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1. WO2020121493 - 医療情報処理装置

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明 細 書

発明の名称 医療情報処理装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051  

符号の説明

0052  

産業上の利用可能性

0053  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 医療情報処理装置

技術分野

[0001]
 本発明は、検体容器のステータスを管理する技術に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1は、複数の検体容器を収容する複数の収容部を備えた検体ラックを開示する。検体容器は検体情報を記憶するICタグを有し、収容部の底部には、ICタグに記憶された検体情報を受信するアンテナが配置される。各アンテナはICタグR/Wと接続され、検体情報はアンテナで受信されてICタグR/Wに読み取られる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2005-9863号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 病理医が生体組織を確定診断するフローでは、まず検査医が内視鏡等により患者の組織を採取し、採取された組織が検体容器に入れられる。検査終了後、検体容器は病理室に運ばれ、病理技師が、組織から診断に適した部分を切り出して組織標本を作製する。病理医は組織標本を顕微鏡で観察し、病理診断する。
[0005]
 検体の取り違えを防止するために、各医療施設で病理検体取り扱いマニュアルが作成されている。マニュアルでは組織を検体容器に入れる工程に関し、患者氏名、患者IDなどの患者情報を記載したラベルを、組織を検体容器に入れる前に容器本体に貼付することが定められている。ラベルの後貼りや、蓋体へのラベル貼付は、取り違え防止の目的から禁止されており、医療スタッフは、貼り付けたラベルの患者情報を確認した後に、採取組織を検体容器に入れる手順が徹底される。
[0006]
 しかしながらラベルの印刷や貼付は医療スタッフの手作業によるため、ラベルの紛失や貼付間違いなどのヒューマンエラーは発生しうる。そこで取り扱いマニュアルの遵守とは別に、検体取り違えの可能性を低減する仕組みを構築することが要望されている。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記課題を解決するために、本発明のある態様は、識別情報を有する検体容器のステータスを管理する医療情報処理装置に関し、医療情報処理装置は、検査に関する情報を取得する取得部と、検体容器の識別情報に、検査に関する情報を関連付ける関連付け部と、検体容器のステータスを設定するステータス管理部とを備える。ステータス管理部は、検体容器の動きに関する情報にもとづいて、検体容器のステータスを設定する。
[0008]
 なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施例にかかる医療支援システムの構成を示す図である。
[図2] 医療情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
[図3] 検体容器およびトレイの概略断面を示す図である。
[図4] 処理装置の機能ブロックを示す図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 図1は、実施例にかかる医療支援システム1の構成を示す。医療支援システム1は、観察装置10、医療情報処理装置50および画像サーバ52を備え、それらはLAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワーク2によって相互接続されている。医療情報処理装置50は、検査に関する情報を管理する管理サーバであってよい。
[0011]
 検査室3には、患者用ベッド4、物を置くための載置台5、検査室用RFID(radio frequency identifier)タグ8、AP(アクセスポイント)9および観察装置10が設けられる。内視鏡検査の開始前、医療スタッフは1つ以上の検体容器20a、20b(以下、特に区別しない場合には「検体容器20」と呼ぶ)をトレイ30に入れて、検査室3内に持ち込み、載置台5に置く。載置台5は、組織を検体容器20に入れる際の作業台として利用されてもよく、患者用ベッド4から近い位置に配置されることが好ましい。
[0012]
 図1では、1つの検査室3のみを示しているが、医療施設は、複数の検査室を有してよい。AP9は無線LAN機能を有し、無線LAN通信機と通信できる。検査室用RFIDタグ8は、検査室を識別する識別情報(検査室ID)を記録しており、RFIDリーダを検査室用RFIDタグ8に近づけると、検査室IDがRFIDリーダに読み出される。検査室用RFIDタグ8は、検査室3の入口付近に設置されてよい。後述するが、トレイ30はRFIDリーダおよび無線LAN通信モジュールを備えており、トレイ30を検査室3に持ち込む医療スタッフは、入室時にRFIDリーダに検査室用RFIDタグ8の検査室IDを読み取らせ、無線LAN通信モジュールから検査室IDを医療情報処理装置50に送信させる。これにより医療情報処理装置50は、トレイ30が検査室3に入ったことを認識する。
[0013]
 内視鏡6は観察装置10に接続される。内視鏡6は、固体撮像素子(たとえばCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ)および信号処理回路を備える。固体撮像素子は入射光を電気信号に変換し、信号処理回路は、固体撮像素子により光電変換された画像データに対して、A/D変換、ノイズ除去などの信号処理を施して、観察装置10に出力する。内視鏡6は、検査医がレリーズスイッチを押したタイミングで体内の静止画像を撮影する。
[0014]
 観察装置10の一つの重要な役割は、内視鏡6により撮影された検査画像を画像サーバ52に送信して記録させることであり、もう一つの重要な役割は、内視鏡6により取得されている映像をディスプレイ7にリアルタイムで表示させることである。前者の役割において、観察装置10は、内視鏡6のレリーズスイッチが押されると、内視鏡6の撮影画像に、検査を識別するための識別情報(検査ID)、撮影時刻を示す撮影時刻情報とを少なくともメタデータとして付加して、検査画像データを生成する。観察装置10は、画像サーバ52に検査画像データを送信し、画像サーバ52は、撮影画像データを記録する。
[0015]
 実施例の医療情報処理装置50は、検体容器20のステータスを管理する機能をもつ。検体容器20は、内視鏡検査等で採取した組織(検体)を入れるためのシャーレや試験管であり、トレイ30に入れられて検査室3に持ち込まれる。検体容器20には、原則として1つの検体が入れられるが、同一部位から採取された検体に関しては、複数の検体が検体容器20に入れられてもよい。
[0016]
 実施例において、医療情報処理装置50は、検体容器20を、以下の4つのステータスで管理する。
(1)予約なし
 「予約なし」ステータスは、検体容器20に検査が割り当てられておらず、使用予定のない状態を示す。検体容器20が容器棚に保管されている状態や、検体容器20が検査開始前の検査室3に持ち込まれた状態では、検体容器20のステータスは「予約なし」ステータスとなっている。
(2)使用予約
 「使用予約」ステータスは、検体容器20に検査が割り当てられて、当該検査での使用を予約された状態を示す。検体容器20に検査が割り当てられると、検体容器20のステータスは「予約なし」ステータスから「使用予約」ステータスに遷移する。「使用予約」ステータスでは、検体容器20が実際に使用されるか否かは確定していない。そのため検査で使用されず、検査の割り当てが解除されれば、検体容器20のステータスが「使用予約」ステータスから「予約なし」ステータスに戻る。
(3)使用可能性有り
 「使用可能性有り」ステータスは、検査中に、検体容器20が使用されている可能性が生じた状態を示す。後述するが、使用されている可能性が生じたことは、トレイ30に対する検体容器20の動きに関する情報にもとづいて判定される。一例として、トレイ30に入れられていた検体容器20が、トレイ30から取り出されると、検体容器20のステータスは「使用予約」ステータスから「使用可能性有り」ステータスに遷移する。
(4)使用済み
 「使用済み」ステータスは、検査で使用された状態を示す。検査で使用された状態にあることは、「使用可能性有り」ステータスにあった検体容器20がトレイ30に戻されたことにもとづいて判定される。検査終了後、「使用済み」ステータスにある検体容器20は病理室に運ばれ、組織標本の作製に用いられる。
[0017]
 図2は、医療情報処理装置50の機能ブロックを示す。医療情報処理装置50は、取得部60、検査特定部62、関連付け部64、ステータス管理部70、検査情報記憶部90およびステータス記憶部92を備える。ステータス管理部70は、検体容器20の動きに関する情報にもとづいて検体容器20のステータスを設定する機能を備え、特定部72、動き取得部74、判定部76、設定部78、情報要求部80および通知部82を有する。検査情報記憶部90は、検査情報を記憶し、ステータス記憶部92は、検体容器20の最新のステータスを記憶する。
[0018]
 これらの構成はハードウエア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
[0019]
 図3は、検体容器20およびトレイ30の概略断面を示す。ここでは2つの検体容器20a、20bがトレイ30に入れられている。検体容器20aは、容器本体22aおよび蓋体24aを有する。RFIDタグ26aは、検体容器20aの識別情報(容器ID:petri_dish_a)を記録したICタグであって、容器本体22aの底面の凹部領域に取り付けられる。なおRFIDタグ26aは容器本体側面に取り付けられてもよい。RFIDタグ26aはパッシブタイプのICタグであって、RFIDリーダからの電波をエネルギ源として動作してよい。
[0020]
 同様に検体容器20bも、容器本体22bおよび蓋体24bを有する。RFIDタグ26bは、検体容器20bの識別情報(容器ID:petri_dish_b)を記録したICタグであって、容器本体22bの底面の凹部領域に取り付けられる。RFIDタグ26bはパッシブタイプのICタグであってよい。以下、特に区別しない場合には、容器本体22a、22bを「容器本体22」、蓋体24a、24bを「蓋体24」、RFIDタグ26a、26bを「RFIDタグ26」と呼ぶこともある。
[0021]
 トレイ30は、上面を開放した比較的底の浅い収納容器であり、底面にRFIDリーダ32および処理装置34を取り付けられる。RFIDリーダ32および処理装置34は、図示しない電力源から電力を供給される。RFIDリーダ32は周囲に電波を発射し、RFIDタグ26a、26bからの反射波を受信する。RFIDタグ26aからの反射波には容器ID(petri_dish_a)が含まれ、RFIDタグ26bからの反射波には容器ID(petri_dish_b)が含まれる。RFIDリーダ32は、受信した反射波から容器IDを読み取り、容器IDを、そのときの受信強度とともに処理装置34に供給する。なおトレイ30は、検体容器20を収納する容器の一例であり、他の種類の収納容器に、RFIDリーダ32および処理装置34が設けられてもよい。
[0022]
 図4は、処理装置34の機能ブロックを示す。処理装置34は、取得部40、距離推定部42および通信部44を備える。通信部44は無線LAN通信モジュールであり、AP9と接続する。取得部40は、RFIDリーダ32から容器IDおよび受信強度を取得する。距離推定部42は、容器IDで特定される容器本体22とRFIDリーダ32との距離を、受信強度を用いて推定し、推定距離情報を通信部44に渡す。なお距離推定部42は、同じ容器本体22からの反射波の受信強度が所定値ないしは所定割合以上変化したときに、容器本体22とRFIDリーダ32との距離を推定してもよい。これにより受信強度の変化が小さければ、距離推定部42は距離推定処理をしなくてよいため、電力消費を抑えることができる。
[0023]
 なお距離推定部42の距離推定機能は、RFIDリーダ32に設けられて、RFIDリーダ32が推定距離を算出してもよい。この場合、RFIDリーダ32は、処理装置34に、RFIDタグ26の容器IDおよび推定距離情報を供給する。
[0024]
 検査開始前、医療スタッフは、検体容器20a、20bを入れたトレイ30を検査室3に運び込む。検査室3の入室時、医療スタッフは、トレイ30を検査室用RFIDタグ8に接近させる。検査室用RFIDタグ8はパッシブタイプのICタグであり、RFIDリーダ32からの電波を受けて検査室3の識別情報(検査室ID)をRFIDリーダ32に送信する。なお検査室用RFIDタグ8はアクティブタイプのICタグであってもよい。検査室用RFIDタグ8は、いずれのタイプであってもよく、検査室IDをRFIDリーダ32に送信する。
[0025]
 RFIDリーダ32は、受信した検査室3の検査室IDを処理装置34に供給する。取得部40が検査室IDを取得すると、通信部44は医療情報処理装置50に、トレイ30の識別情報(トレイID)とともに、検査室IDを送信する。
[0026]
 図2に戻り、医療情報処理装置50において、取得部60が、トレイ30のトレイIDおよび検査室3の検査室IDを取得し、ステータス管理部70に供給する。特定部72は、供給されたトレイIDおよび検査室IDから、トレイ30が検査室3に持ち込まれたことを特定する。
[0027]
 トレイ30が検査室3に持ち込まれたことが特定されると、情報要求部80は、トレイ30に対して、トレイ30に収納されている検体容器20の識別情報の送信を要求する。処理装置34において、取得部40が送信要求を取得すると、通信部44が、RFIDリーダ32から供給される検体容器20a、20bの容器IDを医療情報処理装置50に送信する。医療情報処理装置50において、取得部60がトレイ30のトレイID、検体容器20aの容器ID(petri_dish_a)、検体容器20bの容器ID(petri_dish_b)を取得し、特定部72は、トレイ30に、2つの検体容器20a、20bが収納されていることを特定する。
[0028]
 このとき関連付け部64は、検査室3において検査が実施されているか判定する。検査が実施されていれば、関連付け部64は、検査室3で実施されている検査に、検査室3に持ち込まれた検体容器20a、20bを関連付ける。この例では、検査開始前に特定部72が2つの検体容器20a、20bの容器IDを特定しており、この時点で検査はまだ開始されていない。医療スタッフは、検体容器20a、20bを入れたトレイ30を検査室用RFIDタグ8に接近させた後、載置台5の上に置く。
[0029]
 検査開始前、医療スタッフは、これから実施する検査の検査オーダを特定する。観察装置10が当日分の検査オーダのリストをディスプレイ7に表示し、医療スタッフがリストの中から1つの検査オーダを選択する。なお検査室3に別の端末装置が設置されて、その端末装置から検査オーダが選択されてもよい。検査オーダは、検査識別情報(検査ID)、検査予定日、検査種別、患者情報、検査医、検査予定時刻などの検査に関する情報を含んでいる。たとえば患者が患者情報を記録したリストバンドを腕に装着し、リストバンドの患者情報をリーダ装置で読み取ることで、その患者に対して発行されている検査オーダが自動選択されてもよい。
[0030]
 選択された検査オーダの情報は、検査室IDとともに医療情報処理装置50に送信される。取得部60は、検査室IDおよび検査オーダの情報を取得し、検査情報記憶部90に記憶させる。検査オーダの情報は、上記したように、検査ID、検査予定日、検査種別、患者情報、検査医、検査予定時刻などの検査に関する情報を含む。
[0031]
 検査室3において、内視鏡6が観察装置10に接続され、観察装置10の検査開始ボタンが操作されると、観察装置10は、医療情報処理装置50に検査開始情報を送信する。取得部60は検査開始情報を取得すると、検査開始時刻を検査IDに関連付けて検査情報記憶部90に記憶させる。なお検査終了時、観察装置10から検査終了情報が送信されると、取得部60は、検査終了時刻を検査IDに関連付けて検査情報記憶部90に記憶させる。
[0032]
 取得部60が検査開始情報を取得すると、関連付け部64は検査室IDにもとづいて、検体容器20の容器IDに、検査に関する情報を関連付ける。この例で関連付け部64は、検体容器20a、20bのそれぞれの容器IDに、検査室3で実施される検査に関する情報を関連付ける。ここで関連付けられる検査に関する情報は、検査IDを含み、さらには患者情報を含んでもよい。容器IDおよび関連付けられた検査に関する情報は、ステータス記憶部92に記憶されてよい。
[0033]
 関連付け部64が、検体容器20の容器IDに、検査に関する情報を関連付けたとき、設定部78は、検体容器20のステータスを「使用予約」ステータスに設定する。「使用予約」ステータスは、検体容器20に検査が割り当てられた状態を示す。ステータス記憶部92は、医療施設における全ての検体容器20の最新ステータスを記憶しており、設定部78は、検体容器20のステータスを変更すると、ステータス記憶部92のステータス値を更新する。
[0034]
 情報要求部80は、トレイ30に対して、検体容器20の推定距離情報の送信を要求する。処理装置34において、取得部40が送信要求を取得すると、通信部44が、距離推定部42で算出した検体容器20a、20bのそれぞれの推定距離情報を医療情報処理装置50に送信する。医療情報処理装置50において、取得部60がトレイ30のトレイID、検体容器20aの推定距離情報、検体容器20bの推定距離情報を取得し、動き取得部74に渡す。
[0035]
 動き取得部74は、検体容器20の推定距離情報を、トレイ30のRFIDリーダ32に対する検体容器20の動きに関する情報として取得する。なお実施例では、処理装置34における距離推定部42が推定距離を算出しているが、動き取得部74は、RFIDリーダ32における受信強度を処理装置34から取得して、検体容器20ごとに、容器本体22とRFIDリーダ32との距離を推定してもよい。
[0036]
 動き取得部74は、推定距離情報を周期的に取得してよい。この場合、情報要求部80は、周期的にトレイ30に対して、検体容器20の推定距離情報の送信を要求してよく、また処理装置34が、周期的に推定距離情報を送信することをプログラミングされていてもよい。なお距離推定部42が、受信強度が所定値または所定割合以上変化したときに推定距離を算出する場合は、通信部44は、距離推定部42で推定距離が算出されるたびに推定距離情報を医療情報処理装置50に送信し、動き取得部74が、推定距離情報を取得してよい。
[0037]
 判定部76は、推定距離情報を用いて、検体容器20がトレイ30から取り出されたかどうかを判定する。検体容器20がトレイ30から取り出されることは、検体容器20が、採取した組織の入れ物として使用される可能性が生じていることを意味する。判定部76は、推定距離情報で示される距離を用いて、検体容器20がトレイ30から離れたか否かを判定してよく、また時系列で取得された推定距離の変化量にもとづいて、検体容器20がトレイ30から離れたか否かを判定してもよい。
[0038]
 図3を参照して、検体容器20がトレイ30に入れられている場合、RFIDタグ26とRFIDリーダ32との最大距離は、通常のトレイ30の大きさであれば30cm程度である。絶対距離を判定基準とする場合、判定部76は、たとえば推定距離が50cm以上となると、検体容器20がトレイ30から取り出されたことを判定してよい。
[0039]
 また検体容器20がトレイ30に入れられている間、RFIDタグ26とRFIDリーダ32との距離は基本的に変化しない。そこで判定部76は、そのときの距離からの変化量が所定値を超えた場合に、検体容器20がトレイ30から取り出されたことを判定してもよい。
[0040]
 判定部76が、検体容器20がトレイ30から取り出されたことを判定すると、設定部78は、検体容器20のステータスを「使用可能性有り」ステータスに設定し、ステータス記憶部92のステータス値を更新する。「使用可能性有り」ステータスは、検体容器20が使用されている可能性が生じた状態を示す。
[0041]
 なおRFIDリーダ32によるID読み取り可能範囲は、RFIDリーダ32から送信される電波強度に応じて調整される。そのため検体容器20がトレイ30から取り出されると、RFIDリーダ32に、RFIDタグ26からの反射波が届かない大きさの送信強度が設定されてもよい。RFIDリーダ32が容器IDを受信できなくなると、処理装置34は、受信できなくなった容器IDを医療情報処理装置50に送信し、動き取得部74は、容器IDが受信できなくなったことを、検体容器20の動きに関する情報として取得する。判定部76は、容器IDが受信できなくなると、検体容器20がトレイ30から取り出されたことを判定してよい。
[0042]
 判定部76は、「使用可能性有り」ステータスにある検体容器20がトレイ30に戻されたか否かを判定する。トレイ30から離れたことを判定するときの基準と同様に、判定部76は、トレイ30に戻されたことを、推定距離情報で示される距離、または時系列で取得された推定距離の変化量にもとづいて判定してよい。たとえば判定部76は、検体容器20がトレイ30から離れる前の推定距離の最小値および最大値を記憶しておき、推定距離が最小値と最大値の範囲内にある場合に、検体容器20がトレイ30に戻されたことを判定してよい。
[0043]
 なお、検体容器20a、20bとは異なる容器IDをもつ検体容器20がトレイ30に入れられた場合、特定部72は、管理対象外の検体容器20がトレイ30に入れられたことを特定する。ここで管理対象外の検体容器20は、当該検査室3で実施される検査に関連付けられていない検体容器であり、たとえば他の検査室で実施される検査に関連付けられた容器を含む。このとき通知部82は、医療スタッフがもつ携帯型端末装置等に、対象外の検体容器20が入れられたことを通知することが好ましい。
[0044]
 判定部76が、検体容器20がトレイ30に戻されたことを判定すると、設定部78は、検体容器20のステータスを「使用済み」ステータスに設定し、ステータス記憶部92のステータス値を更新する。「使用済み」ステータスは、検体容器20が検査で使用された状態を示す。
[0045]
 検査終了時、観察装置10から検査終了情報が送信されると、設定部78は、当該検査に関連付けられた検体容器20a、20bの最終ステータスを確認する。このとき最終ステータスが「使用予約」または「使用済み」であれば問題ないが、「使用可能性有り」の場合、その検体容器20はトレイ30に戻されていない。そこで通知部82は、医療スタッフがもつ携帯型端末装置等に、検体容器20がトレイ30に戻されていないことを通知することが好ましい。
[0046]
 検査終了時のステータスが「使用予約」ステータスである場合、設定部78は、「使用予約」ステータスを「予約なし」ステータスに変更する。これにより検査への割当は解除され、別の検査に割当可能な状態になる。
[0047]
 以上のようにステータス記憶部92において検体容器20の最新のステータスが記憶されることで、検体の取り違えを防止できる。たとえば検体容器20が病理室に運ばれたとき、病理技師が、RFIDリーダで検体容器20の容器IDを読み取ると、病理室の端末装置に、検体容器20に関連付けられた検査に関する情報が表示されてよい。これにより仮に検体容器20に間違ったラベルが貼り付けされていても、管理されている検体容器20のステータスと異なっていれば、病理技師は、ヒューマンエラーが生じていることに気付ける。
[0048]
 以上、本発明を複数の実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
[0049]
 実施例では、容器本体22にRFIDタグ26を取り付けたが、蓋体24にもRFIDタグを取り付けてもよい。距離推定部42は、容器本体22とRFIDリーダ32との間の推定距離と、蓋体24とRFIDリーダ32との間の推定距離をそれぞれ算出し、通信部44が、それぞれの推定距離情報を医療情報処理装置50に送信する。
[0050]
 判定部76は、容器本体22の推定距離と蓋体24の推定距離の関係から、蓋体24が容器本体22から外されたか否かを判定する。容器本体22に組織を入れる際、蓋体24は必ず容器本体22から外される。そこで2つの推定距離情報から蓋体24と容器本体22の推定距離の差分が所定値を超えたことを条件として、設定部78は、検体容器20がトレイ30に戻されたときに、検体容器20のステータスを「使用済み」ステータスに設定してもよい。
[0051]
 また実施例では、RFIDリーダ32を、検体容器20の収納容器であるトレイ30に取り付けたが、収納容器の載置台5にRFIDリーダを取り付けてもよい。

符号の説明

[0052]
1・・・医療支援システム、20a,20b・・・検体容器、22a,22b・・・容器本体、26a,26b・・・RFIDタグ、30・・・トレイ、32・・・RFIDリーダ、34・・・処理装置、40・・・取得部、42・・・距離推定部、44・・・通信部、50・・・医療情報処理装置、52・・・画像サーバ、60・・・取得部、62・・・検査特定部、64・・・関連付け部、70・・・ステータス管理部、72・・・特定部、74・・・動き取得部、76・・・判定部、78・・・設定部、80・・・情報要求部、82・・・通知部、90・・・検査情報記憶部、92・・・ステータス記憶部。

産業上の利用可能性

[0053]
 本発明は、検体容器を管理する技術に利用できる。

請求の範囲

[請求項1]
 識別情報を有する検体容器のステータスを管理する医療情報処理装置であって、
 検査に関する情報を取得する取得部と、
 前記検体容器の識別情報に、検査に関する情報を関連付ける関連付け部と、
 前記検体容器のステータスを設定するステータス管理部と、を備え、
 前記ステータス管理部は、前記検体容器の動きに関する情報にもとづいて、前記検体容器のステータスを設定する、
 ことを特徴とする医療情報処理装置。
[請求項2]
 前記検体容器のステータスは、関連付けられた検査での使用を予約された使用予約ステータスと、関連付けられた検査で使用された使用済みステータスとを含む、
 ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報処理装置。
[請求項3]
 前記関連付け部が、前記検体容器の識別情報に、検査に関する情報を関連付けたとき、前記ステータス管理部は、前記検体容器のステータスを、使用予約ステータスに設定する、
 ことを特徴とする請求項2に記載の医療情報処理装置。
[請求項4]
 前記ステータス管理部は、前記検体容器と識別情報のリーダとの間の距離に応じて、前記検体容器のステータスを設定する、
 ことを特徴とする請求項3に記載の医療情報処理装置。
[請求項5]
 前記ステータス管理部は、前記検体容器と識別情報のリーダとの間の距離が変化すると、使用予約ステータスを、別のステータスに変更する、
 ことを特徴とする請求項4に記載の医療情報処理装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]