ワイヤ52には、ストッパ56が取り付けられている。ストッパ56の形状や寸法は、ガイドパイプ55内に進入できないように設定されているため、ストッパ56がガイドパイプ55の後端と接触すると、操作ワイヤ52はそれ以上前進できない。
[0027]
 上記のように構成された結紮装置1の使用時の動作について説明する。結紮装置1は、内視鏡のチャンネルを経由して体内に導入される。結紮装置1を内視鏡に挿入する際、使用者はスライダ62を所定量後退させて、アーム部20が閉じ、かつロックされていない状態で挿入する。アーム部20が閉じたクリップユニット10および挿入部51の先端部を、アウターシース53内に収容した状態で内視鏡に挿入してもよい。
[0028]
 結紮装置1を内視鏡先端部のチャンネル開口から突出させて、スライダを引く力を小さくしたりシースを後退させたりすると、アーム部20は、自身の弾性復元力と、コイルバネ31の弾性復元力とにより、押さえ管30に対して前進する。その結果、一対のアーム21、22が開いた開形態となる。ストッパ56がガイドパイプ55の後端と接触すると、アーム部20は、押さえ管30に対して前進できなくなるため、アーム部20は押さえ管30から脱落せずに開形態を保持する。
[0029]
 使用者が、スライダ62を本体61に対して後退させると、操作ワイヤ52が牽引されてアーム部20が押さえ管30に対して後退する、その結果、一対のアーム21、22が閉じた閉形態となる。使用者は、一対のアーム21、22間に組織を位置させて一対のアーム21、22を閉じることにより、組織を結紮できる。後述するロック操作を行うまでは、スライダ62を本体61に対して前進させることにより、一対のアーム21、22を閉形態から再び開形態に遷移させることができる。したがって、結紮装置1においては、ロック操作を行うまでは、操作ワイヤ52によりクリップユニット10を操作して組織のつかみ直しを行える。
 ガイドパイプ55内には、ベース20aとフック70との意図しない連結解除を防止する規制部材57が配置されている。規制部材57は、フック70の外径よりもわずかに大きい内径の小径部58を有する。ベース20aとフック70との係合が解除されるためには、係合アーム73、74が一定距離以上離れる必要があるが、小径部58内には、係合アーム73と係合アーム74とが十分に離間できる程度の空間が存在しない。その結果、フック70とベース20aとの係合は係合アーム73、74が小径部58を通過するまでは解除されず、係合状態が好適に保持される。
[0030]
 一対のアーム21、22間に位置する組織を結紮してよいと判断したら、使用者はアーム部20を閉形態に固定するためのロック操作を行う。ロック操作において、使用者は、つかみ直しができる範囲を超えて、さらにスライダ62を本体61に対して後退させる。スライダ62が後退すると、操作ワイヤ52が牽引され、一対のアーム21、22は、組織を挟んだまま略平行となって押さえ管30内に進入する。さらに、一対のアーム21、22に設けられた係止部23が互いに接近し、押さえ管30の基端開口30bを通過可能な位置関係となる。
 基端開口30bを通過して押さえ管30外に移動した一対の係止部23は、操作ワイヤ52から受ける力が弱まると再び離間し、基端開口30bを通過できない位置関係となる。その結果、基端開口30bの縁に一対の係止部23が当接することでアーム部20の押さえ管30からの突出が防止され、アーム部20はロックされて閉形態が保持される。
[0031]
 ロック操作の過程で、ベース20aおよびフック70は基端開口30bを通って押さえ管30外に移動するが、ベース20aとフック70との係合状態は好適に保持される。
 アーム部20がロックされた後、使用者がさらにスライダ62を後退させると、ベース20aとフック70との係合が解除され、クリップユニット10がアプリケータ50から切り離される。以下、ロック操作時におけるフック70の動作について、詳細に説明する。
[0032]
 スライダ62が後退されると、操作ワイヤ52が牽引され、牽引力Fがフック70に作用する。フック70が押さえ管30外に移動した直後の状態において、板状部76、78(不図示)は図6に示すように中心軸線X1と平行または略平行であるため、牽引力Fによって、板状部76、78を回動させるモーメントは生じない。したがって、係合アーム73、74は、この時点では第二変形部を中心に回動しない。
[0033]
 図7は、フック面753およびベース面754の模式拡大図である。牽引力Fは、板状部76を伝達してまずフック面753とベース面754との接触部位(すなわち、連結状態におけるフック70とベース20aとの接触部分)Pに作用し、フック面753に反力F1を生じさせる。
[0034]
 第一変形部752は、図9に示すように、接触部位Pと第二変形部762とを通る線である基線B1から離れた位置にあるため、反力F1は、爪部75に対してモーメントとして作用する。その結果、爪部75の先端部を、第一変形部752を中心として回動するように変形させる。図示していないが、爪部77にも反力F1と同様の力が作用する。その結果、爪部77の先端部は、第一変形部772を中心として回動するように変形する。
 基線B1、B2が中心軸線X1と平行であるため、第二変形部762と接触部位P、および第二変形部782と接触部位Pは、中心軸線X1と平行に配置される。そのため、反力F1は第二変形部762、782に対してモーメントとして作用しない。
[0035]
 図8に示すように、爪部75が第一変形部752を中心として変形した結果フック面753がベース面754に対して傾くと、反力F1に、中心軸線X1から押さえ管30の径方向外側に向かう方向の分力F2が生じる。
[0036]
 分力F2は、係合アーム73をベース20aから離間させる方向に作用する。すなわち、分力F2は、第二変形部762、782に対してモーメントとして作用する。このモーメントにより、板状部76、78はそれぞれ第二変形部762および782を中心として、互いの先端を離間させるように回動する。その結果、図11に示すように爪部75と爪部77とが大きく離間して、フック70とベース20aとの係合が解除される。
[0037]
 本実施形態のフック70において、第一変形部を中心とした爪部75、77の回動により分力F2が発生するまでは、牽引力Fの大きさに関わらず第二変形部を中心とした板状部76、78の回動は発生しない。したがって、第一変形部を中心とした爪部75、77の回動に必要な力量が、アームが硬い組織を挟んだ場合のロック力量より大きければ、第二変形部を中心とした板状部76、78の回動に必要な力量をアームが硬い組織を挟んだ場合のロック力量より小さく設定しても、ロック前にフック70とベース20aとの連結が解除されることはない。
[0038]
 フック70は上述の構造を有するため、第二変形部762、782を第一変形部752、772よりも変形しやすくすることにより、第二変形部を中心とした板状部76、78の回動に必要な力量を、ロック力量に対して著しく小さく設定できる。その結果、アームのロック後に爪部75、77にロック力量を超える力が作用した後は、速やかに板状部76、78が回動してフック70とベース20aとの連結が解除される。
[0039]
 これにより、結紮装置1においては、クリップユニット10をアプリケータ50から切り離す際に必要な操作力量が、クリップユニット10のアームのロック力量に対して過度に大きくなることを防止できる。その結果、硬い組織を挟んだ状態でクリップユニット10を留置することと、操作のしやすさとを両立できる。
[0040]
 本実施形態では、初期状態においてフック面が中心軸線X1に対して垂直である例を示したが、フック面は、初期状態において中心軸線X1に対して垂直でなくてもよい。
[0041]
 図12に示す変形例では、初期状態においてフック面753Aが中心軸線X1に対して基端側で鋭角θ1をなすように傾いている。その結果、フック面753Aとベース面754との接触部位P1が、図12に示す断面において第一実施形態の接触部位Pよりも中心軸線X1から離れた位置にある。さらに、中心軸線X1と接触部位P1との距離が、中心軸線X1と第二変形部762との距離よりも長くなり、基線B1が傾いて中心軸線X1と非平行となっている。
 この変形例では、フック面753を備える第一実施形態よりも分力F2が発生するタイミングが早くなり、連結解除がスムーズになる。
 図13に示す変形例では、初期状態においてフック面753Bが中心軸線X1に対して基端側で鈍角θ2をなすように傾いている。その結果、フック面753Bとベース面754との接触部位P2が、図13に示す断面において接触部位Pよりも中心軸X1に近い位置にある。さらに、中心軸線X1と接触部位P1との距離が、中心軸線X1と第二変形部762との距離よりも短くなり、基線B1が傾いて中心軸線X1と非平行となっている。この変形例では、フック面753を備える第一実施形態よりも分力F2が発生するタイミングが遅くなり、フック70とベース20aとの連結をより強固にできる。
 以上説明したように、フック面とベース面との接触部位を変更することにより、連結解除の力量やタイミング等を様々に調節できる。接触部位を変更する手段は、上述したフック面と中心軸線X1とがなす角度を変更することには限られない。
[0042]
 上述の例では、板状部76における接続部位T付近の部位を第二変形部としたが、第二変形部の位置はこれに限られない。上述したフックとリンクとの連結解除動作を実現するためには、牽引力Fによって第二変形部に生じるモーメントよりも大きいモーメントが第一変形部に生じる位置関係であればよい。言い換えると、図14に示すように、中心軸線X1と平行であり且つ接触部位Pを通る線X2と第一変形部752との距離D1が、線X2と第二変形部762との距離D2より長くなる位置であればよい。例えば、板状部76のうち接続部位Tよりも前方に位置する部分762Aも、第二変形部に該当する。本実施形態においては、板状部が中心軸線X1とほぼ平行に延びているため、板状部の任意の位置を第二変形部と考えることができる。
[0043]
 第一変形部は、連結状態において基線から離れている限り、フックの中心軸線方向における位置に制限はない。例えば、第一変形部752が接触部位Pよりもフックの先端側に設けられてもよい。
 図15に示す変形例では、中心軸線X1が延びる方向において、第一変形部752が第一実施形態よりも接触部位Pに近い位置に設けられている。このようにすると、爪部75に作用するモーメントが大きくなり、連結解除がスムーズになる。この効果を高めるためには、第一変形部752は、中心軸線X1が延びる方向において接触部位Pと同一の位置にあることが好ましい。
[0044]
 本発明の第二実施形態について、図16から図19を参照して説明する。以降の説明において、すでに説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
[0045]
 図16に、本実施形態のクリップユニット110を示す。クリップユニット110は、アーム部120と、押さえ管30とを備えている。押さえ管30の内部の構造は、第一実施形態と同様である。
[0046]
 図17に、操作ワイヤ52とアーム部120との連結構造、すなわち本実施形態におけるリンクを示す。第一アーム121と第二アーム122とは、別々の部材であり、接合部123で接合されている。第一アーム121および第二アーム122は、接合部123よりも後方に延びている。接合部123の形成方法としては、溶接、半田、接着、ロウ付け等を例示できる。
[0047]
 第一アーム121および第二アーム122の後端部には、それぞれ爪部材175、177が取り付けられている。爪部材175は、第一変形部1752およびフック面1753を有する。爪部材177は、第一変形部1772およびフック面1773を有する。
 爪部材175、177は金属等で形成でき、第一アーム121や第二アーム122と同一材料で形成されてもよい。爪部材175、177は溶接、半田、接着、ロウ付け等により第一アーム121や第二アーム122に固定できる。
[0048]
 操作ワイヤ52の先端には、ベース153が固定されている。ベース153の形状は、フック面1753およびフック面1773と係合できるベース面153aを有していれば特に制限はなく、ベース20aと同様の形状でもよい。
[0049]
 本実施形態では、爪部材175、177がベース153を挟むことにより、操作ワイヤ52とクリップユニット110とが連結される。
 操作ワイヤ52とアーム部120とが連結された図17の状態において、第一アーム121および第二アーム122の接合部123よりも後方の部分が板状部124および125として機能し、板状部124および125における接合部123付近の領域が、それぞれ第二変形部124aおよび125aとして機能する。
 第一変形部1752は第一アーム121の基線B3に対して、第二変形部1772は第二アーム122の基線B4に対して、それぞれ離れた位置にある。
 すなわち、本実施形態においては、クリップユニットがアーム部120の後端部にフック170を有し、操作ワイヤがベースを有している。
[0050]
 本実施形態において、クリップユニットのアームがロックされた後は、図18に示すように、まずクリップユニットに設けられた爪部材175、177の後部が第一変形部1752、1753を中心に回動する。その後に、図19に示すように板状部124および125が第二変形部124aおよび125aを中心に回動して、クリップユニットと操作ワイヤとの連結が解除される。
[0051]
 本実施形態に係るクリップユニットおよび結紮装置も、第一実施形態と同様に、硬い組織を挟んだ状態でクリップユニットを留置することと、操作のしやすさとを両立できる。
 本実施形態では、フック170がクリップユニットに設けられているため、フック170はクリップユニット110とともに体内に留置される。したがって、新しいクリップをアプリケータに装着して再度留置を行うリロードタイプの結紮装置に適用すると、フックが係合と連結を繰り返すことにより疲労破壊することがないという利点がある。
[0052]
 本発明の第三実施形態について、図20から図27を参照して説明する。以降の説明において、すでに説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
[0053]
 本実施形態に係る結紮装置1Cは、クリップユニット(処置部)210と、クリップユニット210を操作するためのアプリケータ50とを備えている。
[0054]
 図20は、クリップユニット210を示す図である。クリップユニット210は、アーム部20と、押さえ管230とを備えている。
[0055]
 押さえ管230は、基端開口230bの形状を除き、第一実施形態の押さえ管30と同様である。基端開口230bは、図20に示すように、基端開口230bの外側(基端側)に向かって内径R1が大きくなるテーパー状に形成されている。基端開口230bにおいてテーパー状に形成されている部分を、被係合面230sとする。
[0056]
 フック70の形状に関してより詳しく説明する。
 フック70の係合アーム73における爪部75の先端部75aは、先端に向かって縮小するテーパー状に形成されている。先端部75aは、図21に示すように、先端に向かって厚さが薄くなる形状(例えばテーパー状やSR形状)に形成されている。
[0057]
 爪部75の先端部75aは、第一係合面758と第二係合面759とを有する。第一係合面758と第二係合面759とは、図20に示すように、係合アーム73の先端を通り中心軸線X1と平行である軸線X2を挟んで両側に配置されている。
[0058]
 第一係合面758は、軸線X2に対して中心軸線X1側(内側)に配置されている。第一係合面758の法線は、中心軸線X1に近づく方向を向いている。第一係合面758は、平面であっても曲面であってもよい。
[0059]
 第二係合面759は、軸線X2に対して中心軸線X1の反対側(外側)に配置されている。第二係合面759の法線は、中心軸線X1から遠ざかる方向を向いている。第二係合面759は、平面であっても曲面であってもよい。
[0060]
 フック70の係合アーム73における爪部77も、爪部75同様に、先端部77aが先端に向かって縮小するテーパー状に形成されている。爪部77の先端部77aは、爪部75同様に、第一係合面778と第二係合面779とを有する。
[0061]
 図21から図24は、クリップユニット210とアプリケータ50とを連結する過程を示す連結部分の断面図である。上記のように構成された結紮装置1Cの使用時の動作について説明する。使用者は、結紮装置1Cを内視鏡に挿入する前、カートリッジ40を使用して、クリップユニット210とアプリケータ50とを連結する。
[0062]
 カートリッジ40は、図21に示すように、クリップユニット210を収容可能な略直方体形状のケースである。カートリッジ40は、カートリッジ本体41と、留め具42と、を有している。
[0063]
 カートリッジ本体41は、有底筒状に形成されている。カートリッジ本体41は、図21に示すように、アーム部20が押さえ管230に収容され、かつ、ロックされていない状態のクリップユニット210を収容可能な内部空間Sを有する。カートリッジ本体41は、内部空間Sの中心軸線X3の一方の端部41aに、内部空間Sに連通する開口41bを有する。
[0064]
 カートリッジ本体41の内部空間Sにおいて、中心軸線X3方向の長さL1は、図21に示すように、押さえ管230に収容されたアーム部20の長手軸方向の長さより短い。そのため、アーム部20が押さえ管230に収容された状態のクリップユニット210を収容した際、ベース20aはカートリッジ本体41の外側に配置される。ベース20aは、中心軸線X3上に配置される。
[0065]
 留め具42は、中心軸線X3と垂直な方向にスライド可能にカートリッジ本体41の端部41aに取り付けられている。留め具42は、中心軸線X3方向から見て、開口41bの中心を挟んで両側に配置されている。留め具42は、中心軸線X3に近づく方向にスライドさせることによって、開口41bの一部を覆う第一位置に移動できる。また、留め具42は、中心軸線X3に遠ざける方向にスライドさせることによって、開口41bを覆わない第二位置に移動できる。
[0066]
 使用者は、留め具42を第二位置に移動させる。使用者は、アーム部20を押さえ管230に収容する。使用者は、アーム部20が押さえ管230に収容され、かつ、ロックされていない状態のクリップユニット210を、カートリッジ本体41の内部空間Sに収容する。次に、使用者は、留め具42を第一位置に移動させる。図21に示すように、アーム部20の先端はカートリッジ本体41に接する。また、押さえ管230の基端は、第一位置に位置する留め具42に接する。この結果、アーム部20は、押さえ管230に対してロックされていない状態において、閉形態を維持する。
[0067]
 使用者は、図22に示すように、アプリケータ50をクリップユニット210が収容されたカートリッジ40に近づける。使用者は、ベース20aがフック70の中心軸線X1上に位置する状態で両者を近づける。ベース20aと第一係合面758とが係合する。第一係合面758の法線は中心軸線X1に近づく方向を向いているため、爪部75は中心軸線X1から遠ざかる方向に移動する。また、ベース20aと第一係合面778とが係合する。第一係合面778の法線は中心軸線X1に近づく方向を向いているため、爪部77は中心軸線X1から遠ざかる方向に移動する。
[0068]
 使用者は、図23に示すように、アプリケータ50をカートリッジ40にさらに近づける。押さえ管230の被係合面230sと第二係合面759とが係合する。第二係合面759の法線は中心軸線X1から遠ざかる方向を向いているため、爪部75は中心軸線X1に近づく方向に移動する。また、押さえ管230の被係合面230sと第二係合面779とが係合する。第二係合面759の法線は中心軸線X1から遠ざかる方向を向いているため、爪部77は中心軸線X1に近づく方向に移動する。
[0069]
 被係合面230sの法線は、中心軸線X3に近づく方向を向いている。そのため、図23に示すように、被係合面230sと係合した爪部75および爪部77は、中心軸線X3近づく方向に移動する。
[0070]
 使用者は、アプリケータ50をカートリッジ40にさらに近づける。爪部75と爪部77とは、さらに接近する。その結果、図6に示すように、係止面(フック面)753は、ベース20aの前面(ベース面)754に係止される。また、係止面(フック面)773は、ベース20aの前面(ベース面)754に係止される。以上の操作により、クリップユニット210とアプリケータ50とは連結される。
[0071]
 本実施形態に係るクリップユニット210および結紮装置1Cも、第一実施形態と同様に、硬い組織を挟んだ状態でクリップユニット210を留置することと、操作のしやすさとを両立できる。本実施形態では、アプリケータ50へのクリップユニット210の装填が容易になる。
 クリップユニット210とアプリケータ50とが連結した後、使用者は留め具42を第二位置に移動させる。図24に示すように、コイルバネ31の弾性復元力により、アーム部20は開形態に遷移する。押さえ管230の基端はカートリッジ本体41の外側に移動する。押さえ管230とガイドパイプ55とが接続される。クリップユニット210とアプリケータ50との連結は維持される。以上の操作により、アプリケータ50へのクリップユニット210の装填が完了する。
[0072]
 使用者は、クリップユニット210とアプリケータ50とを連結させる方向に近づけることにより、爪部75と爪部77とを離間させて、ベース20aを挟み込める位置に爪部75と爪部77を移動させることができる。使用者は、クリップユニット210とアプリケータ50とをさらに近づけることにより、爪部75と爪部77とを近づけて、ベース20aによって係止される位置に爪部75と爪部77を移動させることができる。使用者は、クリップユニット210とアプリケータ50とを連結させる方向に近づけるのみで、爪部75と爪部77を連結方向と垂直な方向に進退させ、容易にクリップユニット210とアプリケータ50とを連結できる。
[0073]
(変形例1)
 本実施形態では、押さえ管230の基端開口230bがテーパー状に形成されている例を示したが、基端開口230bの代わりにカートリッジ40の留め具42がテーパー状に形成されていてもよい。
[0074]
 図25から図27は、留め具42の変形例である留め具42Bを備えるカートリッジ40Bを用いた連結工程における連結部分の断面図である。
 留め具42Bの中心軸線X3側は、カートリッジ40Bの外側(基端側)に向かって中心軸線X3との距離が大きくなるテーパー状に形成されている。留め具42Bにおいてテーパー状に形成されている部分を、被係合面42sとする。
[0075]
 使用者は、図26に示すように、アプリケータ50をカートリッジ40Bにさらに近づける。留め具42Bの被係合面42sと第二係合面759とが係合し、爪部75がフック70の中心軸線X1に近づく方向に移動する。また、留め具42Bの被係合面42sと第二係合面779とが係合し、爪部77がフック70の中心軸線X1に近づく方向に移動する。
[0076]
 被係合面42sの法線は、中心軸線X3に近づく方向を向いている。そのため、図26に示すように、被係合面42sと係合した爪部75および爪部77は、中心軸線X3近づく方向に移動する。
[0077]
 使用者は、アプリケータ50をカートリッジ40Bにさらに近づける。爪部75と爪部77とはさらに接近する。その結果、図27に示すように、爪部75と爪部77とはベース20aに係止される。以上の操作により、クリップユニット10とアプリケータ50とは連結される。
[0078]
(変形例2)
 本実施形態では、留め具42がカートリッジ本体41の端部41aに取り付けられていたが、留め具42はカートリッジ本体41の内部空間Sに配置されていてもよい。
[0079]
 図28から図32は、留め具42の変形例である留め具42Cを備えるカートリッジ40Cを用いた連結工程における連結部分の断面図である。図28から図32には、内部空間Sの中心軸線X3に対して90度回転させた連結部分の断面図も併せて記載されている。カートリッジ40Cは、カートリッジ本体41Cと、留め具42Cと、を備える。
[0080]
 留め具42Cは、図28に示すように、中心軸線X3を挟んで両側に配置されている。二つの留め具42Cは、押さえ管230を両側から挟んだ状態で内部空間Sに配置される。二つの留め具42Cは、アーム部20が開閉する開閉方向Pおける両側に配置される。
[0081]
 留め具42Cは、留め具本体43と、第一係合凸部44と、第二係合凸部45と、第三係合凸部46と、を有する。留め具本体43は、中心軸線X3方向に延びる板状に形成されている。
[0082]
 第一係合凸部44は、留め具本体43の先端において開閉方向Pにおける外側に突出する凸部である。第一係合凸部44の先端は、カートリッジ本体41Cの内周面41sに接している。
[0083]
 第二係合凸部45は、留め具本体43の基端において開閉方向Pにおける外側に突出する凸部である。第二係合凸部45の先端は、カートリッジ本体41Cの内周面41sに接している。
[0084]
 第三係合凸部46は、留め具本体43の基端において開閉方向Pにおける内側に突出する凸部である。第三係合凸部46の先端側は、押さえ管230の基端と係合する。二つの留め具42Cの第三係合凸部46は、互いに対向する位置に配置される。フック70は、第三係合凸部46の間の空間を通過可能である。
[0085]
 第三係合凸部46は、先端側にテーパー状に形成された第三係合面463を有する。第三係合面463の法線は、中心軸線X3に近づく方向を向いている。また、第三係合凸部46は、基端側にテーパー状に形成された第四係合面464を有する。第四係合面464の法線は、中心軸線X3に近づく方向を向いている。第四係合面464は、カートリッジ40Cに挿入されるフック70の先頭を中心軸線X3に近づく方向に案内する。
[0086]
 カートリッジ本体41Cは、カートリッジ本体41同様、有底筒状に形成されている。カートリッジ本体41Cは、図28に示すように、アーム部20が押さえ管230に収容され、かつ、ロックされていない状態のクリップユニット210を収容可能な内部空間Sを有する。カートリッジ本体41Cは、内部空間Sの中心軸線X3の一方の端部に、内部空間Sに連通する開口41bを有する。
[0087]
 カートリッジ本体41Cの内部空間Sにおいて、中心軸線X3方向の長さL2は、図28に示すように、押さえ管230に収容されたアーム部20の長手軸方向の長さより十分長い。
[0088]
 カートリッジ本体41Cは、内部空間Sにおいて、アーム係合凹部47と、第一係合凹部48と、第二係合凹部49と、を有する。アーム係合凹部47は、アーム部20の先端側が挿入される凹部である。アーム部20は、アーム係合凹部47に挿入されることで、中心軸線X3に対してぶれにくい。
[0089]
 第一係合凹部48は、カートリッジ本体41Cの内周面41sにおいて、開閉方向Pにおける外側に没入する凹部である。第一係合凹部48は、中心軸線X3を挟んで両側に形成されている。
[0090]
 第二係合凹部49は、カートリッジ本体41Cの内周面41sにおいて、開閉方向Pにおける外側に没入する凹部である。第二係合凹部49は、中心軸線X3を挟んで両側に形成されている。
[0091]
 第一係合凹部48は、中心軸線X3方向において、第二係合凹部49よりも先端側にある。第一係合凹部48と第二係合凹部49との中心軸線X3方向における距離は、第一係合凸部44と第二係合凸部45との中心軸線X3方向における距離に略等しい。
[0092]
 カートリッジ本体41Cの留め具42Cは、初期状態において、コイルバネ31の弾性復元力により、押さえ管230と係合する第三係合凸部46が基端側に押し込まれる。このとき、第一係合凸部44は第一係合凹部48よりも基端側に位置する。初期状態において、第二係合凸部45は第二係合凹部49よりも基端側に位置する。
[0093]
 使用者は、アプリケータ50をクリップユニット210が収容されたカートリッジ40Cに近づける。図28に示すように、フック70は、二つの留め具40Cの間の空間に挿入される。ガイドパイプ55の先端は、留め具42Cの基端と接触する。
[0094]
 使用者は、図29に示すように、アプリケータ50をカートリッジ40Cにさらに近づける。本実施形態と同様、爪部75および爪部77は中心軸線X1から遠ざかる方向に移動する。ガイドパイプ55の先端は、留め具42Cをカートリッジ本体41Cに対して先端側に押し込む。第三係合凸部46と係合する押さえ管230は、コイルバネ31の弾性復元力に抗して、カートリッジ本体41Cに対して先端側に押し込まれる。
[0095]
 使用者は、図30に示すように、アプリケータ50をカートリッジ40Cにさらに近づけ、本実施形態と同様、クリップユニット210とアプリケータ50とを連結させる。ガイドパイプ55と係合する留め具42Cは、カートリッジ本体41Cに対してさらに先端側に押し込まれる。図30に示すように、クリップユニット210とアプリケータ50とが連結する位置に配置されたとき、第一係合凸部44は第一係合凹部48よりも少し基端側に位置する。また、第二係合凸部45は第二係合凹部49よりも少し基端側に位置する。
[0096]
 使用者は、図31に示すように、アプリケータ50をさらに押し込む。その結果、第一係合凸部44および第二係合凸部45は、カートリッジ本体41Cの内周面41sに接触しなくなる。押さえ管230の基端は、コイルバネ31の弾性復元力により、第三係合凸部46の第三係合面463を基端側に押し込む。第三係合面463の法線は、中心軸線X3に近づく方向を向いているため、留め具42Cは中心軸線X3から遠ざかる方向に移動する。
[0097]
 図32に示すように、留め具42Cは中心軸線X3から遠ざかる方向に移動し、第一係合凸部44と第一係合凹部48とが係合する。また、第二係合凸部45と第二係合凹部49とが係合する。
[0098]
 第三係合凸部46と係合しない押さえ管230は、図32に示すように、コイルバネ31の弾性復元力により、押さえ管230基端側に移動する。その結果、クリップユニット210は開口41b側に移動する。
[0099]
 カートリッジ40Cにおいては、使用者は留め具42Cを開閉する必要がない。使用者は、クリップユニット210とアプリケータ50とを連結させる方向に近づけるのみで、容易にクリップユニット210とアプリケータ50とを連結でき、連結後のクリップユニット210をカートリッジ40Cから容易に取り出すことができる。
[0100]
 以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
[0101]
 上述の各実施形態では、フックが一対の係合アームを有する例を説明したが、本発明におけるフックの態様はこれには限られない。
 図33に、係合アームを一つのみ備えるフックの例を示す。図33に示すフック270は、一つの係合アーム271を有する。このような構造でも、第一変形部271、第二変形部272、接触部位P、および基線Bとの位置関係を適切に設定し、かつ第一変形部271および第二変形部272の曲げ剛性を適切に設定することにより、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。
[0102]
 また、各実施形態のいずれにおいても、第一変形部と第二変形部とを異なる材料で形成することにより両者の曲げ剛性を異ならせてもよい。また、第一変形部や第二変形部は、回動軸を有するヒンジ等の構造であってもよい。
[0103]
 本発明における処置部は、上述したクリップユニットには限られない。例えば、図34に示す医療機器1Aのように、処置部90が一対のアームに代えてスネアループ91を有してもよい。
 処置部90において、押さえ管30内部の構造は、クリップユニット10と概ね同様である。係止部23とスネアループ91との間には、円盤状の圧縮部材92が取り付けられている。操作ワイヤ52を後退させると、スネアループ91が押さえ管30内に引き込まれて縮小しつつ、圧縮部材92によってコイルバネ31が圧縮されるため、スネアループ91による緊縛のやり直しができる。係止部23を押さえ管30外に移動させると、スネアループ91が小さくなった状態でロックされる。リンク80の連結を解除すると処置部90をアプリケータ50から切り離せる。
 この変形例において、スネアループ91のループ形状には特に制限はない。

産業上の利用可能性

[0104]
 本発明は、処置部を切り離して使用する医療機器に適用することができる。

符号の説明

[0105]
1 結紮装置(医療機器)
10、110、210 クリップユニット(処置部)
20、120 アーム部
20a 基端部(ベース)
21、121 第一アーム
22、122 第二アーム
40、40B、40C カートリッジ
50 アプリケータ
52 操作ワイヤ(動力伝達部材)
70、170、270 フック
73、74 係合アーム
80 リンク
90 処置部
124a、125a 第二変形部
153 ベース
153a ベース面
271、271A 第一変形部
272 第二変形部
752、772 第一変形部
753、753A、753B、773 係合面(フック面)
754 ベース面
762、782 第二変形部
1752、1772 第一変形部
1753、1773 係合面(フック面)
B、B1、B2、B3、B4 基線
P、P1、P2 接触部位
X1 中心軸線(フックの中心軸線)
X2 係合アームの先端を通りX1に平行な軸線

請求の範囲

[請求項1]
 処置部と、
 前記処置部を操作するための細長の動力伝達部材と、
 前記動力伝達部材と前記処置部とを切り離し可能に連結するリンクと、
 を備え、
 前記リンクは、
  前記動力伝達部材から受ける力で変形する第一変形部および第二変形部を有するフックと、
  前記フックと係合可能なベースと、を有し、
 前記動力伝達部材と前記処置部とが連結した連結状態において、前記第一変形部は、基線から離れた位置にあり、
 前記基線は、前記連結状態における前記フックと前記ベースとの接触部分と、前記第二変形部とを通る線である、
 医療機器。
[請求項2]
 前記連結状態において、前記第一変形部と前記接触部分との距離は、前記第二変形部と前記接触部分との距離よりも短い、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項3]
 前記フックは、前記動力伝達部材の操作により前記基線に沿って移動するように構成されている、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項4]
 前記フックは、フック面を有し、
 前記ベースは、ベース面を有し、
 前記連結状態において、前記ベース面は、前記フック面と前記第二変形部との間に位置して前記フック面と接触している、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項5]
 前記フックの中心軸線と前記接触部分との距離は、前記中心軸線と前記第二変形部との距離よりも長い、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項6]
 前記フックの中心軸線と前記接触部分との距離は、前記中心軸線と前記第二変形部との距離よりも短い、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項7]
 前記第一変形部の曲げ剛性は、前記第二変形部の曲げ剛性よりも高い、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項8]
 前記フックは、前記第一変形部、前記第二変形部、および前記フック面を有する係合アームを二つ有し、前記係合アームが前記フックの中心軸に対して対称に配置されている、
 請求項4に記載の医療機器。
[請求項9]
 前記動力伝達部材がワイヤである、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項10]
 前記処置部が前記ベースを有し、
 前記動力伝達部材が前記フックを有する、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項11]
 前記処置部が前記フックを有し、
 前記動力伝達部材が前記ベースを有する、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項12]
 前記第一変形部および前記第二変形部が同一の部材で形成されている、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項13]
 前記第一変形部と前記第二変形部とが異なる部材で形成されている、
 請求項1に記載の医療機器。
[請求項14]
 ベースを有する処置部が装着されるアプリケータであって、
 前記処置部を操作するための細長の動力伝達部材と、
 前記動力伝達部材と接続され、前記ベースと係合可能なフックと、
 を備え、
 前記フックは、前記動力伝達部材から受ける力で変形する第一変形部および第二変形部を有し、
 前記フックと前記ベースとが連結した連結状態において、前記第一変形部は、基線から離れた位置にあり、
 前記基線は、前記フックと前記ベースとの接触部分と前記第二変形部とを通る線である、
 アプリケータ。
[請求項15]
 先端部にベースが設けられた動力伝達部材を備えるアプリケータに装着されるクリップユニットであって、
 第一アームと、
 第二アームと、
 前記ベースに係合可能なフックと、
 を備え、
 前記フックは、前記動力伝達部材から伝達される力で変形する第一変形部および第二変形部を有し、
 前記フックと前記ベースとが連結した連結状態において、前記第一変形部は、基線から離れた位置にあり、
 前記基線は、前記フックと前記ベースとの接触部分と前記第二変形部とを通る線である、
 クリップユニット。
[請求項16]
 前記係合アームの先端部は、先端に向かうほど縮小する形状に形成されている、
 請求項8に記載の医療機器。
[請求項17]
 前記係合アームの前記先端部は、第一係合面と第二係合面とを有し、
 前記第一係合面と前記第二係合面とは、前記係合アームの前記先端を通り前記中心軸と平行である軸線を挟んで両側に配置されており、
 請求項16に記載の医療機器。
[請求項18]
 前記第一係合面は、前記軸線に対して前記中心軸側に配置され、
 前記第一係合面の法線は、前記中心軸に近づく方向を向いている、
 請求項17に記載の医療機器。
[請求項19]
 前記第二係合面は、前記軸線に対して前記中心軸の反対側に配置され、
 前記第二係合面の法線は、前記中心軸に遠ざかる方向を向いている、
 請求項17に記載の医療機器。
[請求項20]
 前記フックを挿入可能な開口を有する筒状の押さえ管をさらに有し、
 前記押さえ管の前記開口は、前記開口の外側に向かって内径が大きくなるテーパー状に形成されている、
 請求項1に記載の医療機器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30]

[ 図 31]

[ 図 32]

[ 図 33]

[ 図 34]