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1. WO2020079726 - 付け爪とその施術方法

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明 細 書

発明の名称 付け爪とその施術方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012  

発明の効果

0013   0014   0015  

図面の簡単な説明

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

発明の詳細な説明

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066  

符号の説明

0067  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2  *   3  *   4  *   5  *   6  *   7  *   8  *   9  *  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 付け爪とその施術方法

技術分野

[0001]
 本発明は付け爪とその施術方法に関する。特に、スカルプチュアネイルやジェルネイル等の施術工程を簡略化する付け爪とその施術方法に関する。

背景技術

[0002]
従来の装飾用付け爪は主にABS樹脂製で硬質であったり、エラストマーなど柔軟素材で出来たものが公知である。
特許文献1 : 特開2006-141939号公報。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0003]
しかしながら付け爪の堅さ柔らかさが付け爪の使用しにくさの主原因ではない。シアノアクリレートを主剤とするネイルグルーや、両面テープ、ポリマーやグミ状の粘着剤で爪に装着することは従来の装飾付け爪にて共通で、それらいずれの方法でも自爪と付け爪の間に、約0.6mm~毛髪が挟まる程の隙間や段差が生じていた。それにより不快感を引き起こしたり、付け爪と一緒に自爪まで剥がしてケガをする、付け爪と自爪の間に水分が溜まり接着が弱くなることに起因する持久性の低さ(もちの悪さ)の問題を生じていた。
[0004]
また粘着層を有するワンタッチタイプの装飾付け爪において、自爪と接着面の大きさは必ずしも同じにならない。自爪からはみ出した粘着部位、もしくは粘着部位の不足が生じ、恒常的に粘着性をもつ接着面や自爪の裏にゴミが溜まるなど不衛生であり、ブドウ球菌やカンジダ菌感染、緑膿菌が原因のグリーンネイルなど病気の原因ともなっていた。
[0005]
爪は手と足それぞれの指先を保護すると共に、物を掴んだり指に力を入れる時の支えになっているので、人は指先の繊細な動きや、力加減、操作などが出来る。よって柔らかすぎる爪では不快感や違和感を生じる、柔軟過ぎると施した装飾や塗装が剥がれやすいという問題もある。
[0006]
既成の装飾付け爪は多種多様な爪先の形状、ハイポイントの位置なども完成され美しいが、爪の形状は個体差があり、同じ人の同じ指でも左右で爪の大きさ、形やCカーブも異なる。よって既成のデザインの装飾付け爪は10指分に対し、20~36枚セットされていることが一般的で、それでも購入者が各爪のCカーブに合わせて選んだ後、サイドライン含む大きさと長さを、各自やすりで削って調整しないと自爪にフィットせず、万人に適合するよう提供することは難しかった。
[0007]
連続着用性であるが、従来の装飾用付け爪は、自爪との間に段差や隙間があること及び、酸素透過性と透湿性が低く、大きさや長さやCカーブなどサイズ感やデザイン、バランスを鑑みて装着しても、装着は数時間から衛生面や粘着面の耐久性の問題で長くとも1週間程が限度であった。
[0008]
そのため現在、爪のケアやおしゃれはネイルサロンで施してもらうソークオフタイプのポリウレタン系のソフトジェルでの施術が主流となっているが、高品質な施術を行うネイリストには高度な技術と知識、経験が必要なため高価である。施術に一般的なデザインで1~2時間程度要する。そして被施術者は自爪が伸びるたび、このジェルネイルを落とし付け替える為に毎月のようにサロンに通わなければならない。
[0009]
フィルインという手法もあるが、オフの方が時間と手間がかからないために、通常のサロンワークでは付け替えの方が現実的であった。しかし、このジェルネイルを落とすためには、多くの場合アセトン溶液と、やすりを用いて削り落とさなければならず、自爪が薄くなる、脱脂作用により乾燥し、爪が脆くなるという問題が多発し問題となっている。
[0010]
また燃えると害のある煙を発生する塩化ビニル製の付け爪や、ジェルネイルは材料となる未硬化の樹脂(HEMA等)にアレルギーを起す問題が発生しており、内分泌攪乱物質となるビスフェノールAが含まれる製品もある。しかし雑貨品扱いのため規制がない。
[0011]
ネイリストは施術中、ホルムアルデヒド、VOC(揮発性有機化合物)に晒され、ヒトの爪の粉末、ジェルネイルの削りかす等、多くの粉塵を吸入することによる健康被害の恐れを抱えている。上記に述した物質が含まれる自然には分解されないプラスチック微粒子のダストが与える、人体や環境への未知の危険性や、影響も懸念されている。本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、従来にはない付け爪とその施術方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0012]
本発明はバイオマスプラスチックを含有する合成樹脂からなる、爪の形状に添うよう形成される付け爪。ラメ、飾り、印刷が樹脂中に内包される。表面を研磨してもデザイン性が損なわれにくい。親指から小指までの爪の並びと同様に配置され、形成されている。素材と構造の特性により、接着剤が前記付け爪及び爪表面に広げ、双方を密着させ、表面をバフィング加工もしくは、被膜形成成分により被覆されることを特徴とする施術方法。

発明の効果

[0013]
本発明品と施術方法を提供することにより、付け爪と自爪を隙間なく接着し、覆うか段差をバフィング出来るために、引っかかりや浮きにくくし不快感をなくす。また本発明品の素材と構造、施術方法の効果により、余分な接着面が生じず、自爪との接着面に水分が溜まらず、グリーンネイルを起こしにくく持ちも良くなる。
[0014]
本発明品は適度な柔軟性と堅さを兼ね備え、施術方法の特徴から厚みと長さを自由に変更出来るために、爪や指先を保護し、物を摘まむ等が従来の付け爪に比べてしやすい。
[0015]
本発明品はCカーブに合わせて可変し、その長さや厚みや爪先のデザインといった形状も素材と構造の特徴により二次加工がしやすく、万人にフィットする。従来よりも簡単に脱着出来るため、爪が痛みにくく時短になり、自爪や環境にも優しい。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 実施の形態に適用される構造図である。
[図2] 実施の形態に適用される断面図である。
[図3] 実施の形態に適用される工程表である。
[図4] 本発明品の構造図A、B(射出形成)と他の製造法での構造図C、Dである。
[図5] 本発明品のデザインバリエーションとそれら断面図である。
[図6] 従来の装飾付け爪(a)と本発明品の付け爪(b)の比較図である。
[0017]
図2は本発明品を装着時の爪先の断面であり、C5のように自爪と段差が出来ないようバフィングもしくは被膜形成成分で被覆され、引っかかりや浮きを防ぐ。爪先側(エッジ部分)から見た場合、層構造は見えないよう本発明品の付け爪C3が覆い自爪を覆い隠しC4で被覆され一体化して見えることが望ましい。これら本発明品が爪の湾曲した構造に寄り添う構造と素材の特性及び施術法により、爪先端エッジの欠けや剥がれを防止する。
[0018]
図1の通り、本発明の付け爪は全体的になだらかな曲線で自爪に添うような形状になり、ネイルプレートに乗る部位は自爪の厚み(個体差があるが、一般的に人体の爪は0.4~0.75mm程度)より薄い、約0.2から、埋め込むパーツの厚みにもよるが2.5mm程度が最適である。ポリ乳酸などの樹脂を主原料とし、シリコーン系原料がコンバウンドさせた材料を薄く形成すると、可撓性があるために個人差のある爪のCカーブに添うように装着出来る。
[0019]
ABS樹脂やポリプロピレンなどは塗装をしても非常に剥がれやすいが、ポリ乳酸とシリコーン系の混合樹脂のような多孔質樹脂素材である本発明品の付け爪は定着しやすく、図2C4表面を自爪共に段差がないようジェルネイル等でコートすることが出来る。      
[0020]
図3aは製造品の一例であるが、上記で理由を記述した通り、根本の部分が枝にくっついている状態で形成する。もしくは、ポッティングシールの製造工程に似せて立体のポリプロピレンのような剥離しやすい型の上や、シール台紙のような物にセットされていると使いやすい。図3bの通り、自爪のカーブに合うように形成されていることが好ましく、従来の付け爪よりもCカーブが自爪に合わせやすく、また幅や厚み、長さや形状を簡単にファイリングで調整出来ればよりフィットしやすいため、切削性及び研磨性を有し、従来よりも必要とするセット数が少なくなっている。
[0021]
図6aは一般的なネイルチップを模した図と装着例である。従来の装飾付け爪は一般的に10~16サイズ、左右合計20~32枚程度、1セットに入っている。爪1本1本違ったデザインのチップが入っている場合は、理想とする10指のデザインにすることが爪のサイズによっては出来なかった。
[0022]
また、従来では大きい付け爪サイズから、小さい付け爪サイズまで並んでいる状態が多かったが、どの付け爪が5指あるうちのどの指の爪に適合するか、消費者は自分で爪の上に置いて大きさをテストしながら合うサイズを探さなければならず、一般消費者には手間で難しかった。商品パッケージに、例えば、あいうえおの順で並んだデザインが表示してあり、そのデザイン通りに装着したくとも、実際の爪のサイズと適合せず、全然違う組み合わせ、例えばうえういえ、となってしまうことがあった。
[0023]
しかし、本発明品の付け爪はより個体差に適応する設計となっているため、親指から小指まで5指揃った見たままを装着出来る。よりサイズ順に並べる手間をなくすために、製品は順番にセッティングされた状態であると良い。図6b可撓性を有する本発明品の付け爪はCカーブが自爪に添うので、たくさんのサイズのネイルチップを作成しなくても良い。よって製品の入数を少なくし、理想の組み合わせデザインのまま装着出来る。
[0024]
細かい付け爪は散らかりやすく、紛失しやすいが、本発明品の付け爪のように、親指から小指まで同様の順番で並べて形成されていると迷わず、適合する指の爪に装着出来る。爪先はラウンド、オーバル、ポイント、スクエアオフなど従来の付け爪と同様の形状と多様なデザインのバリエーションで形成する。
[0025]
図5は側面側からの断面図である。図5aは色素を含有した本発明品である。図5bは印刷面を含む本発明品である。図5cは色素とラメ、立体的な装飾が含有される本発明品である。図5dは顔料と印刷面が含有される本発明品である。5eは印刷面が重層的に含まれラメを含有する本発明品である。5fは色素とラメ、印刷面を含有する本発明品である。5a~図5fに示したバリエーションの他にも様々な柄のバリエーションが考えられる。
[0026]
従来の装飾付け爪は、一般的に無色のネイルチップの上から、着色やラメ、プリントが施されていることが多かった。素材自体にカラーがついているもの、裏側からプリントされているものが一部製品にあるが、カラーや柄を付け爪の表面に塗装やプリントしたものが多く、表面を削ったら取れやすかった。個人の爪の形状やCカーブ、キューティクルラインに適合させやすいよう本発明の付け爪は、色素やラメ、装飾やプリントが内包されネイルファイルで削っても柄やデザインを損ねにくい設計にされていることが好ましい。
[0027]
柄やデザインの好みは千差万別であり、TPOや季節、トータルファッションによりネイルは服装のように選ばれる。ワンカラーや全面に絵が描かれているタイプでも、本発明品の付け爪はキューティクルラインを簡単にやすりで削れるため、光硬化性でない接着剤を使うことにより自爪に従来の装飾付け爪より自爪に適合する。また上記に記載した通り、上からジェルネイルなどでコートもできるのでネイルストーンやネイルシール、アートを追加で施すことができてより個々の好みの装飾や表現が可能である。航空会社など職場規定によりネイルは色やデザインだけでなくラインストーンの数も制限がある場合がある。個々の事情に対応するシンプルなデザインで作られているバージョンもあると良い。
[0028]
本発明品の目的及び特徴は、付属する図面に関して考えられた本書類の詳細な説明により明らかである。しかし、当然ながら図面及びフローチャートはただ示すだけの目的で描かれたものであり、本発明を限定定義するものではない。
[0029]
本発明の施術工程は図3に示した通りである。従来のジェルネイルでは、デザインやカラーをお客様に選んで頂いた後、一般的には下記程で施術する、A1~B12の18工程を要する手順であったものが、ネイルコンタクト使用により、A1、A3、N1、B1、N2、B8と6工程の手順に簡略化される。光硬化性樹脂を利用したジェルネイルの施術工程の一例を下記に記載する。
[0030]
プレパレーション(下準備)
A1 消毒
A2 ファイリング(爪の長さ形を整える)
A3 甘皮やルースキューティクル、ささくれの処理とガーゼクリーン
(爪周り爪輪郭の形成)
A4 サンディング(ジェルと爪の密着を良くする、表面を整える)
A5 ダストオフ
A6 爪表面の油分水分除去
ジェルネイルの工程として
B1 ベースジェルの塗布
B2 硬化(LDEライト等を使いB1,2の工程を10指それぞれ数回ずつ繰り返す)
B3 ベースデザインの施術(カラーやフレンチ、ラメグラ、カラグラなど)
B4 硬化
B5 上記(B3~B4)を繰り返す
(カラージェル使用の場合、一度合間に硬化し二度塗りする場合が一般的)
B6 アートの施術(ラインストーン、ラメライン、ペイント等)
B7 硬化
B8 トップジェルの塗布
B9 硬化
B10 未硬化ジェルのふき取り(未硬化ジェルが出ない種類もある)
B11 仕上げのファイリング(必要ない場合もある)
B12 仕上がりの確認(お客様への確認)
[0031]
図1の通り、自爪の上に接着剤もしくは接着剤の代わりとなるものを塗布し、本発明品の付け爪を置き、上からさらにジェルネイルなどでコーティングする。本発明品の付け爪はジェルネイルの施術工程上、長さ出しやファイリング、カラーリングとデザイン、アートに該当する部分を、本発明品の付け爪に置き換えて施術する。
[0032]
本発明品の付け爪は自爪の表面に接着剤により隙間なく装着する。この時に使用する接着剤やコーティング剤は、蒸散運動を妨げにくい本発明品の付け爪と同素材のポリ乳酸、シリコーン系や、ポリグルコース酸、セラック、セルロース系の樹脂を原料とした接着剤、天然樹脂系の酸素透過性を持つポリッシュや接着剤が適している。また、従来から販売されている酸素透過性、透湿性を兼ね備えたジェルネイルも使用できる。
[0033]
爪表面の自爪との段差を研磨(バフィング)もしくは、さらに上記記述の工程により、上から透湿性や酸素透過性を有するこれら樹脂でワンコートし、なだらかにすることにより自爪との段差や引っかかりがなくなり、キューティクルラインもより自然に見える。これにより引っかかりをなくし爪甲剥離症を予防し、より自然な見た目と装着感を実現しケガの防止や浮きを予防することによってもちの良さにつながる。
[0034]
従来、ネイルチップは先端を削り長さを調整することが一般的であった。粘着剤がついている装飾付け爪やシールタイプであると、ダストが粘着剤にくっついてしまうために、爪先を削るかカットするしかなかった。しかし爪先の形を整えるファイリングは技術が必要であり、手間と時間がかかり、デザインも損ねることが多かった。本発明品の付け爪は先端部分のデザインや成型を生かすため、基本的に根元や側面のキューティクルラインをファイリングする。自爪が長い場合や、爪先(フリーエッジ)により長さを持たせたい場合は、自爪の根本側から離して好みでより爪先側に接着し、根本の空いた部分には上から、ジェルネイルなどでコートして全体的に滑らかに一体化させる。
[0035]
またより強度を出したい場合も、本発明品の付け爪装着後、表面もしくは裏側からジェルコートなどをして厚みと強度を出す。従来のネイルフォームを使った施術方法より、より簡単かつ容易にこれら操作と施術が可能となる。アクリルでスカルプチュアネイルをする場合と比較し、削りによるフォーミングの手間と時間、技術が必要なく、ダストや粉塵、揮発性有機溶剤の臭気による健康被害や環境汚染を抑えることが出来る。

発明の詳細な説明

[0036]
本発明に使用するバイオマスプラスチックは、環境に優しいとうもろこしやジャガイモなどを原料とした好ましくはポリ乳酸やポリアミド11,12といった樹脂と、毒性が少なく安定したエラストマーなど他の素材を好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下コンバウンドし、可撓性を持たせた多孔質構造の合成樹脂が好適である。バイオマスプラスチックを10%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上配合された原料を使い、人体の爪の形状に添うよう立体的もしくは爪に立体的に装着出来るよう形成することが好ましい。
[0037]
ポリ乳酸は、乳酸又はラクチドを重合させて得られる高分子である。国内では、食品容器や、農業用品、医療用具も認可され使用されている人体と環境に安全性の高い合成樹脂であり、生分解性を持つ。同様に酪酸セルロースやエステル化澱粉、キトサンやセラック、ポリカーボネート、芳香族変性脂肪族ポリエステル、ポリビニルアルコールなど生分解性樹脂で、酸素透過性、透湿性が高い合成樹脂、複数の素材を混合してもかまわない。
[0038]
ポリ乳酸にシリコーン系材料を加えたタイプ、さらにラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、アクリル酸アルキル共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体といった乳化剤で繊維、糖、たんぱく質などの物質をポリ乳酸にコンバウンドさせる等し、ゲル化、エマルジョン化した後に攪拌、分離、熱処理、疎水処理した素材を用いても良い。様々な材料と方法で新しい樹脂の研究がされており、これら新しいバイオマスプラスチック素材を本発明の付け爪に用いても良い。
[0039]
一例として、ネイルエナメルや化粧品、食品にも使われている安全性が高い添加物、乾燥卵白、加水分解ケラチン、真珠粉末などたんぱく質原料や、強度を加える為にバンブーエキスやシルク繊維など繊維系原料、水飴、トレハロースなど糖質系、溶媒に乳酸エチルやアルコール、水、可塑剤としてグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリグルコース酸といった成分を加えた混合樹脂、ポリマーや溶液が考えられる。
[0040]
これら素材を用いることにより、人体の爪と同様に、作業中や着用中はもちろん燃やしても毒性が生じず、土に埋めると自然中の細菌やバクテリアによって自然分解される特徴を本発明品は持つ。
[0041]
デザイン性を兼ね備えることで、施術時間の大幅な短縮が叶えられる。色素やラメ、飾りを樹脂中に混合したり、レーザー印刷、シルク印刷、手動応用などでプリントしたシートなどを上記のバイオマス合成樹脂にサンドするなどし、爪状の金型などを使い射出形成やキャストモールド製法、真空成型、押し出し成型、多重注入法、サンドウィッチ製法などで装飾を本発明品内部に施す。
[0042]
グラデーションデザインは、顔料やラメを入れた樹脂を、爪と同様に湾曲した形状の型に入れ硬化させる。硬化前に型を斜めに傾け、樹脂を硬化させそれを繰り返す多重注入法で作成することにより、錯視効果でまるで指や爪が伸びたように見えるデザインに仕上げることが出来る。またバラの花弁のような飾りや、奥行き感のあるデザインもこの多重注入法や、プリントシート、3Dパーツを併用する方法で、従来の装飾付け爪では再現できなかったサロンクオリティーの表現に近づく。
[0043]
これら製造方法により、個人の爪の形状に適合させられるよう形成され、切断や衣類や髪の毛が引っかからないように凸面を研磨(バフィング)、やすりがけをしても従来の装飾付け爪のように、表面のプリントを損ないにくく装飾性を保つ。アウトラインがなめらかな曲線で引っかかりが少なく、付け根の部位はフィルムやシート程の薄さから2.5mm程度の厚みが好ましく、爪表面に密着する形状に形成されるかシートやフィルム状のために爪表面に密着し塗布された接着剤を浸透や表面張力等で爪表面に広げる作用を持つ。
[0044]
一般にデザインスカルプチュア(通称デザスカ)と呼ばれる技法は、水中花やウォータドームのようにアートが本体に埋め込まれている。ネイルコンタクトも同様に立体的な装飾が内包している構造でも良い。本発明品の付け爪はカラーやアート、デザインが施されており、削っても変化しにくいので、アクリルやジェルを使ったスカルプチュアネイルに比べフォームを使用しなくても良く、従来のデザスカに比べたくさん削らなくても良いために施術時間が大幅な短縮になる。そして大変高度な職人技で、高価であったデザスカを、上記製造法により高いクオリティーで本発明品の付け爪は再現する。
[0045]
 本発明品を従来のスカルプチュアネイルの施術工程と比べると切削量が大幅に減り、ダストの発生が抑えられ、呼吸器疾患などへの配慮となる。また服や店内の汚れを防ぐ。廃液の処理がなくなり、ダストの飛散が大幅に減少するため掃除の手間も少なくなる。
[0046]
またポリ乳酸が主成分の本発明品の付け爪原料は、他のバイオマスプラスチックよりも、乳酸の働きにより、モイスチュアマネジメント効果があり、肌と同じ弱酸性のためにカビや細菌などの繁殖が抑制される特徴を持つ。またオフする際に、多孔質性のためアセトンやエタノールが浸透しやすいトンネル構造を持つ。よってオフも従来のジェルネイルと比較して短時間になり、より自爪の脱脂や乾燥を防ぎながら、簡単に除去出来る構造となっている。
[0047]
爪甲に近い方が、蒸散運動がより活発であり、爪の先端に行くほど爪の水分含有量も少ないため、本発明品の付け爪を施術した際に、爪の生え際を覆わない形で接着する場合、水蒸気や酸素透過性が低い素材や3mm以上の厚みで製造しても良い。蒸散運動を妨げないことにより、装着感ともちが良く、付けたまま生活ができ、浮きも従来の付け爪より少ないことからグリーンネイル等の病気にもなりにくい。
[0048]
蒸散運動を妨げることがなければ、頻繁な付けはずしの手間も爪の傷みも少なくて済む。ジェルネイルオフに使用するアセトン溶液は爪を乾燥させたり痛めたりするが、蒸散運動を妨げなければフィルイン(爪が伸び生え際に空いた隙間部分を埋める技術)も可能である。フィルインと併用出来る技術のため爪へのダメージを抑えられる。
[0049]
ポリッシュ(マニキュア)の場合、透明なベースコートは爪から皮膚へはみ出しても目立ちにくいが、カラーを塗る時には、キューティクルラインがガタガタになってしまったり、完全に内部のカラーが乾くまでに24時間程度必要と言われているため、乾くまでによれてしまうことが頻繁にあった。本発明品は既に形成され硬化されている為、これらの心配がなく、手先が器用でなくとも簡単に綺麗に仕上げられる。キューティクルラインが綺麗であると美しく見える。
[0050]
デザイン的には、キューティクルラインの部分が透明の方が、本発明品を装着した時により自然に自爪の根本に馴染みやすい。よってフレンチやカラーグラデーション、ラメグラデーション、といった付け根の部分に色がついていないネイルデザインの方が、光硬化樹脂を使った接着剤を使用する場合、光を透過しないワンカラーデザインより接着材のバリエーションが増えたり、付け方のバリエーションも広がる。
[0051]
ワンカラーや根本部分が有色のデザインは爪が伸びてくると、伸びてきた自爪部分が目立つため、根本が透明なデザインの方が実際のサロンワークで注文が多いこともあり、本発明品の付け爪とその使用方法はこれらを解決するように作られることがより好ましい。
[0052]
すなわち本発明品の付け爪は簡単に切削、切断、研磨出来て、表面に印刷や装飾がされていないことから、表面も磨いたりバフィング出来る。よって爪甲上、装着位置が上下、自由に決定出来る。グラデーションなど根元がクリアのデザインであれば、付け根と隙間を空けて施術し、上記に記載した通りフレンチやネイルジェルなどで自爪と本発明品との隙間を埋めれば、爪甲が長いタイプの人や、ロングネイルが好みの人でも対応でき、技術が必要な爪先の形を整えるファイリングの工程の必要がほぼなくなる。
[0053]
従来は美しい形へ爪の先をファイリングすることや、複雑なアートは難しく技術が必要であったが、セルフで施術した際にも、利き手と反対の手でも、本発明を使えば、簡単かつ施術時間を大幅に短縮出来るのである。                             
[0054]
接着に関してであるが、本発明品の付け爪は通気性があり、透湿性もあるので、乾いて固まるタイプ、湿気を吸って固まるタイプ、2液を混ぜることで固まるタイプ、ほぼ全てのタイプの接着剤が使用できる。例えばアクリル変成シリコーン樹脂からなる一液湿気反応形弾性粘着剤を使用すると、爪の表面に通常よりも凸凹がある場合でも高密着で接着可能であり、ニトロセルロース系の接着剤を使用すれば、アセトンフリーの除光液で溶解出来るため、通常のジェルネイルより、爪への負担が少ない脱着が可能となる。
[0055]
また、光透過性があるデザインの本発明品では接着にジェルネイルも使うことが出来る。従来の装飾付け爪を接着する際に使用するネイルグルーは誤って皮膚や衣類に付着させてしまうとかぶれや火傷の恐れがあったが、このように、爪のタイプや生活環境などによって爪への接着材を選べることも本発明の利点である。
[0056]
本発明品の付け爪は多孔質性でトンネル構造を持ち、現在のジェルネイルよりオフも簡単で楽になるため時間短縮になり、爪へのダメージをより少なく出来る。すなわち、消費者の多様なライフスタイルや個体差へ適応し、人体や環境により安心で安全な脱着の様々なバリエーションの展開と提案が可能となるのである。
[0057]
ジェルネイルの施術工程と比較して未硬化ジェルを操作、塗布する作業工程も減らせるため、ジェルネイルを続けた時のアレルギーの心配も抑えられる。また、アレルギーの心配のない接着剤を使用し自爪に装着すれば、ジェルネイルアレルギーでもまるでジェルネイルのようなぷっくり艶やかな仕上がりを期待できる。
[0058]
本発明品であれば、カラー部分が既に液状から固体化しているので(図1C3、カラージェルが未硬化になる問題が発生しない。また自爪への色素沈着の問題も発生しにくい。カラージェルの塗りムラや刷毛跡も出来ない。爪先のカラーが欠けたり、剥がれたりする問題が減るため、ネイルサロンにとってお直しやクレームの軽減となる。
[0059]
また、光硬化性樹脂であるジェルネイルの製品や硬化ライトのワット数、使用方法にもよるが約8~12%硬縮する。ジェルネイルを接着剤として使う場合、爪表面に乗せてから3ステップで最終的に本発明品の付け爪と接着層、表面のコート層は一体化し硬化するため、重合硬縮する過程において従来付け爪にありがちな、爪が自爪より大きく見えてしまうといった問題も少ない。
[0060]
手の爪は個体差があるが、健康な爪は硬ケラチン三層構造で厚みは0.5~0.75mm程度と言われ、水分が含まれ、しなやかで柔軟に変形する。しかし加齢や近年のダイエットブームや過労による食生活の乱れによる栄養不足や病気、長期にわたってのジェルネイルの付け替えなどで爪が薄くなったり、頻繁な消毒や手洗い、合成洗剤や薬剤の使用で乾燥し、脆くなってしまう場合がある。その爪の保護にも本発明は活用できる。
[0061]
本発明品の付け爪は、ファッションやお洒落といった審美的な目的のためはもちろん、それだけでなく、健康的で自然な自爪に近いデザインでの提供も考えられる。自爪が元々薄く割れたりかけやすい場合の補強目的で使用することも出来る。また加齢により爪の水分量が減ったり、爪を構成している繊維タンパク質の変性により、しなやかさや透明感などが失われたり、縦筋が目立ち割れやすくなった爪にも強度や保護機能を付加する。
[0062]
ケガによって爪が損傷した場合、現状では病院へ行ってもテーピングで保護するしかなかった。事故や生まれつき爪の形や色に悩まされている人にも簡単なホームケアとして本発明は適応される。また楽器演奏のために爪の強度を高めたり、指先や爪を酷使する仕事などで爪がはがれたり割れたりしやすい人や、爪噛みぐせに悩んでいる人にも対応しうる発明である。
[0063]
近年ではPCのキーボードを操作したり、爪が目に入るシーンが多くなってきたこともあり、平成の後半でジェルネイルがブームとなって、ホームケアやカラーが流行るなど、ネイルファッションは若い女性を中心に定着しつつある。しかしネイルサロンは高価なため、日本女性の約3割しか利用したことがないと言われている。自宅でマニキュアをしたり装飾付け爪を使ったりしている層もいるが、適切ではない方法で行われていることが多く、かえって自爪を痛めてしまうことがあった。脱着が容易な本発明品の提供で、セルフでの施術のレベルが上がり、導入ネイルサロンの価格は下がり、ケアや接客も含めたネイルサロン全体の技術もより向上し、利用客層の増加やネイルファッション文化の広がりも考えられる。
[0064]
ネイルサロンでは、サンプルチップとお客様の爪の大きさ長さに違いがあることが多く、店頭でマネキンが着ている服を実際に着てみた時の違和感のような状態になることがある。本発明品は見たままのデザインで提供出来る為に、お客様とネイリストの間のイメージの齟齬が少ない。またお客様が来店する前に、本発明品をベースにしてデザインを作っておけるので、実際の施術時間の短縮だけでなく、空き時間の活用が可能となる。電話やネットでの写真のやり取りをして遠隔でのカウンセリングやデザインの打ち合わせが行えるという利点もある。
[0065]
従来ジェルネイルやスカルプチュアの際にオーダーメイドで作っていたものを、本発明により地理的に離れたところでの手動応用や、印刷技術などを応用したデザインが出来るようになるため、複雑で時間を要す様な細密アートや、ハンドペイントでは表現しにくかった表現、同じデザインの再現性を高め、量産化も可能にする。そして予約困難な有名ネイルサロンのデザインや、遠方の著名なネイルアーチストがデザインした作品を取り寄せ出来るようにもなる。
[0066]
顔と同様に古代から、爪も化粧や装飾を施し、自己の内面や美しさを演出したり、健康的に見せたり、アートを施しファッションの一部として楽しんだりと、ささやかな自己表現を小さな爪の上で人々は長年行ってきた。身なりや服装と同様に、衛生や身だしなみの一貫として爪を整えることは、性別年齢にとらわれず他者に気遣いを示して見せる社会的、文化的意味合いも持つ。爪のお洒落はその人の美意識を表す特徴的なファッションとも言われており、本発明品の付け爪はより爪の機能性を高め、従来よりも安全で簡単なネイル技術をより多くの人々に提供する発明である。

符号の説明

[0067]
C1 爪
C2 接着材(もしくはジェルネイル等)
C3 本発明品の付け爪
C4 バフィングもしくはカバー剤の塗布
C5 重層構造の図
g 本発明品の台紙
あ~お 付け爪のデザインのバリエーション
1~10 自爪と付け爪の対応するサイズ
H 印刷やシール
I ラメ
J ストーン等の立体パーツ
K 顔料

請求の範囲

[請求項1]
バイオマスプラスチックを含有する合成樹脂からなる、爪の形状に添うよう形成される付け爪。
[請求項2]
 ポリ乳酸やポリアミド11,12を主原料としエラストマーを含有する請求項1記載の付け爪。
[請求項3]
ラメ、飾り、印刷が樹脂中に内包されることを特徴とする請求項1記載の付け爪。
[請求項4]
 表面を研磨してもデザイン性が損なわれ難い構造を持つ請求項1記載の付け爪。
[請求項5]
親指から小指までの爪の並びと同様に配置され、形成されていることを特徴とする請求項1記載の付け爪。
[請求項6]
素材と構造の特性により、接着剤が前記付け爪及び爪表面に広げ、双方を密着させることを特徴とする請求項1記載の付け爪を用いた施術方法。
[請求項7]
表面をバフィング加工もしくは、被膜形成成分により被覆されることを特徴とする請求項1記載の付け爪を用いた施術方法。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2020年2月14日 ( 14.02.2020 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] バイオマスプラスチックを含有する合成樹脂を含み、爪の形状に沿うよう形成される、成型された付け爪。
[2]
[補正後] ポリ乳酸、ポリアミド11又はポリアミド12を主原料とし、エラストマーを含有する、請求項1記載の付け爪。
[3]
[補正後] ラメ、飾り又は印刷が付け爪中に内包されることを特徴とする、請求項1又は2記載の付け爪。
[4]
[補正後] 表面を研磨してもデザイン性が損なわれ難い構造を持つ、請求項1~3のいずれか1項記載の付け爪。
[5]
[補正後] 親指から小指までの爪の並びと同様に配置され、形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項記載の付け爪のセット。
[6]
[補正後] 付け爪の凸面を上にして平面に配置されている、請求項1~4のいずれか1項記載の付け爪のセット。
[7]
[補正後] 付け爪の根元が枝に結合された状態で形成されている、請求項1~4のいずれか1項記載の付け爪のセット。
[8]
[追加] 接着剤を前記付け爪及び爪表面に広げ、双方を密着させることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項記載の付け爪を用いた施術方法。
[9]
[追加] 表面をバフィング加工するか、もしくは、被膜形成成分により被覆することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項記載の付け爪を用いた施術方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]