処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2020115994 - 滑り軸受およびステアリングシャフト支持構造

Document

明 細 書

発明の名称 滑り軸受およびステアリングシャフト支持構造

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073  

符号の説明

0074  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 滑り軸受およびステアリングシャフト支持構造

技術分野

[0001]
 本発明は、滑り軸受に関し、特に、筒部材に挿通された軸部材を筒部材に対して回動自在に支持する滑り軸受であって、自動二輪車のステアリングシャフト支持構造に好適な滑り軸受に関する。

背景技術

[0002]
 自動二輪車は、ステアリングシャフトをこのステアリングシャフトが挿通されるフレームのヘッドパイプに対して回動自在に支持するステアリング支持構造を有している。このステアリング支持構造は、ヘッドパイプの上端部および下端部にそれぞれ設けられた一対の転がり軸受により構成され、これらの転がり軸受は、ステアリングシャフトが圧入されるインナーケースと、ヘッドパイプに圧入されるアウターケースと、インナーケースおよびアウターケースと点接触あるいは線接触して、スラスト荷重およびラジアル荷重を支持しつつアウターケースおよびインナーケース間の円滑な回動を実現する複数の鋼球と、を備えている(例えば特許文献1)。
[0003]
 また、近年、自動二輪車のステアリングシャフト支持構造用の軸受として、転がり軸受に比べて構造が簡単で振動や騒音が少なくかつ耐衝撃性に優れた滑り軸受の採用が検討されている。自動二輪車のステアリングシャフト支持構造用の軸受では、スラスト荷重およびラジアル荷重の両方を支持することが要求される。スラスト荷重およびラジアル荷重の両方を支持することができる滑り軸受として特許文献2に記載の滑り軸受がある。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2011-201468号公報
特許文献2 : 特開2012-172814号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、自動二輪車のステアリングシャフト支持構造用の軸受として特許文献2に記載の滑り軸受を修正して用いる場合、つぎのような問題が生じる。
[0006]
 すなわち、特許文献2に記載の滑り軸受を自動二輪車のステアリングシャフト支持構造用に修正した場合、この滑り軸受は、ステアリングシャフトが圧入されるインナーケースと、ヘッドパイプに圧入されるアウターケースと、インナーケースおよびアウターケース間に配置され、インナーケースおよびアウターケースの少なくとも一方に設けられたスラスト荷重伝達面と面接触してスラスト荷重を支持するスラスト軸受面およびインナーケースおよびアウターケースの少なくとも一方に設けられたラジアル荷重伝達面と面接触してラジアル荷重を支持するラジアル軸受面を有し、インナーケースおよびアウターケース間の円滑な回動を実現するセンタープレートと、を備えて構成される。
[0007]
 ここで、インナーケース、アウターケース、およびセンタープレートには、これらの部品を確実に組み合わせられるようにするための寸法公差が設定されている。このため、これらの部品を組み合わせて自動二輪車のステアリングシャフト支持構造用の滑り軸受を作製した場合、インナーケースおよびアウターケースの少なくとも一方に設けられたラジアル荷重伝達面とセンタープレートのラジアル軸受面との間にクリアランスが生じる。これにより、ステアリングシャフトにラジアル方向のガタツキが発生して、ステアリング操作に不快感を与える可能性がある。
[0008]
 また、上述したように、インナーケースにはステアリングシャフトが圧入され、アウターケースはヘッドパイプに圧入されるため、インナーケースおよびアウターケースの少なくとも一方に設けられたスラスト荷重伝達面あるいはラジアル荷重伝達面がこの圧入により変形することがある。そして、スラスト荷重伝達面あるいはラジアル荷重伝達面が変形すると、センタープレートのスラスト軸受面あるいはラジアル軸受面との摺動に影響して、ステアリングシャフトのヘッドパイプに対するトルクが変化し、やはりステアリング操作に不快感を与える可能性がある。
[0009]
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、筒部材に挿通された軸部材を筒部材に対して回動自在に支持するのに好適な滑り軸受、およびその滑り軸受を用いたステアリングシャフト支持構造を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記課題を解決するために、本発明の滑り軸受では、第一のケースおよび第二のケース間の回動を実現するセンタープレートの軸方向断面形状を、第一のケースおよび第二のケースの一方側に内径側端部が位置し、他方側に外径側端部が位置する円弧状とし、これに合わせて、第一のケースのセンタープレートとの対向面を、センタープレートの第一のケースとの対向面が凸面ならば、この凸面の径より大きな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凹面とし、凹面ならば、この凹面の径より小さな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凸面とする。同様に、第二のケースのセンタープレートとの対向面を、センタープレートの第二のケースとの対向面が凹面ならば、この凹面の径より小さな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凸面とし、凸面ならば、この凸面の径より大きな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凹面とする。ここで、センタープレートは、弾性変形可能であることが好ましい。
[0011]
 例えば、本発明の滑り軸受は、
 軸方向に配された第一のケースおよび第二のケースと、
 前記第一のケースおよび前記第二のケース間に配置されて、前記第一のケースおよび前記第二のケース間の回動を実現するセンタープレートと、を備え、
 前記センタープレートは、
 前記第一のケースと対面する環状の第一のケース対向面と、
 前記第二のケースと対面する環状の第二のケース対向面と、を有し、
 前記第一のケース対向面および前記第二のケース対向面それぞれの軸方向断面形状は、前記第一のケースおよび前記第二のケースの一方側に内径側端部が位置し、他方側に外径側端部が位置する円弧状であり、
 前記第一のケースは、
 前記センタープレートの前記第一のケース対向面と接触する環状の第一のプレート対向面を有し、
 前記第一のプレート対向面は、前記センタープレートの前記第一のケース対向面が凹面ならば、当該凹面の径より小さな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凸面であり、凸面ならば、当該凸面の径より大きな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凹面であり、
 前記第二のケースは、
 前記センタープレートの前記第二のケース対向面と接触する環状の第二のプレート対向面を有し、
 前記第二のプレート対向面は、前記センタープレートの前記第二のケース対向面が凸面ならば、当該凸面の径より大きな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凹面であり、凹面ならば、当該凹面の径より小さな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凸面である。
[0012]
 また、本発明のステアリングシャフト支持構造は、
 ステアリングシャフトを当該ステアリングシャフトが挿通されるフレームのヘッドパイプに対して回動自在に支持するステアリング支持構造であって、
 前記ヘッドパイプの上端部および下端部にそれぞれ上下方向を逆さまにして設けられた一対の上述の滑り軸受を備える。ここで、滑り軸受において、第一のケースは、ステアリングシャフトが挿入されてこのステアリングシャフトに固定され、第二のケースは、ヘッドパイプに収容されてこのヘッドパイプに固定される。

発明の効果

[0013]
 本発明では、第一のケースおよび第二のケースの一方側に内径側端部が位置し、他方側に外径側端部が位置する円弧状とし、これに合わせて、第一のケースのセンタープレートとの対向面を、センタープレートの第一のケースとの対向面が凹面ならば、この凹面の径より小さな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凸面とし、凸面ならば、この凸面の径より大きな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凹面とするとともに、第二のケースのセンタープレートとの対向面を、センタープレートの第二のケースとの対向面が凸面ならば、この凸面の径より大きな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凹面とし、凹面ならば、この凹面の径より小さな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凸面としている。このため、センタープレートは、軸に対して傾斜した位置において、第一のケースのセンタープレートとの対向面および第二のケースのセンタープレートとの対向面のそれぞれと接触して、スラスト荷重およびラジアル荷重を支持する。これにより、第一のケースおよび第二のケース間のラジアル方向のガタツキを防止することができる。したがって、本発明によれば、第一のケースに軸部材を挿入して第一のケースをこの軸部材に固定するとともに、この軸部材を収容する筒部材に第二のケースを収容して第二のケースをこの筒部材に固定して、軸部材を筒部材に対して回動自在に支持する場合、軸部材のガタツキを防止することができるので、筒部材に挿通された軸部材を筒部材に対して回動自在に支持するのに好適である。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 図1(A)は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車のステアリング支持構造1の概略図であり、図1(B)は、図1(A)に示す自動二輪車のステアリング支持構造1のA-A断面図である。
[図2] 図2(A)、図2(B)および図2(C)は、滑り軸受2の正面図、背面図および側面図であり、図2(D)は、図2(A)に示す滑り軸受2のB-B断面図である。
[図3] また、図3(A)は、図2(D)に示す滑り軸受2のC部拡大図であり、図3(B)は、図2(D)に示す滑り軸受2のD部拡大図である。
[図4] 図4は、図3(B)に示す滑り軸受2のJ部拡大図である。
[図5] 図5(A)、図5(B)および図5(C)は、インナーケース3の正面図、背面図および側面図であり、図5(D)は、図5(A)に示すインナーケース3のE-E断面図である。
[図6] 図6(A)、図6(B)および図6(C)は、アウターケース4の正面図、背面図および側面図であり、図6(D)は、図6(A)に示すアウターケース4のF-F断面図である。
[図7] 図7(A)、図7(B)および図7(C)は、センタープレート5の正面図、背面および側面図であり、図7(D)は、図7(A)に示すセンタープレート5のG-G断面図である。
[図8] 図8は、図7(D)に示すセンタープレート5のK部拡大図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明の一実施の形態について説明する。
[0016]
 図1(A)は、本実施の形態に係る自動二輪車のステアリング支持構造1の概略図であり、図1(B)は、図1(A)に示す自動二輪車のステアリング支持構造1のA-A断面図である。
[0017]
 図示するように、本実施の形態に係る自動二輪車のステアリング支持構造1は、ステアリングシャフト70をこのステアリングシャフト70が挿通されるフレーム72のヘッドパイプ71に対して回動自在に支持するためのものであり、ヘッドパイプ71の上端部710および下端部711にそれぞれ上下方向を逆さまにして設けられた一対の滑り軸受2a、2b(以下、単に滑り軸受2とも呼ぶ)および一対のダストシール6a、6b(以下、単にダストシール6とも呼ぶ)を備えて構成される。
[0018]
 滑り軸受2は、ステアリングシャフト70に装着された状態でヘッドパイプ71に嵌入され、ステアリングシャフト70に加わるスラスト荷重およびラジアル荷重を支持しつつ、ステアリングシャフト70をヘッドパイプ71に対して回動自在に支持する。ダストシール6は、滑り軸受2に装着されて、滑り軸受2とヘッドパイプ71との隙間を塞ぐ。これにより、ダストが滑り軸受2内に混入するのを防止する。
[0019]
 図2(A)、図2(B)および図2(C)は、滑り軸受2の正面図、背面図および側面図であり、図2(D)は、図2(A)に示す滑り軸受2のB-B断面図である。また、図3(A)は、図2(D)に示す滑り軸受2のC部拡大図であり、図3(B)は、図2(D)に示す滑り軸受2のD部拡大図である。また、図4は、図3(B)に示す滑り軸受2のJ部拡大図である。ここでは、ヘッドパイプ71の上端部710に設けられた滑り軸受2aを例にとり説明している。
[0020]
 図示するように、滑り軸受2は、軸O方向に配されたインナーケース3およびアウターケース4と、インナーケース3およびアウターケース4を組み合わせることにより形成される環状空間20に配置されて、インナーケース3およびアウターケース4間の回動を実現するセンタープレート5と、を備えている。
[0021]
 インナーケース3は、必要に応じて潤滑油が含浸されたポリアセタール樹脂等の摺動特性に優れた熱可塑性樹脂で形成され、ステアリングシャフト70が圧入された状態でヘッドパイプ71に収容される。
[0022]
 図5(A)、図5(B)および図5(C)は、インナーケース3の正面図、背面図および側面図であり、図5(D)は、図5(A)に示すインナーケース3のE-E断面図である。
[0023]
 図示するように、インナーケース3は、ステアリングシャフト70を挿通するための、ステアリングシャフト70の外径R1(図1(B)参照)よりも大きな口径R2の挿通孔30を有する環状のインナーケース本体31と、挿通孔30において、インナーケース本体31の上面310から下面311に向けて形成され、ステアリングシャフト70の外径R1よりも小さな口径R3を有するインナーケース圧入部32と、インナーケース本体31の上面310に形成された複数の第1インナーケース肉抜き部33および複数の第2インナーケース肉抜き部34と、インナーケース本体31の下面311に形成され、アウターケース4と組み合わされることにより環状空間20を形成するための環状溝35と、を備えている。
[0024]
 環状溝35の溝底350には、荷重伝達面351が形成されている。荷重伝達面351は、内径側端部352が下面311側に位置し、外径側端部353が上面310側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凹面であり、後述するセンタープレート5の軸受面52と摺動する。また、環状溝35の外周壁354には、アウターケース4の後述の被係合部46と係合する係合部36が形成されている。
[0025]
 インナーケース圧入部32は、円周方向に配置された複数の凸部320で構成されている。凸部320は、上面310から下面311に向けて形成され、上面310から所定の長さL1までは、インナーケース圧入部31がステアリングシャフト70の外径R1よりも小さな口径R3となるように、挿通孔30の内壁300から突出し、それより下面311側では、下面311に向かうにつれて内壁300からの突出量が減少するように傾斜している。そして、上面310から所定の長さL2において、インナーケース圧入部32の口径がステアリングシャフト70の外径R1と同じになって、インナーケース圧入部32の下端を形成する。
[0026]
 第1インナーケース肉抜き部33は、インナーケース圧入部32を構成する複数の凸部320に対応して円周方向に複数配置され、それぞれが対応する凸部320と挿通孔30の中心Pを通る同一線上に配置されている。また、第1インナーケース肉抜き部33の深さL3は、インナーケース圧入部32の長さL2以上に設定される。さらに、第1インナーケース肉抜き部33は、楕円状の径方向断面(軸Oに垂直な断面)形状を有し、その円周方向の幅D2が対応する凸部320の円周方向の幅D1より広い。
[0027]
 第2インナーケース肉抜き部34は、インナーケース圧入部32を構成する複数の凸部320に対応して、第1インナーケース肉抜き部33より外周側において円周方向に複数配置され、第1インナーケース肉抜き部33と同様に、それぞれが対応する凸部320と挿通孔30の中心Pを通る同一線上に配置されている。また、第2インナーケース肉抜き部34の深さL4は、第1インナーケース肉抜き部33と同様に、インナーケース圧入部32の長さL2以上に設定される。さらに、第2インナーケース肉抜き部34は、第1インナーケース肉抜き部33と同様に、楕円状の径方向断面形状を有し、その円周方向の幅D3が対応する凸部320の円周方向の幅D1より広い。
[0028]
 なお、図では、一部の第1インナーケース肉抜き部33、第2インナーケース肉抜き部34、および凸部320に符号を付している。
[0029]
 アウターケース4は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の合成樹脂に必要に応じてガラス繊維が添加された圧縮強度の強い樹脂成形体、あるいはアルミダイカスト品であり、ステアリングシャフト70が挿通された状態でヘッドパイプ71に圧入される。
[0030]
 図6(A)、図6(B)および図6(C)は、アウターケース4の正面図、背面図および側面図であり、図6(D)は、図6(A)に示すアウターケース4のF-F断面図である。
[0031]
 図示するように、アウターケース4は、ステアリングシャフト70を挿通するための、ステアリングシャフト70の外径R1(図1(B)参照)よりも大きな口径R4の挿通孔40を有する環状のアウターケース本体41と、アウターケース本体41の外周面410において、アウターケース本体41の下面411から上面412に向けて形成され、ヘッドパイプ71の口径R5(図1(B)参照)よりも大きな口径R6を有するアウターケース圧入部42と、アウターケース本体41の下面411に形成された複数の第1アウターケース肉抜き部43および複数の第2アウターケース肉抜き部44と、アウターケース本体41の上面412に形成され、インナーケース3と組み合わされることによりインナーケース本体31の環状溝35に挿入されて環状空間20を形成する環状凸部45と、を備えている。
[0032]
 環状凸部45の内周壁450には、荷重伝達面451が形成されている。荷重伝達面451は、内径側端部452が下面411側に位置し、外径側端部453が上面412側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凸面であり、後述するセンタープレート5の支持面54と接触する。また、外径側端部453には、三角形の円周方向断面形状を有し、後述するセンタープレート5のギア部544と係合する回り止め部47が、円周方向に等間隔で複数形成されている。さらに、環状凸部45の外周壁454には、インナーケース3の係合部36と係合する被係合部46が形成されている。
[0033]
 第1アウターケース肉抜き部43は、円周方向に複数配置され、第2アウターケース肉抜き部44は、第1アウターケース肉抜き部43より内周側において円周方向に複数配置されている。ここで、第1アウターケース肉抜き部43および第2アウターケース肉抜き部44は、円周方向において、互いに一部をオーバラップさせながら交互に配置されている。これにより、アウターケース圧入部42は、第1アウターケース肉抜き部43および第2アウターケース肉抜き部44により、全周に亘ってカバーされる。また、第1アウターケース肉抜き部43の深さL6は、アウターケース圧入部42の軸O方向の長さL5以上に設定される。同様に、第2アウターケース肉抜き部44の深さL7は、アウターケース圧入部42の軸O方向の長さL5以上に設定される。
[0034]
 なお、図では、一部の第1アウターケース肉抜き部43、第2アウターケース肉抜き部44、および回り止め部47に符号を付している。
[0035]
 センタープレート5は、必要に応じて潤滑油が含浸されたポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の摺動特性に優れ、かつ弾性変形可能な熱可塑性樹脂で形成される。また、センタープレート5は、アウターケース4の環状凸部45の内周壁450に形成された荷重伝達面451に固定され、インナーケース3の環状溝35の溝底350に形成された荷重伝達面351と摺動する。これにより、インナーケース3およびアウターケース4間の自在な回動を実現する軸受体として機能する。
[0036]
 図7(A)、図7(B)および図7(C)は、センタープレート5の正面図、背面図および側面図であり、図7(D)は、図7(A)に示すセンタープレート5のG-G断面図である。また、図8は、図7(D)に示すセンタープレート5のK部拡大図である。
[0037]
 図示するように、センタープレート5は、環状のセンタープレート本体50と、センタープレート本体50の上面(インナーケース3との対向面)51に形成された軸受面52と、センタープレート本体50の下面(アウターケース4との対向面)53に形成された支持面54と、を備えている。
[0038]
 軸受面52は、内径側端部520がアウターケース4側に位置し、外径側端部521がインナーケース3側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凸面であり、インナーケース3の環状溝35の溝底350に形成された荷重伝達面351と摺動する。ここで、軸受面52の半径r1は、インナーケース3の荷重伝達面351の半径r2(図5(D)参照)より小さい。このため、軸受面52と荷重伝達面351とは、軸O方向断面において互いの接線が一致する位置Q1で線接触する(図3参照)。
[0039]
 ここで、軸O方向断面において、軸受面52を構成する円弧の中心C1は、この中心C1と線接触位置Q1とを結ぶ線分の軸心Oに垂直な線(ラジアル方向の線)Hに対するなす角θ1が、30度~65度の範囲となるように(図3(A)参照)、荷重伝達面351を構成する円弧の中心C2に対してオフセットされることが好ましい。
[0040]
 自動二輪車のステアリング支持構造1に加わる荷重は、スラスト荷重がラジアル荷重より遥かに大きい。このため、ステアリング支持構造1に加わるスラスト荷重を確実に支持するために、上述のなす角θ1は大きい方が好ましい。しかしながら、なす角θ1が65度より大きいと、ステアリング支持構造1に加わるラジアル荷重を十分に支持することができず、ラジアル方向にガタつきが発生する。一方、なす角θ1が30度より小さいと、ステアリング支持構造1に加わるスラスト荷重を十分に支持することができず、また楔効果により軸受面52および荷重伝達面351間の摺動に必要なトルクが増大し、ステアリング操作に影響する。
[0041]
 軸受面52の内径側端部520には、上述の線接触位置Q1とは別に、荷重伝達面351の内径側端部352と接触する接触部510が円周方向に形成されている(図4、図8等参照)。軸受面52の内径側端部520に形成された接触部510が荷重伝達面351の内径側端部352と接触することにより、インナーケース3およびセンタープレート5間のガタつきを確実に防止できるとともに、センタープレート5がインナーケース3に対して位置決めされ、軸受面52と荷重伝達面351との線接触位置Q1の位置精度を向上させることができる。
[0042]
 軸受面52には、潤滑グリースを保持するための第1グリース溝511、第2グリース溝512、および第3グリース溝513が、それぞれ複数形成されている。
[0043]
 第1グリース溝511は、円周方向に沿って形成されており、円周方向に複数配置されている。第2グリース溝512は、複数の第1グリース溝511に対応して径方向に沿って複数形成されており、それぞれが対応する第1グリース溝511より内径側に配置されて、この対応する第1グリース溝511と連結している。そして、第3グリース溝513は、第1グリース溝511と同様に、円周方向に沿って形成されており、第1グリース溝511より内径側において、隣り合う第2グリース溝512間に位置するように、円周方向に複数配置されている。なお、図では、一部の第1グリース溝511、第2グリース溝512、および第3グリース溝513に符号を付している。
[0044]
 支持面54は、内径側端部540がアウターケース4側に位置し、外径側端部541がインナーケース3側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凹面であり、アウターケース4の環状凸部45の内周壁450に形成された荷重伝達面451と接触する。ここで、支持面54の半径r3は、アウターケース4の荷重伝達面451の半径r4(図6(D)参照)より大きい。このため、支持面54と荷重伝達面451とは、軸O方向断面において、互いの接線が一致する位置Q2で線接触する(図3参照)。
[0045]
 支持面54の外径側端部541には、山部542と谷部543とが円周方向に交互に連なって形成されたギア部544を有している。なお、図では、一部の山部542および谷部543に符号を付している。
[0046]
 ギア部544は、アウターケース4の荷重伝達面451の外径側端部453において円周方向に複数配置された回り止め部47と同径の円周上に配置され、これらの回り止め部47とともに、センタープレート5のアウターケース4に対する回動を防止する回り止め機構を構成している。
[0047]
 谷部543は、アウターケース4の回り止め部47と整合する三角形の円周方向断面形状を有しており、センタープレート5をアウターケース4の荷重伝達面451上に載置することにより、アウターケース4の回り止め部47のそれぞれがいずれかの谷部543に案内されて係合する。
[0048]
 上記構成を有する滑り軸受2において、アウターケース4の荷重伝達面451の外径側端部453において円周方向に複数配置された回り止め部47のそれぞれが、センタープレート5の支持面54の外径側端部541に形成されたギア部544のいずれかの谷部543に案内されて係合することにより、センタープレート5は、アウターケース4の荷重伝達面451に固定され、センタープレート5のアウターケース4に対する回動が阻止される。この状態で、センタープレート5の軸受面52は、インナーケース3の環状溝35の溝底350に形成された荷重伝達面351と摺動する。これにより、インナーケース3およびアウターケース4は、センタープレート5を介して互いに回動自在に組み合わされる。
[0049]
 以上、本発明の一実施の形態について説明した。
[0050]
 滑り軸受2において、センタープレート5の軸受面52は、内径側端部520がアウターケース4側に位置し、外径側端部521がインナーケース3側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凸面であり、インナーケース3の荷重伝達面351は、内径側端部352が下面311側に位置し、外径側端部353が上面310側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凹面である。また、センタープレート5の軸受面52の半径r1は、インナーケース3の荷重伝達面351の半径r2より小さい。このため、軸受面52および荷重伝達面351を確実に線接触させることができる。したがって、滑り軸受2は、ステアリングシャフト70のヘッドパイプ71に対する回動を許容しつつ、ステアリングシャフト70に加わるスラスト方向およびラジアル方向の荷重を、同一の荷重伝達面351を介して、同一の軸受面52で支持することができる。また、軸受面52および荷重伝達面351が線接触した状態では、軸受面52と荷重伝達面351との間にラジアル方向のクリアランスが発生しない。したがって、滑り軸受2のラジアル方向のガタツキを防止することができる。また、センタープレート5の軸受面52がインナーケース3の荷重伝達面351と面接触する場合に比べて、ステアリングシャフト70のインナーケース3への圧入によるインナーケース3の荷重伝達面351の変形が、センタープレート5の軸受面52とインナーケース3の荷重伝達面351との摺動に与える影響を小さくすることができる。
[0051]
 また、滑り軸受2において、センタープレート5は弾性変形可能な熱可塑性樹脂で形成されている。このため、ステアリングシャフト70に大きなスラスト荷重が加わった場合には、センタープレート5が弾性変形し、センタープレート5の軸受面52がインナーケース3の荷重伝達面351と面接触する。これにより、軸受面52の面でスラスト荷重を支持することができ、線接触でスラスト荷重を支持する場合に比べて、軸受面52の面圧を下げて、滑り軸受2が破損する可能性を低減することができる。
[0052]
 また、滑り軸受2において、センタープレート5の軸受面52の内径側端部520には、軸受面52とインナーケース3の荷重伝達面351との線接触位置Q1とは別に、荷重伝達面351の内径側端部352と接触する接触部510が円周方向に形成されている。軸受面52の内径側端部520に形成された接触部510が荷重伝達面351の内径側端部352と接触することにより、インナーケース3およびセンタープレート5間のガタつきを確実に防止できるとともに、センタープレート5がインナーケース3に対して位置決めされ、軸受面52と荷重伝達面351との線接触位置Q1の位置精度を向上させることができる。
[0053]
 また、滑り軸受2において、センタープレート5の軸受面52は、円周方向に沿って形成され、円周方向に配置された複数の第1グリース溝511と、複数の第1グリース溝511に対応して径方向に沿って複数形成され、それぞれが対応する第1グリース溝511より内径側に配置されて、この対応する第1グリース溝と連結する複数の第2グリース溝512と、を有している。このため、対応する第1グリース溝511および第2グリース溝512間において潤滑グリースの移動が可能となるので、ステアリングシャフト70に大きなスラスト荷重が加わって、軸受面52がインナーケース3の荷重伝達面351と面接触した場合に、第1グリース溝511に保持された潤滑グリースが第1グリース溝511から押し出されて径方向外方に移動し、滑り軸受2から外部に流出してしまうのを防止することができる。これにより、長期に亘り軸受面52を潤滑グリースで覆って摺動性能を維持することができる。
[0054]
 また、滑り軸受2において、インナーケース3は、上面310から下面311に向けて挿通孔30内に形成され、ステアリングシャフト70の外径R1よりも小さな口径R3を有するインナーケース圧入部32と、上面310に形成された複数の第1インナーケース肉抜き部33および複数の第2インナーケース肉抜き部34と、を有している。このため、挿通孔30にステアリングシャフト70を圧入した場合に、インナーケース圧入部32に発生する変形を第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34で吸収して、この変形が環状溝35の溝底350に形成された荷重伝達面351に影響するのを防止することができる。これにより、摺動性能が劣化するのを防止することができる。
[0055]
 また、滑り軸受2において、インナーケース3の第1インナーケース肉抜き部33の深さL3および第2インナーケース肉抜き部34の深さL4は、インナーケース圧入部32の長さL2以上に設定されている。このため、第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34は、軸O方向においてインナーケース圧入部32をカバーすることができ、これにより、挿通孔30にステアリングシャフト70を圧入した場合に、インナーケース圧入部32に発生する変形を第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34でより確実に吸収して、この変形が環状溝35の溝底350に形成された荷重伝達面351に影響するのを防止することができる。
[0056]
 また、滑り軸受2において、インナーケース3のインナーケース圧入部32は、円周方向に配置された複数の凸部320で構成され、第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34は、インナーケース圧入部32を構成する複数の凸部320に対応して複数設けられ、それぞれが対応する凸部320と挿通孔30の中心Pを通る同一線上に配置されている。このため、挿通孔30にステアリングシャフト70を圧入した場合に、凸部320に加わった径方向の圧力を、この凸部320に対して径方向の延長上に位置する第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34で減衰させて、この圧力が環状溝35の溝底350に形成された荷重伝達面351に影響するのを防止することができる。また、インナーケース3の挿通孔30において、インナーケース圧入部32の隣り合う凸部320で囲まれた凹部が排水溝として機能し、この凹部を介してインナーケース3の上面側310の泥水等を下面311側に排水することできる。
[0057]
 また、滑り軸受2において、インナーケース3の第1インナーケース肉抜き部33の円周方向の幅D2および第2インナーケース肉抜き部34の円周方向の幅D3は、対応する凸部320の円周方向の幅D1より広い。このため、第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34は、円周方向においてインナーケース圧入部32をカバーすることができ、これにより、挿通孔30にステアリングシャフト70を圧入した場合に、インナーケース圧入部32に発生する変形を第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34でより確実に吸収して、この変形が環状溝35の溝底350に形成された荷重伝達面351に影響するのを防止することができる。
[0058]
 また、滑り軸受2において、第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34は、楕円状の径方向断面(軸Oに垂直な断面)形状を有している。このため、挿通孔30にステアリングシャフト70を圧入した場合に、第1インナーケース肉抜き部33および第2インナーケース肉抜き部34に加わる応力が一部に集中するのを防止することができる。
[0059]
 また、滑り軸受2において、アウターケース4は、下面411から上面412に向けて外周面410に形成され、ヘッドパイプ71の口径R5よりも大きな口径R6を有するアウターケース圧入部42と、下面411に形成された複数の第1アウターケース肉抜き部43および複数の第2アウターケース肉抜き部44と、を有している。このため、アウターケース4をヘッドパイプ71に圧入した場合に、アウターケース圧入部42に発生する変形を第1アウターケース肉抜き部43および複数の第2アウターケース肉抜き部44で吸収して、この変形が環状凸部45の内周壁450に形成された荷重伝達面451に影響するのを防止することができる。
[0060]
 また、滑り軸受2において、第1アウターケース肉抜き部43の深さL6および第2アウターケース肉抜き部44の深さL7は、アウターケース圧入部42の軸O方向の長さL5以上に設定されている。このため、第1アウターケース肉抜き部43および第2アウターケース肉抜き部44は、軸O方向においてアウターケース圧入部42をカバーすることができ、これにより、アウターケース4をヘッドパイプ71に圧入した場合に、アウターケース圧入部42に発生する変形を第1アウターケース肉抜き部43および第2アウターケース肉抜き部44でより確実に吸収して、この変形が環状凸部45の内周壁450に形成された荷重伝達面451に影響するのを防止することができる。
[0061]
 また、滑り軸受2において、第1アウターケース肉抜き部43は、円周方向に複数配置され、第2アウターケース肉抜き部44は、第1アウターケース肉抜き部43より内周側において円周方向に複数配置されている。そして、第1アウターケース肉抜き部43および第2アウターケース肉抜き部44は、円周方向において、互いに一部をオーバラップさせながら交互に複数配置されている。このため、第1アウターケース肉抜き部43および第2アウターケース肉抜き部44は、円周方向において全周に亘りアウターケース圧入部42をカバーすることができ、これにより、アウターケース4をヘッドパイプ71に圧入した場合に、アウターケース圧入部42に発生する変形を第1アウターケース肉抜き部43および第2アウターケース肉抜き部44でより確実に吸収して、この変形が環状凸部45の内周壁450に形成された荷重伝達面451に影響するのを防止することができる。
[0062]
 なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
[0063]
 例えば、滑り軸受2において、センタープレート5をアウターケース4に載置し固定しているが、センタープレート5をアウターケース4に対して回動自在に載置してもよい。すなわち、アウターケース4の回り止め部47およびセンタープレート5のギア部544を省略して、センタープレート5の下面53に形成された支持面54を、アウターケース4の環状凸部45の内周壁450に形成された荷重伝達面451と摺動可能に接触させてもよい。
[0064]
 この場合、センタープレート5の上面51に形成された軸受面52と同様、軸O方向断面において、支持面54を構成する円弧の中心C1は、この中心C1と線接触位置Q2とを結ぶ線分の軸心Oに垂直な線(ラジアル方向の線)Hに対するなす角θ2が、30度~65度の範囲となるように(図3(B)参照)、荷重伝達面451を構成する円弧の中心C3に対してオフセットされることが好ましい。
[0065]
 ここで、支持面54に、軸受面52に形成された第1グリース溝511および第2グリース溝512と同様のグリース溝を形成してもよい。また、アウターケース4には、インナーケース3と同様、必要に応じて潤滑油が含浸されたポリアセタール樹脂等の摺動特性に優れた熱可塑性樹脂で形成される。
[0066]
 なお、センタープレート5をアウターケース4に対して回動自在に載置する場合、センタープレート5のインナーケース3に対する回り止め機構を設けて、センタープレート5をインナーケース4に固定してもよい。この場合、第1グリース溝511、第2グリース溝512、および第3グリース溝513は、省略してもかまわない。
[0067]
 また、滑り軸受2において、センタープレート5の軸受面52の内径側端部520に、軸受面52とインナーケース3の荷重伝達面351との線接触位置Q1とは別に、荷重伝達面351の内径側端部352と接触する接触部510を円周方向に形成するのに代えて、センタープレート5の支持面54の内径側端部540に、支持面54とアウターケース4の荷重伝達面451との線接触位置Q2とは別に、荷重伝達面451の内径側端部452と接触する接触部を円周方向に形成してもよい。あるいは、接触部510を省略してもかまわない。
[0068]
 また、滑り軸受2において、センタープレート5の軸受面52は、内径側端部520がアウターケース4側に位置し、外径側端部521がインナーケース3側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凸面であり、インナーケース3の荷重伝達面351は、内径側端部352が下面311側に位置し、外径側端部353が上面310側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有し、軸受面52の径より大きな径を有する凹面である。一方、センタープレート5の支持面54は、内径側端部540がアウターケース4側に位置し、外径側端部541がインナーケース3側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凹面であり、アウターケース4の荷重伝達面451は、内径側端部452が下面411側に位置し、外径側端部453が上面412側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有し、支持面54の径より小さな径を有する凸面である。しかし、本発明はこれに限定されない。
[0069]
 センタープレート5の軸受面52は、内径側端部520がアウターケース4側に位置し、外径側端部521がインナーケース3側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凹面であり、インナーケース3の荷重伝達面351は、内径側端部352が下面311側に位置し、外径側端部353が上面310側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有し、軸受面52の径より小さな径を有する凸面でもよい。一方、センタープレート5の支持面54は、内径側端部540がアウターケース4側に位置し、外径側端部541がインナーケース3側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凸面であり、アウターケース4の荷重伝達面451は、内径側端部452が下面411側に位置し、外径側端部453が上面412側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有し、支持面54の径より大きな径を有する凹面でもよい。
[0070]
 あるいは、センタープレート5の軸受面52は、内径側端部520がインナーケース3側に位置し、外径側端部521がアウターケース4側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凸面であり、インナーケース3の荷重伝達面351は、内径側端部352が上面310側に位置し、外径側端部353が下面311側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有し、軸受面52の径より大きな径を有する凹面でもよい。一方、センタープレート5の支持面54は、内径側端部540がインナーケース3側に位置し、外径側端部541がアウターケース4側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凹面であり、アウターケース4の荷重伝達面451は、内径側端部452が上面412側に位置し、外径側端部453が下面411側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有し、支持面54の径より小さな径を有する凸面でもよい。
[0071]
 あるいは、センタープレート5の軸受面52は、内径側端部520がインナーケース3側に位置し、外径側端部521がアウターケース4側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凹面であり、インナーケース3の荷重伝達面351は、内径側端部352が上面310側に位置し、外径側端部353が下面311側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有し、軸受面52の径より小さな径を有する凸面でもよい。一方、センタープレート5の支持面54は、内径側端部540がインナーケース3側に位置し、外径側端部541がアウターケース4側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有する凸面であり、アウターケース4の荷重伝達面451は、内径側端部452が上面412側に位置し、外径側端部453が下面411側に位置する円弧状の軸O方向断面形状を有し、支持面54の径より大きな径を有する凹面でもよい。
[0072]
 また、上記の実施の形態では、センタープレート5の軸受面52に、円周方向に沿って形成され、円周方向に配置された複数の第1グリース溝511と、複数の第1グリース溝511に対応して径方向に沿って複数形成され、それぞれが対応する第1グリース溝511より内径側に配置されて、この対応する第1グリース溝と連結する複数の第2グリース溝512と、を設けている。しかし、本発明は、これに限定されない。第2グリース溝512は、対応する第1グリース溝511に連結されていなくてもよい。また、第1グリース溝511および第2グリース溝512の一方のみを設けるようにしてもよい。
[0073]
 本発明の滑り軸受2は、自動二輪車のステアリングシャフト支持構造1に限らず、筒部材に挿通された軸部材を筒部材に対して回動自在に支持する滑り軸受を含む、センタープレートを介して第一のケースおよび第二のケースが回動自在に組み合わされた様々な滑り軸受に広く適用可能である。

符号の説明

[0074]
 1:ステアリングシャフト支持構造 2、2a、2b:滑り軸受 3:インナーケース 4:アウターケース 5:センタープレート 6a、6b:ダストシール 70:ステアリングシャフト 20:環状空間 30:挿通孔 31:インナーケース本体 32:インナーケース圧入部 33:第1インナーケース肉抜き部 34:第2インナーケース肉抜き部 35:環状溝 36:係合部 40:挿通孔 41:アウターケース本体 42:アウターケース圧入部 43:第1アウターケース肉抜き部 44:第2アウターケース肉抜き部 45:環状凸部 46:被係合部 47:回り止め部 50:センタープレート本体 51:センタープレート本体50の上面 52:軸受面 53:センタープレート本体50の下面 54:支持面 71:ヘッドパイプ 72:フレーム 300:挿通孔30の内壁 310:インナーケース本体31の上面 311:インナーケース本体31の下面 320:凸部 350:環状溝35の溝底 351:荷重伝達面 352:荷重伝達面351の内径側端部 353:荷重伝達面351の外径側端部 354:環状溝35の外周壁 410:アウターケース本体41の外周面 411:アウターケース本体41の下面 412:アウターケース本体の上面 450:環状凸部45の内周壁 451:荷重伝達面 452:荷重伝達面451の内径側端部 453:荷重伝達面451の外径側端部 454:環状凸部45の外周壁 510:接触部 511:第1グリース溝 512:第2グリース溝 513:第3グリース溝 520:軸受面52の内径側端部 521:軸受面52の外径側端部 540:支持面の内径側端部 541:支持面54の外径側端部 542:山部 543:谷部 544:ギア部 710:ヘッドパイプ71の上端部 711:ヘッドパイプ71の下端部

請求の範囲

[請求項1]
 軸方向に配された第一のケースおよび第二のケースと、
 前記第一のケースおよび前記第二のケース間に配置されて、前記第一のケースおよび前記第二のケース間の回動を実現するセンタープレートと、を備え、
 前記センタープレートは、
 前記第一のケースと対面する環状の第一のケース対向面と、
 前記第二のケースと対面する環状の第二のケース対向面と、を有し、
 前記第一のケース対向面および前記第二のケース対向面それぞれの軸方向断面形状は、前記第一のケースおよび前記第二のケースの一方側に内径側端部が位置し、他方側に外径側端部が位置する円弧状であり、
 前記第一のケースは、
 前記センタープレートの前記第一のケース対向面と接触する環状の第一のプレート対向面を有し、
 前記第一のプレート対向面は、前記センタープレートの前記第一のケース対向面が凹面ならば、当該凹面の径より小さな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凸面であり、凸面ならば、当該凸面の径より大きな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凹面であり、
 前記第二のケースは、
 前記センタープレートの前記第二のケース対向面と接触する環状の第二のプレート対向面を有し、
 前記第二のプレート対向面は、前記センタープレートの前記第二のケース対向面が凸面ならば、当該凸面の径より大きな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凹面であり、凹面ならば、当該凹面の径より小さな径を有する円弧状の軸方向断面形状を有する凸面である
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項2]
 請求項1に記載の滑り軸受であって、
 前記センタープレートは、弾性変形可能である
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項3]
 請求項1または2に記載の滑り軸受であって、
 前記センタープレートの前記第一のケース対向面は、
 軸方向断面において軸に垂直な直線とのなす角が30度~65度の範囲内で、前記第一のケースの前記第一のプレート対向面と接触する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項4]
 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記センタープレートの前記第二のケース対向面は、
 軸方向断面において軸に垂直な直線とのなす角が30度~65度の範囲内で、前記第二のケースの前記第二のプレート対向面と接触する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項5]
 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記センタープレートは、
 前記第一のケース対向面の内径側端部に設けられ、当該第一のケース対向面と前記第一のケースの前記第一のプレート対向面との接触とは別に、前記第一のケースの前記第一のプレート対向面と接触する接触部をさらに有する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項6]
 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記センタープレートは、
 前記第二のケース対向面の内径側端部に設けられ、当該第二のケース対向面と前記第二のケースの前記第二のプレート対向面との接触とは別に、前記第二のケースの前記第二のプレート対向面と接触する接触部をさらに有する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項7]
 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記センタープレートは、
 前記第一のケース対向面および前記第二のケース対向面の少なくとも一方に、円周方向に沿って形成され、かつ円周方向に配置された複数の第一グリース溝を有する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項8]
 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記センタープレートは、
 前記第一のケース対向面および前記第二のケース対向面の少なくとも一方に、径方向に沿って形成され、かつ円周方向に配置された複数の第二グリース溝を有する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項9]
 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記センタープレートは、
 前記第一のケース対向面および前記第二のケース対向面の少なくとも一方に、
 円周方向に沿って形成され、かつ円周方向に配置された複数の第一グリース溝と、径方向に沿って形成され、かつ前記複数の第一グリース溝に対応して円周方向に複数配置された複数の第二グリース溝と、を有し、
 前記複数の第二グリース溝は、それぞれが対応する前記第一グリース溝より内径側に配置されて、当該第一グリース溝に連結されている
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項10]
 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記第一のケースは、軸部材が挿入されて当該軸部材に固定され、
 前記第二のケースは、前記軸部材を収容する筒部材に収容されて当該筒部材に固定される
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項11]
 請求項10に記載の滑り軸受であって、
 前記第一のケースは、
 前記軸部材が挿通される挿通孔と、
 前記挿通孔において、前記第一のプレート対向面の反対側に位置する端面側から前記第一のプレート対向面側に向けて形成され、前記軸部材の外径よりも小さい口径を有する第一のケース圧入部と、
 前記第一のプレート対向面の反対側に位置する端面に形成された第一のケース肉抜き部と、を備える
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項12]
 請求項11に記載の滑り軸受であって、
 前記第一のケース肉抜き部は、
 前記第一のケース圧入部の軸方向の長さより大きな深さを有する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項13]
 請求項11または12に記載の滑り軸受であって、
 前記第一のケース圧入部は、
 円周方向に配置された複数の凸部で構成され、
 前記第一のケース肉抜き部は、
 前記複数の凸部に対応して複数設けられ、
 それぞれが対応する前記凸部と前記挿通孔の中心を通る同一線上に配置されている
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項14]
 請求項13に記載の滑り軸受であって、
 前記第一のケース肉抜き部は、
 対応する前記凸部の円周方向の幅よりも広い円周方向の幅を有する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項15]
 請求項11ないし14のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記第一のケース肉抜き部は、楕円状の径方向断面形状を有する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項16]
 請求項10ないし15のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
 前記第二のケースは、
 外周面において、前記第二のプレート対向面の反対側に位置する端面側から前記第二のプレート対向面側に向けて形成され、前記筒部材の口径よりも大きな外径を有する第二のケース圧入部と、
 前記第二のプレート対向面の反対側に位置する端面に形成された第二のケース肉抜き部と、を備える
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項17]
 請求項16に記載の滑り軸受であって、
 前記第二のケース肉抜き部は、
 前記第二のケース圧入部の軸方向の長さより大きな深さを有する
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項18]
 請求項16または17に記載の滑り軸受であって、
 前記第二のケース肉抜き部は、
 第一円周上に配置された複数の第一肉抜き部と、
 前記第一円周より内径側に位置する第二円周上に配置された複数の第二肉抜き部と、を有し、
 前記第一肉抜き部および前記第二肉抜き部は、
 円周方向に交互に配置されている
 ことを特徴とする滑り軸受。
[請求項19]
 ステアリングシャフトを当該ステアリングシャフトが挿通されるフレームのヘッドパイプに対して回動自在に支持するステアリング支持構造であって、
 前記ヘッドパイプを筒部材とし、前記ステアリングシャフトを軸部材として、前記ヘッドパイプの上端部および下端部にそれぞれ上下方向を逆さまにして設けられた一対の請求項10ないし18のいずれか一項に記載の滑り軸受を備えている
 ことを特徴とするステアリング支持構造。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]