処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2020110758 - 水素発生システム、発電システム、水素発生方法、及び、発電方法

Document

明 細 書

発明の名称 水素発生システム、発電システム、水素発生方法、及び、発電方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010   0011   0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 水素発生システム、発電システム、水素発生方法、及び、発電方法

技術分野

[0001]
 本発明は水素発生システム、発電システム、水素発生方法、及び、発電方法に関する。

背景技術

[0002]
 近年、化石燃料を利用しないエネルギー源として、水素が注目されている。
 そして、水素の貯蔵方法としては、高圧でボンベ内に水素を貯蔵する方法、低温で液化した水素を貯蔵する方法、及び、水素吸蔵材に水素を吸蔵させて貯蔵する方法等があるが、その中でも、水素吸蔵材を用いた方法は、他の方法に比べて、高圧又は低温等の特殊な状態で水素を貯蔵する必要が無いので、取扱いが容易で安全性が高く、更に、単位体積当たりの水素貯蔵量が高いという優れた特徴を有している。
[0003]
 例えば、水素吸蔵材を用いた方法としては、水素吸蔵材にマグネシウムを用い、水素化マグネシウムの形態で水素を吸蔵させて、水素を貯蔵する方法が知られており、水素化マグネシウムと水を反応させることで水素を発生させる(取り出す)ことが可能である。
[0004]
 この場合、単に、水素化マグネシウムと水を反応させると、副生成物として水酸化マグネシウムが生成されることになる。
[0005]
 一方、特許文献1では、水素化マグネシウムと水を反応させて水素を発生させた時にできる副生成物を水酸化マグネシウムではなく、酸化マグネシウムにすれば、特許文献2で説明されるように、直流水素化プラズマを利用して酸化マグネシウムを原料として水素化マグネシウムを生成できるため、副生成物が酸化マグネシウムになる方法を開示している。
[0006]
 具体的には、X軸に温度を取り、Y軸に水蒸気分圧を取って、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムとの平衡曲線を描いた場合、その平衡曲線上の水蒸気分圧よりも低い水蒸気分圧とすれば、酸化マグネシウムの生成が安定で、水酸化マグネシウムの生成が不安定となるため、このような水蒸気分圧となる条件下で、水素化マグネシウムと水(水蒸気)を反応させれば、副生成物を酸化マグネシウムにすることができ、そのような条件として水素を発生させるようにすることが説明されている。
[0007]
 例えば、温度が140℃、水蒸気分圧が0.0045barの条件は、平衡曲線上の点となるため、温度を140℃としたときに、水蒸気分圧が0.0045bar未満となる水蒸気と水素化マグネシウムを反応させることで副生成物中の酸化マグネシウムの割合を増加させることができる。
[0008]
 なお、このような条件であれば、水酸化マグネシウムが生成されたとしても、いずれは酸化マグネシウムになることが説明されている。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2016-204177号公報
特許文献2 : 特開2011-032131号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 ところで、水蒸気分圧を低くすることは、水分を少なくすることを意味するため、水素化マグネシウムと反応する水の総量を少なくすることになる。
[0011]
 例えば、特許文献1では、水素化マグネシウムの粒径を60μmから5μmにすることで230℃前後の温度で反応に必要な時間を少なくできることが示されているが、それでも2日間の処理で、水素化マグネシウムの割合が98.8%から88.1%に減少して、酸化マグネシウムの割合が0.54%から11.25%になっただけであるから、大幅に水素の発生速度が低下しているものと考えられ、また、例えば、水素化マグネシウムの水素発生材料を生成するための原料(特許文献1、2では酸化マグネシウム)を生成するための処理が長時間になるとその分だけ必要なエネルギーを要することになる。
[0012]
 したがって、マグネシウム循環型の水素発生システムには、依然として、改善の余地があり、本発明は、水素発生量が少なくなることを抑制しつつ、水素発生材料を生成するための原料の生成に必要なエネルギーを抑制できる可能性のある新たなマグネシウム循環型の水素発生システム、その水素を用いた発電システム、水素発生方法、及び、発電方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0013]
(1)本発明の実施形態の水素発生システムは、マグネシウム循環型の水素発生システムであって、前記水素発生システムが、溶液との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料と反応した後の溶液である反応後溶液から前記反応で生成された酸素を含む1種類以上の酸素含有マグネシウム化合物を含む副生成物を分離して前記副生成物を得る副生成物取得部と、前記副生成物にハロゲンと前記ハロゲン以外の原子を含有するハロゲン含有物を反応させてハロゲン化マグネシウムを含む原料を生成する原料生成部と、水素を含むプラズマで前記原料を還元して前記水素発生材料を生成する水素発生材料生成部と、前記水素発生材料と前記溶液を反応させて前記水素を発生させる水素発生部と、を備える。
[0014]
(2)本発明の実施形態の発電システムは、水素を用いて発電する発電部に上記(1)の構成を有する水素発生システムで発生させた水素を供給して発電する。
[0015]
(3)本発明の実施形態の水素発生方法は、マグネシウム循環型の水素発生方法であって、前記水素発生方法が、溶液との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料と反応した後の溶液である反応後溶液から前記反応で生成された酸素を含む1種類以上の酸素含有マグネシウム化合物を含む副生成物を分離して前記副生成物を得るステップと、前記副生成物にハロゲンと前記ハロゲン以外の原子を含有するハロゲン含有物を反応させてハロゲン化マグネシウムを含む原料を生成するステップと、水素を含むプラズマで前記原料を還元して前記水素発生材料を生成するステップと、前記水素発生材料と前記溶液を反応させて前記水素を発生させるステップと、を備える。
[0016]
(4)本発明の実施形態の発電方法は、水素を用いて発電する発電方法であって、前記発電方法が、水素を用いて発電するステップと、前記水素を用いて発電するステップに上記(3)の構成を有する水素発生方法で発生させた水素を供給するステップと、を備える。

発明の効果

[0017]
 本発明によれば、水素発生量が少なくなることを抑制しつつ、水素発生材料を生成するための原料の生成に必要なエネルギーを抑制できる可能性のある新たなマグネシウム循環型の水素発生システム、その水素を用いた発電システム、水素発生方法、及び、発電方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本発明に係る実施形態の発電システムを説明するためのブロック図である。
[図2] 本発明に係る実施形態の水素発生材料生成部を説明するための図である。
[図3] 本発明に係る実施形態の水素発生部を説明するための図である。
[図4] 本発明に係る実施形態の副生成物取得部を説明するための図である。
[図5] 本発明に係る実施形態の原料生成部を説明するための図である。
[図6] 本発明に係る実施形態の発電システムが、熱発電部を更に備えた変形例を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
 なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
[0020]
 図1は本発明に係る発電システムPGSを説明するためのブロック図であり、まず、図1を参照しながら発電システムPGS及び水素発生システムW1について簡単に説明する。
 発電システムPGSは、例えば、水素を燃料として発電を行う発電装置GNT(例えば、水素タービン発電機や燃料電池等)を備えた発電部PGを備えている。
[0021]
 そして、図1に示すように、発電システムPGSは、その水素を用いて発電する発電部PGに、副生成物取得部W10と、原料生成部W20と、水素発生材料生成部W30と、水素発生部W40と、を備えた水素発生システムW1の水素発生部W40で発生した水素が供給されることで発電を行うシステムになっている。
[0022]
 なお、水素発生システムW1では、後述するように、水素プラズマ(マイクロ波表面波水素プラズマ)を発生させたり、加熱処理を行ったりするために、電力を必要とするが、その必要となる電力は、現行の発電所での余剰電力、及び/又は、太陽光発電、風力発電といった自然エネルギーで賄うことができる。
[0023]
 特に、太陽光発電や風力発電等の場合には、電力需要が低い時には停止しなければならず、また、天候等のために発電量が低下するといった問題がある。しかし、これらに本実施形態の発電システムPGSを組み合わせることで、電力需要が低い時に太陽光発電や風力発電等を停止するのではなく、その電力を利用して、水素発生システムW1の水素発生部W40で水素を発生させるための材料となる水素発生材料421を生産し、電力が必要な時に、その水素発生材料421から水素を取り出して発電を行うことができる。このため、クリーンエネルギーの安定供給を行うことができる。
[0024]
 詳細は後ほど、図3を参照して説明するが水素発生部W40は、水素を発生させる反応を行う反応部を備えている。
 本実施形態では、反応部は、溶液との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料421に反応させるための溶液(例えば、水溶液411)が貯蔵され、水素発生材料421を投入することで、水素を発生する反応が行われる反応容器としての役割を果たす溶液貯蔵部410である。
 例えば、溶液との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物としては、水素化マグネシウム(MgH )が挙げられる。
[0025]
 なお、後ほど図2を参照して説明するように、水素発生材料生成部W30でハロゲン化マグネシウム(例えば、塩化マグネシウム(MgCl ))を含む原料に水素プラズマ(マイクロ波表面波水素プラズマ)を照射することで水素含有マグネシウム化合物としての水素化マグネシウムの生成が行われる。しかし、必ずしも、原料が全て水素化マグネシウムになるとはいえず、このため、水素発生材料421には、水素化マグネシウムを生成する時に、反応できなかった原料や水素化マグネシウムを生成する時に、併せて生成されてしまった金属マグネシウム等を含んでいる場合がある。
[0026]
 したがって、水素発生部W40では、主に、水素を発生する反応として、以下の式1に示す水素化マグネシウムと溶液との反応が起こることになるが、水素発生材料421に金属マグネシウムが含まれている場合には、水素を発生する反応として、以下の式2に示すように金属マグネシウムと溶液との反応も起こることになる。
 MgH  + 2H
    → Mg(OH)  + 2H  + 334.08KJ/mol・・・(1)
 Mg   + 2H
    → Mg(OH)  +  H  + 369.98KJ/mol・・・(2)
[0027]
 ただし、式2の反応は温度の低い溶液(水溶液411)の場合、ゆっくりと進む反応であるとともに、水素発生量が少ない反応であるから、水素発生材料421には、あまり金属マグネシウムが含まれていないことが好ましい。
[0028]
 なお、反応した後の溶液である反応後溶液中には、反応で生成される副生成物116として、主に、水酸化マグネシウム(Mg(OH) )が含まれていると考えられる。
 しかしながら、一部で、以下に示す式3、式4の反応が起こらないとは言えないため、副生成物116として、酸化マグネシウム(MgO)が少量含まれている可能性がある。
 MgH  + H
    → MgO + 2H  + 301.75KJ/mol・・・(3)
 Mg   + H
    → MgO + H  + 337.65KJ/mol・・・(4)
[0029]
 このことから、溶液との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料421と反応した後の溶液である反応後溶液中には、反応で生成された酸素を含む1種類以上の酸素含有マグネシウム化合物(Mg(OH) 、MgO等)を含む副生成物116が含まれたものとなる。
[0030]
 なお、本実施形態では、溶液が水溶液411(つまり、水)である場合について示しているが、酸素含有マグネシウム化合物(Mg(OH) 、MgO等)、主に、水酸化マグネシウム(Mg(OH) )と反応して水酸化マグネシウムを溶液に溶解させる物質が含まれていない溶液であれば水溶液411に限定される必要はない。
[0031]
 そして、詳細は後ほど図4を参照して説明するが、副生成物取得部W10で反応後溶液から酸素を含む1種類以上の酸素含有マグネシウム化合物(Mg(OH) 、MgO等)を含む副生成物116が分離され、図5を参照して後ほど説明する原料生成部W20で、その分離された副生成物116にハロゲンとハロゲン以外の原子を含有するハロゲン含有物(例えば、HCl、NH Cl等)を反応させてハロゲン化マグネシウムを含む原料が生成される。
[0032]
 例えば、水酸化マグネシウム(Mg(OH) )、酸化マグネシウム(MgO)のどちらであっても水分を含まない加熱した気体の塩酸(HCl)との反応で、塩化マグネシウム(MgCl )が生成される。
[0033]
 また、水酸化マグネシウム(Mg(OH) )、酸化マグネシウム(MgO)のどちらであっても塩化アンモニウム(NH Cl)と混合して、塩化アンモニウムの分解温度程度、例えば、大気圧の場合、340℃から450℃程度、より好ましくは、340℃から400℃程度に加熱すると、塩化マグネシウム(MgCl )が生成される。
[0034]
 そして、先に触れたように、水素発生材料生成部W30で、そのハロゲン化マグネシウムを含む原料に水素プラズマ(マイクロ波表面波水素プラズマ)を照射することで、再び、水素発生材料421の生成が行われる。
[0035]
 つまり、図1に示した水素発生システムW1は、上記で概略を説明した副生成物取得部W10と、原料生成部W20と、水素発生材料生成部W30と、水素発生部W40と、を備えており、基本的には、マグネシウムを廃棄することなく、マグネシウムを循環させるマグネシウム循環型の水素発生システムW1になっている。
[0036]
 図1に示した発電システムPGSのうち、発電部PGは、一般的な水素を燃料として発電を行う発電装置GNT(例えば、水素タービン発電機や燃料電池等)を備える態様でよいため、以下では、主に、水素発生システムW1について、水素発生材料生成部W30、水素発生部W40、副生成物取得部W10、原料生成部W20の順に、詳細な説明を行う。
[0037]
(水素発生材料生成部W30)
 図2は、水素発生材料生成部W30を説明するための図である。
 図2に示すように、水素発生材料生成部W30は、処理室301を形成する筐体310を備えており、本実施形態では、中央に開口部311Aを有する仕切板311を筐体310内に設けることで処理室301が第1空間Fと第2空間Sとを有するようになっている。
 ただし、この仕切板311は省略してもよく、処理室301が1つの空間として形成されていてもよい。
[0038]
 そして、水素発生材料生成部W30は、処理室301内のマイクロ波を入射させる部分に設けられた誘電体材料(例えば、石英やセラミックス等)の窓Wと、プラズマを生成させるために窓Wを介して処理室301内の第1空間Fに供給されるマイクロ波を発生させるマイクロ波発生手段320(例えば、マグネトロン)と、マイクロ波発生手段320で発生させたマイクロ波を窓Wのところまで導波させる導波管321と、を備えている。
[0039]
 なお、本実施形態では、発生するマイクロ波の周波数を2.45GHzとしているが、この周波数に限定される必要はなく、例えば、通信目的以外で使用できるISMバンドの24.1GHz、5GHz、915MHz、40.6MHz、27.1MHz及び13.56MHz等であってもよい。
[0040]
 また、本実施形態では、マイクロ波発生手段320が、パルス的なマイクロ波を発生させるものとして、マイクロ波電力(マイクロ波強度)のピーク値を高めつつ、平均的なマイクロ波電力(マイクロ波強度)を下げるようにしている。
[0041]
 ただし、パルス的なマイクロ波とは、周期的なマイクロ波電力(マイクロ波強度)の強弱を伴うものを意味し、必ずしも、周期的にマイクロ波電力(マイクロ波強度)がゼロになるものに限定されるものではない。
[0042]
 具体的には、マイクロ波発生手段320は、パルス的なマイクロ波のマイクロ波電力(マイクロ波強度)のピーク値が現れる周期が150マイクロ秒以下(望ましくは、100マイクロ秒以下、更に望ましくは50マイクロ秒以下)であるマイクロ波を発生させ、プラズマ(本例では、マイクロ波表面波水素プラズマ)が大幅に減衰する前に、処理室301内にピーク値のマイクロ波電力を有するマイクロ波を供給する。
 このようにすれば、ほぼそのマイクロ波電力(マイクロ波強度)のピーク値に対応する密度のマイクロ波表面波プラズマを維持しつつ、マイクロ波発生手段320で使用される平均電力を抑制できる。
[0043]
 例えば、マイクロ波発生手段320が、マイクロ波電力(マイクロ波強度)をほぼ一定にしたパルス的なマイクロ波でないマイクロ波を発生させる場合に、プラズマ密度が10 12/cm 以上10 14/cm 以下であったとする。
 この場合、平均的なマイクロ波電力を同様にしても、マイクロ波発生手段320が、パルス的なマイクロ波を発生させる場合、マイクロ波電力(マイクロ波強度)のピーク値を高くできるため、更に、高いプラズマ密度(例えば、10 15/cm 以上の高いプラズマ密度)を得ることができる。
 つまり、マイクロ波発生手段320が、パルス的なマイクロ波を発生させる場合、平均的なマイクロ波電力を同様にしても、マイクロ波電力(マイクロ波強度)をほぼ一定にしたパルス的なマイクロ波でないマイクロ波と比較して、一桁以上高いプラズマ密度を得ることができる。
[0044]
 したがって、マイクロ波発生手段320が、パルス的なマイクロ波を発生するものとすることで、マイクロ波発生手段320で使用される電力量(平均電力)の上昇を抑制しつつ、高密度なマイクロ波表面波プラズマを生成できる。
 また、マイクロ波電力(マイクロ波強度)のピーク値が高くなると、マイクロ波表面波プラズマを点火させやすくなるという効果もある。
[0045]
 なお、マイクロ波表面波プラズマは、他のプラズマ(例えば、高周波プラズマや直流放電プラズマ等)と比較すれば、電子温度が低く(例えば、1eV程度)、他のプラズマのように、高い電子温度(例えば、10eV以上)とするためにエネルギーが消費されるプラズマと異なり、エネルギーロスが少ないという利点がある。
 また、マイクロ波表面波プラズマは、プラズマ中のイオンや分子の温度が熱プラズマと呼ばれるものに比べ大幅に低い(ほぼ常温)という特徴もある。
 さらに、マイクロ波表面波プラズマは、上記のような高密度なプラズマを均一に、例えば、0.5m 以上の大面積の範囲に生成することができる。これとともに、処理室301内に入射させるマイクロ波は、窓Wを通して伝搬するが、表面波として吸収されるため、処理室301内には、マイクロ波(電磁波)が存在せず、処理室301内の構成自由度が高い。
[0046]
 また、水素発生材料生成部W30は、処理室301内の気体を排出し、処理室301内を減圧する減圧手段330を備えている。
 具体的には、水素発生材料生成部W30は、途中に開閉操作又は開閉制御により排気の有無を決める第1排気バルブ331Aが設けられた第1排気管331を介して第1空間Fに接続された減圧手段330としての第1真空ポンプ332と、途中に開閉操作又は開閉制御により排気の有無を決める第2排気バルブ333Aが設けられた第2排気管333を介して第2空間Sに接続された減圧手段330としての第2真空ポンプ334と、を備えている。
[0047]
 そして、気体の吸引力の弱い真空ポンプの場合、処理室301内の真空度を高めるのに時間がかかるため、そのような段取り時間を省略するために、第1真空ポンプ332又は第2真空ポンプ334のうちの少なくとも一方を気体の吸引力が高いメカニカルブースターポンプにしておくことが好ましい。
[0048]
 なお、水素発生材料生成部W30には、処理室301の第1空間F内の圧力を測定するための第1圧力計332Aと、処理室301の第2空間S内の圧力を測定するための第2圧力計334Aと、が設けられている。
 例えば、第1圧力計332Aが測定する圧力に基づいて、第1空間F内の圧力が所定の圧力(例えば、約10Pa)になるように、第1真空ポンプ332及び第1排気バルブ331Aの動作を制御するようにしてもよい。
 例えば、第1真空ポンプ332を動作させておいて、第1圧力計332Aが測定する圧力に基づいて、第1排気バルブ331Aの動作を制御するようにすればよい。
[0049]
 同様に、例えば、第2圧力計334Aが測定する圧力に基づいて、第2空間S内の圧力が所定の圧力(例えば、約10Pa)になるように、第2真空ポンプ334及び第2排気バルブ333Aの動作を制御するようにしてもよい。
 例えば、第2真空ポンプ334を動作させておいて、第2圧力計334Aが測定する圧力に基づいて、第2排気バルブ333Aの動作を制御するようにすればよい。
[0050]
 なお、本実施形態では、処理室301内の圧力を高密度なプラズマを形成しやすい圧力である約10Paにする場合で説明している。
 しかし、還元処理は、後述する反応性ガス(本例では、水素ガス)の分圧が高いことでも促進される方向となるため、減圧度を高めてプラズマの密度を高めることを優先するのか、減圧度が低下することになるが、処理室301内の圧力を500Paから3000Pa程度にして反応性ガスの分圧を高めることを優先するのかは、予備実験を行って決めればよい。
[0051]
 一方、上述のように、第1空間F及び第2空間S内の圧力を所定の圧力にするために、必ずしも、2つの真空ポンプ(第1真空ポンプ332及び第2真空ポンプ334)の双方を制御する必要はない。
[0052]
 例えば、前段取りとして、処理室301内の圧力を所定の圧力にするときだけ、2つの真空ポンプ(第1真空ポンプ332及び第2真空ポンプ334)を動作させ、処理室301内の圧力が所定の圧力になったところで、第1排気バルブ331Aを閉にして第1真空ポンプ332の動作を停止し、その後は、第1圧力計332A又は第2圧力計334Aの測定する圧力に基づいて、処理室301内の圧力を所定の圧力に維持するように、第2真空ポンプ334及び第2排気バルブ333Aの動作を制御するようにしてもよい。
[0053]
 なお、処理室301内の圧力を所定の圧力に維持するときに使用される処理室301内の圧力の測定値としては、第1圧力計332A及び第2圧力計334Aの測定した圧力を平均したものを使用するようにしてもよい。
[0054]
 そして、水素発生材料生成部W30は、プラズマ化する酸素原子を実質的に含まない反応性ガスを処理室301内に供給するための、図示しないガス供給手段を備えている。
[0055]
 本実施形態では、還元反応を起こす反応性ガスとして水素を用いているが、メタンやプロパン等の炭化水素ガスであっても還元反応を起こすことができるため、反応性ガスが水素に限定されるものではなく、水素を含む還元雰囲気を形成する反応性ガスであればよい。
 このため、以下では、ガス供給手段を水素供給手段と呼ぶが、水素供給手段はガス供給手段の一例でしかない。
[0056]
 ただし、炭化水素ガスは、排ガス中に炭素を含むことになるため、低炭素化のためには水素ガスを用いるのが好ましい。
[0057]
 そして、酸素原子を含むと還元反応が阻害されることになるが、露点の低い極めて高純度なガスであっても微量に水分を含むため、完全に酸素原子が存在しないものではなく、したがって、酸素原子を実質的に含まないとは、高純度ガスのレベル(例えば、99.9%以上のレベル)で水分等の酸素原子を有するものが含まれていないことを意味する。
[0058]
 例えば、水素供給手段は、水素の供給源となる図示しない水素貯蔵部(水素ボンベ又は水素貯蔵タンク)と、水素貯蔵部から処理室301に供給する水素の供給量を制御するマスフローコントローラ等の流量制御器(第1流量制御器MFC1及び第2流量制御器MFC2)と、を備えている。
 ただし、水素貯蔵部がボンベの場合、交換のために着脱されることになるため、水素供給手段は、水素貯蔵部を除く部分である場合がある。
[0059]
 具体的には、水素供給手段は、第1空間Fに水素が供給できるように水素貯蔵部に接続された第1供給管341と、その第1供給管341の水素貯蔵部側に設けられた第1流量制御器MFC1と、その第1供給管341の第1流量制御器MFC1が設けられた位置より下流側に設けられ、開閉操作又は開閉制御により水素の供給の有無を決める第1供給バルブ341Aと、を備えている。
[0060]
 同様に、水素供給手段は、第2空間Sに水素が供給できるように水素貯蔵部に接続された第2供給管342と、その第2供給管342の水素貯蔵部側に設けられた第2流量制御器MFC2と、その第2供給管342の第2流量制御器MFC2が設けられた位置より下流側に設けられ、開閉操作又は開閉制御により水素の供給の有無を決める第2供給バルブ342Aと、を備えている。
[0061]
 さらに、水素発生材料生成部W30は、無水のハロゲン化マグネシウムを含む原料(本例では、原料の主成分が無水の塩化マグネシウムである。)を処理室301内(より具体的には、処理室301の第1空間F内)に気体の状態で供給する原料供給手段350を備えている。
[0062]
 具体的には、原料供給手段350は、プラズマによって還元される原料である無水のハロゲン化マグネシウム(本例では、無水の塩化マグネシウム)を貯蔵する原料貯蔵部351と、原料貯蔵部351内の原料を処理室301の第1空間F内に供給するための原料供給管352と、第1電源353Aからの電力の供給により発熱し原料供給管352及び原料貯蔵部351を加熱する第1加熱部353と、第1加熱部353の温度を測定する第1温度計354と、を備えている。
[0063]
 そして、第1温度計354による温度の測定結果が、設定される所定の温度となるように、第1電源353Aから第1加熱部353に供給される電力の供給量が制御され、原料供給管352及び原料貯蔵部351が所定の温度に加熱される。
[0064]
 本実施形態のように、プラズマで処理される原料が無水の塩化マグネシウムである場合、無水の塩化マグネシウムが気体の状態となるように、第1加熱部353によって、原料供給管352及び原料貯蔵部351を約700℃程度の温度に加熱する。
 そうすると、気化した無水の塩化マグネシウムは処理室301の第1空間F内に向かって流れて行き、第1空間F内に供給されることになる。
[0065]
 また、水素発生材料生成部W30は、処理室301内をプラズマで処理される原料(本例では、無水の塩化マグネシウム)の沸点(処理室301内の圧力が約10Paの場合の沸点は約650℃)以上の温度に保つ温度制御手段360を備えている。
[0066]
 具体的には、温度制御手段360は、処理室301の第1空間F内に設けられ、処理室301内を加熱する第2加熱部361と、第2加熱部361に電力を供給する第2電源361Aと、処理室301の第1空間F内の温度を測定する第2温度計362と、を備えている。
[0067]
 そして、水素発生材料生成部W30は、第2温度計362による温度の測定結果が、設定される所定の温度となるように、第2電源361Aから第2加熱部361に供給される電力の供給量を制御し、処理室301の第1空間F内の温度が所定の温度に保たれるようにする。
[0068]
 本実施形態では、温度制御手段360が、処理室301内の温度をプラズマで処理される原料である無水の塩化マグネシウムを気体の状態に保つ温度である約700℃に保つようにしている。
 なお、無水の塩化マグネシウムは、圧力約10Paにおける沸点が約650℃であるため、本実施形態ではその沸点以上である約700℃に保つようにしている。
 しかし、沸点は圧力によって変わるため、処理室301内の設定圧力を変えた場合には、それに対応して温度制御手段360の設定温度を変えることになる。
[0069]
 また、本実施形態では、原料に無水の塩化マグネシウムを用いているが、原料はフッ化マグネシウム等でもよく、このように原料にフッ化マグネシウム等を用いる場合にも、温度制御手段360の設定温度をその原料の違いに応じて変えることになる。
[0070]
 一方、第2加熱部361の外側には、第2加熱部361からの輻射熱で筐体310が高温になるのを防止するために、輻射熱を反射するリフレクタ370が設けられるとともに、筐体310の外面上に水冷するための冷却管371が設けられている。
[0071]
 このように、水素発生材料生成部W30が、第2加熱部361によって、余分な場所が加熱されないように熱伝導を防止するリフレクタ370のような断熱手段を備える場合、筐体310が高温にならないため、筐体310の各所に使用されているパッキン等の劣化を抑制できるだけでなく、保温効率が高くなるため、消費電力を低減することができる。
[0072]
 また、リフレクタ370には、上側の中央寄りの位置に、仕切板311の開口部311Aを通じて、第1空間Fから第2空間Sに挿入される挿入管372が設けられており、水素プラズマ及び気体状態の原料等(プラズマで還元された状態のものも含む)が挿入管372から第2空間Sに放出されるようになっている。
[0073]
 そして、図2に示すように、水素発生材料生成部W30は、挿入管372に対向する位置に後述する溶液(本例では水溶液411)との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料421を付着させる付着手段380を備えており、その付着手段380は、処理室301から取り出せるように、筐体310に対して着脱可能に取り付けられている。
[0074]
 したがって、後述のように、付着手段380に付着した水素発生材料421は、付着手段380を処理室301から取り出して、付着手段380の表面381から削ぎ取るようにして取得される。
[0075]
 ただし、付着手段380を処理室301から取り出して水素発生材料421を得ることに限定される必要はない。
 ある程度、付着手段380の表面381に水素発生材料421が付着したところで、自動的に付着手段380の表面381から水素発生材料421を削ぎ取って取得する水素発生材料取得手段を設けるようにしてもよい。
[0076]
 なお、マイクロ波表面波プラズマは、プラズマ中のイオンや分子の温度が熱プラズマと呼ばれるものに比べ大幅に低い(ほぼ常温)という特徴がある。
 このため、付着手段380が挿入管372の近くに表面381を位置させるように配置され、その表面381が目視で発光が確認可能なプラズマの存在する範囲内に位置していても、付着手段380を耐熱性、及び、腐食性に優れた金属(例えば、ステンレス)等で形成しておけば、十分に処理雰囲気に耐え得る付着手段380とすることができる。
[0077]
 付着手段380は、温調媒体(例えば、冷媒としての外気や冷却装置を通した水)を供給する媒体供給口INと温調媒体を排出する媒体排出口OUTを有し、その温調媒体が処理室301の第2空間Sにリークしないようにした密閉容器構造になっている。
[0078]
 そして、水素発生材料生成部W30は、例えば、温調媒体となる外気を媒体供給口INから付着手段380内に供給するための図示しない媒体供給手段(例えば、ファンやコンプレッサ等)を備える。
 付着手段380の水素発生材料421を付着させる表面381の表面温度は、溶液(本例では、水溶液411)との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物(本例では、水素化マグネシウム)を高い割合で含む水素発生材料421を付着させるのに適するような、所定の温度範囲内の温度に制御できるようになっている。
 なお、上述のように温調媒体に外気を用いる場合には、媒体排出口OUTを大気開放とするように配管を接続すればよい。
[0079]
 一方、温調媒体に、例えば、水等を用いる場合には、水素発生材料生成部W30が、図示しない媒体供給手段として、媒体排出口OUTから排出された水等を媒体供給口INに循環させるポンプを有する冷却装置(熱交換器等)を備えるものとすればよい。
[0080]
 そして、水素発生材料421の水素発生量を多くするためには、上述のように、水素発生材料421に含まれる水素含有マグネシウム化合物(具体的には、水素化マグネシウム)の割合が高いことが好ましい。
[0081]
 つまり、付着手段380の表面381に付着する水素発生材料421に、原料であるハロゲン化マグネシウム(本例では、塩化マグネシウム)や金属マグネシウム(Mg)が含まれていないことが好ましい。
[0082]
 ここで、水素化マグネシウムは、圧力約10Paの条件のときに、約100℃以上の温度になると、金属マグネシウムと水素に分解しはじめるため、効率よく水素化マグネシウムを取得するためには、付着手段380の表面381を低温(例えば、80℃未満)にすることが好ましいと考えられた。
[0083]
 そこで、温調媒体で低温に表面381を保ったまま、表面381に水素発生材料421を付着させるようにしたところ、確かに、単位時間当たりの付着量が増加するとともに、水素の発生率の高い水素発生材料421が得られる傾向がみられた。
[0084]
 しかしながら、表面381を低温に保つことでは、表面381に付着した水素発生材料421を水素化マグネシウムの本来の色である白色の状態にすることができず、金属マグネシウム等を含む状態から脱することができなかった。
[0085]
 そして、発明者らは、実験を繰り返しているときに、付着手段380の表面381の温度が比較的高い温度になったときがあり、そのときに表面381に付着した水素発生材料421が白色で、これまでになく、水との反応で激しく発泡するものになっていることを発見した。
 なお、水素発生量については、発泡状態だけでなく、水素検知管での測定も行っている。
[0086]
 そこで、表面381の温度を高温とした実験を進めた結果、表面381が400℃以上800℃以下の温度に保たれているときに、白色で水と激しく反応する水素発生材料421が得られることが分かった。
[0087]
 なお、より好ましくは、450℃以上750℃以下で、より白色で水と激しく反応する水素発生材料421が得られ、さらには、450℃以上600℃以下で、さらに白色で水と激しく反応する水素発生材料421が得られることを見出した。
[0088]
 このような現象は、平衡状態を考えた時には、水素化マグネシウムが分解されることになるため、理解できない現象である。
 しかし、発明者らは、上述のように、この理由を、表面381が目視で発光が確認可能なプラズマの存在する範囲内に位置していることで、反応性の高い水素が存在し、水素化マグネシウムが分解される速度よりも早く、水素化マグネシウムになる反応が進んでいるのではないかと推察している。
[0089]
 より正確には、水素化マグネシウムが消失する過程は、まず、金属マグネシウムと水素に分解する反応が起きて、その後、金属マグネシウムが気体になるのではと考えている。
 そして、上述のように、発明者らは、反応性の高い水素が存在することで、はじめの金属マグネシウムと水素に分解する過程が阻害される結果、上述のような高温でも水素化マグネシウムが表面381上に存在し続けることができているのではないかと推察している。
[0090]
 しかも、圧力約10Paの状態で、400℃以上になると金属マグネシウムは気体になりはじめるため、水素発生材料421中の不純物としての金属マグネシウムの割合が減少し、又は、水素化マグネシウムに変化する。
 さらに、圧力約10Pa、400℃以上の状態では、表面381に塩化マグネシウムを付着させた後に、プラズマを照射するようにした場合でも、少しずつ水素化マグネシウムが生成されると考えられる実験結果も得られていることから、表面381に付着した塩化マグネシウムも水素化マグネシウムとなり、水素発生材料421中の不純物としての塩化マグネシウムも減少する。
 この結果、水素化マグネシウムを多く含む水素発生材料421が得られるのではないかと推察している。
[0091]
 したがって、水素発生材料生成部W30での処理では、温調媒体の温度や供給量を調節して、付着手段380の表面381が、溶液(本例では、水溶液411)との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物(本例では、水素化マグネシウム)を高い割合で含む水素発生材料421を付着させるのに適した所定の温度範囲内の温度である400℃以上800℃以下の温度に保つようにするのが好ましい。
[0092]
 さらに、水素発生材料生成部W30は、途中にリークバルブ391が設けられた大気開放管390を備えており、大気開放管390の図示しない一端は、水素発生材料生成部W30が設置される建屋の外で大気開放状態になっている。
[0093]
 この大気開放管390は、処理室301の圧力が異常な圧力になった場合に、緊急措置として処理室301を大気開放状態にするためのものであり、通常時には、リークバルブ391は閉の状態とされ、処理室301内に大気が混入することがないようになっている。
[0094]
 次に、本実施形態の水素発生材料生成部W30の行う処理について簡単に説明する。
 まず、前段取りとして、減圧手段330(第1真空ポンプ332及び第2真空ポンプ334)を駆動させ、処理室301内の圧力が設定される所定の圧力(例えば、約10Pa)になるように減圧を行う手順を実施する。
[0095]
 そして、原料(本例では、無水の塩化マグネシウム)が気体の状態を保つ温度にした処理室301内で、原料に酸素原子を実質的に含まない反応性ガスである水素のプラズマを照射して、水素発生材料421を生成する手順を行う。
 なお、かかる水素発生材料421は、溶液(本例では、水溶液411)との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物(本例では、水素化マグネシウム)を含む。
 具体的には、処理室301内に気体状態の原料を供給する前にプラズマの点燈開始を行って、その後、原料の処理室301への供給を開始して水素発生材料421を生成する手順を行う。
[0096]
 そして、付着手段380の表面381が、所定の温度範囲内の温度に保たれている。
 なお、かかる所定の温度範囲は、溶液(本例では、水溶液411)との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物(本例では、水素化マグネシウム)を高い割合で含む水素発生材料421を付着させるために適切な400℃以上800℃以下の温度範囲である。
 この結果、水素を発生する水素含有マグネシウム化合物(本例では、水素化マグネシウム)を高い割合で含む水素発生材料421が、付着手段380の表面381に付着する。
[0097]
 そして、ある程度、水素発生材料421が付着手段380の表面381に付着したところで、水素発生材料生成部W30の稼働を停止して、付着手段380を処理室301から取り出して表面381に付着した水素発生材料421を削ぎ取るようにして取得する。
[0098]
 なお、先にも述べたように、処理室301から付着手段380を取り出すことなく、表面381に付着した水素発生材料421を取得する水素発生材料取得手段を設け、水素発生材料取得手段で水素発生材料421を取得するようにしてもよい。
[0099]
 このようにして得られた水素発生材料421は、水素発生部W40に搬送され、後述する水素発生部W40の材料貯蔵部420に貯蔵される。
 なお、水素発生部W40の材料貯蔵部420に自動搬送する搬送機構が設けられていてもよいことは言うまでもない。
[0100]
(水素発生部W40)
 図3は、水素発生部W40を説明するための図である。
 水素発生部W40は、水素発生材料421との間で水素を発生させる反応を行うための溶液としての水(以下、水溶液411という。)を貯蔵し、水素を発生する反応を行うための反応部としての溶液貯蔵部410と、反応部としての溶液貯蔵部410に供給される水素発生材料421を貯蔵する材料貯蔵部420と、を備えている。
[0101]
 そして、材料貯蔵部420は、材料貯蔵部420内に貯蔵されている水素発生材料421を溶液貯蔵部410内に投入するように供給する材料供給機構430を備えている。
[0102]
 なお、水素発生材料421は、水溶液411との反応性を高めるため、平均粒子径が小さい粒子状(マイクロ粒子やナノ粒子の状態)であることが好ましい。
[0103]
 ただし、粒子と言っても形状が球状であることを限定するものではなく、各粒子の最大外径を平均したときの平均外径がマイクロメータオーダーの場合はマイクロ粒子であり、マイクロメータオーダーよりも小さい場合(サブミクロン含む)はナノ粒子であるものと解されるべきである。
[0104]
 なお、水素発生材料421には、先に説明したように、金属マグネシウムや水素化マグネシウムを生成するための原料(本例では、塩化マグネシウム)が一部混ざっている場合があるが、それ自体が水素化マグネシウムと水溶液411との反応を阻害するものではない。
[0105]
 そして、溶液貯蔵部410は、水素発生材料421と水溶液411が反応する反応部(反応室ともいう。)として機能するため、水溶液411及び反応で発生した水素等が外部に漏洩しない密閉構造の容器を構成するようになっている。
[0106]
 溶液貯蔵部410には、水溶液411より上側となる水溶液411の存在しない上部空間USが形成されるように、水溶液411の給水が行われることで、溶液貯蔵部410は、水溶液411より上側となる水溶液411の存在しない上部空間USを備えるものになっている。
[0107]
 具体的に上部空間USを形成する構成について説明すると、まず、溶液貯蔵部410は、水溶液411の水面LSFの上限位置を決めるために設けられ、水面LSFを検知する上側レベルセンサ412と、水溶液411の水面LSFの下限位置を決めるために設けられ、水面LSFを検知する下側レベルセンサ413と、を備えている。
[0108]
 また、溶液貯蔵部410は、上部空間USの下側となる水溶液411の存在する下部空間LSと、下部空間LS内を上下に仕切る仕切部414と、仕切部414より下側に設けられ、水溶液411を排水する排水口415と、仕切部414より上側に設けられ、水溶液411を供給する給水口416と、を備えるとともに、仕切部414は、複数の貫通孔414Aを備えている。
[0109]
 そして、水素発生部W40は、排水口415に接続され、溶液貯蔵部410内の水溶液411を排水するための排水ライン415A(排水配管ともいう。)と、排水口415寄りの排水ライン415A上に設けられ、排水口415からの水溶液411の排水(排水の有無)を制御する排水制御弁415Bと、を備えている。
[0110]
 同様に、水素発生部W40は、給水口416に接続され、溶液貯蔵部410内に新しい水溶液411を供給するための給水ライン416A(給水配管ともいう。)と、給水口416寄りの給水ライン416A上に設けられ、給水口416からの水溶液411の給水(給水の有無)を制御する給水制御弁416Bと、を備えている。
[0111]
 このため、後ほど説明する排給水する所定のタイミングになると、図示しない水素発生部W40の制御部(以下、単に制御部という。)が、まず、排水制御弁415Bを開にして、溶液貯蔵部410内の水溶液411の排水を行う。
 その後、制御部が排水制御弁415Bを閉にするとともに、給水制御弁416Bを開にして水溶液411の水面LSFが上側レベルセンサ412と下側レベルセンサ413との間に位置するように、溶液貯蔵部410内に水溶液411を給水する。
 そして、制御部は、給水制御弁416Bを、再び、閉にする。
[0112]
 例えば、制御部は、排水時には、下側レベルセンサ413が水溶液411の水面LSFを検知したのを基準にして、仕切部414のところまで水溶液411の水面LSFが低下する程度の水溶液411の排水を行う。
[0113]
 具体的には、排水制御弁415Bを開にしたときの単位時間当たりの排水量は、あらかじめ調べておくことができるため、制御部は、下側レベルセンサ413が水溶液411の水面LSFを検知したのをスタート点に仕切部414のところまで水溶液411の水面LSFが低下するのに必要な排水量の水溶液411の排水に係る時間が経過したことをもって、排水制御弁415Bを閉にすればよい。
[0114]
 そして、制御部は、その水溶液411の排水が終わった後、水溶液411の給水を開始し、下側レベルセンサ413が水溶液411の水面LSFを検知したのを基準にして、水溶液411の水面LSFが上側レベルセンサ412と下側レベルセンサ413との間に位置する程度の水溶液411の給水を行ったところで給水を終了するように構成できる。
 水溶液411の水面LSFが上側レベルセンサ412と下側レベルセンサ413との間に位置することで、溶液貯蔵部410が水溶液411より上側となる水溶液411の存在しない上部空間USを備えることができる。
[0115]
 具体的には、給水制御弁416Bを開にしたときの単位時間当たりの給水量は、あらかじめ調べておくことができるため、制御部は、下側レベルセンサ413が水溶液411の水面LSFを検知したのをスタート点に水溶液411の水面LSFが上側レベルセンサ412と下側レベルセンサ413との間に位置するのに必要な給水量の水溶液411の給水に係る時間が経過したことをもって、給水制御弁416Bを閉にすればよい。
[0116]
 なお、排給水する所定のタイミング以外のときに、上側レベルセンサ412が水溶液411の水面LSFを検知すると、図示しない制御部は、排水制御弁415Bを開にして、水溶液411の水面LSFが上側レベルセンサ412と下側レベルセンサ413との間に位置する程度の水溶液411の排水を行った後、排水制御弁415Bを閉にする。
[0117]
 逆に、排給水する所定のタイミング以外のときに、下側レベルセンサ413が水溶液411の水面LSFを検知すると、図示しない制御部は、給水制御弁416Bを開にして、水溶液411の水面LSFが上側レベルセンサ412と下側レベルセンサ413との間に位置する程度の水溶液411の給水を行った後、給水制御弁416Bを閉にする。
[0118]
 そして、上述した仕切部414の複数の貫通孔414Aの内径が水素発生材料421と水溶液411との反応で生成する水酸化マグネシウム等の副生成物の通過を妨げない大きさとされている。
[0119]
 つまり、仕切部414は、水素発生材料421と水溶液411との反応で生成した副生成物が仕切部414より下側に沈殿できるように、水酸化マグネシウム等の副生成物が通過可能な内径を有する複数の貫通孔414Aを備えるものになっている。
[0120]
 このため、仕切部414より下側に設けられた排水口415からは、副生成物の含有濃度の高い水溶液411が排水されることとなり、この排水が水溶液411(溶液)との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料421と反応した後の溶液である反応後溶液(反応後水溶液411Aともいう。)として、後述する副生成物取得部W10に供給されることになる。
[0121]
 さらに、図3に示すように、水素発生部W40は、仕切部414より上側の水溶液411を攪拌する攪拌機構440を備えている。
[0122]
 具体的には、攪拌機構440は、溶液貯蔵部410の上部の壁部の外側に設けられたモータ441と、仕切部414より上側の水溶液411内に配置され、水溶液411を攪拌するプロペラ442と、モータ441の回転力をプロペラ442に伝達し、水溶液411を攪拌するようにプロペラ442を回転させるシャフト443と、を備えている。
 なお、シャフト443が溶液貯蔵部410内に挿入される挿入部は、回転を阻害せず、機密を維持可能な機密構造とされている。
[0123]
 この攪拌機構440は、水溶液411と反応していない水素発生材料421が仕切部414上に溜まるのを抑制するために設けられているものである。しかし、本実施形態の場合、あらかじめ貯められている水溶液411に対して水素発生材料421を投入するため、効率よく水素発生材料421が水溶液411内に拡散し、効率よく水素を発生させる反応が起きる。このため、必ずしも、攪拌機構440が必要なわけではない。
[0124]
 そして、図示しない制御部は、定期的に攪拌機構440を駆動させ、水素発生材料421と水溶液411の反応を促進する。
 なお、攪拌機構440を、常時、駆動させるようにしてもよいが、攪拌機構440を、定期的に駆動させることで、仕切部414より下側に副生成物が沈殿しやすくすることができる。
 この結果、仕切部414より上側の水溶液411中の副生成物の含有濃度を低下させ、水素発生材料421と水溶液411の反応効率を高めることができる。
[0125]
 また、仕切部414が設けられていることで、攪拌機構440を駆動させたときに、仕切部414よりも下側に沈殿した副生成物が巻き上げられて、仕切部414より上側の水溶液411中の副生成物の含有濃度が上昇することを抑制することができる。このため、攪拌機構440の駆動により、水素発生材料421と水溶液411の反応効率が低下するのを抑制することができる。
[0126]
 一方、水素発生部W40は、上部空間USに連通するように溶液貯蔵部410に接続された緊急排気ライン450(緊急排気配管ともいう。)と、緊急排気ライン450の上部空間USに連通する連通部寄りの位置に設けられ、緊急排気の有無を制御する電磁弁451と、電磁弁451から溶液貯蔵部410に至るまでの間の緊急排気ライン450上に接続され、上部空間USの圧力を測定する圧力測定装置452(例えば、デジタルマノスターゲージ)と、を備えている。
[0127]
 したがって、上部空間USの圧力を測定する圧力測定装置452の圧力測定の結果が、異常に高い圧力を示した場合には、図示しない制御部が、電磁弁451を開にすることで上部空間US内の圧力が所定の第1圧力(求められる一次圧)になるように降圧制御を行う。
 なお、所定の第1圧力(求められる一次圧)になれば、図示しない制御部は、再び、電磁弁451を閉の状態にする。
[0128]
 材料貯蔵部420は、上側に水素発生材料421の充填作業のときに開閉される作業扉422を有しているが、この作業扉422を閉めると、密閉構造の容器を構成するようになっている。
[0129]
 また、材料貯蔵部420は、作業扉422に隣接して上側に設けられ、貯蔵している水素発生材料421の表面までの距離を測定する距離測定器424(例えば、変位センサ)を備えており、この距離測定器424が測定する水素発生材料421までの距離が長くなることで水素発生材料421を追加する時期の把握ができるようになっている。
[0130]
 なお、水素発生材料421は水溶液411のように表面が必ずしもフラットに近い状態になるとは言えないが、後述する材料供給機構430の駆動によって、水素発生材料421全体に振動等が発生するため、比較的フラットな状態を保つことができる。
 このため、距離測定器424が測定する水素発生材料421までの距離の測定結果は、水素発生材料421を追加する時期の一つの目安とすることができる。
[0131]
 ただし、後述するように、本実施形態では、水溶液411に供給された水素発生材料421の供給量を把握できるため、水溶液411に供給された水素発生材料421の供給量が所定の分量に到達したことを基準として水素発生材料421を追加するようにしてもよく、この場合、距離測定器424は不要となる。
[0132]
 そして、材料貯蔵部420は、底部の壁部の少なくとも一部が、溶液貯蔵部410の上部の壁部の外側と密着するように設けられ、その密着している箇所の底部の壁部には、底部の壁部を貫通する水素発生材料421を溶液貯蔵部410内に供給するための材料供給孔423が形成されている。
[0133]
 また、溶液貯蔵部410も材料貯蔵部420の材料供給孔423に対応する位置に、上部の壁部を貫通する水素発生材料421を受け入れるための材料受入孔417が形成されている。
[0134]
 一方、材料貯蔵部420内には、材料供給機構430が設けられている。
 具体的には、材料供給機構430は、材料貯蔵部420の上部の壁部の内側に設置されたモータ431と、材料貯蔵部420の底部の壁部の内側に隣接して配置され、水素発生材料421を材料供給孔423の位置に運搬する円板432と、モータ431の回転力を円板432に伝達し、円板432を回転させるシャフト433と、を備えている。
[0135]
 なお、図示を省略しているが、材料貯蔵部420は、材料供給機構430を内蔵させる作業のために、底部とそれよりも上側の部分が分離可能に構成され、それらを一体化して形成されたものになっている。
[0136]
 そして、図3の左側に点線枠で囲んで示す円板432の斜視図のように、円板432は、回転中心Oを挟んで対向し、回転中心Oからほぼ同じ距離離れた位置に位置する、一対の貫通孔(貫通孔432Aと貫通孔432B)が形成されている。
[0137]
 ここで、図3を見るとわかるように、材料貯蔵部420は、材料供給孔423に対応する部分の上側に、円板432の一部を受け入れる横方向に窪んだ凹部を備えており、その凹部に位置する円板432の貫通孔(貫通孔432B参照)の上側の開口に凹部の内面が近接して開口をほぼ塞いだ状態となるようになっている。
[0138]
 このため、材料供給孔423上に円板432の貫通孔(貫通孔432B参照)の開口が位置するときには、上部空間US内の気体(主に水素)が材料貯蔵部420側に侵入しようとしても、その開口がほぼ閉塞状態である。
 この結果、上部空間US内の気体(主に水素)が材料貯蔵部420側に侵入できないようになっている。
[0139]
 そして、その円板432の一部を受け入れる横方向に窪んだ凹部以外の位置に円板432の貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)が位置(例えば、貫通孔432Aの位置参照)するときに、この貫通孔(貫通孔432A参照)内に水素発生材料421が入り込む。
 また、円板432が回転して円板432の一部を受け入れる横方向に窪んだ凹部の位置に貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)が位置(貫通孔432Bの位置参照)するようになると、貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)内に充填された水素発生材料421が、材料供給孔423及び材料受入孔417を介して、上部空間US側から水溶液411に向けて供給されることになる。
[0140]
 また、本実施形態では、水素発生部W40が、材料貯蔵部420の水素発生材料421より上側の水素発生材料421の存在しない上側空間US1の圧力を測定する圧力測定装置461(例えば、デジタルマノスターゲージ)と、上側空間US1に気体(例えば、露点の低い窒素等の活性の低いガスや露点の低いヘリウム、アルゴン等の不活性ガス)を供給する気体供給ライン462(気体供給配管ともいう。)と、気体供給ライン462上に設けられ、上側空間US1への気体の供給の有無を制御する電磁弁463と、を備えている。
[0141]
 そして、図示しない制御部は、上側空間US1の圧力測定装置461が測定する圧力の測定結果に基づいて、上側空間US1内の圧力が所定の圧力(例えば、溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力と同程度の圧力)となるように、電磁弁463の開閉制御を行う。
[0142]
 なお、図示は省略しているが、水素発生部W40は、上側空間US1内の気体を排気する気体排気ライン(気体供給配管ともいう。)と、その気体排気ラインを通じて上側空間US1内の気体の排気の有無を制御する電磁弁も有している。
[0143]
 したがって、より正確には、図示しない制御部が、上述した電磁弁463と気体の排気の有無を制御する電磁弁とを制御することで上側空間US1内の圧力が所定の圧力(例えば、溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力と同程度の圧力)となるように制御される。
[0144]
 そして、上側空間US1が昇圧されていることで、より一層、上部空間US内の気体(主に水素)が材料貯蔵部420側に侵入するのを抑制できるとともに、円板432の一部を受け入れる横方向に窪んだ凹部以外の位置に円板432の貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)が位置(例えば、貫通孔432Aの位置参照)するときに、この貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)内に水素発生材料421が効率的に入り込む。
[0145]
 なお、本実施形態では、円板432の一部を受け入れる横方向に窪んだ凹部の位置に貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)が位置するようになると、貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)内に充填された水素発生材料421が、自重で材料供給孔423及び材料受入孔417を介して、上部空間US側から水溶液411に向けて落下することで水溶液411に投入(供給)されるものとしている。
[0146]
 しかし、水素発生部W40が、材料供給孔423及び材料受入孔417の直上に位置する貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)に対して棒状体を挿入し、貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)内の水素発生材料421を強制的に押し出す材料押出機構を備えるものとしてもよく、そうすることで、確実に水素発生材料421を水溶液411に向けて投入(供給)することが可能となる。
[0147]
 このような材料押出機構を設ける場合には、円板432の貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)が材料供給孔423及び材料受入孔417の直上に位置するところで円板432の回転を停止し、その貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)に棒状体を挿入して水素発生材料421を水溶液411に向けて投入(供給)した後、その貫通孔(貫通孔432A、貫通孔432B)から棒状体を抜いて、再び、円板432を回転させるという動作を繰り返すことになる。
[0148]
 なお、本実施形態では、先に説明したように、円板432の回転中心Oを挟んで対向し、回転中心Oからほぼ同じ距離離れた位置に、一対の貫通孔(貫通孔432Aと貫通孔432B)が形成されたものとしたが、これに限定される必要はない。
[0149]
 例えば、回転中心Oからほぼ同じ距離離れた位置に、同じサイズの貫通孔が円板432の回転方向に均等間隔で3つ(この場合、円板432の周方向で見た隣接する貫通孔間の角度ピッチは120°ピッチとなる。)を設けるようにしてもよく、回転方向に均等間隔で4つの貫通孔(この場合、円板432の周方向で見た隣接する貫通孔間の角度ピッチは90°ピッチとなる。)を設けるようにしてもよい。
[0150]
 また、貫通孔が1つであったとしても、その1つの貫通孔が円板432の一部を受け入れる横方向に窪んだ凹部以外の位置と、円板432の一部を受け入れる横方向に窪んだ凹部の位置と、に交互に位置するように制御すれば水素発生材料421を水溶液411に供給することが可能であるため問題はない。
[0151]
 ただし、貫通孔の数が多くなると、円板432の一部を受け入れる横方向に窪んだ凹部が形成し難くなるので、貫通孔の数は4つ以下であることが好ましい。
[0152]
 また、貫通孔のサイズは、発生させる水素量に応じた水素発生材料421を供給できるサイズが選択されればよい。
 例えば、水素化マグネシウムの質量(1mol当たりの重さ)は26.32gであり、水素化マグネシウムの密度は2.36g/cm 程度であるので、体積約11.2cm 弱(約1mol)の水素化マグネシウムからなる水素発生材料421を水溶液411に投入すれば、標準状態で45リットル弱(約2mol)の水素が発生する。
[0153]
 そして、10MW程度の発電を行う水素ガスタービン型の発電装置GNTで約0.6憶m /年の水素を使用すると考えると、1分当たり約114m の水素が必要になり、これに対応する貫通孔を一例として考えれば、以下のようになる。
[0154]
 例えば、円板432の厚さを約10cmとし、円板432の直径を約70cmとして、回転中心Oから約10cmオフセットした位置に、直径が約21cmの貫通孔の内側の端(貫通孔の中心は回転中心Oから約20.5cmオフセット)が位置するディメンジョンを考えれば、その貫通孔の容積は約3346cm 弱となる。
[0155]
 このため、上記のようなディメンジョンの貫通孔には、約300mol(=3346[cm ]/11.2[cm ])程度の水素発生材料421が充填できることになり、この分量の水素化マグネシウムからなる水素発生材料421を水溶液411に投入したとすれば、約600mol(約13.4m )の水素が発生することになる。
[0156]
 そうすると、本実施形態の貫通孔432A、貫通孔432Bのように、円板432に貫通孔を2つ設けた場合を考えれば、1回転当たりに2回貫通孔(貫通孔432Aが1回、貫通孔432Bが1回)から水素発生材料421が水溶液411に供給されることになる。
 例えば、円板432を12秒で1回転(1分間5回転)させると、1分間当たりでは、10回水溶液411に向けて水素発生材料421が供給されることになる。
 このため、十分に1分当たり114m を超える水素(約134m )を発生させるだけの水素発生材料421を供給することができる。
[0157]
 したがって、小型(約1万KW)の水素ガスタービン型の発電装置GNTを想定する場合、円板432に2つの貫通孔を設けるようにすれば、その貫通孔の容積は、約3346cm 弱でよいと考えられる。
[0158]
 ただし、発電装置GNTの発電量が大きくなれば、必要な水素発生材料421の供給量が増加することになるため、発電量が10倍程度の発電装置GNTまでを想定するとすれば、貫通孔の容積は、約33460cm 弱までを想定しておくことが好ましい。
[0159]
 したがって、貫通孔の容積は、3000cm から35000cm 程度とすることが好ましい。
 なお、このことを考えれば、材料供給機構430は、1分当たり、100m から1000m 程度の水素を発生させることができる水素発生材料421を水溶液411に投入(供給)できることが好ましい。
[0160]
 なお、上述した材料供給機構430は、あくまでも一例であって、材料供給機構430は、上部空間US側から水溶液411に向けて水素発生材料421を供給するように設けられ、水素発生材料421が上部空間US側から水溶液411に向けて供給できるような構成であればよい。
[0161]
 一方、本実施形態では、図示しない制御部が、溶液貯蔵部410の上部空間USの圧力を測定する圧力測定装置452の圧力の測定結果に基づいて、材料供給機構430のモータ431を駆動させ、上部空間US内の圧力が所定の第1圧力(求められる一次圧)となるように、水溶液411に向けて投入(供給)する水素発生材料421の供給量を制御するものになっている。
[0162]
 このように、図示しない制御部が、水溶液411に向けて投入(供給)する水素発生材料421の供給量を制御しているため、図示しない制御部は、どれだけの水素発生材料421が水溶液411に供給されたのかを把握することが可能である。
 このため、制御部は、水溶液411に供給されたトータルの水素発生材料421の供給量から水溶液411中の水酸化マグネシウム等の副生成物の含有濃度の増加を予想(例えば実験的に濃度変化のデータを採取しておき、そのデータに基づいて予想)することが可能である。
 なお、このような実験的な手法に代えて、副生成物の含有濃度の増加予想を理論計算で行うこともできる。
[0163]
 そこで、図示しない制御部は、水溶液411に向けて投入(供給)する水素発生材料421の供給量に基づいて、先ほど説明したように、排水制御弁415B、及び、給水制御弁416Bを制御し、本実施形態では、水素発生材料421と水溶液411の反応効率が低下しないように、水溶液411中の副生成物の含有濃度が高くなり過ぎないようにする管理を行っている。
[0164]
 一方、図3に示すように、溶液貯蔵部410は、上部空間US内の水素を発電システムPGS(図1参照)の発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)に向けて排出するための水素排出口418を備えており、発電システムPGSは、水素排出口418に接続され、溶液貯蔵部410で発生した水素を発電装置GNT(図示せず)に供給する水素供給部S70(水素供給配管ともいう。)を備えている。
[0165]
 また、発電システムPGSは、水素供給部S70上の水素排出口418寄りの位置に設けられ、水素排出口418からの水素の排出の有無を制御する電磁弁S71と、電磁弁S71よりも水素排出口418から離れた水素供給部S70上に設けられた減圧弁S72と、減圧弁S72よりも更に水素排出口418から離れた水素供給部S70上に設けられた電磁弁S73と、を備えている。
[0166]
 なお、減圧弁S72は、上部空間US内の所定の第1圧力(求められる一次圧)から発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)に供給するための所定の第2圧力(求められる二次圧)に水素の圧力を減圧するためのものである。
[0167]
 さらに、発電システムPGSは、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)に水素を供給可能に貯蔵するバッファ機構BFを備えている。
[0168]
 具体的には、バッファ機構BFは、バッファタンクB80と、一端が水素供給部S70の減圧弁S72と電磁弁S73の間の位置に接続されるとともに他端がバッファタンクB80に接続され、水素をバッファタンクB80に引き込むための引込分岐ラインB81(分岐配管ともいう。)と、引込分岐ラインB81上に設けられた昇圧装置B82と、昇圧装置B82とバッファタンクB80の間の引込分岐ラインB81上に設けられた電磁弁B83と、を備えている。
[0169]
 また、バッファ機構BFは、一端がバッファタンクB80に接続されるとともに他端が電磁弁S73よりも発電システムPGSの発電部PG側(より具体的には、図示しない発電装置GNT側)となる水素供給部S70に接続され、水素をバッファタンクB80から水素供給部S70に戻すための返送ラインB84(返送配管ともいう。)と、返送ラインB84上に設けられた電磁弁B85と、電磁弁B85と水素供給部S70の間の返送ラインB84上に設けられた減圧弁B86と、を備えている。
[0170]
 なお、減圧弁B86も先ほどの減圧弁S72と同様に、バッファタンクB80の後述する圧力から発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)に供給するための所定の第2圧力(求められる二次圧)に水素の圧力を減圧するためのものである。
[0171]
 そして、バッファ機構BFには、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)からの水素の供給要求がないときを利用して水素の充填処理が行われる。
[0172]
 具体的には、図示しない制御部によって、電磁弁S71及び電磁弁B83が開とされるとともに、電磁弁S73及び電磁弁B85が閉とされる制御が行われ、更に、制御部によって、水素発生部W40が水素を発生させるように制御が行われるとともに、昇圧装置B82の駆動制御が行われる。
[0173]
 このため、水素発生部W40で発生した水素は、減圧弁S72によって所定の第2圧力(求められる二次圧)の状態で引込分岐ラインB81に供給されるが、昇圧装置B82によって昇圧が行われるので、バッファタンクB80内の圧力が上部空間US内の所定の第1圧力(求められる一次圧)と同様の第1圧力又は第1圧力よりも高めの所定の第3圧力となるように、バッファタンクB80に水素を充填することができる。
[0174]
 なお、バッファ機構BFは、バッファタンクB80内の圧力を測定する圧力測定装置B87(例えば、デジタルマノスターゲージ)を備えている。
 上述したバッファタンクB80への水素の充填処理は、この圧力測定装置B87が測定するバッファタンクB80内の圧力の測定結果に基づいて、第1圧力又は第1圧力よりも高めの所定の第3圧力となるように行われる。
 例えば、測定された圧力が、目標の圧力になれば、水素発生部W40の駆動が停止されるとともに、電磁弁S71及び電磁弁B83が閉とされる。
[0175]
 また、バッファ機構BFは、バッファタンクB80と緊急排気ライン450を接続する接続ラインB88(接続配管ともいう。)と、接続ラインB88上に設けられ、緊急排気の有無を制御する電磁弁B89と、を備えている。
 そして、圧力測定装置B87が測定するバッファタンクB80内の圧力の測定結果が異常に高い圧力を示した場合には、図示しない制御部が、電磁弁B89を開にすることにより、バッファタンクB80内の圧力が、先に説明した第1圧力又は第1圧力よりも高めの所定の第3圧力になるように降圧制御を行う。
[0176]
 ただし、本実施形態では、水素供給部S70から分岐する形態でバッファ機構BFを設ける場合について示したが、バッファ機構BFは、水素供給部S70上に設けられるものとしてもよい。
[0177]
 例えば、バッファ機構BFの変形例としては、電磁弁S71を省略し、電磁弁S73より溶液貯蔵部410側の水素供給部S70上にバッファタンクB80だけを設けるようにし、電磁弁S73よりも発電システムPGSの発電部PG側(より具体的には、図示しない発電装置GNT側)となる水素供給部S70上に減圧弁S72が設けられている構成とすることが考えられる。
[0178]
 そして、この場合には、溶液貯蔵部410で発生した水素が、必ず、バッファ機構BFを介して発電システムPGSの発電部PG側(より具体的には、図示しない発電装置GNT側)に供給されることになる。
[0179]
 なお、このバッファ機構BFの変形例の場合には、バッファタンクB80内の圧力と溶液貯蔵部410の圧力が同じになるため、緊急排気は、上述した溶液貯蔵部410に設けられた緊急排気の構成で行うようにすればよい。
[0180]
 また、バッファ機構BFの制御は、水素発生部W40の制御部が行う方がシンプルなものとなると考えられるため、水素発生部W40がバッファ機構BFを含むとともに、水素発生部W40がそのバッファ機構BFとの関連で必要な位置までの水素供給部S70を含むものであってもよい。
[0181]
 次に、以上のような構成からなる発電システムPGSの動作等について説明する。
 ただし、これまでの説明で細部の動作については十分に理解が得られる説明を行っているため、主要な動作についてだけ説明するものとする。
 また、以下では、既にバッファタンクB80に水素が充填されているものとして説明する。
[0182]
 例えば、発電システムPGSの発電PG部(より具体的には、図示しない発電装置GNT)から水素発生部W40に水素供給の要求(指令)が届くと、水素発生部W40の制御部は、溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力を確認する。
 そして、制御部は、上部空間US内の圧力が所定の第1圧力(求められる一次圧)前後の圧力になっていれば、電磁弁S71及び電磁弁S73を開にして、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)への水素の供給を開始するとともに、その水素の供給によって減少する溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力を所定の第1圧力(求められる一次圧)に保つように材料供給機構430の駆動を制御する。
[0183]
 一方、水素発生部W40の制御部は、溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力を確認した結果、上部空間US内の圧力が低すぎる場合、電磁弁B85を開にしてバッファタンクB80内の水素が発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)に供給されるようにするとともに、溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力が所定の第1圧力(求められる一次圧)になるように材料供給機構430の駆動を制御する。
[0184]
 本実施形態の場合、溶液貯蔵部410に貯められた大量の水溶液411に向けて水素発生材料421を供給することになるため、水素発生材料421と水溶液411の反応で水酸化マグネシウム等の副生成物が生成したとしても、その副生成物は、水溶液411内に速やかに拡散する。
 このため、反応が阻害されることなく、効率よく速やかに反応が進むため、溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力を短時間で所定の第1圧力(求められる一次圧)にすることができる。
[0185]
 そして、水素発生部W40の制御部は、溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力が所定の第1圧力(求められる一次圧)になると、電磁弁S71及び電磁弁S73を開にするとともに、電磁弁B85を閉にして、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)への水素の供給をバッファタンクB80から溶液貯蔵部410に切り替える。
[0186]
 なお、上述のように、本実施形態では、水素発生材料421と水溶液411の反応効率が良いため、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)に水素を供給することに伴う溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力の低下を抑制するための制御も行いやすい。
[0187]
 また、水素発生材料421が速やかに反応するのに十分な量の水溶液411に向けて水素発生材料421を供給する形態であるため、反応による副生成物によって、反応が阻害されることが無く、その高い反応効率を持続的に維持することが可能である。
[0188]
 一方、水素発生部W40の制御部は、溶液貯蔵部410から発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)に水素を供給する状態のときに、何らかの原因で溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力が水素の供給に適さない圧力まで低下しそうな場合、再び、電磁弁S71を閉にするとともに電磁弁B85を開にする。
 これにより、制御部は、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)への水素の供給を停止させることなく、溶液貯蔵部410の上部空間US内の圧力の復旧を行う。
[0189]
 そして、水素発生部W40の制御部は、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)から水素の供給停止の要求(指令)を受けると、水素発生部W40の動作を停止させる前に、バッファタンクB80内の圧力を確認し、バッファタンクB80に水素の充填が必要であれば、その充填を行ってから水素発生部W40の動作を停止させる処理を行う。
 一方、水素発生部W40の制御部は、バッファタンクB80に水素の充填が必要ない場合には、充填を行わずに水素発生部W40の動作を停止させる処理を行う。
[0190]
 なお、本実施形態では、バッファ機構BFを設けることで、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)への水素の供給開始時の水素供給の迅速性、及び、水素供給中の水素供給量安定性を、一層、高めたものになっている。
[0191]
 しかしながら、先に説明したように、本実施形態では、溶液貯蔵部410に貯められた大量の水溶液411に向けて水素発生材料421を供給している。
 このため、水素発生材料421と水溶液411の反応効率が高いものとなっており、発電システムPGSの発電部PG(より具体的には、図示しない発電装置GNT)への水素の供給開始時において、速やかに必要な量の水素を発生させやすく、また、水素供給中の水素供給量の制御性も高いものとなっている。
 したがって、本実施形態では、バッファ機構BFを設けることが必須の要件というわけではなく、バッファ機構BFを省略してもよい。
[0192]
(副生成物取得部W10)
 図4は、副生成物取得部W10を説明するための図である。
 先に説明したように、水素発生部W40の排水には、水素発生材料421と水溶液411(溶液)の反応で生成された酸素を含む1種類以上の酸素含有マグネシウム化合物(主に、水酸化マグネシウム)を含む副生成物116が高い濃度で含まれている。
[0193]
 そして、副生成物取得部W10は、この水溶液411(溶液)との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料421と反応した後の溶液である排水(反応後水溶液411A)から副生成物116を分離して副生成物116を得るための構成部分である。
[0194]
 具体的には、副生成物取得部W10は、乾燥室111と、乾燥室111上に設けられ、反応後溶液である反応後水溶液411Aを貯蔵する反応後溶液貯蔵部112と、排水ライン415Aに接続され、反応後溶液貯蔵部112に反応後水溶液411Aを充填するためのポンプ113と、乾燥室111内の上側の位置に設置され、反応後溶液貯蔵部112に貯蔵されている反応後水溶液411Aを微細な霧状で乾燥室111内に噴霧する噴霧機114と、噴霧機114の噴霧する霧状の反応後水溶液411Aに向けて湿度の低い乾燥気体DAを吹き付ける送風機115と、を備えている。
[0195]
 例えば、送風機115は、乾燥室111内の気体(例えば、空気)を取り込んで気体中の水分等を取り除く脱水部と、脱水部で脱水され、湿度の低くなった気体を加熱する加熱部と、その加熱された乾燥気体DAを乾燥室111内に送り出す送風部と、を備えている。
[0196]
 具体的には、脱水部は、乾燥室111内から取り込んだ気体を、例えば、湿度20%未満となるように脱水し、加熱部は、その湿度20%未満の気体を、例えば、50℃程度に加熱し、送風部は、その湿度20%未満、温度50℃程度の乾燥気体DAを噴霧機114が噴霧する反応後水溶液411Aに向けて吹き付ける。
 なお、乾燥室111内から取り込んだ気体は、脱水部で湿度10%未満にされることが好ましく、湿度5%未満にされることがより好ましい。
[0197]
 このため、噴霧機114から反応後水溶液411Aが噴霧されると、その噴霧された反応後水溶液411Aの水分が、乾燥室111の床面に到達するまでの間に蒸発し、乾燥室111の床面には、蒸発することのない反応後水溶液411A中の副生成物116が積ることになる。
 なお、仮に微量に水分を含んだ副生成物116が床面に積ることがあっても、乾燥室111内が低い湿度になっているため、その水分も蒸発することになる。
[0198]
 このようにして、副生成物取得部W10は、反応後水溶液411Aから副生成物116を分離して副生成物116を得る。
[0199]
 ただし、上述のような構成は、副生成物取得部W10の一例であって、例えば、ろ過フィルタ等で反応後水溶液411A中の副生成物116を分離して副生成物116を得るものであってもよい。
 しかし、この場合には、副生成物116が乾燥した状態になっていないため、さらに、乾燥させる処理を行うことになるため、上記で説明した構成の副生成物取得部W10の方が好ましい。
[0200]
 また、副生成物取得部W10は、反応後水溶液411Aを加熱して水分を蒸発させる構成であってもよいが、この場合、加熱に必要な大きな電力が必要であり、水分が蒸発するまでにかかる時間も長くなる。
[0201]
 一方、上記構成であれば、気体の湿度を低くするために用いられるコンプレッサと、乾燥した気体を50℃程度に加熱するのに必要なヒータと、に必要な電力が主な電力となり、反応後水溶液411Aそのものを加熱して水分を蒸発させる場合より、小さい電力で済むとともに、副生成物116を得るのに必要な時間も短い時間で済むため、やはり、図4を参照して説明した構成の方が好ましい。
[0202]
 なお、副生成物取得部W10は、乾燥室111に設けられた扉117を備えており、その扉117を通じて、副生成物116が取り出され、副生成物116が原料生成部W20に運搬される。
[0203]
(原料生成部W20)
 図5は、原料生成部W20を説明するための図である。
 原料生成部W20は、原料生成室200と、原料生成室200内を所定の温度に加熱する加熱機210(例えば、ヒーター)と、原料生成室200の排気口211から気体を排気する排気機構212と、を備えている。
[0204]
 例えば、排気機構212は、原料生成室200の排気口211に接続される排気ライン212A(排気管ともいう。)と、その排気ライン212A上に設けられた排気ポンプ212Bと、を備えている。
[0205]
 そして、原料生成室200内には、先ほど、副生成物取得部W10で得られた副生成物116(主な成分は水酸化マグネシウム(Mg(OH) )である。)と、ハロゲンとハロゲン以外の原子を含有するハロゲン含有物である塩化アンモニウム(NH Cl)と、の混合物213が配置され、その混合物213が所定の温度に加熱される処理が行われる。
[0206]
 具体的には、ハロゲン含有物である塩化アンモニウム(NH Cl)がアンモニア(NH )と塩酸(HCl)とに分解して副生成物116と反応し、ハロゲン化マグネシウム(本例では、MgCl )を生成する温度である340℃以上450℃以下の温度に加熱する処理が行われる。
 なお、より好ましくは、340℃以上400℃以下の温度で加熱することが好ましく、処理時間も2時間前後でよいため、原料生成室200内の保温性を高めることで、比較的、消費電力の少ない処理とすることが可能である。
[0207]
 この反応では、以下の式5に示すように、気体のアンモニアと水蒸気が発生するので、排気機構212によって、それらが原料生成室200外に排気され、原料生成室200内には、生成されたハロゲン化マグネシウムを含む原料(本例の場合、主成分は、塩化マグネシウムである。)が残ることになる。
  Mg(OH)  + 2NH Cl 
            → MgCl  + 2NH  + 2H O ・・・(5)
[0208]
 なお、先にも触れたように、副生成物116には、酸化マグネシウム(MgO)が含まれている場合があるが、塩化アンモニウムは、酸化マグネシウムも塩化マグネシウムに変化させることが可能であることを確認しており、したがって、酸化マグネシウムが含まれていても問題はない。
[0209]
 また、化学式では、式5に示すように、水酸化マグネシウム1molに対して2molの塩化アンモニウムが反応することになる。
 この場合、式5の反応を重量比でみれば、混合物213の塩化アンモニウムの含有量は、副生成物116との重量比で約1.8倍あればよいことになるが、投入された塩化アンモニウムが全て反応に寄与するわけではないため、混合物213の塩化アンモニウムの含有量は、副生成物116との重量比で2倍以上としておくほうが好ましく、さらに3倍以上としておくほうが好ましい。
[0210]
 しかしながら、多すぎると塩化アンモニウムが分解除去されるのにかかる時間が長くなるため、混合物213の塩化アンモニウムの含有量は、副生成物116との重量比で10倍以下としておくほうが好ましく、さらに8倍以下としておくほうが好ましい。
[0211]
 一方、気体の塩酸雰囲気中で副生成物116を、やはり、340℃以上450℃以下程度の温度で加熱しても水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムを塩化マグネシウムにすることができるので、上記のような構成に代えて、原料生成室200内に気体の塩酸(塩化水素)を供給する態様としてもよい。
[0212]
 なお、原料生成部W20は、原料生成室200内に混合物213を攪拌するように設けられた攪拌機構(例えば、攪拌用のプロペラ)等を備えるものであってもよい。
 また、排気機構212が常に排気を取るのではなく、例えば、原料生成室200内の圧力を測定する圧力測定器を設け、塩化アンモニウムの分解に伴って上昇する圧力を見ながら所定の圧力以上になったタイミングであらかじめ設定される圧力まで減圧するように排気することを繰り返す制御としてもよい。
[0213]
 ところで、式5を見ればわかるように、原料生成部W20の排気には、気体のアンモニアと水蒸気が含まれる。
 例えば、排気ポンプ212Bの上流(原料生成室200側)に水蒸気を除去する機構(例えば、モレキュラーシーブ)を設け、排気ポンプ212Bの下流(原料生成室200から離れた側)に気体の塩酸を導入させるようにすれば、アンモニアが塩酸と反応し、塩化アンモニウムの粉の状態になるため、その塩酸を導入する位置より下流側に集塵機を設けることで塩化アンモニウムを得ることができる。
[0214]
 したがって、アンモニアを排気せずに塩化アンモニウムとして回収することで、アンモニアを原料生成部W20で循環使用することが可能である。
[0215]
 なお、原料生成部W20の排気からアンモニアを回収して、先に説明した水素発生材料生成部W30の排ガスに加えるようにして、水素発生材料生成部W30の排ガス中の塩酸とで塩化アンモニウムを再生するようにしてもよい。
[0216]
 この場合、水素発生材料生成部W30の排ガス中の塩酸が塩化アンモニウムという固体状に変化して、排ガス中の気体容量が減少するため、後ほど説明するように、水素発生材料生成部W30に用いられるポンプの排気容量を小さくできる。
[0217]
 そして、このように原料生成部W20で生成されたハロゲン化マグネシウムを含む原料(本例では、主に塩化マグネシウムを含む原料)は、原料生成室200に設けられた図示しない扉を通じて原料生成室200から取り出され、先に説明した水素発生材料生成部W30に搬送され、その原料が水素発生材料生成部W30で水素を含むプラズマで還元処理されて、再び、水素発生材料421となる。
[0218]
 以上のように、本実施形態の水素発生システムW1では、マグネシウムを廃棄することなく、マグネシウムを循環させるマグネシウム循環型の水素発生システムW1になっているとともに、水素発生部W40が大量の溶液(水溶液411)に対して水素発生材料421を投入する態様であるため、水素の発生量が少なくなることを抑制することができる。
[0219]
 また、水素発生部W40では、水溶液411との反応で水素を発生させることが可能であり、バルブ等を駆動するのに必要な電力程度でよく、副生成物取得部W10、及び、原料生成部W20で使用される電力も少なく抑えることができるため、全体として、水素発生材料421を生成するための原料の生成に必要なエネルギーを抑制できる可能性のあるものとなっている。
[0220]
 以上、具体的な実施形態に基づいて、本発明について説明してきたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではない。
[0221]
 例えば、先に示した式1から式4は、水素発生部W40で起こる反応であるが、式1から式4を見ればわかるように、この反応は発熱反応である。
[0222]
 したがって、水溶液411(溶液)は、この熱を吸収して高い温度になるため、この熱を利用して、更に発電を行うようにしてもよい。
[0223]
 つまり、先に説明した発電システムPGSが、更に、熱を用いて発電する熱発電部(例えば、蒸気タービン等)を備え、水素発生部W40で水素発生材料421と溶液(水溶液411)が反応した時に発生する熱を利用して熱発電部でも発電する構成を有していてもよい。
[0224]
 図6は発電システムPGSが、熱発電部を更に備えた変形例を説明するための図であり、一部の図示や番号を省略しているが、基本的に図3に対応した図になっている。
 なお、熱発電部(蒸気タービン等)の構成は、一般的なものであり、水蒸気STで発電を行う蒸気タービンと、その蒸気タービンを駆動させた水蒸気STを水WTに戻すための復水器と、を備えるような構成でよいため図示を省略している。
[0225]
 熱発電部を更に加えて発電を行う場合、図6に示すように、溶液貯蔵部410内に、熱発電部(蒸気タービン等)の復水器からの水WTを受け入れて、その水を溶液(水溶液411)の熱で水蒸気STにして熱発電部に送るための配管PIPを、例えば、内壁面に沿って下から上にらせん状に設けるようにすればよい。
[0226]
 そして、溶液貯蔵部410内の上部空間USは、先に説明したように、所定の第1圧力に保たれ、大気圧よりも高い圧力になっているため、ほぼ大気圧の状態にある配管PIP内の水の方が沸騰して、その水蒸気STが熱発電部に向かい熱発電部(蒸気タービン等)を駆動させて発電が行われる。
[0227]
 この場合、溶液貯蔵部410内の溶液(水溶液411)が冷却されるため、溶液の蒸発を抑制するという効果も得られる。
 そして、このような変形例の構成とすれば、水素を用いた発電に加え、熱による発電も行われるため、より一層、発電量を増やすことができる。
[0228]
 また、上記実施形態では、水素を含むプラズマで還元される原料として、塩化マグネシウムやフッ化マグネシウムを例示していたが、これに限定される必要はなく、例えば、ヨウ化マグネシウム等であってもよい。
[0229]
 この場合でも、水素を含むプラズマで溶液との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物(具体的には、水素化マグネシウム)を含む水素発生材料421を生成することができる。
 また、その副生成物116として水酸化マグネシウムが得られ、原料生成部W20において、その副生成物116にハロゲンとハロゲン以外の原子を含有するハロゲン含有物としてのヨウ化水素又はヨウ化アンモニウムを反応させることで原料を再生することが可能である。
[0230]
 なお、原料がフッ化マグネシウムの場合には、副生成物116にフッ化水素又はフッ化アンモニウムを反応させて原料を再生することができ、原料が臭化マグネシウムの場合には、副生成物116に臭化水素又は臭化アンモニウムを反応させて原料を再生することができる。
 したがって、原料が主成分としてハロゲン化マグネシウムを含むものとされ、原料を再生するために副生成物116に反応させるハロゲン含有物をハロゲンを有するアンモニウム塩、又は、ハロゲン化水素とすればよい。
[0231]
 ところで、先に説明したように、水素発生材料生成部W30は、水素を含むプラズマで原料(例えば、塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを含む原料)を還元して水素発生材料421を生成する処理を行う処理室301と、処理室301内の気体を排出し、処理室301内を減圧する減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)と、を備えており、処理室301から排出される気体には、還元時に発生するハロゲン化水素(例えば、塩化水素)が含まれている。
[0232]
 そして、アンモニアは塩化水素のようなハロゲン化水素と常温で反応して、そのハロゲンを有するアンモニウム塩になり、ハロゲンを有するアンモニウム塩は常温で固体の状態になる。
[0233]
 このことから、先にも少し触れたが、水素発生材料生成部W30が、減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)に至るまでの処理室301から排出された気体にアンモニアを供給するアンモニア供給手段を備えるものとすることが好ましい。
 この場合、その排気された気体中のハロゲン化水素(例えば、塩化水素)とアンモニアとが反応して固体の状態のハロゲンを有するアンモニウム塩(例えば、塩化アンモニウム)が生成することになり、気体が固体に変化することで体積が大幅に減少する。
 この結果、処理室301内の減圧を促進することができる。
[0234]
 このため、このようなアンモニア供給手段を備える構成とすることで減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)に求められる能力を軽減することが可能である。
[0235]
 しかも、先に示した式5を見ればわかる通り、原料生成部W20では、副生成物116にハロゲンを有するアンモニウム塩を反応させた結果、副産物としてアンモニアが発生するので、アンモニア供給手段が、原料生成部W20で原料を生成するときに発生するこのアンモニアを供給するものとすることができる。
[0236]
 例えば、アンモニア供給手段は、原料生成部W20で原料を生成するときに発生するこのアンモニアを貯蔵するタンクと、そのタンクと処理室301から減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)に至るまでの間の排気管に接続されたアンモニア供給配管と、アンモニア供給配管上に設けられ、アンモニアの流量を制御する流量制御器と、を備える構成とすればよい。
[0237]
 さらに、排気された気体中のハロゲン化水素(例えば、塩化水素)とアンモニアとが反応して生成される固体の状態のハロゲンを有するアンモニウム塩(例えば、塩化アンモニウム)は、原料生成部W20で利用することが可能である。
 水素発生材料生成部W30が、アンモニアと処理室301から排出された気体中のハロゲン化水素との反応で生成されるハロゲンを有するアンモニウム塩を取得するためのアンモニウム塩取得部を備える場合には、そのアンモニウム塩取得部で取得されたアンモニウム塩を原料生成部W20で使用するハロゲン含有物として利用することができる。
[0238]
 例えば、アンモニウム塩が固体の状態で減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)に向かうことになるため、減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)の手前(処理室301側)又は減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)の後にアンモニウム塩取得部としての集塵機を設けるようにすればよい。
[0239]
 なお、副生成物取得部W10で取得される副生成物(水酸化マグネシウムや酸化マグネシウム)は、気体の塩酸(塩化水素)との反応で塩化マグネシウムに出来ることは、先に、説明した通りである。
[0240]
 そして、水素発生材料生成部W30では、還元反応の結果、ハロゲン化水素(例えば、塩化水素)が発生する。
 例えば、水素発生材料生成部W30の減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)の手前(処理室301側)又は減圧手段(第1真空ポンプ330や第2真空ポンプ334)の後に、ハロゲン化水素(例えば、塩化水素)を気体の状態で分離・取得するハロゲン化水素取得手段を設けてよい。
 そして、そのハロゲン化水素(例えば、塩化水素)を原料生成部W20で利用するものとしてもよい。
 例えば、ハロゲン化水素取得手段は、ハロゲン化水素(例えば、塩化水素)を分離する分離膜等を利用するものでよい。
[0241]
 また、上記実施形態では、太陽光発電や風力発電等に付属させて、本実施形態の発電システムPGS全体を設ける場合について説明したが、水素発生システムW1のうち、副生成物取得部W10と、原料生成部W20と、水素発生材料生成部W30と、を太陽光発電や風力発電等の近くに設置し、水素発生部W40を地方に設置された発電部PGの近くに設置する形態としてもよい。
[0242]
 このような形態とすれば、発電自体が、その電力を消費する地方で行われることになるため、送電ロスを抑制することができるとともに、近年、問題となっている、大型発電所が停止した時に広い範囲で停電が発生するような問題も回避することができる。
[0243]
 なお、上記では、水素発生材料生成部W30で塩化マグネシウムから優位に水素化マグネシウムを生成する場合について、主に説明したが、付着手段380の表面381の温度を調整する等して、塩化マグネシウムから優位に金属マグネシウムを生成さる還元を行い、生成された金属マグネシウムを用いて水素化マグネシウムを生成する還元を行うようにしてもよい。
[0244]
 つまり、水素を含むプラズマで原料を還元して水素発生材料を生成する水素発生材料生成部W30は、ハロゲン化マグネシウム(例えば塩化マグネシウム)からハロゲンを脱離させる脱ハロゲン還元と、ハロゲンが脱離した金属マグネシウムに水素を付加する水素化還元と、を行う2段ステップで水素発生材料を生成するものであってもよい。
[0245]
 このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。

請求の範囲

[請求項1]
 マグネシウム循環型の水素発生システムであって、
 前記水素発生システムが、
 溶液との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料と反応した後の溶液である反応後溶液から前記反応で生成された酸素を含む1種類以上の酸素含有マグネシウム化合物を含む副生成物を分離して前記副生成物を得る副生成物取得部と、
 前記副生成物にハロゲンと前記ハロゲン以外の原子を含有するハロゲン含有物を反応させてハロゲン化マグネシウムを含む原料を生成する原料生成部と、
 水素を含むプラズマで前記原料を還元して前記水素発生材料を生成する水素発生材料生成部と、
 前記水素発生材料と前記溶液を反応させて前記水素を発生させる水素発生部と、を備えることを特徴とする水素発生システム。
[請求項2]
 前記水素含有マグネシウム化合物が水素化マグネシウムであり、
 前記酸素含有マグネシウム化合物は、水酸化マグネシウム、又は、酸化マグネシウムであり、
 前記ハロゲン含有物が前記ハロゲンを有するアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の水素発生システム。
[請求項3]
 前記水素発生材料生成部は、
 水素を含むプラズマで前記原料を還元して前記水素発生材料を生成する処理を行う処理室と、
 前記処理室内の気体を排出し、前記処理室内を減圧する減圧手段と、
 前記減圧手段に至るまでの前記処理室から排出された気体にアンモニアを供給するアンモニア供給手段と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の水素発生システム。
[請求項4]
 前記アンモニア供給手段が前記原料生成部で前記原料を生成するときに発生するアンモニアを供給することを特徴とする請求項3に記載の水素発生システム。
[請求項5]
 前記水素発生材料生成部は、前記アンモニアと前記処理室から排出された気体中のハロゲン化水素との反応で生成される前記ハロゲンを有するアンモニウム塩を取得するアンモニウム塩取得部を備え、
 前記アンモニウム塩取得部で取得されたアンモニウム塩が前記原料生成部で用いられる前記ハロゲン含有物として利用されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の水素発生システム。
[請求項6]
 前記水素含有マグネシウム化合物が水素化マグネシウムであり、
 前記酸素含有マグネシウム化合物は、水酸化マグネシウム、又は、酸化マグネシウムであり、
 前記ハロゲン含有物がハロゲン化水素であることを特徴とする請求項1に記載の水素発生システム。
[請求項7]
 前記水素材料生成部は、還元反応で発生するハロゲン化水素を気体の状態で取得するハロゲン化水素取得部を備え、
 ハロゲン化水素取得部で取得された前記ハロゲン化水素が前記原料生成部で利用されることを特徴とする請求項6に記載の水素発生システム。
[請求項8]
 前記水素発生部が、
 前記溶液を貯蔵し、水素を発生する前記反応を行うための反応部と、
 前記反応部に供給される前記水素発生材料を貯蔵する材料貯蔵部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の水素発生システム。
[請求項9]
 水素を用いて発電する発電部に請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の水素発生システムで発生させた水素を供給して発電することを特徴とする発電システム。
[請求項10]
 前記発電システムは、熱を用いて発電する熱発電部を備え、
 前記水素発生部で前記水素発生材料と前記溶液が反応した時に発生する熱を利用して前記熱発電部でも発電することを特徴とする請求項9に記載の発電システム。
[請求項11]
 マグネシウム循環型の水素発生方法であって、
 前記水素発生方法が、
 溶液との反応で水素を発生する水素含有マグネシウム化合物を含む水素発生材料と反応した後の溶液である反応後溶液から前記反応で生成された酸素を含む1種類以上の酸素含有マグネシウム化合物を含む副生成物を分離して前記副生成物を得るステップと、
 前記副生成物にハロゲンと前記ハロゲン以外の原子を含有するハロゲン含有物を反応させてハロゲン化マグネシウムを含む原料を生成するステップと、
 水素を含むプラズマで前記原料を還元して前記水素発生材料を生成するステップと、
 前記水素発生材料と前記溶液を反応させて前記水素を発生させるステップと、を備えることを特徴とする水素発生方法。
[請求項12]
 水素を用いて発電する発電方法であって、
 前記発電方法が、
 水素を用いて発電するステップと、
 前記水素を用いて発電するステップに請求項11に記載の水素発生方法で発生させた水素を供給するステップと、を備えることを特徴とする発電方法。
[請求項13]
 前記水素を発生させるステップで発生する熱を利用して発電するステップを備えることを特徴とする請求項12に記載の発電方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]