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1. WO2020105261 - 作業機を含む作業機械を自動制御するためのシステム及び方法

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明 細 書

発明の名称 作業機を含む作業機械を自動制御するためのシステム及び方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114  

産業上の利用可能性

0115  

符号の説明

0116  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

明 細 書

発明の名称 : 作業機を含む作業機械を自動制御するためのシステム及び方法

技術分野

[0001]
 本発明は、作業機を含む作業機械を自動制御するためのシステム及び方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、ブルドーザ等の作業機械において、作業機械の自動制御が提案されている。例えば、特許文献1では、ブレードにかかる負荷に応じて掘削を自動的に行う建設機械が開示されている。詳細には、建設機械のコントローラは、ブレードにかかる負荷を目標負荷に一致させるように、ブレードの位置を自動調整する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第5247939号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 上記の作業機械では、作業機にかかる負荷が過大となったときには、コントローラは、負荷が軽減されるように作業機を動作させる。例えば、コントローラは、ブレードを上昇させることで、ブレードにかかる負荷を軽減する。そして、負荷が小さくなると、コントローラは、再びブレードを下降させて掘削を続ける。
[0005]
 上記の作業機械では、作業機にかかる負荷が過大となったときには、コントローラは、作業機を通常の軌跡と異なる軌跡で動作させる。そのため、掘削された現況地形の形状が乱れてしまう。従って、仕上がり品質の良好な掘削を行うことは困難である。
[0006]
 本発明の目的は、作業機械の自動制御によって仕上がり品質の良好な掘削を行うことにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 第1の態様に係るシステムは、作業機を含む作業機械を自動制御するためのシステムである。当該システムは、負荷センサと、プロセッサとを含む。負荷センサは、作業機にかかる負荷を示す負荷データを検出する。プロセッサは、負荷データを取得する。プロセッサは、掘削中に作業機にかかる負荷に基づいて、負荷を軽減するように作業機械を動作させる負荷軽減制御を実行する。プロセッサは、掘削中に作業機にかかる負荷が所定の閾値以上になったときの作業機械の位置を基準位置として記録する。プロセッサは、基準位置に基づいて次の開始位置を決定する。プロセッサは、次の開始位置から次の掘削を開始するように作業機械を制御する。
[0008]
 第2の態様に係る方法は、作業機を含む作業機械を制御するためにプロセッサによって実行される方法である。当該方法は以下の処理を含む。第1の処理は、作業機にかかる負荷を示す負荷データを取得することである。第2の処理は、掘削中に作業機にかかる負荷に基づいて、負荷を軽減するように作業機械を動作させる負荷軽減制御を実行することである。第3の処理は、掘削中に作業機にかかる負荷が所定の閾値以上になったときの作業機械の位置を基準位置として記録することである。第4の処理は、基準位置に基づいて次の開始位置を決定することである。第5の処理は、次の開始位置から次の掘削を開始するように作業機械を制御することである。

発明の効果

[0009]
 本発明では、プロセッサは、掘削中に作業機にかかる負荷が過大となったときに、負荷軽減制御を実行する。それにより、作業機にかかる負荷が軽減される。また、プロセッサは、掘削中に作業機にかかる負荷が所定の閾値以上になったときの作業機械の位置を基準位置として記録し、基準位置に基づいて次の開始位置を決定し、次の開始位置から次の掘削を開始する。そのため、負荷軽減制御が実行されたときでも、作業機械の自動制御によって、仕上がり品質の良好な掘削を行うことができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 実施形態に係る作業機械を示す側面図である。
[図2] 作業機械の駆動系と制御システムとの構成を示すブロック図である。
[図3] 車幅方向から見た現況地形の一例を示す断面図である。
[図4] スロットと掘削壁とが形成された現況地形の一例を示す斜視図である。
[図5] 通常掘削モードにおける自動制御の処理を示すフローチャートである。
[図6] 通常掘削モードにおける車幅方向から見た現況地形及び目標設計地形の一例を示す断面図である。
[図7] 壁掘削モードにおける自動制御の処理を示すフローチャートである。
[図8] 壁掘削モードにおける車幅方向から見た現況地形及び目標設計地形の一例を示す断面図である。
[図9] 作業機械の進行方向から見た現況地形の一例を示す断面図である。
[図10] 壁掘削モードにおける作業範囲の決定方法を示す図である。
[図11] 壁掘削モードにおける作業機械の動作を示す図である。
[図12] 負荷軽減制御の処理を示すフローチャートである。
[図13] 負荷軽減制御における作業機の軌跡を示す図である。
[図14] 負荷軽減制御における作業機の軌跡を示す図である。
[図15] 第1変形例に係る作業機械の駆動系と制御システムとの構成を示すブロック図である。
[図16] 第1変形例に係る作業機械の駆動系と制御システムとの構成を示すブロック図である。
[図17] 変形例にかかる負荷軽減制御における作業機械の動作を示す図である。
[図18] 変形例にかかる負荷軽減制御の処理を示すフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、実施形態に係る作業機械について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る作業機械1を示す側面図である。本実施形態に係る作業機械1は、ブルドーザである。作業機械1は、車体11と、走行装置12と、作業機13とを含む。
[0012]
 車体11は、運転室14とエンジン室15とを含む。運転室14には、図示しない運転席が配置されている。エンジン室15は、運転室14の前方に配置されている。走行装置12は、車体11の下部に取り付けられている。走行装置12は、左右一対の履帯16を含む。なお、図1では、左側の履帯16のみが図示されている。履帯16が回転することによって、作業機械1が走行する。
[0013]
 作業機13は、車体11に取り付けられている。作業機13は、リフトフレーム17と、ブレード18と、リフトシリンダ19と、チルトシリンダ20とを有する。リフトフレーム17は、車幅方向に延びる軸線Xを中心として上下に動作可能に車体11に取り付けられている。リフトフレーム17は、ブレード18を支持している。
[0014]
 ブレード18は、車体11の前方に配置されている。ブレード18は、リフトフレーム17の上下動に伴って上下に移動する。リフトフレーム17は、走行装置12に取り付けられてもよい。リフトシリンダ19は、車体11とリフトフレーム17とに連結されている。リフトシリンダ19が伸縮することによって、リフトフレーム17は、軸線Xを中心として上下に動作する。
[0015]
 チルトシリンダ20は、リフトフレーム17とブレード18とに連結される。チルトシリンダ20が伸縮することによって、ブレード18は、作業機械1の略前後方向に延びる軸線Zを中心に傾動する。
[0016]
 図2は、作業機械1の駆動系2と制御システム3との構成を示すブロック図である。図2に示すように、駆動系2は、エンジン22と、油圧ポンプ23と、動力伝達装置24と、を備えている。
[0017]
 油圧ポンプ23は、エンジン22によって駆動され、作動油を吐出する。油圧ポンプ23から吐出された作動油は、リフトシリンダ19とチルトシリンダ20とに供給される。なお、図2では、1つの油圧ポンプ23が図示されているが、複数の油圧ポンプが設けられてもよい。
[0018]
 動力伝達装置24は、エンジン22の駆動力を走行装置12に伝達する。動力伝達装置24は、例えば、HST(Hydro Static Transmission)であってもよい。或いは、動力伝達装置24は、例えば、トルクコンバーター、或いは複数の変速ギアを有するトランスミッションであってもよい。
[0019]
 制御システム3は、操作装置25aと、入力装置25bと、コントローラ26と、記憶装置28と、制御弁27とを備える。操作装置25aと入力装置25bとは、運転室14に配置されている。操作装置25aは、作業機13、走行装置12、エンジン22、及び動力伝達装置24を操作するための装置である。操作装置25aは、運転室14に配置されている。
[0020]
 操作装置25aは、作業機13を駆動するためのオペレータによる操作を受け付け、操作に応じた操作信号を出力する。操作装置25aは、作業機械1を走行させるためのオペレータによる操作を受け付け、操作に応じた操作信号を出力する。操作装置25aの操作信号は、コントローラ26に出力される。操作装置25aは、例えば、操作レバー、ペダル、スイッチ等を含む。
[0021]
 入力装置25bは、後述する作業機械1の自動制御の設定を行うための装置である。入力装置25bは、オペレータによる操作を受け付け、操作に応じた操作信号を出力する。入力装置25bの操作信号は、コントローラ26に出力される。入力装置25bは、例えば、タッチパネル式のディスプレイを含む。ただし、入力装置25bは、タッチパネルに限らず、ハードウェアキーを含んでもよい。
[0022]
 コントローラ26は、取得したデータに基づいて作業機械1を制御するようにプログラムされている。コントローラ26は、例えばCPU等の処理装置(プロセッサ)26aとメモリ26bとを含む。メモリ26bは、例えばRAMなどの揮発性メモリ、或いはROMなどの不揮発性メモリを含んでもよい。コントローラ26は、操作装置25aと入力装置25bとから操作信号を取得する。コントローラ26は、操作信号に応じて、走行装置12とエンジン22と動力伝達装置24とを制御することで、作業機械1を走行させる。コントローラ26は、操作信号に応じて制御弁27を制御することで、作業機13を動作させる。
[0023]
 制御弁27は、比例制御弁であり、コントローラ26からの指令信号によって制御される。制御弁27は、リフトシリンダ19及びチルトシリンダ20などの油圧アクチュエータと、油圧ポンプ23との間に配置される。制御弁27は、油圧ポンプ23から、リフトシリンダ19或いはチルトシリンダ20に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ26は、リフトシリンダ19或いはチルトシリンダ20を伸縮させるように制御弁27への指令信号を生成する。これにより、ブレード18の動作が制御される。なお、制御弁27は、圧力比例制御弁であってもよい。或いは、制御弁27は、電磁比例制御弁であってもよい。
[0024]
 制御システム3は、作業機センサ29を含む。作業機センサ29は、車体11に対する作業機13の位置を検出し、作業機13の位置を示す作業機位置データを生成する。作業機センサ29は、作業機13の変位を検出する変位センサであってもよい。
[0025]
 例えば、作業機センサ29は、リフトシリンダ19のストローク長さを検出するセンサを含んでもよい。コントローラ26は、リフトシリンダ19のストローク長さに基づいてブレード18のリフト角を算出してもよい。作業機センサ29は、チルトシリンダ20のストローク長さを検出するセンサを含んでもよい。コントローラ26は、チルトシリンダ20のストローク長さに基づいてブレード18のチルト角を算出してもよい。
[0026]
 制御システム3は、負荷センサ34を含む。負荷センサ34は、作業機13にかかる負荷を検出し、負荷を示す負荷データを生成する。負荷センサ34は、例えば、リフトシリンダ19の油圧を検出する圧力センサである。ただし、負荷センサ34は、リフトシリンダ19の油圧以外のパラメータを検出するセンサであってもよい。例えば、負荷センサ34は、作業機械1の牽引力を検出するセンサであってもよい。或いは、負荷センサ34は、走行装置12のスリップの大きさを検出するセンサであってもよい。
[0027]
 図2に示すように、制御システム3は、位置センサ31を含む。位置センサ31は、作業機械1の位置を測定する。位置センサ31は、GNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバ32と、IMU(Inertial Measurement Unit)33とを含む。GNSSレシーバ32は、例えばGPS(Global Positioning System)用の受信機である。例えばGNSSレシーバ32のアンテナは、運転室14上に配置される。ただし、GNSSレシーバ32のアンテナは他の位置に配置されてもよい。
[0028]
 GNSSレシーバ32は、衛星より測位信号を受信し、測位信号によりアンテナの位置を演算して、車体11の位置を示す機械位置データを生成する。コントローラ26は、GNSSレシーバ32から機械位置データを取得する。コントローラ26は、機械位置データにより、作業機械1の現在位置と、作業機械1の進行方向と、車速とを取得する。
[0029]
 IMU 33は、車体傾斜角データを取得する。車体傾斜角データは、作業機械1の前後方向の水平に対する角度(ピッチ角)、および作業機械1の横方向の水平に対する角度(ロール角)を含む。コントローラ26は、IMU 33から車体傾斜角データを取得する。
[0030]
 コントローラ26は、作業機位置データと、機械位置データと、車体傾斜角データとから、ブレード18の刃先位置Pbを演算する。例えば、コントローラ26は、機械位置データに基づいて、GNSSレシーバ32のグローバル座標を取得する。コントローラ26は、作業機位置データに基づいて、GNSSレシーバ32に対する刃先位置Pbのローカル座標を算出する。コントローラ26は、GNSSレシーバ32のグローバル座標と刃先位置Pbのローカル座標と車体傾斜角データとに基づいて、刃先位置Pbのグローバル座標を算出する。コントローラ26は、刃先位置Pbのグローバル座標を、作業機13の現在位置データとして取得する。
[0031]
 記憶装置28は、半導体メモリ、或いはハードディスクなどであってもよい。記憶装置28は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置28は、プロセッサによって実行可能であり作業機械1を制御するためのコンピュータ指令を記録している。
[0032]
 次に、コントローラ26によって実行される、掘削における作業機械1の自動制御について説明する。なお、作業機械1の自動制御は、オペレータによる手動操作と合わせて行われる半自動制御であってもよい。或いは、作業機械1の自動制御は、オペレータによる手動操作無しで行われる完全自動制御であってもよい。
[0033]
 コントローラ26は、現況地形データと、設計地形データと、現在位置データとに基づいて、作業機械1を自動的に制御する。現況地形データと設計地形データとは、記憶装置28に記憶されている。図3に示すように、現況地形データは、作業現場の現況地形50を示す。現況地形データは、作業機械1の進行方向に位置する作業現場の現在の地形を示す情報である。図3は、現況地形50の断面を示す。図3において、縦軸は、地形の高さを示しており、横軸は、作業機械1の進行方向における現在位置からの距離を示している。
[0034]
 詳細には、現況地形データにおいて、現況地形50は、作業機械1の進行パス上の複数の参照点Pn(n=1,2,....,A)での現況地形50の高さZnで表される。複数の参照点Pnは、作業機械1の進行方向に沿う所定間隔ごとの複数地点を示す。所定間隔は、例えば1mであってもよい。ただし、所定間隔は1mより小さくてもよく、或いは1mより大きくてもよい。
[0035]
 現況地形データは、外部の装置から取得されて記憶装置28に保存されてもよい。現況地形データは、コントローラ26が、刃先位置Pb或いは履帯16等の作業機械1の一部の軌跡を記録することで取得されてもよい。或いは、現況地形データは、車載されたライダ(LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)などによる現況地形50の測距から取得されてもよい。
[0036]
 設計地形データは、目標設計地形70を示す。目標設計地形70は、作業におけるブレード18の刃先の目標軌跡を示す。目標設計地形70は、作業機13による作業の結果として望まれる地形を示す。現況地形50と同様に、目標設計地形70は、複数の参照点Pnでの目標設計地形70の高さZnで表される。目標設計地形70は、現況地形データに基づいて、コントローラ26によって生成されてもよい。或いは、目標設計地形70は、ブレード18の容量などの作業機械1の能力に基づいて、コントローラ26によって生成されてもよい。或いは、目標設計地形70は、外部の装置から取得されてもよい。
[0037]
 コントローラ26は、通常掘削モードと壁掘削モードとを選択的に実行する。通常掘削モードは、図4に示すように、現況地形50を掘削する制御モードである。通常掘削モードにより、現況地形50にスロット51,52が形成される。壁掘削モードは、複数のスロット51,52の間に形成された掘削壁53を掘削する制御モードである。なお、コントローラ26は、通常掘削モード及び壁掘削モードと異なる他の制御モードを実行してもよい。
[0038]
 図5は、通常掘削モードにおける自動制御の処理を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS101では、コントローラ26は、通常掘削モードの開始指令を取得する。通常掘削モードは、オペレータが入力装置25bを操作することで選択されてもよい。すなわち、コントローラ26は、入力装置25bからの操作信号に基づいて、通常掘削モードの実行を決定してもよい。
[0039]
 或いは、予め設定された施工計画が記憶装置28に保存されており、コントローラ26は、施工計画に従って、通常掘削モードの実行を決定してもよい。或いは、コントローラ26が、現況地形50の形状等のパラメータに基づいて、所定の開始条件が満たされるかを判定することで、通常掘削モードの実行を決定してもよい。
[0040]
 ステップS102では、コントローラ26は、上述した現在位置データを取得する。コントローラ26は、後述する処理の実行中においても、継続的に現在位置データを取得して更新する。ステップS103では、コントローラ26は、上述した現況地形データを取得する。図6は、通常掘削モードにおける現況地形50の一例を示す図である。
[0041]
 ステップS104では、コントローラ26は、作業範囲データを取得する。図6に示すように、作業範囲は、掘削の始端と終端とを含む。作業範囲データは、掘削の始端位置データと終端位置データとを含む。掘削の始端位置データは、掘削の始端の位置を示す。掘削の終端位置データは、掘削の終端の位置を示す。
[0042]
 掘削の始端の位置と終端の位置とは、入力装置25bによって設定されてもよい。或いは、掘削の始端の位置と掘削範囲の長さとが入力装置25bによって設定され、掘削の終端の位置は演算により決定されてもよい。或いは、掘削の終端の位置と掘削範囲の長さとが入力装置25bによって設定され、掘削の始端の位置は演算により決定されてもよい。
[0043]
 また、作業範囲は、置土の終端位置を含む。置土は、掘削されてブレード18に保持されている土を、現況地形50上に排出する作業である。作業範囲データは、置土の終端位置データを含む。置土の終端位置データは、置土の終端の位置を示す。置土の終端の位置は、入力装置25bによって設定されてもよい。或いは、置土範囲の長さが入力装置25bによって設定され、置土の終端の位置は演算により決定されてもよい。
[0044]
 コントローラ26は、入力装置25bからの操作信号に基づいて作業範囲データを取得する。ただし、コントローラ26は、他の方法によって、作業範囲データを取得してもよい。例えば、コントローラ26は、外部の装置から、作業範囲データを取得してもよい。
[0045]
 ステップS105では、コントローラ26は、設計地形データを取得する。例えば、コントローラ26は、図6に示すような目標設計地形70aを決定する。目標設計地形70aは、第1目標地形71aと第2目標地形72aとを含む。第1目標地形71aは、少なくとも一部が現況地形50よりも下方に位置する。第2目標地形72aは、少なくとも一部が現況地形50よりも上方に位置する。
[0046]
 コントローラ26は、現況地形50に応じて、目標設計地形70aを決定してもよい。例えば、コントローラ26は、現況地形50よりも所定距離分、下方に位置するように第1目標地形71aを決定してもよい。コントローラ26は、現況地形50に対して、或いは水平方向に対して所定角度で傾斜するように、第1目標地形71aを決定してもよい。
[0047]
 コントローラ26は、現況地形50よりも所定距離分、上方に位置するように第2目標地形72aを決定してもよい。コントローラ26は、現況地形50に対して、或いは水平方向に対して所定角度で傾斜するように、第2目標地形72aを決定してもよい。或いは、目標設計地形70aは、予め決定されていてもよい。
[0048]
 ステップS106では、コントローラ26は、掘削を開始する。ここでは、コントローラ26は、目標設計地形70aに従って作業機械1を制御する。コントローラ26は、掘削の始端から終端に向かって作業機械1を前進させると共に、第1目標地形71aに従ってブレード18の刃先位置が移動するように作業機13を制御する。ブレード18の刃先が第1目標地形71aに沿って移動することで、現況地形50が掘削される。それにより、現況地形50に図4に示すようなスロット51,52が形成される。
[0049]
 また、コントローラ26は、掘削の終端から置土の終端に向かって作業機械1を前進させると共に、第2目標地形72aに従ってブレード18の刃先位置が移動するように作業機13を制御する。ブレード18の刃先が第2目標地形72に沿って移動することで、掘削されてブレード18に保持された土が現況地形50上に置かれる。それにより、図4に示すように、現況地形50上に積み上げられた置土54,55が形成される。
[0050]
 なお、図6に示すように、コントローラ26は、掘削の始端と終端との間に、複数の掘削開始位置Ps1-Ps3を設定してもよい。コントローラ26は、終端に近い掘削開始位置Ps1から掘削を実行し、その後、掘削開始位置Ps2,Ps3の順に掘削を実行してもよい。
[0051]
 例えば、コントローラ26は、まず最初の開始位置Ps1から掘削の終端に向かって掘削を行い、掘削の終端を越えて置土の終端に向かって置土を行うように、作業機械1を制御する。次に、コントローラ26は、2番目の開始位置Ps2まで作業機械1を後退させる。そして、コントローラ26は、2番目の開始位置Ps2から掘削を開始し、上記と同様に掘削及び置土を行うように、作業機械1を制御する。次に、コントローラ26は、3番目の開始位置Ps3まで作業機械1を後退させる。そして、コントローラ26は、3番目の開始位置Ps3から掘削を開始し、上記と同様に掘削及び置土を行うように、作業機械1を制御する。
[0052]
 ステップS107では、コントローラ26は、現況地形データを更新する。コントローラ26は、刃先位置Pbの最新の軌跡を示す位置データによって現況地形データを更新する。或いは、コントローラ26は、履帯16の底面の位置を算出し、履帯16の底面の軌跡を示す位置データによって現況地形データを更新してもよい。
[0053]
 或いは、現況地形データは、作業機械1の外部の測量装置によって計測された測量データによって更新されてもよい。外部の測量装置として、例えば、航空レーザ測量を用いてよい。或いは、カメラによって現況地形50を撮影し、カメラによって得られた画像データから作業現場地形データが生成されてもよい。例えば、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)による空撮測量を用いてよい。現況地形データの更新は、所定周期ごと、あるいは随時に行われてもよい。
[0054]
 掘削の始端から置土の終端までの作業を1単位の作業として、1単位の作業が終わると、コントローラ26は、既に形成された第1スロット51の側方に作業機械1を移動させる。そして、再び上述したステップS101からS107の処理を実行することで、次の第2スロット52を形成する。
[0055]
 例えば、図4に示すように、コントローラ26は、第1スロット51を形成するように作業機械1を動作させた後、作業機械1を側方に移動させ、第1スロット51の側方に隣接する第2スロット52を形成するように作業機械1を動作させる。なお、コントローラ26は、複数単位の作業を繰り返して第1スロット51を形成した後に、第2スロット52の形成を開始してもよい。
[0056]
 ステップS108では、コントローラ26は、掘削を終了するかを判定する。例えば、コントローラ26は、入力装置25bの操作に応じて、掘削の終了を決定してもよい。或いは、コントローラ26は、予め設定された施工計画に従って、掘削の終了を決定してもよい。或いは、コントローラ26が、所定の終了条件が満たされたかを判定することで、掘削の終了を決定してもよい。
[0057]
 第1スロット51の形成を終え、第2スロット52の形成を開始するときに、コントローラ26は、作業機械1をブレード18の幅よりも大きく側方に移動させる。そのため、図4に示すように、第1スロット51と第2スロット52との間には、掘削壁53が形成される。掘削壁53は、スロット51,52に沿った土の山(berms)である。
[0058]
 図7は、壁掘削モードにおける自動制御の処理を示すフローチャートである。ステップS201では、コントローラ26は、壁掘削モードの開始指令を取得する。壁掘削モードは、オペレータが入力装置25bを操作することで選択されてもよい。すなわち、コントローラ26は、入力装置25bからの操作信号に基づいて、壁掘削モードの実行を決定してもよい。
[0059]
 或いは、コントローラ26は、予め設定された施工計画に従って、壁掘削モードの実行を決定してもよい。或いは、コントローラ26が、所定の開始条件が満たされているかを判定することで、壁掘削モードの実行を決定してもよい。
[0060]
 ステップS202では、コントローラ26は、ステップS102と同様に、現在位置データを取得する。コントローラ26は、後述する処理の実行中においても、継続的に現在位置データを取得して更新する。ステップS203では、コントローラ26は、現況地形データを取得する。図8は、車幅方向から見た現況地形50に含まれる掘削壁53の一例を示す図である。図9は、作業機械1の進行方向から見た現況地形50の一例を示す図である。
[0061]
 現況地形データは、第1スロット位置データと第2スロット位置データと掘削壁位置データとを含む。第1スロット位置データは、第1スロット51の位置を示す。第2スロット位置データは、第2スロット52の位置を示す。掘削壁位置データは、掘削壁53の位置を示す。
[0062]
 ステップS204では、コントローラ26は、作業範囲データを取得する。図8に示すように、作業範囲は、掘削の始端と終端とを含む。作業範囲データは、掘削の始端位置データと、掘削の終端位置データとを含む。掘削の始端位置データは、掘削の始端の位置を示す。掘削の終端位置データは、掘削の終端の位置を示す。
[0063]
 図10は、現況地形50を上方から見た図である。図10に示すように、コントローラ26は、第1スロット51の掘削の始端の位置Pa1と、第2スロット52の掘削の始端の位置Pa2とから、掘削壁53の掘削の始端の位置Pa3を決定する。例えば、コントローラ26は、第1スロット51の掘削の始端の位置Pa1と、第2スロット52の掘削の始端の位置Pa2との中間位置を算出する。コントローラ26は、算出した中間位置を掘削壁53の掘削の始端の位置Pa3として決定する。すなわち、コントローラ26は、平面視で第1スロット51の掘削の始端の位置Pa1と、第2スロット52の掘削の始端の位置Pa2とを結んだ直線の中点の位置を、掘削壁53の掘削の始端の位置Pa3として決定する。
[0064]
 コントローラ26は、第1スロット51の掘削の終端の位置Pb1と、第2スロット52の掘削の終端の位置Pb2とから、掘削壁53の掘削の終端の位置Pb3を決定する。例えば、コントローラ26は、第1スロット51の掘削の終端の位置Pb1と、第2スロット52の掘削の終端の位置Pb2との中間位置を算出する。コントローラ26は、算出した中間位置を、掘削壁53の掘削の終端の位置Pb3として決定する。すなわち、コントローラ26は、平面視で第1スロット51の掘削の終端の位置Pb1と、第2スロット52の掘削の終端の位置Pb2とを結んだ直線の中点の位置を、掘削壁53の掘削の終端の位置Pb3として決定する。
[0065]
 また、図8に示すように、作業範囲は、置土の終端を含む。作業範囲データは、置土の終端位置データを含む。置土の終端位置データは、置土の終端の位置を示す。図10に示すように、コントローラ26は、第1スロット51の置土の終端の位置Pc1と、第2スロット52の置土の終端の位置Pc2とから、掘削壁53の置土の終端の位置Pc3を決定する。例えば、コントローラ26は、第1スロット51の置土の終端の位置Pc1と、第2スロット52の置土の終端の位置Pc2との中間位置を算出する。コントローラ26は、算出した中間位置を掘削壁53の置土の終端の位置Pc3として決定する。すなわち、コントローラ26は、平面視で第1スロット51の置土の終端の位置Pc1と、第2スロット52の置土の終端の位置Pc2とを結んだ直線の中点の位置を、掘削壁53の置土の終端の位置Pc3として決定する。
[0066]
 ステップS205では、コントローラ26は、設計地形データを取得する。例えば、コントローラ26は、図8に示すような掘削壁53の目標設計地形70bを決定する。目標設計地形70bは、第1目標地形71bと第2目標地形72bとを含む。第1目標地形71bは、少なくとも一部が掘削壁53よりも下方に位置する。第2目標地形72bは、少なくとも一部が掘削壁53よりも上方に位置する。ただし、崖下に落として排土する場合などには、第2目標地形72bは、掘削壁53よりも下方に位置してもよい。
[0067]
 コントローラ26は、第1スロット51の高さと第2スロット52の高さとから、掘削壁53の目標掘削高さを決定する。コントローラ26は、目標掘削高さから目標設計地形70を決定する。詳細には、図9に示すように、コントローラ26は、第1スロット51と第2スロット52とのうち高いほうの高さ(図9では第2スロット52の高さ)から、掘削壁53の目標掘削高さを決定する。すなわち、コントローラ26は、第1スロット51と第2スロット52とのうち高いほうの高さに合わせて、掘削壁53の目標掘削高さを決定する。そして、コントローラ26は、掘削壁53の目標掘削高さから目標設計地形70bを決定する。
[0068]
 ステップS206では、コントローラ26は、図8に示すように、ステップS204で取得した掘削壁53の掘削の始端の位置Pa3を掘削開始位置Pw1に設定する。なお、コントローラ26は、掘削壁53の掘削の始端の位置Pa3そのものに限らず、始端の位置Pa3に基づいて決定された他の位置を掘削開始位置Pw1に設定してもよい。例えば、コントローラ26は、掘削壁53の掘削の始端の位置Pa3から所定距離、離れた位置を掘削開始位置Pw1に設定してもよい。
[0069]
 ステップS207では、コントローラ26は、負荷制御実行済みフラグF1を“OFF”に設定する。負荷制御実行済みフラグF1は、後述する負荷制御が実行済みであるか否かを示すフラグである。負荷制御実行済みフラグF1が“OFF”であることは、負荷制御がまだ実行されていないことを示す。負荷制御実行済みフラグF1が“ON”であることは、負荷制御が既に実行されたことを示す。
[0070]
 ステップS208では、コントローラ26は、作業機械1を掘削開始位置Pw1に移動させる。このとき、コントローラ26は、図11において矢印A1で示すように、作業機械1を第2スロット52に沿って後退させた後、掘削壁53上に移動させてもよい。或いは、コントローラ26は、作業機械1を掘削壁53上に移動させた後、掘削壁53に沿って後退させてもよい。
[0071]
 ステップS209では、コントローラ26は、掘削壁53の掘削を開始する。ここで、コントローラ26は、掘削壁53の目標設計地形70bに従って作業機械を制御する。詳細には、コントローラ26は、図11において矢印A2で示すように、掘削開始位置Pw1から掘削の終端の位置Pb3に向かって作業機械1を前進させると共に、第1目標地形71bに従ってブレード18の刃先位置が移動するように作業機13を制御する。ブレード18の刃先が第1目標地形71bに沿って移動することで、現況地形50の掘削壁53が掘削される。
[0072]
 また、コントローラ26は、掘削の終端の位置Pb3から置土の終端の位置Pc3に向かって作業機械1を前進させると共に、第2目標地形72bに従ってブレード18の刃先位置が移動するように作業機13を制御する。ブレード18の刃先が第2目標地形72bに沿って移動することで、掘削されてブレード18に保持された土が現況地形50上に置かれる。それにより、図4に示すように、第1スロット51に対応する置土54と第2スロット52に対応する置土55との間の隙間が、掘削された土によって埋められる。
[0073]
 ステップS210では、コントローラ26は、作業機13にかかる負荷が第1閾値Th1より小さいかを判定する。第1閾値Th1は、記憶装置28に記憶されている。第1閾値Th1は固定値であってもよい。或いは、第1閾値Th1は可変であってもよい。好ましくは、第1閾値Th1は、作業機械1、或いは作業機13が動作不能となることを防止できる程度の値である。作業機13にかかる負荷が第1閾値Th1より小さいときには、処理はステップS211に進む。
[0074]
 ステップS211では、コントローラ26は、掘削壁53の掘削を終了するかを判定する。例えば、コントローラ26は、作業機械1が置土の終端に到達したときに、掘削壁53の掘削の終了を決定してもよい。或いは、コントローラ26は、入力装置25bの操作に応じて、掘削壁53の掘削の終了を決定してもよい。或いは、コントローラ26は、予め設定された施工計画に従って、掘削壁53の掘削の終了を決定してもよい。なお、図示を省略するが、壁掘削モードにおいても、コントローラ26は、ステップS107と同様に、現況地形データを更新する。
[0075]
 ステップS210において、作業機13にかかる負荷が第1閾値Th1以上であるときには、処理は図12に示すステップS301に進む。図12は、負荷軽減制御の処理を示すフローチャートである。コントローラ26は、掘削中に作業機13にかかる負荷が第1閾値Th1以上になったときには、図12に示す負荷軽減制御の処理を実行する。負荷軽減制御では、コントローラ26は、作業機13にかかる負荷を軽減するように作業機械1を動作させる。本実施形態では、コントローラ26は、作業機13を上昇させることで、作業機13にかかる負荷を軽減する。
[0076]
 図12に示すように、ステップS301では、コントローラ26は、負荷制御実行済みフラグF1が“OFF”であるかを判定する。負荷制御実行済みフラグF1が“OFF”であるときには、処理はステップS302に進む。
[0077]
 ステップS302では、コントローラ26は、基準位置データを記録する。ここでは、コントローラ26は、負荷軽減制御の実行の開始時の作業機械1の位置を基準位置として記録する。例えば、図13に示すように、コントローラ26は、ブレード18の刃先が目標設計地形70bから離れた位置を基準位置Pd1として記録する。
[0078]
 ステップS303では、コントローラ26は、基準位置Pd1を次の掘削開始位置Pw2に設定する。なお、コントローラ26は、基準位置Pd1そのものに限らず、他の位置を次の掘削開始位置Pw2に設定してもよい。例えば、コントローラ26は、基準位置Pd1から所定距離、離れた位置を次の掘削開始位置Pw2に設定してもよい。
[0079]
 ステップS304では、コントローラ26は、負荷制御実行済みフラグF1を“ON”に設定する。ステップS305では、コントローラ26は、目標設計地形70bからの離脱を開始する。ここでは、コントローラ26は、図13において軌跡73aで示すように、作業機13を上昇させる。すなわち、コントローラ26は、ブレード18の刃先を上昇させる。なお、ステップS305からステップS309まで、コントローラ26は、作業機械1を前進させ続けているものとする。
[0080]
 ステップS306では、コントローラ26は、作業機13にかかる負荷が第2閾値Th2より小さいかを判定する。第2閾値Th2は第1閾値Th1より小さい。すなわち、第2閾値Th2は、作業機13にかかる負荷が軽減されたことを示す値である。図13において軌跡73aで示すように、作業機13にかかる負荷が第2閾値Th2より小さくなるまで、コントローラ26は、離脱を続ける。すなわち、作業機13にかかる負荷が第2閾値Th2より小さくなるまで、コントローラ26は、作業機13の上昇を続ける。作業機13にかかる負荷が第2閾値Th2より小さくなると、ステップS307において、コントローラ26は、離脱を終了する。
[0081]
 ステップS308では、コントローラ26は、作業機13にかかる負荷が第1閾値Th1より小さいかを判定する。作業機13にかかる負荷が第1閾値Th1より小さいときには、処理はステップS309に進む。
[0082]
 ステップS309では、コントローラ26は、作業機械1が、折り返し位置に到達したかを判定する。折り返し位置は、例えば、作業機械1が掘削終端を越え、作業機13に抱えた土を掘削終端と置土終端との間の場所に積み上げ終わった位置である。折り返し位置は、掘削終端と置土終端との間の位置であってもよい。折り返し位置は、置土終端の位置であってもよい。作業機械1が、折り返し位置に到達したときには、処理は、ステップS310に進む。
[0083]
 ステップS310では、コントローラ26は、負荷制御実行済みフラグF1を“OFF”に設定する。そして、処理は、ステップS208に戻る。ステップS208では、コントローラ26は、作業機械1を掘削開始位置Pw2に移動させる。ここで、掘削開始位置Pw2は、上述した基準位置Pd1である。従って、作業機械1は、基準位置Pd1まで後退して戻る。
[0084]
 そして、ステップS209において、コントローラ26は、再び掘削壁53の掘削を開始する。コントローラ26は、掘削開始位置Pw2すなわち基準位置Pd1から掘削を開始させ、目標設計地形70bに従って作業機13が動作するように、作業機械1を制御する。そして、ステップS211において、コントローラ26が掘削壁53の掘削を終了すると判定すると、コントローラ26は、壁掘削モードの処理を終了する。
[0085]
 例えば、図13に示すように、作業機械1が掘削開始位置Pw1(以下、「第1の開始位置Pw1」)から第1の掘削を開始するものとする。第1の掘削中、作業機13にかかる負荷が第1閾値Th1以上になると、コントローラ26は、負荷軽減制御を開始して、軌跡73aで示すように、作業機13を上昇させる。また、コントローラ26は、負荷軽減制御を開始したときの作業機械1の位置を基準位置Pd1として記録する。
[0086]
 作業機13を上昇させたことにより負荷が軽減して第2閾値Th2より小さくなると、コントローラ26は、軌跡74aで示すように、作業機13の刃先をそのときの高さに保持して、掘削を続ける。作業機13の刃先が目標設計地形70bに合流して掘削終端に到達することで掘削が終了する。そして、作業機械1がさらに前進することで置土が行われ、第1の掘削が終了する。
[0087]
 第1の掘削が終了すると、コントローラ26は、作業機械1を後退させて掘削開始位置Pw2(以下、「第2の開始位置Ps2」)に移動させる。そして、第2の開始位置Ps2から第2の掘削を開始するように、作業機械1を制御する。コントローラ26は、目標設計面70bに従って作業機13を動作させ、掘削と置土とを行う。そして、コントローラ26が掘削壁53の掘削を終了すると判定すると、壁掘削モードの処理を終了する。
[0088]
 一方、第1の掘削中に、上述したステップS308において、作業機13にかかる負荷が再び第1閾値Th1以上になると、処理はステップS301に戻る。ここで、負荷制御実行済みフラグは“ON”であるため、処理は、ステップS301からステップS305に進む。従って、ステップS302の基準位置データを記録することと、ステップS303の基準位置を掘削開始位置に設定することは行われずに、処理はステップS305に進む。
[0089]
 ステップS305では、コントローラ26は、作業機13を上昇させて、離脱を開始させる。そして、作業機13にかかる負荷が第2閾値Th2より小さくなると(ステップS306)、ステップS307において、コントローラ26は、離脱を終了し、第1の掘削を続ける。
[0090]
 その後、上記と同様に、第1の掘削中に作業機13にかかる負荷が再び第1閾値Th1以上になると、ステップS302の基準位置データを記録することと、ステップS303の基準位置を掘削開始位置に設定することは行われずに、ステップS305からステップS307の処理が繰り返される。
[0091]
 例えば、図14に示すように、第1の掘削中に、複数の基準位置Pd1,Pd2,Pd3において、負荷軽減制御が開始されたとする。この場合、複数の基準位置Pd1,Pd2,Pd3のうち、最初の基準位置Pd1が、第2の開始位置Ps2として記録される。
[0092]
 そして、作業機械1が、折り返し位置に到達すると(S309)、ステップS310において、コントローラ26は、負荷制御実行済みフラグF1を“OFF”に設定して、処理はステップS208に戻る。
[0093]
 このとき、第2の開始位置Ps2は、基準位置Pd1である。そのため、ステップS208では、コントローラ26は、作業機械1を、基準位置Pd1に移動させる。そして、コントローラ26は、基準位置Pd1から第2の掘削を開始させる。
[0094]
 以上説明した本実施形態に係る作業機械1の制御システム3では、コントローラ26は、第1の掘削中に作業機13にかかる負荷が過大となったときに、負荷軽減制御を実行する。それにより、作業機13にかかる負荷が軽減される。また、負荷軽減制御が実行されたときには、コントローラ26は、負荷軽減制御の実行の開始時の作業機械1の位置を基準位置Pd1として記録し、基準位置Pd1に基づいて第2の開始位置Ps2を決定し、第2の開始位置Ps2から第2の掘削を開始する。そのため、負荷軽減制御が実行されたときでも、作業機械1の自動制御によって、仕上がり品質の良好な掘削を行うことができる。
[0095]
 コントローラ26は、第1の掘削中に、複数回の負荷軽減制御を実行したときには、複数の基準位置Pd1-Pd3のうち最初の基準位置Pd1に基づいて第2の開始位置Ps2を決定する。そのため、2回目以降の基準位置Pd2,Pd3から第2の掘削を開始する場合と比べて、効率よく作業を行うことができる。
[0096]
 以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
[0097]
 作業機械は、ブルドーザに限らず、ホイールローダ、モータグレーダ、油圧ショベル等の他の作業機械であってもよい。作業機械は、電動モータで駆動される機械であってもよい。現況地形は、石炭、或いは鉄鉱石などの素材(material)を含むものであってもよい。
[0098]
 作業機械は、遠隔操縦可能な機械であってもよい。その場合、制御システムの一部は、作業機械の外部に配置されてもよい。例えば、コントローラは、作業機械の外部に配置されてもよい。コントローラは、作業現場から離れたコントロールセンタ内に配置されてもよい。その場合、作業機械は、運転室を備えない機械であってもよい。
[0099]
 コントローラは、互いに別体の複数のコントローラを有してもよい。例えば、図15に示すように、コントローラ26は、作業機械の外部に配置されるリモートコントローラ261と、作業機械に搭載される車載コントローラ262とを含んでもよい。リモートコントローラ261と車載コントローラ262とは通信装置38,39を介して無線により通信可能であってもよい。そして、上述したコントローラ26の機能の一部がリモートコントローラ261によって実行され、残りの機能が車載コントローラ262によって実行されてもよい。例えば、目標設計地形70,70a,70bを決定する処理がリモートコントローラ261によって実行され、走行装置12、作業機13、エンジン22、動力伝達装置24等に指令信号を出力する処理が車載コントローラ262によって実行されてもよい。
[0100]
 操作装置25a及び入力装置25bは、作業機械の外部に配置されてもよい。その場合、運転室は、作業機械から省略されてもよい。或いは、操作装置25a及び入力装置25bが作業機械から省略されてもよい。
[0101]
 現況地形50は、上述した位置センサ31に限らず、他の装置によって取得されてもよい。例えば、図16に示すように、外部の装置からのデータを受け付けるインターフェ-ス装置37によって現況地形50が取得されてもよい。インターフェ-ス装置37は、外部の計測装置41が計測した現況地形データを無線によって受信してもよい。或いは、インターフェ-ス装置37は、記録媒体の読み取り装置であって、外部の計測装置41が計測した現況地形データを記録媒体を介して受け付けてもよい。
[0102]
 目標設計地形70,70a,70bの決定方法は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。コントローラ26は、作業機13への負荷、目標角度、目標位置などのパラメータに基づいて目標設計地形70,70a,70bを決定してもよい。或いは、目標設計地形70,70a,70bは、施工計画によって予め決定されていてもよい。
[0103]
 通常掘削モード及び壁掘削モードにおける作業行程は、上述した実施形態のものに限られない。例えば、上記の実施形態では、2つのスロット51,52が形成された後に、その間の掘削壁53の掘削が行われている。しかし、3つ以上のスロットが形成された後に、それらのスロットの間の複数の掘削壁の掘削が行われてもよい。
[0104]
 壁掘削モードにおいて、作業範囲データは、オペレータが入力装置25bを操作することで設定されてもよい。或いは、コントローラ26は、第1スロット51の掘削の始端の側方の位置と、第2スロット52の掘削の始端の側方の位置とのいずれかを、掘削壁53の掘削の始端の位置として決定してもよい。コントローラ26は、第1スロット51の掘削の終端の側方の位置と、第2スロット52の掘削の終端の側方の位置とのいずれかを、掘削壁53の掘削の終端の位置として決定してもよい。コントローラ26は、第1スロット51の置土の終端の側方の位置と、第2スロット52の置土の終端の側方の位置とのいずれかを、掘削壁53の置土の終端の位置として決定してもよい。
[0105]
 コントローラ26は、第1スロット51と第2スロット52とのうち低いほうの高さから、掘削壁53の目標掘削高さを決定してもよい。或いは、コントローラ26は、第1スロット51の高さと第2スロット52の高さの中間値から、掘削壁53の目標掘削高さを決定してもよい。
[0106]
 上記の実施形態では、コントローラ26は、壁掘削モードにおいて負荷軽減制御を実行している。しかし、コントローラ26は、壁掘削モード以外の制御モードにおいて、負荷軽減制御を実行してもよい。例えば、コントローラ26は、通常掘削モードにおいて負荷軽減制御を実行してもよい。
[0107]
 コントローラ26は、作業機13にかかる負荷が第1閾値Th1と異なる他の閾値以上になったときの位置を基準位置Pd1として記録してもよい。他の閾値は、上述した第1閾値Th1より小さい値であってもよい。
[0108]
 上記の実施形態では、コントローラ26は、負荷軽減制御において、作業機13を上昇させることで、作業機13にかかる負荷を軽減している。しかし、コントローラ26は、他の方法によって作業機13にかかる負荷を軽減してもよい。例えば、コントローラ26は、負荷が第1閾値Th1以上であるときには、図17において矢印A3で示すように、作業機械1を隣接する第1スロット51又は第2スロット52に移動させることで、負荷を軽減してもよい。
[0109]
 或いは、コントローラ26は、負荷軽減制御において、作業機13を上昇させることと、作業機械1を隣接するスロットに移動させることとを選択的に実行してもよい。例えば、図18は、変形例にかかる負荷軽減制御の処理を示すフローチャートである。
[0110]
 図18において、ステップS401からS404は、上述した図12のステップS301からS304と同様である。ステップS405では、コントローラ26は、掘削壁53の高さが第3閾値Th3より小さいかを判定する。ここで、掘削壁53の高さは、例えば隣接するスロットの底面と、掘削壁53の頂上部との間の鉛直方向の距離である。
[0111]
 掘削壁53の高さが第3閾値Th3より小さいときには、処理はステップS406に進む。ステップS406からS411は、上述した図12のステップS305からS310と同様である。従って、掘削壁53の高さが第3閾値Th3より小さいときには、コントローラ26は、作業機13を上昇させることで作業機13にかかる負荷を軽減する。ステップS405において、掘削壁53の高さが第3閾値Th3以上であるときには、処理はステップS412に進む。
[0112]
 ステップS412では、コントローラ26は、掘削壁53に隣接する第1スロット51又は第2スロット52に作業機械1を移動させることで、作業機13を離脱させる。それにより、作業機13にかかる負荷が軽減される。
[0113]
 なお、コントローラ26は、オペレータによる入力装置25bの操作に応じて、作業機械1がいずれのスロットに移動するかを決定してもよい。或いは、コントローラ26は、第1スロット51及び第2スロット52の位置、或いは、他の車両の有無などの条件に応じて、作業機械1がいずれのスロットに移動するかを決定してもよい。
[0114]
 コントローラ26は、第1スロット51又は第2スロット52に作業機械1を移動させた後、作業機械1をスロット上でさらに前進させて置土を実行させる。その後、ステップS411において、コントローラ26は、負荷制御実行済みフラグF1を“OFF”に設定する。そして、処理は、ステップS208に戻る。以降の処理は、上述した実施形態と同様である。

産業上の利用可能性

[0115]
 本発明によれば、作業機械の自動制御によって、仕上がり品質の良好な掘削を行うことができる。

符号の説明

[0116]
1 作業機械
13 作業機
26 コントローラ
31 位置センサ
34 負荷センサ
51 第1スロット
52 第2スロット
53 掘削壁

請求の範囲

[請求項1]
 作業機を含む作業機械を制御するためのシステムであって、
 前記作業機にかかる負荷を示す負荷データを検出する負荷センサと、
 前記負荷データを取得するプロセッサと、
を備え、
 前記プロセッサは、
  掘削中に前記作業機にかかる負荷に基づいて、前記負荷を軽減するように前記作業機械を動作させる負荷軽減制御を実行し、
  前記掘削中に前記作業機にかかる負荷が所定の閾値以上になったときの前記作業機械の位置を基準位置として記録し、
  前記基準位置に基づいて次の開始位置を決定し、
  前記次の開始位置から次の掘削を開始するように前記作業機械を制御する、
システム。
[請求項2]
 前記プロセッサは、
  第1の掘削の第1の開始位置を取得し、
  前記第1の開始位置から前記作業機によって前記第1の掘削を開始するように前記作業機械を制御し、
  前記第1の掘削中に前記作業機にかかる負荷に基づいて、前記負荷軽減制御を実行し、
  前記第1の掘削中に前記作業機にかかる負荷が所定の閾値以上になったときの前記作業機械の位置を前記基準位置として記録し、
  前記基準位置に基づいて第2の開始位置を決定し、
  前記第1の掘削の終了後、前記第2の開始位置から第2の掘削を開始するように前記作業機械を制御する、
請求項1に記載のシステム。
[請求項3]
 前記プロセッサは、
  前記掘削中に前記作業機にかかる負荷が前記所定の閾値以上であるときに、前記負荷軽減制御を実行し、
  前記負荷軽減制御の実行の開始時の前記作業機械の位置を前記基準位置として記録する、
請求項1に記載のシステム。
[請求項4]
 前記プロセッサは、前記掘削中に、複数回の前記負荷軽減制御を実行したときには、複数の前記負荷軽減制御の実行の開始時の前記作業機械の位置のうち、最初の位置に基づいて前記次の開始位置を決定する、
請求項3に記載のシステム。
[請求項5]
 前記プロセッサは、前記負荷軽減制御において、前記作業機を上昇させることで、前記負荷を軽減する、
請求項1に記載のシステム。
[請求項6]
 前記プロセッサは、
  作業現場の現況地形を掘削する通常掘削モードと、前記現況地形の掘削により複数のスロットの間に形成された掘削壁を掘削する壁掘削モードとを選択的に実行し、
  前記壁掘削モードにおいて、前記負荷軽減制御の実行の開始時の前記作業機械の位置を前記基準位置として記録し、前記基準位置に基づいて前記次の開始位置を決定し、前記次の開始位置から前記次の掘削を開始するように前記作業機械を制御する、
請求項3に記載のシステム。
[請求項7]
 前記プロセッサは、前記負荷が所定の閾値以上であるときには、前記作業機械を隣接する前記スロットに移動させることで、前記負荷を軽減する、
請求項6に記載のシステム。
[請求項8]
 前記プロセッサは、前記負荷軽減制御において、前記作業機を上昇させることと、前記作業機械を隣接する前記スロットに移動させることとを選択的に実行する、
請求項6記載のシステム。
[請求項9]
 前記プロセッサは、
  前記掘削壁の高さを示す掘削壁データを取得し、
  前記負荷軽減制御において、前記掘削壁の高さに基づいて、前記作業機を上昇させるか、又は、前記作業機械を隣接する前記スロットに移動させるかを決定する、
請求項8に記載のシステム。
[請求項10]
 作業機を含む作業機械を制御するためにプロセッサによって実行される方法であって、
 前記作業機にかかる負荷を示す負荷データを取得することと、
 掘削中に前記作業機にかかる負荷に基づいて、前記負荷を軽減するように前記作業機械を動作させる負荷軽減制御を実行することと、
 前記掘削中に前記作業機にかかる負荷が所定の閾値以上になったときの前記作業機械の位置を基準位置として記録することと、
 前記基準位置に基づいて次の開始位置を決定することと、
 前記次の開始位置から次の掘削を開始するように前記作業機械を制御すること、
を備える方法。
[請求項11]
 第1の掘削の第1の開始位置を取得することと、
 前記第1の開始位置から前記作業機によって前記第1の掘削を開始するように前記作業機械を制御することと、
 前記第1の掘削中に前記作業機にかかる負荷に基づいて、前記負荷軽減制御を実行することと、
 前記第1の掘削中に前記作業機にかかる負荷が所定の閾値以上になったときの前記作業機械の位置を前記基準位置として記録することと、
 前記基準位置に基づいて第2の開始位置を決定することと、
 前記第1の掘削の終了後、前記第2の開始位置から第2の掘削を開始するように前記作業機械を制御すること、
を備える請求項10に記載の方法。
[請求項12]
 前記掘削中に前記作業機にかかる負荷が前記所定の閾値以上であるときに、前記負荷軽減制御が実行され、
 前記負荷軽減制御の実行の開始時の前記作業機械の位置が、前記基準位置として記録される、
請求項10に記載の方法。
[請求項13]
 前記次の開始位置を決定することは、前記掘削中に、複数回の前記負荷軽減制御を実行したときに、複数の前記負荷軽減制御の実行の開始時の前記作業機械の位置のうち、最初の位置に基づいて前記次の開始位置を決定することを含む、
請求項12に記載の方法。
[請求項14]
 前記負荷軽減制御は、前記負荷軽減制御において、前記作業機を上昇させることで、前記負荷を軽減することを含む、
請求項10に記載の方法。
[請求項15]
 作業現場の現況地形を掘削する通常掘削モードと、前記現況地形の掘削により複数のスロットの間に形成された掘削壁を掘削する壁掘削モードとを選択的に実行することをさらに備え、
 前記壁掘削モードは、
  前記負荷軽減制御の実行の開始時の前記作業機械の位置を前記基準位置として記録することと、
  前記基準位置に基づいて前記次の開始位置を決定することと、
  前記掘削の終了後、前記次の開始位置から前記第2の掘削を開始するように前記作業機械を制御すること、
 を含む、
請求項12に記載の方法。
[請求項16]
 前記負荷軽減制御は、前記負荷が所定の閾値以上であるときには、前記作業機械を隣接する前記スロットに移動させることで、前記負荷を軽減することを含む、
請求項15に記載の方法。
[請求項17]
 前記負荷軽減制御は、前記作業機を上昇させることと、前記作業機械を隣接する前記スロットに移動させることとを選択的に実行することを含む、
請求項15に記載の方法。
[請求項18]
 前記掘削壁の高さを示す掘削壁データを取得することをさらに備え、
 前記負荷軽減制御は、前記掘削壁の高さに基づいて、前記作業機を上昇させるか、又は、前記作業機械を隣接する前記スロットに移動させるかを決定することを含む、
請求項17に記載の方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]