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1. WO2020110954 - セラミック構造体及び端子付構造体

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明 細 書

発明の名称 セラミック構造体及び端子付構造体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100  

符号の説明

0101  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : セラミック構造体及び端子付構造体

技術分野

[0001]
 本開示は、セラミック構造体及び端子付構造体に関する。

背景技術

[0002]
 セラミックを基体とするセラミック構造体及び絶縁性の基体に端子を接合した端子付構造体が知られている。セラミック構造体及び端子付構造体の例としては、例えば、ウェハの加工に利用されるセラミックヒータ、静電チャック及びプラズマ発生用電極部材を挙げることができる。セラミック構造体及び端子付構造体においては、基体と金属部材(例えば端子)との接合がなされている。
[0003]
 特許文献1は、セラミックプレートと金属部材との接合構造を開示している。この接合構造において、セラミックプレートは、1対の主面(板形状の最も広い面。表面および裏面)の一方の主面に突部を有している。突部は、平坦な頂面を有している。金属部材は、この頂面に対向する被接合面を有している。そして、頂面と被接合面との間にろう材が配置されてセラミックプレートと金属部材とは接合されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 国際公開第2015/146563号

発明の概要

[0005]
 本開示の一態様に係るセラミック構造体は、基体、金属部材及び接合層を有している。前記基体は、セラミックからなる。前記接合層は、金属が主成分であり、前記基体と前記金属部材との間に位置する。前記基体は、第1面及び第2面を有している。前記第1面は、前記基体の外側へ面している。また、前記第1面は、前記金属部材と重なっている領域及び前記金属部材の周囲に位置している領域の少なくとも一方を含んでいる。前記第2面は、前記第1面に交差しており、前記第1面から離れるほど前記基体の内部側へ位置している。前記接合層は、前記金属部材及び前記第1面から前記第2面に至っている。
[0006]
 本開示の一態様に係る端子付構造体は、基体と、内部導体と、端子と、接合層とを有している。前記基体は、凹部を有している絶縁性の部材である。前記内部導体は、前記基体内に位置している。前記端子は、前記凹部に挿入されており、前記内部導体に電気的に接続されている。前記接合層は、前記基体と前記端子とを接合している。前記基体は、第1面及び第2面を有している。前記第1面は、前記凹部の周囲に位置している。前記第2面は、前記第1面に交差しており、前記第1面から離れるほど前記基体の内部側へ位置している。前記接合層は、前記端子及び前記第1面から前記第2面に至っている。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 実施形態に係るヒータの構成を示す模式的な分解斜視図。
[図2] 図1のII-II線における断面図。
[図3] 図1のヒータプレートの端子及びその周辺を下面側から見た斜視図。
[図4] 図3のIV-IV線における断面図。
[図5] 図4の領域Vの拡大図。
[図6] 比較例に係る端子の接合構造を示す断面図。
[図7] 図7(a)及び図7(b)は変形例及び他の変形例に係る接合構造を示す断面図。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下、本開示のセラミック構造体及び端子付構造体について、ヒータを例に取って説明する。以下で参照する各図は、説明の便宜上の模式的なものである。従って、細部は省略されていることがあり、また、寸法比率は必ずしも現実のものとは一致していない。また、ヒータは、各図に示されていない周知の構成要素をさらに備えていても構わない。
[0009]
(ヒータシステム)
 図1は、実施形態に係るヒータ1の構成を示す模式的な分解斜視図である。図2は、図1のヒータ1を含むヒータシステム101の構成を示す模式図である。図2において、ヒータ1については、図1のII-II線断面図が示されている。図1は、ヒータ1の構造を示すために便宜的にヒータ1を分解して示しており、実際の完成後のヒータ1は、図1の分解斜視図のように分解可能である必要はない。
[0010]
 図1及び図2の紙面上方は、例えば、鉛直上方である。ただし、ヒータ1は、必ずしも図1及び図2の紙面上方を鉛直上方として利用される必要はない。以下では、便宜上、図1及び図2の紙面上方を鉛直上方として、上面及び下面等の用語を用いることがある。特に断りがない限り、単に平面視という場合、図1及び図2の紙面上方から見ることを指すものとする。
[0011]
 ヒータシステム101は、ヒータ1と、ヒータ1に電力を供給する電力供給部3(図2)と、電力供給部3を制御する制御部5(図2)と、を有している。ヒータ1と電力供給部3とは配線部材7(図2)によって接続されている。なお、配線部材7は、ヒータ1の一部と捉えられても構わない。また、ヒータシステム101は、上記に挙げた構成の他、例えば、ヒータ1に気体及び/又は液体を供給する流体供給部を有していてもよい。
[0012]
(ヒータ)
 ヒータ1は、例えば、概略板状(図示の例では円盤状)のヒータプレート9と、ヒータプレート9から下方へ延びているパイプ11とを有している。
[0013]
 ヒータプレート9は、その上面13aに加熱対象物の一例としてのウェハWf(図2)が載置され(重ねられ)、ウェハの加熱に直接寄与する。パイプ11は、例えば、ヒータプレート9の支持及び配線部材7の保護に寄与する。なお、ヒータプレート9のみがヒータと捉えられても構わない。
[0014]
(ヒータプレート)
 ヒータプレート9の上面13a及び下面13bは、例えば、概ね平面である。ヒータプレート9の平面形状及び各種の寸法は、加熱対象物の形状及び寸法等を考慮して適宜に設定されてよい。例えば、平面形状は、円形(図示の例)又は多角形(例えば矩形)である。寸法の一例を示すと、直径は20cm以上35cm以下、厚さは4mm以上30mm以下である。なお、本実施形態の説明において、矩形等の多角形に係る用語は、特に断りが無い限り、角部が直線(平面)又は曲線(曲面)によって面取りされた形状を含むものとする。
[0015]
 ヒータプレート9は、例えば、絶縁性の基体13と、基体13に埋設されている抵抗発熱体15(内部導体の一例)と、抵抗発熱体15に電力を供給するための端子17(金属部材の一例)とを備えている。抵抗発熱体15に電流が流れることによって、ジュールの法則に従って熱が発生し、ひいては、基体13の上面13aに載置されているウェハWfが加熱される。
[0016]
(基体)
 基体13の外形は、ヒータプレート9の外形を構成している。従って、上述のヒータプレート9の形状及び寸法に係る説明は、そのまま基体13の外形及び寸法の説明と捉えられてよい。基体13の材料は、例えば、セラミックである。セラミックは、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al 、アルミナ)、炭化珪素(SiC)、及び窒化珪素(Si )等を主成分とする焼結体である。なお、主成分は、例えば、その材料の50質量%以上又は80質量%以上を占める材料である(以下、特に断りが無い限り、他の部材及び他の材料についても、同様である。)。
[0017]
 ここで、主成分とは、セラミックを構成する成分100質量%のうち、60質量%以上を占める成分をいう。セラミックを構成する各成分は、X線回折装置(XRD)を用いて同定すればよい。そして、各成分の含有量は、蛍光X線分析装置(XRF)またはICP発光分光分析装置(ICP)を用いて、各元素の含有量を求め、同定された各成分の含有量にそれぞれ換算すればよい。
[0018]
 図1では、基体13は、第1絶縁層19A及び第2絶縁層19Bによって構成されている。なお、基体13は、第1絶縁層19A及び第2絶縁層19Bとなる材料(例えばセラミックグリーンシート)が積層されて作製されてもよいし、そのような方法とは異なる方法によって作製され、完成後に抵抗発熱体15等の存在によって概念的に第1絶縁層19A及び第2絶縁層19Bによって構成されていると捉えることができるだけであってもよい。
[0019]
(抵抗発熱体)
 抵抗発熱体15は、基体13の上面13a及び下面13bに沿って(例えば平行に)延びている。また、抵抗発熱体15は、平面視において、例えば、基体13の概ね全面に亘って延びている。図1では、抵抗発熱体15は、第1絶縁層19A及び第2絶縁層19Bとの間に位置している。
[0020]
 平面視における抵抗発熱体15の具体的なパターン(経路)は適宜なものとされてよい。例えば、抵抗発熱体15は、ヒータプレート9において1本のみ設けられており、その一端から他端まで自己に対して交差することなく延びている。また、図示の例では、抵抗発熱体15は、ヒータプレート9を2分割した各領域において、円周方向に往復するように(ミアンダ状に)延びている。この他、例えば、抵抗発熱体15は、渦巻状に延びていたり、一の半径方向において直線状に往復するように延びていたりしてよい。
[0021]
 抵抗発熱体15を局部的に見たときの形状も適宜なものとされてよい。例えば、抵抗発熱体15は、上面13a及び下面13bに平行な層状導体であってもよいし、上記の経路を軸として巻かれたコイル状(スプリング状)であってもよいし、メッシュ状に形成されているものであってもよい。各種の形状における寸法も適宜に設定されてよい。
[0022]
 抵抗発熱体15の材料は、電流が流れることによって熱を生じる導体(例えば金属)である。導体は、適宜に選択されてよく、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)若しくはインジウム(In)又はこれらを主成分とする合金である。また、抵抗発熱体15の材料は、前記のような金属を含む導電ペーストを焼成して得られるものであってもよい。すなわち、抵抗発熱体15の材料は、ガラス粉末及び/又はセラミック粉末等の添加剤(別の観点では無機絶縁物)を含むものであってもよい。
[0023]
(端子(概要))
 端子17は、例えば、抵抗発熱体15の長さ方向両端に接続されているとともに、当該両端の位置にて、基体13の下面13b側の一部(第2絶縁層19B)を貫通して下面13bから露出している。これにより、ヒータプレート9の外部から抵抗発熱体15へ電力を供給可能になっている。1対の端子17(抵抗発熱体15の両端)は、例えば、ヒータプレート9の中央側に位置している。なお、1つの抵抗発熱体15に電力を供給する3以上の端子17が設けられてもよいし、2以上(例えば2層以上)の抵抗発熱体15に電力を供給する2組以上の端子17が設けられてもよい。
[0024]
(パイプ)
 パイプ11は、上下(軸方向両側)が開口している中空状である。別の観点では、パイプ11は、上下に貫通する空間11sを有している。パイプ11の横断面(軸方向に直交する断面)及び縦断面(軸方向に平行な断面。図2に示す断面)の形状は適宜に設定されてよい。図示の例では、パイプ11は、軸方向の位置に対して径が一定の円筒形状である。もちろん、パイプ11は、高さ方向の位置によって径が異なっていてもよい。また、パイプ11の寸法の具体的な値は適宜に設定されてよい。特に図示しないが、パイプ11には、気体又は液体が流れる流路が形成されていてもよい。
[0025]
 パイプ11は、セラミック等の絶縁材料から構成されていてもよいし、金属(導電材料)から構成されていてもよい。セラミックの具体的な材料としては、例えば、基体13の説明で挙げたもの(AlN等)が利用されてよい。また、パイプ11の材料は、基体13の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
[0026]
 基体13とパイプ11との固定は、適宜な方法によってなされてよい。例えば、両者は、両者の間に介在する接着剤(不図示)によって固定されてもよいし、両者の間に接着剤を介在させずに、固相接合によって固定されてもよいし、ボルト及びナット(いずれも不図示)を利用して機械的に固定されてもよい。
[0027]
(配線部材)
 配線部材7は、パイプ11の空間11s内に挿通されている。平面透視において、ヒータプレート9のうち空間11s内に露出する領域では、複数の端子17が基体13から露出している。そして、配線部材7は、その一端が複数の端子17に接続されている。
[0028]
 複数の配線部材7は、可撓性の電線であってもよいし、可撓性を有さないロッド状のものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。また、複数の可撓性の電線は、纏められて1本のケーブルのようになっていてもよいし、纏められていなくてもよい。
[0029]
 配線部材7と端子17との接続も適宜なものとされてよい。例えば、両者は、導電性の接合材によって接合されていてもよい。また、例えば、両者は、一方に雄ねじが形成され、他方に雌ねじが形成されることにより、螺合されていてもよい。端子17は、前記のねじのように、配線部材7との接続のための特定の形状を有していてもよい。ただし、以下の説明では、そのような特定の形状の図示は基本的に省略する。
[0030]
(端子の接合構造)
 図3は、ヒータプレート1の端子17及びその周辺を下面13b側から見た斜視図である。図4は、図3のIV-IV線における断面図である。これらの図では、紙面上方はヒータプレート1の下方である。
[0031]
 端子17は、例えば、軸状の端子本体17aと、端子本体17aの外周面(軸回りの面)から突出しているフランジ17bとを有している。
[0032]
 端子本体17aの具体的な形状及び各種の寸法等は適宜に設定されてよい。例えば、図示の例のように、端子本体17aは、上下方向(基体13の厚さ方向)に直線状に延びる柱状とされてよい。この場合において、端子本体17aの上下方向の長さは、直径よりも大きくてもよいし(図示の例)、直径以下であってもよい。また、端子本体17aの基体13に平行な横断面の形状及び大きさは、上下方向(基体13の厚さ方向)において一定であってもよいし、一定でなくてもよい。横断面の形状は、円形(図示の例)又は多角形等の適宜な形状とされてよい。
[0033]
 端子本体17aは、図示の例のように中実であってもよいし、図示の例とは異なり、雌ねじが形成されているなど、中空状であってもよい。また、特に図示しないが、端子本体17aは、下面13bから延び出る長さが比較的長いロッド状とされてもよい。この場合、例えば、端子本体17aの下面13bから延び出る長さは基体13の厚さの2倍以上又は5倍以上とされてもよい。
[0034]
 フランジ17bの具体的な形状及び各種の寸法等も適宜に設定されてよい。例えば、平面視において、フランジ17bの外縁の形状は、端子本体17aの外周面の形状を一回り大きくした形状(図示の例)であってもよいし、端子本体17aの外周面の形状とは異なる形状であってもよい。換言すれば、フランジ17bの幅(平面視における内縁から外縁までの距離)は、端子本体17a回りに一定であってもよいし、一定でなくてもよい。フランジ17bの厚さ(上下方向)は、端子本体17a回りの方向及び/又は内縁から外縁への方向において、一定であってもよいし(図示の例)、一定でなくてもよい。フランジ17b(その下面及び/又は上面)は、端子本体17aに対して直交していてもよいし(図示の例)、直交していなくてもよい。
[0035]
 フランジ17bの端子本体17aに対する上下方向の位置も適宜に設定されてよい。図示の例では、フランジ17bは、端子本体17aの長さ方向の中途に位置している。ただし、図示の例とは異なり、フランジ17bは、端子本体17aの抵抗発熱体15とは反対側(紙面上方)の端部に位置していてもよい。換言すれば、端子本体17aは、フランジ17bから紙面上方へ突出していなくてもよい。
[0036]
 端子17は、例えば、その全体が導体によって一体的に構成されている。ただし、特に図示しないが、端子17は、絶縁体を導体膜によって被覆して構成されていてもよい。端子17を構成する導体の材料は適宜なものとされてよい。典型的には、導体の材料は、金属である。また、端子17の材料は、内部導体(抵抗発熱体15)の材料及び/又は配線部材7の材料と同一の材料若しくは主成分が同一の材料であってもよいし、そのような材料でなくてもよい。端子17の材料としては、例えば、W、Mo又はPtを挙げることができる。
[0037]
 端子17は、図示の例のように、抵抗発熱体15を貫通してその側面において抵抗発熱体15と接続されていてもよいし(図示の例)、抵抗発熱体15を貫通せず、その上面(紙面下方側の面)において抵抗発熱体15と接続されていてもよい。
[0038]
 基体13の下面13bは、第1面13cを含んでいる。第1面13cは、下面13bのうち、後述する溝13dと凹部13eとの間の領域であり、基体13の下方(紙面上方。別の観点では基体13の外部又は抵抗発熱体15とは反対側)に面している。第1面13cは、例えば、下面13bの大部分(例えば8割以上)と同一方向に面する平面状である。第1面13cは、下面13bの他の領域(溝13dよりも外側の領域の一部又は全部)に対して下方に位置していてもよいし、面一であってもよいし(図示の例)、上方に位置していてもよい。例えば、特に図示しないが、下面13bの中央側の領域に凹部が形成され、その凹部の底面の、凹部の内周面から離れた位置に溝13dが形成されていてもよい。
[0039]
 基体13は、第1面13cに開口する凹部13e(図4)を有している。凹部13eは、少なくとも第2絶縁層19Bを貫通しており、抵抗発熱体15に到達している。端子17は、少なくとも一部が凹部13e内に位置している。これにより、端子17は、基体13内に位置している抵抗発熱体15に接続可能となっている。また、端子17の抵抗発熱体15から離れる側(紙面上方)の一部は、第1面13cから露出している。これにより、端子17は、配線部材7と接続可能となっている。なお、特に図示しないが、抵抗発熱体15と基体13の下面13bとの間に抵抗発熱体15と電気的に接続されている不図示の配線層が設けられ、この配線層に端子17が接続されていてもよい。
[0040]
 端子本体17aのうち、フランジ17bよりも抵抗発熱体15側に突出している部分が凹部13eに挿入されることによって、フランジ17bは、第1面13cに対して係合している。換言すれば、第1面13cは、端子17に重なる領域を有している。この重なる領域は、端子17(より厳密には端子本体17a)の周囲に位置している領域と捉えることもできる。
[0041]
 フランジ17bの幅(内縁から外縁までの長さ)は、例えば、第1面13cの幅(凹部13eから溝13dまでの長さ)よりも小さい。別の観点では、フランジ17bの外縁は、第1面13cの外縁よりも内側(端子本体17a側)に位置している。従って、第1面13cは、端子17(より厳密にはフランジ17b)の周囲に位置している領域を有している。ただし、フランジ17bの外縁は、第1面13cの外縁に概ね一致していたり、第1面13cの外縁よりも外側に位置していたりしてもよい。
[0042]
 凹部13eの具体的な形状及び寸法等は適宜に設定されてよい。例えば、凹部13eの形状は、端子17のうち凹部13eに挿入される部分の形状を若干大きくした形状である。両者の隙間の大きさは、後述する接合材(接合層21)を配置可能に適宜に設定されてよい。凹部13eの底面と、端子17の基体13の内部側の先端面とは、当接されずに、又は接合されずに、離れていてもよいし(図示の例)、当接又は接合されていてもよい。
[0043]
 基体13は、既述のように下面13bに溝13dを有している。溝13dは、例えば、端子17から離れた位置にて端子17を囲むように延びている。別の観点では、溝13dは、第1面13cを囲んでいる。溝13dが形成されていることにより、基体13は、第1面13cに交差するとともに第1面13cから離れるほど基体13の内部側に位置している第2面13f(溝13dの第1面13c側の壁面)を有している。
[0044]
 溝13d(第2面13f)の具体的な形状及び寸法等は適宜に設定されてよい。例えば、溝13dは、途切れることなく端子17を囲んでいてもよいし(図示の例)、一部(1カ所とは限らない)において途切れていてもよい。また、溝13d(第2面13f)の、端子17(本実施形態では厳密にはフランジ17bの外縁)からの距離は、端子17回りの方向において一定であってもよいし(図示の例)、一定でなくてもよい。別の観点では、平面視において、溝13dの形状は、端子17の形状を一回り大きくした形状であってもよいし、そのような形状でなくてもよい。溝13dは、一定の幅で延びていてもよいし(図示の例)、幅を変化させつつ延びていてもよい。
[0045]
 溝13dの横断面(図4に示す断面の形状)において、溝13dの幅(第2面13fと、これに対向する壁面との距離)は、溝13dの深さ方向において、一定であってもよいし(図示の例)、一定でなくてもよい。後者の場合においては、例えば、溝13dは、開口側(抵抗発熱体15から離れる側)ほど幅が広くなる形状とされてよいし、逆に、開口側ほど幅が狭くなる形状とされてもよい。溝13dの幅が深さ方向において概ね一定の形状としては、例えば、矩形(図示の例)、平行四辺形、及びこれらの形状において少なくとも一部を曲面状にしたものが挙げられる。また、溝13dの幅が開口側ほど大きくなる形状としては、例えば、三角形、台形、これらの形状において少なくとも一部を曲面状にしたもの、及び半円形を挙げることができる。また、溝13dの幅が開口側ほど小さくなる形状としては、例えば、台形及び台形の少なくとも一部を曲面状にしたものを挙げることができる。曲面は、凹状のものであってもよいし、凸状のものであってもよい。
[0046]
 上記の説明から理解されるように、溝13dの一方の壁面である第2面13fは、平面状であってもよいし(図示の例)、曲面状であってもよい。また、第2面13fは、第1面13cに対して直交していてもよいし(図示の例)、傾斜していてもよい。
[0047]
 図5は、図4の領域Vの拡大図である。
[0048]
 第2面13fと第1面13cとがなす角部は、平面又は曲面によって面取りされていてもよいし(図示の例)、そのような面取りがなされていなくてもよい。なお、ここでいう面取りは、角部が無くされたような形状を指しているのであり、切削加工又は研磨加工等によって角部の材料が除去されることは要しない。面取り面13gの大きさは適宜に設定されてよい。例えば、第1面13cが面取りされた長さd1及び第2面13fが面取りされた長さd2は、後述する接合層21の、第1面13c上における厚さ(例えば、端子17付近の特異部分を除いた平均厚さ)の1倍以上又は2倍以上とされてよく、また、10倍以下又は5倍以下とされてよく、上記の下限と上限とは適宜に組み合わされてよい。
[0049]
(接合層)
 基体13と端子17とは接合層21によって接合されている。接合層21は、例えば、少なくとも一部が基体13と端子17との間に介在している。接合層21は、端子17と抵抗発熱体15との間に介在してこれらの電気的接続に寄与していてもよいし、寄与していなくてもよい。
[0050]
 接合層21が端子17に対して設けられる範囲は適宜に設定されてよい。例えば、接合層21は、端子17の表面の一部のみに重なっていてもよいし、端子17の全面に重なっていてもよい。前者の例における端子17の表面の一部としては、例えば、フランジ17bの第1面13cに対向している対向面が挙げられる。また、当該対向面と端子本体17aのうち凹部13eに挿入されている部分の外周面との組み合わせが挙げられる。さらに、前記対向面とフランジ17bの外周面との組み合わせが挙げられる。端子17の上端面及び下端面の少なくとも一方を除く全面が挙げられる。また、フランジ17bが設けられていない態様においては、上記表面の一部として、端子(端子本体17a)の外周面の全部又は一部が挙げられる。
[0051]
 また、接合層21が基体13に対して設けられる範囲も適宜に設定されてよい。例えば、接合層21は、少なくとも第1面13cの一部から第2面13fの一部に亘って(別の観点では両者の角部に跨って)基体13の表面に重なっている。また、接合層21は、第1面13cの全部に重なっていてよいし(図示の例)、凹部13eの内周面の一部又は全部に重なっていてもよいし(図示の例)、凹部13eの底面の一部又は全部に重なっていてもよいし、第2面13fの全部に重なっていてもよいし、溝13dの底面の一部又は全部に重なっていてもよいし、溝13dの第2面13fに対向する壁面の一部又は全部に重なっていてもよいし、下面13bのうち溝13dよりも外側の一部に重なっていてもよい。
[0052]
 接合層21が端子本体17aの基体13内部側の端面及び/又は凹部13eの底面に位置している場合において、接合層21は、両者の間に充填されて両者を接合していてもよいし、端子本体17aの端面に重なる部分と、凹部13eの底面に重なる部分との2層に分かれていてもよい。また、接合層21は、溝13d内に充填されていてもよい。このことから理解されるように、接合層21は、「層」の概念に当て嵌まらない部分を含んでいてもよい。
[0053]
 接合層21の厚さは、適宜に設定されてよい。例えば、接合層21の厚さは、その全体に亘って概ね一定であってもよいし、複数の領域間で厚さが異なっていてもよいし、一の領域内で厚さが異なっていてもよい。例えば、接合層21において、フランジ17bと第1面13cとの間に介在する領域の厚さは、端子本体17aと凹部13eの内周面との間に介在する厚さに対して、薄くてもよいし、同等でもよいし、厚くてもよい。また、例えば、端子17と基体13との間に介在する領域の厚さは、端子17と基体13との間に介在しない領域に対して、薄くてもよいし、同等でもよいし、厚くてもよい。ここでいう各領域の厚さは、例えば、以下で述べる特異部分(肉厚部21b等)を除いた各領域の平均厚さとされてよい。各領域の厚さの一例を挙げると、例えば、当該厚さは、5μm以上又は10μm以上とされてよく、200μm以下又は100μm以下とされてよく、上記の下限と上限とは適宜に組み合わされてよい。
[0054]
 接合層21の第1面13cに重なっている部分は、例えば、端子17(厳密にはフランジ17b)の周囲に肉厚部21bを有している。肉厚部21bの厚さt1は、接合層21のうち当該肉厚部21bよりも第2面13f側に位置する領域の厚さt2よりも厚くなっている。より具体的には、肉厚部21bは、端子17側ほど厚くなっており、図5に示す断面視において、概略、第1面13c及びフランジ17bの外周面を隣辺とし、接合層21の表面を斜辺とする直角三角形状となっている。肉厚部21bの厚さt1は、例えば、最も厚い位置(接合層21のうちフランジ17bの外周面に位置する領域の表面と、肉厚部21bの表面(斜辺)とが成す稜線の位置)において、厚さt2(肉厚部21bを除く平均厚さ)の1.5倍以上、2倍以上又は3倍以上とされてよい。
[0055]
 接合層21の材料は、導電材料であり、また、金属材料を主成分としている。接合層21は、その全体が1種類の材料によって構成されていてもよいし、複数種類の材料から構成されていてもよい。後者の例としては、互いに異なる材料からなる層が積層されている構成を挙げることができる。なお、複数種類の材料は、互いに混じり合い、その境界が曖昧になっていてもよい。
[0056]
 接合層21が複数の層から構成される場合の一例を挙げると、特に図示しないが、接合層21は、以下の第1層~第4層を有している。第1層は、少なくとも凹部13eの内面、第1面13c及び第2面13fに重なっている。第2層は、第1層と概ね同等の領域において第1層に重なっている。第3層は、少なくとも基体13の表面と端子17の表面とが対向する領域において端子17の表面に重なっており、第2層と端子17の表面との間に介在している。この第3層は、端子17の全体を覆っていてもよい。第4層は、基体13の下面13bのうち端子17(フランジ17b)よりも外側の領域及び端子17が外部へ露出している領域を第1~第3層の上から覆っている。
[0057]
 接合層21の具体的な材料も適宜に設定されてよい。例えば、接合層21の材料は、端子17、内部導体(抵抗発熱体15)の材料及び/又は配線部材7の材料と同一の材料若しくは主成分が同一の材料であってもよいし、そのような材料でなくてもよい。接合層21の材料(接合層21を構成する層の材料)としては、Ag、Cu、Cr、Ti若しくはNi、又はこれらの1つ以上を主成分とする合金が用いられてよい。上記の積層構造の一例について具体的な材料を例示すると、例えば、第1層の材料は、Ag、Cu、Cr及びTiの合計質量が50質量%以上又は80%質量以上の合金とされてよい。第2層の材料及び第4層の材料は、Ni又はNiを主成分とする合金とされてよい。第3層の材料は、Ag及びCuの合計質量が50質量%以上又は80質量%以上の合金とされてよい。
[0058]
(ヒータの製造方法)
 ヒータプレート1の製造方法は、例えば、溝13dが形成されること等を除いては、概略、公知の種々の方法と同様とされてよい。以下に一例を述べる。
[0059]
 まず、焼成前のセラミック原料からなる基体13(生の基体13)を準備する。生の基体13の内部には、例えば、焼成前の導電ペーストからなる抵抗発熱体15(生の抵抗発熱体15)が埋設されている。このような生のヒータプレートは、従来公知の種々の方法によって準備されてよく、例えば、導電ペーストが配置されたセラミックグリーンシートを積層することによって準備されてよい。
[0060]
 上記の生の基体13には、凹部13e及び溝13dが形成されている。生の基体13が複数のセラミックグリーンシートの積層体によって構成される場合において、凹部13e及び/又は溝13dは、積層前に形成されてもよいし、積層後に形成されてもよい。また、凹部13e及び溝13dとなる穴(貫通孔又は凹部)は、1枚のセラミックグリーンシートに形成されたものであってもよいし、2枚以上のセラミックグリーンシートに亘って形成されたものであってもよい。
[0061]
 次に、凹部13eの内面(内周面及び底面)、第1面13c及び第2面13fに接合層21の一部となる導電ペーストを層状に配置する。この導電ペーストは、例えば、上述の第1層となるものである。導電ペーストの一部又は全部は、セラミックグリーンシートの積層前に配置されてもよい。次に、生の基体13及び導電ペーストを焼成する。その後、第1層上に既述の第2層となる金属を蒸着法等によって成膜する。
[0062]
 上記に並行して、バルク材(金属の塊)からなる端子17を用意する。そして、端子17に、接合層21のうち既述の第3層となるろう材を塗布する。このろう材によって被覆された端子17を第2層が成膜されている凹部13e内に挿入して熱処理を行う。これにより、端子17と基体13とが接合される。さらに、その上から既述の第4層となる金属層を蒸着法等によって成膜する。以上の説明から理解されるように、この例では、基体13の表面をメタライズし、ろう材によって基体13と端子17とを接合している。接合層21は、メタライズによって形成された層及びろう材等を含んでいる。
[0063]
 以上のとおり、本実施形態では、セラミック構造体(ヒータ1)は、基体13、金属部材(端子17)及び接合層21を有している。基体13は、セラミックからなる。接合層21は、金属が主成分であり、基体13と端子17との間に位置する。基体13は、第1面13c及び第2面13fを有している。第1面13cは、基体13の外側へ面しており、端子17と重なっている領域及び端子17の周囲に位置している領域の少なくとも一方(本実施形態では双方)を含んでいる。第2面13fは、第1面13cに交差しており、第1面13cから離れるほど基体13の内部側へ位置している。接合層21は、端子17及び第1面13cから第2面13fに至っている。
[0064]
 別の観点では、端子付構造体(ヒータ1)は、基体13、内部導体(抵抗発熱体15)、端子17及び接合層21を有している。基体13は、凹部13eを有している絶縁性の部材である。抵抗発熱体15は、基体13内に位置している。端子17は、凹部13eに挿入されており、抵抗発熱体15に電気的に接続されている。接合層21は、基体13と端子17とを接合している。基体13は、第1面13c及び第2面13fを有している。第1面13cは、凹部13eの周囲に位置している。第2面13fは、第1面13cに交差しており、第1面13cから離れるほど基体13の内部側へ位置している。接合層21は、端子17及び第1面13cから第2面13fに至っている。
[0065]
 従って、例えば、接合層21の基体13の表面(第1面13c等)からの剥離が生じる蓋然性が低減される。その結果、端子17と基体13との接合強度が向上する。具体的には、例えば、以下のとおりである。
[0066]
 図6は、比較例に係る端子の接合構造を示す、図5と同様の断面図である。
[0067]
 この比較例において、基体113は、溝13dが設けられていない点を除いては、基体13と同様の部材である。従って、基体113は、第1面13c及び凹部13eに相当する第1面113c及び凹部113eを有しており、一方で、第2面13fを有していない。そして、接合層21の外縁は、第1面113cに位置している。
[0068]
 通常、セラミックからなる基体113(13)の線膨張係数は、金属からなる接合層21及び端子17の線膨張係数よりも小さい。従って、例えば、ヒータ1において温度が低下する状況においては、接合層21の収縮量が基体113の収縮量よりも大きい。そして、両者の熱膨張差によって生じる力は、矢印y1で示すように、接合層21を第1面113cから剥離させる力として作用する。また、このとき、剥離は、接合層21の縁部から生じやすい。なお、ヒータ1において温度が上昇する状況においては、両者の熱膨張差によって生じる力は、矢印y2で示すように、接合層21を第1面113cへ押し付ける方向への力として作用する。
[0069]
 一方、本実施形態においては、温度が低下し、基体13よりも接合層21が収縮するとき、両者の熱膨張差によって生じる力は、図5の矢印y11(図6の矢印y1に相当)で示すように、接合層21を第2面13fに押し付ける力として作用する。別の観点では、接合層21は、第1面13cに位置している領域と、第2面13fに位置している領域とが収縮に伴って基体13を締め付ける。その結果、接合層21が基体13の表面から剥離する蓋然性が低減される。
[0070]
 より詳細には、図示の例のように、接合層21の縁部が第2面13fに位置している場合においては、縁部の剥離の蓋然性が低減される。また、接合層21の縁部が溝13dの底面、溝13dの第2面13fに対向する壁面又は下面13bの溝13dよりも外側の領域に位置している場合においては、縁部が剥離したとしても、剥離が第2面13fを超えて広がる蓋然性が低減される。接合層21が溝13d内に充填されている場合においても、接合層21が第2面13f等に成膜されている場合と同様の効果が得られる。
[0071]
 上記とは逆に、ヒータ1において温度が上昇する状況においては、両者の熱膨張差によって生じる力は、矢印y12(図6の矢印y2に相当)で示すように、接合層21を第2面13fから剥離させる方向に作用する。しかし、この方向は、上下方向の成分に着目すると、接合層21のうち第1面13c上に位置する領域を第1面13cから剥離させる方向とは逆向きである。従って、剥離が第1面13c上にまで広がる蓋然性が低減される。
[0072]
 なお、上記の説明では、基体13及び113の線膨張係数が接合層21の線膨張係数よりも小さい場合について述べた。両者の大小関係が逆の場合においては、降温及び昇温と、熱膨張差に起因する力が作用する方向との対応関係は図示とは逆になる。そして、対応関係が図示とは逆の状態で、上記と同様の作用が生じる。すなわち、比較例においては、昇温時に矢印y1で示すように剥離が生じる可能性がある。一方、本実施形態では、昇温時には矢印y11で示すように剥離が生じる蓋然性が低減され、降温時には剥離が第1面13cまで広がる蓋然性が低減される。このように、第2面13fを設けたことによる効果は、基体13の線膨張係数が接合層21の線膨張係数よりも小さいことは前提としていない。ただし、本実施形態の説明では、便宜上、基体13の線膨張係数が接合層21の線膨張係数よりも小さい場合を前提とすることがある。
[0073]
 本実施形態では、ヒータ1は、基体13内に位置している内部導体(抵抗発熱体15)を有している。基体13に接合される金属部材は、抵抗発熱体15に電気的に接続されている端子17である。
[0074]
 この場合、例えば、接合層21の基体13からの剥離が生じる蓋然性が低減されることによって、端子17の基体13に対する位置ずれが生じる蓋然性が低減される。ひいては、端子17と抵抗発熱体15との電気的接続の信頼性が向上する。
[0075]
 また、本実施形態では、基体13は、第1面13cに囲まれている領域が凹んで構成されている凹部13eを有している。端子17は、凹部13eに位置している。接合層21は、第1面13cから凹部13eの内面にも至っている。
[0076]
 この場合、例えば、接合層21は、基体13のうち第2面13fと凹部13eの内周面との間の部分(第1面13cを頂面とする突部と捉えてよい。)を第2面13fに位置する部分と凹部13eの内周面に位置している部分とで挟み込むことになる。そして、接合層21が基体13よりも収縮する状況においては、接合層21が前記突部を締め付けることになる。その結果、接合層21の剥離が抑制される効果が向上する。
[0077]
 また、本実施形態では、基体13は、端子17及び第1面13cを囲むように延びている溝13dを有している。第2面13fは、溝13dの第1面13c側の壁面によって構成されている。
[0078]
 この場合、例えば、溝13dを形成するだけで、第2面13fを形成することができる。また、例えば、溝13dは、基体13の表面付近において応力の伝搬を阻害し、応力を基体13の内部側へ分散することに寄与する。その結果、例えば、剥離が生じる蓋然性を低下させる効果が向上する。また、溝13dは、接合層21となる材料が過剰に供給されたときに当該材料が外部へ広がって短絡を生じる蓋然性を低減することに寄与する。
[0079]
 また、本実施形態では、端子17は、第1面13cに対向しているフランジ17bを有している。接合層21は、第1面13cとフランジ17bとの間にも位置している。
[0080]
 この場合、例えば、接合層21の収縮によって、接合層21のうちの第1面13cに位置する領域と第2面13fに位置する領域とが基体13を締め付ける力にフランジ17bの収縮による力が加えられる。これにより、接合層21の剥離を抑制する効果が向上する。
[0081]
 また、本実施形態では、第1面13cと第2面13fとがなす角部が面取りされている。
[0082]
 例えば、上記の角部が鋭いと、接合層21が第1面13c上の領域と第2面13f上の領域とに分断されてしまう蓋然性が高くなる。接合層21が分断されると、その分断された位置が新たな縁部となり、かつ第1面13cに位置することになる。その結果、図5及び図6を参照して説明した効果が減じられてしまう。しかし、角部の面取りによって、そのような蓋然性を低減することができる。また、面取りによって、接合層21のうち第1面13cに位置する領域が収縮する力が接合層21のうち第2面13fに位置する領域に伝わりやすくなる。この伝わった力は、接合層21を第2面13fに押し付ける力として作用するから、剥離が生じる蓋然性を低減する効果が向上する。
[0083]
 また、本実施形態では、第1面13cは、端子17を囲んでいる領域を有している。接合層21の、第1面13cに重なっている部分は、端子17の周囲における厚さが第2面13f側における厚さt2よりも厚くなっている(肉厚部21bが形成されている。)。
[0084]
 例えば、図5に示した比較例においては、接合層21が収縮するとき、この収縮によって生じる引張力は、接合層21の縁部に剥離が生じることによって解放される。一方、本実施形態においては、接合層21を第2面13fに係合させて剥離を抑制している。その結果、引張力は解放されずに、例えば、接合層21のうち第1面13c上の部分を第2面13f側に引っ張る力として作用する。肉厚部21bは、例えば、この引張力に対する耐性を向上させることに寄与する。
[0085]
(変形例)
 図7(a)は、変形例に係る接合構造を示す断面図であり、図4に対応する図面において接合層21も示したものである。
[0086]
 この変形例において、基体213は、実施形態の基体13に相当するものであり、金属部材217は端子17に相当するものである。基体213は、基体213の外部に面している第1面213cと、第1面213cに交差しており、第1面213cから離れるほど基体213の内部側に位置している第2面213fとを有している。金属部材217は、接合層21によって第1面213cに接合されている。接合層21は、第1面213cから第2面213fに至っている。このような構成においても、実施形態と同様の効果が奏される。例えば、接合層21が基体213から剥離する蓋然性が低減される。
[0087]
 この変形例から理解されるように、第2面213fは、第1面213cを囲む溝13dを形成することによって構成されるものに限定されない。この変形例では、基体213の下面213bに突部213hを形成している。そして、突部213hの頂面によって第1面213cを構成し、突部213hの側面によって第2面213fを構成している。
[0088]
 また、この変形例に示すように、凹部13eは設けられなくてもよい。別の観点では、金属部材217は、第1面213cと接合されるだけであってもよい。また、この変形例に示すように、第1面213cは、金属部材217の周囲に位置する領域を有さず、金属部材217に重なる領域のみを有していてもよい。
[0089]
 この変形例において、金属部材217は、端子であってもよいし、端子でなくてもよい。端子の場合は、例えば、特に図示しないが、金属部材217は、突部213hを貫通するビア導体、又は下面213b上の導体層(その一部は接合層21によって構成されてよい。)に接続されてよい。端子でない例としては、例えば、基体213を単に支持するだけの脚を挙げることができる。また、特に図示しないが、金属部材217は、中空状とされ、第1面213cに開口する流路に対して通じる部材であってもよい。
[0090]
 なお、このような態様においても、第2面213fは、実施形態で説明したように、第1面213c(及び/又は下面213bのうち突部213hの周囲の領域)に対して、直交していてもよいし、傾斜していてもよいし、平面状であってもよいし、少なくとも一部が曲面状であってもよい。また、接合層21は、縁部が第2面213fに位置していてもよいし、突部213hよりも外側に位置していてもよい。第1面213cと第2面213fとの角部は面取りされていてよい。
[0091]
 図7(b)は、他の変形例に係る接合構造を示す断面図であり、図4に対応する図面において接合層21を示し、その一方で内部導体(抵抗発熱体15)の図示を省略したものである。
[0092]
 この変形例は、端子317がフランジ17bを有していない点のみが実施形態と相違する。この変形例から理解されるように、第1面13cは、端子317(金属部材)と重なる領域を有さず、端子317の周囲に位置する領域のみを有していてもよい。特に図示しないが、このような変形例においても、端子317の外周面と、第1面13cとが成す角部に肉厚部21bが設けられてよい。
[0093]
 なお、以上の実施形態及び変形例において、ヒータ1はセラミック構造体及び端子付構造体の一例である。端子17及び317は金属部材の一例である。金属部材217は端子の一例と捉えられてよい。抵抗発熱体15は内部導体の一例である。
[0094]
 本開示に係るヒータは、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
[0095]
 実施形態では、セラミック構造体及び端子付構造体として、加熱機能を有するヒータプレートを例に取った。ただし、これらの構造体は、他の機能を有するものであってもよい。例えば、構造体は、静電チャック、又はプラズマ発生用電極部材であってもよいし、これら及びヒータの2つ以上の組み合わせとして機能するものであってもよい。さらに、構造体は、このようなウェハの加工用のもの(サセプタ等)に限定されず、あらゆる技術分野に適用可能である。
[0096]
 別の観点では、内部導体は、実施形態では加熱用の抵抗発熱体であったが、他の用途の導体であってよく、例えば、静電チャック用の電極、又はプラズマ発生用の電極であってもよい。セラミック構造体及び端子付構造体は、これらの電極及び抵抗発熱体の1つ、又は2以上の組み合わせを有していてもよい。内部導体は、例えば、全体として、基体(13)の上面に沿って広がっている(上方に面している)といえる形状を有している導体とされてよい。また、例えば、平面視において内部導体全体を囲む最小の凸曲線を仮定したときに、当該凸曲線により囲まれた領域は、基体の上面の6割以上又は8割以上を占めてよい。
[0097]
 セラミック構造体において、金属部材は、端子に限定されないし、内部導体は設けられていなくてもよいし、基体は、金属部材が挿入される凹部を有していなくてよい。例えば、セラミック構造体は、天板としての基体と、脚としての金属部材とを有し、他の部材を支持することに供されるものであってもよい。
[0098]
 端子付構造体において、基体はセラミックに限定されないし、接合層は金属を主成分とするものに限定されない。例えば、基体は、単結晶、アモルファス状態の無機材料又は樹脂によって構成されていてもよい。また、例えば、接合層は樹脂によって構成されていてもよい。
[0099]
 第2面を構成する方法は、溝又は突部を形成する方法以外のものであってもよい。例えば、第1面の周囲において、溝と捉えることが困難な凹部を形成し、この凹部の内壁によって第2面を構成してもよい。このような凹部(別の観点では第2面)は、第1面回りの方向において、1つのみ設けられてもよいし、2以上設けられてもよい。また、1つの凹部の大きさ、又は2以上の凹部の合計の大きさは、第1面を囲んでいると捉えることができる大きさであってもよいし、そのように捉えることができない大きさであってもよい。
[0100]
 金属部材は、第1面から突出していなくてもよい。例えば、凹部13eの深さよりも短い金属部材が凹部13eに挿入されていてもよい。

符号の説明

[0101]
 1…ヒータ(セラミック構造体、端子付構造体)、13…基体、13c…第1面、13d…溝、13f…第2面、15…抵抗発熱体(内部導体)、17…端子(金属部材)、21…接合層。

請求の範囲

[請求項1]
 セラミックからなる基体と、
 金属部材と、
 金属が主成分であり、前記基体と前記金属部材との間に位置する接合層と、
 を有しており、
 前記基体は、
  前記基体の外側へ面しており、前記金属部材と重なっている領域及び前記金属部材の周囲に位置している領域の少なくとも一方を含んでいる第1面と、
  前記第1面に交差しており、前記第1面から離れるほど前記基体の内部側へ位置している第2面と、を有しており、
 前記接合層は、前記金属部材及び前記第1面から前記第2面に至っている
 セラミック構造体。
[請求項2]
 前記基体内に位置している内部導体を更に有しており、
 前記金属部材は、前記内部導体に電気的に接続されている端子である
 請求項1に記載のセラミック構造体。
[請求項3]
 前記基体は、前記第1面に囲まれている領域が凹んで構成されている凹部を有しており、
 前記金属部材は、前記凹部に位置しており、
 前記接合層は、前記第1面から前記凹部の内面にも至っている
 請求項1又は2に記載のセラミック構造体。
[請求項4]
 前記基体は、前記金属部材及び前記第1面を囲むように延びている溝を有しており、
 前記第2面は、前記溝の前記第1面側の壁面によって構成されている
 請求項1~3のいずれか1項に記載のセラミック構造体。
[請求項5]
 前記金属部材は、前記第1面に対向しているフランジを有しており、
 前記接合層は、前記第1面と前記フランジとの間にも位置している
 請求項1~4のいずれか1項に記載のセラミック構造体。
[請求項6]
 前記第1面と前記第2面とがなす角部が面取りされている
 請求項1~5のいずれか1項に記載のセラミック構造体。
[請求項7]
 前記第1面は、前記金属部材を囲んでいる領域を有しており、
 前記接合層の、前記第1面に重なっている部分は、前記金属部材の周囲における厚さが前記第2面側における厚さよりも厚くなっている
 請求項1~6のいずれか1項に記載のセラミック構造体。
[請求項8]
 凹部を有している絶縁性の基体と、
 前記基体内に位置している内部導体と、
 前記凹部に挿入されており、前記内部導体に電気的に接続されている端子と、
 前記基体と前記端子とを接合している接合層と、
 を有しており、
 前記基体は、
  前記凹部の周囲に位置している第1面と、
  前記第1面に交差しており、前記第1面から離れるほど前記基体の内部側へ位置している第2面と、を有しており、
 前記接合層は、前記端子及び前記第1面から前記第2面に至っている
 端子付構造体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]