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1. WO2020116438 - 調湿システム

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明 細 書

発明の名称 調湿システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 調湿システム

技術分野

[0001]
 本発明は、調湿システムに関するものである。
 本願は、2018年12月4日に日本に出願された特願2018-227212号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 従来、太陽光を利用した植物工場では、植物(調湿対象物)の生育のために、夜間に工場内の温度を下げる必要がある。また、植物が光の合成を始める早朝には、植物工場内の温度を上げるために、外気の導入を行う必要があるが、このとき、工場内の相対的な湿度が上昇して露点に達し、栽培植物の表面に結露が生じてしまうことがある。さらに、水分含有量が多い植物の場合は、熱容量が大きいため、植物工場内の空気の温度上昇と植物自体の温度の上昇との間に時間差が生じる。このことも、植物表面に結露が生じる原因となっていた。
[0003]
 特許文献1には、温室内の栽培床を間において互いに対向して設置された吹出装置および吸込装置と、吹出装置に冷却気体を供給する供給装置と、を有し、吹出装置から吹き出されて吸入装置へ吸い込まれる冷却気体により栽培作物の近傍にエアーカーテンを形成する温室用冷房装置が開示されている。この装置では、温室全体を冷房することなく栽培作物の近傍のみを部分的に冷房することによって、冷房負荷を低減することができる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国公告公報「特公昭56-036743号公報」(1981年8月26日公開)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、植物の冷却のみを考慮しており、早朝あるいは冷房装置がOFFのときの温室内における相対的な温度の上昇や、植物表面での結露に対しては、考慮されていない。
[0006]
 本発明の一つの態様は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、調湿対象物に対する結露を防ぐことのできる調湿システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の一態様における調湿システムは、調湿対象物が配置された内部空間と外部空間とを区画する構造体と、前記構造体内の調湿を行う調湿機構と、前記内部空間と前記外部空間との温度および湿度を測定する温湿度センサー機構と、前記温湿度センサー機構の測定結果に基づいて前記調湿機構を制御する制御部と、を備え、前記調湿機構は、吸湿性物質を含む吸湿性液体と気体とを接触させることにより、前記気体に含まれる水分の少なくとも一部を前記吸湿性液体に吸湿させる吸湿手段と、前記吸湿手段から供給された前記吸湿性液体に含まれる水分の一部を霧化して霧状液滴を発生させる霧化再生手段と、を有している。
[0008]
 本発明の一態様における調湿システムにおいて、前記霧化再生手段において再生された前記吸湿性液体を希釈する加湿手段をさらに備えている構成としてもよい。
[0009]
 本発明の一態様における調湿システムにおいて、前記温湿度センサー機構は、前記構造体の外部に配置され、前記外部空間の温度および湿度を測定する第1測定センサーと、前記構造体の内部に配置され、前記対象物の周辺の温度および湿度を測定する第2測定センサーと、を備えている構成としてもよい。
[0010]
 本発明の一態様における調湿システムにおいて、前記温湿度センサー機構は、前記調湿対象物の表面温度および周辺湿度を測定する第3測定センサーを備えている構成としてもよい。
[0011]
 本発明の一態様における調湿システムにおいて、前記内部空間のうち前記調湿対象物が配置された第1領域とそれ以外の第2領域とを区画する区画手段を備えている構成としてもよい。
[0012]
 本発明の一態様における調湿システムにおいて、前記区画手段が、エアーカーテン形成機構からなる構成としてもよい。
[0013]
 本発明の一態様における調湿システムにおいて、前記エアーカーテン形成機構が、前記調湿機構において生成された気体を前記内部空間に送出する送出機構を兼ねている構成としてもよい。
[0014]
 本発明の一態様における調湿システムにおいて、前記制御部は、前記内部空間の温湿度データおよび調湿対象物の表面温度データに基づいて調湿制御を行う構成としてもよい。
[0015]
 本発明の一態様における調湿システムにおいて、前記霧化再生手段は、前記吸湿性液体を貯留する貯留槽と、前記霧状液滴を発生させるための超音波を発振することで、前記貯留槽内の前記吸湿性液体の液面に液柱を形成する超音波発生部と、を含む構成としてもよい。

発明の効果

[0016]
 本発明の一態様によれば、調湿対象物に対する結露を防ぐことのできる調湿システムを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 図1は、第1実施形態における調湿システムを利用した植物工場内の様子を示す図である。
[図2] 図2は、第1実施形態における調湿システムの調湿機構の構成を示す図である。
[図3] 図3は、第2実施形態の調湿機構とエアーカーテン形成機構との作用について説明するための図である。
[図4] 図4は、第3実施形態の調湿機構とエアーカーテン形成機構との作用について説明するための図である。
[図5] 図5は、第4実施形態の調湿機構とエアーカーテン形成機構との作用について説明するための図である。
[図6] 図6は、第5実施形態の調湿システム50の全体構造を示す図である。
[図7] 図7は、第5実施形態の調湿機構51の構造を示す図である。
[図8] 図8は、吸湿性液体Wの濃度[%]と平衡相対湿度[%]との関係を示す図である。

発明を実施するための形態

[0018]
[第1実施形態]
 以下、本発明の一実施形態の調湿システムについて説明する。
 なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
[0019]
 図1は、第1実施形態における調湿システムを利用した植物工場内の様子を示す図である。図2は、第1実施形態における調湿システムの調湿機構の構成を示す図である。
[0020]
 本実施形態の調湿システム100は、図1に示すように、例えば、植物工場に用いられるシステムであって、園芸用構造体(構造体)10と、調湿機構11と、温湿度センサー機構9と、制御部14と、を少なくとも備えている。
[0021]
(園芸用構造体)
 園芸用構造体10は、図1に示すように、例えばビニールハウスのような園芸用のハウス構造体であり、栽培植物(調湿対象物)8を生育させるための内部空間K2と、外部空間K1とを区画する。構造体には、人の出入りを可能にする出入口用扉と、換気用のための複数の側窓10bおよび天窓10cと、が設けられており、内部空間K2を外部空間K1から完全に隔離することが可能であるとともに、必要に応じて複数の側窓10bおよび天窓10cを通じて内部空間K2と外部空間K1とを連通させることが可能である。
[0022]
 園芸用構造体10の内部空間K2には、栽培植物8に対する熱暑対策および乾燥対策の一つとして、例えば、必要に応じて、栽培植物8に対する直射日光を遮光することのできる遮光カーテン32、霧を発生させる霧冷却部33、霧冷却部33から噴出された霧を内部空間K2に循環させる循環扇34が設置されている。また、内部空間K2内の温度調整に必要なヒートポンプ35も設置されている。
[0023]
 一般的に、太陽光を利用した栽培工場では、室内外の温度差によって栽培植物8の表面に結露が生じやすいが、本実施形態では、調湿機構11と、エアーカーテン形成機構(送出機構)19と、温湿度センサー機構9と、制御部14とによって結露対策を図る構成となっている。
[0024]
(調湿機構)
 調湿機構11は、図1および図2に示すように、園芸用構造体10の内部空間K2のうち、栽培植物8が存在する栽培領域R1に対する調湿を行う機構であり、少なくとも一つ設置されている。
[0025]
 調湿機構11は、図2に示すように、筐体4と、吸湿手段15と、霧化再生手段16と、加湿手段17と、循環機構21を少なくとも備えている。吸湿手段15、霧化再生手段16、加湿手段17および循環機構21は、筐体4内に収容されている。調湿機構11は、一つに限らず、栽培領域R1の周囲に複数設置されていてもよい。
[0026]
 吸湿手段15は、吸湿貯留槽151と、吸湿貯留槽151内に配置された液体供給部152およびメッシュ部材153と、を備えている。吸湿貯留槽151、液体供給部152およびメッシュ部材153の数は、一つに限られず、複数設けてもよい。
[0027]
 吸湿手段15は、外部空間K1から取り入れた空気(気体)A1を、吸湿性物質を含む吸湿性液体Wに接触させることにより、空気A1に含まれる水分の少なくとも一部を、吸湿性液体Wに吸湿させる機能を有する。そのため、吸湿貯留槽151内には、吸湿性物質を含む吸湿性液体Wが貯留される。
[0028]
 液体供給部152は、吸湿貯留槽151の内部空間151cの上部に配置され、吸湿性液体Wを流下させるための供給孔を多数有している。
[0029]
 メッシュ部材153は、例えば、網目構造をなす矩形板状の部材からなり、液体供給部152の下方に配置されている。メッシュ部材153は、吸湿貯留槽151内に少なくとも一つ設けられ、複数設けられていていることが好ましい。
[0030]
 メッシュ部材153は、液体供給部152から供給された吸湿性液体Wを吸湿貯留槽151の底部側へ誘導する。メッシュ部材153の網目を伝わって吸湿性液体Wが流下する際、吸湿性液体Wが多くの空気に晒されることになり、吸湿効率が向上する。
[0031]
 吸湿貯留槽151には、第1空気供給流路31aおよび第1空気排出流路31bが接続されているとともに、これら第1空気供給流路31aおよび第1空気排出流路31bのいずれか一方に不図示のブロアが配置されている。ブロアの駆動により、第1空気供給流路31aを通じて導入した外部空間K1の空気A1、あるいは園芸用構造体10の内部空間K2内の空気が吸湿貯留槽151内に導入される。除湿された空気A2は、第1空気排出流路31bを通じて筐体4の排気口4aから排出され、エアーカーテン形成機構19へと供給される。
[0032]
 霧化再生手段16は、再生貯留槽(貯留槽)161と、超音波振動子(超音波発生部)162と、分離手段163と、を備えている。これら再生貯留槽161、超音波振動子162は、一つに限られず、複数設けてもよい。
[0033]
 再生貯留槽161は、第1流路21Aを介して吸湿貯留槽151と接続されており、吸湿貯留槽151から移送された吸湿性液体Wを内部空間161c内に貯留する。超音波振動子162は、液柱Sを発生させるための超音波を発振する。本実施形態では、1つの超音波振動子162を備えているが、超音波振動子162の数は、適宜変更が可能である。
[0034]
 超音波振動子162において発振された超音波が、再生貯留槽161内に貯留されている吸湿性液体Wに照射されると、吸湿性液体Wの液面7に液柱Sが形成され、液柱Sの表面から水分が分離されて霧状液滴が発生する。超音波振動子162から吸湿性液体Wに超音波が照射される際、超音波の出力や周波数等の発生条件を調整することにより、吸湿性液体Wの液面7に所定の高さの吸湿性液体Wの液柱Sを生じさせることができる。
[0035]
 超音波振動子162は、再生貯留槽161の底面161dに対して傾斜して設けられていることが好ましい。また、超音波振動子162の超音波照射面162aの中心から超音波照射面162aに対して垂直な軸を超音波の放射軸Jと定義する。
[0036]
 超音波振動子162が再生貯留槽161の底面161dに対して傾斜していることによって、発振された超音波は、放射軸Jが吸湿性液体Wの液面7に対して傾くように、超音波照射面162aから吸湿性液体Wの液面7に向けて伝搬される。
[0037]
 これにより、液面7で反射した超音波が超音波振動子162に戻りにくく、超音波振動子162が超音波によるダメージを受けにくい。また、液柱Sの先端から破断した液が液柱Sに落下して、霧化が阻害されてしまうのを防ぐことができる。
[0038]
 再生貯留槽161には、第2空気供給流路36a、第2空気排出流路36bが接続されており、いずれかの内部にブロア3が配置されている。このブロア3の駆動により、第2空気供給流路36aを通じて導入した外部空間K1の空気A1あるいは園芸用構造体10の内部空間K2内の空気が再生貯留槽161内に導入されて加湿される。加湿された空気A3は、第1空気排出流路31bを通じて筐体4の排気口4aからエアーカーテン形成機構19へ供給される。
[0039]
 なお、再生貯留槽161は、複数あってもよい。
[0040]
 分離手段163は、液柱Sの表面において生成された霧状液滴からさらに吸湿性液体Wを分離して除湿する。除湿された除湿空気A3は、栽培領域R1内へ供給される。
[0041]
 加湿手段17は、加湿用の水W1が貯留された加水槽171を備えている。必要に応じて、水を供給することで吸湿性液体Wを希釈する。
[0042]
 エアーカーテン形成機構(区画手段)19は、調湿機構11において生成された除湿空気あるいは加湿空気を内部空間K2に送出する。エアーカーテン形成機構19は、吸湿手段15の筐体4に形成された排気口4aに接続され、例えばブロアなどを備える。エアーカーテン形成機構19は、調湿機構11において生成した調湿空気A2を勢いよく内部空間K2内へ送出することによって、栽培領域R1の周辺にエアーカーテンを形成する。
[0043]
 エアーカーテン形成機構19では、送出する調湿空気A2の風向きを適宜変えることが可能であり、図1に示す園芸用構造体10の内部空間K2のうち、栽培領域(第1領域)R1の周囲にエアーカーテンを形成することで、栽培領域R1をそれ以外の未栽培領域(第2領域)R2に対して区画することができる。
[0044]
 また、本実施形態のように、エアーカーテン形成機構19を調湿機構11に接続させておくことで、調湿空気A2を用いてエアーカーテンを形成することが可能である。
 また、エアーカーテン形成機構19として、エアーカーテンの形成に外部空間K1の空気A1を用いるか、調湿空気A2を用いるか、利用する空気を適宜切り替えられる構成としてもよい。
[0045]
 なお、本実施形態では、エアーカーテン形成機構19が、調湿機構11において生成された調湿空気A2を内部空間K2に送出する送出機構を兼ねているが、エアーカーテン形成機構19とは別に送出機構を設けてもよい。
[0046]
 また、本実施形態のように、例えば、調湿機構11およびエアーカーテン形成機構19を栽培領域R1の周囲にそれぞれ複数ずつ設けてもよいし、調湿機構11あるいはエアーカーテン形成機構19を一つだけ設置して、送出口を栽培領域R1の周囲に複数配置してもよい。
[0047]
 循環機構21は、第1流路21A、第2流路21B、第3流路21C、第4流路21D、三方バルブV、ポンプPを備え、吸湿手段15と霧化再生手段16との間で、吸湿性液体Wを循環させるための流路を構成している。
[0048]
 三方バルブVは、二方向から一方向への流体の分流を行う分割形三方弁であって、2つの入口(第1入口、第2入口)と、1つの出口を有する。
[0049]
 第1流路21Aは、吸湿手段15において水分を含んだ吸湿性液体Wを霧化再生手段16へ送るための流路であって、一端側が吸湿貯留槽151、他端側が再生貯留槽161に接続されている。
[0050]
 第2流路21Bは、霧化再生手段16において再生された吸湿性液体Wを吸湿手段15へ送るための流路の一部を構成し、一端側が再生貯留槽161に接続され、他端側が三方バルブVの第1入口に接続されている。
[0051]
 第3流路21Cは、第2流路21Bとともに霧化再生手段16において再生された吸湿性液体Wを吸湿手段15へ送るための流路を構成し、一端側が三方バルブVの出口に接続され、他端側が吸湿貯留槽151に接続されている。
[0052]
 第4流路21Dは、霧化再生手段16から吸湿手段15へ移送される吸湿性液体Wに対して加水を行うための流路であって、一端側が加水槽171に接続され、他端側が三方バルブVの第2入口に接続されている。
[0053]
 吸湿性液体Wは、水分を吸収する性質、つまり吸湿性を示す液体であり、例えば、温度が25℃、相対湿度が50%、大気圧下の条件で吸湿性を示す液体が好ましい。吸湿性液体Wは、後述する吸湿性物質を含んでいる。また、吸湿性液体Wは、吸湿性物質と溶媒とを含んでいてもよい。この種の溶媒としては、吸湿性物質を溶解させる溶媒、または吸湿性物質と混和する溶媒があげられ、例えば水が挙げられる。吸湿性物質は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよい。
[0054]
 吸湿性物質として用いられる有機材料としては、例えば2価以上のアルコール、ケトン、アミド基を有する有機溶媒、糖類、保湿化粧品などの原料として用いられる公知の材料などが挙げられる。それらの中でも、親水性が高いことから、吸湿性物質として好適に用いられる有機材料としては、2価以上のアルコール、アミド基を有する有機溶媒、糖類、保湿化粧品等の原料として用いられる公知の材料が挙げられる。
[0055]
 2価以上のアルコールとしては、例えばグリセリン、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
[0056]
 アミド基を有する有機溶媒としては、例えばホルムアミド、アセトアミドなどが挙げられる。
[0057]
 糖類としては、例えばスクロース、プルラン、グルコース、キシロール、フラクトース、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。
[0058]
 保湿化粧品などの原料として用いられる公知の材料としては、例えば2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ベタイン、ヒアルロン酸、コラーゲンなどが挙げられる。
[0059]
 吸湿性物質として用いられる無機材料としては、例えば塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化カリウム、水酸化ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。
[0060]
 吸湿性物質の親水性が高いと、例えば吸湿性物質の材料と水とを混合させたときに、吸湿性液体Wの表面(液面)近傍に吸着される水分子の割合が多くなる。後述する霧化再生手段16では、液柱Sとされた吸湿性液体Wの表面近傍から霧状液滴を発生させ、吸湿性液体Wから水分を分離する。そのため、吸湿性液体Wの表面近傍に吸着される水分子の割合が多いと、水分を効率的に分離できる点で好ましい。また、吸湿性液体Wの表面近傍における吸湿性物質の割合が相対的に少なくなるため、霧化再生手段16での吸湿性物質の損失を抑えられる点で好ましい。
[0061]
 吸湿性液体Wのうち、吸湿手段15での処理に用いられる吸湿性液体Wに含まれる吸湿性物質の濃度は、特に限定されないが、40質量%以上であることが好ましい。吸湿性物質の濃度が40質量%以上である場合、吸湿性液体Wは、効率良く水分を吸収することができる。
[0062]
 吸湿性液体Wの粘度は、25mPa・s以下であることが好ましい。これにより、後述する霧化再生手段16において、吸湿性液体Wの液面7に吸湿性液体Wの液柱Sを生じさせやすい。そのため、吸湿性液体Wから効率良く水分を分離することができる。
[0063]
(温湿度センサー機構)
 温湿度センサー機構9は、内部温湿度測定センサー(第2測定センサー)と、外部温湿度測定センサー(第1測定センサー)13とを備えている。
[0064]
 内部温湿度測定センサー12は、園芸用構造体10の内部空間K2内の室温および湿度を測定する。内部温湿度測定センサー12は、園芸用構造体10の内部空間K2のうち、例えば栽培植物8の栽培領域R1内に設置されていることが好ましい。
[0065]
 外部温湿度測定センサー13は、園芸用構造体10の外側に配置され、外部空間K1の外気温度および湿度を測定する。
[0066]
 制御部14は、内部温湿度測定センサー12および外部温湿度測定センサー13それぞれの測定結果に基づいて、調湿機構11を制御する。
[0067]
 なお、図1に示すように、園芸用構造体10の外部空間K1に、風速計6や日射計5を設置しておいてもよい。
[0068]
(調湿システムの作用)
 植物の生育のためには、夜間に、植物工場における園芸用構造体10の内部空間K2の温度を下げる必要がある。植物が光合成を始める早朝に、内部空間K2の温度を上げるために外気導入を行うと、栽培領域R1における相対湿度が上昇して露点に達し、栽培植物8の表面に結露が生じることがあった。植物工場では、太陽光をより多く取り入れるために透明な樹脂製の壁材を用いて構造体が構成されていることが多く、断熱性は極めて低い。結露の発生には、相対湿度、相対温度、飽差、太陽光の日射強度なども影響するが、換気によって暖かい外気を導入することで、冷えた栽培植物8の周辺に外気が入り込むと、植物周辺の相対湿度が高くなって飽差値が小さくなることで結露が生じる。
[0069]
 そこで、本実施形態の調湿システムでは、調湿機構11を用いて、園芸用構造体10における湿度管理、つまり飽差値の管理を行う。飽差とは、飽和水蒸気圧と、実際の水蒸気圧との差である。
[0070]
 例えば、栽培植物8がトマトであるとき、飽差値を3~7g/m3の範囲内で保持するよう管理することが好ましい。昼間は、室温が28℃~30℃前後、湿度が80%~85%程度であって、飽差値が3.5g/m ~4.9g/m の範囲内であることがトマトの生育に最も好ましい。湿度が低くて飽差が多すぎても気孔が閉じて蒸発せず、湿度が高くて飽差が少なすぎても空気が湿って蒸発しない。そのため、飽差値を上記範囲内に保持できれば、栽培植物8の気孔が開いて蒸発が活発になって光合成が促進される。
[0071]
 また、夜間は、室温が20℃~22℃前後、湿度が75%~80%程度であって、飽差値が4.1g/m ~6.1g/m の範囲内であることがトマトの生育に最も好ましい。飽差値を上記範囲内に保持できれば、栽培植物8の呼吸を促進させることができる。
[0072]
 よって、本実施形態の調湿システムでは、内部空間K2内の飽差値、特に栽培領域R1内の飽差値を、時間帯に応じて、栽培植物8の生育に最適な飽差範囲内に収めるよう制御する。
[0073]
 まず、内部温湿度測定センサー12および外部温湿度測定センサー13によって、園芸用構造体10の内部空間K2、特に栽培領域R1と、外部空間K1との温度および湿度を測定し、各々の測定結果を制御部14にフィードバックする。
[0074]
 制御部14は、内部温湿度測定センサー12および外部温湿度測定センサー13における測定結果に基づいて、調湿機構11から供給する調湿空気A2の湿度を制御し、内部空間K2の特に栽培領域R1の飽差値を栽培植物8の生育環境に最適な値に保持する。
[0075]
 植物工場における内部空間K2の栽培環境は、昼間と夜間とで異なる。植物の栽培において、室内環境の温度および湿度の管理、つまり飽差の管理は重要となる。
[0076]
 飽差値は、栽培植物8の種類によって最適な値が異なるため、栽培する植物の種類に応じて温湿度を制御し、最適な飽差値に保持することが好ましい。
[0077]
 室温が低くて湿度が高いと空気が湿っているので植物の蒸散作用が起こりにくい。一方、室温が高くて湿度が低いと空気が乾燥しているので蒸散作用が盛んになりすぎてしまう。そのため、栽培環境における飽差値を制御することで、上記した最適な範囲に保持し、栽培植物8の生育を促進させることができる。
[0078]
 そこで、本実施形態では、内部温湿度測定センサー12と外部温湿度測定センサー13とにより、園芸用構造体10の内外の温度をセンシングし、これらの測定結果と時間帯に基づいて調湿した調湿空気A2をエアーカーテン形成機構19により内部空間K2へ供給する。
[0079]
 そのために、まず制御部14は、ポンプPを駆動することにより、吸湿手段15の液体供給部152から吸湿性液体Wを流下させる。同時に、エアーカーテン形成機構19を駆動することにより、第1空気供給流路31aを介して外部空間K1の空気A1を吸湿貯留槽151内に導入して、第1空気排出流路31bへ向かう気流を形成する。
[0080]
 吸湿貯留槽151内を流動する空気が、メッシュ部材153を伝わって流下する吸湿性液体Wに接触すると、空気中の水分が吸湿性液体Wに吸収されて除去される。制御部14は、第1空気排出流路31b上に設けられたエアーカーテン形成機構19を駆動することにより、除湿した調湿空気A2を内部空間K2へ供給する。本実施形態では、エアーカーテン形成機構19により、調湿空気A2を勢いよく送出することによって、栽培領域R1の周辺にエアーカーテンを形成する。
[0081]
 ここで、園芸用構造体10の換気を行う前に、栽培領域R1の周囲にエアーカーテン形成機構19を形成しておくことが好ましい。予め形成しておいたエアーカーテンによって、側窓10bを通じて園芸用構造体10内に取り入れられた換気時の外気A1が、栽培領域R1へ向かうのを遮ることができる。
[0082]
 次に、制御部14は、ポンプPを駆動することにより、吸湿貯留槽151内に貯留されている水分を含む吸湿性液体Wを、第1流路21Aを介して霧化再生手段16へ供給し、再生貯留槽161内に貯留させる。
[0083]
 霧化再生手段16では、制御部14により超音波振動子162を駆動することで、再生貯留槽161内に貯留された吸湿性液体Wに超音波を照射して液柱Sを形成し、水分を含んだ吸湿性液体Wを高く持ち上げる。
[0084]
 このとき、再生貯留槽161内に貯留されている吸湿性液体Wのうち、超音波振動子162と平面的に重なる領域に集中的に超音波が照射される。この照射領域の液面7に液柱Sが形成される。
[0085]
 制御部14は、第2空気供給流路36aを介して外気A1を再生貯留槽161内に供給して第2空気排出流路36bへ向かう気流を形成する。再生貯留槽161内を流動する空気A1を、超音波振動子162によって形成した液柱Sに接触させることで霧状液滴を生じさせる。液柱Sから分離した霧状液滴は、空気A1に吸収される。このようにして、水分を含んだ吸湿性液体Wから水分を分離して吸湿性液体Wを再生する。霧状液滴を含んで加湿された空気A4は、第2空気排出流路36bを介して分離手段163へ供給される。
[0086]
 次に、制御部14は、ポンプPを駆動させることにより、 霧化再生手段16において再生された吸湿性液体Wを、第2流路21Bおよび第3流路21Cを通じて吸湿手段15へと移送する。このとき、バルブVの2つの入口うち、第2流路21Bが接続された第1入口を開状態、第4流路21Dが接続された第2入口を閉状態とすることで、霧化再生手段16において再生された吸湿性液体Wを吸湿手段15へと移送することができる。
[0087]
 また、制御部14は、霧化再生手段16において生成した吸湿性液体Wの濃度が高まった場合、バルブVのうち、第2流路21Bおよび第4流路21Dが接続された各入口を開くとともに、第3流路21Cが接続された出口を閉じることによって、加水槽171内の水を再生貯留槽161へ供給し、濃度の高まった吸湿性液体Wを希釈することができる。吸湿性液体Wを希釈すると霧化再生手段16における液柱Sの立ち上がりが良くなるため、霧化効率を向上させることができる。これにより、内部空間K2を効率よく加湿することができる。
[0088]
 なお、加水用の水を、第2流路21Bを通じて再生貯留槽161へ供給することによって、再生貯留槽161内において吸湿性液体Wと水とを混合させることができるが、例えば、バルブVと吸湿手段15との間に、例えば「混合槽」を別途追加した構成とすることで、吸湿性液体Wの希釈を効率よく行うことができる。
[0089]
 なお、栽培領域R1の加湿のみを行う場合、霧化再生手段16の駆動を停止させて吸湿性液体Wの再生を行わないこともある。この場合は、バルブVのうち、霧化再生手段16側の入口を閉じるとともに加水槽171側の入口を開いて、加水槽171と吸湿貯留槽151とを接続し、加水槽171内の水だけを吸湿貯留槽151へ供給してもよい。これにより、吸湿手段15において水分を含んだ空気を多く生成することができ、栽培領域R1を効率よく加湿できる。
[0090]
 本実施形態の調湿システムによれば、園芸用構造体10の内部空間K2と外部空間K1とにおける温度および湿度を測定し、その結果に基づいて調湿機構11の稼働を制御している。園芸用構造体10の内部空間K2内は、夜間に行われる栽培植物8の呼吸によって湿度が高まっているが、園芸用構造体10の内部空間K2内を過度に除湿するのではなく、調湿機構11により内部空間K2内の空気の湿度を適度に下げて、換気時に外気が入ってきた際に、少なくとも栽培領域R1内が露点にならないような除湿を行う。液体デシカントの特徴により、急激な温度変化を伴わないため、ストレスをかけない状態で栽培植物8の緩やかな加温が可能となり、周辺環境との温度差を徐々に小さくしていくことが可能となる。これにより、栽培植物8にやさしい温度管理が可能となる。
[0091]
 また、栽培植物8は、動物と違って体温を一定に保つことができないため、周囲の環境に大きく依存する。そのため、調湿機構11により栽培領域R1内の温湿度を調整し、植物の生育に最適な飽差値を維持することによって、夜間に冷やされた栽培植物8の冷顕熱を除去することができる。このように、本実施形態の調湿システムでは、昼間、夜間に関わらず、園芸用構造体10の内部空間K2内、特に栽培領域R1内の飽差値を栽培植物8の生育に最適な値に保持することで、栽培植物8の表面に結露が生じることを抑制することができる。これにより、栽培植物8の病気やダメージが生じること防ぐことができる。
[0092]
 また、調湿機構11は、ヒートポンプのように除湿時に冷却を伴わないため、内部空間K2の調湿を良好に行うことができ、結露による被害を効果的に抑えることができる。
[0093]
 本実施形態では、調湿機構11により、栽培領域R1の周囲にエアーカーテンを形成することで、栽培植物8が存在する栽培領域R1をそれ以外の領域R2とは区画し、栽培領域R1に対する除湿あるいは加湿を集中的に行うことができる。内部空間K2の全体の調湿を行わずに済むため、栽培領域R1の調湿を効率よく行うことができ、コスト削減も図れる。
[0094]
 また、エアーカーテンを利用することにより、日射を遮ることなく外気を遮断して、栽培領域R1内の温度が急激に変化するのを抑えることができる。さらに、エアーカーテンのため、新たな部材を用いることなく栽培領域R1を区画することができるとともに、障害物がないため内部空間K2を自由に利用することが可能である。
[0095]
 外気の遮断効果だけを得るためなら、内部空間K2内の空気を利用してエアーカーテンを形成してもよいが、エアーカーテンを調湿空気によって形成することで、栽培領域R1に対する外気の遮蔽性をより高めることができるとともに、栽培植物8の表面の飽差制御の機能を兼ねることができる。また、エアーカーテン形成用の機構を調湿機構11とは別に設けるよりも、省スペースに配置でき、設備費も抑えることができる。
[0096]
 また、霧化再生手段16では、超音波を用いることで、吸湿性液体Wの再生を低エネルギーで行うことができる。なお、本実施形態では、超音波を用いて吸湿性液体Wの再生を行ったが、他の機構の排熱を利用することができるのであれば、超音波以外の手段を用いて上記再生を行ってもよい。
[0097]
 また、吸湿手段15と霧化再生手段16とが同じ場所にある必要はなく、これらを接続する循環機構21によりレイアウトは自在に変更することができる。また、吸湿手段15および霧化再生手段16とは、一つずつに限られず、複数ずつ設けてもよい。互いに同じ数であってもよいし、異なっていてもよい。
[0098]
 また、調湿機構11についても一つに限られず、複数設けてもよい。例えば、用いる吸湿性液体Wの濃度ごとに、複数の調湿機構11を用意してもよい。これにより、栽培領域R1の飽差値に対して迅速に対応することができる。
[0099]
 また、調湿機構11に可搬性を持たせ、吸湿手段15を単独で使用し、吸湿後、別の場所に設置した霧化再生手段16と接続し、吸湿性液体Wの再生を行う構成としてもよい。
[0100]
 また、本実施形態では、エアーカーテンを形成するとしたが、ビニールシートやメッシュシートのようなものを天井から吊り下げて用いてもよい。これにより、栽培領域R1をそれ以外の未栽培領域R12から区画することができ、日射を完全に遮断することもない。
[0101]
[第2実施形態]
 次に、本発明における第2実施形態の調湿システムについて述べる。
 以下の説明においては、先の実施形態と異なる点について詳しく説明する。
 図3は、第2実施形態の調湿機構とエアーカーテン形成機構との作用について説明するための図である。
[0102]
 本実施形態の調湿システム20は、調湿機構11とは別系統のエアーカーテン形成機構24を備えている。つまり、先の実施形態では、エアーカーテン形成機構が調湿機構に接続されていたため、調湿空気を用いてエアーカーテンを形成することが可能であったが、本実施形態では、調湿機構11とは別にエアーカーテン形成機構24を設けることで、室内の空気を用いてエアーカーテンを形成することができる。
[0103]
 エアーカーテン形成機構24は、例えば、園芸用構造体10の床面に設置される吹出部24bを複数有している。吹出部24bは、栽培領域R1の周囲に複数配置されることが好ましく、下方から上方に向けて空気を送出することで、栽培領域R1の周囲にエアーカーテンを形成する。
[0104]
 調湿機構11は、第1空気排出流路31bの先端側に吹出部11bを有しており、その吹出部11bが栽培植物8に向けて設置されている。
[0105]
 本実施形態の調湿システム20によれば、エアーカーテンの形成に室内の空気を利用することで、調湿空気の生成量を少なくすることができる。また、調湿機構11において生成した調湿空気を栽培植物8に直接吹き付けることにより、植物表面での湿度制御を行うことができる。また、夜間冷房により植物に蓄積した冷顕熱を除去することができる。
[0106]
 本実施形態のように、エアーカーテンによって区画した栽培領域R1内のみ温湿度を制御することで、工場全体の顕熱および潜熱負荷を短時間に処理しなくてもよい。また、工場全体の温湿度を制御するよりも簡単でコストを抑えることができる。
[0107]
[第3実施形態]
 次に、本発明における第3実施形態の調湿システムについて述べる。
 以下の説明においては、先の実施形態と異なる点について詳しく説明する。
 図4は、第3実施形態の調湿機構とエアーカーテン形成機構との作用について説明するための図である。
[0108]
 本実施形態の調湿システム30は、上述した第2実施形態の構成に加えて、さらに、吸気部37を有している。吸気部37は、調湿機構11の吹出部11bと、栽培領域R1もしくは栽培植物8を介して対向していることが好ましい。吸気部37は、例えば、図1に示した筐体4の排気口4aに接続されており、吹出部11bから吹き出された調湿空気A2を外部空間K1へ排出させる。
[0109]
 本実施形態の調湿システム30では、吸気部37を調湿機構11の吹出部11bと栽培領域R1もしくは栽培植物8を介して対向配置させることにより、栽培植物8に吹き付ける調湿空気を一方向に流すことができる。これにより、気流の制御性を高めることができ、栽培領域R1および栽培植物8に対して集中的に調湿空気を供給することができる。
 このため、第2実施形態と同様の効果が得られるとともに、それに加えて気流の擾乱を防ぐことができる。
[0110]
[第4実施形態]
 次に、本発明における第4実施形態の調湿システムについて述べる。
 図5は、第4実施形態の調湿機構とエアーカーテン形成機構との作用について説明するための図である。
[0111]
 本実施形態の調湿システム40は、第1実施形態と同様に、調湿機構11にエアーカーテン形成機構41が接続されている。本実施形態のエアーカーテン形成機構41は、スイング可能な吹出部41bを有している。
[0112]
 これによれば、吹出部41bの向きをスイングさせることにより、エアーカーテン形成する機能と、栽培植物8へ調湿空気を送出する機能とを兼ねることができ、構成をシンプルにすることができる。
[0113]
[第5実施形態]
 次に、本発明における第5実施形態の調湿システムについて用いて述べる。
 以下の説明においては、先の実施形態と異なる点について詳しく説明する。図6は、第5実施形態の調湿システム50の全体構造を示す図である。図7は、第5実施形態の調湿機構51の構造を示す図である。図8は、吸湿性液体Wの濃度[%]と平衡相対湿度[%]との関係を示す図である。
[0114]
 本実施形態の調湿システム50は、上述した第1実施形態の構成に加えて、吸入口温湿度センサー55および吹出口温湿度センサー56と、植物表面温度センサー18とを備えている。
 本実施形態の調湿機構51には、吸湿貯留槽151に接続された第1空気供給流路31aの吸入口に、吸入口温湿度センサー55が配置されている。吸入口温湿度センサー55は、吸湿貯留槽151内に吸入する外部空間K1の空気A1もしくは内部空間K2の空気の温湿度を測定するセンサーである。
[0115]
 また、吸湿貯留槽151に接続された第1空気排出流路31bの吹出口には、吹出口温湿度センサー56が配置されている。吹出口温湿度センサー56は、吸湿貯留槽151内において除湿され、栽培領域R1へ供給される調湿空気A2の温度を測定するセンサーである。
[0116]
 また、栽培領域R1内には、栽培植物8の葉等の表面温度を測定する植物表面温度センサー18がさらに配置されている。植物表面温度センサー18は、栽培植物8の温度変化をできる限り正確に測定できるように、栽培植物8の最も近くに設置されていることが好ましい。
[0117]
 これら吸入口温湿度センサー55、吹出口温湿度センサー56および植物表面温度センサー18の測定結果を制御部14にフィードバックし、調湿機構11の駆動を制御する。
[0118]
 具体的に本実施形態では、まず、制御部14において、外部温湿度測定センサー13と、内部温湿度測定センサー12との測定結果により、栽培領域R1内が露点に達するか判断する。
[0119]
 調湿機構11の稼働が必要と判断した場合は、植物表面温度センサー18と、吹出口温湿度センサー56との測定結果に基づいて、露点、飽差条件を算出し、調湿機構11における調湿条件を決定する。
[0120]
 そして、制御部14は、吸入口温湿度センサー55の測定結果に基づいて、調湿機構11における吸湿性液体Wの濃度を決定する。このとき、図8に示す平衡相対湿度に対して、吸湿性液体Wの濃度Aが高い場合は除湿を行い、吸湿性液体Wの濃度Bが低い場合は加湿を行うことで、吸湿性液体Wの濃度を決定する。
[0121]
 制御部14は、吸入口温湿度センサー55の測定結果に基づいて、吸湿性液体Wの濃度を適宜調整し調湿動作を行う。
[0122]
 このように、露点、飽差に関する温湿度テーブルを基にして調湿機構11の稼働を制御することにより、栽培領域R1の調湿を効率よく行うことができる。
[0123]
 また、事前に、栽培植物8の「生育データ(重量)×栽培植物の比熱」等により、栽培植物8の熱容量を求めておき、「温度差データ」と合わせて熱負荷容量を見積もり、エアーカーテン形成時間、調湿機構11の稼働時間等を予測運転してもよい。植物自身の温度が周辺の温度に近づくまで、システムを作用させることで、結露による被害を避けることができる。
[0124]
 以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
[0125]
 上述した実施形態では、園芸用の構造体に用いられる調湿システムについて述べたが、園芸用に限られない。例えば、調湿対象物が、絵画や陶芸等を含む美術品、チーズやワイン等を含む食品あるいは薬品等であってもよく、構造体がそれを貯蔵する倉庫、食品庫、薬品庫のようなところであってもよい。調湿対象物としては、その他、温度および湿度管理が必要なものも含まれる。

請求の範囲

[請求項1]
 調湿対象物が配置された内部空間と外部空間とを区画する構造体と、
 前記構造体内の調湿を行う調湿機構と、
 前記内部空間と前記外部空間との温度および湿度を測定する温湿度センサー機構と、
 前記温湿度センサー機構の測定結果に基づいて前記調湿機構を制御する制御部と、を備え、
 前記調湿機構は、
 吸湿性物質を含む吸湿性液体と気体とを接触させることにより、前記気体に含まれる水分の少なくとも一部を前記吸湿性液体に吸湿させる吸湿手段と、
 前記吸湿手段から供給された前記吸湿性液体に含まれる水分の一部を霧化して霧状液滴を発生させる霧化再生手段と、を有している、
調湿システム。
[請求項2]
 前記霧化再生手段において再生された前記吸湿性液体を希釈する加湿手段をさらに備えている、
請求項1に記載の調湿システム。
[請求項3]
 前記温湿度センサー機構は、
 前記構造体の外部に配置され、前記外部空間の温度および湿度を測定する第1測定センサーと、前記構造体の内部に配置され、前記対象物の周辺の温度および湿度を測定する第2測定センサーと、を備えている、
請求項1または2に記載の調湿システム。
[請求項4]
 前記温湿度センサー機構は、
 前記調湿対象物の表面温度および周辺湿度を測定する第3測定センサーを備えている、請求項3に記載の調湿システム。
[請求項5]
 前記内部空間のうち前記調湿対象物が配置された第1領域とそれ以外の第2領域とを区画する区画手段を備えている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の調湿システム。
[請求項6]
 前記区画手段が、エアーカーテン形成機構からなる、
請求項5に記載の調湿システム。
[請求項7]
 前記エアーカーテン形成機構が、
 前記調湿機構において生成された気体を前記内部空間に送出する送出機構を兼ねている、
請求項6に記載の調湿システム。
[請求項8]
 前記制御部は、前記内部空間の温湿度データおよび調湿対象物の表面温度データに基づいて調湿制御を行う、
請求項1から7のいずれか一項に記載の調湿システム。
[請求項9]
 前記霧化再生手段は、
 前記吸湿性液体を貯留する貯留槽と、
 前記霧状液滴を発生させるための超音波を発振することで、前記貯留槽内の前記吸湿性液体の液面に液柱を形成する超音波発生部と、を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載の調湿システム。


図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]