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1. WO2020105427 - 車両用表示装置

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明 細 書

発明の名称 車両用表示装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 車両用表示装置

関連出願の相互参照

[0001]
 本出願は、2018年11月21日に出願された日本特許出願番号2018-218570号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は、視認性を向上させる車両用表示装置に関する。

背景技術

[0003]
 車両に搭載された表示装置において、高温による故障を防止しつつ、輝度の低下を抑制する技術が知られている。特許文献1では、液晶パネルをエリア毎に照明できるバックライトを備え、照明するエリアを表示画像に対応したエリアとする。
[0004]
 特許文献1では、照明するエリアを表示画像に対応したエリアに制限することから、全部のエリアを照明するよりも、バックライトの発熱量を少なくすることができる。このようにして発熱量を低下させるので、発熱量を少なくするために電流を低下させる必要性が減少する。輝度は電流により定まるので、電流を低下させる必要性が低下することで、輝度の低下が抑制でき、輝度の低下が抑制できることにより、視認性が向上する。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2018-106193号公報

発明の概要

[0006]
 特許文献1の技術を適用したとしても、車両の環境によっては、装置の温度が装置内の部品の作動を保証する上限付近に上昇する可能性はある。特許文献1の技術を適用した場合であっても、装置の温度が高くなってくると、発熱量を少なくするために電流を低下させる必要がある。以下、電流を低下させる温度の最小値を電源制限開始温度とする。
[0007]
 電流制限開始温度を何度に設定するかは、時間当りの発熱量と放熱量のバランスにより決まる。したがって、同じ放熱構造であれば、時間当りの発熱量が少ないほど、電流制限開始温度を高くできる。
[0008]
 特許文献1の技術は、照明するエリアを表示画像に対応したエリアに制限するが、表示画像が画面のどの箇所に表示されるかは種々の状況により変化し、表示画面の全部が、画像が表示される可能性があるエリアである。したがって、特許文献1の技術を適用しても、電流制限開始温度は、照明するエリアが表示画面の全部に対応したエリアであることを想定して決定する必要がある。つまり、特許文献1の技術を適用しても、電流制限開始温度は、照明するエリアを表示画像とは無関係に表示画面の全部のエリアとする場合に対して高くすることはできない。
[0009]
 電流制限開始温度を高くすることができないので、車両が暑い環境にあって温度上昇しやすいときは、バックライトの発熱は少なくても電流制限開始温度に到達しやすい。よって、従来技術は視認性向上の観点で改善する必要があった。
[0010]
 本開示は、視認性を向上させることができる車両用表示装置を提供することを目的とする。
[0011]
 本開示の一態様に係る車両用表示装置は、液晶パネルと、バックライトと、バックライトに流す電流を制御することでバックライトの輝度を制御する電流制御部とを備える。全部の表示エリアのうちの予め定められた一部エリアが、車両が正常走行中に画像が表示される部分表示エリアに設定される一方、部分表示エリアよりも広い表示エリアが、車両が停車中であること、および、表示する画像が異常を通知する画像であることのいずれか少なくとも一方を条件の一つとして画像が表示される広表示エリアに設定されており、バックライトは、部分表示エリアに対応した部分が点灯可能である状態と、広表示エリアに対応した部分が点灯可能である状態とが少なくとも可能である。電流制御部は、バックライトの雰囲気温度が、発熱量を少なくするために電流を低下させる温度の最低値である電流制限開始温度よりも高い温度では、バックライトに流す電流を、バックライトの雰囲気温度が電流制限開始温度以下の温度においてバックライトに流す電流よりも制限し、かつ、バックライトにおいて広表示エリアに対応した部分を点灯可能にする場合には、バックライトにおいて部分表示エリアに対応する部分を点灯可能にする場合以下の発熱量になるように、バックライトにおいて広表示エリアに対応する部分に流す電流を小さくする。
[0012]
 この車両用表示装置では、バックライトにおいて広表示エリアに対応した部分を点灯可能にする場合には、バックライトにおいて部分表示エリアに対応した部分を点灯可能にする場合の発熱量以下になるように、広表示エリアに対応する部分に流す電流を小さくする。
[0013]
 これにより、電流制限開始温度は、バックライトにおいて部分表示エリアに対応した部分を点灯可能にする場合を考慮して設定すればよい。したがって、バックライトを全部点灯する状態を考慮する場合よりも電流制限開始温度を高くすることができる。この結果、広い温度範囲での高輝度化が可能になる。よって、画像が表示されるエリアが部分表示エリアになっているときの視認性が広い温度範囲で向上する。
[0014]
 ただし、広表示エリアとする場合には、輝度が低下することになる。しかし、広表示エリアとするときは、停車中であるか、表示する画像が異常を通知する画像であるか、いずれかの条件が成立している。停車中であれば、運転者は表示エリアを注視することが可能である。注視できる点で視認性が向上することから、輝度が低下していても、視認性の低下が抑制される。また、異常を通知する画像は、一見してわかる画像になっていることが一般的である。つまり、異常を通知する画像は、画像自体が視認性がよい画像になっていることが一般的である。よって、輝度が低下していても、視認性の低下は抑制される。これらのことから、画像が表示されるエリアが広表示エリアになっているときの視認性の低下も抑制できる。

図面の簡単な説明

[0015]
 本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。
[図1] 実施形態におけるHUD装置の車両への搭載状態を示す模式図である。
[図2] 複数の発光素子を備えるバックライトを示す図である。
[図3] 液晶パネルの表示領域が複数の小表示領域に分けられていることを示す図である。
[図4] 制御部が備える機能を示すブロック図である。
[図5] 投影部に表示された虚像を例示した図である。
[図6] 電流制御部が用いるデューティ比決定線L1、L2を示す図である。
[図7] 制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
[図8] 電流制御部が実行する処理を示すフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下、実施形態を図面に基づいて説明する。図1には、車両用表示装置であるヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)装置10の構成を示している。HUD装置10は車両1に搭載されている。HUD装置10は、車両1のウインドシールド3に設定された投影部3aへ向けて虚像用画像を投影する。これによりHUD装置10は、虚像用画像を車両1の乗員が視認可能に虚像表示する。すなわち、投影部3aにて反射される虚像用画像の表示光が車両1の室内において運転席4に着座する乗員のアイポイントEPに到達し、乗員が表示光を虚像VRIとして知覚する。以下において、前方、後方、前後方向、上方、下方、上下方向、左方、右方、および左右方向は、水平面HP上に車両1がある場合の方向を意味する。
[0017]
 車両1のウインドシールド3は、たとえば、ガラスあるいは合成樹脂により透光性の板状に形成され、インストルメントパネル2よりも上方に配置されている。ウインドシールド3は、表示光が投影される投影部3aを、滑らかな凹面状または平面状に形成している。なお、投影部3aは、ウインドシールド3に設けられていなくてもよい。たとえば、コンバイナを車両1内に設置して、そのコンバイナに投影部3aが設けられていてもよい。
[0018]
 HUD装置10は、インストルメントパネル2内に設置されており、ハウジング11、画像表示部14、導光部18、および制御部22等により構成されている。
[0019]
 ハウジング11は、HUD装置10の他の要素を収容する中空形状である。ハウジング11は、上端に窓部11aを備える。窓部11aはインストルメントパネル2の上面部に設けられた開口に位置しており、投影部3aと対向する。窓部11aは表示光を透過可能な防塵カバー12で覆われている。
[0020]
 画像表示部14は、液晶パネル15およびバックライト16をケース14aに収容して形成されている。画像表示部14は、バックライト16により液晶パネル15を透過照明することで液晶パネル15の表示画面に虚像用画像を表示し、虚像用画像の表示に寄与する表示光を光路上の投影部3a側へ向けて射出する。
[0021]
 本実施形態の液晶パネル15は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)を用いた液晶パネルであって、2次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されたアクティブマトリクス型の液晶パネルである。液晶パネル15は、バックライト16からの光の入射により、液晶画素毎の光の透過率を制御可能となっており、液晶パネル15から射出される表示光によって虚像用画像を形成することができる。隣り合う液晶画素には、互いに異なる色(たとえば、赤色、緑色、および青色)のカラーフィルタが設けられており、これらの組み合わせにより様々な色が実現される。
[0022]
 バックライト16は、図2に示すように、複数の発光素子16aが、一定間隔を空けて、互いに直交するx方向、y方向に格子状に配列されている。これら各発光素子16aは、たとえば発光ダイオードである。各発光素子16aは別々に点消灯が可能である。発光素子16aは流れる電流に応じて明るさが変化する。
[0023]
 各発光素子16aが別々に点消灯できるため、液晶パネル15には、図3に示すように、発光素子16aに対応する数だけの小表示領域15aが形成される。点灯する発光素子16aの位置および数に応じて、画像が表示される小表示領域15aの位置および数が変化する。また、各小表示領域15aの輝度は、各小表示領域15aに対応する発光素子16aに流れる電流に応じて変化する。なお、図2に示す発光素子16aの数は概念的なものであり、実際の発光素子16aの数は、図2に示す数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
[0024]
 導光部18は、画像表示部14から入射した表示光を、投影部3aへと導光する。導光部18は、たとえば平面鏡19および凹面鏡20を有している。平面鏡19は、合成樹脂ないしはガラス等からなる基材の表面に、アルミニウムを蒸着させること等により反射面を形成した反射鏡である。平面鏡19の反射面は、滑らかな平面状に形成されている。画像表示部14から平面鏡19に入射した表示光は、反射面により凹面鏡20へ向けて反射される。
[0025]
 凹面鏡20は、合成樹脂ないしはガラス等からなる基材の表面に、アルミニウムを蒸着させること等により反射面を形成した反射鏡である。凹面鏡20の反射面は、凹状に湾曲することで、滑らかな凹面状に形成されている。凹面鏡20に入射した表示光は、反射面により投影部3aへ向けて反射される。凹面鏡20の反射面での反射によって虚像VRIは拡大され、反射面を自由曲面状に形成することで、虚像VRIの歪みが低減されている。
[0026]
 凹面鏡20の反射面により反射された表示光は、防塵カバー12を透過することでHUD装置10の外部へ射出され、ウインドシールド3の投影部3aに入射する。投影部3aで反射された表示光がユーザの眼に到達すると、当該ユーザは虚像VRIを視認可能となる。
[0027]
 温度センサ21は、HUD装置100の雰囲気温度Ta(℃)を推定するためのセンサである。温度センサ21は、図1では、ケース14aの内部に収容されている。しかし、温度センサ21は、HUD装置100の雰囲気温度Taを推定できれば、ケース14aの外部にあってもよい。また、他の目的のために車両1に備えられた温度センサから、HUD装置100の雰囲気温度Taを推定できる場合には、他の目的のために車両1に備えられた温度センサの検出値に基づいて、HUD装置100の雰囲気温度Taを推定してもよい。
[0028]
 制御部22は、少なくとも1つのプロセッサを備えた構成により実現できる。たとえば、制御部22は、CPU、ROM、RAM、I/O、およびこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータにより実現できる。ROMには、汎用的なコンピュータを制御部22として機能させるためのプログラムが格納されている。CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに記憶されたプログラムを実行することで、制御部22は、図4に示す画像生成部221および電流制御部222として機能する。これらの機能が実行されることは、プログラムに対応する方法が実行されることを意味する。
[0029]
 画像生成部221は、車両1に備えられた他の機器から入力された情報を基に、液晶パネル15に表示する虚像用画像のデータを生成する。たとえば、情報として車両1の速度が入力されると、液晶パネル15の決まった領域に速度を示す虚像用画像を表示するためのデータを生成する。車両1に備えられた他の機器からの情報は、たとえば、車内LAN5を介して制御部22に入力される。
[0030]
 画像生成部221は、虚像用画像のデータを生成したら、そのデータを駆動回路17に出力する。駆動回路17は、液晶パネル15を駆動させる回路であり、虚像用画像のデータが入力されると、液晶パネル15を駆動して、入力されたデータが示す虚像用画像を液晶パネル15に表示する。液晶パネル15に虚像用画像が表示され、かつ、虚像用画像が表示された領域に対応する発光素子16aが点灯すると、投影部3aに虚像が表示される。
[0031]
 図5に、投影部3aに表示された虚像を例示している。図5には、虚像として、速度画像23a、エンジン回転速度画像23b、制限速度画像23c、レーダ検知状態画像23d、進路案内画像23eが示されている。速度画像23aは車両1の現在の速度を示している。エンジン回転速度画像23bはエンジンの現在の回転速度を示している。制限速度画像23cは車両1が現在走行している道路の制限速度を示している。レーダ検知状態画像23dは車両1に搭載されて周辺の物体をミリ波等の周波数を持つレーダで検知する装置が機能しているかどうかを示している。進路案内画像23eは車両1の進路を案内する像である。これらは、通常時に表示される通常時画像23である。通常時画像23は、通常時表示エリア31に表示される。
[0032]
 本実施形態における投影部3aの形状は、横長の矩形であり、通常時表示エリア31と異常時表示エリア32とに分けられている。また、これら通常時表示エリア31と異常時表示エリア32を足し合わせた表示エリア(以下、全画面表示エリア)を1つの表示エリアとして画像を表示することもできる。全画面表示エリアは投影部3aの全体である。全画面表示エリアは、部分表示エリアである通常時表示エリア31よりも広い広表示エリアである。
[0033]
 通常時表示エリア31は通常時画像23が表示されるエリアであり、投影部3aを上下に分けたときの下側半分である。したがって、通常時表示エリア31の上下方向の中心位置は、全画面表示エリアの上下方向中心位置よりも下側にある。異常時表示エリア32は、投影部3aのうち通常時表示エリア31よりも上側の部分である。
[0034]
 通常時画像23は、車両1が正常走行中に表示される画像である。したがって、通常時表示エリア31は、車両1が正常走行中に画像が表示される部分表示エリアである。一方、異常時表示エリア32は、車両1に種々の異常が生じたときに、異常を通知する画像を表示するエリアである。
[0035]
 なお、通常時画像23は、図5に示した例に限られず、他にも、燃料残量等の車両1の状態を示す画像、視界補助画像など、車両1が正常走行しているときに示す種々の画像を通常時画像23とすることができる。
[0036]
 通常時表示エリア31と異常時表示エリア32が足し合わされた全画面表示エリアとなったときには、車両1の運転には必須ではない情報が表示される。全画面表示エリアに表示される画像の一例は、HUD装置100の起動を知らせるオープニング画面、HUD装置100の作動終了を知らせるエンディング画面、電話帳、メール、ミュージックプレイヤーがある。なお、これらのうちの1つ以上が全画面表示時に表示される必要はなく、別の画像が全画面表示時に表示されてもよい。
[0037]
 電流制御部222は、発光させる発光素子16aを決定し、かつ、発光させる発光素子16aに流す電流値を決定する。そして、決定した電流値に基づいて発光素子16aを駆動させるデューティ比を決定し、決定したデューティ比で発光素子16aに流す電流を制御することを指示する信号をバックライト16が備えている駆動回路16bに出力する。駆動回路16bは、その信号を受け取ると、指示されたデューティ比で発光素子16aを駆動させる。発光素子16aは電流により輝度が変化するので、電流制御部222は、バックライト16が備える各発光素子16aの輝度を制御している。
[0038]
 電流制御部222は、画像生成部221が生成した画像が表示される小表示領域15aを照明する発光素子16aを、発光させる発光素子16aに決定する。発光させる発光素子16aに流す電流値およびその電流値に対応する電流のデューティ比は、表示モードおよび雰囲気温度Taをもとにして決定する。表示モードには、常時コンテンツモード(部分表示モードに対応する)と、全体表示モードとがある。常時コンテンツモード(部分表示モードに対応する)と、全体表示モードとは、投影部3aの動作モードの例である。
[0039]
 常時コンテンツモードは、通常時表示エリア31のみに画像を表示し、異常時表示エリア32には画像を表示しないモードである。また、常時コンテンツモードは、車両が走行中であって、異常時表示エリア32に表示する画像がないときの表示モードである。全体表示モードは、通常時表示エリア31に加えて異常時表示エリア32にも画像を表示することがある表示モードである。全体表示モードには、通常時表示エリア31に通常時画像23を表示し、かつ、異常時表示エリア32に異常を示す画像を表示する場合と、通常時表示エリア31と異常時表示エリア32とを足し合わせた1つの全画面表示エリアに画像を表示する場合とがある。
[0040]
 電流制御部222は、画像生成部221が生成した画像に基づいて、現在の表示モードを決定する。あるいは、車両1の走行状態から現在の表示モードを決定してもよい。電流制御部222は、決定した表示モードと、温度センサ21から取得した雰囲気温度Taと、図6に示すデューティ比決定線Lとから、発光素子16aに対するデューティ比を決定する。
[0041]
 図6に、常時コンテンツモードのときに使用する通常時デューティ比決定線L1と、全体表示モードのときに使用する全体時デューティ比決定線L2とを示している。通常時デューティ比決定線L1、全体時デューティ比決定線L2ともに、電流制限開始温度T1より高い温度では、雰囲気温度Taが高くなるに従いデューティ比が低下する。この理由は、HUD装置100の温度が保証温度の上限値に近くなった場合に、装置内部での発熱を抑制するためである。
[0042]
 電流制限開始温度T1は、実験等に基づいて設定することになる。電流制限開始温度T1は、HUD装置100の放熱性とバックライト16からの発熱量に依存するので、同じ放熱性であっても、バックライト16からの発熱量が少なければ、電流制限開始温度T1を高くすることができる。電流制限開始温度T1を高くすることができれば、バックライト16の輝度が低下する雰囲気温度Taを高くできることになるので、バックライト16の輝度が低下する期間を少なくすることができる。
[0043]
 図6には、比較例として従来デューティ比決定線Lrも示している。従来デューティ比決定線Lrの電流制限開始温度Trよりも、通常時デューティ比決定線L1および全体時デューティ比決定線L2の電流制限開始温度T1は高くなっている。
[0044]
 従来技術では、全体表示エリアのどこに画像が表示されるかは不明な状態で電流制限開始温度Trを決定する必要があったので、全部の発光素子16aを点灯させた場合を想定して電流制限開始温度Trを決定している。これに対して、本実施形態では、通常時表示エリア31に対応する発光素子16aのみ全部点灯し、異常時表示エリア32に対応する発光素子16aは消灯している状態を想定して電流制限開始温度T1を決定している。つまり、一部の発光素子16aは消灯した状態を想定して電流制限開始温度T1を決定している。したがって、従来デューティ比決定線Lrの電流制限開始温度Trよりも、通常時デューティ比決定線L1、全体時デューティ比決定線L2の電流制限開始温度T1を高くすることができるのである。
[0045]
 ただし、通常時表示エリア31に対応する発光素子16aのみ全部点灯した状態を想定して電流制限開始温度T1を決定しているので、全体表示モードのときに常時コンテンツモードと同じ輝度としてしまうと、保証温度を超えてしまう恐れがある。そこで、電流制限開始温度T1以下の温度におけるデューティ比は、通常時デューティ比決定線L1が100%であるのに対して、全体時デューティ比決定線L2では、それよりも低いデューティ比である50%としている。
[0046]
 本実施形態では、通常時表示エリア31は全部の表示エリアの50%である。したがって、電流制限開始温度T1以下での全体時デューティ比決定線L2のデューティ比が50%とされていることで、全体表示モードでの発熱量を、常時コンテンツモードで想定した発熱量以下にできる。
[0047]
 図7に制御部22が実行する処理の一例をフローチャートとして示す。図7に示す処理は、イグニッションオンで開始する。図7に示したように、S2、S4、S6、S8は、画像生成部221と電流制御部222が実行し、S1、S3、S5、S7、S9は電流制御部222が実行する。
[0048]
 S1では、車両1が停止中か否かを判断する。車内LAN5を介してシフトポジション信号および車速信号の一方または両方を取得してS1を判断することができる。S1の判断結果がYESであればS2へ進む。S2では、表示モードを全体表示モードとして、オープニング画面を表示する。
[0049]
 S3では、再び、車両1が停止中か否かを判断する。S3の判断結果がYESであれば、S4に進み、表示モードを全体表示モードとして画像を表示する。S5では、イグニッションスイッチがオフになったか否かを判断する。S5の判断結果がYESであればS6に進む。S6では、表示モードを全体表示モードとして、エンディング画面を表示する。S5の判断結果がNOであればS3に戻る。そして、S3の判断結果がNOであればS7に進む。
[0050]
 S7では、異常表示をするか否かを判断する。異常表示をする場合には、異常時表示エリア32に画像を表示することになる。したがって、前述したS4に進み、全体表示モードで画像を表示する。
[0051]
 S7の判断結果がNOであればS8に進む。S8に進む場合、車両1は走行しており、かつ、異常表示は行われないことになる。したがって、S8では、常時コンテンツモードで画像を表示する。S9では、ブレーキが踏まれたか否かを判断する。この判断結果がNOであればS8に戻り、常時コンテンツモードでの画像表示を継続する。一方、S8の判断結果がYESであれば、車両1が停止している可能性があるのでS3に進む。
[0052]
 図8に、図7のS2、S4、S6、S8で電流制御部222が実行する処理を示している。S11では、雰囲気温度Taを取得する。S12では、画像生成部221が生成した画像の位置をもとに、点灯する発光素子16aを決定する。S13では、この時点での表示モードから、通常時デューティ比決定線L1および全体時デューティ比決定線L2のいずれを用いるかを決定する。さらに、決定したデューティ比決定線LとS11で決定した雰囲気温度Taとから、駆動回路16bに指示するデューティ比を決定する。S14では、S12で決定した発光素子16aをS13で決定したデューティ比で点灯させることを指示する信号を、駆動回路16bに出力する。
[0053]
 上記実施形態のHUD装置10は、バックライト16において全体表示エリアに対応した部分を点灯可能にする場合、バックライト16において通常時表示エリア31に対応した部分を点灯可能にする場合の発熱量以下にするために、電流制限開始温度T1以下での全体時デューティ比決定線L2のデューティ比を50%としている。
[0054]
 これにより、電流制限開始温度T1を、バックライト16において通常時表示エリア31に対応した部分のみを点灯する場合を考慮して設定することができる。したがって、図6に示したように、電流制限開始温度T1を、従来デューティ比決定線Lrの電流制限開始温度Trよりも高くすることができる。この結果、広い温度範囲での高輝度化が可能になり、常時コンテンツモードでの視認性が広い温度範囲で向上する。
[0055]
 なお、全体表示モードでは、常時コンテンツモードのときよりも輝度が低下する。しかし、全体表示モードとするときは、停車中であるか、異常表示をするときのいずれかである。停車中であれば、運転者は表示エリアを注視することが可能である。注視できる点で視認性が向上することから、輝度が低下していても、視認性の低下が抑制される。また、異常を通知する画像は、画像自体が視認性がよい画像になっている。よって、異常を通知する画像の輝度が低下していても、視認性の低下は抑制される。これらのことから、全体表示モードでの視認性の低下も抑制できる。
[0056]
 以上、実施形態を説明したが、開示した技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も開示した範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。なお、以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
[0057]
 <変形例1>
 実施形態では、車両用表示装置の一例としてHUD装置10を示した。HUD装置10は、窓部11aから太陽光が入り込む特徴があり、かつ、投影部3aが外界の景色と重なるため、高い輝度が要求される。これらのことから、HUD装置10は、上述した実施形態のようにして高い温度で高輝度を維持できるようにする必要性が高い。しかし、車両用表示装置はHUD装置10に限れられない。たとえば、インストルメントパネルに設置された表示装置にも、実施形態で開示した技術を適用できる。
[0058]
 <変形例2>
 実施形態では、車両1が停車中である場合に全体表示モードとしていた。しかし、これに限られず、車両1が停車中であり、かつ、表示モードを、常時コンテンツモードから全体表示モードに切り替える際にユーザが操作する切り替えスイッチが操作されたことに基づいて、常時コンテンツモードから全体表示モードに切り替えてもよい。
[0059]
 <変形例3>
 実施形態では、異常表示をする際には、通常時表示エリア31に通常時画像23を表示した状態で、異常時表示エリア32に画像を表示していた。しかし、異常表示をする際に、全画面表示エリアとして、全画面表示エリアに、異常を通知する画像を表示してもよい。
[0060]
 また、異常表示をする際に、通常時表示エリア31に表示していた画像を消去し、通常時表示エリア31に対応する発光素子16aを消灯して、異常時表示エリア32に異常を通知する画像を表示してもよい。この場合、異常時表示エリア32に対応する発光素子16aに流す電流を、常時デューティ比決定線L1を用いて決定することができる。よって、異常時表示エリア32に表示される画像の輝度を、実施形態よりも高くすることができる。
[0061]
 <変形例4>
 実施形態では、液晶パネル15に表示された画像を含む小表示領域15aに対応する発光素子16aのみを点灯させていた。しかし、表示モードにより定まる表示エリア全体に対応する発光素子16aを全部点灯させてもよい。
[0062]
 <変形例5>
 実施形態では、通常時表示エリア31は全体表示エリアの50%の面積であった。しかし、全体表示エリアに対する通常時表示エリア31の面積比は50%である必要はなく、50%よりも小さくてもよいし、反対に50%よりも大きくてもよい。また、全体表示エリアは投影部3aの全部である必要もない。
[0063]
 <変形例6>
 本開示に記載した制御部22が実行する手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部およびその手法は、専用ハードウエア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。ハードウエア論理回路は、たとえば、ASIC、FPGAである。
[0064]
 また、コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体はROMに限られず、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていればよい。たとえば、フラッシュメモリに上記プログラムが記憶されていてもよい。
[0065]
 ここで、この出願に記載されるフローチャート、あるいは、フローチャートの処理は、複数のセクション(あるいはステップと言及される)から構成され、各セクションは、たとえば、S1と表現される。さらに、各セクションは、複数のサブセクションに分割されることができる、一方、複数のセクションが合わさって一つのセクションにすることも可能である。さらに、このように構成される各セクションは、デバイス、モジュール、ミーンズとして言及されることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 液晶パネル(15)と、
 バックライト(16)と、
 前記バックライトに流す電流を制御することで前記バックライトの輝度を制御する電流制御部(222)と、を備えた車両用表示装置であって、
 全部の表示エリアのうちの予め定められた一部エリアが、車両が正常走行中に画像が表示される部分表示エリア(31)に設定される一方、前記部分表示エリアよりも広い前記表示エリアが、前記車両が停車中であること、および、表示する画像が異常を通知する画像であることのいずれか少なくとも一方を条件の一つとして画像が表示される広表示エリア(3a)に設定されており、
 前記バックライトは、前記部分表示エリアに対応した部分が点灯可能である状態と、前記広表示エリアに対応した部分が点灯可能である状態とが少なくとも可能であり、
 前記電流制御部は、前記バックライトの雰囲気温度が、発熱量を少なくするために電流を低下させる温度の最低値である電流制限開始温度よりも高い温度では、前記バックライトに流す電流を、前記バックライトの雰囲気温度が前記電流制限開始温度以下の温度において前記バックライトに流す電流よりも制限し、かつ、前記バックライトにおいて前記広表示エリアに対応した部分を点灯可能にする場合には、前記バックライトにおいて前記部分表示エリアに対応する部分を点灯可能にする場合以下の発熱量になるように、前記バックライトにおいて前記広表示エリアに対応する部分に流す電流を小さくする、車両用表示装置。
[請求項2]
 ヘッドアップディスプレイ装置である請求項1に記載の車両用表示装置。
[請求項3]
 前記部分表示エリアは、上下方向の中心位置が、前記表示エリアの上下方向中心位置よりも下側にある請求項2に記載の車両用表示装置。
[請求項4]
 前記電流制御部は、前記車両が停車中であり、かつ、画像を表示するエリアを前記部分表示エリアから前記広表示エリアに切り替える際にユーザが操作する切り替えスイッチが操作されたことに基づいて、前記バックライトにおいて前記広表示エリアに対応した部分を点灯可能にする、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
[請求項5]
 前記電流制御部は、前記車両が停車状態になったと判断したことに基づいて、前記バックライトにおいて前記広表示エリアに対応した部分を点灯可能にする、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
[請求項6]
 液晶パネル(15)と、
 バックライト(16)と、
 液晶パネルから虚像用画像を投影され、虚像を表示する投影部(3a)と、
 前記バックライトに流す電流を制御する電流制御部(222)と、を備え、
 前記投影部は、全体表示モード、及び、部分表示モードのいずれかの動作モードに設定され、
 前記全体表示モードにおいて、前記投影部の全部の表示エリアに、前記虚像が表示され、
 前記部分表示モードにおいて、前記全部の表示エリアの予め定められた一部表示エリアに、前記虚像が表示され、
 車両が停車中であること、および、前記虚像が異常を通知することのいずれかの条件を満たす場合、前記投影部が、前記全体表示モードに設定され、
 前記車両が正常走行している場合、前記投影部が、前記部分表示モードに設定され、
 前記投影部が前記全体表示モードに設定されている場合、前記バックライトは、前記全部の表示エリアに対応した部分が点灯可能であり、
 前記投影部が前記部分表示モードに設定されている場合、前記バックライトは、前記一部表示エリアに対応した部分が点灯可能であり
 電流制限開始温度は、前記バックライトの発熱量を少なくするために前記電流を低下させる温度の最低値であり、
 前記電流制御部は、前記バックライトの雰囲気温度が、前記電流制限開始温度よりも高い温度では、前記バックライトに流す電流を、前記バックライトの雰囲気温度が前記電流制限開始温度以下の温度において前記バックライトに流す電流よりも制限し、
 前記電流制御部は、前記投影部が前記全体表示モードに設定されている場合には、前記投影部が前記部分表示モードに設定されている場合以下の発熱量になるように、前記バックライトにおいて前記全部の表示エリアに対応する部分に流す電流を小さくする、車両用表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]