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1. WO2020121453 - 露出表面の洗浄方法および洗浄剤

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明 細 書

発明の名称 露出表面の洗浄方法および洗浄剤

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 露出表面の洗浄方法および洗浄剤

技術分野

[0001]
 本発明は、洗浄剤を塗布して実施する露出表面の洗浄方法および洗浄剤に関する。

背景技術

[0002]
 従来、大気にさらされる自動車の窓ガラスなどの露出表面に、うろこ状に付着した雨や潮風による染みなどの汚れは、研磨剤入りの洗浄剤を用いて除去することが一般的である(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2004-231767号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、上述のような露出表面に強固に固着したうろこ状の汚れに対しては、研磨剤によっても確実に除去することが困難であり、汚れが残留する可能性が高く、研磨剤で露出表面を傷つけるという問題もある。また大がかりな除去装置を用いて機械的に除去する方法でも、その除去装置で露出表面を傷つけるおそれがある。
[0005]
 本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、種々露出表面に固着した汚れを確実に、かつ露出表面を傷つけることなく除去する、露出表面の洗浄方法およびその方法に用いられる洗浄剤を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記目的を達成するために、本発明の露出表面の洗浄方法は、塩酸を含有した洗浄剤を洗浄対象物の露出表面に塗布し、前記洗浄剤が塗布された前記露出表面に温風を当て、前記露出表面を拭くことを特徴とする。
[0007]
 また、本発明の洗浄剤は、洗浄対象物の露出表面に塗布して固着汚れを除去する洗浄剤であって、塩酸とフッ化アンモニウムとをすくなくとも含有したことを特徴とする。

発明の効果

[0008]
 本発明の露出表面の洗浄方法は上述した手順とされているため、種々露出表面に固着した汚れを確実に、かつ露出表面を傷つけることなく除去することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の一実施形態に係る露出表面の洗浄方法の手順を示すフローチャートである。
[図2] 同実施形態の実施例に係る、露出表面の洗浄方法の実施前後の状態を示す写真である。
[図3] 同実施形態の実施例に係る、露出表面の洗浄方法を実施した後の自動車の窓ガラス面の部分拡大写真である。
[図4] (a)~(c)は、比較例1-3の洗浄方法を実施した後の自動車の窓ガラス面の部分拡大写真である。
[図5] (a)~(c)は、比較例4-6の洗浄方法を実施した後の自動車の窓ガラス面の部分拡大写真である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
[0011]
 本実施形態に係る、露出表面の洗浄方法(以下、たんに洗浄方法という)は、塩酸を含有した洗浄剤を洗浄対象物の露出表面に塗布し、洗浄剤が塗布された露出表面に温風を当て、露出表面を拭く各工程をすくなくとも実施するものである。
 以下、詳述する。
[0012]
 本洗浄方法が適用される洗浄対象物としては、自動車の窓(フロントガラスやサイドガラス、リアガラスなど)に限定されず、列車・航空機・ビル・住戸等の窓はもちろん自動車の車体、ソーラーパネル、信号機や看板など、外気・雨風に晒される露出表面を有した種々の物体が挙げられる。ここで、露出表面には、人目にさらされる面だけではなく、外観の露出がなくても大気にさらされる面も含まれる。
[0013]
 また、上述したように、洗浄剤には塩酸が含まれているため、安全性が配慮された、中古車を整備する自動車工場や列車部品を整備する車両工場などで行う作業に適している。住戸の窓ガラスなども洗浄対象物とされ得るが、これについても工場等で実施することが望ましい。
[0014]
 本洗浄方法に用いられる洗浄剤は、研磨剤を含んでいない。洗浄剤は、10重量%未満の塩酸を含有してなるが、本実施形態では、さらに約5重量%フッ化アンモニウム、ノニオン系界面活性剤および水を含有している。
[0015]
 また、以下に説明する洗浄方法には、洗浄剤のほか、洗浄方法における仕上げ工程に保護剤が用いられる。この保護剤は、石油系溶剤、研磨剤およびワックスを含有してなる。
[0016]
 ついで、図1のフローチャートを参照しながら、洗浄方法の手順を具体的に説明する。なお、本実施形態に係る洗浄方法の洗浄対象物として、自動車のリアガラスを実施例に挙げて説明する。図2は洗浄方法の実施前後のリアガラスの写真であり、図3は洗浄方法の実施後の部分拡大写真である。
[0017]
 図2(a)に示してあるように、洗浄方法実施前のリアガラスのほぼ全面には、うろこ状の汚れが固着している。このうろこ状の汚れは、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ性物質が主たる成分とされる。
 以下、各工程を図1に沿って順次説明する。
[0018]
(a)塗布工程(図1のS101)
 洗浄作業者は、洗浄工場などにおいて、耐油手袋およびマスクを着用したうえで、洗浄剤を汚れが付着したリアガラスの露出表面に塗布する。塗布具としては、メラミンスポンジやウエスなどを用いればよい。
[0019]
 塗布後には、リアガラスの露出表面(以下、リアガラス面と略す)上では、うろこ状の汚れと塩酸とによる化学反応が起こり始める。また、洗浄剤に含まれるフッ化アンモニウムがリアガラス面をわずかに侵食していく。
[0020]
(b)温風加熱工程(図1のS102)
 リアガラス面に塗布した洗浄剤が乾燥しないうちに、工業用のホットドライヤーなどを用いて、リアガラス面に温風を当て加熱する。リアガラス面が乾燥するまで、約2,3分間、温風を当てるのが望ましい。温風の温度は夏季で100~150℃、冬季で150~200℃とすることが望ましいが、施工を行う場所の湿度、気候によってはこれには限らない。なお、この温度範囲は、発明者らの試験により、最適なものとして見出されたものである。
[0021]
 温風を当てることで、上記化学反応による生成物はリアガラス面において徐々に乾いていき、乾燥固体化し、リアガラス面との固着がおおむね溶解し、剥がれ落ちるように汚れがリアガラス面から分離されやすくなる。このときの表面を拡大鏡で観察するとささくれたような表面が確認できる。
[0022]
(c)除去工程(図1のS103)
 温風を止め、布やクロスなどの拭き取り具でリアガラス面を拭き、化学反応により生成されたリアガラス面上の生成物や、フッ化アンモニウムとガラスとの化学反応により生成された変化生成物を拭き取り、除去する。なお、この拭き取り作業は温風を当てながら行ってもよい。
[0023]
 この生成物は、塩酸とアルカリ性物質との中和反応により生成された塩化カルシウム、塩化ナトリウム等と想定され、白い固体として、除去が容易な状態にリアガラス面に付着している。
[0024]
(d)仕上げ工程(図1のS104、S105)
 上記除去工程の実施で、うろこ状の汚れはほとんど除去される。そのままでも美麗な状態ではあるが、その状態のままにはせず、さらに保護剤をリアガラス面に塗布することが望ましい。この保護剤は乾いたのちに拭き取ればよい。
[0025]
 保護剤に含まれる研磨剤としては、10μm以下の微粒子のものを用いることが望ましい。保護剤を塗布することで、微粒子状の研磨剤がリアガラス面上の微細な凹凸に埋められ、リアガラス面はさらに平滑化される。
[0026]
 より具体的には、研磨剤として、研磨力が耐水ペーパーの番手が1500番(10μm)~10000番以上(0.5μm前後)の微粒子研磨剤が好適とされる。研磨剤としては、上述の洗浄剤によって汚れはすでに除去されているので、汚れを落とすために研磨するための粗い粒子の研磨剤は必要としない。つまり、ここで用いる研磨剤は、リアガラス面の微細な凹凸に入り込む程度の上記大きさ程度の粒子で、表面が限りなく平坦になるようなじませるためのものである。
[0027]
 また、保護剤に含まれる石油系溶剤としてはミネラルスピリットが好適に用いられ、ワックスとしては天然、合成を問わないが、植物由来のワックスの中でもカルナバロウが好適に用いられる。また保護剤にはシリコンポリマーやフッ素ポリマーが含有されていることが望ましい。特にフッ素ポリマーを含有させることで保護剤に耐熱性・撥水性を付与できる上、リアガラス面のコーティング効果が長く続きし、輝き・光沢を維持できる。
[0028]
 発明者らの試験によれば、以上に示した洗浄方法を実施することにより、実施前のリアガラス面に付着したうろこ状の汚れ(図2(a)参照)はほとんど残留することなくきれいに除去され、実施後のリアガラス面には、うろこ状の汚れや他の汚れはほとんど見当たらない(図2(b)および図3参照)。
[0029]
 上述の仕上げ工程では、ポリッシャーを使用してもよい。クロスやウエスを使って保護剤を塗り込んでもよいが、ポリッシャーを使用するとより一層新品のような輝き・光沢が蘇る仕上げにすることができる。ここで使用されるポリッシャーは、シングルポリッシャー、ランダムポリッシャー、オービルサンダー等、特に限定されるものではない。ポリッシャーを使用しバフ仕上げを行うと、バフとリアガラス面との間に摩擦熱が発生し、その熱によって保護剤に含まれたフッ素等が圧着しより一層、美しい仕上がりが実現できる。なお、丁寧なバフ仕上げにより、仕上がりは美しくなるが、摩擦熱を入れ過ぎないように留意が必要である。
[0030]
 ついで、この実施例と、市販されている複数の自動車窓ガラス用クリーナーによる清浄例とを、拡大写真を参照しながら比較評価する。これらのクリーナーを用いてリアガラス面を洗浄したのちの部分拡大写真(拡大鏡を撮影)を、図4(a)~(c)および図5(a)~(c)に示した。
[0031]
 比較例としては、つぎのクリーナーを用いた。
 比較例1(株式会社ウィルソン製)・・・主成分:研磨剤
 比較例2(株式会社リンレイ製)・・・主成分:研磨剤
 比較例3(シーシーアイ株式会社製)・・・主成分:研磨剤
 比較例4(株式会社ソフト99コーポレーション製)・・・主成分:研磨剤
 比較例5(株式会社リンレイ製)・・・主成分:研磨剤、油膜落とし用
 比較例6(リスロン株式会社製)・・・主成分:研磨剤
[0032]
 以上のように、比較例1~6に係る各クリーナーは研磨剤を含んでいる。比較例5のものは上記のように油膜落としを目的としたものであるが、それ以外のものは、雨染み(ウォータースポット)の除去を目的とした商品である。なお、上記6例は、溶剤や研磨剤の粒径、他の副成分については比較例ごとに異なるが、それらについては説明を割愛する。
[0033]
 図4(a)は比較例1に、図4(b)は比較例2に、図4(c)は比較例3に、図5(a)は比較例4に、図5(b)は比較例5に、図5(c)は比較例6に、それぞれ対応している。これらの各図の拡大写真を参照してもわかるように、全比較例に係る各クリーナーで洗浄した後でも、うろこ状の汚れは除去できなかった。
[0034]
 上記比較試験によれば、研磨剤を含有しない洗浄剤を用いた本実施形態に係る洗浄方法が、ガラス面に付着したうろこ状の汚れを除去するのに適していることが判明した。また、研磨剤や除去具を用いないため、それらによる傷がつかない点でも、本洗浄方法は効果的である。
[0035]
 この洗浄方法による効果を以下にまとめる。
(a)洗浄剤の塩酸と汚れ成分との化学反応により、生成物がガラス面から分離容易なように生成されるため、研磨剤などを用いて物理的、機械的に除去する方法にくらべ、表面が傷つくことなく、ほぼ確実に汚れを除去することができる。
(b)洗浄剤塗布後に温風を当てているため、生成物は粉末状あるいは粒状などの固体状に乾燥し、ガラス面から除去しやすい状態になり、布などによる拭き取りがさらにしやすくなる。
(c)洗浄剤にはフッ化アンモニウムが含まれているため、この成分がガラス面をわずかに侵食していく。そのため、汚れ(生成物)を根こそぎ拭き取り除去することができる。
(d)フッ化アンモニウムによりガラス面をわずかに溶かすが、ガラス面に保護剤を塗布する仕上げ工程を実施することで、保護剤に含まれる研磨剤がガラス面上の微細な凹凸を平滑化し、ガラス面を美麗な状態にすることができる。
[0036]
 以上の実施形態の例では、洗浄対象物の例としてガラスの例を挙げたが、ガラスには限られず、樹脂や金属などでもよい。ようするに露出表面を有した物体であればよく、上述したように、車体やビル、住宅の窓ガラス、ソーラーパネルなどであってもよい。ただし洗浄対象物としては、洗浄剤が浸透しない物体であることが望ましく、塩酸と化学反応にて変化しない物体であることが望ましい。
[0037]
 ソーラーパネルの場合、雨を直接受ける箇所に設置され、しかも洗浄、保守の頻度も少ないため、露出表面の全体にうろこ状の汚れが付着する可能性が高い。すでに使用されたソーラーパネルに対し本洗浄方法を実施することで、最大25%のエネルギー変換効率が上昇したという試験結果が得られている。
[0038]
 また、ガラス以外の洗浄対象物を対象とする場合、フッ化アンモニウムを含有しない洗浄剤を用いてもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 塩酸を含有した洗浄剤を洗浄対象物の露出表面に塗布し、
 前記洗浄剤が塗布された前記露出表面に温風を当て、
 前記露出表面を拭くことを特徴とする、露出表面の洗浄方法。
[請求項2]
 請求項1において、
 前記洗浄剤はフッ化アンモニウムを成分として含んでおり、前記露出表面はガラス面であること特徴とする、露出表面の洗浄方法。
[請求項3]
 請求項1または2において、
 前記露出表面を拭いた後に、研磨剤を含有した保護剤を前記露出表面に塗布することを特徴とする、露出表面の洗浄方法。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれか1項において、
 前記温風の温度は100~200℃とされることを特徴とする、露出表面の洗浄方法。
[請求項5]
 洗浄対象物の露出表面に塗布して固着汚れを除去する洗浄剤であって、
 塩酸とフッ化アンモニウムとをすくなくとも含有したことを特徴とする洗浄剤。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]