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1. WO2020110546 - 高周波加熱装置

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明 細 書

発明の名称 高周波加熱装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118  

産業上の利用可能性

0119  

符号の説明

0120  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7A   7B   7C   7D   7E  

明 細 書

発明の名称 : 高周波加熱装置

技術分野

[0001]
 本開示は、高周波加熱装置に関する。

背景技術

[0002]
 高周波加熱装置として、例えば、特許文献1に記載の解凍システムが知られている。
[0003]
 特許文献1に記載の解凍システムでは、順方向RF電力測定値(Forward RF power measurement)および反射RF電力測定値(Reflected RF power measurement)に基づいて、計算された変化率を繰り返し決定し、計算された変化率を閾値変化率と繰り返し比較する。
[0004]
 特許文献1の解凍システムは、計算された変化率が閾値変化率と比較して勝っている場合、解凍動作が完了するまで、RF(Radio frequency)信号を電極に提供し続ける。解凍動作が完了すると、この解凍システムは、RF信号の供給を停止させる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2018-22677号公報

発明の概要

[0006]
 しかしながら、特許文献1の装置には、加熱対象物を効率良く加熱するという点で未だ改善の余地がある。
[0007]
 本開示の一態様の高周波加熱装置は、加熱室と、電極と、高周波電源と、少なくとも一つの整合素子と、制御部とを備える。加熱室は加熱対象物を収容する。高周波電源は、電極に高周波電圧を印加する。整合器は、可変の整合定数を有する少なくとも一つの整合素子を含む。制御部は、少なくとも一つの整合素子の整合定数における時間変化に基づいて、高周波電源を停止させて加熱を終了させる。
[0008]
 本態様によれば、加熱対象物を効率良く加熱することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 図1は、本開示の実施の形態に係る高周波加熱装置の構成を示す概略図である。
[図2] 図2は、実施の形態における高周波電源の構成を示す概略図である。
[図3] 図3は、実施の形態における整合器を含む回路モデルの構成を示す概略図である。
[図4] 図4は、実施の形態における検出部の構成を示す概略図である。
[図5] 図5は、加熱時の、実施例1~3における第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化を示すグラフである。
[図6] 図6は、加熱時の、実施例4~6における第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化を示すグラフである。
[図7A] 図7Aは、第1変形例の整合器を含む回路モデルを示す概略図である。
[図7B] 図7Bは、第2変形例の整合器を含む回路モデルを示す概略図である。
[図7C] 図7Cは、第3変形例の整合器を含む回路モデルを示す概略図である。
[図7D] 図7Dは、第4変形例の整合器を含む回路モデルを示す概略図である。
[図7E] 図7Eは、第5変形例の整合器を含む回路モデルを示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 (本開示の基礎となった知見)
 上記従来の解凍システムは、順方向RF電力測定値と反射RF電力測定値とから算出される変化率が、加熱室内に配置された加熱対象物に対して予め決定された閾値以上になった場合に、加熱終了を判定する。
[0011]
 この判定処理では、反射RF電力の増大に基づいて判定を行うため、加熱の終了に近づくと、高周波電源と負荷側の電極との間にインピーダンス整合のずれが生じる。このため、加熱の終了に近づくほど、加熱効率が低下する。
[0012]
 加熱対象物の位置、形状および質量にばらつきがある場合、任意の固定の閾値を用いると、加熱の終了を適切に判定することができない場合がある。加熱対象物の位置、形状および質量のばらつきに応じて、適切な閾値を設定することは困難である。
[0013]
 本発明者らは、整合器の整合定数に基づいて、加熱終了を判定できることを見出した。
[0014]
 本開示の第1の態様の高周波加熱装置は、加熱室と、電極と、高周波電源と、少なくとも一つの整合素子と、制御部とを備える。加熱室は加熱対象物を収容する。高周波電源は、電極に高周波電圧を印加する。整合器は、可変の整合定数を有する少なくとも一つの整合素子を含む。制御部は、少なくとも一つの整合素子の整合定数における時間変化に基づいて、高周波電源を停止させて加熱を終了させる。
[0015]
 本開示の第2の態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、少なくとも一つの整合素子は、可変の電気容量を有する可変キャパシタ、可変のインダクタンスを有する可変インダクタの少なくとも一方を含む。
[0016]
 本開示の第3態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、少なくとも一つの整合素子は、複数のキャパシタを含む。整合器は、複数のキャパシタの接続を切り替えることによって、整合定数を変化させる。
[0017]
 本開示の第4態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、少なくとも一つの整合素子は、複数のインダクタを含む。整合器は、複数のインダクタの接続を切り替えることによって、整合定数を変化させる。
[0018]
 本開示の第5態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、整合器は、電極に直列に接続される少なくとも一つの整合素子と、電極に並列に接続される少なくとも一つの整合素子とを有する。
[0019]
 本開示の第6態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、少なくとも一つの整合素子は、電極に直列に接続される。
[0020]
 本開示の第7態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、少なくとも一つの整合素子は、電極に並列に接続される。
[0021]
 本開示の第8態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、整合器は、加熱開始から終了まで少なくとも一つの整合素子の整合定数を変化させて、電極から高周波電源への反射波を抑制する。
[0022]
 本開示の第9態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、制御部は、整合定数における時間変化率が所定の閾値以下の場合、高周波電源を停止させる。
[0023]
 本開示の第10態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、制御部は、20秒以上、または、加熱を行っている時間の1/10以上の間、高周波電源を停止させる。
[0024]
 本開示の第11態様の高周波加熱装置において、第1の態様に加えて、制御部は、整合定数の時間変化から加熱の終了時間を推定し、当該終了時間よりも早く高周波電源を停止させる。
[0025]
 以下、本開示の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
[0026]
 [全体構成]
 図1は、本実施の形態に係る高周波加熱装置1の構成を示す概略図である。図1に示すように、高周波加熱装置1は、第1電極11と、第2電極12と、加熱室13と、位置調整部20と、高周波電源30と、整合器40と、検出部50と、制御部60とを備える。
[0027]
 本実施の形態では、第1電極11と第2電極12と位置調整部20とは、加熱室13内に配置される。加熱対象物90は、第1電極11と第2電極12との間の、第2電極12上に配置される。加熱対象物90は、厚さの均一な誘電体、例えば、食材である。
[0028]
 本実施の形態では、高周波加熱装置1は位置調整部20を備える。しかし、位置調整部20は、本実施の形態に必須ではない。
[0029]
 高周波加熱装置1は、第1電極11に高周波電圧を印加することによって、第1電極11と第2電極12との間に電界を発生させ、第1電極11と第2電極12との間に配置された加熱対象物90を誘電加熱する。これにより、高周波加熱装置1は、加熱対象物90の加熱または解凍を行う。
[0030]
 <第1電極>
 第1電極11は、加熱室13内の上部に配置された、矩形形状を有する平板状の電極である。
[0031]
 <第2電極>
 第2電極12は、矩形形状を有する平板状の電極である。第2電極12は、加熱室13の底面上に第1電極11に対向して配置される。
[0032]
 <位置調整部>
 位置調整部20は、加熱室13の天井に配置される。位置調整部20は、制御部60の指示に応じて、第1電極11と第2電極12との間の距離を調整する。
[0033]
 位置調整部20は、例えば、加熱室13の天井に配置されたモータと、モータと第1電極11とを接続する接続部材を有する。モータが回転すると、接続部材は第1電極11を上下に移動させる。接続部材は、例えば、棒状部材、または、ワイヤである。
[0034]
 <高周波電源>
 高周波電源30は、整合器40および検出部50を介して第1電極11に接続され、第1電極11と第2電極12との間に高周波電圧を印加する。図2は、高周波電源30の構成を示す概略図である。図2に示すように、高周波電源30は、高周波発振器31と増幅器32と増幅器33とを備える。
[0035]
 高周波発振器31は、HF~VHF帯域の周波数を有する電圧信号を発振させる。増幅器32は、高周波発振器31により発振された電圧信号を増幅する。増幅器33は、増幅器32により増幅された電圧信号をさらに増幅する。これにより、高周波電源30は、所望の高周波電圧を発生させることができる。
[0036]
 高周波電源30は、第1電極11と第2電極12との間に高周波電圧を印加することによって、第1電極11と第2電極12との間に電界を発生させる。この電界により、第1電極11と第2電極12との間に配置された加熱対象物90が誘電加熱される。
[0037]
 <整合器>
 図1に示すように、整合器40は、第1電極11と高周波電源30との間に配置され、高周波電源30と加熱室13とのインピーダンス整合を行う。整合器40は、例えば、電気回路で構成される。
[0038]
 図3は、整合器40を含む回路モデルの構成を示す概略図である。図3に示すように、整合器40は、可変の整合定数を有する複数の整合素子を有する。整合素子とは、例えば、可変の電気容量を有する可変キャパシタおよび可変のインダクタンスを有する可変インダクタの少なくとも一方である。
[0039]
 整合定数とは、インピーダンス整合を行うために調整される整合素子の定数である。例えば、整合素子が可変キャパシタである場合、整合定数は電気容量である。整合素子が可変インダクタである場合、整合定数はインダクタンスである。
[0040]
 本実施の形態では、整合器40は、整合素子として、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2を有する。整合器40はさらに、インダクタL1を有する。
[0041]
 第1可変キャパシタVC1は、第1電極11に直列に接続される。第2可変キャパシタVC2は第1電極11と第2電極12とに並列に接続される。インダクタL1は、第1可変キャパシタVC1と第1電極11とに直列に接続される。
[0042]
 制御部60は、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の電気容量を変化させる。これにより、整合器40はインピーダンス整合を行う。
[0043]
 本実施の形態では、制御部60は、検出部50により検出される反射波が小さくなるように、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の電気容量を変化させる。反射波は、第1電極11および第2電極12を含む加熱室13内のインピーダンスと、高周波電源30のインピーダンスとのインピーダンス整合がとれていない場合に生じる。
[0044]
 例えば、高周波電源30の出力インピーダンスが50Ωである場合、整合器40のインピーダンスと加熱室13内のインピーダンスとの合成インピーダンスを50Ωに近づける必要がある。一方、加熱の進行に伴って加熱対象物90の状態が変化するため、加熱室13内のインピーダンスが変化する。
[0045]
 制御部60は、加熱室13内のインピーダンスの変化に応じて、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の電気容量を変化させる。これにより、整合器40のインピーダンスと加熱室13内のインピーダンスとの合成インピーダンスが維持される。その結果、反射波が極小化される。
[0046]
 加熱室13内の電気容量について説明する。加熱室13内の電気容量は、第1電極11と第2電極12とによって構成される並行平板コンデンサの電気容量と、加熱室13の壁面と第1電極11との間に寄生する電気容量などから計算できる。すなわち、加熱室13内の電気容量Cは次式で表される。
[0047]
  C=C +(C ×C )/(C +C
 ここで、C は、加熱室13の壁面と第1電極11との間に寄生する電気容量であり、C は、第1電極11と加熱対象物90との間の空間における電気容量であり、C は、加熱対象物90の電気容量である。
[0048]
 さらに、加熱対象物90の電気容量C は次式で表される。
[0049]
  C =ε×S/d
 ここで、C は加熱対象物90の電気容量[F]であり、εは誘電率[F/m]であり、Sは電極面積[m ]であり、dは電極間距離[m]である。誘電率は、真空誘電率と比誘電率との掛け算で計算することができる。
[0050]
 上記式に示すように、加熱室13内の電気容量は、加熱対象物90の電気容量C に応じて変化する。氷の比誘電率は約3であり、水の比誘電率は約70~80である。このため、冷凍された加熱対象物90を解凍する場合、加熱開始から終了までの間に、加熱対象物90の誘電率は約25倍に変化する。
[0051]
 このため、加熱対象物90の加熱中、加熱室13内の電気容量は、誘電率の変化に伴い大きく変化する。加熱対象物90の解凍が終了すると、誘電率は安定し、加熱室13内の電気容量は安定する。
[0052]
 制御部60は、整合器40のインピーダンスと加熱室13内のインピーダンスとの合成インピーダンスを変化させないように、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の電気容量を変化させる。
[0053]
 すなわち、加熱室13内の電気容量が変化すると、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の電気容量は変化する。加熱室13内部の電気容量が安定すると、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の電気容量は安定する。
[0054]
 次に、整合器40のインピーダンスと加熱室13内のインピーダンスとの合成インピーダンスは次式で表わされる。ここでは、合成インピーダンスを、インピーダンスの逆数であるアドミタンスで表す。
[0055]
  Y TOTAL
  =jω(C VC2+(1/((1/C VC1)+(1/C)-(ω ×L1))))
 ここで、Y TOTALは、整合器40のアドミタンスと加熱室13内のアドミタンスとの合成アドミタンス[S]であり、C VC1は、第1可変キャパシタVC1の電気容量[F]であり、C VC2は、第2可変キャパシタVC2の電気容量[F]であり、L1は、固定インダクタのインダクタンス[H]であり、Cは、加熱室13内部の電気容量[F]である。
[0056]
 上記式に示すように、加熱対象物90の解凍が進んで電気容量C が大きくなると、加熱室13内部の電気容量Cが大きくなる。そこで、制御部60は、第1可変キャパシタVC1の電気容量C VC1を小さくしたり、第2可変キャパシタVC2の電気容量C VC2を小さくしたりする。
[0057]
 制御部60は、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の両方の電気容量を同時に調整してもよい。これにより、加熱対象物90における電気抵抗成分、各ブロック間を繋ぐ配線の抵抗などの影響を含めて、整合器40のインピーダンスと加熱室13内のインピーダンスとの合成インピーダンスを50Ωの近傍に維持することができる。その結果、第1電極11から高周波電源30への反射波が極小化され、加熱対象物90を効率良く加熱することができる。
[0058]
 なお、上記の場合、第1可変キャパシタVC1の電気容量C VC1と、第2可変キャパシタVC2の電気容量C VC2の値とが相互に影響する。このため、加熱室13内の電気容量Cが大きくなった場合、電気容量C VC1、C VC2の変化は一意には決まらない。
[0059]
 <検出部>
 検出部50は、第1電極11から高周波電源30への反射波を検出する。検出部50は、例えば、電気回路で構成される。整合器40において加熱室13と高周波電源30とのインピーダンス整合がとれていない場合、一部の電力が加熱室13に供給されず、高周波電源30に向かって反射される。検出部50は、この反射電力を検出する。
[0060]
 図4は、検出部50の構成を示す概略図である。図4に示すように、本実施の形態では、検出部50は、容量性結合(C)と誘導性結合(M)とを組合せて構成されるCM方向性結合器である。
[0061]
 検出部50は、トランスT1、キャパシタC1、キャパシタC2、抵抗R1、抵抗R2を備える。トランスT1は、中央に配置される。キャパシタC1、C2は、トランスT1の両側に配置される。抵抗R1、R2は、キャパシタC1、C2にそれぞれ直列に接続される。
[0062]
 図4において、進行波が左から右へ、反射波が右から左へ流れると定義すると、トランスT1は、進行波に応じた電流Imf、反射波に応じた電流Imrを発生させる。キャパシタC1、C2は、電流Ic1と電流Ic2とを発生させる。
[0063]
 抵抗R1の両端電圧Vf、抵抗R2の両端電圧Vrは次式で表される。
[0064]
  Vf=R1×(Ic1+Imf-Imr)
  Vr=R2×(Ic2+Imr-Imf)
 Ic1がImrと等しくなり、Ic2がImfと等しくなるように各部品の定数を選定すると、図4に示す回路は方向性結合器として機能する。検出部50は、基板パターン上に配置された分布定数線路によって構成されてもよい。
[0065]
 <制御部>
 制御部60は、整合器40に含まれた整合素子の整合定数における時間変化が安定した場合、加熱終了を判定する。例えば、制御部60は、整合定数における時間変化率が所定の閾値以下である場合、高周波電源30を停止させて加熱を終了させる。時間変化率とは、所定時間(例えば、20秒)当たりの変化の割合を意味する。
[0066]
 この閾値は、整合定数の変化が安定していると判定するための設定値であり、例えば、0%以上、0.5%以下に設定される。この閾値は、0%以上、0.1%以下に設定されるのが好ましい。
[0067]
 本実施の形態では、制御部60は、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化に基づいて、高周波電源30を停止させて加熱を終了させる。
[0068]
 制御部60は、整合器40と検出部50とに電気的に接続される。制御部60は、検出部50により検出された反射波に基づいて、整合器40に含まれる整合素子の整合定数を制御する。これにより、整合器40はインピーダンス整合を行う。
[0069]
 制御部60は、位置調整部20に電気的に接続される。制御部60は、位置調整部20を制御し、加熱対象物90の高さ寸法に応じて、第1電極11の位置を調整する。
[0070]
 制御部60は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central processing unit)を含むプロセッサに対応する処理回路(図示せず)を備える。例えば、制御部60においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。
[0071]
 [動作]
 本実施の形態に係る高周波加熱装置1における動作について、実施例1~3および実施例4~6を用いて説明する。実施例1~3においては、制御部60は、第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化に基づいて加熱の終了を判定する。実施例4~6においては、制御部60は、第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化に基づいて加熱の終了を判定する。
[0072]
 実施例1~3および実施例4~6では、加熱対象物90として、冷凍牛肉のミンチが用いられる。実施例1および4では、加熱対象物90は、寸法が横幅160mm×奥行115mm×高さ25mmで、重さが300gである。実施例2および5では、加熱対象物90は、寸法が横幅195mm×奥行145mm×高さ25mmで、重さが500gである。実施例3および6では、加熱対象物90は、寸法が横幅220mm×奥行150mm×高さ35mmで、重さが1000gである。
[0073]
 制御部60は、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の電気容量を同時に変化させる。これにより、整合器40はインピーダンス整合を行う。
[0074]
 図5は、加熱時の、実施例1~3における第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化を示す。図5には、実施例1~3における加熱終了の時点が示される。
[0075]
 正確には、図5の縦軸は、第1可変キャパシタVC1の最大電気容量に対する、制御部60により設定された第1可変キャパシタVC1の電気容量の割合(%)を示す。図5に示すように、実施例1~3において、加熱対象物90の解凍が進むと、第1可変キャパシタVC1の電気容量は安定する。換言すると、第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化率は小さくなる。
[0076]
 実施例1~3では、制御部60は、第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化率がほぼ0%、具体的には0.1%以下になると、加熱終了を判定する。図5に示すように、実施例1では、加熱開始から約330秒経過した時点t1で、第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化率がほぼ0%である。時点t1において、制御部60は加熱終了を判定する。
[0077]
 実施例2では、加熱開始から約420秒経過した時点t2で第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化率がほぼ0%である。時点t2において、制御部60は加熱終了を判定する。実施例3では、加熱開始から約640秒経過した時点t3で第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化率がほぼ0%である。時点t3において、制御部60は加熱終了を判定する。
[0078]
 このように、制御部60は、第1電極11に直列に接続される第1可変キャパシタVC1の電気容量の時間変化率に基づいて、高周波電源30を停止させて加熱を終了させる。なお、実施例1~3において、制御部60は、時点t1、t2、t3の少し前の時点で加熱終了を判定してもよい。
[0079]
 図6は、加熱時の、実施例4~6における第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化を示す。図6には、実施例4~6における加熱終了の時点が示される。
[0080]
 正確には、図6の縦軸は、第2可変キャパシタVC2の最大電気容量に対する、制御部60により設定された第2可変キャパシタVC2の電気容量の割合(%)を示す。図6に示すように、実施例4~6において、加熱対象物90の解凍が進むと、第2可変キャパシタVC2の電気容量は安定する。換言すると、第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化率は小さくなる。
[0081]
 実施例4~6では、制御部60は、第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化率がほぼ0%、具体的には0.1%以下になると、加熱終了を判定する。図6に示すように、実施例4では、加熱開始から約870秒経過した時点t4で、第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化率がほぼ0%である。時点t4において、制御部60は加熱終了を判定する。
[0082]
 実施例5では、加熱開始から約1130秒経過した時点t5で第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化率がほぼ0%である。時点t5において、制御部60は加熱終了を判定する。実施例6では、加熱開始から約1310秒経過した時点t6で第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化率がほぼ0%である。時点t6において、制御部60は加熱終了を判定する。
[0083]
 このように、制御部60は、第1電極11に並列に接続される第2可変キャパシタVC2の電気容量の時間変化率に基づいて、高周波電源30を停止させて加熱を終了させる。なお、実施例4~6において、制御部60は、時点t3、t4、t6の少し前の時点で加熱終了を判定してもよい。
[0084]
 [効果]
 本実施の形態に係る高周波加熱装置1は、以下の効果を奏することができる。
[0085]
 高周波加熱装置1は、整合器40に含まれる整合素子の整合定数における時間変化に基づいて加熱を終了させる。具体的には、制御部60は、整合素子の整合定数における時間変化率が安定すると、加熱終了を判定する。例えば、制御部60は、整合定数が所定の閾値以下の場合に、高周波電源30を停止させて加熱を終了させる。
[0086]
 本実施の形態によれば、高周波加熱装置1は、加熱対象物90の加熱開始から終了するまで、整合器40を用いてインピーダンス整合を行うことができる。これにより、電極から高周波電源30への反射波を抑制しつつ、加熱終了を判定することができる。その結果、加熱開始から終了まで、加熱対象物90を効率良く加熱することができる。
[0087]
 高周波加熱装置1は、加熱対象物90の位置、形状および質量にばらつきがある場合でも、整合素子の整合定数における時間変化に基づいて加熱終了を判定することで、適切な時点で加熱を終了させることができる。
[0088]
 高周波加熱装置1は、整合器40に含まれる整合素子の整合定数における時間変化を加熱終了の判定基準としている。このため、加熱終了を容易に判定することができる。加熱対象物90の位置、形状および質量にばらつきがある場合でも、閾値を容易に設定することができる。
[0089]
 本実施の形態では、第1電極11は、矩形形状を有する平板状の電極である。しかし、第1電極11の形状はこれに限定されない。例えば、第1電極11は、円形、楕円形または多角形の形状を有してもよい。第1電極11は、その表面に多少の凹凸を有してもよく、その周囲に折り曲げられた部分を有してもよく、孔の空いた板であってもよい。
[0090]
 本実施の形態では、第2電極12は、第1電極11の下方に配置される。しかし、本開示はこれに限定されない。第1電極11と第2電極12とが、互いに対向するように配置されていればよい。例えば、第2電極12が、第1電極11の上方に配置されてもよい。第1電極11および第2電極12が、左右方向に対向するように配置されてもよい。
[0091]
 本実施の形態では、第1電極11、第2電極12および位置調整部20は、加熱室13内に配置される。しかし、本開示はこれに限定されない。位置調整部20が、加熱室13の外に配置されてもよい。
[0092]
 本実施の形態では、位置調整部20は、第1電極11を上下に移動させる。しかし、本開示はこれに限定されない。位置調整部20が、第2電極12を上下に移動させてもよい。位置調整部20が、第1電極11と第2電極12との両方を上下に移動させてもよい。
[0093]
 本実施の形態では、高周波電源30は、図2に示すように、高周波発振器31と、増幅器32、33とを備える。しかし、高周波電源30は、高周波電圧を印加することができるものであれば、本実施の形態に限定されない。
[0094]
 本実施の形態では、高周波加熱装置1が位置調整部20および検出部50を備える。しかし、高周波加熱装置1は、位置調整部20および検出部50を備えなくてもよい。
[0095]
 本実施の形態では、第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2の両方の電気容量を変化させて、高周波電源30と加熱室13とのインピーダンス整合を行う。しかし、本開示はこれに限定されない。第1可変キャパシタVC1、第2可変キャパシタVC2のいずれか一方の電気容量を固定し、他方の電気容量のみを変化させることによって、インピーダンス整合を行ってもよい。
[0096]
 本実施の形態では、整合器40は、図3に示すように、整合素子として第1可変キャパシタVC1および第2可変キャパシタVC2を有する。しかし、本開示はこれに限定されない。
[0097]
 整合器40が、加熱室13と高周波電源30とのインピーダンス整合を行うために整合定数を変化させる少なくとも一つの整合素子を有すればよい。少なくとも一つの整合素子は、可変の整合定数を有する素子であればよい。例えば、少なくとも一つの整合素子は、可変キャパシタおよび可変インダクタの少なくとも一方を含んでいればよい。以下、図7A~7Eを用いて、変形例の整合器を説明する。
[0098]
 図7Aは、第1変形例の整合器40aを含む回路モデルを示す概略図である。図7Aに示すように、整合器40aは、可変キャパシタVC11、インダクタL11およびキャパシタC11を有する。整合器40aでは、可変キャパシタVC11が整合素子として使用される。
[0099]
 可変キャパシタVC11は、例えば、真空可変キャパシタである。可変キャパシタVC11は、第1電極11に直列に接続される。キャパシタC11は、可変キャパシタVC11と高周波電源30とに直列に接続される。インダクタL11は、第1電極11に並列に接続される。
[0100]
 制御部60は、可変キャパシタVC11の電気容量を変化させる。これにより、整合器40aは、加熱室13と高周波電源30とのインピーダンス整合を行う。
[0101]
 図7Bは、第2変形例の整合器40bを含む回路モデルを示す概略図である。図7Bに示すように、整合器40bは、可変キャパシタVC21、可変キャパシタVC22、インダクタL21、インダクタL22を有する。整合器40bでは、可変キャパシタVC21、VC22が整合素子として使用される。
[0102]
 可変キャパシタVC21、VC22は、例えば、真空可変キャパシタである。可変キャパシタVC21は、第1電極11に直列に接続される。可変キャパシタVC22は、第1電極11に並列に接続される。インダクタL21は、可変キャパシタVC21と第1電極11とに直列に接続される。インダクタL22は、可変キャパシタVC21と高周波電源30とに直列に接続される。
[0103]
 制御部60は、可変キャパシタVC21およびVC22の少なくとも一方の電気容量を変化させる。これにより、整合器40bは、加熱室13と高周波電源30とのインピーダンス整合を行う。
[0104]
 図7Cは、第3変形例の整合器40cを含む回路モデルを示す概略図である。図7Cに示すように、整合器40cは、可変キャパシタVC31、インダクタL31、L32、L33を有する。整合器40cでは、可変キャパシタVC31が整合素子として使用される。
[0105]
 可変キャパシタVC31は、例えば、スイッチトキャパシタ(Switched capacitor)である。スイッチトキャパシタは、並列に接続された複数のキャパシタと、それぞれが各キャパシタに直列に接続された複数のスイッチとを有する。複数のスイッチにより複数のキャパシタの接続を切り替えると、スイッチトキャパシタの電気容量が変化する。
[0106]
 可変キャパシタVC31は、第1電極11に直列に接続される。インダクタL31は、高周波電源30と可変キャパシタVC31とに直列に接続される。インダクタL32およびインダクタL33は、第1電極11に並列に接続される。インダクタL32、L33は、互いに並列に接続される。
[0107]
 制御部60は、スイッチトキャパシタの複数のキャパシタの接続を切り替えることにより、可変キャパシタVC31の電気容量を変化させる。これにより、整合器40cはインピーダンス整合を行う。
[0108]
 図7Dは、第4変形例の整合器40dを含む回路モデルを示す概略図である。図7Dに示すように、整合器40dは、可変インダクタVL41、キャパシタC41、インダクタL41、L42を有する。整合器40dでは、可変インダクタVL41が整合素子として使用される。
[0109]
 可変インダクタVL41は、並列に接続された複数のインダクタと、それぞれが各インダクタに直列に接続された複数のスイッチとを有する。複数のスイッチにより複数のインダクタの接続を切り替えると、可変インダクタVL41のインダクタンスが変化する。
[0110]
 可変インダクタVL41は、第1電極11に直列に接続される。キャパシタC41は、高周波電源30と可変インダクタVL41とに直列に接続される。インダクタL41、インダクタL42は、第1電極11に並列に接続される。インダクタL41、L42は、互いに並列に接続される。
[0111]
 制御部60は、複数のインダクタの接続を切り替えることによって、可変インダクタVL41のインダクタンスを変化させる。これにより、整合器40dはインピーダンス整合を行う。
[0112]
 図7Eは、第5変形例の整合器40eを含む回路モデルを示す概略図である。図7Dに示すように、整合器40eは、可変キャパシタVC51、インダクタL51、L52を有する。整合器40eでは、可変キャパシタVC51が整合素子として使用される。
[0113]
 可変キャパシタVC51は、例えば、スイッチトキャパシタである。可変キャパシタVC51は、第1電極11に並列に接続される。インダクタL51、インダクタL52は、高周波電源30と可変キャパシタVC51とに直列に接続される。インダクタL51、L52は、第1電極11に直列に接続される。インダクタL51、L52は、互いに並列に接続される。
[0114]
 制御部60は、スイッチトキャパシタの複数のキャパシタの接続を切り替えることによって、可変キャパシタVC51の電気容量を変化させる。これにより、整合器40eはインピーダンス整合を行う。
[0115]
 整合器40a~40eを有する高周波加熱装置は、高周波加熱装置1と同様の効果を得ることができる。
[0116]
 本実施の形態では、制御部60は、整合素子の整合定数における時間変化率が所定の閾値以下である場合、高周波電源30を停止させて加熱を終了させる。しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、制御部60は、20秒以上、または、加熱を行っている時間の1/10以上の間、整合定数に変化がない場合、高周波電源30を停止させてもよい。これにより、加熱終了をより正確に判定することができる。
[0117]
 本実施の形態では、制御部60は、整合素子の整合定数における時間変化から加熱の終了時間を推定し、当該終了時間よりも早く高周波電源30を停止させてもよい。例えば、加熱の終了時間は、整合定数の時間変化から最小二乗法などによって推定してもよい。
[0118]
 これにより、加熱対象物90の加熱状態を制御することができる。例えば、加熱対象物90が完全に解凍される前に加熱を終了させて、加熱対象物90を扱い易い状態に仕上げることができる。

産業上の利用可能性

[0119]
 本開示に係る高周波加熱装置は、例えば、解凍機などの調理機器に適用可能である。

符号の説明

[0120]
 1 高周波加熱装置
 11 第1電極
 12 第2電極
 13 加熱室
 20 位置調整部
 30 高周波電源
 31 高周波発振器
 32、33 増幅器
 40、40a、40b、40c、40d、40e 整合器
 50 検出部
 60 制御部
 90 加熱対象物

請求の範囲

[請求項1]
 加熱対象物を収容するように構成された加熱室と、
 電極と、
 前記電極に高周波電圧を印加するように構成された高周波電源と、
 可変の整合定数を有する少なくとも一つの整合素子を含む整合器と、
 前記少なくとも一つの整合素子の前記整合定数における時間変化に基づいて、前記高周波電源を停止させて加熱を終了させるように構成された制御部と、を備えた高周波加熱装置。
[請求項2]
 前記少なくとも一つの整合素子が、可変の電気容量を有する可変キャパシタ、可変のインダクタンスを有する可変インダクタの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項3]
 前記少なくとも一つの整合素子が、複数のキャパシタを含み、
 前記整合器が、前記複数のキャパシタの接続を切り替えることによって、前記整合定数を変化させる、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項4]
 前記少なくとも一つの整合素子が、複数のインダクタを含み、
 前記整合器が、前記複数のインダクタの接続を切り替えることによって、前記整合定数を変化させる、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項5]
 前記整合器が、前記電極に直列に接続される少なくとも一つの整合素子と、前記電極に並列に接続される少なくとも一つの整合素子と、を有する、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項6]
 前記少なくとも一つの整合素子が、前記電極に直列に接続された、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項7]
 前記少なくとも一つの整合素子が、前記電極に並列に接続された、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項8]
 前記整合器が、加熱開始から終了まで前記少なくとも一つの整合素子の前記整合定数を変化させて、前記電極から前記高周波電源への反射波を抑制する、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項9]
 前記制御部が、前記整合定数における時間変化率が所定の閾値以下の場合、前記高周波電源を停止させる、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項10]
 前記制御部は、20秒以上、または、加熱を行っている時間の1/10以上の間、前記整合定数に変化がない場合、前記高周波電源を停止させる、請求項1に記載の高周波加熱装置。
[請求項11]
 前記制御部は、前記整合定数の時間変化から加熱の終了時間を推定し、前記終了時間よりも早く前記高周波電源を停止させるように構成された、請求項1に記載の高周波加熱装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7A]

[ 図 7B]

[ 図 7C]

[ 図 7D]

[ 図 7E]