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1. WO2020105074 - 圧力検出信号処理装置、エンジン制御システム、および、プログラム

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明 細 書

発明の名称 圧力検出信号処理装置、エンジン制御システム、および、プログラム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

符号の説明

0089  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 圧力検出信号処理装置、エンジン制御システム、および、プログラム

技術分野

[0001]
 本発明は、圧電素子を含む圧力センサからの圧力検出信号に対して信号処理を施す圧力検出信号処理装置、エンジン制御システム、および、プログラムに関する。  

背景技術

[0002]
 従来から、受圧の強度に応じた電荷を出力する圧電素子を利用した圧力センサからの圧力検出信号に対する信号処理回路としてチャージアンプを含む構成が提案されている。チャージアンプは、オペアンプに並列に帰還抵抗と帰還容量とを接続し、オペアンプが負帰還接続されて構成されていた。
[0003]
 この信号処理回路にあっては、圧電素子の漏れ電流が、圧力検出信号のドリフトとなるので、ドリフトの影響を除去するためのドリフトの補正回路等を設ける必要があった。
[0004]
 この補正回路の一例として、クランクシャフトの回転信号と同期したリセット信号を利用して、ドリフトの影響を除去する回路が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この補正回路が備えるリセットタイミング検出部は、クランク角センサの出力に基づいて、吸気行程に予定のリセットタイミングか否かを判定し、予定のリセットタイミングとなったときにリセット信号を出力して、チャージアンプの出力を零にリセットする。このため、圧力検出信号処理回路の回路系が複雑化していた。しかも、クランク角センサの出力精度が確保されなければ、精度良くリセットを行うことができなかった。
[0005]
 そこで、圧電素子とチャージアンプとの間に直流アイソレータを介在させる回路構成が提案されている。この直流アイソレータは、直流成分を遮断して圧力検出信号を通過させるもので、コンデンサで構成される(例えば、特許文献2参照。)。つまり、圧電素子の漏れ電流は、ドリフトとして作用するが、比較的長時間であっても安定した大きさを維持する直流成分とも見なせるため、この直流成分をコンデンサで遮断している。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2002-242750号公報(第3-6頁、第10図)
特許文献2 : 特開2009-115484号公報(第2-7頁、第1図)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら、特許文献1の構成によれば、直流アイソレータであるコンデンサの容量が、圧電素子のインピーダンスの大きさに依存する。このため、圧電素子のインピーダンスが小さい場合には、コンデンサの容量が大きくなってしまうという問題があった。また、コンデンサの容量が大きくなると、電子基板表面上に占めるコンデンサの装着面積が大きくなるなどの課題があった。
[0008]
 本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で、圧電素子のドリフトを除去して、精度の良い圧力検出信号を得ることを可能とした圧力検出信号処理装置、エンジン制御システム、および、プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る圧力検出信号処理装置は、受圧に応じた電荷を生起する圧電素子を含んで成る圧力センサの出力信号に対して、信号処理を施す装置であって、
 電荷を蓄積して対応する電圧信号を出力するチャージアンプと、
 電圧信号に対して微分処理を施すことで、圧電素子のドリフト成分を抽出するドリフト成分抽出部と、
 抽出されたドリフト成分を除去するための補正信号を生成し、チャージアンプの入力側にフィードバックするドリフト補正部と、を備える。
[0010]
 また、ドリフト成分抽出部は、
 電圧信号に対して微分処理を施す微分処理部と、
 微分処理が施された信号の所定の低周波数帯域の成分を抽出するローパスフィルタと、を含んでもよい。また、チャージアンプとして、抵抗とコンデンサとで成る並列回路、又は、コンデンサで負帰還接続したオペアンプを含んでもよい。
[0011]
 また、ドリフト補正部は、
 予め設定された第1の目標値と、抽出されたドリフト成分との第1の差分を求める第1の差分算出部と、
 第1の差分に応じた前記補正信号を生成して、チャージアンプの入力側にフィードバックする補正処理部と、を含んでもよい。
[0012]
 さらに、P制御を行わせるために、電圧信号の所定の低周波数帯域の成分を示す信号を抽出する第2のローパスフィルタと、
 予め設定された第2目標値と、第2のローパスフィルタが抽出した信号との第2の差分を求める第2の差分算出部と、
 第2の差分に対して、比例処理を施した比例信号を出力する比例処理部と、をさらに備え、
 補正処理部は、
 比例信号を第1の差分に加算した加算信号に応じた前記補正信号を生成して、チャージアンプの入力側にフィードバックするチャージアンプが出力する構成としてもよい。
[0013]
 そして、I制御を行わせるために、第2の目標値と、第2のローパスフィルタが抽出した信号との第3の差分を求める第3の差分算出部と、
 第3の差分に対して、積分処理を施した積分信号を出力する積分処理部と、をさらに備え、
 補正処理部は、
 第1の差分、比例信号、および、積分信号を加算した加算信号に応じた前記補正信号を生成して、チャージアンプの入力側にフィードバックする構成としてもよい。
[0014]
 微分処理部の前段、および/または、第2のローパスフィルタの前段に、所定値を超える入力信号を当該所定値でスライスするスライス部を設けてもよい。
[0015]
 また、PID制御を行わせるために、
 ドリフト成分抽出部は、
 電圧信号の所定の低周波数帯域の成分を示す信号を抽出するローパスフィルタと、
 ローパスフィルタが抽出した信号に対して、微分処理を施した微分信号を出力する微分処理部と、を含み、
 ドリフト補正部は、
 予め設定された第1目標値と、微分信号との第1の差分を求める第1の差分算出部と、
 補正信号を生成し、チャージアンプの入力側にフィードバックする補正処理部と、を含み、
 圧力検出信号処理装置は、
 予め設定された第2目標値と、ローパスフィルタが抽出した信号との差分である第2の差分を求める第2の差分算出部と、
 第2の差分に対して比例処理を施した比例信号を出力する比例処理部と、
 第2の差分に対し積分処理を施した積分信号を出力する積分処理部と、を備え、
 補正処理部は、
 第1の差分信号、比例信号、および、積分信号を加算した加算信号に応じて、補正信号を生成するようにしてもよい。
[0016]
 また、圧力検出信号を利用したエンジン制御を行うために、圧力検出信号処理装置と、圧力検出信号処理装置からの出力信号に基づいて、エンジンの制御を行う制御部とを備えたエンジン制御システムを構成してもよい。また、デジタル信号処理部が、ローパスフィルタのカットオフ周波数をエンジンの回転数に応じて変更してもよい。
[0017]
 本発明の他の態様に係るプログラムは、受圧に応じた電荷を生起する圧電素子を含んで成る圧力センサの出力信号に対して、信号処理を施す圧力検出信号装置に、
 電荷を蓄積して対応する電圧信号を出力するチャージアンプからの当該電圧信号に対して、微分処理を施すことで、圧電素子のドリフト成分を抽出する抽出機能と、
 抽出されたドリフト成分を除去するための補正信号を生成し、チャージアンプの入力側にフィードバックする補正機能と、を実現するためのプログラムである。
[0018]
 また、この補正機能は、予め設定された目標値と、抽出機能により抽出されたドリフト成分との差分を求める差分算出機能と、差分に応じた補正信号をチャージアンプの入力側にフィードバックする補正処理機能と、を含んでもよい。

発明の効果

[0019]
 本発明によれば、簡易な構成で、圧電素子のドリフトを除去して、精度良い圧力検出信号を得ることを可能とした圧力検出信号処理装置、エンジン制御システム、および、プログラムを提供することができるという効果が得られる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 図1は、エンジン制御システム300の構成を示す模式的な説明図である。
[図2] 図2は、ECU100の機能構成図である。
[図3] 図3は、圧力検出信号処理装置200の構成である。
[図4] 図4は、圧力センサ30の模式的な構成図である。
[図5] 図5は、チャージアンプ210の構成図である。
[図6] 図6は、第1の態様のデジタル信号処理部220の構成図である。
[図7] 図7は、補正処理部252の構成図である。
[図8] 図8は、第2の態様のデジタル信号処理部220の構成図である。
[図9] 図9は、他の形態の補正処理部252の構成図である。
[図10] 図10は、第3の態様のデジタル信号処理部220の構成図である。
[図11] 図11は、PID制御の模式的な説明図である。
[図12] 図12は、圧力検出信号処理装置200の動作の説明図である。
[図13] 図13は、従来例と本発明との比較例を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下に説明する本発明の実施形態は一例であり、本発明は、以下の実施形態に限定されず、以下の実施形態に対して種々の変形、変更が可能である。
[0022]
(エンジン制御システム300の概要)
 図1は、エンジン1、および、ECU(Electric Control Unit)100を含むエンジン制御システム300の模式的な構成図である。エンジン制御システム300は、圧力検出信号処理装置200によって信号処理が施された圧力検出信号を利用してエンジン制御を行う。「圧力検出信号」は、圧力センサ30からの出力信号である。なお、図1では、理解の容易化のため、点火プラグを図示省略している。
[0023]
 エンジン1は、シリンダ2と、シリンダ2の内部で上下方向に摺動可能に嵌合されたピストン3とを有する。ピストン3には、コンロッド4の一端側が接続されているとともに、コンロッド4の他端側は、クランクシャフト5に連結されている。クランクシャフト5の不図示の変速機側の端部には、フライホイール7が回転可能に連結されている。フライホイール7の外周の所定の角度領域には、磁性体でなる突起であるリラクタ20が形成されている。
[0024]
 クランクシャフト5に対向して配置される電磁ピックアップ22は、リラクタ20が近づく時には、正電圧のパルスを出力するとともに、リラクタ20が遠ざかる時には、負電圧のパルスを出力する。公知のパルス整形回路により、正・負両極のパルス信号に基づいて、1個の矩形パルスが出力されるようにパルスを整形すると、フライホイール7が1回転する毎に1つの矩形パルスが出力される。
[0025]
 よって、「吸気→圧縮→燃焼→排気」の1サイクルにおいて、クランクシャフト5が720°回転するので、電磁ピックアップ22から1サイクルで2パルスの矩形信号(エンジン回転信号)が出力される。かくして、電磁ピックアップ22は、クランクシャフト5の回転角度を検出するクランク角センサとなる。
[0026]
 この結果、電磁ピックアップ22からのエンジン回転信号に基づいて、エンジン1の回転数を求めることができる。また、フライホイール7の外周上におけるリラクタ20の形成位置を適宜の角度領域とし、電磁ピックアップ22からのエンジン回転信号に基づいて、点火プラグに点火制御信号を与えて燃料点火するタイミングを、所望のタイミングとすることができる。所望のタイミングとは、上死点(TDC)、上死点より進角(BTDC)側、または、遅角(ATDC)側に対応したタイミングである。
[0027]
 また、シリンダ2の上部のシリンダヘッドには、吸気管8と排気管9とが接続されている。吸気管8の内部は、外部から燃焼室15内に新気を取り込むための吸気通路となっている。また、吸気通路には、上流側から、新気の塵等を除去するためのエアクリーナ6、新気の吸入量を調整するためのスロットル弁24、燃料噴射を行うためのインジェクタ40などが配置されている。そして、新気を燃焼室15内へ取り込むタイミングは、不図示のスプリングで閉弁方向に付勢される吸気弁12の開弁・閉弁動作により制御される。
[0028]
 そして、圧力センサ30は、燃焼室15の圧力である燃焼圧を検出して、検出した燃焼圧を示す圧力検出信号を出力する。圧力センサ30は、その先端が燃焼室内を臨む姿勢でシリンダヘッドの頂部に配置されている。なお、圧力センサ30の搭載位置は、図1に示す位置には限られない。同様に、不図示の点火プラグも、その先端が燃焼室内を臨む姿勢でシリンダヘッドの適宜の位置に配置されている。点火プラグの内部に圧力センサ30を一体に設ける構造とすることもできるし、圧力センサ30と点火プラグとを別体にすることもできる。
[0029]
 一方、排気管9の内部は、燃焼室15からの排気を排出するための排気通路となっている。そして、排気の燃焼室15内からの排出タイミングは、不図示のスプリングで閉弁方向に付勢される排気弁10の開弁・閉弁動作により制御される。
[0030]
 エンジン1の動作を制御するECU100には、電磁ピックアップ22、および、圧力センサ30などからの信号が入力される。電磁ピックアップ22からは、エンジン回転に応じた矩形パルス信号が入力される。圧力センサ30からは、圧力検出信号が入力される。一方、ECU100は、インジェクタ40の燃料噴射を制御すると共に、点火プラグの点火を制御する。
[0031]
 そして、圧力センサ30からの圧力検出信号は、圧力検出信号処理装置200によって信号処理が施される。ECU100は、エンジン回転信号、および、圧力検出信号処理装置200によって信号処理が施された圧力検出信号に基づいて、インジェクタ40による燃料噴射制御(噴射量、噴射時期)と、点火プラグによる点火時期制御とを行う。
[0032]
 シリンダ2内でのピストン3の上下方向の往復運動が、クランクシャフト5の回転運動に変換される。クランクシャフト5の回転運動は、変速機を介して駆動輪に伝達され、「吸気→圧縮→燃焼→排気」の行程を繰り返すことにより、車両(二輪、四輪)が前進する。
[0033]
 なお、図1は、エンジン1、および、これを制御するECU100の構成例であり、例えば、ECU100は、エンジン回転信号、および、圧力検出信号の他に、エンジン1の吸気温度、冷却水温度、排気中の酸素濃度、スロットル開度などを参照して、エンジン1の制御を行うようにすることもできる。
[0034]
(ECU100の機能構成)
 図2は、ECU100の機能を示す機能構成図である。ECU100は、記憶部130と、エンジン制御部150と、圧力検出信号処理装置200とを含む。記憶部130は、プログラム132、テーブル134、不揮発性記憶エリア136、および、ワークエリア138を有する。ワークエリア138は、演算過程等で各種パラメータを一時的に記憶するための一時記憶領域であり、不揮発性記憶エリア136は、演算で利用される各種パラメータを不揮発的に記憶するための記憶領域である。
[0035]
 エンジン制御部150は、圧力検出信号処理装置200から出力される圧力検出信号などに基づいて、燃料噴射量を求め、求めた燃料噴射量に応じた燃料噴射信号を、電磁ピックアップ22からのエンジン回転信号に基づいたタイミングでインジェクタ40を制御する。これにより、インジェクタ40は、エンジン制御部150からの制御に応じた燃料噴射量で燃料を噴射する。
[0036]
 エンジン制御部150は、電磁ピックアップ22からのエンジン回転信号に基づいて点火時期を判断し、点火プラグを制御する。また、エンジン制御部150は、電磁ピックアップ22からのエンジン回転信号に加えて、圧力検出信号処理装置200からの圧力検出信号にも基づいて、点火時期を制御することもできる。
[0037]
 図2に示したECU100の機能構成は一例に過ぎない。ECU100は、これ以外の機能構成を取り得る。圧力検出信号処理装置200から出力される信号処理後の圧力検出信号は、燃料噴射制御、点火時期制御のみならず、ノッキング検知、失火検知、燃焼速度演算など各種パラメータの検出、制御等に応用可能である。
[0038]
(圧力検出信号処理装置200の構成)
 図3は、圧力検出信号処理装置200の構成図である。圧力検出信号処理装置200は、チャージアンプ210と、デジタル信号処理部220とを有する。デジタル信号処理部220は、AD変換部205と、微分処理部230と、ローパスフィルタ部240と、ドリフト補正部250とを有し、ドリフト補正部250からの補正信号がチャージアンプ210の入力側にフィードバックされる構成である。また、チャージアンプ210の出力が、デジタル信号処理装置220への出力信号となっている。
[0039]
 図4は、圧力センサ30の模式的な構成図である。圧力センサ30の筒状のハウジング31には、圧力信号Pを受けるダイアフラム32と、1対の電極36、37に挟まれた圧電素子35と、が内蔵される。一方の電極36は、接地されたリード線が接続されるとともに、他方の電極37は、圧力センサ30の圧力検出信号Psを次段に伝送するためのリード線が接続されている。圧電素子35は、受圧強度に応じた電荷を生起して出力する。圧電素子35は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)等の誘電体材料で構成される。
[0040]
 ダイアフラム32が、受圧強度に応じて圧電素子35に圧力を与えると、圧電素子35は、与えられた圧力に対応する電荷を生起し、次段のチャージアンプ210に出力される。かくして、圧力Pに対応する電荷が、圧力検出信号Psとしてチャージアンプ210に伝えられる。
[0041]
 図5は、チャージアンプ(電流増幅器)210の構成図である。チャージアンプ210は、抵抗値R1の抵抗212と容量値C1のコンデンサ214とが並列接続された並列回路が、オペアンプ211に負帰還接続されて構成される。オペアンプ211の非反転端子は、接地されて仮想接地状態になっている。また、チャージアンプ210は、コンデンサ214のみがオペアンプ211に負帰還接続されて構成しても良い。
[0042]
 オペアンプ211の入力インピーダンスは理想的には無限大であるので、圧電素子35からの電荷は、コンデンサ214に蓄積されて、コンデンサ214の両端には、蓄積電荷に応じた電圧が生起される。かくして、チャージアンプ210は、圧電素子35で生起された電荷を蓄積して、対応する電圧信号V(Q=C1・V(「Q」は電荷、「V」は出力電圧)を出力する。
[0043]
 また、図3に示すAD変換部205は、チャージアンプ210からアナログの出力信号が入力され、この入力された信号をデジタル信号に変換する。微分処理部230は、AD変換部205によってアナログデジタル変換されたデジタル信号に対して微分処理を施す。微分処理部230が行う微分処理は、当該微分処理部230に入力された信号の傾きを、順次、求めていくものである。
[0044]
 AD変換部205によるデジタルサンプリング周期を「T」として、時間経過「T、2・T、3・T、…、(n-1)・T、n・T」における信号を「y(1)、y(2)、y(3)、…、y(n-1)、y(n)」とすると、微分処理は、「y(2)-y(1)、y(3)-y(2)、…、y(n)-y(n-1)」を求めていくことにより実現される。即ち、微分処理部230が施す微分処理は、デジタル信号の差分を、順次、求めてくことに対応する。
[0045]
 ローパスフィルタ部240は、微分処理部230により微分処理が施された微分信号のドリフト成分を抽出する。ローパスフィルタ部240は、微分信号において緩やかに変化するドリフト成分を抽出するローパスフィルタで実現できる。ローパスフィルタの一例とし、「移動平均フィルタ」を採用できる。「移動平均フィルタ」は、デジタルサンプリング周期を「T」として、時間経過「T、2・T、3・T、…、(n-1)・T、n・T」における信号を「y(1)、y(2)、y(3)、…、y(n-2)、y(n-1)、y(n)」とすると、「(y(1)+y(2)+y(3))/3、…、(y(n-2)+y(n-1)+y(n))/3」を求めていくことにより実現できる。このように、微分処理部230及びローパスフィルタ部240は、協働して、圧電素子のドリフト成分を抽出するドリフト成分抽出部として機能する。
[0046]
 つまり、移動平均フィルタは、注目するデジタル信号を含む前後n個(nは3以上の整数)のデジタル信号における平均値を、順次、求めるものである。nの値を大きな値とすると、カットオフ周波数を下げることができる。例えば、移動平均フィルタのnの値を、エンジン回転数に応じて線形的に変化させることによって、波高値に関わらず安定した信号処理を実現することが可能となる。
[0047]
 より具体的には、一例として、エンジン回転数とnとが、比例するように設定することができる。また、エンジ回転数は、圧力検出信号処理装置200が信号処理を施した圧力検出信号が示す燃焼圧から求める構成とすることができる。また、エンジン回転数は、エンジン制御部150が取得したエンジン回転信号を圧力検出信号処理装置200に入力することで、エンジン制御部150から取得する構成としても良い。
[0048]
 ドリフト補正部250は、チャージアンプ210の入力側にフィードバックすべき補正信号を出力する。より具体的には、ドリフト補正部250は、予め設定された目標値と、ローパスフィルタ部240の抽出信号との差分に相当する電圧信号を、デジタルアナログ変換し、デジタルアナログ変換後のアナログ電圧信号に対応する電流信号を補正信号として、チャージアンプ210の入力側に加えるフィードバック制御を行う。
[0049]
(「第1実施形態」のデジタル信号処理部)
 図6は、デジタル信号処理部220の第1実施形態を示す。第1実施形態においては、微分制御(D制御)のみでドリフトを除去する点に特徴がある。また、以下の説明では、図6、図8、図9で説明するデジタル信号処理部220の前段に配置するAD変換部205の図示を省略する。
[0050]
 図6に示すデジタル信号処理部220は、微分処理部230と、ローパスフィルタ部240と、差分算出部251と、補正処理部252と、を有する。図3に示すドリフト補正部250は、差分算出部251、補正処理部252に対応する。
[0051]
 そして、ローパスフィルタ部240は、微分処理部230から出力される微分信号に基づいてドリフト成分を抽出した抽出信号を、差分算出部251に対して出力する。差分算出部251は、予め設定された第1目標値と抽出信号との差分を求めて、補正処理部252に対して出力する。
[0052]
 図7は、第1実施形態の補正処理部252の構成図である。補正処理部252は、DA変換部254と、VI変換部255と、を有する。DA変換部254は、差分算出部251から出力される差分信号をデジタルアナログ変換して、VI変換部255に対して出力する。VI変換部255は、デジタルアナログ変換された差分信号を電圧電流変換(VI変換)し、この電圧電流変換後の電流信号を補正信号としてチャージアンプ210の入力側に加える。
[0053]
 つまり、差分信号は、DA変換部254によってデジタルアナログ変換され、VI変換部255が、このデジタル変換された電圧信号に対応する電流信号にVI変換して、チャージアンプ210に対して出力する。
[0054]
 かくして、図6に示す第1実施形態のデジタル信号処理部220は、微分処理部230、差分算出部251、補正処理部252によって、微分制御(D制御:Differential制御)でのフィードバック制御を行う。
[0055]
(「第2実施形態」のデジタル信号処理部)
 図8は、デジタル信号処理部220の第2実施形態を示す。第2実施形態にあっては、微分制御(D制御)、比例制御(P制御:Proportional制御)、積分制御(I制御:Integral制御)のPID制御でドリフトを除去すると共にベースラインを一定に保持する点に特徴がある。
[0056]
 図8に示すデジタル信号処理部220は、図6に示す第1実施形態において更に、ローパスフィルタ部260と、差分算出部280と、差分算出部281と、比例処理部270と、積分処理部271とを有する。
[0057]
 ローパスフィルタ部260は、チャージアンプ210が出力する電圧信号の所定の低周波数帯域の成分を抽出した信号を出力する。差分算出部280は、予め設定される第2目標値と、ローパスフィルタ部260の出力信号との差分を求め、求めた差分を示す差分信号を比例処理部270に対して出力する。同様に、差分算出部281は、予め設定される第2目標値と、ローパスフィルタ部260の出力信号との差分を求め、求めた差分を示す差分信号を積分処理部271に対して出力する。なお、図8に示す微分処理部230、ローパスフィルタ240、差分算出部251は、図6に示すものと変わる点は無い。
[0058]
 比例処理部270は、差分算出部280から出力される差分信号に比例定数を乗じた信号を、補正処理部252に対して出力する。積分処理部271は、差分算出部281から出力される差分信号に対して積分処理を施した積分信号を、補正処理部252に対して出力する。なお、差分算出部280の出力を積分処理部271の入力とすることや、差分算出部281の出力を比例処理部270の入力とすることもできる。この場合、差分算出部280または差分算出部281のいずれか一方のみを設けた構成で良い。
[0059]
 図9は、第2実施形態の補正処理部252の構成図である。補正処理部252は、加算部253と、DA変換部254と、VI変換部255と、を有する。加算部253は、入力された信号を加算して加算信号とし、DA変換部254は、当該加算信号をデジタルアナログ変換して、VI変換部255に対して出力する。VI変換部255は、デジタルアナログ変換された加算信号を電圧電流変換(VI変換)し、当該電圧電流変換後の電流信号を補正信号として、チャージアンプ210の入力側に加える。
[0060]
 補正処理部252は、差分算出部251、比例処理部270、積分処理部271からの信号を加算して加算信号を求め、求めた加算信号をデジタルアナログ変換し、このデジタルアナログ変換した信号に対してVI変換した電流信号を、補正信号としてチャージアンプ210の入力側にフィードバックする。
[0061]
 なお、デジタルサンプリング周期を「T」として、時間経過「T、2・T、3・T、…、(n-1)・T、n・T」における信号を「y(1)、y(2)、y(3)、…、y(n-1)、y(n)」とすると、積分処理は、「y(1)・T、y(1)・T+y(2)・T、y(1)・T+y(2)・T+y(3)・T、…、y(1)・T+y(2)・T+y(3)・T+…+y(n)・T」を求めていくことにより実現される。即ち、積分処理部271が施す積分処理は、デジタル信号の総和を、順次、求めてくことに対応する。
[0062]
 かくして、図8に示す第2実施形態のデジタル信号処理部220は、微分制御(D制御)でのフィードバック制御を行うことに加えて、比例処理部270、積分処理部271、差分算出部280、差分算出部281、補正処理部252によって、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)でのフィードバック制御を行うように構成されている。したがって、微分制御(D制御)に加えて、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)を行うので、目標値への収束が速く制御性を一層向上することができる。
[0063]
 微分処理部230、差分算出部251で成る「交流変動対応用回路系」は、交流的に変動するドリフト成分を除去する作用を有するとともに、比例処理部270、積分処理部271、差分算出部280、差分算出部281で成る「ベース電圧保持用回路系」は、圧力検出信号のベースとなる電圧であるベースラインを保持する作用を有する。
[0064]
(「第3実施形態」のデジタル信号処理部)
 図10は、デジタル信号処理部220の第3実施形態を示す。第3実施形態は、一つのローパスフィルタ部240で信号処理を行う点に特徴がある。図10に示すデジタル信号処理部220は、ローパスフィルタ部240と、微分処理部230と、差分算出部251と、差分算出部280と、差分算出部281と、比例処理部270と、積分処理部271と、補正処理部252とを有する。図10の構成においても、差分算出部280の出力を積分処理部271の入力とすることや、差分算出部281の出力を比例処理部270の入力とすることもできる。この場合、差分算出部280または差分算出部281のいずれか一方のみを設けた構成で良い。
[0065]
 ローパスフィルタ部240は、チャージアンプ210の電圧信号に基づいて、ドリフト成分を抽出した抽出信号を出力する。微分処理部230は、抽出信号に対して微分処理を施した微分信号を、差分算出部251に対して出力する。また、比例制御部270は、入力信号に比例定数を乗じた比例信号を、補正処理部252に対して出力する。積分処理部271は、入力信号に対して積分処理を施した積分信号を、補正処理部252に対して出力する。
[0066]
 差分算出部251は、予め設定される第1目標値と、微分処理部230の出力信号との差分を求め、求めた差分を示す差分信号を補正処理部252に対して出力する。同様に、差分算出部280は、予め設定される第2目標値と、ローパスフィルタ部240の出力信号との差分を求め、求めた差分を示す差分信号を比例処理部270に対して出力する。差分算出部281は、予め設定される第2目標値と、ローパスフィルタ部240の出力信号との差分を求め、求めた差分を示す差分信号を積分処理部271に対して出力する。
[0067]
 図9に示す補正処理部252の加算部253は、差分算出部251、比例処理部270、積分処理部271のそれぞれから出力される3種類の信号を加算した加算信号を求め、次いで、DA変換部254は、加算信号をデジタルアナログ変換し、次いで、VI変換部255は、デジタルアナログ変換された加算信号をVI変換した当該電流信号を補正信号として、チャージアンプ210の入力側にフィードバックする。
[0068]
 かくして、ドリフト成分の抽出及びベースラインの抽出を一つのローパスフィルタを利用した簡易な構成で、微分制御(D制御)、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)のフィードバック制御が可能になる。
[0069]
 図11は、本発明に適用したPID制御の概要の説明図である。チャージアンプ210の出力信号は、P制御部310、I制御部320、D制御部330のそれぞれにより、比例、積分、微分の各処理が施される。P制御部310は、第2目標値と、チャージアンプ210の出力信号との差分に対して比例処理が施された比例信号を、加算部340に対して出力する。
[0070]
 同様に、I制御部320は、第2目標値と、チャージアンプ210の出力信号との差分に対して積分処理が施された積分信号を、加算部340に対して出力し、また、D制御部330は、第1目標値と、チャージアンプ210の出力信号に対して微分処理が施された微分信号との差分を示す差分信号を、加算部340に対して出力する。加算器340は、各信号を加算し、その加算結果を示す加算信号をVI変換部350に対して出力する。
[0071]
 次いで、VI変換部350は、加算信号をVI変換した当該電流信号を補正信号として、チャージアンプ210の入力側にフィードバックする。微分制御を施すことによって、ドリフト成分を除去するとともに、比例制御及び積分制御を施すことによって、大気圧の影響によらず、ベースラインを一定に維持した圧力検出信号を取得可能とし、ECU100等での処理に備える。かくして、PID制御により、高精度の圧力検出信号を取得することが可能になる。
[0072]
 P制御部310では、チャージアンプ210の出力と第2目標値との差分に比例制御ゲイン(Kp)を乗じた乗算信号を加算部340に対して出力する。同様に、I制御部320、D制御部330は、対応するそれぞれの積分信号、差分信号に対して、更に積分ゲイン(Ki)、微分ゲイン(Kd)を乗じて、加算部340に対して出力する構成としてもよい。この際、「Ki」、「Kd」を「1.0」以外の定数とすることもできる。制御系の応答性などの制御性の向上のために、「積分ゲイン:Ki」、「微分ゲイン:Kd」を適宜調整することができる。ゲイン調整手法としては、例えば、ジーグラ・ニコルス限界感度法が挙げられる。
[0073]
(動作)
 次に、図12を参照して、デジタル信号処理部220の動作について説明する。図12(a)は、チャージアンプ210からの出力信号(図3の符号「a」の位置での信号)である。チャージアンプ210の出力信号は、積分されたドリフト成分が混在しており、時間の経過とともに変化する(図3の符号「a」の位置での信号)。
[0074]
 次いで、図12(a)に示す信号に対して、微分処理部230が微分処理を施すと、図12(b)に示す信号となる(図3の符号「b」の位置での信号)。微分処理部230の作用によって、ドリフト成分を抽出できる。つまり、微分処理を施すことによって、積分前のドリフト成分が抽出可能となる。
[0075]
 次いで、ローパスフィルタ部240は、図12(b)に示す信号において、カットオフ周波数よりも高い周波数成分を減衰し、ベースラインを中心に、極微小で交流的に変動する信号を得る(図12(c)参照:図3の符号「c」の位置での信号)。
[0076]
 次いで、差分算出部251が、第1目標値と、図12(c)に示す信号との差分として、ドリフト成分を抽出する。ここで、第1目標値として、例えば「0V」が設定される。そして、図12(d)は、補正処理部252が、ドリフト成分を示す抽出信号に基づいてフィードバック制御を行う補正信号を求め、求めた補正信号をチャージアンプ210の入力側にフィードバックしたときの信号である(図3の符号(d)の位置での信号)。図12(d)に示す信号によれば、ドリフト成分が除去されていることが分かる。
[0077]
 また、比例処理部270が施す比例処理、および、積分処理部271が施す積分処理にあっては、設定した第2目標値となるように、チャージアンプ210からの出力信号のベースライン電圧が補正される。例えば、第2目標値を「0.5(V)」に設定すると、チャージアンプ210からの出力信号のベースライン電圧が「0.5(V)」になる。なお、第1目標値、第2目標値等のPID制御に必要なパラメータは、例えば、不揮発性メモリ136に予め不揮発的に記憶されている。
[0078]
 以上説明してきた実施形態によれば、チャージアンプ210が、受圧に応じて圧電素子35により生起された電荷を蓄積して対応する電圧信号を出力し、微分処理部230が、この電圧信号に対して微分処理を施した微分信号を出力する。さらに、ローパスフィルタ部240が、微分信号に基づいてドリフト成分を抽出する。
[0079]
 そして、ドリフト補正部250は、抽出されたドリフト成分を低減するための補正電流信号を求め、求めた電流信号を補正信号として、チャージアンプ210の入力側にフィードバックするので、圧電素子35のドリフトを除去して、精度の良い圧力検出信号を得ることが可能となる。
[0080]
 図13は、従来例の圧力検出信号と、本発明の信号処理を施した圧力検出信号との比較例である。図13(a)は、従来の圧力センサ30からの出力信号を示すグラフであり、「横軸」は、時間(sec)、「縦軸」は、燃焼圧(Mpa)である。図12(a)を参照して分かるように、従来の圧力検出信号は、圧電素子35のドリフトがあるため、時間経過ととともにベースラインが変化している。
[0081]
 一方、図13(b)は、本発明の信号処理を施した圧力検出信号を示すグラフであり、「横軸」は、時間(sec)、「縦軸」は、燃焼圧(Mpa)である。図13(b)を参照して分かるように、本発明を適用した圧力検出信号は、時間経過とともにベースラインが変化しない。つまり、ドリフト成分が除去されるとともに、ベースラインが一定に維持された高精度の圧力検出信号を得ることができた。本発明適用後の圧力検出信号によれば、ECU100等での後工程の各種の信号処理がし易くなる。
[0082]
 以上説明してきた圧力検出信号処理装置200は、一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)で実現可能である。また、CPUが、記憶部130に格納されたプログラム132を実行することにより、デジタル信号処理部220として機能することも可能である。 
[0083]
 また、「微分処理部230、ローパスフィルタ部260」の前段と、チャージアンプ210との間に、入力が所定レベルを超えると、この超えた部分の信号を当該所定レベルに抑制するスライス機能を有するスライス部を設けると、波高値に関わらず安定したドリフト抽出が行えることを確認している。スライス部は、例えばツエナーダイオード等の回路素子で実現することや、クリッピング処理を実行するプログラム等で実現することができる。
[0084]
 また、本発明の圧力検出信号処理装置200によれば、ECU100等での圧力検出信号を高精度に処理することが可能となるので、圧力検出信号処理装置200からの出力信号に基づいて、エンジンの制御を高精度で行うことが可能となる。
[0085]
 また、上述した補正処理部252の構成などは一例に過ぎない。例えば、差分とこれに対応する電流値とを関連付けてテーブル134に予め登録しておき、補正処理部252が電流制御部を有するようにしてもよい。そして、電流制御部が、差分算出部251、280、281により算出された差分に対応する電流値をテーブル134から読み出し、読み出した電流値となる補正信号をチャージアンプの入力側にフィードバックするように、1つまたは複数個の可変電流源を動作制御させる構成なども採用可能である。この際、差分算出部別にテーブル134を構築しておけば良い。また、加算値とこれに対応する電流値を関連受付けてテーブル134に予め登録しておき、電流制御部が、加算部253からの加算信号が示す加算値に対応する電流値となる補正信号をチャージアンプの入力側にフィードバックするようにしてもよい。また、差分又は加算値と、電圧値とを関連付けてテーブル134に予め登録しておき、電流制御部が、差分又は加算値に対応する電圧値をテーブル134から読み出し、読み出した電圧値となる電圧信号をDA変換部254に出力する構成としてもよい。
[0086]
 さらに、以上の説明においては、特に、エンジン1の燃焼室内の圧力を示す圧力検出信号に対する構成例を示したが、本発明は、気体のみならず、流体等の他の受圧媒体に対する圧力検出信号に対しても適用可能である。また、図1にエンジン制御システム300にあっては、ECU100内に圧力検出信号処理装置200を設けた構成としたが、ECU100と、圧力検出信号処理装置200と、を別体にして設け、圧力検出信号をECU100に供給するシステム構成としても良い。
[0087]
 また、以上の説明においては、ローパスフィルタ部240、260を備える構成例について説明したが、これに限られず、ローパスフィルタ部240、260を備えない構成としてもよい。しかしながら、好ましくは、上述したように、ローパスフィルタ部240、260を備える構成とし、圧力変動に係る高周波成分を除去することで、より高精度にドリフト電圧とベースライン電圧を抽出可能となり、より高精度なフィードバック制御が可能となる。
[0088]
 そして、CPU、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサが、プログラムを実行することにより、処理機能、抽出機能、補正機能、差分算出機能、補正処理機能等が実現される。さらに、本発明は、プログラムを記録した非一時的な記録媒体も提供することができる。プログラムを記録する非一時的な記録媒体としては、ROM等の半導体素子、CD、DVD等の光学素子、磁気ディスク等の磁性素子が挙げられる。記録媒体としては、これに記憶しておいたプログラムを読み取り手段により読み取ることによって、コンピュータ上で実行可能となれば良く、その種類等は問われない。

符号の説明

[0089]
1 エンジン
15 燃焼室
30 圧力センサ
32 ダイアフラム
35 圧電素子
36、37 電極
100 ECU
200 圧力検出信号処理装置
210 チャージアンプ
211 オペアンプ
212 抵抗
214 コンデンサ
205 AD変換部
220 デジタル信号処理部
230 微分処理部
240 ローパスフィルタ部
250 ドリフト補正部
251 差分算出部
252 補正処理部
260 ローパスフィルタ部
270 比例処理部
271 積分処理部
300 エンジン制御システム

請求の範囲

[請求項1]
 受圧に応じた電荷を生起する圧電素子を含んで成る圧力センサの出力信号に対して、信号処理を施す装置であって、
 前記電荷を蓄積して対応する電圧信号を出力するチャージアンプと、
 前記電圧信号に対して微分処理を施すことで、前記圧電素子のドリフト成分を抽出するドリフト成分抽出部と、
 前記抽出されたドリフト成分を除去するための補正信号を生成し、前記チャージアンプの入力側にフィードバックするドリフト補正部と、を備えた圧力検出信号処理装置。 
[請求項2]
 請求項1に記載の装置であって、
 前記ドリフト成分抽出部は、
 前記電圧信号に対して微分処理を施す微分処理部と、
 前記微分処理が施された信号の所定の低周波数帯域の成分を抽出するローパスフィルタとを含むことを特徴とする圧力検出信号処理装置。 
[請求項3]
 請求項1又は2に記載の装置であって、 
 前記ドリフト補正部は、
 予め設定された第1の目標値と、前記抽出されたドリフト成分との第1の差分を求める第1の差分算出部と、
 前記第1の差分に応じた前記補正信号を生成して、前記チャージアンプの入力側にフィードバックする補正処理部と、を含むことを特徴とする圧力検出信号処理装置。 
[請求項4]
 請求項3に記載の装置であって、 
 前記電圧信号の所定の低周波数帯域の成分を示す信号を抽出する第2のローパスフィルタと、
 予め設定された第2目標値と、前記第2のローパスフィルタが抽出した信号との第2の差分を求める第2の差分算出部と、
 前記第2の差分に対して、比例処理を施した比例信号を出力する比例処理部と、をさらに備え、
 前記補正処理部は、
 前記比例信号を前記第1の差分に加算した加算信号に応じた前記補正信号を生成して、前記チャージアンプの入力側にフィードバックすることを特徴とする圧力検出信号処理装置。 
[請求項5]
 請求項4に記載の装置であって、 
 前記第2の目標値と、前記第2のローパスフィルタが抽出した信号との第3の差分を求める第3の差分算出部と、
 前記第3の差分に対して、積分処理を施した積分信号を出力する積分処理部と、をさらに備え、
 前記補正処理部は、
 前記第1の差分、前記比例信号、および、前記積分信号を加算した加算信号に応じた前記補正信号を生成して、前記チャージアンプの入力側にフィードバックすることを特徴とする圧力検出信号処理装置。
[請求項6]
 請求項1乃至5の内のいずれか一項に記載の装置であって、
 前記微分処理部の前段、および/または、前記第2のローパスフィルタの前段に、所定値を超える入力信号を当該所定値に抑えるスライス部を設けたことを特徴とする圧力検出信号処理装置。
[請求項7]
 請求項1に記載の装置であって、 
 前記ドリフト成分抽出部は、
 前記電圧信号の所定の低周波数帯域の成分を示す信号を抽出するローパスフィルタと、
 前記ローパスフィルタが抽出した信号に対して、微分処理を施した微分信号を出力する微分処理部と、を含み、
 前記ドリフト補正部は、
 予め設定された第1目標値と、前記微分信号との第1の差分を求める第1の差分算出部と、
 前記補正信号を生成し、前記チャージアンプの入力側にフィードバックする補正処理部と、を含み、
 前記装置は、
 予め設定された第2目標値と、前記ローパスフィルタが抽出した信号との差分である第2の差分を求める第2の差分算出部と、
 前記第2の差分に対して比例処理を施した比例信号を出力する比例処理部と、
 前記第2の差分に対し積分処理を施した積分信号を出力する積分処理部と、を備え、
 前記補正処理部は、
 前記第1の差分信号、前記比例信号、および、前記積分信号を加算した加算信号に応じて、前記補正信号を生成することを特徴とする圧力検出信号処理装置。 
[請求項8]
 請求項1乃至7の内のいずれか一項に記載の装置であって、
 前記チャージアンプは、
 抵抗とコンデンサとで成る並列回路、又は、コンデンサで負帰還接続したオペアンプを含むことを特徴とする圧力検出信号処理装置。
[請求項9]
 請求項1乃至8の内のいずれか一項に記載の圧力検出信号処理装置と、
 前記圧力検出信号処理装置からの出力信号に基づいて、エンジンの制御を行う制御部と、を備えたエンジン制御システム。
[請求項10]
 請求項2乃至8の内のいずれか一項に記載の装置であって、
 前記デジタル信号処理部は、
 前記ドリフト成分抽出部を構成するローパスフィルタのカットオフ周波数を前記エンジンの回転数に応じて変更することを特徴とする圧力検出信号処理装置。
[請求項11]
 受圧に応じた電荷を生起する圧電素子を含んで成る圧力センサの出力信号に対して、信号処理を施す圧力検出信号装置に、
 前記電荷を蓄積して対応する電圧信号を出力するチャージアンプからの当該電圧信号に対して、微分処理を施すことで、前記圧電素子のドリフト成分を抽出する抽出機能と、
 前記抽出されたドリフト成分を除去するための補正信号を生成し、前記チャージアンプの入力側にフィードバックする補正機能と、を実現するためのプログラム。
[請求項12]
 請求項11に記載のプログラムであって、
 前記補正機能は、
 予め設定された目標値と、前記抽出機能により抽出されたドリフト成分と、の差分を求める差分算出機能と、
 前記差分に応じた補正信号を、前記チャージアンプの入力側にフィードバックする補正処理機能と、を含むプログラム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]