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1. WO2020105210 - 医療デバイス

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明 細 書

発明の名称 医療デバイス

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089  

符号の説明

0090  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 医療デバイス

技術分野

[0001]
 本発明は、生体管腔の物体を切削するための医療デバイスに関する。

背景技術

[0002]
 血管内の血栓、プラーク、石灰化病変などによる狭窄部の治療方法は、バルーンにより血管を拡張する方法や、網目状またはコイル状のステントを血管の支えとして血管内に留置する方法などが挙げられる。しかしながら、これらの方法では、石灰化により硬くなっている狭窄部や、血管の分岐部で生じている狭窄部を治療することは、困難である。このような場合においても治療が可能な方法として、血栓、プラーク、石灰化病変などの狭窄物を切削して除去する方法がある。
[0003]
 例えば特許文献1には、駆動シャフトの先端に、血管内で狭窄物を切削する切削部が配置されたデバイスが記載されている。切削部の内部には、ガイドワイヤと接触するチューブが配置されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 米国特許第8394078号明細書

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に記載のデバイスでは、切削部の内部のチューブは、切削部に固定されている。切削部の内部のチューブは、切削部と共に回転するため、チューブに接触するガイドワイヤに摩擦力が生じる。したがって、ガイドワイヤに、破損やコーティングの剥がれなどが生じる可能性がある。
[0006]
 本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、挿入されるガイドワイヤを適切に保護できる医療デバイスを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成する医療デバイスは、生体管腔内の物体を切削する医療デバイスであって、回転可能である管状の駆動シャフトと、前記駆動シャフトの先端部に固定され、前記駆動シャフトの内腔と連通する貫通孔が形成される切削部と、前記駆動シャフトおよび切削部に収容され、前記駆動シャフトに対して相対的に回転可能な保護管本体と、前記駆動シャフトの基端部を回転可能に保持するハンドル部と、前記保護管本体の先端部の外周面に配置される凸部または凹部である保護側第1ストッパーと、を有し、前記駆動シャフトの先端部または切削部は、前記保護側第1ストッパーに接触可能な駆動側ストッパーを有し、前記保護側第1ストッパーが前記駆動側ストッパーと接触することで、前記保護管本体は、前記駆動シャフトに対する相対的な回転を制限されずに、前記駆動シャフトに対して軸方向へ移動することを制限される。

発明の効果

[0008]
 上記のように構成した医療デバイスは、保護管本体が切削部に対して先端方向および/または基端方向へ移動しすぎることを抑制できる。このため、保護管本体によって、駆動シャフトおよび切削部に挿入されるガイドワイヤを適切に保護できる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施形態に係る医療デバイスを示す平面図である。
[図2] 医療デバイスの先端部を示す断面図である。
[図3] 図2のA-A線に沿う断面図である。
[図4] 医療デバイスの基端部を示す断面図である。
[図5] 図4のB-B線に沿う断面図である。
[図6] 医療デバイスにより切削を行っている状態を示す概略図である。
[図7] 医療デバイスの先端部を示す断面図であり、(A)は第1の変形例、(B)は第2の変形例を示す。
[図8] 医療デバイスの第3の変形例の基端部を示す断面図である。
[図9] 医療デバイスの駆動シャフトを示す平面図であり、(A)は第4の変形例、(B)は第5の変形例を示す。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。本明細書では、管腔に挿入する側を「先端側」、操作する手元側を「基端側」と称することとする。
[0011]
 実施形態に係る医療デバイス10は、急性下肢虚血や深部静脈血栓症において、血管内に挿入され、プラークや石灰化病変等を切削して除去する処置に用いられる。なお、切削される物体は、特に限定されず、例えば、アテローム、血栓等であってもよい。さらに、生体管腔内に存在し得る物体は、全て、医療デバイス10により切削される物体に該当し得る。
[0012]
 医療デバイス10は、図1、2および4に示すように、回転力を伝達する駆動シャフト20と、駆動シャフト20に収容される保護管70と、駆動シャフト20を収容する内管50と、駆動シャフト20および内管50を収容する外管30とを備えている。医療デバイス10は、さらに、プラークや石灰化病変を切削する切削部40と、ハンドル部60とを備えている。
[0013]
 駆動シャフト20は、長尺な管体であり、回転力を切削部40に伝達する。駆動シャフト20は、管状の主シャフト21と、主シャフト21の基端部に固定される駆動管22とを備えている。
[0014]
 主シャフト21は、柔軟で、かつ基端側から作用する回転の動力を先端側に伝達可能な特性を有する。主シャフト21の先端部に、切削部40が固定されている。主シャフト21は、駆動シャフト20の軸心を中心に複数の線材を並べて螺旋状に連結した管体である。したがって、主シャフト21は、線材の隙間から液体を通過させることができる。主シャフト21の基端部は、ハンドル部60の内部に位置している。なお、主シャフト21は、線材により構成されなくてもよい。
[0015]
 駆動管22は、主シャフト21の基端部に固定されている。駆動管22は、後述する駆動部62から回転トルクを受ける剛直な管体である。すなわち、駆動管22は、駆動部62から受ける回転トルクを、柔軟な駆動シャフト20に伝える役割を果たしている。駆動管22は、駆動部62を貫通し、駆動部62の回転する駆動ロータ62Aを介して、駆動部62の内部で回転する。
[0016]
 主シャフト21の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ステンレス、ナイチノール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどが好適に使用できる。
[0017]
 保護管70は、駆動シャフト20および切削部40の内部に配置され、駆動シャフト20および切削部40に対して相対的に回転可能である。保護管70は、図2~5に示すように、保護管本体71と、保護管本体71の先端部に配置される凸部である保護側第1ストッパー72と、保護管本体71の基端部に配置される保護側第2ストッパー73とを備えている。保護管本体71は、駆動シャフト20の内周面側を覆う柔軟な管体である。保護管本体71は、駆動シャフト20を貫通している。保護側第1ストッパー72は、駆動部62よりも先端側に位置している。保護管本体71は、ガイドワイヤを通すガイドワイヤルーメン74が形成されている。ガイドワイヤルーメン74は、生理食塩液等の液体を先端側へ送液するためのルーメンでもある。保護管本体71は、駆動シャフト20の内部を通るガイドワイヤが、駆動シャフト20と直接的に接触して擦れることを抑制する。保護管本体71は、ハンドル部60の内部で、液体を通過させるために内周面と外周面の間で貫通する側孔77が形成されてもよい。保護管本体71の肉厚は、基端部で厚くなってもよい。
[0018]
 保護側第1ストッパー72は、図2、3に示すように、保護管本体71の先端部の外周面に固定されている。したがって、保護側第1ストッパー72は、保護管本体71とともに回転する。保護側第1ストッパー72は、駆動シャフト20に対する保護管70の軸方向Xへの移動を制限する。保護側第1ストッパー72は、保護管本体71の先端部の外周面に固定されるリング状の部材である。保護側第1ストッパー72は、先端方向へ向く保護側先端面72Aと、基端方向へ向く保護側基端面72Bとを有している。保護側先端面72Aの法線は、軸方向Xと平行な成分を有している。保護側基端面72Bの法線は、軸方向Xと平行な成分を有している。
[0019]
 保護側第2ストッパー73は、図4、5に示すように、保護管本体71の基端部の外周面に固定されている。したがって、保護側第2ストッパー73は、保護管本体71とともに回転する。保護側第2ストッパー73は、ハンドル部60に対する保護管70の回転を制限する。保護側第2ストッパー73は、保護管本体71の基端部の外周面に固定される円管状の固定管75と、固定管75の外周面の一部から径方向外側へ突出する突出部76とを有している。
[0020]
 保護管本体71の構成材料は、ある程度の柔軟性と低摩擦性を有することが望ましく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、PTFE・ETFE等のフッ素系ポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルブロックアシドコポリマー(PEBAX)、ポリイミドおよびその組み合わせが好適に使用できる。
[0021]
 保護側第1ストッパー72および保護側第2ストッパー73の構成材料は、ある程度の剛性を有することが望ましく、例えば、上記した主シャフト21に適用可能な材料を好適に使用できる。
[0022]
 切削部40は、図1~3に示すように、プラークや石灰化病変等の物体を切削して小さくするための部材である。したがって、“切削”とは、接触する物体に力を作用させて、物体を小さくすることを意味する。切削における力の作用方法や、切削後の物体の形状や形態は、限定されない。切削部40は、切削先端部41と、切削先端部41の基端側に配置される切削基端部42とを有している。
[0023]
 切削先端部41は、切削部40の先端部に位置し、表面に、微小な砥粒を多数有している。または、切削先端部41は、鋭利な刃を備えてもよい。切削先端部41は、先端側に位置する第1貫通孔43と、第1貫通孔43の基端側に位置する第2貫通孔44とが形成されている。第1貫通孔43および第2貫通孔44は、連通するとともに、軸方向Xへ切削先端部41を貫通している。第2貫通孔44の内部には、リング状の保護側第1ストッパー72が回転可能に配置される。第1貫通孔43の内径は、保護管本体71の外径よりも多少大きく、保護側第1ストッパー72の外径よりも小さい。したがって、保護側第1ストッパー72は、第2貫通孔44の内部に位置可能であるが、第1貫通孔43の内部に入ることが制限される。
[0024]
 切削基端部42は、第2貫通孔44の基端部に基端側から嵌合して、切削先端部41と連結されている。切削基端部42は、軸方向Xに沿って延在する第3貫通孔45が形成されている。第3貫通孔45は、第2貫通孔44の基端側に位置し、第2貫通孔44と連通する。第3貫通孔45の内径は、保護管本体71の外径よりも多少大きく、保護側第1ストッパー72の外径よりも小さい。したがって、保護側第1ストッパー72は、第3貫通孔45の内部に入ることを制限される。第1貫通孔43、第2貫通孔44および第3貫通孔45は、軸方向Xに同軸的に並んでいる。切削基端部42の基端部は、軸受80の内輪81が一体的に形成されている。すなわち、軸受80は、切削部40の一部であり得る。なお、軸受80は、切削部40と別の構成であってもよい。
[0025]
 切削部40は、保護側第1ストッパー72と接触して、保護管70の軸方向Xの移動を制限する駆動側ストッパー46を有している。駆動側ストッパー46は、駆動側先端面46Aおよび駆動側基端面46Bを有している。
[0026]
 駆動側先端面46Aは、第1貫通孔43および第2貫通孔44の間の段差部に、基端方向へ向いて形成される。駆動側先端面46Aの法線は、軸方向Xと平行な成分を有し、本実施形態では、軸方向Xと平行である。駆動側先端面46Aは、第2貫通孔44の内部に位置する保護側先端面72Aと対面する。駆動側先端面46Aは、保護側先端面72Aに対して相対的に回転しつつ、保護側先端面72Aと滑らかに摺動可能である。
[0027]
 駆動側基端面46Bは、第2貫通孔44および第3貫通孔45の間の段差部に、先端方向へ向いて形成される。駆動側基端面46Bの法線は、軸方向Xと平行な成分を有し、本実施形態では、軸方向Xと平行である。駆動側基端面46Bは、第2貫通孔44の内部に位置する保護側基端面72Bと対面する。駆動側基端面46Bは、保護側基端面72Bに対して相対的に回転しつつ、保護側基端面72Bと滑らかに摺動可能である。駆動側基端面46Bが保護側基端面72Bと接触した状態において、保護管70の最先端の軸方向Xへの位置は、切削部40の先端開口部48が形成される先端開口面49と一致し、または先端開口面49よりも先端側である。したがって、保護管70の最先端は、切削部40に対して最も基端側に位置した状態であっても、先端開口面49よりも基端側に位置することはない。
[0028]
 溝状の第2貫通孔44には、潤滑剤が収容されてもよい。潤滑剤は、例えばシリコーンオイルである。これにより、保護側第1ストッパー72および駆動側ストッパー46の接触面における摺動性を向上できる。
[0029]
 切削部40の外周面は、軸方向Xと直交する断面において略V字状となるように切り込まれた切り欠き部47を有している。切り欠き部47は、切削した物体を基端方向へ搬送するための流路として機能する。切り欠き部47は、例えば、周方向に120度毎に配置される。したがって、切削部40は、周方向に均等に並ぶ3つの切り欠き部47を有している。各々の切り欠き部47の縁部は、曲率を有して滑らかに形成されている。なお、切り欠き部47の数は、3つに限定されない。
[0030]
 切削部40の構成材料は、プラークや石灰化病変等を切削できる程度の強度を有することが好ましく、例えば、ステンレス、ナイチノール、Ta、Ti、Pt、Au、W、真鍮、形状記憶合金、超鋼合金などが好適に使用できる。血栓等の柔らかいものが切削の対象である場合には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどが好適に使用できる。
[0031]
 外管30は、図2、4に示すように、駆動シャフト20、内管50および保護管70を収容する筒体である。外管30と駆動シャフト20の間には、プラークや石灰化病変等が切削されて小さくなった物体を吸引するための吸引ルーメン31が形成されている。
[0032]
 外管30は、先端に、切削された物体や、駆動シャフト20から放出された液体を吸引する吸引開口部33を有している。外管30の先端は、切削部40の基端の近傍に位置している。外管30の先端部は、後述する軸受80の外輪82に固定されている。外管30は、基端に、ハンドル60の内部で開口する基端開口部35を有している。
[0033]
 外管30の基端部の外周面には、耐キンクプロテクタ32と、操作部68とが固定されている。耐キンクプロテクタ32は、外管30の基端側におけるキンクを抑制する。外管30は、操作部68に連結される部位よりも基端側の外表面に、後述する吸引シール部92が接している。
[0034]
 外管30の構成材料は、ある程度の強度を有することが好ましく、例えば、ステンレス、ナイチノール、Ta、Ti、Pt、Au、W、形状記憶合金、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエチレン(PE)、カーボンファイバー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのエンジニアリングプラスチック等、およびその組み合わせが好適に使用できる。
[0035]
 軸受80は、内輪81と外輪82の間に、液体や気体などの流体や、小さくなったプラークや石灰化病変等の物体を流通させるための空間を確保できるものである。軸受80は、筒状の内輪81と、内輪81を囲むように配置される筒状の外輪82と、内輪81と外輪82の間に配置される複数の転動体83とを備えている。内輪81は、転動体83を介して、外輪82に回転可能に支持されている。内輪81と外輪82は、軸心を中心として相対的に回転可能である。外輪82は、外管30の先端部に固定されている。内輪81は、切削部40の基端に固定されている。なお、内輪81は、切削部40の一部であってもよい。また、外輪82は、外管30の一部であってもよい。
[0036]
 内管50は、外管30の内部で、駆動シャフト20を囲んでいる柔軟な管体である。内管50の先端は、駆動シャフト20の先端よりも基端側に位置している。内管50の基端は、ハンドル部60に固定されている。内管50と駆動シャフト20の間には、液体を先端方向へ送液する送液ルーメン51が形成されている。なお、内管50の内側に位置する駆動シャフト20は、構成材料である線材の隙間を介して、内周面と外周面の間で液体を通過させることができる。このため、駆動シャフト20と保護管70の間の隙間も、送液ルーメン51として機能する。外管30の内部において、内管50の内側に送液ルーメン51が位置し、内管50の外側に吸引ルーメン31が位置している。内管50は、送液ルーメン51から吸引ルーメン31への流体の漏れを抑制し、ハンドル部60の吸引圧力および送液圧力を、内管50の先端側まで効果的に伝達する。
[0037]
 内管50の構成材料は、ある程度の柔軟性と低摩擦性を有することが望ましく、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、PTFE・ETFE等のフッ素系ポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルブロックアシドコポリマー(PEBAX)、ポリイミドおよびその組み合わせが好適に使用できる。
[0038]
 ハンドル部60は、図1、4および5に示すように、ケーシング61と、駆動部62と、スイッチ63と、送液ポート64と、吸引ポート65と、電気ケーブル66とを備えている。ハンドル部60は、さらに、操作部68と、吸引部90と、送液部100と、ハンドル側ストッパー110とを備えている。
[0039]
 ケーシング61は、駆動部62、送液部100および吸引部90を収容している。ケーシング61の先端部には、操作部68を回転可能に支持する軸受状の第1支持部67が形成されている。
[0040]
 駆動部62は、例えば中空モータである。駆動部62は、電気ケーブル66を介して外部から供給される電力によって回転する。駆動部62には、駆動シャフト20の駆動管22が貫通している。駆動管22は、中空モータの中空の駆動ロータ62Aに直結されている。駆動部62の回転速度は、特に限定されないが、例えば5,000~200,000rpmである。なお、駆動部62の構成は、特に限定されない。
[0041]
 電気ケーブル66は、外部の電源または制御装置に接続可能である。スイッチ63は、術者が駆動部62の駆動および停止を操作する部位である。
[0042]
 操作部68は、術者が指で操作して、外管30に回転トルクを作用させる部位である。操作部68は、ケーシング61に対して回転可能である。操作部68は、外管30の基端部の外周面に固定されている。
[0043]
 送液ポート64は、外部の送液ポンプ等の送液源11に接続可能である。送液ポート64は、送液源11から、生体内へ送液する生理食塩液等の液体を供給される。送液ポート64は、供給された液体を、送液部100へ搬送する。送液源11は、送液圧力が生成できるものであればよく、ポンプ、点滴塔に吊られたバッグ、シリンジなどを用いることができる。ポンプ等のように、能動的に送液可能な送液源11を用いることで、送液量を安定化させることができる。
[0044]
 吸引ポート65は、外部の吸引ポンプ等の吸引源12に接続可能である。吸引ポート65は、吸引源12により吸引されて、吸引部90の内部の液体等を吸引源12へ向かって搬送する。吸引源12は、吸引圧力が生成できるものであればよく、ポンプ、シリンジなどを用いることができる。ポンプ等のように、能動的に吸引可能な吸引源12を用いることで、吸引圧を高め、吸引力を安定化・向上させることができる。
[0045]
 吸引部90は、外管30の吸引ルーメン31に吸引圧力を作用させる部位である。吸引部90は、第1ハウジング91と、吸引シール部92とを備えている。
[0046]
 第1ハウジング91は、液体を外部へ放出する吸引口94と、吸引口94に連通する第1空間部95とを備えている。第1空間部95の内部には、外管30の基端開口部35が位置している。第1空間部95の基端部には、内管50が固定されている。吸引口94は、吸引ポート65に接続されている。
[0047]
 吸引シール部92は、第1空間部95の先端部で、第1ハウジング91と外管30の間に位置している。吸引シール部92は、第1空間部95の内部に、外部の空気が流入することを抑制する。さらに、吸引シール部92は、外管30を回転可能に支持する。
[0048]
 送液部100は、吸引部90の基端側であって、駆動部62の先端側に位置している。送液部100は、送液ルーメン51およびガイドワイヤルーメン74に液体を送る部位である。送液部100は、第2ハウジング101と、送液シール部103と、固定部材106とを備えている。
[0049]
 第2ハウジング101は、外部から液体を送液される送液口104と、送液口104に連通する第2空間部105とを備えている。第2空間部105の内部には、駆動シャフト20が貫通している。第2空間部105の内部には、液体をガイドワイヤルーメン74へ通す側孔77が位置している。送液口104は、送液ポート64に接続されている。
[0050]
 送液シール部103は、第2空間部105の基端部で、第2ハウジング101と、駆動シャフト20の駆動管22との間に位置している。送液シール部103は、第2空間部105の内部の加圧された液体が、外部へ流出することを抑制する。固定部材106は、送液シール部103を第2ハウジング101に対して固定する筒状の部材である。
[0051]
 ハンドル側ストッパー110は、保護管70のハンドル部60に対する回転を制限する。ハンドル側ストッパー110は、ケーシング61の基端部に固定されている。ハンドル側ストッパー110は、固定管75の外周面よりも大きな内径を有する摺動孔111と、摺動孔111の内周面の一部に配置される保持部112とを有している。保持部112は、軸方向Xへ延びる溝である。保持部112は、突出部76の周方向の両側を挟んでいる。保持部112には、突出部76が、軸方向Xへ摺動可能に保持される。なお、保持部112は、突出部76を軸方向Xへ摺動可能に保持できれば、溝でなくてもよい。例えば、保持部112は、突出部76の周方向の両側を挟む凸部であってもよい。摺動孔111の内径は、保護管70の中心軸から突出部76の頂部までの距離(半径)よりも小さい。このため、保持部112に収容される突出部76は、摺動孔111に入ることが制限され、保持部112内に保持される。したがって、ハンドル側ストッパー110は、保護管70がハンドル部60に対して軸方向Xへ移動すること許容しつつ、保護管70がハンドル部60に対して回転することを制限する。摺動孔111および保持部112には、潤滑剤が収容されてもよい。潤滑剤は、例えばシリコーンオイルである。これにより、保護側第2ストッパー73およびハンドル側ストッパー110の接触面における摺動性を向上できる。
[0052]
 次に、本実施形態に係る医療デバイス10の使用方法を、血管内のプラークや石灰化病変等の病変部を切削して吸引する場合を例として説明する。
[0053]
 初めに、術者は、ガイドワイヤWを血管に挿入し、病変部Sの近傍へ到達させる。次に、術者は、医療デバイス10のガイドワイヤルーメン74に、ガイドワイヤWの基端を挿入する。この後、図6に示すように、ガイドワイヤWをガイドとして、切削部40を、病変部Sの近傍まで移動させる。
[0054]
 次に、術者は、図1、2および4に示すように、スイッチ63を操作し、送液および吸引を開始する。すなわち、術者は、外部の送液源11および吸引源12を作動させる。これと同時あるいは一定時間の経過後、駆動シャフト20を介して切削部40を回転させる。これにより、術者は、切削部40によって病変部Sを切削できる。
[0055]
 術者は、切削部40の位置を周方向へ変更したい場合に、操作部68を操作することができる。術者は、操作部68を回転させると、第1支持部67に支持されている操作部68が回転する。これにより、術者は、血管内における切削部40の位置を変更できる。医療デバイス10の先端部、すなわち外管30の先端部は、予め曲がって形成されていてもよい。この場合、術者は、操作部68を回転させることで、外管30の先端部が向かう方向を変化させて、血管内における切削部40の位置を効果的に変更できる。医療デバイス10の先端部が曲がっている場合には、外管30の内部に配置される保護管本体71が、外管30の予め曲がった形状に合う形で癖付けされていてもよい。これにより、外管30の内部で曲げられた駆動シャフト20と、曲がっている保護管本体71との間の摩擦を低減できる。また、保護管本体71の先端および基端の外周の縁部は、曲率を有するように滑らかに処理されてもよい。
[0056]
 また、術者は、ハンドル部60の全体または体外に露出した外管30を移動させて、外管30を、血管の長尺方向に沿って往復移動させることができる。これにより、術者は、切削部40により、病変部Sを血管の長尺方向に沿って切削できる。
[0057]
 送液が開始されると、送液口104から第2空間部105に流入した生理食塩液が、内管50の内側の送液ルーメン51に入る。さらに、第2空間部105に流入した生理食塩液は、駆動シャフト20の線材の隙間を通って駆動シャフト20の内側に流入する。駆動シャフト20の内側に流入した生理食塩液は、駆動シャフト20と保護管70の間のルーメン(送液ルーメン51の一部)に流入するとともに、側孔77から保護管70の内側のガイドワイヤルーメン74に流入する。なお、駆動シャフト20と第2ハウジング101の間は、送液シール部103により密封されている。
[0058]
 送液ルーメン51およびガイドワイヤルーメン74に入った生理食塩液は、先端方向へ移動する。送液ルーメン51の内部の生理食塩液は、内管50よりも先端側まで到達すると、吸引ルーメン31へ移動する。
[0059]
 ガイドワイヤルーメン74の内部の生理食塩液の一部は、先端開口部48から血管内に放出される。血管内に入った生理食塩液の一部は、血液および切削された物体と共に、外管30の吸引ルーメン31へ吸引される。なお、ガイドワイヤルーメン74の内部の生理食塩液は、先端開口部48から血管内に放出されなくてもよい。吸引ルーメン31に入った物体および液体は、吸引ルーメン31を基端側へ移動する。吸引ルーメン31に入った液体は、図2に示すように、内管50の先端側で送液ルーメン51から合流する生理食塩液によって薄められる。このため、吸引ルーメン31内で血栓が形成されることを抑制でき、吸引物の粘度を低下させることで吸引量を増大させることができる。吸引ルーメン31に入った液体は、吸引部90の第1空間部95へ到達すると、吸引口94から外部の吸引源12へ放出される。このときの吸引圧力は、例えば、絶対真空0kPaとしたとき、0~90kPa、好ましくは0kPa~50kPaである。
[0060]
 保護管70は、保護管70の先端部に配置される保護側第1ストッパー72および切削部40に配置される駆動側ストッパー46により、最先端の位置が適切に維持される。例えば、医療デバイス10が血管内で曲がっていると、医療デバイス10の略中心に位置する保護管70は、切削部40の先端開口面49から先端方向へ突出しようとする。また、保護管70は、送液ルーメン51を先端方向へ流れる流体から受ける力により、先端開口面49から先端方向へ突出しようとする場合もある。保護管本体71の先端部が、駆動シャフト20および切削部40に対して先端方向へ移動すると、保護側先端面72Aが、駆動側先端面46Aに接触する。このため、保護管本体71の最先端は、切削部40の先端開口面49から突出しすぎることが抑制される。保護管本体71が先端開口面49から突出しすぎると、突出している保護管本体71が、切削対象である病変部Sに接触しやすい。これにより、切削部40が病変部Sに接触することが、保護管本体71によって妨げられる可能性がある。また、突出している保護管本体71は、キンクする可能性がある。また、突出している保護管本体71によって、狭い生体管腔に対する切削部40の押し込み性が、低下する可能性がある。これに対し、本実施形態では、保護管本体71が先端開口面49から突出しすぎないため、切削部40が切削対象である病変部Sに接触することが、保護管本体71によって妨げられない。したがって、切削部40は、適切な切削力を維持できる。また、突出している保護管本体71がキンクすることを抑制できる。また、狭い生体管腔に対する切削部40の押し込み性が、先端開口面49から突出する保護管本体71により低下することを抑制できる。
[0061]
 また、保護管70の先端部が、駆動シャフト20および切削部40に対して基端方向へ移動すると、保護側基端面72Bが、駆動側基端面46Bに接触する。このため、保護管本体71の最先端は、切削部40の先端開口面49よりも基端側へ移動することが抑制される。このため、ガイドワイヤWが、回転する切削部40や駆動シャフトの内周面(特に、切削部40の先端側開口部78の縁部)に接触することは、保護管70によって妨げられる。したがって、ガイドワイヤWの破損やコーティングの剥がれを抑制できる。
[0062]
 上述したように、保護側第1ストッパー72および駆動側ストッパー46は、保護管70の先端部の切削部40および駆動シャフト20に対する軸方向Xへの移動を制限するが、回転を制限しない。このため、保護管70は、回転する切削部40および駆動シャフト20の回転を妨げずに、切削部40および駆動シャフト20に対して、相対的に回転できる。
[0063]
 そして、保護管70の基端部に位置する保護側第1ストッパー72の突出部76は、ハンドル部60に配置されるハンドル側ストッパー110の保持部112によって、回転を制限される。このため、保護管70は、回転する駆動シャフト20や切削部40との間の摩擦力により、追従して回転することを抑制できる。なお、突出部76は、保持部112の内部を軸方向Xへ自由に移動可能である。このため、医療デバイス10が血管内で曲がること等により生じる保護管70と駆動シャフト20の軸方向Xの長さのずれが発生すると、突出部76が保持部112の内部を軸方向Xへ移動し、長さのずれを逃がすことができる。この長さのずれを逃がすことができない場合、保護管70は、駆動シャフト20および切削部40の内部で湾曲(例えば、蛇腹状に湾曲)する。これにより、駆動シャフト20および切削部40の内周面と、保護管70の外周面との間の摩擦が増え、保護管70に挿入されるガイドワイヤWが捩じれる。これに対し、本実施形態では、上述した長さのずれを逃がすことができるため、保護管70が駆動シャフト20および切削部40の内部で湾曲せず、駆動シャフト20および切削部40の内周面と、保護管70の外周面との間の摩擦が増えることを抑制できる。したがって、保護管70に挿入されるガイドワイヤWの捩れを抑制できる。
[0064]
 病変部Sの切削および吸引が完了した後、術者は、スイッチ63を押す。これにより、駆動シャフト20の回転が停止され、切削部40による切削が停止される。これと同時または一定時間の経過後、送液および吸引を停止させる。すなわち、外部の送液源11および吸引源12を停止させる。この後、医療デバイス10を血管から抜去し、処置が完了する。
[0065]
 以上のように、本実施形態に係る医療デバイス10は、生体管腔内の物体を切削する医療デバイス10であって、回転可能である管状の駆動シャフト20と、駆動シャフト20の先端部に固定され、駆動シャフト20の内腔と連通する貫通孔が形成される切削部40と、駆動シャフト20および切削部40に収容され、駆動シャフト20に対して相対的に回転可能な保護管本体71と、駆動シャフト20の基端部を回転可能に保持するハンドル部60と、保護管本体71の先端部の外周面に配置される凸部(または凹部)である保護側第1ストッパー72と、を有し、駆動シャフト20の先端部または切削部40は、保護側第1ストッパー72に接触可能な駆動側ストッパー46を有し、保護側第1ストッパー72が駆動側ストッパー46と接触することで、保護管本体71は、駆動シャフト20に対する相対的な回転を制限されずに、駆動シャフト20に対して軸方向へ移動することを制限される。
[0066]
 上記のように構成した医療デバイス10は、保護管本体71が切削部40に対して軸方向(先端方向および/または基端方向)へ移動しすぎることを抑制できる。このため、保護管本体71によって、駆動シャフト20および切削部40に挿入されるガイドワイヤWを適切に保護できる。保護管本体71が切削部40に対して基端方向へ移動することを制限される場合、保護管本体71が切削部40に対して基端方向へ移動しすぎることを抑制できる。このため、保護管本体71に通されるガイドワイヤWが、回転する切削部40と接触することを抑制できる。これにより、ガイドワイヤWの破損やコーティングの剥がれなどを抑制できる。保護管本体71が切削部40に対して先端方向へ移動することを制限される場合、保護管本体71に通されるガイドワイヤWが、切削部40よりも先端方向へ突出し過ぎることを抑制できる。これにより、切削部40が切削対象に接触することが保護管本体71により妨げられず、切削力を適切に維持できる。また、医療デバイス10の、狭い生体管腔に対する押し込み性が低下することを抑制できる。また、医療デバイス10は、駆動シャフト20の内部に保護管本体71を有するため、駆動シャフト20とガイドワイヤWの摩擦を低減できる。
[0067]
 また、保護側第1ストッパー72は、基端方向へ向く保護側基端面72Bを有し、駆動側ストッパー46は、先端方向へ向くとともに、保護側基端面72Bの基端側で当該保護側基端面72Bと対面する駆動側基端面46Bを有し、保護管本体71が駆動シャフト20に対して基端方向へ移動して、保護側基端面72Bが駆動側基端面46Bと接触することで、保護管本体71は、駆動シャフト20に対する相対的な回転を制限されずに、駆動シャフト20に対して基端方向へ移動することを制限される。これにより、保護管本体71が切削部40に対して基端方向へ移動しすぎることを抑制できる。このため、保護管本体71に通されるガイドワイヤWの破損やコーティングの剥がれなどを抑制できる。
[0068]
 また、保護側基端面72Bが駆動側基端面46Bと接触した状態において、保護管本体71の最先端の軸方向Xへの位置は、切削部40の最先端の位置と一致し、または切削部40の最先端よりも先端側である。これにより、保護管本体71に通されるガイドワイヤWが、回転する切削部40と接触することを確実に防ぎ、ガイドワイヤWの破損やコーティングの剥がれを、確実に抑制できる。
[0069]
 また、保護側第1ストッパー72は、先端方向へ向く保護側先端面72Aを有し、駆動側ストッパー46は、基端方向へ向くとともに、保護側先端面72Aの先端側で当該保護側先端面72Aと対面する駆動側先端面46Aを有し、保護管本体71が駆動シャフト20に対して先端方向へ移動して、保護側先端面72Aが駆動側先端面46Aと接触することで、保護管本体71は、駆動シャフト20に対する相対的な回転を制限されずに、駆動シャフト20に対して先端方向へ移動することを制限される。これにより、保護管本体71が切削部40に対して先端方向へ移動しすぎることを抑制できる。このため、切削部40は、切削対象に接触することが保護管本体71により妨げられず、切削力を適切に維持できる。
[0070]
 また、ハンドル部60は、保護管本体71が回転することを制限するハンドル側ストッパー110を有する。これにより、保護管本体71が、回転する駆動シャフト20から受ける摩擦力により回転することを、ハンドル側ストッパー110によって抑制できる。このため、保護管本体71に挿入されるガイドワイヤWが、駆動シャフト20および切削部40から回転の影響を受けにくくなる。
[0071]
 また、ハンドル側ストッパー110は、保護管本体71がハンドル部60の軸方向Xへ移動することを許容する。これにより、医療デバイス10が生体管腔内で曲がること等により生じる保護管本体71と駆動シャフト20の軸方向Xの長さのずれを、逃がすことができる。このため、保護管本体71が駆動シャフト20および切削部40の内部で湾曲せず、駆動シャフト20および切削部40の内周面と、保護管本体71の外周面との間の摩擦が増えることを抑制できる。したがって、保護管本体71に挿入されるガイドワイヤWの捩れを抑制できる。
[0072]
 また、保護管本体71の外周面に、周方向の一部から突出する突出部76が配置され、ハンドル側ストッパー110は、突出部76を周方向に挟む保持部112を有し、保持部112は、保護管本体71およびハンドル側ストッパー110の相対的な回転を制限するとともに、保護管本体71およびハンドル側ストッパー110の相対的な軸方向Xの移動を許容する。これにより、保護管本体71が、ハンドル部60に対して軸方向Xへ移動しつつ回転しない構造を、容易に実現できる。保護管本体71の外周面に配置される突出部76は、保護管本体71と一体的な構造であっても、別の構造であってもよい。
[0073]
 また、ハンドル側ストッパー110は、周方向の一部に突出部を有し、保護管本体71の外周面に、突出部を周方向に挟む保持部が配置され、保持部は、保護管本体71およびハンドル側ストッパー110の相対的な回転を制限するとともに、保護管本体71およびハンドル側ストッパー110の相対的な軸方向Xの移動を許容する構成であってもよい。このような構成であっても、保護管本体71が、ハンドル部60に対して軸方向Xへ移動しつつ回転しない構造を、容易に実現できる。保護管本体71の外周面に配置される保持部は、保護管本体71と一体的な構造であっても、別の構造であってもよい。
[0074]
 また、ハンドル部60は、外部から液体を送液される送液口104が形成され、当該送液口104は、保護管本体71と駆動シャフト20の間、および/または、保護管本体71の内側に連通する。これにより、保護管本体71は、保護管本体71の外側面および/または内側面に接触する液体から先端方向へ向かう力を受ける。しかしながら、保護管本体71は、切削部40に対して先端方向および/または基端方向へ移動しすぎることを抑制されるため、保護管本体71が流体から受ける影響を低減できる。
[0075]
 なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、医療デバイス10が挿入される生体管腔は、血管に限定されず、例えば、脈管、尿管、胆管、卵管、肝管等であってもよい。
[0076]
 また、上述した実施形態では、保護側第1ストッパー72は、保護管本体71の外周面に360度にわたって配置されるリング状の凸部であるが、360度未満の凸部(保護側先端面72Aおよび保護側基端面72Bが部分的に欠落している凸部)であってもよい。また、駆動側ストッパー46は、駆動シャフト20の内周面に360度にわたって配置される溝状の凹部であるが、360度未満の凹部(駆動側先端面46Aおよび駆動側基端面46Bが部分的に欠落している凹部)であってもよい。
[0077]
 また、上述した実施形態では、保護側第1ストッパー72は保護管本体71の外周面にリング状の凸部を有して配置され、駆動側ストッパー46は駆動シャフト20の内周面に溝状の凹部で形成されるが、逆の構成であってもよい。すなわち、保護側第1ストッパー72は、保護管本体71の外周面に溝状の凹部を有して配置され、駆動側ストッパー46は、駆動シャフト20の内周面にリング状の凸部で形成されてもよい。
[0078]
 また、図7(A)に示す第1の変形例のように、医療デバイス10は、保護側先端面72Aおよび駆動側先端面46Aが配置されなくてもよい。このような構成であっても、保護側基端面72Bおよび駆動側基端面46Bにより、保護管70の最先端が、切削部40の先端開口面49よりも基端側へ移動することを抑制できる。
[0079]
 また、図7(B)に示す第2の変形例のように、医療デバイス10は、保護側基端面72Bおよび駆動側基端面46Bが配置されなくてもよい。このような構成であっても、保護側先端面72Aおよび駆動側先端面46Aにより、保護管70の最先端が、切削部40の先端開口面49から突出しすぎることを抑制できる。このような構成の場合、保護管70が基端側に移動する際に、保護管70の最先端は、切削部40の先端開口面49よりも基端側へ移動することができる。なお、限定されないが、ガイドワイヤWおよび切削部40は、直接的に接触しないことが好ましい。すなわち、保護管70の最先端が先端開口面49よりも微小な長さ(例えば、1mm程度)だけ基端側へ位置した状態であっても、保護管70およびガイドワイヤWが直接的に接触しなければ、保護管70に通されるガイドワイヤWの破損やコーティングの剥がれなどを抑制できる。また、切削部40の先端の内周面が、先端側に向かって広がるように(例えば、テーパ状に)開口してもよい。この場合、保護管70の最先端が先端開口面49よりも基端側へ位置した状態であっても、保護管70に通されるガイドワイヤWが、切削部40と接触することを抑制できる。
[0080]
 また、上述した実施形態では、ハンドル側ストッパー110は内周面に凹状の保持部112が形成され、保護側第2ストッパー73は、保護管70の外周面に形成されるが、逆の構成であってもよい。すなわち、凹状の保持部112は、保護側第2ストッパー73に形成され、保持部112に保持される突出部76は、ハンドル側ストッパー110に形成されてもよい。
[0081]
 また、ハンドル側ストッパー110の形態は、保護管70がハンドル部60に対して軸方向Xへ移動すること許容しつつ、保護管70のハンドル部60に対する回転を制限できれば、特に限定されない。例えば、図8に示す第3の変形例のように、ハンドル側ストッパー110は、軸方向Xへ伸縮可能であるが、捩れに強い部材であってもよい。ハンドル側ストッパー110は、例えば、蛇腹状の部材、ばね部材、コイル等である。このハンドル側ストッパー110の一方の端部が、ケーシング61に固定され、他方の端部が、保護管70に固定される。これにより、保護管70は、ハンドル側ストッパー110が伸縮することで、ハンドル部60に対して軸方向Xへ移動可能である。さらに、保護管70は、捩れに強いハンドル側ストッパー110を介してケーシング61に固定されることで、ハンドル部60に対して回転することを制限される。
[0082]
 また、ハンドル側ストッパー110および保護側第2ストッパー73の少なくとも一方は、変形しやすくてもよい。変形しやすい材料は、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン―ブタジエンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の高弾性材料を好適に使用できる。この場合、例えば、保護管70に尖った(peaky)トルクが作用すると、ハンドル側ストッパー110が保護側第2ストッパー73から力を受けて、ハンドル側ストッパー110および保護側第2ストッパー73の少なくとも一方が変形する。これにより、ハンドル側ストッパー110および保護側第2ストッパー73の少なくとも一方は、トルクを吸収できる。このため、保護管70やハンドル部60の損傷を抑制できる。また、ハンドル側ストッパー110および保護側第2ストッパー73の少なくとも一方は、壊れやすくてもよい。この場合、例えば、保護管70に尖った(peaky)トルクが作用すると、ハンドル側ストッパー110が保護側第2ストッパー73から力を受けて、ハンドル側ストッパー110および保護側第2ストッパー73の少なくとも一方が壊れる。これにより、ハンドル側ストッパー110および保護側第2ストッパー73の少なくとも一方は、トルクを吸収できる。このため、医療デバイス10の、ハンドル側ストッパー110および保護側第2ストッパー73を除く部位の損傷を抑制できる。
[0083]
 また、吸引部90の吸引口94は、吸引源12に接続されず、大気圧に開放されてもよい。このような構成であっても、生体管腔内の圧力が大気圧よりも高い場合、吸引部90は、生体管腔内の物体を吸引できる。
[0084]
 また、保護管70の基端部は、ハンドル部60に対して、回転不能および/または軸方向Xへ移動不能に固定されてもよい。
[0085]
 また、医療デバイス10は、液体を送液する構造や、液体を吸引する構造が配置されなくてもよい。
[0086]
 また、図9(A)に示す第4変形例のように、駆動シャフト20は、内側の第1層23および外側の第2層24を有する2層構造であってもよい。第1層23は、先端方向X1へ向かって駆動シャフト20の回転方向Yの順方向へ巻回される複数の線材を有している。なお、第1層23は、複数の線材により形成されるが、1つの線材により形成されてもよい。第2層24は、第1層23の外側を囲んでいる。第2層24は、先端方向X1へ向かって回転方向Yの反対方向へ巻回される複数の線材を有している。なお、第2層24は、複数の線材により形成されるが、1つの線材により形成されてもよい。駆動シャフト20にトルクが作用すると、第1層23の線材は、巻回が緩むように力を受ける。このため、第1層23は、径方向へ拡張する。また、駆動シャフト20に作用するトルクによって、第2層24の線材は、巻回がきつくなるように力を受ける。このため、第2層24は、径方向へ収縮し、巻回が緩む第1層23を外側から保持する。したがって、駆動シャフト20は、回転により内径が大きくなる。一方で、第2層24が緩む第1層23を保持するため、第1層23の緩まりすぎによる、駆動シャフト20の破壊を抑制する。その結果、2層構造の駆動シャフト20にトルクが作用する状態において、駆動シャフト20が破壊されることなく、駆動シャフト20が保護管本体71を掴む現象(grabbing phenomenon)を抑制できる。このため、保護管本体71が駆動シャフト20に追従して回転することを抑制できる。第1層23の線材の径は、第2層24の線材の径と同等である。第1層23の線材の径は、第2層24の線材の径と異なってもよい。第1層23の線材および第2層24の線材の断面形状は、真円に限定されず、例えば楕円形、多角形等であってもよい。
[0087]
 また、図9(B)に示す第5変形例のように、駆動シャフト20は、第2層24の外側を囲む第3層25を有してもよい。第3層25は、先端方向X1へ向かって回転方向Y側へ巻回される1つ線材を有している。なお、第3層25は、複数の線材により形成されてもよい。第3層25の線材の断面形状は、真円に限定されず、例えば楕円形、多角形等であってもよい。第3層25の線材は、隙間を有するように螺旋状に巻回されている。したがって、第3層25の線材は、第2層24の外表面で径方向外側へ突出する突出部26を形成するとともに、隣接する突出部26の間に溝部27を形成する。駆動シャフト20が回転すると、螺旋状の第3層25は、駆動シャフト20を収容する管体(例えば、外管30)の内部で、流体等を基端側へ搬送できる。このとき、第3層25の線材は、隙間を有する螺旋状であるため、流体等を効果的に搬送できる。また、第3層25は、先端方向X1へ向かって回転方向Yの反対方向へ巻回される1つ以上の線材を有してもよい。この場合、駆動シャフト20が回転すると、螺旋状の第3層25は、駆動シャフト20を収容する管体(例えば、内管50)の内部で、流体等を先端側へ搬送できる。第3層25は、軸方向Xにおいて異なる範囲に、先端方向X1へ向かって回転方向Yの順方向へ巻回される線材と、先端方向X1へ向かって回転方向Yの反対方向へ巻回される線材とを有してもよい。なお、駆動シャフト20は、更に他の層を有してもよい。
[0088]
 駆動シャフト20は、内側の第1層23、外側の第3層25および第1層23と第3層24の間の第2層24を有する3層構造であってもよい。第3層25と第1層23は、先端方向X1へ向かって回転方向Y側へ巻回され、第2層24は回転方向Yの反対方向に巻回される。第3層25の線材の径は、第1層23の線材の径や第2層24の線材の径よりも大きくてよい。第3層25の線材のピッチは、第1層23および第2層24より大きいピッチで螺旋状に巻回される。これによって、駆動シャフト20にトルクが作用すると、第1層23の内径が大きくなり、駆動シャフト20が保護管本体71を掴む現象を抑制する。これと同時に、第2層24が径方向へ収縮して第1層23の内径の緩みすぎを抑制しつつ、第2層24と内管50若しくは外管30との距離が離れて、空間を広く確保できる。このため、第2層24と内管50若しくは外管30との間の流体等を、隙間を有する螺旋状の第3層25によって円滑に基端側へ搬送できる。
[0089]
 本出願は、2018年11月12日に出願された日本特許出願番号2018-218578号に基づいており、それらの開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。

符号の説明

[0090]
  10  医療デバイス
  20  駆動シャフト
  23  第1層
  24  第2層
  25  第3層
  30  外管
  31  吸引ルーメン
  40  切削部
  43  第1貫通孔
  44  第2貫通孔
  45  第3貫通孔
  46  駆動側ストッパー
  46A  駆動側先端面
  46B  駆動側基端面
  48  先端開口部
  49  先端開口面
  50  内管
  51  送液ルーメン
  60  ハンドル部
  70  保護管
  71  保護管本体
  72  保護側第1ストッパー
  72A  保護側先端面
  72B  保護側基端面
  73  保護側第2ストッパー
  74  ガイドワイヤルーメン
  75  固定管
  76  突出部
  100  送液部
  104  送液口
  110  ハンドル側ストッパー
  111  摺動孔
  112  保持部
  W  ガイドワイヤ
  X  軸方向
  X1  先端方向
  Y  回転方向

請求の範囲

[請求項1]
 生体管腔内の物体を切削する医療デバイスであって、
 回転可能である管状の駆動シャフトと、
 前記駆動シャフトの先端部に固定され、前記駆動シャフトの内腔と連通する貫通孔が形成される切削部と、
 前記駆動シャフトおよび切削部に収容され、前記駆動シャフトに対して相対的に回転可能な保護管本体と、
 前記駆動シャフトの基端部を回転可能に保持するハンドル部と、
 前記保護管本体の先端部の外周面に配置される凸部または凹部である保護側第1ストッパーと、を有し、
 前記駆動シャフトの先端部または切削部は、前記保護側第1ストッパーに接触可能な駆動側ストッパーを有し、
 前記保護側第1ストッパーが前記駆動側ストッパーと接触することで、前記保護管本体は、前記駆動シャフトに対する相対的な回転を制限されずに、前記駆動シャフトに対して軸方向へ移動することを制限される医療デバイス。
[請求項2]
 前記保護側第1ストッパーは、基端方向へ向く保護側基端面を有し、
 前記駆動側ストッパーは、先端方向へ向くとともに、前記保護側基端面の基端側に位置し、当該保護側基端面と対面する駆動側基端面を有し、
 前記保護管本体が前記駆動シャフトに対して基端方向へ移動して、前記保護側基端面が前記駆動側基端面と接触することで、前記保護管本体は、前記駆動シャフトに対する相対的な回転を制限されずに、前記駆動シャフトに対して基端方向へ移動することを制限される請求項1に記載の医療デバイス。
[請求項3]
 前記保護側基端面が前記駆動側基端面と接触した状態において、前記保護管本体の最先端の軸方向への位置は、前記切削部の最先端の位置と一致し、または前記切削部の最先端よりも先端側である請求項2に記載の医療デバイス。
[請求項4]
 前記保護側第1ストッパーは、先端方向へ向く保護側先端面を有し、
 前記駆動側ストッパーは、基端方向へ向くとともに、前記保護側先端面の先端側に位置し、当該保護側先端面と対面する駆動側先端面を有し、
 前記保護管本体が前記駆動シャフトに対して先端方向へ移動して、前記保護側先端面が前記駆動側先端面と接触することで、前記保護管本体は、前記駆動シャフトに対する相対的な回転を制限されずに、前記駆動シャフトに対して先端方向へ移動することを制限される請求項1~3のいずれか1項に記載の医療デバイス。
[請求項5]
 前記ハンドル部は、前記保護管本体が回転することを制限するハンドル側ストッパーを有する請求項1~4のいずれか1項に記載の医療デバイス。
[請求項6]
 前記ハンドル側ストッパーは、前記保護管本体が前記ハンドル部の軸方向へ移動することを許容する請求項5に記載の医療デバイス。
[請求項7]
 前記保護管本体の外周面に、周方向の一部から突出する突出部が配置され、
 前記ハンドル側ストッパーは、前記突出部を周方向に挟む保持部を有し、
 前記突出部を周方向に挟む前記保持部は、前記保護管本体およびハンドル側ストッパーの相対的な回転を制限するとともに、相対的な軸方向の移動を許容する請求項6に記載の医療デバイス。
[請求項8]
 前記ハンドル側ストッパーは、周方向の一部に突出部を有し、
 前記保護管本体の外周面に、前記突出部を周方向に挟む保持部が配置され、
 前記突出部を周方向に挟む前記保持部は、前記保護管本体およびハンドル側ストッパーの相対的な回転を制限するとともに、相対的な軸方向の移動を許容する請求項6に記載の医療デバイス。
[請求項9]
 前記ハンドル部は、外部から液体を送液される送液口が形成され、当該送液口は、前記保護管本体と前記駆動シャフトの間、および/または、前記保護管本体の内側に連通する請求項1~8のいずれか1項に記載の医療デバイス。
[請求項10]
 前記駆動シャフトは、第1層と、前記第1層の外側を囲む第2層と、を有し、
 前記第1層は、先端方向へ向かって回転方向の順方向へ巻回される線材を有し、
 前記第2層は、先端方向へ向かって回転方向の反対方向へ巻回される線材を有する請求項1~9のいずれか1項に記載の医療デバイス。
[請求項11]
 前記駆動シャフトは、前記第2層の外側を囲む第3層を有し、
 前記第3層は、先端方向へ向かって回転方向側の順方向または反対方向へ巻回される線材を有する請求項1~10のいずれか1項に記載の医療デバイス。
[請求項12]
 前記第1層の線材および前記第3層の線材は、先端方向へ向かって同方向へ巻回される請求項11に記載の医療デバイス。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]