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1. WO2020105522 - 保持装置および保持装置の製造方法

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明 細 書

発明の名称 保持装置および保持装置の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

符号の説明

0077  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 保持装置および保持装置の製造方法

技術分野

[0001]
 本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。

背景技術

[0002]
 対象物(例えば、半導体ウェハ)を保持しつつ所定の温度(例えば、400~800℃程度)に加熱する加熱装置(「サセプタ」とも呼ばれる。)が知られている。加熱装置は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
[0003]
 一般に、加熱装置は、セラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材を備える。セラミックス部材の内部には、例えばタングステン(W)やモリブデン(Mo)等の金属製の発熱抵抗体が配置されている。また、加熱装置は、発熱抵抗体と接する導電性の給電接続部材と、給電接続部材と電気的に接続された導電性の給電端子とを備える。給電端子および給電接続部材を介して発熱抵抗体に電圧が印加されると、発熱抵抗体が発熱し、セラミックス部材の表面(以下、「保持面」という。)上に保持された対象物が加熱される。
[0004]
 加熱装置の製造の際には、内部に発熱抵抗体の材料が配置されたセラミックス部材の材料の成形体が高温(例えば、1700℃~1900℃程度)で焼成されることにより、緻密なセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された発熱抵抗体とが作製される。この焼成の際に、炉内雰囲気や原料由来の不純物(例えば、炭素)が、緻密化する前のセラミックス部材の材料の成形体中に進入して発熱抵抗体と反応することにより、発熱抵抗体の表面に変質層(例えば、炭化タングステン層や炭化モリブデン層)が形成されることがある。発熱抵抗体の表面に変質層が形成されると、発熱抵抗体の抵抗値のバラツキ(製品内および/または製品間のバラツキ)が発生し、これにより発熱抵抗体の発熱量のバラツキが発生し、セラミックス部材の保持面の温度(ひいては、保持面に保持された対象物の温度)のバラツキが発生するおそれがある。従来、セラミックス部材の相対密度や焼成条件を調整することにより、発熱抵抗体の表面に変質層が形成することを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2006-273586号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上記従来の技術は、発熱抵抗体の表面に形成される変質層のみに注目している。しかしながら、本願発明者は、セラミックス部材の焼成の際に、炉内雰囲気や原料由来の不純物が給電接続部材と反応することにより、給電接続部材の表面に変質層が形成されることがあり、変質層の形成に起因して、給電接続部材と発熱抵抗体または給電端子との間の接続不良や、給電接続部材の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体の発熱量のバラツキが発生するおそれがある、という課題を新たに見出した。
[0007]
 なお、このような課題は、上述した構成の加熱装置に限らず、セラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された金属製の発熱抵抗体と、発熱抵抗体と接する導電性の給電接続部材と、給電接続部材と電気的に接続された導電性の給電端子とを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
[0008]
 本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。

課題を解決するための手段

[0009]
 本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
[0010]
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の表面を有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された金属製の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体と接する導電性の給電接続部材と、前記給電接続部材と電気的に接続された導電性の給電端子と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記給電接続部材の表面の内、前記発熱抵抗体との接触面と前記給電端子との接続面とを除く表面の少なくとも一部が、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第2のコート層に覆われている。本保持装置では、給電接続部材の表面を覆う第2のコート層の存在により、セラミックス部材の焼成の際に、給電接続部材が不純物と反応して給電接続部材の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、給電接続部材と発熱抵抗体または給電端子との間の接続不良の発生や、給電接続部材の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体の発熱量のバラツキの発生を抑制することができ、その結果、セラミックス部材の第1の表面の温度(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度)のバラツキを抑制することができる。また、第2のコート層は、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されているため、高温焼成時に耐熱性を有すると共に、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス部材への元素拡散を起こしにくいものである。従って、本保持装置によれば、第2のコート層からの元素拡散に起因するセラミックス部材の特性変化の発生を抑制しつつ、耐熱性の高い第2のコート層の存在により、給電接続部材の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、給電接続部材と発熱抵抗体または給電端子との間の接続不良の発生を抑制することができると共に、給電接続部材の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体の発熱量のバラツキを抑制することができ、その結果、セラミックス部材の第1の表面の温度(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度)のバラツキを抑制することができる。
[0011]
(2)上記保持装置において、前記給電接続部材の表面の内、前記発熱抵抗体との接触面の少なくとも一部が、TiとZrとVとCrとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第1のコート層に覆われている構成としてもよい。このような構成を採用すれば、給電接続部材の表面を覆う第1のコート層の存在により、セラミックス部材の焼成の際に、給電接続部材が不純物と反応して給電接続部材の表面に変質層が形成されることを効果的に抑制することができ、ひいては、給電接続部材と発熱抵抗体または給電端子との間の接続不良の発生や、給電接続部材の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体の発熱量のバラツキの発生を抑制することができ、その結果、セラミックス部材の第1の表面の温度(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度)のバラツキを抑制することができる。また、第1のコート層は、TiとZrとVとCrとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されているため、高温焼成時に耐熱性を有すると共に、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス部材への元素拡散を起こしにくいものであり、さらに、導電性を有するために給電接続部材と発熱抵抗体との間の電気的接続を確保できるものである。従って、本保持装置によれば、第1のコート層により給電接続部材と発熱抵抗体との間の電気的接続が阻害されることを回避しつつ、かつ、第1のコート層からの元素拡散に起因するセラミックス部材の特性変化の発生を抑制しつつ、耐熱性の高い第1のコート層の存在により、給電接続部材の表面に変質層が形成されることを効果的に抑制することができ、ひいては、給電接続部材と発熱抵抗体または給電端子との間の接続不良の発生を抑制することができると共に、給電接続部材の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体の発熱量のバラツキを抑制することができ、その結果、セラミックス部材の第1の表面の温度(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度)のバラツキを抑制することができる。
[0012]
(3)上記保持装置において、前記第1のコート層の厚さは、0.3μm以上、60μm以下である構成としてもよい。このような構成を採用すれば、第1のコート層の厚さが過度に薄くない(0.3μm以上である)ため、第1のコート層の存在により、給電接続部材の表面に変質層が形成されることをより確実に抑制することができる。また、このような構成を採用すれば、第1のコート層の厚さが過度に厚くはない(60μm以下である)ため、給電接続部材と第1のコート層との間の線膨張差に起因して第1のコート層に生じる応力を小さくすることができ、該応力によって第1のコート層にクラックが生じて変質層の形成を抑制できない、という事態の発生を防止することができる。
[0013]
(4)上記保持装置において、前記発熱抵抗体の表面の内、前記給電接続部材との接触面を除く表面の少なくとも一部が、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第3のコート層に覆われている構成としてもよい。このような構成を採用すれば、発熱抵抗体の表面を覆う第3のコート層の存在により、セラミックス部材の焼成の際に、発熱抵抗体が不純物と反応して発熱抵抗体の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、発熱抵抗体の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体の発熱量のバラツキの発生を抑制することができ、その結果、セラミックス部材の第1の表面の温度(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度)のバラツキを抑制することができる。また、第3のコート層は、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されているため、高温焼成時に耐熱性を有すると共に、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス部材への元素拡散を起こしにくいものである。従って、このような構成を採用すれば、第3のコート層からの元素拡散に起因するセラミックス部材の特性変化の発生を抑制しつつ、耐熱性の高い第3のコート層の存在により、発熱抵抗体の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、発熱抵抗体の抵抗値(発熱量)のバラツキを抑制することができ、その結果、セラミックス部材の第1の表面の温度(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度)のバラツキを抑制することができる。
[0014]
(5)また、本明細書に開示される保持装置の製造方法は、第1の表面を有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された金属製の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体と接する導電性の給電接続部材と、前記給電接続部材と電気的に接続された導電性の給電端子と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法であって、前記給電接続部材の表面の内、前記発熱抵抗体との接触面と前記給電端子との接続面とを除く表面の少なくとも一部に、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物であるコート層を形成する工程と、前記発熱抵抗体と前記コート層が形成された前記給電接続部材とが内部に配置された前記セラミックス部材を焼成により作製する工程とを備える。本保持装置の製造方法では、給電接続部材の表面を覆うコート層の存在により、セラミックス部材の焼成の際に、給電接続部材が不純物と反応して給電接続部材の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、給電接続部材と発熱抵抗体または給電端子との間の接続不良の発生や、給電接続部材の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体の発熱量のバラツキの発生を抑制することができ、その結果、セラミックス部材の第1の表面の温度(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度)のバラツキを抑制することができる。また、コート層は、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されているため、高温焼成時に耐熱性を有すると共に、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス部材への元素拡散を起こしにくいものである。従って、本保持装置の製造方法によれば、コート層からの元素拡散に起因するセラミックス部材の特性変化の発生を抑制しつつ、耐熱性の高いコート層の存在により、給電接続部材の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、給電接続部材と発熱抵抗体または給電端子との間の接続不良の発生を抑制することができると共に、給電接続部材の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体の発熱量のバラツキを抑制することができ、その結果、セラミックス部材の第1の表面の温度(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度)のバラツキを抑制することができる。
[0015]
 なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、加熱装置、半導体製造装置用部品、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図である。
[図2] 本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
[図3] 図2のX1部における加熱装置100のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。
[図4] 本実施形態の加熱装置100の製造方法の一例を示すフローチャートである。
[図5] 性能評価結果を示す説明図である。
[図6] 性能評価結果を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0017]
A.実施形態:
A-1.加熱装置100の構成:
 図1は、本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、図2のX1部における加熱装置100のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、加熱装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
[0018]
 加熱装置100は、対象物(例えば、半導体ウェハW)を保持しつつ所定の温度(例えば、400~800℃程度)に加熱する装置であり、サセプタとも呼ばれる。加熱装置100は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置を構成する半導体製造装用部品として使用される。加熱装置100は、特許請求の範囲における保持装置に相当する。
[0019]
 図1および図2に示すように、加熱装置100は、保持部材10と支持部材20とを備える。
[0020]
 保持部材10は、Z軸方向(上下方向)に略直交する一の表面(以下、「保持面」という。)S1と、保持面S1とは反対側の表面(以下、「裏面」という。)S2と、を有する略円板状の部材である。保持部材10は、窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックス焼結体により形成されている。なお、本明細書では、主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持部材10の直径は、例えば100mm以上、500mm以下程度であり、保持部材10の厚さ(Z軸方向における寸法)は、例えば3mm以上、30mm以下程度である。保持部材10は、特許請求の範囲におけるセラミックス部材に相当し、保持面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当する。
[0021]
 図2および図3に示すように、保持部材10の裏面S2には、後述する一対の端子部材70や一対の受電電極53に対応する一対の凹部12が形成されている。各凹部12のZ軸方向に直交する断面(XY断面)の形状は、例えば略円形である。
[0022]
 支持部材20は、Z略方向に延びる略円管状の部材である。支持部材20は、例えば窒化アルミニウムやアルミナ(Al )を主成分とするセラミックス焼結体により形成されている。支持部材20の外径は、例えば30mm以上、90mm以下程度であり、支持部材20の高さ(Z軸方向における寸法)は、例えば100mm以上、300mm以下程度である。
[0023]
 図2に示すように、支持部材20には、支持部材20の上面S3から下面S4までZ軸方向に延びる貫通孔22が形成されている。貫通孔22のZ軸方向に直交する断面(XY断面)の形状は、例えば略円形である。貫通孔22の内径は、例えば10mm以上、70mm以下程度である。
[0024]
 図2に示すように、保持部材10と支持部材20とは、保持部材10の裏面S2と支持部材20の上面S3とがZ軸方向に互いに対向するように、かつ、保持部材10と支持部材20とが互いに略同軸となるように配置されており、公知の接合材料により形成された接合部30を介して互いに接合されている。
[0025]
 図2に示すように、保持部材10の内部には、保持部材10を加熱するヒータとしての発熱抵抗体50が配置されている。発熱抵抗体50は、例えば、Z軸方向視で略螺旋状に延びるパターンを構成している。発熱抵抗体50は、例えば、タングステン(W)やモリブデン(Mo)等の金属により形成されている。Z軸方向視での発熱抵抗体50の全体の直径は、例えば70mm以上、450mm以下程度であり、Z軸方向視での発熱抵抗体50の線幅は、例えば0.1mm以上、10mm以下程度であり、発熱抵抗体50の厚さ(Z軸方向における大きさ)は、例えば0.1mm以上、3mm以下程度である。
[0026]
 また、図2および図3に示すように、保持部材10には、一対の受電電極53が配置されている。各受電電極53は、例えば、Z軸方向視で略円形の板状部材である。各受電電極53は、例えば、タングステンやモリブデン等の導電性材料により形成されている。受電電極53の厚さは、例えば0.1mm以上、5mm以下程度である。本実施形態において、受電電極53は、特許請求の範囲における給電接続部材に相当する。
[0027]
 一対の受電電極53の内の一方は、保持部材10の裏面S2に形成された一対の凹部12の内の一方の底面に露出しており、かつ、上面S6が、略螺旋状パターンを構成する発熱抵抗体50の一端付近の下面S5に接することによって発熱抵抗体50と電気的に接続されている。また、一対の受電電極53の内の他方は、保持部材10の裏面S2に形成された一対の凹部12の内の他方の底面に露出しており、かつ、上面S6が、発熱抵抗体50の他端付近の下面S5に接することによって発熱抵抗体50と電気的に接続されている。
[0028]
 また、図2および図3に示すように、支持部材20に形成された貫通孔22内には、一対の端子部材70が収容されている。各端子部材70は、例えば略円柱状の部材である。各端子部材70は、例えば、ニッケルやチタン等の導電性材料により形成されている。端子部材70の直径は、例えば3mm以上、8mm以下程度である。本実施形態において、端子部材70は、特許請求の範囲における給電端子に相当する。
[0029]
 一対の端子部材70の内の一方における上端部分は、保持部材10の裏面S2に形成された一対の凹部12の内の一方に収容されており、該凹部12の底面に露出した受電電極53と、ろう付け部56によって接合されている。また、一対の端子部材70の内の他方における上端部分は、保持部材10の裏面S2に形成された一対の凹部12の内の他方に収容されており、該凹部12の底面に露出した受電電極53と、ろう付け部56によって接合されている。各ろう付け部56は、例えば、Ni合金(Ni-Cr系合金等)、Au合金(Au-Ni系合金等)、純Auといった金属ろう材を用いて形成されている。各端子部材70は、ろう付け部56を介して受電電極53と電気的に接続されている。
[0030]
 このような構成の加熱装置100において、図示しない電源から各端子部材70および各受電電極53を介して発熱抵抗体50に電圧が印加されると、発熱抵抗体50が発熱し、これにより、保持部材10の保持面S1上に保持された対象物(例えば、半導体ウェハW)が所定の温度(例えば、400~800℃程度)に加熱される。なお、本実施形態の加熱装置100では、端子部材70と発熱抵抗体50とが受電電極53を介して接続されているため、端子部材70と発熱抵抗体50との間の熱膨張差に起因する応力を緩和することができる。
[0031]
A-2.受電電極53および発熱抵抗体50の周辺の詳細構成:
 次に、受電電極53および発熱抵抗体50の周辺の詳細構成について、図3を参照して説明する。
[0032]
 本実施形態の加熱装置100では、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面の少なくとも一部が、第1のコート層61に覆われている。より具体的には、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面の大部分(例えば80%以上)が、第1のコート層61に覆われている。第1のコート層61は、TiとZrとVとCrとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されており、導電性を有する。すなわち、第1のコート層61は、例えば、ZrN、TiN、(Al,Ti)N、(Al,Cr)N、VN、(Ti,Cr)N、(Al,Ti,Cr)N、(Al,Ti,Si)N、TaN、NbN等により形成されている。第1のコート層61の厚さt1は、0.3μm以上、60μm以下であることが好ましく、1.0μm以上、50μm以下であることがさらに好ましい。また、第1のコート層61の気孔率は、30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、受電電極53の表面の内の発熱抵抗体50との接触面とは、受電電極53の表面の内、直接的に、または、他の物(例えば、第1のコート層61)を介して、発熱抵抗体50と対向する表面を意味する。
[0033]
 また、本実施形態の加熱装置100では、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面と端子部材70との接続面とを除く表面の少なくとも一部が、第2のコート層62に覆われている。より具体的には、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面と端子部材70との接続面とを除く表面の大部分(例えば80%以上)が、第2のコート層62に覆われている。第2のコート層62は、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されている。すなわち、第2のコート層62は、例えば、AlN、TiN、ZrN、(Al,Ti)N、(Al,Ti,Si)N、(Al,Ti,Cr)N、(Al,Cr)N、VN、TaN、NbN等により形成されている。第2のコート層62の厚さは、0.3μm以上、60μm以下であることが好ましい。また、第2のコート層62の気孔率は、30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、受電電極53の表面の内の端子部材70との接続面とは、受電電極53の表面の内、直接的に、または、他の物を介して、端子部材70、または、受電電極53と端子部材70とを接合するろう付け部56と対向する表面を意味する。
[0034]
 なお、「受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面と端子部材70との接続面とを除く表面の少なくとも一部が、第2のコート層62に覆われている」とは、受電電極53の内の発熱抵抗体50との接触面と端子部材70との接続面とを除く表面に注目したときに、その全部または一部が第2のコート層62に覆われていることを意味し、受電電極53の表面の内の発熱抵抗体50との接触面および/または端子部材70との接続面の全部または一部が第2のコート層62に覆われている形態を排除するものではない。なお、第2のコート層62が導電性である場合(例えば、第2のコート層62がTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されている場合)は、該第2のコート層62が受電電極53の表面の内の発熱抵抗体50との接触面および/または端子部材70との接続面の全部または一部を覆っていても受電電極53と発熱抵抗体50および/または端子部材70との間の導通に影響はないが、第2のコート層62が導電性ではない場合(例えば、第2のコート層62がAlNにより形成されている場合)は、受電電極53と発熱抵抗体50およびまたは端子部材70との間の導通を確保するため、該第2のコート層62が受電電極53の表面の内の発熱抵抗体50との接触面および/または端子部材70との接続面の少なくとも一部を覆っていないことが好ましい。
[0035]
 また、B、C、O元素は、MoやWにより形成された受電電極53と反応するおそれがあるため、第1のコート層61および第2のコート層62は、B、C、O元素を含有しないことが好ましい。
[0036]
 また、第1のコート層61および第2のコート層62の形成材料が同じであると(すなわち、共に導電性であると)、受電電極53の表面への第1のコート層61および第2のコート層62の形成の際に、特別な処置(例えば、導通を確保すべき部分をマスクする処理)を行う必要がなく、かつ、同一の工程にて成膜することができるため、製造工程の簡素化・低コスト化を実現することができる。
[0037]
 また、本実施形態の加熱装置100では、発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面を除く表面の少なくとも一部が、第3のコート層63に覆われている。より具体的には、発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面を除く表面の大部分(例えば80%以上)が、第3のコート層63に覆われている。第3のコート層63は、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されている。すなわち、第3のコート層63は、例えば、AlN、TiN、ZrN、(Al,Ti)N、(Al,Ti,Si)N、(Al,Ti,Cr)N、(Al,Cr)N、VN、TaN、NbN等により形成されている。第3のコート層63の厚さは、0.3μm以上、60μm以下であることが好ましい。また、第3のコート層63の気孔率は、30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、発熱抵抗体50の表面の内の受電電極53との接触面とは、発熱抵抗体50の表面の内、直接的に、または、他の物(例えば、第1のコート層61)を介して、受電電極53と対向する表面を意味する。
[0038]
 なお、「発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面を除く表面の少なくとも一部が、第3のコート層63に覆われている」とは、発熱抵抗体50の表面の内の受電電極53との接触面を除く表面に注目したときに、その全部または一部が第3のコート層63に覆われていることを意味し、発熱抵抗体50の表面の内の受電電極53との接触面の全部または一部が第3のコート層63に覆われている形態を排除するものではない。なお、第3のコート層63が導電性である場合(例えば、第3のコート層63がTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されている場合)は、該第3のコート層63が発熱抵抗体50の表面の内の受電電極53との接触面の全部または一部を覆っていても発熱抵抗体50と受電電極53との間の導通に影響はないが、第3のコート層63が導電性ではない場合(例えば、第3のコート層63がAlNにより形成されている場合)は、発熱抵抗体50と受電電極53との間の導通を確保するため、該第3のコート層63が発熱抵抗体50の表面の内の受電電極53との接触面の少なくとも一部を覆っていないことが好ましい。
[0039]
 また、B、C、O元素は、MoやWにより形成された発熱抵抗体50と反応するおそれがあるため、第3のコート層63は、B、C、O元素を含有しないことが好ましい。
[0040]
A-3.加熱装置100の製造方法:
 本実施形態の加熱装置100の製造方法は、例えば以下の通りである。図4は、本実施形態の加熱装置100の製造方法の一例を示すフローチャートである。まず、金属(例えば、タングステンやモリブデン)のメッシュや箔からなる発熱抵抗体50を準備し、発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面を除く表面の少なくとも一部(本実施形態では、受電電極53との接触面を除く表面の大部分)に、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物である第3のコート層63を形成する(S110)。なお、第3のコート層63は、例えば、発熱抵抗体50の表面における第3のコート層63の非形成領域にマスクをして、溶射、スパッタリング、CVD、PVD等を行うことにより形成する。
[0041]
 また、例えば板状の導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン)からなる受電電極53を準備し、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面の少なくとも一部(本実施形態では、発熱抵抗体50との接触面の大部分)に、TiとZrとVとCrとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物である導電性の第1のコート層61を形成する(S120)。また、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面を除く表面の少なくとも一部(本実施形態では、発熱抵抗体50との接触面を除く表面の大部分)に、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物である第2のコート層62を形成する(S120)。すなわち、第2のコート層62は、受電電極53の表面の内、端子部材70との接続面にも形成される。なお、第1のコート層61および第2のコート層62は、例えば、受電電極53の表面における第1のコート層61および第2のコート層62の非形成領域にマスクをして、溶射、スパッタリング、CVD、PVD等を行うことにより形成する。
[0042]
 また、例えば以下のようにして、保持部材10を作製する(S130)。すなわち、窒化アルミニウム粉末(例えば95重量部)に、必要に応じて適量(例えば5重量部)の酸化イットリウム粉末が添加された混合原料粉末を、型に充填して一軸加圧することにより、成形体の第1層を形成する。この第1層の上に、第3のコート層63が形成された発熱抵抗体50と、第1のコート層61および第2のコート層62が形成された受電電極53とを、両者が(第1のコート層61を介して)互いに接する状態で載置する。次に、上記混合原料粉末を、発熱抵抗体50および受電電極53の上に所定の厚さだけ充填して、成形体の第2層を形成する。このようにして作製された成形体を、所定の条件(例えば、温度:1700℃~1900℃程度、圧力:1MPa~20MPa程度、時間:1時間~5時間程度)でホットプレス焼成することにより、内部に発熱抵抗体50と受電電極53とが配置された保持部材10を作製する。
[0043]
 また、保持部材10の裏面S2の凹部12は、例えば、上述したホットプレス焼成後に、研削工具を用いた研削加工を行うことにより形成される。この研削加工は、受電電極53が露出するまで行われる。また、この研削加工により、受電電極53の表面に形成された第2のコート層62の内、端子部材70との接続面に形成された部分が除去され、この部分において受電電極53の表面が露出する。なお、受電電極53の厚さを発熱抵抗体50より厚くして、凹部12の形成のための研削加工の際に研削工具によって多少研削されても、受電電極53に割れなどの破損が生じないようにすることが好ましい。
[0044]
 また、例えば以下のようにして、支持部材20を作製する(S140)。すなわち、窒化アルミニウム粉末(例えば100重量部)に、必要に応じて適量(例えば1重量部)の酸化イットリウム粉末、PVAバインダ(例えば3重量部)、分散剤および可塑剤を加えた混合物にメタノール等の有機溶剤を加え、ボールミルにて混合してスラリーを得、このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒化することによって原料粉末を作製する。この原料粉末を所定の圧力(例えば、100MPa~250MPa)で冷間静水圧プレスして成形体を得る。なお、支持部材20における貫通孔22は、成形の際にゴム型を用いて形成してもよいし、成形後あるいは焼成後にマシニング加工を行うことにより形成してもよい。得られた成形体を空気中で例えば600℃で脱脂し、脱脂体を窒素ガス雰囲気の炉内に吊り下げて、所定の条件(例えば、温度:1800℃~1900℃程度、時間:4時間~6時間程度)で焼成することにより、支持部材20を作製する。
[0045]
 次に、保持部材10と支持部材20とを接合する(S150)。すなわち、保持部材10の裏面S2および支持部材20の上面S3に対して必要によりラッピング加工を行った後、保持部材10の裏面S2と支持部材20の上面S3との少なくとも一方に、例えばアルカリ土類、希土類、アルミニウムの複合酸化物等の公知の接合剤を有機溶剤等と混合してペースト状にしたものを均一に塗布し、その後、脱脂処理を行う。次いで、保持部材10の裏面S2と支持部材20の上面S3とを重ね合わせ、真空中または減圧した窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス中で、所定の条件(例えば、温度:1400℃~1850℃程度、圧力:0.5MPa~10MPa程度)でホットプレス焼成することにより、保持部材10と支持部材20とを接合する接合部30を形成する。
[0046]
 次に、支持部材20の貫通孔22内に端子部材70を挿入し、端子部材70の上端部分を受電電極53にろう付けして、ろう付け部56を形成する(S160)。主として以上の製造方法により、上述した構成の加熱装置100が製造される。
[0047]
A-4.本実施形態の効果:
 以上説明したように、本実施形態の加熱装置100は、保持面S1を有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成された保持部材10と、保持部材10の内部に配置された金属製の発熱抵抗体50と、発熱抵抗体50と接する導電性の受電電極53と、受電電極53と電気的に接続された導電性の端子部材70とを備え、保持部材10の保持面S1上に半導体ウェハWといった対象物を保持する保持装置である。本実施形態の加熱装置100では、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面と端子部材70との接続面とを除く表面の少なくとも一部が、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第2のコート層62に覆われている。
[0048]
 ここで、上述したように、本実施形態の加熱装置100の製造の際には、内部に発熱抵抗体50および受電電極53の材料が配置された保持部材10の材料の成形体を高温(例えば、1700℃~1900℃程度)で焼成することにより、緻密なセラミックス焼結体により形成された保持部材10と、保持部材10の内部に配置された発熱抵抗体50および受電電極53とが作製される。この焼成の際に、炉内雰囲気や原料由来の不純物(例えば、炭素)が、緻密化する前の保持部材10の材料の成形体中に進入して受電電極53と反応することにより、受電電極53の表面に変質層(例えば、炭化タングステン層や炭化モリブデン層)が形成されることがある。受電電極53の表面に変質層が形成されると、受電電極53と発熱抵抗体50または端子部材70との間の接続不良の発生するおそれがあると共に、受電電極53の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキが発生して、保持部材10の保持面S1の温度(ひいては、保持面S1に保持された半導体ウェハW等の対象物の温度)のバラツキが発生するおそれがある。
[0049]
 しかしながら、本実施形態の加熱装置100では、受電電極53の表面を覆う第2のコート層62の存在により、保持部材10の焼成の際に、受電電極53が不純物と反応して受電電極53の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、受電電極53と発熱抵抗体50または端子部材70との間の接続不良の発生や、受電電極53の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキの発生を抑制することができる。また、受電電極53の表面に形成される第2のコート層62は、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されているため、高温焼成時に耐熱性を有すると共に、窒化アルミニウムを主成分とする保持部材10への元素拡散を起こしにくいものである。
[0050]
 従って、本実施形態の加熱装置100によれば、第2のコート層62からの元素拡散に起因する保持部材10の特性変化の発生を抑制しつつ、耐熱性の高い第2のコート層62の存在により、受電電極53の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、受電電極53と発熱抵抗体50または端子部材70との間の接続不良の発生を抑制することができると共に、受電電極53の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキを抑制することができる。
[0051]
 なお、第2のコート層62が導電性である場合(例えば、第2のコート層62がTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されている場合)には、受電電極53の表面への第2のコート層62の形成の際に、特別な処置(例えば、導通を確保すべき部分(受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面および/または端子部材70との接続面等)をマスクする処理)を行う必要がないため、製造工程の簡素化・低コスト化を実現することができる。また、第2のコート層62がAlNにより形成されている場合には、第2のコート層62と保持部材10および受電電極53との間の熱膨張差が比較的小さくなるため、第2のコート層62の厚さを比較的厚くしても第2のコート層62の割れの発生を抑制することができる。
[0052]
 また、本実施形態の加熱装置100では、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面の少なくとも一部が、TiとZrとVとCrとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第1のコート層61に覆われている。そのため、受電電極53の表面を覆う第1のコート層61の存在により、保持部材10の焼成の際に、受電電極53が不純物と反応して受電電極53の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、受電電極53と発熱抵抗体50または端子部材70との間の接続不良の発生や、受電電極53の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキの発生を抑制することができる。また、受電電極53の表面の内の発熱抵抗体50との接触面に形成される第1のコート層61は、TiとZrとVとCrとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されているため、高温焼成時に耐熱性を有すると共に、窒化アルミニウムを主成分とする保持部材10への元素拡散を起こしにくいものであり、さらに、導電性を有するために受電電極53と発熱抵抗体50との間の電気的接続を確保できるものである。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、第1のコート層61により受電電極53と発熱抵抗体50との間の電気的接続が阻害されることを回避しつつ、かつ、第1のコート層61からの元素拡散に起因する保持部材10の特性変化の発生を抑制しつつ、耐熱性の高い第1のコート層61の存在により、受電電極53の表面に変質層が形成されることを効果的に抑制することができ、ひいては、受電電極53と発熱抵抗体50または端子部材70との間の接続不良の発生を抑制することができると共に、受電電極53の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキを抑制することができる。
[0053]
 また、本実施形態の加熱装置100では、発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面を除く表面の少なくとも一部が、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第3のコート層63に覆われている。そのため、本実施形態の加熱装置100では、発熱抵抗体50の表面を覆う第3のコート層63の存在により、保持部材10の焼成の際に、発熱抵抗体50が不純物と反応して発熱抵抗体50の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、発熱抵抗体50の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキの発生を抑制することができる。また、第3のコート層63は、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されているため、高温焼成時に耐熱性を有すると共に、窒化アルミニウムを主成分とする保持部材10への元素拡散を起こしにくいものである。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、第3のコート層63からの元素拡散に起因する保持部材10の特性変化の発生を抑制しつつ、耐熱性の高い第3のコート層63の存在により、発熱抵抗体50の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、発熱抵抗体50の抵抗値(発熱量)のバラツキを抑制することができる。
[0054]
 なお、第3のコート層63が導電性である場合(例えば、第3のコート層63がTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成されている場合)には、発熱抵抗体50の表面への第3のコート層63の形成の際に、特別な処置(例えば、導通を確保すべき部分(発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面等)をマスクする処理)を行う必要がないため、製造工程の簡素化・低コスト化を実現することができる。また、第3のコート層63がAlNにより形成されている場合には、第3のコート層63と保持部材10および発熱抵抗体50との間の熱膨張差が比較的小さくなるため、第3のコート層63の厚さを比較的厚くしても第3のコート層63の割れの発生を抑制することができる。
[0055]
 なお、第1のコート層61の厚さt1は、0.3μm以上、60μm以下であることが好ましい。このような構成を採用すれば、第1のコート層61の厚さt1が過度に薄くない(0.3μm以上である)ため、第1のコート層61の存在により、受電電極53の表面に変質層が形成されることをより確実に抑制することができる。また、このような構成を採用すれば、第1のコート層61の厚さt1が過度に厚くはない(60μm以下である)ため、受電電極53と第1のコート層61との間の線膨張差に起因して第1のコート層61に生じる応力を小さくすることができ、該応力によって第1のコート層61にクラックが生じて変質層の形成を抑制できない、という事態の発生を防止することができる。なお、受電電極53の表面に変質層が形成されることを一層確実に抑制するという観点から、第1のコート層61の厚さt1は、1.0μm以上であることがさらに好ましい。
[0056]
A-5.加熱装置100の分析方法:
A-5-1.第1のコート層61の厚さt1の特定方法:
 受電電極53の表面に形成された第1のコート層61の厚さt1の特定方法は、以下の通りである。
[0057]
 受電電極53における発熱抵抗体50との接触部分を含む断面(Z軸方向に平行な断面)を鏡面研磨した後、アルゴンイオン等のイオンビームで試料の断面を処理するクロスセクションポリッシャ処理を行う。次に、加工面を対象として、電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて、10視野を撮像して観察する。なお、元素マッピングの視野は、100μm×100μmとする。次に、画像解析ソフト(Soft Imaging System GmbH社製のAnalysis Five)を用いて、受電電極53と第1のコート層61との界面、および、第1のコート層61と発熱抵抗体50との界面位置を確認し、ラインをひく。各視野画像において、両界面にひいたライン間の最短距離を、第1のコート層61の厚さt1として特定する。10個の視野画像において特定した第1のコート層61の厚さt1の平均値を、最終的な第1のコート層61の厚さt1とする。
[0058]
A-5-2.AlNにより形成されたコート層の有無の特定方法:
 第2のコート層62がAlNにより形成されている場合(すなわち、第2のコート層62が保持部材10と同一材料により形成されている場合)において、受電電極53がAlNの第2のコート層62により覆われていることは、以下のように特定することができる。
[0059]
 受電電極53を含む断面(Z軸方向に平行な断面)を鏡面研磨した後、アルゴンイオン等のイオンビームで試料の断面を処理するクロスセクションポリッシャ処理を行う。次に、加工面を対象として、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、指定の視野を撮像して観察する。なお、撮像は次の2種類について各々5視野ずつ行うものとする。
(1)視野を100μm×100μmとし、受電電極53と保持部材10との界面を含むもの
(2)視野を1mm×1mmとし、受電電極53と保持部材10との界面を含むもの
 下記の2つの要件を満たす時、受電電極53はAlNの第2のコート層62により覆われているものと判断する。
・要件1:上記(1)における、受電電極53と保持部材10との界面の気孔径と気孔数を観察したとき、10個の視野画像において、0.5μm以上、3μm以下の気孔が平均2個以上存在し、かつ、保持部材10と受電電極53とに含有されない成分の元素拡散がない。
・要件2:上記(2)における粒界相成分の分布を観察したとき、10個の視野画像の内、少なくとも5個以上で受電電極53と保持部材10との界面近傍(界面から距離100μm以内の範囲)に粒界相成分が少ない領域が存在しない。
 通常、WやMo等の金属表面酸化物とAlN粒子表面の酸化物は、低温で液相を生成し、緻密化するため、界面に気孔が生じにくい。また、焼結が進行するとAlNの粒界相成分は未焼結部に向かって排出されるため、粒界相成分の濃度差が生じる。一方、表面にAlNにより形成された第2のコート層62が存在する場合、金属表面酸化物と保持部材10のAlN粒子表面の酸化物との反応による、低温での液相生成反応が生じないため、界面気孔が残りやすい。また、界面近傍とそれ以外の箇所で焼結挙動の差が生じにくい為、粒界相成分の濃度差も生じにくい。そのため、上記2つの要件を満たせば、受電電極53はAlNの第2のコート層62により覆われていると判断することができる。
[0060]
 なお、第3のコート層63がAlNにより形成されている場合(すなわち、第3のコート層63が保持部材10と同一材料により形成されている場合)において、発熱抵抗体50がAlNの第3のコート層63により覆われていることも、同様の方法により特定することができる。
[0061]
B.性能評価:
 上述した加熱装置100の構成を採用することによって上述した効果が得られる点について、性能評価を行った。以下、該性能評価について説明する。図5および図6は、性能評価結果を示す説明図である。
[0062]
 図5および図6に示すように、性能評価には、26個のサンプル(SA1~SA26)の加熱装置が用いられた。各サンプルは、上述した実施形態の加熱装置100の製造方法に準じた製造方法で作製した。各サンプルは、受電電極53の材料、受電電極53の表面における第1のコート層61の有無、材料および厚さt1、受電電極53の表面における第2のコート層62の有無および材料、発熱抵抗体50の表面における第3のコート層63の有無および材料が、互いに異なっている。
[0063]
 具体的には、サンプルSA1~SA12,SA15,SA16,SA18~SA26では、上記実施形態と同様に、受電電極53の表面に第1のコート層61を形成し、サンプルSA13,SA14、S17では、受電電極53の表面に第1のコート層61を形成しなかった。なお、図5および図6に示すように、サンプルSA1~SA12,SA15,SA16,SA18~SA26では、第1のコート層61として、TiとZrとVとCrとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物を用いた。また、サンプルSA1~SA12,SA15~SA26では、上記実施形態と同様に、受電電極53の表面に第2のコート層62を形成し、サンプルSA13,SA14では、受電電極53の表面に第2のコート層62を形成しなかった。なお、図5および図6に示すように、サンプルSA1~SA12,SA15~SA26では、第2のコート層62として、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物を用い、いずれも第2のコート層62の厚さを5μmとした。また、サンプルSA11,SA12,SA26では、上記実施形態と同様に、発熱抵抗体50の表面に第3のコート層63を形成し、サンプルSA1~SA10,SA13~SA25では、発熱抵抗体50の表面に第3のコート層63を形成しなかった。なお、サンプルSA11,SA12では、第3のコート層63としてAlNを用い、サンプルSA26では、第3のコート層63としてZrNを用い、いずれも第3のコート層63の厚さを3μmとした。
[0064]
 また、性能評価として、各サンプルについて、保持部材10の保持面S1の温度バラツキを測定した。より詳細には、保持部材10の保持面S1に黒色化したダミーウェハを載置し、端子部材70を介して発熱抵抗体50に電力を供給することにより各サンプルの加熱装置を昇温させ、ダミーウェハの表面温度を測定した。ダミーウェハの表面温度が500℃に到達した時点から15分間、端子部材70を介した供給電力を同一の値に維持し、その後、ダミーウェハ内における最大温度差を、保持面S1の温度バラツキとして測定した。
[0065]
 また、性能評価として、各サンプルについて耐熱試験を行った。より詳細には、各サンプルを600℃に加熱し、50時間経過および100時間経過のタイミングで、端子部材70のはずれの有無を確認すると共に、保持部材10の亀裂の有無を確認した。
[0066]
 図5および図6に示すように、受電電極53の表面に第2のコート層62を形成しなかったサンプルSA13,SA14では、600℃、50時間の耐熱試験において端子部材70のはずれが発生した。また、これらのサンプルでは、保持面S1の温度バラツキ(温度差)が10℃以上と比較的大きい値となった。これらのサンプルでは、受電電極53の表面に第2のコート層62が存在しないため、保持部材10の焼成の際に、炉内雰囲気や原料由来の不純物が、緻密化する前の保持部材10の材料の成形体中に進入して受電電極53と反応することにより、受電電極53の表面に変質層が比較的多く形成され、受電電極53と端子部材70との間の接続不良が発生すると共に、受電電極53の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキが発生して、保持面S1の温度バラツキが発生したものと考えられる。なお、これらのサンプルの内のサンプルSA13では、600℃、50時間の耐熱試験において、保持部材10における受電電極53の角部との接触箇所付近に亀裂の発生が確認された。このサンプルでは、受電電極53の表面に、保持部材10の形成材料であるAlNとの熱膨張差の大きい変質層が比較的多く形成されたため、保持部材10と変質層との間の熱膨張差に起因して保持部材10に亀裂が発生したものと考えられる。
[0067]
 これに対し、受電電極53の表面に第2のコート層62を形成したサンプルSA1~SA12,SA15~SA26では、600℃、50時間の耐熱試験において端子部材70のはずれは発生しなかった。また、これらのサンプルでは、保持面S1の温度バラツキ(温度差)が9℃以下と比較的小さい値となった。なお、これらのサンプルの内、サンプルSA17では、受電電極53の表面に第1のコート層61が形成されなかったが、やはり600℃、50時間の耐熱試験において端子部材70のはずれは発生せず、保持面S1の温度バラツキ(温度差)が9℃以下と比較的小さい値となった。これらのサンプルでは、受電電極53の表面を覆う第2のコート層62の存在により、保持部材10の焼成の際に、受電電極53が不純物と反応して受電電極53の表面に変質層が形成されることが抑制され、受電電極53と端子部材70との間の接続不良の発生や、受電電極53の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキの発生が抑制されたものと考えられる。なお、これらのサンプルでは、600℃、50時間の耐熱試験において、保持部材10における亀裂の発生は確認されなかった。これらのサンプルでは、受電電極53の表面に、保持部材10の形成材料であるAlNとの熱膨張差の大きい変質層が形成されることが抑制されたため、保持部材10と変質層との間の熱膨張差に起因する保持部材10の亀裂の発生が抑制されたものと考えられる。
[0068]
 この性能評価結果により、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面と端子部材70との接続面とを除く表面の少なくとも一部が、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第2のコート層62に覆われていると、受電電極53の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、ひいては、受電電極53と発熱抵抗体50または端子部材70との間の接続不良の発生や、受電電極53の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキの発生を抑制することができ、その結果、保持部材10の保持面S1の温度のバラツキを抑制することができることが確認された。
[0069]
 なお、受電電極53の表面に第2のコート層62を形成したサンプルSA1~SA12,SA15~SA26の内、発熱抵抗体50の表面に第3のコート層63を形成したサンプルSA11,SA12,SA26では、保持面S1の温度バラツキ(温度差)が4℃以下と極めて小さい値となった。これらのサンプルでは、発熱抵抗体50の表面を覆う第3のコート層63の存在により、保持部材10の焼成の際に、発熱抵抗体50が不純物と反応して発熱抵抗体50の表面に変質層が形成されることを抑制することができ、発熱抵抗体50の抵抗値のバラツキに起因する発熱抵抗体50の発熱量のバラツキの発生が抑制されたものと考えられる。この性能評価結果により、発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面を除く表面の少なくとも一部が、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第3のコート層63に覆われていることが好ましいことが確認された。
[0070]
 また、受電電極53の表面に第1のコート層61を形成したサンプルSA1~SA12,SA15,SA16,SA18~SA26の内、第1のコート層61の厚さt1が0.3μm未満であるサンプルSA1,SA15、および、第1のコート層61の厚さt1が60μmを超えるサンプルSA2,SA16では、上述したように600℃、50時間の耐熱試験においては端子部材70のはずれが発生しなかったが、より厳しい条件である600℃、100時間の耐熱試験において端子部材70のはずれが発生した。これに対し、第1のコート層61の厚さt1が0.3μm以上、60μm以下であるサンプルSA3~SA12,SA18~SA26では、600℃、100時間の耐熱試験においても端子部材70のはずれは発生しなかった。サンプルSA3~SA12,SA18~SA26では、第1のコート層61の厚さt1が過度に薄くない(0.3μm以上である)ため、第1のコート層61の存在により、受電電極53の表面に変質層が形成されることをより確実に抑制することができ、また、第1のコート層61の厚さt1が過度に厚くはない(60μm以下である)ため、受電電極53と第1のコート層61との間の線膨張差に起因して第1のコート層61に生じる応力を小さくすることができ、該応力によって第1のコート層61にクラックが生じて変質層の形成を抑制できない、という事態の発生を防止することができたものと考えられる。この性能評価結果により、第1のコート層61の厚さt1は0.3μm以上、60μm以下であることが好ましいことが確認された。
[0071]
C.変形例:
 本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
[0072]
 上記実施形態における加熱装置100の構成は、あくまで例示であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、受電電極53と端子部材70とがろう付け部56により接合されているが、受電電極53と端子部材70との熱膨張差による応力を緩和するために、受電電極53と端子部材70との間に、例えばコバール等の金属により形成された緩衝部材が配置されていてもよい。
[0073]
 また上記実施形態では、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面の大部分(例えば80%以上)が第1のコート層61に覆われているが、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面の少なくとも一部が第1のコート層61に覆われていればよい。また、第1のコート層61の形成は省略されてもよい。同様に、上記実施形態では、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面と端子部材70との接続面とを除く表面の大部分(例えば80%以上)が第2のコート層62に覆われているが、受電電極53の表面の内、発熱抵抗体50との接触面と端子部材70との接続面とを除く表面の少なくとも一部が第2のコート層62に覆われていればよい。同様に、上記実施形態では、発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面を除く表面の大部分(例えば80%以上)が第3のコート層63に覆われているが、発熱抵抗体50の表面の内、受電電極53との接触面を除く表面の少なくとも一部が第3のコート層63に覆われていればよい。また、第3のコート層63の形成は省略されてもよい。
[0074]
 また、上記実施形態では、保持部材10の内部に1つの発熱抵抗体50が配置されているが、保持部材10の内部に複数の発熱抵抗体50が配置されていてもよい。そのような構成では、複数の発熱抵抗体50のそれぞれに対応付けられた複数組の受電電極53および端子部材70等が設けられる。
[0075]
 また、上記実施形態の加熱装置100を構成する各部材の形状や個数、形成材料等は、あくまで一例であり、種々変形可能である。また、上記実施形態における加熱装置100の製造方法はあくまで一例であり、種々変形可能である。
[0076]
 また、上記実施形態では、加熱装置100の構成について詳細に説明したが、本明細書に開示された技術は、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された金属製の発熱抵抗体と、発熱抵抗体と接する導電性の給電接続部材と、給電接続部材と電気的に接続された導電性の給電端子とを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般について、同様に適用可能である。

符号の説明

[0077]
10:保持部材 12:凹部 20:支持部材 22:貫通孔 30:接合部 50:発熱抵抗体 53:受電電極 56:ろう付け部 61:第1のコート層 62:第2のコート層 63:第3のコート層 70:端子部材 100:加熱装置 S1:保持面 S2:裏面 S3:上面 S4:下面 S5:下面 S6:上面 W:半導体ウェハ

請求の範囲

[請求項1]
 第1の表面を有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、
 前記セラミックス部材の内部に配置された金属製の発熱抵抗体と、
 前記発熱抵抗体と接する導電性の給電接続部材と、
 前記給電接続部材と電気的に接続された導電性の給電端子と、
を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、 前記給電接続部材の表面の内、前記発熱抵抗体との接触面と前記給電端子との接続面とを除く表面の少なくとも一部が、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第2のコート層に覆われている、
 ことを特徴とする保持装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の保持装置において、
 前記給電接続部材の表面の内、前記発熱抵抗体との接触面の少なくとも一部が、TiとZrとVとCrとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第1のコート層に覆われている、
 ことを特徴とする保持装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の保持装置において、
 前記第1のコート層の厚さは、0.3μm以上、60μm以下である、
 ことを特徴とする保持装置。
[請求項4]
 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の保持装置において、
 前記発熱抵抗体の表面の内、前記給電接続部材との接触面を除く表面の少なくとも一部が、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物により形成された第3のコート層に覆われている、
 ことを特徴とする保持装置。
[請求項5]
 第1の表面を有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された金属製の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体と接する導電性の給電接続部材と、前記給電接続部材と電気的に接続された導電性の給電端子と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、
 前記給電接続部材の表面の内、前記発熱抵抗体との接触面と前記給電端子との接続面とを除く表面の少なくとも一部に、AlとTiとZrとVとTaとNbとの少なくとも1つを含有する窒化物であるコート層を形成する工程と、
 前記発熱抵抗体と前記コート層が形成された前記給電接続部材とが内部に配置された前記セラミックス部材を焼成により作製する工程と、
 を備えることを特徴とする保持装置の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]