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1. WO2020110311 - 燃料遮断ユニット取り付け構造

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明 細 書

発明の名称 燃料遮断ユニット取り付け構造

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

図面の簡単な説明

0024  

発明を実施するための形態

0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

符号の説明

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 燃料遮断ユニット取り付け構造

技術分野

[0001]
 本発明は、燃料遮断ユニット取り付け構造に関する。

背景技術

[0002]
 鞍乗型車両の燃料タンクには、タンク内に充満したガソリン蒸気を逃しつつ、車体が所定以上傾いた場合や転倒した場合に燃料漏れを防止するためのバルブ装置(ロールオーバーバルブ)が設けられている。このようなバルブ装置を燃料タンクに取り付ける工程では、作業性を向上させつつバルブ装置を確実に取り付けることが求められる。特許文献1には、タンクにフロートバルブを取り付ける技術が開示されている。この取り付け方法によれば、燃料タンク内部に取り付けられるフロートバルブのフランジ部がホルダとカバー部材の間に配置されて締め付けられ、フロートバルブが燃料タンクに固定される。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2006-161740号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、特許文献1に記載された技術によれば、フロートバルブを燃料タンクに締め付けて取り付ける構造において用いられる部品の数が多くなるという課題がある。
[0005]
 本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、構造を簡略化し、取り付けを簡便に且つ確実に行うことができる燃料遮断ユニットの取り付け構造を提供することを目的の一つとする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、鞍乗型車両(1)の燃料タンク(31)に設けられ、揮発燃料を外部に排出するブリーザ通路(114)を備えると共に、液体燃料の流出を遮断するためのバルブ装置(50)を備える燃料遮断ユニット(U)の取り付け構造であって、前記燃料遮断ユニット(U)は、前記燃料タンク(31)への取り付け時に燃料タンク内部に挿入される嵌合部(U2)と、前記燃料タンクの外部に位置するユニット外部(U1)とからなる収容容器(100)を備え、前記嵌合部(U2)には、前記燃料タンク(31)への取り付け時の位置決めのための第1係止部(105)が形成され、前記燃料タンク(31)には、前記嵌合部(U2)が挿入されるように内外に貫通する貫通孔(C)が形成され、前記貫通孔(C)の周縁部(C2)には、前記第1係止部(105)を前記燃料タンクの内側から係合させて前記燃料遮断ユニット(U)を固定するための第2係止部(F)が設けられていることを特徴とする、燃料遮断ユニット取り付け構造である。
[0007]
 請求項2に記載した発明は、前記収容容器(100)には、前記貫通孔(C)よりも大きい径で形成された固定台座(103)が備えられ、前記固定台座(103)と前記燃料タンク(31)との間には第1弾性部材(D)が設けられているようにしてもよい。
[0008]
 請求項3に記載した発明は、前記周縁部(C2)には、前記燃料タンク(31)内部方向に突出して形成された筒状の内壁部(C1)が設けられ、前記内壁部(C1)には、前記第2係止部(F)が形成されているようにしてもよい。
[0009]
 請求項4に記載した発明は、前記第1係止部(105)は、前記収容容器(100)の表面から突出するように形成され、前記内壁部(C1)は、平面視で前記第1係止部(105)の外径よりも小さい径で形成され、前記第2係止部(F)は、前記内壁部(C1)において前記第1係止部(105)が係合するように形成されているようにしてもよい。
[0010]
 請求項5に記載した発明は、前記第2係止部(F)には、切欠き部(F1)が形成され、前記切欠き部(F1)は、前記貫通孔(C)の径方向において前記第1係止部(105)よりも径が大きくなるように切り欠かれているようにしてもよい。
[0011]
 請求項6に記載した発明は、前記収容容器(100)の外周面には周方向に沿って周壁部(103E)が形成され、前記周壁部(103E)と前記内壁部(C1)との間には、第2弾性部材(W)が備えられるようにしてもよい。
[0012]
 請求項7に記載した発明は、前記貫通孔(C)には階段状の段差部(Q)が形成され、前記段差部(Q)には、前記燃料タンク(31)の外壁の上面側から下方に突出した筒状の上下壁(Q1)と、前記上下壁の下端から水平方向に前記貫通孔(C)の内側に向かって突出した円環状の水平壁(Q2)とが形成され、前記上下壁(Q1)と前記水平壁(Q2)との間には、前記第2弾性部材(W)が配置されるようにしてもよい。
[0013]
 請求項8に記載した発明は、前記第1係止部(105)は、周方向に沿って3個以上形成されているようにしてもよい。
[0014]
 請求項9に記載した発明は、前記燃焼遮断ユニット(U)が燃料タンク(31)の頂部に配置されるようにしてもよい。

発明の効果

[0015]
 請求項1に記載した発明によれば、燃料遮断ユニットが第1係止部と第2係止部との協働により燃料タンクに固定されることにより、組付けに要する工数を削減しつつ、燃料遮断ユニットの燃料タンクに対する位置決めを確実に行うことができる。
[0016]
 請求項2に記載した発明によれば、第1弾性部材を用いることでシーリングをしつつ、燃料遮断ユニットの上下方向の位置決めをすることができる。
[0017]
 請求項3に記載した発明によれば、第2係止部が形成された筒状の内壁部が燃料タンク内部で突出して形成されていることにより、燃料遮断ユニットの燃料タンクに対する取り付け位置を低くすると共に、燃料遮断ユニットの外部突出量を抑えることができる。
[0018]
 請求項4に記載した発明によれば、第1係止部が第2係止部に上方向に当接し、燃料遮断ユニットの燃料タンクに対する上下方向で上下方向の位置決めをすると共に、確実に固定することができる。
[0019]
 請求項5に記載した発明によれば、燃料遮断ユニットを燃料タンクに対して上方向から嵌め合わせることができる。
[0020]
 請求項6に記載した発明によれば、燃料遮断ユニットを貫通孔に対する水平方向の位置決めを確実に行うと共に、燃料遮断ユニットと燃料タンクとの間の気密性を確実に確保することができる。
[0021]
 請求項7に記載した発明によれば、第2弾性部材の貫通孔に対する上下方向および周方向の位置決めを簡便且つ確実にすることができる。
[0022]
 請求項8に記載した発明によれば、燃料遮断ユニットを燃料タンクに対して確実に固定することができる。
[0023]
 請求項9に記載した発明によれば、燃料タンク内の揮発燃料を効率的に外へ排出することができる。

図面の簡単な説明

[0024]
[図1] 実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
[図2] 自動二輪車の平面図である。
[図3] 燃料遮断ユニットの取り付け構造を示す断面図である。
[図4] 燃料遮断ユニットの下面方向から見た斜視図である。
[図5] 燃料遮断ユニットの上面方向から見た斜視図である。
[図6] 燃料タンクの貫通孔の構成を示す斜視図である。
[図7] 燃料遮断ユニットの取り付け構造の分解斜視図である。
[図8] 爪部が係止部に係合する状態を示す斜視図である。
[図9] 燃料遮断ユニットの取り付け方法を示す斜視図である。

発明を実施するための形態

[0025]
 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、及び車両上方を示す矢印UPが示されている。
[0026]
<車両全体>
 図1及び図2は、鞍乗型車両の一例として、オフロードタイプの自動二輪車1を示す。自動二輪車1の前輪2は左右フロントフォーク3の下端部に軸支されている。左右フロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して車体フレーム5のヘッドパイプ6に操舵可能に支持されている。ステアリングステム4の上部には、バータイプのハンドル7が取り付けられている。
[0027]
 車体フレーム5は、ヘッドパイプ6、左右一対のメインチューブ8、左右一対のピボットフレーム9、単一のダウンフレーム11、左右一対のロアフレーム12、およびシートフレーム13を備える。
[0028]
 側面視で、ヘッドパイプ6は、後側ほど上方に位置するように傾斜して延在している。左右メインチューブ8は、ヘッドパイプ6の後上部から後下がりに後方へ延びている。左右メインチューブ8の後端部は、車体前後中間部において左右ピボットフレーム9の上端部に連なっている。単一のダウンフレーム11は、ヘッドパイプ6の後下部から左右メインチューブ8よりも急傾斜をなして斜め後下方へ延びている。
[0029]
 左右ロアフレーム12は、ダウンフレーム11の下端部から左右に分岐して斜め後下方へ延びている。左右ロアフレーム12の下部は、後方へ湾曲している。左右ロアフレーム12の後部は、左右ピボットフレーム9の下端部に接続されている。シートフレーム13は、左右メインチューブ8の後部に接続されている。
[0030]
 車体フレーム5は、ツインスパー型のクレードルフレームを構成している。車体フレーム5の内側部には、自動二輪車1の原動機であるエンジン21が搭載されている。本実施形態で用いる「中間」とは、対象の両端間の中央のみならず、対象の両端間の内側の範囲を含む意とする。
[0031]
 左右ピボットフレーム9の下部には、スイングアーム15の前端部(基端部)が上下揺動可能に支持されている。スイングアーム15の後端部には、自動二輪車1の後輪17が軸支されている。スイングアーム15の前下部には、リンク機構18を介してリアクッション(不図示)の下端部が連結されている。リアクッションの上端部は、左右メインチューブ8の後端部近傍の間に渡るクロスメンバ(不図示)に連結されている。
[0032]
 エンジン21は、車幅方向(左右方向)に平行なクランク軸を有する単気筒エンジンである。エンジン21の下部は、クランクケース22を構成している。クランクケース22の前上部には、シリンダ23が略垂直に立設している。
[0033]
 シリンダ23の後部には、エンジン吸気系のスロットルボディ(不図示)が接続されている。シリンダ23の前部には、エンジン排気系の排気管(不図示)が接続されている。クランクケース22の後部は、クラッチ及びトランスミッションを収容する変速機ケースを兼ねている。クランクケース22後部の左側部には、変速機の出力軸が突出している。出力軸と後輪17とは、チェーン式伝動機構19を介して連結されている。
[0034]
 シリンダ23の上方であって左右メインチューブ8の間には、燃料タンク31が設けられている。燃料タンク31は、ヘッドパイプ6後方に配置される。燃料タンク31は、頂部から前方に下方に傾き、後方に向かってなだらかに下方に傾くように形成されている。左右メインチューブ8後方であってシートフレーム13上には、シート24が設けられている。シート24は、前後に延在している。シート24の前部は、燃料タンク31の後部上面に支持されている。
[0035]
 図中符号25はステアリングステム4のボトムブリッジに支持されるフロントフェンダ、符号26はシート24の後方に延びるリアフェンダ、符号27はダウンフレーム11の両側方に配置される左右一対のラジエータ、符号28は燃料タンク31の側面から左右ラジエータ27の側面前方に至る範囲を覆う左右一対のシュラウド、をそれぞれ示す。
[0036]
<燃料遮断ユニット>
 上述した自動二輪車1は、燃料遮断ユニットUを備える。燃料遮断ユニットUは、燃料タンク31内の揮発燃料を外部に排出すると共に、液体燃料の流出を遮断するためのバルブ装置50を備える。
[0037]
 図3から図5に示されるように、燃料タンク31には、燃料遮断ユニットUが取り付けられる。バルブ装置50は、内部に充満した揮発燃料が大気に放出されるのを防止しつつ、車体が所定以上に傾いた場合や転倒した場合に燃料漏れを防止するように動作するバルブ機構を備える装置である。バルブ機構は、例えば、フロートバルブ51を備え、フロートバルブ51が燃料の液面に従って上下する。出願人は、例えば、特開2006-46136号公報等において燃料漏れを防止するためのバルブ装置を提案している。本実施形態のバルブ装置50は、既知のロールオーバーバルブと同様に構成されるため、ここでは詳細な説明を省略する。
[0038]
 燃料遮断ユニットU取り付け構造は、バルブ装置50が収容された収容容器100を燃料タンク31に固定するものである。燃料遮断ユニットUにおいて、ユニット外部U1は、燃料タンク31の外部に露出する領域であり、嵌合部U2は、燃料タンク31に内部に挿入されて燃料タンク31と嵌合する領域である。
[0039]
 燃料遮断ユニットUにおいて、収容容器100は、円柱状のバルブ装置50を収容する容器である。収容容器100は、バルブ装置50が収容される収容空間100S)が形成された円筒状の本体部101と、本体部101の上部の開口を塞ぐ蓋部110と、本体部101の下部の開口を塞ぐ底部120とを備える。燃料遮断ユニットUは、燃料タンク31の頂部に設けられた貫通孔Cに配置される。それにより燃料タンク31内の揮発燃料を効率的に外へ排出することができる。
[0040]
 蓋部110は、例えば、円筒状の側壁部111と側壁部111の上部の開口を塞ぐ円板状の頂板部112とを備える。側壁部111の上部には、外周面の一部から外方に向かって水平方向に突出した円柱状のパイプ取付部114が設けられている。パイプ取付部114には、例えば、ゴムパイプT(図1、図2参照)の一端が接続される。パイプ取付部114は、車両が急加減速した際に燃料タンク31内の燃料の上下動の影響を最も受けにくい位置に設けられている。
[0041]
 ゴムパイプTの他端は、例えば、チャコールキャニスター(不図示:以下、キャニスターと略す)に接続される。ゴムパイプTは、タンク内の揮発したガソリンと空気との混合気体(揮発燃料)をキャニスターに導く。即ち、パイプ取付部114は、燃料遮断ユニットUにおいて、燃料タンク31内の揮発燃料を外部に排出するブリーザ通路の一部となる。揮発燃料は、キャニスターに導かれた後、エンジン21の燃焼室近傍の吸気通路に戻され燃焼室で燃焼される。
[0042]
 本体部101の上部102は、蓋部110の下方から蓋部110の内部空間113に挿入され、蓋部110に嵌め込まれる。本体部101の上部102の外周には、周方向に沿ってOリングG等の弾性変形する弾性部材が嵌め込まれている。本体部101の上部102が蓋部110の内部空間113に嵌め込まれた状態で、OリングGは、本体部101の上部102の外周面と蓋部110の内壁面111Aとに挟持され、断面方向に潰れて本体部101と蓋部110とに密着する。
[0043]
 本体部101の下端101Aには、円形の開口101Bを塞ぐように底部120が嵌め込まれる。底部120の上面には、開口101Bの内径に係合するように上方に突出した円形の突出部120Aが形成されている。本体部101の内部空間101Sにバルブ装置50が挿入された後、本体部101に、蓋部110と底部120とが嵌め込まれ、燃料遮断ユニットUが組み立てられる。
[0044]
 本体部101の外周面101Cに沿って、燃料タンク31に取り付けるための固定台座103が形成されている。固定台座103は、例えば、本体部101において、側面視で蓋部110の下端と略同じ位置に形成されている。固定台座103は、例えば、平面視で円環状に形成されている。固定台座103は、燃料タンク31に形成された貫通孔Cよりも大きい径で本体部101の径方向の外方に向かって水平に突出するように形成されている。固定台座103には、複数の貫通孔103Hが周方向に沿って形成されている。
[0045]
 固定台座103の下面103A側には、本体部101と同心をなして下垂した円筒状の第1スカート103Dと、同様に下垂した円筒状の第2スカート103E(周壁部)とが形成されている。
[0046]
 固定台座103、第1スカート103D、および第2スカート103Eは、本体部101の射出成型時の型割りと本体部101の肉抜きを考慮されて形成されているものであり、肉抜き無しに本体部101に段差状に形成されていてもよいし、あるいは本体部101と別体の構成として設けられていてもよい。
[0047]
 第1スカート103Dは、本体部101の外周面の周方向に沿って形成されている。第1スカート103Dの下端部103D1は、取り付け時に貫通孔Cの開口部の縁Rに当接して、平面視で収容容器100の中心が貫通孔Cの中心と同心をなす位置となるように収容容器100を貫通孔Cの所定位置に案内する。
[0048]
 第1スカート103Dの内側には、更に、第2スカート103Eが形成されている。第2スカート103Eは、第1スカート103Dよりも内径が小さく、且つ、本体部101よりも外径が大きくなるように形成されている。第2スカート103Eは、本体部101と同心をなして形成されている。
[0049]
 第2スカート103Eは、例えば、第1スカート103Dよりも下方に突出する突出量が大きくなるように形成されている。第2スカート103Eは、後述のように取り付け時に貫通孔Cに形成された段差部Qと協働して段差部Qに嵌め込まれたOリングW(第2弾性部材)を挟持する。
[0050]
 第2スカート103Eと本体部101との間には、第2スカート103Eと本体部101とを架設するように複数の補強リブNが形成されている。平面視して補強リブNの厚さは必ずしも同一でない。複数の補強リブNは、本体部101の外方に向かって放射状に突出するように形成されている。
[0051]
 第2スカート103Eと第1スカート103Dとの間には、第2スカート103Eと第1スカート103Dとを架設するように複数の補強リブMが形成されている。平面視して補強リブMの厚さは必ずしも同一でない。複数の補強リブMは、第2スカート103Eの外方に向かって放射状に突出するように形成されている。複数の補強リブN,Mが形成されていることにより、本体部101が軽量化され、且つ、本体部101に対する固定台座103の曲げモーメントに対する強度が向上する。
[0052]
 固定台座103の下面103A側には、弾性変形する円環状のダストシールD(第1弾性部材)が取り付けられる。ダストシールDには、固定台座103の複数の貫通孔103Hに対応する位置に位置決め用の複数のピンPが形成されている。ピンPは、ダストシールDの上面から上方に向かって突出するように固定台座103の周方向に沿って形成されている。
[0053]
 ピンPは、貫通孔103Hと略同径の円柱P1が上方に突出するように形成されている。ピンPの先端部P2は、底部が円柱の径よりも大きい径であり、且つ、先端に向かうほど径が小さくなるテーパー形状に形成されている。
[0054]
 固定台座103の下面103Aから下方は、嵌合部U2である。嵌合部U2は、燃料遮断ユニットUが燃料タンク31に取り付けられる際に燃料タンク31内部に挿入され、燃料タンク31に固定される領域である。嵌合部U2は、タンク内部を臨み、燃料タンク31内部の気化燃料や燃料に暴露される。固定台座103の下方において、複数の爪部105(第1係止部)が本体部101の外周面101Cから突出するように形成されている。
[0055]
 爪部105は、例えば、3個以上形成されている。本実施形態では、爪部105は4個形成されている。本体部101が燃料タンク31に安定的に固定されるのであれば、爪部105の数は必ずしも4個でなくてもよい。
[0056]
 複数の爪部105は、平面視で本体部101の上下方向の中心軸線から本体部101の径方向に放射状に外方に向かって突出するように形成されている。複数の爪部105は、回転方向の取り付けミスを防止するために、必ずしも本体部101周方向に等間隔な放射状に形成されていなくてもよい。
[0057]
 爪部105は、例えば、側面視して平板状の突起形状に形成されている。爪部105において、各面が交差して角部となる部分はそれぞれ面取りされて、各面は互いになだらかに接続するように形成されている。爪部105は、後述するように燃料タンク31に係止可能であれば、円柱状等の他の突起形状に形成されていてもよい。
[0058]
 図6に示されるように、燃料タンク31には、燃料遮断ユニットUの嵌合部U2が挿入されるように円形の貫通孔Cが形成されている。貫通孔Cの周縁部C2には、嵌合部U2を係止するための形状が形成されている。燃料タンク31に円形の孔が形成された後、プレス加工や切削等により端部が形成された貫通孔Cが形成される。貫通孔Cの孔を囲う周縁部C2には、例えば、燃料タンク31内部方向に窪んだ段差部Qが形成されている。
[0059]
 段差部Qは、燃料タンク31の上面側の外壁から階段状に1段窪んだ形状に形成されている。段差部Qは、燃料タンク31の上面側の外壁から下方に突出した筒状の上下壁Q1と、上下壁Q1の下端から貫通孔Cの中心方向に向かって水平方向に突出した円環状の水平壁Q2とを備える。
[0060]
 即ち、段差部Qは、燃料タンク31の上面側の外壁を基準面とすると円形の開口の縁Rから下方に窪んで形成されている。段差部Qには、OリングWが嵌め込まれる。
[0061]
 貫通孔Cの周りの周縁部には、燃料タンク31内部方向(下方)に突出する筒状の内壁部C1が形成されている。内壁部C1は、貫通孔Cの周方向に沿って延在している。
内壁部C1は、平面視で複数の爪部105の外径よりも小さい径で形成されている。内壁部C1には、複数の爪部105に係合して燃料遮断ユニットUを係止する複数の係止部F(第2係止部)が形成されている。
[0062]
 係止部Fは、爪部105と協働して燃料遮断ユニットU(収容容器100)を燃料タンク31に固定させるものである。係止部Fは、例えば、内壁部C1を切り欠いて形成された切欠き部F1と、切欠き部F1に隣接する第1ストッパF2と、第1ストッパF2に隣接する係止面F3と、係止面F3に隣接する第2ストッパF4とを備える。
[0063]
 切欠き部F1は、例えば、貫通孔Cを平面視して、内壁部C1において複数の爪部105の配置関係に対応する位置に爪部105よりも若干大きい形状で内壁部C1を切り欠くように形成されている。
[0064]
 切欠き部F1は、平面視して爪部105の最外端よりも径方向に向かって外側となるように内壁部C1の一部を切り取るように形成されている。切欠き部F1は、収容容器100の嵌合部U2を燃料タンク31内部に挿入する際に、爪部105を内壁部C1の下端にくぐらせることができる。
[0065]
 内壁部C1において、切欠き部F1の平面視して時計回りに隣接する位置において、内壁部C1の下端から下方に突出する第1ストッパF2が形成されている。内壁部C1の周方向における第1ストッパF2の角部は面取りされて、各角部はなだらかに形成されている。内壁部C1の時計回りに隣接する位置において、爪部105を係止する係止面F3が形成されている。
[0066]
 係止面F3は、下端に爪部105の上面が当接するように爪部105の上面の形状に合致するように形成されている。係止面F3は、下端の位置が第1ストッパF2の下端よりも上方になるように形成されている。係止面F3の平面視して時計回りに隣接する位置において、第1ストッパF2よりも下方への突出量が多い第2ストッパF4が形成されている。
[0067]
<取り付け工程>
 次に、燃料遮断ユニットUを燃料タンク31に取り付ける工程について説明する。
[0068]
 図7に示されるように、貫通孔Cの段差部Qの上下壁Q1と水平壁Q2との角部に沿ってOリングWを嵌め込む。燃料遮断ユニットUの固定台座103の下面103Aに、円環状のダストシールDを取り付ける。この時、ダストシールDに形成された複数のピンPを固定台座103に形成された複数の貫通孔103Hに嵌め込み、ダストシールDを位置決めする(図3参照)。
[0069]
 ダストシールDを固定台座103に取り付ける際、固定台座103の下面方向から貫通孔103Hに先端部P2を挿入する。この時、先端部P2の先端は、貫通孔103Hよりも小さい径で形成されているため、貫通孔103Hの途中まで容易に挿入される。先端部P2の下部は、貫通孔103Hよりも大きい径で形成されているため、挿入の途中で貫通孔103Hに当接する。この状態でダストシールDの下面のピンPの位置に相当する位置でピンPを上方に押圧する力をピンPに下方から与えると、先端部P2のテーパー面に沿って先端部が弾性変形して径が小さくなりながら貫通孔103Hに挿入される。
[0070]
 ダストシールDの下部からピンPを更に押し上げると、先端部P2は、貫通孔103Hを貫通して固定台座103の上面に突出する。この時、先端部P2は、貫通孔103Hに圧縮された弾性変形が元の状態に戻り、下部の径が貫通孔103Hの径よりも大きくなる。これにより、ピンPが貫通孔103Hから脱落することが防止され、ダストシールDが固定台座103の所定位置に確実に固定される。
[0071]
 次に、嵌合部U2を貫通孔Cに挿入する。この時、図8及び図9に示されるように、複数の爪部105を貫通孔Cの周縁部C2に設けられた内壁部C1に形成された複数の切欠き部F1にくぐらせる。燃料遮断ユニットUを更に下方に移動させると第1スカート103Dの下端部103D1が円形の開口の縁Rに当接し、燃料遮断ユニットUが貫通孔Cと同心に位置決めされる。
[0072]
 この時、第2スカート103Eの下端部103E1は、OリングWの内側に嵌め込まれ、第2スカート103Eと段差部Qの上下壁Q1とによりOリングWを挟持する。この時、OリングWは、弾性変形し、変形による残留応力により第2スカート103Eと上下壁Q1とに密着する。
[0073]
 作業者は、燃料タンク31の外側に露出したユニット外部U1を把持して時計回りに回転させる。この時、収容容器100は時計回りに回転し、切欠き部F1を通過している爪部105において、上面105Bの進行方向における前側の角部105Aが、第1ストッパF2に隣接する切欠き部F1側の角部F2Aに当接する。この時、作業者は、ユニット外部U1からの抵抗を感じつつも、ユニット外部U1を把持して更に時計回りに回転させる。
[0074]
 そうすると、爪部105の角部105Aは、第1ストッパF2の角部F2Aに案内されて下方に移動しつつ進行方向に進行し、爪部105の上面105Bが第1ストッパF2の下面F2Bに移動する。この時、ユニット外部U1においては、固定台座103が下方に移動する(図3参照)。そして、ダストシールDは、固定台座103と燃料タンク31の上面とによって上下方向に圧縮されて弾性変形する。
[0075]
 作業者は、ユニット外部U1を把持して更に時計回りに回転させると、爪部105の上面105Bは、第1ストッパF2の下面F2Bに当接しながら進行方向に摺動し、爪部105の上面105Bの進行方向において後ろ側の角部105Cが第1ストッパF2の角部F2Aに対向する角部F2Cに到達する(図8参照)。
[0076]
 作業者は、ユニット外部U1を把持して更に時計回りに回転させると、爪部105の角部105Cは、第1ストッパF2の角部F2Cに当接する。この時、爪部105には、ダストシールDの弾性変形による残留応力により、第1ストッパF2に対して上方向の力が加わっている。そのため、爪部105の角部105Cは、第1ストッパF2の角部F2Cに案内され、爪部105は、上方に移動しつつ進行方向に移動して第1ストッパF2に隣接する係止面F3に嵌る。
[0077]
 作業者は、ユニット外部U1を把持して更に時計回りに回転させると、爪部105は、第2ストッパF4に当接して進行が阻まれ、爪部105が係止面F3に嵌った状態で燃料遮断ユニットUの回転が停止する。第2ストッパF4の下方への突出量は、ダストシールDの下方向の弾性変形量の上限を超えているので、作業者が更に燃料遮断ユニットUに回転方向に力を加えても爪部105は、第2ストッパF4に案内されて回転することはない。燃料遮断ユニットUは平面視で車幅方向の中央で、且つ、メインフレームの幅内に配置されるので、幅方向をコンパクトに配置することができる。また、ハンドル7、ステップ40を結ぶ領域Xよりも内側に配置されるので(図2参照)、ライダーの乗車姿勢を妨げないように構成されている。
[0078]
 この状態において、ダストシールDには、弾性変形による残留応力が存在するので、爪部105は、係止面F3に対して上方に押圧している。これにより、ダストシールDは、固定台座103の下面103Aと燃料タンク31の上面とに密着し、燃料タンク31内へのダストの侵入を防止する。上記の工程により、燃料遮断ユニットUは、燃料タンク31に対して所定位置に正確に位置決めされつつ、確実に固定される。
[0079]
 上述したように燃料遮断ユニットUの取り付け構造によれば、取り付ける際に用いられる部品の数を低減しつつも、取り付けを簡便に行うことができる。また、燃料遮断ユニットUの取り付け構造によれば、簡便な取り付け工程を実現しつつも、燃料遮断ユニットUの位置決めを確実に行うと共に、ダストに対する遮蔽性と、燃料タンク31の密閉性を確保することができる。
[0080]
 以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、上記実施形態では、オフロード走行用の自動二輪車への適用を例に説明したが、車両の用途については何ら限定するものではない。
[0081]
 また、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
[0082]
 また、上記実施形態では、突出した第1係止部が第2係止部に係合するように形成されている例を示したが、これに限らず、第2係止部が本体部101側に窪んで形成され、第1係止部が燃料タンク31から本体部101に向かって突出するように形成されていてもよい。また、貫通孔は、燃料タンクの内部方向に窪んでいるだけでなく、外部方向に突出するように形成されていてもよい。

符号の説明

[0083]
1…自動二輪車(鞍乗型車両)、31…燃料タンク、100…収容容器、103…固定台座、103E…第2スカート(周壁部)、105…爪部(第1係止部)、114…パイプ取付部(ブリーザ通路)、C…貫通孔、C1…内壁部、C2…周縁部、D…ダストシール(第1弾性部材)、F…係止部(第2係止部)、F1…切欠き部、Q…段差部、Q1…上下壁、Q2…水平壁、U…燃料遮断ユニット、U1…ユニット外部、U2…嵌合部、W…Oリング(第2弾性部材)

請求の範囲

[請求項1]
 鞍乗型車両(1)の燃料タンク(31)に設けられ、揮発燃料を外部に排出するブリーザ通路(114)を備えると共に、液体燃料の流出を遮断するためのバルブ装置(50)を備える燃料遮断ユニット(U)の取り付け構造であって、
 前記燃料遮断ユニット(U)は、前記燃料タンク(31)への取り付け時に燃料タンク内部に挿入される嵌合部(U2)と、前記燃料タンクの外部に位置するユニット外部(U1)とからなる収容容器(100)を備え、
 前記嵌合部(U2)には、前記燃料タンク(31)への取り付け時の位置決めのための第1係止部(105)が形成され、
 前記燃料タンク(31)には、前記嵌合部(U2)が挿入されるように内外に貫通する貫通孔(C)が形成され、
 前記貫通孔(C)の周縁部(C2)には、前記第1係止部(105)を前記燃料タンクの内側から係合させて前記燃料遮断ユニット(U)を固定するための第2係止部(F)が設けられていることを特徴とする、
燃料遮断ユニット取り付け構造。
[請求項2]
 前記収容容器(100)には、前記貫通孔(C)よりも大きい径で形成された固定台座(103)が備えられ、
 前記固定台座(103)と前記燃料タンク(31)との間には第1弾性部材(D)が設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の燃料遮断ユニット取り付け構造。
[請求項3]
 前記周縁部(C2)には、前記燃料タンク(31)内部方向に突出して形成された筒状の内壁部(C1)が設けられ、
 前記内壁部(C1)には、前記第2係止部(F)が形成されていることを特徴とする、
請求項1または2に記載の燃料遮断ユニット取り付け構造。
[請求項4]
 前記第1係止部(105)は、前記収容容器(100)の表面から突出するように形成され、
 前記内壁部(C1)は、平面視で前記第1係止部(105)の外径よりも小さい径で形成され、
 前記第2係止部(F)は、前記内壁部(C1)において前記第1係止部(105)が係合するように形成されていることを特徴とする、
請求項3に記載の燃料遮断ユニット取り付け構造。
[請求項5]
 前記第2係止部(F)には、切欠き部(F1)が形成され、
 前記切欠き部(F1)は、前記貫通孔(C)の径方向において前記第1係止部(105)よりも径が大きくなるように切り欠かれていることを特徴とする、
 請求項1から4のうちいずれか1項に記載の燃料遮断ユニット取り付け構造。
[請求項6]
 前記収容容器(100)の外周面には周方向に沿って周壁部(103E)が形成され、
 前記周壁部(103E)と前記内壁部(C1)との間には、第2弾性部材(W)が備えられることを特徴とする、
請求項4に記載の燃料遮断ユニット取り付け構造。
[請求項7]
 前記貫通孔(C)の周縁部(C2)には階段状の段差部(Q)が形成され、
 前記段差部(Q)には、前記燃料タンク(31)の外壁の上面側から下方に突出した筒状の上下壁(Q1)と、前記上下壁の下端から水平方向に前記貫通孔(C)の内側に向かって突出した円環状の水平壁(Q2)とが形成され、
 前記上下壁(Q1)と前記水平壁(Q2)との間には、前記第2弾性部材(W)が配置されることを特徴とする、
請求項6に記載の燃料遮断ユニット取り付け構造。
[請求項8]
 前記第1係止部(105)は、周方向に沿って3個以上形成されていることを特徴とする、
請求項1から7のうちいずれか1項に記載の燃料遮断ユニット取り付け構造。
[請求項9]
 前記燃焼遮断ユニット(U)は燃料タンク(31)の頂部に配置されることを特徴とする、
請求項1から8のうちいずれか1項に記載の燃料遮断ユニット取り付け構造。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]