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1. WO2020105501 - 電動機及びブラシ収容部

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明 細 書

発明の名称 電動機及びブラシ収容部

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

符号の説明

0088  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 電動機及びブラシ収容部

技術分野

[0001]
 本開示は電動機及びブラシ収容部に関し、より詳細には、整流子と整流子に接触するブラシとを備える電動機及びブラシを収容するブラシ収容部に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、モータ(電動機)に備えられるブラシカードアセンブリが記載されている。特許文献1記載のブラシカードアセンブリは、中央部に孔を備えた円盤状のブラシカードと、ブラシカード上において一端面を上記孔の中心へ向けて配置された棒状のブラシと、一端部がブラシカードに保持され他端部がブラシの他端面に接触する線材である、加圧部材と、を備える。加圧部材は、コイルスプリングである。加圧部材からブラシへ力が作用することで、ブラシがブラシカードに仮固定される。
[0003]
 しかしながら、特許文献1記載のブラシカードアセンブリでは、加圧部材からブラシへ作用する力の大きさが十分ではない場合があり、その場合は、ブラシカードアセンブリに振動が加えられること等によって、ブラシがブラシカードにおける所定の位置から移動する可能性があった。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2014-239584号公報

発明の概要

[0005]
 本開示は、ブラシを保持させやすい電動機及びブラシ収容部を提供することを目的とする。
[0006]
 本開示の一態様に係る電動機は、整流子と、ブラシと、第1のばねと、第2のばねと、保持部と、を備える。前記ブラシは、前記整流子に接触することで前記整流子に電気的に接続される。前記第1のばねは、前記ブラシを前記整流子に向かう第1の向きに沿って押す。前記第2のばねは、前記ブラシを前記第1の向きと交差する第2の向きに沿って押す。前記保持部は、前記第2の向きにおいて、前記第2のばねとの間に前記ブラシが位置するように配置されている。前記保持部は、前記第2のばねとの間に前記ブラシを保持する。
[0007]
 本開示の一態様に係るブラシ収容部は、ブラシと、所定の軌跡を描きながら第1の向きに沿って移動し前記ブラシを押す部位を有する第1のばねと、を有する電動機に用いられ、前記ブラシを収容する。前記ブラシ収容部は、前記所定の軌跡に沿って前記部位が移動する過程において前記部位が通る溝を有する。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、一実施形態に係る電動機の要部の斜視図であって、第1のばねが第2のばねに引っ掛けられた状態を示す。
[図2] 図2は、同上の電動機の要部の平面図である。
[図3] 図3は、同上の電動機の要部の断面図である。
[図4] 図4は、同上の電動機の要部の分解斜視図である。
[図5] 図5は、同上の電動機の要部の斜視図であって、第1のばねが第2のばねに引っ掛けられていない状態を示す。
[図6] 図6A、6Bは、同上の電動機における第1のばねの動作を示す断面図である。
[図7] 図7A、7Bは、同上の電動機における第1のばねの動作を示す断面図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、実施形態に係る電動機及びブラシ収容部について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
[0010]
 本実施形態の電動機1(図1、2参照)は、直流整流子電動機である。図1~3に示すように、電動機1は、整流子3と、複数(図2では4つ)のブラシ81と、複数(図2では4つ)の第1のばね91と、複数(図2では4つ)の第2のばね92と、を備えている。電動機1は、軸部2と、コアと、コアに巻かれた巻線と、ベース61と、エンド部材62と、界磁極と、複数(図2では4つ)のブラシカバー82と、複数(図2では4つ)のケーブル83と、を更に備えている。図1、2では、エンド部材62と、エンド部材62に取り付けられた一部の構成とのみを図示している。
[0011]
 電動機1において、電機子は、軸部2と、整流子3と、コアと、巻線と、を備えている。電機子は、回転子を構成している。また、電動機1において、固定子は、界磁極と、ベース61と、エンド部材62と、複数のブラシ81と、複数のブラシカバー82と、第1のばね91と、第2のばね92とを備えている。電機子(回転子)は、電動機1の外部から電流の供給を受けて、界磁極で発生する磁界により発生するローレンツ力を受け、固定子に対して回転する。
[0012]
 ベース61は、有底筒状である。ベース61は、軸部2の一部と、整流子3と、コアと、巻線と、界磁極と、複数のブラシ81と、複数のブラシカバー82とを収容している。エンド部材62は、板状である。エンド部材62は、ベース61の開口端を覆っている。
[0013]
 軸部2は、円柱状である。軸部2は、電動機1の出力軸である。軸部2は、ベース61及びエンド部材62に回転可能に支持されている。
[0014]
 軸部2には、整流子3とコアとが固定されている。軸部2は、整流子3とコアとを連結している。軸部2は、エンド部材62に形成された挿通孔620に通されている。これにより、軸部2の一部は、ベース61とエンド部材62とに囲まれた空間の外部へ突出している。
[0015]
 整流子3は、複数の整流子片32を有している。整流子3は、複数の整流子片32の各々の一面を外周面とする円筒状に形成されている。
[0016]
 複数の整流子片32の各々は、例えば、銅等の金属を材料として形成されている。複数の整流子片32の各々は、板状である。複数の整流子片32の各々は、長方形状である。複数の整流子片32の各々の長手方向は、軸部2の長手方向に沿っている。複数の整流子片32は、軸部2の周囲に円状に並んでいる。複数の整流子片32は、間隔をあけて並んでいる。複数の整流子片32は、等間隔に並んでいる。
[0017]
 複数の整流子片32の各々には、巻線が電気的に接続されている。複数の整流子片32の各々と巻線とは、例えば、熱溶着等の溶接により、機械的にかつ電気的に接続されている。巻線は、複数の整流子片32を互いに電気的に接続している。
[0018]
 巻線は、例えば、エナメル線である。巻線は、線状の導体と、導体を覆う絶縁被覆と、を有している。巻線のうち、複数の整流子片32の各々と電気的に接続されている部位では、絶縁被覆が除去されている。
[0019]
 コアは、鉄等の磁性材料により形成されている。コアと整流子3とは、軸部2の長手方向に並んでいる。コアは、整流子3から見て図3の紙面右に配置されている。
[0020]
 界磁極は、複数の永久磁石を含む。複数の永久磁石は、コアを囲むようにベース61に固定されている。すなわち、複数の永久磁石は、軸部2の長手方向から見てコアを囲む円環状となるようにベース61に配置されている。コアは、整流子3及び軸部2と一緒に回転し、その際、コアは、複数の永久磁石により囲まれた空間内で回転する。
[0021]
 複数のブラシ81の各々には、電動機1の電源回路から電流が流される。複数のブラシ81は、整流子3の複数の整流子片32に接触することで複数の整流子片32に電気的に接続される。電動機1では、電源回路から複数のブラシ81と複数の整流子片32とを介して、巻線に電流が流れる。
[0022]
 ブラシ81、ブラシカバー82、ケーブル83、第1のばね91及び第2のばね92の各々の個数は、4つである。1つのブラシ81には、1つのブラシカバー82と1つのケーブル83と1つの第1のばね91と1つの第2のばね92とが対応する。以下では、複数のブラシ81のうち或る1つのブラシ81と、このブラシ81に対応する1つずつのブラシカバー82、ケーブル83、第1のばね91及び第2のばね92とに着目して説明するが、残りの3つずつのブラシ81、ブラシカバー82、ケーブル83、第1のばね91及び第2のばね92も同様の構成を有している。
[0023]
 ブラシ81は、例えば、黒鉛を材料として形成されている。図4に示すように、ブラシ81の形状は、直方体状である。ブラシ81は、ケーブル83を介して電動機1のチョークコイルに電気的に接続されている。チョークコイルは、電動機1の電源回路に接続されている。電源回路から出力された電流は、チョークコイルでノイズを低減されて、ブラシ81へ流れる。
[0024]
 ブラシカバー82は、ブラシ81を覆っている。ブラシカバー82は、第1側壁821と、第2側壁822と、複数(図4では2つ)の爪部823とを有している。第1側壁821及び第2側壁822の各々の形状は、長方形状の板状である。第1側壁821は、ブラシカバー82が保持部622(後述する)に取り付けられた状態で、底板621と略平行に向かい合う。第2側壁822は、ブラシカバー82が保持部622に取り付けられた状態で、第1側壁821の短手方向の一端縁から底板621に向かって延びている。ブラシカバー82は、例えば、金属を材料として形成されている。
[0025]
 エンド部材62は、底板621と、複数(本実施形態では4つ)の保持部622と、複数(本実施形態では4つ)のリブ623と、を有している。1つのブラシ81には、1つの保持部622と1つのリブ623とが対応する。以下では、1つのブラシ81と、このブラシ81に対応する1つずつの保持部622及びリブ623に着目して説明するが、残りの3つずつの保持部622及びリブ623も同様の構成を有している。エンド部材62は、例えば、樹脂を材料として形成されている。
[0026]
 底板621の形状は、円盤状である。保持部622及びリブ623は、底板621から底板621の厚さ方向に突出している。保持部622及びリブ623の各々の形状は、直方体状である。保持部622は、底板621の厚さ方向に窪んだ複数(図4では2つ)の窪み622Aを有している。複数の窪み622Aは、ブラシカバー82の複数の爪部823と一対一で対応する。複数の窪み622Aの各々には、対応する爪部823が差し込まれる。保持部622とリブ623とは、互いに略平行に向かい合っている。ブラシ81は、ブラシカバー82に覆われた状態で、保持部622とリブ623との間に配置されている。ブラシカバー82の複数の爪部823が保持部622の複数の窪み622Aに差し込まれることで、ブラシカバー82が保持部622に取り付けられている。
[0027]
 ブラシ81は、底板621の一部と、保持部622と、リブ623と、ブラシカバー82とに囲まれた空間に配置されている。すなわち、これらは、ブラシ81を収容するブラシ収容部7(図1参照)を構成している。
[0028]
 図1に示すように、ブラシ81は、ブラシ81の長手方向がブラシカバー82の第1側壁821及び第2側壁822の長手方向に沿うように配置されている。また、ブラシ81の長手方向は、保持部622及びリブ623の長手方向にも沿っている。ブラシ81の長手方向の先端(図1における下端)は、整流子3と対向している。
[0029]
 第1のばね91は、ねじりコイルばねである。第1のばね91は、らせん状のコイル部911と、コイル部911から延びている腕部912と、を有している。ここで、エンド部材62は、底板621から突出した複数(図2では4つ)の支持柱624を更に備えている(図2参照)。電動機1において第1のばね91と支持柱624とはそれぞれ4つ備えられており、互いに一対一で対応する。各第1のばね91において、コイル部911の内側には、対応する支持柱624が挿入されている。これにより、第1のばね91は、回転可能に支持柱624に支持されている。腕部912の形状は、棒状である。後述するように、腕部912は、ブラシ81を整流子3に向かう第1の向きS1に沿って押す。腕部912は、コイル部911側とは反対側の端において、鉤状に折り返されている。以下の説明において、第1のばね91のうちブラシ81と接触する側の一端915とは、腕部912の鉤状の部位のうち折り返されている箇所を指す。腕部912の鉤状の部位のうち折り返されている箇所よりも先の部位916は、ブラシ81に接触しない部位なので、第1のばね91のうちブラシ81と接触する側の一端915に含まれない。
[0030]
 上述のように、腕部912のうち鉤状に折り返されて曲面となっている部位(一端915)がブラシ81に接触するので、鉤状の部位の先端917がブラシ81と接触する場合と比較して、ブラシ81と腕部912との接触面積を大きくできる。これにより、腕部912との接触によるブラシ81の摩耗を抑制できる。
[0031]
 ブラシ収容部7(エンド部材62の一部及びブラシカバー82)は、第1の向きS1におけるブラシ81の移動経路の少なくとも一部を規定するガイド部に相当する。つまり、ブラシ81の移動経路は、保持部622、リブ623、第1側壁821及び第2側壁822の長手方向と略平行な第1の向きS1に沿った移動経路となる。
[0032]
 第2のばね92は、板ばねである。第2のばね92は、ガイド部を構成する第2側壁822と一体に形成されている。これにより、ガイド部と第2のばね92とが別々の部品として形成される場合と比較して、部品点数を減らせる。
[0033]
 また、第2のばね92と、ブラシカバー82の第1側壁821及び第2側壁822とが一体に形成されている。第2のばね92の側面の形状は、S字状である。すなわち、第1側壁821の厚さ方向から見て、第2のばね92の形状はS字状である。
[0034]
 第2のばね92の第1端921は、第2側壁822につながっている固定端である。第2のばね92の第2端922は、開放端である。第2のばね92の第1端921と第2端922との間にある中間部920は、ブラシ81と接触する。第2のばね92は、ブラシ81を、第1の向きS1と交差する第2の向きS2に沿って押す。ここで、保持部622は、第2の向きS2において、第2のばね92との間にブラシ81が位置するように配置されている。つまり、第2の向きS2において、第2のばね92、ブラシ81及び保持部622は、この順に並んでいる。したがって、第2のばね92がブラシ81を第2の向きS2に沿って押すことにより、ブラシ81は、保持部622に押し付けられる。つまり、保持部622と第2のばね92との間にブラシ81が保持される。これにより、ブラシ81は、第1の向きS1における移動を規制される。その結果、ブラシ81は、第1の向きS1に移動し難くなる。
[0035]
 第2のばね92のうち、ブラシ81と接触する部位(中間部920)の厚さ方向は、第2の向きS2に沿った方向である。したがって、第2のばね92は、第2のばね92の厚さ方向と交差する第1の面925(図6A参照)によりブラシ81を押すことになる。より詳細には、第2のばね92は、ブラシ81の長手方向に沿った側面813を押す(図6A参照)。
[0036]
 図4に示すように、第2のばね92には、引掛部923が形成されている。引掛部923は、第2のばね92の第2端922に形成された凹部である。引掛部923には、第1のばね91の腕部912が引っ掛けられる。
[0037]
 第2のばね92は、第1のばね91から加えられる弾性力を受けて、第2の向きS2に移動しようとする。これにより、第2のばね92は、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押す。つまり、第2のばね92は、第1のばね91から弾性力を受けている場合に、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押す。第2のばね92がブラシ81を第2の向きS2に沿って押す力の大きさは、第2のばね92の弾性力と第1のばね91が第2のばね92を押す力との合力となる。そのため、第2のばね92の弾性力のみによりブラシ81が保持される場合と比較して、ブラシ81を保持させやすい。なお、本実施形態では、第2のばね92は、第1のばね91から弾性力を受けていない場合は、ブラシ81と接触していない。つまり、第2のばね92は、第1のばね91が第2のばね92の引掛部923に引っ掛けられている場合にのみ、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押す。
[0038]
 第1のばね91の腕部912は、第2のばね92のうち、第2のばね92の厚さ方向と交差する第2の面926(図6A参照)に接触するのではなく、引掛部923(凹部)の底面に接触する。これにより、第1のばね91が第2のばね92を第2の向きS2に移動させる力は、第1のばね91の腕部912の回転方向(第2の向きS2と交差する方向)の力の分力となるので、第2のばね92の塑性変形及びブラシカバー82の変形等が起きる可能性を低減できる。
[0039]
 第1のばね91の腕部912が引掛部923に引っ掛けられている場合に、第1のばね91はブラシ81に接触せず、かつ、第2のばね92はブラシ81に接触する。電動機1を使用する前、例えば、電動機1の出荷時には、第1のばね91の腕部912は、引掛部923に引っ掛けられた状態にある。このため、第2のばね92がブラシ81を第2の向きS2に沿って押す力により、ブラシ81の第1の向きS1における移動を規制することができる。
[0040]
 電動機1を使用する際、例えば、人の手作業により、第1のばね91の腕部912と引掛部923との引っ掛かりが解除される。さらに、腕部912に、腕部912の位置を図6Aの紙面奥行き方向(言い換えれば、底板621の厚さ方向)にずらす力が加えられると、図5に示すように、第1のばね91とブラシ81とが接触した状態となる。このとき、第1のばね91は、ブラシ81を第1の向きS1に沿って押す。これにより、ブラシ81と整流子3との接触圧力を確保できる。
[0041]
 ここで、ブラシ収容部7には、図1及び図5に示すように、第1のばね91のうちブラシ81と接触する側の一端915(第1端)をブラシカバー82の外部から内部へ通す開口部71が形成されている。つまり、第1のばね91は、引掛部923との引っ掛かりが解除されてから、開口部71を通ってブラシ81に接触させられる。開口部71は、リブ623と第2側壁822との間に形成されている。開口部71と引掛部923とは、第1のばね91の一端915(第1端)の軌跡T1(図6A参照)を含む平面と交差する方向(図6Aの紙面奥行き方向)に並んでいる。
[0042]
 ブラシ81には、溝部814(図1参照)が形成されている。第1のばね91の腕部912は、溝部814に保持される。
[0043]
 ブラシ81は、回転する整流子3と接触するため、整流子3と接触する先端811(図6A参照)からすり減ることがある。ブラシ81がすり減ることに応じて、第1のばね91の一端915が、第1のばね91自体の弾性力により、コイル部911を中心として徐々に反時計回りに回転する。図6Aは、電動機1の使用前であって第1のばね91が引掛部923に引っ掛けられている状態を示す。図6Bは、第1のばね91と引掛部923との引っ掛かりが解除されて電動機1の使用を開始された直後の状態を示す。図6A及び図6Bでは、いずれもブラシ81はすり減っていない。図7Aは、電動機1が使用されてブラシ81がすり減った状態を示し、図7Bは、ブラシ81が更にすり減った状態を示す。つまり、電動機1が使用されることで、図6B、図7A、及び図7Bの順に第1のばね91が反時計回りに回転する。
[0044]
 図6B、図7A、及び図7Bのいずれにおいても、電動機1が使用される間、第1のばね91の腕部912は、ブラシ81のうち整流子3と接触する先端811とは反対側の端812に接触して、ブラシ81を第1の向きS1に沿って押す。これにより、第1のばね91は、ブラシ81をすり減った分だけ第1の向きS1に沿って移動させることで、ブラシ81に、整流子3と接触した状態を維持させる。
[0045]
 ブラシ収容部7の内壁を構成する保持部622には、溝628が形成されている。溝628は、第1のばね91のうちブラシ81と接触する側の一端915(第1端)の軌跡T1に沿って形成されている。これにより、第1のばね91の一端915が回転するときに保持部622と一端915とが接触することが抑制される。軌跡T1は、第1のばね91がコイル部911を中心として回転するときの軌跡である。つまり、第1のばね91の一部位(一端915)は軌跡T1を描きながら第1の向きS1に沿って移動しブラシ81を押すのであって、軌跡T1に沿って一端915が移動する過程において、一端915は、ブラシ収容部7の溝628を通る。
[0046]
 第1のばね91は、ブラシ81と接触する側の一端915(第1端)と、一端915とは反対側の一端(コイル部911)(第2端)と、を有している。図6Aに、第1のばね91のうちブラシ81と接触する側の一端915の軌跡T1を図示する。軌跡T1の少なくとも一部は、第1のばね91のうちブラシ81と接触する側の一端915(第1端)とは反対側の一端(コイル部911)(第2端)から見て、ブラシ81の第2の向きS2に沿った方向の中心位置を越える。つまり、軌跡T1は、コイル部911から見て、ブラシ81を第2の向きS2に2等分する直線800を越える。第1のばね91の一端915の軌跡T1は、ブラシ81が使用され始めてからブラシ81の交換が必要になるまでの間の軌跡である。第1のばね91の一端915は、第1のばね91に直接力が加えられない限り、軌跡T1上を移動することになる。
[0047]
 ここで、本実施形態では、軌跡T1の一部が、コイル部911から見て、ブラシ81の第2の向きS2に沿った方向の中心位置を越える。これに対して、軌跡T1の全部が、コイル部911から見て、ブラシ81の第2の向きS2に沿った方向の中心位置を越えてもよい。
[0048]
 軌跡T1を含む平面と直交する方向(図6Aの紙面奥行き方向)において、溝628の幅は、ブラシ81の幅よりも小さい。
[0049]
 ここで、本実施形態の電動機1では、第1のばね91の一端915を、ブラシ81のうちブラシ81の長手方向に沿った側面813に接触させる場合と比較して、第1のばね91の腕部912の可動域を大きくできる。すなわち、本実施形態の電動機1では、軌跡T1の長さをより長くできる。その理由は、本実施形態の電動機1では、第1のばね91の一端915は、ブラシ81の側面813ではなくブラシ81の端812に接触させられるのであって、腕部912の長さをより長くできるためである。腕部912の長さをより長くできるので、軌跡T1が、コイル部911から見て、ブラシ81の第2の向きS2に沿った方向の中心位置を越えることが可能である。つまり、腕部912の可動域を大きくすることができる。そして、腕部912の可動域を大きくすることで、ブラシ81がすり減っても、ブラシ81と整流子3との接触圧力を確保しやすくなる。そのため、ブラシ81を使用し始めてからブラシ81の交換が必要になるまでの期間(つまり、ブラシ81の寿命)を延ばすことができる。
[0050]
 電動機1を他の機器に実装する前は、第1のばね91の腕部912が第2のばね92の引掛部923に引っ掛けられた状態を維持し、第2のばね92と保持部622との間にブラシ81を保持する。これにより、例えば、電動機1の輸送中又は保管中に電動機1に振動が加えられた場合に、ブラシ81が移動する可能性を低減できる。電動機1を他の機器に実装する際は、第1のばね91の腕部912を第2のばね92の引掛部923から取外すことで、第2のばね92と保持部622とによるブラシ81の保持を解除して、第1のばね91によりブラシ81が整流子3に向かって押されるようにする。これにより、ブラシ81と整流子3との接触圧力を確保できる。
[0051]
 (変形例)
 次に、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
[0052]
 電動機1の構成は、発電機に適用されてもよい。
[0053]
 実施形態において回転子である構成が固定子であって、かつ、実施形態において固定子である構成が回転子であってもよい。
[0054]
 ブラシ81の個数は4つに限定されず、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。これに応じて第1のばね91の個数及び第2のばね92の個数は、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。
[0055]
 第2のばね92が第1のばね91から作用を受けることは必須ではなく、第2のばね92は、第2のばね92自体の弾性力のみにより、保持部622との間にブラシ81を保持してもよい。
[0056]
 第2のばね92は、第1のばね91から弾性力を受けていない場合に、第2のばね92自体の弾性力により、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押してもよい。つまり、第2のばね92は、第1のばね91が第2のばね92の引掛部923に引っ掛けられていない場合にも、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押してもよい。この場合、第1のばね91がブラシ81を第1の向きS1に沿って押す力の大きさは、第2のばね92がブラシ81を第2の向きS2に沿って押してブラシ81の第1の向きS1における移動を規制する力の大きさと比較して大きいことが好ましい。
[0057]
 また、第2のばね92は、第1のばね91から弾性力を受けていない場合に、第2のばね92自体の弾性力により、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押し、第2のばね92が塑性変形させられることによりブラシ81から離れ、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押さなくなるように構成されていてもよい。この場合、第2のばね92は、例えば、工具を用いて手作業により塑性変形させられればよい。
[0058]
 (まとめ)
 以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
[0059]
 第1の態様に係る電動機1は、整流子3と、ブラシ81と、第1のばね91と、第2のばね92と、保持部622と、を備える。ブラシ81は、整流子3に接触することで整流子3に電気的に接続される。第1のばね91は、ブラシ81を整流子3に向かう第1の向きS1に沿って押す。第2のばね92は、ブラシ81を第1の向きS1と交差する第2の向きS2に沿って押す。保持部622は、第2の向きS2において、第2のばね92との間にブラシ81が位置するように配置されている。保持部622は、第2のばね92との間にブラシ81を保持する。
[0060]
 上記の構成によれば、電動機1に第2のばね92が備えられておらず第1のばね91の弾性力によりブラシ81を保持する場合と比較して、ブラシ81を保持させやすい。
[0061]
 また、第2の態様に係る電動機1では、第1の態様において、第1のばね91は、ねじりコイルばねである。
[0062]
 上記の構成によれば、第1のばね91をコンパクト化しやすい。
[0063]
 また、第3の態様に係る電動機1では、第1又は2の態様において、第1のばね91は、ブラシ81と接触する第1端(一端915)と、第1端(一端915)とは反対側の第2端(コイル部911)と、を有している。第1端(一端915)の軌跡T1の少なくとも一部は、第2端(コイル部911)から見て、ブラシ81の第2の向きS2に沿った方向の中心位置を越える。
[0064]
 上記の構成によれば、コイル部911から見てブラシ81の第2の向きS2に沿った方向の中心位置を軌跡T1が越えない場合と比較して、第1のばね91のうちブラシ81と接触する側の一端915がブラシ81との接触を維持しながら移動可能な範囲が広くなる。
[0065]
 また、第4の態様に係る電動機1は、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、ガイド部(ブラシ収容部7)を備える。ガイド部は、保持部622を含む。ガイド部は、第1の向きS1におけるブラシ81の移動経路の少なくとも一部を規定する。第2のばね92は、ガイド部と一体に形成されている。
[0066]
 上記の構成によれば、ガイド部(ブラシ収容部7)と第2のばね92とが別々の部品として形成される場合と比較して、部品点数を減らせる。
[0067]
 また、第5の態様に係る電動機1では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、第2のばね92は、板ばねである。第2のばね92のうちブラシ81と接触する部位の厚さ方向は、第2の向きS2に沿った方向である。
[0068]
 上記の構成によれば、第2のばね92のうちブラシ81と接触する部位は、当該部位の厚さ方向と交差する面(第1の面925)においてブラシ81と接触できる。したがって、第2のばね92とブラシ81とが1点において接触する場合と比較して、第2のばね92とブラシ81との接触面積を大きくできる。
[0069]
 また、第6の態様に係る電動機1では、第5の態様において、第2のばね92は、引掛部923を有する。引掛部923には、第1のばね91が引っ掛けられる。第2のばね92は、第1のばね91から弾性力を受けている場合に、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押す。
[0070]
 上記の構成によれば、第2のばね92は、第1のばね91から弾性力を受けている場合に、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押す。したがって、第2のばね92がブラシ81を第2の向きS2に沿って押す力の大きさは、第2のばね92の弾性力と第1のばね91が第2のばね92を押す力との合力となる。そのため、ブラシ81を保持するように作用する力が第2のばね92の弾性力のみである場合と比較して、ブラシ81を保持させやすい。
[0071]
 また、第7の態様に係る電動機1では、第6の態様において、第1のばね91が引掛部923に引っ掛けられている場合に、第1のばね91はブラシ81に接触せず、かつ、第2のばね92はブラシ81に接触する。
[0072]
 上記の構成によれば、第1のばね91が引掛部923に引っ掛けられている場合に、第1のばね91の弾性力によってブラシ81が第1の向きS1に押される可能性を低減できる。
[0073]
 また、第8の態様に係る電動機1は、第6又は7の態様において、ブラシ収容部7を備える。ブラシ収容部7は、ブラシ81を収容する。第1のばね91は、ブラシ81と接触する第1端(一端915)と、第1端(一端915)とは反対側の第2端(コイル部911)と、を有している。ブラシ収容部7には、開口部71が形成されている。開口部71は、第1端(一端915)をブラシ収容部7の外部から内部へ通す。開口部71と引掛部923とは、第1端(一端915)の軌跡T1を含む平面と交差する方向に並んでいる。
[0074]
 上記の構成によれば、第2のばね92を除去したり第2のばね92を塑性変形させたりしなくても、第1のばね91の一端915を、開口部71を通してブラシ81と接触させられる。
[0075]
 また、第9の態様に係る電動機1では、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、ブラシ収容部7を備える。ブラシ収容部7は、ブラシ81を収容する。第1のばね91は、ブラシ81と接触する第1端(一端915)と、第1端(一端915)とは反対側の第2端(コイル部911)と、を有している。ブラシ収容部7には、開口部71が形成されている。開口部71は、第1端(一端915)をブラシ収容部7の外部から内部へ通す。ブラシ収容部7の内壁(保持部622)には、第1端(一端915)の軌跡T1に沿って溝628が形成されている。
[0076]
 上記の構成によれば、ブラシ収容部7の内壁(保持部622)と第1のばね91の一端915とが接触する可能性を低減できる。
[0077]
 第1の態様以外の構成については、電動機1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
[0078]
 第10の態様に係るブラシ収容部7は、電動機1に用いられ、ブラシ81を収容する。電動機1は、ブラシ81と、所定の軌跡T1を描きながら第1の向きS1に沿って移動しブラシ81を押す部位(一端915)を有する第1のばね91と、を有する。ブラシ収容部7は、所定の軌跡T1に沿って上記部位(一端915)が移動する過程において上記部位(一端915)が通る溝628を有する。
[0079]
 上記の構成によれば、ブラシ収容部7と第1のばね91とが接触する可能性を低減できる。そのため、ブラシ収容部7にブラシ81を保持させやすい。
[0080]
 第10の態様に係る構成については、第1~9の態様に係る構成と適宜組み合わせて適用可能である。
[0081]
 ところで、電動機1に関する次の第11及び12の態様に係る構成は、第1の態様の構成を必ずしも全て必須とすることなく、適用可能である。
[0082]
 第11の態様に係る電動機1は、整流子3と、ブラシ81と、保持機構(第2のばね92)と、ガイド部(ブラシ収容部7)と、を備える。ブラシ81は、整流子3に接触することで整流子3に電気的に接続される。保持機構(第2のばね92)は、ブラシ81を保持する。ガイド部(ブラシ収容部7)は、整流子3に向かう第1の向きS1におけるブラシ81の移動経路の少なくとも一部を規定する。保持機構(第2のばね92)は、ガイド部(ブラシ収容部7)と一体に形成されている。
[0083]
 上記の構成によれば、ガイド部(ブラシ収容部7)と保持機構(第2のばね92)とが別々の部品として形成される場合と比較して、部品点数を減らせる。
[0084]
 第11の態様では、保持機構は、ブラシ81を保持する構成であれば、第2のばね92以外の構成であってもよい。保持機構として、第2のばね92に代えて、例えば、ピンが用いられてもよい。ブラシ81に設けられた穴にピンが挿入されることで、ブラシ81が保持される。
[0085]
 第12の態様に係る電動機1では、第11の態様において、保持機構は、ばね(第2のばね92)である。ガイド部(ブラシ収容部7)は、保持部622を含む。保持部622は、第2の向きS2において、ばね(第2のばね92)との間にブラシ81が位置するように配置されている。ばね(第2のばね92)は、ブラシ81を第2の向きS2に沿って押すことにより、保持部622との間にブラシ81を保持する。第2の向きS2は、第1の向きS1と交差する向きである。
[0086]
 上記の構成によれば、ブラシ81をばね(第2のばね92)の弾性力により保持できる。
[0087]
 また、第2、3、5~10の態様に係る構成については、第11及び12の態様に係る電動機1と適宜組み合わせて適用可能である。

符号の説明

[0088]
1 電動機
3 整流子
622 保持部(内壁)
7 ブラシ収容部(ガイド部)
71 開口部
81 ブラシ
91 第1のばね
911 コイル部(第2端)
915 一端(第1端)
92 第2のばね
923 引掛部
S1 第1の向き
S2 第2の向き
T1 軌跡

請求の範囲

[請求項1]
 整流子と、
 前記整流子に接触することで前記整流子に電気的に接続されるブラシと、
 前記ブラシを前記整流子に向かう第1の向きに沿って押す第1のばねと、
 前記ブラシを前記第1の向きと交差する第2の向きに沿って押す第2のばねと、
 前記第2の向きにおいて、前記第2のばねとの間に前記ブラシが位置するように配置されており、前記第2のばねとの間に前記ブラシを保持する保持部と、を備える、
 電動機。
[請求項2]
 前記第1のばねは、ねじりコイルばねである、
 請求項1に記載の電動機。
[請求項3]
 前記第1のばねは、前記ブラシと接触する第1端と、前記第1端とは反対側の第2端と、を有し、
 前記第1端の軌跡の少なくとも一部は、前記第2端から見て、前記ブラシの前記第2の向きに沿った方向の中心位置を越える、
 請求項1又は2に記載の電動機。
[請求項4]
 前記保持部を含み、前記第1の向きにおける前記ブラシの移動経路の少なくとも一部を規定するガイド部を備え、
 前記第2のばねは、前記ガイド部と一体に形成されている、
 請求項1~3のいずれか一項に記載の電動機。
[請求項5]
 前記第2のばねは、板ばねであり、
 前記第2のばねのうち前記ブラシと接触する部位の厚さ方向は、前記第2の向きに沿った方向である、
 請求項1~4のいずれか一項に記載の電動機。
[請求項6]
 前記第2のばねは、前記第1のばねが引っ掛けられる引掛部を有し、
 前記第2のばねは、前記第1のばねから弾性力を受けている場合に、前記ブラシを前記第2の向きに沿って押す、
 請求項5に記載の電動機。
[請求項7]
 前記第1のばねが前記引掛部に引っ掛けられている場合に、前記第1のばねは前記ブラシに接触せず、かつ、前記第2のばねは前記ブラシに接触する、
 請求項6に記載の電動機。
[請求項8]
 前記ブラシを収容するブラシ収容部を備え、
 前記第1のばねは、前記ブラシと接触する第1端と、前記第1端とは反対側の第2端と、を有し、
 前記ブラシ収容部には、前記第1端を前記ブラシ収容部の外部から内部へ通す開口部が形成されており、
 前記開口部と前記引掛部とは、前記第1端の軌跡を含む平面と交差する方向に並んでいる、
 請求項6又は7に記載の電動機。
[請求項9]
 前記ブラシを収容するブラシ収容部を備え、
 前記第1のばねは、前記ブラシと接触する第1端と、前記第1端とは反対側の第2端と、を有し、
 前記ブラシ収容部には、前記第1端を前記ブラシ収容部の外部から内部へ通す開口部が形成されており、
 前記ブラシ収容部の内壁には、前記第1端の軌跡に沿って溝が形成されている、
 請求項1~8のいずれか一項に記載の電動機。
[請求項10]
 ブラシと、
 所定の軌跡を描きながら第1の向きに沿って移動し前記ブラシを押す部位を有する第1のばねと、
 を有する電動機に用いられ、前記ブラシを収容するブラシ収容部であって、
 前記所定の軌跡に沿って前記部位が移動する過程において前記部位が通る溝を有する、
 ブラシ収容部。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]