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1. WO2020116112 - コネクタ

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明 細 書

発明の名称 コネクタ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060  

符号の説明

0061  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : コネクタ

技術分野

[0001]
 本開示は、コネクタに関するものである。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、内部に複数のキャビティが形成されたハウジングと、ハウジングの後端部に取り付けられた一括ゴム栓と、ハウジングに取り付けられて一括ゴム栓の離脱を規制するリヤホルダとを備えたコネクタが開示されている。電線の前端部に接続された端子金具は、ハウジングの後方からリヤホルダの貫通孔と一括ゴム栓のシール孔を順に通過してキャビティ内に収容される。端子金具がキャビティに収容された状態では、電線の外周に対してシール孔が弾性的に密着することにより、ハウジングの後方からキャビティへの浸水が防止される。
[0003]
 また、特許文献1のコネクタでは、キャビティ内に、端子金具を抜止めするための手段として弾性変形可能なランスが形成されている。端子金具をキャビティに挿入する過程では、ランスが端子金具との干渉により弾性変形する。端子金具が正規位置まで挿入されると、ランスが弾性復帰して端子金具に係止することにより、端子金具が抜止め状態に保持される。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2013-235747号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上記のコネクタでは、端子金具がシール孔を通過する際に、シール孔の内周が端子金具によって損傷することが懸念される。また、ハウジングの外部後方で電線が振動した場合、電線のうちシール孔の内周に密着している部分も振動するため、電線の外周とシール孔の内周との密着状態が不安定となり、シール性能が低下することが懸念される。
[0006]
 また、端子金具をコネクタハウジングに取り付ける際には、端子金具の後端部に固着した電線を摘んで端子金具をキャビティ内に押し込む。端子金具の挿入過程では、ランスが弾性撓みすると、ランスの弾性復元力に起因する挿入抵抗が端子金具に作用する。そのため、ランスの挿入抵抗によって電線が座屈し、端子金具の取付け作業に支障を来すことが懸念される。
[0007]
 第1の開示のコネクタは、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シール孔の損傷を防止することを目的とする。第2の開示のコネクタは、上記事情に基づいて完成されたものであって、端子金具を取り付ける際の作業性向上を図ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 第1の開示のコネクタは、
 電線の前端部に接続される端子金具と、
 ハウジングと、
 前記ハウジングの後端部に取り付けられた一括ゴム栓とを備え、
 前記ハウジング内には、前記ハウジングの前方から前記端子金具が挿入されることを許容する収容室が形成され、
 前記一括ゴム栓はシール孔を有し、
 前記収容室と前記シール孔には、前記端子金具が接続されていない状態の前記電線が貫通可能である。
[0009]
 第2の開示のコネクタは、
 電線の前端部に接続される端子金具と、
 ハウジングと、
 前記ハウジングの後端部に取り付けられたリヤ部材とを備え、
 前記端子金具は、最大外形寸法が前記電線の外径より大きい端子本体部を有しており、
 前記ハウジング内には、前記電線が貫通可能であり、かつ前記ハウジングの前方から前記端子本体部が挿入されることを許容する収容室が形成され、
 前記リヤ部材には電線貫通孔が形成され、
 前記端子金具が接続されていない状態の前記電線は、前記電線貫通孔を貫通することが可能であり、
 前記端子本体部は前記電線貫通孔を貫通することが不能である。

発明の効果

[0010]
 本開示によれば、シール孔の損傷を防止することができる。第2開示によれば、端子金具を取り付ける際の作業性向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 図1は、実施例1のコネクタの斜視図である。
[図2] 図2は、コネクタの正面図である。
[図3] 図3は、図2のX-X線断面図である。
[図4] 図4は、図2のY-Y線断面図である。
[図5] 図5は、図2のZ-Z線断面図である。
[図6] 図6は、ハウジングとシールリングと一括ゴム栓とリヤ部材の分解状態をあらわす斜視図である。
[図7] 図7は、電線に端子金具を接続した状態をあらわす斜視図である。
[図8] 図8は、端子金具が接続されていない電線をハウジングに挿通した状態をあらわす斜視図である。
[図9] 図9は、ハウジングに貫通させた電線に端子金具を接続した状態をあらわす斜視図である。
[図10] 図10は、電線に接続された端子金具をハウジング内に収容した状態をあらわす斜視図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 [第1及び第2の開示の実施形態の説明]
 最初に第1の開示の実施形態を列記して説明する。
 第1の開示のコネクタは、
 (1)電線の前端部に接続される端子金具と、ハウジングと、前記ハウジングの後端部に取り付けられた一括ゴム栓とを備え、前記ハウジング内には、前記ハウジングの前方から前記端子金具が挿入されることを許容する収容室が形成され、前記一括ゴム栓はシール孔を有し、前記収容室と前記シール孔には、前記端子金具が接続されていない状態の前記電線が貫通可能である。
[0013]
 第1の開示の構成によれば、収容室とシール孔に電線を貫通させ、ハウジングの前方において電線の前端部に端子金具を接続し、端子金具を接続した後に、電線を後方へ引っ張れば、端子金具を収容室内に収容することができる。シール孔に端子金具を貫通させる必要がないので、シール孔の損傷を防止できる。
[0014]
 (2)前記端子金具は、最大外形寸法が前記電線の外径より大きい端子本体部を有し、前記収容室は狭小部を有し、前記電線は前記狭小部を貫通することが可能であり、前記端子本体部は前記狭小部を貫通することが不能であることが好ましい。この構成によれば、端子金具に振動が伝達しても、収容室内における電線のブレが狭小部で抑制される。これにより、シール孔の変形が抑制されるので、高いシール性能が確保される。
[0015]
 (3)前記狭小部が、前記シール孔の前端に連通し、かつ前記シール孔に対して同心状に配されていることが好ましい。狭小部がシール孔に対して偏心した位置関係で隣接していると、シール孔が不正に変形してシール性能が低下することが懸念される。しかし、上記構成によれば、シール孔と狭小部が同心状なので、シール性能が高い。
[0016]
 (4)前記収容室は、前記ハウジングの前端面に開口する収容凹部を有しており、前記収容凹部は、前記端子本体部を収容可能であり、前記収容凹部には、前記端子本体部が前方から当接可能な抜止め部が形成されていることが好ましい。この構成によれば、端子本体部を抜止め部に当接させることにより、端子金具の後方への移動を規制することができる。
[0017]
 (5)前記収容凹部が、前記狭小部の前端に連通し、前記狭小部に対して偏心して配されていることが好ましい。この構成によれば、収容凹部と狭小部が偏心しているので、抜止め部の面積を広く確保し、端子金具を抜止めする機能の向上を図ることができる。
[0018]
 (6)前記端子金具は、最大外形寸法が前記電線の外径より大きい端子本体部を有しており、前記一括ゴム栓の後方にはリヤ部材が設けられており、前記リヤ部材は、前記電線の貫通を可能とし、かつ前記端子本体部の貫通を不能とする電線貫通孔を有していることが好ましい。この構成によれば、リヤ部材の後方で電線が振動しても、電線のブレが電線貫通孔で抑制される。これにより、シール孔の変形が抑制されるので、高いシール性能が確保される。
[0019]
 次に、第2の開示の実施形態を列記して説明する。
 第2の開示のコネクタは、
 (7)電線の前端部に接続される端子金具と、ハウジングと、前記ハウジングの後端部に取り付けられたリヤ部材とを備え、前記端子金具は、最大外形寸法が前記電線の外径より大きい端子本体部を有しており、前記ハウジング内には、前記電線が貫通可能であり、かつ前記ハウジングの前方から前記端子本体部が挿入されることを許容する収容室が形成され、前記リヤ部材には電線貫通孔が形成され、前記端子金具が接続されていない状態の前記電線は、前記電線貫通孔を貫通することが可能であり、前記端子本体部は前記電線貫通孔を貫通することが不能である。
[0020]
 この構成によれば、収容室に貫通させた電線に端子金具を接続し、その状態で電線を後方へ引っ張ると、端子本体部が収容室に収容され、端子金具がハウジングに取り付けられる。端子金具の取付けに際しては、電線を引っ張ればよいので、電線の座屈を防止できる。また、電線貫通孔は、端子本体部が収容される収容室よりも小径なので、電線は電線貫通孔にガイドされることにより収容室内におけるブレが抑えられる。これにより、収容室に対する端子金具の挿入動作が円滑に行われる。したがって、端子金具をハウジングに取り付ける際の作業性が良好である。
[0021]
 (8)前記ハウジングの後端部には、シール孔を有する一括ゴム栓が取り付けられ、前記リヤ部材が前記一括ゴム栓の後方に配置されており、前記シール孔には、前記端子金具が接続されていない状態の電線が貫通可能であることが好ましい。この構成によれば、収容室とシール孔に電線を貫通させ、ハウジングの前方において電線の前端部に端子金具を接続し、端子金具を接続した後に、電線を後方へ引っ張れば、端子金具を収容室内に収容することができる。シール孔に端子金具を貫通させる必要がないので、シール孔の損傷を防止できる。
[0022]
 (9)前記収容室が、前記電線の貫通を可能とし、かつ前記端子本体部の貫通を不能とする狭小部を有していることが好ましい。この構成によれば、端子金具に振動が伝達しても、収容室内における電線のブレが狭小部で抑制される。これにより、シール孔の変形が抑制され、高いシール性能が確保される。
[0023]
 (10)前記狭小部が、前記シール孔の前端に連通し、かつ前記シール孔に対して同心状に配されていることが好ましい。狭小部がシール孔に対して偏心した位置関係で隣接していると、シール孔が不正に変形してシール性能が低下することが懸念される。しかし、上記構成によれば、シール孔と狭小部が同心状なので、シール性能が高い。
[0024]
 (11)前記収容室は、前記ハウジングの前端面に開口し、前記端子本体部を収容可能な収容凹部を有しており、前記収容凹部には、前記端子本体部が前方から当接可能な抜止め部が形成されていることが好ましい。この構成によれば、端子本体部を抜止め部に当接させることにより、端子金具の後方への移動を規制することができる。
[0025]
 (12)前記収容凹部が、前記狭小部の前端に連通し、前記狭小部に対して偏心して配されていることが好ましい。この構成によれば、収容凹部と狭小部が偏心しているので、抜止め部の面積を広く確保し、端子金具を抜止めする機能の向上を図ることができる。
[0026]
 [本開示の実施形態の詳細]
 [実施例1]
 本開示を具体化した実施例1を、図1~図10を参照して説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明において、前後の方向については、図1,3~10における左方を前方と定義する。上下の方向については、図1~3,6~10にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
[0027]
 本実施例1のコネクタは、1つのハウジング10と、1つのシールリング23と、1つのフロント部材24と、複数の端子金具30と、1つの一括ゴム栓40と、1つのリヤ部材42とを備えて構成されている。コネクタは、シールリング23と一括ゴム栓40により防水機能を発揮する。
[0028]
 ハウジング10は、合成樹脂製であり、端子収容部11と筒状嵌合部12と筒状収容部13とを備えた単一部品である。端子収容部11は、全体としてブロック状をなす。筒状嵌合部12は、端子収容部11のうち後端部を除いた部位を包囲する。筒状収容部13は、端子収容部11の後端外周縁から後方へ角筒状に延出した形態である。筒状収容部13の内部空間は、ハウジング10の後端面に開放された収容空間14となっている。端子収容部11の後端面は収容空間14に臨んでいる。
[0029]
 図3に示すように、端子収容部11には、端子収容部11(ハウジング10)を前後方向に貫通した形態の複数の収容室15が形成されている。各収容室15は、全体として前後方向に細長い形状をなし、端子収容部11(ハウジング10)の前端面に開口する収容凹部16と、収容凹部16の後端に連通した狭小部17とから構成されている。収容凹部16を収容室15の貫通方向(前後方向)と直角に切断した断面形状(正面視形状)は、略方形である。収容凹部16の内壁面のうち上面壁部の前端部には、第1抜止め部18(請求項に記載の抜止め部)が形成されている。第1抜止め部18は収容室15内に配置されている。
[0030]
 狭小部17は、高さ寸法が収容凹部16よりも小さい低背部19と、低背部19の後端に連通する電線保持部20とから構成されている。低背部19は収容凹部16の後端に連通している。低背部19を収容室15の貫通方向と直角に切断した断面形状は、略方形である。低背部19の幅寸法は収容凹部16の幅寸法と同じ寸法であり、低背部19は、幅方向(左右方向)においては収容凹部16と同心状に配置されている。低背部19の高さ寸法は収容凹部16の高さ寸法より小さく、低背部19は、高さ方向(上下方向)において収容凹部16よりも下方へ偏心した位置に配置されている。
[0031]
 低背部19の内壁面を構成する下面壁部は、収容凹部16の内壁面を構成する下面壁部に対して面一状に連続している。したがって、低背部19の内壁面を構成する上面壁部は、収容凹部16の下面壁部に対して段差状に低くなっている。この収容凹部16の上面壁部と低背部19の上面壁部との高低差により、収容凹部16の後端面には、第2抜止め部21(請求項に記載の抜止め部)が形成されている。第2抜止め部21は、第1抜止め部18と同じく、収容室15内に配置されている。
[0032]
 電線保持部20の後端は、端子収容部11の後端面(収容空間14内)に開口されている。電線保持部20の幅寸法は低背部19の幅寸法より小さく、電線保持部20の高さ寸法は低背部19の高さ寸法よりも小さい。電線保持部20の後端部内周には、後方に向かって次第に拡径した形態のガイド面22が形成されている。ガイド面22の後端は、収容空間14内に臨んでいる。ガイド面22は、電線39の前端部を摺接させることにより、電線39を電線保持部20内に誘導する。
[0033]
 シールリング23は、ハウジング10の前方から端子収容部11の外周に取り付けられている。フロント部材24は、合成樹脂製であり、前壁部25と、前壁部25の外周縁から後方へ延出した角筒状の外嵌部26とを有する単一部品である。
[0034]
 フロント部材24は、端子収容部11(ハウジング10)の前方から組み付けられている。フロント部材24を組み付けた状態では、外嵌部26が、端子収容部11を包囲し、シールリング23が前方へ離脱することを規制している。前壁部25は、収容室15(収容凹部16)の前面の開口を閉塞する状態となる。前壁部25には、複数の収容室15(収容凹部16)と個別に対応する複数のタブ挿入口27が形成されている。
[0035]
 端子金具30は、全体として前後方向に細長い形状をなし、角筒状をなす端子本体部31と、オープンバレル状の電線圧着部32とを有する単一部品である。端子本体部31内には、タブ挿入口27を貫通した相手側端子(図示省略)のタブが挿入されるようになっている。端子本体部31の内部には、タブに対して弾性的に当接可能な弾性接触片33が収容されている。端子本体部31の幅寸法は、収容凹部16及び低背部19の幅寸法より僅かに小さい寸法である。端子本体部31の高さ寸法は、収容凹部16の高さ寸法より僅かに小さく、かつ低背部19の高さ寸法より大きい寸法である。
[0036]
 端子本体部31の上面の前端部には、切り起こし形態の第1係止部34が形成されている。端子金具30が収容室15内に適正に収容された状態では、第1係止部34が、第1抜止め部18に対して前方から係止可能な位置関係となる。端子本体部31を構成する上板部の後端部は、第2係止部35として機能する。端子金具30が収容室15内に適正に収容された状態では、第2係止部35が、第2抜止め部21に対して前方から係止可能な位置関係となる。第1係止部34が第1抜止め部18に引っ掛かることにより、又は第2係止部35が第2抜止め部21に引っ掛かることにより、端子金具30は、ハウジング10に対して後方へ移動することを規制される。
[0037]
 電線圧着部32は、端子本体部31の後端から後方へ片持ち状に延出した形態である。電線圧着部32は、端子本体部31を構成する下板部の後端から後方へ面一状に延出した基板部36と、基板部36の左右両側縁から延出したカシメ片37とを有する。電線圧着部32には、電線39の前端部が導通可能に、かつ前後方向への相対移動を規制された状態で圧着される。これにより、図7に示すように、端子金具30と電線39が一体化した導電路38が構成される。電線圧着部32(端子金具30の後端部)に固着された電線39は、端子金具30から後方へ延出した形態となる。
[0038]
 電線39が圧着された状態の電線圧着部32の幅寸法は、端子本体部31の幅寸法と同じか、それよりも僅かに小さい寸法である。電線39が圧着された状態の電線圧着部32の高さ寸法は、端子本体部31の高さ寸法よりも小さく、この高さ寸法の違いにより第2係止部35が形成されている。また、電線39が圧着された状態の電線圧着部32の高さ寸法は、低背部19の高さ寸法よりも僅かに小さい寸法である。端子本体部31と電線圧着部32は上下方向(高さ方向)に偏心した位置関係となっている。
[0039]
 本実施例1において、端子収容部11の幅寸法と高さ寸法のうち大きい方の寸法を、端子金具30の最大外形寸法と定義する。電線39の外径寸法は、端子金具30の最大外形寸法よりも小さい。電線39の外径寸法は、ハウジング10の電線保持部20の幅寸法及び高さ寸法と同じか、それよりも僅かに小さい寸法である。電線39が圧着された状態の電線圧着部32の幅寸法と高さ寸法は、電線保持部20の幅寸法及び高さ寸法よりも大きい寸法である。
[0040]
 一括ゴム栓40は、ハウジング10に対し後方から取り付けられ、収容空間14内に収容されている。ハウジング10に一括ゴム栓40を取り付けた状態では、一括ゴム栓40の外周が収容空間14(筒状収容部13)の内周面に対して液密状に密着する。また、一括ゴム栓40の前端面は端子収容部11の後端面(収容空間14の奥端面)に当接する。
[0041]
 一括ゴム栓40には、一括ゴム栓40を前後方向に貫通した形態の複数のシール孔41が形成されている。複数のシール孔41は、複数の収容室15の後端(電線保持部20)の後方に個別に隣接するように配置されている。シール孔41を前後方向と直角に切断した断面形状は、円形である。
[0042]
 シール孔41の最小内径は、端子金具30の最大外形寸法及び電線39の外径寸法よりも小さい。シール孔41は、左右方向において収容室15(電線保持部20)と同心状に配置されている。シール孔41は、高さ方向においては、狭小部17(低背部19及び電線保持部20)と同心状に配置され、収容凹部16に対しては下方へ偏心して配置されている。
[0043]
 リヤ部材42は、押え部43と一対の弾性ロック片44とを有する単一部品である。押え部43は、背面視形状が収容空間14と同じ形状である。一対の弾性ロック片44は、押え部43の左右両端部から前方へ片持ち状に延出した形態である。リヤ部材42は、ハウジング10に対し収容空間14(筒状収容部13)の後端部に収容された状態で取り付けられている。リヤ部材42をハウジング10に取り付けた状態では、押え部43の前端面が一括ゴム栓40の後端面に当接する。これにより、一括ゴム栓40は、ハウジング10に対して後方への相対変位を規制された組付け状態に保持される。また、弾性ロック片44を筒状収容部13のロック孔46に係止させることにより、リヤ部材42はハウジング10への組付け状態に保持される。
[0044]
 リヤ部材42には、リヤ部材42を前後方向に貫通した形態の複数の電線貫通孔47が形成されている。複数の電線貫通孔47は、複数のシール孔41の後端の後方に個別に隣接するように配置されている。電線貫通孔47を前後方向と直角に切断した断面形状は、円形である。電線貫通孔47の最小内径は、電線39の外径寸法及びシール孔41の最小内径より大きく、かつ端子金具30の最大外形寸法よりも小さい。電線貫通孔47は、幅方向(左右方向)及び高さ方向(上下方向)において、シール孔41及び狭小部17(低背部19及び電線保持部20)と同心状に配置されている。電線貫通孔47は、高さ方向においては、収容凹部16と同心状に配置され、収容凹部16に対し下方へ偏心して配置されている。
[0045]
 次に、本実施例のコネクタの製造工程及び組付け工程を説明する。まず、ハウジング10にシールリング23と一括ゴム栓40とリヤ部材42を組み付けておき、その状態で、ハウジング10(リヤ部材42)の後方から、複数本の電線39を、電線貫通孔47とシール孔41と収容室15とに挿通させておく(図8を参照)。
[0046]
 次に、ハウジング10の前方において、各端子金具30の電線圧着部32を電線39の前端部に固着する。これにより、図9に示すように、電線39をハウジング10に貫通させた形態の導電路38が製造される。この後、電線39のうちハウジング10の後方へ導出されている部分を後方へ引っ張ると、導電路38がハウジング10に対して後方へ相対移動し、導電路38(端子金具30と電線39)がハウジング10に組み付けられる。
[0047]
 導電路38がハウジング10に組み付けられる過程では、電線39が、電線貫通孔47内とシール孔41内と狭小部17内を後方へ移動するのにともなって、端子金具30がハウジング10の前方において収容凹部16に接近していく。ここで、電線貫通孔47とシール孔41と狭小部17は幅方向及び高さ方向において同心状をなすように前後に並んでいるので、電線39は、屈曲せず、直線状態を保ったままで後方へ移動する。
[0048]
 したがって、導電路38がハウジング10に組み付けられる過程では、ハウジング10の前方における端子金具30の移動軌跡も、ほぼ直線状となる。そして、端子金具30の移動軌跡の後方延長線上には、収容凹部16が開口することになる。これにより、端子本体部31は、端子収容部11(ハウジング10)の前端面と干渉することなく収容凹部16内に収容される(図10を参照)。
[0049]
 収容凹部16内の適正位置まで端子本体部31が収容されると、第1係止部34が第1抜止め部18に対して前方から係止するとともに、第2係止部35が第2抜止め部21に対して前方から係止し、それ以上の端子金具30の後方移動が規制される。
[0050]
 以上により、ハウジング10に対する導電路38の組付けが完了する。導電路38がハウジング10に適正に組み付けられた状態では、電線圧着部32と電線39のうち電線圧着部32に圧着されている部位が狭小部17内に収容され、電線39のうち電線圧着部32より後方の部位が電線保持部20とシール孔41と電線貫通孔47とに挿通された状態となる。
[0051]
 導電路38をハウジング10に組み付けた後、フロント部材24をハウジング10に対し前方から組み付ける。フロント部材24を組み付けた状態では、前壁部25が、収容凹部16の前端の開口を閉塞し、端子本体部31の前端面に対し接近して対向する位置関係となる。これにより、端子金具30がハウジング10に対し前方へ相対移動することを規制される。以上により、コネクタの製造と組付けが完了する。
[0052]
 本実施例1のコネクタは、電線39の前端部に接続可能な端子金具30と、ハウジング10とを有する。ハウジング10内には、ハウジング10の前方から端子金具30が挿入されることを許容する収容室15が形成されている。ハウジング10の後端部には、シール孔41を有する一括ゴム栓40が取り付けられている。収容室15とシール孔41には、端子金具30が接続されていない状態の電線39が貫通可能である。
[0053]
 この構成によれば、収容室15とシール孔41に電線39を貫通させ、ハウジング10の前方において電線39の前端部に端子金具30を接続し、端子金具30を接続した後に、電線39を後方へ引っ張れば、端子金具30を収容室15内に収容することができる。シール孔41に端子金具30を貫通させる必要がないので、シール孔41の損傷を防止できる。
[0054]
 また、端子金具30は、最大外形寸法が電線39の外径より大きい端子本体部31を有しており、収容室15は、電線39の貫通を可能とし、かつ端子本体部31の貫通を不能とする狭小部17を有している。この構成によれば、端子金具30に振動が伝達しても、収容室15内における電線39のブレが狭小部17で抑制される。これにより、シール孔41の不正な変形が抑制されるので、高いシール性能が確保される。
[0055]
 また、狭小部17がシール孔41に対して偏心した位置関係で隣接していると、シール孔41が不正に変形してシール性能が低下することが懸念される。しかし、本実施例1のコネクタは、狭小部17が、シール孔41の前端に連通し、かつシール孔41に対して同心状に配されているので、シール孔41の不正な変形が規制され、高いシール性能を発揮する。
[0056]
 また、収容室15は、ハウジング10の前端面に開口する収容凹部16を有している。収容凹部16は、端子本体部31を収容可能である。収容凹部16には、端子本体部31が前方から当接可能な第1抜止め部18と第2抜止め部21が形成されている。この構成によれば、端子本体部31を第1抜止め部18や第2抜止め部21に当接させることにより、端子金具30の後方への移動を規制することができる。また、収容凹部16は、狭小部17の前端に連通し、かつ狭小部17に対して偏心して配されているので、第2抜止め部21の面積を広く確保することができた。これにより、端子金具30を抜止めする機能の向上が実現されている。
[0057]
 また、端子金具30は、最大外形寸法が電線39の外径より大きい端子本体部31を有している。一括ゴム栓40の後方にはリヤ部材42が設けられている。リヤ部材42は、電線39の貫通を可能とし、かつ端子本体部31の貫通を不能とする電線貫通孔47を有している。この構成によれば、リヤ部材42の後方で電線39が振動しても、電線39のブレが電線貫通孔47で抑制される。これにより、シール孔41の変形が抑制されるので、高いシール性能が確保される。
[0058]
 また、本実施例1のコネクタは、次のような特徴も有している。即ち、端子金具30は、電線39の前端部に接続可能であり、最大外形寸法が電線39の外径より大きい端子本体部31を有している。ハウジング10内には、収容室15が形成されている。収容室15には、電線39が貫通可能である。収容室15は、ハウジング10の前方から端子本体部31が挿入されることを許容する。そして、ハウジング10の後端部にはリヤ部材42が取り付けられ、リヤ部材42には、電線貫通孔47が形成されている。端子金具30が接続されていない状態の電線39は、電線貫通孔47を貫通することが可能である。端子本体部31は、電線貫通孔47を貫通することが不能である。
[0059]
 この構成によれば、収容室15に貫通させた電線39に端子金具30を接続し、その状態で電線39を後方へ引っ張ると、端子本体部31が収容室15に収容され、端子金具30がハウジング10に取り付けられる。端子金具30の取付けに際しては、電線39を引っ張ればよいので、電線39の座屈を防止できる。また、電線貫通孔47は、端子本体部31が収容される収容室15よりも小径なので、電線39は電線貫通孔47にガイドされることにより収容室15内におけるブレが抑えられる。これにより、収容室15に対する端子金具30の挿入動作が円滑に行われる。したがって、端子金具30をハウジング10に取り付ける際の作業性が良好である。
[0060]
 [他の実施例]
 本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。
 (1)上記実施例1では、収容凹部がシール孔に対して偏心しているが、第1の発明によれば、収容凹部はシール孔と同心状であってもよい。
 (2)上記実施例1では、収容凹部が狭小部に対して偏心しているが、第1及び第2の発明によれば、収容凹部は狭小部と同心状であってもよい。
 (3)上記実施例1では、狭小部とシール孔が同心状に配置されているが、第1の発明によれば、狭小部とシール孔は偏心していてもよい。
 (4)上記実施例1では、収容室が、端子本体部の貫通を不能とする狭小部を有しているが、第1及び第2の発明によれば、収容室は狭小部を有しない形態であってもよい。
 (5)上記実施例1では、抜止め部が収容凹部の前端部と後端部に形成されているが、第1及び第2の発明によれば、抜止め部は、収容凹部の前後方向における中央部に形成されていてもよく、収容凹部以外の部位に形成されていてもよい。
 (6)上記実施例1では、抜止め部が収容室の内部に形成されているが、第1及び第2の発明によれば、抜止め部は収容室の外部(前方)に形成されていてもよい。
 (7)上記実施例1では、端子金具(端子本体部)の最大外形寸法は電線の外径より大きいが、第1の発明によれば、端子金具の最大外形寸法は、電線の外径と同じ寸法か、電線の外径より小さい寸法であってもよい。
 (8)上記実施例1では、端子金具のほぼ全体(端子金具のうち前端部を除いた部位)が収容室内に収容されるが、第1及び第2の発明によれば、端子金具の全体が収容室内に収容されるようにしてもよい。
 (9)上記実施例1では、端子金具の端子本体部と電線圧着部が偏心しているが、第1及び第2の発明によれば、端子本体部と電線圧着部が同心状であってもよい。
 (10)上記実施例1では、端子金具が端子本体部内に弾性接触片を収容した形態の雌形の端子であるが、第1及び第2の発明は、端子金具が前端部にタブを有する雄形の端子である場合にも適用できる。
 (11)上記実施例1では、リヤホルダの電線貫通孔が端子金具(端子本体部)の貫通を規制する形態であるが、第1の発明によれば、電線貫通孔は端子金具(端子本体部)の貫通を許容する形態であってもよい。
 (12)上記実施例1では、電線と端子金具が圧着によって接続されているが、第1及び第2の発明によれば、電線と端子金具は溶着等の手段によって接続されていてもよい。
 (13)上記実施例1では、ハウジングに取り付けたフロント部材によって、端子金具の前方への離脱を規制したが、第1及び第2の発明によれば、ハウジングに弾性変位可能な弾性係止片を形成し、この弾性係止片に端子金具を引っ掛けることによって、端子金具の前方への離脱を規制してもよい。
 (14)上記実施例1では、端子金具の前方への離脱を規制するための前止まり部材(フロント部材)が、ハウジングの前端部に配置されているが、第1及び第2の発明によれば、前止まり部材は、ハウジングの前端より後方の位置に配置されていてもよい。この場合、前止まり部材には、端子金具の前端より後方の領域に、前止まり部に当たる部位を形成すればよい。

符号の説明

[0061]
10…ハウジング
11…端子収容部
12…筒状嵌合部
13…筒状収容部
14…収容空間
15…収容室
16…収容凹部
17…狭小部
18…第1抜止め部
19…低背部
20…電線保持部
21…第2抜止め部
22…ガイド面
23…シールリング
24…フロント部材
25…前壁部
26…外嵌部
27…タブ挿入口
30…端子金具
31…端子本体部
32…電線圧着部
33…弾性接触片
34…第1係止部
35…第2係止部
36…基板部
37…カシメ片
38…導電路
39…電線
40…一括ゴム栓
41…シール孔
42…リヤ部材
43…押え部
44…弾性ロック片
46…ロック孔
47…電線貫通孔

請求の範囲

[請求項1]
 電線の前端部に接続される端子金具と、
 ハウジングと、
 前記ハウジングの後端部に取り付けられた一括ゴム栓とを備え、
 前記ハウジング内には、前記ハウジングの前方から前記端子金具が挿入されることを許容する収容室が形成され、
 前記一括ゴム栓はシール孔を有し、
 前記収容室と前記シール孔には、前記端子金具が接続されていない状態の前記電線が貫通可能であるコネクタ。
[請求項2]
 前記端子金具は、最大外形寸法が前記電線の外径より大きい端子本体部を有し、
 前記収容室は狭小部を有し、
 前記電線は前記狭小部を貫通することが可能であり、
 前記端子本体部は前記狭小部を貫通することが不能である請求項1記載のコネクタ。
[請求項3]
 前記狭小部が、前記シール孔の前端に連通し、かつ前記シール孔に対して同心状に配されている請求項2に記載のコネクタ。
[請求項4]
 前記収容室は、前記ハウジングの前端面に開口する収容凹部を有しており、
 前記収容凹部は、前記端子本体部を収容可能であり、
 前記収容凹部には、前記端子本体部が前方から当接可能な抜止め部が形成されている請求項2又は請求項3に記載のコネクタ。
[請求項5]
 前記収容凹部が、前記狭小部の前端に連通し、前記狭小部に対して偏心して配されている請求項4に記載のコネクタ。
[請求項6]
 前記端子金具は、最大外形寸法が前記電線の外径より大きい端子本体部を有しており、
 前記一括ゴム栓の後方にはリヤ部材が設けられており、
 前記リヤ部材は、前記電線の貫通を可能とし、かつ前記端子本体部の貫通を不能とする電線貫通孔を有している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ。
[請求項7]
 電線の前端部に接続される端子金具と、
 ハウジングと、
 前記ハウジングの後端部に取り付けられたリヤ部材とを備え、
 前記端子金具は、最大外形寸法が前記電線の外径より大きい端子本体部を有しており、
 前記ハウジング内には、前記電線が貫通可能であり、かつ前記ハウジングの前方から前記端子本体部が挿入されることを許容する収容室が形成され、
 前記リヤ部材には電線貫通孔が形成され、
 前記端子金具が接続されていない状態の前記電線は、前記電線貫通孔を貫通することが可能であり、
 前記端子本体部は前記電線貫通孔を貫通することが不能であるコネクタ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]