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1. WO2020105082 - 航空機用の発電制御装置

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明 細 書

発明の名称 航空機用の発電制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

符号の説明

0045  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 航空機用の発電制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、航空機エンジンの回転動力を変速して発電機に伝達し且つ複数の変速段を有する有段変速機を備えた発電系統の制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 航空機の多くは、飛行用エンジンで駆動される発電装置を主電源として備える。当該発電装置の一例としては、駆動機構一体型発電装置(Integrated Drive Generator:IDG)が挙げられ、この発電装置では、発電機と、当該発電機の上流側に配置された無段変速機とを一体に備える(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2001-158400号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、エンジンから取り出す動力に大きな回転数変動が生じる場合を想定し、当該動力の回転数変動レンジが大きくなっても、適切な回転数に調整して発電機に動力伝達できる構成を考える必要がある。その対策として、発電装置の無段変速機の変速レンジを大きくしようとすると、無段変速機を大径化する必要があり、装置全体が大型化してしまうので好ましくない。発電装置の大型化を抑えたまま大きな回転数変動に対応する方策としては、発電装置の上流側に小型の有段変速機(例えば、2段式の有段変速機)を設け、その有段変速機の変速動作により発電装置に入力される動力の回転数変動レンジを狭めることが考えられる。
[0005]
 しかし、有段変速機では、シフトアップ時に出力回転数が瞬間的に急低下し、シフトダウン時には出力回転数が瞬間的に急増加する。有段変速機の出力回転数が緩やかに変化する場合には、有段変速機の下流側にある無段変速機が変速動作を行うことで、発電機に入力される回転数が適切な範囲に調整されるが、無段変速機の応答能力を超えて有段変速機の出力回転数が瞬間的に急変する場合には、発電装置に入力される動力の回転数が瞬間的に大きく変動し、発電周波数が不安定になる。
[0006]
 そこで本発明は、発電機の上流側に有段変速機を備えた発電装置において、発電機に入力される動力の瞬間的な回転数変動を防止して発電を安定させる制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の一態様に係る航空機用の発電制御装置は、航空機エンジンの回転動力を有段変速機で変速し、前記有段変速機で変速された回転動力を無段変速機で変速して発電機に伝達する発電系統の制御装置であって、所定のシフト条件が成立すると、前記有段変速機の変速段を切り換えるように前記有段変速機を制御する有段変速制御部と、所定のシフト条件が成立すると、前記有段変速機の前記変速段の切り換えによる出力回転数の変動を相殺する側に前記無段変速機を制御する無段変速制御部と、を備える。
[0008]
 前記構成によれば、有段変速機の変速段の切り換え時に有段変速機の出力回転数が瞬間的に変動しても、有段変速機の出力回転数の変動を相殺する側に無段変速機を制御(例えば、目標出力回転数を変動相殺側にずらす)ので、無段変速機の出力回転数の変動が抑制される。よって、発電機の上流側に有段変速機を備えた発電装置において、発電機に入力される動力の瞬間的な回転数変動を防止して発電を安定させることができる。
[0009]
 前記無段変速制御部及び前記有段変速制御部は、前記有段変速機の出力回転数の変動を相殺する側に前記無段変速機が予め動作した後に前記有段変速機の前記変速段が切り換えられるように、前記無段変速機及び前記有段変速機を制御する構成としてもよい。
[0010]
 前記構成によれば、有段変速機の変速段の切り換え時において、有段変速機の出力回転数の変動を相殺する側に無段変速機を事前に制御しておくことができ、瞬間的な回転数変動を好適に防止することができる。
[0011]
 前記無段変速制御部は、前記有段変速機が変速比を減少させるようシフトダウンするときに、前記無段変速機の出力回転数を増加側にオフセットさせるように前記無段変速機を増加オフセット制御し、前記有段変速機が変速比を増加させるようシフトアップするときに、前記無段変速機の出力回転数を減少側にオフセットさせるように前記無段変速機を減少オフセット制御する構成としてもよい。
[0012]
 前記構成によれば、有段変速機がシフトアップするときもシフトダウンするときも、発電機に入力される動力の瞬間的な回転数変動を防止して発電を安定させることができる。
[0013]
 本発明の一態様に係る航空機用の発電装置は、前記した発電制御装置と、航空機エンジンの回転動力を変速し、複数の変速段を有する有段変速機と、前記有段変速機で変速された回転動力を変速する無段変速機と、前記有段変速機で変速された回転動力が伝達される発電機と、を備える。
[0014]
 前記構成によれば、前述したように、発電機の上流側に有段変速機を備えた発電装置において、発電機に入力される動力の瞬間的な回転数変動を防止して発電を安定させることができる。

発明の効果

[0015]
 本発明によれば、発電機の上流側に有段変速機を備えた発電系統において、発電機に入力される動力の瞬間的な回転数変動の多発を防止して発電を安定させることができる。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 実施形態に係る航空機エンジン及び発電系統を示す模式図である。
[図2] 図1に示す発電系統のブロック図である。
[図3] 図2に示す発電制御装置のブロック図である。
[図4] 図3に示す無段変速制御部のブロック図である。
[図5] 比較例における有段変速機の入力回転数及び出力回転数と無段変速機の出力回転数との関係を示すグラフである。
[図6] 図2に示す有段変速機の入力回転数及び出力回転数と無段変速機の出力回転数との関係を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0017]
 以下、図面を参照して実施形態を説明する。
[0018]
 図1は、実施形態に係る航空機エンジン1及び発電装置13を示す模式図である。図1に示すように、航空機エンジン1は、2軸ガスタービンエンジンであって、ファン2、圧縮機3、燃焼器4、タービン5、高圧軸6及び低圧軸7を備える。ファン2は、航空機エンジン1の前部に配置され、その周囲がファンケースで覆われている。タービン5は、前段側の高圧タービン8及び後段側の低圧タービン9を有する。高圧タービン8は、高圧軸6を介して圧縮機3と連結されている。高圧軸6は、内部に中空空間を有する筒状の軸体である。低圧タービン9は、低圧軸7を介してファン2と連結されている。低圧軸7は、高圧軸6の中空空間に挿通されている。
[0019]
 低圧軸7には、径方向外方に延びた連結軸11が動力伝達可能に接続されている。連結軸11には、ギヤボックス12が動力伝達可能に接続されている。ギヤボックス12には、発電装置13が動力伝達可能に接続されている。即ち、低圧軸7の回転動力が、連結軸11及びギヤボックス12を介して発電装置13に伝達される。低圧軸7の回転数変動は、高圧軸6の回転数変動よりも大きいため、発電装置13に入力される動力の回転数変動レンジは大きくなる。なお、発電装置13に伝達するための動力は、低圧軸7の代わりに高圧軸6から取り出されてもよい。
[0020]
 図2は、図1に示す発電装置13のブロック図である。図2に示すように、発電装置13は、有段変速機21、無段変速機22、発電機23及び発電制御装置27を備える。また、発電装置13は、センサとして、第1~第3回転数センサ24~26を備える。航空機エンジン1の低圧軸7から取り出した回転動力は、有段変速機21及び無段変速機22によって夫々変速されてから発電機23に入力され、発電機23で発電された電力が航空機の電気機器(図示せず)に供給される。即ち、エンジン1から取り出す動力に大きな回転数変動が生じる場合を想定し、発電機23に入力される動力の回転数が安定するように有段変速機21及び無段変速機22により回転数が調整される。
[0021]
 有段変速機21には、航空機エンジン1から取り出した回転動力が入力される。有段変速機21は、複数のギヤ列から動力伝達させるギヤ列を選択して変速を行う変速機であり、動力伝達させるギヤ列を切り替える際には出力回転数に変動が生じる。本実施形態では、有段変速機21は、一例として2段変速式であり、下位段(等速段)と、下位段よりも変速比が大きい(減速比が小さい)上位段(増速段)とを有する。有段変速機21では、下位段から上位段にシフトアップするときや上位段から下位段にシフトダウンするときには、一のギヤ列が選択された状態からディスエンゲージ状態(ニュートラル状態)を経て他のギヤ列が選択された状態へと切り替わる。なお、本実施形態では、有段変速機21の変速段が2段のみの構成を例示したが、2段よりも多くてもよい。
[0022]
 無段変速機22には、有段変速機21が変速して出力する回転動力が入力される。無段変速機22には、例えば、トロイダル式の無段変速機を用いることができる。トロイダル式の無段変速機は、入力ディスク及び出力ディスクに挟まれたパワーローラの位置をアクチュエータにより変化させることで、パワーローラを傾転させて変速比を変更するものである。トロイダル式の無段変速機は、公知であるためその詳細構造の説明は省略する。なお、無段変速機は、他の形式のものでもよく、例えば、油圧式変速機(Hydro Static Transmission)でもよい。
[0023]
 発電機23には、無段変速機22が変速して出力する回転動力が入力される。発電機23は、交流発電機である。発電機23は、一定回転数の動力が入力されることで一定周波数の交流を発電する。
[0024]
 第1回転数センサ24は、有段変速機21の入力回転数N1を検出する。第2回転数センサ25は、有段変速機21の出力回転数N2(即ち、無段変速機22の入力回転数)を検出する。第3回転数センサ26は、無段変速機22の出力回転数N3を検出する。発電制御装置27は、第1~第3回転数センサ24~26で検出された回転数N1,N2,N3に応じて、有段変速機21及び無段変速機22の変速動作を制御する。なお、有段変速機21と無段変速機22との間に歯車を介在させ、有段変速機21の出力回転数N2が、無段変速機22の入力回転数と一致しない構成としてもよい。
[0025]
 図3は、図2に示す発電制御装置27のブロック図である。図3に示すように、発電制御装置27は、ハードウェア面において、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及びI/Oインターフェース等を有する。発電制御装置27は、ソフトウェア面において、有段変速制御部31及び無段変速制御部32を有する。有段変速制御部31及び無段変速制御部32は、不揮発性メモリに保存されたプログラムに基づいてプロセッサが揮発性メモリを用いて演算処理することで実現される。
[0026]
 有段変速制御部31は、第1回転数センサ24で検出された有段変速機21の入力回転数N1を、有段変速機21を制御するための監視回転数として受信する。なお、有段変速機21を制御するための監視回転数は、有段変速機21の入力回転数ではなくてもよく、例えば有段変速機21の出力回転数としてもよい。有段変速制御部31は、所定のシフト条件(シフトアップ条件又はシフトダウン条件)が成立すると、無段変速制御部32にシフト条件成立信号を送信し、かつ、有段変速機21に変速段を切り替えさせるシフト信号(シフトアップ信号又はシフトダウン信号)を出力する。シフト信号は、有段変速機21の変速動作用のアクチュエータ(図示せず)の駆動指令として有段変速機21に出力される。
[0027]
 具体的には、有段変速制御部31は、監視回転数N1が第1閾値A1(図5参照)を上回ると(シフトダウン条件成立)、無段変速制御部32にシフトダウン条件成立信号を送信し、かつ、有段変速機21を上位段から下位段にシフトダウン(減速比増加)させるシフトダウン信号を出力する。また、有段変速制御部31は、監視回転数N1が第2閾値A2(図5参照)を下回ると(シフトアップ条件成立)、無段変速制御部32にシフトアップ条件成立信号を送信し、かつ、有段変速機21を下位段から上位段にシフトアップ(減速比減少)させるシフトアップ信号を出力する。第1閾値A1は、例えば、第2閾値A2よりも大きい値に設定されている。
[0028]
 無段変速制御部32は、第2回転数センサ25で検出される無段変速機22の入力回転数N2及び第3回転数センサ26で検出される無段変速機22の出力回転数に基づいて、無段変速機22の出力回転数(即ち、発電機23の入力回転数)が一定となるように無段変速機22の変速比を連続的に制御する。即ち、無段変速制御部32は、無段変速機22の入力回転数N2が増加すると無段変速機22の変速比を減速側に変化させ、無段変速機22の入力回転数N2が減少すると無段変速機22の変速比を増速側に変化させる。
[0029]
 図4は、図3に示す無段変速制御部32のブロック図である。図4に示すように、無段変速制御部32は、傾転角推定器41、位置推定器42及び位置制御器43を備える。傾転角推定器41は、トロイダル式の無段変速機22の前記パワーローラの傾転角の実値を推定した値である推定値φ estを求める。位置推定器42は、前記パワーローラの位置の実値を推定した値である推定値X estを求める。位置推定器42は、傾転角φのモデルと前記アクチュエータのモデルとを用いて作成されたオブザーバであり、傾転角の推定値φ estと前記アクチュエータの動作指令値I refとに基づいてローラ位置の推定値X estを求める。位置制御器43は、前記パワーローラの位置の目標値X refと推定値X estの偏差ΔXを解消するように、前記パワーローラの位置を変位させる前記アクチュエータの動作指令値I refを求める。
[0030]
 傾転角推定器41は、パワーローラの傾転角を直接的に検出するセンサに依らずに、演算によって傾転角の推定値φ estを求める。傾転角推定器41は、実変速比SRを求める実変速比演算器44(実変速比取得器)、及び実変速比SRを傾転角の推定値φ estに換算する換算器45を備える。実変速比演算器44は、無段変速機22の入力回転数N2と無段変速機22の出力回転数N3との比に応じて実変速比SRを求める。換算器45は、傾転角φの実変速比SRに対する関数の逆関数(φ=f -1(SR))に従い、実変速比SRに応じて傾転角を推定した値である推定値φ estを求める。
[0031]
 無段変速制御部32は、変速比の指令値SR refを求める目標変速比演算器46を備える。目標変速比演算器46は、入力回転数N2と予め記憶されている出力回転数の指令値N2 refとの比に応じて変速比の指令値SR refを算出する。本実施形態では、出力回転数の指令値N2 refは、航空機内の電装品の作動に適した周波数と対応する一定値に設定される。例えば、目標周波数f refを400Hz、発電機23の極数を2、出力回転数を発電機23の入力軸の回転数とする場合、指令値N2 refは24,000rpmの一定値である。
[0032]
 無段変速制御部32は、変速比の指令値SR refと実変速比SRとの偏差ΔSRを求める変速比減算器47を備える(ΔSR=SR ref-SR)。無段変速制御部32は、変速比の偏差ΔSRを減らすようにローラ位置の目標値X refを算出する目標位置演算器48を備える。即ち、目標位置演算器48は、メジャー閉ループ制御LP1(第1閉ループ制御;フィードバック制御)により、偏差ΔSRをゼロに近づけるようにローラ位置の目標値X refを算出する。
[0033]
 無段変速制御部32は、パワーローラの位置の目標値X refと推定値X estとの偏差ΔXを求める位置減算器49を備える(ΔX=X ref-X est)。位置制御器43は、偏差ΔXを減らすように無段変速機22の前記アクチュエータの動作指令値I refを算出する。即ち、位置制御器43は、マイナー閉ループ制御LP2(第2閉ループ制御;フィードバック制御)により、偏差ΔXをゼロに近づけるように動作指令値I refを算出する。
[0034]
 無段変速制御部32は、有段変速制御部31からのシフト条件成立信号(シフトアップ条件成立信号又はシフトダウン条件成立信号)に応じてオフセット信号を出力するオフセット信号発生器50を備える。オフセット信号発生器50は、有段変速制御部31からシフト条件成立信号を受信すると、シフト信号による有段変速機21の出力回転数の変動を相殺する側に無段変速機22を制御するオフセット信号を出力する。
[0035]
 具体的には、オフセット信号発生器50は、有段変速制御部31からシフトダウン条件成立信号を受信すると、無段変速機22の出力回転数を増加側にオフセットさせる増加オフセット信号を目標位置演算器48に出力する。目標位置演算器48は、増加オフセット信号を受信すると、目標値X refを増加側に所定量オフセットさせる。また、オフセット信号発生器50は、有段変速制御部31からシフトアップ条件成立信号を受信すると、無段変速機22の出力回転数を減少側にオフセットさせる減少オフセット信号を目標位置演算器48に出力する。目標位置演算器48は、減少オフセット信号を受信すると、目標値X refを減少側に所定量オフセットさせる。
[0036]
 なお、オフセット信号発生器50のオフセット信号の入力先は、目標位置演算器48に限られず、有段変速機21の出力回転数の変動を相殺する側に無段変速機22の出力回転数を制御できれば他の演算器でもよく、例えば、実変速比演算器44、目標変速比演算器46又は位置減算器49等にオフセット信号を入力する構成としてもよい。
[0037]
 有段変速制御部31は、シフト条件が成立すると、無段変速制御部32にシフト条件成立信号を出力した後に、有段変速機21にシフト信号を出力する。即ち、有段変速制御部31から無段変速制御部32へのシフト条件成立信号の出力タイミング(オフセット信号発生器50のオフセット信号の出力タイミング)と、有段変速制御部31から有段変速機21へのシフト信号の出力タイミングとの間には、所定の遅延時間が設けられている。なお、無段変速機22の動作に対して有段変速機21の動作に遅れがある構成の場合には、必ずしもシフト信号を出力よりも先にオフセット信号を出力しなくてもよく、例えば、シフト信号とオフセット信号とが同時に出力される構成としてもよい。
[0038]
 図5は、比較例における有段変速機の入力回転数及び出力回転数と無段変速機の出力回転数との関係を示すグラフである。図6は、図2に示す有段変速機21の入力回転数及び出力回転数と無段変速機の出力回転数との関係を示すグラフである。なお、図5及び6では、下位段(低速段)が等速であり且つ上位段(高速段)が増速である二段変速の例を示すが、上位段が下位段よりも増速比が大きい(減速比が小さい)構成であればこれに限られない。
[0039]
 図5に示す比較例では、無段変速制御部にオフセット信号発生器50が設けられておらず、その点以外は前述した実施形態と同様の構成が採用されている。図5に示すように、比較例では、有段変速機21の入力回転数が第1閾値A1を上回るシフトダウン条件が成立すると、シフトダウン信号が出力されて有段変速機21が上位段(高速段)から下位段(低速段)に変速されるため、有段変速機21の出力回転数が減少側に急変動し、無段変速機22の出力回転数も主に減少側に急変動する。また、有段変速機21の入力回転数が第2閾値A2を下回るシフトアップ条件が成立すると、シフトアップ信号が出力されて有段変速機21が第2段(高速段)から第1段(低速段)に変速されるため、有段変速機21の出力回転数が増加側に急変動し、無段変速機22の出力回転数も主に増加側に急変動する。
[0040]
 これに対し、図6に示すように、無段変速制御部32にオフセット信号発生器50が設けられた本実施形態の例では、有段変速機21の入力回転数が第1閾値A1を上回るシフトアップ条件が成立すると、先ず増加オフセット信号が出力され、その後に所定の遅延時間を経てシフトダウン信号が出力されるため、無段変速機22の出力回転数の減少側への変動量が抑制される。また、有段変速機21の入力回転数が第2閾値A2を下回るシフトアップ条件が成立すると、先ず減少オフセット信号が出力され、その後に所定の遅延時間を経てシフトアップ信号が出力されるため、無段変速機22の出力回転数の増加側への変動量が抑制される。
[0041]
 以上のように、有段変速機21のシフト信号の出力時において有段変速機21の出力回転数が瞬間的に変動しても、有段変速機21の出力回転数の変動を相殺する側に無段変速機22を制御(例えば、目標出力回転数を変動相殺側にずらす)ので、無段変速機22の出力回転数の変動が抑制される。よって、発電機23の上流側に有段変速機21を備えた発電装置13において、発電機23に入力される動力の瞬間的な回転数変動を防止して発電を安定させることができる。
[0042]
 また、シフト条件が成立すると、無段変速制御部32がオフセット信号を出力した後に有段変速制御部31がシフト信号を出力することになるため、有段変速機21の出力回転数の変動を相殺する側に無段変速機22を事前に制御しておくことができ、瞬間的な回転数変動を好適に防止することができる。
[0043]
 また、オフセット信号発生器50は、有段変速機21のシフト動作(シフトダウン動作又はシフトアップ動作)の完了後にオフセット信号の出力を停止する。それにより、有段変速機21の変速動作が完了した後は、無段変速機22の出力回転数(発電機23の入力回転数)が従来通りに所望の設計値に制御される。オフセット信号発生器50がオフセット信号の出力を停止するタイミングは、例えば、オフセット信号の出力開始から予め決められたタイマー時間(固定時間)が経過した時点とすることができる。
[0044]
 なお、有段変速制御部31から無段変速制御部32へのシフト条件成立信号の出力タイミング(オフセット信号発生器50のオフセット信号の出力タイミング)と、有段変速制御部31から有段変速機21へのシフト信号の出力タイミングとの間には、前記遅延時間を設けずに、互いの出力タイミングを同時としてもよい。

符号の説明

[0045]
 1 航空機エンジン
 13 発電装置
 21 有段変速機
 22 無段変速機
 23 発電機
 27 発電制御装置
 31 有段変速制御部
 32 無段変速制御部

請求の範囲

[請求項1]
 航空機エンジンの回転動力を有段変速機で変速し、前記有段変速機で変速された回転動力を無段変速機で変速して発電機に伝達する発電系統の制御装置であって、
 所定のシフト条件が成立すると、前記有段変速機の変速段を切り換えるように前記有段変速機を制御する有段変速制御部と、
 前記シフト条件が成立すると、前記有段変速機の前記変速段の切り換えによる出力回転数の変動を相殺する側に前記無段変速機を制御する無段変速制御部と、を備える、航空機用の発電制御装置。
[請求項2]
 前記無段変速制御部及び前記有段変速制御部は、前記有段変速機の出力回転数の変動を相殺する側に前記無段変速機が予め動作した後に前記有段変速機の前記変速段が切り換えられるように、前記無段変速機及び前記有段変速機をそれぞれ制御する、請求項1に記載の航空機用の発電制御装置。
[請求項3]
 前記無段変速制御部は、
  前記有段変速機が変速比を減少させるようシフトダウンするときに、前記無段変速機の出力回転数を増加側にオフセットさせるように前記無段変速機を増加オフセット制御し、
  前記有段変速機が変速比を増加させるようシフトアップするときに、前記無段変速機の出力回転数を減少側にオフセットさせるように前記無段変速機を減少オフセット制御する、請求項1又は2に記載の航空機用の発電制御装置。
[請求項4]
 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発電制御装置と、
 航空機エンジンの回転動力を変速し、複数の変速段を有する有段変速機と、
 前記有段変速機で変速された回転動力を変速する無段変速機と、
 前記無段変速機で変速された回転動力が伝達される発電機と、を備える、航空機用の発電装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]