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1. WO2020116051 - 放電電極板

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明 細 書

発明の名称 放電電極板

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

実施例 1

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075  

図面の簡単な説明

0076  

符号の説明

0077  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 放電電極板

技術分野

[0001]
 本発明は、コロナ放電させる細長い放電電極を形成する放電電極板に関するものである。

背景技術

[0002]
 従来、高分子樹脂の表面を改質してつるつるの表面を、小さな凹凸あるいはトゲトゲ状にする方法と1つとして、大気コロナ放電中を通す手法がある。
[0003]
 このコロナ放電を起こした中を高分子樹脂を通過させることにより、プラズマ中の活性化したイオンが樹脂の表面を適切に凹凸化、あるいはギザギザ化する。
[0004]
 高分子樹脂の表面が小さな凹凸形状になると、撥水性から親水性に変化する。例えば、応用製品として、海苔を干す簾の表面は小さな凹凸化があると都合がよい。これにより、海水から引き揚げた海苔は相応の密着性を有するが、高分子樹脂表面がツルツル状態では、この密着性は得られず、簾に海苔がつかない。
[0005]
 このように高分子樹脂の表面改質処理は、大気中でコロナ放電を起こして行われている。この放電電極の材質は、従来は、金属類(例えば、ステンレス、タングステン)が使われていた。

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかし、従来のコロナ放電させる放電材料として、金属類(ステンレス、タングステン)を使用した場合には、コロナ放電プラズマ下で多量に発生するオゾンO3のために、極めて短時間(速いものは1週間程度)で表面が酸化してしまい、放電電極の表面からの電子の供給が円滑に行われなくなってしまい、使用できなくなってしまうという問題点があった。
[0007]
 また、放電電極が短時間(1週間程度)で表面が酸化して放電ができなくなり、放電電極を交換することが要求されてしまうという問題もあった。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明者らは、放電電極材料として導電性ガラスがコロナ放電させても電子の供給が円滑に長期間に渡って行えることを実験で発見した。
[0009]
 そのために、本願発明は、コロナ放電させる細長い放電電極を形成する放電電極板において、耐熱性材料で作成した耐熱性板と、耐熱性板の上に細長く、あるいは耐熱性板の上に形成した細長い溝の中に、導電性ガラスを塗布、焼成して形成する放電電極とを備え、放電電極を電子導電性の導電性ガラスで形成してコロナ放電による劣化を低減して長寿命化するようにしている。
[0010]
 この際、導電性ガラスは、バナジウム、バリウム、鉄から構成されるバナジン酸塩ガラスとするようにしている。
[0011]
 また、耐熱性板は、耐熱ガラスとするようにしている。
[0012]
 また、放電電極に半田付けしてリード線を接続するようにしている。
[0013]
 また、放電電極にリード線の半田付けは、超音波半田付けするようにしている。
[0014]
 また、導電性ガラスを塗布、焼成して放電電極を形成は、導電性ガラスの粉末を含むペーストを生成し、この生成したペーストを塗布、焼成して電子導電性の放電電電極を形成するようにしている。
[0015]
 また、放電電極と対面した他の電極、あるいは放電電極と背面した他の電極との間に10KHzから30KHzの範囲内の高周波電圧を印加し、放電電極の周りにコロナ放電させるようにしている。

実施例 1

[0016]
 図1は、本発明の放電電極板の構成例を示す。
[0017]
 図1において、耐熱ガラス板1は、放電電極3を保持するものであって、コロナ放電により高温になるのでそれに耐えることができる耐熱性の板である。
[0018]
 穴2は、耐熱性ガラス板1を図示外の装置に固定するための穴である。
[0019]
 放電電極3は、コロナ放電させる電極であって、ここでは、導電性ガラスを塗布、焼成して形成した細長い電極である。実験では幅1mmないし30mm程度、長さは10cm、更にいくらでも実現できれば長くでもよい。
[0020]
 半田付け5は、リード線6を半田つけしたものを模式的に示したものである。ここでは、放電電極3を導電性ガラスで作成したので、超音波半田付けでリード線6を半田付けする。通常の超音波なしの半田付けは、困難である。
[0021]
 リード線6は、放電電極3に半田付けして高周波電圧を印加し、放電電極3の周りにコロナ放電させるための電源を供給するものである。
[0022]
 次に、図2のフローチャートの順番に従い、図1の製造工程を詳細に説明する。
[0023]
 図2は、本発明の製造工程フローチャートを示す。
[0024]
 図2において、S1は、ABLガラスペーストを準備する。これは、図1の放電電極(導電性ガラス)3を形成する導電性ペーストであるABLガラスペースト(導電性ガラスペーストの名称)を準備する(後述する図4参照)。
[0025]
 S2は、ABLガラスペーストを塗布する。これは、S1で準備したABLガラスペーストを、図1の放電電極3を形成するパターンにスクリーン印刷し、約500μm厚に塗布する。
[0026]
 S3は、ABLガラスペーストを乾燥する。これは、S2でABLガラスペーストを、図1の放電電極3のパターンにスクリーン印刷して塗布したので、塗布したパターンのABLガラスペーストを100℃、1時間の熱風乾燥する。
[0027]
 S4は、焼成する。これは、S3で熱風乾燥した後、500℃から600℃で焼成を行う。焼成は、赤外線ランプで照射、あるいは焼成炉に入れてもよい(図8参照)。
[0028]
 S5は、電極へのリード線付けする。S4で焼成した後の図1の放電電極3にリード線6を超音波半田つけする。
[0029]
 以上のように、図1の耐熱ガラス1の上にABLガラスペーストをスクリーン印刷し、乾燥、焼成し、電子導電性のコロナ放電で劣化しない長寿命の放電電極3を形成することが可能となった。
[0030]
 以下順次詳細に説明する。
[0031]
 図3は、本発明のABLガラスペースト塗布方法フローチャートを示す。これは、既述した図2のS2、S3、S4の詳細フローチャートを示す。
[0032]
 図3において、S11は、ABLガラスペーストをスクリーン印刷して基板に塗布する。これは、ABLガラスペーストを、図1の放電電極3のパターンになるようにスクリーン印刷する。
[0033]
 S12は、乾燥した大気中に放置する。これは、S11でスクリーン印刷した後、乾燥した大気中に2~24時間、放置し、自然乾燥する。
[0034]
 S13は、溶剤飛ばしする。これは、S12で自然乾燥した後、溶剤を完全に蒸発させるために、電気炉で40~100℃、100分間の乾燥を行う。
[0035]
 S14は、焼成する。これは、500℃から600℃の電気炉に入れ、あるいは赤外ランプを照射して焼成(図8参照)し、放電電極3のパターン(ABLガラスペーストを塗布)が完全に導電性ガラスになるようにアニーリングすると共に、耐熱性ガラス1に固着させる。
[0036]
 以上により、ABLガラスペーストを用いて放電電極3のパターンを図1の耐熱ガラス1の上にスクリーン印刷し、自然乾燥、熱風乾燥、焼成し、低抵抗かつコロナ放電に対して劣化しなく長寿命の導電性ガラスの放電電極3を形成することが可能となった。
[0037]
 図4は、本発明のABLガラスペースト説明図を示す。これは、スクリーン印刷に用いるABLガラスペースト(導電性ガラスペースト)の説明図を示す。
[0038]
 図4において、成分例は、ABLガラスペーストを作成するために必要な成分の例を示す。ここでは、図示の成分、濃度範囲(重量%)、備考は下記である。
[0039]
   成分例        濃度範囲(重量%) 備考
 ・バナジン酸塩ガラス   60~85   主材:
  粉体2~3μm           ABLガラス2~3μm粉体
 ・ジエチレングリコール  10~30    有機材(主材粒子を結合)
  モノブチルアセテート
 ・ターピネオール      5~15    有機溶媒(ペースト濃度調整)
 ・セルロース系樹脂     1~10   樹脂(塗布材料に接着)
 ここで、成分例のバナジン酸塩ガラスは、主材であって、粉体2~3μm程度ものを60から85重量%からなる。次の、ジエチレングリコール、モノブチルアセテートは、有機材であって、主材粒子を結合するものであり、10から30重量%からなる。次の、ターピネオールは、有機溶媒であって、ペースト濃度を調整するものであり、5から15重量%からなる。次の、セルロース系樹脂は、塗布材料(ここでは、図1の耐熱性ガラス1)に接着するためのものであり、1から10重量%からなる。
[0040]
 以上の割合で混ぜて混錬することにより、ABLガラスペーストが作成できる。
[0041]
 図5は、本発明のスクリーン印刷条件例の説明図を示す。図5は、図3のS11でABLガラスペーストを用いて図1の耐熱ガラス板1の上に放電電極(導電ガラス)3のパターンをスクリーン印刷するときの印刷条件の概略を記載したものである。
[0042]
 図5において、項目はスクリーン印刷するときの項目であり、条件例は各項目のスクリーン印刷するときの条件であり、備考は各項目、条件に要求される材料、粒径などの情報を記載したものであって、例えば図示の下記である。
[0043]
  項目      条件例     備考
 ・スクリーン線径 16μm     ペーストの溶剤による腐食の影響の
                  ない材料
 ・メッシュ    325本/インチ  
 ・目開き     62μm     ペーストの主材であるABLガラス
                  粒径よりも十分大きいこと
 ・空間率     63%
 ここで、スクリーン線径はスクリーン印刷するときのスクリーンメッシュの線径であって、ここでは16μmを使用した。スクリーンメッシュはABLガラスペーストの溶剤による腐食の影響のない材料であることが必要である。
[0044]
 メッシュは325本/インチのものを使用した。目開きは、メッシュの目開きであって、62μmを使用した。メッシュの空間率は63%であった。
[0045]
 以上の項目、条件、備考を備えたスクリーン印刷により、既述した図3のS11のスクリーン印刷などを実施した。
[0046]
 図6は、本発明の超音波半田付け条件例の説明図を示す。図6は、図1の放電電極(導電性ガラス)3に、リード線6を超音波半田付けするときの条件例の説明図である。
[0047]
 図6において、項目は超音波半田付けするときの項目であり、条件例は各項目の超音波半田付けするときの条件である。
[0048]
  項目         条件例         備考
 ・超音波出力      1~10W
 ・半田材料       錫-亜鉛系半田材料 
 ・コテ先温度      250℃以上450℃以下
 ・超音波周波数     20~60KHz
 ここで、超音波出力は超音波半田付けするときの超音波の出力であって、ここでは1~10Wの範囲内(好ましくは2W程度以下とすることが望ましい)で使用した。半田材料は超音波半田付けするときに使用する半田材料であって、ここでは、錫-亜鉛系の鉛フリー半田を使用した。コテ先温度は、超音波半田付けする半田コテのコテ先の温度であって、250℃から450℃の範囲内の温度で使用した(温度は使用する半田材料に依存するので実験で最適なコテ先温度を決める)。超音波周波数は、実験では20~60KHzの範囲内の超音波周波数を使用した。
[0049]
 以上の項目、条件を備えた超音波半田付けにより、図1の放電電極(導電性ガラス)3にリード線6を超音波半田付けが綺麗にできた。超音波なしの通常の半田付けでは、半田付け不良が発生し、半田付け不可であった。
[0050]
 図7は、本発明のコロナ放電の動作条件例の説明図を示す。これは、既述した図1の放電電極(導電性ガラス)3と、対向した図示外の平面平板(放電電極3よりも面積が大)と、あるいは耐熱ガラス板1の放電電極3を形成した面と反対の裏面に対向した図示外の平面平板(放電電極3よりも面積が大)との間に高周波電圧(10KHzから40KHz程度)を印加し、放電電極3の上を覆うようにコロナ放電させるときの動作条件例を示す(図10参照)。
[0051]
 図7において、項目はコロナ放電するときの項目であり、条件例は各項目のコロナ放電するときの条件である。
[0052]
  項目         条件例         備考
 ・印加電圧       2~10KV
 ・周波数        10~40KHz程度
 ここで、印加電圧はコロナ放電するときに印加する電圧であって、2~10KVの範囲内で使用した。また、周波数はコロナ放電させるときの周波数であって、10KHz以下の周波数になると空気中の酸素、窒素などの原子が電極に衝突して電極をスパッタリングして摩耗させてしまう確率が高くなるから、ここでは、10KHz~40KHzとした。
[0053]
 以上の項目、条件を備えることにより、図1の放電電極(導電性ガラス)3の上を覆うようにコロナ放電させることが可能であった(後述する図10参照)。
[0054]
 図8は、本発明のサンプル例を示す。これは、図2のフローチャーの順番に従い作成した放電電極(導電性ガラス)3のサンプルについて、焼成条件、溝の有無、抵抗率を測定した例を示す。
[0055]
 図8において、Noはサンプルの番号であり、焼成条件はABLガラスペーストを塗布して焼成した温度条件であり、溝は図1の耐熱ガラス板1の上の溝の有無であり、抵抗率はリード線6から放電電極3の末端までの抵抗率(Ω・cm)である。
[0056]
 No 焼成条件              溝  リード線から電極末端
                        までの抵抗率
                        (Ω・cm)
 (1) 2回焼成(600℃30min急冷+550℃30min) 有  91.4
 (2) 2回焼成(600℃30min急冷+550℃30min) 無  75.1
 (3) 1回焼成(600℃30min)         有  47.6
 (4) 1回焼成(600℃30min)         無  56.4
 (5) 1回焼成(570℃30min)         有  103.6
 (6) 1回焼成(570℃30min)         無  51.1
 (7) 1回焼成600℃30min急冷)       無  192.3
 ここで、サンプル(1)の焼成条件は、600℃、30分加熱した後に急冷し、次に550℃、30分加熱した後、自然冷却したサンプルを表す。他も同様である。
[0057]
 また、サンプル(1)から(7)のいずれも図1のリード線6から放電電極(導電性ガラス)3の末端までの抵抗値は図示のように200~47Ω・cmであり、コロナ放電を良好に発生させることができた。更に、放電電極3が電子導電性のガラスで作成されており、コロナ放電による劣化が極めて少なく、従来のステンレス放電電極に比して長寿命化できた。また、図1の耐熱ガラス板1の上に放電電極3用の溝の有あるいは無のいずれも抵抗率は若干異なるが、コロナ放電させるのに十分な抵抗率であった。
[0058]
 図9は、本発明の焼成条件による結晶性の違いの説明図を示す。
[0059]
 図9の(a)は600℃30min急冷の導電電極3の表面の光学顕微鏡写真の例を示し、図9の(b)は570℃30minの自然冷却の導電電極3の表面の光学顕微鏡写真の例を示し、図9の(c)は600℃30minの自然冷却の導電電極3の表面の光学顕微鏡写真の例を示す。
[0060]
 図9において、上側に示したように、結晶粒子は図9の(a)が一番小さく、図9の(b)、図9の(c)の方向に大きくなっている。これは、図9の(a)は温度が600℃と高いが急速冷却したために高温状態がそのままとなり結晶粒子が小さい。一方、図9の(b),(c)では温度が570℃、600℃と高くなり、自然冷却したので、結晶粒子が冷却中に成長してだんだんと大きくなったものである。コロナ放電させるのに都合のよい焼成温度、急冷/自然冷却を選択することにより、放電電極3の表面の結晶粒子の大きさを小さいものから大きいものに調整することが可能であるので、必要に応じて最適な焼成温度、急冷あるいは自然冷却を選択して焼成すればよい。
[0061]
 図10は、本発明の溝の有無説明図を示す。これは、図1の耐熱ガラス板1の上に形成する放電電極3の溝の有無を模式的に説明したものである。
[0062]
 図10の(a)は溝が有の場合の図1の耐熱ガラス板1の横面断面図を模式的に示し、図10の(b)は溝が無の場合の図1の耐熱ガラス板1の横面断面図を模式的に示す。
[0063]
 図10の(a)において、溝の中に導電性ガラスペーストを塗布、焼成(2回ないし3回)した後の図示の導電性ガラス31は、耐熱ガラス板1の内部に収まった状態となり、コロナ放電の角度が図示のように、図10の(b)に比して狭くなり、集中してコロナ放電をコロナ放電処理対象物に照射することが可能となる。
[0064]
 図10の(b)において、溝がない耐熱ガラス板1の上に直接に導電性ガラスペーストを塗布、焼成した後の図示の導電性ガラス32は、耐熱ガラス板1の上に凸状の状態となり、コロナ放電の角度が図示のように、図10の(a)に比して広くなり、てコロナ放電をコロナ放電処理対象物の広い範囲に照射することが可能となる。
[0065]
 図10の(c)は、溝加工の有、溝加工の無の特徴をテーブルにしたものであって、図示の下記である。
[0066]
           溝加工(有)   溝加工(無)
 ・印刷回数     2回       1回
 ・放電方向性    有         無  
 ・保管性      容易        難しい
 ・電極厚み     溝高に依存     500μm以下
 ここで、溝加工が有は、溝が有る図10の(a)の場合であり、溝加工が無は、溝が無い図10の(b)の場合を表す。印刷回数は導電性ガラスペーストを塗布・焼成する回数を表し、溝加工が有の場合には溝の内部に印刷した導電性ガラスペーストが焼成により大幅に縮小するので2回(必要に応じて3回)の印刷を行う必要がある。溝が無の場合には、縮小しても厚さが減少するのみで特に問題がなく、1回の印刷でよい。
[0067]
 放電方向性は、上述したように、溝加工(有)はコロナ放電の照射方向が狭い放電方向性がある。一方、溝加工(無)は放電方向性はない。
[0068]
 保管性は、溝加工が有の場合には、積み重ねが容易になり、保管が容易である。一方、溝加工が無の場合には、放電電極3が耐熱ガラス板1の上に飛び出し、積み重ねができず、保管が難しい。
[0069]
 電極厚みは、溝加工が有の場合には溝の高さに依存する。溝加工が無の場合は、図10の(b)に示すように、半円形状となり、通常500μm以下となる。
[0070]
 図11は、本発明の電極材料の説明図を示す。これは、図1の放電電極3として、各種材料を使用したときの、コロナ放電するイニシアル電圧(V)を求めたものである。
[0071]
 図11において、電極材料はコロナ放電させる放電電極の材料であり、イニシアル電圧(V)はコロナ放電を開始するイニシアル電圧であり、例えば図示の下記である。
[0072]
  電極材料             イニシアル電圧(V) 
 ・タングステン           5.0~6.0
 ・ステンレス            5.0~6.0
 ・ABLガラス(電子導電性ガラス)  3.7~4.0 
   粗い結晶 
 ・ABLガラス(電子導電性ガラス)  4.5~4.8 
   少し粗い結晶 
 ・ABLガラス(電子導電性ガラス)  4.0~5.0 
   細やかな結晶 
 ここで、従来のタングステン、ステンレスのイニシアル電圧は5から6KVのイニシアル電圧を持っていた。本願発明のABLガラス(電子導電性ガラス)の放電電極3は、粗い結晶では3.7~4.0KV.少し荒い結晶で4.5から4.8KVV、細やかな結晶で4.9から5.0KVであり、いずれにしても従来のステンレスなどの金属に比して低いイニシアル電圧でコロナ放電を開始させ、維持することが判明した。
[0073]
 図12は、本発明の電極部の構造例を示す。これは、図1の耐熱ガラス板1に穴を開け、リード線6を該穴から放電電極(導電性ガラス)3の裏面に直接に超音波半田付けした構造を模式的に示したものである。
[0074]
 図12において、穴9は、耐熱ガラス板1の裏面から放電電極(導電性ガラス)3の裏面に向けて開けられた穴である。
[0075]
 以上のように、穴9を設けたことにより、耐熱ガラス板1の上に溝有(あるいは溝無)の放電電極(導電性ガラス)3を塗布・焼成した後、リード線6を穴9の内部を介して放電電極(導電性ガラス)3に超音波半田付け8を実施し、当該リード線6を放電電極3に接続する。これにより、耐熱ガラス板1の図示の上の表面は、放電電極3のみが露出した状態となり、図1の放電電極3の端にリード線6を上から重ねて超音波半田付けした場合の突起などがなくなり、放電電極3の端部におけるコロナ放電の乱れをなくし、放電電極3の端でも均一なコロナ放電を実現できる。

図面の簡単な説明

[0076]
[図1] 本発明の放電電極板の構成例である。
[図2] 本発明の製造工程フローチャートである。
[図3] 本発明のABLガラスペースト塗布方法フローチャートである。
[図4] 本発明のABLガラスペースト説明図である。
[図5] 本発明のスクリーン印刷条件例の説明図である。
[図6] 本発明の超音波半田付け条件例の説明図である。
[図7] 本発明のコロナ放電の動作条件例の説明図である。
[図8] 本発明のサンプル仕様例である。
[図9] 本発明の焼成条件による結晶性の違い説明図である。
[図10] 本発明の溝の有無説明図である。
[図11] 本発明の電極材料の説明図である。
[図12] 本発明の電極部の構造例である。

符号の説明

[0077]
1:耐熱ガラス板
2、9:穴
3:放電電極(導電性ガラス、ABLガラス)
31、32:導電性ガラス
5:半田付け(超音波半田付け)
6:リード線
8:超音波半田付け

請求の範囲

[請求項1]
コロナ放電させる細長い放電電極を形成する放電電極板において、
 耐熱性材料で作成した耐熱性板と、
 前記耐熱性板の上に細長く、あるいは前記耐熱性板の上に形成した細長い溝の中に、導電性ガラスを塗布、焼成して形成する放電電極と、
を備え、
 前記放電電極を電子導電性の導電性ガラスで形成してコロナ放電による劣化を低減して長寿命化したことを特徴とする放電電極板。
[請求項2]
 前記導電性ガラスは、バナジウム、バリウム、鉄から構成されるバナジン酸塩ガラスとしたことを特徴とする請求項1に記載の放電電極板。
[請求項3]
 前記耐熱性板は、耐熱ガラスとしたことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の放電電極板。
[請求項4]
 前記放電電極に半田付けしてリード線を接続したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の放電電極板。
[請求項5]
 前記放電電極にリード線の半田付けは、超音波半田付けとしたことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の放電電極板。
[請求項6]
 導電性ガラスを塗布、焼成して放電電極を形成は、導電性ガラスの粉末を含むペーストを生成し、この生成したペーストを塗布、焼成して電子導電性の放電電電極を形成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の放電電極板。
[請求項7]
 前記放電電極と対面した他の電極、あるいは前記放電電極と背面した他の電極との間に10KHzから30KHzの範囲内の高周波電圧を印加し、当該放電電極の周りにコロナ放電させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の放電電極。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]