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1. WO2020111039 - 樹脂中における繊維の移動解析装置、樹脂中における繊維の移動解析方法、プログラムおよび記憶媒体

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明 細 書

発明の名称 樹脂中における繊維の移動解析装置、樹脂中における繊維の移動解析方法、プログラムおよび記憶媒体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

発明の効果

0024  

図面の簡単な説明

0025  

発明を実施するための形態

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

符号の説明

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : 樹脂中における繊維の移動解析装置、樹脂中における繊維の移動解析方法、プログラムおよび記憶媒体

技術分野

[0001]
 この発明は、樹脂中における繊維の移動解析装置、樹脂中における繊維の移動解析方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。

背景技術

[0002]
 従来、樹脂中における繊維の移動を解析する解析方法が知られている(たとえば、非特許文献1参照、特許文献1参照)。
[0003]
 上記非特許文献1には、射出成形時などの樹脂中における繊維の移動を解析する解析方法が開示されている。この解析方法では、樹脂の流動状態は、従来の技術で予測される。そして、各時間毎の樹脂の速度分布のデータが形成される。そして、樹脂中の繊維は、上記の各時間毎の樹脂の速度分布に従って、自由に移動すると仮定される。これにより、樹脂中における繊維の状態(曲り、粗密など)が算出される。なお、上記非特許文献1では、繊維間の干渉の効果は無視されている。
[0004]
 また、上記特許文献1には、流動基質中の粒子の運動解析方法が開示されている。この運動解析方法では、直線状の繊維(粒子)を模擬した互いに連結させた球体(球体の集合体)を解析モデルとして用いている。そして、球体の集合において、隣り合う球体との間の引っ張り弾性に相当する結合長の自由度や、球体の集合体の曲げ弾性の相当する結合角の自由度が設定される。そして、各球体の並進および回転が算出される。その結果、球体の集合体(粒子)の移動、変形、および、配向などが解析される。また、上記特許文献1では、粒子(直線状の繊維)の相互作用を考慮する必要があるときは、各球体の並進および回転の算出時に、粒子同士の接触による反発力を直接算出するステップが含まれる。これにより、粒子の相互作用を考慮しながら、粒子の移動、変形、および、配向などが解析される。

先行技術文献

特許文献

[0005]
非特許文献1 : 岡田有司、中野亮、「射出/BMC/SMC成形における短/長繊維配向解析手法の開発」、プラスチック成形加工学会誌「成形加工」第27巻、第4号、2015年.
特許文献1 : 特開平5-314091号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、上記特許文献1に記載の流動基質中の粒子の運動解析方法では、粒子の相互作用を考慮するために、粒子同士の接触による反発力を直接算出するステップが含まれている。このため、流動基質中の粒子の運動の解析のための計算量が増大するという問題点がある。
[0007]
 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、計算量が増大するのを抑制しながら、繊維同士の干渉が考慮された樹脂中における繊維の移動を解析することが可能な、樹脂中における繊維の移動解析装置、樹脂中における繊維の移動解析方法、プログラムおよび記憶媒体を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置は、領域内を流動する樹脂の少なくとも流動速度を解析する樹脂速度解析部と、樹脂速度解析部に解析された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂とともに流動する繊維の流動を解析する繊維解析部とを備え、繊維解析部は、繊維を、複数の節点と、節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化する繊維モデル化部と、節点に対応する位置における、樹脂速度解析部に解析された樹脂の流動速度を取得する樹脂速度取得部と、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、樹脂速度取得部に取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正する樹脂速度補正部と、樹脂速度補正部に補正された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂中における繊維の移動を解析する解析部とを含む。
[0009]
 この第1の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置では、上記のように、繊維解析部は、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、樹脂速度取得部に取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正する樹脂速度補正部と、樹脂速度補正部に補正された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂中における繊維の移動を解析する解析部とを含む。これにより、比較的計算量の少ない、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、繊維同士の干渉の影響を間接的(疑似的)に樹脂の流動速度に含めることができる。その結果、繊維同士の干渉(接触による反発力など)を直接的に算出する場合と比べて、計算量が増大するのを抑制しながら、繊維同士の干渉が考慮された樹脂中における繊維の移動を解析することができる。また、計算量の増大が抑制されるので、樹脂中における繊維の移動の解析を高速に行うことができる。
[0010]
 上記第1の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置において、好ましくは、樹脂速度補正部は、節点に対応する位置における繊維の密度が変化するに従って樹脂の流動速度が変化するように補正し、節点に対応する位置における繊維の曲りの度合いが変化するに従って樹脂の流動速度が変化するように補正するように構成されている。このように構成すれば、繊維の密度の変化や、繊維の曲りの度合いの変化に応じて、適切に、樹脂中における繊維の移動を解析することができる。
[0011]
 この場合、好ましくは、樹脂速度補正部は、節点に対応する位置における繊維の密度が大きくなるに従って樹脂の流動速度を小さくなるように補正し、節点に対応する位置における繊維の曲りの度合いが大きくなるに従って樹脂の流動速度を小さくなるように補正するように構成されている。このように構成すれば、繊維の密度が大きくなることにより繊維同士の干渉が大きくなること、および、繊維の曲りの度合いが大きくなることにより繊維同士の干渉が大きくなることを間接的に考慮して、樹脂中における繊維の移動を解析することができる。
[0012]
 上記第1の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置において、好ましくは、繊維解析部は、解析部により解析された節点に対応する領域における繊維の体積に基づいて、繊維の密度を算出する密度算出部をさらに含む。このように構成すれば、節点に対応する領域における繊維の体積を算出するだけで、容易に、繊維の密度を算出することができる。
[0013]
 上記第1の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置において、好ましくは、繊維解析部は、解析部により解析された繊維の節点の位置情報に基づいて、繊維の曲りの度合いを算出する曲り度合算出部をさらに含む。このように構成すれば、容易に、繊維の曲りの度合いを算出することができる。
[0014]
 上記第1の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置において、好ましくは、樹脂速度補正部は、少なくとも、領域内において複数の樹脂が合流する地点近傍において、樹脂速度取得部に取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正するように構成されている。このように構成すれば、比較的繊維同士が干渉しやすい複数の樹脂が合流する地点近傍において樹脂の流動速度が補正されるので、繊維同士の干渉を効果的に考慮することができる。
[0015]
 上記第1の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置において、好ましくは、樹脂速度解析部は、繊維の流動の解析における一の時点の、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、樹脂の粘度を補正するとともに、補正された粘度に基づいて、一の時点の次の時点の、樹脂の流動速度を解析するように構成されている。このように構成すれば、樹脂の流動速度の解析に、繊維の影響が考慮されるので、樹脂の流動速度の解析の精度を向上させることができる。
[0016]
 この発明の第2の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置は、ある一時点において、領域内を流動する樹脂の流動状態を解析する樹脂流動解析部と、樹脂流動解析部で算出された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂とともに流動する繊維の流動を解析する繊維解析部とを備え、繊維解析部は、繊維を、複数の節点と、節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化する繊維モデル化部と、節点に対応する位置における、樹脂流動解析部に解析された樹脂の流動速度を取得する樹脂速度取得部とを含み、樹脂の流動速度に基づいて繊維の移動を計算するとともに、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲がりの度合いを算出し、繊維の密度と繊維の曲がりの度合いとのうちの少なくともその一方に基づいて、次の時点における樹脂の粘度を補正する樹脂粘度補正部をさらに備え、樹脂流動解析部は、樹脂粘度補正部で補正された樹脂の粘度に基づいて、次の時点の樹脂および繊維の流動を計算する。
[0017]
 この第2の局面による樹脂中における繊維の移動解析装置では、上記のように、樹脂の流動速度に基づいて繊維の移動を計算するとともに、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲がりの度合いを算出し、繊維の密度と繊維の曲がりの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、次の時点における樹脂の粘度を補正する樹脂粘度補正部を備え、樹脂流動解析部は、樹脂粘度補正部で補正された樹脂の粘度に基づいて、次の時点の樹脂および繊維の流動を計算する。これにより、比較的計算量の少ない、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、繊維同士の干渉の影響を間接的(疑似的)に樹脂の流動速度に含めることができる。その結果、繊維同士の干渉(接触による反発力など)を直接的に算出する場合と比べて、計算量が増大するのを抑制しながら、繊維同士の干渉が考慮された樹脂中における繊維の移動を解析することができる。また、計算量の増大が抑制されるので、樹脂中における繊維の移動の解析を高速に行うことができる。
[0018]
 この発明の第3の局面による樹脂中における繊維の移動解析方法は、領域内を流動する樹脂の少なくとも流動速度を解析するステップと、樹脂とともに流動する繊維を、複数の節点と、節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化するステップと、節点に対応する位置における、解析された樹脂の流動速度を取得するステップと、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正するステップと、補正された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂中における繊維の移動を解析するステップとを備える。
[0019]
 この第3の局面による樹脂中における繊維の移動解析方法では、上記のように、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正するステップと、補正された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂中における繊維の移動を解析するステップとを備える。これにより、比較的計算量の少ない、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、繊維同士の干渉の影響を間接的(疑似的)に樹脂の流動速度に含めることができる。その結果、繊維同士の干渉(接触による反発力など)を直接的に算出する場合と比べて、計算量が増大するのを抑制しながら、繊維同士の干渉が考慮された樹脂中における繊維の移動を解析することが可能な移動解析方法を提供することができる。
[0020]
 この発明の第4の局面によるプログラムは、領域内を流動する樹脂の少なくとも流動速度を解析するステップと、樹脂とともに流動する繊維を、複数の節点と、節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化するステップと、節点に対応する位置における、解析された樹脂の流動速度を取得するステップと、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正するステップと、補正された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂中における繊維の移動を解析するステップとを備える。
[0021]
 この第4の局面によるプログラムでは、上記のように、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正するステップと、補正された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂中における繊維の移動を解析するステップとを備える。これにより、比較的計算量の少ない、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、繊維同士の干渉の影響を間接的(疑似的)に樹脂の流動速度に含めることができる。その結果、繊維同士の干渉(接触による反発力など)を直接的に算出する場合と比べて、計算量が増大するのを抑制しながら、繊維同士の干渉が考慮された樹脂中における繊維の移動を解析することが可能なプログラムを提供することができる。
[0022]
 この発明の第5の局面による記憶媒体は、領域内を流動する樹脂の少なくとも流動速度を解析するステップと、樹脂とともに流動する繊維を、複数の節点と、節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化するステップと、節点に対応する位置における、解析された樹脂の流動速度を取得するステップと、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正するステップと、補正された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂中における繊維の移動を解析するステップとを備える、プログラムを記憶する。
[0023]
 この第5の局面による記憶媒体では、上記のように、節点に対応する位置における繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された節点に対応する位置における樹脂の流動速度を補正するステップと、補正された樹脂の流動速度に基づいて、樹脂中における繊維の移動を解析するステップとを備える、プログラムを記憶する。これにより、比較的計算量の少ない、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、繊維同士の干渉の影響を間接的(疑似的)に樹脂の流動速度に含めることができる。その結果、繊維同士の干渉(接触による反発力など)を直接的に算出する場合と比べて、計算量が増大するのを抑制しながら、繊維同士の干渉が考慮された樹脂中における繊維の移動を解析することが可能な記憶媒体を提供することができる。

発明の効果

[0024]
 本発明によれば、上記のように、計算量が増大するのを抑制しながら、繊維同士の干渉が考慮された樹脂中における繊維の移動を解析することができる。

図面の簡単な説明

[0025]
[図1] 第1実施形態による樹脂中における繊維の移動解析装置の構成を示す図である。
[図2] 樹脂が流動する領域と繊維とを示す図である。
[図3] 補正される前の流動速度(流速ベクトル)を示す図である。
[図4] 補正された後の流動速度(流速ベクトル)を示す図である。
[図5] モデル化された繊維を示す図である。(a)は、直線状の繊維を示し、(b)および(c)は、移動とともに折れ曲がる繊維の状態を示している。
[図6] 繊維の密度に対する樹脂の流動速度の低下量を示す図である。
[図7] 繊維の曲りの度合いに対する樹脂の流動速度の低下量を示す図である。
[図8] 樹脂(繊維)が合流する地点近傍の領域を示す図である。
[図9] 繊維の移動を説明するための図である。
[図10] 第1実施形態による樹脂速度解析部の動作を説明するためのフロー図である。
[図11] 第1実施形態による繊維解析部の動作を説明するためのフロー図である。
[図12] シミュレーションにより解析された繊維の移動を示す模式図(樹脂の流動速度が補正されない場合)である。
[図13] シミュレーションにより解析された繊維の移動を示す模式図(樹脂の流動速度が補正された場合)である。
[図14] 第2実施形態による樹脂中における繊維の移動解析装置の構成を示す図である。
[図15] 第2実施形態による移動解析装置の動作を説明するためのフロー図である。

発明を実施するための形態

[0026]
 以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[0027]
 [第1実施形態]
 (解析装置の構成)
 図1~図13を参照して、第1実施形態による移動解析装置100の構成について説明する。
[0028]
 図1に示すように、移動解析装置100は、樹脂速度解析部10を備えている。樹脂速度解析部10は、ある領域200内(金型など、図2参照)を流動する樹脂210(図3参照)の少なくとも流動速度を解析するように構成されている。たとえば、樹脂速度解析部10は、樹脂210が流動する領域200(キャビティ)を複数の微小要素に分割した3次元モデルを形成する。次に、微小要素における樹脂の流動コンダクタンス(粘度などの樹脂の流動特性)が決定される。そして、有限要素法などを用いて、決定された流動コンダクタンスに基づいて、微小要素における樹脂の圧力、圧力変化、および、流動速度などが算出される。これにより、領域200における、ある時間(iステップ、iは自然数)の流動速度(流速ベクトル、図3の「V」参照)が算出される。なお、樹脂速度解析部10は、樹脂210に含まれる繊維220の密度、および、樹脂210の粘度は均一であると仮定して、樹脂210の流動を算出する。また、樹脂速度解析部10は、Nステップ分(樹脂210の流動の開始から終了まで、Nは自然数)の、流動速度(流速ベクトル)を算出する。
[0029]
 たとえば、図2に示すように、領域200は、水平方向(X方向)に延びる略直方体状の領域部分201と、領域部分201から鉛直下方に延びる領域部分202および領域部分203とを含む。また、領域部分202のX方向の幅W1は、領域部分203のX方向の幅W2よりも大きい。また、領域部分202のY方向の幅W3、および、領域部分203のY方向の幅W3は、互いに等しい。また、領域部分201のX1方向側とX2方向側とから、それぞれ、樹脂210(および、樹脂210に含まれる繊維220)が互いに近づくように移動する。なお、領域200の形状は、図2に示される形状に限られない。
[0030]
 また、図1に示すように、移動解析装置100は、繊維解析部20を備えている。繊維解析部20は、樹脂速度解析部10に解析された樹脂210の流動速度に基づいて、樹脂210とともに流動する繊維220の流動を解析するように構成されている。以下、繊維解析部20の具体的な構成について説明する。
[0031]
 繊維解析部20は、繊維モデル化部21を含んでいる。図5(a)に示すように、繊維モデル化部21は、繊維220を、複数の節点221と、節点221同士により接続されたロッド要素222とによってモデル化するように構成されている。また、ロッド要素222の間の曲りおよび回転は自由であるとする。また、ロッド要素222は、剛体であるとする。なお、図5(b)および図5(c)は、移動とともに折れ曲がる繊維220の状態を示している。
[0032]
 また、図1に示すように、移動解析装置100は、樹脂速度取得部22を含む。樹脂速度取得部22は、節点221に対応する位置における、樹脂速度解析部10に解析された樹脂210の流動速度を取得するように構成されている。具体的には、樹脂速度取得部22は、樹脂速度解析部10に解析された領域200内の流速ベクトル(樹脂210の流動速度と向き、図3参照)を取得する。そして、領域200内における節点221に対応する位置における流速ベクトルが、この節点221の移動を算出するための流速ベクトルとして使用される。
[0033]
 また、図1に示すように、移動解析装置100は、密度算出部23を含む。密度算出部23は、後述する解析部26により解析された節点221に対応する領域(分割された領域200の微小要素)おける繊維220の体積に基づいて、繊維220の密度を算出するように構成されている。つまり、繊維220の体積を、微小要素の体積で除算することにより、微小要素中における繊維220の密度が算出される。
[0034]
 また、移動解析装置100は、曲り度合算出部24を含む。曲り度合算出部24は、解析部26により解析された繊維220の節点221の位置情報に基づいて、繊維220の曲りの度合いを算出するように構成されている。そして、曲りの度合い(図5(a)~(c)参照)に応じて、後述するように流動速度が補正される。
[0035]
 ここで、第1実施形態では、移動解析装置100は、樹脂速度補正部25を含む。樹脂速度補正部25は、節点221に対応する位置における繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、樹脂速度取得部22に取得された節点221に対応する位置における樹脂210の流動速度を補正するように構成されている。具体的には、樹脂速度補正部25は、節点221に対応する位置における繊維220の密度が変化するに従って樹脂210の流動速度が変化するように補正する。詳細には、樹脂速度補正部25は、節点221に対応する位置における繊維220の密度が大きくなるに従って樹脂210の流動速度を小さくなるように補正する。たとえば、図6に示すように、密度の増加とともに、流動速度の低下量が徐々に大きくなる。なお、密度が比較的大きい場合には、流動速度の低下量の変化率は小さくなる。つまり、密度の増大とともに、流動速度の低下量は、飽和する。また、流動速度の低下量は、実際に樹脂210に繊維220を含ませた状態の樹脂210の流動の実験などによって、予め測定される。
[0036]
 また、移動解析装置100は、節点221に対応する位置における繊維220の曲りの度合いが変化するに従って樹脂210の流動速度が変化するように補正するように構成されている。具体的には、樹脂速度補正部25は、節点221に対応する位置における繊維220の曲りの度合いが大きくなるに従って樹脂210の流動速度を小さくなるように補正する。たとえば、図7に示すように、曲りの度合いの増加とともに、流動速度の低下量が徐々に大きくなる。なお、曲りの度合いが比較的大きい場合には、流動速度の低下量の変化率は小さくなる。つまり、曲りの度合いの増大とともに、流動速度の低下量は、飽和する。また、流動速度の低下量は、上記の繊維220の密度に対する流動速度の補正と同様に、実際に樹脂210に繊維220を含ませた状態の樹脂210の流動の実験などによって、予め測定される。
[0037]
 ここで、図3および図4を参照して、樹脂210の流動速度の補正について説明する。図3および図4において、「矢印」は、流動速度のベクトルを表している。また、図3および図4において、外枠(長方形の枠)は、樹脂210が流れる領域200を表している。また、図3は、補正前の流動速度であり、図4は、補正後の流動速度である。
[0038]
 図3に示すように、補正前の流動速度は、一様であるとする。そして、i-1番目(前回)のステップにおいて算出された繊維220の密度が領域A1において比較的大きくなるとともに、繊維220の曲りの度合いが領域A2において比較的大きくなったとする。その結果、図4に示すように、領域A1および領域A2において、流動速度が小さくなるように補正される。なお、流動速度の低下の度合いは、上記の図6(密度)および図7(曲りの度合)のグラフに基づいて算出される。
[0039]
 また、図8に示すように、樹脂速度補正部25は、少なくとも、領域200内において複数の樹脂210が合流する地点近傍において、樹脂速度取得部22に取得された節点221に対応する位置における樹脂210の流動速度を補正するように構成される。樹脂210が合流する地点近傍とは、X1方向側から移動する樹脂210と、X2方向側から移動する樹脂210とが合流する領域部分202および領域部分203の近傍などである。また、複数の樹脂210(繊維220)が合流する地点近傍では、繊維220の密度が高くなるため、樹脂210の流動速度が低下するように補正される。また、複数の樹脂210(繊維220)が合流する地点近傍では、X1方向側から移動する繊維220と、X2方向側から移動する繊維220とが衝突して(突っ張り合って)、領域部分202および領域部分203に流入するのが抑制される。このような、繊維220の衝突(突っ張り合い)の効果も、樹脂210の流動速度の低下の要因として流動速度の補正に含めることも可能である。なお、第1実施形態では、領域200内の全ての位置において、樹脂210の流動速度が補正される。
[0040]
 また、図1に示すように、繊維解析部20は、樹脂210中における繊維220の移動を解析する解析部26を含む。図9に示すように、解析部26は、樹脂速度補正部25に補正された樹脂210の流動速度(流速ベクトルV)に基づいて、樹脂210中における繊維220の移動を解析するように構成されている。具体的には、解析部26は、樹脂速度取得部22によって取得された節点221に対応する位置における流動速度に応じて、節点221の移動を算出する。1つの繊維220の複数の節点221について移動(移動量、移動方向)が算出される。図9において、「黒丸」は、移動前の節点221であり、「白丸」は、移動後の節点221である。なお、ロッド要素222は、剛体として長さが一定に保たれていると仮定する。このため、複数の節点221の移動によって、節点221の間のロッド要素222の長さが変化してしまう場合には、ロッド要素222の長さが一定の長さに保たれるように節点221の位置が補正される。図9において、「点線の丸」は、位置が補正された後の節点221である。
[0041]
 解析部26による繊維220の移動の解析は、樹脂210の流動の開始から終了まで(Nステップ分)行われる。なお、上記の密度算出部23による繊維220の密度の算出、曲り度合算出部24による繊維220の曲りの度合いの算出、および、樹脂速度補正部25による樹脂210の流動速度の補正は、各ステップ毎に行われる。
[0042]
 なお、図1に示すように、樹脂速度解析部10、および、繊維解析部20(繊維モデル化部21、樹脂速度取得部22、密度算出部23、曲り度合算出部24、樹脂速度補正部25、および、解析部26)は、移動解析装置100の内部の記憶媒体30に記憶されたプログラム40(ソフトウェア)により構成されている。
[0043]
 次に、図10を参照して、樹脂210の流動速度の解析について説明する。樹脂210の流動速度の解析は、樹脂速度解析部10によって行われる。
[0044]
 ステップS1において、樹脂速度解析部10は、樹脂210が流動する領域200(キャビティ)を複数の微小要素に分割した3次元モデルを形成する。たとえば、予め作成された領域200の3次元CADデータが、記憶装置(図示せず)から読み込まれる。そして、読み込まれた領域200の3次元CADデータに基づいて、領域200が複数の微小要素(メッシュ)に分割される。
[0045]
 そして、ステップS2において、有限要素法などを用いて、領域200における、ある時間(iステップ)の流速ベクトル(流動速度)(図3参照)が算出される。
[0046]
 次に、ステップS3において、Nステップ分の流速ベクトルの算出が終了したか否かが判定される。ステップS3において、「Yes」の場合、流速ベクトルの算出が終了する。ステップS3において、「No」の場合、ステップS2に戻って、流速ベクトルの算出が継続される。
[0047]
 次に、図11を参照して、樹脂210中における繊維220の移動解析方法について説明する。
[0048]
 まず、ステップS11において、樹脂210とともに流動する繊維220を、複数の節点221と、節点221同士により接続されたロッド要素222とによってモデル化する。
[0049]
 次に、ステップS12において、樹脂速度解析部10によって算出された、節点221に対応する位置における、解析された樹脂210の流動速度(図3参照)を取得する。
[0050]
 次に、ステップS13において、節点221に対応する位置における繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方(第1実施形態では、両方)に基づいて、取得された節点221に対応する位置における樹脂210の流動速度を補正(図4参照)する。なお、現在のステップがi番目であるとすると、i-1番目(前回)のステップにおいて算出された繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとに基づいて樹脂210の流動速度が補正される。また、ステップが1(i=1)の際には、たとえば、密度は、均一であると仮定される。
[0051]
 次に、ステップS14において、補正された樹脂210の流動速度に基づいて、樹脂210中における繊維220の移動を解析(図9参照)する。
[0052]
 次に、ステップS15において、解析された移動後の節点221の位置情報に基づいて、繊維220の曲りの度合いが算出されるとともに、移動後の位置における繊維220の体積に基づいて、繊維220の密度が算出される。
[0053]
 次に、ステップS16において、樹脂210の流動が終了したか否か(Nステップ分の解析が終了したか否か)が判定される。ステップS16において、「Yes」の場合、繊維220の移動の解析が終了する。ステップS16において、「No」の場合、ステップS12に戻って、繊維220の移動の解析が継続される。
[0054]
 次に、図12および図13を参照して、繊維220の移動の解析のシミュレーションについて説明する。図12は、流動速度の補正を行っていない場合(比較例)の結果である。また、図13は、繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとに基づいた流動速度の補正を行った場合(第1実施形態に相当)の結果である。
[0055]
 図12に示すように、流動速度の補正を行っていない場合(比較例)では、X方向の幅W1を有する領域部分202(リブ部)と、X方向の幅W2(<W1)を有する領域部分203(リブ部)とに、繊維220が略同等に流入していることが確認された。つまり、領域部分203の幅W2が、領域部分202の幅W1よりも小さいにもかかわらず、領域部分203と領域部分202とに繊維220が略同等に流入していることが確認された。
[0056]
 一方、図13に示すように、流動速度の補正を行った場合(第1実施形態に相当)では、X方向の幅W1を有する領域部分202よりも、狭いX方向の幅W2(<W1)を有する領域部分203の方が、繊維220の流入が遅れていることが確認された。つまり、幅W2の小さい領域部分203の方が、繊維220の密度が高くなるため、流動速度が遅くなる。このため、繊維220の流入が遅れる。流動速度の補正を行うことにより、実際の繊維220の流入に近い状態が再現されることが確認された。
[0057]
 (第1実施形態の効果)
 次に、第1実施形態の効果について説明する。
[0058]
 第1実施形態では、上記のように、繊維解析部20は、節点221に対応する位置における繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、樹脂速度取得部22に取得された節点221に対応する位置における樹脂210の流動速度を補正する樹脂速度補正部25と、樹脂速度補正部25に補正された樹脂210の流動速度に基づいて、樹脂210中における繊維220の移動を解析する解析部26とを含む。これにより、比較的計算量の少ない、繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、繊維220同士の干渉の影響を間接的(疑似的)に樹脂210の流動速度に含めることができる。その結果、繊維220同士の干渉(接触による反発力など)を直接的に算出する場合と比べて、計算量が増大するのを抑制しながら、繊維220同士の干渉が考慮された樹脂210中における繊維220の移動を解析することができる。また、計算量の増大が抑制されるので、樹脂210中における繊維220の移動の解析を高速に行うことができる。
[0059]
 また、第1実施形態では、上記のように、樹脂速度補正部25は、節点221に対応する位置における繊維220の密度が変化するに従って樹脂210の流動速度が変化するように補正し、節点221に対応する位置における繊維220の曲りの度合いが変化するに従って樹脂210の流動速度が変化するように補正するように構成されている。これにより、繊維220の密度の変化や、繊維220の曲りの度合いの変化に応じて、適切に、樹脂210中における繊維220の移動を解析することができる。
[0060]
 また、第1実施形態では、上記のように、樹脂速度補正部25は、節点221に対応する位置における繊維220の密度が大きくなるに従って樹脂210の流動速度を小さくなるように補正し、節点221に対応する位置における繊維220の曲りの度合いが大きくなるに従って樹脂210の流動速度を小さくなるように補正するように構成されている。これにより、繊維220の密度が大きくなることにより繊維220同士の干渉が大きくなること、および、繊維220の曲りの度合いが大きくなることにより繊維220同士の干渉が大きくなることを間接的に考慮して、樹脂210中における繊維220の移動を解析することができる。
[0061]
 また、第1実施形態では、上記のように、繊維解析部20は、解析部26により解析された節点221に対応する領域における繊維220の体積に基づいて、繊維220の密度を算出する曲り度合算出部24を含む。これにより、節点221に対応する領域における繊維220の体積を算出するだけで、容易に、繊維220の密度を算出することができる。
[0062]
 また、第1実施形態では、上記のように、繊維解析部20は、解析部26により解析された繊維220の節点221の位置情報に基づいて、繊維220の曲りの度合いを算出する曲り度合算出部24を含む。これにより、容易に、繊維220の曲りの度合いを算出することができる。
[0063]
 また、第1実施形態では、上記のように、樹脂速度補正部25は、少なくとも、領域内において複数の樹脂210が合流する地点近傍において、樹脂速度取得部22に取得された節点221に対応する位置における樹脂210の流動速度を補正するように構成されている。このように構成すれば、比較的繊維220同士が干渉しやすい複数の樹脂210が合流する地点近傍において樹脂210の流動速度が補正されるので、繊維220同士の干渉を効果的に考慮することができる。
[0064]
 [第2実施形態]
 図14および図15を参照して、第2実施形態による移動解析装置300の構成について説明する。移動解析装置300では、樹脂210の流動速度(流速ベクトル)の算出に繊維220の影響が考慮されない上記第1実施形態と異なり、樹脂210の流動速度(流速ベクトル)の算出に繊維220の影響が考慮されている。
[0065]
 第2実施形態では、図14に示すように、樹脂粘度補正部27は、繊維220の流動の解析における一の時点(i-1番目のステップ)の、節点221に対応する位置における繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方(第2実施形態では両方)に基づいて、樹脂210の粘度を補正するように構成されている。なお、樹脂粘度補正部27は、繊維解析部20に含まれている。
[0066]
 具体的には、図15に示されるように、上記第1実施形態と同様に、ステップS1において、領域200のモデル化が行われる。また、ステップS11において、繊維220のモデル化が行われる。次に、ステップS31において、微小要素における樹脂の流動コンダクタンス(粘度などの樹脂の流動特性)に基づいて、微小要素における樹脂の圧力、圧力変化、および、流動速度などが算出される。これにより、i番目のステップの流動速度(流速ベクトル)が算出される。なお、流動コンダクタンスである粘度は、前回(i-1番目)のステップにおいて算出された繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとの両方に基づいて、補正されている。また、樹脂の流動速度は、樹脂流動解析部310に含まれる樹脂速度算出部320によって算出される。つまり、樹脂の流動速度は、繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとの両方と、粘度とを考慮して、ステップ毎に、逐次的に算出される。
[0067]
 次に、上記第1実施形態と同様に、ステップS12~S15の計算が行われる。
[0068]
 次に、ステップS32において、今回(i番目)のステップにおいて算出された繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとの両方に基づいて、流動コンダクタンスである粘度が補正される。これにより、次回(i+1番目)のステップにおいて、補正された粘度に基づいて、流動速度などが算出される。
[0069]
 次に、ステップS33において、算出された流動速度が収束したか否かが判定される。ステップS33において、Yesの場合には、ステップS16に進む。ステップS33において、Noの場合には、ステップS31に戻る。
[0070]
 次に、ステップS16において、樹脂210の流動が終了したか否か(Nステップ分の解析が終了したか否か)が判定される。
[0071]
 (第2実施形態の効果)
 次に、第2実施形態の効果について説明する。
[0072]
 第2実施形態では、上記のように、樹脂粘度補正部27は、繊維220の流動の解析における一の時点の、節点221に対応する位置における繊維220の密度と繊維220の曲りの度合いとに基づいて、樹脂210の粘度を補正する。これにより、樹脂210の流動速度の解析に、繊維220の影響が考慮されるので、樹脂210の流動速度の解析の精度を向上させることができる。
[0073]
 [変形例]
 なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
[0074]
 たとえば、上記第1および第2実施形態では、繊維の密度が大きくなるに従って樹脂の流動速度が小さくなるように補正する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、繊維の密度が大きくなるに従って樹脂の流動速度が大きくなるように補正してもよい。
[0075]
 また、上記第1および第2実施形態では、繊維の曲りの度合いが大きくなるに従って樹脂の流動速度が小さくなるように補正する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、繊維の曲りの度合いが大きくなるに従って樹脂の流動速度が大きくなるように補正してもよい。
[0076]
 また、上記第1および第2実施形態では、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとの両方に基づいて、樹脂の流動速度を補正する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの一方のみに基づいて樹脂の流動速度を補正してもよい。
[0077]
 また、上記第1および第2実施形態では、節点に対応する領域(微小要素)おける繊維の体積に基づいて繊維の密度が算出される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、微小要素に存在する節点の数(ロッド要素の数)などに基づいて、繊維の密度を算出してもよい。
[0078]
 また、上記第1および第2実施形態では、密度(曲りの度合い)に対する流動速度の低下量が実験によって測定される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、繊維同士の干渉を直接的に考慮したシミュレーションを予め行うとともに、シミュレーションの結果から図6および図7のようなグラフを作成する。そして、作成されたグラフに基づいて、密度(曲りの度合い)に対する流動速度の低下量を求めてもよい。
[0079]
 また、上記第1および第2実施形態では、領域内の全ての位置において樹脂の流動速度が補正される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、領域内において複数の樹脂が合流する地点近傍においてのみ、樹脂の流動速度を補正してもよい。これにより、移動解析装置の負荷を軽減することが可能になる。
[0080]
 また、上記第2実施形態では、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとの両方に基づいて、樹脂の粘度が補正される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、繊維の密度と繊維の曲りの度合いとのうちの一方のみに基づいて、樹脂の粘度を補正してもよい。 
[0081]
 また、上記第2実施形態では、算出された樹脂の流動速度が収束しているか否かが判定される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、算出された樹脂の流動速度が収束しているか否かを判定しないように構成してもよい。
[0082]
 また、上記第2実施形態では、樹脂粘度補正部が、繊維解析部に含まれている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、樹脂粘度補正部が樹脂流動解析部に含まれていてもよい。

符号の説明

[0083]
 10 樹脂速度解析部
 20 繊維解析部
 21 繊維モデル化部
 22 樹脂速度取得部
 23 密度算出部
 24 曲り度合算出部
 25 樹脂速度補正部
 26 解析部
 27 樹脂粘度補正部
 30 記憶媒体
 40 プログラム
 100、300 移動解析装置
 200 領域
 210 樹脂
 220 繊維
 221 節点
 222 ロッド要素
 310 樹脂流動解析部

請求の範囲

[請求項1]
 領域内を流動する樹脂の少なくとも流動速度を解析する樹脂速度解析部と、
 前記樹脂速度解析部に解析された前記樹脂の流動速度に基づいて、前記樹脂とともに流動する繊維の流動を解析する繊維解析部とを備え、
 前記繊維解析部は、
 前記繊維を、複数の節点と、前記節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化する繊維モデル化部と、
 前記節点に対応する位置における、前記樹脂速度解析部に解析された前記樹脂の流動速度を取得する樹脂速度取得部と、
 前記節点に対応する位置における前記繊維の密度と前記繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、前記樹脂速度取得部に取得された前記節点に対応する位置における前記樹脂の流動速度を補正する樹脂速度補正部と、
 前記樹脂速度補正部に補正された前記樹脂の流動速度に基づいて、前記樹脂中における前記繊維の移動を解析する解析部とを含む、樹脂中における繊維の移動解析装置。
[請求項2]
 前記樹脂速度補正部は、前記節点に対応する位置における前記繊維の密度が変化するに従って前記樹脂の流動速度が変化するように補正し、前記節点に対応する位置における前記繊維の曲りの度合いが変化するに従って前記樹脂の流動速度が変化するように補正するように構成されている、請求項1に記載の樹脂中における繊維の移動解析装置。
[請求項3]
 前記樹脂速度補正部は、前記節点に対応する位置における前記繊維の密度が大きくなるに従って前記樹脂の流動速度を小さくなるように補正し、前記節点に対応する位置における前記繊維の曲りの度合いが大きくなるに従って前記樹脂の流動速度を小さくなるように補正するように構成されている、請求項2に記載の樹脂中における繊維の移動解析装置。
[請求項4]
 前記繊維解析部は、前記解析部により解析された前記節点に対応する領域における前記繊維の体積に基づいて、前記繊維の密度を算出する密度算出部をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂中における繊維の移動解析装置。
[請求項5]
 前記繊維解析部は、前記解析部により解析された前記繊維の前記節点の位置情報に基づいて、前記繊維の曲りの度合いを算出する曲り度合算出部をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂中における繊維の移動解析装置。
[請求項6]
 前記樹脂速度補正部は、少なくとも、前記領域内において複数の前記樹脂が合流する地点近傍において、前記樹脂速度取得部に取得された前記節点に対応する位置における前記樹脂の流動速度を補正するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂中における繊維の移動解析装置。
[請求項7]
 ある一時点において、領域内を流動する樹脂の流動状態を解析する樹脂流動解析部と、 前記樹脂流動解析部で算出された前記樹脂の流動速度に基づいて、前記樹脂とともに流動する繊維の流動を解析する繊維解析部とを備え、
 前記繊維解析部は、
 前記繊維を、複数の節点と、前記節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化する繊維モデル化部と、
 前記節点に対応する位置における、前記樹脂流動解析部に解析された前記樹脂の流動速度を取得する樹脂速度取得部とを含み、
 前記樹脂の流動速度に基づいて前記繊維の移動を計算するとともに、前記節点に対応する位置における前記繊維の密度と前記繊維の曲がりの度合いを算出し、前記繊維の密度と前記繊維の曲がりの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、次の時点における前記樹脂の粘度を補正する樹脂粘度補正部をさらに備え、
 前記樹脂流動解析部は、前記樹脂粘度補正部で補正された前記樹脂の粘度に基づいて、次の時点の前記樹脂および前記繊維の流動を計算する、樹脂中における繊維の移動解析装置。
[請求項8]
 領域内を流動する樹脂の少なくとも流動速度を解析するステップと、
 前記樹脂とともに流動する繊維を、複数の節点と、前記節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化するステップと、
 前記節点に対応する位置における、解析された前記樹脂の流動速度を取得するステップと、
 前記節点に対応する位置における前記繊維の密度と前記繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された前記節点に対応する位置における前記樹脂の流動速度を補正するステップと、
 補正された前記樹脂の流動速度に基づいて、前記樹脂中における前記繊維の移動を解析するステップとを備える、樹脂中における繊維の移動解析方法。
[請求項9]
 領域内を流動する樹脂の少なくとも流動速度を解析するステップと、
 前記樹脂とともに流動する繊維を、複数の節点と、前記節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化するステップと、
 前記節点に対応する位置における、解析された前記樹脂の流動速度を取得するステップと、
 前記節点に対応する位置における前記繊維の密度と前記繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された前記節点に対応する位置における前記樹脂の流動速度を補正するステップと、
 補正された前記樹脂の流動速度に基づいて、前記樹脂中における前記繊維の移動を解析するステップとを備える、プログラム。
[請求項10]
 領域内を流動する樹脂の少なくとも流動速度を解析するステップと、
 前記樹脂とともに流動する繊維を、複数の節点と、前記節点同士により接続されたロッド要素とによってモデル化するステップと、
 前記節点に対応する位置における、解析された前記樹脂の流動速度を取得するステップと、
 前記節点に対応する位置における前記繊維の密度と前記繊維の曲りの度合いとのうちの少なくとも一方に基づいて、取得された前記節点に対応する位置における前記樹脂の流動速度を補正するステップと、
 補正された前記樹脂の流動速度に基づいて、前記樹脂中における前記繊維の移動を解析するステップとを備える、プログラムを記憶する、記憶媒体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]