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1. WO2020116497 - 粘着テープの剥離方法、粘着テープ及び電子部品

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明 細 書

発明の名称 粘着テープの剥離方法、粘着テープ及び電子部品

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

発明の効果

0053  

図面の簡単な説明

0054  

発明を実施するための形態

0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081  

産業上の利用可能性

0082  

符号の説明

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 粘着テープの剥離方法、粘着テープ及び電子部品

技術分野

[0001]
本発明は、粘着テープによって固定された部品を回収する際に部品が損傷し難い粘着テープの剥離方法、該剥離方法に用いる粘着テープ及び該剥離方法に用いる粘着テープが用いられた電子部品に関する。

背景技術

[0002]
画像表示装置又は入力装置を搭載した携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)においては、組み立てのために両面粘着テープが用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したり、センサーや電池パックを固定したりするために両面粘着テープが用いられている(例えば、特許文献1、2)。また、車輌部品(例えば、車載用パネル)を車両本体に固定する用途にも両面粘着テープが用いられている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2009-242541号公報
特許文献2 : 特開2009-258274号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
近年の電子機器は薄化、高密度化が進んでいるため、電池パック等の部品は粘着テープによって基板や筐体と固定されている。電子機器の電池パックの交換する際や廃棄された電子機器から再利用可能な部品を取り出す際には、粘着テープを剥離して機器と部品とを分離している。しかしながら、このような部品の固定に用いられる粘着テープは粘着力が高いことから、剥離する際に部品が損傷してしまうことがあるという問題がある。特に近年の電子機器部品は薄化、小型化が進んでいるため、上記問題が起こりやすくなっている。
[0005]
本発明は、上記現状に鑑み、粘着テープによって固定された部品を回収する際に部品が損傷し難い粘着テープの剥離方法、該剥離方法に用いる粘着テープ及び該剥離方法に用いる粘着テープが用いられた電子部品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
本発明は、スチレン系エラストマーを含有する粘着剤層を有する粘着テープと被着体とが貼り合された積層体の前記粘着剤層に、SP値22.0以下の剥離液を接触させた後、前記被着体と前記粘着テープとを剥離する、粘着テープの剥離方法である。
以下に本発明を詳述する。
[0007]
本発明の粘着テープの剥離方法は、粘着剤層を有する粘着テープと被着体とが貼り合された積層体の上記粘着剤層に、剥離液を接触させた後、上記被着体と前記粘着テープとを剥離する。
粘着テープの粘着剤層に剥離液を接触させることで、被着体と粘着剤層との間に剥離液が浸透し、粘着テープの粘着力を低下させることによって、被着体の損傷を抑えて被着体を粘着テープから剥離することができる。上記粘着テープを剥離する具体的な方法は特に限定されない。例えば、基板と被着体とが上記粘着テープによって固定されている積層体において、被着体と基板との隙間に上記剥離液を流し込み、上記粘着剤層と上記剥離液を接触させ、その後、ピック等を隙間に挿入して持ち上げる方法等が挙げられる。上記剥離液を接触させる時間は特に限定されず、被着体の状態に応じて剥離液が充分浸透する時間を適宜選択することができるが、剥離液による被着体への影響を考慮すると、3秒以上、60秒以下であることが好ましい。
[0008]
上記粘着剤層は、スチレン系エラストマーを含有する。
上記粘着剤層にスチレン系エラストマーを用いることで、充分な粘着力で被着体を固定することができる。また、上記粘着剤層を上記剥離液と接触させることによって、粘着力を低下させることができ、被着体の損傷を抑えて粘着テープを剥離することができる。
[0009]
上記スチレン系エラストマーとしては特に限定されず、例えば、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレンブタジエンゴム(HSBR)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SI)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)等が挙げられる。
[0010]
なかでも、高分子の一次構造設計において適度な粘弾性に調整しやすいことから、上記スチレン系エラストマーは水添系スチレン系エラストマーであることが好ましい。上記水添系スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレンブタジエンゴム(HSBR)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)等が挙げられる。
[0011]
上記スチレン系エラストマーは、被着体への汚染をさらに抑制できる観点から、水素添加率が95%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましい。スチレン系エラストマーの水素添加率が上記下限以上とすることで、被着体への汚染をさらに抑制することができる。上記スチレン系エラストマーの水素添加率は、通常100%以下である。
[0012]
上記スチレン系エラストマーは、球状の相とその他の相に相分離した構造を有することが好ましい。
スチレン系エラストマーは、ゴム弾性を示すゴムセグメントと、スチレンセグメントからなっており、ゴムセグメントとスチレンセグメントは相溶性が低いことから、分子内でゴムセグメントとスチレンセグメントが球状の相とその他の相に分離して存在する不均一な相分離構造となることがある。上記スチレン系エラストマーが相分離した構造を有すると、SP値の低い材料に対しては、ゴムセグメントが相互作用し、またSP値の高い材料に対しては、スチレンセグメントが相互作用するため、粘着剤層の接着力を向上させることができる。通常、粘着力と剥離性はトレードオフの関係にあるため、タッキーファイヤー等を大量に用いて粘着力を向上させると剥離性能が低下するという問題も生じる。しかしながら、上記相分離による接着力の向上効果は、上記剥離液を接触させた際の剥離性に影響を与えにくいため、高い粘着力と剥離性とを両立することができる。高い粘着力と剥離性の両立の観点から、上記球状の相の直径の好ましい下限は5nm、より好ましい下限は6nmである。上記球状の相の直径の上限は特に限定されないが、球状構造の安定性の観点から100nm程度が限度である。
[0013]
上記スチレン系エラストマーは、スチレン含有量が5重量%以上40重量%以下であることが好ましい。
スチレン系エラストマーに含まれるスチレンの含有量が上記範囲であることで、充分な量のスチレンセグメントの相分離構造を形成することができ、基材層から粘着剤層をより剥離し難くすることができる。また、上記範囲のスチレン含有量であることで、十分な粘着力を発現することができる。更に上記範囲のスチレン含有量であることで、相分離構造の形状を球状にしやすくすることができ、粘着力と剥離液と接触させた際の剥離性とをより高めることができる。スチレンセグメントの相分離構造の形成の更なる促進、粘着力と剥離性のさらなる向上及び基材層からの粘着剤層の剥離の更なる抑制の観点から、上記スチレン系エラストマーのスチレン含有量のより好ましい下限は7重量%、より好ましい上限は35重量%である。
[0014]
上記粘着剤層は、タッキーファイヤーを含有することが好ましい。
粘着剤層にタッキーファイヤーを配合することで、粘着テープの粘着力をより向上させることができ、被着体をより確実に固定することができる。
上記タッキーファイヤーとしては特に限定されないが、粘着力をより向上できることから、水添系の石油系及び/又はテルペンフェノール系タッキーファイヤーであることが好ましく、水添系石油系タッキーファイヤーであることがより好ましい。中でも脂環族飽和炭化水素系のタッキーファイヤーであることがより好ましい。これは剥離液との親和性の低い脂環族飽和炭化水素系のタッキーファイヤーを使用することで、より効果的に剥離液を粘着テープと被着体の界面に侵入させることができ、その結果、より剥離を効果的にすることができる。上記タッキーファイヤーの水素添加率は95%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましい。なお、上記タッキーファイヤーの水素添加率の上限値は、通常100%以下である。
[0015]
上記スチレン系エラストマー100重量部に対する上記タッキーファイヤーの含有量の好ましい下限は10重量部であり、より好ましい下限は20重量部である。また、上記スチレン系エラストマー100重量部に対する上記タッキーファイヤーの含有量の好ましい上限は120重量部であり、より好ましい上限は100重量部である。
[0016]
上記粘着剤層は、必要に応じて更に軟化剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤、離型剤等の添加剤を含有してもよい。
[0017]
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、より好ましい下限は8μm、更に好ましい下限は10μmであり、好ましい上限は500μm、より好ましい上限は300μmである。上記粘着剤層の厚みがこの範囲内であると、上記粘着テープを含む電子部品を軽量化することができ、また充分な粘着力と取り扱い性を持つ粘着テープとすることができる。
[0018]
上記粘着テープは基材層を有するサポートタイプであってもよく、基材層を有さないノンサポートタイプであってもよい。上記粘着テープが基材層を有する場合は、基材層と前記基材層の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであることが好ましい。
[0019]
上記粘着テープが基材層を有する場合、上記基材層の原料としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、α-オレフィン共重合体、ポリウレタン、スチレン系エラストマー等が挙げられる。なかでも、より引張破断強度及び引張破断伸度に優れた粘着テープとなることと、基材層と粘着剤層との層間剥離を抑制する観点から、基材層の原料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、α-オレフィン共重合体、ポリエステル及びポリウレタンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。上記基材層の原料は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
[0020]
上記基材層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、より好ましい下限は20μmである。上記基材層の厚みが上記下限以上であることで、得られる粘着テープの強度が向上し、剥離の際に千切れ難くなる。上記基材層の厚みの上限は特に限定されないが、1mm以下であることが好ましい。上記基材層の厚みが上記上限以下であることで、上記粘着テープを含む電子部品を軽量化でき、さらに柔軟性と取り扱い性に優れた両面粘着テープとすることができる。
[0021]
上記粘着テープは、ステンレス板に対する剥離強度が8N/25mm以上であり、かつ、剥離液に30秒浸漬した後の上記ステンレス板に対する剥離強度が6N/25mm以下であることが好ましい。
剥離液に浸漬する前の剥離強度が8N/25mm以上であることで、充分な粘着力で被着体を固定することができる。剥離液に浸漬後の剥離強度が6N/25mm以下であることで、損傷を抑えて被着体を粘着テープから剥離することができる。より接着力を向上させる観点から、上記ステンレス板に対する剥離強度は10N/25mm以上であることがより好ましく、12N/25mm以上であることが更に好ましい。上記ステンレス板に対する剥離強度の上限は特に限定されず高いほど好ましいが、35N/25mm程度が限度である。
また、被着体の損傷を抑えてより軽い力で被着体を粘着テープから剥離する観点から、上記剥離液に30秒浸漬した後の上記ステンレス板に対する剥離強度は、4N/25mm以下であることがより好ましく、3N/25mm以下であることが更に好ましい。上記剥離液に30秒浸漬した後の上記ステンレス板に対する剥離強度の下限は特に限定されず、低いほど好ましいが、0.05N/25mm程度が限度である。なお、上記剥離強度は、JIS G4305及びJIS B0601に準拠したステンレス板(SUS304)を被着体に用い、JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行うことで測定することができる。
[0022]
上記粘着剤層は、SP値22.0以下の剥離液に30秒浸漬した後のステンレス板に対する剥離強度が上記剥離液に浸漬する前のステンレス板に対する剥離強度の0.5倍以下であることが好ましい。
粘着剤層の剥離液浸漬後の粘着力が上記範囲であることで、被着体の損傷を抑えて被着体を粘着テープから剥離することができる。上記粘着剤層の剥離液浸漬後の剥離強度は、剥離液浸漬前の剥離強度の0.2倍以下であることが好ましく0.1倍以下であることがより好ましい。上記粘着剤層の剥離液浸漬後の剥離強度の下限は特に限定されず、低いほどよいものであるが、例えば、0.01倍である。上記剥離強度は、粘着剤層を構成する粘着剤の種類やタッキーファイヤー等の添加剤の含有量によって調節することができる。
なお、上記粘着剤層の剥離強度は、上記剥離強度と同様の方法で測定することができる。また、上記SP値22.0以下の剥離液は、後述する剥離液と同様のものを用いることができる。
[0023]
上記粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、上記離型フィルム上に上記粘着剤層を構成する粘着剤の溶液を塗工、乾燥させることで、ノンサポートタイプの粘着テープとして製造することができる。また、本発明の粘着テープが基材層を有するサポートタイプである場合は、上記粘着剤層とは別に粘着剤層を形成し、2つの粘着剤層と基材層とをそれぞれ貼り合わせることで製造することができる。更に、共押出ラミ法によって製造することもできる。
[0024]
共押出ラミ法は、基材樹脂と粘着剤樹脂を共押し出し機によって押出すことで基材層と粘着剤層を同時に形成する製造法であり、溶剤を用いないことから残留溶剤による被着体の汚染がなく、また、1つの工程で粘着テープを製造できるためコストも低い。
なお、共押出ラミ法によって粘着テープを製造すると、上記基材層と上記粘着剤層の間に移行層が形成される。上記移行層とは、基材層側から粘着剤層側へ進むにつれて基材層の成分と粘着剤層の成分が徐々に入れ替わっていく層のことを指す。上記移行層の存在は、ミクロトームを用いて、両面粘着テープの断面を切り出し、観察用の試験サンプルにし、走査プローブ顕微鏡(SPM)で基材層と粘着剤層との界面における硬さの変化を観察し、硬さが連続的に変化することによって確認することができる。また、透過型電子顕微鏡(TEM)で基材層と粘着剤層との界面の相分離構造の変化を観察することによっても確認することができる。例えば、粘着剤層がスチレン系エラストマーを含有し、分子内に球状のスチレンセグメントを有する相分離構造を有する場合、移行層が存在すると、粘着剤層中の球状のスチレンセグメントは基材層に近づくにつれてサイズが小さくなったり、球状のスチレンセグメントの密度が低くなったりする。
[0025]
上記剥離液は、SP値が22.0以下である。
粘着テープの粘着剤層に上記スチレン系エラストマーを用い、剥離液としてSP値が22.0以下のものを用いることで、粘着剤層と被着体との間に剥離液が浸透して粘着テープの粘着力を低下させることができ、被着体の損傷を抑えて被着体を粘着テープから剥離することができる。また、上記スチレン系エラストマーと上記剥離液を用いることで、剥離液にスチレン系エラストマーが溶け込みにくく、粘着剤によって被着体を汚染し難くすることができる。粘着テープの粘着力をより低下させる観点及び被着体をより汚染し難くする観点から、好ましい上限は20.0、より好ましい上限は15.0である。上記SP値の下限は特に限定されないが、粘着テープの粘着力をより低下させる観点及び被着体をより汚染し難くする観点から、好ましい下限は7.0、より好ましい下限は9.0である。
[0026]
上記SP値は溶解性パラメータ(Solubility Parameter)と呼ばれ、溶解のしやすさを表すことのできる指標である。本明細書においてSP値の算出にはFedors法(R.F.Fedors,Polym. Eng. Sci.,14(2),147-154(1974))が用いられる。なお、上記剥離液が混合溶液である場合は、各成分のSP値にその成分の含有割合を乗じて足し合わせたものを混合溶液のSP値とする。
[0027]
上記剥離液は、上記SP値の範囲を満たしていれば特に限定されず、例えば、アルコール、エステル、芳香族炭化水素等が挙げられる。なかでも、より被着体の損傷を抑えて被着体を粘着テープから剥離できることから、上記剥離液は、アルコール及びエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられ、なかでもエタノール、イソプロパノールが好ましい。上記エステルとしては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、なかでも酢酸エチルが好ましい。
[0028]
本発明の粘着テープの剥離方法に用いる粘着テープは、上記スチレン系エラストマーを含有する粘着テープを有していれば特に限定されない。具体的な粘着テープの例としては、例えば、スチレン系エラストマーを含有する粘着剤層を有し、SP値22.0以下の剥離液で処理された後の粘着テープの剥離強度は、SP値22.0以下の剥離液で処理される前の粘着テープの剥離強度の0.5倍以下である、粘着テープが挙げられる。このような粘着テープもまた、本発明の1つである。
[0029]
本発明の粘着テープは、スチレン系エラストマーを含有する粘着剤層を有する。
上記スチレン系エラストマーの具体的な種類、タッキーファイヤー等の添加剤の種類や含有量及び上記粘着剤層の厚みは、本発明の粘着テープの剥離方法における粘着剤層と同様のものを用いることができる。
[0030]
本発明の粘着テープは、基材層を有するサポートタイプであってもよく、基材層を有さないノンサポートタイプであってもよいが、粘着テープに強度が要求されるような被着体に用いる場合は基材層を有していることが好ましい。
上記基材層の種類及び厚みは、本発明の粘着テープの剥離方法における基材層と同様のものを用いることができる。
[0031]
本発明の粘着テープが基材層を有する場合、本発明の粘着テープは粘着剤層と、基材層と、第2粘着剤層とがこの順番に積層された粘着テープであることが好ましい。上記第2粘着剤層を構成する粘着剤は特に限定されず、粘着剤層を構成する粘着剤と同じであってもよく異なっていてもよい。なかでも、後述する剥離強度を満たしやすいことからアクリル系粘着剤であることが好ましい。
[0032]
上記粘着剤層は、第1表面と上記第1表面の反対側に第2表面を有し、上記第1表面は、エンボス形状を有することが好ましい。
エンボス形状を有する上記第1表面を後に回収したい被着体に貼り付けることで、上記剥離液を接触させた際に、上記剥離液がエンボス形状の溝を通って第1表面全体に広がることができる。そのため、大型の部品を固定するために粘着テープを大面積に貼り付ける場合、特に硬い大型の部品同士を固定する場合であっても、高い剥離性を発揮することができる。なお、本発明の粘着テープが基材層を有する場合、上記第1表面は基材層が積層している面とは反対側の面、つまり、被着体と接する面のことを、上記第2表面は基材層が積層している側の面のことを指す。
[0033]
上記エンボス形状は、上記粘着剤層の側面の端から端までつながった複数の溝によって構成されていることが好ましい。
エンボス形状が粘着剤層の面方向に貫通する複数の溝で構成されていると、粘着剤層の側面に剥離液を接触させることで粘着剤層の第1表面全体へ剥離液を浸透させることができ、剥離性を高めることができる。
[0034]
上記溝は直線状であることが好ましい。
溝が直線状であることで、剥離液が溝を通過する際に引っかかりにくくなり、剥離液をよりスムーズに第1表面全体へ浸透させることができる。また、上記エンボス形状は、第1溝と、上記第1溝と交差する第2溝とによって構成されることが好ましい。エンボス形状を交差する複数の溝、好ましくは交差する複数の直線状の溝の組み合わせによって構成することで、剥離液をより均等かつ効率的に上記第1表面全体へ浸透させることができる。このようなエンボスの形状としては、例えば、格子状等が挙げられる。
[0035]
上記エンボス形状を構成する溝の深さは、8μm以上であることが好ましい。
エンボス形状を構成する溝の深さが上記範囲であることで、剥離液をよりスムーズに第1表面全体へ浸透させることができる。上記溝の深さは10μm以上であることがより好ましい。上記溝の深さの上限は特に限定されないが、本発明の粘着テープが基材層を有さない場合は上記粘着剤層の厚みの80%以下の深さであることが好ましく、基材層を有する場合は上記粘着剤層の厚みと同じであってもよい。
[0036]
上記エンボス形状を構成する溝の幅は、10μm以上500μm以下であることが好ましい。
エンボス形状を構成する溝の幅が上記範囲であることで、剥離液をよりスムーズに第1表面全体へ浸透させることができる。上記溝の幅は30μm以上であることがより好ましく、150μm以下であることがより好ましい。
[0037]
上記第1表面に占める上記エンボス形状を構成する溝の割合は、10%以上50%以下であることが好ましい。
エンボス形状を構成する溝を上記範囲の面積に形成することで、被着体をより確実に固定できるとともに、剥離の際には剥離液をよりスムーズに第1表面全体へ浸透させることができる。上記溝の面積は、15%以上であることがより好ましく、40%以下であることがより好ましい。
[0038]
上記第1表面に上記エンボス形状を形成する方法は特に限定されず、例えば、格子状に凸の形を賦形させた剥離紙に粘着剤を塗工し乾燥させることにより形状を転写する方法や、成型された粘着テープに格子状に凸の形が賦形された剥離紙を貼り合せ時間をかけて形状を転写する等が挙げられる。
[0039]
上記粘着剤層は、SP値22.0以下の剥離液に30秒浸漬した後のステンレス板に対する剥離強度が上記剥離液に浸漬する前のステンレス板に対する剥離強度の0.5倍以下である。
粘着剤層の剥離液浸漬後の粘着力が上記範囲であることで、被着体の損傷を抑えて被着体を粘着テープから剥離することができる。上記粘着剤層の剥離液浸漬後の剥離強度は、剥離液浸漬前の剥離強度の0.2倍以下であることが好ましく0.1倍以下であることがより好ましい。上記粘着剤層の剥離液浸漬後の剥離強度の下限は特に限定されず、低いほどよいものであるが、例えば、0.01倍である。上記剥離強度は、粘着剤層を構成する粘着剤の種類やタッキーファイヤー等の添加剤の含有量によって調節することができる。
なお、上記粘着剤層の剥離強度は、本発明の粘着テープの剥離方法における剥離強度と同様の方法で測定することができる。また、上記SP値22.0以下の剥離液は、本発明の粘着テープの剥離方法における剥離液と同様のものを用いることができる。
[0040]
上記粘着剤層は、上記SP値22.0以下の剥離液に浸漬する前のステンレスに対する剥離強度が5N/25mm以上であることが好ましい。
剥離液浸漬前の粘着剤層の剥離強度が上記範囲であることで、より強固に被着体を固定することができる。上記剥離液浸漬前の粘着剤層の剥離強度は8N/25mm以上であることがより好ましく10N/25mm以上であることが更に好ましい。上記剥離液浸漬前の粘着剤層の剥離強度の上限は特に限定されないが、取り扱い性の観点から例えば35N/25mmであることが好ましい。
[0041]
上記粘着剤層は、上記SP値22.0以下の剥離液に浸漬した後のステンレスに対する剥離強度が3N/25mm以下であることが好ましい。
剥離液浸漬後の粘着剤層の剥離強度が上記範囲であることで、より被着体の損傷を抑えて粘着テープを剥離することができる。上記剥離液浸漬後の粘着剤層の剥離強度は1N/25mm以下であることがより好ましく0.7N/25mm以下であることが更に好ましい。上記剥離液浸漬前の粘着剤層の剥離強度の下限は特に限定されないが、粘着力とのバランスの観点から例えば0.05N/25mmであることが好ましい。
[0042]
上記第2粘着剤層は、SP値22.0以下の剥離液に30秒浸漬した後のステンレス板に対する剥離強度が剥離液に浸漬する前のステンレス板に対する剥離強度の0.5倍より大きいことが好ましい。
第2粘着剤層の剥離強度が粘着剤層の剥離強度よりも大きくなるようにすることで、より確実に粘着剤層と回収したい被着体との界面で剥離が起こるようにすることができる。上記第2粘着剤層の剥離強度は第2粘着剤層を構成する粘着剤層の種類やタッキーファイヤー等の添加物によって調節することができる。
なお、上記第2粘着剤層の剥離強度は、本発明の粘着テープの剥離方法における剥離強度と同様の方法で測定することができる。また、上記SP値22.0以下の剥離液は、本発明の粘着テープの剥離方法における剥離液と同様のものを用いることができる。
[0043]
上記第2粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、より好ましい下限は8μm、更に好ましい下限は10μmであり、好ましい上限は200μm、より好ましい上限は150μmである。上記第2粘着剤層の厚みがこの範囲内であると、上記粘着テープを含む電子部品を軽量化することができ、また充分な粘着力と取り扱い性を持つ粘着テープとすることができる。
[0044]
本発明の粘着テープが上記エンボス形状を有する場合、上記粘着剤層は、上記第1表面上に上記エンボス形状の溝に対応した凸部を有する離型フィルムを有することが好ましい。
上記エンボス形状の溝を埋めるような凸部を有する離型フィルムで粘着剤層を保護することで、保管時や輸送時の溝の潰れや変形を抑えられるため、剥離性能の低下を抑えることができる。上記離型フィルムの材料は特に限定されず、例えば、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム、離型処理されたクリーン紙やポエリエチレンやポリプロピレンがラミネートされた紙等の通常の粘着テープの離型フィルムとして用いられる材料が挙げられる。
[0045]
上記離型フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、押出製膜等が挙げられる。
[0046]
上記粘着テープの厚みは特に限定されないが、好ましい下限は20μm、より好ましい下限は30μm、好ましい上限は1.7mm、より好ましい上限は500μm、更に好ましい上限は250μmである。上記粘着テープの厚みが上記範囲であることで、上記粘着テープを含む電子部品を軽量化することができ、また充分な粘着力と取り扱い性を持つ粘着テープとすることができる。
[0047]
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、上記方法で製造した離型フィルム上に上記粘着剤層を構成する粘着剤の溶液を塗工、乾燥させることで、ノンサポートタイプの粘着テープとして製造することができる。また、本発明の粘着テープが基材層を有するサポートタイプである場合は、上記粘着剤層とは別に、離型フィルム上に第2粘着剤層を構成する粘着剤の溶液を塗工、乾燥させて第2粘着剤層を形成し、上記粘着剤層と上記第2粘着剤層とをそれぞれ基材層と貼り合わせることで製造することができる。更に、上記のように共押出ラミ法によって製造することもできる。
[0048]
ここで、本発明の粘着テープの一例を表した模式図を図1に、本発明の粘着テープの断面の一例を表した模式図を図2に示した。図1及び図2では、粘着剤層と、基材層と第2粘着剤層とを有する粘着テープの例を示している。
図1に示すように、本発明の粘着テープは、第1表面11と第2表面12を有する粘着剤層1、基材層2、第2粘着剤層3を有している。この粘着剤層1のステンレスに対する剥離強度が剥離液浸漬前後で上記範囲となることで、被着体を強固に固定できる一方、剥離液と接触させた後は被着体の損傷を抑えて粘着テープを容易に剥離することができる。
[0049]
また、図2(a)に示すように、本発明の粘着テープは上記剥離強度を満たしていれば平坦であってもよいが、図1、図2(b)に示すように、回収したい被着体と接する第1表面11上にエンボス形状13を有していることが好ましい。粘着剤層1がエンボス形状13を有することによって、剥離液を粘着剤層1の側面と接触させた際に剥離液がエンボス形状を構成する溝を通って第1表面11全体へ浸透することから、たとえ硬い大型の部品同士を固定するために粘着テープを大面積で用いた場合であっても被着体の損傷を抑えて粘着テープを容易に剥離することができる。特にエンボス形状の溝14が図1のように粘着剤層1の側面の端から端までつながった複数の溝、特に上記範囲の幅と深さを有する直線状の溝である場合は、剥離液をより第1表面11全体へ浸透しやすくでき、剥離性を更に高めることができる。また、第1表面11に占めるエンボス形状を構成する溝の割合を上記範囲とすることで、被着体をより確実に固定できるとともに、剥離性も高めることができる。
[0050]
更に、図2(b)に示すように、粘着剤層1がエンボス形状13を有する場合は、エンボス形状の溝に対応した凸部41を有する離型フィルム4を有することが好ましい。このような離型フィルムによってエンボス形状13を保護することで、エンボス形状の溝14が移動時や保管時に変形し難くなるため、剥離液と接触させた際に剥離液を詰まりにくくすることができる。なお、図示しないが、第2粘着剤層3についても通常の粘着テープと同様に離型フィルムで保護されていてもよい。
[0051]
本発明の粘着テープにおいては、基材層2及び第2粘着剤層3については有していてもよく有していなくてもよいが、基材層2を有することで強度と取り扱い性を向上させることができる。また、第2粘着剤層の剥離液浸漬前のステンレスに対する剥離強度と剥離液浸漬後のステンレスに対する剥離強度との差を上記範囲とすると、より確実に回収したい被着体と粘着テープとの界面で剥離を起こすことができる。
[0052]
本発明の粘着テープの剥離方法及び本発明の粘着テープの使用分野は特に限定されないが、被着体を損傷し難いことから、上記粘着テープによって固定された電子部品を有する電子機器から上記電子部品を剥離する際に好適に用いることができる。なかでも、スマートフォン、タブレットなどの携帯型の電子機器に用いられる電池パックを剥離する際に特に好適に用いることができる。上記電池パック及び筐体は薄型化が進んでおり、その分、強度がそれほど高くないため剥離時に損傷する可能性が高まっている。しかしながら、本発明の剥離方法及び本発明の粘着テープを用いることによって、剥離時の電池パック及び筐体の損傷を抑制しながら、剥離することができる。また、上記電池パックはカバーに覆われているため、スマートフォンなどの隙間から入ってきた液で勝手に剥離してしまうおそれがなく、粘着テープの粘着力が低下せずに高いままである可能性が高いことから、本発明が特に有効である。更に、本発明の粘着テープがエンボス形状を有する場合は、剥離性がより高まることから、比較的面積の小さい携帯型電子機器等に用いられる電子部品の固定だけでなく、大面積の電子機器の部品を固定する用途に用いた場合であっても部材の損傷を抑えて粘着テープを剥離することができる。
このような本発明の粘着テープを有する電子部品もまた、本発明の1つである。

発明の効果

[0053]
本発明によれば、粘着テープによって固定された部品を回収する際に部品が損傷し難い粘着テープの剥離方法、該剥離方法に用いる粘着テープ及び該剥離方法に用いる粘着テープが用いられた電子部品を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0054]
[図1] 本発明の粘着テープの一例を表した図である。
[図2] (a)本発明の粘着テープの断面の一例を表した模式図である。(b)本発明の粘着テープの断面の一例を表した模式図である。

発明を実施するための形態

[0055]
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
[0056]
(1)粘着剤層のベース樹脂
粘着剤層のベース樹脂として以下の市販品及び以下の方法で合成した配合物を用いた。
(市販品)
・DR8300P:スチレン系エラストマー(SEBS)、水素添加有り、JSR社製
・DR8903P:スチレン系エラストマー(SEBS)、水素添加有り、JSR社製
・DR9901P:スチレン系エラストマー(SEBS)、水素添加有り、JSR社製
・セプトン2063:スチレン系エラストマー(SEPS)、水素添加有り、クラレ社製
・クインタック3421:スチレン系エラストマー(SIS)、水素添加無し、日本ゼオン社製
・天然ゴム:RSS1
・OPPANOL N50:ポリイソブチレン、BASF社製
[0057]
(アクリル系配合物の合成)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器に酢酸エチル52重量部を入れて、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。酢酸エチルが沸騰してから、30分後に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.08重量部を投入した。ここにブチルアクリレート18.5重量部、2-エチルヘキシルアクリレート80重量部、アクリル酸1重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート0.5重量部からなるモノマー混合物を1時間30分かけて、均等かつ徐々に滴下し反応させた。滴下終了30分後にアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加し、更に5時間重合反応させ、反応器内に酢酸エチルを加えて希釈しながら冷却することにより、固形分40重量%のアクリル系配合物の溶液を得た。得られたアクリル系配合物の溶液について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、固形分の重量平均分子量は25万であった。
[0058]
(2)基材層のベース樹脂
基材層のベース樹脂として以下のものを用いた。
・タフマーPN-0040:α-ポリオレフィン樹脂、三井化学社製
・J715:ポリプロピレン樹脂、プライムポリマー社製
・コスモシャインA4300:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み50μm、東洋紡社製
・ポリウレタン:NES85、大倉工業社製
[0059]
(3)粘着付与剤(タッキーファイヤー)
粘着剤層に配合する粘着付与剤は以下のものを用いた。
・アルコン P-100:石油系粘着付与剤、荒川化学社製
・アルコン P-125:石油系粘着付与剤、荒川化学社製
・アルコン P-140:石油系粘着付与剤、荒川化学社製
・ペトロタック PT90HS:C5-C9系石油系粘着付与剤、東ソー社製
・YSポリスターUH115:テルペンフェノール系粘着付与剤、ヤスハラケミカル社製
・A100:ロジンエステル系粘着付与剤、荒川化学社製
[0060]
(実施例1)
100重量部のDR8300Pと、40重量部のアルコンP100と、1重量部の酸化防止剤(IRGANOX 1010、BASF社製)とを混合し、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を得た。基材層の原料として上記タフマーPN-0040を用い、粘着剤層の原料として上記で得られた粘着剤組成物を用い、Tダイ法により共押出成形することで厚み50μmの基材層の両面に厚み30μmの粘着剤層を有する両面粘着テープを得た。また、巻き取る前に両面に離型処理されたPETセパレーターをラミネートし、巻き取り、ロール状の両面粘着テープを得た。得られた粘着テープの粘着剤層を透過電子顕微鏡JEM-2100(日本電子社製)で観察することにより相分離構造の有無を確認した。
[0061]
(剥離液浸漬前の剥離強度の測定)
得られた両面粘着テープを25mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製した。試験片をJIS G4305及びJIS B0601に準拠したステンレス板(SUS304、360番の耐水研磨紙で表面研磨、サイズ50mm×125mm)上に、粘着剤層がステンレス板と対向した状態となるように載せた。次いで、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを一往復させることにより、試験片とステンレス板とを貼り合わせた。更に、JIS Z0237に準じて、試験片に呼び厚さ25μmのJIS C2318に規定するポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね、フィルム上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーをもう一往復させることにより、180°剥離強度評価用試験サンプルとした。その後、引張試験機(STA1225、AND社製)を用いて、温度23℃、湿度50%で24時間静置し、JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、粘着剤層の剥離液浸漬前の剥離強度(A)(N/25mm)を測定した。
次いで、ステンレス板に貼り付ける粘着剤層を第2粘着剤層とした以外は同様の操作を行い、第2粘着剤層の剥離液浸漬前の剥離強度(A)(N/25mm)を測定した。
[0062]
(剥離液浸漬後の剥離強度の測定)
180°方向の引張試験を行う前に、評価用試験サンプルの粘着テープの周辺にスポイトを用いて剥離液(エタノール、SP値12.7)を2mL滴下し、30秒浸漬した以外は上記剥離強度の測定と同様の方法で、剥離液浸漬後の粘着剤層の剥離強度(B)の測定を行った。次いで、ステンレス板に貼り付ける粘着剤層を第2粘着剤層とした以外は同様の操作を行い、第2粘着剤層の剥離液浸漬後の剥離強度(B)(N/25mm)を測定した。得られた剥離液浸漬前の剥離強度(A)及び剥離液浸漬後の剥離強度(B)から、B/Aの値を算出した。
[0063]
(実施例4、6~12、比較例3)
粘着剤層の配合、厚み、基材のベース樹脂及び剥離液を表1、3の通りとした以外は実施例1と同様にして両面粘着テープを得て、相分離構造の有無の確認と各剥離強度の測定を行った。
[0064]
(実施例2)
実施例1で得られた粘着剤組成物を押出成形することで厚み100μmのノンサポートタイプの両面粘着テープを得て各剥離強度の測定を行った。得られた粘着テープの粘着剤層を透過電子顕微鏡JEM-2100(日本電子社製)で観察することにより相分離構造の有無を確認した。得られた両面粘着テープは使用時まで両面を軽剥離タイプの離型PETフィルムで保護した。
[0065]
(実施例3)
DR8300Pを固形分30%となるようにトルエンに溶解させた後、固形分100重量部に対してアルコンP100を40重量部加えて粘着剤組成物とした。得られた粘着剤組成物を基材層であるコスモシャインA4300の片面に乾燥後の厚みが30μmとなるように塗工を行い、100~130℃で7分乾燥させて片面粘着テープを得た。得られた片面粘着テープは、粘着剤層上に軽剥離タイプの離型PETフィルムをラミネートして粘着剤層を保護した。その後、基材層のもう片面にも同様の方法で第2粘着剤層を形成し、軽剥離タイプの離型PETフィルムをラミネートすることで両面粘着テープを得た。得られた粘着テープの粘着剤層及び第2粘着剤層を透過電子顕微鏡JEM-2100(日本電子社製)で観察することにより相分離構造の有無を確認した。得られた両面粘着テープについて、実施例1と同様の方法で各剥離強度の測定を行った。
[0066]
(実施例17~28、比較例5)
ベース樹脂の種類及び粘着付与剤の種類、配合量を表2、3の通りとし、基材層を用いないこと意外は実施例3と同様にして両面粘着テープを得て、相分離構造の有無の確認と各剥離強度の測定を行った。
[0067]
(実施例5、13~16、参考例1)
粘着剤層の配合、厚み、基材のベース樹脂及び剥離液を表1~3の通りとした以外は実施例3と同様にして両面粘着テープを得て、相分離構造の有無の確認と各剥離強度の測定を行った。なお、実施例16の剥離液については、エタノール/水混合溶液(エタノール:水=20:80)を用いた。
[0068]
(実施例29)
クリーン紙の片面に、ポリエチレンによって、複数の凸部から構成される四角の格子状のエンボス形状が形成された離型フィルム上を用意した。上記凸部はクリーン紙の一辺の端部から対向する辺の端部まで連続する直線状であり、各凸部は等間隔に配置されている。また上記凸部は、高さ5μm、幅50μm、離型フィルムの面に占める凸部の割合は10%である。この離型フィルムのエンボス形状面に、実施例3と同様の方法で粘着剤組成物を塗工、乾燥させることで、上記凸部が溝となったエンボス形状を有する厚み50μmの粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層上に軽剥離タイプの離型PETフィルムをラミネートすることで、両面粘着テープを得た。得られた両面粘着テープについて、実施例1と同様の方法で相分離構造の有無の確認と各剥離強度の測定を行った。
[0069]
(実施例30~33)
離型フィルムのエンボス形状とベース樹脂の種類を表3の通りとした以外は実施例29と同様にして両面粘着テープを得た。なお、エンボス2は図1の溝が凸部となった形状、エンボス3はエンボス1と同形状であり、エンボス2は、高さ20μm、幅70μmの凸部からなり、離型フィルムの面に占める凸部の割合が20%である。エンボス3は高さ15μm、幅8μmの凸部からなり、離型フィルムの面に占める凸部の割合が15%である。また、ランダムエンボスは凹凸が不規則に表れる形状であり、特定の幅や高さを有さない。
[0070]
(実施例34)
離型フィルムのエンボス形状を実施例30と同様の形状とし、厚みを30μmとした以外は実施例29と同様の方法で粘着剤層を形成した。次いで、得られた粘着剤層に基材層としてコスモシャインA4300をラミネートした。一方、別の軽剥離の離型フィルム上に粘着剤層と同様にして第2粘着剤層を形成した。得られた第2粘着剤層と基材層の粘着剤層が積層されていない面をラミネートし、両面粘着テープを得た。
[0071]
(実施例35、36、比較例2、6)
用いるベース樹脂、粘着付与剤、基材を表3の通りとした以外は実施例34と同様にして両面粘着テープを得て、相分離構造の有無の確認と各剥離強度の測定を行った。
[0072]
(比較例1)
アクリル系配合物の溶液にイソシアネート(商品名「コロネートHX」、東ソー社製)を0.5重量部配合し、30分撹拌して粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を用いた以外は実施例3と同様にして両面粘着テープを得て、相分離構造の有無の確認と各剥離強度の測定を行った。
[0073]
(比較例4)
比較例1の粘着剤組成物を用いた以外は実施例30と同様にして両面粘着テープを得て、相分離構造の有無の確認と各剥離強度の測定を行った。
[0074]
<評価>
実施例及び比較例で得られた粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1~3に示した。
[0075]
(1)剥離性の評価1
表面がステンレスであるスマートフォンの筐体(以下、筐体という)の上に得られた両面粘着テープを介してラミネート型リチウムイオン電池パック(80mm×40mm、面積32cm 、以下、電池パックという)を貼り付けた。次いで、電池パックと筐体の隙間からスポイトを用いて表1~3に記載の剥離液を2ml流し入れ、粘着剤層と剥離液を接触させた。30秒後、電池パックと筐体の隙間にピックを挿入し、ピックを押し上げることで電池パックを筐体から剥離した。3度同様の試験を繰り返し、3回とも電池パックを損傷せずに剥離できた場合を「○」、1回電池パックが損傷した場合を「△」、2回又は3回とも電池パックが損傷してしまった場合を「×」として剥離性1を評価した。
[0076]
(2)糊残りの評価1
剥離性の評価後の電池パックを目視にて観察し、糊残りがなかった場合を「〇」、一部に糊残りが見られた場合を「△」、全体に糊残りが見られた場合を「×」として糊残り1を評価した。
[0077]
(3)剥離性の評価2
直径8インチのシリコンウエハ(面積:314cm )に得られた両面粘着テープの粘着剤層側を貼り付け、反対側の面にガラス(8インチ、2mm厚)を貼り付けた。次いで、両面粘着テープの側面に表1~3に記載の剥離液を5ml流し入れ、粘着剤層と剥離液を接触させた。10秒後、ガラスとシリコンウエハの間にピックを挿入し、ピックを押し上げることでガラスを剥離した。3度同様の試験を繰り返し、3回ともガラスを割らずに剥離できた場合を「◎」、1~2回ガラスを割らずに剥離できた場合を「○」、すべてガラスが割れた物の剥離自体はできた場合を「△」、剥離ができなかった場合を「×」として剥離性2を評価した。
[0078]
(4)糊残りの評価2
剥離性の評価後のガラスを目視にて観察し、糊残りがなかった場合を「〇」、一部に糊残りが見られた場合を「△」、全体に糊残りが見られた場合を「×」として糊残り2を評価した。
[0079]
[表1]


[0080]
[表2]


[0081]
[表3]


産業上の利用可能性

[0082]
本発明によれば、粘着テープによって固定された部品を回収する際に部品が損傷し難い粘着テープの剥離方法、該剥離方法に用いる粘着テープ及び該剥離方法に用いる粘着テープが用いられた電子部品を提供することができる。

符号の説明

[0083]
1  粘着剤層
11 第1表面
12 第2表面
13 エンボス形状
14 エンボス形状の溝
2  基材層
3  第2粘着剤層
4  離型フィルム
41 エンボス形状の溝に対応した凸部

請求の範囲

[請求項1]
スチレン系エラストマーを含有する粘着剤層を有する粘着テープと被着体とが貼り合された積層体の前記粘着剤層に、SP値22.0以下の剥離液を接触させた後、前記被着体と前記粘着テープとを剥離する、粘着テープの剥離方法。
[請求項2]
前記粘着剤層はSP値22.0以下の剥離液に30秒浸漬した後のステンレス板に対する剥離強度が前記剥離液に浸漬する前のステンレス板に対する剥離強度の0.5倍以下である、請求項1記載の粘着テープの剥離方法。
[請求項3]
前記剥離液のSP値は、7.0以上である、請求項1又は2記載の剥離方法。
[請求項4]
前記剥離液は、アルコール及びエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1、2又は3記載の剥離方法。
[請求項5]
スチレン系エラストマーを含有する粘着剤層を有し、
前記粘着剤層はSP値22.0以下の剥離液に30秒浸漬した後のステンレス板に対する剥離強度が前記剥離液に浸漬する前のステンレス板に対する剥離強度の0.5倍以下である、粘着テープ。
[請求項6]
粘着剤層と、基材層と、第2粘着剤層とがこの順番に積層されており、
前記第2粘着剤層はSP値22.0以下の剥離液に30秒浸漬した後のステンレス板に対する剥離強度が前記剥離液に浸漬する前のステンレス板に対する剥離強度の0.5倍より大きい、請求項5記載の粘着テープ。
[請求項7]
前記粘着剤層は前記SP値22.0以下の剥離液に浸漬する前のステンレスに対する剥離強度が5N/25mm以上である、請求項5又は6記載の粘着テープ。
[請求項8]
前記粘着剤層は前記SP値22.0以下の剥離液に浸漬した後のステンレスに対する剥離強度が3N/25m以下である、請求項5、6又は7記載の粘着テープ。
[請求項9]
スチレン系エラストマーのスチレン含有量が5重量%以上40重量%以下である、請求項5、6、7又は8記載の粘着テープ。
[請求項10]
前記スチレン系エラストマーは水添系スチレン系エラストマーである、請求項5、6、7、8又は9記載の粘着テープ。
[請求項11]
前記スチレン系エラストマーが球状の相とその他の相に相分離した構造を有する、請求項5、6、7、8、9又は10記載の粘着テープ。
[請求項12]
前記粘着剤層が水添系石油系タッキーファイヤーを含有する、請求項5、6、7、8、9、10又は11記載の粘着テープ。
[請求項13]
前記粘着剤層は、第1表面と前記第1表面の反対側に第2表面を有し、
前記第1表面は、エンボス形状を有する、請求項5、6、7、8、9、10、11又は12記載の粘着テープ。
[請求項14]
前記エンボス形状は、前記粘着剤層の側面の端から端までつながった複数の溝によって構成されている、請求項5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の粘着テープ。
[請求項15]
前記第2粘着剤層を構成する粘着剤がアクリル系粘着剤である、請求項6、7、8、9、10、11、12、13又は14記載の粘着テープ。
[請求項16]
前記第1表面上に前記エンボス形状の溝に対応した凸部を有する離型フィルムを有する、請求項13又は14記載の粘着テープ。
[請求項17]
請求項5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16記載の粘着テープを有する電子部品。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]