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1. WO2020116142 - リフトアーム昇降機構

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明 細 書

発明の名称 リフトアーム昇降機構

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

図面の簡単な説明

0029  

発明を実施するための形態

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138  

産業上の利用可能性

0139  

符号の説明

0140  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

発明の名称 : リフトアーム昇降機構

技術分野

[0001]
 本発明は、リフトアーム昇降機構の技術に関する。

背景技術

[0002]
 従来、トラクタ等の作業車に設けられるリフトアーム昇降機構の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
[0003]
 特許文献1には、圃場を耕すためのロータリを昇降させるロータリ昇降用油圧シリンダ構造を備えたトラクタが記載されている。上記油圧シリンダ構造は、油路を介してオイルタンクに接続された油圧シリンダと、上記油圧シリンダの内部に摺動自在に配置され、油圧室を形成するピストンヘッドが設けられている。上記油圧シリンダ構造は、ピストンヘッドの摺動に連動して上下に回動自在に設けられたリフトアームを介してロータリを昇降させる構成とされている。
[0004]
 上記特許文献1に記載されているような油圧シリンダ構造は、上記油路を介して上記油圧室に供給されたオイルの油圧によって、ピストンヘッドを摺動させることでリフトアームを上方に回動させる構成とされている。また、上記油圧シリンダ構造は、油圧室内のオイルを上記油路を介して排出することで、リフトアームを下方に回動させる構成とされている。
[0005]
 このような油圧シリンダ構造では、リフトアームを上方に回動させた姿勢を保持する際に、上記油路を介した油圧室内のオイルの排出が規制される。上述のように油圧室内のオイルの排出を規制した状態では、油圧室の内部のオイルの温度が上昇することで、オイルの体積が増大することによって油圧が上昇することが考えられる。このような場合、上記油圧シリンダ構造では、油圧室の内部の油圧の過度な上昇を抑制することができず、更なる改善が望まれる。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開昭59-194110号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、油圧室の内部の油圧の過度な上昇を抑制することができるリフトアーム昇降機構を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
[0009]
 即ち、本発明のリフトアーム昇降機構は、内部にオイルが供給されるシリンダ部が設けられたシリンダケースと、前記シリンダ部の内部に摺動可能に配置されて油圧室を形成し、一方面において前記油圧室の油圧を受けるピストンと、前記ピストンに設けられ、前記油圧室の油圧が所定値以上となれば、当該油圧室の内部のオイルを外部に排出する安全弁と、前記シリンダケースに支持され、前記ピストンと連動して回動可能なリフトアームと、を具備し、前記ピストンは、当該ピストンの他方面と前記一方面とを連通する油路を具備し、前記油路は、前記一方面側において開口するように設けられ、前記安全弁を収容可能な収容部と、前記収容部よりも前記他方面側に設けられ、前記安全弁を収容不能な非収容部と、を具備するものである。
[0010]
 また、前記安全弁は、前記収容部の内部に固定され、前記オイルが流通可能な貫通孔を有する弁座部と、前記収容部の内部を移動可能に配置され、前記他方面側から前記弁座部に当接することで当該貫通孔を閉塞可能な弁体部と、前記弁体部を、前記一方面側に付勢する付勢部と、を具備するものである。
[0011]
 また、前記収容部は、前記弁座部を収容する弁座収容部と、前記弁座収容部に連続するように、かつ、前記弁座収容部よりも縮径した形状に形成され、前記弁体部を収容する弁体収容部と、を具備するものである。
[0012]
 また、前記貫通孔は、前記弁座部の前記他方面側の端部に設けられ、当該他方面側に向かうに従い拡径する円錐台形状とされた弁体受け部を有し、前記弁体部は、前記弁体受け部を閉塞可能な球体状とされた球体部と、前記付勢部に係合すると共に前記球体部を保持する保持部と、を具備するものである。
[0013]
 また、前記貫通孔は、前記弁座部の前記他方面側の端部に設けられ、当該他方面側に向かうに従い拡径する円錐台形状とされた弁体受け部を有し、前記弁体部は、前記付勢部に係合する係合部と、前記係合部に一体的に設けられ、前記弁体受け部を閉塞可能なように前記一方面側に向かうに従い縮径する円錐状とされた突部と、を具備するものである。
[0014]
 また、前記弁体部は、前記収容部の内面に対向する側面を具備し、前記側面には、移動方向の全体に亘って溝部が設けられているものである。
[0015]
 また、前記ピストンの摺動を前記リフトアームに伝達するピストンロッドを更に具備し、前記ピストンは、前記他方面に開口するように設けられ、前記ピストンロッドを受け入れるロッド保持部を有し、前記ロッド保持部は、当該ロッド保持部の開口縁部に連続し、前記一方面側に向かうに従い縮径するように延びる円錐台形状の円錐台部と、前記円錐台部に連続し、前記ピストンの軸線方向に沿って延びる円柱形状の円柱部と、前記円柱部に連続し、当該ロッド保持部の底を構成する底部と、を具備するものである。
[0016]
 また、前記円柱部と前記収容部とは、前記軸線方向において少なくとも一部が重複するように並列して設けられるものである。
[0017]
 また、前記ピストンは、前記一方面に開口するように設けられた凹部を有し、前記収容部は、前記凹部の外側に設けられているものである。
[0018]
 また、前記ピストンは、前記一方面に開口するように設けられた凹部と、前記凹部の底から突出するように設けられた増肉部と、を有し、前記収容部は、前記増肉部に設けられているものである。

発明の効果

[0019]
 本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
[0020]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、油圧室の内部の油圧の過度な上昇を抑制することができる。
[0021]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、安全弁の構成を簡略化することができる。
[0022]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、弁体部が圧力を受けた際の当該弁体部の安定化を図ることができる。
[0023]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、安全弁を比較的簡易な構成とすることができる。
[0024]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、安全弁の部品点数を削減することができる。
[0025]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、オイルの排出のための流路を確保することができる。
[0026]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、ロッド保持部を、ピストンロッドを好適に受け入れ可能な構成とすることができる。
[0027]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、ピストンにおける収容部とロッド保持部との間に一定の肉厚を確保し易い構成とすることができる。
[0028]
 本発明のリフトアーム昇降機構においては、凹部において安全弁が露出することを抑制することができる。これにより、ピストンに対して安全弁を保持させ易い構成とすることができる。

図面の簡単な説明

[0029]
[図1] 本発明の第一実施形態に係るリフトアーム昇降機構を備えるトラクタの全体的な構成を示した側面図。
[図2] リフトアームを下降位置とした状態のリフトアーム昇降機構を示した断面図。
[図3] リフトアームを上昇位置とした状態のリフトアーム昇降機構を示した断面図。
[図4] ピストンの前面側を示した斜視図。
[図5] ピストンの後面側を示した斜視図。
[図6] ピストンを示した断面図。
[図7] 油圧室の内部の油圧が所定値未満の状態の安全弁を示した拡大断面図。
[図8] 油圧室の内部の油圧が所定値以上の状態の安全弁を示した拡大断面図。
[図9] 本発明の第二実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、油圧室の内部の油圧が所定値未満の状態の安全弁を示した拡大断面図。
[図10] 本発明の第二実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、油圧室の内部の油圧が所定値以上の状態の安全弁を示した拡大断面図。
[図11] (a)本発明の第三実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、油圧室の内部の油圧が所定値以上の状態の安全弁を示した拡大断面図、(b)本発明の第三実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、油圧室の内部の油圧が所定値以上の状態の安全弁を示した拡大断面図。
[図12] 第三実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、弁体部を示した正面図。
[図13] 本発明の第四実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、ピストンの前面側を示した斜視図。
[図14] 本発明の第四実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、油圧室の内部の油圧が所定値未満の状態の安全弁を示した拡大断面図。
[図15] 本発明の第五実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、ピストンを示した断面図。
[図16] 本発明の第五実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、ピストンを示した正面図。
[図17] 本発明の第五実施形態に係るリフトアーム昇降機構において、ピストンの前面側を示した斜視図。

発明を実施するための形態

[0030]
 まず、図1を用いて、本発明の第一実施形態に係るリフトアーム昇降機構10が設けられるトラクタ1の全体構成について説明する。
[0031]
 トラクタ1は、主として機体フレーム2、前輪3、後輪4、エンジン5、ボンネット6、ミッションケース7、キャビン8、リフトアーム昇降機構10、リンク機構45及びロータリ耕耘装置50を具備する。
[0032]
 機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて配置される。機体フレーム2の前部はフロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪3に支持される。機体フレーム2の後部にはミッションケース7が設けられている。ミッションケース7は、変速装置(不図示)等を内蔵する。ミッションケース7は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪4に支持される。
[0033]
 機体フレーム2の前部にはエンジン5が設けられる。エンジン5はボンネット6に覆われる。エンジン5の動力は、変速装置で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪3に伝達可能とされると共に、リアアクスル機構を経て後輪4に伝達可能とされる。エンジン5の動力によって前輪3及び後輪4が回転駆動され、トラクタ1は走行することができる。
[0034]
 また、エンジン5の動力は、変速装置で変速された後、PTO軸に伝達可能とされる。本実施形態において、当該PTO軸には、ロータリ耕耘装置50が連結されている。ロータリ耕耘装置50は、トラクタ1の後部に配置され、主として伝動ケース51、ロータリ軸52及び複数の爪53を具備する。伝動ケース51は、PTO軸からの動力をロータリ軸52に伝達することで、ロータリ軸52を回転させる。これにより、ロータリ耕耘装置50は、複数の爪53を回転させて圃場等を耕すことができる。
[0035]
 ロータリ耕耘装置50は、リンク機構45を介して後述するリフトアーム昇降機構10に連結される。本実施形態では、リンク機構45を三点リンクを構成するものとしている。なお、リンク機構45は、三点リンクに限られず、種々の態様を採用可能である。
[0036]
 また、トラクタ1の前後中途部(エンジン5の後方)にはキャビン8が設けられる。キャビン8の内部には、作業者が搭乗する居住空間8aが形成される。居住空間8aには、前輪3の切れ角を調節するためのステアリングホイール8b、作業者が着座するための座席8c等が配置される。また、居住空間8aには、適宜の操作具が配置される。
[0037]
 次に、図2から図8までを参照して、リフトアーム昇降機構10の構成について説明する。
[0038]
 リフトアーム昇降機構10は、ロータリ耕耘装置50を昇降可能に支持するものである。リフトアーム昇降機構10は、機体フレーム2の後部に設けられる。リフトアーム昇降機構10は、シリンダケース11、ピストン14、安全弁30、ピストンロッド40、連動アーム41及びリフトアーム43を具備する。
[0039]
 図2及び図3に示すシリンダケース11は、後述するピストン14やピストンロッド40、連動アーム41を収容するものである。シリンダケース11は、ミッションケース7の上方に配置される。シリンダケース11は、下方に開口する箱状とされている。シリンダケース11の内部は、上記開口を介してミッションケース7の内部と連通する。シリンダケース11は、シリンダ部12及びオイル供給油路13を具備する。
[0040]
 シリンダ部12は、内部にオイル(作動油)が供給される部分である。シリンダ部12は、シリンダケース11の前側部位を構成する。シリンダ部12は、有底円筒形状とされている。シリンダ部12は、底部と側部とを有する。シリンダ部12は、底面が斜め後下方を向くように(傾斜するように)配置されている。
[0041]
 オイル供給油路13は、オイルが流通する油路である。オイル供給油路13は、一端がシリンダ部12の底部を貫通して、当該シリンダ部12の内部と連通する。また、オイル供給油路13は、他端が所定の油路を介してミッションケース7と連通する。上記油路には、所定のオイルポンプ(不図示)が設けられている。オイル供給油路13は、上記オイルポンプを介して、ミッションケース7の内部に貯溜されたオイルが供給可能とされている。また、オイル供給油路13には、オイルの流通方向を切り替える所定の切替弁(不図示)が設けられている。切替弁は、オイルポンプを介してシリンダ部12にオイルを供給可能な状態と、シリンダ部12からオイルを排出可能な状態と、オイル供給油路13を閉塞する状態と、を切り替えることができる。
[0042]
 図2から図6までに示すピストン14は、シリンダ部12の内部に摺動可能に配置されるものである。ピストン14は、シリンダ部12の内部に対応した円柱状とされる。ピストン14は、側面がシリンダ部12の内周面に対して摺動する。ピストン14は、前面(斜め前上方に向く面)がシリンダ部12の底面に対向する。ピストン14は、後面(斜め後下方に向く面)が後述するピストンロッド40に対向する。上記ピストン14の前面、シリンダ部12の底面及びシリンダ部12の内周面によって、シリンダ部12に供給されたオイルを密閉する油圧室Rが形成される。ピストン14は、凹部15、ロッド保持部16、凹溝20、Oリング21及び油路22を具備する。
[0043]
 図4及び図6に示す凹部15は、ピストン14の前面に開口し、ピストン14の軸線方向後面側(以下では、「軸線方向後面側」と称する)に向かって凹む部分である。凹部15は、軸線方向視において円形状とされている。凹部15は、ピストン14の前面の大部分に形成されている。凹部15は、全体が湾曲状に凹むと共に、中央部が底から湾曲状に突出した形状とされている。これにより、凹部15は、中央部の周囲が、当該中央部よりも深くなるように形成されている。
[0044]
 図5及び図6に示すロッド保持部16は、ピストン14の後面において開口し、ピストン14の軸線方向前面側(以下では、「軸線方向前面側」と称する)に向かって凹む部分である。ロッド保持部16は、軸線方向視において円形状とされている。ロッド保持部16は、ピストン14の後面の大部分に形成されている。ロッド保持部16は、円錐台部17、円柱部18及び底部19を具備する。
[0045]
 円錐台部17は、ロッド保持部16の開口縁部に連続する部分である。円錐台部17は、軸線方向前面側に向かうに従い縮径するように延びる円錐台形状とされている。すなわち、円錐台部17は、内周面が、軸線方向前面側に向かうに従い縮径する傾斜面状(テーパ面状)とされている。図例では、断面視における円錐台部17の側面の軸線に対する傾斜角度を、略45度とした例を示している。また、図例では、円錐台部17の開口縁部側の部分の側面の傾斜角度を、他の部分よりも小さく(鋭角状と)している。円錐台部17と開口縁部との接続部分は湾曲面状とされている。
[0046]
 円柱部18は、円錐台部17と後述する底部19とを接続する部分である。円柱部18は、円錐台部17の軸線方向前面側において、当該円錐台部17に連続する。円柱部18は、軸線方向に沿って延びる略円柱形状とされている。円柱部18と円錐台部17との接続部分は湾曲面状とされている。
[0047]
 底部19は、ロッド保持部16の底を構成する部分である。底部19は、円柱部18の軸線方向前面側において当該円柱部18に連続する。底部19は、内面が湾曲面状とされている。底部19と円柱部18との接続部分は、円柱部18に対して縮径する段差状とされている。
[0048]
 図2から図6までに示す凹溝20は、ピストン14の側面に設けられた溝である。凹溝20は、ピストン14の側面の軸線方向中央に、全周に亘って設けられる。凹溝20は、断面視矩形状とされている。
[0049]
 図2及び図3に示すOリング21は、油圧室R内のオイルをシールする環状の部材である。Oリング21は、凹溝20内に嵌装され、凹溝20の底面とシリンダ部12の内周面とに当接する。
[0050]
 図6から図8までに示す油路22は、ピストン14の前面と後面とを連通するものである。油路22は、軸線方向にピストン14を貫通する。油路22は、ピストン14の径方向外側部分に設けられる。また、油路22は、少なくとも一部が、軸線方向視において凹部15及びロッド保持部16と重なり合うように設けられる。油路22は、軸線方向視において円形状とされている。油路22は、収容部23及び非収容部26を具備する。
[0051]
 図7及び図8に示す収容部23は、後述する安全弁30を収容可能とされた部分である。収容部23は、油路22の軸線方向前面側の部分を構成する。収容部23は、弁座収容部24及び弁体収容部25を具備する。
[0052]
 弁座収容部24は、後述する安全弁30の弁座部31を収容する部分である。弁座収容部24は、拡径部24a及び縮径部24bを具備する。拡径部24aは、弁座収容部24における軸線方向前面側の部分である。拡径部24aは、凹部15と連通するようにピストン14の前面に開口する。縮径部24bは、弁座収容部24における軸線方向後面側の部分である。縮径部24bは、拡径部24aに対して縮径した形状とされている。縮径部24bの内面には、雌ねじ部が形成されている。
[0053]
 弁体収容部25は、後述する安全弁30の弁体部33及び付勢部38を収容する部分である。弁体収容部25は、弁座収容部24の縮径部24bの軸線方向後面側において、当該縮径部24bに連続する。弁体収容部25は、縮径部24bよりも縮径した形状とされている。
[0054]
 非収容部26は、後述する安全弁30を収容不能とされた部分である。非収容部26は、縮径部26a及び拡径部26bを具備する。縮径部26aは、非収容部26における軸線方向前面側の部分である。縮径部26aは、弁体収容部25の軸線方向後面側において、当該弁体収容部25に連続する。縮径部26aは、弁体収容部25よりも縮径した形状とされている。拡径部26bは、非収容部26における軸線方向後面側の部分である。拡径部26bは、縮径部26aに対して拡径した形状とされている。拡径部26bは、ロッド保持部16の円錐台部17に開口する。
[0055]
 図6に示すように、上述した収容部23と、ロッド保持部16の円柱部18とは、ピストン14の軸線方向において少なくとも一部が重複するように並列して設けられている。本実施形態では、弁体収容部25の軸線方向後面側の部分と、円柱部18の略全体と、が軸線方向において重複するように並列して設けられている。これにより、上記弁体収容部25の軸線方向後面側の部分と、円柱部18の略全体と、の間には、一定の肉厚が確保される。
[0056]
 図6から図8までに示す安全弁30は、油路22の開放又は閉塞の切り替えが可能なものである。安全弁30は、油圧室Rの油圧が所定値以上となれば、油路22を開放する。安全弁30は、収容部23に収容される。安全弁30は、弁座部31、弁体部33及び付勢部38を具備する。
[0057]
 図7及び図8に示す弁座部31は、弁座収容部24に固定される部材である。弁座部31は、鍔部31a、本体部31b及び貫通孔32を具備する。鍔部31aは、弁座部31における軸線方向前面側の部分である。鍔部31aは、弁座収容部24の拡径部24aに収容される。鍔部31aは、弁座収容部24の拡径部24aに応じた円柱状とされている。鍔部31aが、拡径部24aの底面(前面)に当接することで、弁座部31の軸線方向後面側への移動が規制される。
[0058]
 本体部31bは、弁座部31における軸線方向後面側の部分である。本体部31bは、弁座収容部24の縮径部24bに収容される。本体部31bは、鍔部31aに対して縮径した形状とされている。本体部31bは、弁座収容部24の縮径部24bに応じた円柱状とされている。本体部31bは、弁座収容部24の縮径部24bに応じた円柱状とされている。本体部31bの側面には、弁座収容部24の縮径部24bの雌ねじ部に対応する雄ねじ部が形成されている。本体部31bを、縮径部24bに対して締結することで、弁座部31が弁座収容部24に対して固定される。
[0059]
 貫通孔32は、弁座部31を軸線方向に貫通する孔である。貫通孔32は、オイルが流通可能な油路を構成する。貫通孔32は、軸線方向視において円形状とされている。貫通孔32は、鍔部31aに形成された部分が、本体部31bに形成された部分よりも拡径した形状とされている。貫通孔32は、弁体受け部32aを具備する。
[0060]
 弁体受け部32aは、後述する弁体部33を受ける部分である。弁体受け部32aは、貫通孔32の軸線方向後面側の端部を構成し、本体部31bの後面に開口する。弁体受け部32aは、軸線方向後面側に向かうに従い拡径する円錐台形状とされている。すなわち、弁体受け部32aは、内周面が、軸線方向後面側に向かうに従い拡径する傾斜面状(テーパ面状)とされている。図例では、ピストン14の軸線に対する、弁体受け部32aの内周面の傾斜角度を、略60度とした例を示している。
[0061]
 弁体部33は、弁体受け部32aを閉塞可能なものである。弁体部33は、弁体収容部25の内部を摺動可能に配置される。弁体部33は、球体部34及び保持部35を具備する。
[0062]
 球体部34は、球体状とされた部材である。球体部34は、汎用の鋼球(ボール)を採用可能である。球体部34の外径寸法は、弁体収容部25の内径寸法と略同じ大きさとなるように(弁体収容部25の内径寸法よりもやや小さく)形成されている。球体部34は、弁体受け部32aの傾斜面に対して当接することで、弁体受け部32aを閉塞することができる。
[0063]
 保持部35は、球体部34を保持するものである。保持部35は、球体部34よりも軸線方向後面側に配置される。保持部35は、本体部36及び係合部37を具備する。
[0064]
 本体部36は、保持部35における軸線方向前面側の部分である。本体部36は、円柱状とされている。本体部36の外径寸法は、弁体収容部25の内径寸法と略同じ大きさとなるように(弁体収容部25の内径寸法よりもやや小さく)形成されている。本体部36は、凹部36aを具備する。
[0065]
 凹部36aは、本体部36の前面に開口し、軸線方向後面側に凹む部分である。凹部36aは、軸線方向前面側に向かうに従い拡径する円錐形状とされている。すなわち、凹部36aは、内周面が、軸線方向前面側に向かうに従い拡径する傾斜面状(テーパ面状)とされている。図例では、ピストン14の軸線に対する、凹部36aの内周面の傾斜角度を、略60度とした例を示している。凹部36aの傾斜面に対して球体部34が当接することで、球体部34は径方向への移動が抑制されるように保持される。
[0066]
 係合部37は、保持部35における軸線方向後面側の部分である。係合部37は、後述する付勢部38に対して係合する。係合部37は、本体部36の後面から軸線方向後面側に向けて突出するように形成されている。
[0067]
 付勢部38は、弁体部33を軸線方向前面側に付勢するものである。付勢部38は、弁体収容部25の内部において、弁体部33よりも軸線方向後面側に配置される。付勢部38は、軸線方向に伸縮可能なコイルスプリングとされている。付勢部38の外径寸法は、弁体収容部25の内径寸法と略同じ大きさとなるように(弁体収容部25の内径寸法よりもやや小さく)形成されている。付勢部38は、軸線方向前面側の端部が保持部35の係合部37に嵌装される。また、付勢部38は、軸線方向後面側の端部が、弁体収容部25の底面(前方に向く面)と当接する。
[0068]
 図7に示すように、付勢部38が伸長した状態では、保持部35を介して付勢された球体部34が弁体受け部32aを閉鎖する。付勢部38は、球体部34及び保持部35を介して、油圧室R内の油圧を受けることで収縮可能とされている。付勢部38は、油圧室R内の油圧が所定値以上となれば収縮するように付勢力が設定されている。
[0069]
 図8では、油圧室R内の油圧が、所定値以上である場合を示している。この状態では、貫通孔32を介して弁体部33(球体部34)に掛かる油圧が、付勢部38による付勢力よりも大きくなる。これにより、付勢部38の付勢力に抗して弁体部33が軸線方向後面側に移動することで、弁体受け部32aが開放される。
[0070]
 図2及び図3に示すピストンロッド40は、ピストン14の摺動を後述するリフトアーム43に伝達するものである。ピストンロッド40は、前後方向に長尺な円柱形状とされている。ピストンロッド40は、先端部(前端部)がピストン14のロッド保持部16に受け入れられる。ピストンロッド40は、前端面が湾曲面状とされ、当該前端面がロッド保持部16の底部19に当接する。ピストンロッド40は、基端部(後端部)が、後述する連動アーム41に対して回動可能に連結される。
[0071]
 本実施形態においては、上述したようにロッド保持部16に円錐台部17を設けたことで、ピストンロッド40の先端部を底部19側にガイドし易い構成とすることができる。また、ロッド保持部16に円柱部18を設けたことで、ロッド保持部16の深さ寸法を確保することができ、ピストンロッド40の先端部を保持し易い構成とすることができる。
[0072]
 連動アーム41は、ピストンロッド40と後述するリフトアーム43とを接続するものである。連動アーム41は、先端部(前端部)に、軸線方向を左右方向に向けて配置される第一回動軸42が設けられている。連動アーム41は、第一回動軸42を介してピストンロッド40の基端部と回動可能に連結される。また、連動アーム41は、基端部(後端部)が、後述するリフトアーム43と一体的に回動可能に連結される。
[0073]
 リフトアーム43は、シリンダケース11に対して回動自在に支持されるものである。リフトアーム43は、先端部(後端部)が後方に突出するように設けられる。リフトアーム43は、基端部(前端部)に、軸線方向を左右方向に向けて配置される第二回動軸44が設けられている。リフトアーム43は、第二回動軸44を介してシリンダケース11に対して上下に回動自在に支持される。また、リフトアーム43は、第二回動軸44を介して連動アーム41の基端部と回動不能に固定される。リフトアーム43は、第二回動軸44を中心に回動することで、図2に示す最も上昇させた位置(以下では「上昇位置」と称する)と、図3に示す最も下降させた位置(以下では「下降位置」と称する)と、の間の所定位置に変位自在とされている。
[0074]
 リフトアーム43の先端部には、図1に示すリンク機構45が回動自在に連結される。リフトアーム43が上昇すれば、リンク機構45は、ロータリ耕耘装置50を上昇させる。また、リフトアーム43が下降すれば、リンク機構45は、ロータリ耕耘装置50を下降させる。
[0075]
 以下では、上述のように構成されたリフトアーム昇降機構10におけるリフトアーム43の回動動作について説明する。
[0076]
 まず、リフトアーム昇降機構10に掛かる力について説明する。リフトアーム43の自重及び当該リフトアーム43に連結されたロータリ耕耘装置50の重量(以下では、「リフトアーム43の自重等」と称する)により、リフトアーム43には、第二回動軸44を中心に側面視時計回りに回動する力(側面視時計回りの力のモーメント)が掛かる。上記力は、連動アーム41及びピストンロッド40を介して、ピストン14を軸線方向前面側に押圧する。
[0077]
 図2に示すように、リフトアーム43が下降位置とされた状態では、上述のように軸線方向前面側に押圧されたピストン14の前面は、シリンダ部12の底面に当接する。
[0078]
 以下では、リフトアーム43を上昇させる回動動作の一例として、図2に示す下降位置とされたリフトアーム43を、図3に示す上昇位置とする回動動作について説明する。
[0079]
 まず、オイル供給油路13に設けられた切替弁を、シリンダ部12にオイルを供給可能な状態に切り替える。これにより、オイルポンプを介して、ミッションケース7からのオイルがシリンダ部12の内部の油圧室Rに供給される。
[0080]
 油圧室Rに供給されたオイルは、まず、シリンダ部12の底面とピストン14の凹部15とによって区画された空間に流入する。この状態で、更にオイルが供給されることで、オイルの油圧によりピストン14の凹部15が押圧される。これにより、ピストン14は、上記リフトアーム43の自重等による力に抗して、シリンダ部12の内部を軸線方向後面側へ摺動する。
[0081]
 上記ピストン14の摺動に伴い、ピストンロッド40が軸線方向後面側に押圧される。これにより、連動アーム41が、第二回動軸44を中心に側面視反時計回りに回動する。これに伴い、連動アーム41に回動不能に固定されたリフトアーム43が、側面視反時計回りに回動する。リフトアーム43が所定位置まで側面視反時計回りに回動することで、図3に示す上昇位置となる。
[0082]
 リフトアーム43を上昇位置とした状態では、切替弁をオイル供給油路13を閉塞する状態に切り替える。これにより、リフトアーム43を上昇位置とし、ロータリ耕耘装置50を上昇させた状態を保持することができる。
[0083]
 次に、リフトアーム43を下降させる回動動作の一例として、図3に示す上昇位置とされたリフトアーム43を、図2に示す下降位置とする回動動作について説明する。
[0084]
 まず、切替弁を、シリンダ部12からオイルを排出可能な状態に切り替える。この状態では、油圧室R内のオイルがオイル供給油路13を介して排出されると共に、上記リフトアーム43の自重等による力によりピストンロッド40に押圧され、ピストン14が軸線方向前面側へ摺動する。これにより、リフトアーム43が、側面視時計回りに回動する。リフトアーム43が所定位置まで回動することで、図2に示す下降位置となる。
[0085]
 リフトアーム43を下降位置とした状態では、切替弁をオイル供給油路13を閉塞する状態に切り替える。これにより、リフトアーム43を下降位置とし、ロータリ耕耘装置50を下降させた状態を保持することができる。
[0086]
 また、以下では、リフトアーム43を上昇位置とした状態での安全弁30の動作について説明する。
[0087]
 図7では、油圧室R内の油圧が、所定値未満である場合を示している。この状態では、貫通孔32を介して弁体部33(球体部34及び保持部35)に掛かる油圧よりも付勢部38による付勢力が大きい。これにより、付勢部38によって付勢された弁体部33(球体部34)が弁体受け部32aを閉鎖する。
[0088]
 図8では、油圧室R内の油圧が、所定値以上である場合を示している。この状態では、貫通孔32を介して弁体部33(球体部34)に掛かる油圧が、付勢部38による付勢力よりも大きくなる。これにより、付勢部38の付勢力に抗して、油圧室R内の油圧により弁体部33が軸線方向後面側に移動することで、弁体受け部32aが開放される。
[0089]
 上記弁体受け部32aが開放されたことで、油圧室Rの内部のオイルが油路22を流通可能とされる。すなわち、弁体受け部32aが開放されることで、貫通孔32を流通するオイルが収容部23の弁体収容部25に供給される。弁体収容部25に供給されたオイルは、図8に示すように、弁体収容部25の内面と、球体部34及び保持部35の本体部36の側面と、の間の隙間を通過し、軸線方向後面側へ流通する。これにより、油圧室Rの内部のオイルを、ピストン14の後面において排出することができる。
[0090]
 上述のような安全弁30を設けたことで、油圧室Rの内部の油圧の過度な上昇を抑制することができる。すなわち、油圧室Rの内部の油圧は、所定の条件下において過度に上昇するようなことが考えられる。具体的には、上昇させた状態のロータリ耕耘装置50に対して負荷が掛かることで、上昇位置としたリフトアーム43を側面視時計回りに回動させる力が掛かり、ピストン14が軸線方向前面側に押圧されることで、油圧室Rの内部の油圧が過度に上昇することが考えられる。また、油圧室Rの内部のオイルの温度が上昇することで、オイルの体積が増大することによって油圧が過度に上昇するようなことが考えられる。本発明においては、上述のような安全弁30を設けたことで、油圧室Rの内部の油圧が所定値以上となれば、油圧室Rの内部の油圧を減圧することで、油圧の過度な上昇を抑制することができる。
[0091]
 また、安全弁30を、ピストン14に収容させる構成としているので、安全弁30をシリンダケース11に設ける場合とは異なり、シリンダケース11が大型化することを抑制することができる。
[0092]
 また、安全弁30は、油圧室Rの油圧を受けることにより軸線方向後面側へ押し付けられるが、収容部23の軸線方向後面側に非収容部26が設けられているので、当該安全弁30の非収容部26よりも軸線方向後面への移動は規制される。これにより、油圧により押圧された安全弁30がピストン14に対して軸線方向後面から外れることを防止することができる。
[0093]
 また、本実施形態では、ピストン14の後面において排出されたオイルは、シリンダケース11の下方の開口を介して、ミッションケース7の内部に供給される。これにより、排出したオイルをミッションケース7に戻すための油路を設ける必要がなく、構成の簡略化を図ることができる。
[0094]
 また、本実施形態では、弁体収容部25を弁座収容部24よりも縮径した形状とし、当該弁体収容部25に弁体部33及び付勢部38を収容したことで、弁体部33及び付勢部38が圧力を受けた際の当該弁体部33及び付勢部38の安定化(ぶれの抑制)を図ることができる。これにより、安全弁30が所定の圧力で作動しなかったり、安全弁30の作動圧力のばらつきが生じるのを抑制することができる。
[0095]
 以上の如く、本実施形態に係るリフトアーム昇降機構10は、
 内部にオイルが供給されるシリンダ部12が設けられたシリンダケース11と、
 前記シリンダ部12の内部に摺動可能に配置されて油圧室Rを形成し、前面(一方面)において前記油圧室Rの油圧を受けるピストン14と、
 前記ピストン14に設けられ、前記油圧室Rの油圧が所定値以上となれば、当該油圧室Rの内部のオイルを外部に排出する安全弁30と、
 前記シリンダケース11に支持され、前記ピストン14と連動して回動可能なリフトアーム43と、
 を具備し、
 前記ピストン14は、当該ピストン14の後面(他方面)と前面とを連通する油路22を具備し、
 前記油路22は、
 軸線方向前面側(前記一方面側)において開口するように設けられ、前記安全弁30を収容可能な収容部23と、
 前記収容部23よりも軸線方向後面側(前記他方面側)に設けられ、前記安全弁30を収容不能な非収容部26と、
 を具備するものである。
[0096]
 このように構成することにより、油圧室Rの内部の油圧の過度な上昇を抑制することができる。すなわち、油圧室Rの内部の油圧が所定値以上となれば、ピストン14に設けられた安全弁30によって油圧室Rの内部のオイルを外部に排出することで、油圧室Rの内部を減圧することができる。また、安全弁30をピストン14に設ける構成としているので、安全弁30を比較的取り付け易いものとすることができる。また、油路22の一端側(軸線方向前面側)に開口するように収容部23を設け、他端側(軸線方向後面側)に非収容部26を設けているので、油圧により押圧された安全弁30がピストン14に対して軸線方向後面側から外れることを防止することができる。
[0097]
 また、前記安全弁30は、
 前記収容部23の内部に固定され、前記オイルが流通可能な貫通孔32を有する弁座部31と、
 前記収容部23の内部を移動可能に配置され、軸線方向後面側から前記弁座部31に当接することで当該貫通孔32を閉塞可能な弁体部33と、
 前記弁体部33を、軸線方向前面側に付勢する付勢部38と、
 を具備するものである。
[0098]
 このように構成することにより、安全弁30の構成を簡略化することができる。すなわち、電力を用いた制御弁と比べて、安全弁30の構成を簡略化することができる。
[0099]
 また、前記収容部23は、
 前記弁座部31を収容する弁座収容部24と、
 前記弁座収容部24に連続するように、かつ、前記弁座収容部24よりも縮径した形状に形成され、前記弁体部33を収容する弁体収容部25と、
 を具備するものである。
[0100]
 このように構成することにより、弁体部33が圧力を受けた際の当該弁体部33の安定化を図ることができる。
[0101]
 また、前記貫通孔32は、
 前記弁座部31の軸線方向後面側の端部に設けられ、当該軸線方向後面側に向かうに従い拡径する円錐台形状とされた弁体受け部32aを有し、
 前記弁体部33は、
 前記弁体受け部32aを閉塞可能な球体状とされた球体部34と、
 前記付勢部38に係合すると共に前記球体部34を保持する保持部35と、
 を具備するものである。
[0102]
 このように構成することにより、安全弁30を比較的簡易な構成とすることができる。
 すなわち、弁体受け部32aの内周面の傾斜角度(テーパ角度)に関わらず、汎用の球体部34を用いて当該弁体受け部32aを閉塞可能な構成とすることができ、安全弁30を比較的簡易な構成とすることができる。
[0103]
 また、リフトアーム昇降機構10は、前記ピストン14の摺動を前記リフトアーム43に伝達するピストンロッド40を更に具備し、
 前記ピストン14は、
 後面に開口するように設けられ、前記ピストンロッド40を受け入れるロッド保持部16を有し、
 前記ロッド保持部16は、
 当該ロッド保持部16の開口縁部に連続し、軸線方向前面側に向かうに従い縮径するように延びる円錐台形状の円錐台部17と、
 前記円錐台部17に連続し、前記ピストン14の軸線方向に沿って延びる円柱形状の円柱部18と、
 前記円柱部18に連続し、当該ロッド保持部16の底を構成する底部19と、
 を具備するものである。
[0104]
 このように構成することにより、ロッド保持部16を、ピストンロッド40を好適に受け入れ可能な構成とすることができる。すなわち、円錐台部17を設けたことで、ピストンロッド40の先端部を軸線方向前面側(底部19側)にガイドすることができる。また、円柱部18を設けたことで、ロッド保持部16の深さ寸法を確保することができ、ピストンロッド40の先端部を保持し易い構成とすることができる。
[0105]
 また、前記円柱部18と前記収容部23とは、前記軸線方向において少なくとも一部が重複するように設けられるものである。
[0106]
 このように構成することにより、ピストン14における収容部23とロッド保持部16との間に一定の肉厚を確保し易い構成とすることができる。これにより、収容部23とロッド保持部16との間において、一部に応力が集中するようなことを抑制することができる。
[0107]
 なお、本実施形態に係る一方面は、本発明に係る前面の実施の一形態である。
 また、本実施形態に係る他方面は、本発明に係る後面の実施の一形態である。
[0108]
 以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
[0109]
 例えば、図9及び図10に示す本発明の第二実施形態に係るリフトアーム昇降機構10のように、安全弁30の弁体部33Aの構成を変更してもよい。なお、第二実施形態に係るリフトアーム昇降機構10は、弁体部33Aの構成を除いて、上記第一実施形態に係るリフトアーム昇降機構10と概ね同様である。
[0110]
 弁体部33Aは、球体部34を介さず、本体部36Aによって弁体受け部32aを閉塞可能とした点で、上記第一実施形態とは異なる。本体部36Aは、上記第一実施形態と同様、後面から軸線方向後面側に向けて突出する係合部37が設けられている。本体部36Aは、突部36Aaを具備する。
[0111]
 突部36Aaは、弁体受け部32aを閉塞可能な部分である。突部36Aaは、本体部36Aの前面において、軸線方向前面側に突出するように、本体部36Aに一体的に設けられる。突部36Aaは、軸線方向前面側に向かうに従い縮径する円錐台形状とされている。すなわち、突部36Aaは、外周面が、軸線方向前面側に向かうに従い縮径する傾斜面状(テーパ面状)とされている。突部36Aaの外周面の軸線に対する傾斜角度は、弁体受け部32aの内周面の軸線に対する傾斜角度よりも小さく設定されている。これにより、図9に示すように、突部36Aaの先端部が、弁体受け部32aの内部に入り込むようにして当該弁体受け部32aを閉塞することができる。図例では、突部36Aaの外周面の軸線に対する傾斜角度を、略50度とした例を示している。
[0112]
 図10に示すように、油圧室R内の油圧が、所定値以上となった状態では、油圧室R内の油圧を突部36Aaの先端部で受けた弁体部33Aが、軸線方向後面側に移動することで、弁体受け部32aが開放される。この場合、弁体収容部25に供給されたオイルは、弁体収容部25の内面と、本体部36Aの側面と、の間の隙間を通過し、軸線方向後面側へ流通する。
[0113]
 以上のように、本発明の第二実施形態に係る前記貫通孔32は、
 前記弁座部31の軸線方向後面側の端部に設けられ、当該軸線方向後面側に向かうに従い拡径する円錐台形状とされた弁体受け部32aを有し、
 前記弁体部33は、
 前記付勢部38に係合する係合部37と、
 前記係合部37に一体的に設けられ、前記弁体受け部32aを閉塞可能なように軸線方向前面側に向かうに従い縮径する円錐状(円錐台形状)とされた突部36Aaと、
 を具備するものである。
[0114]
 このように構成することにより、安全弁30の部品点数を削減することができる。
 すなわち、弁体受け部32aを閉塞する部品と、付勢部38に係合する部品と、を別に用意する場合と比べて、部品点数を削減することができる。
[0115]
 また、安全弁30の構成としては、上記各実施形態に限られない。例えば、第三実施形態に係るリフトアーム昇降機構10のように、図11及び図12に示す弁体部33Bの構成を変更してもよい。なお、第三実施形態に係るリフトアーム昇降機構10は、弁体部33Bの構成を除いて、上記第二実施形態に係るリフトアーム昇降機構10と概ね同様である。
[0116]
 弁体部33Bは、本体部36Bの側面に溝部36Bbを設けた点で、上記第二実施形態とは異なる。なお、本体部36Bは、上記第一実施形態と同様、突部36Ba及び係合部37が設けられている。
[0117]
 溝部36Bbは、本体部36Bの側面の軸線方向(移動方向)の全体に亘って設けられた溝である。溝部36Bbは、図11及び図12に示すように、本体部36Bの上下に一対設けられている。溝部36Bbと本体部36Bの側面との接続部は、面取りが形成されている。
[0118]
 本実施形態では、本体部36Bの外径寸法を、第二実施形態に係る本体部36Aの外径寸法よりも大きくしている。これにより、弁体収容部25の内面と、本体部36Bの側面と、の間の隙間を小さくしている。上記構成としたことで、弁体部33Bの弁体収容部25に対するがたつきを抑制することができ、弁体部33Bを安定して移動させることができる。
[0119]
 図11(a)では、油圧室R内の油圧が、所定値未満の状態を示している。この状態では、突部36Baの先端部が、弁体受け部32aの内部に入り込むようにして当該弁体受け部32aを閉塞することができる。
[0120]
 図11(b)では、油圧室R内の油圧が、所定値以上となった状態を示している。この状態では、油圧室R内の油圧を突部36Baの先端部で受けた弁体部33Bが、軸線方向後面側に移動することで、弁体受け部32aが開放される。この場合、弁体収容部25の内面と、本体部36Bの側面と、の間の隙間は比較的小さくなっているが、上記側面に溝部36Bbを設けたことで、オイルの排出のための流路を確保することができる。
[0121]
 以上のように、本発明の第三実施形態に係る前記弁体部33Bは、
 前記収容部23の内面に対向する側面を具備し、
 前記側面には、移動方向の全体に亘って溝部36Bbが設けられているものである。
[0122]
 このように構成することにより、オイルの排出のための流路を確保することができる。すなわち、弁体部33Bの側面と弁体収容部25の内面との隙間が小さい場合であっても、オイルの排出のための流路を確保することができる。
[0123]
 なお、上記第二実施形態及び第三実施形態では、突部36Aa及び突部36Baを円錐台形状としたが、突部36Aa及び突部36Baは、軸線方向視において円形状であり、軸線方向前面側に向かうに従い縮径するような形状(円錐状)であればよく、上記形状に限られない。例えば、突部36Aa及び突部36Baを円錐形状としてもよい。また、突部36Aa及び突部36Baは、側面視において母線が直線状とされたものに限られず、例えば母線が曲線状とされたものでもよい
[0124]
 また、安全弁30の構成としては、上記各実施形態に限られない。例えば、第四実施形態に係るリフトアーム昇降機構10のように、図13及び図14に示すピストン14の凹部15及び弁座部31Aの構成を変更してもよい。なお、第四実施形態に係るリフトアーム昇降機構10は、凹部15及び弁座部31Aの構成を除いて、上記第一実施形態に係るリフトアーム昇降機構10と概ね同様である。
[0125]
 第四実施形態に係るピストン14は、凹部15の一部に、増肉部15aを設けた点で、上記第一実施形態とは異なる。増肉部15aは、ピストン14の前面において、軸線方向後面側に向かって凹む凹部15の一部を埋める(肉増しする)ように形成された部分である。増肉部15aは、凹部15の下端部において、当該凹部15の底から突出するように設けられる。増肉部15aは、軸線方向視において略円形状とされている。増肉部15aの前面は、ピストン14の前面において凹部15が設けられていない部分と同一平面状とされている。
[0126]
 本実施形態では、増肉部15aに収容部23を設けた構成としている。これにより、弁座部31Aは、鍔部31aの側面の全体が弁座収容部24の拡径部24aによって覆われる。
[0127]
 弁座部31Aは、鍔部31aの側面に凹溝31cが設けられている。凹溝31cは、鍔部31aの側面の全周に亘って設けられる。凹溝31cは、断面視矩形状とされている。
[0128]
 本実施形態では、凹溝31cに、Oリング39を嵌装させている。Oリング39は、オイルをシール可能な環状の部材である。Oリング39は、凹溝31cの底面と弁座収容部24の拡径部24aの内周面とに当接する。これにより、弁座収容部24に対する弁座部31Aのシール性を向上させることができる。
[0129]
 以上のように、本発明の第四実施形態に係る前記ピストン14は、
 前面に開口するように設けられた凹部15と、
 前記凹部15の底から突出するように設けられた増肉部15aと、
 を有し、
 前記収容部23は、前記増肉部15aに設けられているものである。
[0130]
 このように構成することにより、凹部15において安全弁30が露出することを抑制することができる。これにより、ピストン14に対して安全弁30を保持させ易い構成とすることができる。また、収容部23を設けたことにより軽くなった部分の増肉を図ることで、ピストン14の重量バランスが崩れることを抑制することができる。
[0131]
 また、安全弁30の構成として、例えば、第五実施形態に係るリフトアーム昇降機構10のように、図15から図17に示すピストン14の凹部15Aの構成を変更してもよい。なお、第五実施形態に係るリフトアーム昇降機構10は、凹部15Aの構成を除いて、上記第一実施形態に係るリフトアーム昇降機構10と概ね同様である。
[0132]
 第五実施形態に係る凹部15Aは、第一実施形態に係る凹部15よりも小さく形成されている点で、上記第一実施形態とは異なる。具体的には、凹部15Aは、軸線方向視(図16参照)において油路22の収容部23と重なり合わないような大きさの円形状に形成されている。言い換えると、収容部23は、軸線方向視において凹部15Aの外側(径方向外側)に位置するように形成されている。これにより、凹部15Aは、収容部23と連通しないように設けられている。
[0133]
 以上のように、本発明の第四実施形態に係る前記ピストン14は、
 前面に開口するように設けられた凹部15Aを有し、
 前記収容部23は、前記凹部15Aの外側に設けられているものである。
[0134]
 このように構成することにより、凹部15において安全弁30が露出することを抑制することができる。これにより、ピストン14に対して安全弁30を保持させ易い構成とすることができる。また、第四実施形態のように増肉部15aを設けた場合と比較して、凹部15Aの加工を容易とすることができる。
[0135]
 なお、上記各実施形態では、ピストン14の前面に凹部15を設けた構成としたが、このような態様に限られない。例えば、ピストン14の前面に凹部15を設けず、当該前面を平坦面状としてもよい。この場合は、シリンダ部12の底面に、ピストン14の前面との間に適宜の空間を形成するような凹部を設けてもよい。
[0136]
 また、ピストン14のロッド保持部16の構成としては上記各実施形態の態様に限られず、種々の態様を採用可能である。すなわち、ロッド保持部16における円錐台部17、円柱部18及び底部19の配置や形状は、ピストンロッド40を好適に保持する観点や、油路22との間の肉厚を確保する観点から適宜設定可能である。
[0137]
 また、安全弁30の構成としては上記各実施形態の態様に限られず、種々の態様を採用可能である。例えば、安全弁30は、弁座部31に対して弁体部33を付勢させるような態様に限られず、電力を用いた制御弁を採用してもよい。
[0138]
 また、上記各実施形態では、リフトアーム昇降機構10が設けられる作業車として、トラクタ1を例示したが、このような態様に限られない。例えば作業車は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であってもよい。

産業上の利用可能性

[0139]
 本発明は、リフトアーム昇降機構に適用することができる。

符号の説明

[0140]
 10   リフトアーム昇降機構
 11   シリンダケース
 12   シリンダ部
 14   ピストン
 15   凹部
 16   ロッド保持部
 17   円錐台部
 18   円柱部
 19   底部
 22   油路
 23   収容部
 26   非収容部
 30   安全弁
 31   弁座部
 32   貫通孔
 32a  弁体受け部
 33   弁体部
 34   球体部
 36Aa 突部
 36Ab 凹溝
 35   保持部
 37   係合部
 38   付勢部
 40   ピストンロッド
 43   リフトアーム

請求の範囲

[請求項1]
 内部にオイルが供給されるシリンダ部が設けられたシリンダケースと、
 前記シリンダ部の内部に摺動可能に配置されて油圧室を形成し、一方面において前記油圧室の油圧を受けるピストンと、
 前記ピストンに設けられ、前記油圧室の油圧が所定値以上となれば、当該油圧室の内部のオイルを外部に排出する安全弁と、
 前記シリンダケースに支持され、前記ピストンと連動して回動可能なリフトアームと、
 を具備し、
 前記ピストンは、当該ピストンの他方面と前記一方面とを連通する油路を具備し、
 前記油路は、
 前記一方面側において開口するように設けられ、前記安全弁を収容可能な収容部と、
 前記収容部よりも前記他方面側に設けられ、前記安全弁を収容不能な非収容部と、
 を具備する、
 リフトアーム昇降機構。
[請求項2]
 前記安全弁は、
 前記収容部の内部に固定され、前記オイルが流通可能な貫通孔を有する弁座部と、
 前記収容部の内部を移動可能に配置され、前記他方面側から前記弁座部に当接することで当該貫通孔を閉塞可能な弁体部と、
 前記弁体部を、前記一方面側に付勢する付勢部と、
 を具備する、
 請求項1に記載のリフトアーム昇降機構。
[請求項3]
 前記収容部は、
 前記弁座部を収容する弁座収容部と、
 前記弁座収容部に連続するように、かつ、前記弁座収容部よりも縮径した形状に形成され、前記弁体部を収容する弁体収容部と、
 を具備する、
 請求項2に記載のリフトアーム昇降機構。
[請求項4]
 前記貫通孔は、
 前記弁座部の前記他方面側の端部に設けられ、当該他方面側に向かうに従い拡径する円錐台形状とされた弁体受け部を有し、
 前記弁体部は、
 前記弁体受け部を閉塞可能な球体状とされた球体部と、
 前記付勢部に係合すると共に前記球体部を保持する保持部と、
 を具備する、
 請求項2又は請求項3に記載のリフトアーム昇降機構。
[請求項5]
 前記貫通孔は、
 前記弁座部の前記他方面側の端部に設けられ、当該他方面側に向かうに従い拡径する円錐台形状とされた弁体受け部を有し、
 前記弁体部は、
 前記付勢部に係合する係合部と、
 前記係合部に一体的に設けられ、前記弁体受け部を閉塞可能なように前記一方面側に向かうに従い縮径する円錐状とされた突部と、
 を具備する、
 請求項2又は請求項3に記載のリフトアーム昇降機構。
[請求項6]
 前記弁体部は、
 前記収容部の内面に対向する側面を具備し、
 前記側面には、移動方向の全体に亘って溝部が設けられている、
 請求項5に記載のリフトアーム昇降機構。
[請求項7]
 前記ピストンの摺動を前記リフトアームに伝達するピストンロッドを更に具備し、
 前記ピストンは、
 前記他方面に開口するように設けられ、前記ピストンロッドを受け入れるロッド保持部を有し、
 前記ロッド保持部は、
 当該ロッド保持部の開口縁部に連続し、前記一方面側に向かうに従い縮径するように延びる円錐台形状の円錐台部と、
 前記円錐台部に連続し、前記ピストンの軸線方向に沿って延びる円柱形状の円柱部と、
 前記円柱部に連続し、当該ロッド保持部の底を構成する底部と、
 を具備する、
 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のリフトアーム昇降機構。
[請求項8]
 前記円柱部と前記収容部とは、前記軸線方向において少なくとも一部が重複するように並列して設けられる、
 請求項7に記載のリフトアーム昇降機構。
[請求項9]
 前記ピストンは、
 前記一方面に開口するように設けられた凹部を有し、
 前記収容部は、前記凹部の外側に設けられている、
 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のリフトアーム昇降機構。
[請求項10]
 前記ピストンは、
 前記一方面に開口するように設けられた凹部と、
 前記凹部の底から突出するように設けられた増肉部と、
 を有し、
 前記収容部は、前記増肉部に設けられている、
 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のリフトアーム昇降機構。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]