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1. WO2020121836 - 超音波ユーザーインターフェース装置

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明 細 書

発明の名称 超音波ユーザーインターフェース装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220  

符号の説明

0221  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 超音波ユーザーインターフェース装置

技術分野

[0001]
 本技術は、超音波を用いたユーザーの動き情報を取得する超音波ユーザーインターフェース装置に関する。

背景技術

[0002]
 ユーザーの手指の形状や動きを検出する技術として、例えば、特許文献1には、光の反射を利用した手指の形状の検出が可能なセンサアレイを備える手に装着可能なコントローラが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2016/038953号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 上述のような手の動きを検知するシステムでは、精度よく手の動きを検知することが求められる。
[0005]
 以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、精度よく身体の部位の動き情報を取得することが可能な超音波ユーザーインターフェース装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置は、送信部と、受信部と、を具備する。
 上記送信部は、ユーザーの腕部又は脚部の内部組織にむけて超音波を送信する。
 上記受信部は、上記超音波が発信される上記腕部又は上記脚部の周方向に沿って上記腕部又は上記脚部を囲むように複数配置され、上記ユーザーの四肢の少なくとも一部の動き情報を取得するために、上記超音波が上記内部組織を透過した超音波及び反射した超音波のうち少なくとも一方を受信する。
[0007]
 この構成によれば、送信部から発信された超音波が腕部又は脚部の内部組織を透過した超音波や内部組織で反射した超音波を、腕部又は脚部の周方向に沿って配置された複数の受信部によって受信することができる。これにより、詳細な腕部又は脚部の内部組織情報を得ることができ、四肢の動き情報をより正確に取得することができる。
[0008]
 上記送信部は、上記腕部又は上記脚部の周方向に沿って複数配置されてもよい。
[0009]
 上記受信部は少なくとも5つあってもよい。
[0010]
 複数の上記受信部は、複数の上記送信部それぞれが順に発信し上記内部組織を反射及び透過した超音波のうち少なくとも一方を受信してもよい。
[0011]
 複数の上記受信部で受信される認識用の受信結果を用いて、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する制御部を更に具備してもよい。
[0012]
 上記制御部は、複数の上記送信部それぞれによる上記超音波の発信毎に取得される複数の上記受信部それぞれで受信される認識用の受信結果を用いて、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得してもよい。
[0013]
 上記制御部は、予め取得された、上記受信部で受信した比較用の受信結果に係る情報と上記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた参照用データを参照して、上記認識用の受信結果から、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得してもよい。
[0014]
 上記制御部は、上記受信部で受信した上記内部にある骨で反射した超音波に関する認識用の受信結果を用いて、上記腕部又は上記脚部に対する上記送信部及び上記受信部の位置ずれを補正して、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得してもよい。
[0015]
 上記制御部は、予め取得された、上記受信部で受信した比較用の超音波の波形データと上記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた上記参照用データを参照して、上記受信部で受信した認識用の超音波の波形データから、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得
してもよい。
[0016]
 上記制御部は、予め取得された、上記比較用の受信結果に基づく超音波画像と上記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた上記参照用データを参照して、上記認識用の受信結果に基づく超音波画像から、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得してもよい。
[0017]
 上記送信部及び上記受信部の少なくとも一方を有する超音波振動子と、上記腕部又は上記脚部との間に配置される、音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の変形部材と、上記変形部材を収容する音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の容器とを備える音響整合部品を更に具備してもよい。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本技術の一実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置を装着したユーザーの手及び上腕部の一部を示す図である。
[図2] 図1のII-II線で切断した模式断面図である。
[図3] 上記超音波ユーザーインターフェース装置の概略構成を示すブロック図である。
[図4] 本技術の第1の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置を装着したユーザーの手首の模式断面図である。
[図5] 第1の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置に設けられる超音波振動子の概略斜視図である。
[図6] 第1の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置により取得したセンシングデータを画像化したものである。
[図7] 第2の実施形態に係り、超音波ユーザーインターフェース装置に設けられる受信部の好ましい数を説明するための図であり、手首の模式断面図である。
[図8] 第3の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置の超音波振動子の位置の校正処理を説明するための図である。
[図9] 第4の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置に備えられる音響整合部品付き超音波振動子の概略斜視図である。
[図10] 第5の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置を装着したユーザーの手首の模式断面図である。
[図11] 第5の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置の一部を構成するアレイ型超音波振動子の斜視図である。
[図12] 第5の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置の一部を構成する他のアレイ型超音波振動子の斜視図である。

発明を実施するための形態

[0019]
[超音波ユーザーインターフェース装置の概略構成]
 本技術に係る超音波ユーザーインターフェース装置について説明する。
 超音波ユーザーインターフェース装置は、ユーザーの腕部又は脚部に装着可能に構成される。腕部は肩から手首までの部分を指し、脚部は脚の付け根から足首までを指す。
[0020]
 超音波ユーザーインターフェース装置は超音波振動子を有する。
 超音波振動子により、超音波ユーザーインターフェース装置が装着される体の部位の内部組織のセンシングデータが取得される。
 この取得されたセンシングデータに基づいて、腕や脚の筋肉や腱の動きが解析されて、身体の部位の動き、より具体的にはユーザーの四肢の少なくとも一部の動きが認識され、四肢の少なくとも一部の動き情報が取得される。
[0021]
 四肢は人体の左右の上肢及び下肢を指す。上肢は、肩関節から手の指先までを指す。下肢は、股関節から足の指先までを指す。
 四肢の一部とは、四肢を構成する手の指、手首(手関節)、前腕部、上腕部、肘関節、肩関節、足の指、足首(足関節)、下腿部、大腿部、膝関節、股関節等から選ばれる1つ、又は、2つ以上の組み合わせである。
[0022]
 例えば、超音波ユーザーインターフェース装置が上腕部に装着されて取得された上腕部の内部組織のセンシングデータを用いて上腕部内部の筋肉や腱の動きが解析されることにより、肘関節の伸展や前腕の屈曲や回外といった、上肢の動きが認識される。
[0023]
 また、超音波ユーザーインターフェース装置が下腿部に装着されて取得された下腿部の内部組織のセンシングデータを用いて下腿部内部の筋肉や腱の動きが解析されることにより、足関節の底屈、背屈、外反や内反、膝関節の屈曲、足の指の伸展や屈曲といった下肢の動きが認識される。
[0024]
 また、超音波ユーザーインターフェース装置が大腿部に装着されて取得された大腿部の内部組織のセンシングデータを用いて大腿部の筋肉や腱の動きが解析されることにより、膝関節の屈曲や伸展、股関節の屈曲、伸展、内転や外転といった下肢の動きを認識される。
 また、大腿部内部の筋肉や腱の動きが下腿部内部の筋肉や腱の動きと併せて解析されることにより、歩く、走る、ジャンプといった動作も認識される。
[0025]
 また、超音波ユーザーインターフェース装置が前腕部、例えば手首に装着されて取得された手首の内部組織のセンシングデータを用いて手首内部の筋肉や腱の動きが解析されることにより、指の伸展、屈曲、内転や外転、手首(手関節)の屈曲、伸展、橈屈、尺屈といった上肢の動きが認識される。
[0026]
 認識され取得された四肢の動き情報等を用いて、例えばVR(Virtual Reality)画像等のゲーム画像内に表示される人間に模したアバターなどにユーザー1の動きを再現させることができる。
[0027]
 以下では、超音波ユーザーインターフェース装置はユーザーの前腕部、より具体的には手首に装着される例をあげて説明するが、上腕部や脚部に装着可能に構成されてもよい。また、脚部と腕部の両方にそれぞれ超音波ユーザーインターフェース装置を装着させ、上肢、下肢両方の動き情報を取得するようにしてもよい。
[0028]
 図1は本技術の実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置を手首に装着したユーザーの右手及び右前腕部の一部を示す図である。
 図2は、図1のII-II線で切断した模式断面図である。図2は、図面上、掌が上側、手の甲が下側、小指が左側、母指が右側に位置した手首の断面図に相当する。
[0029]
 図1に示すように、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)は、ユーザー1の前腕部3の例えば手首に装着可能に構成される。
[0030]
 図2に示すように、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)は、手首の全周囲を囲う形状を有している。超音波ユーザーインターフェース装置20(120)は、例えばリストバンド型、腕時計型等である。
[0031]
 リストバンド型は、例えば伸縮可能な帯状部材が輪状に形成されてなる。ユーザー1は、装着具としての帯状部材を伸張させて輪を大きくし、輪の中に手首を挿入し、伸張を解除することにより超音波ユーザーインターフェース装置を手首に装着することができる。
[0032]
 装着時、超音波ユーザーインターフェース装置は手首に固定され、超音波ユーザーインターフェース装置に設けられる後述する超音波振動子が手首の皮膚40に接触する。
 伸縮可能な帯状部材を用いることにより、手首の皮膚表面の形状に沿って帯状部材を変形させることができる。
 リストバンド型の場合、手首への都度の着脱で超音波振動子が剥がれたり、位置ずれが生じたりしないように帯状部材に固定されることが望ましい。
[0033]
 腕時計型は、装着具としての帯状部材に固定具が設けられた構成を有し、固定具を用いてユーザー1の手首に装着することが可能となっている。帯状部材には、手首の肌表面の形状に沿いやすい可撓性の材質のものを用いることができる。
[0034]
 固定具としては、例えばフック状に起毛されたフック面とループ状に密集して起毛されたループ面とからなる面ファスナーを用いることができる。
 他の例としては、一般的な腕時計に用いられる、帯状部材に設けられる複数の小穴に挿入可能なつく棒を固定具として用いることができる。
[0035]
 面ファスナーを用いる形態では、例えば帯状部材の一端部にフック面が設けられ、他端部にループ面が設けられ、フック面とループ面とを貼り合わせることによって帯状部材をユーザー1の手首が挿入される輪状とすることができる。フック面とループ面との貼り合わせの位置を変えることにより輪の大きさを調整することができる。
[0036]
 また、つく棒を用いる形態では、帯状部材の一端部に帯状部材の長手方向に沿って複数の小穴が設けられ、他端部につく棒が設けられ、つく棒を小穴に挿入することによって帯状部材をユーザー1の手首が挿入される輪状とすることができる。つく棒を挿入する小穴の位置を変えることにより輪の大きさを調整することができる。
[0037]
 いずれの形態においてもユーザー1の手首の太さに応じて輪の大きさを調整可能であり、装着時、部品付き超音波振動子が手首の皮膚40に接触するように、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)を手首に固定することができる。
[0038]
 後述する各実施形態においては、リストバンド型の超音波ユーザーインターフェース装置を例にあげて説明している。
[0039]
 図2に示すように、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)が装着される手首の皮膚40に囲まれた手首の内部には、内部組織として、尺骨41や橈骨42等の骨、複数の腱43、複数の筋肉44等が位置している。
[0040]
 各腱43、各筋肉44の動きは、手がとる様々な形態に伴う、伸展、屈曲、内転や外転する指の種類、数、角度、及び、屈曲、伸展、橈屈、尺屈する手首(手関節)の角度等と密接にかかわっている。
[0041]
 例えば、尺側手根屈筋44aは、主に手関節の掌屈(屈曲)動作に関与する他、尺側手根伸筋腱43aと一緒に働きながら手関節の尺屈動作にも関与する。尺側手根伸筋腱43aは手関節の伸筋動作、尺屈動作、肘関節の伸展動作に関与する。
 また、長母指外転筋43bは、母指を手掌部から離す動きに作用し、更に手関節を撓屈させる動作にも関与する。
 また、長橈側手根伸筋腱43c、短橈側手根伸筋腱43dは、手関節の背屈(屈曲)及び橈屈、肘関節の屈曲動作に関与する。
[0042]
 このように、指の伸展、屈曲、内転や外転、手首(手関節)の屈曲、伸展、橈屈、尺屈等の動きによって、特定の腱43、筋肉44が動く。したがって、腱43、筋肉44の動きにより、手関節の動き(手首の動き)及び手の指の動きを認識することができる。
[0043]
 図3は、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)の概略構成を示すブロック図である。
 図3に示すように、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)は、超音波振動子10(100)と、制御部23と、を有する。
[0044]
 超音波振動子10(100)は、送信部21と、受信部22を有する。
 制御部23は、超音波振動子10(100)の動作を制御する。また、制御部23は、超音波振動子10(100)で受信した認識用の受信結果を用いて手首や手の指の動きを認識する。受信結果は、センシングデバイスである超音波振動子10(100)により取得されるセンシングデータである。
[0045]
 送信部21は、後述する超音波振動子制御部31から出力される制御信号に基づいて、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)が装着されるユーザー1の体の部位の内部にむけて超音波を発信する。
 本実施形態では、送信部21は、センシング対象である手首内部にむけて超音波を発信する。
[0046]
 受信部22は、送信部21から出力された超音波がユーザー1の手首の内部組織で反射した超音波(反射波)及び透過した超音波(透過波)のうち少なくとも一方を受信する。超音波は、腱43や筋肉44を透過し、橈骨42や尺骨41といった骨で反射する。
 超音波振動子10(100)の構造については後述する。
[0047]
 制御部23は、超音波振動子制御部31と、データベース32と、信号処理部33と、指の動き認識部34と、通信部35と、を有する。
[0048]
 超音波振動子制御部31は、超音波振動子10(100)の電極間に印加する電圧の制御信号を送信部21に対して出力する。
[0049]
 データベース32には、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)を装着した装着者がとった様々な手の動き情報と、その動きをしたときの受信部22で受信された比較用の受信結果に係る情報とが互いに紐づけられた参照用習データが格納される。
 参照用データは予め取得される。
[0050]
 比較用の受信結果に係る情報としては、比較用の受信結果そのものである透過波や反射波の電気信号の波形データや、比較用の受信結果に基に構築された超音波画像等がある。ここでは、超音波画像を例にあげて説明する。
[0051]
 超音波画像は、前腕部(ここでは手首)に超音波を流すことで、受信部22で受信された受信結果に基づいて、手首の内部組織構造を画像化したものである。
[0052]
 参照用データは、機械学習を使い、指や手首を動かして様々な手の形態をとったときの手首内部の筋肉や腱といった内部組織の構造の変化を学習することにより取得される。この既に取得されている参照用データを参照することにより、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)により取得された手首内部の超音波画像から、ユーザー1のジェスチャ(手首及び手の指の動き)が認識される。
[0053]
 信号処理部33は、受信部22で受信した認識用の受信結果である超音波の反射波、透過波の電気信号を、超音波画像として処理する。構築された超音波画像は、指の動き認識部34に出力される。
[0054]
 また、信号処理部33は、複数の超音波振動子10(100)で受信した受信結果を用いて、三角測量法により、超音波振動子10(100)の位置を検出してもよい。検出結果は、指の動き認識部34に出力される。
[0055]
 指の動き認識部34は、データベース32を参照し、信号処理部33により構築された超音波画像を解析し、手首及び手の指の動きを認識し動き情報を取得する。
[0056]
 また、指の動き認識部34は、信号処理部33で検出された複数の超音波振動子10(100)の位置の検出結果を用いて、超音波ユーザーインターフェース装置20(120)の装着時の位置ずれを補正してもよい。
 そして、位置ずれを補正した上で、データベース32を参照して超音波画像を解析し、手首及び手の指の動き情報を取得してもよい。
[0057]
 通信部35は、図示しない外部機器と通信可能に構成される。
 通信部35は、指の動き認識部34で認識された手首及び手の指の動き情報を図示しない外部機器に送信する。
[0058]
 外部機器では、取得した手首及び手の指の動き情報を、例えばゲーム画像に表示されるユーザー1のアバターの手首及び手の指の動きに反映させて、ユーザー1の動きを再現する画像が生成される。
 これにより、ユーザー1は、自身の体の動きが再現されたアバターを画像上で見ることができ、例えばVR(Virtual Reality)ゲームでは臨場感、没入感や現実感を楽しむことができる。
[0059]
 尚、ここでは、取得した手首や手指の動き情報をゲーム画像に用いる例をあげたが、これに限定されない。医療や生産現場等のロボットの遠隔操作に手首及び手の指の動き情報を用いてもよい。例えば多指多関節可動ロボットハンドをユーザー1の手首及び手の指の動き情報を用いて駆動してユーザー1の手首及び手の指の動きを再現するといったロボットハンドの遠隔操作に適用することもできる。
[0060]
 また、受信結果を超音波画像として処理する例をあげたが、超音波画像を構築せずに、受信結果そのものである透過波や反射波の電気信号の波形データを用いても良い。
[0061]
 この場合、データベース32には、予め取得された、互いに紐づけられた、様々な手の形態と、その形態をとったときに受信部22が受信した波形データ(比較用の受信結果)との情報からなる参照用データが格納される。
 信号処理部33は、受信部22で受信された認識用の受信結果、具体的には、反射波や透過波の電気信号を受信する。
 指の動き認識部34は、データベース32を参照し、信号処理部33で受信した反射波や透過波の波形データをパターンマッチングにより解析し、手首及び手の指の動きを認識し、動き情報を取得する。
[0062]
 次に、超音波ユーザーインターフェース装置の具体的な構造例について実施形態をあげて説明する。以下の実施形態では、手首に装着するリストバンド型のウエアラブルデバイスの超音波ユーザーインターフェース装置を例にあげる。超音波ユーザーインターフェース装置は手首や手の指の動きを検出する検出装置である。また、各実施形態において、同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
[0063]
[第1の実施形態]
 (超音波ユーザーインターフェース装置の構成)
 図4は、本実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置20を装着したユーザー1の手首の模式断面図である。
[0064]
 図4に示すように、超音波ユーザーインターフェース装置20は、輪状の帯状部材からなる装着具としての装着バンド25と、複数の超音波振動子10a~10tと、制御部23を内蔵するICチップ(図示せず)と、を有する。
[0065]
 装着バンド25は、超音波振動子10a~10tを保持し、ユーザー1の手首に装着可能に構成される。装着バンド25は、ユーザー1の手首の周囲を囲む帯状部材が輪状に形成されて構成される。
[0066]
 超音波振動子10a~10tは、装着バンド25の皮膚40に接触する側に配置される。装着バンド25の装着により、超音波振動子10a~10tはユーザー1の手首に接触し固定される。
 複数の超音波振動子10a~10tは、超音波ユーザーインターフェース装置120が装着されたときに、手首の周方向に沿って間隔をおいて手首を囲むように配置される。
[0067]
 本実施形態においては、20の超音波振動子10a~10tを設ける例をあげるが、超音波振動子10の数はこれに限定されない。また、本実施形態では、超音波振動エレメントを1つ備える単一の超音波振動子を例にあげて説明するが、後述するアレイ型の超音波振動子100や100´であってもよい。
[0068]
 本実施形態では、超音波振動子10a~10tは、それぞれ、ユーザー1の手首内部にむけて超音波を送信する。また、超音波振動子10a~10tは、それぞれ、自身が送信した超音波が手首の内部組織で反射した超音波(反射波)を受信し、更に、他の超音波振動子から発せられ内部組織を透過した超音波(透過波)や内部組織で反射して到達した超音波(反射波)を受信する。
[0069]
 ICチップは、制御部23を内蔵する。ICチップは、装着バンド25のユーザー1の肌が接する面側に配置されてもよいし、反対の面側に配置されてもよい。ICチップは、各超音波振動子10a~10tと電気的に接続する。
[0070]
 (超音波振動子の構造)
 次に、超音波振動子10の構成について説明する。
 図5は超音波振動子10の斜視図である。図5及び後述する図12、図13において、相互に直交する三方向をそれぞれX方向、Y方向及びZ方向とする。
[0071]
 超音波振動子10は単一の超音波振動子である。図6に示すように、超音波振動子10は、基板11、圧電体層12、上部電極層13、下部電極層14、バッキング層15、音響整合層16及び音響レンズ18を備える。
[0072]
 圧電体層12、上部電極層13、音響整合層16、下部電極層14及びバッキング層15は振動子エレメント19を構成している。
[0073]
 基板11は、ガラスエポキシ等からなるリジッドプリント基板やFPC(flexible printed circuits)基板等の配線基板であり、振動子エレメント19を支持し、電気的に接続する。基板11には図示しない基板内蔵抵抗素子、配線及びパッドが設けられている。
[0074]
 圧電体層12は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料からなる。圧電体層12は、下部電極層14と上部電極層13の間に設けられ、下部電極層14と上部電極層13の間に電圧が印加されると、逆圧電効果による振動を生じ、超音波を生成する。また、人体内部からの反射波や透過波が圧電体層12に入射すると、圧電効果による分極を生じる。圧電体層12のサイズは特に限定されないが、例えば250μm角とすることができる。
[0075]
 上部電極層13は圧電体層12上に設けられ、導電性材料からなり、例えばメッキやスパッタなどで成膜された金属である。
[0076]
 下部電極層14はバッキング層15上に設けられ、導電性材料からなり、例えばメッキやスパッタなどで成膜された金属である。
[0077]
 バッキング層15は、基板11上に設けられ、振動子エレメント19の不要な振動を吸収する。バッキング層15は一般にはフィラーと合成樹脂を混合した材料等からなる。バッキング層15中には下部電極層14とパッドを接続する配線が設けられている。
[0078]
 音響整合層16は、人体と振動子エレメント19の間の音響インピーダンスの差を低減し、超音波の送信対象物への反射を防止する。音響整合層16は、合成樹脂やセラミックス材料からなる。
[0079]
 音響レンズ18は、圧電体層12において生成された超音波を集束させる。音響レンズ18は例えばシリコーンゴム等からなり、そのサイズや形状は特に限定されない。
[0080]
 上部電極層13と、下部電極層14と、これら電極層の間に位置する圧電体層12は、ユーザー1の人体内部に対して超音波を発信する送信部21を構成するととともに、超音波が人体内部の内部組織によって反射した超音波(反射波)を受信する受信部22も構成する。このように、本実施形態においては、振動子エレメント19が送信部と受信部の両方を兼ねた構成となっている。
[0081]
 本実施形態では、超音波振動子10として、送信部と受信部の両方を兼ねる振動子エレメントを備える送受信用超音波振動子を例にあげるが、これに限定されない。超音波の送信部を有する送信用振動子エレメントと、反射波や透過波を受信する受信部を有する受信用振動子エレメントとが別々に設けられて、1つの送受信用超音波振動子を構成するようにしてもよい。
[0082]
 (超音波ユーザーインターフェース装置における超音波振動子の動作説明)
 本実施形態では、複数の超音波振動子10a~10tのうち1つの超音波振動子10が送信部21及び受信部22として機能したとき、他の超音波振動子10は受信部22として機能するように超音波振動子は動作する。
[0083]
 すなわち、1つの超音波振動子10が、送信部21として機能して超音波を発信し、更に、受信部222としても機能して手首の内部組織で反射した反射波を受信する。
 他の超音波振動子10は、1つの超音波振動子10が送信した超音波が手首の内部組織を透過した透過波や内部組織で反射した反射波を受信する。
[0084]
 そして、この一連の超音波の送信及び受信の動作が、複数の超音波振動子10a~10t毎で行なわれ、各超音波振動子10で取得した受信結果に基づいて、手首内部の超音波画像が再構築される。
[0085]
 図4を用いて具体的な超音波振動子の動作例について説明する。
 まず超音波振動子10aが送信部21及び受信部22として機能し、他の超音波振動子10b~10tは受信部22として機能するように、制御部23から出力された制御信号に基づいて各超音波振動子10a~10tは制御される。
[0086]
 送信部21として機能する超音波振動子10aから超音波75が発信され、手首内部がスキャンされる。超音波は腱43及び筋肉44を透過し、骨41及び42で反射する。骨41及び42で反射した超音波(反射波)や腱43及び筋肉44を透過した超音波(透過波)は受信部22として機能する超音波振動子10a~10tで受信される。
[0087]
 図4に示す例では、橈骨42で反射した反射波は、超音波振動子10c、10f、10tで受信される。尺骨41で反射した反射波は、超音波振動子10dで受信される。
 尚、骨41及び42での反射以外の反射波については図示を省略している。腱43と腱43とは異なる骨以外の内部組織との境界、筋肉44と筋肉44とは異なる骨以外の内部組織との境界では、音響インピーダンスの差により反射波が生じており、反射しない超音波は透過する。これら反射波や透過波は超音波振動子10a~10tで受信される。
[0088]
 図4に示す例では、尺骨41及び橈骨42といった骨で衝突せず、腱43や筋肉44を透過した透過波は、超音波振動子10e、10g、10l、10o、10qで受信される。
[0089]
 これにより、超音波振動子10aが受信部22として動作したときの、超音波振動子10a~10eそれぞれで受信された受信結果が取得される。
[0090]
 次に、超音波振動子10aが送信部21及び受信部22として機能した後、次に超音波振動子10bが送信部21及び受信部22として機能し、他の超音波振動子10a、10c~10tが受信部22として機能するように制御される。
 これにより、超音波振動子10bが受信部22として動作したときの、超音波振動子10a~10eそれぞれで受信された受信結果が取得される。
[0091]
 このように、複数の超音波振動子10a~10tがそれぞれ順に送信部21として機能して超音波を発信し、各超音波振動子10a~10tの超音波の発信毎に、全ての超音波振動子10a~10tが受信部22として機能して反射波、透過波を受信する。
[0092]
 これにより、超音波振動子10a~10tそれぞれが送信部21となって行われたスキャンに対する受信部22として機能している超音波振動子10a~10tでの受信結果が、超音波振動子10a~10t毎に取得される。
[0093]
 これらの取得された受信結果に基づき、信号処理部33により、図6に示すような手首断面の超音波画像が再構築される。
[0094]
 複数の超音波振動子は手首の周囲に手首を囲むように配置されるので、手首の全周から手首内部をスキャンすることが可能となり、広い範囲の正確な手首断面の超音波画像を取得することができる。
[0095]
 このような広い範囲の正確な手首断面の超音波画像を用いることにより、ユーザー1の手首や手の指の動きが精度よく認識されて正確な手首及び手の指の動き情報を取得することができる。
[0096]
 この正確な手首及び手の指の動き情報を用いることにより、ユーザー1の手首及び手の指の動きを精度よく再現することができる。
 例えば、ゲーム画像に表示されるユーザー1の人間に模したアバターに、取得されたユーザー1の動き情報を用いて、ユーザー1の動きを精度よく再現させることができ、ユーザーに対してゲームへの臨場感や没入感を与えることができる。
[0097]
 本実施形態の各超音波振動子10a~10tの駆動は、図3に示す超音波振動子制御部31によって制御される。
[0098]
 また、順に行われる送信部21として機能する各超音波振動子の超音波の発信毎に取得される複数の受信部22として機能する超音波振動子で受信される認識用の受信結果を用いた超音波画像の再構築は、信号処理部33によって行われる。
[0099]
 本実施形態では、複数の超音波振動子のうち1つを送信部及び受信部として動作させ、他の超音波振動子を受信部として動作させて駆動させることにより、1回のスキャンで送信部として独立駆動する振動子数を低減させることができる。これにより、電子回路部の機器を小型化することができ、またコストを削減することができる。
[0100]
 尚、本実施形態では、複数の超音波振動子10a~10tを、いずれも送信部21及び受信部22の両方の機能を備えている送受信用超音波振動子としたが、これに限定されない。
[0101]
 例えば、送信部21のみの機能を有する送信用超音波振動子と受信部22のみの機能を有する受信用超音波振動子とをそれぞれ複数設けても良い。超音波振動子の配置の一例として、送信用超音波振動子と受信用超音波振動子を交互に、装着したときに手首の周囲方向に沿って手首を囲むように位置するように配置させて、超音波ユーザーインターフェース装置を構成してもよい。
[0102]
 この場合、1つの送信用超音波振動子により超音波が発信され、複数の受信用超音波振動子により反射波や透過波が受信される。この一連の送受信動作が、送信部として機能する送信用超音波振動子が順番に変わって実行され、送信用超音波素子毎に受信結果が取得される。この受信結果に基づいて超音波画像の再構築が行われる。
[0103]
 本実施形態において、超音波ユーザーインターフェース装置20の着脱により、手首に対する複数の超音波振動子10a~10tの位置がずれて着用されることがあり得る。
[0104]
 これに対して、各超音波振動子10a~10tで受信した受信結果を用いて、三角測量法により、超音波振動子の位置を検出し、着用時の位置ずれを補正することができる。これにより手首の動きや手の指の動きの認識精度に支障をきたさない。
 三角測量法によるアレイ型超音波振動子の位置の検出は、信号処理部33で行われる。
[0105]
 本実施形態においては、超音波振動子として送受信用超音波振動子を複数設ける例をあげたが、送信部21が少なくとも1つ、受信部22が複数配置されればよい。
 送信部21は、手首の内部組織に対して超音波を発信するように配置される。
 受信部22は、手首の内部組織で透過又は反射した超音波を受信し、手首の周方向に沿って手首を囲むように複数配置される。
[0106]
 例えば、送受信用超音波振動子を1つ、受信用超音波振動子を複数設けてもよい。
 これにより、1つの送信部21から手首内部に送信された超音波の内部組織での反射波及び透過波を複数の受信部22で受信することができるため、詳細な手首内部の内部組織情報を取得することができる。
[0107]
 更に、受信部22を複数配置するのに加え、送信部21も複数配置することが好ましい。複数の送信部21は、手首の周方向に沿って手首を囲むように複数配置される。
[0108]
 このように複数の送信部21を設けることにより、手首をあらゆる方向からスキャンすることができ、各スキャンの反射波及び透過波を複数の受信部22で受信することができ、スキャン範囲を広く確保することができる。したがって、手首内部の筋肉や腱の動きを広い範囲で観察することができ、手首及び手の指の動きの認識精度が向上する。
[0109]
 また、本実施形態においては、複数の超音波振動子毎の受信結果に基づいて画像再構築する例をあげたが、画像の再構築は必ずしもする必要がない。
 画像の再構築をせず、取得した反射波及び透過波の波形データを用いてパターンマッチングによって手首及び手の指の動きの認識(ジェスチャ認識)をしてもよい。
[0110]
[第2の実施形態]
 上述の実施形態においては、送受信用超音波振動子を20個設ける例をあげたが、数はこれに限定されない。手首に装着する超音波ユーザーインターフェース装置においては、送受信用超音波振動子が少なくとも5つあればよく、1回のスキャンに係る超音波振動子の数が少ないほど消費電力の観点から望ましい。
 以下、少なくとも5つあればよい理由について図7を用いて説明する。
[0111]
 図7は大人の前腕部の断面図であり、断面が真円に近似するものとして図示している。図7では、前腕部3の皮膚40の周囲に送受信用超音波振動子10を配置して図示している。
[0112]
 大人の前腕において最大の断面積を持つ筋肉は尺側手根屈筋であり、その直径は一般に真円近似でおよそ26mm程度である。
[0113]
 ここで円環状の超音波ユーザーインターフェース装置に備えられる送受信用超音波振動子10の数をNとし、円環状の超音波ユーザーインターフェース装置の半径をrとすると、超音波CT(Computed Tomography、コンピュータ断層撮影法)の空間分解能xはレイトレース的な考察により次の式で表される。
[数1]


[0114]
 ここで、複数の送受信用超音波振動子10のうち1つを送信部及び受信部として機能させ、他の送受信用超音波振動子を受信部として機能させて動作させて反射波や透過波を受信させる場合を想定する。この場合、骨による反射を加味して手首断面全体をスキャン可能となる最低限の空間分解能xを、上式を用いて求めると、送受信用超音波振動子数Nは5個以上あればよいと計算することができる。
 尚、計算時、尺側手根屈筋の断面を直径26mmの真円とみなし、また、真円に近似した円環状の超音波ユーザーインターフェース装置の半径を一般的な大柄な大人の手首の半径である32mmとした。
[0115]
 手首の超音波断層画像を用いて手首及び手の指の動きを認識することを想定し、超音波振動子の数が少なくとも5個あればよいと計算した。尚、超音波振動子の数を増やすほど幾何学的分解能は向上するため6個以上あってもよく、画像再構築の計算コスト及び部品数によるコストを加味して、用いる超音波振動子の数を適宜設定することができる。
[0116]
 本実施形態においては、前腕部を例にあげたが、上腕部、脚部は、前腕部と太さが異なり、一般的には太くなるので、好ましい超音波振動数の最低数は前腕部の場合よりも多くなる。
[0117]
 また、上述では、大人が超音波ユーザーインターフェース装置を装着する場合を想定して超音波振動子数を求めた。子供が超音波ユーザーインターフェース装置を装着する場合は、手首の太さが大人よりも細くなるので、好ましい超音波振動子数の最低数は大人の場合よりも少なくなる。
[0118]
 このように、超音波ユーザーインターフェース装置を装着する体の部位の大きさに応じて、用いる超音波振動子の数を適宜設定することができる。
[0119]
 また、手首に装着する超音波ユーザーインターフェース装置において、超音波振動子として送受信用超音波振動子を用いる例にあげたが、送信部21が少なくとも1つ、受信部22が少なくとも5つあればよい。
 例えば、送受信用超音波振動子を1つ、受信用超音波振動子を4つ設けてもよいし、送信用超音波振動子を1つ、受信用超音波振動子を5つ設ける構成としても良い。
[0120]
 これにより、1つの送信部21から発信され手首内部に送信された超音波の内部組織での反射波及び透過波を複数の受信部22で受信することができるため、詳細な手首内部の内部組織情報を取得することができる。
[0121]
 更に、受信部22を少なくとも5つ配置するのに加え、送信部21を少なくとも5つ配置することが望ましい。
 例えば、少なくとも5つの送受信用超音波素子を設ける構成としてもよいし、少なくとも5つの送信用超音波振動子と少なくとも5つの受信用超音波振動子を設ける構成としてもよい。
[0122]
 このように少なくとも5つの送信部21を設けることにより、手首をあらゆる方向からスキャンすることができる。そして、各スキャンの反射波及び透過波を複数の受信部22で受信することができ、より正確な手首内部の内部組織情報を取得することができる。
[0123]
[第3の実施形態]
 上述のように、データベース32には参照用データが格納されている。超音波ユーザーインターフェース装置20では、ユーザー1が超音波ユーザーインターフェース装置20を装着することにより、超音波振動子10で受信される認識用の受信結果(センシングデータ)に基づいてユーザー1の手首の超音波画像が構築される。そして、参照用データを参照して、構築された超音波画像を用いて、手首及び手の指の動き情報が取得される。
[0124]
 ここで、超音波ユーザーインターフェース装置20が装着されて参照用データが取得されたときの手首に対する超音波振動子の位置と、ユーザー1により超音波ユーザーインターフェース装置が装着されて認識用のセンシングデータが取得されたときの手首に対する超音波振動子の位置とがずれる場合がある。
[0125]
 これに対し、本実施形態では、手首内部にある骨で反射した超音波に関するセンシングデータを用いて、参照用データ取得時との手首に対する超音波振動子の位置ずれを補正して、手首及び手の指の動き情報を取得する。
[0126]
 これにより、超音波ユーザーインターフェース装置20の装着ずれによる超音波振動子の位置ずれによって生じる手首及び指の動きの認識精度の低下を抑制することができる。
[0127]
 以下、図8を用いて説明する。
 図8は、超音波振動子の位置の校正処理を説明するための手首の断面図である。
[0128]
 図8において、一点鎖線で示す部分は、予め取得されている参照用データにおける超音波画像での橈骨42´の位置及び尺骨41´の位置を示す。参照用データにおける超音波画像は、比較用の受信結果に基づく超音波画像であり、比較用の受信結果に係る情報である。
[0129]
 図8において、実線で示す部分は、認識用のセンシングデータに基づいて構築された超音波画像における橈骨42の位置及び尺骨41の位置を示す。認識用のセンシングデータにおける超音波画像は、認識用の受信結果に係る情報である。認識用のセンシングデータには、ユーザー1の手首の骨に関する反射波の情報が含まれている。
[0130]
 ここで、指の動き、手首の動きによって、特定の腱43、筋肉44は動いて形状が変化するが、骨の形状は一定である。
[0131]
 そこで、本実施形態では、センシングデータに基づく超音波画像をアフィン変換し、アフィン変換した画像の骨の位置を学習データの骨の位置と位置合わせし、参照用データの超音波画像と認識用のセンシングデータに基づく超音波画像との方位合わせを行う。
 この方位合わせを行ったうえで、参照用データを参照して、センシングデータに基づく超音波画像を用いて、手首及び手の指の動きを認識し、動き情報を取得する。
[0132]
 これにより、超音波ユーザーインターフェース装置装着時の超音波振動子の位置ずれがあっても、手首及び指の動きの認識精度の低下を抑制することができる。
 尚、図8においては、位置合わせに用いる骨の例として、橈骨42及び尺骨41を例にあげたが、これらに限定されず、他の骨であってもよい。
[0133]
 以上のように、骨に係るセンシングデータを用いて、手首に対する超音波振動子の方位の校正を行うことができる。
 また、ここでは、手首を例にあげたが、上腕部や脚部においても骨による反射波を用いて超音波振動子の方位の校正を行うことができる。
[0134]
[第4の実施形態]
 上述の各実施形態及び以下の実施形態において、超音波ユーザーインターフェース装置20の装着時に、送信部21及び受信部22を有する超音波振動子10と、ユーザー1の腕部又は脚部との間に音響整合部品を設けてもよい。
 本実施形態では、超音波振動子10とユーザー1の手首との間に音響整合部品を設ける例をあげる。
[0135]
 以下、図9を用いて説明する。
 図9は、超音波ユーザーインターフェース装置20の部分図である。図9(A)は音響整合部品付き超音波振動子50の模式断面図である。図9(B)は他の音響整合部品付き超音波振動子55の模式断面図である。
 以下、音響整合部品付き超音波振動子を、部品付き超音波振動子と略して説明する。
[0136]
 図9に示すように、部品付き超音波振動子50及び55は、いずれも、超音波振動子10と、音響整合部品51と、を備える。
 部品付き超音波振動子50、55は、装着バンド25の、超音波ユーザーインターフェース装置20が装着されたときにユーザー1の皮膚40側に配置される。
[0137]
 音響整合部品51は、装着バンド25上に配置された超音波振動子10を覆うように設けられる。音響整合部品51は、超音波の送信面及び受信面となる音響レンズ18上に設けられる。
[0138]
 音響整合部品51は、ユーザー1が超音波ユーザーインターフェース装置20を装着したときに、ユーザー1の皮膚40と超音波振動子10との間に配置される。音響整合部品51は、装着されたときに、ユーザー1の皮膚40の表面の形状に沿って変形可能に構成される。
[0139]
 音響整合部品51は、変形部材512と、変形部材512を収容する容器511と、を備える。
[0140]
 変形部材512には、生体の音響インピーダンスである1.5MRaylsに近い、音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の水、エチレングリコール、グリセリン、油、コラーゲンのような生体材料等を用いることができる。
 変形部材512には、液状又はゲル状のものを用いることができる。変形部材512は、気泡の発生が抑制された状態で容器511に収容される。
[0141]
 容器511には、生体の音響インピーダンスである1.5MRaylsに近い、音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミドなどのナイロン系ポリマー材料、ラテックス、ニトリルなどの天然又は合成ゴム材料などを用いることができる。
[0142]
 容器511には、可撓性で、例えばフィルム状等の厚みが薄い材料を用いることができる。容器511は、変形部材512を収容可能であればよい。
[0143]
 容器511は、図9(A)に示す部品付き超音波振動子50のように変形部材512を収容する収容空間を容器511のみで形成する袋状のものとすることができる。また、容器511は、図9(B)に示す部品付き超音波振動子55のように、超音波振動子10とともに変形部材512を収容する収容空間を形成する形態であってもよい。
[0144]
 容器511及び変形部材512には、音響整合部品51をユーザー1の皮膚に軽く押し当てたときに、音響整合部品51がユーザー1の皮膚40の細かい起伏を反映した形状に変形可能な材料が用いられる。
[0145]
 ここで、音響インピーダンスの差が大きい2つの媒質間ほど超音波の反射が強くなる。
 本実施形態では、超音波振動子10と皮膚40との間に配置される音響整合部品51を、音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の容器511及び変形部材512を用いて構成することにより、音響整合部品51と皮膚40との境界での超音波の反射率、及び、音響整合部品51と超音波振動子10との境界での超音波の反射率を0.1以下とすることができる。
[0146]
 これにより、音響整合部品51と皮膚40との境界、音響整合部品51と超音波振動子10との境界で繰り返し反射する超音波を減少させることができ、多重エコーが生じにくい超音波画像が得やすくなり、明瞭な超音波画像を取得することができる。
[0147]
 2つの媒質の境界における反射率ηは、一方の媒質の音響インピーダンスをZ 、他方の媒質の音響インピーダンスをZ としたとき、次式で表すことができる。
[数2]


[0148]
 また、音響整合部品51は、超音波ユーザーインターフェース装置20の装着により手首の皮膚表面の形状に沿うように変形可能な材料で構成される。これにより、部品付き超音波振動子50又は55とユーザー1の皮膚40との間の空気層の存在を減少させることができる。
[0149]
 このように、強い音響反射を引き起こす空気層の存在を減少させることにより、超音波振動子10が発信する超音波の人体内部への送信を円滑に行うことができる。また、体内に送信され内部組織を透過又は反射した超音波の超音波振動子10による受信を円滑に行うことができる。
 これにより、人体内部のより正確な超音波画像を取得することができ、より正確な手首や手の指の動きを認識することができる。
[0150]
 更に、音響整合部品51において、気泡の発生が抑制されて容器511に変形部材512が収容されることにより、気泡と変形部材512との境界での強い反射が生じることが抑制される。これにより、体内と超音波振動子10との間での超音波の送受信を円滑に行うことができる。
[0151]
 また、上述した範囲の音響インピーダンスを備える材料を用いて構成される音響整合部品51を設けることにより、超音波振動子の使用時に一般的に用いられるべとつきのある超音波用ジェルを皮膚40上に塗布する必要がない。
 これにより、使用後の超音波ジェルのふき取り作業が不要となり、超音波ユーザーインターフェース装置20の利便性が向上する。
[0152]
 尚、他の形態の音響整合部品として、べとつきがないように表面処理したジェル状の音響整合材料を用いても良い。
[0153]
[第5の実施形態]
 上述の実施形態においては、超音波ユーザーインターフェース装置に設けられる超音波振動子として、1つの振動子エレメントを有する単一の超音波振動子を例にあげたが、複数の振動子エレメントが配列されてなるアレイ型超音波振動子を用いてもよい。
[0154]
 (超音波ユーザーインターフェース装置の構成)
 図10は、本実施形態に係る超音波ユーザーインターフェース装置120を装着したユーザー1の手首の模式断面図である。図10では、手首の内部組織の図示を一部省略している。
[0155]
 図10に示すように、超音波ユーザーインターフェース装置120は、装着バンド25と、4つのアレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)と、制御部23を内蔵するICチップ(図示せず)と、を有する。
[0156]
 4つのアレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)はいずれも同じ構造を有している。4つのアレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)を特に区別する必要がない場合は、アレイ型超音波振動子100(100´)と称する場合がある。
[0157]
 図10に示すように、複数のアレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)は、手首の周囲に、相互に間隔をあけて、手首を囲むように配置される。
[0158]
 ICチップは、制御部23を内蔵する。ICチップは、装着バンド25のユーザー1の肌が接する面側に配置されてもよいし、反対の面側に配置されてもよい。ICチップは、各超音波振動子100a~100dと電気的に接続する。
[0159]
 (アレイ型超音波振動子の構造)
 図11は本実施形態に係るアレイ型超音波振動子100の斜視図である。図11におけるアレイ型超音波振動子100では、振動子エレメント150が二次元的に配列されて構成される。
[0160]
 図12は他の例としてのアレイ型超音波振動子100´の斜視図である。図12のアレイ型超音波振動子100´では、振動子エレメント150が一列に配列され一次元的に配列されて構成される。
[0161]
 本実施形態において、アレイ型超音波振動子として、図11に示す振動子エレメント150が二次元的に構成されたものを用いてもよいし、また、図12に示す一次元的に構成されたものを用いてもよい。
[0162]
 アレイ型超音波振動子100又は100´は、ユーザー1の手首内部にむけて超音波を送信する。手首内部で反射した超音波(反射波)は、アレイ型超音波振動子100又は100´によって受信され、その受信結果を用いて観察対象物の超音波画像が構築される。
[0163]
 図11(図12)に示すように、アレイ型超音波振動子100(100´)は、基板101、圧電体層102、上部電極層103、下部電極層104、バッキング層105、音響整合層106、音響整合層107及び音響レンズ108を備える。
[0164]
 圧電体層102、上部電極層103、音響整合層106、下部電極層104及びバッキング層105の一部は互いに分離されており、それぞれが振動子エレメント150を構成している。即ち、アレイ型超音波振動子100(100´)は振動子エレメント150のアレイである。
[0165]
 基板101、圧電体層102、上部電極層103、下部電極層104、バッキング層105、音響整合層106、音響整合層107及び音響レンズ108、それぞれに用いられる材料は、上述の第1の実施形態で説明した基板11、圧電体層12、上部電極層13、下部電極層14、バッキング層15、音響整合層16、及び音響レンズ18と同様である。
[0166]
 基板101は、配線基板であり、振動子エレメント150を支持し、電気的に接続する。基板101には基板内蔵抵抗素子、配線、独立配線及びパッドが設けられている。
[0167]
 パッドは基板101の表面に設けられ、各振動子エレメント150が電気的に接続される。配線はパッドと基板内蔵抵抗素子を電気的に接続する。基板内蔵抵抗素子は配線及びパッドを介して各振動子エレメント150が接続される。独立配線は基板内蔵抵抗素子に電気的に接続される。
[0168]
 圧電体層102は、下部電極層104と上部電極層103の間に設けられ、下部電極層104と上部電極層103の間に電圧が印加されると、逆圧電効果による振動を生じ、超音波を生成する。また、診断対象物からの反射波が圧電体層102に入射すると、圧電効果による分極を生じる。
[0169]
 上部電極層103は圧電体層102上に設けられる。なお、上部電極層103は、図11(図12)に示すように振動子エレメント150毎に分離されていてもよく、分離されていなくてもよい。
[0170]
 下部電極層104はバッキング層105上に設けられる。下部電極層104は、配線を介して基板101に電気的に接続されている。
[0171]
 バッキング層105は、基板101上に設けられ、振動子エレメント150の不要な振動を吸収する。バッキング層105中には下部電極層104とパッドを接続する配線が設けられている。
[0172]
 音響整合層106及び音響整合層107は、人体と振動子エレメント150の間の音響インピーダンスの差を低減し、超音波の人体への反射を防止する。図11(図12)に示すように音響整合層106は振動子エレメント150毎に分離され、音響整合層107は分離されていないものとすることができるがこれに限られない。
[0173]
 音響レンズ108は、皮膚40に接触し、圧電体層102において生成された超音波を集束させる。
[0174]
 振動子エレメント150は、ユーザー1の人体内部に対して超音波を出力する送信部を構成するととともに、超音波が人体内部の組織によって反射した超音波(反射波)を受信する受信部をも構成する。
[0175]
 アレイ型超音波振動子100において、複数の振動子エレメント150は振動子エレメント150の厚み方向(Z方向)から見てX方向及びY方向の二方向に沿って配列する。
 アレイ型超音波振動子100´において、複数の振動子エレメント150は振動子エレメント150の厚み方向(Z方向)から見てY方向に沿って一列配列する。
[0176]
 アレイ型超音波振動子100の短手方向(X方向)はスライス方向(又はエレベーション方向)と呼ばれ、同方向の解像度は超音波画像における奥行き方向の解像度に相当する。スライス方向の振動子エレメント150の数は特に限定されず、複数であればよい。
[0177]
 アレイ型超音波振動子100、100´の長手方向(Y方向)はアジマス方向と呼ばれ、同方向の解像度は超音波イメージングにおける方位方向の解像度に相当する。アジマス方向の振動子エレメント150の数は特に限定されず、複数であればよい。
[0178]
 本実施形態において、図10に示すように、ユーザー1が超音波ユーザーインターフェース装置120を装着したときに、電子走査方向となるアジマス方向と手首の周方向とが平行となるようにアレイ型超音波振動子100又は100´は、装着バンド25に固定される。これにより、前腕部3の長手方向と直交する面で切断した手首の断面の超音波画像が取得される。
[0179]
 上述のように、本実施形態では、ユーザー1が超音波ユーザーインターフェース装置120を装着したときに、アジマス方向と手首の周方向とが平行となるようにアレイ型超音波振動子100又は100´は、装着バンド25に固定される。
[0180]
 このように、アレイ型超音波振動子の複数の振動子エレメントが手首の周方向に沿って配列されることが望ましく、手首断面に沿った広い範囲で手首をスキャンすることができ、手首の広い範囲の内部組織情報を取得することができる。
[0181]
 アレイ型超音波振動子100又は100´のスキャン方法としては公知のものを用いることができる。広い範囲での手首断面画像を取得するために、超音波振動子の開口幅よりも広い範囲の超音波ビームがスキャン可能であることが好ましく、セクタスキャン、フェーズアレイスキャン、コンベックススキャン等を用いることができる。
[0182]
 セクタスキャンでは、扇状に超音波ビームをスキャンすることができる。
 ある一点から放射状に超音波を放出する小口径のセクタ型の超音波振動子を用いて扇状に超音波ビームをスキャンすることができる。
[0183]
 フェイズドアレイスキャンでは、複数の振動子エレメントそれぞれを電子的に制御することによって、超音波を任意の位置に収束させたり、任意の方向に超音波を伝播させることが可能であり、扇状や台形状に超音波ビームをスキャンすることができる。
[0184]
 コンベックススキャンでは、台形状に超音波ビームをスキャンすることができる。
 凸曲面状に配列した複数の振動子エレメントにより台形状に超音波を送信するコンベックス型の超音波振動子を用いて、台形状に超音波ビームをスキャンすることができる。
 その他、セクタ型の超音波振動子やリニア型の超音波振動子を用いて台形状に超音波ビームをスキャンするバーチャルコンベックススキャンを用いることができる。
[0185]
 このように、本実施形態では、図10に示すように、超音波を発信するアレイ型超音波振動子100又は100´の開口幅よりも広い範囲の扇状又は台形状の超音波70でスキャンが可能に構成される。これにより、アレイ型超音波振動子100又は100´の開口幅よりも広い範囲での手首の断層を画像化することができる。
[0186]
 コンベックス型の超音波振動子は凸型のため、形状が大きくなる。
 これに対して、セクタ型やリニア型の超音波振動子、フェイズドアレイスキャンに用いる超音波振動子は、コンベックス型の超音波振動子よりも小型化が可能となる。
[0187]
 超音波ユーザーインターフェース装置120には、このような小型化が可能な型の超音波振動子を用いることがより好ましい。このような小型化が可能な型の超音波振動子を用いることにより、超音波ユーザーインターフェース装置120を装着したときにユーザー1の皮膚40に対して超音波振動子の受送信面を効率よく接触させることができる。これにより、より正確な超音波画像を取得することができる。
[0188]
 尚、小型化が可能な型の超音波振動子であっても、台形状や扇状にスキャンすることにより、超音波振動子の開口幅よりも広い範囲をスキャンすることができ、スキャン範囲を広くすることができる。
[0189]
 (超音波ユーザーインターフェース装置におけるアレイ超音波振動子の動作説明)
 図10に示すように、アレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)は、それぞれ、ユーザー1の手首内部にむけて超音波を発信し、扇状又は台形状の超音波70で手首内部はスキャンされる。
 手首内部で反射した超音波(反射波)は、超音波を発信したアレイ型超音波振動子100によって受信される。
 4つのアレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)それぞれでの受信結果に基づき、手首内部の超音波画像が生成される。
[0190]
 ここで、手首内部にむけて発信された超音波のうち、骨は超音波をほとんど通さないため、骨表面での超音波反射率は大きく増す。
 このため、図10に示す例では、アレイ型超音波振動子100a(100a´)から発信された超音波の一部71は、橈骨42で反射し反射波72となる。したがって、アレイ型超音波振動子100aにおいて、アレイ型超音波振動子100aからみて超音波71の進行方向において骨を超えたあたりの領域73の内部組織情報を取得することが困難となり、超音波画像の領域73はかなり暗くなり、影となる。
[0191]
 本実施形態においては、送信部及び受信部の双方の機能を有するアレイ型超音波振動子100が手首を囲むように複数設けられているので、手首周囲のあらゆる位置からみた手首の断面の超音波画像を取得することができる。
[0192]
 これにより、ある1つのアレイ型超音波振動子100(100´)での受信結果に基づく超音波画像では骨の存在により暗くなる領域の画像を、他のアレイ型超音波振動子100で明瞭な画像として取得することができる。
[0193]
 例えば、図10に示す例では、アレイ型超音波振動子100a(100a´)では取得が困難な領域73の内部組織情報を、他のアレイ型超音波振動子100b(100b´)や100c(100c´)により取得することができる。
[0194]
 そして、複数のアレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)それぞれで受信した受信結果に基づく超音波画像の再構築では、それぞれのアレイ型超音波振動子単独では取得が困難な領域の内部組織情報については、他のアレイ型超音波振動子によって取得された内部組織情報を用いて超音波画像を再構築することができる。
[0195]
 したがって、再構築された超音波画像は、骨の存在によって影になり不明瞭な画像となる領域のない超音波画像となる。
[0196]
 このように、骨の存在によって影になり不明瞭な超音波画像となる領域がない手首の断面の超音波画像を得るためには、アレイ型超音波振動子100(100´)を少なくとも4つ設けることが望ましい。
[0197]
 4つ以上のアレイ型超音波振動子100(100´)を、手首を囲むように配置することにより、ほぼ全方位から手首内部に対して超音波を送信することができ、手首内部の筋肉や腱といった内部組織情報を取得することができる。これにより手首内部のほとんどの内部組織の動きを認識することが可能となり、手首の動きや手の指の動き情報をより正確に取得することができる。
[0198]
 ここで、超音波ユーザーインターフェース装置220の着脱で、手首に対する複数のアレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)の位置がずれて着用されることがあり得る。
[0199]
 本実施形態では、各アレイ型超音波振動子100a~100d(100a´~100d´)により超音波画像を取得し、三角測量法によりアレイ型超音波振動子100の位置を検出し、着用時の位置ずれを補正することができる。これにより手首の動きや手の指の動きの認識精度に支障をきたさない。
[0200]
 以上のように、アレイ型超音波振動子100(100´)を複数設けることにより、より正確な手首の内部組織の動きを認識することができ、より正確に手首や手の指の動きを認識することができる。
[0201]
 本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
[0202]
 例えば、上述では、図3に示すように、ユーザー1が装着するウエアラブルデバイスである超音波ユーザーインターフェース装置20(120)に、指の動き認識に係る一連の処理が行われる制御部23が設けられる例をあげたが、これに限定されない。
[0203]
 一例として、制御部23が、ユーザー1の手首に装着される装着バンド25に設けられず、外部の情報処理装置に設けられても良い。
 この場合、超音波振動子を備える装着バンド25と、外部の情報処理装置とにより超音波ユーザーインターフェースシステムが構成される。装着バンド25には、外部の情報処理装置から超音波振動子を制御する制御信号を受信し、また、超音波振動子で受信した受信信号を外部の情報処理装置に送信することが可能な通信部が設けられる。
[0204]
 なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
[0205]
 (1)
 ユーザーの腕部又は脚部の内部組織にむけて超音波を発信する送信部と、
 上記超音波が発信される上記腕部又は上記脚部の周方向に沿って上記腕部又は上記脚部を囲むように複数配置され、上記ユーザーの四肢の少なくとも一部の動き情報を取得するために、上記超音波が上記内部組織を透過した超音波及び反射した超音波のうち少なくとも一方を受信する受信部と
 を具備する超音波ユーザーインターフェース装置。
[0206]
 (2)
 上記(1)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記送信部は、上記腕部又は上記脚部の周方向に沿って複数配置される
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0207]
 (3)
 上記(1)又は(2)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記受信部は少なくとも5つある
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0208]
 (4)
 上記(2)又は(3)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 複数の上記受信部は、複数の上記送信部それぞれが順に発信し上記内部組織を反射及び透過した超音波のうち少なくとも一方を受信する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0209]
 (5)
 上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 複数の上記受信部で受信される認識用の受信結果を用いて、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する制御部
 を更に具備する超音波ユーザーインターフェース装置。
[0210]
 (6)
 上記(5)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記制御部は、複数の上記送信部それぞれによる上記超音波の発信毎に取得される複数の上記受信部それぞれで受信される認識用の受信結果を用いて、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0211]
 (7)
 上記(5)又は(6)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記制御部は、予め取得された、上記受信部で受信した比較用の受信結果に係る情報と上記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた参照用データを参照して、上記認識用の受信結果から、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0212]
 (8)
 上記(5)から(7)のうちいずれか1つに記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記制御部は、上記受信部で受信した上記内部にある骨で反射した超音波に関する認識用の受信結果を用いて、上記腕部又は上記脚部に対する上記送信部及び上記受信部の位置ずれを補正して、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0213]
 (9)
 上記(7)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記制御部は、予め取得された、上記受信部で受信した比較用の超音波の波形データと上記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた上記参照用データを参照して、上記受信部で受信した認識用の超音波の波形データから、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0214]
 (10)
 上記(7)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記制御部は、予め取得された、上記比較用の受信結果に基づく超音波画像と上記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた上記参照用データを参照して、上記認識用の受信結果に基づく超音波画像から、上記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0215]
 (11)
 上記(1)から(10)のうちいずれか1つに記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記送信部及び上記受信部の少なくとも一方を有する超音波振動子と、上記腕部又は上記脚部との間に配置される、音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の変形部材と、上記変形部材を収容する音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の容器とを備える音響整合部品
 を更に具備する超音波ユーザーインターフェース装置。
[0216]
 (12)
 ユーザーの四肢の少なくとも一部の動きを認識するために、上記ユーザーの腕部又は脚部の内部組織にむけて超音波を発信する送信部と、上記超音波が上記内部組織により反射した超音波を受信する受信部と、を有する振動子エレメントが、上記腕部又は上記脚部の周方向に沿って複数配置されて構成されるアレイ型超音波振動子
 を具備する超音波ユーザーインターフェース装置。
[0217]
 (13)
 上記(12)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記アレイ型超音波振動子は、上記内部組織をセクタスキャン、コンベックススキャン、又は、フェーズアレイスキャンする
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0218]
 (14)
 上記(13)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記アレイ型超音波振動子は、上記腕部又は上記脚部の周方向に沿って、上記腕部又は上記脚部を囲むように複数配置される
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[0219]
 (15)
 上記(14)に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 上記超音波ユーザーインターフェース装置は、上記アレイ型超音波振動子を少なくとも4つ具備し、
 上記アレイ型超音波振動子それぞれの受信部で受信した受信結果を用いて、三角測量法により、上記アレイ型超音波振動子の位置を検出する制御部
 を更に具備する超音波ユーザーインターフェース装置。
[0220]
 (16)
 腕部又は脚部にむけて超音波を送信する送信部と、上記超音波が上記腕部又は上記脚部の内部の組織により反射した超音波を受信する受信部の少なくとも一方を有する超音波振動子と、
 上記超音波振動子と、上記腕部又は上記脚部との間に配置される、音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の変形部材と、上記変形部材を収容する音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の容器とを備える音響整合部品と
 を具備する超音波ユーザーインターフェース装置。

符号の説明

[0221]
 1…ユーザー
 2…指
 3…前腕部(腕部、四肢)
 10、10a~10t…超音波振動子
 20、120…超音波ユーザーインターフェース装置
 21…送信部
 22…受信部
 23…制御部
 41…尺骨(骨、内部組織)
 42…橈骨(骨、内部組織)
 43…腱(内部組織)
 44…筋肉(内部組織)
 51…音響整合部品
  511…容器
  512…変形部材
 75…超音波
 100、100a~100d、100´100a´~100d´…アレイ型超音波振動子(超音波振動子)

請求の範囲

[請求項1]
 ユーザーの腕部又は脚部の内部組織にむけて超音波を発信する送信部と、
 前記超音波が発信される前記腕部又は前記脚部の周方向に沿って前記腕部又は前記脚部を囲むように複数配置され、前記ユーザーの四肢の少なくとも一部の動き情報を取得するために、前記超音波が前記内部組織を透過した超音波及び反射した超音波のうち少なくとも一方を受信する受信部と
 を具備する超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 前記送信部は、前記腕部又は前記脚部の周方向に沿って複数配置される
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 前記受信部は少なくとも5つある
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項4]
 請求項3に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 複数の前記受信部は、複数の前記送信部それぞれが順に発信し前記内部組織を反射及び透過した超音波のうち少なくとも一方を受信する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項5]
 請求項4に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 複数の前記受信部で受信される認識用の受信結果を用いて、前記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する制御部
 を更に具備する超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項6]
 請求項5に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 前記制御部は、複数の前記送信部それぞれによる前記超音波の発信毎に取得される複数の前記受信部それぞれで受信される認識用の受信結果を用いて、前記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項7]
 請求項6に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 前記制御部は、予め取得された、前記受信部で受信した比較用の受信結果に係る情報と前記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた参照用データを参照して、前記認識用の受信結果から、前記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項8]
 請求項6に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 前記制御部は、前記受信部で受信した前記内部にある骨で反射した超音波に関する認識用の受信結果を用いて、前記腕部又は前記脚部に対する前記送信部及び前記受信部の位置ずれを補正して、前記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項9]
 請求項7に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 前記制御部は、予め取得された、前記受信部で受信した比較用の超音波の波形データと前記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた前記参照用データを参照して、前記受信部で受信した認識用の超音波の波形データから、前記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項10]
 請求項7に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 前記制御部は、予め取得された、前記比較用の受信結果に基づく超音波画像と前記四肢の動き情報とが互いに紐づけされた前記参照用データを参照して、前記認識用の受信結果に基づく超音波画像から、前記四肢の少なくとも一部の動き情報を取得する
 超音波ユーザーインターフェース装置。
[請求項11]
 請求項6に記載の超音波ユーザーインターフェース装置であって、
 前記送信部及び前記受信部の少なくとも一方を有する超音波振動子と、前記腕部又は前記脚部との間に配置される、音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の変形部材と、前記変形部材を収容する音響インピーダンスが0.8MRayls以上3MRayls以下の容器とを備える音響整合部品
 を更に具備する超音波ユーザーインターフェース装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]