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1. WO2020116074 - 偏光板および表示装置

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明 細 書

発明の名称 偏光板および表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115  

実施例

0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138  

産業上の利用可能性

0139  

符号の説明

0140  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 偏光板および表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、偏光板および表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 偏光板は、液晶セルや有機EL素子等の画像表示素子と、前面板やタッチパネル等の透明板との間に粘着剤層を介して貼合され、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種画像表示装置に用いられている。近年、このような画像表示装置は、携帯電話やタブレット端末などのモバイル機器に加えて、カーナビゲーション装置やバックモニターなどの車載用の画像表示装置としても使用されることがある。これに伴い、偏光板には、従来要求されてきたよりも、より過酷な環境下における耐久性が求められている(特許文献1)。
[0003]
 特許文献1には、偏光板の両面に粘着剤層を介してガラス板が積層された積層体が記載されており、偏光板の単位面積当たりの水分量、および偏光板を構成する透明保護フィルムの飽和給水量を、それぞれ所定値以下にすることが記載されている。特許文献1は、この積層体を高温環境下(温度95℃)に置いても、偏光板の面内中央部の透過率が低下しにくいことを開示している。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2014-102353号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に記載された偏光板は、高温環境下において偏光板の面内中央部の透過率が低下するのを防止する効果を奏するものである。しかしながら、その効果は、必ずしも満足のいくものではなかった。また、特許文献1に記載された偏光板は、高温高湿環境下において偏光度が低下しやすいという問題があった。
[0006]
 本発明の目的は、高温環境下におかれた場合であっても面内中央部の透過率が低下しにくく、高温高湿環境下におかれた場合であっても偏光度が低下しにくい偏光板を提供することである。

課題を解決するための手段

[0007]
[1] 偏光子と、偏光子の一方の面に積層された第1の光学フィルムと、偏光子の他方の面に積層された第2の光学フィルムと、第1の光学フィルムにおける偏光子側とは反対側に配置された第3の光学フィルムとを有し、
第1の光学フィルム及び第3の光学フィルムは、偏光子を基準に視認側へ配置されるフィルムであり、
第1の光学フィルムの透湿度は、100g/m ・24hr.以下であり、
第2の光学フィルムの透湿度は、100g/m ・24hr.以下である偏光板。
[2] 第1の光学フィルムと第3の光学フィルムとの間に第1の接着層を有し、
第1の光学フィルムおよび第3の光学フィルムは、第1の接着層に接している[1]に記載された偏光板。
[3] 第1の接着層の透湿度は、500g/m ・24hr.以上である[1]または[2]に記載された偏光板。
[4] 第2の光学フィルムにおける偏光子側とは反対側の面に積層された第2の接着層と、
第3の光学フィルムにおける偏光子側とは反対側の面に積層された第3の接着層とを有する[1]~[3]のいずれかに記載された偏光板。
[5] [4]に記載された偏光板が、第3の接着層を介して前面板に積層され、第2の接着層を介して表示素子に積層されている表示装置。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、高温環境下におかれた場合であっても面内中央部の透過率が低下しにくく、高温高湿環境下におかれた場合であっても偏光度が低下しにくい偏光板を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 偏光板の層構成を示す概略断面図の一例である。
[図2] 表示装置の層構成を示す概略断面図の一例である。

発明を実施するための形態

[0010]
<偏光板>
 本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子の一方の面に積層された第1の光学フィルムと、偏光子の他方の面に積層された第2の光学フィルムと、第1の光学フィルムにおける偏光子側とは反対側に配置された第3の光学フィルムとを有する。第1の光学フィルム及び第3の光学フィルムは、偏光子を基準に視認側へ配置されるフィルムである。
[0011]
 図1を参照して、本発明の偏光板の層構成の一例を具体的に説明する。図1に示す偏光板101は、偏光子1と、偏光子1の一方の面に積層された第1の光学フィルム11と、偏光子1の他方の面に積層された第2の光学フィルム12と、第1の光学フィルム11における偏光子1側とは反対側に配置された第3の光学フィルム13とを有する。偏光板101は、第1の光学フィルム11と第3の光学フィルム13との間に第1の接着層21を有し、第1の光学フィルム11および第3の光学フィルム13は、第1の接着層21に接している。すなわち、第1の光学フィルム11と第3の光学フィルム13とは、第1の接着層21を介して積層されている。偏光板101は、第2の光学フィルム12における偏光子1側とは反対側の面に積層された第2の接着層22と、第3の光学フィルム13における偏光子1側とは反対側の面に積層された第3の接着層23とを有する。
[0012]
 この実施態様において、第3の接着層23は、前面板やタッチパネルに貼合するための接着層であることができ、第2の接着層22は、タッチパネルや表示素子に貼合するための接着層であることができる。
[0013]
 第1の光学フィルム11の透湿度は、100g/m ・24hr.以下であり、50g/m ・24hr.以下であることが好ましく、20g/m ・24hr.以下であることがより好ましい。第1の光学フィルム11の透湿度は、0g/m ・24hr.以上であることができる。
[0014]
 本明細書において、透湿度は、JIS Z 0208(カップ法)に準拠して、温度40℃、相対湿度90%の条件にて測定された値のことをいう。
[0015]
 第2の光学フィルム12の透湿度は、100g/m ・24hr.以下であり、50g/m ・24hr.以下であることが好ましく、20g/m ・24hr.以下であることがより好ましい。第2の光学フィルム12の透湿度は、0g/m ・24hr.以上であることができる。
[0016]
 第3の光学フィルム13の透湿度は、500g/m ・24hr.以下であることが好ましく、200g/m ・24hr.以下であることがより好ましく、50g/m ・24hr.以下であることがより好ましい。第3の光学フィルム13の透湿度は、0g/m ・24hr.以上であることができる。
[0017]
 視認側から順に第3の光学フィルム13、第1の光学フィルム11、偏光子1、および第2の光学フィルム12が積層され、第1の光学フィルム11および第2の光学フィルム12が、それぞれ上記透湿度の範囲を示すことにより、高温環境下におかれた場合であっても面内中央部の透過率が低下しにくく、かつ高温高湿環境下におかれた場合であっても偏光度が低下しにくくなる。
[0018]
 上記構成を備える偏光板を備える表示装置は、偏光子1と前面板との間の距離が長い。
かかる表示装置が高温環境下におかれたとき、偏光子1中の水分が偏光子外へ抜けやすく、水分が偏光子1にとどまりにくい。また、第1の光学フィルム11および第2の光学フィルム12が上記透湿度を示す場合、それらの含有する水分が少ないため、偏光板中の水分率を小さくすることができる。また、第1の光学フィルム11および第2の光学フィルム12が上記透湿度を示す偏光板は、高温高湿環境下において、外部から偏光子11へ水分が侵入するのを防ぐことができる。
[0019]
 偏光子1の第1の光学フィルム11側の表面から、第3の光学フィルム13の偏光子1側とは反対側の表面までの距離は、25μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、130μm以下であってもよい。偏光板が第3の接着層23を有する場合、偏光子1の第1の光学フィルム11側の表面から、第3の接着層23の偏光子1側とは反対側の表面までの距離は、35μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましく、330μm以下であってもよい。
[0020]
 偏光子1と前面板との間の距離を確保するという観点から、第1の光学フィルム11の厚みは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが好ましく、50μm以下であってもよい。同様に、第3の光学フィルム13の厚みは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが好ましく、50μm以下であってもよい。
[0021]
 第1の光学フィルム11と第3の光学フィルム13との間には、透湿度の高い層やある程度の厚みを有する層が配置されることが好ましい。第1の光学フィルム11と第3の光学フィルム13との間に第1の接着層21が配置されることが好ましく、第1の光学フィルム11および第3の光学フィルム13は、第1の接着層21に接していることが好ましい。
[0022]
 第1の接着層の透湿度21は、500g/m ・24hr.以上であることが好ましく、1000g/m ・24hr.以上であることがより好ましい。第1の接着層21の透湿度は、5000g/m ・24hr.以下であることができる。
[0023]
 本明細書において、接着層の透湿度は、JIS K7129に準拠して、温度40℃、相対湿度90%の条件にて測定された値のことをいう。試験方法は、感湿センサ法とすることができる。
[0024]
 偏光板は、図1に示した層以外の層を有することができる。偏光板がさらに有していてもよい層としては、前面板、遮光パターン、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。前面板は、偏光板における視認側に配置されることができる。
[0025]
 遮光パターンは、前面板における偏光板側の面上、偏光板における前面板側の面上、またはその両方に形成することができる。遮光パターンは、表示装置の額縁(非表示領域)に形成され、表示装置の配線が使用者に視認されないようにすることができる。
[0026]
 位相差フィルムは、第2接着層と偏光子との間、または第3接着層と偏光子との間に配置されることができる。また、第1光学フィルム、第2光学フィルム、および第3光学フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一つが、位相差フィルムとしての機能を有していてもよい。
[0027]
 偏光板の主面の形状は、円形、多角形、その他の図形、およびそれらの組み合わせであることができる。偏光板の主面の形状は、実質的に矩形であってもよい。主面とは表示面に対応する最も広い面積を有する面を意味する。実質的に矩形であるとは、4つの隅(角部)のうち少なくとも1つの角部が鈍角となるように切除された形状や丸みを設けた形状であったり、主面に垂直な端面の一部が面内方向に窪んだ凹み部(切り欠け)を有したり、主面内の一部が、円形、楕円形、多角形及びそれらの組合せ等の形状にくり抜かれた穴あき部を有したりしてもよいことをいう。偏光板が車載用途である場合、偏光板の主面の形状は、サイドミラーの形状、バックミラーの形状、またはインストルメントパネルの形状であってもよい。
[0028]
 偏光板の大きさは、面内中央部の透過率の低下をより小さくする観点から、長辺の長さが6cm以上35cm以下であり短辺の長さが5cm以上30cm以下である矩形に収まる大きさであることが好ましく、長辺の長さが10cm以上30cm以下であり短辺の長さが6cm以上25cm以下である矩形に収まる大きさであることがより好ましい。
[0029]
 以下、偏光板が備える各層について説明をする。
(1)偏光子
 偏光板が備える偏光子は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型の偏光子であることができる。
[0030]
 偏光子の水分率は、8重量%未満であることが好ましく、6重量%以下であることがより好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましい。偏光子の水分率は、通常0重量%以上であり、1重量%以上であってもよい。偏光子の水分率が上記範囲内であると、水分がこもりにくくなって、偏光板の両面に粘着剤層を介してガラス板を積層して高温環境下においた場合であっても、面内中央部の透過率が低下しにくくなる。
[0031]
 偏光子の水分率は、偏光子の両面に、光学フィルムや防湿性のフィルムが貼合ないし仮着されていない場合、容易に変動することがある。そのため、本発明において、偏光子の水分率は、2枚の光学フィルム(第1の光学フィルム及び第2の光学フィルム)を同時に貼合する場合には、貼合直前の水分率であることができ、2枚の光学フィルムを逐次的に貼合する場合には、2枚目の光学フィルムを貼合する直前の水分率であることができる。
このような水分率を採用することで、上記課題が解決されやすい。
[0032]
 偏光子の水分率は以下のように測定される。近赤外水分率計((株)チノー製の「IRMA1100S」)により測定される水分率と乾燥重量法によって得られる水分率との関係を1次式で表す検量線を、水分率が異なる複数の偏光子サンプルについて得られる両水分率からあらかじめ求めておく。近赤外水分率計により測定される水分率を、上記検量線を用いて乾燥重量法による水分率に換算して、これを偏光子の水分率とする。なお、乾燥重量法による水分率は、乾燥前の試料の重量をW0、同試料を105℃、1時間の条件で乾燥させたときの重量をW1とするとき、下記式:
 水分率(重量%)=100×(W0-W1)/W0
で定義される。
[0033]
 偏光子としては、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させた偏光子を好適に用いることができる。偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液等の架橋液で処理する工程;及び、架橋液による処理後に洗浄する工程を含む方法によって製造できる。
[0034]
 ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体の例は、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等を含む。
[0035]
 本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」等においても同様である。
[0036]
 ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85~100mol%であり、98mol%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は通常、1000~10000であり、1500~5000が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
[0037]
 このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子(偏光子)の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは特に制限されないが、偏光子の厚みを15μm以下とするためには、5~35μmのものを用いることが好ましい。より好ましくは、20μm以下である。
[0038]
 ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、架橋処理の前又は架橋処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
[0039]
 一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤や水を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3~6倍である。
[0040]
 ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、該フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
[0041]
 二色性色素による染色後の架橋処理としては通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。
[0042]
 架橋処理後、洗浄、および水切りを行うことが好ましい。洗浄処理は、イオン交換水、蒸留水のような純水、またはヨウ化カリウム水溶液に架橋処理後のフィルムを浸漬することにより行うことができる。洗浄に用いる水(または水溶液)の温度は、1~10℃であることが好ましく、1~5℃であることが好ましい。水切り処理は、フィルムの表面に付着した水(または水溶液)を、エアナイフやエアブロワで吹き飛ばしたり、スポンジで吸い取ったりすることにより行うことができる。洗浄に上記温度の水(または水溶液)を用いることにより、そして、水切りを行うことにより、高温環境下におかれた場合であっても面内中央部の透過率が低下しにくい偏光子を得ることができる。
[0043]
 洗浄の後、乾燥処理を行うことが好ましい。洗浄の後に行われる乾燥としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥等の任意の適切な方法を採用し得る。例えば加熱乾燥の場合、乾燥温度の最高温度は70~95℃であることが好ましく、乾燥時間は1~15分間であることが好ましい。
[0044]
 偏光子の厚みは、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。偏光子の厚みは、通常2μm以上であり、3μm以上であることが好ましい。偏光子の厚みが、このような範囲であると、偏光子に含まれる水分量を小さくしやすく、面内中央部の透過率が低下するのを防止しやすい。また、偏光子の厚みが小さくなると、ヨウ素の濃度がより高くなり、両面に積層される光学フィルムとの界面近傍に存在するヨウ素錯体の濃度も高くなるために、外部から侵入する水分の影響を受けやすい。従って、ヨウ素系偏光子5の厚みが小さいほど耐湿熱性は低くなりやすい。また、偏光子の厚みが小さくなってヨウ素の濃度がより高くなると、偏光子中に残存する水分の影響を受けやすくなり、耐熱性も低くなりやすい。このように、偏光子の厚みが小さいほど耐湿熱性及び耐熱性が低くなりやすいところ、本発明は、偏光子の厚みが小さい場合にとりわけ有利である。
[0045]
 偏光子としては、例えば特開2016-170368号公報に記載されるように、液晶化合物が重合した硬化膜中に、二色性色素が配向したものを使用してもよい。二色性色素としては、波長380~800nmの範囲内に吸収を有するものを用いることができ、有機染料を用いることが好ましい。二色性色素として、例えば、アゾ化合物が挙げられる。
液晶化合物は、配向したまま重合することができる液晶化合物であり、分子内に重合性基を有することができる。また、WO2011/024891に記載されるように、液晶性を有する二色性色素から偏光子を形成してもよい。
[0046]
(2)第1~第3の光学フィルム
 第1~第3の光学フィルムを総称して光学フィルムということがある。光学フィルムは、樹脂フィルムであることができる。光学フィルムは、偏光子を保護する機能を有する保護フィルムであることができる。光学フィルムは、位相差を有する位相差フィルムであることもできる。
[0047]
 保護フィルムは、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;メタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等からなるフィルムであることができる。本発明において、保護フィルムは、ポリオレフィン系樹脂、または(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムであることが好ましい。
[0048]
 鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体)、ポリプロピレン樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体)のような鎖状オレフィンの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
[0049]
 環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1-240517号公報、特開平3-14882号公報、特開平3-122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのようなノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
[0050]
 ポリエステル系樹脂は、下記セルロースエステル系樹脂を除く、エステル結合を有する樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としては2価のジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチルが挙げられる。多価アルコールとしては2価のジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。ポリエステル系樹脂の代表例として、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体であるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
[0051]
 (メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル-アクリル酸エステル-(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル-スチレン共重合体(MS樹脂等);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル-メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C 1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50~100重量%、好ましくは70~100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
[0052]
 セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートを含む。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものも挙げられる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)が特に好ましい。
[0053]
 ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなるエンジニアリングプラスチックである。
[0054]
 保護フィルムは、その外面(偏光子とは反対側の面)に、ハードコート層、防眩層、光拡散層、反射防止層、低屈折率層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を備えるものであってもよい。なお、第1~第3の光学フィルムの厚みは、表面処理層の厚みを含んだものである。保護フィルムは、位相差値を有していてもよい。
[0055]
 光学フィルムの厚みは、当該フィルムが熱可塑性樹脂フィルムである場合、通常10~100μmであるが、所定範囲の透湿度を付与する観点から、10~60μmであることが好ましく、10~55μmであることがより好ましく、15~40μmであることがさらに好ましい。
[0056]
 第1~第2の光学フィルムは、例えば接着剤層を介して偏光子に貼合することができる。なお図1、2において第1~第2の光学フィルムと偏光子とを接着する接着剤層は図示が省略されている。第3の光学フィルムは、例えば接着剤層や粘着剤層を介して第1の光学フィルムに貼合されることができ、第1の接着層を介して第1の光学フィルムに貼合されることができる。第1の接着層については後述する。接着剤層を形成する接着剤としては、水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができ、好ましくは水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤である。
[0057]
 水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物(グリオキザール等)、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。
[0058]
 水系接着剤を使用する場合は、偏光子と第1~第2の光学フィルムとを貼合した後、または第1の光学フィルムと第3の光学フィルムとを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するための乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20~45℃の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
[0059]
 上記活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する接着剤であり、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。
[0060]
 上記硬化性化合物は、カチオン重合性の硬化性化合物やラジカル重合性の硬化性化合物であることができる。カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物(分子内に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有する化合物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)や、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。カチオン重合性の硬化性化合物とラジカル重合性の硬化性化合物とを併用してもよい。活性エネルギー線硬化性接着剤は通常、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤及び/又はラジカル重合開始剤をさらに含む。
[0061]
 偏光子と第1の光学フィルムまたは第2の光学フィルムとの貼合、または第1の光学フィルムと第3の光学フィルムとの貼合にあたっては、接着性を高めるために、これらの少なくともいずれか一方の貼合面に表面活性化処理を施してもよい。表面活性化処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、放電処理(グロー放電処理等)、火炎処理、オゾン処理、UVオゾン処理、電離活性線処理(紫外線処理、電子線処理等)のような乾式処理;水やアセトン等の溶媒を用いた超音波処理、ケン化処理、アンカーコート処理のような湿式処理を挙げることができる。これらの表面活性化処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上を組み合わせてもよい。
[0062]
 光学フィルムとしては、位相差フィルムも例示することができる。位相差フィルムは、少なくとも位相差層を含むフィルムである。位相差フィルムは、位相差層を2層含むフィルムであってもよい。位相差フィルムが2層の位相差層を有する場合、2層の位相差層は、λ/4の位相差を与える層およびポジティブC層の組み合わせ、またはλ/4の位相差を与える層およびλ/2の位相差を与える層の組み合わせであることが好ましい。
[0063]
 位相差層は、延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムの材料は、上述の保護フィルムを形成する樹脂に例示したものから採用される。この場合、位相差層は、ポリオレフィン系樹脂、またはポリカーボネート系樹脂からなる延伸フィルムであることができる。位相差層は、重合性液晶化合物を含む組成物から構成される層であってもよい。重合性液晶化合物を含む組成物から構成される層とは、具体的には、重合性液晶化合物が硬化した層を意味する。本明細書において、λ/2の位相差を与える層、λ/4の位相差を与える層(ポジティブA層)及びポジティブC層等を総称して、位相差層ということがある。さらに、位相差フィルムは後述の配向膜を含んでいてもよい。
[0064]
 λ/2の位相差を与える層としては、好ましくは波長550nmにおける面内位相差値が200~280nmである層のことを意味し、より好ましくは面内位相差値が215~265nmである層のことを意味する。λ/4の位相差を与える層としては、好ましくは波長550nmにおける面内位相差値が100~160nmである層のことを意味し、より好ましくは面内位相差値が110~150nmである層のことを意味する。ポジティブC層は、屈折率がnx≒ny<nzの関係性を示す層であることができる。ポジティブC層の厚み方向の位相差値は、波長550nmにおいて-50nm~-150nmであることができ、-70nm~-120nmであることができる。位相差層は、正波長分散性を示してもよいし、逆波長分散性を示してもよい。
[0065]
 特に第2の光学フィルムがλ/4の位相差を与える層を含む場合、第2光学フィルムは、λ/4の位相差を与える層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が略45°となるように積層されることができる。略45°とは、40°~50°を意味する。このとき偏光板は、円偏光板としての機能が付与され得る。
[0066]
 重合性液晶化合物が硬化した層は例えば、基材に設けられた配向膜上に形成される。基材は、配向膜を支持する機能を有し、長尺に形成されている基材であってもよい。この基材は、離型性支持体として機能し、転写用の位相差層を支持することができる。さらに、その表面が剥離可能な程度の接着力を有するものが好ましい。基材としては、上記保護フィルムの材料として例示をした樹脂フィルムが挙げられる。
[0067]
 重合性液晶化合物が硬化した層は、配向膜を介して基材上に形成される。すなわち、基材、配向膜の順で積層され、重合性液晶化合物が硬化した層は配向膜上に積層される。
[0068]
 なお、配向膜は、垂直配向膜に限らず、重合性液晶化合物の分子軸を水平配向させる配向膜であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を傾斜配向させる配向膜であってもよい。配向膜の厚さは、通常10nm~10000nmの範囲であり、好ましくは10nm~1000nmの範囲であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは10nm~200nmの範囲である。
[0069]
 本実施形態で使用される重合性液晶化合物の種類については、特に限定されないものの、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物、ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらに、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。なお、高分子とは、一般に重合度が100以上のものをいう(高分子物理・相転移ダイナミクス、土井 正男著、2頁、岩波書店、1992)。
[0070]
 本実施形態では、何れの重合性液晶化合物を用いることもできる。さらに、2種以上の棒状液晶化合物や、2種以上の円盤状液晶化合物、又は棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
[0071]
 なお、棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1、又は、特開2005-289980号公報の段落[0026]~[0098]に記載のものを好適に用いることができる。円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落[0020]~[0067]、又は、特開2010-244038号公報の段落[0013]~[0108]に記載のものを好適に用いることができる。
[0072]
 重合性液晶化合物は、2種類以上を併用してもよい。その場合、少なくとも1種類が分子内に2以上の重合性基を有している。すなわち、前記重合性液晶化合物が硬化した層は、重合性基を有する液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
[0073]
 重合性液晶化合物は、重合反応をし得る重合性基を有する。重合性基としては、例えば、重合性エチレン性不飽和基や環重合性基などの付加重合反応が可能な官能基が好ましい。より具体的には、重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などを挙げることができる。その中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基及びアクリロイル基の両者を包含する概念である。
[0074]
 重合性液晶化合物が硬化した層は、重合性液晶化合物を含む組成物を、例えば配向膜上に塗工し、例えば紫外線のような活性エネルギー線を照射することによって形成することができる。組成物には、上述した重合性液晶化合物以外の成分が添加されていてもよい。
例えば、組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤は、重合反応の形式に応じて、例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤が選択される。例えば、光重合開始剤としては、α-カルボニル化合物、アシロインエーテル、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせなどが挙げられる。重合開始剤の使用量は、組成物中の全固形分に対して、0.01~20質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがより好ましい。
[0075]
 組成物は、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、重合性モノマーを含んでいてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の化合物が挙げられる。
その中でも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。
[0076]
 なお、重合性モノマーとしては、上述した重合性液晶化合物と共重合することができるものが好ましい。重合性モノマーの使用量は、重合性液晶化合物の全質量に対して、1~50質量%であることが好ましく、2~30質量%であることがより好ましい。
[0077]
 組成物は、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられる。その中でも特に、フッ素系化合物が好ましい。
[0078]
 組成物は、溶媒を含んでいてもよい。溶媒として有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、アミド(N,N-ジメチルホルムアミド等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド等)、ヘテロ環化合物(ピリジン等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン等)、アルキルハライド(クロロホルム、ジクロロメタン等)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル(テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン等)が挙げられる。その中でも、アルキルハライド、ケトンが好ましい。また、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[0079]
 組成物は、偏光子界面側垂直配向剤、空気界面側垂直配向剤などの垂直配向促進剤、並びに、偏光子界面側水平配向剤、空気界面側水平配向剤などの水平配向促進剤といった各種配向剤を含んでいてもよい。組成物は、上記成分以外にも、密着改良剤、可塑剤、ポリマーなどを含んでいてもよい。
[0080]
 光学フィルムが、位相差フィルムである場合、当該光学フィルムの厚みは、0.5μm以上であることが好ましい。また、当該光学フィルムの厚みは、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。位相差フィルムの厚みが前記下限値以上であると、十分な耐久性が得られる。位相差フィルムの厚みが前記上限値以下であると、偏光板の薄層化に貢献し得る。各位相差層の厚みは、λ/4の位相差を与える層、λ/2の位相差を与える層、又はポジティブC層の所望の面内位相差値、及び厚み方向の位相差値が得られるよう調整され得る。
[0081]
 第1~第3の光学フィルムを形成する材料および厚みは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。透湿度を制御しやすいことから、第1~第3の光学フィルムは、それぞれ熱可塑性樹脂フィルムを含むことが好ましい。第1~第3の光学フィルムは、それぞれ複数の熱可塑性樹脂フィルムの積層体であってもよいが、好ましくはそれぞれ一層の熱可塑性樹脂フィルムからなる。
[0082]
(5)第1~第3の接着層
 第1~第3の接着層を総称して接着層ということがある。接着層は、接着剤層や粘着剤層から形成される。第1~第3の接着層は、いずれも粘着剤層であることが好ましい。第1の接着層は、上述の第1の光学フィルムと第3の光学フィルムとを積層する機能を有することができる。第2の接着層は、偏光板を表示素子やタッチパネルに貼合するためのものであることができる。第3の接着層は、偏光板を前面板やタッチパネルに貼合するためのものであることができる。
[0083]
 接着剤層としては、水系接着剤や活性エネルギー線硬化性接着剤から形成される層、すなわち水系接着剤層や活性エネルギー線硬化性接着剤層であることができる。透湿度を上記範囲に制御しやすいことから、第1の接着層を形成する接着剤層としては、水系接着剤層が好ましい。
[0084]
 水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物(グリオキザール等)、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。水系接着剤層の厚みは、1μm以下であることができる。
[0085]
 活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する接着剤であり、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。
[0086]
 上記硬化性化合物は、カチオン重合性の硬化性化合物やラジカル重合性の硬化性化合物であることができる。カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物(分子内に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有する化合物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)や、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。カチオン重合性の硬化性化合物とラジカル重合性の硬化性化合物とを併用してもよい。活性エネルギー線硬化性接着剤は通常、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤及び/又はラジカル重合開始剤をさらに含む。活性エネルギー線硬化性接着剤層の厚みは、0.5μm以上2μm以下であることができる。
[0087]
 接着層は、粘着剤層から形成することもできる。粘着剤層は、(メタ)アクリル系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透湿度を制御しやすいことから(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。
[0088]
 粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上をモノマーとする重合体又は共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
[0089]
 粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
[0090]
 第1の接着層として粘着剤層を採用する場合、当該粘着剤層の厚みは、5μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上25μm以下であることが好ましい。面内中央部の透過率の低下をより小さくする観点から、第2の接着層および第3の接着層として、粘着剤層を採用する場合、当該粘着剤層の厚みは、それぞれ10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく30μm以上であってもよい。第2の粘着剤層および第3の粘着剤層の厚みは、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましい。
[0091]
 第1~第3の接着層は、材料や厚みが互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
[0092]
<表示装置>
 本発明の表示装置は、上述の偏光板を備えるものである。表示装置の種類は特に限定されず、液晶表示装置、有機EL表示装置、無機EL表示装置、プラズマ表示装置であることができる。
[0093]
 図2を参照して、本発明の表示装置の層構成の一例を具体的に説明する。図2に示す表示装置201は、図1に示す偏光板101が、第3の接着層23を介して前面板31に積層され、第2の接着層22を介して表示素子32に積層されている表示装置である。図示はしていないが、前面板や表示素子の一方をタッチパネルに置換してもよい。
[0094]
(1)前面板
 前面板は、偏光板の視認側に配置される。前面板は、第3の接着層を介して偏光板に積層されることができる。
[0095]
 前面板としては、ガラス、樹脂フィルムの少なくとも一面にハードコート層を含んでなるものなどが挙げられる。ガラスとしては、例えば、高透過ガラスや、強化ガラスを用いることができる。特に薄い透明面材を使用する場合には、化学強化を施したガラスが好ましい。ガラスの厚みは、例えば100μm~5mmとすることができる。
[0096]
 樹脂フィルムの少なくとも一面にハードコート層を含んでなる前面板は、既存のガラスのように硬直ではなく、フレキシブルな特性を有することができる。ハードコート層の厚さは特に限定されず、例えば、5~100μmであってもよい。
[0097]
 樹脂フィルムとしては、ノルボルネンまたは多環ノルボルネン系単量体のようなシクロオレフィンを含む単量体の単位を有するシクロオレフィン系誘導体、セルロース(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、イソブチルエステルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース)エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリシクロオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、 ポリエーテルイミド、ポリアクリル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシなどの高分子で形成されたフィルムであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸、1軸または2軸延伸フィルムを使用することができる。これらの高分子はそれぞれ単独または2種以上混合して使用することができる。樹脂フィルムとしては、透明性及び耐熱性に優れたポリアミドイミドフィルムまたはポリイミドフィルム、1軸または2軸延伸ポリエステルフィルム、透明性及び耐熱性に優れるとともに、フィルムの大型化に対応できるシクロオレフィン系誘導体フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム及び透明性と光学的に異方性のないトリアセチルセルロース及びイソブチルエステルセルロースフィルムが好ましい。樹脂フィルムの厚さは5~200μm、好ましくは、20~100μmであってもよい。
[0098]
 ハードコート層は、光或いは熱エネルギーを照射して架橋構造を形成する反応性材料を含むハードコート組成物の硬化により形成することができる。ハードコート層は、光硬化型(メタ)アクリレートモノマー、或いはオリゴマー及び光硬化型エポキシモノマー、或いはオリゴマーを同時に含むハードコート組成物の硬化により形成することができる。光硬化型(メタ)アクリレートモノマーは、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートで構成された群から選択された1種以上を含むことができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ化合物に対して(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸を反応させて得ることができる。
[0099]
 ハードコート組成物は溶媒、光開始剤及び添加剤からなる群から選択される一つ以上をさらに含むことができる。添加剤は、無機ナノ粒子、レベリング剤及び安定剤からなる群から選択される一つ以上を含むことができ、それ以外にも当該技術分野で一般的に使用される各成分として、例えば、抗酸化剤、UV吸収剤、界面活性剤、潤滑剤、防汚剤などをさらに含むことができる。
[0100]
(2)遮光パターン
 遮光パターンは、前面板または前面板が適用される表示装置のベゼルまたはハウジングの少なくとも一部として提供することができる。遮光パターンは、前面板における偏光板側の面上、偏光板における前面板側の面上、またはその両方に形成することができる。遮光パターンは、表示装置の各配線を隠し使用者に視認されないようにすることができる。
遮光パターンの色及び/または材質は特に制限されることはなく、黒色、白色、金色などの多様な色を有する樹脂物質で形成することができる。
[0101]
 遮光パターンの厚さは2μm~50μmであってもよく、好ましくは4μm~30μmであってもよく、より好ましくは6μm~15μmの範囲であってもよい。また、遮光パターンと表示部の間の段差による気泡混入及び境界部の視認を抑制するために、遮光パターンに形状を付与することができる。
[0102]
(3)表示素子
 表示素子としては、液晶表示素子、有機EL表示素子、無機EL表示素子、プラズマ表示素子等が挙げられる。具体的に、例えば液晶表示素子は、第1の基板と、第2の基板とを含んで構成される。第1の基板は、マトリクス状に形成される複数の薄膜トランジスタ(TFT)を有する薄膜トランジスタ基板である。第2の基板は、第1の基板に対向して配置されて、カラーフィルタを有する対向基板である。有機EL表示素子は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された薄膜構造体を有する。この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに、他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して自己発光を行う。バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、より薄型化が可能であり、かつ、直流低電圧駆動が可能であるという利点を有する。
[0103]
(4)タッチパネル
 タッチパネルは、基材、基材上に設けられた下部電極、下部電極に対向する上部電極、下部電極と上部電極とに挟持された絶縁層を有する。基材は、光透過性を有する可撓性の樹脂フィルムであれば、種々のものを採用することができる。例えば、基材としては、上述の第1の光学フィルムの材料として例示したフィルムを用いることができる。
[0104]
 下部電極は、例えば平面視で正方形状の複数の小電極を有する。複数の小電極は、マトリクス状に配列している。複数の小電極は、小電極の一方の対角線方向に隣り合う小電極同士で接続され、複数の電極列を形成している。複数の電極列は、端部で相互に接続され、となり合う電極列間の電気容量を検出可能となっている。
[0105]
 上部電極は、例えば平面視で正方形状の複数の小電極を有する。複数の小電極は、平面視で下部電極が配置されていない位置に、相補的にマトリクス状に配列している。すなわち、上部電極と下部電極とは、平面視で隙間なく配置されている。複数の小電極は、小電極の他方の対角線方向に隣り合う小電極同士で接続され、複数の電極列を形成している。
複数の電極列は、端部で相互に接続され、となり合う電極列間の電気容量を検出可能となっている。
[0106]
 絶縁層は、下部電極と上部電極とを絶縁している。絶縁層の形成材料は、タッチパネルの絶縁層の材料として通常知られた材料を使用可能である。
[0107]
 なお、本実施形態においては、タッチパネルが、いわゆる投影型静電容量方式のタッチセンサであることとして説明したが、発明の効果を損なわない範囲において、膜抵抗方式など、他の方式のタッチパネルを採用することもできる。
[0108]
<偏光板の製造方法>
 図1に示した偏光板101を例に、偏光板の製造方法を説明する。偏光板101は、接着剤を介して、偏光子1と第1の光学フィルム11とを貼合する工程、接着剤を介して、偏光子1と第2の光学フィルム12とを貼合する工程、第1の接着層21を第1の光学フィルム11に積層する工程、第3の光学フィルム13を第1の接着層21上に積層する工程、第2の接着層を第2の光学フィルム12上に積層する工程、および第3の接着層23を第3の光学フィルム13上に積層する工程から得られる。
[0109]
 接着剤を介して偏光子1と第1の光学フィルム11とを貼合する工程と、接着剤を介して偏光子1と第2の光学フィルム12とを貼合する工程とは、逐次的に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
[0110]
 偏光子1へ第1の光学フィルム11及び第2の光学フィルム12を同時に貼合する場合、貼合の前に、偏光子の水分率を調整する工程を設けることが好ましい。一方、偏光子1へ第1の光学フィルム11及び第2の光学フィルム12を逐次的に貼合する場合、1枚目の光学フィルムが偏光子へ貼合される前または後に、偏光子の水分率を調整する工程を設けることが好ましい。作製した偏光子の運搬や保管において、偏光子の水分率は上昇し得る。上述の範囲に水分率を調整するために、上記タイミングで偏光子の水分率を調整する工程、好ましくは偏光子の水分率を低減させる工程を設けることができる。
[0111]
 偏光子の水分率を調整する方法は特に制限されず、例えば、乾燥エアーを吹き付ける方法、低湿度に調整された調湿ゾーンを通過させる方法、熱風乾燥炉を通過させる方法、赤外線ヒーターのような加熱装置を用いて加熱する方法、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
[0112]
 偏光子の破断を防ぐ観点から、偏光子の水分率を調整する工程は、1枚目の光学フィルムが偏光子へ貼合された後に行うことが好ましい。この場合、偏光子の水分率を調整する工程を行ってから、2枚目の光学フィルムを貼合するまでの間に、雰囲気中の水分を偏光子が吸湿するのを防ぐ手段を講じることが好ましい。
[0113]
 偏光子が吸湿するのを防ぐ方法は特に制限されず、偏光子の露出面に剥離可能な防湿性フィルムを仮貼合する方法や、1枚目の光学フィルムを貼合した後に速やかにフィルムをロール状に巻回して外部からの水分の侵入を抑制する方法、ロール状のフィルムをアルミラミネートのような防湿性フィルムでさらに梱包する方法等が挙げられる。防湿性フィルムの透湿度は、100g/m ・24hr.以下であることが好ましく、50g/m ・24hr.以下であることがより好ましい。
[0114]
 また、偏光子の製造における洗浄後の乾燥工程が、偏光子の水分率を調整する工程を兼ねてもよい。この場合、乾燥工程後速やかに(例えば、乾燥工程後3分以内に、好ましくは1分以内に)、雰囲気中の水分を偏光子が吸湿するのを防ぐ手段を講じることが好ましい。雰囲気中の水分を偏光子が吸湿するのを防ぐ手段は、上記偏光子が吸湿するのを防ぐ方法が挙げられ、偏光子の露出面に剥離可能な防湿性フィルムを仮貼合する方法が好ましい。
[0115]
 偏光板101は、長尺の部材を準備し、ロール・トゥ・ロールでそれぞれの部材を貼り合わせた後、所定形状に裁断して製造してもよいし、それぞれの部材を所定の形状に裁断した後、貼り合わせてもよい。
実施例
[0116]
(1)フィルム厚みの測定方法
 株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーターであるMH-15Mを用いて測定した。
[0117]
(2)光学フィルムの透湿度の測定方法
 透湿度は、JIS Z 0208(カップ法)に準拠して、温度40℃、相対湿度90%の条件にて測定された。
[0118]
(3)接着層の透湿度の測定方法
 接着層の透湿度は、水蒸気透過度計(Lyssy製L80シリーズ)を用いて、JIS K7129に準拠して、温度40℃、相対湿度90%の条件にて測定された。試験方法は、感湿センサ法とした。
[0119]
[偏光子]
 厚み20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を乾式延伸により約5倍に縦一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100である28℃の水溶液に60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100である72℃の水溶液に300秒間浸漬した。引き続き3℃の純水で20秒間洗浄した後、エアナイフで水切りを行った。最高温度80℃で乾燥処理を行って、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み8μmの偏光子を得た。乾燥処理後速やかに、偏光子の両面へ、剥離可能な防湿性フィルムを仮貼合し、ロールに巻き取った。防湿性フィルムは、透湿度が30g/m ・24hr.である樹脂フィルムを用いた。
[0120]
[第1の光学フィルム]
第1の光学フィルムA:一方の表面にハードコート層を有する、延伸された環状オレフィン系樹脂フィルムを準備した。第1の光学フィルムAの厚みは30μmであった。第1の光学フィルムAの透湿度は、20g/m ・24hr.であった。
[0121]
第1の光学フィルムB:トリアセチルセルロースフィルムを準備した。第1の光学フィルムBの厚みは40μmであった。第1の光学フィルムBの透湿度は、600g/m ・24hr.であった。
[0122]
[第2の光学フィルム]
第2の光学フィルムA:延伸された環状オレフィン系樹脂フィルム上に、重合性液晶化合物が硬化した層が形成されたフィルムを準備した。延伸された環状オレフィン系樹脂フィルムは、λ/4の位相差を与える層であり、重合性液晶化合物が硬化した層はポジティブC層であった。第2の光学フィルムAの厚みは21μmであった。第2の光学フィルムAの透湿度は、20g/m ・24hr.であった。
[0123]
第2の光学フィルムB:トリアセチルセルロースフィルムを準備した。第2の光学フィルムBの厚みは20μmであった。第2の光学フィルムBの透湿度は、1600g/m ・24hr.であった。
[0124]
[第3の光学フィルム]
第3の光学フィルムA:環状オレフィン系樹脂フィルム;ZF14-023。第3の光学フィルムAの厚みは厚み23μmであった。第3の光学フィルムAの透湿度は、17g/m ・24hrであった。
[0125]
[第1の接着層]
第1の接着層A:攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n-ブチル97.0質量部、アクリル酸1.0質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル0.5質量部、酢酸エチル200質量部、及び2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。
窒素雰囲気下で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、6時間反応させた後、室温まで冷却した。得られたアクリル酸エステル重合体の重量平均分子量は180万であった。
[0126]
 上記工程で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、イソシアネート系架橋剤として、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー株式会社製、商品名「コロネート(登録商標)L」)0.30質量部と、シランカップリング剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製,商品名「KBM403」)0.30質量部とを混合し、十分に撹拌して、酢酸エチルで希釈することにより、粘着剤組成物を得た。
[0127]
 離型処理された基材フィルム上に、乾燥後の厚さが25μmとなるように粘着剤組成物を塗工した。粘着剤組成物を100℃で1分間乾燥して、第1の接着層Aを得た。第1の接着層Aの透湿度は、3600g/m ・hr.であった。
[0128]
[第2の接着層]
 第2の接着層A:第1の接着層Aと同じ粘着剤層を使用した。
[0129]
[第3の接着層]
 第3の接着層A:第1の接着層Aと同じ粘着剤層を使用した。
[0130]
[実施例1]
 偏光子と防湿性フィルムとが積層されたフィルムのロールからフィルムを巻きだして、一方の防湿性フィルムを剥離し、速やかに、偏光子の露出面に、紫外線硬化性接着剤を介して第1の光学フィルムAを貼合した。もう一方の防湿性フィルムを剥離した後、速やかに、偏光子の露出面に、紫外線硬化性接着剤を介して第2の光学フィルムAを貼合した。
さらに、第1の光学フィルムA上に、第1の接着層Aを介して、第3の光学フィルムAを積層させた。第2の光学フィルムA上に、第2の接着層Aを積層した。なお、各層を貼合する際には、貼合面にコロナ処理を施した。このようにして、第3の光学フィルムA/第1の接着層A/第1の光学フィルムA/偏光子/第2の光学フィルムA/第2の接着層Aがこの順に積層された偏光板を得た。第2の光学フィルムAを貼合する直前の偏光子の水分率は、0.5%であった。
[0131]
[比較例1]
 第3の光学フィルムAおよび第1の接着層Aを形成しなかったこと以外は、実施例1と同様に偏光板を作製した。この偏光板は、第1の光学フィルムA/偏光子/第2の光学フィルムA/第2の接着層Aがこの順に積層された層構成を有していた。
[0132]
[比較例2]
 第1の光学フィルムAの代わりに第1の光学フィルムBを使用し、第2の光学フィルムAの代わりに第2の光学フィルムBを使用したこと以外は、比較例1と同様にして、偏光板を作製した。この偏光板は、第1の光学フィルムB/偏光子/第2の光学フィルムB/第2の接着層Aがこの順に積層された層構成を有していた。
[0133]
[高温耐久試験]
 偏光板における第2の接着層A側の表面とは反対側の表面に第3の接着層Aを形成した。偏光板を80mm×80mmの大きさの正方形に裁断した。第3の接着層Aを介して、偏光板をガラス板へ貼り合わせた。第2の接着層上にも、ガラス板を貼り合わせた。ガラス板は、コーニング社製EAGLE XG(登録商標)であり、その厚みは0.4mmであった。ガラス板は、偏光板のサイズよりも大きいものを使用した。このようにして、偏光板の両面に一対のガラス板が積層された評価用積層体を作製した。
[0134]
 評価用積層体を、温度105℃のオーブンに48時間投入した。評価用積層体をオーブンから取り出し、面内中央部の透過率が低下しているか目視で確認をした。以上の結果を表1に示す。
 〇:面内中央部において、透過率の低下が確認されなかった。
 △:面内中央部において、透過率の低下がわずかに確認された。
 ×:面内中央部において、透過率の低下がはっきりと確認された。
[0135]
[高温高湿耐久試験]
 高温耐久試験と同様にして評価用積層体を作製した。評価用積層体を、温度50度の環境下に12時間放置した後に、温度85℃相対湿度85%RHのオーブンに500時間投入した。評価用積層体をオーブンから取り出し、偏光板の視感度補正偏光度を測定した。
以上の結果を表1に示す。
[0136]
[表1]


[0137]
  〔表1〕
┏━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃             ┃実施例1 比較例1 比較例2 ┃
┣━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃第1の光学フィルムの透湿度┃               ┃
┃  [g/m ・24hr.]     ┃ 20    20     600  ┃
┠─────────────╂───────────────┨
┃第2の光学フィルムの透湿度┃               ┃
┃  [g/m ・24hr.]     ┃ 20    20    1600  ┃
┠─────────────╂───────────────┨
┃第3の光学フィルムの有無 ┃ 有    無     無  ┃
┣━━━━━━┯━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃高温    │105℃    ┃ ○    ×     ○  ┃
┃耐久試験  │168時間   ┃               ┃
┠──────┼──────╂───────────────┨
┃高温高湿  │ 85℃85%RH ┃ 99%    99%    <80%  ┃
┃耐久試験  │500時間   ┃               ┃
┗━━━━━━┷━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━┛
[0138]
 実施例の偏光板は、高温環境下におかれた場合であっても面内中央部の透過率が低下しにくく、高温高湿環境下におかれた場合であっても偏光度が低下しにくいものであった。
一方、比較例1の偏光板は、高温環境下に置かれた際に、面内中央部の透過率が低下していた。比較例2の偏光板は、高温高湿環境下に置かれた際に、偏光度の低下量が大きかった。

産業上の利用可能性

[0139]
 本発明によれば、高温環境下におかれた場合であっても面内中央部の透過率が低下しにくく、高温高湿環境下におかれた場合であっても偏光度が低下しにくい偏光板が提供されるので有用である。

符号の説明

[0140]
1 偏光子
11 第1の光学フィルム
12 第2の光学フィルム
13 第3の光学フィルム
21 第1の接着層
22 第2の接着層
23 第3の接着層
31 前面板
32 表示素子
101 偏光板
201 表示装置

請求の範囲

[請求項1]
偏光子と、偏光子の一方の面に積層された第1の光学フィルムと、偏光子の他方の面に積層された第2の光学フィルムと、第1の光学フィルムにおける偏光子側とは反対側に配置された第3の光学フィルムとを有し、
第1の光学フィルム及び第3の光学フィルムは、偏光子を基準に視認側へ配置されるフィルムであり、
第1の光学フィルムの透湿度は、100g/m ・24hr.以下であり、
第2の光学フィルムの透湿度は、100g/m ・24hr.以下である偏光板。
[請求項2]
第1の光学フィルムと第3の光学フィルムとの間に第1の接着層を有し、
第1の光学フィルムおよび第3の光学フィルムは、第1の接着層に接している請求項1に記載された偏光板。
[請求項3]
第1の接着層の透湿度は、500g/m ・24hr.以上である請求項1または2に記載された偏光板。
[請求項4]
第2の光学フィルムにおける偏光子側とは反対側の面に積層された第2の接着層と、
第3の光学フィルムにおける偏光子側とは反対側の面に積層された第3の接着層とを有する請求項1~3のいずれかに記載された偏光板。
[請求項5]
請求項4に記載された偏光板が、第3の接着層を介して前面板に積層され、第2の接着層を介して表示素子に積層されている表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]