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1. WO2020111062 - コンテナクレーンの遠隔操作システムおよび遠隔操作方法

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明 細 書

発明の名称 コンテナクレーンの遠隔操作システムおよび遠隔操作方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075  

符号の説明

0076  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : コンテナクレーンの遠隔操作システムおよび遠隔操作方法

技術分野

[0001]
 本発明は、コンテナクレーンの遠隔操作システムおよび遠隔操作方法に関し、より詳細には、吊体のコーナー部の下部とその下方に位置する荷役対象面の隅部との相対的な位置関係をより把握しやすくするコンテナクレーンの遠隔操作システムおよび遠隔操作方法に関する。

背景技術

[0002]
 コンテナクレーンの吊具を荷役対象面(置荷)に着床させる操作を支援する方法として、トロリに設置した撮影装置(カメラ)で、吊具とその下方の荷役対象面を撮影し、その撮影した画像を表示装置(ディスプレイ装置)に表示するクレーンの運転方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[0003]
 また、コンテナクレーンの吊具に設置した撮影装置によって、着床操作の位置合わせに必要な、吊体のコーナー部と、その吊体を着床させる荷役対象面の隅部(着地目標位置)とを撮影し、その撮影した画像を表示装置(テレビモニター画面)に表示するシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国特開平5-246683号公報
特許文献2 : 日本国特開2003-054871号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、コンテナクレーンでは、吊具によってコンテナを掴むために、吊具の四隅に設けられているツイストロックピンを、コンテナの上部の四隅に設けられた隅金具の係合孔に挿入する必要がある。それ故、オペレータが吊具を荷役対象面(コンテナの上面)に着床させる操作を行う際には、吊具の四方に位置するコーナー部の下部と、その下方にある荷役対象面の四方に位置する隅部との位置を正確に合わせる必要がある。吊具が掴んでいるコンテナを荷役対象面(例えば、船舶に積載されているコンテナの上面やトラック等の運搬機の荷台上面等)に着床させる操作を行う際にも同様に、吊具が掴んでいるコンテナのコーナー部の下部と、荷役対象面の隅部との位置を正確に合わせる必要がある。
[0006]
 特許文献1に記載の運転方法では、トロリに設置した撮影装置によって撮像した吊具の全体が写る撮影画像をそのまま表示装置に表示させている。しかしながら、例えば、40フィートのコンテナを荷役の対象とする吊具は、長手方向の寸法が約12.2m、幅方向の寸法が約2.4mと、サイズが非常に大きく細長い形状である。また、吊具の着床操作を行う際には、吊具をトロリの近傍からトロリの数十m下方の荷役対象面に向かって降下させることになる。さらに、トロリに対して吊具が水平方向に揺れることがあるため、表示装置に常に吊具の全体が写る画像を表示させるには、撮影装置の撮影範囲を広く設定する必要がある。
[0007]
 そのため、表示装置に吊具の全体が写る撮影画像をそのまま表示させる方法では、吊体のコーナー部とその下方の荷役対象面の隅部の表示サイズが小さくなり、吊体と荷役対象面との位置合わせを行う際に重要な、吊体のコーナー部の下部と荷役対象面の隅部との相対的な位置関係が把握しづらい。特に、トロリに対して吊体が相対的に移動しているときには、吊体のコーナー部の下部と荷役対象面の隅部との相対的な位置関係を正確に把握することが難しかった。
[0008]
 特許文献2に記載のシステムでは、吊具に設置した撮影装置で撮像した吊具の位置を基準にした撮影画像が表示装置に表示されるので、トロリに対して吊具が相対的に移動しているときにも、吊体のコーナー部に対する荷役対象面の隅部の相対的な位置が把握しやすい。また、吊体のコーナー部に近い位置から撮影するので、位置合わせに必要な吊体のそれぞれのコーナー部の下部と荷役対象面の隅部を比較的大きく表示することができる。しかしながら、吊体を移動させる際や吊体を荷役対象面に着床させる際には、吊具に大きな衝撃(数十Gの加速度、まれに100Gを超える)がかかることや、吊具が激しく振動することがあるため、撮影装置として採用できる機材は激しい環境で使用できる特殊な機材に限られる。また、振動や衝撃によって撮影装置が故障する可能性があるため、吊具に撮影装置を設置する方法は実用的ではない。
[0009]
 本発明の目的は、吊体のコーナー部の下部とその下方に位置する荷役対象面の隅部との相対的な位置関係をより把握しやすくするコンテナクレーンの遠隔操作システムおよび遠隔操作方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記のような目的を達成するための本発明のコンテナクレーンの遠隔操作システムは、コンテナクレーンのトロリに設置されて前記トロリからワイヤにより吊り下げられた吊体およびその吊体の下方に位置する荷役対象面を逐次撮影する撮影装置と、前記撮影装置によって撮像された撮影画像に基づく画像が逐次表示される表示装置とを備えたコンテナクレーンの遠隔操作システムにおいて、前記トロリに対する前記吊体の水平方向の相対変位を逐次検出する水平変位検出装置と、前記水平変位検出装置から入力される前記水平方向の相対変位に基づいて前記撮影装置によって撮像された撮影画像の一部の領域を切り取る画像処理を施して切り取り画像を作成し、前記切り取り画像を前記表示装置に逐次出力する制御装置とを有し、前記表示装置に、前記吊体のコーナー部の下部と、前記荷役対象面の隅部とが写った前記切り取り画像が逐次表示される構成にしたことを特徴とする。
[0011]
 上記のような目的を達成するための本発明のコンテナクレーンの遠隔操作方法は、コンテナクレーンのトロリに設置された撮影装置により、前記トロリからワイヤにより吊り下げられた吊体およびその吊体の下方に位置する荷役対象面を逐次撮影し、その前記撮影装置によって撮像された撮影画像に基づく画像を表示装置に逐次表示させるコンテナクレーンの遠隔操作方法において、前記撮影装置により前記吊体および前記荷役対象面を撮影するステップと、水平変位検出装置により前記トロリに対する前記吊体の水平方向の相対変位を検出するステップと、制御装置により、前記水平変位検出装置から入力された前記水平方向の相対変位に基づいて、前記撮影画像の一部の領域を切り取る画像処理を施して、前記吊体のコーナー部の下部と前記荷役対象面の隅部とが写る切り取り画像を作成するステップと、その前記制御装置によって作成した前記切り取り画像を前記表示装置に表示させるステップと、を含むことを特徴とする。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、トロリに設置された撮影装置、水平変位検出装置、および制御装置により、表示装置に、撮影装置で撮影した撮影画像から吊体のコーナー部の下部とその下方の荷役対象面の隅部とが写る一部の領域を切り取った切り取り画像を表示させることで、トロリに対して吊体が相対的に移動しているときにも、コンテナクレーンのオペレータが、吊体のコーナー部の下部と荷役対象面の隅部との相対的な位置関係をより把握しやすくなる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、本発明のコンテナクレーンの遠隔操作システムの実施形態を例示する構成図である。
[図2] 図2は、図1のA矢視図である。
[図3] 図3は、図1の遠隔操作システムを例示するブロック図である。
[図4] 図4は、撮影装置で撮像した撮影画像と切り取り領域を例示する説明図である。
[図5] 図5は、本発明のコンテナクレーンの遠隔操作方法の実施形態を例示するフロー図である。
[図6] 図6は、吊具を荷役対象面に着床させる際に図1の表示装置に表示される画像を例示する説明図であり、図6(a)は吊具を降下させる前の状態を例示し、図6(b)は荷役対象面に向かって吊具を降下させている中途の状態を例示し、図6(c)は吊具を荷役対象面に着床し終えた状態を例示している。
[図7] 図7は、吊具が掴んでいるコンテナを荷役対象面に着床させる際に図1の表示装置に表示される画像を例示する説明図であり、図7(a)は吊具およびコンテナを降下させる前の状態を例示し、図7(b)は荷役対象面に向かって吊具およびコンテナを降下させている中途の状態を例示し、図7(c)は吊具およびコンテナを荷役対象面に着床し終えた状態を例示している。
[図8] 図8は、本発明のコンテナクレーンの遠隔操作システムの別の実施形態を例示するブロック図である。
[図9] 図9は、吊具を荷役対象面に着床させる際に図8の表示装置に表示される別の画像を例示する説明図であり、図9(a)は吊具を降下させる前の状態を例示し、図9(b)は荷役対象面に向かって吊具を降下させている中途の状態を例示し、図9(c)は吊具を荷役対象面に着床し終えた状態を例示している。
[図10] 図10は、吊具が掴んでいるコンテナを荷役対象面に着床させる際に図8の表示装置に表示される別の画像を例示する説明図であり、図10(a)は吊具およびコンテナを降下させる前の状態を例示し、図10(b)は荷役対象面に向かって吊具およびコンテナを降下させている中途の状態を例示し、図10(c)は吊具およびコンテナを荷役対象面に着床し終えた状態を例示している。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明のコンテナクレーンの遠隔操作システムおよび遠隔操作方法の実施形態について説明する。図中では、コンテナクレーン10(以下、クレーン10という)の桁部11の延在する方向をX方向、X方向に直交して走行装置12aによりクレーン10が移動する方向をY方向、上下方向(鉛直方向)をZ方向で示している。
[0015]
 図1に例示する遠隔操作システム20は、クレーン10の遠隔操作の作業性を向上させるシステムであり、主に、クレーン10のトロリ13からワイヤにより吊り下げられた吊体40を、吊体40の下方に位置する荷役対象面50に着床させる着床操作(以下、着床操作という)の作業性を向上させる。前述した吊体40は、クレーン10の吊具14によってコンテナ60を掴みに行く場合には吊具14単体であり、荷役対象面50は、コンテナ60の上面である。吊具14が掴んでいるコンテナ60を置きに行く場合の吊体40は吊具14および吊具14が掴んでいるコンテナ60であり、荷役対象面50は、船舶に積載されているコンテナ60の上面や、船舶の床面、運搬機の荷台上面、地面、地面に積載されているコンテナ60の上面等である。
[0016]
 図1に例示するように、クレーン10は、X方向に延在する桁部11と、桁部11に支持されてX方向に移動するトロリ13と、トロリ13からワイヤにより吊り下げられたコンテナ用の吊具14(スプレッダ)とを備えている。
[0017]
 桁部11は、複数の脚体と水平梁を有して構成された脚構造体12の上部に支持されている。桁部11は、脚構造体12から海側に張り出したブームと、脚構造体12から陸側に張り出したガーダとで構成されている。脚構造体12の下端には、岸壁に敷設されたY方向に延在するレールに沿って走行可能な走行装置12aが設置されている。
[0018]
 脚構造体12の上部には機械室17が設けられていて、その機械室17にトロリ13をX方向に移動させる図示しない移動装置と、ワイヤを巻き取るあるいは繰り出すことで吊具14をZ方向に昇降させる図示しない昇降装置が設置されている。クレーン10としては、移動装置がトロリ13に設置されるクレーンや、昇降装置がトロリ13に設置されるクレーンとしてもよい。
[0019]
 クレーン10(移動装置や昇降装置など)の操作を行う操作装置15が設置された操作室(運転室)16は、クレーン10と離間した位置に配置されている。このクレーン10では、操作室16において、オペレータが操作装置15によりクレーン10を遠隔操作することで吊体40の着床操作を行う。
[0020]
 図2に例示するように、吊具14は、四隅にそれぞれコーナーブロック14aを有しており、それぞれのコーナーブロック14aに、コンテナ60の上部の四隅に設けられた隅金具に係合させるツイストロックピンが挿設されている。
[0021]
 本明細書では、吊具14を荷役対象面50に着床させる着床操作を行う場合には、吊具14の四隅に位置するコーナーブロック14aの外周角を含むコーナー部分をそれぞれ吊体40のコーナー部41とする。そして、そのコーナーブロック14aのコーナー部41の側面を含む下側部分を吊体40のコーナー部41の下部41aとし、コーナーブロック14aのコーナー部41の上面部分を吊体40のコーナー部41の上部41bとする。
[0022]
 吊具14が掴んでいるコンテナ60を荷役対象面50に着床させる着床操作を行う場合には、吊具14および吊具14が掴んでいるコンテナ60の四隅に位置する外周角を含むコーナー部分をそれぞれ吊体40のコーナー部41とする。そして、その吊具14が掴んでいるコンテナ60のコーナー部41の側面を含む下側部分を吊体40のコーナー部41の下部41aとし、コーナーブロック14aのコーナー部41の上面部分を吊体40のコーナー部41の上部41bとする。
[0023]
 また、荷役対象面50が、コンテナ60の上面である場合には、隅金具が配置されているコンテナ60の四隅をそれぞれ荷役対象面50の隅部50aとする。荷役対象面50が、運搬機の荷台上面や、船舶の床面、地面などである場合には、吊具14が掴んでいるコンテナ60のコーナー部41の下部41aを合わせる目標位置に設けられている金具や標示(例えば、コンテナ60のコーナー部を合わせる位置を示すL字状の印等)をそれぞれ荷役対象面50の隅部50aとする。
[0024]
 図3に例示するように、遠隔操作システム20は、撮影装置21、水平変位検出装置22a、上下変位検出装置22b、制御装置23、および表示装置24を有して構成されている。撮影装置21、水平変位検出装置22a、および上下変位検出装置22bはそれぞれ、制御装置23に光ファイバ等の通信線または無線アンテナなどを介して通信可能に接続されている。制御装置23は表示装置24に光ファイバ等の通信線または無線アンテナなどを介して通信可能に接続されている。
[0025]
 図1および図2に例示するように、撮影装置21はトロリ13に撮影方向を下向きで設置されていて、吊体40と、吊体40の下方に位置する荷役対象面50とを逐次撮影し、所定の周期毎に撮影画像30を撮像する。撮影装置21としては、デジタルビデオカメラなどが例示できる。撮影装置21の設置位置、撮影方向、および撮影範囲条件は、少なくとも吊体40のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとを撮影可能な条件であれば適宜決定できる。撮影装置21の撮影方向は真下に限らず、斜め下向きに設定することもできる。
[0026]
 トロリ13に設置する撮影装置21の台数は1台でもよいが、トロリ13に複数台の撮影装置21を設置することが望ましい。図2に例示するように、好ましくは、トロリ13に吊体40のそれぞれのコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aを撮影可能な撮影装置21を計4台設置するとよい。それぞれの撮影装置21は、トロリ13の真下に吊具14が位置している状態で、X方向に関して、トロリ13における吊具14のX方向の端部よりも外側の位置に配置するとよい。この実施形態では、Y方向に関して、トロリ13における吊具14のY方向の端部よりも内側の位置に撮影装置21を設置しているが、吊具14のY方向の端部よりも外側の位置に撮影装置21を設置することもできる。
[0027]
 図4は、撮影装置21で撮像される撮影画像30を例示している。図4の一点鎖線の四角枠で囲われた部分が、1台の撮影装置21によって撮像された撮影画像30、即ち、1台の撮影装置21の撮影範囲を例示している。この実施形態では、4台の撮影装置21によって同じ周期でそれぞれ吊体40の異なるコーナー部41が写った4つの撮影画像30が撮像される。それぞれの撮影装置21の撮影範囲は、撮影対象となる吊体40のコーナー部41が移動し得る全範囲を網羅する範囲に設定することが望ましい。言い換えると、それぞれの撮影装置21の撮影範囲は、トロリ13に対して吊体40が水平方向(X方向およびY方向)およびZ方向に相対的に移動した場合にも、常に撮影対象となる吊体40のコーナー部41を撮影可能な範囲に設定することが望ましい。それぞれの撮影装置21によって撮像された撮影画像30のデータはそれぞれ、後述する制御装置23の切り取り領域決定部23bに逐次入力される構成になっている。
[0028]
 水平変位検出装置22aは、トロリ13に対する吊体40の水平方向の相対変位を逐次検出する装置である。水平変位検出装置22aは、例えば、吊体40の振れ止めを行うために使用されるトロリ13と吊体40の水平方向の移動情報(振れ量)を検出するセンサ(所謂、振れ止めセンサ)で構成される。水平変位検出装置22aによって検出されたトロリ13に対する吊体40の水平方向の相対変位のデータ(以下、水平変位データという)は、後述する制御装置23の切り取り領域決定部23bに逐次入力される構成になっている。
[0029]
 水平変位検出装置22aは、少なくともトロリ13に対する吊体40の水平方向の相対変位を検出できれば上記の構成に限定されない。例えば、水平変位検出装置22aは、トロリ13に設置されたレーザ距離計と、吊具14の上部に設置された2つのターゲットとで構成することもできる。また、水平変位検出装置22aは、例えば、トロリ13と吊具14にそれぞれ設置したGPS受信器で構成することもできる。
[0030]
 上下変位検出装置22bは、トロリ13に対する吊体40のZ方向の相対変位を逐次検出する装置である。上下変位検出装置22bは、例えば、トロリ13に設置され、トロリ13と吊具14とのZ方向の離間距離を検出するレーザ距離計で構成される。上下変位検出装置22bによって検出されたトロリ13に対する吊体40のZ方向の相対変位のデータ(以下、上下変位データという)は、後述する制御装置23のズーム制御部23aに逐次入力される構成になっている。
[0031]
 上下変位検出装置22bは、少なくともトロリ13に対する吊体40のZ方向の相対変位を検出できれば上記の構成に限定されない。例えば、上下変位検出装置22bは、吊具14を懸吊するワイヤの繰り出し量を検出するセンサで構成することもできる。また、上下検出装置22bは、例えば、トロリ13と吊具14にそれぞれ設置したGPS受信器で構成することもできる。
[0032]
 制御装置23は、各種情報処理を行うCPU、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、および各種インターフェースなどから構成されるハードウェアである。この実施形態では、制御装置23を操作室16に配置しているが、制御装置23は機械室17などの他の場所に配置することもできる。
[0033]
 制御装置23は、少なくとも水平変位検出装置22aから入力される水平変位データに基づいて、撮影画像30の一部の領域を切り取る画像処理(トリミング処理)を施して、吊体40のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとが写る切り取り画像32を逐次作成する。そして、制御装置23は、その作成した切り取り画像32を表示装置24に逐次出力する。この実施形態の制御装置23は、上下変位検出装置22bから入力される上下変位データと、水平変位検出装置22aから入力される水平変位データとに基づいて、切り取り画像32を作成する構成となっている。
[0034]
 より詳しくは、図3に例示するように、この実施形態の制御装置23は、各機能要素として、ズーム制御部23a、切り取り領域決定部23b、切り取り部23c、および表示制御部23dを有している。各機能要素は、プログラムとして内部記憶装置に記憶されていて、適時、CPUにより実行される。なお、各機能要素としては、プログラムの他にそれぞれが独立して機能する電気回路も例示される。また、各機能要素をPLC(Programmable Logic Controller)で構成し、制御装置23を複数のPLCの集合体としてもよい。
[0035]
 ズーム制御部23aは、上下変位検出装置22bから逐次入力される上下変位データに基づいて、撮影装置21によって撮像される撮影画像30に写る吊体40のコーナー部41の表示サイズを一定に維持する撮影装置21のズーム制御(焦点距離の調節する光学ズームやデジタルズームの制御)を行う機能要素である。遠隔操作システム20が複数の撮影装置21を有している場合には、ズーム制御部23aはすべての撮影装置21のズーム制御を行う。
[0036]
 図4に例示するように、切り取り領域決定部23bは、撮影装置21から入力された撮影画像30と、水平変位検出装置22aから入力された水平変位データと、に基づいて、撮影画像30における、吊体40のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとが写る切り取り領域31を決定する機能要素である。図4では、撮影画像30の内側に位置する破線の四角枠で囲われた部分が切り取り領域31を示している。
[0037]
 切り取り領域決定部23bに、複数の撮影装置21により同じ周期に複数の撮影画像30が入力される場合には、切り取り領域決定部23bは、入力された複数の撮影画像30に対してそれぞれ切り取り領域31を決定する。切り取り領域決定部23bによる具体的な切り取り領域31の決定の仕方については、後述する。
[0038]
 切り取り部23cは、撮影装置21から入力されたそれぞれの撮影画像30に対して、切り取り領域決定部23bが決定した切り取り領域31を切り取る画像処理を施すことで、撮影画像30の一部の領域を切り取った切り取り画像32を作成する機能要素である。即ち、図4の切り取り領域31の内側の画像が切り取り画像32となる。
[0039]
 表示制御部23dは、切り取り部23cによって作成された切り取り画像32を表示装置24に出力して、表示装置24に切り取り画像32を表示させる機能要素である。切り取り部23cにより同じ周期に複数の切り取り画像32が作成される場合には、表示制御部23dは、その作成された複数の切り取り画像32を組み合わせた1組の画像を表示装置24に表示させる。
[0040]
 表示装置24は、制御装置23(表示制御部23d)から出力された切り取り画像32を逐次表示させる画面を有するディスプレイ(モニタ)である。表示装置24は、オペレータがクレーン10の操作中に見ることができる操作室16の所定位置に設置される。
[0041]
 次に、この遠隔操作システム20を利用したクレーン10の遠隔操作方法を説明する。
[0042]
 図5に例示するように、この遠隔操作方法は、オペレータが操作装置15によりクレーン10の操作を開始するとスタートし、オペレータが操作装置15によるクレーン10の操作を終了するまで周期的に繰り返し行われる。オペレータが操作装置15によりクレーン10の操作を開始すると、上下変位検出装置22bにより、トロリ13に対する吊体40のZ方向の相対変位を検出し、その検出した上下変位データをズーム制御部23aに入力する(S10)。
[0043]
 次いで、ズーム制御部23aにより、上下変位検出装置22bから入力された上下変位データに基づいて、撮影画像30に写る吊体40のコーナー部41の表示サイズを一定に維持する撮影装置21のズーム制御を行う(S20)。次いで、それぞれの撮影装置21により、吊体40のコーナー部41とその下方に位置する荷役対象面50の隅部50aとを撮影し、撮像した撮影画像30をそれぞれ切り取り領域決定部23bに入力する(S30)。次いで、水平変位検出装置22aが、トロリ13に対する吊体40の水平方向の相対変位を検出し、その検出した水平変位データを切り取り領域決定部23bに入力する(S40)。
[0044]
 次いで、切り取り領域決定部23bにより、撮影装置21から入力された撮影画像データ30と水平変位検出装置22aから入力された水平変位データとに基づいて、撮影画像30における、吊体40のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとが写った切り取り領域31を決定する(S50)。
[0045]
 具体的には、例えば、切り取り領域決定部23bには、吊体40がトロリ13の真下の基準位置にある場合の基準の切り取り領域31が、それぞれの撮影装置21の撮影画像30に対して予め設定される。そして、図4に例示するように、切り取り領域決定部23bは、基準の切り取り領域31の位置を、水平変位検出装置22aから入力された水平変位データに基づいて基準位置からX方向およびY方向に補正することで、それぞれの撮影画像30に対して、水平変位データに応じた切り取り領域31を決定する。なお、撮影画像30から、吊体40のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとが写る切り取り領域31を決定できる方法であれば、切り取り領域31の決定の仕方は、前述したロジックに限定されず、他のロジックで切り取り領域31を決定することもできる。
[0046]
 次いで、切り取り部23cにより、撮影画像30に対して、切り取り領域決定部23bが決定した切り取り領域31を切り取る画像処理を施すことで、撮影画像30の一部の領域を切り取った切り取り画像32を作成する(S60)。この実施形態では、ステップS10~ステップS60を実行することで、4台の撮影装置21が撮影した4つの撮影画像30から吊体40の四方のそれぞれのコーナー部41の下部41aが写る4つの切り取り画像32を作成している。
[0047]
 次いで、表示制御部23dにより、切り取り部23bが作成した切り取り画像32を表示装置24に出力して、その出力した切り取り画像32を表示装置24に表示する(S70)。この実施形態では、図6の(a)~(c)に例示するように、表示制御部23dにより、切り取り部23cが作成した4つの切り取り画像32を組み合わせた1組の4分割の画像を表示装置24に表示している。
[0048]
 表示装置24には、1組の4分割の画像の左上、左下、右上、右下にそれぞれ、平面視における吊体40の左上隅のコーナー部41の下部41a、左下隅のコーナー部41の下部41a、右上隅のコーナー部41の下部41a、右下隅のコーナー部41の下部41aと、それぞれのコーナー部41に対応する荷役対象面50の隅部50aが表示される。
[0049]
 この実施形態では、さらに、表示制御部23dにより、表示装置24に、隣り合う切り取り画像32どうしの境界を示す境界線33を表示させている。なお、表示装置24に境界線33を表示させると切り取り画像32どうしの継ぎ目の位置がより分かりやすくなるが、境界線33を表示させない構成にすることもできる。
[0050]
 ステップS70が完了するとスタートへ戻る。上述したステップS10からステップS70が所定の周期で繰り返し連続して実行されることで、図6の(a)~(c)に例示するように、表示装置24に、吊体40のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとの相対的な位置関係が写る映像(連続した画像)がリアルタイムに近い状態で表示される。
[0051]
 図6の(a)~(c)は、吊体40がコンテナ60を掴んでいない状態の吊具14であり、荷役対象面50がコンテナ60の上面である場合の表示装置24に表示される画像を例示している。図6の(a)は、吊体40を降下させる前の状態を例示し、図6(b)は吊体40を降下させている中途の状態を例示し、図6(c)は吊体40を荷役対象面50に着床し終えた状態を例示している。図6の(a)~(c)に例示するように、表示装置24には、トロリ13に対して吊体40が相対的に移動している場合にも、吊体40のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとが写る映像が表示される。
[0052]
 図7の(a)~(c)は、吊体40が吊具14および吊具14が掴んでいるコンテナ60であり、荷役対象面50が別のコンテナ60の上面である場合の表示装置24に表示される画像を例示している。図7の(a)は、吊体40を降下させる前の状態を例示し、図7(b)は吊体40を降下させている中途の状態を例示し、図7(c)は吊体40を荷役対象面50に着床し終えた状態を例示している。
[0053]
 図6および図7に例示するように、この実施形態では、ズーム制御部23aが、上下変位検出装置22bから入力された上下変位データに基づいて撮影装置21のズーム制御を行なう。そして、切り取り領域決定部23bが、水平変位検出装置22aから入力された水平変位データに基づいて切り取り領域31を決定していることで、表示装置24に、吊体40のコーナー部41の表示サイズと表示位置が一定に維持された切り取り画像32が表示される。つまり、表示装置24には、トロリ13に対して吊体40が相対変位した場合にも、常に一組の4分割の画像の中央の同じ位置に吊体40が同じ表示サイズで表示され、トロリ13に対する吊体40の相対変位に応じて荷役対象面50の表示サイズや表示位置が変化する、吊体40の位置を基準にした映像が表示される構成になっている。
[0054]
 このように、本発明によれば、トロリ13に設置された撮影装置21、水平変位検出装置22a、および制御装置23により、表示装置24に、撮影装置21で撮影した撮影画像30から吊体40のコーナー部41の下部41aとその下方の荷役対象面50の隅部50aとが写る一部の領域を切り取った切り取り画像32を表示させる。これにより、トロリ13に対して吊体40が相対的に移動しているときにも、クレーン10のオペレータが、吊体40のコーナー41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとの相対的な位置関係をより把握しやすくなる。
[0055]
 特に、吊体40を荷役対象面50に着床させる着床操作を行うときには、吊体40と荷役対象面50との位置合わせを行う際に重要な、吊体40のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとの相対的な位置関係が非常に見やすくなるので、着床操作の作業性を大幅に向上できる。なお、本発明は、着床操作に限らず、例えば、吊体40を上昇させる操作やトロリ13をX方向に移動させる操作を行うときなどにも、吊体40と荷役対象面50との相対的な位置関係を把握する手段として活用することができる。なお、この遠隔操作システム20では、吊体40と荷役対象面50の位置関係によって、撮影画像30において吊体40のコーナー部41と荷役対象面50の隅部50aとが重なっているときやトロリ13が荷役対象面50の水平位置まで移動し終えていないときには、撮影画像30に荷役対象面50の隅部50aが一時的に写り込んでいない状態となる場合もある。その場合には、一時的に切り取り画像32に吊体40のコーナー部41が写り、荷役対象面50の隅部50aが写っていない状態となる。そのような場合にも、吊体40を荷役対象面50に着床させる直前の状態では、切り取り画像32に吊体40のコーナー部41と荷役対象面50の隅部50aとが写った状態となる。
[0056]
 さらに、吊具14に比してトロリ13にかかる衝撃や振動は小さいので、トロリ13に撮影装置21を設置することで、撮影装置21として様々な機材を採用することが可能となり、撮影装置21が故障する可能性も非常に低くなる。また、この遠隔操作システム20では、トロリ13に設置した撮影装置21によって吊体40よりも高い位置から吊体40を撮影することで、吊体40のコーナー部41の下部41aとともに吊体40のコーナー部41の上部41bが写った撮影画像30を撮像することができる。そして、図6および図7に例示するように、吊体40のコーナー部41の下部41aとともにコーナー部41の上部41aが写った切り取り画像32を表示装置24に表示することが可能となる。吊体40のコーナー部41の上部41aが写る切り取り画像32を表示装置24に表示すると、吊体40のコーナー部41の下部41aのみを表示する場合に比して、オペレータが吊体40と荷役対象面50との相対的な位置関係を非常に把握しやすくなる。
[0057]
 この実施形態では、トロリ13に複数の撮影装置21を互いに離間して設置し、制御装置23が、吊体40の異なるコーナー部41の下部41aが写る複数の切り取り画像32を作成し、その作成した複数の切り取り画像32を組み合わせた1組の画像を表示装置24に逐次表示させている。このようにすると、オペレータが、吊体40の複数箇所のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の隅部50aとの相対的な位置関係を把握できる。それ故、オペレータが吊体40と荷役対象面50との相対的な位置関係をより把握しやすくなり、着床操作の作業性を向上させるにはより有利になる。
[0058]
 この実施形態のように、表示装置24に、吊体40のそれぞれ異なるコーナー部41の下部41aが写る4つの切り取り画像32を組み合わせた1組の画像を逐次表示すると、オペレータが、吊体40の四方のコーナー部41の下部41aと荷役対象面50の四方の隅部50aとの相対的な位置関係を総合的に把握できる。それ故、オペレータが吊体40と荷役対象面50との相対的な位置関係をより一層把握しやすくなり、着床操作の作業性を向上させるには益々有利になる。
[0059]
 この実施形態では、遠隔操作システム20が上下変位検出装置22bを有し、制御装置23が、上下変位検出装置22bから入力される上下変位データと、水平変位検出装置22aから入力される水平変位データとに基づいて切り取り画像32を作成している。そして、表示装置24に、吊体40のコーナー部41の表示サイズが一定に維持された切り取り画像32が表示される構成にしている。この構成にすると、トロリ13に対して吊体40を昇降させた場合にも、表示装置24に表示されるコーナー部41の表示サイズ(大きさ)が変わらないので、オペレータが吊体40(コーナー部41)の高さ位置を基準にして、吊体40のコーナー41の下部41aに対する荷役対象面50の隅部50aの相対的な位置をより把握しやすくなる。
[0060]
 制御装置23により、水平変位検出装置22aから逐次入力される水平変位データに基づいて、吊体40のコーナー部41の表示位置が一定に維持された切り取り画像32を作成する構成にすると、トロリ13に対して吊体40が水平方向に相対変位している場合にも、表示装置24に吊体40の水平位置を基準にした映像を表示できる。それ故、オペレータが、吊体40のコーナー部41の下部41aに対する荷役対象面50の隅部50aの相対的な位置をより把握しやすくなる。
[0061]
 さらに、表示装置24に4つの切り取り画像32を組み合わせた1組の4分割の画像を表示させる場合には、吊体40のコーナー部41の表示位置が一定に維持された切り取り画像32を表示させることで、トロリ13に対して吊体40が水平方向に相対変位している場合にも、吊体40が常に1組の画像の中央に表示される。それ故、オペレータが吊体40の四方のコーナー部41の下部41aに対する荷役対象面50の隅部50aの相対的な位置を直感的により把握しやすくなる。
[0062]
 さらに、この実施形態のように、表示装置24に、吊体40のコーナー部41の表示サイズと表示位置が一定に維持された切り取り画像32を表示すると、トロリ13に対して吊体40が水平方向およびZ方向に相対変位した場合にも、常にコーナー部41が同じ表示サイズで同じ位置に表示された状態となる。つまり、実際には吊具14に撮影装置21を設置することは困難であるが、前述した構成にすることで、トロリ13に撮影装置21を設置しつつ、吊具14に撮影装置21を設置する場合のように、吊体40の位置を基準にした映像を表示装置24に表示することが可能となる。そのため、オペレータが、吊体40のコーナー41の下部41aに対する荷役対象面50の隅部50aの相対的な位置をより一層把握しやすくなり、吊体40の着床操作の作業性を向上させるには益々有利になる。
[0063]
 図8~図10に、本発明の遠隔操作システム20の別の実施形態を例示する。既述した実施形態では、上下変位検出装置22bが検出した上下変位データに基づいて、ズーム制御部23aが、撮影装置21のズーム制御を行なう場合を例示した。図8に例示するように、この実施形態の遠隔操作システム20では、上下変位検出装置22bに代えて、トロリ13と荷役対象面50との上下方向の離間距離を検出する上下距離検出装置22cを有している。
[0064]
 この実施形態の遠隔操作システム20では、制御装置23が、上下距離検出装置22cが検出したトロリ13と荷役対象面50との上下方向の離間距離のデータ(以下、上下距離データという)に基づいて、ズーム制御部23aによって撮影装置21のズーム制御を行ない、切り取り画像32を作成する。そして、図9および図10に例示するように、表示装置24に、荷役対象面50の隅部50aの表示サイズが一定に維持された切り取り画像32を逐次表示する構成になっている。即ち、この実施形態のズーム制御部23aは、上下距離検出装置22cから入力される上下距離データに基づいて、撮影画像30に写る荷役対象面50の隅部50aの表示サイズを一定に維持する撮影装置21のズーム制御を行う機能要素である。
[0065]
 上下距離検出装置22cは、例えば、トロリ13に設置されたレーザ距離計で構成される。上下距離検出装置22cは、少なくともトロリ13と荷役対象面50とのZ方向の離間距離を検出できれば前述した構成に限定されない。
[0066]
 図9の(a)~(c)は、吊体40がコンテナ60を掴んでいない状態の吊具14であり、荷役対象面50がコンテナ60の上面である場合の表示装置24に表示される画像を例示している。図9の(a)は、吊体40を降下させる前の状態を例示し、図9(b)は吊体40を降下させている中途の状態を例示し、図9(c)は吊体40を荷役対象面50に着床し終えた状態を例示している。
[0067]
 図10の(a)~(c)は、吊体40が吊具14および吊具14が掴んでいるコンテナ60であり、荷役対象面50が別のコンテナ60の上面である場合の表示装置24に表示される画像を例示している。図10の(a)は、吊体40を降下させる前の状態を例示し、図10(b)は吊体40を降下させている中途の状態を例示し、図10(c)は吊体40を荷役対象面50に着床し終えた状態を例示している。
[0068]
 図9および図10に例示するように、この実施形態の遠隔操作システム20の表示装置24には、着床操作の対象となる荷役対象面50の絶対的な高さが異なる場合にも、常に荷役対象面50の隅部50aが同じ表示サイズで表示される。そして、トロリ13に対する吊体40のZ方向の相対変位に応じて吊体40のコーナー部41の表示サイズが変化する、荷役対象面50の高さ位置を基準にした映像が表示される。つまり、表示装置24には、吊体40を降下させるにつれて、吊体40の表示サイズが徐々に小さくなる映像が表示される。
[0069]
 この実施形態では、上下距離検出装置22cで検出した上下距離データに基づいて撮影装置21のズーム倍率を制御し、表示装置24に荷役対象面50の隅部50aの表示サイズが一定に維持された切り取り画像32を表示させている。このようにすると、荷役対象面50の隅部50aの高さ位置を基準にして荷役対象面50の隅部50aに対する吊体40のコーナー部41の下部41aの位置を把握しやすくなる。
[0070]
 なお、既述した実施形態では、遠隔操作システム20が上下変位検出装置22bと上下距離検出装置22cのいずれか一方のみを有する場合を例示したが、例えば、遠隔操作システム20が上下変位検出装置22bと上下距離検出装置22cを両方有する構成にすることもできる。つまり、表示装置24に吊体40のコーナー部41の表示サイズが一定に維持された切り取り画像32を表示させるモードと、表示装置24に荷役対象面50の隅部50aの表示サイズが一定に維持された切り取り画像32を表示させるモードとをオペレータの好みに応じて切り替え可能な構成にすることもできる。
[0071]
 既述した実施形態では、ズーム制御部23aによって撮影装置21のズーム倍率を制御する場合を例示したが、遠隔操作システム20は、撮影装置21のズーム倍率を一定に維持して撮影する構成にすることもできる。遠隔操作システム20および遠隔操作方法は、例えば、ズーム制御部23aを有した上で、図5のステップS10とステップS20を省略してステップS30~ステップS70を繰り返し実施する構成にすることもできる。また、遠隔操作システム20は、例えば、上下変位検出装置22b、上下距離検出装置22c、およびズーム制御部23aを有さない構成にすることもできる。
[0072]
 既述した実施形態では、トロリ13に対する吊体40の水平方向の相対変位を直接検出する水平変位検出装置22aを例示したが、水平変位検出装置22aは、例えば、撮影装置21が撮像した撮影画像30を画像解析してトロリ13に対する吊体40の相対変位を検出する画像解析装置を有する構成にすることもできる。即ち、例えば、撮影装置21から入力された撮影画像30を画像解析装置によって画像解析することで水平変位検出装置22aが、トロリ13に対する吊体40の水平方向の相対変位を検出する。そして、水平変位検出装置22a(画像解析装置)から入力された水平変位データと、撮影装置21から入力された撮影画像30とに基づいて、制御装置23が切り取り画像32を作成し、その作成した切り取り画像32を表示装置24に出力する構成にすることもできる。画像解析装置は、例えば、制御装置23と同じハードウェアで構成することもできる。
[0073]
 既述した実施形態では、表示装置24に、吊体40の四方のコーナー部41をすべて表示する場合を例示したが、表示装置24に吊体40の1カ所のコーナー部41を表示する構成にしてもよいし、2カ所のコーナー部41や3ヶ所のコーナー部41を表示する構成にしてもよい。既述した実施形態では、1台の撮影装置21の撮影範囲を1カ所のコーナー部41が写る範囲に設定しているが、例えば、吊具14のY方向の中央に撮影装置21を設置して、1台の撮影装置21の撮影範囲を吊体40のY方向に隣り合う2カ所のコーナー部41が写る範囲に設定してもよい。
[0074]
 また、例えば、制御装置23が、1つの撮影画像30から異なるコーナー部41が写る領域をそれぞれ切り取って、1つの撮影画像30から複数の切り取り画像32を作成する構成にすることもできる。また、1つの切り取り画像32に吊体40のコーナー部41が1カ所だけ含まれる場合を例示したが、例えば、1つの切り取り画像32に吊体40のX方向に隣り合う2カ所のコーナー部41が含まれる構成にすることもできる。
[0075]
 既述した実施形態では、本発明の遠隔操作システム20および遠隔操作方法を岸壁クレーンに適用した場合を例示したが、本発明の遠隔操作システム20および遠隔操作方法は、コンテナターミナルにおいて、運搬機や蔵置レーンに対してコンテナ60の荷役をする門型クレーンや天井クレーンに適用することもできる。

符号の説明

[0076]
10 コンテナクレーン
13 トロリ
14 吊具
16 操作室
20 遠隔操作システム
21 撮影装置
22a 水平変位検出装置
22b 上下変位検出装置
22c 上下距離検出装置
23 制御装置
24 表示装置
30 撮影画像
31 切り取り領域
32 切り取り画像
40 吊体
41 コーナー部
41a (コーナー部の)下部
41b (コーナー部の)上部
50 荷役対象面
50a 隅部
60 コンテナ

請求の範囲

[請求項1]
 コンテナクレーンのトロリに設置されて前記トロリからワイヤにより吊り下げられた吊体およびその吊体の下方に位置する荷役対象面を逐次撮影する撮影装置と、前記撮影装置によって撮像された撮影画像に基づく画像が逐次表示される表示装置とを備えたコンテナクレーンの遠隔操作システムにおいて、
 前記トロリに対する前記吊体の水平方向の相対変位を逐次検出する水平変位検出装置と、前記水平変位検出装置から入力される前記水平方向の相対変位に基づいて前記撮影装置によって撮像された撮影画像の一部の領域を切り取る画像処理を施して切り取り画像を作成し、前記切り取り画像を前記表示装置に逐次出力する制御装置とを有し、
 前記表示装置に、前記吊体のコーナー部の下部と、前記荷役対象面の隅部とが写った前記切り取り画像が逐次表示される構成にしたことを特徴とするコンテナクレーンの遠隔操作システム。
[請求項2]
 前記トロリに複数の前記撮影装置が互いに離間して設置されており、前記制御装置が、複数の前記撮影装置によって撮像された複数の前記撮影画像に対してそれぞれ前記画像処理を施して前記吊体の異なる前記コーナー部の下部が写る複数の前記切り取り画像を作成し、前記表示装置に、前記複数の切り取り画像が逐次表示される構成にした請求項1に記載のコンテナクレーンの遠隔操作システム。
[請求項3]
 前記制御装置が、前記吊体のそれぞれ異なる前記コーナー部の下部が写る4つの前記切り取り画像を作成し、前記表示装置に、前記4つの切り取り画像を組み合わせた1組の画像が逐次表示される構成にした請求項2に記載のコンテナクレーンの遠隔操作システム。
[請求項4]
 前記トロリに対する前記吊体の上下方向の相対変位を逐次検出する上下変位検出装置を有し、前記制御装置が、前記上下変位検出装置から入力される前記上下方向の相対変位と、前記水平変位検出装置から入力される前記水平方向の相対変位とに基づいて前記切り取り画像を作成し、前記表示装置に、前記コーナー部の表示サイズが一定に維持された前記切り取り画像が表示される構成にした請求項1~3のいずれか1項に記載のコンテナクレーンの遠隔操作システム。
[請求項5]
 前記トロリと前記荷役対象面との上下方向の離間距離を検出する上下距離検出装置を有し、前記制御装置が、前記上下距離検出装置から入力される前記上下方向の離間距離と、前記水平変位検出装置から入力される前記水平方向の相対変位とに基づいて前記切り取り画像を逐次作成し、前記表示装置に、前記隅部の表示サイズが一定に維持された前記切り取り画像が逐次表示される構成にした請求項1~3のいずれか1項に記載のコンテナクレーンの遠隔操作システム。
[請求項6]
 コンテナクレーンのトロリに設置された撮影装置により、前記トロリからワイヤにより吊り下げられた吊体およびその吊体の下方に位置する荷役対象面を逐次撮影し、その前記撮影装置によって撮像された撮影画像に基づく画像を表示装置に逐次表示させるコンテナクレーンの遠隔操作方法において、
 前記撮影装置により前記吊体および前記荷役対象面を撮影するステップと、水平変位検出装置により前記トロリに対する前記吊体の水平方向の相対変位を検出するステップと、制御装置により、前記水平変位検出装置から入力された前記水平方向の相対変位に基づいて、前記撮影画像の一部の領域を切り取る画像処理を施して、前記吊体のコーナー部の下部と前記荷役対象面の隅部とが写る切り取り画像を作成するステップと、その前記制御装置によって作成した前記切り取り画像を前記表示装置に表示させるステップと、を含むことを特徴とするコンテナクレーンの遠隔操作方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]