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1. WO2020116602 - 可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物、キット、産生細胞および製造方法

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明 細 書

発明の名称 可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導キット、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞の製造方法および可溶型MHCクラスII分子の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

非特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162  

実施例

0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224  

産業上の利用可能性

0225  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導キット、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞の製造方法および可溶型MHCクラスII分子の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導キット、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞の製造方法および可溶型MHCクラスII分子の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 血清中には、可溶型主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII分子(以下、「sMHCII分子」ともいう)が存在することが知られている(非特許文献1)。sMHCII分子は、生体内において免疫寛容等の誘導に働いていると考えられている(非特許文献2)。
[0003]
 MHCクラスII分子とペプチドの複合体とを認識するT細胞の検出を行なうために、sMCHII分子の各構成要素およびそれにローディングされるペプチドから、MHCクラスII分子とペプチドとの複合体の二量体(ダイマー)や、四量体(テトラマー)等が製造されている。

先行技術文献

非特許文献

[0004]
非特許文献1 : S. Marios-Frankiskos et.al., “Serum-derived MHC class II molecules: potent regulators of the cellular and humoral immune response”, Immunobiology, vol. 215, 2010, pages 194-205
非特許文献2 : K. Bakela et.al., “Soluble MHC-II proteins promote suppressive activity in CD4+ T cells”, Immunology, vol. 144, 2015, pages 158-169

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、sMHCII分子は、大腸菌を用いてMHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖のモノマーを合成および精製後、両者をフォールディングおよび複合体化することにより製造される。このため、sMHCII分子の製造には、手間がかかるという問題があった。
[0006]
 そこで、本発明は、新たなsMHCII分子の産生誘導組成物、sMHCII分子の産生細胞、sMHCII分子の産生細胞の製造方法およびsMHCII分子の製造方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 前記目的を達成するために、本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物(以下、「組成物」ともいう)は、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む。
[0008]
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生誘導キット(以下、「キット」ともいう)は、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む。
[0009]
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞(以下、「産生細胞」ともいう)は、外来性のCD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む。
[0010]
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞の製造方法(以下、「細胞の製造方法」ともいう)は、細胞に、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入する導入工程を含む。
[0011]
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の製造方法は、前記本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞において、可溶型MHCクラスII分子を発現させる発現工程を含む。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、新たなsMHCII分子の産生誘導組成物、sMHCII分子の産生細胞、sMHCII分子の産生細胞の製造方法およびsMHCII分子の製造方法を提供できる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、実施例1における野生型マウスにおけるCD74のアリルと、CD74ノックアウトマウスの作製に使用したCD74のアリルを示す模式図である。
[図2] 図2は、実施例1のフローサイトメーターの結果を示すヒストグラムである。
[図3] 図3は、実施例1における血清中のsMHCII分子の発現量を示すグラフである。
[図4] 図4は、実施例2のフローサイトメーターの結果を示すヒストグラムである。
[図5] 図5は、実施例2における培養上清におけるsMHCII分子の発現量を示すグラフである。
[図6] 図6は、実施例3におけるゲル濾過による分画で得られた各画分の結果を示すグラフである。
[図7] 図7は、実施例4における培養上清におけるsMHCII分子の発現量を示すグラフである。
[図8] 図8は、実施例5におけるMHCクラスII分子とI-Eaの52~68番目のポリペプチドとの複合体の発現量およびMHCクラスII分子の発現量を示すグラフである。
[図9] 図9は、実施例6における培養上清中のsMHCII分子の発現量を示すグラフである。
[図10] 図10は、実施例7における培養上清中のsMHCII分子の発現量を示すグラフである。
[図11] 図11は、実施例8における培養上清中のsMHCII分子の相対的な発現量を示すグラフである。
[図12] 図12は、実施例9における培養上清中のsMHCII分子の相対的な発現量を示すグラフである。
[図13] 図13は、実施例10における培養上清中のsMHCII分子の相対的な発現量を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0014]
<可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物>
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物は、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む。本発明の組成物は、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含むことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の組成物によれば、例えば、本発明の組成物を細胞(宿主)に取り込まれるように接触させることで、すなわち、細胞内に導入することで、前記細胞において、sMHCII分子の産生を誘導できる。
[0015]
 本発明者らは鋭意研究の結果、細胞におけるsMHCII分子の産生経路にCD74タンパク質が関与していることを見出した。そして、MHCクラスII分子を発現する細胞において、CD74タンパク質を発現させることにより、前記細胞がsMHCII分子を産生することを確認し、本発明を確立するに至った。本発明の組成物は、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含むため、例えば、前述のように、本発明の組成物を細胞内に導入することで、前記細胞においてsMHCII分子の産生を誘導できる。このため、本発明の組成物によれば、MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖を合成および精製後、両者をフォールディングおよび複合体化する製造方法(フォールディング法)と比較して、sMHCII分子を簡便に製造できる。また、本発明の組成物を導入された細胞内で製造されるMHCクラスII分子は、例えば、前記細胞内での通常のMHCクラスII分子の生成プロセスで製造されるため、正しくフォールディングされた後に、sMHCII分子として放出される。このため、本発明の組成物によれば、例えば、フォールディング法と比較して、効率よく正しくフォールディングされたsMHCII分子を製造することができる。
[0016]
 本発明において、「sMHCII分子の産生誘導」は、sMHCII分子を産生しない、または検出限界以下のsMHCII分子を産生する細胞(宿主)を、sMHCII分子を産生する、または検出限界以上のsMHCII分子を産生する細胞(宿主)とすることを意味してもよいし、sMHCII分子を産生する、または検出限界以上のsMHCII分子を産生する細胞(宿主)において、本発明の組成物を導入していない対照群と比較して、sMHCII分子の産生量を有意に増加させることを意味してもよい。後者の場合、本発明の組成物は、例えば、sMHCII分子の産生増強組成物ということもできる。前記sMHCII分子の産生量は、例えば、後述の実施例1に準じてIP-FCM(immunoprecipitation detected by flow cytometry)により測定できる。
[0017]
 本発明において、「可溶型MHCクラスII分子」は、細胞膜に固定されていないMHCクラスII分子、すなわち、非膜型のMHCクラスII分子を意味する。本発明において、前記可溶型MHCクラスII分子は、例えば、MHCクラスII分子の単量体であり、α鎖およびβ鎖から構成される。sMHCII分子は、例えば、そのペプチド結合溝(peptide binding groove)にペプチドがローディングされていてもよいし、タンパク質またはその断片の一部がローディングされてもよい。sMHCII分子は、例えば、細胞膜、すなわち、脂質二重膜を含まない。また、sMHCII分子は、2量体、3量体、4量体等の多量体を形成してもよい。
[0018]
 CD74タンパク質は、例えば、MHCクラスII分子と複合体を形成するタンパク質であり、HLA class II histocompatibility antigen gamma chain、HLA-DR antigens-associated invariant chain、またはインバリアント鎖(invariant chain)としても知られている。
[0019]
 CD74タンパク質の由来は、特に制限されず、例えば、ヒトおよびヒトを除く非ヒト動物があげられる。前記非ヒト動物は、例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、ウサギ、ヒツジ、ウマ、モルモット、ネコ等があげられる。CD74タンパク質の由来は、例えば、本発明の組成物の使用対象である細胞と同種でもよいし、異種でもよい。
[0020]
 CD74タンパク質としては、例えば、以下のタンパク質が例示できる。ヒト由来CD74タンパク質は、例えば、p33アイソフォーム、p35アイソフォーム、p41アイソフォーム、またはp43アイソフォームがあげられる。ヒトCD74タンパク質p33アイソフォームは、例えば、GenBankアクセッションNo. CAA25193.1で登録されているアミノ酸配列(配列番号1)からなるタンパク質等があげられる。ヒトCD74タンパク質p35アイソフォームは、例えば、GenBankアクセッションNo. NP_004346.1で登録されているアミノ酸配列(配列番号2)からなるタンパク質等があげられる。ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームは、例えば、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質等があげられる。ヒトCD74タンパク質p43アイソフォームは、例えば、GenBankアクセッションNo. NP_001020330.1で登録されているアミノ酸配列(配列番号4)からなるタンパク質等があげられる。マウス由来CD74タンパク質は、例えば、p31アイソフォームまたはp41アイソフォームがあげられる。マウスCD74タンパク質p31アイソフォームは、例えば、GenBankアクセッションNo. NP_034675.1で登録されているアミノ酸配列(配列番号5)からなるタンパク質等があげられる。マウスCD74タンパク質p41アイソフォームは、例えば、GenBankアクセッションNo. NP_001036070.1で登録されているアミノ酸配列(配列番号6)からなるタンパク質等があげられる。CD74タンパク質がヒトCD74タンパク質の場合、前記ヒトCD74タンパク質は、例えば、より高いヒトsMHCII分子の産生誘導能を示すことから、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p35アイソフォーム、またはヒトCD74タンパク質p41アイソフォームが好ましい。各CD74タンパク質のアイソフォームは、例えば、単独で、高いヒトsMHCII分子の産生誘導能を示すことから、後述のHLA-DMα鎖および/またはHLA-DMβ鎖、またはこれらのポリヌクレオチドと共存させなくてもよい。また、CD74タンパク質は、例えば、より高いsMHCII分子、特に、マウスsMHCII分子の産生誘導能を示すことから、後述の産生増強配列を含むCD74タンパク質のアイソフォームが好ましく、具体例として、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p43アイソフォーム、またはマウスCD74タンパク質p41アイソフォームがより好ましい。これらのCD74タンパク質のアイソフォームは、後述するように、sMHCII分子の産生を増強するsMHCII分子の産生増強配列を有する。
[0021]
ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム(配列番号1)
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[0022]
ヒトCD74タンパク質p35アイソフォーム(配列番号2)
MHRRRSRSCREDQKPV MDDQRDLISNNEQLPMLGRRPGAPESKCSRGALYTGFSILVTLLLAGQATTAYFLYQQQGRLDKLTVTSQNLQLENLRMK[LPKPPKPVSKMRMATPLLMQALPM]GALPQGPMQNATKYGNMTEDHVMHLLQNADPLKVYPPLKGSFPENLRHLKNTMETIDWKVFESWMHHWLLFEMSRHSLEQKPTDAPPKESLELEDPSSGLGVTKQDLGPVPM
[0023]
ヒトCD74タンパク質p41アイソフォーム(配列番号3)
MDDQRDLISNNEQLPMLGRRPGAPESKCSRGALYTGFSILVTLLLAGQATTAYFLYQQQGRLDKLTVTSQNLQLENLRMK[LPKPPKPVSKMRMATPLLMQALPM]GALPQGPMQNATKYGNMTEDHVMHLLQNADPLKVYPPLKGSFPENLRHLKNTMETIDWKVFESWMHHWLLFEMSRHSLEQKPTDAPPK[ VLTKCQEEVSHIPAVHPGSFRPKCDENGNYLPLQCYGSIGYCWCVFPNGTEVPNTRSRGHHNCS]ESLELEDPSSGLGVTKQDLGPVPM
[0024]
ヒトCD74タンパク質p43アイソフォーム(配列番号4)
MHRRRSRSCREDQKPV MDDQRDLISNNEQLPMLGRRPGAPESKCSRGALYTGFSILVTLLLAGQATTAYFLYQQQGRLDKLTVTSQNLQLENLRMK[LPKPPKPVSKMRMATPLLMQALPM]GALPQGPMQNATKYGNMTEDHVMHLLQNADPLKVYPPLKGSFPENLRHLKNTMETIDWKVFESWMHHWLLFEMSRHSLEQKPTDAPPK[ VLTKCQEEVSHIPAVHPGSFRPKCDENGNYLPLQCYGSIGYCWCVFPNGTEVPNTRSRGHHNCS]ESLELEDPSSGLGVTKQDLGPVPM
[0025]
マウスCD74タンパク質p31アイソフォーム(配列番号5)
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[0026]
マウスCD74タンパク質p41アイソフォーム(配列番号6)
MDDQRDLISNHEQLPILGNRPREPERCSRGALYTGVSVLVALLLAGQATTAYFLYQQQGRLDKLTITSQNLQLESLRMK[LPKSAKPVSQMRMATPLLMRPMSM]DNMLLGPVKNVTKYGNMTQDHVMHLLTRSGPLEYPQLKGTFPENLKHLKNSMDGVNWKIFESWMKQWLLFEMSKNSLEEKKPTEAPPK[ VLTKCQEEVSHIPAVYPGAFRPKCDENGNYLPLQCHGSTGYCWCVFPNGTEVPHTKSRGRHNCS]EPLDMEDLSSGLGVTRQELGQVTL
[0027]
 CD74タンパク質は、例えば、下記(P1)、(P2)または(P3)のアミノ酸配列からなるタンパク質(ポリペプチド)でもよい。
(P1)各種動物由来のCD74タンパク質のアミノ酸配列からなるタンパク質
(P2)前記(P1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質
(P3)前記(P1)のアミノ酸配列に対して、50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質
[0028]
 前記(P1)において、各種動物由来のCD74タンパク質のアミノ酸配列は、例えば、配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列があげられる。前記ヒトおよびマウス以外の動物由来のCD74タンパク質は、例えば、前記ヒトCD74タンパク質および前記マウスCD74タンパク質の少なくとも一方のアミノ酸配列に基づき、アミノ酸配列の相同性を用いて同定してもよい。前記ヒトおよびマウス以外の動物由来のCD74タンパク質は、例えば、前記ヒトCD74タンパク質および前記マウスCD74タンパク質の少なくとも一方のアミノ酸配列を参照配列とし、BLAST、FASTA等の解析ソフトウェアを用いて同定できる。
[0029]
 前記(P2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(P2)が、sMHCII分子の産生誘導活性を有する範囲、すなわち、使用対象の細胞内に導入することで、前記細胞においてsMHCII分子の産生を誘導できる範囲であればよい。前記(P2)の「1もしくは数個」は、前記(P1)のアミノ酸配列において、例えば、1~150個、1~135個、1~120個、1~105個、1~90個、1~75個、1~60個、1~45個、1~30個、1~20個、1~10個、1~9個、1~5個、1~3個、1または2個である。
[0030]
 前記(P3)において、「同一性」は、例えば、前記(P3)が、sMHCII分子の産生誘導活性を有する範囲、すなわち、使用対象の細胞内に導入することで、前記細胞においてsMHCII分子の産生を誘導できる範囲であればよい。前記(P3)の「同一性」は、前記(P1)のアミノ酸配列に対して、例えば、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。前記同一性は、例えば、BLAST、FASTA等の解析ソフトウェアを用いて、デフォルトのパラメータにより算出できる(以下、同様)。
[0031]
 前記(P2)および(P3)のタンパク質は、各種動物由来のアミノ酸配列において、CLIPペプチドをコードするアミノ酸配列(CLIP配列)が保存されることが好ましい。前記CLIP配列は、前記配列番号1~6のアミノ酸配列において、括弧で囲った下線無しのアミノ酸配列である。具体例として、ヒト由来のCLIP配列は、例えば、下記配列番号7のアミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。また、マウス由来のCLIP配列は、例えば、下記配列番号8のアミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。前記CLIP配列が保存される場合、保存されるアミノ酸は、前記CLIP配列における全アミノ酸でもよいし、一部のアミノ酸でもよい。後者の場合、前記保存されるアミノ酸は、配列番号7または8のアミノ酸配列において下線で示すアミノ酸であることが好ましい。また、後者の場合、保存されないアミノ酸は、特に制限されないが、後述の保存的アミノ酸置換に該当するアミノ酸が好ましい。
[0032]
ヒト由来のCLIP配列(配列番号7)
LPKPP KPVSK MRMATPLLMQALPM
[0033]
マウス由来のCLIP配列(配列番号8)
LPKSA KPVSQ MRMATPLLMRPMSM
[0034]
 前記(P2)および(P3)のタンパク質において、各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(P2)および(P3)のタンパク質は、sMHCII分子の産生増強配列が保存されることが好ましい。前記産生増強配列が保存されることにより、前記(P2)および(P3)のタンパク質は、例えば、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p43アイソフォームおよびマウスCD74タンパク質p41アイソフォームにおける高いsMHCII分子、特に、マウスsMHCII分子の産生誘導能を維持できる。前記産生増強配列は、前記配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列において、括弧で囲った下線で示すアミノ酸配列である。具体例として、ヒト由来の産生増強配列は、例えば、下記配列番号9のアミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。また、マウス由来の産生増強配列は、例えば、下記配列番号10のアミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。前記産生増強配列が保存される場合、保存されるアミノ酸は、前記産生増強配列における全アミノ酸でもよいし、一部のアミノ酸でもよい。後者の場合、前記保存されるアミノ酸は、配列番号9または10のアミノ酸配列において下線で示すアミノ酸であることが好ましい。また、後者の場合、保存されないアミノ酸は、特に制限されないが、後述の保存的アミノ酸置換に該当するアミノ酸が好ましい。
[0035]
ヒト由来の産生増強配列(配列番号9)
VLTKCQEEVSHIPAVHPGS FRPKCDENGNYLPLQCY GSIGYCWCVFPNGTEVPN TR SRGH HNCS
[0036]
マウス由来の産生増強配列(配列番号10)
VLTKCQEEVSHIPAVYPGA FRPKCDENGNYLPLQCH GSTGYCWCVFPNGTEVPH TK SRGR HNCS
[0037]
 前記(P2)および(P3)のタンパク質において、前記(P2)および(P3)のタンパク質は、sMHCII分子のエンドソームへのターゲティング配列(シグナル配列)が欠失されてもよい。前記ターゲティング配列は、前記配列番号1~6のアミノ酸配列において、括弧無しの下線で示すアミノ酸配列である。具体例として、ヒト由来のターゲティング配列は、例えば、下記配列番号11のアミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。また、マウス由来のターゲティング配列は、例えば、下記配列番号12のアミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。
[0038]
ヒト由来のターゲティング配列(配列番号11)
MDDQRDLISNNEQLPMLGRR
[0039]
マウス由来のターゲティング配列(配列番号12)
MDDQRDLISNHEQLPILGNR
[0040]
 前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(P2)は、配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列におけるCLIP配列が保存され、および/またはターゲティング配列が欠失され、前記(P1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質であることが好ましい。また、前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(P3)は、配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列におけるCLIP配列が保存され、および/またはターゲティング配列が欠失され、前記(P1)のアミノ酸配列に対して、50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質であることが好ましい。前記(P2)における「1もしくは数個」および前記(P3)における同一性の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0041]
 前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(P2)は、配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列における産生増強配列が保存され、前記(P1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質であることが好ましい。また、前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(P3)は、配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列における産生増強配列が保存され、前記(P1)のアミノ酸配列に対して、50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質であることが好ましい。前記(P2)における「1もしくは数個」および前記(P3)における「同一性」の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0042]
 前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(P2)は、配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列における産生増強配列が保存され、かつ配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列におけるCLIP配列が保存され、および/またはターゲティング配列が欠失され、前記(P1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質であることが好ましい。また、前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(P3)は、配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列における産生増強配列が保存され、かつ配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列におけるCLIP配列が保存され、および/またはターゲティング配列が欠失され、前記(P1)のアミノ酸配列に対して、50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質であることが好ましい。前記(P2)における「1もしくは数個」および前記(P3)における「同一性」の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0043]
 CD74タンパク質は、例えば、保存的アミノ酸置換が導入されてもよい。前記保存的アミノ酸置換は、例えば、置換対象のアミノ酸と類似する特性の側鎖を有するアミノ酸残基による置換を意味する。前記保存的アミノ酸置換は、例えば、前記CD74タンパク質のCLIP配列および産生増強配列に導入されてもよい。また、CD74タンパク質は、例えば、1以上の産生増強配列が挿入および/または付加されてもよい。
[0044]
 CD74タンパク質は、例えば、CD74タンパク質の部分配列からなるポリペプチドでもよい。この場合、前記部分配列からなるポリペプチドは、sMHCII分子の産生誘導能を有する。前記部分配列からなるポリペプチドは、例えば、前記CLIP配列および前記産生増強配列を有する。この場合、前記部分配列からなるポリペプチドは、例えば、N末端からC末端に向かって、前記CLIP配列および前記産生増強配列をこの順序で有する。前記部分配列からなるポリペプチドは、さらに、膜貫通領域を構成するアミノ酸配列を含むことが好ましい。前記膜貫通領域を構成するアミノ酸配列は、例えば、膜タンパク質の膜貫通領域のアミノ酸配列があげられ、具体例として、αヘリックスを形成する疎水性アミノ酸から構成されるアミノ酸配列があげられる。前記膜貫通領域を構成するアミノ酸配列は、好ましくは、CD74タンパク質の膜貫通領域を構成するアミノ酸配列である。前記部分配列からなるポリペプチドが前記膜貫通領域を構成するアミノ酸配列を含む場合、前記部分配列からなるポリペプチドは、例えば、N末端からC末端に向かって、前記膜貫通領域を構成するアミノ酸配列および前記産生増強配列、または前記膜貫通領域を構成するアミノ酸配列、前記CLIP配列および前記産生増強配列をこの順序で有する。各配列は、例えば、直接または間接的に連結される。後者の場合、前記各配列は、例えば、リンカー配列で連結されている。前記リンカー配列のアミノ酸配列は、特に制限されず、例えば、GSリンカー((GGGGS(配列番号48)) )等があげられる。前記リンカー配列の長さは、特に制限されず、例えば、1~100アミノ酸、5~15アミノ酸等があげられる。
[0045]
 本発明において、CD74タンパク質は、例えば、天然型アミノ酸、非天然型アミノ酸および/または修飾された天然型アミノ酸から構成されるが、天然型アミノ酸および/または修飾された天然型アミノ酸から構成されることが好ましい。CD74タンパク質を構成するアミノ酸は、例えば、L体でもよいし、D体でもよいし、両者でもよいが、L体が好ましい。
[0046]
 CD74タンパク質は、未修飾のタンパク質でもよいし、修飾されたタンパク質でもよい。前記修飾は、例えば、アシル化、アセチル化、アルキル化、アミド化、ビオチニル化、ホルミル化、γカルボキシル化、グルタミン化、グリコシル化、グリシル化、イソプレニル化、リン酸化、PEG化、ラセミ化等の官能基の付加;ジスルフィド結合の形成等のタンパク質内架橋;等があげられる。
[0047]
 CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチド(以下、「CD74ポリヌクレオチド」ともいう)は、例えば、各種動物のmRNAの塩基配列に基づいて設計可能なCD74ポリヌクレオチドでもよいし、CD74タンパク質のアミノ酸配列に基づいて、対応するコドンに置き換えることで設計可能なポリヌクレオチドでもよい。前記CD74ポリヌクレオチドは、例えば、コドン最適化されてもよい。
[0048]
 前記CD74ポリヌクレオチドとしては、例えば、以下のポリヌクレオチドが例示できる。ヒト由来CD74ポリヌクレオチドは、例えば、p33アイソフォーム、p35アイソフォーム、p41アイソフォーム、またはp43アイソフォームをコードするポリヌクレオチドがあげられる。ヒトCD74タンパク質p33アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(終止コドン含)は、例えば、GenBankアクセッションNo. X00497.1で登録されている塩基配列(配列番号13)からなるポリヌクレオチド等があげられる。ヒトCD74タンパク質p35アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(終止コドン含)は、例えば、GenBankアクセッションNo. NM_004355.3で登録されている塩基配列(配列番号14)からなるポリヌクレオチド等があげられる。ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(終止コドン含)は、例えば、下記配列番号15の塩基配列からなるポリヌクレオチド等があげられる。ヒトCD74タンパク質p43アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(終止コドン含)は、例えば、GenBankアクセッションNo. NM_001025159.2で登録されている塩基配列(配列番号16)からなるポリヌクレオチド等があげられる。マウス由来CD74ポリヌクレオチドは、例えば、p31アイソフォームまたはp41アイソフォームをコードするポリヌクレオチドがあげられる。マウスCD74タンパク質p31アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(終止コドン含)は、例えば、GenBankアクセッションNo. NM_010545.3で登録されている塩基配列(配列番号17)からなるポリヌクレオチド等があげられる。マウスCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(終止コドン含)は、例えば、GenBankアクセッションNo. NM_001042605.1で登録されている塩基配列(配列番号18)からなるポリヌクレオチド等があげられる。CD74ポリヌクレオチドがヒトCD74ポリヌクレオチドの場合、前記ヒトCD74ポリヌクレオチドは、例えば、より高いヒトsMHCII分子の産生誘導能を示すことから、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p35アイソフォームをコードするポリヌクレオチド、またはヒトCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチドが好ましい。各CD74タンパク質のアイソフォームは、例えば、単独で、高いヒトsMHCII分子の産生誘導能を示すことから、後述のHLA-DMα鎖をコードするポリヌクレオチドおよび/またはHLA-DMβ鎖をコードするポリヌクレオチド、またはこれらのタンパク質と共存させなくてもよい。また、CD74ポリヌクレオチドは、例えば、より高いsMHCII分子、特に、マウスsMHCII分子の産生誘導能を示すことから、後述の産生増強配列を含むCD74タンパク質のアイソフォームをコードするポリヌクレオチドが好ましく、具体例として、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチド、ヒトCD74タンパク質p43アイソフォームをコードするポリヌクレオチド、またはマウスCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチドがより好ましい。
[0049]
ヒトCD74タンパク質p33アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号13)
5'- atggatgaccagcgcgaccttatctccaacaatgagcaactgcccatgctgggccggcgccctggggccccggagagcaagtgcagccgcggagccctgtacacaggcttttccatcctggtgactctgctcctcgctggccaggccaccaccgcctacttcctgtaccagcagcagggccggctggacaaactgacagtcacctcccagaacctgcagctggagaacctgcgcatgaag[cttcccaagcctcccaagcctgtgagcaagatgcgcatggccaccccgctgctgatgcaggcgctgcccatg]ggagccctgccccaggggcccatgcagaatgccaccaagtatggcaacatgacagaggaccatgtgatgcacctgctccagaatgctgaccccctgaaggtgtacccgccactgaaggggagcttcccggagaacctgagacaccttaagaacaccatggagaccatagactggaaggtctttgagagctggatgcaccattggctcctgtttgaaatgagcaggcactccttggagcaaaagcccactgacgctccaccgaaagagtcactggaactggaggacccgtcttctgggctgggtgtgaccaagcaggatctgggcccagtccccatgtga-3'
[0050]
ヒトCD74タンパク質p35アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号14)
5'-atgcacaggaggagaagcaggagctgtcgggaagatcagaagccagtc atggatgaccagcgcgaccttatctccaacaatgagcaactgcccatgctgggccggcgccctggggccccggagagcaagtgcagccgcggagccctgtacacaggcttttccatcctggtgactctgctcctcgctggccaggccaccaccgcctacttcctgtaccagcagcagggccggctggacaaactgacagtcacctcccagaacctgcagctggagaacctgcgcatgaag[cttcccaagcctcccaagcctgtgagcaagatgcgcatggccaccccgctgctgatgcaggcgctgcccatg]ggagccctgccccaggggcccatgcagaatgccaccaagtatggcaacatgacagaggaccatgtgatgcacctgctccagaatgctgaccccctgaaggtgtacccgccactgaaggggagcttcccggagaacctgagacaccttaagaacaccatggagaccatagactggaaggtctttgagagctggatgcaccattggctcctgtttgaaatgagcaggcactccttggagcaaaagcccactgacgctccaccgaaagagtcactggaactggaggacccgtcttctgggctgggtgtgaccaagcaggatctgggcccagtccccatgtga-3'
[0051]
ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号15)
5'- atggatgaccagcgcgaccttatctccaacaatgagcaactgcccatgctgggccggcgccctggggccccggagagcaagtgcagccgcggagccctgtacacaggcttttccatcctggtgactctgctcctcgctggccaggccaccaccgcctacttcctgtaccagcagcagggccggctggacaaactgacagtcacctcccagaacctgcagctggagaacctgcgcatgaag[cttcccaagcctcccaagcctgtgagcaagatgcgcatggccaccccgctgctgatgcaggcgctgcccatg]ggagccctgccccaggggcccatgcagaatgccaccaagtatggcaacatgacagaggaccatgtgatgcacctgctccagaatgctgaccccctgaaggtgtacccgccactgaaggggagcttcccggagaacctgagacaccttaagaacaccatggagaccatagactggaaggtctttgagagctggatgcaccattggctcctgtttgaaatgagcaggcactccttggagcaaaagcccactgacgctccaccgaaa[ gtactgaccaagtgccaggaagaggtcagccacatccctgctgtccacccgggttcattcaggcccaagtgcgacgagaacggcaactatctgccactccagtgctatgggagcatcggctactgctggtgtgtcttccccaacggcacggaggtccccaacaccagaagccgcgggcaccataactgcagt]gagtcactggaactggaggacccgtcttctgggctgggtgtgaccaagcaggatctgggcccagtccccatgtga-3'
[0052]
ヒトCD74タンパク質p43アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号16)
5'-atgcacaggaggagaagcaggagctgtcgggaagatcagaagccagtc atggatgaccagcgcgaccttatctccaacaatgagcaactgcccatgctgggccggcgccctggggccccggagagcaagtgcagccgcggagccctgtacacaggcttttccatcctggtgactctgctcctcgctggccaggccaccaccgcctacttcctgtaccagcagcagggccggctggacaaactgacagtcacctcccagaacctgcagctggagaacctgcgcatgaag[cttcccaagcctcccaagcctgtgagcaagatgcgcatggccaccccgctgctgatgcaggcgctgcccatg]ggagccctgccccaggggcccatgcagaatgccaccaagtatggcaacatgacagaggaccatgtgatgcacctgctccagaatgctgaccccctgaaggtgtacccgccactgaaggggagcttcccggagaacctgagacaccttaagaacaccatggagaccatagactggaaggtctttgagagctggatgcaccattggctcctgtttgaaatgagcaggcactccttggagcaaaagcccactgacgctccaccgaaa[ gtactgaccaagtgccaggaagaggtcagccacatccctgctgtccacccgggttcattcaggcccaagtgcgacgagaacggcaactatctgccactccagtgctatgggagcatcggctactgctggtgtgtcttccccaacggcacggaggtccccaacaccagaagccgcgggcaccataactgcagt]gagtcactggaactggaggacccgtcttctgggctgggtgtgaccaagcaggatctgggcccagtccccatgtga-3'
[0053]
マウスCD74タンパク質p31アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号17)
5'- atggatgaccaacgcgacctcatctctaaccatgaacagttgcccatactgggcaaccgccctagagagccagaaaggtgcagccgtggagctctgtacaccggtgtctctgtcctggtggctctgctcttggctgggcaggccaccactgcttacttcctgtaccagcaacagggccgcctagacaagctgaccatcacctcccagaacctgcaactggagagccttcgcatgaag[cttccgaaatctgccaaacctgtgagccagatgcggatggctactcccttgctgatgcgtccaatgtccatg]gataacatgctccttgggcctgtgaagaacgttaccaagtacggcaacatgacccaggaccatgtgatgcatctgctcacgaggtctggacccctggagtacccgcagctgaaggggaccttcccagagaatctgaagcatcttaagaactccatggatggcgtgaactggaagatcttcgagagctggatgaagcagtggctcttgtttgagatgagcaagaactccctggaggagaagaagcccaccgaggctccacctaaagagccactggacatggaagacctatcttctggcctgggagtgaccaggcaggaactgggtcaagtcaccctgtga-3'
[0054]
マウスCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号18)
5'- atggatgaccaacgcgacctcatctctaaccatgaacagttgcccatactgggcaaccgccctagagagccagaaaggtgcagccgtggagctctgtacaccggtgtctctgtcctggtggctctgctcttggctgggcaggccaccactgcttacttcctgtaccagcaacagggccgcctagacaagctgaccatcacctcccagaacctgcaactggagagccttcgcatgaag[cttccgaaatctgccaaacctgtgagccagatgcggatggctactcccttgctgatgcgtccaatgtccatg]gataacatgctccttgggcctgtgaagaacgttaccaagtacggcaacatgacccaggaccatgtgatgcatctgctcacgaggtctggacccctggagtacccgcagctgaaggggaccttcccagagaatctgaagcatcttaagaactccatggatggcgtgaactggaagatcttcgagagctggatgaagcagtggctcttgtttgagatgagcaagaactccctggaggagaagaagcccaccgaggctccacctaaa[ gtactgaccaagtgccaggaagaagtcagccacatccctgccgtctacccgggtgcgttccgtcccaagtgcgacgagaacggtaactatttgccactccagtgccacgggagcactggctactgctggtgtgtgttccccaacggcactgaggttcctcacaccaagagccgcgggcgccataactgcagt]gagccactggacatggaagacctatcttctggcctgggagtgaccaggcaggaactgggtcaagtcaccctgtga-3'
[0055]
 CD74ポリヌクレオチドは、例えば、下記(p1)~(p6)または(p7)の塩基配列(核酸配列)からなるポリヌクレオチドでもよい。
(p1)各種動物由来のCD74タンパク質のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(p2)前記(p1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(p3)前記(p1)のアミノ酸配列に対して、50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(p4)配列番号13~18のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチド
(p5)前記(p4)の塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(p6)前記(p4)の塩基配列に対して、50%以上の同一性を有する塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(p7)前記(p4)の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに、相補的な塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
[0056]
 前記(p1)における各種動物由来のCD74タンパク質のアミノ酸配列の説明は、前記(P1)における各種動物由来のCD74タンパク質のアミノ酸配列の説明を援用でき、具体例として、配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列があげられる。
[0057]
 前記(p2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(p2)によりコードされるタンパク質が、sMHCII分子の産生誘導活性を有する範囲、すなわち、使用対象の細胞内に導入することで、前記細胞においてsMHCII分子の産生を誘導できる範囲であればよい。前記(p2)の「1もしくは数個」は、前記(p1)のアミノ酸配列において、例えば、1~150個、1~135個、1~120個、1~105個、1~90個、1~75個、1~60個、1~45個、1~30個、1~20個、1~10個、1~9個、1~5個、1~3個、1または2個である。
[0058]
 前記(p3)において、「同一性」は、例えば、前記(p3)によりコードされるタンパク質が、sMHCII分子の産生誘導活性を有する範囲、すなわち、使用対象の細胞内に導入することで、前記細胞においてsMHCII分子の産生を誘導できる範囲であればよい。前記(p3)の「同一性」は、前記(p1)のアミノ酸配列に対して、例えば、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
[0059]
 前記(p4)において、配列番号13~18のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチドの説明は、前述の説明を援用できる。
[0060]
 前記(p5)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(p4)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、sMHCII分子の産生誘導活性を有する範囲であればよい。前記(p5)の「1もしくは数個」は、前記(p4)の塩基配列において、例えば、1~450個、1~405個、1~360個、1~315個、1~270個、1~225個、1~180個、1~135個、1~90個、1~45個、1~20個、1~10個、1~9個、1~5個、1~3個、1または2個である。
[0061]
 前記(p6)において、「同一性」は、例えば、前記(p6)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、sMHCII分子の産生誘導活性を有する範囲であればよい。前記(p6)の同一性は、前記(p4)の塩基配列に対して、例えば、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である
[0062]
 前記(p7)において、「ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド」は、例えば、前記(p4)のポリヌクレオチドに対して、完全または部分的に相補的なポリヌクレオチドである。前記ハイブリダイズは、例えば、各種ハイブリダイゼーションアッセイにより検出できる。前記ハイブリダイゼーションアッセイは、特に制限されず、例えば、ザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2 nd Ed.)」〔Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載されている方法を採用することもできる。
[0063]
 前記(p7)において、「ストリンジェントな条件」は、例えば、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件、高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。ストリンジェンシーの程度は、当業者であれば、例えば、温度、塩濃度、プローブの濃度および長さ、イオン強度、時間等の条件を適宜選択することで、設定可能である。「ストリンジェントな条件」は、例えば、前述したザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2 nd Ed.)」〔Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載の条件を採用することもできる。
[0064]
 前記(p2)および(p3)のタンパク質は、各種動物由来のアミノ酸配列において、CLIPペプチドをコードするアミノ酸配列(CLIP配列)が保存されることが好ましい。前記CLIP配列は、前述の説明を援用できる。前記CLIP配列が保存される場合、保存されるアミノ酸は、前記CLIP配列における全アミノ酸でもよいし、一部のアミノ酸でもよい。後者の場合、前記保存されるアミノ酸は、配列番号7または8のアミノ酸配列において下線で示すアミノ酸であることが好ましい。また、後者の場合、保存されないアミノ酸は、特に制限されないが、前記保存的アミノ酸置換に該当するアミノ酸が好ましい。
[0065]
 前記(p2)および(p3)のタンパク質において、各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(p2)および(p3)のタンパク質は、sMHCII分子の産生増強配列が保存されることが好ましい。前記産生増強配列は、前述の説明を援用できる。前記産生増強配列が保存される場合、保存されるアミノ酸は、前記産生増強配列における全アミノ酸でもよいし、一部のアミノ酸でもよい。後者の場合、前記保存されるアミノ酸は、配列番号9または10のアミノ酸配列において下線で示すアミノ酸であることが好ましい。また、後者の場合、保存されないアミノ酸は、特に制限されないが、前記保存的アミノ酸置換に該当するアミノ酸が好ましい。
[0066]
 前記(p2)および(p3)のタンパク質において、前記(p2)および(p3)のタンパク質は、sMHCII分子のエンドソームへのターゲティング配列が欠失されてもよい。前記ターゲティング配列は、前述の説明を援用できる。
[0067]
 前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(p2)は、配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列におけるCLIP配列が保存され、および/または、ターゲティング配列が欠失され、前記(p1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。また、前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(p3)は、配列番号1~6のいずれかのアミノ酸配列におけるCLIP配列が保存され、および/または、ターゲティング配列が欠失され、前記(p1)のアミノ酸配列に対して、50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。前記(p2)における「1もしくは数個」および前記(p3)における同一性の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0068]
 前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(p2)は、配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列における産生増強配列が保存され、前記(p1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。また、前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(p3)は、配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列における産生増強配列が保存され、前記(p1)のアミノ酸配列に対して、50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。前記(p2)における「1もしくは数個」および前記(p3)における「同一性」の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0069]
 前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(p2)は、配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列における産生増強配列が保存され、かつ配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列におけるCLIP配列が保存され、および/または、ターゲティング配列が欠失され、前記(p1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。また、前記各種動物由来のアミノ酸配列が配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列である場合、前記(p3)は、配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列における産生増強配列が保存され、かつ配列番号3、4および6のいずれかのアミノ酸配列におけるCLIP配列が保存され、および/または、ターゲティング配列が欠失され、前記(p1)のアミノ酸配列に対して、50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。前記(p2)における「1もしくは数個」および前記(p3)における「同一性」の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0070]
 前記(p5)および(p6)のポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ酸配列において、前記CLIP配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存されることが好ましい。前記CLIP配列をコードする塩基配列は、前記配列番号13~18のいずれかの塩基配列において、括弧で囲った下線無しの塩基配列からなるポリヌクレオチドである。具体例として、ヒト由来のCLIP配列をコードするポリヌクレオチドは、例えば、下記配列番号19の塩基配列からなるポリヌクレオチドがあげられる。また、マウス由来のCLIP配列をコードするポリヌクレオチドは、例えば、下記配列番号20の塩基配列からなるポリヌクレオチドがあげられる。前記CLIP配列をコードする塩基配列が保存される場合、保存される塩基は、前記CLIP配列をコードする塩基配列における全塩基でもよいし、一部の塩基でもよい。後者の場合、前記保存される塩基は、配列番号7または8のアミノ酸配列において下線で示すアミノ酸をコードする塩基であることが好ましい。また、後者の場合、保存されない塩基は、特に制限されないが、同じアミノ酸をコードする塩基が好ましい。
[0071]
ヒト由来のCLIP配列をコードするポリヌクレオチド(配列番号19)
5'-cttcccaagcctcccaagcctgtgagcaagatgcgcatggccaccccgctgctgatgcaggcgctgcccatg-3'
[0072]
マウス由来のCLIP配列をコードするポリヌクレオチド(配列番号20)
5'-cttccgaaatctgccaaacctgtgagccagatgcggatggctactcccttgctgatgcgtccaatgtccatg-3'
[0073]
 前記(p5)および(p6)のポリヌクレオチドの塩基配列が配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列である場合、前記(p5)および(p6)のポリヌクレオチドは、sMHCII分子の産生増強配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存されることが好ましい。前記産生増強配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存されることにより、前記(p5)および(p6)のポリヌクレオチドがコードするタンパク質は、例えば、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p43アイソフォームおよびマウスCD74タンパク質p41アイソフォームにおける高いsMHCII分子の産生誘導能を維持できる。前記産生増強配列をコードするポリヌクレオチドは、前記配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列において、括弧で囲った下線で示す塩基配列からなるポリヌクレオチドである。具体例として、ヒト由来の産生増強配列をコードするポリヌクレオチドは、例えば、下記配列番号21の塩基配列からなるポリヌクレオチドがあげられる。また、マウス由来の産生増強配列をコードするポリヌクレオチドは、例えば、下記配列番号22の塩基配列からなるポリヌクレオチドがあげられる。前記産生増強配列をコードする塩基配列が保存される場合、保存される塩基は、前記産生増強配列をコードする塩基配列における全塩基でもよいし、一部の塩基でもよい。後者の場合、前記保存される塩基は、配列番号9または10のアミノ酸配列において下線で示すアミノ酸をコードする塩基であることが好ましい。また、後者の場合、保存されない塩基は、特に制限されないが、同じアミノ酸をコードする塩基が好ましい。
[0074]
ヒト由来の産生増強配列をコードするポリヌクレオチド(配列番号21)
5'-gtactgaccaagtgccaggaagaggtcagccacatccctgctgtccacccgggttcattcaggcccaagtgcgacgagaacggcaactatctgccactccagtgctatgggagcatcggctactgctggtgtgtcttccccaacggcacggaggtccccaacaccagaagccgcgggcaccataactgcagt-3'
[0075]
マウス由来の産生増強配列をコードするポリヌクレオチド(配列番号22)
5'-gtactgaccaagtgccaggaagaagtcagccacatccctgccgtctacccgggtgcgttccgtcccaagtgcgacgagaacggtaactatttgccactccagtgccacgggagcactggctactgctggtgtgtgttccccaacggcactgaggttcctcacaccaagagccgcgggcgccataactgcagt-3'
[0076]
 前記(p5)および(p6)のポリヌクレオチドにおいて、前記(p5)および(p6)のポリヌクレオチドは、sMHCII分子のエンドソームへのターゲティング配列をコードするポリヌクレオチドが欠失されてもよい。前記ターゲティング配列をコードするポリヌクレオチドは、前記配列番号13~18のいずれかの塩基配列において、括弧無しの下線で示す塩基配列からなるポリヌクレオチドである。具体例として、ヒト由来のターゲティング配列をコードするポリヌクレオチドは、例えば、下記配列番号23の塩基配列からなるポリヌクレオチドがあげられる。また、マウス由来のターゲティング配列は、例えば、下記配列番号24の塩基配列からなるポリヌクレオチドがあげられる。
[0077]
ヒト由来のターゲティング配列をコードするポリヌクレオチド(配列番号23)
5'-atggatgaccagcgcgaccttatctccaacaatgagcaactgcccatgctgggccggcgc-3'
[0078]
マウス由来のターゲティング配列をコードするポリヌクレオチド(配列番号24)
5'-atggatgaccaacgcgacctcatctctaaccatgaacagttgcccatactgggcaaccgc-3'
[0079]
 前記(p4)の塩基配列が配列番号13~18のいずれかの塩基配列である場合、前記(p5)は、配列番号13~18のいずれかの塩基配列におけるCLIP配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存され、および/またはターゲティング配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が欠失され、前記(p4)の塩基配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。また、前記(p4)の塩基配列が配列番号13~18のいずれかの塩基配列である場合、前記(p6)は、配列番号13~18のいずれかの塩基配列におけるCLIP配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存され、および/またはターゲティング配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が欠失され、前記(p4)の塩基配列に対して、50%以上の同一性を有する塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。前記(p5)における「1もしくは数個」および前記(p6)における同一性の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0080]
 前記(p4)の塩基配列が配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列である場合、前記(p5)は、配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列における産生増強配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存され、前記(p4)の塩基配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。また、前記(p4)の塩基配列が配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列である場合、前記(p6)は、配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列における産生増強配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存され、前記(p4)の塩基配列に対して、50%以上の同一性を有する塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。前記(p5)における「1もしくは数個」および前記(p6)における「同一性」の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0081]
 前記(p4)の塩基配列が配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列である場合、前記(p5)は、配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列における産生増強配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存され、かつ配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列におけるCLIP配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存され、および/またはターゲティング配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が欠失され、前記(p4)の塩基配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。また、前記(p4)の塩基配列が配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列である場合、前記(p6)は、配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列における産生増強配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存され、かつ配列番号15、16および18のいずれかの塩基配列におけるCLIP配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が保存され、および/またはターゲティング配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が欠失され、前記(p4)の塩基配列に対して、50%以上の同一性を有する塩基配列からなり、sMHCII分子の産生誘導活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであることが好ましい。前記(p5)における「1もしくは数個」および前記(p6)における「同一性」の説明は、前述の「1もしくは数個」および「同一性」の説明を援用できる。
[0082]
 前記CD74ポリヌクレオチドは、例えば、核酸から構成され、具体例として、リボヌクレオチド(RNA)から構成されてもよいし、デオキシリボヌクレオチド(DNA)から構成されてもよいし、両者から構成されてもよい。前記CD74ポリヌクレオチドがRNAから構成される場合、前記CD74ポリヌクレオチドは、例えば、細胞に導入された際に、前記細胞内の翻訳系によりタンパク質が翻訳可能なように構成されることが好ましい。また、前記CD74ポリヌクレオチドがDNAから構成される場合、前記CD74ポリヌクレオチドは、前記細胞内の転写系により、mRNAが転写可能なように構成されることが好ましい。
[0083]
 前記核酸は、天然の核酸でもよいし、非天然の核酸でもよい。前記非天然の核酸は、例えば、修飾された塩基、糖骨格またはヌクレオシド間の連結を含む核酸があげられる。前記修飾された塩基、糖骨格およびヌクレオシド間の連結は、特に制限されず、任意の修飾形態を使用できる。前記非天然の核酸は、例えば、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ環を有する核酸、シクロヘキセニル核酸(CeNA)、Locked核酸(LNA)等でもよい。
[0084]
 前記CD74ポリヌクレオチドがDNAから構成される場合、前記CD74ポリヌクレオチドは、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター(以下、「CD74発現ベクター」ともいう)でもよい。前記CD74発現ベクターは、例えば、骨格となるベクター(以下、「基本ベクター」ともいう)に、前記CD74ポリヌクレオチドを挿入することで作製できる。前記ベクターの種類は、特に制限されず、例えば、後述する細胞(宿主)の種類に応じて、適宜決定できる。前記ベクターは、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター等のウイルスベクター;プラスミドベクター等の非ウイルスベクター;等があげられる。前記ベクターは、エピソーマルベクターでもよい。前記宿主が真核細胞の場合、前記ベクターは、例えば、pXT1、pSG5(Stratagene社製)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40(Pharmacia社製)、pMX、pME18S等があげられる。前記ベクターは、例えば、前記ベクターの導入方法に応じて決定してもよい。具体例として、前記導入方法としてヒートショック法により宿主の形質転換を行う場合、前記ベクターは、例えば、バイナリーベクター等があげられる。この場合、前記ベクターは、例えば、pETDuet-1、pQE-80L、pUCP26Km等があげられる。大腸菌等の細菌に形質転換を行う場合、前記ベクターは、例えば、pETDuet-1(ノバジェン社製)、pQE-80L(QIAGEN社社製)等があげられる。
[0085]
 前記CD74発現ベクターは、例えば、前記CD74ポリヌクレオチドの発現および前記CD74ポリヌクレオチドがコードする前記CD74タンパク質の少なくとも一方の発現を調節する、調節配列を有することが好ましい。前記調節配列は、例えば、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル配列、複製起点配列(ori)等があげられる。前記プロモーターは、例えば、恒常的に活性を有するプロモーターでもよいし、誘導性のプロモーターでもよい。前記恒常的に活性を有するプロモーターは、例えば、CMVプロモーター、HSV-TKプロモーター、SV40プロモーター等があげられる。前記誘導性プロモーターは、例えば、T7RNAポリメラーゼプロモーター、T3RNAポリメラーゼプロモーター、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)調節性プロモーター、ラクトース誘導性プロモーター、熱ショックプロモーター、テトラサイクリン調節性プロモーター、ステロイド調節性プロモーター、金属調節性プロモーター、エストロゲン受容体調節性プロモーター等があげられる。また、前記プロモーターは、例えば、特定の細胞、組織等で特異的に発現を誘導するプロモーターであってもよい。前記CD74発現ベクターにおいて、前記調節配列の配置は、特に制限されないが、例えば、前記CD74ポリヌクレオチドの発現を可能にするように、前記CD74ポリヌクレオチドと作動可能に連結されていることが好ましい。具体的には、前記CD74発現ベクターにおいて、前記調節配列は、例えば、前記CD74ポリヌクレオチドの発現およびこれがコードする前記CD74タンパク質の少なくとも一方の発現を、機能的に調節できるように配置されていればよく、公知の方法に基づいて配置できる。前記調節配列は、例えば、前記基本ベクターが予め備える配列を利用してもよいし、前記基本ベクターに、さらに、前記調節配列を挿入してもよいし、前記基本ベクターが備える調節配列を、他の調節配列に置き換えてもよい。
[0086]
 前記CD74発現ベクターは、例えば、さらに、選択マーカーのコード配列を有してもよい。前記選択マーカーは、例えば、タグ配列(例えば、6×Hisタグ、FLAGタグ、HAタグ、GST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)、MBP(マルトース結合タンパク質))、薬剤耐性マーカー、蛍光タンパク質マーカー、酵素マーカー、細胞表面レセプターマーカー等があげられる。前記タグは、例えば、前記CD74タンパク質のN末端および/またはC末端に付加されるように配置されている。
[0087]
 本発明の組成物は、例えば、MHCクラスII分子のα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含んでもよいし、MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含んでもよいし、両者を含んでもよい。本発明の組成物は、MHCクラスII分子のα鎖および/またはβ鎖、ならびにこれらをコードするポリヌクレオチドを含むことにより、例えば、MHCクラスII分子の発現が低い細胞、またはMHCクラスII分子を発現しない細胞(例えば、発現量が検出限界未満の細胞)においても、効率よくsMHCII分子を製造できる。また、本発明の組成物は、MHCクラスII分子のα鎖および/またはβ鎖ならびにこれらをコードするポリヌクレオチドを含むことにより、例えば、MHCクラスII分子の由来と異種の細胞においても効率よくsMHCII分子を製造できる。
[0088]
 前記MHCクラスII分子は、例えば、α鎖およびβ鎖の複合体であり、それぞれの種類は特に制限されず、これらをコードする遺伝子のハプロタイプは、特に制限されない。また、前記MHCクラスII分子の由来は、特に制限されず、例えば、前記CD74タンパク質の由来の説明を援用できる。前記MHCクラスII分子の由来は、前記CD74タンパク質の由来と同種でもよいし、異種でもよいが、同種であることが好ましい。
[0089]
 前記MHCクラスII分子がヒト由来である場合、前記MHCクラスII分子のα鎖は、例えば、HLA-DPA遺伝子座、HLA-DQA遺伝子座またはHLA-DRA遺伝子座にコードされているMHCクラスII分子のα鎖があげられ、前記MHCクラスII分子のβ鎖は、例えば、HLA-DPB遺伝子座、HLA-DQB遺伝子座またはHLA-DRB遺伝子座にコードされているMHCクラスII分子のβ鎖があげられる。前記各遺伝子座におけるMHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖のハプロタイプは、特に制限されない。前記MHCクラスII分子は、例えば、α鎖およびβ鎖のいずれか一方を含む分子であり、α鎖およびβ鎖の両方を含む分子であることが好ましい。
[0090]
 前記MHCクラスII分子は、例えば、HLA-DR、HLA-DPおよびHLA-DQ等が好ましい。
[0091]
 前記HLA-DRは、例えば、HLA-DR1、HLA-DR2、HLA-DR3、HLA-DR4、HLA-DR5、HLA-DR6、HLA-DR7、HLA-DR8、HLA-DR9、HLA-DR10、HLA-DR11、HLA-DR12、HLA-DR13、HLA-DR14、HLA-DR15、HLA-DR52、HLA-DR53等があげられる。前記HLA-DRは、例えば、α鎖としてHLA-DRA1等のHLA-DRAと、β鎖としてHLA-DRB1、HLA-DRB3、HLA-DRB4またはHLA-DRB5等のHLA-DRBとを含む分子があげられ、具体的には、α鎖として、例えば、HLA-DRA1*01等のアリル、β鎖として、例えば、HLA-DRB1*01、HLA-DRB1*03、HLA-DRB1*04、HLA-DRB1*07、HLA-DRB1*08、HLA-DRB1*09、HLA-DRB1*10、HLA-DRB1*11、HLA-DRB1*12、HLA-DRB1*13、HLA-DRB1*14、HLA-DRB1*15、HLA-DRB1*16、HLA-DRB3*01、HLA-DRB4*01、HLA-DRB5*01等のアリルがあげられる。
[0092]
 前記HLA-DQは、例えば、HLA-DQ1、HLA-DQ2、HLA-DQ3、HLA-DQ4、HLA-DQ5、HLA-DQ6、HLA-DQ7、HLA-DQ8等があげられる。前記HLA-DQは、例えば、α鎖としてHLA-DQA1等のHLA-DQAと、β鎖としてHLA-DQB1等のHLA-DQBとを含む分子があげられ、具体的には、α鎖として、例えば、HLA-DQA1*01、HLA-DQA1*02、HLA-DQA1*03、HLA-DQA1*04、HLA-DQA1*05、HLA-DQA1*06、β鎖として、例えば、HLA-DQB1*02、HLA-DQB1*03、HLA-DQB1*04、HLA-DQB1*05、HLA-DQB1*06等のアリルがあげられる。
[0093]
 前記HLA-DPは、例えば、HLA-DP1、HLA-DP2、HLA-DP3、HLA-DP4、HLA-DP5等があげられる。前記HLA-DPは、例えば、α鎖としてHLA-DPA1等のHLA-DPAと、β鎖としてHLA-DPB1等のHLA-DPBとを含む分子があげられ、具体的には、α鎖として、例えば、HLA-DPA1*01、HLA-DPA1*02、HLA-DPA1*03、HLA-DPA1*04等、β鎖として、例えば、HLA-DPB1*02、HLA-DPB1*04、HLA-DPB1*05、HLA-DPB1*09等のアリルがあげられる。
[0094]
 前記MHCクラスII分子は、例えば、I-A(H-2A)、およびI-E(H-2E)等でもよい。前記I-Aは、例えば、I-A 、I-A 、I-A 、I-A g7、I-A 、I-A 、I-A 、I-A 、I-A 、I-A 、I-A 等があげられる。前記I-Eは、例えば、I-E 、I-E 、I-E 、I-E 、I-E 、I-E 、I-E 、I-E 、I-E 、I-E 等があげられる。
[0095]
 前記MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質のアミノ酸配列は、例えば、IPD-IMGT/HLA(https://www.ebi.ac.uk/ipd/imgt/hla/index.html)に登録されているアミノ酸配列を参照できる。
[0096]
 前記MHCクラスII分子のα鎖タンパク質および/またはβ鎖タンパク質は、例えば、タグ配列が付加されてもよい。前記タグ配列が付加される場合、前記タグ配列は、例えば、前記α鎖タンパク質のN末端およびC末端、ならびに前記β鎖のN末端およびC末端のいずれか1つ以上に付加される。また、前記MHCクラスII分子のα鎖タンパク質および/またはβ鎖タンパク質は、後述のターゲティングタンパク質またはその部分配列が付加されてもよい。これにより、本発明の組成物は、例えば、後述の本発明のターゲティングタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む場合と同様の効果を得ることができる。前記MHCクラスII分子のα鎖タンパク質およびβ鎖タンパク質は、例えば、α鎖タンパク質および/またはβ鎖タンパク質の部分配列からなるポリペプチドから構成されてもよい。前記部分配列からなるポリペプチドは、例えば、α鎖タンパク質および/またはβ鎖タンパク質の細胞内領域を構成するアミノ酸配列の一部または全部が欠失されたポリペプチドがあげられる。
[0097]
 MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、各種動物のMHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするmRNAの塩基配列に基づいて設計可能なポリヌクレオチドでもよいし、MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質のアミノ酸配列に基づいて、対応するコドンに置き換えることで設計可能なポリヌクレオチドでもよい。前記MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、それぞれ、コドン最適化されてもよい。
[0098]
 前記MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドの塩基配列は、例えば、IPD-IMGT/HLA(https://www.ebi.ac.uk/ipd/imgt/hla/index.html)に登録されている塩基配列を参照できる。
[0099]
 前記MHCクラスII分子のα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、核酸から構成される。前記MHCクラスII分子のα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドの説明は、前記CD74ポリヌクレオチドの説明において、「CD74ポリヌクレオチド」を「MHCクラスII分子のα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド」に、「CD74発現ベクター」を「MHCクラスII分子のα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター」に、「CD74タンパク質」を「MHCクラスII分子のα鎖タンパク質」に読み替えて、その説明を援用できる。また、前記MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドの説明は、前記CD74ポリヌクレオチドの説明において、「CD74ポリヌクレオチド」を「MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド」に、「CD74発現ベクター」を「MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター」に、「CD74タンパク質」を「MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質」に読み替えて、その説明を援用できる。
[0100]
 前記MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質は、例えば、前記MHCクラスII分子へのペプチドの提示機能を喪失しない範囲で、そのアミノ酸配列が改変されてもよい。前記アミノ酸配列の改変は、例えば、1もしくは数個のアミノ酸の欠失、置換、挿入および/または付加、小型化、前記保存的アミノ酸置換、他のタンパク質との融合等があげられる。
[0101]
 本発明の組成物は、例えば、HLA-DM(分子)のα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含んでもよいし、前記HLA-DM分子のβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含んでもよいし、両者を含んでもよい。本発明の組成物は、前記HLA-DM分子のα鎖および/またはβ鎖、ならびにこれらをコードするポリヌクレオチドを含むことにより、例えば、sMHCII分子に効率よくペプチドをローディングできる。このため、例えば、sMHCII分子と複合化させたいペプチドを含むタンパク質と組合せて細胞に導入することにより、前記タンパク質由来のペプチドがローディングされたsMHCII分子を効率よく製造できる。
[0102]
 本発明の組成物が、HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む場合、前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームおよびヒトCD74タンパク質p43アイソフォームの少なくとも一方またはこれらをコードするポリヌクレオチドを含むことが好ましい。これにより、本発明の組成物は、例えば、さらに高いヒトsMHCII分子の産生誘導能を示すことができる。
[0103]
 前記HLA-DM分子は、例えば、α鎖およびβ鎖の複合体である。また、前記HLA-DM分子の由来は、特に制限されず、例えば、前記CD74タンパク質の由来の説明を援用できる。前記HLA-DM分子がヒト以外に由来する場合、前記HLA-DM分子は、ヒトHLA-DM分子のホモログまたはオーソログであってもよい。マウスにおけるヒトHLA-DM分子のオーソログは、例えば、H-2M(H2-M)分子があげられる。前記HLA-DM分子の由来は、前記CD74タンパク質の由来と同種でもよいし、異種でもよいが、同種であることが好ましい。
[0104]
 前記HLA-DM分子のα鎖およびβ鎖タンパク質としては、例えば、以下のタンパク質が例示できる。ヒトHLA-DMのα鎖タンパク質は、例えば、GenBankアクセッションNo. NP_006111.2で登録されているアミノ酸配列(配列番号25)からなるタンパク質等があげられる。ヒトHLA-DMのβ鎖タンパク質は、例えば、GenBankアクセッションNo. NP_002109.2で登録されているアミノ酸配列(配列番号26)からなるタンパク質等があげられる。マウスH-2Mのα鎖タンパク質は、例えば、GenBankアクセッションNo. NP_001347459.1で登録されているアミノ酸配列(配列番号27)からなるタンパク質等があげられる。マウスH-2Mのβ鎖タンパク質は、例えば、GenBankアクセッションNo. NP_034517.2で登録されているアミノ酸配列(配列番号28)からなるタンパク質等があげられる。
[0105]
ヒトHLA-DMのα鎖タンパク質(配列番号25)
MGHEQNQGAALLQMLPLLWLLPHSWAVPEAPTPMWPDDLQNHTFLHTVYCQDGSPSVGLSEAYDEDQLFFFDFSQNTRVPRLPEFADWAQEQGDAPAILFDKEFCEWMIQQIGPKLDGKIPVSRGFPIAEVFTLKPLEFGKPNTLVCFVSNLFPPMLTVNWQHHSVPVEGFGPTFVSAVDGLSFQAFSYLNFTPEPSDIFSCIVTHEIDRYTAIAYWVPRNALPSDLLENVLCGVAFGLGVLGIIVGIVLIIYFRKPCSGD
[0106]
ヒトHLA-DMのβ鎖タンパク質(配列番号26)
MITFLPLLLGLSLGCTGAGGFVAHVESTCLLDDAGTPKDFTYCISFNKDLLTCWDPEENKMAPCEFGVLNSLANVLSQHLNQKDTLMQRLRNGLQNCATHTQPFWGSLTNRTRPPSVQVAKTTPFNTREPVMLACYVWGFYPAEVTITWRKNGKLVMPHSSAHKTAQPNGDWTYQTLSHLALTPSYGDTYTCVVEHTGAPEPILRDWTPGLSPMQTLKVSVSAVTLGLGLIIFSLGVISWRRAGHSSYTPLPGSNYSEGWHIS
[0107]
マウスH-2Mのα鎖タンパク質(配列番号27)
MEHEQKSGAVLLRLLRLLWLLPHSWAVLEASTPVFWDDPQNHTFRHTLFCQDGIPNIGLSETYDEDELFSFDFSQNTRVPRLPDFAEWAQGQGDASAIAFDKSFCEMLMREVSPKLEGQIPVSRGLPVAEVFTLKPLEFGKPNTLVCFISNLFPPTLTVNWQLHSAPVEGASPTSISAVDGLTFQAFSYLNFTPEPFDLYSCTVTHEIDRYTAIAYWVPQNALPSDLLENALCGVAFGLGVLGTIMGIVFFLCSQRPCSGD
[0108]
マウスH-2Mのβ鎖タンパク質(配列番号28)
MAALWLLLLVLSLDCMGAGGFVAHVESTCVLDDAGTPQDFTYCVSFNKDLLACWDPDVGKIVPCEFGVLYPWAENFSRILNKEESLLQRLQNGLLDCASHTQPFWNALTHRTRAPSVRVAQTTPFNTREPVMLACYVWGFYPADVTITWMKNGQLVPSHSNKEKTAQPNGDWTYQTVSYLALTPSYGDVYTCVVQHSGTSEPIRGDWTPGLSPIQTVKVSVSAATLGLGFIIFCVGFFRWRKSHSSSYTPLSGSTYPEGQH
[0109]
 前記HLA-DR分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、各種動物のHLA-DR分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするmRNAの塩基配列に基づいて設計可能なポリヌクレオチドでもよいし、HLA-DR分子のα鎖およびβ鎖タンパク質のアミノ酸配列に基づいて、対応するコドンに置き換えることで設計可能なポリヌクレオチドでもよい。前記HLA-DR分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、それぞれ、コドン最適化されてもよい。
[0110]
 前記HLA-DM分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドとしては、例えば、以下のポリヌクレオチドが例示できる。ヒトHLA-DMのα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、GenBankアクセッションNo. NM_006120.3で登録されている塩基配列(配列番号29)からなるポリヌクレオチド等があげられる。ヒトHLA-DMのβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、GenBankアクセッションNo. NM_002118.4登録されている塩基配列(配列番号30)からなるポリヌクレオチド等があげられる。マウスH-2Mのα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、GenBankアクセッションNo. NM_001360530.1で登録されている塩基配列(配列番号31)からなるポリヌクレオチド等があげられる。マウスH-2Mのβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、GenBankアクセッションNo. NM_010387.3で登録されている塩基配列(配列番号32)からなるポリヌクレオチド等があげられる。
[0111]
ヒトHLA-DMのα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号29)
5'-atgggtcatgaacagaaccaaggagctgcgctgctacagatgttaccacttctgtggctgctaccccactcctgggccgtccctgaagctcctactccaatgtggccagatgacctgcaaaaccacacattcctgcacacagtgtactgccaggatgggagtcccagtgtgggactctctgaggcctacgacgaggaccagcttttcttcttcgacttttcccagaacactcgggtgcctcgcctgcccgaatttgctgactgggctcaggaacagggagatgctcctgccattttatttgacaaagagttctgcgagtggatgatccagcaaatagggccaaaacttgatgggaaaatcccggtgtccagagggtttcctatcgctgaagtgttcacgctgaagcccctggagtttggcaagcccaacactttggtctgttttgtcagtaatctcttcccacccatgctgacagtgaactggcagcatcattccgtccctgtggaaggatttgggcctacttttgtctcagctgtcgatggactcagcttccaggccttttcttacttaaacttcacaccagaaccttctgacattttctcctgcattgtgactcacgaaattgaccgctacacagcaattgcctattgggtaccccggaacgcactgccctcagatctgctggagaatgtgctgtgtggcgtggcctttggcctgggtgtgctgggcatcatcgtgggcattgttctcatcatctacttccggaagccttgctcaggtgactga-3'
[0112]
ヒトHLA-DMのβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号30)
5'-atgatcacattcctgccgctgctgctggggctcagcctgggctgcacaggagcaggtggcttcgtggcccatgtggaaagcacctgtctgttggatgatgctgggactccaaaggatttcacatactgcatctccttcaacaaggatctgctgacctgctgggatccagaggagaataagatggccccttgcgaatttggggtgctgaatagcttggcgaatgtcctctcacagcacctcaaccaaaaagacaccctgatgcagcgcttgcgcaatgggcttcagaattgtgccacacacacccagcccttctggggatcactgaccaacaggacacggccaccatctgtgcaagtagccaaaaccactccttttaacacgagggagcctgtgatgctggcctgctatgtgtggggcttctatccagcagaagtgactatcacgtggaggaagaacgggaagcttgtcatgcctcacagcagtgcgcacaagactgcccagcccaatggagactggacataccagaccctctcccatttagccttaaccccctcttacggggacacttacacctgtgtggtagagcacactggggctcctgagcccatccttcgggactggacacctgggctgtcccccatgcagaccctgaaggtttctgtgtctgcagtgactctgggcctgggcctcatcatcttctctcttggtgtgatcagctggcggagagctggccactctagttacactcctcttcctgggtccaattattcagaaggatggcacatttcctag-3'
[0113]
マウスH-2Mのα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号31)
5'-atggagcatgagcagaagtcaggagctgtgctgctgaggctgctgcgccttctgtggctgctgccccactcctgggcggtgctcgaagcatctacaccagtgttctgggatgacccacagaaccacacattccggcacactctattctgccaggacgggattcccaacatagggctctcggagacctatgacgaggacgaactcttctccttcgacttctcccagaacaccagagtgccccgactgcctgactttgcagagtgggctcagggacagggggatgcctctgccattgcatttgacaaaagcttctgcgagatgttgatgcgggaagtgagcccgaagcttgaaggtcaaatcccagtgtccagaggtttgcctgtggcagaggtattcacactgaagcccctggagtttggcaagcccaacacgttggtctgtttcatcagcaacctctttccaccgaccctgaccgtgaactggcagcttcactcggcccctgtggagggagccagccccacatccatctcagctgtcgatgggctgaccttccaggctttctcttatttaaacttcacaccggaaccctttgacctttactcctgcactgtgacacacgagattgaccgctacacggcaattgcctattgggtaccccagaacgccctgccttcggatctcctagagaatgccctgtgtggtgtggcctttggcctcggtgtgctaggcaccatcatgggcattgtcttcttcctctgctcccagagaccgtgctcaggtgactga-3'
[0114]
マウスH-2Mのβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号32)
5'-atggctgcactctggctgctgctgctggtcctcagtctggactgtatgggggcaggtggctttgtggctcatgtggaaagcacgtgcgtgctggatgatgctgggaccccacaggacttcacatactgtgtttccttcaacaaagatctgctggcctgctgggatccagatgtgggaaaaatagtcccctgtgaatttggggtgctgtatccatgggccgaaaatttttcaaggatcctcaacaaagaagagagccttctccagcgtttgcaaaacgggcttctggactgtgcctcccacacccagcccttctggaatgcgctgacccacagaacgagagcgccatctgtccgagtagcccaaaccacaccttttaacacaagggagccggtgatgctggcctgctacgtctggggcttctatccagcggatgtgaccatcacatggatgaagaatgggcagcttgtcccttcccacagcaacaaggagaagacggctcagcccaatggagactggacataccagacagtctcctacctagccctaaccccttcctacggggacgtctacacctgcgtggttcagcacagcgggacctctgagcccatccgaggggactggacacctgggctgtcccccatccagacagtgaaggtctctgtgtctgcagccaccctgggcctgggcttcatcatcttctgtgttggcttcttcagatggcgcaagtctcattcctccagctacactcctctctctggatccacctacccggaaggacagcattag-3'
[0115]
 前記HLA-DM分子のα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびHLA-DM分子のβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、核酸から構成される。前記HLA-DM分子のα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドの説明は、前記CD74ポリヌクレオチドの説明において、「CD74ポリヌクレオチド」を「HLA-DM分子のα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド」に、「CD74発現ベクター」を「HLA-DM分子のα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター」に、「CD74タンパク質」を「HLA-DM分子のα鎖タンパク質」に読み替えて、その説明を援用できる。また、前記HLA-DM分子のβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドの説明は、前記CD74ポリヌクレオチドの説明において、「CD74ポリヌクレオチド」を「HLA-DM分子のβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド」に、「CD74発現ベクター」を「HLA-DM分子のβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター」に、「CD74タンパク質」を「HLA-DM分子のβ鎖タンパク質」に読み替えて、その説明を援用できる。
[0116]
 前記HLA-DM分子のα鎖およびβ鎖タンパク質は、例えば、MHCクラスII分子へのペプチドのローディング機能を喪失しない範囲で、そのアミノ酸配列が改変されてもよい。前記アミノ酸配列の改変は、例えば、1もしくは数個のアミノ酸の欠失、置換、挿入および/または付加、小型化、前記保存的アミノ酸置換、他のタンパク質との融合等があげられる。
[0117]
 本発明の組成物は、前記MHCクラスII分子と複合体化させるペプチド(前記MHCクラスII分子にローディングされるペプチド)を含むタンパク質(ターゲットタンパク質)またはそれをコードするポリヌクレオチドを含んでもよい。本発明の組成物は、前記ターゲットタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含むことにより、sMHCII分子と複合化させたいペプチドを含むタンパク質と組合せて細胞に導入することで、前記ターゲットタンパク質由来のペプチドがローディングされたsMHCII分子を効率よく製造できる。前記ターゲットタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドは、前記HLA-DM分子のα鎖および/またはβ鎖、ならびにこれらをコードするポリヌクレオチドと組合せることが好ましい。これにより、本発明の組成物は、前記ターゲットタンパク質由来のペプチドがローディングされたsMHCII分子をさらに効率よく製造できる。
[0118]
 前記複合体化させるペプチドは、前記MHCクラスII分子と複合体化することが知られているペプチドでもよいし、前記MHCクラスII分子と複合体化するかが不明のペプチドでもよい。前記ターゲットタンパク質は、例えば、前記複合体化させるペプチドのみから構成されてもよいし、前記複合体化させるペプチドに1以上のアミノ酸が付加されたペプチドでもよい。すなわち、本発明の組成物に含まれるターゲティングタンパク質は、例えば、任意のタンパク質の全長のアミノ酸配列から構成されるタンパク質でもよいし、そのペプチド断片でもよいし、これらに改変を加えたタンパク質またはペプチド断片でもよい。前記ターゲットタンパク質は、特に制限されず、所望のタンパク質を使用でき、例えば、自己免疫疾患、アレルギー疾患等の自己免疫疾患に関与するタンパク質等があげられる。前記ターゲットタンパク質は、例えば、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
[0119]
 前記ターゲットタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、前記ターゲットタンパク質をコードするmRNAの塩基配列に基づいて設計可能なポリヌクレオチドでもよいし、前記ターゲットタンパク質のアミノ酸配列に基づいて、対応するコドンに置き換えることで設計可能なポリヌクレオチドでもよい。前記ターゲットタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、それぞれ、コドン最適化されてもよい。
[0120]
 前記ターゲットタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、核酸から構成される。前記ターゲットタンパク質をコードするポリヌクレオチドの説明は、前記CD74ポリヌクレオチドの説明において、「CD74ポリヌクレオチド」を「ターゲットタンパク質をコードするポリヌクレオチド」に、「CD74発現ベクター」を「ターゲットタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター」に、「CD74タンパク質」を「ターゲットタンパク質」に読み替えて、その説明を援用できる。
[0121]
 本発明の組成物は、例えば、前記本発明の組成物が細胞に導入されたかを確認する導入マーカーまたはそれをコードするポリヌクレオチドを含んでもよい。前記導入マーカーは、例えば、タグ配列(例えば、6×Hisタグ、FLAGタグ、HAタグ、GST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)、MBP(マルトース結合タンパク質))、薬剤耐性マーカー、蛍光タンパク質マーカー、酵素マーカー、細胞表面レセプターマーカー等があげられる。
[0122]
 本発明の組成物が、CD74タンパク質以外のタンパク質を含む場合、すなわち、前記MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質、前記HLA-DM分子のα鎖およびβ鎖タンパク質、ならびにターゲットタンパク質からなる群から選択された少なくとも1つを含む場合、各タンパク質は混合された状態でもよいし、1つ以上のタンパク質が分離された状態であり、他のタンパク質が混合された状態でもよいし、各タンパク質が分離された状態でもよい。
[0123]
 本発明の組成物が、CD74ポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドを含む場合、すなわち、前記MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質、前記HLA-DM分子のα鎖およびβ鎖タンパク質、ならびにターゲットタンパク質からなる群から選択された少なくとも1つをコードするポリヌクレオチドを含む場合、各ポリヌクレオチドは混合された状態でもよいし、1つ以上のポリヌクレオチドが分離された状態であり、他のポリヌクレオチドが混合された状態でもよいし、各ポリヌクレオチドが分離された状態でもよい。また、各ポリヌクレオチドがベクターに含まれている場合、各ポリヌクレオチドは、例えば、全ポリヌクレオチドが同一のベクターに含まれても、1つ以上のポリヌクレオチドが別個のベクターに含まれ、その他のポリヌクレオチドが1つのベクターに含まれてもよいし、各ポリヌクレオチドが別個のベクターに含まれてもよい。
[0124]
 本発明の組成物は、例えば、タンパク質とポリヌクレオチドとを含んでもよい。このため、本発明の組成物は、例えば、CD74タンパク質およびそのポリヌクレオチドを含んでもよいし、CD74タンパク質またはそのポリヌクレオチドに加えて、前記MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質、前記HLA-DM分子のα鎖およびβ鎖タンパク質、ならびにターゲットタンパク質からなる群から選択された少なくとも1つのタンパク質またはそのポリヌクレオチドを含んでもよい。
[0125]
 本発明の組成物は、他の成分を含んでもよい。前記他の成分は、例えば、緩衝液等があげられる。本発明の組成物は、例えば、組成物を収容する容器、組成物の取扱説明書、使用説明書等を含んでもよい。
[0126]
 前記各タンパク質の製造方法は、特に制限されず、例えば、化学的合成、組換えDNA技術を使用した合成等があげられる。前記化学的合成方法の場合、前記各タンパク質は、例えば、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、tert-ブトキシカルボニル基(Boc)、フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc)等の保護基を用いた有機合成方法により製造できる。前記組換えDNA技術を使用する場合、前記各タンパク質は、例えば、前記各タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを作成する。そして、前記各タンパク質の発現系を作製し、発現した前記各タンパク質を作製することにより製造できる。前記発現系は、例えば、前記発現ベクターを細胞(宿主)に導入することで作製できる。前記宿主は、例えば、後述のように、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、細菌細胞等があげられる。また、前記組換えDNA技術を使用する場合、前記各タンパク質は、例えば、前記各タンパク質をコードするポリヌクレオチドと、無細胞翻訳系とを使用し、作製してもよい。そして、前記無細胞翻訳系により、前記ポリヌクレオチドから翻訳された前記各タンパク質を単離することにより製造できる。
[0127]
 また、前記各ポリヌクレオチドの製造方法は、特に制限されず、例えば、化学的合成、鋳型を用いたPCRによる増幅等があげられる。
[0128]
 本発明の組成物は、前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドに加えてまたは代えて、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの発現を誘導する発現誘導物質(以下、「発現誘導物質」ともいう)を含んでもよい。前記発現誘導物質は、例えば、CD74を発現可能な発現系(例えば、宿主(細胞))と共存させた際に、前記発現系におけるCD74の発現を誘導または増強する物質である。具体例として、前記発現誘導物質は、例えば、Pam3CSK4、Histoneタンパク質、MALP-2、Poly(I)/Poly(C)、リポポリサッカライド(LPS)、Flagellin、Imiquimod/R-837、Imidazoquinoline Resiquimod/R-848、CpG ODN 2006等のトル様受容体のリガンド;IL-4等のインターロイキン、IFN-γ等のインターフェロン等のサイトカイン;CIITA(class II, major histocompatibility complex, transactivator)等の転写活性化因子または転写因子;等があげられる。前記発現誘導物質が、サイトカイン、転写活性化因子または転写因子等のタンパク質またはポリペプチドである場合、前記発現誘導物質は、前記タンパク質またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドでもよい。
[0129]
 本発明の組成物が、単一の成分のみを含む場合、本発明の組成物は、例えば、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導剤ということもできる。
[0130]
 本発明の組成物は、例えば、後述する本発明の産生細胞、産生細胞の製造方法およびsMHCII分子の製造方法に使用できる。
[0131]
<可溶型MHCクラスII分子の産生誘導ベクター>
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生誘導ベクター(以下、「誘導ベクター」ともいう)は、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。本発明の誘導ベクターは、前記CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の誘導ベクターによれば、sMHCII分子の産生細胞を簡便に製造でき、これによりsMHCII分子を簡便に製造できる。本発明の誘導ベクターの説明は、例えば、前記本発明の組成物の説明を援用できる。
[0132]
 本発明の誘導ベクターが、複数のタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む場合、全ポリヌクレオチドが同じベクターに含まれてもよいし、全ポリヌクレオチドが別個のベクターに含まれてもよいし、1つ以上のポリヌクレオチドが別個のベクターに含まれ、その他のポリヌクレオチドが1つのベクターに含まれてもよい。
[0133]
 本発明の誘導ベクターは、例えば、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドに加えてまたは代えて、前記発現誘導物質をコードするポリヌクレオチドを含んでもよい。
[0134]
<可溶型MHCクラスII分子の産生誘導キット>
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生誘導キットは、前述のように、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む。本発明のキットは、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含むことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明のキットによれば、sMHCII分子の産生細胞を簡便に製造でき、これによりsMHCII分子を簡便に製造できる。本発明のキットの説明は、例えば、前記本発明の組成物の説明を援用できる。
[0135]
 本発明のキットが、複数の構成成分を含む場合、すなわち、複数のタンパク質、複数のポリヌクレオチドまたは1以上のタンパク質と1以上のポリヌクレオチドとを含む場合、各構成成分は、1つの容器に各成分が収容されてもよいし、複数の容器に各成分が別個に収容されてもよいし、一部の成分が1つの容器に収容され、他の成分が1以上の容器に別個に収容されてもよい。
[0136]
 本発明のキットは、例えば、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドに加えてまたは代えて、前記発現誘導物質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含んでもよい。
[0137]
<可溶型MHCクラスII分子の産生細胞>
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞は、前述のように、外来性のCD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む。本発明の産生細胞は、外来性のCD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含むことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の産生細胞によれば、sMHCII分子を簡便に製造できる。本発明の産生細胞の説明は、例えば、前記本発明の組成物の説明を援用できる。
[0138]
 本発明の産生細胞において、「外来性」は、前記産生細胞外から前記産生細胞内に導入されたことを意味する。
[0139]
 前記外来性のCD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドは、例えば、前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを、細胞に導入することにより生じる。前記細胞内への導入方法は、例えば、パーティクルガン等の遺伝子銃による導入法、リン酸カルシウム法、ポリエチレングリコール法、ポリエチレンイミン法、リポソームを用いるリポフェクション法、エレクトロポレーション法、超音波核酸導入法、DEAE-デキストラン法、微小ガラス管等を用いた直接注入法、ハイドロダイナミック法、カチオニックリポソーム法、導入補助剤を用いる方法等の一時的な導入方法;レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター等のゲノムへの組み込みを伴うウイルスベクターを用いて、ゲノム中に挿入することによる恒常的(安定的)な導入方法;プラスミドベクター等を一時的な導入方法により導入し、染色体に組込まれた細胞を選抜する方法;エピソーマルベクターを導入する方法等があげられる。各導入方法は、市販の試薬を用いてもよい。具体例として、前記リポフェクション法は、例えば、TransIT(登録商標)-293 Reagent、TransIT(登録商標)-2020(Mirus社製)、Lipofectamine(登録商標)2000 Reagent、Lipofectamine(登録商標)2000CD Reagent、Lipofectamine(登録商標)3000 Reagent(Thermo Fisher Scientific社製)、FuGene(登録商標)Transfection Reagent(Promega社製)等を使用してもよい。前記ポリエチレンイミン法は、例えば、PEI: Polyethylenimine "Max" (Polysciences社製)等を使用してもよい。前記細胞内への導入方法の説明は、例えば、CD74以外のタンパク質、すなわち、MHCクラスII分子のα鎖タンパク質、MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質、HLA-DM分子のα鎖タンパク質、HLA-DM分子のβ鎖タンパク質、および/またはターゲットタンパク質、またはそれをコードするポリヌクレオチドの導入方法の説明として援用できる。
[0140]
 前記細胞内に導入する対象がポリヌクレオチドの場合、前記ポリヌクレオチドが導入された産生細胞は、例えば、遺伝子改変された産生細胞、遺伝子導入された産生細胞、形質転換された産生細胞、または形質移入された産生細胞ということもできる。
[0141]
 前記産生細胞における外来性のタンパク質は、例えば、抗体等を用いて検出できる。また、前記産生細胞における外来性のポリヌクレオチドは、例えば、プライマーを用いたPCR、プローブ等を用いて検出してもよいし、前記ポリヌクレオチドから翻訳されるタンパク質に対して、前述の検出方法により検出してもよい。また、前記外来のタンパク質がタグ等を有する場合、前記産生細胞における外来性のタンパク質は、前記タグを検出することより検出してもよい。前記外来性のポリヌクレオチドが前記選択マーカーを有する場合、前記産生細胞における外来性のポリヌクレオチドは、前記選択マーカーを検出することにより検出してもよい。
[0142]
 前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドが導入される細胞(宿主)は、特に制限されず、例えば、MHCクラスII分子を発現している細胞でもよいし、発現していない細胞でもよいが、前者が好ましい。前記細胞は、例えば、古細菌細胞、細菌細胞等の原核細胞または真核細胞があげられる。前記真核細胞は、例えば、植物細胞または動物細胞があげられる。前記動物細胞は、例えば、ヒト細胞またはヒトを除く非ヒト動物細胞があげられる。前記非ヒト動物細胞は、例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、ウサギ、ヒツジ、ウマ、モルモット、ネコ等哺乳類動物、鳥類、魚類等の細胞があげられる。
[0143]
 本発明の産生細胞は、後述の本発明の産生細胞の製造方法により製造できる。
[0144]
<可溶型MHCクラスII分子の産生細胞の製造方法>
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞の製造方法は、前述のように、細胞に、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入する導入工程を含む。本発明の産生細胞の製造方法は、前記細胞に、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入する導入工程を含むことが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の産生細胞の製造方法によれば、sMHCII分子を簡便に製造できる、前記本発明の産生細胞を製造できる。本発明の産生細胞の製造方法は、前記本発明の組成物および産生細胞の説明を援用できる。
[0145]
 前記導入工程において、前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの導入方法および導入対象の細胞は、例えば、前述の細胞内への導入方法および細胞の説明を援用できる。
[0146]
 前記導入工程において、前記細胞に導入するCD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの量は、導入後の細胞において、sMHCII分子が製造可能な範囲であればよい。具体例として、前記導入工程において、前記細胞に導入するCD74タンパク質の量は、例えば、1~100pg/細胞、5~40pg/細胞、10~30pg/細胞である。また、前記細胞に導入するCD74ポリヌクレオチドの量は、例えば、1~100pg/細胞、5~40pg/細胞、10~30pg/細胞である。前記細胞あたりのタンパク質またはポリヌクレオチドの導入量の説明は、例えば、CD74以外のタンパク質、すなわち、MHCクラスII分子のα鎖タンパク質、MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質、HLA-DM分子のα鎖タンパク質、HLA-DM分子のβ鎖タンパク質、および/またはターゲットタンパク質、またはこれらのポリヌクレオチドの導入量の説明として援用できる。
[0147]
 前記導入工程では、CD74以外のタンパク質、すなわち、MHCクラスII分子のα鎖タンパク質、MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質、HLA-DM分子のα鎖タンパク質、HLA-DM分子のβ鎖タンパク質、および/またはターゲットタンパク質、またはこれらのポリヌクレオチドを導入してもよい。前記導入工程では、MHCクラスII分子のα鎖タンパク質およびMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質、またはこれらのポリヌクレオチドを導入することが好ましい。前記導入工程において、2種類以上のタンパク質、2種類以上のポリヌクレオチドまたは1種類以上のタンパク質と1種類以上のポリヌクレオチドとを導入する場合、各成分は、同時に前記細胞に導入されてもよいし、別個に導入されてもよいし、一部の成分が同時に前記細胞に導入され、他の成分が別個に導入されてもよい。
[0148]
 本発明の産生細胞の製造方法は、例えば、前記導入工程で得られた細胞から、前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む細胞を選抜する選抜工程を含んでもよい。前記選抜は、例えば、前述の産生細胞における外来性のタンパク質またはポリヌクレオチドの検出方法により、前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを検出し、検出された細胞を選抜することにより実施できる。また、前記選抜は、例えば、前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入していないコントロールの細胞と比較して、CD74タンパク質の発現量が増加している細胞を選抜することにより実施してもよい。
[0149]
 前記導入工程において、前記MHCクラスII分子のα鎖タンパク質、MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質、HLA-DM分子のα鎖タンパク質、HLA-DM分子のβ鎖タンパク質、および/またはターゲットタンパク質、またはこれらのポリヌクレオチドが導入されている場合、前記選抜工程において、対応するタンパク質またはポリヌクレオチドを含み、かつCD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む細胞を選抜してもよい。前記選抜は、例えば、前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む細胞の選抜と同様にして実施できる。
[0150]
 本発明の産生細胞の製造方法は、例えば、前記導入工程に加えてまたは代えて、細胞を、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの発現を誘導する発現誘導物質と共存させる共存工程を含んでもよい。前記発現誘導物質がポリヌクレオチドである場合、前記細胞と接触したポリヌクレオチドは、前記細胞内に導入されるように構成されることが好ましい。この場合、前記ポリヌクレオチドは、例えば、リポソーム等のベシクル内に封入されていることが好ましい。
[0151]
<可溶型MHCクラスII分子の製造方法>
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の製造方法は、前述のように、前記本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞において、可溶型MHCクラスII分子を発現させる発現工程を含む。本発明のsMHCII分子の製造方法は、前記本発明の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞において、可溶型MHCクラスII分子を発現させる発現工程を含むことが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明のsMHCII分子の製造方法によれば、sMHCII分子を簡便に製造できる。また、本発明のsMHCII分子の製造方法によれば、例えば、前記細胞内での通常のMHCクラスII分子の生成プロセスで製造されるため、正しくフォールディングされた後に、sMHCII分子として放出される。このため、本発明のsMHCII分子の製造方法によれば、例えば、フォールディング法と比較して、効率よく正しくフォールディングされたsMHCII分子を製造することができる。本発明のsMHCII分子の製造方法は、前記本発明の組成物、産生細胞および産生細胞の製造方法の説明を援用できる。
[0152]
 本発明のsMHCII分子の製造方法は、前記発現工程に先立ち、細胞に、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入してもよい(導入工程)。前記導入工程は、前記本発明の産生細胞の製造方法における導入工程と同様にして実施できる。前記導入工程では、CD74以外のタンパク質、すなわち、MHCクラスII分子のα鎖タンパク質、MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質、HLA-DM分子のα鎖タンパク質、HLA-DM分子のβ鎖タンパク質、および/またはターゲットタンパク質、またはこれらのポリヌクレオチドを導入してもよい。
[0153]
 つぎに、前記発現工程では、本発明の産生細胞において、sMHCII分子を発現させる。具体的には、前記発現工程では、例えば、前記CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む産生細胞を培養することにより、sMHCII分子を発現させる。前記産生細胞の培養方法および培養条件は、特に制限されず、前記産生細胞の種類に応じて適宜決定できる。また、前記産生細胞の培地は、特に制限されず、前記産生細胞の種類に応じて適宜決定できる。本発明の産生細胞が、MHCクラスII分子を発現していない細胞の場合、前記発現工程では、例えば、前記MHCクラスII分子の発現を誘導することが好ましい。前記MHCクラスII分子の発現誘導は、例えば、前記トル様受容体のリガンド、IFN-γ等のインターフェロン、またはTNF-α等のサイトカインとの接触により誘導してもよいし、MHCクラスII分子のα鎖およびβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチドを前記細胞に導入することにより誘導してもよい。
[0154]
 本発明のsMHCII分子の製造方法は、前記発現工程後において、前記可溶型MHCクラスII分子を回収する回収工程を含んでもよい。前記産生細胞を培養すると、sMHCII分子は、例えば、培養上清中に放出される。このため、前記回収工程は、前記培養上清を回収することにより実施してもよいし、前記産生細胞を回収することにより実施してもよいし、両者を回収することにより実施してもよい。
[0155]
 本発明のsMHCII分子の製造方法は、回収された可溶型MHCクラスII分子から、可溶型MHCクラスII分子を精製する精製工程を含んでもよい。前記免疫用ペプチドの精製方法は、特に制限されず、例えば、ゲル濾過、HPLC等の公知の精製方法;後述する実施例の超遠心を利用する方法;MHCクラスII分子特異的な抗体を用いる方法;等があげられる。
[0156]
 本発明のsMHCII分子の製造方法は、例えば、前記発現工程に加えてまたは代えて、細胞を、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの発現を誘導する発現誘導物質と共存させる共存工程を含んでもよい。前記発現誘導物質がポリヌクレオチドである場合、前記細胞と接触したポリヌクレオチドは、前記細胞内に導入されるように構成されることが好ましい。この場合、前記ポリヌクレオチドは、例えば、リポソーム等のベシクル内に封入されていることが好ましい。
[0157]
<可溶型MHCクラスII分子の発現誘導物質のスクリーニング方法>
 本発明の可溶型MHCクラスII分子の発現誘導物質のスクリーニング方法(以下、「スクリーニング方法」ともいう)は、可溶型MHCクラスII分子の発現誘導物質のスクリーニング方法であって、被検物質から、CD74の発現量を増加させる被検物質を、前記発現誘導物質の候補物質として選択する。本発明のスクリーニング方法は、CD74の発現量を指標とすることで、効率よくsMHCII分子の発現誘導物質の候補物質を選択できる。本発明のスクリーニング方法は、前記本発明の組成物、産生細胞および産生細胞の製造方法の説明を援用できる。
[0158]
 本発明において、前記被検物質は、特に制限されず、例えば、低分子化合物、特殊環ペプチド等のペプチド、抗体、サイトカイン等のタンパク質、核酸等があげられる。
[0159]
 本発明のスクリーニング方法は、例えば、CD74の発現系に前記被検物質を共存させて、前記CD74を発現させる発現工程と、前記発現系における前記CD74の発現を検出する検出工程と、前記被検物質を共存させていないコントロールの発現系よりもCD74の発現量が高い、前記被検物質を、前記発現誘導物質の候補物質として選択する選択工程とを含む。
[0160]
 前記検出工程において、検出対象の前記発現は、例えば、前記CD74タンパク質の発現でもよいし、前記CD74遺伝子のmRNAの転写でもよい。前記タンパク質の発現およびmRNAの発現の検出方法は、特に制限されず、公知の方法が適用できる。また、検出工程において、検出するCD74は、特に制限されないが、好ましくは、前記産生増強配列を含むCD74である。
[0161]
<可溶型MHCクラスII分子>
 本発明の可溶型MHCクラスII分子は、前記本発明のsMHCII分子の製造方法により得られたことを特徴とする。本発明の可溶型MHCクラスII分子は、前記本発明のsMHCII分子の製造方法により得られたことが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明のsMHCII分子は、例えば、フォールディング法で製造されたsMHCII分子と比較して、正しくフォールディングされたsMHCII分子をより多く含有する。本発明のsMHCII分子は、例えば、フォールディング法で製造されたsMHCII分子と比較して、CD74タンパク質が結合したsMHCII分子をより多く含有する。本発明のsMHCII分子は、例えば、疾患に関連するペプチドをローディングすることにより、医薬として用いることもできる。本発明のsMHCII分子は、前記本発明の組成物、産生細胞、産生細胞の製造方法、およびsMHCII分子の製造方法の説明を援用できる。
[0162]
 以下に実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例
[0163]
[実施例1]
 CD74ノックアウトマウスを作製し、血清におけるsMHCII分子の発現量が減少していることを確認した。
[0164]
(1)ノックアウトマウスの作製
 まず、図1に示すように、マウスCD74のエキソン2の上流(エキソン1側)およびエキソン3の下流(エキソン4側)に、それぞれloxP配列を有するターゲティングベクターを調製した。なお、図示していないが、ターゲティングベクターは、下流側のloxP配列とエキソン4との間にネオマイシンカセットを含む。つぎに、ES細胞(C57BL/6N由来のEGR-101株)に前記ターゲティングベクターを導入後、ネオマイシンを用いた選抜により、相同組換えが生じた結果、図1に示すCD74KOアリルを有するES細胞を得た。得られたES細胞を偽妊娠マウスの子宮に移植し、図1の中段に示すCD74KOアリルを有するマウスを作製した。さらに、得られたマウスを交雑し、両アリルについて、図1の中段に示すCD74KOアリルを有するマウスを作成した(floxマウス)。
[0165]
 つぎに、Cagプロモーター(cytomegalovirus enhancerとchicken β-actin promoterとを連結したプロモーター)の制御下でCreタンパク質を発現するマウス(Cag-Creマウス)と、前記CD74KOアリルを有するマウスを交配させることにより、図1の下段に示すCD74のエキソン2および3が欠失したアリルを有するF1マウスを作製した。F1マウス同士を交配させることにより、常染色体の両遺伝子座において、CD74のエキソン2および3が欠失したアリルを有するCD74KOマウスを得た。
[0166]
(2)CD74分子の発現
 前記CD74KOマウスの脾臓から脾臓細胞を調製後、得られた脾臓細胞を、PE標識抗マウスMHCクラスII抗体(クローン名:M5、Biolegend社製)、PerCp5.5標識抗マウスCD45R/B220抗体(クローン名:RA3-6B2、Biolegend社製)、APC標識抗マウスCD11c抗体(クローン名:N418、Biolegend社製)、およびFITC標識抗マウスCD74抗体(クローン名:In-1、BD Bioscience社製)で染色した。前記染色後、脾臓細胞をフローサイトメーター(FACSVerse、Becton Dickinson社製)で測定した。得られたデータについて、ソフトウェア(FlowJo、BD Biosciences社製)を用いて、CD45R/B220陽性画分(B細胞)およびCD45R/B220陽性CD11c low画分(形質細胞様樹状細胞(pDC))におけるCD74の発現を確認した。また、コントロールは、前記抗マウスCD74抗体に代えて、コントロール抗体(Rat IgG G2b, kappa)を用いた以外は、同様にして実施した。ポジティブコントロールは、前記floxマウスを用いた以外は同様にして実施した。この結果を図2に示す。
[0167]
 図2は、フローサイトメーターによる解析の結果を示すヒストグラムであり、(A)は、CD74の発現量を示すヒストグラムであり、(B)は、MHCクラスII分子の発現量を示すヒストグラムである。図2(A)に示すように、前記floxマウス(CD74 f/f)のB細胞およびpDCでは、CD74が発現しているのに対し、CD74KOマウス(CD74 -/-)のB細胞およびpDCでは、CD74の発現量がコントロールと同程度であり、発現していないことが確認された。また、図2(B)に示すように、CD74KOマウスのB細胞およびpDCでは、それぞれ、前記floxマウスのB細胞およびpDCと比較して、細胞表面のMHCクラスII分子の発現量が有意に低下していた。
[0168]
(3)血清中のsMHCII分子
 sMHCII分子は、血清中に存在することが知られている。そこで、CD74ノックアウトマウスおよび野生型マウスの血清中のsMHCII分子の量を検討した。まず、各マウスから末梢血を取得後、前記末梢血から血清を回収した。つぎに、前記血清について、21500×g、4℃の条件で、30分間遠心し、ゴミ等の夾雑物を沈降させ、除去した。上清を回収後、前記上清について、100000×g、4℃の条件で70分間遠心した。前記遠心後、再度上清画分を回収した。
[0169]
 前記上清画分中のsMHCII分子は、IP-FCM(immunoprecipitation detected by flow cytometry)により検出した。具体的には、まず、抗マウスMHCクラスII抗体(クローン名:M5)と、Aldehyde/Sulfateラテックスビーズ(Thermo Fisher Scientific社製)を混合し、室温(約25℃、以下同様)で終夜振盪することにより、抗マウスMHCクラスII抗体を前記ラテックスビーズに連結した。前記抗体結合ビーズについて、0.1%(w/v)グリシンおよび0.1%(w/v)NaN を含むリン酸緩衝液(PBS)を用いて、3度洗浄後、前記上清画分と混合し、1時間室温でインキュベートした。つぎに、前記抗体結合ビーズを、PE標識抗マウスMHCクラスII抗体(クローン名:AF6-120.1)で染色した。前記染色後の抗体結合ビーズについて、前記フローサイトメーターを用いて、sMHCII分子の発現量を測定した。コントロールは、抗マウスMHCクラスII抗体を結合させていない結合ビーズとした以外は同様にして実施した。この結果を図3に示す。
[0170]
 図3は、血清中のsMHCII分子の発現量を示すグラフである。図3において、(A)は、野生型マウスの血清の結果を示し、(B)は、CD74KOマウスの血清の結果を示す。図3(A)および(B)に示すように、CD74KOマウスの血清におけるsMHCII分子の発現量は、野生型マウスの血清におけるsMHCII分子の発現量と比較して、顕著に低下しており、コントロールと同程度であった。すなわち、CD74KOマウスにおいては、血清中にsMHCII分子が確認できなかった。
[0171]
 これらの結果から、CD74ノックアウトマウスを作製し、血清におけるsMHCII分子の発現量が減少していること、すなわち、CD74がsMHCII分子の産生に必須であることを確認した。
[0172]
[実施例2]
 CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入することにより、sMHCII分子が産生されることを確認した。
[0173]
(1)ベクターの作製
 まず、下記のマウスMHCクラスII分子のα鎖タンパク質(I-A α)をコードするポリヌクレオチド(終止コドン含、NM_010378.3)を含むベクター(I-A α発現ベクター)、下記のマウスMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質(I-A β)をコードするポリヌクレオチド(終止コドン含、NM_207105.3)を含むベクター(I-A β発現ベクター)、前述のマウスCD74タンパク質p31アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号17(終止コドン含)、NM_010545.3)を含むベクター(CD74p31発現ベクター)、および前述のマウスCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号18(終止コドン含)、NM_001042605.1)を含むベクター(CD74p41発現ベクター)を調製した。具体的には、C57BL/6マウスの脾臓からTotal RNAを回収後、前記Total RNAからcDNAを常法により合成した。各ポリヌクレオチドを増幅可能なプライマーセットと、前記cDNAおよびPCR試薬とを用いて、PCRにより各ポリヌクレオチドを含む増幅断片を取得した。そして、得られた増幅断片を、pME18Sにクローニングし、各発現ベクターを取得した。また、GFP発現ベクターは、pMX-GFP(東京大学医科学研究所先端医療研究センター細胞療法分野から入手)を使用した。
[0174]
I-A bαをコードするポリヌクレオチド(配列番号33)
5'-atgccgcgcagcagagctctgattctgggggtcctcgccctgaccaccatgctcagcctctgtggaggtgaagacgacattgaggccgaccacgtaggcacctatggtataagtgtatatcagtctcctggagacattggccagtacacatttgaatttgatggtgatgagttgttctatgtggacttggataagaaggagactgtctggatgcttcctgagtttggccaattggcaagctttgacccccaaggtggactgcaaaacatagctgtagtaaaacacaacttgggagtcttgactaagaggtcaaattccaccccagctaccaatgaggctcctcaagcgactgtgttccccaagtcccctgtgctgctgggtcagcccaacaccctcatctgctttgtggacaacatcttccctcctgtgatcaacatcacatggctcagaaatagcaagtcagtcgcagacggtgtttatgagaccagcttcttcgtcaaccgtgactattccttccacaagctgtcttatctcaccttcatcccttctgacgatgacatttatgactgcaaggtggaacactggggcctggaggagccggttctgaaacactgggaacctgagattccagcccccatgtcagagctgacagagactgtggtctgtgccctggggttgtctgtgggccttgtgggcatcgtggtgggcaccatcttcatcattcaaggcctgcgatcaggtggcacctccagacacccagggcctttatga-3'
[0175]
I-A bβをコードするポリヌクレオチド(配列番号34)
5'-atggctctgcagatccccagcctcctcctcttggctgctgttgtggtgctgacggtgctgagcagcccagggactgagggcggaaactccgaaaggcatttcgtgcaccagttccagcccttctgctacttcaccaacgggacgcagcgcatacggcttgtgatcagatacatctacaaccgggaggagtacgtgcgcttcgacagcgacgtgggcgagtaccgcgcggtgaccgagctggggcggccagacgccgagtactggaataagcagtacctggagcgaacgcgggccgagctggacacggtgtgcagacacaactacgagaagacggagacccccacctccctgcggcggcttgaacagcccagtgtcgtcatctccctgtccaggacagaggccctcaaccaccacaacacgctggtctgctcagtgacagatttctacccagccaagatcaaagtgcgctggttccggaatggccaggaggagacggtgggggtctcgtccacacagcttattaggaatggggactggaccttccaggtcctggtcatgctggagatgacccctcggcggggagaggtctacacctgccatgtggagcatcccagcctgaagagtcccatcaccgtggagtggcgggcacagtccgagtctgcccggagcaagatgttgagcggcatcggtggctgcgtgcttggggtgatcttcctcgggcttggccttttcatccgtcacaggagtcagaaaggacctcgaggccctcctccagcagggctcctgcagtga-3'
[0176]
GFP(配列番号35)
5'-atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagccgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcccgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa-3'
[0177]
(2)産生細胞の調製およびsMHCII分子の産生
 前記発現ベクターを導入する宿主細胞として、HEK293T細胞(理化学研究所 バイオリソースセンターから入手)を使用した。まず、24ウェルプレートに、前記HEK293T細胞を、2×10 細胞/500μL/wellとなるように播種した。つぎに、前記HEK293T細胞への前記発現ベクターの導入は、トランスフェクション試薬(PEI max、コスモバイオ社)を2mg/mlとなるように精製水で溶かしたPEI max溶液を使用した。具体的には、2μL PEI max溶液と50μL 無血清培地(OPTI-MEM(登録商標)、GIBCO社製)との混合液を、0.26μg I-A α発現ベクター、0.26μg I-A β発現ベクター、0.26μg CD74p31発現ベクターおよび0.26μg GFP発現ベクターを含む50μL 無血清培地に添加後、混和し、トランスフェクション試薬を調製した。そして、前記トランスフェクション試薬を各ウェルに添加し、前記発現ベクターを前記HEK293T細胞に導入した。前記導入後、前記HEK293T細胞は、DMEM培地を使用し、37℃、5%CO の湿潤条件下(培養条件は、以下同様)で3日間培養した。そして、培養後に、細胞および培養上清を回収した。また、前記CD74p31発現ベクターに代えて、CD74p41発現ベクターを用いた以外は、同様にして、細胞および培養上清を回収した。さらに、コントロールは、前記CD74p31発現ベクターをトランスフェクションしなかった以外は同様にして、細胞および培養上清を回収した。
[0178]
(3)細胞におけるMHCクラスII分子の発現
 各細胞について、前記PE標識抗MHCクラスII抗体(M5)およびPE標識抗マウスCD74抗体で染色した。前記染色後、各細胞を前記フローサイトメーターで測定し、GFP陽性画分におけるMHCクラスII分子およびCD74の発現を解析した。この結果を図4に示す。
[0179]
 図4は、フローサイトメーターによる解析の結果を示すヒストグラムであり、(A)は、コントロールの細胞(MHCII)の結果を示し、(B)は、CD74p31発現ベクターを導入した細胞(MHCII+CD74p31)の結果を示し、(C)は、CD74p41発現ベクターを導入した細胞(MHCII+CD74p41)の結果を示す。また、図4(A)~(C)において、上段は、細胞表面のMHCクラスII分子の発現を示し、下段は、CD74の発現を示す。図4(A)~(C)に示すように、各細胞は、導入された発現ベクターが含むMHCクラスII分子およびCD74を発現していることが確認された。
[0180]
(4)培養上清中のsMHCII分子
 つぎに、各培養上清について、15000rpm、4℃の条件で、30分間遠心し、ゴミ等の夾雑物を沈降させ、除去した。上清を回収後、前記上清について、100000×g、4℃の条件で70分間遠心した。前記遠心後、再度上清画分を回収した。そして、前記上清画分について、前記実施例1(3)と同様にして、sMHCII分子の発現量を測定した。また、前記上清画分に代えて、既知量のsMHCII分子を含む標準試料を用い、検量線を作製した。そして、各上清画分におけるsMHCII分子の発現量と、前記検量線とに基づき、各上清画分におけるsMHCII分子の濃度を算出した。そして、コントロールにおけるsMHCII分子の濃度を1とし、各上清画分のsMHCII分子の相対濃度を算出することで、培養上清中のsMHCII分子の相対濃度を算出した。これらの結果を図5に示す。
[0181]
 図5は、培養上清におけるsMHCII分子の発現量(産生量)を示すグラフであり、(A)は、コントロールの細胞(MHCII)の結果を示し、(B)は、CD74p31発現ベクターを導入した細胞(MHCII+CD74p31)の結果を示し、(C)は、CD74p41発現ベクターを導入した細胞(MHCII+CD74p41)の結果を示し、(D)は、各培養上清のsMHCII分子の相対濃度を示すグラフである。図5(A)~(C)に示すように、CD74p31発現ベクターまたはCD74p41発現ベクターを導入した細胞は、コントロールと比較して、sMHCII分子の産生量が有意に増加していた。また、図5(B)および(C)に示すように、CD74p41発現ベクターを導入した細胞は、CD74p31発現ベクターを導入した細胞と比較して、sMHCII分子の産生量が有意に増加していた。さらに、図5(D)に示すように、CD74p31発現ベクターを導入した細胞は、コントロールと比較して、約2.5倍のsMHCII分子の産生しており、CD74p41発現ベクターを導入した細胞は、コントロールと比較して、約14倍のsMHCII分子の産生していた。
[0182]
 これらの結果から、本発明の組成物により、sMHCII分子の産生を誘導できることがわかった。また、CD74タンパク質p31アイソフォームとCD74タンパク質p41アイソフォームとの違いは、前述の産生増強配列の有無である。このため、前記CD74タンパク質は、前記産生増強配列を含むことで、sMHCII分子の産生を増強できることがわかった。
[0183]
[実施例3]
 CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入することで産生される、sMHCII分子が、血清中のsMHCII分子と同様に単量体であることを確認した。
[0184]
 前記実施例1(3)で調製した野生型マウスの血清由来の上清画分および前記実施例2(4)で調製したCD74p41発現ベクターを導入した細胞(産生細胞)由来の上清画分に対して、ゲル濾過による分画を行なった。具体的には、ゲル濾過カラム(superdex(登録商標)200 10/300 GL column 、GE Healthcare Life Science社製)に対して、PBSの流速が0.5mL/分となるようにPBSを導入した。この状態で、0.5mLの前記血清または上清画分を前記ゲル濾過カラムに導入し、280nmにおける吸光度に基づき、溶出液をモニターし、250μL/画分として連続的に溶出液を回収した。各画分の溶出液について、前記実施例1(3)と同様にして、sMHCII分子の発現量を測定した。また、MHCクラスII分子の分子量は、分子量マーカー(ヒトIgG:150kDa、ウシ血清アルブミン(BSA):66kDa、ニワトリ卵白リゾチーム:15kDa)の測定値に基づき算出した。これらの結果を図6に示す。
[0185]
 図6は、各分画の結果を示すグラフであり、(A)は、分子量マーカーの280nmにおける吸光度を示し、(B)は、野生型マウスの血清由来の上清画分の280nmにおける吸光度を示し、(C)は、野生型マウスの血清由来の上清画分のsMHCII分子の発現量を示し、(D)は、分子量マーカーの280nmにおける吸光度を示し、(E)は、前記産生細胞由来の上清画分の280nmにおける吸光度を示し、(F)は、前記産生細胞由来の上清画分のsMHCII分子の発現量を示す。図6(A)~(C)に示すように、野生型マウスの血清由来の上清画分では、約60kDa付近に280nmの吸光度のピークおよびsMHCII分子の発現量のピークが見られた。MHCクラスII分子のα鎖タンパク質の分子量は、33kDaであり、MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質の分子量は、28kDaであることから、野生型マウスの血清中に存在するsMHCII分子は、MHCクラスII分子の単量体であることがわかった。また、図6(D)~(F)に示すように、前記産生細胞由来の上清画分においても、約60kDa付近に280nmの吸光度のピークおよびsMHCII分子の発現量のピークが見られた。前述のように、MHCクラスII分子のα鎖タンパク質の分子量は、33kDaであり、MHCクラスII分子のβ鎖タンパク質の分子量は、28kDaであることから、前記産生細胞の培養上清中に存在するsMHCII分子は、MHCクラスII分子の単量体であることがわかった。
[0186]
 これらの結果から、本発明の組成物により製造された産生細胞において産生されるsMHCII分子は、血清中のsMHCII分子と同様に単量体であることがわかった。すなわち、本発明の産生細胞によれば、生体におけるsMHCII分子と同じsMHCII分子を製造できることがわかった。
[0187]
[実施例4]
 マウスCD74p41アイソフォーム等における産生増強配列がsMHCII分子の産生増強に重要であることを確認した。
[0188]
 まず、マウス由来CD74タンパク質について、図7(A)に示す、CD74p41アイソフォームにおける1~20番目のアミノ酸が欠失した変異体(CD74p41Δ1-20)、63~279番目のアミノ酸が欠失した変異体(CD74p41Δ63-279)、117~279番目のアミノ酸が欠失した変異体(CD74p41Δ117-279)、および181~279番目のアミノ酸が欠失した変異体(CD74p41Δ181-279)を発現する産生細胞を作製した。具体的には、CD74p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターおよび下記プライマーセットを用いて、各変異体をコードするポリヌクレオチドをPCRにより増幅し、pME18Sにクローニングし、各変異体の発現ベクターを作製した。
[0189]
CD74p41Δ1-20用プライマーセット
 フォワードプライマー:5'-aatgaattcaccatgcctagagagccagaaaggtgc-3'(配列番号36)
 リバースプライマー:5'-aataatgcggccgctcacagggtgacttgaccc-3'(配列番号37)
CD74p41Δ63-279用プライマーセット
 フォワードプライマー:5'-gggccgcctagactagctgaccatcac-3'(配列番号38)
 リバースプライマー:5'-gtgatggtcagctagtctaggcggccc-3'(配列番号39)
CD74p41Δ117-279用プライマーセット
 フォワードプライマー:5'-tgtgaagaacgttaccaagtagggcaacatgaccc-3'(配列番号40)
 リバースプライマー:5'-gggtcatgttgccctacttggtaacgttcttcaca-3'(配列番号41)
CD74p41Δ181-279用プライマーセット
 フォワードプライマー:5'-gagcaagaactccctgtaggagaagaagcccac-3'(配列番号42)
 リバースプライマー:5'-gtgggcttcttctcctacagggagttcttgctc-3'(配列番号43)
[0190]
 前記CD74p31発現ベクターに加えて、前記CD74p41発現ベクターおよび前記各変異体の発現ベクターを用いた以外は、前記実施例2(2)と同様にして、CD74p31アイソフォーム、CD74p41アイソフォームおよび各変異体を発現する産生細胞を取得した。そして、各産生細胞の培養上清について、前記実施例2(4)と同様にして、培養上清中のsMHCII分子の相対濃度を算出した。これらの結果を図7(B)に示す。
[0191]
 図7(B)は、培養上清におけるsMHCII分子の発現量を示すグラフである。図7(B)において、横軸は、産生細胞が発現するCD74タンパク質のアイソフォームまたは変異体の種類を示し、縦軸は、sMHCII分子の相対濃度を示す。図7(B)に示すように、前記ターゲティング配列を欠失した変異体(CD74p41Δ1-20)は、CD74p41アイソフォームを発現する産生細胞と同等のsMHCII分子を産生した。他方、CD74p41Δ63-279、CD74p41Δ117-279、CD74p41Δ181-279を発現する産生細胞では、sMHCII分子の産生は見られるものの、CD74p41アイソフォームを発現する産生細胞と比較して、sMHCII分子の発現が低下した。これらの結果から、マウスCD74p41アイソフォーム等における産生増強配列がsMHCII分子の産生増強に重要であることがわかった。
[0192]
[実施例5]
 ターゲティングタンパク質由来のペプチドがsMHCII分子にローディングされることを確認した。
[0193]
 前記I-A bβをコードするポリヌクレオチドに代えて、I-A bβをコードするポリヌクレオチドに、下線で示す、I-Eaの52~68番目のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入した下記配列番号44の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むI-Ea-I-A bβ発現ベクターを作製した。
[0194]
I-Ea-I-A bβをコードするポリヌクレオチド(配列番号44)
5'-atgagggcctggatcttctttctcctttgcctggccgggagggctctggca gccagctttgaggctcagggtgcactggctaatatagctgtggacaaagctggcagcggcagcggcagcggagactccgaaaggcatttcgtgtaccagttcatgggcgagtgctacttcaccaacgggacgcagcgcatacgatatgtgaccagatacatctacaaccgggaggagtacgtgcgctacgacagcgacgtgggcgagcaccgcgcggtgaccgagctggggcggccagacgccgagtactggaacagccagccggagatcctggagcgaacgcgggccgagctggacacggtgtgcagacacaactacgaggggccggagacccacacctccctgcggcggcttgaacagcccaatgtcgtcatctccctgtccaggacagaggccctcaaccaccacaacactctggtctgctcagtgacagatttctacccagccaagatcaaagtgcgctggttccggaatggccaggaggagacggtgggggtctcatccacacagcttattaggaatggggactggaccttccaggtcctggtcatgctggagatgacccctcggcggggagaggtctacacctgtcacgtggagcatcccagcctgaagagccccatcactgtggagtggagggcacagtctgagtctgcctggagcaagatgttgagcggcatcgggggctgcgtgcttggggtgatcttcctcgggcttggccttttcatccgtcacaggagtcagaaaggacctcgaggccctcctccagcagggctcctgcagtga-3'
[0195]
 前記CD74p31発現ベクターに代えて、前記CD74p41発現ベクターを用い、I-A β発現ベクターに加えて、I-Ea-I-A bβ発現ベクターを用いた以外は、前記実施例2(2)と同様にして、産生細胞を取得した。そして、得られた産生細胞について、MHCクラスII分子とI-Eaの52~68番目のポリペプチドとの複合体を認識する抗体(クローン名:eBioY-Ae(YAe,Y-Ae)、Thermo Fisher Scientific社製)または前記PE標識抗MHCクラスII抗体(M5)を用いて、MHCクラスII分子にI-Eaの52~68番目のポリペプチドが提示されているかと、MHCクラスII分子の発現とを確認した。
[0196]
 つぎに、抗マウスMHCクラスII抗体に代えて、eBioY-Ae(YAe,Y-Ae)を用いた以外は、前記実施例1(3)と同様にして、抗体結合ビーズを調製した。そして、前記実施例1(3)で調製した抗体結合ビーズに加えて、eBioY-Ae(YAe,Y-Ae)抗体を連結した結合ビーズについて、0.1%(w/v)グリシンおよび0.1%(w/v)NaN を含むリン酸緩衝液(PBS)を用いて、3度洗浄後、前記産生細胞の培養上清と混合し、1時間室温でインキュベートした。つぎに、前記抗体結合ビーズを、PE標識抗マウスMHCクラスII抗体(クローン名:AF6-120.1)で染色した。前記染色後の抗体結合ビーズについて、前記フローサイトメーターを用いて、MHCクラスII分子とI-Eaの52~68番目のポリペプチドとの複合体の発現量と、sMHCII分子の発現量とを測定した。コントロールは前記抗体を結合させていない結合ビーズとした以外は同様にして実施した。これらの結果を図8に示す。
[0197]
 図8は、MHCクラスII分子とI-Eaの52~68番目のポリペプチドとの複合体の発現量およびMHCクラスII分子の発現量を示すグラフである。図8において、(A)は、前記産生細胞におけるMHCクラスII分子とI-Eaの52~68番目のポリペプチドとの複合体の発現量およびMHCクラスII分子の発現量の結果を示し、(B)は、sMHCII分子とI-Eaの52~68番目のポリペプチドとの複合体の発現量およびsMHCII分子の発現量の結果を示す。また、図8において、左列は、I-A β発現ベクターを導入した産生細胞の結果を示し、右列は、I-Ea-I-A bβ発現ベクターを導入した産生細胞の結果を示す。図8(A)および(B)に示すように、いずれの産生細胞においてもMHCクラスII分子が発現し、かつsMHCII分子が産生されていた。また、図8(A)および(B)に示すように、I-Ea-I-A bβ発現ベクターを導入した産生細胞では、MHCクラスII分子とI-Eaの52~68番目のポリペプチドとの複合体が発現しており、かつ、sMHCII分子とI-Eaの52~68番目のポリペプチドとの複合体を産生していた。これらの結果から、sMHCII分子の発現系にターゲティングタンパク質を発現させることで、ターゲティングタンパク質由来のペプチドをsMHCII分子にローディングできることがわかった。
[0198]
[実施例6]
 ヒトCD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入することにより、sMHCII分子が産生されることを確認した。
[0199]
 前記実施例2(1)と同様にして、前述のヒトCD74タンパク質p33アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号13(終止コドン含)、No. X00497.1)を含むベクター(hCD74p33発現ベクター)および前述のヒトCD74タンパク質p41アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号15(終止コドン含))を含むベクター(hCD74p41発現ベクター)を調製した。つぎに、前記CD74p31発現ベクターに加えて、前記hCD74p33発現ベクターまたはhCD74p41発現ベクターを用いた以外は、前記実施例2(2)と同様にして、ヒトCD74p41アイソフォームを発現する産生細胞を取得した。そして、各産生細胞の培養上清について、前記実施例1(3)と同様にして、培養上清中のsMHCII分子の発現量を測定し、MFI(mean fluorescence intensity)を算出した。コントロールは、前記hCD74p33発現ベクターおよびhCD74p41発現ベクターをトランスフェクションしなかった以外は同様にして、MFIを算出した。これらの結果を図9に示す。
[0200]
 図9は、培養上清中のsMHCII分子の発現量を示すグラフである。図9において、横軸は、サンプルの種類を示し、縦軸は、sMHCII分子の発現量(産生量)を示す。図9に示すように、前記hCD74p33発現ベクターまたはhCD74p41発現ベクターを導入した産生細胞は、コントロールと比較し、sMHCII分子の発現量が増加した。なお、コントロールのMFIは、バックグラウンドと同程度であり、sMHCII分子は発現していない。また、hCD74p41発現ベクターを導入した産生細胞は、hCD74p33発現ベクターを導入した産生細胞と比較して、sMHCII分子の発現量が顕著に増加した。これらの結果から、本発明の組成物により、sMHCII分子の産生を誘導できることがわかった。また、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォームとヒトCD74タンパク質p41アイソフォームとの違いは、前述の産生増強配列の有無である。このため、ヒトCD74タンパク質は、前記産生増強配列を含むことで、sMHCII分子の産生を増強できることがわかった。
[0201]
[実施例7]
 CD74タンパク質の発現誘導物質と共存させることにより、sMHCII分子が産生されることを確認した。
[0202]
 マウス(C57BL/6Jマウス、日本SLCから購入)から脾臓を採取し、ホモジナイザーを用いて脾臓細胞を単離した。単離した細胞を2×10 cells/mLに調整後、12ウェルプレート(Nunc cell-culture treated multidishes、Thermo Fisher Scientific社製)に、1 ml/ウェルで播種した。前記播種後、10ng/mLとなるように、マウスIL-4(Cat No.:130-097-757、Miltenyi Biotec社製)を添加し、48時間培養した。前記培養後、培養上清を回収し、前記培養上清について、前記実施例1(3)と同様にして、培養上清中のsMHCII分子の発現量を測定し、MFIを算出した。コントロールは、IL-4を添加しなかった以外は同様にして実施した。これらの結果を図10に示す。
[0203]
 図10は、培養上清中のsMHCII分子の発現量を示すグラフである。図10において、横軸は、サンプルの種類を示し、縦軸は、sMHCII分子の発現量(産生量)を示す。図10に示すように、IL-4存在下で培養した細胞では、コントロールと比較し、sMHCII分子の発現量が増加した。これは、IL-4が、脾臓細胞においてCD74の発現を誘導したからと推定される。これらの結果から、CD74タンパク質の発現誘導物質と共存させることにより、sMHCII分子が産生されることがわかった。
[0204]
[実施例8]
 ヒトCD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入することにより、sMHCII分子が産生されることを確認した。
[0205]
(1)ベクターの作製
 まず、下記のヒトMHCクラスII分子のα鎖タンパク質(HLA-DRA*01:01)をコードするポリヌクレオチド(配列番号45(終止コドン含)、NM_019111.5)を含むベクター(HLA-DRA*01:01発現ベクター)、および下記のヒトMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質(HLA-DRB1*09:01)をコードするポリヌクレオチド(配列番号46(終止コドン含)、HLA-DRB1*09:01:HM067851.1)を含むベクター(HLA-DRB1*09:01発現ベクター)を調製した。具体的には、ヒト721.221細胞(RIKEN BRCから入手)から調製したcDNA(HLA-DRA*01:01用)およびヒトRBRC-HEV0186細胞(RIKEN BRCから入手)から調製したcDNA(HLA-DRB1*09:01用)とPCR試薬とを用いて、PCRにより各ポリヌクレオチドを含む増幅断片を取得した。そして、得られた増幅断片を、pME18Sにクローニングし、各発現ベクターを取得した。また、前記実施例6と同様にして、前述のヒトCD74タンパク質p35アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号14(終止コドン含)、NM_004355.3)を含むベクター(hCD74p35発現ベクター)および前述のヒトCD74タンパク質p43アイソフォームをコードするポリヌクレオチド(配列番号16(終止コドン含)、NM_001025159.2)を含むベクター(hCD74p43発現ベクター)を調製した。
[0206]
HLA-DRA*01:01をコードするポリヌクレオチド(配列番号45)
5'-ATGGCCATAAGTGGAGTCCCTGTGCTAGGATTTTTCATCATAGCTGTGCTGATGAGCGCTCAGGAATCATGGGCTATCAAAGAAGAACATGTGATCATCCAGGCCGAGTTCTATCTGAATCCTGACCAATCAGGCGAGTTTATGTTTGACTTTGATGGTGATGAGATTTTCCATGTGGATATGGCAAAGAAGGAGACGGTCTGGCGGCTTGAAGAATTTGGACGATTTGCCAGCTTTGAGGCTCAAGGTGCATTGGCCAACATAGCTGTGGACAAAGCCAACCTGGAAATCATGACAAAGCGCTCCAACTATACTCCGATCACCAATGTACCTCCAGAGGTAACTGTGCTCACAAACAGCCCTGTGGAACTGAGAGAGCCCAACGTCCTCATCTGTTTCATAGACAAGTTCACCCCACCAGTGGTCAATGTCACGTGGCTTCGAAATGGAAAACCTGTCACCACAGGAGTGTCAGAGACAGTCTTCCTGCCCAGGGAAGACCACCTTTTCCGCAAGTTCCACTATCTCCCCTTCCTGCCCTCAACTGAGGACGTTTACGACTGCAGGGTGGAGCACTGGGGCTTGGATGAGCCTCTTCTCAAGCACTGGGAGTTTGATGCTCCAAGCCCTCTCCCAGAGACTACAGAGAACGTGGTGTGTGCCCTGGGCCTGACTGTGGGTCTGGTGGGCATCATTATTGGGACCATCTTCATCATCAAGGGATTGCGCAAAAGCAATGCAGCAGAACGCAGGGGGCCTCTGTAA-3'
[0207]
HLA-DRB1*09:01をコードするポリヌクレオチド(配列番号46)
5'-ATGGTGTGTCTGAAGCTCCCTGGAGGCTCCTGCATGGCAGCTCTGACAGTGACACTGATGGTGCTGAGCTCCCCACTGGCTTTGGCTGGGGACACCCAACCACGTTTCTTGAAGCAGGATAAGTTTGAGTGTCATTTCTTCAACGGGACGGAGCGGGTGCGGTATCTGCACAGAGGCATCTATAACCAAGAGGAGAACGTGCGCTTCGACAGCGACGTGGGGGAGTACCGGGCGGTGACGGAGCTGGGGCGGCCTGTCGCCGAGTCCTGGAACAGCCAGAAGGACTTCCTGGAGCGGAGGCGGGCCGAGGTGGACACCGTGTGCAGACACAACTACGGGGTTGGTGAGAGCTTCACAGTGCAGAGGCGAGTCCATCCTGAGGTGACTGTGTATCCTGCCAAGACTCAGCCCCTGCAGCACCACAACCTCCTGGTCTGCTCTGTGAGTGGTTTCTATCCAGGCAGCATTGAAGTCAGGTGGTTCCGGAACGGCCAGGAAGAGAAGGCTGGGGTGGTGTCCACAGGCCTGATCCAGAATGGAGACTGGACCTTCCAGACCCTGGTGATGCTGGAAACAGTTCCTCGGAGTGGAGAAGTTTACACCTGCCAAGTGGAGCACCCAAGTGTGATGAGCCCTCTCACAGTGGAATGGAGAGCACGGTCTGAATCTGCACAGAGCAAGATGCTGAGTGGAGTCGGGGGCTTTGTGCTGGGCCTGCTCTTCCTTGGGGCCGGGCTGTTCATCTACTTCAGGAATCAGAAAGGACACTCTGGACTTCAGCCAACAGGATTCCTGAGCTGA-3'
[0208]
(2)産生細胞の調製およびsMHCII分子の産生
 I-A α発現ベクターに代えて、HLA-DRA*01:01発現ベクターを用い、I-A β発現ベクターに代えて、HLA-DRB1*09:01発現ベクターを用い、CD74p31発現ベクターに代えて、hCD74p33発現ベクター、hCD74p35発現ベクター、hCD74p41発現ベクター、またはhCD74p43発現ベクターを用いた以外は、前記実施例2(2)と同様にして、発現ベクターを導入し、培養上清を回収した。
[0209]
(3)培養上清中のsMHCII分子
 前記上清画分中のsMHCII分子は、IP-FCM(immunoprecipitation detected by flow cytometry)により検出した。具体的には、まず、抗HLA-DR抗体(クローン名:WR18、Bio-rad社製)と、Aldehyde/Sulfateラテックスビーズ(Thermo Fisher Scientific社製)を混合し、室温(約25℃、以下同様)で終夜振盪することにより、抗HLA-DR抗体を前記ラテックスビーズに連結した。前記抗体結合ビーズについて、0.1%(w/v)グリシンおよび0.1%(w/v)NaN を含むリン酸緩衝液(PBS)を用いて、3度洗浄後、前記上清画分と混合し、1時間室温でインキュベートした。つぎに、前記抗体結合ビーズを、ビオチン標識抗HLA-DR抗体(クローン名:L243、BioLegend社製)と反応させた後に、APC標識ストレプトアビジン(Jackson laboratory社製)で染色した。前記染色後の抗体結合ビーズについて、前記フローサイトメーターを用いて、HLA-DRの発現量を測定し、MFIを算出した。コントロールは、前記hCD74p35発現ベクター、hCD74p41発現ベクター、およびhCD74p43発現ベクターをトランスフェクションしなかった以外は同様にして、MFIを算出した。そして、コントロールのMFIを1として、相対的な発現量を算出した。この結果を図11に示す。
[0210]
 図11は、培養上清中のsMHCII分子の相対的な発現量を示すグラフである。図11において、横軸は、サンプルの種類を示し、縦軸は、sMHCII分子の相対的な発現量(産生量)を示す。図11に示すように、いずれのCD74発現ベクターを導入した産生細胞においても、コントロールと比較し、sMHCII分子の発現量が増加した。また、hCD74p33発現ベクター、hCD74p35発現ベクターまたはhCD74p41発現ベクターを導入した産生細胞は、hCD74p43発現ベクターを導入した産生細胞と比較して、sMHCII分子の発現量が増加した。これらの結果から、本発明の組成物により、ヒトのsMHCII分子の産生を誘導できること、およびヒトCD74アイソフォームのうち、CD74p31アイソフォーム、CD74p35アイソフォームおよびCD74p41アイソフォームが、特にsMHCII分子の産生増強能が高いことがわかった。
[0211]
[実施例9]
 ヒトCD74タンパク質、HLA-DMα鎖およびHLA-DMβ鎖をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入することにより、sMHCII分子の産生が促進されることを確認した。
[0212]
(1)ベクターの作製
 まず、前述のヒトHLA-DMα鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号29(終止コドン含)、NM_006120.3)を含むベクター(HLA-DMα発現ベクター)、および前述のヒトHLA-DMβ鎖タンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号30(終止コドン含)、NM_002118.4)を含むベクター(HLA-DMβ発現ベクター)を調製した。具体的には、ヒトRBRC-HEV0023(RIKEN BRCから入手)から調製したcDNAおよびPCR試薬とを用いて、PCRにより各ポリヌクレオチドを含む増幅断片を取得した。そして、得られた増幅断片を、pME18Sにクローニングし、各発現ベクターを取得した。
[0213]
(2)産生細胞の調製およびsMHCII分子の産生
 I-A α発現ベクターに代えて、HLA-DRA*01:01発現ベクターを用い、I-A β発現ベクターに代えて、HLA-DRB1*09:01発現ベクターを用い、CD74p31発現ベクターに代えて、hCD74p41発現ベクターまたはhCD74p43発現ベクターを用い、さらに、0.26μg HLA-DMα発現ベクターおよび0.26μg HLA-DMβ発現ベクターを添加した以外は、前記実施例2(2)と同様にして、発現ベクターを導入し、培養上清を回収した。
[0214]
(3)培養上清中のsMHCII分子
 前記上清画分中のsMHCII分子の相対的な発現量は、前記実施例8(3)と同様にして算出した。コントロールは、前記hCD74p41発現ベクターおよびhCD74p43発現ベクターをトランスフェクションしなかった以外は同様にして、MFIを算出した。そして、コントロールのMFIを1として、相対的な発現量を算出した。この結果を図12に示す。
[0215]
 図12は、培養上清中のsMHCII分子の相対的な発現量を示すグラフである。図12において、横軸は、サンプルの種類を示し、縦軸は、sMHCII分子の相対的な発現量(産生量)を示す。図12に示すように、前記hCD74p41発現ベクターまたはhCD74p43発現ベクターと、HLA-DMα発現ベクターおよびHLA-DMβ発現ベクターとを導入した産生細胞は、コントロールと比較し、sMHCII分子の発現量が増加した。また、hCD74p41発現ベクターを導入した産生細胞は、hCD74p43発現ベクターを導入した産生細胞と比較して、sMHCII分子の発現量が増加した。さらに、前記実施例8の結果と比較した場合、本実施例の産生細胞は、いずれも、HLA-DMα発現ベクターおよびHLA-DMβ発現ベクターを導入していない産生細胞と比較して、sMHCII分子の発現量が増加した。これらの結果から、本発明の組成物により、ヒトのsMHCII分子の産生を誘導できること、HLA-DMと共発現させることにより、さらにsMHCII分子の産生を増強できることがわかった。
[0216]
[実施例10]
 ヒトCD74タンパク質、HLA-DMα鎖およびHLA-DMβ鎖をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入することにより、sMHCII分子が産生されることを確認した。
[0217]
(1)ベクターの作製
 まず、下記のヒトMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質(HLA-DRB1*04:05)をコードするポリヌクレオチド(配列番号47(終止コドン含)、HM067846)を含むベクター(HLA-DRB1*04:05発現ベクター)を調製した。具体的には、ヒトRBRC-HEV0023(RIKEN BRCから入手)から調製したcDNAおよびPCR試薬とを用いて、PCRにより各ポリヌクレオチドを含む増幅断片を取得した。そして、得られた増幅断片を、pME18Sにクローニングし、各発現ベクターを取得した。
[0218]
HLA-DRB1*04:05をコードするポリヌクレオチド(配列番号47)
5'-ATGGTGTGTCTGAAGTTCCCTGGAGGCTCCTGCATGGCAGCTCTGACAGTGACACTGATGGTGCTGAGCTCCCCACTGGCTTTGGCTGGGGACACCCGACCACGTTTCTTGGAGCAGGTTAAACATGAGTGTCATTTCTTCAACGGGACGGAGCGGGTGCGGTTCCTGGACAGATACTTCTATCACCAAGAGGAGTACGTGCGCTTCGACAGCGACGTGGGGGAGTACCGGGCGGTGACGGAGCTGGGGCGGCCTAGCGCCGAGTACTGGAACAGCCAGAAGGACCTCCTGGAGCAGAGGCGGGCCGCGGTGGACACCTACTGCAGACACAACTACGGGGTTGGTGAGAGCTTCACAGTGCAGCGGCGAGTCTATCCTGAGGTGACTGTGTATCCTGCAAAGACCCAGCCCCTGCAGCACCACAACCTCCTGGTCTGCTCTGTGAATGGTTTCTATCCAGGCAGCATTGAAGTCAGGTGGTTCCGGAACGGCCAGGAAGAGAAGACTGGGGTGGTGTCCACAGGCCTGATCCAGAATGGAGACTGGACCTTCCAGACCCTGGTGATGCTGGAAACAGTTCCTCGGAGTGGAGAGGTTTACACCTGCCAAGTGGAGCACCCAAGCCTGACGAGCCCTCTCACAGTGGAATGGAGAGCACGGTCTGAATCTGCACAGAGCAAGATGCTGAGTGGAGTCGGGGGCTTCGTGCTGGGCCTGCTCTTCCTTGGGGCCGGGCTGTTCATCTACTTCAGGAATCAGAAAGGACACTCTGGACTTCAGCCAACAGGATTCCTGAGCTGA-3'
[0219]
(2)産生細胞の調製およびsMHCII分子の産生
 I-A α発現ベクターに代えて、HLA-DRA発現ベクターを用い、I-A β発現ベクターに代えて、HLA-DRB1*04:05発現ベクターを用い、CD74p31発現ベクターに代えて、hCD74p33発現ベクターまたはhCD74p41発現ベクターを用い、さらに、0.26μg HLA-DMα発現ベクターおよび0.26μg HLA-DMβ発現ベクターを添加した以外は、前記実施例2(2)と同様にして、発現ベクターを導入し、培養上清を回収した。
[0220]
(3)培養上清中のsMHCII分子
 前記上清画分中のsMHCII分子の相対的な発現量は、前記実施例8(3)と同様にして算出した。コントロールは、前記hCD74p33発現ベクターおよびhCD74p41発現ベクターをトランスフェクションしなかった以外は同様にして、MFIを算出した。そして、コントロールのMFIを1として、相対的な発現量を算出した。この結果を図13に示す。
[0221]
 図13は、培養上清中のsMHCII分子の相対的な発現量を示すグラフである。図13において、横軸は、サンプルの種類を示し、縦軸は、sMHCII分子の相対的な発現量(産生量)を示す。図13に示すように、前記hCD74p33発現ベクターまたはhCD74p41発現ベクターを導入した産生細胞は、コントロールと比較し、sMHCII分子の発現量が増加した。また、hCD74p33発現ベクターを導入した産生細胞は、hCD74p41発現ベクターを導入した産生細胞と比較して、sMHCII分子の発現量が増加した。これらの結果から、本発明の組成物により、ヒトのsMHCII分子の産生を誘導できることがわかった。
[0222]
 以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
[0223]
 この出願は、2018年12月6日に出願された日本出願特願2018-228986を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
[0224]
<付記>
 上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物。
(付記2)
MHCクラスII分子のα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、付記1記載の産生誘導組成物。
(付記3)
前記CD74タンパク質は、CD74タンパク質のp41アイソフォームである、付記1または2記載の産生誘導組成物。
(付記4)
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p35アイソフォーム、およびヒトCD74タンパク質p41アイソフォームからなる群から選択された少なくとも1つを含む、付記1または2記載の産生誘導組成物。
(付記5)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含まない、付記4記載の産生誘導組成物。
(付記6)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、付記1から4のいずれかに記載の産生誘導組成物。
(付記7)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含み、
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームおよびヒトCD74タンパク質p43アイソフォームの少なくとも一方を含む、付記1または2記載の産生誘導組成物。
(付記8)
MHCクラスII分子と複合体化させるペプチドを含むタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、付記1から7のいずれかに記載の産生誘導組成物。
(付記9)
前記CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターである、付記1から8のいずれかに記載の産生誘導組成物。
(付記10)
CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導ベクター。
(付記11)
MHCクラスII分子のα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、付記10記載の産生誘導ベクター。
(付記12)
前記CD74タンパク質は、CD74タンパク質のp41アイソフォームである、付記10または11記載の産生誘導ベクター。
(付記13)
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p35アイソフォーム、およびヒトCD74タンパク質p41アイソフォームからなる群から選択された少なくとも1つを含む、付記10または11記載の産生誘導ベクター。
(付記14)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含まない、付記13記載の産生誘導ベクター。
(付記15)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、付記10から13のいずれかに記載の産生誘導ベクター。
(付記16)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含み、
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームおよびヒトCD74タンパク質p43アイソフォームの少なくとも一方を含む、付記10または11記載の産生誘導ベクター。
(付記17)
MHCクラスII分子と複合体化させるペプチドを含むタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、付記10から16のいずれかに記載の産生誘導ベクター。
(付記18)
前記CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターである、付記10から17のいずれかに記載の産生誘導ベクター。
(付記19)
CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導キット。
(付記20)
MHCクラスII分子のα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、付記19記載の産生誘導キット。
(付記21)
前記CD74タンパク質は、CD74タンパク質のp41アイソフォームである、付記19または20記載の産生誘導キット。
(付記22)
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p35アイソフォーム、およびヒトCD74タンパク質p41アイソフォームからなる群から選択された少なくとも1つを含む、付記19または20記載の産生誘導キット。
(付記23)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含まない、付記22記載の産生誘導キット。
(付記24)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、付記19から22のいずれかに記載の産生誘導キット。
(付記25)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含み、
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームおよびヒトCD74タンパク質p43アイソフォームの少なくとも一方を含む、付記19または20記載の産生誘導キット。
(付記26)
MHCクラスII分子と複合体化させるペプチドを含むタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、付記19から25のいずれかに記載の産生誘導キット。
(付記27)
前記CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターである、付記19から26のいずれかに記載の産生誘導キット。
(付記28)
外来性のCD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞。
(付記29)
外来性のMHCクラスII分子のα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、および外来性のMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、付記28記載の産生細胞。
(付記30)
前記CD74タンパク質は、CD74タンパク質のp41アイソフォームである、付記28または29記載の産生細胞。
(付記31)
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p35アイソフォーム、およびヒトCD74タンパク質p41アイソフォームからなる群から選択された少なくとも1つを含む、付記28または29記載の産生細胞。
(付記32)
外来性のHLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、および外来性のHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含まない、付記31記載の産生細胞。
(付記33)
外来性のHLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、および外来性のHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、付記28から31のいずれかに記載の産生細胞。
(付記34)
外来性のHLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、および外来性のHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含み、
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームおよびヒトCD74タンパク質p43アイソフォームの少なくとも一方を含む、付記28または29記載の産生細胞。
(付記35)
外来性のMHCクラスII分子と複合体化させるペプチドを含むタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、付記28から34のいずれかに記載の産生細胞。
(付記36)
前記CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターである、付記28から35のいずれかに記載の産生細胞。
(付記37)
細胞に、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入する導入工程を含む、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞の製造方法。
(付記38)
MHCクラスII分子のα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を導入する、付記37記載の産生細胞の製造方法。
(付記39)
前記CD74タンパク質は、CD74タンパク質のp41アイソフォームである、付記37または38記載の産生細胞の製造方法。
(付記40)
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p35アイソフォーム、およびヒトCD74タンパク質p41アイソフォームからなる群から選択された少なくとも1つを含む、付記37または38記載の産生細胞の製造方法。
(付記41)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、および外来性のHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を導入しない、付記40記載の産生細胞の製造方法。
(付記42)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を導入する、付記37から40のいずれかに記載の産生細胞の製造方法。
(付記43)
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、および外来性のHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を導入し、
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームおよびヒトCD74タンパク質p43アイソフォームの少なくとも一方を含む、付記37または38記載の産生細胞の製造方法。
(付記44)
MHCクラスII分子と複合体化させるペプチドを含むタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入する、付記37から43のいずれかに記載の産生細胞の製造方法。
(付記45)
前記CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターである、付記37から44のいずれかに記載の産生細胞の製造方法。
(付記46)
付記28から36のいずれかに記載の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞において、可溶型MHCクラスII分子を発現させる発現工程を含む、可溶型MHCクラスII分子の製造方法。
(付記47)
前記発現工程に先立ち、細胞に、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入する導入工程を含む、付記46記載の可溶型MHCクラスII分子の製造方法。
(付記48)
前記発現工程後において、前記可溶型MHCクラスII分子を回収する回収工程を含む、付記46または47記載の可溶型MHCクラスII分子の製造方法。
(付記49)
回収された可溶型MHCクラスII分子から、可溶型MHCクラスII分子を精製する精製工程を含む、付記48記載の可溶型MHCクラスII分子の製造方法。
(付記50)
付記46から49のいずれかに記載の可溶型MHCクラスII分子の製造方法により得られる、可溶型MHCクラスII分子。
(付記51)
CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの発現を誘導する発現誘導物質を含む、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物。
(付記52)
前記発現誘導物質は、トル様受容体のリガンドを含む、付記51記載の可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物。
(付記53)
前記発現誘導物質は、サイトカインを含む、付記51または52記載の可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物。
(付記54)
前記サイトカインは、IL-4またはINF-γである、付記53記載の可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物。
(付記55)
被検物質から、CD74の発現量を増加させる被検物質を、可溶型MHCクラスII分子の発現誘導物質の候補物質として選択する、可溶型MHCクラスII分子の発現誘導物質のスクリーニング方法。
(付記56)
CD74の発現系に前記被検物質を共存させて、前記CD74を発現させる発現工程と、前記発現系における前記CD74の発現を検出する検出工程と、前記被検物質を共存させていないコントロールの発現系よりもCD74の発現量が高い、前記被検物質を、前記発現誘導物質の候補物質として選択する選択工程とを含む、付記55記載の可溶型MHCクラスII分子の発現誘導物質のスクリーニング方法。
(付記57)
前記被検物質は、低分子化合物、ペプチド、タンパク質、または核酸である、付記55または56記載の可溶型MHCクラスII分子の発現誘導物質のスクリーニング方法。

産業上の利用可能性

[0225]
 本発明によれば、新たなsMHCII分子の産生誘導組成物、sMHCII分子の産生細胞、sMHCII分子の産生細胞の製造方法およびsMHCII分子の製造方法を提供できる。前記sMHCII分子は、例えば、研究分野および医薬分野において利用できる。このため、本発明は、例えば、研究分野および医薬分野等において極めて有用である。

請求の範囲

[請求項1]
CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導組成物。
[請求項2]
MHCクラスII分子のα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびMHCクラスII分子のβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、請求項1記載の産生誘導組成物。
[請求項3]
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p33アイソフォーム、ヒトCD74タンパク質p35アイソフォーム、およびヒトCD74タンパク質p41アイソフォームからなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1または2記載の産生誘導組成物。
[請求項4]
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含まない、請求項3記載の産生誘導組成物。
[請求項5]
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の産生誘導組成物。
[請求項6]
HLA-DMのα鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド、およびHLA-DMのβ鎖タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの少なくとも一方を含み、
前記MHCクラスII分子は、ヒトMHCクラスII分子であり、
前記CD74タンパク質は、ヒトCD74タンパク質p41アイソフォームおよびヒトCD74タンパク質p43アイソフォームの少なくとも一方を含む、請求項1または2記載の産生誘導組成物。
[請求項7]
MHCクラスII分子と複合体化させるペプチドを含むタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の産生誘導組成物。
[請求項8]
前記CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、CD74タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターである、請求項1から7のいずれか一項に記載の産生誘導組成物。
[請求項9]
CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、可溶型MHCクラスII分子の産生誘導キット。
[請求項10]
外来性のCD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞。
[請求項11]
細胞に、CD74タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを導入する導入工程を含む、可溶型MHCクラスII分子の産生細胞の製造方法。
[請求項12]
請求項10記載の可溶型MHCクラスII分子の産生細胞において、可溶型MHCクラスII分子を発現させる発現工程を含む、可溶型MHCクラスII分子の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]