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1. WO2020116121 - 車両用コミュニケーションシステム

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明 細 書

発明の名称 車両用コミュニケーションシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1A   1B   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 車両用コミュニケーションシステム

技術分野

[0001]
 本発明は、車両用コミュニケーションシステムに関する。

背景技術

[0002]
 現在、自動車の自動運転技術の研究が各国で盛んに行われており、自動運転モードで車両(以下、「車両」は自動車のことを指す。)が公道を走行することができるための法整備が各国で検討されている。ここで、自動運転モードでは、車両システムが車両の走行を自動的に制御する。具体的には、自動運転モードでは、車両システムは、カメラ、センサ及びレーダ等から得られる各種情報に基づいてステアリング制御(車両の進行方向の制御)、ブレーキ制御及びアクセル制御(車両の制動、加減速の制御)のうちの少なくとも1つを自動的に行う。一方、以下に述べる手動運転モードでは、従来型の車両の多くがそうであるように、運転者が車両の走行を制御する。具体的には、手動運転モードでは、運転者の操作(ステアリング操作、ブレーキ操作、アクセル操作)に従って車両の走行が制御され、車両システムはステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御を自動的に行わない。尚、車両の運転モードとは、一部の車両のみに存在する概念ではなく、自動運転機能を有さない従来型の車両も含めた全ての車両において存在する概念であって、例えば、車両制御方法等に応じて分類される。
[0003]
 例えば、自動運転車の前方において横断歩道を渡ろうとしている歩行者が存在する場合、当該歩行者は、当該自動運転車が歩行者を認識していることが分からなければ、横断歩道を渡ることができるか不安に感じてしまう。また、自動運転車の後方を走行中の緊急車両(救急車、消防車又はパトカー等)の運転者は、当該自動運転車が緊急車両を認識していることが分からなければ、当該自動運転車を追い越してよいか不安に感じてしまう。
[0004]
 一方、特許文献1には、先行車に後続車が自動追従走行した自動追従走行システムが開示されている。当該自動追従走行システムでは、先行車と後続車の各々が照明装置を備えており、先行車と後続車との間に他車が割り込むことを防止するための文字情報が先行車の照明装置に表示されると共に、自動追従走行である旨を示す文字情報が後続車の照明装置に表示される。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 日本国特開平9-277887号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、特許文献1では、車両の近くにいる全ての車両や人に対してコミュニケーションを取るため、特定の相手とコミュニケーションを取ることができない。
[0007]
 本開示は、車両の周囲にいる特定の相手とコミュニケーションを取ることが可能な車両用コミュニケーションシステムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記の目的を達成するための一態様に係る車両用コミュニケーションシステムは、
 自車の周囲の対象者を検出可能な検出部と、
 車両制御部から取得した進路情報に基づいて、自車両の予想進路に進入する可能性の最も高い対象者を特定する予想部と、
 特定した前記対象者が、光、熱、音、振動の少なくとも一つで認識できるように第一情報を伝える情報発信部と、を備える。
[0009]
 上記構成に係る車両用コミュニケーションシステムによれば、自車両の予想進路に進入する可能性の最も高い対象者を特定した後、情報発信部は、当該特定された対象者が認識できるように第一情報を伝達する。
 このように、上記構成によれば、車両の周囲にいる特定の相手とコミュニケーションを取ることが可能な車両用コミュニケーションシステムを提供することができる。
[0010]
 また、上記の目的を達成するための一態様に係る車両用コミュニケーションシステムにおいて、
 前記情報発信部は、前記第一情報とは異なる第二情報を前記対象者に伝達する。
[0011]
 上記構成に係る車両用コミュニケーションシステムによれば、特定の対象者は、第二情報を認識することで、車両から伝達されるメッセージ等の情報を認識することができる。
[0012]
 また、上記の目的を達成するための一態様に係る車両用コミュニケーションシステムにおいて、
 前記情報発信部は、前記対象者に対して光を出射することで第一情報を伝える。
[0013]
 上記構成に係る車両用コミュニケーションシステムによれば、対象者に対して光が出射されるので、対象者はより確実に第一情報を認識することができる。
[0014]
 また、上記の目的を達成するための一態様に係る車両用コミュニケーションシステムにおいて、
 前記情報発信部は、前記対象者に対して断続的に光を照射する。
[0015]
 上記構成に係る車両用コミュニケーションシステムによれば、情報発信部から出力される光のエネルギー量や対象者に対して出射される光のエネルギー量を制限することができる。したがって、光の消費エネルギー量を減少させることができ、かつ対象者の目に過度な負担をかけずに済む。
[0016]
 また、上記の目的を達成するための一態様に係る車両用コミュニケーションシステムにおいて、
 前記情報発信部は、前記車両制御部から取得した前記対象者が見ている方向を含む情報に基づいて、前記対象者が見ている方向に向けて光を出射する。
[0017]
 上記構成に係る車両用コミュニケーションシステムによれば、情報発信部は、対象者が見ている方向に向けて光を出射する。したがって、対象者は出射される光を容易に視認することができる。
[0018]
 また、上記の目的を達成するための一態様に係る車両用コミュニケーションシステムにおいて、
 前記情報発信部は、前記対象者が携帯可能な通信端末と通信可能であり、
 前記情報発信部は、前記通信端末から音または振動の少なくとも一つを生じさせるように構成される。
[0019]
 上記構成に係る車両用コミュニケーションシステムによれば、情報発信部は、対象者が携帯している通信端末から音または振動の少なくとも一つを生じさせるように構成されている。したがって、特定の相手とだけコミュニケーションを取ることができる。
[0020]
 また、上記の目的を達成するための一態様に係る車両用コミュニケーションシステムにおいて、
 前記情報発信部は、前記対象者に向けて音を伝達させる指向性スピーカを含む。
[0021]
 上記構成に係る車両用コミュニケーションシステムによれば、情報発信部は指向性スピーカを含むため、音声等で特定の対象者に情報を伝達することができる。したがって、特定の相手とだけコミュニケーションを取ることができる。

発明の効果

[0022]
 本開示によれば、車両の周囲にいる特定の相手とコミュニケーションを取ることが可能な車両用コミュニケーションシステムを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1A] 図1Aは、本実施形態に係る車両用コミュニケーションシステムを備えた車両の上面図である。
[図1B] 図1Bは、図1Aに示す車両の側面図である。
[図2] 図2は、本実施形態に係る車両用コミュニケーションシステムのブロック図である。
[図3] 図3は、路面描画ランプの垂直断面図である。
[図4] 図4は、路面描画ランプの光源ユニットの構成を示す側面図である。
[図5] 図5は、路面描画ランプの配光部の構成を示す斜視図である。
[図6] 図6は、対象物に所定の情報を伝達するまでの処理を示すフローチャートである。
[図7] 図7は、車両が左折する時に障害となる対象物へ所定の情報を伝達する様子を説明するための模式図である。
[図8] 図8は、車両が左折する時に障害となる対象物へ所定の情報を伝達する様子を説明するための模式図である。
[図9] 図9は、車両が左折する時に障害となる対象物へ所定の情報を伝達する様子を説明するための模式図である。
[図10] 図10は、車両が左折する時に障害となる対象物へ所定の情報を伝達する様子を説明するための模式図である。

発明を実施するための形態

[0024]
 以下、本開示の実施形態(以下、本実施形態という。)について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
[0025]
 また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する。これらの方向は、図1Aおよび図1Bに示す車両100について設定された相対的な方向である。ここで、「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。
[0026]
 本実施形態に係る情報発信装置40を備えた車両100について以下に説明する。図1Aは、車両100の上面図を例示している。図1Bは、車両100の左側面図を例示している。車両100は、自動運転モードで走行可能な車両であって、情報発信装置40を備える。情報発信装置40は、情報発信部401と、発信制御部402とを備える(図2参照)。情報発信装置40は、車両100の車体ルーフ100A上に配置されており、車両100の外部に向けて光、赤外線レーザ、音、電波等を発信するように構成されている。
[0027]
 尚、本実施形態では、単一の情報発信装置40が車体ルーフ100A上に配置されているが、情報発信装置40は、車両100を基準とした任意の方向に存在する対象物に向けて光パターンを照射することが可能である限りにおいて、数、配置、形状等は特に限定されない。例えば、情報発信装置40が、4つの路面描画装置を備える場合、路面描画装置のそれぞれが左側ヘッドランプ20L、右側ヘッドランプ20R、左側リアコンビネーションランプ30L、右側リアコンビネーションランプ30R内に配置されてもよい。さらに、路面描画装置が車両100の側面100Bを囲むように配置されてもよい。
[0028]
 次に、図2を参照して車両100の車両システム1について説明する。図2は、車両システム1のブロック図を例示している。図2に例示されるように、車両システム1は、車両制御部3と、センサ5と、カメラ6と、レーダ7と、HMI(Human Machine Interface)8と、GPS(Global Positioning System)9と、無線通信部10と、地図情報記憶部11とを備える。さらに、車両システム1は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17と、を備える。
[0029]
 車両システム1は、さらに車両用コミュニケーションシステム2を備える。車両用コミュニケーションシステム2は、カメラ6及びレーダ7を合わせた検出部300と、情報発信装置40と、を備える。情報発信装置40は、情報発信部401と、発信制御部402と、を備える。発信制御部402は、予想部403を含む。
[0030]
 車両制御部3は、車両100の走行を制御するように構成されている。車両制御部3は、電子制御ユニット(ECU)により構成されている。電子制御ユニットは、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、各種車両制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、各種車両制御データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)とにより構成されている。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
[0031]
 センサ5は、加速度センサ、速度センサ、及びジャイロセンサ等を備える。センサ5は、車両100の走行状態を検出して、走行状態情報を車両制御部3に出力するように構成されている。センサ5は、運転者が運転席に座っているかどうかを検出する着座センサ、運転者の顔の方向を検出する顔向きセンサ、外部天候状態を検出する外部天候センサ及び車内に人がいるかどうかを検出する人感センサ等をさらに備えてもよい。
[0032]
 カメラ6は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(相補型MOS)等の撮像素子を含むカメラである。レーダ7は、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ又はレーザーレーダ等である。カメラ6及び/又はレーダ7は、車両100の周辺環境(他車、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を検出し、周辺環境情報を車両制御部3に出力するように構成されている。レーダ7は、車両100の周辺にいる歩行者等の対象物を検出することもできる。さらに、レーダ7は、他の通信装置から送信される電波を受信可能に構成されていてもよい。
[0033]
 HMI8は、運転者からの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等を運転者に向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両100の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイである。
[0034]
 GPS9は、車両100の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。無線通信部10は、車両100の周囲にいる他車に関する情報(例えば、走行情報等)を他車から受信すると共に、車両100に関する情報(例えば、走行情報等)を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両100の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。車両100は、他車両やインフラ設備と直接通信してもよいし、無線通信ネットワークを介して通信してもよい。地図情報記憶部11は、地図情報が記憶されたハードディスクドライブ等の外部記憶装置であって、地図情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
[0035]
 情報発信装置40は、情報発信部401と、発信制御部402とを備える。情報発信部401は、例えば、レーザ光源と、レーザ光源から出射されるレーザ光を偏向する光偏向装置とを備える路面描画装置、種々の波数の赤外線レーザを照射するレーザ発信装置、通常のスピーカに比べて高い指向性を有する指向性スピーカ、及び移動通信端末等との通信に用いられる電波を発信する電波発信装置の少なくとも一つを含む。例えば、情報発信部401が路面描画装置を含む場合において、光偏向装置は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーやガルバノミラー等の可動ミラーである。路面描画装置は、後述するように、レーザ光を走査することで、光パターンを対象物の周囲の路面上に描画する。
[0036]
 情報発信部401は、車両100の周辺にいる歩行者等の対象物に向けて所定の情報を伝達することが可能である。情報発信部401は、例えば、車両100に設けられた車体ディスプレイ等を備えていてもよい。この場合、情報発信部401は、車体ディスプレイ等に所定の情報を表示させる。車体ディスプレイは、例えば、車両100の前面に設けられていてもよいし、フロントガラスに表示させるディスプレイであってもよい。
[0037]
 発信制御部402は、電子制御ユニット(ECU)により構成されている。発信制御部402は、情報発信部401を制御するように構成されている。発信制御部402は、例えば、対象物の位置情報に基づいて、対象物に向けてレーザ光を照射するように路面描画装置を制御するように構成されている。尚、発信制御部402と車両制御部3は、同一の電子制御ユニットによって構成されていてもよい。さらに、発信制御部402は、情報発信部401が複数の装置(レーザ発信装置、指向性スピーカ、電波発信装置等)を含んでいる場合、車両100の周辺の状況に応じて、どの装置を用いて所定の情報を発信するかを判断することが可能である。
[0038]
 発信制御部402の予想部403は、車両制御部3が生成する車両100の予想進路に関する情報(進路情報)と、検出部300が検出した車両100の周辺の対象物に関する情報と、に基づいて、車両100の予想進路に侵入し得る対象物(歩行者等)がいるかどうか判断する。また、予想部403は、車両100の予想進路に侵入する可能性が最も高い対象者を特定する。
[0039]
 車両100が自動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号のうち少なくとも一つを自動的に生成する。ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。このように、自動運転モードでは、車両100の走行は車両システム1により自動制御される。
[0040]
 一方、車両100が手動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、アクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングホイールに対する運転者の手動操作に従って、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。このように、手動運転モードでは、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が運転者の手動操作によって生成されるので、車両100の走行は運転者により制御される。
[0041]
 次に、車両100の運転モードについて説明する。運転モードは、自動運転モードと手動運転モードとからなる。自動運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードとからなる。完全自動運転モードでは、車両システム1がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両100を運転できる状態にはない。高度運転支援モードでは、車両システム1がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両100を運転できる状態にはあるものの車両100を運転しない。運転支援モードでは、車両システム1がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御のうち一部の走行制御を自動的に行うと共に、車両システム1の運転支援の下で運転者が車両100を運転する。一方、手動運転モードでは、車両システム1が走行制御を自動的に行わないと共に、車両システム1の運転支援なしに運転者が車両100を運転する。
[0042]
 また、車両100の運転モードは、運転モード切替スイッチを操作することで切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、運転モード切替スイッチに対する運転者の操作に応じて、車両100の運転モードを4つの運転モード(完全自動運転モード、高度運転支援モード、運転支援モード、手動運転モード)の間で切り替える。また、車両100の運転モードは、自動運転車が走行可能である走行可能区間や自動運転車の走行が禁止されている走行禁止区間についての情報または外部天候状態についての情報に基づいて自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、これらの情報に基づいて車両100の運転モードを切り替える。さらに、車両100の運転モードは、着座センサや顔向きセンサ等を用いることで自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、着座センサや顔向きセンサからの出力信号に基づいて、車両100の運転モードを切り替える。
[0043]
 図3は、情報発信部401が路面描画装置を含む場合において、路面描画装置に内蔵される路面描画ランプ102の概略構成を示す垂直断面図である。路面描画ランプ102は、路面描画可能なランプである。図3に示すように、路面描画ランプ102は、車両前方側に開口部を有するランプボディ111と、ランプボディ111の開口部を覆うように取り付けられた透明の前面カバー112と、を備えている。
[0044]
 路面描画ランプ102は、光源ユニット120と、光源ユニット120からの光を反射する配光部130とを備えている。光源ユニット120および配光部130は、支持プレート141により灯室113内の所定位置に支持されている。支持プレート141は、エイミングスクリュー142を介してランプボディ111に取り付けられている。
[0045]
 光源ユニット120は、複数(本例では3個)の光源121と、ヒートシンク122と、複数(本例では4個)のレンズ123と、集光部124とを有している。光源ユニット120は、支持プレート141の前面に固定されている。各々の光源121は、発信制御部402の一つであるランプ制御部4と電気的に接続されている。
[0046]
 配光部130は、端子部137と、反射鏡138とを有している。配光部130は、光源ユニット120から出射されたレーザ光を、反射鏡138を介して、路面描画ランプ102の前方へ反射できるように、光源ユニット120との位置関係が定められている。配光部130は、支持プレート141の前面から前方に突出する突出部143の先端に固定される。端子部137は、ランプ制御部4と電気的に接続されている。
[0047]
 路面描画ランプ102は、エイミングスクリュー142を回転させて支持プレート141の姿勢を調節することで光軸を水平方向および垂直方向に調整できるように構成されている。
[0048]
 図4は、路面描画ランプ102を構成する光源ユニット120の側面図である。図4に示すように、光源ユニット120は、第一の光源121aと、第二の光源121bと、第三の光源121cと、ヒートシンク122と、第一のレンズ123aと、第二のレンズ123bと、第三のレンズ123cと、第四のレンズ123dと、集光部124とを有している。
[0049]
 第一の光源121aは、赤色レーザ光Rを出射する光源であり、赤色レーザダイオードからなる発光素子で構成されている。同様に、第二の光源121bは、緑色レーザ光Gを出射する緑色レーザダイオードで構成されており、第三の光源121cは、青色レーザ光Bを出射する青色レーザダイオードで構成されている。第一の光源121aと、第二の光源121bと、第三の光源121cとは、各々の光出射面であるレーザ光出射面125aと、レーザ光出射面125bと、レーザ光出射面125cとが互いに平行となるように配置されている。なお、各光源の発光素子は、レーザダイオードに限定されない。
[0050]
 第一の光源121a~第三の光源121cは、それぞれのレーザ光出射面125a~125cが路面描画ランプ102の前方を向くように配置され、ヒートシンク122に取り付けられている。ヒートシンク122は、アルミニウムなど熱伝導率が高い材料によって形成されており、ヒートシンク122の後側面が支持プレート141(図3参照)に接触された状態で光源ユニット120に取り付けられている。
[0051]
 第一のレンズ123a~第四のレンズ123dは、例えばコリメートレンズで構成されている。第一のレンズ123aは、第一の光源121aと集光部124との間の赤色レーザ光Rの光路上に設けられ、第一の光源121aから出射された赤色レーザ光Rを平行光に変換して集光部124に出射する。第二のレンズ123bは、第二の光源121bと集光部124との間の緑色レーザ光Gの光路上に設けられ、第二の光源121bから出射された緑色レーザ光Gを平行光に変換して集光部124に出射する。
[0052]
 第三のレンズ123cは、第三の光源121cと集光部124との間の青色レーザ光Bの光路上に設けられ、第三の光源121cから出射された青色レーザ光Bを平行光に変換して集光部124に出射する。第四のレンズ123dは、光源ユニット120の筐体126の上部に設けられた開口に嵌め合わされている。第四のレンズ123dは、集光部124と配光部130(図3参照)との間の白色レーザ光W(後述)の光路上に設けられ、集光部124から出射された白色レーザ光Wを平行光に変換して配光部130に出射する。
[0053]
 集光部124は、赤色レーザ光R、緑色レーザ光G、および青色レーザ光Bを集合させて白色レーザ光Wを生成する。集光部124は、第一のダイクロイックミラー124aと、第二のダイクロイックミラー124bと、第三のダイクロイックミラー124cとを有している。
[0054]
 第一のダイクロイックミラー124aは、少なくとも、赤色光を反射し青色光および緑色光を透過させるミラーであり、第一のレンズ123aを通過した赤色レーザ光Rを第四のレンズ123dに向けて反射するように配置されている。第二のダイクロイックミラー124bは、少なくとも、緑色光を反射し青色光を透過させるミラーであり、第二のレンズ123bを通過した緑色レーザ光Gを第四のレンズ123dに向けて反射するように配置されている。第三のダイクロイックミラー124cは、少なくとも、青色光を反射するミラーであり、第三のレンズ123cを通過した青色レーザ光Bを第四のレンズ123dに向けて反射するように配置されている。
[0055]
 また、第一のダイクロイックミラー124a~第三のダイクロイックミラー124cは、それぞれが反射したレーザ光の光路が平行で、かつ各レーザ光が集合して第四のレンズ123dに入射されるように、互いの位置関係が定められている。本例では、第一のダイクロイックミラー124a~第三のダイクロイックミラー124cは、各ダイクロイックミラー124a~124cにおいてレーザ光が当たる領域(レーザ光の反射点)が一直線上に並ぶように配置されている。
[0056]
 第三の光源121cから出射された青色レーザ光Bは、第三のダイクロイックミラー124cで反射され、第二のダイクロイックミラー124b側に進行する。第二の光源121bから出射された緑色レーザ光Gは、第二のダイクロイックミラー124bにより第一のダイクロイックミラー124a側に反射されるとともに、第二のダイクロイックミラー124bを透過した青色レーザ光Bと重ね合わせられる。第一の光源121aから出射された赤色レーザ光Rは、第一のダイクロイックミラー124aにより第四のレンズ123d側に反射されるとともに、第一のダイクロイックミラー124aを透過した青色レーザ光Bおよび緑色レーザ光Gの集合光と重ね合わせられる。その結果、白色レーザ光Wが形成され、形成された白色レーザ光Wは、第四のレンズ123dを通過して配光部130に向けて進行する。
[0057]
 第一の光源121a~第三の光源121cは、赤色レーザ光Rを出射する第一の光源121aが集光部124から最も近い位置に配置され、青色レーザ光Bを出射する第三の光源121cが集光部124から最も遠い位置に配置され、緑色レーザ光Gを出射する第二の光源121bが中間の位置に配置される。すなわち、第一の光源121a~第三の光源121cは、出射するレーザ光の波長が長いものほど集光部124に近い位置に配置される。
[0058]
 図5は、路面描画ランプ102を構成する配光部130を前方側から観察したときの斜視図である。図5に示すように、配光部130は、ベース131と、第一の回動体132と、第二の回動体133と、第一のトーションバー134と、第二のトーションバー135と、永久磁石136a,136bと、端子部137と、反射鏡138とを有している。配光部130は、例えばガルバノミラーで構成されている。なお、配光部130を例えばMEMS(メムス)ミラーで構成するようにしてもよい。
[0059]
 ベース131は、中央に開口部131aを有する枠体であり、路面描画ランプ102の前後方向へ傾斜した状態で突出部143(図3参照)に固定されている。ベース131の開口部131aには、第一の回動体132が配置されている。第一の回動体132は、中央に開口部132aを有する枠体であり、路面描画ランプ102の後方下側から前方上側に延在する第一のトーションバー134により、ベース131に対し左右(車幅方向)に回動可能に支持されている。
[0060]
 第一の回動体132の開口部132aには、第二の回動体133が配置されている。第二の回動体133は、矩形状の平板であり、車幅方向に延在する第二のトーションバー135により、第一の回動体132に対し上下(垂直方向)に回動可能に支持されている。第二の回動体133は、第一の回動体132が第一のトーションバー134を回動軸として左右に回動すると、第一の回動体132と共に左右に回動する。第二の回動体133の表面には、メッキまたは蒸着等により反射鏡138が設けられている。
[0061]
 ベース131には、第一のトーションバー134の延在方向と直交する位置に、一対の永久磁石136aが設けられている。永久磁石136aは、第一のトーションバー134と直交する磁界を形成する。第一の回動体132には第一のコイル(図示省略)が配線され、第一のコイルは、端子部137を介してランプ制御部4に接続されている。また、ベース131には、第二のトーションバー135の延在方向と直交する位置に、一対の永久磁石136bが設けられている。永久磁石136bは、第二のトーションバー135と直交する磁界を形成する。第二の回動体133には第二のコイル(図示省略)が配線され、第二のコイルは、端子部137を介してランプ制御部4に接続されている。
[0062]
 第一のコイルおよび第二のコイルに流れる電流の大きさと向きとが制御されることにより、第一の回動体132および第二の回動体133が左右に往復回動し、また第二の回動体133が単独で上下に往復回動する。これにより、反射鏡138が上下左右に往復回動する。
[0063]
 光源ユニット120と配光部130とは、光源ユニット120から出射されたレーザ光が反射鏡138で路面描画ランプ102の前方に反射されるよう互いの位置関係が定められている。配光部130は、反射鏡138の往復回動によりレーザ光で車両100の前方を走査する。例えば、配光部130は、形成すべき描画パターンの領域をレーザ光により走査する。これにより、レーザ光が描画パターンの形成領域に照射されて、車両100の前方に所定の描画パターンが形成される。
[0064]
 次に、車両用コミュニケーションシステム2に係る動作例について説明する。
(第一動作例)
 図6及び図7を参照して、車両100が左折する時に、対象物に所定の情報を伝達する様子について説明する。図6は、対象物に所定の情報を伝達するまでの処理を示すフローチャートである。図7は、車両100が左折する時に障害となる対象物へ所定の情報を伝達する様子を説明するための模式図である。尚、第一動作例では、車両100は、交差点Iで左折する予定である。また、車両用コミュニケーションシステム2によって第一動作例が実施される場合、情報発信部401は路面描画装置を含んでいる。
[0065]
 図6に例示されるように、最初に、車両制御部3は、車両100が通行すると予想される進路(予想進路)を判断する(STEP01)。具体的には、車両制御部3は、車両100の運転者が入力した目的地情報、GPS9が取得した現在位置情報、無線通信部10が受信した車両100の周囲にいる他車に関する情報、地図情報記憶部11に記憶された地図情報等に基づいて、車両100の予想進路を判断する。第一動作例においては、図7に例示されるように、車両100は交差点Iで左折する予定である。したがって、車両制御部3は、車両100は交差点Iを左折し、横断歩道Z1を通過する予定であると判断する。
[0066]
 STEP02において、検出部300は、検出部300が検出した車両100の周辺の対象物(歩行者等)に関する情報を発信制御部402に送信する。図7において、検出部300は、横断歩道Z1の近くにいる歩行者P1と、横断歩道Z2の近くにいる歩行者P2と、歩行者P1よりも車両100から遠い位置にいる歩行者P3とを検出する。尚、STEP02は、STEP01より先に行われてもよい。
[0067]
 STEP03において、発信制御部402の予想部403は、車両100の予想進路に関する情報(進路情報)と、検出部300が検出した車両100の周辺の対象物に関する情報とに基づいて、車両100の予想進路に侵入し得る対象物(歩行者等)がいるかどうか判断する。車両100の予想進路に侵入し得る歩行者等がいる場合(STEP03でYES)、STEP04に進む。図7において、歩行者P1と歩行者P3は横断歩道Z1を渡ろうとしている。したがって、予想部403は、車両100の予想進路に歩行者P1と歩行者P3が侵入する可能性があると判断する。一方、歩行者P2は横断歩道Z1を渡ろうとしていないので、予想部403は、車両100の予想進路に歩行者P2が侵入する可能性はないと判断する。なお、車両100の予想進路に侵入し得る対象者が誰もいない場合(STEP03でNO)、本処理は終了する。
[0068]
 STEP04において、予想部403は、車両100の予想進路に関する情報(進路情報)と、検出部300が検出した車両100の周辺の対象物に関する情報とに基づいて、車両100の予想進路に侵入する可能性が最も高い対象者を特定する。発信制御部402は、予想部403が特定した対象者に対して、所定の情報を伝達するための指示信号を生成する。図7に示す例において、歩行者P3は、歩行者P1よりも車両100から遠い位置にいる。したがって、車両100の予想進路に侵入する可能性が最も高い対象者は歩行者P1である。このため、発信制御部402は、歩行者P1に対して所定の情報を伝達するための指示信号を生成する。
[0069]
 発信制御部402は、生成した指示信号に基づき、情報発信部401を制御する。情報発信部401は、予想部403が特定した対象者に対して第一情報を伝達する(STEP05)。第一情報とは、車両100から何らかの情報を発信するか、又は発信していることを歩行者等に認識させるための情報である。図7に示す例では、第一情報としての光が、情報発信部401から歩行者P1の顔に向けて、出射される。尚、出射される光は、人が視認できる程度に微弱なものであることが望ましい。当該光は歩行者P1の顔に当たり、円Cが投影される。
[0070]
 さらに、情報発信部401は、予想部403が特定した対象者に対して、第二情報を伝達する(STEP06)。第二情報とは、車両100から歩行者等へのメッセージ等である。情報発信装置40は、所定の情報を横断歩道Z1上に描画する。図7に示す例では、情報発信装置40は、歩行者P1に対し、横断歩道Z1を渡らないように注意を促すための記号Sを横断歩道Z1上に描画する。歩行者P1は、歩行者P1自身に光が当てられたことにより、記号Sは、自分に対して伝達された情報であることを認識することができる。これにより、歩行者P1は横断歩道Z1を渡らずに済む。また、歩行者P2~P3にとっては、不要な情報を伝達されずに済む。車両100は、歩行者P1と接触することなく、横断歩道Z1を通過することができる。STEP06が実行されると、本処理は終了する。
[0071]
 第一動作例によれば、情報発信部401は、車両100の周囲にいる歩行者であって、車両100の予想進路に侵入する可能性が最も高い歩行者P1に対し、第一情報としての光を照射する。このように、第一動作例によれば、特定の相手とだけコミュニケーションを取ることができる。また、歩行者P1は、車両100の存在を認識することができる。さらに、歩行者P1は、車両100から何かしらの情報を伝達されたことを認識することができる。
[0072]
 また、第一動作例によれば、歩行者P1の進行方向の近くに第二情報が表示されるので、歩行者P1は自分に向けて伝達された車両100からのメッセージ(第二情報)を容易に認識することができる。
[0073]
 また、第一動作例によれば、歩行者P1に対して、第一情報としての光が照射されるので、歩行者P1は、車両100が自分に向けて何かしらの情報を伝達しようとしていることを認識することができる。
[0074]
(第二動作例)
 図8は、車両100が左折する時に障害となる対象物へ所定の情報を伝達する様子を説明するための模式図である。尚、第二動作例においては、第一動作例と重複する部分は説明を省略する。第二動作例は、歩行者P4~P6が、通信機能付きメガネGL4~GL6を着用している点で第一動作例と異なる。通信機能付きメガネGL4~GL6は二本のアンテナを備えている。当該二本のアンテナからは、電波が発信されている。検出部300は、当該二本のアンテナから発信される電波を受信することができる。また、車両用コミュニケーションシステム2によって第二動作例が実施される場合、情報発信部401は路面描画装置を含んでいる。
[0075]
 第二動作例においても、第一動作例と同様に、車両制御部3は、車両100は交差点Iを左折し、横断歩道Z1を通過する予定であると判断する(図6のSTEP01)。また、検出部300は、横断歩道Z1の近くにいる歩行者P4と、横断歩道Z2の近くにいる歩行者P5と、歩行者P4よりも車両100から遠い位置にいる歩行者P6とを検出する(図6のSTEP02)。したがって、発信制御部402の予想部403は、車両100の予想進路に歩行者P4及び歩行者P6が侵入する可能性があると判断する(図6のSTEP03でYES)。一方、予想部403は、車両100の予想進路に歩行者P5が侵入する可能性はないと判断する。そして、予想部403は、車両100の予想進路に侵入する可能性が最も高い対象者は歩行者P4であると判断する(図6のSTEP04)。発信制御部402は、歩行者P4に対して所定の情報を伝達するための指示信号を生成する。
[0076]
 ここで、車両制御部3は、歩行者P4~P6が着用している通信機能付きメガネGL4~GL6のアンテナから送信された電波情報を受信する。車両制御部3は、受信した電波情報に基づき、歩行者P4~P6の顔の向きを判断し、歩行者P4~P6が見ている方向を特定する。車両制御部3は、歩行者が見ている方向に関する情報を発信制御部402に送信する。尚、車両制御部3の代わりに、発信制御部402が、歩行者P4~P6が着用している通信機能付きメガネGL4~GL6のアンテナから送信された電波情報に基づき、歩行者P4~P6が見ている方向を特定してもよい。
[0077]
 ところで、例えば、歩行者が車両100と異なる方向を向いている場合、第一動作例の場合とは異なり、歩行者の顔に光が照射されても歩行者は光に気付かない可能性がある。そのため、発信制御部402は、車両制御部3から取得した歩行者が見ている方向を含む情報に基づいて、光の出射方向を変えるよう情報発信部401を制御する。つまり、発信制御部402は、歩行者の向いている方向に応じて、光の出射方向を変えるよう情報発信部401を制御する。図8に示す例では、情報発信部401は、通信機能付きメガネGL4~GL6に、第一情報としての光を照射する。照射された光は通信機能付きメガネGL4~GL6に反射し、その結果、歩行者は当該光を認識する(図6のSTEP05)。
[0078]
 第二動作例において、車両制御部3は、歩行者P4は左方向を、歩行者P5~6は後方向を向いていると判断する。車両100の予想進路に侵入する可能性が最も高い対象者は歩行者P4なので、情報発信部401は、歩行者P4が装着している通信機能付きメガネGL4に光を照射する。そうすると、歩行者P4は当該光を認識し、光の出射源である車両100の方向を見る。情報発信部401は、図8に例示されるように、横断歩道Z1に第二情報としての記号Sを描画する(図6のSTEP06)。これにより、歩行者P4は、記号Sを認識することができる。これにより、歩行者P4は横断歩道Z1を渡らずに済む。また、歩行者P5~P6にとっては、不要な情報を伝達されずに済む。車両100は、歩行者P4と接触することなく、横断歩道Z1を通過することができる。
[0079]
 第二動作例によれば、情報発信部401は、歩行者P4が見ている方向に向けて光を出射する。したがって、歩行者P4は出射される光を容易に視認することができる。
[0080]
(第三動作例)
 図9は、車両100が左折する時に障害となる対象物へ所定の情報を伝達する様子を説明するための模式図である。尚、第三動作例においては、第一動作例と重複する部分は説明を省略する。第三動作例は、歩行者P7~P9が、車両100と通信可能な通信端末TD7~TD9を携帯している点で第一動作例と異なる。通信端末TD7~TD9は、例えばスマートフォンである。また、車両用コミュニケーションシステム2によって第三動作例が実施される場合、情報発信部401は路面描画装置と、電波発信装置とを含んでいる。
[0081]
 第三動作例においても、第一動作例と同様に、車両制御部3は、車両100は交差点Iを左折し、横断歩道Z1を通過する予定であると判断する(図6のSTEP01)。また、検出部300は、横断歩道Z1の近くにいる歩行者P7と、横断歩道Z2の近くにいる歩行者P8と、歩行者P7よりも車両100から遠い位置にいる歩行者P9とを検出する(図6のSTEP02)。
[0082]
 図9において、歩行者P7及び歩行者P9は横断歩道Z1を渡ろうとしている。したがって、予想部403は、車両100の予想進路に歩行者P7及び歩行者P9が侵入する可能性があると判断する(図6のSTEP03でYES)。一方、予想部403は、車両100の予想進路に歩行者P8が侵入する可能性はないと判断する。そして、車両制御部3は、車両100の予想進路に侵入する可能性が最も高い対象者は歩行者P7であると判断する(図6のSTEP04)。発信制御部402は、歩行者P7に対して所定の情報を伝達するための指示信号を生成する。
[0083]
 発信制御部402は、生成した指示信号に基づいて情報発信部401を制御する。その結果、情報発信部401は、歩行者P7が携帯している通信端末TD7に向けて、第一情報としての電波を発信する(図6のSTEP05)。当該電波を受信した通信端末TD7は、図9に例示されるように、振動する。そうすると、歩行者P7は、歩行者P7自身の周囲を確認する。
[0084]
 また、情報発信部401は、歩行者P7の近くの路面、例えば、横断歩道Z1に、第二情報としての光を照射する(図6のSTEP06)。図9に示す例では、横断歩道Z1に記号Sが描画される。これにより、歩行者P7は、記号Sを認識することができる。これにより、歩行者P7は横断歩道Z1を渡らずに済む。また、歩行者P8~P9にとっては、不要な情報を伝達されずに済む。車両100は、歩行者P7と接触することなく、横断歩道Z1を通過することができる。
[0085]
 第三動作例によれば、歩行者P7が携帯している通信端末TD7を振動させることで、当該振動する通信端末TD7を携帯する歩行者P7とだけコミュニケーションを取ることができる。
[0086]
(第四動作例)
 図10は、車両100が左折する時に障害となる対象物へ所定の情報を伝達する様子を説明するための模式図である。尚、第四動作例においては、第一動作例と重複する部分は説明を省略する。また、車両用コミュニケーションシステム2によって第四動作例が実施される場合、情報発信部401は路面描画装置と、指向性スピーカとを含んでいる。
[0087]
 第四動作例においても、第一動作例と同様に、車両制御部3は、車両100は交差点Iを左折し、横断歩道Z1を通過する予定であると判断する(図6のSTEP01)。また、検出部300は、横断歩道Z1の近くにいる歩行者P10と、横断歩道Z2の近くにいる歩行者P11と、歩行者P10よりも車両100から遠い位置にいる歩行者P12とを検出する(図6のSTEP02)。
[0088]
 図10において、歩行者P10及び歩行者P12は横断歩道Z1を渡ろうとしている。したがって、予想部403は、車両100の予想進路に歩行者P10及び歩行者P12が侵入する可能性があると判断する(図6のSTEP03でYES)。一方、予想部403は、車両100の予想進路に歩行者P11が侵入する可能性はないと判断する。そして、車両制御部3は、車両100の予想進路に侵入する可能性が最も高い対象者は歩行者P10であると判断する(図6のSTEP04)。発信制御部402は、歩行者P10に対して所定の情報を伝達するための指示信号を生成する。
[0089]
 発信制御部402は、生成した指示信号に基づいて情報発信部401を制御する。その結果、情報発信部401は、歩行者P10に向けて、情報発信部401の指向性スピーカから、第一情報としての音声を出す(図6のSTEP05)。歩行者P10は当該音声を認識することができるが、歩行者P11~P12は当該音声を認識することができない。したがって、歩行者P10は当該音を認識し、当該音の発信源である車両100の方向を見る。
[0090]
 情報発信部401は、歩行者P10の近く、例えば横断歩道Z1に、第二情報としての光を照射する(図6のSTEP06)。図10に示す例では、横断歩道Z1に記号Sが描画される。これにより、歩行者P10は、記号Sを認識することができる。これにより、歩行者P10は横断歩道Z1を渡らずに済む。一方、歩行者P11~P12にとっては、不要な情報を伝達されずに済む。車両100は、歩行者P10と接触することなく、横断歩道Z1を通過することができる。
[0091]
 第四動作例によれば、歩行者P10に向けて、情報発信部401の指向性スピーカから音声が出るので、特定の歩行者P10に情報を伝達することができる。したがって、歩行者P10とだけコミュニケーションを取ることができる。
[0092]
 上述した第一動作例において、光は断続的に歩行者P1に対して照射されてもよい。この場合、出力される光のエネルギー量や歩行者P1に対して出射される光のエネルギー量を制限することができる。したがって、光の消費エネルギー量を減少させることができ、かつ歩行者P1の目に過度な負担をかけずに済む。
[0093]
 上述した第二動作例において、歩行者P4~P6は通信機能付きメガネGL4~GL6を着用しているがこれに限られない。通信機能付きのウェアラブルデバイスであればメガネ以外のデバイスであってもよい。
[0094]
 上述した第三動作例において、歩行者P7が携帯する通信端末TD7が振動する例を用いて説明したがこの例に限られない。例えば、通信端末TD7を振動させずに、通信端末TD7から音楽や音声等の音が流れてもよい。また、例えば、通信端末TD7が振動しつつ、通信端末TD7から音楽等の音が流れてもよい。
[0095]
 上述した第四動作例においては、情報発信部401の指向性スピーカから音声が出る例を用いて説明したがこれに限られない。例えば、情報発信部401の指向性スピーカから、音声以外の音(例えば音楽等)が出てもよい。
[0096]
 上述した実施形態において、第二情報は路面描画により歩行者に伝達される例を用いて説明したがこれに限られない。例えば、第二情報は、音声等の音によって伝達されてもよいし、スマートフォン等の電子通信機器の表示部にメッセージを表示させることによって、歩行者に伝達されてもよい。
[0097]
 上述した実施形態において、予想部403は発信制御部402に含まれているがこの例に限られない。予想部403は、例えば、車両制御部3に含まれていてもよい。
[0098]
 上述した実施形態において、STEP05とSTEP06が実行される例を用いて説明したがこれに限られない。例えば、STEP06は必ずしも実行されなくてもよい。つまり、第二情報は必ずしも歩行者に伝達されなくてもよい。
[0099]
 情報発信部401の路面描写装置は、赤外線を出射する光源を備えていてもよい。この場合、情報発信部401は、歩行者に向けて赤外線を出射してもよい。赤外線が歩行者に当たると、歩行者は熱を感じるので、第一情報を認識することができる。
[0100]
 上述した実施形態では、光、熱、音、振動の少なくとも一つにより第一情報を歩行者に伝達する形態について説明したがこれに限られない。光、熱、音、振動の複数を適宜組み合わせて第一情報を歩行者に伝達してもよい。
[0101]
 なお、本開示は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本開示の目的を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
[0102]
 本出願は、2018年12月4日出願の日本特許出願(特願2018-227396号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

請求の範囲

[請求項1]
 自車の周囲の対象者を検出可能な検出部と、
 車両制御部から取得した進路情報に基づいて、自車両の予想進路に進入する可能性の最も高い対象者を特定する予想部と、
 特定した前記対象者が、光、熱、音、振動の少なくとも一つで認識できるように第一情報を伝える情報発信部と、を備える、車両用コミュニケーションシステム。
[請求項2]
 前記情報発信部は、前記第一情報とは異なる第二情報を前記対象者に伝達する、請求項1に記載の車両用コミュニケーションシステム。
[請求項3]
 前記情報発信部は、前記対象者に対して光を出射することで前記第一情報を伝える、請求項1または2に記載の車両用コミュニケーションシステム。
[請求項4]
 前記情報発信部は、前記対象者に対して断続的に光を照射する、請求項3に記載の車両用コミュニケーションシステム。
[請求項5]
 前記情報発信部は、前記車両制御部から取得した前記対象者が見ている方向を含む情報に基づいて、前記対象者が見ている方向に向けて光を出射する、請求項3または4に記載の車両用コミュニケーションシステム。
[請求項6]
 前記情報発信部は、前記対象者が携帯可能な通信端末と通信可能であり、
 前記情報発信部は、前記通信端末から音または振動の少なくとも一つを生じさせるように構成される、請求項1または2に記載の車両用コミュニケーションシステム。
[請求項7]
 前記情報発信部は、前記対象者に向けて音を伝達させる指向性スピーカを含む、請求項1または2に記載の車両用コミュニケーションシステム。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]