処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2020121915 - 光ファイバおよび光ファイバの製造方法

Document

明 細 書

発明の名称 光ファイバおよび光ファイバの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

産業上の利用可能性

0054  

符号の説明

0055  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 光ファイバおよび光ファイバの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、光ファイバおよび光ファイバの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、たとえばITU-T(国際電気通信連合)G.657.A2などで定義される、低曲げ損失特性を有するシングルモード光ファイバを実現するために、トレンチ構造を備える3層構造の光ファイバが開示されている(特許文献1~6)。3層構造の光ファイバは、たとえば、中心コア部と、中心コア部の外周に形成された中間層と、中間層の外周に形成されたトレンチ層と、トレンチ層の外周に形成されたクラッド部と、を備えている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第4833071号公報
特許文献2 : 特開2008-139887号公報
特許文献3 : 特開2010-181641号公報
特許文献4 : 特開2012-212115号公報
特許文献5 : 特開2013-242545号公報
特許文献6 : 特開2013-235261号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 3層構造の光ファイバの光学特性は、中心コア部の比屈折率差Δ1、中間層の比屈折率差Δ2、トレンチ層の比屈折率差Δ3、中心コア部のコア径2a、トレンチ層の内径(すなわち中間層の外径)2b、外径2cなどの構造パラメータの設定によって設計される。なお、通常、Δ3は負値であり、Δ2はΔ1よりも小さい値である。特許文献1~6においても、これらの構造パラメータの値について様々な組み合わせが開示されている。
[0005]
 しかしながら、開示されている光ファイバにおいても、製造性の観点から改善の余地がある。たとえば、Δ1が高い設計であると、製造の際に屈折率を高めるドーパントの使用量が多くなる。同様に、Δ3の絶対値が高い設計であると、製造の際に屈折率を低めるドーパントの使用量が多くなる。一方、特にΔ1については、低すぎる設計であると、ドーパントの使用量の緻密な制御が必要となり、また外乱の影響を受けやすくなるので、製造誤差が大きくなるおそれがある。
[0006]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、低曲げ損失特性を有し、かつ製造性が高い光ファイバおよび光ファイバの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る光ファイバは、中心コア部と、前記中心コア部の外周に形成された中間層と、前記中間層の外周に形成されたトレンチ層と、前記トレンチ層の外周に形成されたクラッド部と、を備え、前記クラッド部に対する、前記中心コア部の比屈折率差をΔ1、前記中間層の比屈折率差をΔ2、前記トレンチ層の比屈折率差をΔ3とすると、Δ1>Δ2>Δ3かつ0>Δ3が成り立ち、Δ1が0.34%以上0.40%未満であり、|Δ3|が0.25%以下であり、Δ1×|Δ3|が0.08% 2未満であることを特徴とする。
[0008]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、|Δ3|が0.10%以上0.25%未満であることを特徴とする。
[0009]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、|Δ3|が0.10%以上0.20%以下であることを特徴とする。
[0010]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、|Δ3|が0.10%以上0.18%以下であることを特徴とする。
[0011]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、前記中心コア部のコア径を2a、前記トレンチ層の内径を2bとしたときに、b/aが2.5以下であることを特徴とする。
[0012]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、前記中心コア部のコア径を2a、前記トレンチ層の内径を2b、外径を2cとしたときに、b/aが1.8以上であり、c/aが3.4以上5.0以下であることを特徴とする。
[0013]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、前記中心コア部のコア径を2a、前記トレンチ層の内径を2b、外径を2cとしたときに、b/aが1.8以上であり、c/aが3.4以上4.6以下であることを特徴とする。
[0014]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、Δ2が-0.05%以上0.05%以下であることを特徴とする。
[0015]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、前記中心コア部のコア径は、実効カットオフ波長が1260nm以下になるように設定されていることを特徴とする。
[0016]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、前記トレンチ層の内径を2b、外径を2cとしたときに、前記トレンチ層の幅(c-b)が7μmよりも大きいことを特徴とする。
[0017]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、前記トレンチ層の内径を2b、外径を2cとしたときに、前記トレンチ層の幅(c-b)が8μmよりも大きいことを特徴とする。
[0018]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.6μm以上9.5μm以下であることを特徴とする。
[0019]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失が1.59dB/m以下であることを特徴とする。
[0020]
 本発明の一態様に係る光ファイバは、零分散波長が1300nm以上1324nm以下あり、前記零分散波長での分散スロープが0.092ps/nm 2/km以下であることを特徴とする。
[0021]
 本発明の一態様に係る光ファイバの製造方法は、前記光ファイバの製造方法であって、光ファイバ母材を製造する工程と、前記光ファイバ母材を加熱溶融して線引きして前記光ファイバを製造する工程と、を含み、前記光ファイバ母材を製造する工程において、気相軸付法を用いて、少なくとも前記中心コア部、前記中間層、前記トレンチ層、および前記クラッド部の一部となる部分を形成することを特徴とする。

発明の効果

[0022]
 本発明によれは、低曲げ損失特性を有し、かつ製造性が高い光ファイバを実現できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1] 図1は、実施形態1に係る光ファイバの模式的な断面図である。
[図2] 図2は、図1に示す光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。
[図3] 図3は、b/aと規格化マクロベンド損失との関係の一例を示す図である。
[図4] 図4は、トレンチ幅(c-b)とマクロベンド損失との関係を示す図である。

発明を実施するための形態

[0024]
 以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する構成要素には適宜同一の符号を付し、適宜説明を省略している。また、本明細書においては、カットオフ(Cutoff)波長とは、実効カットオフ波長であり、ITU-T(国際電気通信連合)G.650.1で定義するケーブルカットオフ波長を意味する。また、その他、本明細書で特に定義しない用語についてはG.650.1およびG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
[0025]
(実施形態1)
 図1は、実施形態1に係る光ファイバの模式的な断面図である。光ファイバ10は、石英系ガラスからなり、中心コア部11と、中心コア部11の外周に形成された中間層12と、中間層12の外周に形成されたトレンチ層13と、トレンチ層13の外周に形成されたクラッド部14と、を備える。
[0026]
 図2は、光ファイバ10の屈折率プロファイルを示す図である。プロファイルP11は中心コア部11の屈折率プロファイルであり、いわゆるステップインデックス型を有する。プロファイルP12は中間層12の屈折率プロファイルである。プロファイルP13はトレンチ層13の屈折率プロファイルである。プロファイルP14はクラッド部14の屈折率プロファイルである。
[0027]
 光ファイバ10の構造パラメータについて説明する。まず、中心コア部11のコア径は2aである。また、中間層12の外径すなわちトレンチ層13の内径は2bであり、トレンチ層13の外径は2cである。したがって、トレンチ層13の幅(トレンチ幅)は(c-b)である。また、クラッド部14の屈折率に対する中心コア部11の最大屈折率の比屈折率差はΔ1である。クラッド部14の屈折率に対する中間層12の屈折率の比屈折率差はΔ2である。クラッド部14の屈折率に対するトレンチ層13の屈折率の比屈折率差はΔ3である。Δ1、Δ2、Δ3については、Δ1>Δ2>Δ3かつ0>Δ3が成り立つ。すなわち、Δ3は負値であり、これによりトレンチ層13は光ファイバ10の低曲げ損失特性を向上させる。
[0028]
 光ファイバ10の構成材料を例示すると、中心コア部11は、ゲルマニウム(Ge)などの屈折率を高める屈折率調整用のドーパントを添加した石英ガラスからなる。トレンチ層13は、フッ素(F)などの屈折率を低めるドーパントが添加された石英ガラスからなる。クラッド部14は、GeやFなどの屈折率調整用のドーパントを含まない純石英ガラスからなる。中間層12は、純石英ガラスからなってもよいし、屈折率調整用のドーパントがある程度添加されていてもよい。ただし、構成材料やドーパントは、上述したΔ1、Δ2、Δ3に関する不等式が成立すれば、特に限定はされない。
[0029]
 この光ファイバ10では、Δ1、Δ3について、Δ1が0.34%以上0.40%未満であり、Δ3の絶対値である|Δ3|が0.25%以下であり、Δ1×|Δ3|が0.08% 2未満である。このように、Δ1が0.34%以上0.40%未満であることによって、製造の際に屈折率を高めるドーパントの使用量を抑制でき、かつドーパントの使用量の制御が容易であり、外乱に対しても比較的強くなるので製造誤差を抑制できる。また、|Δ3|が0.25%以下であることによって、屈折率を低めるドーパントの使用量を抑制できる。さらには、Δ1×|Δ3|が0.08% 2未満であることによって、ドーパントの使用量の抑制の効果と制御の容易性の効果と製造誤差の抑制の効果とを効果的に高めることができるので、光ファイバ10は製造性が高いものとなる。
[0030]
 |Δ3|については、0.25%未満、さらに0.20%以下、好適には0.18%以下であれば、ドーパントの使用量を一層抑制できる。また、0.10%以上であれば、ドーパントの使用量の制御が容易であり、製造誤差を抑制できる。その結果、光ファイバ10は一層製造性が高いものとなる。なお、|Δ3|が0.10%以上の場合、Δ1×|Δ3|は0.034% 2以上である。したがって、Δ1×|Δ3|は0.034% 2以上であることがより好ましい。
[0031]
 その他の構造パラメータに関して、好ましい範囲を例示すると、Δ2は、たとえば-0.05%以上0.05%以下である。また、b/aは、たとえば1.8以上であり、c/aはたとえば3.4以上5.0以下、好適には3.4以上4.6以下である。トレンチ層13の幅(c-b)は、たとえば7μm以上であり、好ましくは8μm以上である。また、2aは、光ファイバ10の実効カットオフ波長が1260nm以下になるように設定されている。
[0032]
 これらの構造パラメータの値を適宜組み合わせることによって、光ファイバ10の波長1310nmにおけるモードフィールド径(MFD)を8.6μm以上9.5μm以下とできる。また、光ファイバ10を直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失(以下、直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失を、単にマクロベンド損失と記載する場合がある)を1.59dB/m以下とできる。さらには、光ファイバ10の零分散波長を1300nm以上1324nm以下、かつ零分散波長での分散スロープを0.092ps/nm 2/km以下とできる。その結果、光ファイバ10を、たとえばITU-T G.652に規定される規格(以下、G.652規格と記載する場合がある)を満たすものとできる。さらに、MFDを9.2μm以下とすれば、光ファイバ10を、G.657A規格、特にG.657A2規格を満たすものとできる。なお、マクロベンド損失の1.59dB/mという値は、G.657A2規格における0.1dB/turnの値を、単位を変換して表したものである。また、構造パラメータの値を適宜組み合わせて、たとえば光ファイバ10の2aを、実効カットオフ波長が1530nm以下になるようにし、G.654規格を満たすものにしてもよい。
[0033]
 また、光ファイバ10において、b/aが2.5以下であれば、b/aの変動に対するマクロベンド損失の変動を抑制することができるので、製造性がより一層高くなる。
[0034]
 以下、シミュレーション計算結果を用いて具体的に説明する。図3は、光ファイバ10における、b/aと規格化マクロベンド損失との関係の一例を示す図である。図3では、光ファイバ10において、Δ1を0.37%に設定し、トレンチ幅(c-b)をコア径の1/2、すなわちaと等しい値に設定し、2aを実効カットオフ波長が約1250nmになるように調整し、Δ2を0%に設定している。また、b/aは1.6から4.0まで変化させた。また、規格化マクロベンド損失とは、マクロベンド損失の値をb/aが1.6の場合の値で規格化したものである。
[0035]
 図3に示すように、b/aが2.5以下では、b/aの変動に対する規格化マクロベンド損失の変動は極めて小さく安定しているが、2.5より大きいと変動が大きくなる。したがって、b/aが2.5以下であれば、たとえば製造誤差に起因するb/aの変動に対するマクロベンド損失の変動を抑制することができるので、製造性がより一層高くなる。特に、トレンチ幅(c-b)が8μmよりも小さい場合には、b/aの変動に対するマクロベンド損失の変動が大きくなりやすいので、b/aを2.5以下とすることがより好ましい。
[0036]
 つづいて、幾つかの構造パラメータを変化させたときの光ファイバ10の光学特性の変化について、シミュレーション計算結果を用いて具体的に説明する。まず、表1Aに示す計算例No.1に示す構造パラメータΔ1(0.37%)、Δ3(-0.20%)、b/a(3)、c/a(4)、2a(8.4μm)を基準として、b/aを計算例No.2~7のように2.8から1.8まで変化させ、その光学特性の変化を計算した。計算例No.1では、a:b:cは1:3:4である。なお、Δ2は0%に設定し、2aは実効カットオフ波長が約1250nmになるように8.4μmから8.2μmまで調整した。
[0037]
 表1Bは、計算例No.1~7についての光学特性のうち、零分散波長、分散スロープ、MFD、Cutoff波長、マクロベンド損失の値を示す。なお、表1Bでは、規格として、G.657A2規格の規格値も合わせて示してある。表1A、1Bから解るように、計算例No.1ではマクロベンド損失は1.59dB/mより大きいが、そこからb/aを小さくしていくと、マクロベンド損失を小さくでき、さらにMFD、零分散波長を小さく、分散スロープを大きくできる。このようにして、b/aの値の調整によって、マクロベンド損失などの光学特性を調整できる。本発明者らが基準の構造パラメータを計算例No.1の値から様々に変化させ、さらにそれを基準としてb/aを変化させてシミュレーション計算を行ったところ、G.657A2規格を満たすようにするためには、b/aは1.8以上が好適であることが確認された。
[0038]
[表1A]


[0039]
[表1B]


[0040]
 つぎに、表2Aに示す計算例No.1に示す構造パラメータを基準として、c/aを計算例No.8~13のように4.2から5.2まで変化させ、その光学特性の変化を計算した。表1Aの場合と同様に、Δ2は0%に設定し、2aは実効カットオフ波長が約1250nmになるように8.4μmから7.7μmまで調整した。
[0041]
 表2Bは、計算例No.1、8~13についての光学特性のうち、零分散波長、分散スロープ、MFD、Cutoff波長、マクロベンド損失の値を示す。表2A、2Bから解るように、計算例No.1ではマクロベンド損失は1.59dB/mより大きいが、そこからc/aを大きくしていくと、マクロベンド損失を小さくでき、さらにMFD、分散スロープを小さく、零分散波長を大きくできる。このようにして、c/aの値の調整によって、マクロベンド損失などの光学特性を調整できる。本発明者らが基準の構造パラメータを計算例No.1の値から様々に変化させ、さらにそれを基準としてc/aを変化させてシミュレーション計算を行ったところ、G.657A2規格を満たすようにするためには、c/aは3.4以上5.0以下、さらには3.4以上4.6以下が好適であることが確認された。
[0042]
[表2A]


[0043]
[表2B]


[0044]
 なお、|Δ3|を0.25%以下としながらマクロベンド損失を低減するためには、トレンチ幅(c-b)は大きい方が好ましい。たとえば、図4は、シミュレーション計算に基づく、トレンチ幅(c-b)とマクロベンド損失との関係を示す図である。菱形はデータ点を示し、実線はデータ点を指数関数で近似した曲線を示す。データ点は、構造パラメータΔ1、Δ2、Δ3、a、b、cを、|Δ3|が0.25%以下となるように様々に設定して計算した結果を示す。構造パラメータによるばらつきはあるものの、たとえばG.657A2規格のマクロベンド損失である1.59dB/m以下を安定的に満たそうとする場合には、トレンチ幅(c-b)は7μm以上が好ましい。また、製造ばらつきの影響を考慮すると、トレンチ幅(c-b)は8μm以上がより好ましい。ただし、図4が示すように、トレンチ幅(c-b)は7μmより小さくても、構造パラメメータの組み合わせの選択によってマクロベンド損失を1.59dB/m以下とできることは明らかである。
[0045]
 つぎに、表3Aに示す計算例No.1に示す構造パラメータを基準として、Δ2を計算例No.14~17のように-0.10%から0.10%まで変化させ、その光学特性の変化を計算した。表1Aの場合と同様に、2aは実効カットオフ波長が約1250nmになるように8.4μmから6.5μmまで調整した。
[0046]
 表3Bは、計算例No.1、14~17についての光学特性のうち、零分散波長、分散スロープ、MFD、Cutoff波長、マクロベンド損失の値を示す。表3A、3Bから解るように、計算例No.1ではマクロベンド損失は1.59dB/mより大きいが、そこからΔ2を小さくしていくと、マクロベンド損失を小さくでき、さらにMFD、零分散波長を小さく、分散スロープを大きくできる。一方、Δ2を大きくしていくと、マクロベンド損失が大きくなるが、MFD、零分散波長を大きくできる。このようにして、Δ2の値の調整によって、マクロベンド損失などの光学特性を調整できる。本発明者らが基準の構造パラメータを計算例No.1の値から様々に変化させ、さらにそれを基準としてΔ2を変化させてシミュレーション計算を行ったところ、G.657A2規格を満たすようにするためには、Δ2は-0.5%以上0.5%以下が好適であることが確認された。
[0047]
[表3A]


[0048]
[表3B]


[0049]
 さらに、表4Aには、計算例No.18~57として、Δ1が0.34%以上0.40%未満であり、Δ2が-0.05%以上0.05%以下であり、|Δ3|が0.25%以下であり、Δ1×|Δ3|が0.08% 2未満であり、b/aが1.8以上であり、c/aが3.4以上5.0以下であり、実効カットオフ波長が1260nm以下になるように2aを設定した例を示す。表4Bは、計算例No.18~57についての光学特性のうち、零分散波長、分散スロープ、MFD、Cutoff波長、マクロベンド損失の値を示す。表4Aに示した構造パラメータの範囲において、各光学特性はG.657A2規格を満たすことが確認された。
[0050]
[表4A]


[0051]
[表4B]


[0052]
 なお、本実施形態に係る光ファイバ10は、光ファイバ母材を製造する工程と、光ファイバ母材を加熱溶融して線引きして光ファイバを製造する工程とを含む公知の製造方法にて製造できる。このとき、光ファイバ母材は、光ファイバ10の中心コア部11、中間層12、トレンチ層13、およびクラッド部14となる部分を含むものである。光ファイバ母材は、気相軸付(VAD)法、内付気相堆積(MCVD)法、プラズマ気相堆積(PCVD)法、ゾルゲル法などを用いて製造できる。たとえば、VADを用いて、光ファイバ10の中心コア部11、中間層12、トレンチ層13、およびクラッド部14の一部となる部分を形成し、これにクラッド部14の残りの部分となるガラス層をたとえば外側気相堆積(OVD)法を用いて形成することで、光ファイバ母材を製造できる。
[0053]
 なお、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。

産業上の利用可能性

[0054]
 本発明に係る光ファイバは、データコムやテレコムなどの光通信の分野に好適に利用できる。

符号の説明

[0055]
10 光ファイバ
11 中心コア部
12 中間層
13 トレンチ層
14 クラッド部
P11、P12、P13、P14 プロファイル

請求の範囲

[請求項1]
 中心コア部と、
 前記中心コア部の外周に形成された中間層と、
 前記中間層の外周に形成されたトレンチ層と、
 前記トレンチ層の外周に形成されたクラッド部と、
 を備え、前記クラッド部に対する、前記中心コア部の比屈折率差をΔ1、前記中間層の比屈折率差をΔ2、前記トレンチ層の比屈折率差をΔ3とすると、Δ1>Δ2>Δ3かつ0>Δ3が成り立ち、Δ1が0.34%以上0.40%未満であり、|Δ3|が0.25%以下であり、Δ1×|Δ3|が0.08% 2未満である
 ことを特徴とする光ファイバ。
[請求項2]
 |Δ3|が0.10%以上0.25%未満である
 ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
[請求項3]
 |Δ3|が0.10%以上0.20%以下である
 ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
[請求項4]
 |Δ3|が0.10%以上0.18%以下である
 ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
[請求項5]
 前記中心コア部のコア径を2a、前記トレンチ層の内径を2bとしたときに、b/aが2.5以下である
 ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項6]
 前記中心コア部のコア径を2a、前記トレンチ層の内径を2b、外径を2cとしたときに、b/aが1.8以上であり、c/aが3.4以上5.0以下である
 ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項7]
 前記中心コア部のコア径を2a、前記トレンチ層の内径を2b、外径を2cとしたときに、b/aが1.8以上であり、c/aが3.4以上4.6以下である
 ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項8]
 Δ2が-0.05%以上0.05%以下である
 ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
[請求項9]
 前記中心コア部のコア径は、実効カットオフ波長が1260nm以下になるように設定されている
 ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項10]
 前記トレンチ層の内径を2b、外径を2cとしたときに、前記トレンチ層の幅(c-b)が7μmよりも大きい
 ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項11]
 前記トレンチ層の内径を2b、外径を2cとしたときに、前記トレンチ層の幅(c-b)が8μmよりも大きい
 ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項12]
 波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.6μm以上9.5μm以下である
 ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項13]
 直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失が1.59dB/m以下である
 ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項14]
 零分散波長が1300nm以上1324nm以下であり、前記零分散波長での分散スロープが0.092ps/nm 2/km以下である
 ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一つに記載の光ファイバ。
[請求項15]
 請求項1~14のいずれか一つに記載の光ファイバの製造方法であって、
 光ファイバ母材を製造する工程と、
 前記光ファイバ母材を加熱溶融して線引きして前記光ファイバを製造する工程と、
 を含み、前記光ファイバ母材を製造する工程において、気相軸付法を用いて、少なくとも前記中心コア部、前記中間層、前記トレンチ層、および前記クラッド部の一部となる部分を形成する
 ことを特徴とする光ファイバの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]