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1. WO2020116336 - 感光性樹脂組成物、パターン形成方法、硬化膜、積層体、及び、デバイス

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明 細 書

発明の名称 感光性樹脂組成物、パターン形成方法、硬化膜、積層体、及び、デバイス

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224  

実施例

0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22  

明 細 書

発明の名称 : 感光性樹脂組成物、パターン形成方法、硬化膜、積層体、及び、デバイス

技術分野

[0001]
 本発明は、感光性樹脂組成物、パターン形成方法、硬化膜、積層体、及び、デバイスに関する。

背景技術

[0002]
 従来、半導体素子の保護膜および層間絶縁膜には優れた耐熱性と電気特性、機械特性等を併せ持つポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等が用いられている。しかし、近年半導体素子の高集積化、大型化が進む中、封止樹脂パッケージの薄型化小型化の要求がありLOC(リード・オン・チップ)や半田リフロー法を用いた表面実装などの方式が取られてきている。
[0003]
 このような半導体素子の作製には、ポリイミド樹脂の前駆体(ポリイミド前駆体)及びポリベンゾオキサゾール樹脂の前駆体(ポリベンゾオキサゾール前駆体)よりなる群から選択される少なくとも1種の前駆体を含む感光性樹脂組成物が用いられる場合がある。上記感光性樹脂組成物を用いることにより、パターン形成工程が簡略化できる等のメリットが考えられる。
[0004]
 例えば、特許文献1には、複素環含有ポリマー前駆体と、熱塩基発生剤と、第4族元素を含む有機化合物を含む感光性樹脂組成物が記載されている。
 また、特許文献2には、(A)特定の構造のポリイミド前駆体、(B)光重合開始剤:1~20質量部、並びに(C)ヒドロキシル基、エーテル基及びエステル基からなる群より選ばれる官能基を1つ以上有する炭素数2~30のモノカルボン酸化合物:0.01~10質量部、を含有する、ネガ型感光性樹脂組成物が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開第2018/025738号
特許文献2 : 特開2011-191749号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 例えば、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種の前駆体を含む感光性樹脂組成物により形成された感光膜を用いたパターン形成等において、露光方式、露光光源の種類、露光環境等が多様化している。
 そのため、露光エネルギー等の露光条件に対する許容度が大きい、すなわち、露光ラチチュードに優れる感光性樹脂組成物の提供が望まれている。
[0007]
 本発明は、露光ラチチュードに優れる感光性樹脂組成物、上記感光性樹脂組成物により形成された感光膜を用いるパターン形成方法、上記感光性樹脂組成物から形成される硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含むデバイスを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の代表的な実施態様を以下に示す。
<1> ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種の前駆体、
 亜硫酸エステル構造を有する化合物、及び、
 光ラジカル重合開始剤を含み、
 下記条件1~条件3の少なくとも1つを満たす感光性樹脂組成物;
 条件1:上記前駆体がラジカル重合性基を含む;
 条件2:上記亜硫酸エステル構造を有する化合物がラジカル重合性基を含む;
 条件3:上記感光性樹脂組成物が、上記前駆体、及び、上記亜硫酸エステル構造を有する化合物以外のラジカル重合性基を含む化合物を更に含む。
<2> 上記亜硫酸エステル構造を有する化合物がラジカル重合性基を含む、<1>に記載の感光性樹脂組成物。
<3> 上記亜硫酸エステル構造を有する化合物が2つ以上のラジカル重合性基を含む、<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物。
<4> 第4族元素含有化合物を更に含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
<5> 上記第4族元素含有化合物が上記光ラジカル重合開始剤である、<4>に記載の感光性樹脂組成物。
<6> 上記第4族元素含有化合物がメタロセン及びメタロセン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、<4>又は<5>に記載の感光性樹脂組成物。
<7> オニウム塩を更に含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
<8> 上記オニウム塩として、180℃の加熱により分解を受けない化合物を含む、<7>に記載の感光性樹脂組成物。
<9> 上記オニウム塩におけるカチオンが、テトラアルキルアンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンよりなる群から選択される少なくとも1種のカチオンを含む、<7>又は<8>に記載の感光性樹脂組成物。
<10>上記オニウム塩がカチオンとしてアンモニウムカチオンを含み、上記オニウム塩がアニオンとして共役酸のpKaが1.8以下であるアニオンを含む、<7>~<9>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
<11> 上記ポリイミド前駆体が、下記式(2)で表される繰り返し単位を含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物;
[化1]


 式(2)中、A 及びA はそれぞれ独立に、酸素原子又は-NH-を表し、R 111は、2価の有機基を表し、R 115は、4価の有機基を表し、R 113及びR 114は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
<12> 上記式(2)中、R 113及びR 114の少なくとも一方が、ラジカル重合性基を含む、<11>に記載の感光性樹脂組成物。
<13> <1>~<12>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物により形成された感光膜を露光する露光工程、及び、
 上記露光後の上記感光膜を現像してパターンを得る現像工程を含む、
 パターン形成方法。
<14> 上記感光膜を露光する露光波長が450nm以下である、<13>に記載のパターン形成方法。
<15> 120~200℃で上記パターンを加熱することにより硬化パターンを得る硬化工程を上記現像工程の後に含む、<13>又は<14>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<16> 上記硬化工程における上記加熱が開始してから終了するまでの時間が15分以内である、<15>に記載のパターン形成方法。
<17> 上記感光性樹脂組成物が、オニウム塩として、上記硬化工程における加熱により分解を受けない化合物を含む、<15>又は<16>に記載のパターン形成方法。
<18> <1>~<12>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物から形成される硬化膜。
<19> 再配線層用層間絶縁膜として用いられる、<18>に記載の硬化膜。
<20> <18>又は<19>に記載の硬化膜を、2層以上含む積層体。
<21> 上記硬化膜の間に、金属層を更に含む、<20>に記載の積層体。
<22> <18>若しくは<19>に記載の硬化膜、又は、<20>若しくは<21>に記載の積層体を含むデバイス。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、露光ラチチュードに優れる感光性樹脂組成物、上記感光性樹脂組成物により形成された感光膜を用いるパターン形成方法、上記感光性樹脂組成物から形成される硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含むデバイスが提供される。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
 本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
 本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有しない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
 本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含める。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線又は放射線が挙げられる。
 本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、又は、いずれかを表す。
 本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
 本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また本明細書において、固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量百分率である。
 本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
 本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、特に述べない限り、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC測定)に従い、ポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC-8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてガードカラムHZ-L、TSKgel Super HZM-M、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ3000、TSKgel Super HZ2000(東ソー(株)製)を用いることによって求めることができる。それらの分子量は特に述べない限り、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定したものとする。また、GPC測定における検出は特に述べない限り、UV線(紫外線)の波長254nm検出器を使用したものとする。
 本明細書において、特段の記載がない限り、組成物は、組成物に含まれる各成分として、その成分に該当する2種以上の化合物を含んでもよい。また、特段の記載がない限り、組成物における各成分の含有量とは、その成分に該当する全ての化合物の合計含有量を意味する。
 本明細書において、特段の記載がない限り、構造式中の波線部又は*(アスタリスク)は他の構造との結合部位を表す。
 本発明における沸点測定時の気圧は、特に述べない限り、101325Pa(1気圧)とする。本発明における温度は、特に述べない限り、23℃とする。
 本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
[0011]
(感光性樹脂組成物)
 本発明の感光性樹脂組成物は、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種の前駆体、亜硫酸エステル構造を有する化合物、及び、光ラジカル重合開始剤を含み、下記条件1~条件3の少なくとも1つを満たす。
 条件1:上記前駆体がラジカル重合性基を含む。
 条件2:上記亜硫酸エステル構造を有する化合物がラジカル重合性基を含む。
 条件3:上記感光性樹脂組成物が、上記前駆体、及び、上記亜硫酸エステル構造を有する化合物以外のラジカル重合性基を含む化合物を更に含む。
[0012]
 本発明の感光性樹脂組成物は、露光ラチチュードに優れる。
 上記効果が得られる理由は不明であるが、露光部においては、亜硫酸エステル構造を有する化合物がラジカル重合性を高める等の理由により硬化性が向上する、未露光部においては、亜硫酸エステル構造を有する化合物と現像液との親和性が高いことから現像性が向上する、等が影響していると推測される。
 本発明の感光性樹脂組成物は、保存安定性にも優れやすいと考えられる。これは、亜硫酸エステル構造を有する化合物を含むことにより、保存時の環化反応(例えば、イミド化反応)が抑制されるためであると推測される。特に、本発明の感光性樹脂組成物が、後述するオニウム塩として、スルホニウム塩、ヨードニウム塩又はホスホニウム塩を含有することにより、上記保存安定性に更に優れやすいと考えられる。
 本発明の感光性樹脂組成物は、得られる硬化膜の機械特性にも優れやすいと考えられる。これは、亜硫酸エステル構造を有する化合物を含むことにより、ラジカル重合性が向上する等の影響による効果であると推測される。特に、本発明の感光性樹脂組成物が、後述するオニウム塩として、アンモニウム塩又はヨードニウム塩を含有することにより、上記機械特性に更に優れやすいと考えられる。
 本発明の感光性樹脂組成物は、得られる硬化膜の耐薬品性にも優れやすいと考えられる。これは、亜硫酸エステル構造を有する化合物を含むことにより、ラジカル重合性が向上する等の影響による効果であると推測される。特に、本発明の感光性樹脂組成物が、後述する第4族元素含有化合物を含有することにより、上記耐薬品性に更に優れやすいと考えられる。
[0013]
 ここで、特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、亜硫酸エステル構造を有する化合物を含むことについては記載も示唆もなく、上記化合物を含むことによる露光ラチチュードの向上についても、一切の検討がなされていない。
[0014]
 本発明の感光性樹脂組成物は、上記条件1~条件3の少なくとも1つを満たし、露光ラチチュードを更に向上する観点からは、上記条件1~条件3の少なくとも2つを満たすことが好ましく、上記条件1~条件3のすべてを満たすことがより好ましい。
 以下、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる成分について詳細に説明する。
[0015]
<前駆体>
 本発明の感光性樹脂組成物は、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種の前駆体(「特定前駆体」ともいう。)を含み、ポリイミド前駆体を含むことが好ましい。
 また、特定前駆体は、上記条件1を満たす観点から、ラジカル重合性基を含むことが好ましい。
 特定前駆体に含まれるラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基、又は、ビニルフェニル基、がより好ましく、(メタ)アクリロイル基が更に好ましい。
 上記(メタ)アクリロイル基は、(メタ)アクリルアミド基又は(メタ)アクリロキシ基を構成することが好ましく、(メタ)アクリロキシ基を構成することがより好ましい。
[0016]
〔ポリイミド前駆体〕
 本発明で用いるポリイミド前駆体はその種類等特に定めるものではないが、下記式(2)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
[化2]


 式(2)中、A 及びA はそれぞれ独立に、酸素原子又は-NH-を表し、R 111は、2価の有機基を表し、R 115は、4価の有機基を表し、R 113及びR 114はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
[0017]
 式(2)におけるA 及びA はそれぞれ独立に、酸素原子又は-NH-を表し、酸素原子が好ましい。
 式(2)におけるR 111は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基及び芳香族基を含む基が例示され、炭素数2~20の直鎖の脂肪族基、炭素数3~20の分岐鎖状の脂肪族基、炭素数3~20の環状の脂肪族基、炭素数6~20の芳香族基、又は、これらの組み合わせからなる基が好ましく、炭素数6~20の芳香族基からなる基がより好ましい。
[0018]
 R 111は、ジアミンから誘導されることが好ましい。ポリイミド前駆体の製造に用いられるジアミンとしては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族、環状の脂肪族又は芳香族ジアミンなどが挙げられる。ジアミンは、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
 具体的には、炭素数2~20の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、炭素数3~20の環状の脂肪族基、炭素数6~20の芳香族基、又は、これらの組み合わせからなる基を含むジアミンであることが好ましく、炭素数6~20の芳香族基からなる基を含むジアミンであることがより好ましい。芳香族基の例としては、下記が挙げられる。
[0019]
[化3]


[0020]
 式中、Aは、単結合、又は、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、-O-、-C(=O)-、-S-、-S(=O) -、-NHC(=O)-、及び、これらを2以上組み合わせた基よりなる群から選択される基であることが好ましく、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~3のアルキレン基、-O-、-C(=O)-、-S-、及び、-S(=O) -よりなる群から選択される基であることがより好ましく、-CH -、-O-、-S-、-S(=O) -、-C(CF -、及び、-C(CH -よりなる群から選択される基であることが更に好ましい。
[0021]
 ジアミンとしては、具体的には、1,2-ジアミノエタン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン及び1,6-ジアミノヘキサン;1,2-又は1,3-ジアミノシクロペンタン、1,2-、1,3-又は1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-、1,3-又は1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス-(3-アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルシクロヘキシルメタン及びイソホロンジアミン;メタ又はパラフェニレンジアミン、ジアミノトルエン、4,4’-又は3,3’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-又は3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-又は3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-又は3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-又は3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-ヒドロキシ-4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-ヒドロキシ-4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’-ジアミノパラテルフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(2-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アントラセン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)-10-ヒドロアントラセン、3,3’,4,4’-テトラアミノビフェニル、3,3’,4,4’-テトラアミノジフェニルエーテル、1,4-ジアミノアントラキノン、1,5-ジアミノアントラキノン、3,3-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、9,9’-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、4,4’-ジメチル-3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,4-及び2,5-ジアミノクメン、2,5-ジメチル-パラフェニレンジアミン、アセトグアナミン、2,3,5,6-テトラメチル-パラフェニレンジアミン、2,4,6-トリメチル-メタフェニレンジアミン、ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2,7-ジアミノフルオレン、2,5-ジアミノピリジン、1,2-ビス(4-アミノフェニル)エタン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノ安息香酸のエステル、1,5-ジアミノナフタレン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)オクタフルオロブタン、1,5-ビス(4-アミノフェニル)デカフルオロペンタン、1,7-ビス(4-アミノフェニル)テトラデカフルオロヘプタン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(2-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、パラビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’-ビス(3-アミノ-5-トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロトリジン及び4,4’-ジアミノクアテルフェニルから選ばれる少なくとも1種のジアミンが挙げられる。
[0022]
 また、下記に示すジアミン(DA-1)~(DA-18)も好ましい。
[0023]
[化4]


[0024]
[化5]


[0025]
 また、少なくとも2つ以上のアルキレングリコール単位を主鎖にもつジアミンも好ましい例として挙げられる。好ましくは、エチレングリコール鎖、プロピレングリコール鎖のいずれか又は両方を一分子中にあわせて2つ以上含むジアミン、より好ましくは芳香環を含まないジアミンである。具体例としては、ジェファーミン(登録商標)KH-511、ジェファーミン(登録商標)ED-600、ジェファーミン(登録商標)ED-900、ジェファーミン(登録商標)ED-2003、ジェファーミン(登録商標)EDR-148、ジェファーミン(登録商標)EDR-176、D-200、D-400、D-2000、D-4000(以上商品名、HUNTSMAN社製)、1-(2-(2-(2-アミノプロポキシ)エトキシ)プロポキシ)プロパン-2-アミン、1-(1-(1-(2-アミノプロポキシ)プロパン-2-イル)オキシ)プロパン-2-アミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
 ジェファーミン(登録商標)KH-511、ジェファーミン(登録商標)ED-600、ジェファーミン(登録商標)ED-900、ジェファーミン(登録商標)ED-2003、ジェファーミン(登録商標)EDR-148、及び、ジェファーミン(登録商標)EDR-176の構造を以下に示す。
[0026]
[化6]


[0027]
 上記において、x、y、zは算術平均値である。
[0028]
 R 111は、得られる硬化膜の柔軟性の観点から、-Ar-L-Ar-で表されることが好ましい。但し、Arは、それぞれ独立に、芳香族基であり、Lは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、-O-、-C(=O)-、-S-、-S(=O) -又は-NHC(=O)-、及び、これらを2以上組み合わせた基よりなる群から選択された基である。Arは、フェニレン基が好ましく、Lは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1若しくは2の脂肪族炭化水素基、-O-、-C(=O)-、-S-又は-S(=O) -が好ましい。Lにおける脂肪族炭化水素基は、アルキレン基が好ましい。
[0029]
 R 111は、i線透過率の観点から下記式(51)又は式(61)で表わされる2価の有機基であることが好ましい。特に、i線透過率、入手のし易さの観点から式(61)で表わされる2価の有機基であることがより好ましい。
[化7]


式(51)中、R 10~R 17はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は1価の有機基であり、R 10~R 17の少なくとも1つはフッ素原子、メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、又は、トリフルオロメチル基である。
 R 10~R 17における1価の有機基としては、炭素数1~10(好ましくは炭素数1~6)の無置換のアルキル基、炭素数1~10(好ましくは炭素数1~6)のフッ化アルキル基等が挙げられる。
[化8]


 式(61)中、R 18及びR 19はそれぞれ独立に、フッ素原子、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、又は、トリフルオロメチル基である。
 式(51)又は式(61)の構造を与えるジアミン化合物としては、ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(フルオロ)-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル等が挙げられる。これらの1種を用いるか、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0030]
 式(2)におけるR 115は、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、芳香環を含む4価の有機基が好ましく、下記式(5)又は式(6)で表される基がより好ましい。
[化9]


 式(5)中、R 112は、単結合、又は、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、-O-、-C(=O)-、-S-、-S(=O) -、-NHC(=O)-及び、これらを2以上組み合わせた基よりなる群から選択された基であることが好ましく、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~3のアルキレン基、-O-、-C(=O)-、-S-及び-S(=O) -よりなる群から選択される基であることがより好ましく、-CH -、-C(CF -、-C(CH -、-O-、-C(=O)-、-S-及び-S(=O) -よりなる群から選択される基が更に好ましい。
[0031]
[化10]


[0032]
 式(2)におけるR 115が表す4価の有機基は、具体的には、テトラカルボン酸二無水物から酸二無水物基を除去した後に残存するテトラカルボン酸残基などが挙げられる。テトラカルボン酸二無水物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。テトラカルボン酸二無水物は、下記式(O)で表される化合物が好ましい。
[化11]


 式(O)中、R 115は、4価の有機基を表す。R 115は式(2)のR 115と同義である。
[0033]
 テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3-ジフェニルヘキサフルオロプロパン-3,3,4,4-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、並びに、これらの炭素数1~6のアルキル誘導体及び/又は炭素数1~6のアルコキシ誘導体から選ばれる少なくとも1種が例示される。
[0034]
 また、下記に示すテトラカルボン酸二無水物(DAA-1)~(DAA-5)も好ましい例として挙げられる。
[化12]


[0035]
 R 113及びR 114はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R 113及びR 114の少なくとも一方がラジカル重合性基を含むことが好ましく、両方がラジカル重合性基を含むことがより好ましい。ラジカル重合性基としては、ラジカルの作用により、架橋反応することが可能な基であって、好ましい例として、エチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。
 エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、下記式(III)で表される基などが挙げられる。
[0036]
[化13]


[0037]
 式(III)において、R 200は、水素原子又はメチル基を表し、メチル基が好ましい。
 式(III)において、R 201は、炭素数2~12のアルキレン基、-CH CH(OH)CH -又は炭素数4~30のポリオキシアルキレン基を表す。
 好適なR 201の例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,2-ブタンジイル基、1,3-ブタンジイル基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基、-CH CH(OH)CH -が挙げられ、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、-CH CH(OH)CH -がより好ましい。
 特に好ましくは、R 200がメチル基で、R 201がエチレン基である。
 R 113又はR 114が表す1価の有機基としては、現像液の溶解度を向上させる置換基が好ましく用いられる。
[0038]
 水性現像液への溶解度の観点からは、R 113又はR 114は、水素原子又は1価の有機基であってもよい。1価の有機基としては、アリール基を構成する炭素に結合している1、2又は3つの、好ましくは1つの酸性基を有する、芳香族基及びアラルキル基などが挙げられる。具体的には、酸性基を有する炭素数6~20の芳香族基、酸性基を有する炭素数7~25のアラルキル基が挙げられる。より具体的には、酸性基を有するフェニル基及び酸性基を有するベンジル基が挙げられる。酸性基は、OH基が好ましい。
 R 113又はR 114が、水素原子、2-ヒドロキシベンジル、3-ヒドロキシベンジル及び4-ヒドロキシベンジルであることが、水性現像液に対する溶解性の点からは、より好ましい。
[0039]
 有機溶剤への溶解度の観点からは、R 113又はR 114は、1価の有機基であることが好ましい。1価の有機基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、環状アルキル基、又は、芳香族基が好ましく、芳香族基で置換されたアルキル基がより好ましい。
 アルキル基の炭素数は1~30が好ましい。アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、1-エチルペンチル基、及び2-エチルヘキシル基が挙げられる。環状のアルキル基は、単環の環状のアルキル基であってもよく、多環の環状のアルキル基であってもよい。単環の環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環の環状のアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基、ジシクロヘキシル基及びピネニル基が挙げられる。中でも、高感度化との両立の観点から、シクロヘキシル基が最も好ましい。また、芳香族基で置換されたアルキル基としては、後述する芳香族基で置換された直鎖アルキル基が好ましい。
 芳香族基としては、具体的には、置換又は無置換のベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環又はフェナジン環である。ベンゼン環が最も好ましい。
[0040]
 式(2)において、R 113が水素原子である場合、又は、R 114が水素原子である場合、ポリイミド前駆体はエチレン性不飽和結合を有する3級アミン化合物と対塩を形成していてもよい。このようなエチレン性不飽和結合を有する3級アミン化合物の例としては、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリレートが挙げられる。
[0041]
 また、ポリイミド前駆体は、構造中にフッ素原子を有することも好ましい。ポリイミド前駆体中のフッ素原子含有量は1質量%以上が好ましく、20質量%以下が好ましい。
[0042]
 また、基材との密着性を向上させる目的で、ポリイミド前駆体を製造する際のモノマーとしてシロキサン構造を有する脂肪族基を含むジアミンを用いてもよい。シロキサン構造を有する脂肪族基を有するジアミンとしては、ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(パラアミノフェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどが挙げられる。
[0043]
 式(2)で表される繰り返し単位は、式(2-A)で表される繰り返し単位であることが好ましい。すなわち、本発明で用いるポリイミド前駆体の少なくとも1種が、式(2-A)で表される繰り返し単位を有する前駆体であることが好ましい。このような構造とすることにより、露光ラチチュードの幅をより広げることが可能になる。
[化14]


 式(2-A)中、A 及びA は、酸素原子を表し、R 111及びR 112はそれぞれ独立に、2価の有機基を表し、R 113及びR 114はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R 113及びR 114の少なくとも一方は、重合性基を含む基であり、重合性基であることが好ましい。
[0044]
 A 、A 、R 111、R 113及びR 114は、それぞれ、独立に、式(2)におけるA 、A 、R 111、R 113及びR 114と同義であり、好ましい範囲も同様である。
112は、式(5)におけるR 112と同義であり、好ましい範囲も同様である。
[0045]
 ポリイミド前駆体は、式(2)で表される繰り返し単位を1種単独で含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。また、式(2)で表される繰り返し単位の構造異性体を含んでいてもよい。また、ポリイミド前駆体は、上記の式(2)で表される繰り返し単位のほかに、他の種類の繰り返し単位も含んでもよい。
[0046]
 本発明におけるポリイミド前駆体の一実施形態として、全繰り返し単位の50モル%以上、更には70モル%以上、特には90モル%以上が式(2)で表される繰り返し単位であるポリイミド前駆体が例示される。
 本明細書において、「繰り返し単位」の含有量をモル%で特定する場合、「繰り返し単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。
[0047]
 ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000~500,000であり、より好ましくは5,000~100,000であり、更に好ましくは10,000~50,000である。また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは800~250,000であり、より好ましくは、2,000~50,000であり、更に好ましくは、4,000~25,000である。
 分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.5~2.5が好ましい。
[0048]
 ポリイミド前駆体は、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体とジアミンを反応させて得られる。好ましくは、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体を、ハロゲン化剤を用いてハロゲン化させた後、ジアミンと反応させて得られる。
 ポリイミド前駆体の製造方法では、反応溶媒として、有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 用いられる有機溶剤の種類は、原料種等に応じて適宜選択すればよいが、例えばピリジン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、N-メチルピロリドン及びN-エチルピロリドンが例示される。
[0049]
 ポリイミド前駆体の製造に際し、保存安定性をより向上させるため、酸二無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物などの末端封止剤で前駆体の末端を封止することが好ましい。これらのうち、モノアミンを用いることがより好ましく、モノアミンの好ましい化合物としては、アニリン、2-エチニルアニリン、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、5-アミノ-8-ヒドロキシキノリン、1-ヒドロキシ-7-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-6-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-5-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-4-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-7-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-6-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-5-アミノナフタレン、1-カルボキシ-7-アミノナフタレン、1-カルボキシ-6-アミノナフタレン、1-カルボキシ-5-アミノナフタレン、2-カルボキシ-7-アミノナフタレン、2-カルボキシ-6-アミノナフタレン、2-カルボキシ-5-アミノナフタレン、2-アミノ安息香酸、3-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸、4-アミノサリチル酸、5-アミノサリチル酸、6-アミノサリチル酸、2-アミノベンゼンスルホン酸、3-アミノベンゼンスルホン酸、4-アミノベンゼンスルホン酸、3-アミノ-4,6-ジヒドロキシピリミジン、2-アミノフェノール、3-アミノフェノール、4-アミノフェノール、2-アミノチオフェノール、3-アミノチオフェノール、4-アミノチオフェノールなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよく、複数の末端封止剤を反応させることにより、複数の異なる末端基を導入してもよい。
[0050]
 ポリイミド前駆体の製造に際し、固体を析出する工程を含んでいてもよい。具体的には、反応液中のポリイミド前駆体を、水中に沈殿させ、テトラヒドロフラン等のポリイミド前駆体が可溶な溶剤に溶解させることによって、固体析出することができる。
 その後、ポリイミド前駆体を乾燥して、粉末状のポリイミド前駆体を得ることができる。
[0051]
〔ポリベンゾオキサゾール前駆体〕
 本発明で用いられるポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(3)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
[化15]


 式(3)中、R 121は、2価の有機基を表し、R 122は、4価の有機基を表し、R 123及びR 124は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
[0052]
 式(3)において、R 121は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を含む基が好ましい。脂肪族基としては、直鎖の脂肪族基が好ましい。
 式(3)において、R 122は、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、上記式(2)におけるR 115と同義であり、好ましい範囲も同様である。
[0053]
 ポリベンゾオキサゾール前駆体は上記の式(3)の繰り返し単位のほかに、他の種類の繰り返し単位も含んでよい。
 閉環に伴う硬化膜の反りの発生を抑制できる点で、前駆体は、下記式(SL)で表されるジアミン残基を他の種類の繰り返し単位として含むことが好ましい。
[0054]
[化16]


 式(SL)中、Zは、a構造とb構造を有し、R 1sは水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基であり、R 2sは炭素数1~10の炭化水素基であり、R 3s、R 4s、R 5s、R 6sのうち少なくとも1つは芳香族基であり、残りは水素原子又は炭素数1~30の有機基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。a構造及びb構造の重合は、ブロック重合でもランダム重合でもよい。Z部分のモル%は、a構造は5~95モル%、b構造は95~5モル%であり、a+bは100モル%である。
[0055]
 式(SL)において、好ましいZとしては、b構造中のR 5s及びR 6sがフェニル基であるものが挙げられる。また、式(SL)で示される構造の分子量は、400~4,000であることが好ましく、500~3,000がより好ましい。分子量は、一般的に用いられるゲル浸透クロマトグラフィによって求めることができる。上記分子量を上記範囲とすることで、ポリベンゾオキサゾール前駆体の脱水閉環後の弾性率を下げ、膜の反りを抑制できる効果と溶解性を向上させる効果を両立することができる。
[0056]
 他の種類の繰り返し単位として式(SL)で表されるジアミン残基を含む場合、アルカリ可溶性を向上させる点で、更に、テトラカルボン酸二無水物から酸二無水物基の除去後に残存するテトラカルボン酸残基を繰り返し単位として含むことが好ましい。このようなテトラカルボン酸残基の例としては、式(2)中のR 115の例が挙げられる。
[0057]
 ポリベンゾオキサゾール前駆体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000~500,000であり、より好ましくは5,000~100,000であり、更に好ましくは10,000~50,000である。また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは800~250,000であり、より好ましくは、2,000~50,000であり、更に好ましくは、4,000~25,000である。
 分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.5~2.5が好ましい。
[0058]
 本発明の感光性樹脂組成物における、特定前駆体の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し20~100質量%が好ましく、50~99質量%がより好ましく、60~98質量%が更に好ましく、70~95質量%が特に好ましい。
 本発明の感光性樹脂組成物は、特定前駆体を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0059]
<亜硫酸エステル構造を有する化合物>
 本発明の感光性樹脂組成物は、亜硫酸エステル構造を有する化合物(以下、単に「亜硫酸エステル化合物」ともいう。)を含む。
 亜硫酸エステル構造は亜硫酸モノエステル構造であっても亜硫酸ジエステル構造であってもよいが、露光ラチチュードをより向上する観点からは亜硫酸ジエステル構造が好ましい。
[0060]
 また、亜硫酸エステル構造を有する化合物は、上記条件2を満たす観点から、ラジカル重合性基を含むことが好ましく、露光ラチチュードをより向上する観点からは、2つ以上のラジカル重合性基を含むことがより好ましい。上記ラジカル重合性基の数の上限は特に限定されないが、6以下であることが好ましい。
 亜硫酸エステル構造を有する化合物に含まれるラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基、又は、ビニルフェニル基、がより好ましく、(メタ)アクリロキシ基が更に好ましい。
[0061]
 また、亜硫酸エステル構造は、下記式(S1)で表される構造であることが好ましい。
[化17]


 式(S1)中、R S1及びR S2はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R S1及びR S2がいずれも水素原子であることはない。
[0062]
 式(S1)中、R S1及びR S2はいずれも1価の有機基であることが好ましい。
 式(S1)中、R S1及びR S2は同一の基であっても異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
 式(S1)中、R S1及びR S2における1価の有機基は、下記式(S2)により表される基、又は、下記式(S3)で表される基であることが好ましく、感光性樹脂組成物の保存安定性の観点からは、下記式(S2)により表される基であることがより好ましい。
[化18]


 式(S2)中、L S2は単結合又は2価の連結基を表し、R P2は1価の有機基を表し、波線部は式(S1)における酸素原子との結合部位を表す。
 式(S3)中、L S3はn+1価の連結基を表し、R P3は1価の有機基を表し、nは2以上の整数を表し、波線部は式(S1)における酸素原子との結合部位を表す。
[0063]
 式(S2)中、L S2は単結合又は2価の連結基を表し、単結合、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基(炭素数1~24が好ましく、1~12がより好ましく、1~6が特に好ましい)、2価の芳香族基(炭素数6~22が好ましく、6~14がより好ましく、6~10が特に好ましい。また、芳香族炭化水素基であることが好ましい。)、-O-、-S-、-C(=O)-、-NR S3-、-NR S3C(=O)-、又は、これらを2以上組み合わせた基が好ましく、単結合、上記アルキレン基、上記芳香族基、-O-、-C(=O)-、又は、これらを2以上組み合わせた基がより好ましい。
 R S3は水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
 また、L s2としては、上記アルキレン基、上記芳香族基、又は、(ポリ)アルキレンオキシ基がより好ましい。(ポリ)アルキレンオキシ基の繰り返し数は、1~50が好ましく、1~30がより好ましい。本明細書において、(ポリ)アルキレンオキシ基とは、アルキレンオキシ基と、複数のアルキレンオキシ基が結合した構造と、の両方を含む記載である。
[0064]
 式(S3)中、L S3はn+1価の連結基を表し、直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素からn+1個の水素原子を除いた基(炭素数1~24が好ましく、1~12がより好ましく、1~6が特に好ましい)、芳香族化合物からn+1個の水素原子を除いた基(炭素数6~22が好ましく、6~14がより好ましく、6~10が特に好ましい。また、芳香族炭化水素化合物からn+1個の水素原子を除いた基であることが好ましい。)又は、これらの少なくとも一方と、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基(炭素数1~24が好ましく、1~12がより好ましく、1~6が特に好ましい)、2価の芳香族基(炭素数6~22が好ましく、6~14がより好ましく、6~10が特に好ましい。また、芳香族炭化水素基であることが好ましい。)、-O-、-S-、-C(=O)-、-NR S4-、及び、-NR S4C(=O)-、よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基と、を組み合わせた基が好ましく、上記飽和炭化水素からn+1個の水素原子を除いた基がより好ましい。
 R S4は水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
[0065]
 式(S2)中、R P2は一価の有機基を表し、ラジカル重合性基を含む1価の有機基が好ましく挙げられる。
 R P2におけるラジカル重合性基を含む1価の有機基に含まれるラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和基が挙げられ、ビニル基、(メタ)アリル基、又は、(メタ)アクリロイル基を含む基が好ましく、(メタ)アクリロイル基を含む基がより好ましい。
 R P2がラジカル重合性基を含む1価の有機基である場合、R P2は、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルフェニル基、ビニルフェニルオキシ基、又は、ビニルフェニルメチル基であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は、(メタ)アクリロイルアミノ基がより好ましく、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が更に好ましい。
 ラジカル重合性基を含む1価の有機基は、ラジカル重合性基を1個のみ有する基であってもよく、ラジカル重合性基を2個以上有する基であってもよい。ラジカル重合性基を含む1価の有機基がラジカル重合性基を2個以上有する場合、複数個のラジカル重合性基は、互いに、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、ラジカル重合性基を含む1価の有機基は、本発明の効果を損ねない範囲で、後述する置換基を更に有していてもよい。置換基としては、後述する置換基Tが例示される。1つの1価の有機基に含まれるラジカル重合性基の数は、3個以下が好ましく、2個以下がより好ましい。本発明では、ラジカル重合性基を含む1価の有機基が、置換基を有しない態様が好ましく例示される。
 R P2は、ラジカル重合性基を含まない1価の有機基であってもよい。ラジカル重合性基を含まない1価の有機基としては、アルキル基又はアリール基が好ましく、炭素数1~20のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基がより好ましい。
 式(S3)中、R P3はR P2と同義であり、好ましい態様も同様である。
[0066]
 本発明における亜硫酸エステル構造を有する化合物は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよいが、低分子化合物であることが好ましい。
 具体的には、亜硫酸エステル構造を有する化合物の分子量は2,000未満であることが好ましく、1,000未満であることがより好ましい。上記分子量の下限は特に限定されないが、100以上であることが好ましい。
[0067]
 亜硫酸エステル構造を有する化合物としては、下記の例示化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
[化19]


[0068]
 上記例示化合物中、mは1~30であり、nは1~30である。
[0069]
 本発明の感光性樹脂組成物における、亜硫酸エステル構造を有する化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることが更に好ましく、0.05質量%以上であることが一層好ましく、0.1質量%以上であることがより一層好ましく、0.3質量%以上であることが更に一層好ましい。また、上記含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、更には、7質量%以下、5質量%以下、2質量%以下、1質量%以下であってもよい。
 亜硫酸エステル構造を有する化合物がラジカル重合性基を有する場合、亜硫酸エステル構造を有する化合物と、後述するラジカル重合性化合物との合計含有量は、特定前駆体100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、55質量部以下であることが更に好ましく、50質量部以下であることが更に好ましく、45質量部以下であることが特に好ましい。また、上記合計含有量は、0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上、3質量部以上、5質量部以上、10質量部以上であってもよい。
 感光性樹脂組成物が、亜硫酸エステル構造を有する化合物と、後述するラジカル重合性化合物とを含む場合、亜硫酸エステル構造を有する化合物と、後述するラジカル重合性化合物との含有比(質量比)は、亜硫酸エステル構造を有する化合物:後述するラジカル重合性化合物=3:97~30:70であることが好ましく、5:95~20:80であることがより好ましい。
 感光性樹脂組成物の保存安定性及び露光感度をより向上させる観点からは、後述するラジカル重合性化合物を含む全重合性化合物中の亜硫酸エステル構造を有する化合物の割合は、下限値としては0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、0.3質量%以上が一層好ましく、0.5質量%以上がより一層好ましい。上限値としては100質量%以下が好ましく、50質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、7質量%以下、5質量%以下、2質量%以下、1質量%以下であってもよい。
 感光性樹脂組成物は、亜硫酸エステル構造を有する化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0070]
<光ラジカル重合開始剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、光ラジカル重合開始剤を含有する。
 本発明の感光性樹脂組成物は、光ラジカル重合開始剤として、後述する第4族元素含有化合物を含むことが好ましい。すなわち、本発明において、後述する第4族元素含有化合物の中で、ラジカル重合開始能を有するものを、光ラジカル重合開始剤として用いることが可能である。
 また、本発明の感光性樹脂組成物が、ラジカル重合開始能を有する第4族元素含有化合物等を含む場合、本発明の感光性樹脂組成物が、上記第4族元素含有化合物以外のラジカル重合開始剤を実質的に含まないことも好ましい。上記第4族元素含有化合物以外のラジカル重合開始剤を実質的に含まないとは、本発明の感光性樹脂組成物において、上記第4族元素含有化合物以外の他のラジカル重合開始剤の含有量が、上記第4族元素含有化合物の全質量に対し、5質量%以下であることをいい、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.1質量%が更に好ましい。
 また、本発明の感光性樹脂組成物がラジカル重合性能を有しない第4族元素含有化合物を含む場合、第4族元素含有化合物とラジカル重合開始剤とを併用することが好ましい。
 ここで、ラジカル重合開始能を有するとは、ラジカル重合を開始させることのできるフリーラジカルを発生させることができることを意味する。例えば、ラジカル重合性モノマーとバインダーポリマーと第4族元素含有化合物とを含む感光性樹脂組成物に対して、第4族元素含有化合物が光を吸収する波長域であって、ラジカル重合性モノマーが光を吸収しない波長域の光を照射した時に、ラジカル重合性モノマーの消失の有無を確認することにより重合開始能の有無を確認することができる。消失の有無を確認するには、ラジカル重合性モノマーやバインダーポリマーの種類に応じて適宜の方法を選択できるが、例えばIR測定(赤外分光測定)又はHPLC測定(高速液体クロマトグラフィ)により確認すればよい。
[0071]
 本発明で用いることができる光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光ラジカル重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する光ラジカル重合開始剤が好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
 光ラジカル重合開始剤は、約300~800nm(好ましくは330~500nm)の波長範囲内に少なくとも約50L/(mol・cm)のモル吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary-5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶剤を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
[0072]
 本発明の感光性樹脂組成物が光ラジカル重合開始剤を含むことにより、本発明の感光性樹脂組成物を半導体ウェハなどの基材に適用して感光膜(感光性樹脂組成物層)を形成した後、光を照射することで、発生するラジカルに起因する硬化が起こり、光照射部における溶解性を低下させることができる。このため、例えば、電極部のみをマスクするパターンを持つフォトマスクを介して感光膜を露光することで、電極のパターンにしたがって、溶解性の異なる領域を簡便に作製できるという利点がある。
[0073]
〔他の光ラジカル重合開始剤〕
 後述する第4族元素含有化合物以外の、他の光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を任意に使用できる。例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物、トリハロメチル基を有する化合物など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素化合物、鉄アレーン錯体などが挙げられる。これらの詳細については、特開2016-027357号公報の段落0165~0182の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0074]
 ケトン化合物としては、例えば、特開2015-087611号公報の段落0087に記載の化合物が例示され、この内容は本明細書に組み込まれる。市販品では、カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製)も好適に用いられる。
[0075]
 他の光ラジカル重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10-291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
 ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE 184(IRGACUREは登録商標)、DAROCUR 1173、IRGACURE 500、IRGACURE-2959、IRGACURE 127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
 アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE 907、IRGACURE 369、及び、IRGACURE 379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
 アミノアセトフェノン系開始剤として、365nm又は405nm等の波長光源に吸収極大波長がマッチングされた特開2009-191179号公報に記載の化合物も用いることができる。
 アシルホスフィン系開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイドなどが挙げられる。また、市販品であるIRGACURE 819やIRGACURE TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
 メタロセン化合物としては、IRGACURE 784(BASF社製)などが例示される。
[0076]
 他の光ラジカル重合開始剤として、より好ましくはオキシム化合物が挙げられる。オキシム化合物を用いることにより、露光ラチチュードをより効果的に向上させることが可能になる。オキシム化合物は、露光ラチチュード(露光マージン)が広く、かつ、光塩基発生剤としても働くため、特に好ましい。
 オキシム化合物の具体例としては、特開2001-233842号公報に記載の化合物、特開2000-80068号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物を用いることができる。
 好ましいオキシム化合物としては、例えば、下記の構造の化合物や、3-ベンゾイルオキシイミノブタン-2-オン、3-アセトキシイミノブタン-2-オン、3-プロピオニルオキシイミノブタン-2-オン、2-アセトキシイミノペンタン-3-オン、2-アセトキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ベンゾイルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、3-(4-トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン-2-オン、及び2-エトキシカルボニルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オンなどが挙げられる。
[化20]


 市販品ではIRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02、IRGACURE OXE 03、IRGACURE OXE 04(以上、BASF社製)、アデカオプトマーN-1919((株)ADEKA製、特開2012-014052号公報に記載の光ラジカル重合開始剤2)も好適に用いられる。また、TR-PBG-304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI-831及びアデカアークルズNCI-930((株)ADEKA製)も用いることができる。また、DFI-091(ダイトーケミックス株式会社製)を用いることができる。
 更に、また、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることも可能である。そのようなオキシム化合物の具体例としては、特開2010-262028号公報に記載されている化合物、特表2014-500852号公報の段落0345に記載されている化合物24、36~40、特開2013-164471号公報の段落0101に記載されている化合物(C-3)などが挙げられ、それらの記載の内容は、本明細書に組み込まれる。
 最も好ましいオキシム化合物としては、特開2007-269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009-191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物などが挙げられ、それらの記載の内容は、本明細書に組み込まれる。
[0077]
 他の光ラジカル重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム塩化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン-ベンゼン-鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3-アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
 更に好ましい他の光ラジカル重合開始剤は、トリハロメチルトリアジン化合物、α-アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム塩化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α-アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が一層好ましく、メタロセン化合物又はオキシム化合物を用いるのがより一層好ましく、オキシム化合物が特に好ましい。
 また、他の光ラジカル重合開始剤は、ベンゾフェノン、N,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーズ ケトン)等のN,N’-テトラアルキル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパノン-1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等の芳香環と縮環したキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体などを用いることもできる。また、下記式(I)で表される化合物を用いることもできる。
[化21]


 式(I)中、R 50は、炭素数1~20のアルキル基、1個以上の酸素原子によって中断された炭素数2~20のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、ハロゲン原子、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素数2~12のアルケニル基、1個以上の酸素原子によって中断された炭素数2~18のアルキル基及び炭素数1~4のアルキル基の少なくとも1つで置換されたフェニル基、又はビフェニリルであり、R 51は、式(II)で表される基であるか、R 50と同じ基であり、R 52~R 54は各々独立に炭素数1~12のアルキル、炭素数1~12のアルコキシ又はハロゲンである。
[化22]


式中、R 55~R 57は、上記式(I)のR 52~R 54と同じである。
[0078]
 また、他の光ラジカル重合開始剤としては、国際公開第2015/125469号の段落0048~0055に記載の化合物を用いることもできる。
[0079]
 光ラジカル重合開始剤の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対し0.1~30質量%が好ましく、より好ましくは0.1~20質量%であり、更に好ましくは5~15質量%である。光ラジカル重合開始剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。光ラジカル重合開始剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0080]
<熱ラジカル重合開始剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、熱ラジカル重合開始剤を更に含んでもよい。
 熱ラジカル重合開始剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性を有する化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル重合開始剤を添加することによって、特定前駆体の環化と共に、特定前駆体の重合反応を進行させることもできるので、得られる硬化膜のより高度な耐熱化が達成できることとなる。
 熱ラジカル重合開始剤として、具体的には、特開2008-63554号公報の段落0074~0118に記載されている化合物が挙げられ、この記載の内容は本明細書に組み込まれる。
[0081]
 熱ラジカル重合開始剤の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対し0.1~30質量%が好ましく、より好ましくは0.1~20質量%であり、更に好ましくは5~15質量%である。熱ラジカル重合開始剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。熱ラジカル重合開始剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0082]
<第4族元素含有化合物>
 本発明の感光性樹脂組成物は、第4族元素含有化合物を更に含むことが好ましい。
 本発明における第4族元素含有化合物は、露光ラチチュードをより向上する観点からは、上記光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
 第4族元素含有化合物としては、チタン原子、ジルコニウム原子及びハフニウム原子よりなる群から選択される少なくとも1つを含む有機化合物であることが好ましく、チタン原子及びジルコニウム原子よりなる群から選択される少なくとも1つを含む有機化合物であることがより好ましい。また、チタン原子及びジルコニウム原子から選択される少なくとも1つを含む有機化合物は、好ましくは、有機基とチタン原子又はジルコニウム原子とを含む有機化合物であり、上記有機化合物一分子中に含まれるチタン原子及びジルコニウム原子の数は、合計で、1つであることが好ましい。有機基としては、特に定めるものではないが、炭化水素基、又は、炭化水素基とヘテロ原子との組み合わせからなる基が好ましい。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましい。
 本発明では、有機基の少なくとも1つは環状基であることが好ましく、少なくとも2つは環状基であることがより好ましい。上記環状基は、5員環の環状基及び6員環の環状基から選択されることが好ましく、5員環の環状基から選択されることがより好ましい。5員環の環状基としては、シクロペンタジエニル基が好ましい。また、本発明で用いる有機チタン化合物等は、1分子中に2~4個の環状基を含むことが好ましい。
 本発明における第4族元素含有化合物は、下記式(P)で表される化合物であることが好ましい。
[化23]


 式(P)中、Mは、第4族元素であり、Rは、それぞれ独立に、置換基である。
 上記Rは、それぞれ独立に、芳香族基、アルキル基、ハロゲン原子及びアルキルスルホニルオキシ基から選択されることが好ましい。
[0083]
 Mが表す第4族元素としては、チタン原子、ジルコニウム原子及びハフニウム原子が好ましく、チタン原子及びジルコニウム原子がより好ましい。
[0084]
 上記Rにおける芳香族基としては、炭素数6~20の芳香族基が挙げられ、炭素数6~20の芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基、1-ナフチル基、又は、2-ナフチル基等が挙げられる。
 上記Rにおけるアルキル基としては、炭素数1~20のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、イソペンチル基、2-エチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
 上記Rにおけるハロゲン原子としては、F、Cl、Br、Iが挙げられる。
 上記Rにおけるアルキルスルホニルオキシ基を構成するアルキル鎖としては、炭素数1~20のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましく、メチル鎖、エチル鎖、プロピル鎖、オクチル鎖、イソプロピル鎖、t-ブチル鎖、イソペンチル鎖、2-エチルヘキシル鎖、2-メチルヘキシル鎖、シクロペンチル鎖等が挙げられる。
 上記Rは、更に置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基及びジアリールアミノ基等が挙げられる。
[0085]
 本発明に用いられる第4族元素含有化合物は、メタロセン及びメタロセン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
 本発明において、メタロセン誘導体とは、置換基を有するシクロペンタジエニルアニオン誘導体2個をη5-配位子として有する有機金属化合物を表し、チタノセン誘導体、ジルコノセン誘導体、ハフノセン誘導体等が含まれる。
 また、本発明で用いられる第4族元素含有化合物は、チタノセン化合物、テトラアルコキシチタン化合物、チタンアシレート化合物、チタンキレート化合物、ジルコノセン化合物及びハフノセン化合物から選択されることが好ましく、チタノセン化合物、ジルコノセン化合物及びハフノセン化合物から選択されることがより好ましく、チタノセン化合物及びジルコノセン化合物から選択されることが更に好ましい。
 また、第4族元素含有化合物は、チタノセン、チタノセン誘導体、ジルコノセン及びジルコノセン誘導体よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、チタノセン及びチタノセン誘導体よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることがより好ましい。
[0086]
 第4族元素含有化合物の分子量は、50~2,000が好ましく、100~1,000がより好ましい。
[0087]
 第4族元素含有化合物の具体例としては、テトライソプロポキシチタン、テトラキス(2-エチルヘキシルオキシ)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、及び、下記化合物が例示される。
[化24]


[0088]
 また、第4族元素含有化合物のうち、チタン原子を含む有機化合物としては、ジ-シクロペンタジエニル-Ti-ジ-クロライド、ジ-シクロペンタジエニル-Ti-ビス-フェニル、ジ-シクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル-1-イル、ジ-シクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-1-イル、ジ-シクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,4,6-トリフルオロフェニル-1-イル、ジ-シクロペンタジエニル-Ti-2,6-ジフルオロフェニル-1-イル、ジ-シクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,4-ジフルオロフェニル-1-イル、ジ-メチルシクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル-1-イル、ジ-メチルシクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-1-イル、ジ-メチルシクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,4-ジフルオロフェニル-1-イル、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(ピリ-1-イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチルビアロイル-アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-メチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチルプロピオニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチル-(2,2-ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(2,2-ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ペンチル-(2,2-ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル)-(2,2-ジメチルブタノイル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-メチルブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-メチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチルイソブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、
[0089]
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジクロリジニル-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(オクチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(4-トリルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(4-ドデシルフェニルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(4-(1-ペンチルヘプチル)フェニルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(エチルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-((4-ブロモフェニル)-スルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2-ナフチルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(ヘキサデシルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-メチル-(4-ドデシルフェニル)スルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-メチル-4-(1-ペンチルヘプチル)フェニル)スルホニルアミド)〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-(4-トリル)-スルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(ピロリジン-2,5-ジオニ-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3,4-ジメチル-3-ピロリジン-2,5-ジオニ-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(フタルイミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(イソブトキシカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(エトキシカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-((2-クロロエトキシ)-カルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(フェノキシカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3-フェニルチオウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3-ブチルチオウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3-フェニルウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3-ブチルウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N,N-ジアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3,3-ジメチルウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(アセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(ブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(デカノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(オクタデカノイルアミノ)フェニル〕チタン、
[0090]
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(イソブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2-エチルヘキサノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2-メチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(ピバロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2,2-ジメチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2-エチル-2-メチルヘプタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3-フェニルプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2-クロロメチル-2-メチル-3-クロロプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3,4-キシロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(4-エチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2,4,6-メシチルカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フェニルプロピル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-エチルヘプチル)-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソブチル-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソブチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシルメチルピバロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(オクソラニ-2-イルメチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-エチルヘプチル)-2,2-ジメチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フェニルプロピル-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(オクソラニ-2-イルメチル)-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(4-トルイルメチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(4-トルイルメチル)-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、
[0091]
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2,4-ジメチルペンチル)-2,2-ジメチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2,4-ジメチルペンチル)-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-((4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2,2-ジメチル-3-エトキシプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2,2-ジメチル-3-アリルオキシプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-アリルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2-エチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシルメチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシルメチル-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2-エチルヘキシル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソプロピルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フェニルプロピル)-2,2-ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシルメチル-2,2-ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2-エチルヘキシル)-2,2-ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソプロピル-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フェニルプロピル)ピバロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2-メトキシエチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ベンジルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ベンジル-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、
[0092]
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2-メトキシエチル)-(4-トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(4-メチルフェニルメチル)-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2-メトキシエチル)-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシルメチル-(2-エチル-2-メチルヘプタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(4-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-(2-エチル-2-メチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシル-2,2-ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(オクソラニ-2-イルメチル)-2,2-ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシル-(4-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシル-(2-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3,3-ジメチル-2-アゼチジノニ-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-イソシアナトフェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチル-(4-トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-(4-トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(4-トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソブチル-(4-トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フェニルプロパノイル)-2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシルメチル-(2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソブチル-(2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(2-クロロメチル-2-メチル-3-クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(ブチルチオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(フェニルチオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-イソシアナトフェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチル-(4-トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-(4-トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(4-トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソブチル-(4-トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、
[0093]
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フェニルプロパノイル)-2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシルメチル-(2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソブチル-(2,2-ジメチル-3-クロロプロパノイル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(2-クロロメチル-2-メチル-3-クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(ブチルチオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(フェニルチオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-2,2-ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチルプロピオニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(トリメチルシリルペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2-メトキシエチル)-トリメチルシリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチルヘキシルジメチルシリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-エチル-(1,1,2,-トリメチルプロピル)ジメチルシリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3-エトキシメチル-3-メチル-2-アゼチジノニ-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3-アリルオキシメチル-3-メチル-2-アゼチジノニ-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(3-クロロメチル-3-メチル-2-アゼチジノニ-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ベンジル-2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(5,5-ジメチル-2-ピロリジノニ-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(6,6-ジフェニル-2-ピペリジノニ-1-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2,3-ジヒドロ-1,2-ベンゾチアゾロ-3-オン(1,1-ジオキシド)-2-イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-(4-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、
[0094]
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ヘキシル-(2-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-イソプロピル-(4-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(4-メチルフェニルメチル)-(4-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(4-メチルフェニルメチル)-(2-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ブチル-(4-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-ベンジル-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(2-エチルヘキシル)-4-トリル-スルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-オキサヘプチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3,6-ジオキサデシル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(トリフルオロアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(2-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(4-クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3,6-ジオキサデシル)-2,2-ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-(3,7-ジメチル-7-メトキシオクチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(N-シクロヘキシルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン等を用いることもできる。
[0095]
 また、第4族元素含有化合物のうち、ジルコニウム原子を含む有機化合物やハフニウム原子を含む化合物としては、(シクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリメトキシジルコニウム、(シクロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコニウム、(シクロペンタジエニル)メチルジクロロジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコニウム、(ジメチルシクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(トリメチルシクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(テトラメチルシクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメトキシジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリエチルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリプロピルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリネオペンチルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリ(ジフェニルメチル)ジルコニウム、(シクロペンタジエニル)ジメチルヒドリドジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリエトキシジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリイソプロポキシジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリフェノキシジルコニウム、(シクロペンタジエニル)ジメチルイソプロポキシジルコニウム、(シクロペンタジエニル)ジフェニルイソプロポキシジルコニウム、(シクロペンタジエニル)ジメトキシクロロジルコニウム、(シクロペンタジエニル)メトキシジクロロジルコニウム、(シクロペンタジエニル)ジフェノキシクロロジルコニウム、(シクロペンタジエニル)フェノキシジクロロジルコニウム、(シクロペンタジエニル)トリ(フェニルジメチルシリル)ジルコニウム、(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジメチルn-ブトキシジルコニウム、(ベンジルシクロペンタジエニル)ジm-トリルメチルジルコニウム、(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウム、(ジフェニルシクロペンタジエニル)ジノルボルニルメチルジルコニウム、(テトラエチルシクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウム、(ペンタトリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリネオペンチルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)メチルジクロロジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリエトキシジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリフェノキシジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)メトキシジクロロジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジフェノキシクロロジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)フェノキシジクロロジルコニウム、(インデニル)トリメチルジルコニウム、(インデニル)トリベンジルジルコニウム、(インデニル)トリクロロジルコニウム、(インデニル)トリメトキシジルコニウム、
[0096]
(インデニル)トリエトキシジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキシジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドリドジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)クロロヒドリドジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)クロロメチルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヒドリドメチルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジネオペンチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジm-トリルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジp-トリルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(ジフェニルメチル)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジブロモジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチルクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)エチルクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ヒドリドメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メトキシクロロジルコニウム、
[0097]
ビス(シクロペンタジエニル)エトキシクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリル)メチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(トリメチルシリル)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)(トリフェニルシリル)メチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)(トリス(ジメチルシリル)シリル)メチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリル)(トリメチルシリルメチル)ジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ビス(トリメチルシリル)ジルコニウム、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)エトキシクロロジルコニウム、ビス(エチルメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(プロピルメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シクロヘキシルメチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(トリメチルゲルミルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(トリメチルゲルミルシクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(トリメチルスタンニルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(トリメチルスタンニルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジノルボルニルジルコニウム、ビス(インデニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、ビス(インデニル)ジブロモジルコニウム、ビス(テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウム、ビス(フルオレニル)ジクロロジルコニウム、(プロピルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、(シクロヘキシルメチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、(ペンタトリメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジメチルジルコニウム、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジクロロジルコニウム、[フェニル(メチル)メチレン](9-フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジメチルジルコニウム、エチレン(9-フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、シクロヘキシリデン(9-フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、シクロペンチリデン(9-フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、シクロブチリデン(9-フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレン(9-フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジ(トリメチルシリル)ジルコニウム、
[0098]
メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジヒドリドジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチルクロロジルコニウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジベンジルジルコニウム、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジヒドリドジルコニウム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジネオペンチルジルコニウム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジヒドリドジルコニウム、ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウム、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウム、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジヒドリドジルコニウム、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジヒドリドジルコニウム、ジメチルシリレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジヒドリドジルコニウム、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、フェニルメチルシリレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム及びこれら化合物のジルコニウム原子をハフニウム原子で置換した化合物等を用いることもできる。
[0099]
 第4族元素含有化合物の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1~30質量%が好ましい。下限は、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、3.0質量%以上が特に好ましい。上限は、25質量%以下がより好ましい。
 第4族元素含有化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
[0100]
 また、本発明の感光性樹脂組成物では、第4族元素含有化合物の含有量と、後述するオニウム塩の含有量の質量比率が、第四族元素含有化合物:オニウム塩=99:1~1:99であることが好ましく、90:10~10:90であることがより好ましく、40:60~20:80であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、特定前駆体の低温でのより高い閉環率と、より高いガラス転移温度の達成が可能になる。
[0101]
<オニウム塩>
 本発明の感光性樹脂組成物は、オニウム塩を更に含むことが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物がオニウム塩を含むことにより、露光エネルギー消費を抑え、露光ラチチュードを拡大させることができ、更に、特定前駆体の閉環反応を行う加熱工程時に、閉環反応を促進させることができるため、閉環率がより向上する傾向にある。
[0102]
 本発明の感光性樹脂組成物は、上記オニウム塩として、180℃の加熱により分解を受けない化合物を含むことが好ましく、190℃の加熱により分解を受けない化合物がより好ましく、200℃の加熱により分解を受けない化合物が更に好ましい。
 オニウム塩を耐圧カプセル中5℃/分で250℃まで加熱し、最も温度が低い発熱ピークのピーク温度を読み取り、上記ピーク温度が温度Aよりも高い場合に、温度Aの加熱により分解を受けない化合物であると判定することができる。
[0103]
 また、本発明の感光性樹脂組成物は、オニウム塩として、波長365nm(i線)、波長248nm(KrF線)及び波長193nm(ArF線)の波長の光の照射に対して分解を受けない化合物を含むことが好ましい。
 特定の波長の光の照射に対してオニウム塩が分解を受けるか否かは、下記の方法により判定される。
 感光性樹脂組成物をガラス上に塗布し、100℃で1分間加熱乾燥する。感光性樹脂組成物の付与量は、乾燥後の膜厚が700nmとなるようにする。その後、特定の波長である光により100mJ/cm の露光量で露光する。上記露光後、100℃で1分間加熱した基材を、メタノール/THF=50/50(質量比)溶液に超音波を当てながら10分浸漬させる。上記溶液に抽出された抽出物をHPLC(高速液体クロマトグラフィ)にて分析することでオニウム塩の分解率を以下の式より算出する。
 オニウム塩の分解率(%)=分解物量(mol)/露光前の感光性樹脂組成物に含まれるオニウム塩量(mol)×100
 上記オニウム塩の分解率が20%以下である場合に、上記オニウム塩は特定の波長の光の照射に対して分解しない化合物であると判定する。上記分解率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。上記分解率の下限は特に限定されず、0%であってもよい。
[0104]
 オニウム塩としては、その種類等は特に定めるものではないが、アンモニウム塩、イミニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩又はホスホニウム塩が好ましく挙げられる。
 これらの中でも、熱安定性が高い観点からはアンモニウム塩又はイミニウム塩が好ましく、ポリマーとの相溶性の観点からはスルホニウム塩、ヨードニウム塩又はホスホニウム塩が好ましい。
[0105]
 また、オニウム塩はオニウム構造を有するカチオンとアニオンとの塩であり、上記カチオンとアニオンとは、共有結合を介して結合していてもよいし、共有結合を介して結合していなくてもよい。
 すなわち、オニウム塩は、同一の分子構造内に、カチオン部と、アニオン部と、を有する分子内塩であってもよいし、それぞれ別分子であるカチオン分子と、アニオン分子と、がイオン結合した分子間塩であってもよいが、分子間塩であることが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記カチオン部又はカチオン分子と、上記アニオン部又はアニオン分子と、はイオン結合により結合されていてもよいし、解離していてもよい。
 オニウム塩におけるカチオンとしては、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はホスホニウムカチオンが好ましく、テトラアルキルアンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンよりなる群から選択される少なくとも1種のカチオンがより好ましい。
[0106]
〔アンモニウム塩〕
 本発明において、アンモニウム塩とは、アンモニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。
[0107]
-アンモニウムカチオン-
 アンモニウムカチオンとしては、第四級アンモニウムカチオンが好ましい。
 また、アンモニウムカチオンとしては、下記式(101)で表されるカチオンが好ましい。
[化25]


 式(101)中、R ~R はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表し、R ~R の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。
[0108]
 式(101)中、R ~R はそれぞれ独立に、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~12のアリール基であることが更に好ましい。R ~R は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
 R ~R の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成する場合、上記環はヘテロ原子を含んでもよい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。
[0109]
 アンモニウムカチオンは、下記式(Y1-1)及び(Y1-2)のいずれかで表されることが好ましい。
[化26]


[0110]
 式(Y1-1)及び(Y1-2)において、R 101は、n価の有機基を表し、R は式(101)におけるR と同義であり、Ar 101及びAr 102はそれぞれ独立に、アリール基を表し、nは、1以上の整数を表す。
 式(Y1-1)において、R 101は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は、これらが結合した構造からn個の水素原子を除いた基であることが好ましく、炭素数2~30の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン又はナフタレンからn個の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
 式(Y1-1)において、nは1~4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
 式(Y1-2)において、Ar 101及びAr 102はそれぞれ独立に、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基がより好ましい。
[0111]
-アニオン-
 アンモニウム塩におけるアニオンとしては、カルボン酸アニオン、フェノールアニオン、リン酸アニオン及び硫酸アニオンから選ばれる1種が好ましく、塩の安定性と熱分解性を両立させられるという理由からカルボン酸アニオンがより好ましい。すなわち、アンモニウム塩は、アンモニウムカチオンとカルボン酸アニオンとの塩がより好ましい。
 カルボン酸アニオンは、2個以上のカルボキシ基を持つ2価以上のカルボン酸のアニオンが好ましく、2価のカルボン酸のアニオンがより好ましい。この態様によれば、感光性樹脂組成物の安定性、硬化性及び現像性をより向上できる熱塩基発生剤とすることができる。特に、2価のカルボン酸のアニオンを用いることで、感光性樹脂組成物の安定性、硬化性及び現像性を更に向上できる。
[0112]
 カルボン酸アニオンは、下記式(X1)で表されることが好ましい。
[化27]


 式(X1)において、EWGは、電子求引性基を表す。
[0113]
 本実施形態において電子求引性基とは、ハメットの置換基定数σmが正の値を示すものを意味する。ここでσmは、都野雄甫総説、有機合成化学協会誌第23巻第8号(1965)p.631-642に詳しく説明されている。なお、本実施形態における電子求引性基は、上記文献に記載された置換基に限定されるものではない。
 σmが正の値を示す置換基の例としては、CF 基(σm=0.43)、CF C(=O)基(σm=0.63)、HC≡C基(σm=0.21)、CH =CH基(σm=0.06)、Ac基(σm=0.38)、MeOC(=O)基(σm=0.37)、MeC(=O)CH=CH基(σm=0.21)、PhC(=O)基(σm=0.34)、H NC(=O)CH 基(σm=0.06)などが挙げられる。なお、Meはメチル基を表し、Acはアセチル基を表し、Phはフェニル基を表す(以下、同じ)。
[0114]
 EWGは、下記式(EWG-1)~(EWG-6)で表される基であることが好ましい。
[化28]


 式(EWG-1)~(EWG-6)中、R x1~R x3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を表し、Arは芳香族基を表す。
[0115]
 本発明において、カルボン酸アニオンは、下記式(XA)で表されることが好ましい。
[化29]


 式(XA)において、L 10は、単結合、又は、アルキレン基、アルケニレン基、芳香族基、-NR -及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる2価の連結基を表し、R は、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
[0116]
 カルボン酸アニオンの具体例としては、マレイン酸アニオン、フタル酸アニオン、N-フェニルイミノ二酢酸アニオン及びシュウ酸アニオンが挙げられる。
[0117]
 特定前駆体の環化が低温で行われやすく、また、感光性樹脂組成物の保存安定性が向上しやすい観点から、本発明におけるオニウム塩は、カチオンとしてアンモニウムカチオンを含み、上記オニウム塩がアニオンとして、共役酸のpKa(pKaH)が2.5以下であるアニオンを含むことが好ましく、1.8以下であるアニオンを含むことがより好ましい。
 上記pKaの下限は特に限定されないが、発生する塩基が中和されにくく、特定前駆体などの環化効率を良好にするという観点からは、-3以上であることが好ましく、-2以上であることがより好ましい。
 上記pKaとしては、Determination of Organic Structures by Physical Methods(著者:Brown, H. C., McDaniel, D. H., Hafliger, O., Nachod, F. C.; 編纂:Braude, E. A., Nachod, F. C.; Academic Press, New York, 1955)や、Data for Biochemical Research(著者:Dawson, R.M.C.et al; Oxford, Clarendon Press, 1959)に記載の値を参照することができる。これらの文献に記載の無い化合物については、ACD/pKa(ACD/Labs製)のソフトを用いて構造式より算出した値を用いることとする。
[0118]
 アンモニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[化30]


[0119]
〔イミニウム塩〕
 本発明において、イミニウム塩とは、イミニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
[0120]
-イミニウムカチオン-
 イミニウムカチオンとしては、ピリジニウムカチオンが好ましい。
 また、イミニウムカチオンとしては、下記式(102)で表されるカチオンも好ましい。
[化31]


[0121]
 式(102)中、R 及びR はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表し、R は炭化水素基を表し、R ~R の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。
 式(102)中、R 及びR は上述の式(101)におけるR1~R4と同義であり、好ましい態様も同様である。
 式(102)中、R はR 及びR の少なくとも1つと結合して環を形成することが好ましい。上記環はヘテロ原子を含んでもよい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。また、上記環としてはピリジン環が好ましい。
[0122]
 イミニウムカチオンは、下記式(Y1-3)~(Y1-5)のいずれかで表されるものであることが好ましい。
[化32]


 式(Y1-3)~(Y1-5)において、R 101は、n価の有機基を表し、R は式(102)におけるR と同義であり、R は式(102)におけるR と同義であり、n及びmは、1以上の整数を表す。
 式(Y1-3)において、R 101は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は、これらが結合した構造からn個の水素原子を除いた基であることが好ましく、炭素数2~30の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン又はナフタレンからn個の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
 式(Y1-3)において、nは1~4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
 式(Y1-5)において、mは1~4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
[0123]
 イミニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[化33]


[0124]
〔スルホニウム塩〕
 本発明において、スルホニウム塩とは、スルホニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
[0125]
-スルホニウムカチオン-
 スルホニウムカチオンとしては、第三級スルホニウムカチオンが好ましく、トリアリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
 また、スルホニウムカチオンとしては、下記式(103)で表されるカチオンが好ましい。
[化34]


[0126]
 式(103)中、R ~R 10はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。
 R ~R 10はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6~12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
 R ~R 10は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又は、アルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3~10の分岐アルキル基、又は、炭素数1~10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
 R ~R 10は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
[0127]
 スルホニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[化35]


[0128]
〔ヨードニウム塩〕
 本発明において、ヨードニウム塩とは、ヨードニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
[0129]
-ヨードニウムカチオン-
 ヨードニウムカチオンとしては、ジアリールヨードニウムカチオンが好ましい。
 また、ヨードニウムカチオンとしては、下記式(104)で表されるカチオンが好ましい。
[化36]


[0130]
 式(104)中、R 11及びR 12はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。
 R 11及びR 12はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6~12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
 R 11及びR 12は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3~10の分岐アルキル基、又は、炭素数1~10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
 R 11及びR 12は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
[0131]
 ヨードニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[化37]


[0132]
〔ホスホニウム塩〕
 本発明において、ホスホニウム塩とは、ホスホニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
[0133]
-ホスホニウムカチオン-
 ホスホニウムカチオンとしては、第四級ホスホニウムカチオンが好ましく、テトラアルキルホスホニウムカチオン、トリアリールモノアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
 また、ホスホニウムカチオンとしては、下記式(105)で表されるカチオンが好ましい。
[化38]


[0134]
 式(105)中、R 13~R 16はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表す。
 R 13~R 16はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6~12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
 R 13~R 16は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3~10の分岐アルキル基、又は、炭素数1~10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
 R 13~R 16は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
[0135]
 ホスホニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[化39]


[0136]
 本発明の感光性樹脂組成物がオニウム塩を含む場合、オニウム塩の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1~50質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、0.85質量%以上が更に好ましく、1質量%以上が一層好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が一層好ましく、5質量%以下であってもよく、4質量%以下であってもよい。
 オニウム塩は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
[0137]
<溶剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤は、公知の溶剤を任意に使用できる。溶剤は有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類、スルホキシド類、アミド類などの化合物が挙げられる。
 エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、アルキルオキシ酢酸アルキル(例えば、アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3-アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3-アルキルオキシプロピオン酸メチル、3-アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル等))、2-アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2-アルキルオキシプロピオン酸メチル、2-アルキルオキシプロピオン酸エチル、2-アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル))、2-アルキルオキシ-2-メチルプロピオン酸メチル及び2-アルキルオキシ-2-メチルプロピオン酸エチル(例えば、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸メチル、2-オキソブタン酸エチル等が好適なものとして挙げられる。
 エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が好適なものとして挙げられる。
 ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン等が好適なものとして挙げられる。
 芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン、アニソール、リモネン等が好適なものとして挙げられる。
 スルホキシド類として、例えば、ジメチルスルホキシドが好適なものとして挙げられる。
 アミド類として、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等が好適なものとして挙げられる。
[0138]
 溶剤は、塗布面性状の改良などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。なかでも、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γ-ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液が好ましい。ジメチルスルホキシドとγ-ブチロラクトンとの併用が特に好ましい。
[0139]
 溶剤の含有量は、塗布性の観点から、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分濃度が5~80質量%になる量とすることが好ましく、5~70質量%が更に好ましく、10~60質量%が特に好ましい。溶剤含有量は、所望の厚さと付与方法に応じて決定すればよい。例えば付与方法がスピンコートやスリットコートであれば上記範囲の固形分濃度となる溶剤の含有量が好ましい。スプレーコートであれば0.1質量%~50質量%になる量とすることが好ましく、1.0質量%~25質量%になる量とすることがより好ましい。付与方法によって溶剤量を調節することで、所望の厚さの感光膜を均一に形成することができる。
 溶剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。溶剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0140]
<ラジカル重合性化合物>
 本発明の感光性樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物(以下、「重合性モノマー」ともいう)を含むことが好ましい。
 本発明において、ラジカル重合性化合物(重合性モノマー)とは、上記前駆体、及び、上記亜硫酸エステル構造を有する化合物以外のラジカル重合性基を含む化合物をいい、上記ラジカル重合性化合物を含むことにより、上述の条件3を満たすことができる。
 また、本発明の感光性樹脂組成物がラジカル重合性化合物を含むことにより、耐熱性に優れた硬化膜を形成することができる。
[0141]
 重合性モノマーにおけるラジカル重合性基としては、ビニルフェニル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基及びアリル基などのエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
[0142]
 重合性モノマーにおけるラジカル重合性基の数は、1個でもよく、2個以上でもよいが、2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。上限は、15個以下が好ましく、10個以下がより好ましく、8個以下が更に好ましい。
[0143]
 重合性モノマーの分子量は、2,000以下が好ましく、1,500以下がより好ましく、900以下が更に好ましい。重合性モノマーの分子量の下限は、100以上が好ましい。
[0144]
 本発明の感光性樹脂組成物は、現像性の観点から、2官能以上の重合性モノマーを少なくとも1種含むことが好ましく、3官能以上の重合性モノマーを少なくとも1種含むことがより好ましい。また、2官能の重合性モノマーと3官能以上の重合性モノマーとの混合物であってもよい。例えば2官能以上の重合性モノマーの官能基数とは、1分子中におけるラジカル重合性基の数が2個以上であることを意味する。
[0145]
 重合性モノマーの具体例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)及びそのエステル類又はアミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、及び、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類である。また、ヒドロキシ基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。具体例としては、特開2016-027357号公報の段落0113~0122の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0146]
 また、重合性モノマーは、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後、(メタ)アクリレート化した化合物、特公昭48-41708号公報、特公昭50-6034号公報、特開昭51-37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48-64183号、特公昭49-43191号、特公昭52-30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。また、特開2008-292970号公報の段落0254~0257に記載の化合物も好適である。また、多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができ、それらの内容は本明細書に組み込まれる。
 また、その他の好ましい重合性モノマーとして、特開2010-160418号公報、特開2010-129825号公報、特許第4364216号等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性不飽和結合を有する基を2個以上有する化合物や、カルド樹脂も使用することが可能である。
 更に、その他の例としては、特公昭46-43946号公報、特公平1-40337号公報、特公平1-40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2-25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、特開昭61-22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含む化合物を用いることもできる。更に日本接着協会誌 vol.20、No.7、300~308ページ(1984年)に光重合性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができ、それらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0147]
 上記のほか、特開2015-034964号公報の段落0048~0051に記載の化合物も好ましく用いることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0148]
 また、特開平10-62986号公報において式(1)及び式(2)としてその具体例と共に記載の、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性モノマーとして用いることができる。
[0149]
 更に、特開2015-187211号公報の段落0104~0131に記載の化合物も重合性モノマーとして用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0150]
 重合性モノマーとしては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D-330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D-320;日本化薬(株)製、A-TMMT:新中村化学工業社製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D-310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、A-DPH;新中村化学工業社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介して結合している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
[0151]
 重合性モノマーの市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR-494、エチレンオキシ鎖を4個有する2官能メタクリレートであるサートマー社製のSR-209、日本化薬(株)製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA-60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA-330、NKエステルM-40G、NKエステル4G、NKエステルM-9300、NKエステルA-9300、UA-7200(新中村化学工業社製)、DPHA-40H(日本化薬(株)製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600(共栄社化学社製)、ブレンマーPME400(日油(株)製)などが挙げられる。
[0152]
 重合性モノマーは、特公昭48-41708号公報、特開昭51-37193号公報、特公平2-32293号公報、特公平2-16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58-49860号公報、特公昭56-17654号公報、特公昭62-39417号公報、特公昭62-39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性モノマーとして、特開昭63-277653号公報、特開昭63-260909号公報、特開平1-105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する化合物を用いることもできる。
[0153]
 重合性モノマーは、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等の酸基を有する重合性モノマーであってもよい。酸基を有する重合性モノマーは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた重合性モノマーがより好ましい。特に好ましくは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた重合性モノマーにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールである化合物である。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M-510、M-520などが挙げられる。
 酸基を有する重合性モノマーは、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。また、必要に応じて酸基を有しない重合性モノマーと酸基を有する重合性モノマーを併用してもよい。
 酸基を有する重合性モノマーの好ましい酸価は、0.1~40mgKOH/gであり、特に好ましくは5~30mgKOH/gである。重合性モノマーの酸価が上記範囲であれば、製造や取扱性に優れ、更には、現像性に優れる。また、重合性が良好である。上記酸価は、JIS K 0070:1992の記載に準拠して測定される。
[0154]
 重合性モノマーの含有量は、良好な重合性と耐熱性の観点から、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、1~50質量%が好ましい。下限は5質量%以上がより好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましい。重合性モノマーは1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
 また、特定前駆体と重合性モノマーとの質量割合(特定前駆体/重合性モノマー)は、98/2~10/90が好ましく、95/5~30/70がより好ましく、90/10~50/50が最も好ましい。特定前駆体と重合性モノマーとの質量割合が上記範囲であれば、重合性及び耐熱性により優れた硬化膜を形成できる。
[0155]
 本発明の感光性樹脂組成物は、硬化膜の弾性率制御に伴う反り抑制の観点から、単官能重合性モノマーを好ましく用いることができる。単官能重合性モノマーとしては、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム等のN-ビニル化合物類、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類等が好ましく用いられる。単官能重合性モノマーとしては、露光前の揮発を抑制するため、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。
[0156]
<他の重合性化合物>
 本発明の感光性樹脂組成物は、上述した特定前駆体及びラジカル重合性化合物以外の他の重合性化合物を更に含むことができる。他の重合性化合物としては、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物;オキセタン化合物;ベンゾオキサジン化合物が挙げられる。
[0157]
〔ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物〕
 ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物としては、下記式(AM1)で示される化合物が好ましい。
[0158]
[化40]


 式AM1中、tは、1~20の整数を示し、R は炭素数1~200のt価の有機基を示し、R は、-OR 又は、-OC(=O)-R で示される基を示し、R は、水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、R は、炭素数1~10の有機基を示す。
[0159]
 特定前駆体100質量部に対して、式(AM1)で示される化合物の含有量は、5~40質量部であることが好ましい。更に好ましくは、10~35質量部である。
 また、他の重合性化合物の全質量に対し、下記式(AM4)で表される化合物を10~90質量%含有し、下記式(AM5)で表される化合物を10~90質量%含有することも好ましい。
[0160]
[化41]


 式AM4中、R は炭素数1~200の2価の有機基を示し、R は、-OR 又は、-OC(=O)-R で示される基を示し、R は、水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、R は、炭素数1~10の有機基を示す。
[0161]
[化42]


 式AM5中、uは3~8の整数を示し、R は炭素数1~200のu価の有機基を示し、R は、-OR 又は、-OC(=O)-R で示される基を示し、R は、水素原子又は炭素数1~10の有機基を示し、R は、炭素数1~10の有機基を示す。
[0162]
 上述のヒドロキシメチル基等を有する化合物を用いることで、凹凸のある基材上に本発明の感光性樹脂組成物を適用した際に、クラックの発生をより効果的に抑制できる。また、パターン加工性に優れ、5%質量減少温度が350℃以上、より好ましくは380℃以上となる高い耐熱性を有する硬化膜を形成することができる。式(AM4)で示される化合物の具体例としては、46DMOC、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML-MBPC、DML-MBOC、DML-OCHP、DML-PCHP、DML-PC、DML-PTBP、DML-34X、DML-EP、DML-POP、dimethylolBisOC-P、DML-PFP、DML-PSBP、DML-MTrisPC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、NIKALAC MX-290(商品名、(株)三和ケミカル製)、2,6-dimethoxymethyl-4-t-butylphenol、2,6-dimethoxymethyl-p-cresol、2,6-diacetoxymethyl-p-cresolなどが挙げられる。
[0163]
 また、式(AM5)で示される化合物の具体例としては、TriML-P、TriML-35XL、TML-HQ、TML-BP、TML-pp-BPF、TML-BPA、TMOM-BP、HML-TPPHBA、HML-TPHAP、HMOM-TPPHBA、HMOM-TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、TM-BIP-A(商品名、旭有機材工業(株)製)、NIKALAC MX-280、NIKALAC MX-270、NIKALAC MW-100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。
[0164]
〔エポキシ化合物(エポキシ基を有する化合物)〕
 エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2以上有する化合物であることが好ましい。エポキシ基は、200℃以下で架橋反応し、かつ、架橋に由来する脱水反応が起こらないため膜収縮が起きにくい。このため、エポキシ化合物を含有することは、感光性樹脂組成物の低温硬化及び反りの抑制に効果的である。
[0165]
 エポキシ化合物は、ポリエチレンオキサイド基を含有することが好ましい。これにより、より弾性率が低下し、また反りを抑制することができる。また膜の柔軟性を高くして、伸度等にも優れた硬化膜を得ることができる。ポリエチレンオキサイド基は、エチレンオキサイドの繰り返し単位数が2以上のものを意味し、繰り返し単位数が2~15であることが好ましい。
[0166]
 エポキシ化合物の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコール型エポキシ樹脂;ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコール型エポキシ樹脂;ポリメチル(グリシジロキシプロピル)シロキサン等のエポキシ基含有シリコーンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。具体的には、エピクロン(登録商標)850-S、エピクロン(登録商標)HP-4032、エピクロン(登録商標)HP-7200、エピクロン(登録商標)HP-820、エピクロン(登録商標)HP-4700、エピクロン(登録商標)EXA-4710、エピクロン(登録商標)HP-4770、エピクロン(登録商標)EXA-859CRP、エピクロン(登録商標)EXA-1514、エピクロン(登録商標)EXA-4880、エピクロン(登録商標)EXA-4850-150、エピクロンEXA-4850-1000、エピクロン(登録商標)EXA-4816、エピクロン(登録商標)EXA-4822(以上商品名、DIC(株)製)、リカレジン(登録商標)BEO-60E(商品名、新日本理化(株))、EP-4003S、EP-4000S(以上商品名、(株)ADEKA製)などが挙げられる。この中でも、ポリエチレンオキサイド基を含有するエポキシ樹脂が、反りの抑制及び耐熱性に優れる点で好ましい。例えば、エピクロン(登録商標)EXA-4880、エピクロン(登録商標)EXA-4822、リカレジン(登録商標)BEO-60Eは、ポリエチレンオキサイド基を含有するので好ましい。
[0167]
 エポキシ化合物の含有量は、特定前駆体100質量部に対し、5~50質量部が好ましく、10~50質量部がより好ましく、10~40質量部が更に好ましい。エポキシ化合物の含有量が5質量部以上であれば、得られる硬化膜の反りをより抑制でき、50質量部以下であれば、硬化時のリフローを原因とするパターン埋まりをより抑制できる。
[0168]
〔オキセタン化合物(オキセタニル基を有する化合物)〕
 オキセタン化合物としては、一分子中にオキセタン環を2つ以上有する化合物、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルメチル)オキセタン、1,4-ベンゼンジカルボン酸-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メチル]エステル等を挙げることができる。具体的な例としては、東亞合成株式会社製のアロンオキセタンシリーズ(例えば、OXT-121、OXT-221、OXT-191、OXT-223)が好適に使用することができ、これらは単独で、又は、2種以上混合してもよい。
[0169]
 オキセタン化合物の含有量は、特定前駆体100質量部に対し、5~50質量部が好ましく、10~50質量部がより好ましく、10~40質量部が更に好ましい。
[0170]
〔ベンゾオキサジン化合物(ベンゾオキサゾリル基を有する化合物)〕
 ベンゾオキサジン化合物は、開環付加反応に由来する架橋反応のため、硬化時に脱ガスが発生せず、更に熱収縮を小さくして反りの発生が抑えられることから好ましい。
[0171]
 ベンゾオキサジン化合物の好ましい例としては、B-a型ベンゾオキサジン、B-m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業社製)、ポリヒドロキシスチレン樹脂のベンゾオキサジン付加物、フェノールノボラック型ジヒドロベンゾオキサジン化合物が挙げられる。これらは単独で、又は、2種以上混合してもよい。
[0172]
 ベンゾオキサジン化合物の含有量は、特定前駆体100質量部に対し、5~50質量部が好ましく、10~50質量部がより好ましく、10~40質量部が更に好ましい。
[0173]
<マイグレーション抑制剤>
 感光性樹脂組成物は、更にマイグレーション抑制剤を含むことが好ましい。マイグレーション抑制剤を含むことにより、例えば、金属層(金属配線)由来の金属イオンが感光膜内へ移動することなど、外部から感光性樹脂組成物への化合物の移動を効果的に抑制可能となる。
 マイグレーション抑制剤としては、特に制限はないが、複素環(ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、2H-ピラン環及び6H-ピラン環、トリアジン環)を有する化合物、チオ尿素類及びメルカプト基を有する化合物、ヒンダードフェノール系化合物、サリチル酸誘導体系化合物、ヒドラジド誘導体系化合物が挙げられる。特に、トリアゾール、ベンゾトリアゾール等のトリアゾール系化合物、テトラゾール、ベンゾテトラゾール等のテトラゾール系化合物が好ましく使用できる。
[0174]
 また、ハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉するイオントラップ剤を使用することもできる。
[0175]
 その他のマイグレーション抑制剤としては、特開2013-15701号公報の段落0094に記載の防錆剤、特開2009-283711号公報の段落0073~0076に記載の化合物、特開2011-59656号公報の段落0052に記載の化合物、特開2012-194520号公報の段落0114、0116及び0118に記載の化合物などを使用することができる。
[0176]
 マイグレーション抑制剤の具体例としては、1H-1,2,3-トリアゾール、1H-テトラゾールを挙げることができる。
[0177]
 感光性樹脂組成物がマイグレーション抑制剤を含む場合、マイグレーション抑制剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01~5.0質量%が好ましく、0.05~2.0質量%がより好ましく、0.1~1.0質量%が更に好ましい。
 マイグレーション抑制剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。マイグレーション抑制剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0178]
<重合禁止剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、重合禁止剤を含むことが好ましい。
 重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、p-メトキシフェノール、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ピロガロール、p-tert-ブチルカテコール、p-ベンゾキノン、ジフェニル-p-ベンゾキノン、4,4’チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、フェノチアジン、N-ニトロソジフェニルアミン、N-フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、2-ニトロソ-5-(N-エチル-N-スルフォプロピルアミノ)フェノール、N-ニトロソ-N-(1-ナフチル)ヒドロキシアミンアンモニウム塩、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-tert-ブチル)フェニルメタンなどが好適に用いられる。また、特開2015-127817号公報の段落0060に記載の重合禁止剤、及び、国際公開第2015/125469号の段落0031~0046に記載の化合物を用いることもできる。
 また、下記化合物を用いることができる(Meはメチル基である)。
[化43]


 本発明の感光性樹脂組成物が重合禁止剤を含む場合、重合禁止剤の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01~5質量%が好ましい。
 重合禁止剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。重合禁止剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0179]
<金属接着性改良剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、電極や配線などに用いられる金属材料との接着性など、他の部材との接着性を向上させるための金属接着性改良剤を含んでいることが好ましい。金属接着性改良剤としては、シランカップリング剤などが挙げられる。
[0180]
 シランカップリング剤の例としては、特開2014-191002号公報の段落0062~0073に記載の化合物、国際公開第2011/080992号の段落0063~0071に記載の化合物、特開2014-191252号公報の段落0060~0061に記載の化合物、特開2014-41264号公報の段落0045~0052に記載の化合物、国際公開第2014/097594号の段落0055に記載の化合物が挙げられる。また、特開2011-128358号公報の段落0050~0058に記載のように異なる2種以上のシランカップリング剤を用いることも好ましい。また、シランカップリング剤は、下記化合物を用いることも好ましい。以下の式中、Etはエチル基を表す。
[化44]


[0181]
 また、金属接着性改良剤は、特開2014-186186号公報の段落0046~0049に記載の化合物、特開2013-072935号公報の段落0032~0043に記載のスルフィド系化合物を用いることもできる。
[0182]
 金属接着性改良剤の含有量は特定前駆体100質量部に対して好ましくは0.1~30質量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5~15質量部の範囲である。0.1質量部以上とすることで硬化工程後の硬化膜と例えば金属層との接着性が良好となり、30質量部以下とすることで硬化工程後の硬化膜の耐熱性、機械特性が良好となる。金属接着性改良剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。2種以上用いる場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0183]
<その他の添加剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種の添加物、例えば、熱酸発生剤、増感色素、連鎖移動剤、界面活性剤、高級脂肪酸誘導体、無機粒子、硬化剤、硬化触媒、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加剤を配合する場合、その合計配合量は感光性樹脂組成物の固形分の3質量%以下とすることが好ましい。
[0184]
〔熱酸発生剤〕
 本発明の感光性樹脂組成物は、熱酸発生剤を含んでいてもよい。熱酸発生剤は、加熱により酸を発生し、特定前駆体の環化を促進し硬化膜の機械特性をより向上させる。熱酸発生剤は、特開2013-167742号公報の段落0059に記載の化合物などが挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0185]
 熱酸発生剤の含有量は、特定前駆体100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましい。熱酸発生剤を0.01質量部以上含有することで、架橋反応及び特定前駆体の環化が促進されるため、硬化膜の機械特性及び耐薬品性をより向上させることができる。また、熱酸発生剤の含有量は、硬化膜の電気絶縁性の観点から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が特に好ましい。
 熱酸発生剤は、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0186]
〔増感色素〕
 本発明の感光性樹脂組成物は、増感色素を含んでいてもよい。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、光ラジカル重合開始剤などと接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより、例えば光ラジカル重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカルを生成する。また、オニウム塩はエネルギー移動により活性化され、特定前駆体の閉環効率を向上する。増感色素の詳細については、特開2016-027357号公報の段落0161~0163の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0187]
 本発明の感光性樹脂組成物が増感色素を含む場合、増感色素の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.01~20質量%が好ましく、0.1~15質量%がより好ましく、0.5~10質量%が更に好ましい。増感色素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[0188]
〔連鎖移動剤〕
 本発明の感光性樹脂組成物は、連鎖移動剤を含有してもよい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683-684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカルに水素を供与して、ラジカルを生成するか、又は、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。特に、チオール化合物(例えば、2-メルカプトベンズイミダゾール類、2-メルカプトベンズチアゾール類、2-メルカプトベンズオキサゾール類、3-メルカプトトリアゾール類、5-メルカプトテトラゾール類等)を好ましく用いることができる。
[0189]
 本発明の感光性樹脂組成物が連鎖移動剤を含む場合、連鎖移動剤の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0.01~20質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましく、1~5質量部が更に好ましい。連鎖移動剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。連鎖移動剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0190]
(界面活性剤)
 本発明の感光性樹脂組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種類の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種類の界面活性剤を使用できる。また、下記界面活性剤も好ましい。下記式中、主鎖の構成単位を示す括弧は各構成単位の含有量(モル%)を、側鎖の構成単位を示す括弧は各構成単位の繰り返し数をそれぞれ表す。
[化45]


[0191]
 本発明の感光性樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.001~2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005~1.0質量%である。界面活性剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。界面活性剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0192]
〔高級脂肪酸誘導体〕
 本発明の感光性樹脂組成物は、酸素に起因する重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光性樹脂組成物の表面に偏在させてもよい。
 本発明の感光性樹脂組成物が高級脂肪酸誘導体を含む場合、高級脂肪酸誘導体の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1~10質量%が好ましい。高級脂肪酸誘導体は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。高級脂肪酸誘導体が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
[0193]
<<その他の含有物質についての制限>>
 本発明の感光性樹脂組成物の水分含有量は、塗布面性状の観点から、5質量%未満が好ましく、1質量%未満が更に好ましく、0.6質量%未満が特に好ましい。
[0194]
 本発明の感光性樹脂組成物の金属含有量は、絶縁性の観点から、5質量ppm(parts per million)未満が好ましく、1質量ppm未満が更に好ましく、0.5質量ppm未満が特に好ましい。金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、クロム、ニッケルなどが挙げられる。金属を複数含む場合は、これらの金属の合計が上記範囲であることが好ましい。
 また、本発明の感光性樹脂組成物に意図せずに含まれる金属不純物を低減する方法としては、本発明の感光性樹脂組成物を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、本発明の感光性樹脂組成物を構成する原料に対してフィルターろ過を行う、装置内をポリテトラフルオロエチレン等でライニングしてコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。
[0195]
 本発明の感光性樹脂組成物は、ハロゲン原子の含有量が、配線腐食性の観点から、500質量ppm未満が好ましく、300質量ppm未満がより好ましく、200質量ppm未満が特に好ましい。中でも、ハロゲンイオンの状態で存在するものは、5質量ppm未満が好ましく、1質量ppm未満が更に好ましく、0.5質量ppm未満が特に好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。塩素原子及び臭素原子、又は、塩素イオン及び臭素イオンの合計がそれぞれ上記範囲であることが好ましい。
[0196]
 本発明の感光性樹脂組成物の収納容器としては従来公知の収納容器を用いることができる。また、収納容器としては、原材料や感光性樹脂組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015-123351号公報に記載の容器が挙げられ、その内容は本明細書に組み込まれる。
[0197]
<感光性樹脂組成物の調製>
 本発明の感光性樹脂組成物は、上記各成分を混合して調製することができる。混合方法は特に限定はなく、従来公知の方法で行うことができる。
 また、感光性樹脂組成物中のゴミや微粒子等の異物を除去する目的で、フィルターを用いたろ過を行うことが好ましい。フィルター孔径は、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下が更に好ましい。フィルターの材質は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン又はナイロンが好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルターろ過工程では、複数種のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回ろ過してもよい。複数回ろ過する場合は、循環ろ過であってもよい。また、加圧してろ過を行ってもよい。加圧してろ過を行う場合、加圧する圧力は0.05MPa以上0.3MPa以下が好ましい。
 フィルターを用いたろ過の他、吸着材を用いた不純物の除去処理を行ってもよい。フィルターろ過と吸着材を用いた不純物除去処理とを組み合わせてもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができる。例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材が挙げられる。
[0198]
(パターン形成方法)
 次に、本発明のパターン形成方法について説明する。
[0199]
 本発明のパターン形成方法は、
 本発明の感光性樹脂組成物により形成された感光膜を露光する露光工程、及び、
 上記露光後の感光膜を現像してパターンを得る現像工程を含む。
[0200]
<露光工程>
 本発明のパターン形成方法は、露光工程を含む。
 露光工程においては、上記感光膜の少なくとも一部が露光される。上記感光膜の一部を露光する方法としては、例えば、後述のレーザー光源を用いる方法、公知のフォトマスク等を用いる方法等が挙げられる。
 露光量は、感光性樹脂組成物を硬化できる限り特に定めるものではないが、例えば、波長365nmでの露光エネルギー換算で100~10,000mJ/cm 照射することが好ましく、200~8,000mJ/cm 照射することがより好ましい。
 露光波長は、感光膜に含まれる光ラジカル重合開始剤の吸収波長等に応じて適宜設定すればよいが、1,000nm以下であることが好ましく、600nm以下であることがより好ましく、450nm以下であることが更に好ましい。露光波長の下限は、特に限定されないが、150nm以上であることが好ましく、190nm以上であることがより好ましく、240nm以上であることがより好ましい。上記露光波長の下限については、今後の技術発展等により引き下げられる可能性がある。
[0201]
〔露光光源〕
 露光光源としては、(1)半導体レーザー(波長 830nm、532nm、488nm、405nm etc.)、(2)メタルハライドランプ、(3)高圧水銀灯、g線(波長 436nm)、h線(波長 405nm)、i線(波長 365nm)、ブロード(g,h,i線の3波長)、(4)エキシマレーザー、KrFエキシマレーザー(波長 248nm)、ArFエキシマレーザー(波長 193nm)、F2エキシマレーザー(波長 157nm)、(5)極端紫外線;EUV(波長 13.6nm)、(6)電子線等が挙げられる。
[0202]
 本発明のパターン形成方法の好ましい態様の一つとしては、光源としてレーザー光源を用いることが挙げられる。
 レーザーは英語のLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭文字である。反転分布をもった物質中でおきる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器及び増幅器、励起媒体として結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザー、液体レーザー、気体レーザー、半導体レーザーなどの公知の紫外光に発振波長を有するレーザーを用いることができる。その中でも、レーザーの出力及び発振波長の観点から、半導体レーザー、固体レーザー、ガスレーザーが好ましい。
[0203]
 露光光源としてレーザー光源を用いる場合、感光性樹脂組成物の取り扱い易さ等の観点からは、レーザー光の波長は、250~550nmが好ましく、350~450nmがより好ましい。
[0204]
 具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第二高調波(532nm)、第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)、半導体レーザー(405nm)を好適に用いることができる。
 露光工程における露光量としては、50mJ/cm ~3,000mJ/cm の範囲が好ましく、75mJ/cm ~2,000mJ/cm の範囲がより好ましく、100mJ/cm ~1,000mJ/cm の範囲が特に好ましい。露光量がこの範囲であると、生産性と解像性の点で好ましい。
[0205]
 レーザー光は光の平行度が良好であるため、照射部位を小さくすることが可能である。そのため、レーザー光を用い、感光膜又はレーザー光源を移動する等の方法により、露光の際にフォトマスクを使用せずにパターン露光を行うことが可能である。
 また、得られるパターン形状における出力光の形状又はプロファイルの影響等を抑制したい場合には、レーザー光を光源とした場合であっても、フォトマスクを用いてパターン露光を行うことも好ましい態様である。
[0206]
 本発明のパターン形成方法において用いられる感光膜は、例えば、基材等の部材に本発明の感光性樹脂組成物を付与し、乾燥する等の方法により製造したものを用いてもよいし、購入等により入手したものを使用してもよい。
 すなわち、本発明のパターン形成方法は、露光工程の前に感光膜を形成する工程(感光膜形成工程)を含んでもよいし、含まなくてもよい。上記感光膜形成工程の詳細については後述する。
[0207]
 また、本発明のパターン形成方法において用いられる感光膜は、基材上に形成された感光膜であることが好ましい。
 基材の種類は、用途に応じて適宜定めることができるが、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体作製基材、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基材、紙、SOG(Spin On Glass)、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基材、プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極板など特に制約されない。本発明では、特に、半導体作製基材が好ましく、シリコン基材がより好ましい。
 また、基材の形状は特に限定されず、円形状であっても矩形状であってもよいが、矩形状であることが好ましい。
[0208]
 また、感光膜が上述のオニウム塩を含む場合、上記オニウム塩は、上記露光工程後に分解していないことが好ましい。オニウム塩が露光工程後に後に分解しているか否かは、露光の前後で上述のオニウム塩の分解率を算出することにより確認される。具体的には、上記オニウム塩の分解率が20%以下である場合に、上記オニウム塩は露光工程後に分解しない化合物であると判定する。上記分解率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。上記分解率の下限は特に限定されず、0%であってもよい。
[0209]
<現像工程>
 本発明のパターン形成方法は、現像工程を含む。
現像を行うことにより、露光されていない部分(非露光部)が除去される。現像方法は、所望のパターンを形成できれば特に制限は無く、例えば、パドル、スプレー、浸漬、超音波等の現像方法が採用可能である。
 現像は現像液を用いて行う。現像液は、露光されていない部分(非露光部)が除去されるものであれば、特に制限なく使用できる。現像液は、有機溶剤を含むことが好ましい。本発明では、現像液は、ClogPが-1~5の有機溶剤を含むことが好ましく、ClogPが0~3の有機溶剤を含むことがより好ましい。ClogPは、ChemBioDrawにて構造式を入力して計算値として求めることができる。
 有機溶剤は、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、アルキルオキシ酢酸アルキル(例:アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3-アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3-アルキルオキシプロピオン酸メチル、3-アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル等))、2-アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2-アルキルオキシプロピオン酸メチル、2-アルキルオキシプロピオン酸エチル、2-アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル))、2-アルキルオキシ-2-メチルプロピオン酸メチル及び2-アルキルオキシ-2-メチルプロピオン酸エチル(例えば、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸メチル、2-オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、N-メチル-2-ピロリドン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン、アニソール、リモネン等、スルホキシド類としてジメチルスルホキシドが好適に挙げられる。
 本発明では、特にシクロペンタノン、又は、γ-ブチロラクトンが好ましく、シクロペンタノンがより好ましい。
 現像液における有機溶剤の含有量は、現像液の全質量に対し、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。また、現像液は、100質量%が有機溶剤であってもよい。
[0210]
 現像時間としては、10秒~5分が好ましい。現像時の温度は、特に定めるものではないが、通常、20~40℃で行うことができる。
 現像液を用いた処理の後、更に、リンスを行ってもよい。リンスは、現像液とは異なる溶剤で行うことが好ましい。例えば、感光性樹脂組成物に含まれる溶剤を用いてリンスすることができる。リンス時間は、5秒~1分が好ましい。
[0211]
<感光膜形成工程>
 本発明に係るパターン形成工程は、感光膜形成工程を更に含んでもよい。
 上記感光膜形成工程により、感光膜が得られる。
 感光膜形成工程においては、基材上に本発明の感光性樹脂組成物を適用し、必要に応じて乾燥を行うことにより感光膜が形成される。
 基材としては、上述の基材を用いることができる。
 また、硬化膜等の樹脂層の表面や金属層の表面に感光膜を形成する場合は、樹脂層や金属層が基材となる。
 感光性樹脂組成物を基材に適用する手段としては、塗布が好ましい。
 上記塗布の手段としては、スリット塗布(スリットコート)、インクジェット法、回転塗布(スピンコート)、流延塗布(キャストコート)、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布等の付与方法を適用することができる。中でも回転塗布、スリット塗布が精度と速さの観点で好ましい。
 また、あらかじめ仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基材上に転写する方法を適用することもできる。
 転写方法に関しては特開2006-023696号公報の段落0023、0036~0051や、特開2006-047592号公報の段落0096~0108に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
[0212]
〔乾燥〕
 感光膜形成工程においては、感光性樹脂組成物を適用後、溶剤を除去するために乾燥を行ってもよい。好ましい乾燥温度は50~150℃で、70℃~130℃がより好ましく、90℃~110℃が更に好ましい。乾燥時間としては、30秒~20分が例示され、1分~10分が好ましく、3分~7分がより好ましい。
[0213]
<硬化工程>
 本発明のパターン形成方法は、120~200℃で上記パターンを加熱することにより硬化パターンを得る硬化工程を、上記現像工程の後に含むことが好ましい。
 上記硬化工程により、後述する本発明の硬化膜が得られる。
 硬化工程では、特定前駆体の環化反応が進行する。
 また、本発明の感光性樹脂組成物において、亜硫酸エステル構造を有する化合物がラジカル重合性基を含む場合、又は、本発明の感光性樹脂組成物が上述の他のラジカル重合性化合物を含む場合があるが、これらの化合物における未反応のラジカル重合性基の重合なども進行する。
 硬化工程における加熱温度(最高加熱温度)としては、120~450℃が好ましく、140~400℃がより好ましく、160~200℃が更に好ましい。
 硬化工程における、加熱開始時の温度から最高加熱温度までの昇温速度としては、1~12℃/分が好ましく、2~10℃/分がより好ましく、3~10℃/分が更に好ましい。上記昇温速度を1℃/分以上とすることにより、生産性を確保しつつ、アミンの過剰な揮発を防止することができ、上記昇温速度を12℃/分以下とすることにより、硬化膜の残存応力を緩和することができる。
 加熱開始時の温度は、20℃~150℃が好ましく、20℃~130℃がより好ましく、25℃~120℃が更に好ましい。加熱開始時の温度は、最高加熱温度まで加熱する工程を開始する際の温度のことをいう。例えば、感光性樹脂組成物を基材の上に適用した後、乾燥させる場合、この乾燥後の温度であり、例えば、感光性樹脂組成物に含まれる溶剤の沸点よりも、30~200℃低い温度から徐々に昇温させることが好ましい。
[0214]
 硬化工程における加熱が開始してから終了するまでの時間は、15分以内であることが好ましく、13分以内であることがより好ましく、10分以内であることが更に好ましい。
 加熱時間(最高加熱温度での加熱時間)は、1~15分であることが好ましく、2~12分であることが更に好ましく、5~10分であることが特に好ましい。
 特に多層の積層体を形成する場合、硬化膜の層間の密着性の観点から、加熱温度は160~280℃で加熱することが好ましく、180~260℃で加熱することがより好ましい。その理由は定かではないが、上記温度範囲とすることにより層間の特定前駆体のエチニル基同士が架橋反応を進行している等の理由が考えられる。
[0215]
 加熱は段階的に行ってもよい。例として、25℃から180℃まで3℃/分で昇温し、180℃にて60分保持し、180℃から200℃まで2℃/分で昇温し、200℃にて120分保持する、といった前処理工程を行ってもよい。前処理工程としての加熱温度は100~200℃が好ましく、110~190℃であることがより好ましく、120~185℃であることが更に好ましい。この前処理工程においては、米国特許第9159547号明細書に記載のように紫外線を照射しながら処理することも好ましい。このような前処理工程により膜の特性を向上させることが可能である。前処理工程は10秒間~2時間程度の短い時間で行うとよく、15秒~30分間がより好ましい。前処理は2段階以上のステップとしてもよく、例えば100~150℃の範囲で1段階目の前処理工程を行い、その後に150~200℃の範囲で2段階目の前処理工程を行ってもよい。
 更に、加熱後冷却してもよく、この場合の冷却速度としては、1~5℃/分であることが好ましい。
[0216]
 加熱工程は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを流す等により、低酸素濃度の雰囲気で行うことがポリマー前駆体の分解を防ぐ点で好ましい。酸素濃度は、50ppm(体積比)以下が好ましく、20ppm(体積比)以下がより好ましい。
[0217]
 本発明の感光性樹脂組成物は、オニウム塩として、上記硬化工程における加熱により分解を受けない化合物を含むことが好ましい。上記硬化工程における加熱により分解を受けているか否かは、上記硬化工程後に得られる硬化膜を書き取って、乳鉢で砕いた後に、得られた粉砕物をメタノール/THF=50/50(質量比)溶液に超音波を当てながら10分浸漬させる。上記溶液に抽出された抽出物をHPLC(高速液体クロマトグラフィ)にて分析することでオニウム塩の分解率を以下の式より算出する。
 オニウム塩の分解率(%)=分解物量(mol)/露光工程前の感光膜に含まれるオニウム塩量(mol)×100
 上記オニウム塩の分解率が20%以下である場合に、上記オニウム塩は硬化工程における加熱により分解を受けない化合物であると判定する。上記分解率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。上記分解率の下限は特に限定されず、0%であってもよい。
[0218]
<金属層形成工程>
 本発明のパターン形成方法は、現像処理後の感光膜(硬化膜)の表面に金属層を形成する金属層形成工程を含んでいることが好ましい。
 金属層としては、特に限定なく、既存の金属種を使用することができ、銅、アルミニウム、ニッケル、バナジウム、チタン、クロム、コバルト、金及びタングステンが例示され、銅及びアルミニウムがより好ましく、銅が更に好ましい。
 金属層の形成方法は、特に限定なく、既存の方法を適用することができる。例えば、特開2007-157879号公報、特表2001-521288号公報、特開2004-214501号公報、特開2004-101850号公報に記載された方法を使用することができる。例えば、フォトリソグラフィ、リフトオフ、電解メッキ、無電解メッキ、エッチング、印刷、及びこれらを組み合わせた方法などが考えられる。より具体的には、スパッタリング、フォトリソグラフィ及びエッチングを組み合わせたパターニング方法、フォトリソグラフィと電解メッキを組み合わせたパターニング方法が挙げられる。
 金属層の厚さとしては、最も厚肉部で、0.1~50μmが好ましく、1~10μmがより好ましい。
[0219]
<積層工程>
 本発明のパターン形成方法は、積層工程を含むことが好ましい。
 本発明のパターン形成方法が積層工程を含むことにより、後述する本発明の積層体が得られる。
 積層工程とは、上記感光膜形成工程、上記露光工程、及び、上記現像工程を、この順に行うことを含む一連の工程である。積層工程は、上記加熱工程等を更に含んでいてもよいことは言うまでもない。
 積層工程後、積層工程を更に行う場合には、上記露光工程後、又は、上記金属層形成工程後に、表面活性化処理工程を更に行ってもよい。表面活性化処理としては、プラズマ処理が例示される。
 上記積層工程は、2~5回行うことが好ましく、3~5回行うことがより好ましい。
 例えば、樹脂層(本発明の硬化膜)/金属層/樹脂層/金属層/樹脂層/金属層のような、樹脂層が3層以上7層以下の構成が好ましく、3層以上5層以下が更に好ましい。
 すなわち、本発明では特に、金属層を設けた後、更に、上記金属層を覆うように、上記感光膜形成工程、上記露光工程、及び、上記現像工程を、この順に行うことが好ましい。樹脂層を積層する積層工程と、金属層形成工程を交互に行うことにより、樹脂層と金属層を交互に積層することができる。
[0220]
(硬化膜)
 本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物から形成される。
 硬化膜の製造方法は特に限定されないが、例えば、上述の本発明のパターン形成方法における感光膜形成工程、露光工程、現像工程及び加熱工程を行うことにより、本発明の硬化膜が得られる。また、上述の積層工程により本発明の硬化膜が得られる。
[0221]
 本発明の硬化膜の膜厚は、例えば、0.5μm以上とすることができ、1μm以上とすることができる。また、上限値としては、100μm以下とすることができ、30μm以下とすることもできる。
[0222]
 本発明の硬化膜を適用可能な分野としては、半導体デバイスの絶縁膜、再配線層用層間絶縁膜などが挙げられる。特に、解像性が良好であるため、本発明の硬化膜は、再配線層用層間絶縁膜として用いられることが好ましく、3次元実装デバイスにおける再配線層用層間絶縁膜などに用いられることがより好ましい。
 また、本発明における硬化膜は、オフセット版面又はスクリーン版面などの版面の製造、成形部品のエッチングへの使用、エレクトロニクス、特に、マイクロエレクトロニクスにおける保護ラッカー及び誘電層の製造などにも用いることもできる。
[0223]
(積層体)
 本発明の積層体は、本発明の硬化膜を1層のみ含んでいてもよいが、2層以上含むことが好ましい。
 本発明の積層体は、硬化膜の他に金属層をさらに含んでいてもよく、上記硬化膜の間に、金属層を更に含むことが好ましい。このような金属層は、再配線層などの金属配線として好ましく用いられる。
 本発明の積層体は、例えば、上述の本発明のパターン形成方法における積層工程を複数回繰り返すこと等により得られる。
 また、上記金属層は、例えば、上述の本発明のパターン形成方法における金属層形成工程を複数回繰り返すこと等により得られる。
[0224]
 本発明のデバイスは、本発明の硬化膜、又は、本発明の積層体を含む。本発明のデバイスは、例えば、半導体デバイスとして好適に用いられる。例えば、本発明の感光性樹脂組成物を再配線層用層間絶縁膜の形成に用いた半導体デバイスの具体例としては、特開2016-027357号公報の段落0213~0218の記載及び図1の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
実施例
[0225]
 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
[0226]
(実施例、比較例)
<感光性樹脂組成物の調製>
 各実施例又は比較例において、下記表1~表4のいずれかに記載の各成分を、下記表1~表4のいずれかに記載の量で混合し、溶液として、感光性樹脂組成物を調製した。
 表1~表4中の数値は各成分の使用量(質量部)を表し、「-」は該当する成分を使用しなかったことを示している。
[0227]
[表1]


[0228]
[表2]


[0229]
[表3]


[0230]
[表4]


[0231]
 表1~表4において使用した化合物の詳細は下記の通りである。
<特定前駆体>
・A-1~A-6:下記構造の化合物。国際公開第2018/025738号公報の記載を参考に合成した。
[化46]


[0232]
<亜硫酸エステル構造を有する化合物(亜硫酸エステル化合物)>
・B-1~B-3:下記構造の化合物。下記合成方法により製造した
[化47]


[0233]
〔合成例1:B-1の合成〕
 109.4gの2-ヒドロキシエチルメタクリレートと、70.0gのピリジンと、500mLのテトラヒドロフランとを混合した。混合液を0℃に冷却し、温度を5℃以下に保ちながら50.0gのSOCl を60分かけて滴下して、その後1時間撹拌した。蒸留水200mLを加えて反応を停止して酢酸エチル500mLを加えた。得られた有機相を蒸留水で5回洗浄した後、エバポレーターで低沸点溶媒を除去して、220.1gの亜硫酸エステル構造を有する化合物(B-1)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl 3)δ(ppm): 6.15(t, 2H), 5.62(t, 2H), 4.37(m, 4H), 4.30(m, 2H), 4.21(m, 2H), 1.95(dd, 6H)。
[0234]
〔合成例2:B-2の合成〕
 130.14gの2-ヒドロキシエチルメタクリレートと、70.0gのピリジンと、500mLのテトラヒドロフランとを混合した。混合液を0℃に冷却し、温度を5℃以下に保ちながら119gのSOCl を60分かけて滴下して、その後1時間撹拌した。蒸留水200mLを加えて反応を停止して酢酸エチル500mLを加えた。得られた有機相を蒸留水で5回洗浄した後、シリカカラムクロマトグラフィーにて精製し、58.2gの亜硫酸エステル構造を有する化合物(B-2)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl 3)δ(ppm): 6.15(t, 1H), 5.62(t, 1H), 4.37(m, 2H), 4.30(m, 1H), 4.21(m, 1H), 1.95(dd, 3H)。
[0235]
〔合成例3:B-3の合成〕
 38.7gのエタノールと、70.0gのピリジンと、500mLのテトラヒドロフランとを混合した。混合液を0℃に冷却し、温度を5℃以下に保ちながら50.0gのSOCl を60分かけて滴下して、その後1時間撹拌した。蒸留水200mLを加えて反応を停止して酢酸エチル500mLを加えた。得られた有機相を蒸留水で5回洗浄した後、エバポレーターで低沸点溶媒を除去して、99.3gの亜硫酸エステル構造を有する化合物(B-3)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl 3)δ(ppm): 6.15(t, 2H), 5.62(t, 2H), 1.43(m, 6H)。
[0236]
<第4族元素含有化合物>
・C-1:テトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル社製)
・C-2:ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン(マツモトファインケミカル社製)
・C-3~C-6:下記構造の化合物、C-5はラジカル重合開始能を有する化合物でもある。
[化48]


[0237]
<オニウム塩>
・D-9、D-30、D-14、D-26、D-10、D-12:下記構造の化合物。
 下記構造の化合物中、D-9、D-14及びD-26におけるアニオン構造(トシラートアニオン)の共役酸のpKaは-2.8であり、D-30、D-10及びD-12におけるアニオン構造(マレイン酸アニオン)の共役酸のpKaは1.8である。
[化49]


[0238]
<ラジカル重合性化合物>
・E-1:SR-209(テトラエチレングリコールジメタクリレート、サートマー社製)
・E-2:A-DPH(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、新中村化学工業(株)製)
[0239]
<光ラジカル重合開始剤>
・F-1:IRGACURE OXE 01(BASF社製)
・F-2:IRGACURE OXE 02(BASF社製)
[0240]
<重合禁止剤>
・G-1:2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(東京化成工業(株)製)
・G-2:パラベンゾキノン(東京化成工業(株)製)
[0241]
<マイグレーション抑制剤>
・H-1:下記構造の化合物、東京化成工業(株)製
・H-2:下記構造の化合物、東京化成工業(株)製
[化50]


[0242]
<金属接着性改良剤>
・I-1:下記構造の化合物、シグマアルドリッチ社製
・I-2:下記構造の化合物、シグマアルドリッチ社製
[化51]


[0243]
<溶剤>
・J-1:γ-ブチロラクトン(三和油化工業(株)製)
・J-2:ジメチルスルホキシド(富士フイルム和光純薬(株)製)
[0244]
<解像性(露光ラチチュード)の評価>
 各実施例及び比較例における感光性樹脂組成物を、細孔の幅が0.8μmのフィルターを通して0.3MPaの圧力でそれぞれ加圧ろ過した後、直径200mm(8インチ、1インチは2.54cm)のシリコンウェハ上にそれぞれスピンコートした。感光性樹脂組成物を塗布したシリコンウェハをホットプレート上で、100℃で5分間乾燥し、シリコンウェハ上に10μmの膜厚の感光膜を形成した。
 シリコンウェハ上の感光膜を、ステッパー(Nikon NSR 2005 i9C)を用いて露光した。露光はi線で行い、波長365nmにおいて、200、300、400、500、600、700、800mJ/cm の各露光エネルギーで、5μmから25μmまで1μm刻みのラインアンドスペースのフォトマスクを使用して、露光を行って、樹脂層を得た。
[0245]
 上記樹脂層を、シクロペンタノンで60秒間シャワー現像した。得られた樹脂層(パターン)の線幅が小さければ小さいほど光照射部と光非照射部との現像液に対する溶解性の差が大きくなっていることを表し、好ましい結果となる。また、露光エネルギーの変化に対して、線幅の変化が小さければ、解像性に優れ、露光ラチチュードが広いことを表し、好ましい結果となる。測定限界は5μmである。エッジの鋭さを持つ線幅を有しており、基板に残渣が残っていないパターンが得られた最小のサイズを基準値として、下記評価基準に従って評価を行い、評価結果は表5に記載した。表5中、「200」~「800」の数値は、露光エネルギー(mJ/cm )を表す。A評価を与える露光量の数が多いほど広範囲の露光量領域にわたって良好なパターンが得られており、露光ラチチュードに優れることを意味する。
〔評価基準〕
A:上記基準値が5μm以上8μm以下であった。
B:上記基準値が8μmを超えて10μm以下であった。
C:上記基準値が10μmを超えて15μm以下であった。
D:上記基準値が15μmを超えて20μm以下であった。
E:上記基準値が20μmを超えた。
F:エッジの鋭さを持つ線幅を有するパターンが得られなかった。
[0246]
<保存安定性の評価>
 各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物10gをそれぞれ容器(容器の材質:遮光ガラス、容量:100mL)に密閉し、25℃、相対湿度65%の環境下に1週間静置した。上記静置の前後それぞれの感光性樹脂組成物について、RE-85L(東機産業(株)製)を用いて25℃での粘度測定を行い、粘度の変化率の絶対値を算出した。変化率が少ないほど、感光性樹脂組成物の保存安定性が高いといえる。
A:上記粘度の変化率の絶対値が0%以上、5%未満であった。
B:上記粘度の変化率の絶対値が5%以上、8%未満であった。
C:上記粘度の変化率の絶対値が8%以上、10%未満であった。
D:上記粘度の変化率の絶対値が10%以上であった。
[0247]
<機械特性(破断伸び)の評価>
 各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピニングしてそれぞれ塗布した。感光性樹脂組成物を塗布したシリコンウェハをホットプレート上で、100℃で5分間乾燥し、シリコンウェハ上に厚さ10μmの均一な膜を形成した。次に、シリコンウェハ上に形成された膜を、ステッパー(Nikon NSR 2005 i9C)を用いて、400mJ/cm の露光エネルギーで露光した。露光した感光性樹脂組成物層(樹脂層)を、窒素雰囲気下で、10℃/分の昇温速度で昇温し、250℃に達した後、3時間加熱した。硬化後の樹脂層を4.9質量%フッ化水素酸溶液に浸漬し、シリコンウェハから樹脂層を剥離し、樹脂膜を得た。
 樹脂膜の破断伸びは、引張り試験機(テンシロン)を用いて、クロスヘッドスピード300mm/分、試料の幅10mm、試料長50mmとして、フィルムの長手方向について、25℃、65%相対湿度(RH)の環境下にて、JIS-K6251に準拠して測定した。評価は長手方向の破断伸びを各5回ずつ測定し、長手方向の破断伸びの平均値を用い、下記評価基準に従い評価した。
〔評価基準〕
A:上記長手方向の破断伸びの平均値が65%以上であった。
B:上記長手方向の破断伸びの平均値が65%未満であった。
[0248]
<耐薬品性の評価>
 直径4インチのシリコンウエハに、各実施例及び比較例に記載の組成物をそれぞれ1,000rpmでスピンコートし、ホットプレート上で、100℃で2分間加熱し、成膜した。成膜された感光膜を、ステッパー(Nikon NSR 2005 i9C)を用いて全面露光した。露光はi線を用いて行い、露光量は、波長365nmにおける露光量が、上述の解像性の評価における評価結果が「A」となる露光エネルギーのうち、最小の露光量となるようにした。
その後、上記全面露光後のウエハを窒素気流下のホットプレート上で、240℃、15分の加熱を行い硬化させた。
 硬化後、得られたウエハをN-メチル-2-ピロリドンに3時間浸漬し、イソプロピルアルコールで洗浄した後、風乾させた。得られたウエハの硬化膜におけるクラックの有無を目視にて観察した。耐薬品性について下記評価基準に従い評価した。
〔評価基準〕
A:ウエハ全面においてクラックが認められなかった
B:ウエハの少なくとも一部にクラックが認められた。
[0249]
[表5]


[0250]
 実施例及び比較例の結果から、亜硫酸エステル構造を有する化合物を含む実施例1~25の感光性樹脂組成物は、比較例1の感光性樹脂組成物と比較して、露光ラチチュードに優れることがわかる。
 また、本実施例における感光性樹脂組成物の保存安定性、得られる硬化膜の機械特性、及び、得られる硬化膜の耐薬品性についても優れていた。
[0251]
(実施例26)
 実施例1と同様の感光性樹脂組成物及びシリコンウェハを用い、実施例1と同様の方法により、シリコンウェハ上に10μmの膜厚の感光膜を形成した。
 上記感光膜に対し、Nd:YAGレーザー(波長355nm)を用いて、200、300、400、500、600、700、800mJ/cm の各露光エネルギーで、5μmから25μmまで1μm刻みのラインアンドスペースのパターンを、マスクを介さずにダイレクト露光により形成し、上述の解像性(露光ラチチュード)の評価と同様の評価を行った。
 また、実施例1と同様の方法により、保存安定性、機械特性(破断伸び)、及び、耐薬品性の評価を行った。ただし、機械特性(破断伸び)の評価においては、ステッパー(Nikon NSR 2005 i9C)をNd:YAGレーザー(波長355nm)に変更して行った。
 実施例26における解像性(露光ラチチュード)、保存安定性、機械特性(破断伸び)、及び、耐薬品性の評価結果はそれぞれ、実施例1における評価結果と同様であった。
[0252]
(実施例100~125)
 実施例1~25の感光性樹脂組成物を実施例1における方法と同様にそれぞれ加圧ろ過した後、シリコンウェハ上にスピンコート法によりそれぞれ塗布した。上記感光性樹脂組成物が塗布されたシリコンウェハをホットプレート上で、100℃で5分間乾燥し、シリコンウェハ上に10μmの厚さの均一な感光膜を形成した。
 上記シリコンウェハ上の感光膜を、ステッパー(Nikon社製 NSR 2005 i9C[商品名])を用いて、各感光性樹脂組成物における上述の解像性(露光ラチチュード)の評価結果が「A」である露光エネルギーのうち、最小の露光エネルギーで露光した。露光マスクとしては、直径20μmのホールパターンが形成されるマスクを用いた。露光した感光膜(樹脂層)を、シクロペンタノンで60秒間シャワー現像して、直径20μmのホールを形成した。次いで、窒素雰囲気下で、10℃/分の昇温速度で昇温し、200℃に達した後、3時間加熱した。室温まで冷却後、上記ホール部分を覆うように、硬化後の感光膜(硬化膜)の表面の一部に、蒸着法により厚さ2μmの銅薄層(金属層)を形成した。更に、金属層および硬化膜の表面に、再度、同じ種類の感光性樹脂組成物を用いて、上記と同様に感光性樹脂組成物のろ過から、パターン化(ホールを形成)した膜の3時間加熱までの手順を再度実施して、硬化膜/金属層/硬化膜の三層構造を含む積層体を作製した。
 この積層体からなる再配線層用層間絶縁膜は、絶縁性に優れていた。
 また、この再配線層用層間絶縁膜を使用して半導体デバイスを製造したところ、問題なく動作することを確認した。

請求の範囲

[請求項1]
 ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種の前駆体、
 亜硫酸エステル構造を有する化合物、及び、
 光ラジカル重合開始剤を含み、
 下記条件1~条件3の少なくとも1つを満たす感光性樹脂組成物;
 条件1:前記前駆体がラジカル重合性基を含む;
 条件2:前記亜硫酸エステル構造を有する化合物がラジカル重合性基を含む;
 条件3:前記感光性樹脂組成物が、前記前駆体、及び、前記亜硫酸エステル構造を有する化合物以外のラジカル重合性基を含む化合物を更に含む。
[請求項2]
 前記亜硫酸エステル構造を有する化合物がラジカル重合性基を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項3]
 前記亜硫酸エステル構造を有する化合物が2つ以上のラジカル重合性基を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項4]
 第4族元素含有化合物を更に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項5]
 前記第4族元素含有化合物が前記光ラジカル重合開始剤である、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項6]
 前記第4族元素含有化合物がメタロセン及びメタロセン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4又は5に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項7]
 オニウム塩を更に含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項8]
 前記オニウム塩として、180℃の加熱により分解を受けない化合物を含む、請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項9]
 前記オニウム塩におけるカチオンが、テトラアルキルアンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンよりなる群から選択される少なくとも1種のカチオンを含む、請求項7又は8に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項10]
前記オニウム塩がカチオンとしてアンモニウムカチオンを含み、前記オニウム塩がアニオンとして共役酸のpKaが1.8以下であるアニオンを含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項11]
 前記ポリイミド前駆体が、下記式(2)で表される繰り返し単位を含む、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物;
[化1]


 式(2)中、A 及びA はそれぞれ独立に、酸素原子又は-NH-を表し、R 111は、2価の有機基を表し、R 115は、4価の有機基を表し、R 113及びR 114は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
[請求項12]
 前記式(2)中、R 113及びR 114の少なくとも一方が、ラジカル重合性基を含む、請求項11に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項13]
 請求項1~12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物により形成された感光膜を露光する露光工程、及び、
 前記露光後の前記感光膜を現像してパターンを得る現像工程を含む、
 パターン形成方法。
[請求項14]
 前記感光膜を露光する露光波長が450nm以下である、請求項13に記載のパターン形成方法。
[請求項15]
 120~200℃で前記パターンを加熱することにより硬化パターンを得る硬化工程を前記現像工程の後に含む、請求項13又は14のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[請求項16]
 前記硬化工程における前記加熱が開始してから終了するまでの時間が15分以内である、請求項15に記載のパターン形成方法。
[請求項17]
 前記感光性樹脂組成物が、オニウム塩として、前記硬化工程における加熱により分解を受けない化合物を含む、請求項15又は16に記載のパターン形成方法。
[請求項18]
 請求項1~12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から形成される硬化膜。
[請求項19]
 再配線層用層間絶縁膜として用いられる、請求項18に記載の硬化膜。
[請求項20]
 請求項18又は19に記載の硬化膜を、2層以上含む積層体。
[請求項21]
 前記硬化膜の間に、金属層を更に含む、請求項20に記載の積層体。
[請求項22]
 請求項18若しくは19に記載の硬化膜、又は、請求項20若しくは21に記載の積層体を含むデバイス。