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1. WO2020080220 - レーザ光源装置

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明 細 書

発明の名称 レーザ光源装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010  

発明の効果

0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142  

符号の説明

0143  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26  

明 細 書

発明の名称 : レーザ光源装置

技術分野

[0001]
 本発明は、レーザ光源装置に関する。

背景技術

[0002]
 半導体レーザ素子は、消費電力が小さく、また、単色性および高指向性に優れたレーザ光を出射する。このような特長を有する半導体レーザ素子は、現在普及しているランプの置き換え光源として期待されている。例えば、近年、半導体レーザ素子は、プロジェクタ等の投射型表示装置の光源として注目されている。半導体レーザ素子が投射型表示装置に光源として搭載される場合、半導体レーザ素子は発光面積が小さいことから、その光学設計において、レーザ光の空間合成に必要な光学素子の小型化を可能とする。さらに、光学素子の小型化は、デジタルミラーデバイス(DMD(Digital Mirror Device))、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))などの表示デバイス自体の小型化を可能とし、その結果、システムコストが低下する。
[0003]
 現状の半導体レーザ素子では、1つの素子で投射型表示装置に求められる出力を達成することは困難である。そのため、一般的には、投射型表示装置の光源は、複数の半導体レーザ素子によって構成される。
[0004]
 半導体レーザ素子から出射されるレーザ光は、位相が揃った波により構成されている。この特徴により、半導体レーザの単色性、高指向性が生み出される。一方で、複数の波が重なり合った場合、互いの波の干渉性により縞模様あるいはスペックルが発生する。スペックルとは、スクリーン上に照射されたレーザ光によって現れるランダムな波の干渉性による粒子状のパターンのことである。このような干渉パターンは、投射型表示装置の光源としてレーザを使用する際に、映像の品位が低下する一因となっていた。
[0005]
 干渉縞やスペックルの軽減手段として、複数の波長の半導体レーザ光を混合する手段、あるいは、半導体レーザ光の偏光の均一性を乱す手段が有効である。
[0006]
 例えば、特許文献1には、レーザ光源が有する1個もしくは複数個の発光点から出射されるレーザ光の偏光を、その光軸上に配置された偏光回転部によって、90°回転させるレーザ光源装置が提案されている。そのレーザ光源装置は、1つの半導体レーザチップから複数のレーザ光が発振するアレイ型レーザ光源である。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2011-242573号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 上記のように、レーザ光は、その可干渉性による干渉縞やスペックルが発生しやすい。特許文献1のレーザ光源装置は、干渉縞やスペックルを軽減することができるものの、アレイ型レーザ光源であるため、隣接するレーザから発生する熱による温度上昇によって、利得が低減し、十分な出力が得られない。
[0009]
 本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、干渉縞およびスペックルの発生を低減し、かつ、レーザ発振による温度上昇を低減することができるレーザ光源装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明に係るレーザ光源装置は、ベースと、各々が個別にベースの上面に保持され、偏光方向が一方向に揃った複数のレーザ光を出射する複数の半導体レーザ素子と、複数のレーザ光のうち少なくとも一部のレーザ光の偏光方向を回転させることにより、複数のレーザ光の偏光方向が一方向に揃わないように乱す偏光変換部と、を含む。偏光変換部は、複数のレーザ光の偏光を円偏光に変換する複数の偏光回転素子を含む。複数の偏光回転素子は、複数の半導体レーザ素子のうち一部のレーザ光を出射する半導体レーザ素子に対応して選択的に配置され、一部のレーザ光の偏光を左回転の円偏光に変換する第1偏光回転素子と、複数の半導体レーザ素子のうち別の一部のレーザ光を出射する別の半導体レーザ素子に対応して選択的に配置され、別の一部のレーザ光の偏光を右回転の円偏光に変換する第2偏光回転素子と、を含む。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、干渉縞およびスペックルの発生を低減し、かつ、レーザ発振による温度上昇を低減するレーザ光源装置の提供が可能である。
[0012]
 本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白になる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 実施の形態1におけるレーザ光源装置の構成およびレーザ光源装置から出射されるレーザ光を示す斜視図である。
[図2] 実施の形態1におけるレーザ光源装置の構成を示す分解斜視図である。
[図3] 実施の形態1における偏光回転素子の構成を示す図である。
[図4] 実施の形態1における偏光回転素子の構成を示す図である。
[図5] 実施の形態1における半導体レーザ素子の詳細な構成を示す斜視図である。
[図6] 実施の形態1におけるベースおよび半導体レーザ素子の構成を示す斜視図である。
[図7] 図6に示されたA-A’における断面図である。
[図8] 実施の形態1における偏光回転素子の動作を説明する図である。
[図9] 実施の形態1における偏光回転素子の動作を説明する図である。
[図10] 実施の形態1における偏光回転素子の動作を説明する図である。
[図11] 実施の形態1における偏光回転素子の動作を説明する図である。
[図12] 実施の形態1におけるスペーサおよびレンズの構成を示す斜視図である。
[図13] 図12に示されたB-B’における断面図である。
[図14] 実施の形態1の変形例1におけるレーザ光源装置のスペーサおよび偏光回転素子の構成を示す図である。
[図15] 実施の形態1の変形例1における偏光回転素子を含む偏光素子基板を示す図である。
[図16] 実施の形態の変形例2におけるレーザ光源装置のスペーサおよび偏光回転素子の構成を示す図である。
[図17] 実施の形態1の変形例2における偏光回転素子を含む偏光素子基板を示す図である。
[図18] 実施の形態2におけるレーザ光源装置の構成およびレーザ光源装置から出射されるレーザ光を示す斜視図である。
[図19] 実施の形態2におけるレーザ光源装置の構成を示す分解斜視図である。
[図20] 実施の形態2におけるスペーサおよび偏光回転素子の構成を示す斜視図である。
[図21] 図20に示されたC-C’における断面図である。
[図22] 実施の形態2の変形例におけるレーザ光源装置のスペーサおよび偏光回転素子の構成を示す図である。
[図23] 実施の形態3のレーザ光源装置の構成およびレーザ光源装置から出射されるレーザ光を示す斜視図である。
[図24] 実施の形態3におけるスペーサおよび偏光回転素子の構成を示す図である。
[図25] 実施の形態4におけるレーザ光源装置の構成およびレーザ光源装置から出射されるレーザ光を示す斜視図である。
[図26] 実施の形態4におけるレーザ光源装置の構成を示す分解斜視図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 <実施の形態1>
 実施の形態1におけるレーザ光源装置を説明する。図1は、実施の形態1におけるレーザ光源装置1の構成およびレーザ光源装置1から出射されるレーザ光71から74を示す斜視図である。図2は、レーザ光源装置1の構成を示す分解斜視図である。
[0015]
 レーザ光源装置1は、ベース30、半導体レーザ素子101から104、レンズ41から44、スペーサ20、偏光回転素子51から54により構成されている。
[0016]
 ベース30は、上面30Aにて半導体レーザ素子101から104を支持する。本実施の形態1において、ベース30は、上面30Aに平面を有し、その平面に半導体レーザ素子101から104が固定されている。ベース30は、例えば、平板である。
[0017]
 ベース30には、長穴31から34が設けられている。長穴31から34は、ここでは、貫通穴である。長穴31から34は、半導体レーザ素子101から104の各々が有する2本のリードピン14が差し込まれる穴である。各半導体レーザ素子には、リードピン14を介して電流が供給される。なお、各図に記載されたx、y、z軸は直交座標系を構成している。x軸とy軸とはベース30の上面30Aと平行であり、z軸はベース30の上方を指している。
[0018]
 半導体レーザ素子101から104は、各々が1つのレーザ光を発振する半導体レーザチップが搭載された素子である。半導体レーザ素子101から104の各々は、個別に、ベース30の上面30Aに保持される。ここでは、各半導体レーザ素子は、ベース30の上面30Aに形成された平面に固定されている。各半導体レーザ素子は、ベース30に対し、上方にレーザ光を出射する。なお、半導体レーザチップは、効率を改善するため、発振部を2から3分割して構成される場合がある。
[0019]
 半導体レーザ素子101から104は、各々の偏光方向が一方向に揃ったレーザ光71から74を出射する。本実施の形態1において、半導体レーザ素子101から104から出射されるレーザ光71から74の偏光は、y軸方向に平行である(図示せず)。また、半導体レーザ素子101から104は、x軸方向に幅の広い断面形状を有するレーザ光71から74を、z軸方向と平行に出射する。
[0020]
 スペーサ20は、半導体レーザ素子101から104の上方を覆って設けられる。スペーサ20は、後述するレンズ41から44を保持し、各レンズと各半導体レーザ素子との間隔を一定に保つ機能を有する。
[0021]
 スペーサ20は、上面に、スペーサ窓部21から24を有する。本実施の形態1において、スペーサ窓部21から24の外形は、正方形を有する。また、スペーサ20は、スペーサ窓部21から24のそれぞれの外周に設けられたスペーサ段差部25から28を有する。各スペーサ段差部には、偏光回転素子が設置可能である。半導体レーザ素子101から104から出射されるレーザ光71から74は、それぞれスペーサ窓部21から24を通過する。すなわち、スペーサ20は、複数のレーザ光71から74が通過する位置に、スペーサ窓部21から24、および、スペーサ段差部25から28からなる枠構造を含む。各枠構造は、複数の偏光回転素子51から54の各々を保持する。
[0022]
 スペーサ20は、ベース30の上面30Aに、ねじによって締結固定されてもよいし、接着剤によって固定されてもよい。あるいは、スペーサ20は、その両方によって固定されていてもよい。スペーサ20は、例えば、成形性を考慮して亜鉛やアルミ等のダイキャストで製造される。ただし、スペーサ20に熱的な効果は求められないため、スペーサ20は、樹脂材料で製造されてもよい。
[0023]
 偏光回転素子51から54は、偏光変換部を構成する。偏光変換部は、レーザ光71から74のうち少なくとも一部のレーザ光の偏光方向を回転させ、レーザ光71から74の偏光方向が一方向に揃わないように乱す。
[0024]
 偏光回転素子51、53は、レーザ光71から74のうち一部のレーザ光71、73の偏光方向を左回転の円偏光91、93に変換する。偏光回転素子51、53は、半導体レーザ素子101から104のうち、その一部のレーザ光71、73を出射する半導体レーザ素子101、103に対応して選択的に配置される。
[0025]
 また、偏光回転素子52、54は、レーザ光71から74のうち別の一部のレーザ光72、74の偏光方向を右回転の円偏光92、94に変換する。偏光回転素子52、54は、半導体レーザ素子101から104のうち、その別の一部のレーザ光72、74を出射する別の半導体レーザ素子102、104に対応して選択的に配置される。
[0026]
 ここで、円偏光の回転方向は、右ネジのルールに従って定義している。つまり、光の進行方向と回転との関係が、右ネジの動作に一致していれば右回転の円偏光と定義し、左ネジの動作に一致していれば左回転の円偏光と定義している。
[0027]
 図3は、偏光回転素子51、53の構成を示す図である。図4は、偏光回転素子52、54の構成を示す図である。偏光回転素子51から54は、屈折率が低い方位に速軸(F軸)50Aを、屈折率が高い方位に遅軸(S軸)50Bを有する。偏光回転素子51から54は、速軸(F軸)50Aと遅軸(S軸)50Bとが直交したFS面に対し平行な平面を有する板状の素子である。ここでは、偏光回転素子51から54は、1/4波長板である。1/4波長板は、速軸方向におけるレーザ光71から74の成分に対して、遅軸方向におけるそれらの成分を、1/4波長分遅延させる。
[0028]
 偏光回転素子51、53は、半導体レーザ素子101、103から出射されるレーザ光71、73の偏光方向に対し、速軸50Aが45°、遅軸50Bが-45°の角度をなすように配置される。半導体レーザ素子101、103から出射されるレーザ光71、73の偏光は、y軸に平行な直線偏光である。そのため、速軸50Aはy軸に対し45°の角度をなし、遅軸50Bはy軸に対し-45°の角度をなす(図2および図3参照)。
[0029]
 一方で、偏光回転素子52、54は、半導体レーザ素子102、104から出射されるレーザ光72、74の偏光方向に対し、速軸50Aが-45°、遅軸50Bが45°の角度をなすように配置される。そのため、速軸50Aはy軸に対し-45°の角度をなし、遅軸50Bはy軸に対し45°の角度をなす(図2および図4参照)。
[0030]
 偏光回転素子51から54の外形は、図2に示されるように、スペーサ段差部25から28の外形と相似関係にある正方形を有する。その正方形は、x軸またはy軸に平行な辺からなる。偏光回転素子51から54の速軸50Aおよび遅軸50Bは、その正方形の対角方向に一致する。偏光回転素子51から54は、それぞれスペーサ段差部25から28に保持される。偏光回転素子51、53は、スペーサ段差部25、27に収納されることにより、半導体レーザ素子101、103に対応して選択的に配置される。また、偏光回転素子52、54は、スペーサ段差部26、28に収納されることにより、別の半導体レーザ素子102、104に対応して選択的に配置される。
[0031]
 なお、本実施の形態1において、偏光回転素子51から54は、スペーサ20の上面側に配置されているが、偏光回転素子51から54は、スペーサ20の底面側に配置されてもよい。その場合、偏光回転素子は、例えば、スペーサ20の裏面に設けられたスペーサ段差部に、接着剤もしくは保持部材によって固定される。
[0032]
 また、偏光回転素子の形状は、正方形以外の矩形、円形、楕円形などであってもよく、半導体レーザ素子101から104のレーザ光71から74を覆う形状であればよい。
[0033]
 レンズ41から44は、レーザ光71から74を集光する。レンズ41から44を透過したレーザ光71から74は、それぞれz軸に対して平行な方向に進行する。レンズ41から44は、スペーサ20に保持されている。また、レンズ41から44は、それぞれスペーサ窓部21から24を覆うように配置される。
[0034]
 次に本実施の形態1における半導体レーザ素子の詳細な構成について説明する。
[0035]
 図5は半導体レーザ素子101の詳細な構成を示す斜視図である。半導体レーザ素子101は、TO-Canタイプのパッケージに半導体レーザチップが内包された構成を有する。TO-Canタイプの半導体レーザ素子101は、主にキャップ11、ガラス窓12、ステム13、リードピン14、および半導体レーザチップ(図示せず)によって構成されている。
[0036]
 キャップ11は、ステム13の上部に設けられている。ガラス窓12は、キャップ11の上面に設けられている。リードピン14は、ステム13の下部に設けられている。半導体レーザチップは、キャップ11の内部に配置されている。
[0037]
 半導体レーザチップは、主光軸をステム13に対して垂直な方向に有する。すなわち半導体レーザチップは、z軸方向にレーザ光71を出射する。一般的に、空気中の水分または粉塵が半導体レーザチップの端面に付着した場合、半導体レーザチップは容易に破壊に至る。しかし、TO-Canタイプのパッケージは、キャップ11によって半導体レーザチップを封止している。そのため、キャップ11の内部の気密性が保たれ、半導体レーザチップの駆動環境に求められる条件が緩和される。また、TO-Canタイプのパッケージ素子は小型である。そのため、使用個数の調整、すなわち要求仕様に応じた光出力のスケーリングが容易である。
[0038]
 投射型表示装置の光源には、高出力の端面発光型のレーザチップが使用される。半導体レーザチップの主材料は、GaAsまたはGaN等の化合物半導体である。半導体レーザチップの活性層は、エピタキシャル成長により形成される。本実施の形態1において、エピタキシャル成長の方向はx軸方向に、活性層の水平方向はy軸方向にそれぞれ対応する。レーザ光71は、エピタキシャル成長の方向(x軸方向)と直交する方向(z軸方向)に位置するチップ端面から出射する。レーザ光71は、そのチップ端面において、活性層の鉛直方向(x軸方向)に約1μm、活性層の水平方向(y軸方向)に数十から数百μmの発光輝点から出射される。活性層の鉛直方向(x軸方向)の出射口が非常に小さいため、レーザ光71は、回折効果によってx軸方向に拡がる。そのx軸方向のレーザ光の拡がりは、全角で約60°である。活性層の鉛直方向(x軸方向)のレーザ光の拡がりは、活性層の水平方向(y軸方向)のレーザ光の拡がりに対して約10倍大きい。したがって、レーザ光71の断面すなわち遠視野像は、図5に示されるように、楕円形状を有する。
[0039]
 また、一般的にTO-Canパッケージの半導体レーザ素子において、2本のリードピン14の配列方向は、半導体レーザチップの活性層の水平方向(y軸方向)と同方向である。そのため、レーザ光71は、リードピン14の配列方向に拡がりが小さく、それと直交するx軸方向の拡がりが大きい。
[0040]
 上記の構成を有する半導体レーザ素子101から出射されるレーザ光71の偏光は、活性層に水平な方向(y軸方向)と平行である。すなわち、半導体レーザ素子101は、活性層の水平方向(y軸方向)に電場が振動する直線偏光を出射する。ただし、活性層を構成する原子配列によっては、レーザ光は、活性層の鉛直方向(x軸方向)に偏光する場合もある。
[0041]
 図6は、ベース30および半導体レーザ素子101から104の構成を示す斜視図である。図7は、図6に示されたA-A’における断面図である。
[0042]
 半導体レーザ素子101から104の各々は、電流が供給されることによって駆動し、その駆動により熱が発生する。ステム13の熱容量だけでは、十分な放熱が行われないため、半導体レーザチップが高温となり、急激な光出力低下が起こり得る。また、そのような熱負荷の増大は、半導体レーザチップの短寿命化、もしくは半導体レーザ素子を構成する部品の熱的破壊を引き起こす。そのため、ステム13からベース30への放熱が必要である。本実施の形態1において、ベース30は、熱伝導性の高い部材で構成される。ベース30は、例えば、Cu、Alなどの金属材料を含む。または、例えば、ベース30は、SiC、AlN等の高い熱伝導率を有するセラミックを含む。または、ステム13における熱容量および放熱面積を向上させるようなフィン、あるいは、水などの冷媒が封入されたヒートパイプに接続された冷却部材がステム13に付加されてもよい。
[0043]
 半導体レーザ素子101から104は、熱伝導性の高いグリスもしくはシート状の放熱材を介して、ベース30の上面30Aに形成された平面に密着して固定されている。さらに放熱性を高めるために、各半導体レーザ素子は、はんだ材によって、ベース30にはんだ接合されることが好ましい。はんだ材は、例えば、SnAgCu、AuSn等を主成分に含む。
[0044]
 なお、ステム13を含むTO-Canパッケージの半導体レーザ素子101から104とベース30とが別部材の構成を示したが、ステム13とベース30とが一体化した部材に半導体レーザチップが搭載されている構成であってもよい。その場合、レーザ光源装置1の放熱性が向上する。さらに、ステム径に制約されずに、半導体レーザチップをより近接した任意の間隔で配置することが可能となり、レーザ光源装置1の小型化が可能となる。
[0045]
 次に本実施の形態1におけるベース30の詳細について説明する。
[0046]
 上述したように、ベース30は平板であるが、それに限定されるものではなく、ステム13と接触する面が平面であればよい。例えば、ベース30には、ステム13の形状に合わせたざぐりが設けられていてもよい。
[0047]
 ベース30が導電性材料である場合、半導体レーザ素子のリードピン14とベース30との間で確実な絶縁を確保する必要がある。長穴31から34は、リードピン14とベース30とが接触しないような穴形状を有し、また、リードピン14とベース30とが接触しないように配置されている。ベース30は、長穴31から34に代えて、リードピン14とベース30との接触を回避可能な丸穴を有していてもよい。または、ベース30は、長穴31から34に代えて、リードピン14とベース30との接触を回避し、かつ、半導体レーザ素子101から104に電流を供給する配線経路を確保できる溝構造を有していてもよい。
[0048]
 次に本実施の形態1における偏光回転素子51から54の詳細を説明する。
[0049]
 偏光回転素子51から54は、例えば、複屈折性を有する無機材料または樹脂材料によって構成される。複屈折性を有する無機材料とは、例えば、水晶である。また、複屈折性を有する樹脂材料とは、例えば、ポリカーボネートなどを母材として含む樹脂であって、一方向に延伸されたものである。
[0050]
 図8および図9は、偏光回転素子51、53の動作を説明する図である。図10および図11は、偏光回転素子52、54の動作を説明する図である。空気よりも屈折率が高い媒質中を伝搬する光の速度は、空気中を伝搬する光の速度よりも遅い。すなわち、屈折率の高い媒質ほど、その媒質を伝搬する光の速度は遅い。そのため、偏光回転素子において、遅軸方向に電場が振動する光の伝搬速度は、速軸方向に電場が振動する光の伝搬速度よりも遅い。
[0051]
 偏光回転素子51、53は、1/4波長板である。図8に示されるように、反時計回りの角度が正方向である場合、速軸(F軸)はy軸に対し45°の角度をなし、遅軸(S軸)はy軸に対し-45°の角度をなす。y軸に平行な直線偏光81のレーザ光が偏光回転素子51、53に入射した場合、速軸(F軸)方向の光線の伝搬に対して、遅軸(S軸)方向の光線の伝搬が遅れる。1/4波長板においては、速軸方向に対する遅軸方向の伝搬遅延が、1/4波長分に設計されている。遅軸方向の電場のみが1/4波長分遅れて伝搬することにより、偏光回転素子51、53を透過したレーザ光の偏光は、図9に示されるように、時間の経過とともに変化する。例えば、時間t0,t1,t2,t3における、偏光方向(電場の振動方向)は、それぞれ、+F,-S,-F,+S方向である。このように、偏光回転素子51、53を透過したレーザ光は、その偏光方向が左ネジの動作に従って、左回転に螺旋を描くように進行する。すなわち、偏光回転素子51、53は、レーザ光の偏光方向をy軸方向の直線偏光81から左回転の円偏光91,93に変換する。
[0052]
 偏光回転素子52、54も、1/4波長板である。図10に示されるように、速軸(F軸)はy軸に対し-45°の角度をなし、遅軸(S軸)はy軸に対し45°の角度をなす。y軸に平行な直線偏光81のレーザ光が偏光回転素子52、54に入射した場合、遅軸方向の電場のみが1/4波長分遅れて伝搬する。偏光回転素子52、54を透過したレーザ光の偏光は、図11に示されるように、時間の経過とともに変化する。例えば、時間t0,t1,t2,t3における、偏光方向(電場の振動方向)は、それぞれ、+S,-F,-S,+F方向である。このように、偏光回転素子52、54を透過したレーザ光は、その偏光方向が右ネジの動作に従って、右回転に螺旋を描くように進行する。すなわち、偏光回転素子52、54は、レーザ光の偏光方向をy軸方向の直線偏光81から右回転の円偏光92,94に変換する。
[0053]
 次に本実施の形態1におけるスペーサ20およびレンズ41から44の詳細な構成について説明する。
[0054]
 図12は、スペーサ20およびレンズ41から44の構成を示す斜視図である。図13は、図12に示されたB-B’における断面図である。
[0055]
 レーザ光源装置1から出射されたレーザ光71から74は、投射型表示装置(図示せず)の光学系の開口に集光される。レーザ光源装置1から投射型表示装置の光学系開口までの間隔は限定されないため、レーザ光源装置1から出射されるレーザ光71から74は平行光であることが好ましい。
[0056]
 前述したように各半導体レーザ素子からは、拡がったレーザ光が出射される。それらレーザ光を平行光に変換するためには、凸レンズにより集光する必要がある。図13に示されるとおり、レンズ41から44は、入射面(-z方向の面)に平面を、出射面(+z方向の面)に軸対称の球面あるいは非球面の凸面を有する。すなわち、レンズ41から44は、凸レンズである。半導体レーザ素子101から104のレーザ発光端面が、レンズ41から44の焦点位置近傍に配置されることにより、レンズ41から44を透過したレーザ光71から74は平行光に変換される。
[0057]
 なお、レンズ41から44は、必ずしもその入射面が平面である必要はない。各レンズは、凸レンズとしての機能を有する限り、凹面もしくは凸面を入射面または出射面に有していてもよい。ただし、スペーサ20の上面と接する可能性のある面は、平面であることが好ましい。
[0058]
 また、各レンズの出射面および入射面は、軸対称の曲面である必要はない。例えば、各レンズは、出射面あるいは入射面に、シリンドリカル面を有するシリンドリカルレンズであってもよい。シリンドリカルレンズは、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を、その拡がり角が大きい方向、つまり活性層に対して鉛直方向(x軸方向)のみ、平行光に変換する。
[0059]
 レンズ41、44の中心軸141、144は、それぞれ半導体レーザ素子101、104の光線の中心軸と一致するように配置される。レンズ41、44は、接着剤によって、スペーサ20の上面に固定されることが好ましい。なお、レンズ41、44がスペーサ20の上面に固定可能であればよく、レンズ41、44は、上部から各レンズを抑える部材によって固定されてもよい。また、図13には示されていないが、レンズ42、43も、レンズ41、44と同様に、スペーサ20の上面に固定される。
[0060]
 スペーサ段差部25、28の外形は、偏光回転素子51、54の外形と相似関係にある。スペーサ段差部25、28の外形は、偏光回転素子51、54の外形より大きい。また、スペーサ段差部25、28の高さは、偏光回転素子51、54の厚みより大きい。そのため、偏光回転素子51、54は、スペーサ20の上面から上方にはみ出ることなく、スペーサ段差部25、28とレンズ41、44の底面とによって構成される空間に収納されるように配置される。なお、スペーサ段差部26、27の外形形状も、スペーサ段差部25、28の外形形状と同様である。
[0061]
 次に、レーザ光源装置1の動作を説明する。半導体レーザ素子101から104の駆動により発生する熱は、ベース30へ放熱される。各半導体レーザ素子は、分離しているため、各半導体レーザ素子で発生した熱は、その隣の半導体レーザ素子に伝達しにくい。このように、レーザ光源装置1は、半導体レーザ素子の温度上昇を抑える。
[0062]
 また、図1に示されるように、半導体レーザ素子101、103から出射されたレーザ光71、73の偏光方向は、偏光回転素子51、53によって、左回転の円偏光91、93に変換される。一方で、半導体レーザ素子102、104から出射されたレーザ光72、74の偏光方向は、偏光回転素子52、54によって、右回転の円偏光92、94に変換される。その結果、レーザ光源装置1からは、左回転の円偏光91、93のレーザ光71、73と、右回転の円偏光92、94のレーザ光72、74とが出射される。つまり、レーザ光71から74は、時間的に偏光方向が変わる。また、円偏光91、93は、円偏光92、94に対して偏光の回転方向が異なる。レーザ光71から74は、同じ断面形状(ビームプロファイル)を有しながらも、偏光方向が一方向に揃わない。
[0063]
 このように、レーザ光源装置1は、偏光回転素子51から54により、複数のレーザ光の偏光方向を回転させることにより、偏光方向が異なる2種類のレーザ光を出射する。このようなレーザ光は、干渉縞やスペックルの発生を低減する。
[0064]
 以上をまとめると、本実施の形態1におけるレーザ光源装置1は、ベース30と、各々が個別にベース30の上面30Aに保持され、偏光方向が一方向に揃った複数のレーザ光を出射する複数の半導体レーザ素子101から104と、複数のレーザ光のうち少なくとも一部のレーザ光の偏光方向を回転させることにより、複数のレーザ光の偏光方向が一方向に揃わないように乱す偏光変換部と、を含む。偏光変換部は、複数のレーザ光の偏光を円偏光に変換する複数の偏光回転素子51から54を含む。複数の偏光回転素子51から54は、複数の半導体レーザ素子101から104のうち一部のレーザ光を出射する半導体レーザ素子101、103に対応して選択的に配置され、一部のレーザ光の偏光を左回転の円偏光に変換する第1偏光回転素子(偏光回転素子51、54)と、複数の半導体レーザ素子101から104のうち別の一部のレーザ光72、74を出射する別の半導体レーザ素子102、104に対応して選択的に配置され、別の一部のレーザ光72、74の偏光を右回転の円偏光に変換する第2偏光回転素子(偏光回転素子52、54)と、を含む。
[0065]
 以上のレーザ光源装置1は、熱伝導性が良好なベース30に、個別に設けられた複数の半導体レーザ素子101から104により構成される。そのため、レーザ発振による温度上昇が低減し、利得低下が抑制される。
[0066]
 また、レーザ光源装置1は、例えば、従来のアレイ型レーザ光源とは異なり、中央部のレーザが両隣のレーザから発生する熱を受けにくく、大きく利得が低減する可能性も少ない。そのため、十分な出力が得られる。
[0067]
 また、レーザ光源装置1は、時間的に偏光方向が変わる2種類の円偏光のレーザ光を出射する。それら2種類の円偏光は、左回転しながら進行する左回転の円偏光91、93と、右回転の円偏光92、94とにより構成されるため、連続的に2種類の偏光方向が一致することはない。レーザ光源装置1は、レーザ光の合成による干渉縞およびスペックルの発生を低減する。
[0068]
 従来、投射型表示装置にレーザ光源が搭載された場合、レーザ光の干渉縞およびスペックルによる映像品位の低下防止のため、散乱度の強い光拡散素子が必要とされる。しかし、散乱度の強い光拡散素子は、投射型表示装置の光出力の効率を低下させる。一方で、本実施の形態1に示されたレーザ光源装置1においては、上述したように、干渉縞およびスペックルが低減する。そのため、レーザ光源装置1を搭載する投射型表示装置には、散乱度の強い光拡散素子が必要ではない。レーザ光源装置1が投射型表示装置に搭載された場合、干渉縞およびスペックルの発生が抑制されることによって映像品位が向上し、かつ、投射型表示装置自体の光出力の効率も向上する。
[0069]
 また、本実施の形態1におけるレーザ光源装置1は、複数の半導体レーザ素子101から104のそれぞれに対応して設けられ、複数のレーザ光のそれぞれを平行光に変換する複数のレンズ41から44を、さらに含む。スペーサ20は、ベース30に固定され、かつ、複数のレンズ41から44を保持する。
[0070]
 以上の構成により、レーザ光源装置1は、高出力かつ平行度の高いレーザ光71から74を出射することを可能にする。
[0071]
 (実施の形態1の変形例1)
 実施の形態1の変形例1におけるレーザ光源装置は、スペーサおよび偏光回転素子の構成が、上記の実施の形態1におけるレーザ光源装置1のそれらとは異なる。
[0072]
 図14は、実施の形態1の変形例1におけるレーザ光源装置のスペーサ120および偏光回転素子151から154の構成を示す図である。偏光回転素子151から154の外形は、平行四辺形を有する。スペーサ120のスペーサ段差部125から128の外形は、偏光回転素子151から154の外形より少し大きい相似形状である平行四辺形を有する。スペーサ段差部126、128の外形は、スペーサ段差部125、127の外形がx-y面内で90°回転した平行四辺形を有する。
[0073]
 通常、偏光回転素子は、それよりも大きな板材である偏光素子基板から矩形状に切り出される。その矩形を形成する角度が90°であるため、偏光素子基板から無駄なく偏光回転素子が切り出される。一方で、本変形例1における偏光回転素子151から154は、一方向に対し角度をなして切り出される。図15は、偏光回転素子151から154を含む偏光素子基板を示す図である。偏光素子基板における速軸50Aはy軸に対し45°の角度をなし、遅軸50Bはy軸に対し-45°の角度をなしている。偏光回転素子151から154は、x軸方向に対し、わずかな角度αをなして切り出される。偏光回転素子151から154の外形は、y軸に平行な一辺とx軸に対し角度αを有する他辺とからなる平行四辺形を有する。つまり、偏光回転素子151から154の速軸50Aは、偏光素子基板から切り出された段階において、一辺に対し45°の角度をなし、その一辺と交わる他辺に対し45°-αの角度をなす。
[0074]
 図14に示されるように、偏光回転素子151、153は、速軸50Aおよび遅軸50Bの方向を維持した状態で、スペーサ段差部125、127に配置される。一方で、偏光素子基板から切り出された偏光回転素子152、154は、x-y面内で90°回転して、スペーサ段差部126、128に配置される。そのため、偏光回転素子152、154の速軸50Aは、偏光回転素子151、153の速軸50Aに対し、90°の角度をなす。その結果、偏光回転素子151、153は、左回転の偏光回転素子として機能し、偏光回転素子152、154は、右回転の偏光回転素子として機能する。
[0075]
 上述したとおり、スペーサ段差部125から128の外形は、偏光回転素子151から154の外形より少し大きい相似形状である平行四辺形を有する。そのため、偏光回転素子151から154は、それぞれの形状に対応するスペーサ段差部125から128に、すなわち予め定められた箇所に配置される。表裏が逆転した偏光回転素子は、スペーサ段差部125から128に嵌合しない。このようなスペーサ120は、レーザ光源装置の組立工程等において、偏光回転素子151から154の配置方向を限定する。
[0076]
 上記、偏光回転素子152、154の外形は角度βの平行四辺形として、偏光回転素子151、154の外形は角度αを有する平行四辺形の外形とするなど、それぞれの外形は、左回転用と右回転用との違いが明確となる形状であってもよい。速軸50Aと遅軸50Bの方向およびスペーサ段差部126、128の形状は、偏光の回転方向に応じて適宜設定される。
[0077]
 このような構成を有するレーザ光源装置は、上記の実施の形態1と同様の効果を奏する。さらに、偏光回転素子151から154の形状とスペーサ段差部125から128の形状とが対応するため、偏光回転素子の配置方向が限定される。その結果、レーザ光源装置の組立工程において、偏光回転素子の組み込み方向が指定され、組立作業性が向上する。
[0078]
 (実施の形態1の変形例2)
 実施の形態1の変形例2におけるレーザ光源装置は、スペーサおよび偏光回転素子の構成が、上記の実施の形態1におけるレーザ光源装置1のそれらとは異なる。
[0079]
 図16は、実施の形態1の変形例2におけるレーザ光源装置のスペーサ220および偏光回転素子251から254の構成を示す図である。偏光回転素子251から254の外形は、平行四辺形を有する。スペーサ220のスペーサ段差部225から228の外形は、偏光回転素子251から254の外形より少し大きい相似形状である平行四辺形を有する。スペーサ段差部226、228の外形は、スペーサ段差部225、227の外形がy軸に対し反転した平行四辺形を有する。
[0080]
 図17は、偏光回転素子251から254を含む偏光素子基板を示す図である。偏光素子基板における速軸50Aはy軸に対し45°の角度をなし、遅軸50Bはy軸に対し-45°の角度をなしている。偏光回転素子251から254は、x軸方向に対し、わずかな角度αをなして切り出される。偏光回転素子251から254の外形は、y軸に平行な一辺とx軸に対し角度αを有する他辺とからなる平行四辺形を有する。つまり、偏光回転素子251から254の速軸50Aは、偏光素子基板から切り出された段階において、一辺に対し45°の角度をなし、その一辺と交わる他辺に対し45°-αの角度をなす。
[0081]
 図16に示されるように、偏光回転素子251、253は、速軸50Aおよび遅軸50Bの方向を維持した状態で、スペーサ段差部225、227に配置される。一方で、偏光素子基板から切り出された偏光回転素子252、254は、x軸またはy軸に対して表裏反転して、スペーサ段差部226、228に配置される。そのため、偏光回転素子252、254の速軸50Aは、偏光回転素子251、253の速軸50Aに対し、90°の角度をなす。その結果、偏光回転素子251、253は、左回転の円偏光に変換する偏光回転素子として機能し、偏光回転素子252、254は、右回転の円偏光に変換する偏光回転素子として機能する。
[0082]
 上述したとおり、スペーサ段差部225から228の外形は、偏光回転素子251から254の外形より少し大きい相似形状である平行四辺形を有する。そのため、偏光回転素子251から254は、それぞれの形状に対応するスペーサ段差部225から228に、すなわち予め定められた箇所に配置される。このようなスペーサ220は、レーザ光源装置の組立工程等において、左回転の円偏光に変換する偏光回転素子251、253の配置箇所、および、右回転の円偏光に変換する偏光回転素子252、254の配置箇所を限定する。
[0083]
 このような構成を有するレーザ光源装置は、上記の実施の形態1と同様の効果を奏する。さらに、偏光回転素子251から254の形状とスペーサ段差部225から228の形状とが対応するため、偏光回転素子の配置箇所が限定される。その結果、レーザ光源装置の組立工程において、左回転の円偏光に変換する偏光回転素子251、253と、右回転の円偏光に変換する偏光回転素子252、254とを指定された箇所に誤ることなく配置可能となり、組立作業性が向上する。
[0084]
 さらに、図16に示されるように、偏光回転素子251から254は、レーザ光71から74の断面形状(ビームプロファイル)に応じて、その外形が決定される。偏光回転素子251から254の外形は、一方向に長い平行四辺形を有する。各偏光回転素子は、その平行四辺形の長手が各レーザ光の拡がり角が大きいx軸方向と一致するように配置される。すなわち、各偏光回転素子は、各レーザ光の断面形状に応じて選択的に配置される。
[0085]
 このように、レーザ光の断面形状に合わせて偏光回転素子を偏光素子基板から切り出すことによって、偏光素子基板から切り出すことができる偏光回転素子の枚数が増加する。その結果、偏光回転素子およびレーザ光源装置の低コスト化が実現する。
[0086]
 以上をまとめると、実施の形態1の変形例1および2におけるレーザ光源装置は、複数の半導体レーザ素子101から104の上方を覆って設けられるスペーサ120(または220)を、さらに含む。スペーサ120(または220)は、複数のレーザ光の各々が通過する位置に枠構造を含む。複数の偏光回転素子151から154(または251から254)の各々は、枠構造に保持される。複数の偏光回転素子151から154(または251から254)の各々の外形は、平行四辺形を有する。スペーサ120(または220)の枠構造の外形は、複数の偏光回転素子151から154(または251から254)の各々の外形よりも大きい相似形状を有する。
[0087]
 このような構成により、左回転の円偏光に変換する偏光回転素子151、153(または251、253)、および、右回転の円偏光に変換する偏光回転素子152、154(または252、254)の配置方向または配置箇所が限定される。その結果、レーザ光源装置の組立作業性が向上する。
[0088]
 また、実施の形態1の変形例2におけるレーザ光源装置は、第1偏光回転素子(偏光回転素子251、253)あるいは第2偏光回転素子(偏光回転素子252、254)は、複数のレーザ光の各々の断面形状に応じて選択的に配置される。
[0089]
 このような構成により、偏光素子基板から取れる偏光回転素子の収量が増加し、偏光回転素子およびレーザ光源装置の低コスト化が実現できる。
[0090]
 <実施の形態2>
 実施の形態2におけるレーザ光源装置を説明する。なお、実施の形態1と同様の構成および動作については説明を省略する。
[0091]
 図18は、実施の形態2におけるレーザ光源装置100の構成およびレーザ光源装置100から出射されるレーザ光171から174を示す斜視図である。図19は、レーザ光源装置100の構成を示す分解斜視図である。図20は、スペーサ320および偏光回転素子51から54の構成を示す斜視図である。図21は、図20に示されたC-C’における断面図である。実施の形態2における各図において、実施の形態1に示された図面と同一符号は、同一または相当する部分を示す。
[0092]
 レーザ光源装置100は、ベース30と、半導体レーザ素子101から104と、スペーサ320と、レンズ41から44と、偏光回転素子51から54とが、下方から順に配置された構成を有する。レーザ光源装置100においては、レンズ41から44および偏光回転素子51から54を固定するスペーサ320の構造が実施の形態1のスペーサ20の構造とは異なる。
[0093]
 スペーサ320は、スペーサ窓部321から324と、レンズ保持段差部361から364と、偏光回転素子保持段差部325から328とを含む。
[0094]
 スペーサ窓部321から324は、複数のレーザ光171から174の各々が通過する開口を含む。ここでは、その開口の外形は、レンズ41から44と同様の円形である。また、その開口の直径は、レンズ41から44の直径よりも少し大きい。
[0095]
 レンズ保持段差部361から364は、スペーサ窓部321から324の開口の内側に、その開口よりも小さな開口が設けられることによって形成される段差を含む。言い換えると、レンズ保持段差部361から364は、スペーサ窓部321から324の内周に設けられた段差である。ここでは、レンズ保持段差部361から364を構成するその小さな開口の外形は、レンズ41から44と同様の円形である。また、その小さな開口の直径は、レンズ41から44の直径よりも小さい。スペーサ窓部321から324とレンズ保持段差部361から364とが、このような構成を有することにより、スペーサ窓部321から324に挿入されたレンズ41から44は、レンズ保持段差部361から364に固定される。
[0096]
 偏光回転素子保持段差部325から328は、レンズ保持段差部361から364の上方に設けられる段差であって、スペーサ窓部321から324の開口よりも大きい開口からなる段差を含む。言い換えると、偏光回転素子保持段差部325から328は、スペーサ窓部321から324の外周に設けられた段差である。ここでは、偏光回転素子保持段差部325から328の外形は、偏光回転素子51から54の外形より少し大きい相似形状である。また、その偏光回転素子51から54の外形は、スペーサ窓部321から324の開口の直径よりも大きい。そのため、偏光回転素子51から54は、スペーサ窓部321から324の開口に落下することなく偏光回転素子保持段差部325から328に保持されるとともに、偏光回転素子51から54の配置が規制される。
[0097]
 レンズ保持段差部361から364に対する偏光回転素子保持段差部325から328の高さ方向の位置は、レンズ保持段差部361から364に固定されたレンズ41から44の頂部よりも高い位置にある。言い換えると、偏光回転素子51から54は、偏光回転素子保持段差部325から328によって、レンズ41から44の上部に保持される。このような構成により、レンズ保持段差部361から364に固定されるレンズ41から44と、偏光回転素子保持段差部325から328に保持される偏光回転素子51から54とを、互いに干渉しないように配置できる。
[0098]
 スペーサ320の上面に対する偏光回転素子保持段差部325から328の高さ方向の位置は、偏光回転素子51から54の位置が規制できれば、偏光回転素子51から54の厚みとの関係に制限はない。ただし、偏光回転素子保持段差部325から328が、スペーサ320の上面から偏光回転素子51から54の厚みよりも低い位置にあることが好ましい。この場合、偏光回転素子保持段差部325から328に保持された偏光回転素子51から54が、スペーサ320の上面よりも上方に突出しないため、偏光回転素子51から54の破損を抑制できる。
[0099]
 偏光回転素子51から54は、実施の形態1と同様に、偏光変換部を構成する。偏光変換部は、半導体レーザ素子101から104とレンズ41から44により平行化されたレーザ光171から174のうち少なくとも一部のレーザ光の偏光方向を回転させ、レーザ光171から174の偏光方向が一方向に揃わないように乱す。実施の形態2における偏光回転素子51、53は、レーザ光171から174のうち一部のレーザ光171、173の偏光方向を左回転の円偏光に変換させる。また偏光回転素子52、54は、レーザ光172、174の偏光方向を右回転の円偏光に変換させる。言い換えると、偏光回転素子51から54は、レーザ光171から174を出射する半導体レーザ素子101から104に対応して選択的に配置される。
[0100]
 半導体レーザ素子101から104を出射したレーザ光171から174は、レンズ41から44によりz軸方向に平行なレーザ光171から174に変換される。そして、平行化されたレーザ光171から174が、偏光回転素子51から54の全領域に均一に入射する。偏光の回転は、偏光回転素子51から54を透過する際の光路長により決定される。光路長が適正でない場合、偏光の回転が不十分な成分が発生する。例えば、偏光回転素子の面に対して斜めに傾いた光線が、偏光回転素子に入射した場合、偏光回転素子を透過するレーザ光の光路長が長くなるため、偏光の回転が不十分な成分が発生する。実施の形態2によれば、偏光回転素子51から54の入射前にレーザ光171から174が平行化されているので、全領域均一に偏光が回転する。
[0101]
 半導体レーザ素子101、103から出射されたレーザ光171、173のy軸方向の直線偏光は、偏光回転素子51、53によって、左回転の円偏光191、193に変換される。一方で、半導体レーザ素子102、104から出射されたレーザ光172、174のy軸方向の直線偏光は、偏光回転素子52、54によって、右回転の円偏光192、194に変換される。その結果、レーザ光源装置100からは、左回転の円偏光191、193のレーザ光171、173と、右回転の円偏光192、194のレーザ光172、174とが出射される。つまり、レーザ光171から174は、時間的に偏光方向が変わる。また、円偏光191、193は、円偏光192、194に対して偏光の回転方向が異なる。レーザ光171から174は、同じ断面形状(ビームプロファイル)を有しながらも、偏光方向が一方向に揃わないレーザ光が出射される。
[0102]
 このように、レーザ光源装置100は、偏光回転素子52から54により、複数のレーザ光171から174のうち一部のレーザ光171から174の偏光方向を回転させることにより、偏光方向が異なる2種類のレーザ光171から174を出射する。このようなレーザ光171から174は、干渉縞やスペックルの発生を低減する。
[0103]
 スペーサ窓部321から324の外形は、レンズ41から44の配置を規制できれば、矩形などの他の形状であってもよい。また、スペーサ窓部321から324の開口の直径は、レンズ41から44の直径よりも十分に大きくてもよい。そのような構成の場合、図21に示されるように、半導体レーザ素子の発光中心(図示せず)とレンズ41、44とを、スペーサ窓部321、324の中心軸141、144に一致するよう調整できる。
[0104]
 また、レンズ保持段差部361から364を構成する開口の外形は、レーザ光171から174の断面形状に合わせた矩形や楕円形状であってもよい。
[0105]
 偏光回転素子51から54の外形は、偏光回転素子51から54がスペーサ窓部321から324に落ちない形状であれば、レンズ保持段差部361から364の開口と同様に、偏光回転素子51から54の外形も、レーザ光72、74の断面形状に合わせた矩形や楕円であってもよい。このような構造は、偏光回転素子51から54の大きさを最小限にすることを可能とし、コストの低減を実現する。
[0106]
 以上をまとめると、実施の形態2におけるレーザ光源装置100は、複数のレンズ41から44を含む。複数のレンズ41から44は、複数の半導体レーザ素子101から104のそれぞれに対応して設けられ、複数のレーザ光171から174を平行光に変換する。また、実施の形態2におけるレーザ光源装置100は、実施の形態1におけるスペーサ20に代えて、スペーサ320を含む。スペーサ320は、複数の半導体レーザ素子101から104の上方を覆うように設けられる。スペーサ320は、スペーサ窓部321から324と、レンズ保持段差部361から364と、偏光回転素子保持段差部325から328と、を含む。スペーサ窓部321から324は、複数のレーザ光171から174の各々が通過する開口を含む。レンズ保持段差部361から364は、スペーサ窓部321から324の開口の内側に、その開口よりも小さな開口が設けられることによって形成される段差を含む。レンズ保持段差部361から364は、その段差にレンズ41から44を保持する。また、偏光回転素子保持段差部325から328は、レンズ保持段差部361から364の上方に設けられる段差であって、スペーサ窓部321から324の開口よりも大きい開口からなる段差を含む。上方とは、複数のレーザ光171から174が進行する方向に対応する。偏光回転素子保持段差部325から328は、偏光回転素子51から54を、複数のレンズ41から44のうち偏光回転素子51から54に対応するレンズ41から44の上部に保持する。
[0107]
 このようなレーザ光源装置100においては、平行化されたレーザ光171から174が、偏光回転素子51から54の全領域に均一に入射する。偏光回転素子51から54の入射前にレーザ光171から174が平行化されているので、全領域均一に偏光が回転する。
[0108]
 (実施の形態2の変形例)
 実施の形態2の変形例におけるレーザ光源装置は、スペーサおよび偏光回転素子の構成が、実施の形態2におけるレーザ光源装置100のそれらとは異なる。
[0109]
 図22は、実施の形態2の変形例におけるレーザ光源装置のスペーサ420および偏光回転素子151から154の構成を示す図である。偏光回転素子151から154の外形は、平行四辺形を有する。スペーサ420の偏光回転素子保持段差部425から428の外形は、偏光回転素子151から154の外形より少し大きい相似形状である平行四辺形を有する。
[0110]
 偏光回転素子151から154の表裏が反転した場合、偏光回転素子151から154は、偏光回転素子保持段差部425から428に嵌合しない。そのため、偏光回転素子151から154の設置方向が限定される。
[0111]
 なお、偏光回転素子151から154の作製方法は、実施の形態1の変形例の図15の説明と同様であり、ここでは詳述を省略する。
[0112]
 このような構成を有するレーザ光源装置であっても、実施の形態2と同様の効果が得られる。さらに、偏光回転素子151から154の設置方向および設置位置が限定されるため、レーザ光源装置の組立工程における作業性が向上する。
[0113]
 以上の実施の形態1あるいは2および各変形例においては、x軸方向に2個およびy軸方向に2個(2×2)の半導体レーザ素子が配列されたレーザ光源装置を一例として示した。しかし、レーザ光源装置が含む半導体レーザ素子の搭載個数は、それに限定されるものではない。レーザ光源装置は、x軸方向およびy軸方向に搭載個数を増加させた複数の半導体レーザ素子を含んでもよい。そのような構成により、高出力のレーザ光源装置が実現できる。また、半導体レーザ素子の配列は、2×4、4×4のような2次元アレイであってもよいし、1×4のような1次元アレイであってもよい。
[0114]
 また、隣り合う行もしくは列の半導体レーザ素子の配列ピッチが、互いに半ピッチずれた関係にある場合、最密の配列が可能となる。このような構成は、集光レンズの有効径を縮小化させ、投射型表示装置の小型化、低コスト化に寄与する。
[0115]
 また、半導体レーザ素子の各々が異なる波長のレーザを発振する場合、レーザ光源装置は、さらに干渉およびスペックルの発生を低減することができる。例えば、半導体レーザ素子101、102が、波長638nmの赤色のレーザを発振し、半導体レーザ素子103、104が波長642nmの赤色のレーザを発振する場合、レーザ光源装置は、上記の偏光の回転方向に関してだけでなく、波長に関しても特性が異なる4種類のレーザ光を出射することが可能となる。
[0116]
 <実施の形態3>
 実施の形態3におけるレーザ光源装置を説明する。図23は、実施の形態3のレーザ光源装置500の構成およびレーザ光源装置500から出射されるレーザ光571から576を示す斜視図である。図24は実施の形態3におけるスペーサ520および偏光回転素子551から556の構成を示す図である。
[0117]
 ベース530には6個の半導体レーザ素子が配置されている(図示せず)。それぞれの半導体レーザ素子からは、スペーサ520に保持されたレンズ541から546と偏光回転素子551から556とを介して、レーザ光571から576が出射される。
[0118]
 複数の半導体レーザ素子は、選択的に異なる色のレーザ光を出射するように構成されている。レーザ光571、572は445~475nmの青色レーザであり、レーザ光573、574は520~550nmの緑色レーザであり、レーザ光575、576は630~660nmの赤色レーザである。
[0119]
 いずれの半導体レーザにおいても、半導体レーザチップの活性層の水平方向がy軸方向に配置されており、レーザ光はy軸方向に振動する直線偏光を有する。
[0120]
 半導体レーザ素子から出射された青色のレーザ光571は、レンズ541により平行光に変換される。さらにその平行光は偏光回転素子551を透過して、左回転の円偏光591を有する青色のレーザ光571がz軸方向に出射する。青色のレーザ光572は、レンズ542により平行光に変換される。さらにその平行光は偏光回転素子552を透過して、右回転の円偏光592を有する青色のレーザ光572がz軸方向に出射する。同様に左回転の円偏光593を有する緑色のレーザ光573と、右回転の円偏光594を有する緑色のレーザ光574とがz軸方向に出射する。また同様に左回転の円偏光595を有する赤色のレーザ光575と、右回転の円偏光596を有する赤色のレーザ光576とがz軸方向に出射する。
[0121]
 なお半導体レーザは活性層を構成する原子配列により、x軸方向の直線偏光を出射する場合があり、実施の形態3の例に限らず左回転の偏光回転素子と右回転の偏光回転素子の配置箇所は適宜選択される。
[0122]
 偏光回転素子が、位相差板である場合、位相差ΔΦ、位相差板の厚みd、波長λ、速軸50Aおよび遅軸50Bの屈折率差Δnは、以下の式(1)を満たす。
[0123]
[数1]


[0124]
 レーザ光の波長λに応じて、位相差板の厚みd、あるいは、屈折率差Δnが異なる仕様の位相差板が必要となる。また、位相差板の光損失を低減するために無反射コート膜の仕様も、波長λに応じて最適値が異なる。よって、レーザ光の色によって、偏光回転素子551から556の仕様は異なる。実施の形態3においては、偏光回転素子551、552は青色用の偏光回転素子であり、偏光回転素子553、554は緑色用の偏光回転素子であり、偏光回転素子555、556は赤色用の偏光回転素子である。
[0125]
 偏光回転素子551から556は平行四辺形をなす外形の角度がそれぞれ異なる。偏光回転素子551、552の角度はα1、偏光回転素子553、554の角度はα2、偏光回転素子554、555の角度はα3である。実施の形態3においては、偏光回転素子551として左回転の円偏光素子が、偏光回転素子552として右回転の円偏光素子がそれぞれ必要である。ここでは、1種類の円偏光素子を90°回転することにより、その円偏光素子を左回転および右回転の2つの円偏光素子として使い分けることが可能である。スペーサ520に形成された偏光回転素子保持段差部561、562の外形は、角度α1の平行四辺形をなす偏光回転素子551、552の外形より大きい相似の形状である。また偏光回転素子保持段差部561、562は90°回転した関係に形成されている。そのため、偏光回転素子551および552は、それぞれ偏光回転素子保持段差部561および562に嵌合して保持される。角度α2の平行四辺形をなす偏光回転素子553、554の外形と、偏光回転素子保持段差部563、564の外形との関係も同様である。さらに、角度α3をなす偏光回転素子555、556の外形と、偏光回転素子保持段差部565、566の外形との関係も同様である。
[0126]
 角度α1をなす平行四辺形の偏光回転素子551、552は、角度α2をなす平行四辺形の偏光回転素子保持段差部563、564や、角度α3をなす平行四辺形の偏光回転素子保持段差部565、566に嵌合できない。また、偏光回転素子551は、偏光回転素子552の外形が90°回転した形状を有するため、偏光回転素子保持段差部562には嵌合できない。言い換えると、青色用の偏光回転素子551は、偏光回転素子保持段差部561に限定して配置され、偏光回転素子552は偏光回転素子保持段差部562に限定して配置される。同様に角度α2をなす平行四辺形の緑色用の偏光回転素子553は、偏光回転素子保持段差部563に、偏光回転素子554は偏光回転素子保持段差部564に限定して配置される。また、角度α3をなす平行四辺形の赤色用の偏光回転素子555は、偏光回転素子保持段差部565に、偏光回転素子556は偏光回転素子保持段差部566に限定して配置される。
[0127]
 このように、レーザの色に応じて仕様が異なる偏光回転素子の平行四辺形の角度αを変えることにより、レーザの色光と偏光回転素子の組合せを間違えることなく構成できる。
[0128]
 また、左回転用の偏光回転素子551は、その表裏を反転することにより、右回転用の偏光回転素子552として使用することも可能であり、そのような偏光回転素子の構成に応じて、偏光回転素子保持段差部561、562の形状を形成すればよい。
[0129]
 以上のように構成されるレーザ光源装置500は、青、緑、赤の3色のレーザ光によりカラー映像に適した光源を提供する。偏光回転素子がレーザの色に応じて最適設計されているため、レーザ光源装置500は、低損失で、かつ、不要な偏光成分を含まないレーザ光を生成する。偏光の回転方向がそれぞれ異なる複数のレーザ光は、干渉縞やスペックルの発生を低減する。
[0130]
 半導体レーザ素子は、可視光に限らず、用途に応じて、紫外レーザや赤外レーザを適用してもよい。
[0131]
 実施の形態3においては、半導体レーザ素子側からレンズ、偏光回転素子551から556の順に構成されたレーザ光源装置500を一例として示したが、偏光回転素子、レンズの順に構成されるレーザ光源装置であっても上記と同様の効果を奏する。
[0132]
 <実施の形態4>
 実施の形態4におけるレーザ光源装置を説明する。図25は実施の形態4におけるレーザ光源装置600の構成およびレーザ光源装置600から出射されるレーザ光671から674を示す斜視図である。図26は実施の形態4におけるレーザ光源装置600の構成を示す分解斜視図である。
[0133]
 レーザ光源装置600は、4×4のマトリクス状に配列された半導体レーザ素子(図示せず)、1枚のレンズアレイ660、4枚の偏光回転素子651から654を含む。4×4の半導体レーザ素子はベース630上に配置されている。それぞれの半導体レーザチップの活性層の水平方向はy軸方向に配置され、y軸方向の直線偏光のレーザ光が出射される。
[0134]
 レンズアレイ660は、4×4に配列された単レンズが一体化されたレンズである。16個の単レンズは、それぞれ、16個の半導体レーザ素子に対応して配置されている。16個の半導体レーザ素子および1枚のレンズアレイ660により、16本の平行化されたレーザ光がz軸方向に出射される。なお、図25において、16本のレーザ光うち、一部のレーザ光の図示は省略している。
[0135]
 偏光回転素子651から654は、長尺の平行四辺形を有し、x方向に一列状に配置された4つの半導体レーザ素子から出射される4つのレーザ光を円偏光に変換する。ここでは、偏光回転素子651、653は、レーザ光671、673を左回転の円偏光691、693に変換する。偏光回転素子652、654は、レーザ光672、674を右回転の円偏光692、694に変換する。
[0136]
 x方向を行方向、y方向を列方向と定義すると、一の行には、左回転用の偏光回転素子651が配置されている。偏光回転素子651は、レーザ光671を左回転の円偏光691に変換する。その偏光回転素子651が設けられている行と隣接する行には、右回転用の偏光回転素子652が設けられている。偏光回転素子652は、レーザ光672を右回転の円偏光692に変換する。その偏光回転素子652が設けられている行と隣接する行には、左回転用の偏光回転素子653が配置されている。偏光回転素子653は、レーザ光673を左回転の円偏光693に変換する。さらに、その偏光回転素子653が設けられている行と隣接する行には、右回転用の偏光回転素子654が配置されている。偏光回転素子654は、レーザ光674を右回転の円偏光694に変換する。このように、レーザ光681および683を含む行のレーザ光と、レーザ光672および674を含む行のレーザ光は、偏光の回転方向が異なる。つまり、レーザ光源装置600からは、2種類の偏光のレーザ光が出射される。
[0137]
 スペーサ620は、偏光回転素子保持段差部661A、661Bを含む。偏光回転素子651の形状は、角度αをなす平行四辺形であり、偏光回転素子保持段差部661A、661Bの形状は、角度αをなす楔形状である。偏光回転素子651は、スペーサ620に形成された偏光回転素子保持段差部661A、661Bに嵌合して保持される。スペーサ620は、偏光回転素子保持段差部662A、662Bを含む。偏光回転素子652の形状は、角度βをなす平行四辺形であり、偏光回転素子保持段差部662A、662Bの形状は、角度βをなす楔形状である。偏光回転素子652は、スペーサ620に形成された偏光回転素子保持段差部662A、662Bに嵌合して保持される。同様に偏光回転素子651と同形状の偏光回転素子653は、スペーサ620に形成された角度αの楔形状をなす偏光回転素子保持段差部663A、663Bに嵌合して保持される。偏光回転素子652と同形状の偏光回転素子654は、スペーサ620に形成された角度βをなす偏光回転素子保持段差部664A、664Bに嵌合して保持される。このような構成により、偏光回転素子651から654は、規定された箇所へ実装される。
[0138]
 実施の形態4のレーザ光源装置600は、高出力で平行度の高いビームの出射を可能にする。偏光の回転方向が異なる2種類の円偏光のレーザ光は、干渉縞やスペックルの発生を低減する。また、複数の半導体レーザ素子の配置が高密度に集積化され、隣接するレーザ光の間隔が近接している場合、それらレーザ光を平行化するための単レンズの配置が互いに干渉する。しかし、実施の形態4におけるレーザ光源装置600には複数の単レンズが一体化されたレンズアレイ660が適用されている。そのため、そのような干渉が生じず、レーザ光源装置600の小型化が可能である。同様に、隣接するレーザ光の間隔が近接している場合には、実施の形態1から3に示されるような個別の偏光回転素子をそれぞれ保持する構造が必要となる。しかし、実施の形態4におけるレーザ光源装置600は、偏光回転素子651から654の各々が、4つのレーザ光の偏光をまとめて円偏光に変換する。そのため、偏光回転素子の保持構造が簡素化され、レーザ光源装置600の小型化が可能である。
[0139]
 また、偏光回転素子651が表裏反転しても使用可能な場合、左回転用の偏光回転素子651を表裏反転することにより、右回転用の偏光回転素子652として使用できる。その場合、スペーサ620に形成された偏光回転素子保持段差部の楔形状は、全て角度αで形成される。これにより、偏光回転素子が共通化されコスト低減につながる。
[0140]
 偏光回転素子651から654は、y方向(列方向)に長い形状であってもよい。レーザ光671から674の断面形状に合わせてレーザ光が透過できればよく、x方向(行方向)に長い形状の偏光回転素子651から654は、短辺方向をさらに短くすることが可能となり、偏光回転素子のコストの低減につながる。
[0141]
 以上の実施の形態におけるレーザ光源装置は、半導体レーザ素子から出射する全てのレーザ光を円偏光に変換しているが、そのような構成に限定されるものではない。一部のレーザ光に対する偏光回転素子の配置を省略して直線偏光をそのまま維持する、あるいは一部のレーザ光に対する偏光回転素子に1/2波長板を配置することで偏光が回転した直線偏光を加えるなど、円偏光に異なる偏光を加えてもよい。なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
[0142]
 本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。

符号の説明

[0143]
 1 レーザ光源装置、100 レーザ光源装置、500 レーザ光源装置、600 レーザ光源装置、101~104 半導体レーザ素子、20 スペーサ、120 スペーサ、220 スペーサ、320 スペーサ、420 スペーサ、520 スペーサ、620 スペーサ、25~28 スペーサ段差部、125~128 スペーサ段差部、225~228 スペーサ段差部、361~364 レンズ保持段差部、325~328 偏光回転素子保持段差部、561~565 偏光回転素子保持段差部、661A~664A 偏光回転素子保持段差部、661B~664B 偏光回転素子保持段差部、30 ベース、30A 上面、41~44 レンズ、541~546 レンズ、660 アレイレンズ、50A 速軸、50B 遅軸、51~54 偏光回転素子、551~556 偏光回転素子、651~654 偏光回転素子、151~154 偏光回転素子、251~254 偏光回転素子、71~74 レーザ光、171~174 レーザ光、571~576 レーザ光、671~674 レーザ光、81 直線偏光、91~94 円偏光、191~194 円偏光、591~596 円偏光、691~694 円偏光。

請求の範囲

[請求項1]
 ベースと、
 各々が個別に前記ベースの上面に保持され、偏光方向が一方向に揃った複数のレーザ光を出射する複数の半導体レーザ素子と、
 前記複数のレーザ光のうち少なくとも一部のレーザ光の前記偏光方向を回転させることにより、前記複数のレーザ光の前記偏光方向が前記一方向に揃わないように乱す偏光変換部と、を備え、
 前記偏光変換部は、
 前記複数のレーザ光の偏光を円偏光に変換する複数の偏光回転素子を含み、
 前記複数の偏光回転素子は、
 前記複数の半導体レーザ素子のうち一部のレーザ光を出射する半導体レーザ素子に対応して選択的に配置され、前記一部のレーザ光の偏光を左回転の円偏光に変換する第1偏光回転素子と、
 前記複数の半導体レーザ素子のうち別の一部のレーザ光を出射する別の半導体レーザ素子に対応して選択的に配置され、前記別の一部のレーザ光の偏光を右回転の円偏光に変換する第2偏光回転素子と、を含む、レーザ光源装置。
[請求項2]
 前記複数の半導体レーザ素子の上方を覆って設けられるスペーサを、さらに備え、
 前記スペーサは、前記複数のレーザ光の各々が通過する位置に枠構造を含み、
 前記複数の偏光回転素子の各々は、前記枠構造に保持され、
 前記複数の偏光回転素子の各々の外形は、平行四辺形を有し、
 前記スペーサの前記枠構造の外形は、前記複数の偏光回転素子の各々の前記外形よりも大きい相似形状を有する、請求項1に記載のレーザ光源装置。
[請求項3]
 前記第1偏光回転素子あるいは前記第2偏光回転素子は、前記複数のレーザ光の各々の断面形状に応じて選択的に配置される、請求項2に記載のレーザ光源装置。
[請求項4]
 前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに対応して設けられ、前記複数のレーザ光のそれぞれを平行光に変換する複数のレンズを、さらに備え、
 前記スペーサは、前記ベースに固定され、かつ、前記複数のレンズを保持する、請求項2または請求項3に記載のレーザ光源装置。
[請求項5]
 前記複数の半導体レーザ素子の上方を覆って設けられるスペーサを、さらに備え、
 前記スペーサは、
 前記複数のレーザ光の各々が通過するスペーサ窓部と、
 前記スペーサ窓部の内周に設けられたレンズ保持段差部と、
 前記スペーサ窓部の外周に設けられた偏光回転素子保持段差部と、を含み、
 前記複数の偏光回転素子の各々は、前記偏光回転素子保持段差部に保持される、請求項1に記載のレーザ光源装置。
[請求項6]
 前記複数の偏光回転素子の各々の外形は、平行四辺形を有し、
 前記偏光回転素子保持段差部の外形は、前記複数の偏光回転素子の各々の前記外形よりも大きい相似形状を有する、請求項5に記載のレーザ光源装置。
[請求項7]
 前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに対応して設けられ、前記複数のレーザ光のそれぞれを平行光に変換する複数のレンズを、さらに備え、
 前記スペーサは、前記ベースに固定され、
 前記複数のレンズの各々は、前記レンズ保持段差部において保持され、
 前記偏光回転素子保持段差部は、前記複数の偏光回転素子の各々を、前記複数のレンズの各々の上部に保持する、請求項5または請求項6に記載のレーザ光源装置。
[請求項8]
 前記複数の半導体レーザ素子は、選択的に異なる色の前記複数のレーザ光を出射するように構成されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のレーザ光源装置。
[請求項9]
 前記偏光変換部は、
 前記複数の半導体レーザ素子のうち隣接する2以上の半導体レーザ素子から出射される2以上のレーザ光の偏光方向を、1つの偏光回転素子により回転させる、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のレーザ光源装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]