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1. WO2020121513 - 短下肢装具の後方支柱および短下肢装具

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明 細 書

発明の名称 短下肢装具の後方支柱および短下肢装具

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027  

発明の効果

0028   0029  

図面の簡単な説明

0030  

発明を実施するための形態

0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

符号の説明

0045  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 短下肢装具の後方支柱および短下肢装具

技術分野

[0001]
 本発明は、短下肢装具の後方支柱および短下肢装具に関する。

背景技術

[0002]
 脳卒中、脳溢血、あるいは脳梗塞による片麻痺や末梢神経麻痺を原因として、足関節を自己の意思で自由に動かすことができないという障害を負った患者は、歩行の際に足先が垂れ下がる(下垂足)ために円滑な体重移動が行えず、歩行が困難となる。
[0003]
 このような下垂足の症状をもつ患者は、つま先が床に引っかかる等して歩行に支障が生じることから、健常に近い歩行を実現するための補助具として、短下肢装具が用いられてきた。
[0004]
 そのような短下肢装具において、足関節を強固に固定し、底屈動作と背屈動作の双方が阻止されると、足関節がほとんど動けない状態となり、歩行が不自然となる。
[0005]
 短下肢装具として、足部(フット部)の載せられる足載置体と、障害者の下腿部に装着される下腿カフと、当該下腿カフと上記足載置体との間を連結する後方支柱と、の3部品からなるようにするとともに、これら各部品を適宜選択することによって、異なった仕様のものを迅速に作製し、これによって各障害者の体形に適合した短下肢装具を迅速に提供できるようにすることはすでに知られている(例えば,特許文献1参照)。
[0006]
 特許文献1記載のものでは、後方支柱と足載置体との間、下腿カフと後方支柱との間にヒンジ機構を設け、足関節の底屈動作(つま先が垂れ下がる方向に曲がること)や背屈動作(つま先が持ち上がる方向に曲がること)ができるようにするとともに、歩行中における下腿カフとふくらはぎとのずれ等を吸収できるようにしている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2004-344297号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 しかしながら、特許文献1に記載の技術では、2つのヒンジ機構を用いるので、構造が複雑となる。
[0009]
 発明者は、後方支柱の構造を改良することで、そのようなヒンジ機構を設けることなく、後方支柱自体の撓み変形の程度を調整でき、足の運びをうまくできることを着想し、本発明をなしたものである。
[0010]
 本発明は、短下肢装具の後方支柱の撓み変形の程度を調整可能とし、装着者が足の運びをうまくできるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 請求項1の発明は、足部を載せる足載せ部と、膝部下方の下腿部分に装着される下腿装着部との間に設けられる、短下肢装具の後方支柱であって、複数のFRPシートが積層され、前記FRPシートの上端部および下端部が熱融着により接合されており、前記上端部が前記下腿装着部に,前記下端部が前記足載せ部の踵後方部位にそれぞれ連結される部分であり、前記上端部および下端部の間の中間部分は、前記FRPシートの間に隙間を有する構造となっている、ことを特徴とする。
[0012]
 このようにすれば、FRPシートの間の隙間がなくなるまで曲がると、FRPシートどうしが接触して剛性が高まり、それ以上曲がらなくなる。よって、装着者の脛部分の前後方向への傾きに対しては、ある程度撓むようになり、装着者の歩行において、足部と脛部との間における相対変位にある程度追従できるようになる。また、ねじれ方向については剛性が確保されているので、足載せ部が歩行中に左右にずれたりするようなことがない。よって、装着者が足の運びをうまくできる。
[0013]
 さらに、FRPシートの間の隙間に、剛性シートを挿入することで、装着者に応じて、後方支柱自体の撓み変形の程度を調整することができる。
[0014]
 請求項2に記載のように、前記下端部は、前記足載せ部の踵後方部位にねじ止めするためのねじ穴が設けられている、ことが望ましい。
[0015]
 このようにすれば、下端部は、ねじ穴を通じて、ねじにて足載せ部の踵後方部位にねじ止めすることができ、製造が簡単になる。
[0016]
 請求項3に記載のように、前記上端部は、前記下腿装着部にねじ止めするためのねじ穴が設けられている、ことが望ましい。
[0017]
 このようにすれば、上端部は、ねじ穴を通じて、ねじにて下腿装着部にねじ止めすることができ、製造が簡単になる。
[0018]
 請求項4に記載のように、前記ねじ止めするためのねじ穴は,上下に形成され取付時にねじが挿通される上穴及び下穴であり、前記上穴は、前記下穴を中心とする円弧状の長穴である、ことが望ましい。
[0019]
 このようにすれば、後方支柱に対し、足載せ部や下腿装着部の向きを調整して取り付けることができる。
[0020]
 請求項5に記載されるように、前記各FRPシートは、CFRPシートである、ことが望ましい。
[0021]
 このようにすれば、必要な強度が確保される。
[0022]
 請求項6に記載のように、前記下端部は、平板形状、又は下端が分かれている二又形状である、ことが望ましい。
[0023]
 このようにすれば、下端部が足載せ部の踵後方部位にしっかりと結合される。
[0024]
 請求項7の発明は、足部を載せる足載せ部と、膝部下方の下腿部分に装着される下腿装着部と、下腿装着部足載せ部との間に設けられ踵後方部位から上方に延びて前記下腿装着部に連結される後方支柱とを備える短下肢装具であって、前記後方支柱は、請求項1~6のいずれか1項に記載の後方支柱であることを特徴とする。
[0025]
 このようにすれば、装着者の脛部分の前後方向への傾きに対しては、ある程度撓むようになり、装着者の歩行において、足部と脛部との間における相対変位に追従できるようになる。また、ねじれ方向については剛性が確保されているので、足載せ部が歩行中に左右にずれたりするようなことがない。よって、装着者が足の運びをうまくできる。さらに、FRPシートの間の隙間に、剛性シートを挿入することで、装着者に応じて、後方支柱自体の撓み変形の程度を調整することができる。
[0026]
 請求項8に記載のように、前記後方支柱のねじ止めする部分と前記足載せ部又は前記下腿装着部との間に、楔状のブロックが挟まれている、構造とすることもできる。
[0027]
 このようにすれば、楔状のブロックを挟むことで、足載せ部や下腿装着部の取付角度の調整ができる。

発明の効果

[0028]
 本発明は、FRPシートの間の隙間がなくなるまで曲がると、FRPシートどうしが接触して剛性が高まり、それ以上曲がらなくなるので、装着者の脛部分の前後方向への傾きに対しては、ある程度撓むようになり、装着者の歩行において、足部と脛部との間における相対変位にある程度追従できるようになる。また、ねじれ方向については剛性が確保されているので、足載せ部が歩行中に左右にずれたりするようなことがない。よって、装着者が足の運びをうまくできる。
[0029]
 さらに、FRPシートの間の隙間に、剛性シートを挿入することで、装着者に応じて、後方支柱自体の撓み変形の程度を調整することができる。

図面の簡単な説明

[0030]
[図1] 本発明の一実施の形態である後方支柱を用いた短下肢装具を示す正面図である。
[図2] 前記後方支柱の正面図である。
[図3] 同側面図である。
[図4] 別の実施形態である、後方支柱を用いた短下肢装具を示す正面図である。
[図5] 前記後方支柱の側面図である。
[図6] 同正面図である。
[図7] 前記後方支柱の変形例の図2と同様の図である。
[図8] 本発明の一実施の形態である後方支柱を用いた、別の短下肢装具を示す正面図である。

発明を実施するための形態

[0031]
 以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
[0032]
 図1は本発明の一実施の形態である後方支柱を用いた短下肢装具を示す正面図、図2は同正面図、図3は側面図である。
[0033]
 図1に示すように、短下肢装具1は、装着者の足部を載せる足載せ部2と、装着者の膝部下方の下腿部分に装着される下腿装着部3と、足載せ部2の踵後方部位と下腿装着部3とを結合する後方支柱4とを備える。後方支柱4は、足載せ部2の踵後方部位から上方に延びて下腿装着部3の後側部分に連結されている。
[0034]
 後方支柱4は、3枚のFRPシート5a,5b,5cが積層されてなる積層構造であるが、FRPシート5a~5cの上側部分同士および下側部分同士は熱融着により接合されて一体化され、平板形状である上端部4Aおよび下端部4Bとなっている。ここで、FRPシート5a~5cとしては、CFRPシート(炭素繊維強化プラスチックシート)が用いられている。
[0035]
 そして、上端部4Aと下端部4Bとの間の中間部分は、熱融着されておらず、負荷が作用していない状態で、FRPシート5a~5cの間に隙間S1,S2を有するようになっている。
[0036]
 上端部4Aが下腿装着部3に,下端部4Bが足載せ部2の踵後方部位にそれぞれ、ねじ止めにより連結される部分である。
[0037]
 上端部4Aおよび下端部4Bは、下腿装着部3および足載せ部2の踵後方部位に、ねじ6にてねじ止めするためのねじ穴として上穴4Aa,4Ba及び下穴4Ab,4Bbが設けられている。つまり、前記ねじ穴は、上下に形成され、取付時に、上穴4Aa,4Ba及び下穴4Ab,4Bbを通じてねじ6が挿通され、下腿装着部3および足載せ部2の取付けが行われる。
[0038]
 上穴4Aa,4Baは、下穴4Ab,4Bbを中心とする円弧状の長穴であり、後方支柱4に対して、下腿装着部3および足載せ部2の向きを調整して取り付けることができるようになっている。長穴4Aa,4Baが延びる範囲で向きを調整することができる。
[0039]
 前述したような後方支柱4を持つ短下肢装具1を装着すれば、後方支柱4はFRPシート5a~5cの間の隙間S1,S2がなくなるまで曲がると、FRPシートどうしが接触して一体となって剛性が高まり、それ以上曲がらなくなる。その結果、後方支柱4は、装着者の脛部分の前後方向への傾きに対しては、ある程度撓むようになり、装着者の歩行において、足部と脛部との間における相対変位に追従できるようになる。これにより、装着者は足首の底屈動作や背屈動作ができる。また、ねじれ方向については剛性が確保されているので、足載せ部2が歩行中に左右にずれたりするようなことがない。よって、装着者が足の運びをうまくできるようになる。
[0040]
 また、撓む変形の程度を小さくして剛性を高くしたい場合には、上端部4Aおよび下端部4Bの間の中間部分において、FRPシート5a~5cの間の隙間S1,S2に、剛性シートU(図3の二点鎖線参照)を挿入することで、装着者に応じて、後方支柱4自体の撓み変形の程度を調整することができる。つまり、隙間S1,S2の両方あるいは何れか一方に挿入することで、後方支柱4の剛性(撓み変形の程度)を3段階に変化させることができる。なお、FRPシートの数を増やせば、さらに剛性の調整段階をさらに増やせる。
[0041]
 このように、剛性シートUを挿入することで、装着者の歩行能力に応じて、後方支柱4の剛性を調整でき、足の運びをうまくできるようにすることが可能になる。しかも、その後方支柱4の剛性の調整は,剛性シートを差し込んだり引き抜いたりするだけで行うことができるので、簡単であり、短時間で行うことができる。
[0042]
 前記実施の形態では、後方支柱4の上端部4Aも下端部4Bも下腿装着部3および足載せ部2にねじ止めしているが、本発明はそれに限定されず、例えば、図4に示すように、短下肢装具11は、後方支柱4’の上端部4A’も下端部4B’も下腿装着部3および足載せ部2の後側に熱融着により連結するようにすることも可能である。この場合、後方支柱4’の下端部4B’は、図5及び図6に示すように、下端が分かれている二又形状として、足載せ部2の踵後方部位の両側に熱融着されるようになっている。
[0043]
 また、図7に示すように、後方支柱4”の上端部4A”に、円弧状の長穴である上穴4Aa及び丸穴である下穴4Abとを上下に設け、上端部は下腿装着部3にねじ止めされるようにすることも可能である。
[0044]
 さらに、図8に示すように、後方支柱4のねじ止めする部分(上端部4A,下端部4B)と足載せ部2や下腿装着部3との間に、楔状のブロック11A,11Bを挟み込み、足載せ部2Aや下腿装着部3Aの後方支柱4に対する取付角度の調整ができるようにすることも可能である。つまり、ブロック11A,11Bを用いなければ、図8において二点鎖線で示すような状態であるが、ブロック11A,11Bを用いることで足載せ部2Aや下腿装着部3Aの後方支柱4に対する取付角度を調整することができ、ブロック11A,11Bの大きさや差し込む向きを変えることで、細かく調整することも可能になる。

符号の説明

[0045]
1 短下肢装具
2 足載せ部
3 下腿装着部
4,4’ 後方支柱
4A,4A’ 上端部
4Aa 上穴
4Ab 下穴
4B,4B’ 下端部
4Ba 上穴
4Bb 下穴
5a,5b,5c FRPシート
6 ねじ
11A,11B ブロック
S1,S2 隙間
U 剛性シート

請求の範囲

[請求項1]
 足部を載せる足載せ部と、膝部下方の下腿部分に装着される下腿装着部との間に設けられる、短下肢装具の後方支柱であって、
 複数のFRPシートが積層され、前記FRPシートの上端部および下端部が熱融着により接合されており、
 前記上端部が前記下腿装着部に,前記下端部が前記足載せ部の踵後方部位にそれぞれ連結される部分であり、
 前記上端部および下端部の間の中間部分は、前記FRPシートの間に隙間を有する構造となっている、
 ことを特徴とする短下肢装具の後方支柱。
[請求項2]
 前記下端部は、前記足載せ部の踵後方部位にねじ止めするためのねじ穴が設けられている、請求項1記載の短下肢装具の後方支柱。
[請求項3]
 前記上端部は、前記下腿装着部にねじ止めするためのねじ穴が設けられている、請求項1記載の短下肢装具の後方支柱。
[請求項4]
 前記ねじ止めするためのねじ穴は,上下に形成され取付時にねじが挿通される上穴及び下穴であり、
 前記上穴は、前記下穴を中心とする円弧状の長穴である、請求項2または3記載の短下肢装具の後方支柱。
[請求項5]
 前記各FRPシートは、CFRPシートである、請求項1~4のいずれか1項に記載の短下肢装具の後方支柱。
[請求項6]
 前記下端部は、平板形状、又は下端が分かれている二又形状である、請求項1記載の短下肢装具の後方支柱。
[請求項7]
 足部を載せる足載せ部と、膝部下方の下腿部分に装着される下腿装着部と、下腿装着部足載せ部との間に設けられ踵後方部位から上方に延びて前記下腿装着部に連結される後方支柱とを備える短下肢装具であって、
 前記後方支柱は、請求項1~6のいずれか1項に記載の後方支柱である、
ことを特徴とする短下肢装具。
[請求項8]
 前記後方支柱のねじ止めする部分と前記足載せ部又は前記下腿装着部との間に、楔状のブロックが挟まれている、請求項7記載の短下肢装具。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]