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1. WO2020110343 - ケーブル接続構造の製造方法およびケーブル接続構造

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明 細 書

発明の名称 ケーブル接続構造の製造方法およびケーブル接続構造

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008  

課題を解決するための手段

0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

符号の説明

0066  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10A   10B   10C   10D   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : ケーブル接続構造の製造方法およびケーブル接続構造

技術分野

[0001]
 本発明は、基板の電極端子に電気ケーブルを接合するケーブル接続構造の製造方法、および、基板の電極端子に電気ケーブルが接合されたケーブル接続構造に関する。

背景技術

[0002]
 基板の電極端子に電気ケーブルを接合する方法として、半田接合および超音波接合が広く使用されている。半田接合では、接合界面に低融点金属が配設され加熱処理が行われる。超音波接合では、例えば、ともに金からなる接合面が圧着された状態において超音波振動が印加される。なお、半導体分野では、表面活性化接合法も使用されている。表面活性化接合法では、両方の接合面に対してプラズマ処理等が行われることによって、酸化層および吸着物等が真空中において除去されてから直ちに接合面が圧着される。
[0003]
 しかし、半田接合では基板にも熱が印加される。このため、すでに基板に配設されている電子部品の信頼性が低下するおそれがある。超音波接合では、金等の自然酸化層が形成されない高価な貴金属を接合面に配設する必要がある。すなわち、自然酸化層は、例えば、厚さが0.1μm以下の不動態膜であっても接合の妨げとなる。一方、表面活性化接合法では、2つの接合面は、隙間無く密着することのできる平坦面である必要があり、かつ、真空中における処理であるために、電気ケーブルの接合には適していない。
[0004]
 日本国特開2012-151183号公報には、低周波ボンディング装置が開示されている。上記装置では、電極端子に対して、金属バンプが周波数5~100Hzの条件において周回運動する。
[0005]
 しかし、上記ボンディング方法でも、銅からなるバンプには金めっきが成膜されている。
[0006]
 このため、安価であり接合信頼性の高いケーブル接続構造の製造方法、および、安価であり接合信頼性の高いケーブル接続構造が希望されていた。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2012-151183号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 本発明の実施形態は、安価であり接合信頼性の高いケーブル接続構造の製造方法、および、安価であり接合信頼性の高いケーブル接続構造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明の実施形態のケーブル接続構造の製造方法は、芯線の端面が露出した電気ケーブルの前記端面が第1の電極によって覆われるともに、端子が主面に露出した基板の前記端子が第2の電極によって覆われる電極配設工程と、ビッカース硬度が略同じ前記第1の電極と前記第2の電極とが、第1の圧力、第1の振幅において、こすれあうことによって、ともに塑性変形する第1のスクラビング工程と、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記第1の圧力よりも小さい第2の圧力、前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅において、こすれあう第2のスクラビング工程と、前記第1の圧力よりも高い第3の圧力において、前記第1の電極と前記第2の電極とが接合される接合工程と、を具備する。
[0010]
 本発明の実施形態のケーブル接続構造は、芯線の端面が露出した電気ケーブルと、前記端面を覆う第1の電極と、端子が主面に露出した基板と、前記第1の電極と他部材を間にはさむことなく接合されている、前記端子を覆う第2の電極と、を具備し、前記第1の電極のビッカース硬度と前記第2の電極のビッカース硬度が略同じであり、かつ、前記第2の電極には、前記第1の電極との接合領域を囲むリング状の凸部が形成されている。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、安価であり接合信頼性の高いケーブル接続構造の製造方法、および、安価であり接合信頼性の高いケーブル接続構造を提供できる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 実施形態のケーブル接続構造を説明する断面図である。
[図2] 図1の部分拡大図である。
[図3] 実施形態のケーブル接続構造を説明する分解図である。
[図4] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法のフローチャートである。
[図5] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する図である。
[図6] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する断面図である。
[図7] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する断面図である。
[図8] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する断面図である。
[図9] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する断面図である。
[図10A] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する平面模式図である。
[図10B] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する平面模式図である。
[図10C] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する平面模式図である。
[図10D] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する平面模式図である。
[図11] 実施形態のケーブル接続構造の製造方法を説明する断面図である。
[図12] 実施形態のケーブル接続構造の接合方法を説明する平面模式図である。
[図13] 実施形態の変形例のケーブル接続構造の製造方法を説明する平面模式図である。
[図14] 銅めっき膜の硬度変化を示す図である。

発明を実施するための形態

[0013]
<第1実施形態>
 図1~図3に示すように、本実施形態のケーブル接続構造1は、複数の電気ケーブル10と、複数の第1の電極20と、基板30と、複数の第2の電極40と、ケーブル固定部50と、を具備する。
[0014]
 なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、夫々の部分の厚さの比率および相対角度などは現実のものとは異なる。図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、一部の構成要素の図示および符号の付与を省略する場合がある。
[0015]
 電気ケーブル10は、導体からなる芯線11と、芯線11を覆う被覆層12と、を有する。芯線11の端面10SAは、被覆層12に覆われておらず露出している。ケーブル固定部50は複数の電気ケーブル10のそれぞれを所定の配置状態に固定している。端面10SAは、ケーブル固定部50の前面50SAに露出している。言い方を変えれば、前面50SAは複数の端面10SAが露出している面である。前面50SAに配設されている複数の第1の電極20のそれぞれは、複数の端面10SAのそれぞれを覆っている。
[0016]
 なお、電気ケーブル10がシールド線を含むシールドケーブルの場合には、シールド線も端面10SAが前面50SAに露出する状態になるように、ケーブル固定部50は構成されている(例えば、日本国特許6371414号公報参照)。
[0017]
 一方、基板30の主面30SAには、複数の端子31が露出している。導体からなる複数の端子31のそれぞれは、例えば、複数の貫通配線32のそれぞれと接続されている電極端子である。主面30SAに配設されている複数の第2の電極40のそれぞれは、複数の端子31のそれぞれを覆っている。
[0018]
 図示しないが、基板30の主面30SAの表面配線の一部である端子が第2の電極40に覆われていてもよい。端子を構成している配線は、例えば、側面配線を経由して主面30SAと対向する裏面30SBまで延設されている。
[0019]
 第1の電極20および第2の電極40は共に電気銅めっき膜からなる。銅は常温常圧の大気中において自然酸化層が形成される特性を有する金属である。このため、接合前の第1の電極20および第2の電極40の表面は酸化層に覆われている。
[0020]
 発明者は、特別な接合面の組み合わせであれば、酸化層が形成された金属からなる2つの電極であっても、両者の接合面を圧着しながら相対位置を移動する摺動処理を行うことによって、他部材を間にはさむことなく接合されることを見出した。摺動処理は、両者の接合面が、こすれあうスクラビング処理である。
[0021]
 後述するように、本実施形態の製造方法は、条件の異なる2段階のスクラビング処理(第1のスクラビング工程と第2のスクラビング工程)を含む。スクラビング処理では、第2の電極40よりも小さい第1の電極20が、第2の電極40の中を、例えば、円を描くように移動する。スクラビング処理の圧力によって第1の電極20および第2の電極40は塑性変形する。そして、スクラビング処理の振幅、すなわち、摺動円の大きさは小さくなっていくために、第2の電極40の接合面40SAには、第1の電極20との接合領域を囲むリング状の凸部41が塑性変形によって形成されている。
[0022]
 ケーブル接続構造1は、高価な金を用いることがないため、安価である。また、第1の電極20の接合面の金属銅と、第2の電極40の接合面の金属銅とは、他部材を間にはさむことなく接合されているため、ケーブル接続構造1は、接合信頼性が高い。
[0023]
<ケーブル接続構造の製造方法>
 図4に示すフローチャートにそってケーブル接続構造の製造方法を説明する。図5は、ケーブル接続構造の製造方法の処理条件の時間変化を示している。
[0024]
<ステップS10>電極配設工程
 図6に示すように、芯線11の端面である電気ケーブル10の端面10SAが第1の電極20によって覆われる。なお、複数の芯線11の端面10SAは、ケーブル固定部50によって、所定配置位置に固定されている。
[0025]
 ケーブル固定部50は複数の電気ケーブル10を効率的に接合するために有効である。例えば、芯線11が被覆層12から突出している複数の電気ケーブル10が、所定配置された状態において、樹脂に埋め込まれる。そして、1面を研削加工または研磨加工することによって研磨面(前面50SA)に複数の電気ケーブル10の端面10SAが露出したケーブル固定部50を作製できる。もちろん、ケーブル固定部50を用いないで、冶具で把持した1本の電気ケーブル10と1つの端子31とを接合する工程を繰り返してもよい。
[0026]
 一方、端子31が主面30SAに露出した基板30の端子31が、第2の電極40によって覆われる。
[0027]
 第1の電極20および第2の電極40とは同じ硫酸銅電気めっき浴を用い、同じ日に同一条件で成膜を行った。めっき膜は等方成長する。このために、例えば、直径が40μmの芯線11の端面10SAに厚さ30μmの第1の電極20を成膜すると、第1の電極20は、外径100μmの略半球状の凸形状となる。なお、第2の電極40は、端子31の面積が、芯線11の面積と比べると大きいため、等方成長しても平面状になる(図6参照)。
 なお、ケーブル接続構造1とは逆に、第1の電極20の接合面が平面であり、第2の電極40が凸形状でもよい。また、第2の電極40は接合面が正方形であるが、第1の電極20が摺動可能な広さがあれば、円形等であってもよい。
[0028]
 第1の電極20のビッカース硬度Hv20は、100であった。これに対して、第2の電極40のビッカース硬度Hv40は90であり、ビッカース硬度Hv20と略同じであった。ビッカース硬度Hvは、マイクロビッカース硬度試験(JIS-Z2244)に準じた方法を用い、加重1gにて室温(25℃)において評価した。
[0029]
<ステップS20>第1のスクラビング工程
 第1のスクラビング工程は、第1のレベリング工程21および第2のレベリング工程22とからなる。第1の電極20と第2の電極40とは面積が異なり、面積が小さい電極である第1の電極20は、面積が大きい電極である第2の電極40の内に配置されている。
[0030]
 図5および図7に示すように、第1のレベリング工程21では、常温(25℃)、湿度60%にて、第1の電極20と第2の電極40とが当接し、接合面に圧力P1が印加される。
[0031]
 略半球状の第1の電極20が、第2の電極40の平面に当接しても、両者が塑性変形しないと、第1の電極20の頂点付近の狭い領域しか、第2の電極40と当接しない。
[0032]
 これに対して、ビッカース硬度Hvが略同じ第1の電極20および第2の電極40は、圧力P1が印加されると、ともに塑性変形する。第1の電極20が第2の電極40に当接すると、第1の電極20は、第2の電極40にめり込み、高さが低くなる。第2の電極40は第1の電極20との当接面の外周が盛り上がる。
[0033]
 そして、図8および図9に示すように、第1の電極20と第2の電極40とが、第1の圧力P1が維持された状態で、こすれあいながら、第1の電極20が第2の電極40に対して円を描くように相対位置が変化する。
[0034]
 例えば、図10A~図10Dに示すように、第1の電極20の接合面20SAを、第2の電極40の接合面40SAに、第2の電極40の中心C40を中心に、第1の電極20の中心C20が円を描くように、移動する。すなわち、第1の電極20は第2の電極40に当接しながら周波数F1で回転する。図5に示すように、第1のレベリング工程21では、振幅は、W1AからW1Bへと減少する。
[0035]
 このため、図11に示すように、塑性変形によって盛り上がった部分によって、第2の電極40には、リング状の凸部41が形成される。第1のレベリング工程S21において、振幅を、W1AからW1Bへと減少することによって、第1のレベリング工程S21で生じた第2の電極40の変形部外縁であるリング状の凸部41と、第1の電極20とが接触しない範囲において、第2のレベリング工程S22が行われる。
[0036]
 第2のレベリング工程22では、第1の電極20および第2の電極40は、圧力はP1、振幅はW1Aよりも小さいW1Bに保持される。
[0037]
 めっき膜である第1の電極20および第2の電極40の表面には、平滑度を劣化する微少な凹凸がある。図8および図9に示すように、両者が塑性変形しながら、こすれあう第1のスクラビング工程S20において微少凹凸が消失し、第1の電極20の接合面は平面となり、第2の電極40のリング状の凸部41の内部にも平面が形成される。同時に、電極の表面の酸化層が剥離され、電極内部の金属銅が表面に露出する。
[0038]
<ステップS30>第2のスクラビング工程
 第1の電極20と第2の電極40とが、第1の圧力P1よりも小さい第2の圧力P2、第1の振幅W1Bよりも小さい第2の振幅W2において、こすれあう。第2のスクラビング工程では、圧力は、第2の圧力P2から更に小さい圧力に減少していく。振幅も、W1Bよりも小さい振幅W2に減少していく。周波数も第1の周波数F1によも小さい第2の周波数F2に減少していく。
[0039]
 第2のスクラビング工程は、第1の電極20の表面および第2の電極40の表面が、比較的小さな圧力において、塑性変形することなく、こすれあうことによって、さらに凹凸が小さくなるポリッシング工程である。
[0040]
 第1のスクラビング工程において表面に露出した金属銅には短時間であっても薄い酸化層が形成される。第2のスクラビング工程においては第1の電極20および第2の電極40の表面の薄い酸化層が除去される。
[0041]
<ステップS40>接合工程
 図12に示すように、最後に、第1の圧力P1よりも高い第3の圧力P3が印加されることによって、第1の電極20と第2の電極40とが接合される。なお、最後の周回では、第1の電極20の中心C20は第2の電極40の中心C40に位置していていることが好ましい。
[0042]
 本実施形態の製造方法では、第1のスクラビング工程において、第1の電極20と第2の電極40との接合面積が増加し、第2のスクラビング工程において効率的に表面の酸化層が除去され、接合工程において、金属と金属との接合が得られる。
[0043]
 本実施形態の製造方法によれば、安価であり接合信頼性の高いケーブル接続構造を製造できる。
[0044]
 上記説明では、図10A~図11に示したように、第1の電極20と第2の電極40とは、相対位置が円形、厳密には振幅が変化している場合には、渦巻きを描くように移動した。しかし、第1の電極20と第2の電極40とは、例えば、図13に示すような、リサージュ図形を描くように移動してもよい。リサージュ図形とは、お互いに直交する2つの単振動で得られる点の軌跡の図形をいう。
[0045]
 なお、接合界面に酸化層が残存する可能性を、より排除するためには、第2のスクラビング工程および接合工程は、不活性雰囲気中、例えば、窒素雰囲気中で行われることが好ましい。
[0046]
 ここで、共に銅めっき膜からなる第1の電極20と第2の電極40とが接合できない場合があった。
[0047]
 第1の電極20と第2の電極40とが接合できなかった場合には、第1の電極20のビッカース硬度Hv20が、180であり、第2の電極40のビッカース硬度Hv40が90であった。ビッカース硬度Hvに硬度差Hv-Δが生じたのは、成膜後の経過日数が違うためであった。
[0048]
 すなわち、電気銅めっき膜は、成膜後、室温においても、結晶粒径および硬度が変化するセルフアニールが発生する。図14に示すように、成膜直後および3日経過後の銅めっき膜のビッカース硬度Hvは、180であった。これに対して、7日経過後の銅めっき膜のビッカース硬度Hvは、90であった。
[0049]
 第1の電極20と第2の電極40とは接合できなかった場合には、第1の電極20は成膜後、3日以内であり、第2の電極40は成膜後7日以上経過していた。
[0050]
 さらに、銅めっき膜は、めっき浴の組成、成膜条件によっても硬度が大きく変化する。すなわち、銅めっき膜は、銅以外の微量元素、例えば、炭素、硫黄、および水素を含み、微量元素の含有量によっても硬度が変化する。
[0051]
 しかし、第1の電極20と第2の電極40とが、ビッカース硬度Hvが略同じであれば、摺動処理によって、接合面が平面となり、かつ、酸化層が除去されるために、金属銅と金属銅とからなる接合信頼性の高い接合界面が得られる。
[0052]
 ビッカース硬度Hvが略同じとは、第1の電極20のビッカース硬度Hv20と第2の電極40のビッカース硬度Hv40の算術平均Hv-aveと、ビッカース硬度Hv20(ビッカース硬度Hv40)との硬度差Hv-Δが、算術平均Hv-aveの30%以内であり、好ましくは10%以内である。
[0053]
 例えば、接合されたケーブル接続構造1では、ビッカース硬度Hv20が100であり、ビッカース硬度Hv40が90であるため、算術平均Hv-aveは、95であり、硬度差Hv-Δは、5 (算術平均Hv-aveの5.2%)である。これに対して、接合できなかったケーブル接続構造では、ビッカース硬度Hv20が180であり、ビッカース硬度Hv40が90であるため、算術平均Hv-aveは、135であり、硬度差Hv-Δは、90 (算術平均Hv-aveの67%)である。
[0054]
 第1の電極20と第2の電極40の硬度が異なると、軟らかい接合面の酸化層は除去されるが、硬い接合面の酸化層は除去されないため、接合されない。
[0055]
 本実施形態のケーブル接続構造の製造方法では、摺動によって第1の電極20および第2の電極40の接合面が共に塑性変形することによって、表面の凹凸の消失による接合面積の増加、および、酸化層の除去が促進される。
[0056]
 このため、第1の電極20および第2の電極40は、ともに、ビッカース硬度Hvが50超200未満であることが好ましい。ビッカース硬度Hvが前記範囲以下では、接合面が大きく変形しすぎるため、良好な接合を得ることが容易ではない。ビッカース硬度Hvが前記範囲以上では、変形が不十分であるため、レベリングおよび酸化層の除去が容易ではない。
[0057]
 なお、接合条件(圧力、周波数、振幅、時間)は、電極のサイズ、数、および材料等により適宜選択される。例えば、高さ30μmの略半球状の銅めっき膜からなる第1の電極20を、100μm角の第2の電極40に接合する場合、P1=10kPa、F1=15Hz、W1A=50μmであり、合計処理時間は1.5秒程度である。第1の電極20と第2の電極40との接合面は直径40μmの円形であり、第2の電極40には70μmのリング状の凸部41が形成される。
[0058]
 なお、以上の説明は、電気銅めっき膜からなる2つの電極が接合されたケーブル接続構造1であった。しかし、実施形態のケーブル接続構造は、2つの電極の少なくともいずれかが、例えば、無電解銅めっき膜、銅蒸着膜、銅スパッタ膜、または、圧延銅箔であってもよい。例えば、圧延銅箔からなる第1の電極と無電解銅めっき膜からなる第2の電極とを有するケーブル接続構造であっても、ビッカース硬度が略同じであれば、接合できる。
[0059]
 また、第1の電極20および第2の電極40の少なくともいずれかは、銅を50重量%以上含む、銅を主成分とする金属、例えば、CuNi、CuSn、またはCuBeであってもよい。例えば、セルフアニール後においても、ビッカース硬度Hvが190のCu-15重量%Sn電気めっき膜を第1の電極20として用いることによって、第1の電極20を、めっき直後の電気銅めっき膜(ビッカース硬度Hv=180)からなる第2の電極40と接合することができる。銅を主成分とする金属は安価で、かつ、本発明による接合が容易である。
[0060]
 なお、基板30の主面30SAの端子31が銅からなりビッカース硬度が、第1の電極20と略同じであれば、第1の電極と接合できる。この場合には、端子31は第2の電極の一部と見なす。
[0061]
 また、例えば、基板30の主面30SAの端子31、および、電気ケーブル10の芯線11が、ともに、ビッカース硬度が50超200未満の場合では、端子31と芯線11とは他部材を間にはさむことなく、接合される。この場合には、芯線11の端面10SAを第1の電極の一部と見なし、端子31を第2の電極の一部と見なす。
[0062]
 端子31および芯線11のビッカース硬度Hvも、経時変化する可能性がある。略同じ硬度の硬度調整層である第1の電極20および第2の電極40を具備するケーブル接続構造であれば、端子31および芯線11のビッカース硬度Hvに関係なく、接合することができる。
[0063]
 なお、第1の電極20および第2の電極40は、銅を主成分とする金属に限られるものではなく、大気中で自然酸化層が形成される特性を有する金属、例えば、SnまたはAlを主成分とする金属であっても、ビッカース硬度が略同じであれば、他部材を間にはさむことなく、接合されることは、明らかである。さらに、第1の電極20および第2の電極40は、ビッカース硬度が50超200未満であることが好ましいのは、銅を主成分とする電極と同じである。
[0064]
 本発明は、上述した実施形態および変形例等に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせおよび応用が可能である。
[0065]
 本出願は、2018年11月27日に出願された国際特許出願PCT/JP2018/043577号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。

符号の説明

[0066]
1・・・ケーブル接続構造
10・・・電気ケーブル
10SA・・・端面
11・・・芯線
11SA・・・端面
12・・・被覆層
20・・・第1の電極
30・・・基板
31・・・端子
32・・・貫通配線
40・・・第2の電極
40SA・・・接合面
41・・・凸部
50・・・ケーブル固定部

請求の範囲

[請求項1]
 芯線の端面が露出した電気ケーブルの前記端面が第1の電極によって覆われるともに、端子が主面に露出した基板の前記端子が第2の電極によって覆われる電極配設工程と、
 ビッカース硬度が略同じ前記第1の電極と前記第2の電極とが、第1の圧力、第1の振幅において、こすれあうことによって、ともに塑性変形する第1のスクラビング工程と、
 前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記第1の圧力よりも小さい第2の圧力、前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅において、こすれあう第2のスクラビング工程と、
 前記第1の圧力よりも高い第3の圧力において、前記第1の電極と前記第2の電極とが接合される接合工程と、を具備することを特徴とするケーブル接続構造の製造方法。
[請求項2]
 前記第1のスクラビング工程および前記第2のスクラビング工程において、前記第1の電極と前記第2の電極とは、相対位置が、円形、または、リサージュ図形を描くように移動することを特徴とする請求項1に記載のケーブル接続構造の製造方法。
[請求項3]
 前記第1の電極および前記第2の電極が、銅を主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル接続構造の製造方法。
[請求項4]
前記第2のスクラビング工程および前記接合工程が、不活性雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のケーブル接続構造の製造方法。
[請求項5]
 前記電極配設工程において、複数の電気ケーブルのそれぞれの前記端面が、それぞれの前記第1の電極によって覆われ、前記基板の複数の端子のそれぞれが、それぞれの前記第2の電極によって覆われ、
 前記接合工程において、複数の第1の電極のそれぞれと、複数の第2の電極のそれぞれとが接合されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーブル接続構造の製造方法。
[請求項6]
 前記電極配設工程において、前記複数の電気ケーブルのそれぞれの前記芯線は、ケーブル固定部によってそれぞれの前記端面が、所定配置位置に固定されていることを特徴とする請求項5に記載のケーブル接続構造の製造方法。
[請求項7]
 芯線の端面が露出した電気ケーブルと、
 前記端面を覆う第1の電極と、
 端子が主面に露出した基板と、
 前記第1の電極と他部材を間にはさむことなく接合されている、前記端子を覆う第2の電極と、を具備し、
 前記第1の電極のビッカース硬度と前記第2の電極のビッカース硬度が略同じであり、かつ、前記第2の電極には、前記第1の電極との接合領域を囲むリング状の凸部が形成されていることを特徴とするケーブル接続構造。
[請求項8]
 前記第1の電極および前記第2の電極が、銅を主成分とすることを特徴とする請求項7に記載のケーブル接続構造。
[請求項9]
 複数の電気ケーブルと、複数の第1の電極と、複数の端子が露出した基板と、複数の第2の電極と、を具備し、
 複数の芯線の端面を所定配置位置に固定しているケーブル固定部を更に具備することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のケーブル接続構造。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 10C]

[ 図 10D]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]